JP2002095901A - 凝集処理装置及び凝集処理方法 - Google Patents

凝集処理装置及び凝集処理方法

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JP2002095901A
JP2002095901A JP2000292632A JP2000292632A JP2002095901A JP 2002095901 A JP2002095901 A JP 2002095901A JP 2000292632 A JP2000292632 A JP 2000292632A JP 2000292632 A JP2000292632 A JP 2000292632A JP 2002095901 A JP2002095901 A JP 2002095901A
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treated water
tank
carbonic acid
water
solid
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JP2000292632A
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Isamu Inoue
勇 井上
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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  • Mixers With Rotating Receptacles And Mixers With Vibration Mechanisms (AREA)
  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TOC、THMFP除去率を向上するための
凝集剤増加によるスラッジ増加を防止すると共に、粗大
フロックを形成可能にして濁度除去率の悪化を防止し、
且つ、処理水のpHを酸性側から元に戻し送水管の腐食
を防止しつつ、TOC、THMFP除去率を向上する凝
集処理装置及び方法を提供する。 【解決手段】 緩速撹拌でフロックを粗大化し、この粗
大フロックで、処理水中に溶解しているTOC、THM
FPの有機成分を、炭酸によるpHの酸性処理で効果的
に吸着し、このTOC、THMFPの有機成分を吸着し
た粗大フロックを、炭酸気化防止により水面に浮上させ
ることなく、固液分離処理で固液分離させる一方で、こ
の固液分離処理の処理水のpHを、当該固液分離処理の
後段で脱炭酸として元に戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凝集処理装置及び
凝集処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】凝集処理装置としての凝集沈殿処理装置
は、例えば浄水処理システムに採用され、例えば河川水
等の原水に例えば硫酸アルミニウム(以下バン土と称
す)やポリ塩化アルミニウムクロライド(以下PACと
称す)等の無機凝集剤を加えて急速撹拌することで懸濁
質を微細フロックに形成する急速撹拌槽と、この急速撹
拌槽の処理水を、当該急速撹拌槽に比して小さい撹拌力
で緩速撹拌することで微細フロックの粗大化を図る緩速
撹拌槽と、この緩速撹拌槽の処理水を沈殿分離処理して
粗大フロックを沈殿除去し処理水を清澄水とすべく後段
に供給する沈殿分離槽と、を備える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この浄水処理システム
で、TOC(Total Organic Carbon)やTHMFP(ト
リハロメタン生成能)の除去率を向上するには、上記バ
ン土やPAC等の無機凝集剤の添加量を増加すれば良い
ことが一般的に知られているが、産業廃棄物となるスラ
ッジ(水酸化物;無機凝集剤をアルミ塩とした場合には
水酸化アルミニウム)が添加量に比例して増加するとい
う問題がある。
【0004】ここで、硫酸等を用いて凝集沈殿処理時の
pHを6.0〜6.5程度の弱酸性側で処理すれば、無
機凝集剤の添加量が同じでもTOC、THMFPの除去
率を向上することが可能であるが、濁質を捕捉したフロ
ックが粗大化せず濁度除去率が悪化すると共に、分離処
理水のpHも弱酸性になるため、ランゲリア指数がマイ
ナスとなり、上水として送水する場合には、送水管の腐
食が促進され、場合によっては赤水問題が生じる虞があ
る。
【0005】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、産業廃棄物となるスラッジの増
加、処理水に対する濁度除去率の悪化及び送水管の腐食
を防止しつつ、TOC、THMFP除去率を向上する凝
集処理装置及び凝集処理方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による凝集処理装
置は、被処理水及び凝集剤を急速撹拌し懸濁質を微細フ
ロックに形成する急速撹拌槽と、この急速撹拌槽の処理
水を、当該急速撹拌槽に比して小さい撹拌力で緩速撹拌
して微細フロックを粗大化する緩速撹拌槽と、この緩速
撹拌槽の処理水を固液分離処理する固液分離槽と、を備
える凝集処理装置において、緩速撹拌槽でフロックを粗
大化してから固液分離槽で固液分離処理する前に、pH
を酸性側に調整処理する炭酸を処理水に供給する炭酸供
給手段と、この炭酸含有処理水の固液分離槽迄の炭酸気
化を防止する炭酸気化防止手段と、を具備している。
【0007】また、本発明による凝集処理方法は、被処
理水及び凝集剤を急速撹拌して懸濁質を微細フロックに
形成し、この処理水を急速撹拌に比して小さい撹拌力で
緩速撹拌して微細フロックを粗大化し、この処理水を固
液分離処理する凝集処理方法において、緩速撹拌でフロ
ックを粗大化してから固液分離処理する前に、処理水に
炭酸を供給し当該炭酸の気化を防止してpHを酸性側に
調整処理し、この炭酸含有処理水を、固液分離処理の後
段で脱炭酸とすることを特徴としている。
【0008】このような凝集処理装置及び凝集処理方法
によれば、緩速撹拌でフロックが粗大化され、この粗大
フロックが、処理水中に溶解しているTOC、THMF
Pの有機成分を、炭酸によるpHの酸性処理で効果的に
吸着し、このTOC、THMFPの有機成分を吸着した
粗大フロックが、炭酸気化防止により水面に浮上するこ
となく、固液分離処理で固液分離される一方で、この固
液分離処理の処理水のpHが、当該固液分離処理の後段
で脱炭酸とされて元に戻される。
【0009】ここで、上記凝集処理装置の具体的な構成
としては、例えば、緩速撹拌槽は、複数段配設され、炭
酸供給手段は、2段目以降の少なくとも一つの緩速撹拌
槽が緩速撹拌する処理水に炭酸を供給する構成が挙げら
れる。これにより、炭酸含有処理水を緩速撹拌する緩速
撹拌槽より上流の緩速撹拌槽で、フロックが粗大化さ
れ、この粗大フロックを含む処理水が、これより後段の
緩速撹拌槽で炭酸によりpHが酸性側に調整処理され
る。
【0010】また、炭酸供給手段は、最終段の緩速撹拌
槽が緩速撹拌する処理水に炭酸を供給する構成である
と、フロックが、最終段より上流全ての緩速撹拌槽で、
粗大化を図る緩速撹拌を受けるため、一層粗大化され
る。
【0011】また、炭酸気化防止手段としては、具体的
には、例えば、炭酸含有処理水のその水面を大気と遮断
する遮断手段が挙げられる。これにより、簡易に炭酸の
気化が防止されることになる。
【0012】また、遮断手段は、光を非透過にして固液
分離槽を覆うと、太陽光が遮光され、藻類の成長が抑止
される。
【0013】炭酸含有処理水の脱炭酸を促進する脱炭酸
促進手段を、固液分離槽の後段に備えていると、脱炭酸
が効果的に成される。
【0014】ここで、脱炭酸促進手段としては、具体的
には、例えば、固液分離槽の処理水をエアレーションし
て脱炭酸を促進する散気装置が挙げられる。これによ
り、処理水の脱炭酸が確実に成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る凝集処理装置
及び凝集処理方法の好適な実施形態について添付図面を
参照しながら説明する。図1は、本発明による凝集沈殿
処理装置を示す構成図である。
【0016】本実施形態の凝集沈殿処理装置(凝集処理
装置)1は、浄水処理システムに採用されているもの
で、上流から下流(図示左側から右側)に向かって、急
速撹拌槽2、緩速撹拌槽3、沈殿分離槽(固液分離槽)
4及び処理水槽5をこの順に備える。
【0017】急速撹拌槽2は、被処理水供給ラインL1
を介して供給される例えば河川水等の原水(被処理水)
に、凝集剤供給ラインL2を介して供給される例えばバ
ン土やPAC等の無機凝集剤を加え撹拌翼2eを回転す
ることで急速撹拌し、主として懸濁質を微細フロックに
形成する。この急速撹拌槽2と後段の緩速撹拌槽3との
間には、急速撹拌槽2の処理水を緩速撹拌槽3に移流す
る移流領域6aが形成されている。
【0018】緩速撹拌槽3は複数段(本実施形態では4
段)並設され、移流領域6aを介して供給される処理水
を、撹拌翼3eを回転して急速撹拌槽2に比して小さい
撹拌力で緩速撹拌し、主として微細フロックの粗大化を
図る。個々の緩速撹拌槽3a〜3dは、形成されたフロ
ックを壊すことなく衝突により順次大きくすべく、上流
から下流に向かい撹拌力が順に小さく設定されている。
この緩速撹拌槽同士の間には、上流の緩速撹拌槽の処理
水を下流の緩速撹拌槽に移流する移流領域6bが各々形
成され、4段目(最終段)の緩速撹拌槽3dと後段の沈
殿分離槽4との間には、4段目の緩速撹拌槽3dの処理
水を沈殿分離槽4に移流する移流領域6cが形成されて
いる。また、この移流領域6cと沈殿分離槽4との間に
は、両者を仕切ると共に沈殿分離槽4に対する処理水の
流れを整流する整流板7aが配設されている。
【0019】沈殿分離槽4は、複数の傾斜板8を備えて
成る所謂傾斜板沈殿分離槽であり、移流領域6c、整流
板7aを介して供給される処理水を、沈殿分離処理し、
粗大フロックを沈殿除去する。この沈殿分離槽4と後段
の処理水槽5との間には、両者を仕切ると共に処理水槽
5に対する処理水の流れを整流する整流板7bが配設さ
れている。
【0020】処理水槽5は、上澄みを得るべく、沈殿分
離槽4からの処理水を越流させる越流堰9を備え、この
越流堰9を越流した処理水を貯水する。この処理水槽5
の処理水はさらに後段に供給され、例えば砂濾過器(不
図示)で濾過されて清澄水とされ、これに塩素を添加す
ることで殺菌・消毒して各家庭等に送水する構成に成さ
れている。
【0021】ここで、特に、本実施形態にあっては、4
段目の緩速撹拌槽3dに、炭酸ガスを高濃度に含有した
炭酸ガス含有液(炭酸のこと)を供給する炭酸供給ライ
ン(炭酸供給手段)L3が接続されている。
【0022】また、本実施形態にあっては、4段目の緩
速撹拌槽3dから処理水槽5の越流堰9より下流迄の範
囲に亘って、炭酸が供給されて成る処理水すなわち炭酸
含有処理水12の炭酸気化を防止すべく、炭酸含有処理
水12の水面と大気との接触を遮断するシール蓋(炭酸
気化防止手段;遮断手段)10が設置されている。
【0023】このシール蓋10は、図1及び図3(a)
に示すように、下方に突出する鍔部10aを周縁に有す
る矩形板であり、図3(b)に沈殿分離槽4を代表して
示すように、当該シール蓋10の内面と炭酸含有処理水
12との間に内部空間13を画成すると共に、その鍔部
10aが、縦横に形成されている水路11の水中に没し
所謂ウォーターシールを形成する構成に成されている。
【0024】また、4段目の緩速撹拌槽3dには、図1
に示すように、撹拌翼3eを有し回転する撹拌軸3fの
周囲を通しての内部空間13の大気開放を防止すべく、
図2に示すように、撹拌軸3fと当該撹拌軸3fを回転
自在に支持する筐体部3hとの間にウォーターシール部
3kが配設されている。このウォーターシール部3k
は、筐体部3hにおいて撹拌軸3fが貫通する貫通孔周
縁に環状に設けられて成る水溜部3iと、撹拌軸3fの
周面に環状に設けられて下方に突出し水溜部3iの水中
に没するように配設される環状の鍔部3gと、を備えて
いる。
【0025】そして、4段目の緩速撹拌槽3dから処理
水槽5の越流堰9より下流迄の範囲に亘って画成される
内部空間13(図1参照)には、処理水に供給される炭
酸が気化して炭酸ガスが充満状態とされており、所定の
炭酸ガス分圧が維持されている。
【0026】この内部空間13の炭酸ガス分圧は、上記
炭酸供給ラインL3による炭酸供給によって、処理水p
Hを約6.0〜6.5の酸性側とする炭酸ガスを溶解し
得る分圧に設定されている。すなわち、シール蓋10が
覆う範囲の炭酸含有処理水pHは、約6.0〜6.5に
維持されている。
【0027】緩速撹拌槽3dから処理水槽5の越流堰9
より下流迄の範囲に亘るシール蓋10は、沈殿分離槽4
が傾斜板沈殿分離槽とされていて傾斜板8での光が到達
する範囲に藻類が発生するため、この藻類の成長を抑止
すべく、特に沈殿分離槽4を覆う部分に、太陽光の透過
が少ない例えば緑堰色等の着色部材が採用されている。
なお、シール蓋10全体を非透過性の着色部材としても
良い。
【0028】さらに、本実施形態にあっては、処理水槽
5に、図1に示すように、炭酸含有処理水12をエアレ
ーション(散気)する散気装置(脱炭酸促進手段)14
が設置されている。この散気装置14は、越流堰9より
下流且つシール蓋10の下流側の鍔部10aよりさらに
下流側の下部に位置し、エアレーションによる旋回流に
よって炭酸含有処理水12の脱炭酸を促進する。
【0029】このように構成された凝集沈殿処理装置1
によれば、急速撹拌槽2で、原水にバン土やPAC等の
無機凝集剤が供給されて急速撹拌され、懸濁質が微細フ
ロックに形成される。なお、この急速撹拌槽2の前段
に、原水が供給される着水井を備え、この着水井の原水
に無機凝集剤を供給して、この混合水を急速撹拌槽2で
急速撹拌する場合もある。
【0030】急速撹拌槽2の処理水は、緩速撹拌槽3a
〜3cで、順に小さい撹拌力で緩速撹拌され、微細フロ
ックが徐々に粗大化されていき、3段目の緩速撹拌槽3
cの処理水は、移流領域6bを介して4段目の緩速撹拌
槽3dに供給される。この時、処理水中のフロックは、
3段目の緩速撹拌槽3c迄の緩速撹拌で十分に粗大化が
図られている。
【0031】4段目の緩速撹拌槽3dでは、この粗大フ
ロックを含む処理水に炭酸が供給されてpHが6.0〜
6.5程度の酸性側に調整処理されると共に、前段の緩
速撹拌槽3cよりさらに小さい撹拌力で緩速撹拌され
る。この炭酸によるpHの酸性処理により、粗大フロッ
クは、処理水中に溶解しているTOC、THMFPの有
機成分を効果的に吸着し、当該粗大フロックを含む炭酸
含有処理水は、沈殿分離槽4に供給される。
【0032】この4段目の緩速撹拌槽3dから沈殿分離
槽4の出口迄は、シール蓋10により炭酸の気化が防止
されているため、この間に亘って、炭酸ガスの気泡がフ
ロックに付着しての当該フロックの浮上が防止されてい
る。従って、粗大フロックは、浮上することなく、沈殿
分離槽4で沈殿分離され、一方、粗大フロックが沈殿分
離された炭酸含有処理水は、処理水槽5に供給される。
【0033】この炭酸含有処理水は、処理水槽5の越流
堰9を越流して当該処理水槽5の大気開放側に移流し、
当該大気開放側で大気と接触することで、大気中に含ま
れる炭酸ガス分圧に比例した炭酸ガス濃度近くまで脱炭
酸され、pHが上昇する。この時、当該処理水に対して
は、さらに散気装置14によりエアレーションが成され
るため、処理水中に過飽和の状態で溶解している一部の
炭酸ガスの脱炭酸が促進され、処理水pHは短時間で平
衡状態となる。この処理水pHの経時的変化を図4に示
す。図中の四角印はエアレーション無、すなわち静置の
場合の測定値、丸印はエアレーション有の場合の測定値
を示している。図4に示すように、静置の場合は、処理
水pHの上昇変化は非常に遅いが、エアレーションを施
している本実施形態の場合は、処理水pHが短時間で平
衡状態となる。
【0034】そして、この処理水槽5での脱炭酸により
pHが元に戻された処理水は、後段で濾過、殺菌・消毒
され送水管を経由して各家庭等に送水される。
【0035】このように、本実施形態においては、前段
の緩速撹拌槽3a〜3cの緩速撹拌でフロックが粗大化
され、後段の緩速撹拌槽3dにおいて、この粗大フロッ
クが、処理水中に溶解しているTOC、THMFPの有
機成分を、炭酸によるpHの酸性処理で効果的に吸着
し、このTOC、THMFPの有機成分を吸着した粗大
フロックが、シール蓋10による炭酸気化防止により水
面に浮上することなく、沈殿分離槽4の沈殿分離処理で
沈殿される一方で、この沈殿分離処理の処理水のpH
が、処理水槽5で脱炭酸とされて元に戻されるため、T
OC、THMFP除去率を向上するための凝集剤増加に
よるスラッジ増加を防止すると共に、粗大フロックを形
成可能にして濁度除去率の悪化を防止し、且つ、処理水
のpHを酸性側から元に戻し送水管の腐食を防止しつ
つ、TOC、THMFP除去率を向上するのが可能とさ
れている。
【0036】また、最終段の緩速撹拌槽3dに炭酸が供
給されるため、フロックが、最終段より上流全ての緩速
撹拌槽3a〜3cで粗大化を図る緩速撹拌を受けること
になり、一層の粗大化が図られている。従って、この一
層の粗大化が図られたフロックが、最終段の緩速撹拌槽
3dで、TOC、THMFPの有機成分を、炭酸による
pHの酸性処理でより一層効果的に吸着することにな
り、TOC、THMFP除去率を一層向上するのが可能
とされていると共に、この粗大フロックが沈殿分離処理
で沈殿されるため、濁度除去率の悪化が一層防止されて
いる。
【0037】また、炭酸含有処理水12の水面を大気と
遮断する構成が、シール蓋10とされているため、炭酸
気化が簡易に防止され、装置の低コスト化が図られてい
る。
【0038】また、このシール蓋10が着色され、藻類
の成長が抑止されているため、当該藻類の除去作業が不
要とされ、管理コストが低減されている。
【0039】また、脱炭酸をエアレーションにて促進す
る散気装置14が配設されているため、脱炭酸が効果的
且つ確実に成され、送水管の腐食防止の信頼性が一層高
められている。
【0040】以上、本発明をその実施形態に基づき具体
的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、例えば、上記実施形態においては、フロッ
クの一層の粗大化を図るべく、炭酸を最終段の緩速撹拌
槽3dに供給するようにしているが、緩速撹拌槽3が複
数段配設されている場合には、2段目以降の少なくとも
一つの緩速撹拌槽に炭酸を供給するようにしても良い。
【0041】また、炭酸を供給するのは、特に槽(緩速
撹拌槽)に限定されるものではなく、緩速撹拌槽同士の
間の移流領域6b、緩速撹拌槽3dと沈殿分離槽4との
間の移流領域6cで炭酸を供給するようにしても良い。
【0042】また、シール蓋10内の内部空間13を加
圧して炭酸の気化を防止するようにしても良い。
【0043】また、上記実施形態においては、脱炭酸促
進手段を散気装置14としているが、これに限定される
ものではなく、例えば撹拌翼等であっても良い。
【0044】また、上記実施形態においては、固液分離
槽を沈殿分離槽4としているが、例えば膜分離槽等とし
た凝集処理装置に対しても適用可能である。
【0045】また、上記実施形態においては、無機凝集
剤をアルミ塩としているが、例えば塩化第2鉄やポリ硫
化鉄等の鉄塩の無機凝集剤を用いる場合にも同様に適用
可能である。この鉄塩を用いる場合には、炭酸によりp
Hをさらに下げて5.0程度とするのが、TOC、TH
MFP除去率を向上させるのに望ましい。
【0046】さらにまた、緩速撹拌槽3を1槽とし、当
該緩速撹拌槽で、急速撹拌槽2の処理水を緩速撹拌しフ
ロックを粗大化してから炭酸を供給すると共に当該炭酸
の気化を防止してpHを酸性側に調整処理し、この炭酸
含有処理水を固液分離処理して処理水を得るようにして
も、上記実施形態と同様な効果を得ることが可能であ
る。
【0047】以下、上記実施形態の効果を確認すべく、
本発明者が実施した実施例1、比較例1、2について述
べる。
【0048】(実施例1)急速撹拌槽、緩速撹拌槽を各
々1槽用い、河川水を原水(被処理水)として急速撹拌
槽に導入すると共に当該急速撹拌槽に無機凝集剤として
のPACを25mg/L添加して急速撹拌し、この急速
撹拌槽の処理水を緩速撹拌槽で緩速撹拌してフロックを
粗大化してから、この緩速撹拌槽の処理水に炭酸を供給
することでpHを6.0程度の酸性側に調整処理して緩
速撹拌し、この炭酸含有処理水を1時間静置してその上
澄みを採取し、この採取した上澄みに対して5分間のエ
アレーションを施して脱炭酸とし、この脱炭酸処理水を
分析した。なお、炭酸ガスの水溶液1cm3に溶解する
体積(炭酸ガス溶解度)は、化学便覧基礎編(1984
年、丸善(株)改訂3版)によれば、気圧の分圧が1.
01325×105Paの時、15°Cで1.07c
3、20°Cで0.934cm3、25°Cで0.82
8cm3である。従って、炭酸ガス分圧が1.0132
5×105Paの時には、水温20°Cの水に、870
NL−CO2/m3の炭酸ガスが溶解可能であり、以下の
実験で使用する炭酸ガス含有液としては、500NL−
CO2/m3の炭酸ガスを含有する炭酸ガス含有液を採用
している。
【0049】(比較例1)実施例1と同様の河川水に無
機凝集剤としてのPACを25mg/L添加して急速撹
拌し、この時、硫酸を使用してpHを6.0程度の酸性
側に調整処理し、この急速撹拌槽の処理水を緩速撹拌槽
で緩速撹拌し、この緩速撹拌槽の処理水を1時間静置し
てその上澄みを採取して分析した。
【0050】(比較例2)硫酸によるpH調整を行わな
い以外は、比較例1と同じ条件で処理し分析した。
【0051】実施例1、比較例1、2の分析結果を原水
の分析結果と共に以下の表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】比較例1は、TOC、THMFP除去率が
最も良いが、濁度が高いという欠点があり、しかも処理
水pHが低く、溶解性アルミニウム濃度も高いという欠
点がある。比較例2は、TOC、THMFPの除去率が
最も悪い。
【0054】一方、実施例1は、TOC、THMFP除
去率が比較例1に比して若干劣るが、比較例2に比すと
数段良く、また、濁度、溶解性アルミニウム濃度に関し
ては比較例2とほぼ同等で、比較例1に比すと数段良
い。これにより、上記実施形態の効果が実証された。
【0055】さらに、以下に、本発明者が実施した実施
例2、比較例3について述べる。
【0056】(実施例2)図1に示すのと同様の凝集沈
殿処理装置(4段緩速撹拌槽)1を用い、河川水を急速
撹拌槽2に導入すると共に当該急速撹拌槽2に無機凝集
剤としてのPACを所定量添加して急速撹拌し、この急
速撹拌槽2の処理水を各段の緩速撹拌槽3a〜3dで順
次緩速撹拌し、4段目(最終段)の緩速撹拌槽3dに炭
酸を供給しpH=6.0の酸性側に調整処理して緩速撹
拌し、この4段目の緩速撹拌槽3dの炭酸含有処理水を
沈殿分離槽4で沈殿分離処理して粗大フロックを沈殿除
去し、沈殿分離槽4の処理水に、後段の処理水槽5の散
気装置14でエアレーションを施して脱炭酸とし、この
脱炭酸処理水を分析した。
【0057】急速撹拌槽2は、滞留時間を5分、撹拌強
度をG値180(1/S)とし、緩速撹拌槽3は、滞留
時間を各段15分、撹拌強度を1段目G値60(1/
S)、2段目G値40(1/S)、3段目G値20(1
/S)、4段目G値10(1/S)とした。沈殿分離槽
4は、滞留時間を40分、傾斜板8表面積負荷を0.5
m/hとした。処理水槽5は、滞留時間を10分とし
た。4段目の緩速撹拌槽3dから沈殿分離槽4の出口迄
は、上記シール蓋10を用いて炭酸含有処理水の水面と
大気とを遮断して炭酸気化を防止した。運転期間(1ヶ
月)中の流入濁度は、15mg/L以下と安定していた
ので、PACの添加量は25mg/Lの一定量とした。
【0058】(比較例3)pH調整を行わないこと、シ
ール蓋10及び散気装置14を有していないこと以外
は、比較例1と同じ条件で処理し、沈殿分離槽4での処
理水を採取して分析した。
【0059】実施例2、比較例3の分析結果を原水の分
析結果と共に以下の表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】実施例2は比較例3に比して、TOC、T
HMFP除去率が数段良く、これによっても、上記実施
形態の効果が実証された。
【0062】
【発明の効果】本発明による凝集処理装置及び凝集処理
方法は、緩速撹拌でフロックを粗大化し、この粗大フロ
ックで、処理水中に溶解しているTOC、THMFPの
有機成分を、炭酸によるpHの酸性処理で効果的に吸着
し、このTOC、THMFPの有機成分を吸着した粗大
フロックを、炭酸気化防止により水面に浮上させること
なく、固液分離処理で固液分離させる一方で、この固液
分離処理の処理水のpHを、当該固液分離処理の後段で
脱炭酸として元に戻すようにしているため、TOC、T
HMFP除去率を向上するための凝集剤増加によるスラ
ッジ増加を防止すると共に、粗大フロックを形成可能に
して濁度除去率の悪化を防止し、且つ、処理水のpHを
酸性側から元に戻し送水管の腐食を防止しつつ、TO
C、THMFP除去率を向上するのが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による凝集沈殿処理装置を示す構成図で
ある。
【図2】図1中の最終段の緩速撹拌槽での撹拌軸のシー
ル構造を示す縦断面図である。
【図3】図1中の沈殿分離槽のシール蓋を示す図であ
り、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢示図で
ある。
【図4】処理水pHの経時的変化をエアレーションの有
無で比較する線図である。
【符号の説明】
1…凝集沈殿処理装置(凝集処理装置)、2…急速撹拌
槽、3,3a〜3d…緩速撹拌槽、4…沈殿分離槽(固
液分離槽)、5…処理水槽、6a,6b,6c…移流領
域、10…シール蓋(炭酸気化防止手段;遮断手段)、
12…炭酸含有処理水、13…内部空間、14…散気装
置(脱炭酸促進手段)、L1…被処理水供給ライン、L
2…凝集剤供給ライン、L3…炭酸供給ライン(炭酸供
給手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D015 BA21 BA28 BB16 CA14 DA04 DA05 EA07 EA17 EA23 EA32 FA02 FA03 FA16 FA23 FA25 4D037 AA01 AB02 AB14 BA23 BB05 CA06 CA08 4D062 BA21 BA28 BB16 CA14 DA04 DA05 EA07 EA17 EA23 EA32 FA02 FA03 FA16 FA23 FA25 4G035 AB06 AE13 4G036 AC65

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水及び凝集剤を急速撹拌し懸濁質
    を微細フロックに形成する急速撹拌槽と、この急速撹拌
    槽の処理水を、当該急速撹拌槽に比して小さい撹拌力で
    緩速撹拌して前記微細フロックを粗大化する緩速撹拌槽
    と、この緩速撹拌槽の処理水を固液分離処理する固液分
    離槽と、を備える凝集処理装置において、 前記緩速撹拌槽でフロックを粗大化してから前記固液分
    離槽で固液分離処理する前に、pHを酸性側に調整処理
    する炭酸を処理水に供給する炭酸供給手段と、この炭酸
    含有処理水の前記固液分離槽迄の炭酸気化を防止する炭
    酸気化防止手段と、を具備する凝集処理装置。
  2. 【請求項2】 前記緩速撹拌槽は、複数段配設され、 前記炭酸供給手段は、2段目以降の少なくとも一つの緩
    速撹拌槽が緩速撹拌する処理水に前記炭酸を供給するこ
    とを特徴とする請求項1記載の凝集処理装置。
  3. 【請求項3】 前記炭酸供給手段は、最終段の緩速撹拌
    槽が緩速撹拌する処理水に前記炭酸を供給することを特
    徴とする請求項2記載の凝集処理装置。
  4. 【請求項4】 前記炭酸気化防止手段は、前記炭酸含有
    処理水のその水面を大気と遮断する遮断手段であること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の凝集処
    理装置。
  5. 【請求項5】 前記遮断手段は、光を非透過にして前記
    固液分離槽を覆うことを特徴とする請求項4記載の凝集
    処理装置。
  6. 【請求項6】 前記炭酸含有処理水の脱炭酸を促進する
    脱炭酸促進手段を、前記固液分離槽の後段に備えること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の凝集処
    理装置。
  7. 【請求項7】 前記脱炭酸促進手段は、前記固液分離槽
    の処理水をエアレーションして脱炭酸を促進する散気装
    置であることを特徴とする請求項6記載の凝集処理装
    置。
  8. 【請求項8】 被処理水及び凝集剤を急速撹拌して懸濁
    質を微細フロックに形成し、この処理水を前記急速撹拌
    に比して小さい撹拌力で緩速撹拌して前記微細フロック
    を粗大化し、この処理水を固液分離処理する凝集処理方
    法において、 前記緩速撹拌でフロックを粗大化してから前記固液分離
    処理する前に、処理水に炭酸を供給し当該炭酸の気化を
    防止してpHを酸性側に調整処理し、 この炭酸含有処理水を、前記固液分離処理の後段で脱炭
    酸とすることを特徴とする凝集処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007090266A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Kurita Water Ind Ltd 水処理方法及び装置
JP2018202330A (ja) * 2017-06-05 2018-12-27 メタウォーター株式会社 分散装置及び処理対象水の処理システム

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