JP2002095918A - セラミックフィルターの取付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】構造の簡素化とコストの低減を図ることがで
き、フィルターエレメントの交換作業も簡便に行うこと
ができるセラミックフィルターの取付方法を提供する。 【解決手段】セラミック製のフィルターエレメント１０
の外周を金属製外被１４でキャンニングし、くぼみ部１
９を持つプレス金具１６をその外周に溶接する。一方、
くぼみ部２３を持つ支持金具２１を仕切板２０側に突設
しておき、プレス金具１６をこの支持金具２１に弾性的
に係合させることにより、フィルターエレメントを仕切
板２０に保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、集塵用のセラミッ
クフィルターを、含塵ガス室と清浄ガス室とを区画する
仕切板に取付ける方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】下水汚泥の焼却炉などから発生する高温
の排ガス中からダストを除去するために、従来から集塵
機が用いられており、特に高温の排ガスを直接処理する
ことができるセラミックフィルター集塵機が用いられて
いる。

【０００３】このようなセラミックフィルター集塵機に
おいては、セラミック製のフィルターを含塵ガス室と清
浄ガス室とを区画する仕切板のフィルター取付孔に取付
ける必要がある。そこで従来は図５に示すように、フィ
ルターエレメント１の上部に同材質のフランジ２をモル
タル等で固定し、このフランジ２の下面と仕切板３との
間にパッキン４を挟んで上方からボルト５等により圧着
する方法が採用されていた。しかしこのような従来法に
は、３つの問題があった。

【０００４】第１に、セラミック製のフィルターエレメ
ント１の外周にセラミック製のフランジ２を接着しなけ
ればならず、セラミックフィルターの製造コストが高く
なる。第２に、取り付け及びシールのためにパッキン４
やボルト５等を必要とし、取り付け構造が複雑となって
いた。第３に、フランジ２をボルト５等により圧着して
いるため、破損したフィルターエレメント１を交換した
いような場合には、多数（例えば４本）のボルト５を外
す作業から始めねばならず、１個のフィルターエレメン
ト１のみを交換するにも多くの時間と手数とを要してい
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、セラミック製のフィルターエレメン
ト外周へのフランジ接着を不要として信頼性を向上させ
るとともに、構造の簡素化とコストの低減を図ることが
でき、更にフィルターエレメントの交換作業を簡便に行
えるようにしたセラミックフィルターの取付方法を提供
するためになされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、セラミック製のフィルターエレ
メントの外周を金属製外被でキャンニングし、この金属
製外被の外周に溶接されたくぼみ部を持つプレス金具
を、仕切板側に突設された支持金具に弾性的に係合させ
ることにより、フィルターエレメントを仕切板に保持さ
せることを特徴とするものである。なお、仕切板が水平
であり、フィルターエレメントを垂直に保持させた構造
とするほか、仕切板が垂直であり、フィルターエレメン
トを水平に保持させた構造とすることもできる。更に、
仕切板を集塵機内部に複数個配置されるモジュール内の
仕切板とすることもできる。

【０００７】本発明によれば、従来のようにセラミック
製のフィルターエレメントの外周にフランジを接着する
必要がなく、プレス金具を仕切板側に突設された支持金
具に弾性的に係合させるだけで着脱できるため、構造の
簡素化とコストの低減を図ることができ、フィルターエ
レメントの交換作業も簡便に行うことができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施形態
を説明する。図１は本発明に用いられるセラミックフィ
ルターの断面図であり、１０はセラミック製のフィルタ
ーエレメントである。このフィルターエレメント自体の
構造は特に限定されるものではないが、例えばセラミッ
クハニカム構造体の軸線方向に延びる多数の貫通孔１１
の両端を、目封材１２により交互に目封じしたものを用
いることが好ましい。この構造のフィルターエレメント
１０は、肉薄の隔壁をろ過面として利用することができ
るので、体積当たりのろ過面積を非常に大きく取れる利
点がある。なおフィルターエレメント１０は円柱形であ
っても角柱形であってもよい。

【０００９】このフィルターエレメント１０の外周は、
シール用のマット１３を介して金属製外被１４でキャン
ニングされている。マット１３は耐熱性で適度の弾性を
持つセラミック繊維等からなり、金属製外被１４はステ
ンレスのような耐熱性金属よりなる。この金属製外被１
４によりフィルターエレメント１０の外周を保持するの
みでフィルターエレメント１０が脱落するおそれはない
が、念のために図示のように金属製外被１４の下端部に
例えば十文字状のクロスバー１５を設けておけば、金属
製外被１４からフィルターエレメント１０が脱落する事
故を確実に防止することができる。

【００１０】この金属製外被１４の外周には、図１(B)
に示すようにリング状のプレス金具１６が溶接されてい
る。このプレス金具１６は水平張り出し面１７の先端を
湾曲させ、この湾曲部１８の下方にくぼみ部１９を形成
したものである。一方、仕切板２０側にはこのプレス金
具１６に対応する形状に湾曲させたリング状の支持金具
２１が突設されている。図２に示すように、この支持金
具２１は仕切板２０のフィルター取付孔２２の周囲に突
設されており、プレス金具１６のくぼみ部１９が嵌まり
込むくぼみ部２３を備えている。これらの金具は互いに
嵌合するくぼみ部を備えることは必須であるが、全体の
形状は必ずしも実施形態のものに限定されない。なお、
これらのくぼみ部１９、２３の最大径と最小径との径差
は図面上では強調されているが、実際には弾性変形して
着脱することができる程度に径差を小さく設計しておく
ものとする。

【００１１】本発明ではこのように構成されたセラミッ
クフィルターを、図２に示すようにフィルター取付孔２
２の内部に挿入し、金属製外被１４の外周のプレス金具
１６を、仕切板２０側の支持金具２１の外側から被せる
ようにはめ込む。そしてプレス金具１６のくぼみ部１９
を、支持金具２１のくぼみ部２３と弾性的に係合させ
る。この結果、フィルターエレメント１０は支持金具２
１に確実に支持されるとともに、くぼみ部１９とくぼみ
部２３とが密着係合することによってダストのシールが
行なわれる。

【００１２】なお、ダストのシールはフィルターエレメ
ント１０の全周にわたって行なう必要があるので、プレ
ス金具１６及び支持金具２１はフィルターエレメント１
０の全周にわたりリング状に設ける必要がある。

【００１３】以上に説明したセラミックフィルターの取
付方法によれば、プレス金具１６を仕切板２０側に突設
された支持金具２１に弾性的に係合させるだけでセラミ
ックフィルターを着脱できるため、従来のようなパッキ
ン、ボルト等が不要となり、構造の簡素化とコストの低
減を図ることができる。また、個々のフィルターエレメ
ントの交換作業も簡便に行うことができる。

【００１４】以上の説明では、水平な仕切板２０に対し
てセラミックフィルターを上方から落とし込むように垂
直に取りつけたが、図３に示すように垂直な仕切板２０
に対してセラミックフィルターを水平に取り付けること
もできる。但しこの場合にはプレス金具１６をフィルタ
ーエレメント１０の重心位置に取り付け、重みによって
傾くことがないようにしておくことが好ましい。このよ
うな水平設置型のセラミックフィルターは、多数個を上
下方向に重ねて設置できるため、集塵機の設置スペース
を削減できる利点がある。

【００１５】なお、以上に説明した仕切板２０は、集塵
機本体の内部を含塵ガス室と清浄ガス室とに区画するた
めの仕切板とすることができるほか、図４に示すように
集塵機内部に複数個配置されるモジュール３０内の仕切
板２０とすることもできる。このようなモジュール３０
は本発明の方法により支持された複数本のセラミックフ
ィルターを備えており、含塵ガスをろ過した清浄ガスを
清浄ガス取り出し管３１に排気する。またセラミックフ
ィルターの逆洗を、各モジュール３０ごとに行なうこと
ができる利点がある。これらのモジュール３０もまた、
水平設置型とすることができる。

【００１６】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明のセラミ
ックフィルターの取付方法は、セラミック製のフィルタ
ーエレメントの金属製外被に溶接されたくぼみ部を持つ
プレス金具を、仕切板側に突設された支持金具に弾性的
に係合させることによってセラミックフィルターを仕切
板に支持させる方法である。このため、従来のようにセ
ラミック製のフィルターエレメントの外周にフランジを
接着する必要がなく、構造の簡素化とコストの低減を図
ることができ、個々のフィルターエレメントの交換作業
も簡便に行うことができる等の多くの利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】セラミックフィルターの断面図(A)及び底面図
(B)である。

【図２】セラミックフィルターの取り付け状態の断面図
である。

【図３】セラミックフィルターの水平取り付け状態の外
観図である。

【図４】モジュールを備えた集塵機の部分断面図であ
る。

【図５】従来のセラミックフィルターの取り付け状態の
断面図である。

【符号の説明】

１ 従来技術におけるフィルターエレメント、２ フラ
ンジ、３ 仕切板、４パッキン、５ ボルト、６ 水平
梁、１０ 本発明のフィルターエレメント、１１ 貫通
孔、１２ 目封材、１３ シール用のマット、１４ 金
属製外被、１５ クロスバー、１６ プレス金具、１７
水平張り出し面、１８ 垂直面、１９ くぼみ部、２
０ 仕切板、２１ 支持金具、２２ フィルター取付
孔、２３くぼみ部、３０ モジュール、３１ 清浄ガス
取り出し管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 理 愛知県名古屋市瑞穂区須田町２番56号 日 本碍子株式会社内 Ｆターム(参考） 4D058 JA38 JB06 KA01 KA03 KA06 KA13 KA15 KA23 KA27 KA29 KB05 KB11 KC32 KC35 KC39 KC52 KC54 KC65 KC66 KC81 UA25

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セラミック製のフィルターエレメントの
   外周を金属製外被でキャンニングし、この金属製外被の
   外周に溶接されたくぼみ部を持つプレス金具を、仕切板
   側に突設された支持金具に弾性的に係合させることによ
   り、フィルターエレメントを仕切板に保持させることを
   特徴とするセラミックフィルターの取付方法。
2. 【請求項２】 仕切板が水平であり、フィルターエレメ
   ントを垂直に保持させた請求項１記載のセラミックフィ
   ルターの取付方法。
3. 【請求項３】 仕切板が垂直であり、フィルターエレメ
   ントを水平に保持させた請求項１記載のセラミックフィ
   ルターの取付方法。
4. 【請求項４】 仕切板が集塵機内部に複数個配置される
   モジュール内の仕切板である請求項１〜３の何れか記載
   のセラミックフィルターの取付方法。