JP2002093701A - 多結晶シリコン薄膜の製造方法 - Google Patents

多結晶シリコン薄膜の製造方法

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JP2002093701A JP2000276584A JP2000276584A JP2002093701A JP 2002093701 A JP2002093701 A JP 2002093701A JP 2000276584 A JP2000276584 A JP 2000276584A JP 2000276584 A JP2000276584 A JP 2000276584A JP 2002093701 A JP2002093701 A JP 2002093701A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に金属層を形成し、その上にアモルフ
ァスシリコン層を形成した後、熱処理する多結晶シリコ
ン薄膜の製造方法であって、多結晶シリコン層をより確
実に形成させることが可能な方法を提供すること。 【解決手段】 基板上にシリコンと共晶反応する金属か
らなる金属層を形成する金属層形成工程と、前記金属層
上にアモルファスシリコン層を形成して積層基板を得る
積層工程と、前記積層基板を加熱することにより、前記
アモルファスシリコン層におけるシリコンを前記金属層
中に固溶させるともに結晶化させ、前記基板と前記金属
層との間に多結晶シリコン層を形成せしめる結晶化工程
とを含む多結晶シリコン薄膜の製造方法であって、前記
金属層形成工程と前記積層工程との間に、前記金属層を
5容量%以上の酸素を含む気体に暴露する暴露工程を実
施することを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶シリコン薄
膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池を用いた太陽光発電は、現在の
エネルギー事情やそれに関連した地球温暖化の問題等を
解決できる発電手段として注目されている。発電効率を
考慮すると、太陽電池は建築物の屋根や壁に設置するこ
と好ましく、企業や研究機関において建築物に設置可能
な太陽電池の開発が進められている。このような用途に
用いられる太陽電池としては、省資源、高効率、低コス
ト、および無毒性の観点から、薄膜多結晶シリコン太陽
電池が適している。
【0003】薄膜多結晶シリコン太陽電池の製造方法と
しては、安価基板上に多結晶シリコン膜を形成し、適切
な不純物ドーピングを行って該シリコン膜にpn接合を
形成し、該シリコン膜表面に光閉じ込めのための反射防
止膜やテキスチャ構造を形成し、適切な電極を形成する
方法が一般的である。
【0004】このような薄膜多結晶シリコン太陽電池の
製造工程のうち、安価基板上に多結晶シリコン膜を形成
する工程には、一般に、プラズマ化気相成長法が採用さ
れている。しかしながら、この方法では十分な成膜速度
が得られないため生産性が悪く、また、成膜されたシリ
コン膜の結晶粒径が小さいため十分な変換効率が得られ
ず、さらに、成膜装置に係る設備費が高価である。した
がって、太陽電池のコストが高騰するという問題があ
る。
【0005】近年、基板上にアルミニウム層を形成し、
その上に真空蒸着やスパッタ法等の物理的蒸着法でアモ
ルファスシリコン層を形成したのち450〜600℃の
温度で熱処理する製膜方法が見出された(Applied Phys
ics Letters vol. 73, No. 22 (1998) pp. 3214-321
6)。この方法によれば、熱処理によりシリコンがアル
ミニウム層中に固溶し、さらに基板側に析出することに
よって見かけ上アルミニウム層とシリコン層が入れ代わ
り、且つシリコンが基板側に析出する過程で結晶化し、
結晶粒径10〜20μmの多結晶シリコン層が形成され
る。この方法は物理的蒸着法を用いるので、成膜装置に
係る設備費が廉価で、且つ成膜速度が大きく生産性が高
いという利点があり、上記問題を解決できる可能性を有
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Applie
d Physics Lettersに記載の上記方法によれば、基板と
アルミニウム層との間に多結晶シリコン層が形成される
場合と形成されない場合があり、多結晶シリコン層の形
成の再現性が低いという問題があった。
【0007】本発明は、このような技術的課題に鑑みて
なされたものであり、基板上に金属層を形成し、その上
にアモルファスシリコン層を形成した後、熱処理する多
結晶シリコン薄膜の製造方法であって、多結晶シリコン
層をより確実に形成させることが可能な方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、基板上に特定の
金属層を形成し、その金属層を酸素を特定量含有する気
体に暴露した後、アモルファスシリコン層を積層して加
熱することにより、多結晶シリコン層をより確実に形成
させることが可能であることを見出した。さらに、この
方法により、従来技術の方法では形成困難であった、粒
径が100μmを超える大結晶粒のシリコン結晶からな
る多結晶シリコン層が形成可能であることを見出し、本
発明を完成させた。
【0009】すなわち、本発明の多結晶シリコン薄膜の
製造方法は、基板上にシリコンと共晶反応する金属から
なる金属層を形成する金属層形成工程と、前記金属層上
にアモルファスシリコン層を形成して積層基板を得る積
層工程と、前記積層基板を加熱することにより、前記ア
モルファスシリコン層におけるシリコンを前記金属層中
に固溶させるともに結晶化させ、前記基板と前記金属層
との間に多結晶シリコン層を形成せしめる結晶化工程と
を含む多結晶シリコン薄膜の製造方法であって、前記金
属層形成工程と前記積層工程との間に、前記金属層を5
容量%以上の酸素を含む気体に暴露する暴露工程を実施
することを特徴とする。
【0010】本発明においては、前記暴露工程におい
て、前記金属層の少なくとも一部の表面に、前記金属の
酸化物からなる不動態膜が形成されるように、前記金属
層を前記気体に暴露することが好ましい。また、シリコ
ンと共晶反応する前記金属が、アルミニウムであること
が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の多結晶シリコン薄膜の製
造方法は、基板上にシリコンと共晶反応する金属からな
る金属層を形成する金属層形成工程と、前記金属層上に
アモルファスシリコン層を形成して積層基板を得る積層
工程と、前記積層基板を加熱することにより、前記アモ
ルファスシリコン層におけるシリコンを前記金属層中に
固溶させるともに結晶化させ、前記基板と前記金属層と
の間に多結晶シリコン層を形成せしめる結晶化工程とを
含む多結晶シリコン薄膜の製造方法であって、前記金属
層形成工程と前記積層工程との間に、前記金属層を5容
量%以上の酸素を含む気体に暴露する暴露工程を実施す
ることを特徴とする方法である。
【0012】先ず、金属層形成工程について説明する。
金属層形成工程において用いられる基板としては、シリ
コン単結晶ウエハのみならず、シリコン単結晶ウエハ上
にシリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の耐熱性皮膜が形
成された基板、耐熱性ガラス基板、ステンレス鋼板から
なる基板、アルミナ等のセラミック基板等の公知の材料
を用いることができる。
【0013】また、シリコンと共晶反応する金属として
は、アルミニウム、ニッケル、インジウム、スズ、チタ
ン等が挙げられるが、本発明においてはアルミニウムを
使用することが好ましい。これらの金属は、金属層形成
工程に続く暴露工程において、酸素を5容量%以上含む
気体に暴露されたときに酸化物からなる不動態を形成し
うる金属である。
【0014】上記基板上に、シリコンと共晶反応する上
記金属からなる金属層を形成する方法としては、真空蒸
着法、スパッタ法等、公知の物理的蒸着法を用いること
ができる。物理的蒸着法のうち、例えば真空蒸着法を用
いて金属層を形成する場合においては、1×10-2〜1
×10-5Pa(好ましくは、5×10-4〜1×10-5
a)程度の減圧下、室温〜300℃(好ましくは、室温
〜100℃)で、蒸着速度3〜30Å/s(好ましく
は、10〜25Å/s)で上記金属を蒸着することが好
ましい。また、金属層の厚さは、後に形成されるアモル
ファスシリコン層の膜厚にもよるが0.1〜3μmが好
ましく、後に形成されるアモルファスシリコン層の膜厚
と等しいことがより好ましい。
【0015】次に、暴露工程について説明する。上記の
ように、シリコンと共晶反応する上記金属からなる金属
層を基板上に形成した後、該金属層を5容量%以上の酸
素を含む気体に暴露する。ここで用いられる気体の酸素
の含有量は5〜100容量%であればよい。金属層に暴
露させる気体の酸素の含有量が5容量%未満である場合
は、多結晶シリコン層の形成の再現性を高くすることが
できない。上記気体の酸素の含有量は、5〜50容量%
であることがより好ましく、16〜35容量%であるこ
とがさらに好ましい。このような量の酸素を含有した気
体としては、空気、酸素ガス、酸素と窒素の混合ガス、
酸素と希ガス(ヘリウム、アルゴン、キセノン等)との
混合ガスを挙げることができる。本発明においては、経
済性の観点から、5容量%以上の酸素を含む気体として
空気を用いることが好ましい。
【0016】上記気体による金属層の曝露は、金属層の
少なくとも一部の表面に金属酸化物からなる不動態膜が
形成されるように行うことが好ましく、金属層の全面に
金属酸化物からなる不動態膜が形成されるように行うこ
とがより好ましい。なお、上記金属酸化物は、金属層を
構成する金属と上記気体中の酸素との反応により形成さ
れるものである。本発明において、不動態膜の厚さは1
〜10nmであることが好ましく、2〜5nmであるこ
とがより好ましい。不動態膜の厚さが1nm未満である
場合は、多結晶シリコン層形成の再現性が十分に高くな
らない傾向にある。一方、不動態膜の厚さが10nmを
超える場合は、積層工程で形成されるアモルファスシリ
コン層におけるシリコンが金属層中に固溶しづらくなる
傾向にあり、結晶化工程における加熱温度を高くした
り、加熱時間を長くする必要が生じるため経済的に好ま
しくない。
【0017】暴露工程おいては、−180〜100℃で
金属層を上記気体に暴露することが好ましく、室温〜5
0℃で暴露することがより好ましい。また、暴露時間
は、不動態膜の厚さが上記の範囲内になるような時間に
することが好ましく、通常は1秒〜12時間(好ましく
は、10秒〜2時間)が好適である。
【0018】次に、積層工程について説明する。積層工
程においては、上記気体に暴露された上記金属層上にア
モルファスシリコン層を形成して積層基板を得る。
【0019】本工程において、アモルファスシリコン層
を形成する方法としては、真空蒸着法やスパッタ法等の
物理的蒸着法やプラズマ化学気相成長法等、アモルファ
スシリコン層が形成可能な公知の方法がいずれも適用可
能である。成膜に必要な設備費を抑制することを考慮す
ると、真空蒸着法やスパッタ法等の物理的蒸着法を用い
ることが好ましい。物理的蒸着法のうち例えば真空蒸着
法によりアモルファスシリコン層を形成する場合におい
ては、2×10-3〜1×10-5Pa(好ましくは、5×
10-4〜1×10-5Pa)程度の減圧下、室温〜100
℃(好ましくは、室温)で、蒸着速度1〜20Å/s
(好ましくは、3〜10Å/s)でアモルファスシリコ
ンを蒸着することが好ましい。また、アモルファスシリ
コン層の厚さは、デバイスの作製に必要な膜厚だけ形成
することが好ましい。
【0020】本工程においてアモルファスシリコン層を
形成する場合に使用するシリコンとしては、ドーパント
の含有量が1015cm-3未満のシリコン単結晶、ホウ素
やアルミニウム等周期律表第III族の元素をドーパン
トとして1015cm-3以上含むp型シリコン、リンや砒
素等の周期律表第V族の元素ドーパントとして1015
-3以上含むn型シリコンが挙げられる。
【0021】次に、結晶化工程について説明する。結晶
化工程においては、上記積層工程で得られた積層基板を
加熱することにより、アモルファスシリコン層における
シリコンを金属層中に固溶させるともに結晶化させ、基
板と金属層との間に多結晶シリコン層を形成せしめる。
【0022】本工程において上記積層基板を加熱する温
度は特に制限されないが、450〜600℃で行うこと
が好ましく、450℃以上、シリコンとシリコンと共晶
反応する上記金属との共晶温度以下で行うことがより好
ましい。加熱温度が450℃未満である場合は、アモル
ファスシリコン層におけるシリコンを金属層へ固溶させ
る時間が長時間化する傾向にあり、600℃を超す場合
は、逆に結晶粒径が小さくなる傾向にある。
【0023】本工程における加熱により、基板と金属層
との間に形成される多結晶シリコン層の厚さは前記アモ
ルファスシリコン層の厚さによって自動的に決まる。多
結晶シリコン層を形成させるためには、加熱時間は30
分〜24時間(好ましくは、1〜2時間)行えばよい。
また、結晶化工程は、窒素、アルゴン等の不活性気体中
において常圧〜0.1Pa(好ましくは、常圧)で行う
ことが好ましい。
【0024】以上説明した方法により、暴露工程を含ま
ない方法に比較して、多結晶シリコン層をより確実に形
成させることが可能になるとともに、従来技術の方法で
は形成困難であった、粒径が100μmを超える大結晶
粒のシリコン結晶からなる多結晶シリコン層が形成可能
となる。
【0025】本発明者らはいかなる理論にも制約される
ことを望むものではないが、本発明における上記の効果
は、以下に述べるように、結晶化工程前の積層基板にお
ける金属層とアモルファスシリコン層の界面の状態に起
因するものと考えられる。
【0026】一般に、アルミニウム層にシリコンが接触
すると、その接触面ではシリコンが結晶化しやすいとい
われている。上記 Applied Physics Letters に記載の
方法によれば、アルミニウム層の上に直接シリコン層を
積層するため、アルミニウム層に接触したシリコンは結
晶化する。結晶化したシリコンはアモルファス状態のシ
リコンに比べシリコン原子間の結合力が高く、アルミニ
ウム層へ固溶させるためには、長時間または高温で加熱
してその結合を切断する必要が生じる。したがって、通
常の加熱条件(450〜600℃)でシリコンをアルミ
ニウム層に固溶させることが困難となり、多結晶シリコ
ン層の形成が不十分となる。さらに、上記 Applied Phy
sics Letters に記載の方法によれば、シリコン層の形
成条件が同一でもアルミニウム界面で結晶するシリコン
の量は必ずしも同一とはならないため、加熱によりアル
ミニウム層へ固溶するシリコンの量が変動して、多結晶
シリコン層の形成の再現性が低くなる。
【0027】一方、本発明の方法によれば、暴露工程を
実施することにより金属層とアモルファスシリコン層の
界面におけるシリコンの結晶化が抑制されるために、通
常の加熱条件(450〜600℃)でシリコンを効率的
にアルミニウム層に固溶させることができ、従来技術の
方法では形成困難であった、粒径が100μmを超える
大結晶粒のシリコン結晶からなる多結晶シリコン層を形
成可能となる。また、固溶するシリコンの量の変動も少
なくなるため、多結晶シリコン層をより確実に形成させ
ることが可能になる。
【0028】本発明の製造方法は上記工程を含む限りに
おいて、各種変形態様が可能である。例えば、上記積層
工程において用いるシリコンをp型またはn型ドーパン
トを含むものとし、結晶化工程を実施した後に、表面の
金属層をエッチング等で除去して、n型またはp型ドー
パントをイオン注入すること等により、pn接合を形成
させることができる。さらに、pn接合が形成された多
結晶シリコン層の上面に櫛形電極等を形成させ、基板の
背面に電極を蒸着する等して、太陽電池用シリコン半導
体素子を作製することができる。なお、太陽電池用シリ
コン半導体素子作成時においては、光閉じ込めのための
反射防止膜やテキスチャ構造を形成する等の公知手法を
採用することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例についてさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0030】(実施例1)図1(a)〜(d)は、本実
施例における多結晶シリコン薄膜の製造方法を示す製造
工程図である。以下、図1を参照しつつ実施例1を説明
する。シリコン単結晶ウエハ11上に厚さ1μmのシリ
コン酸化膜12が形成された基板1の上に、室温にて蒸
着速度20Å/sで、厚さ0.5μmのアルミニウム層
2を真空蒸着法(圧力:2×10-4Pa)で堆積した
(図1(a))。この後、アルミニウム層2を室温の空
気に10分間曝露し、アルミニウム層2の表面を酸化し
て厚さ3nmのアルミニウム不動態膜3を形成した(図
1(b))。次いで、ホウ素の含有量が7×1015cm
-3のシリコン単結晶を用いて、アルミニウム不動態膜3
上に、室温にて蒸着速度5Å/sで、厚さ0.5μmの
アモルファスシリコン層4を真空蒸着法(圧力:2×1
-4Pa)で堆積し、積層基板を得た(図1(c))。
この積層基板を窒素雰囲気中550℃で60分間加熱
し、アモルファスシリコン層4におけるシリコンをアル
ミニウム層2中に固溶させるともに結晶化させ、シリコ
ン酸化膜12とアルミニウム層2との間に厚さ0.5μ
mの多結晶シリコン層5を形成させ、多結晶シリコン薄
膜基板を得た(図1(d))。上記と同様の操作を10
回繰り返し、多結晶シリコン薄膜基板を合計10個作製
した。
【0031】10個の多結晶シリコン薄膜基板を用い
て、550℃で60分間加熱する前と後におけるアルミ
ニウムとシリコンの濃度を二次イオン質量分析法で分析
した。10個の多結晶シリコン薄膜基板におけるアルミ
ニウムとシリコンの濃度分布はいずれも、加熱前は図2
のようであり、加熱後は図3のようであった。すなわ
ち、加熱前は、表面層(深さ0〜0.5μm)はシリコ
ン濃度がほぼ100%、その下層(深さ0.5〜1.0
μm)ではアルミニウム濃度がほぼ100%であったの
に対して(図2)、加熱後においては、表面層(深さ0
〜0.5μm)のアルミニウム濃度がほぼ100%、そ
の下層(深さ0.5〜1.0μm)のシリコン濃度がほ
ぼ100%となった(図3)。
【0032】次に、本実施例の方法で得られた10個の
多結晶シリコン薄膜基板における、多結晶シリコン層5
のシリコン結晶粒を観察した。すなわち、表面のアルミ
ニウム層をエッチングで除去した後、多結晶シリコン層
のシリコン結晶粒を光学顕微鏡で観察した。10個の多
結晶シリコン薄膜基板における多結晶シリコン層には、
いずれも図4に示すような結晶粒径200μm以上のシ
リコン大結晶粒が形成されていた。
【0033】(比較例1)アルミニウム層を真空蒸着法
で堆積した後、空気に曝露しなかった他は、実施例1と
同様にして10個の多結晶シリコン薄膜基板を得た。さ
らに、光学顕微鏡に代えて走査型電子顕微鏡を用いた他
は実施例1と同様にして、当該基板における多結晶シリ
コン層のシリコン結晶粒を観察した。
【0034】その結果、10個の基板中、多結晶シリコ
ン層が形成されていたものは3個しかないことがわかっ
た。また、図5に示すように、多結晶シリコン層が形成
された基板における、多結晶シリコン層中のシリコン結
晶粒の粒径は、0.2〜0.5μmであり、実施例1で
得られたものに比べてシリコン結晶粒の粒径が非常に小
さいことがわかった。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板上に金属層を形成し、その上にアモルファスシリコ
ン層を形成した後、熱処理する多結晶シリコン薄膜の製
造方法であって、多結晶シリコン層をより確実に形成さ
せることが可能な方法を提供することが可能になる。ま
た、本発明の方法によれば、粒径が100μmを超える
大結晶粒のシリコン結晶からなる多結晶シリコン層を形
成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1における多結晶シリコン薄膜
の製造方法を示す製造工程図であり、(a)は、アルミ
ニウム層を備えた基板の断面図、(b)は表面を不動態
とした基板の断面図、(c)はアモルファスシリコン層
を積層した基板の断面図、(d)は多結晶シリコン層を
形成させた基板の断面図である。
【図2】二次イオン質量分析法による、実施例1におけ
る積層基板の加熱前のアルミニウムとシリコンの濃度分
布を示す図である。
【図3】二次イオン質量分析法による、実施例1におけ
る積層基板の加熱後のアルミニウムとシリコンの濃度分
布を示す図である。
【図4】実施例1で得られた多結晶シリコン薄膜基板に
おける多結晶シリコン層の光学顕微鏡写真である。
【図5】比較例1で得られた多結晶シリコン薄膜基板に
おける多結晶シリコン層の走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【符号の説明】
1…基板、2…アルミニウム層、3…アルミニウム不動
態膜、4…アモルファスシリコン層、5…多結晶シリコ
ン層、11…シリコン単結晶ウエハ、12…シリコン酸
化膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G072 AA01 AA03 BB12 BB13 GG03 HH01 JJ09 NN01 UU02 5F045 AA08 AA18 AA19 AB03 AB04 AB40 AD04 AD05 AE07 AE09 AF10 BB12 CA13 HA11 HA16 5F051 AA03 CB14 CB15 CB24 CB30 GA06 5F052 AA11 AA17 CA04 DA02 DB03 DB04 DB07 EA11 EA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にシリコンと共晶反応する金属か
    らなる金属層を形成する金属層形成工程と、前記金属層
    上にアモルファスシリコン層を形成して積層基板を得る
    積層工程と、前記積層基板を加熱することにより、前記
    アモルファスシリコン層におけるシリコンを前記金属層
    中に固溶させるともに結晶化させ、前記基板と前記金属
    層との間に多結晶シリコン層を形成せしめる結晶化工程
    とを含む多結晶シリコン薄膜の製造方法であって、 前記金属層形成工程と前記積層工程との間に、前記金属
    層を5容量%以上の酸素を含む気体に暴露する暴露工程
    を実施することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記暴露工程において、前記金属層の少
    なくとも一部の表面に、前記金属の酸化物からなる不動
    態膜が形成されるように、前記金属層を前記気体に暴露
    することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 シリコンと共晶反応する前記金属が、ア
    ルミニウムであることを特徴とする請求項1または2記
    載の方法。
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