JP2002088861A - 簡易水洗便器の洗浄ノズルの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 便器本体のボウル面に均一に洗浄水が流下す
る洗浄性能の安定した簡易水洗便器の洗浄ノズルの構造
を提供するものである。 【解決手段】 洗浄水タンク１１の洗浄水が通水管１４
を経由し、該通水管１４の端部に内挿された洗浄ノズル
１６より、便器本体１２のボウル面１２２に吐出される
簡易水洗便器１０の洗浄ノズル１６の構造であって、前
記通水管１４と洗浄ノズル１６とは管軸方向に凹凸嵌合
で位置固定され、前記筒体からなる洗浄ノズル１６は、
一端に整流壁１６３が設けられ、前記整流壁１６３に隣
接する筒体外周の下部半周部分に吐出孔１６１、１６２
が形成され、該吐出孔１６１、１６２が両側方および下
方に開口して設けられていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、簡易水洗便器の洗
浄ノズルの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、簡易水洗便器の便器本体の給水口
から吐出ノズルに至る洗浄水の給水流路は、陶器で全体
が一体成型されていた。又、洗浄ノズルの吐出口部分も
陶器製で丸い形状に成型されていた。陶器は、収縮率が
大きく又、変形も大きく、その為に洗浄ノズルの形状、
取付け位置が一定ではなく、洗浄性も一定ではなかっ
た。

【０００３】水洗便器のように洗浄水量が１０リッター
以上もあればたいした問題にならないが、簡易水洗便器
は、汲み取り便槽であるため、一回の洗浄水量が３００
〜４００ミリリッターと少量に設計されている。

【０００４】簡易水洗便器においては、汲み取り便槽方
式であるため使用水量をできるだけ削減し、多くの水量
を勢いのある有効水量とする事が重要となっている。

【０００５】一方、洗浄水の有効性を考えると洗浄ノズ
ルから吐出する洗浄水は、便器本体のボウル面の上外周
の流水棚を一部が流下しながらボウル面を洗浄し、残り
が左右の流水棚を流れて中央でぶつかりボウル面を洗浄
している。

【０００６】即ち、この洗浄水のボウル面全体への配分
が大切となっている。この洗浄水の配分は、洗浄ノズル
の形状、特に洗浄ノズル吐出孔の形状、流水棚における
洗浄ノズ吐出孔の位置等によって影響してくる。

【０００７】通水菅に洗浄ノズルを取り付けるとき、洗
浄ノズルの取付け角度にバラツキがあると便器本体のボ
ウル面の流水棚を流れる左右の洗浄水がばらついてしま
い、片面しか洗浄できない場合が発生する。

【０００８】又、洗浄水は、吐出孔の正面側と側面側へ
の開口部の断面積の配分等により水量がばらついてい
る。便器の洗浄装置として、特許第２８０４７４４号公
報に記載がある。

【０００９】上記公報では、便器の後部の上方に給水タ
ンクを配置し、給水タンクから便器の便器ボウル内に至
るように給水する給水菅を便器内部に挿通し、噴射孔を
有するノズルを給水菅の便器ボウル側に着脱自在に連結
して設け、ノズルの噴射孔が下方を向くように給水管に
対してノズルを位置決めする位置決め部を給水菅とノズ
ルに設け、陶器製の便器の出来上がり具合に関係なく、
安定よく水を供給することができ、簡易水洗用としても
用いる場合も便器ボウルのボウル面に確実に十分に水を
行き亙らせるようになされている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、洗浄ノ
ズルが陶器製で成形されていると、陶器の収縮率が大き
く形状の変形により洗浄ノズルの取付け角度が一定でな
く、洗浄性が一定でないといった問題があった。又、上
記公報の洗浄ノズルは、洗浄ノズルよりの吐出孔が一方
向の吐出とされ、便器本体内のボウル面の全体に洗浄水
が流下しないといった問題があった。

【００１１】本発明は、上記のこのような問題点に着眼
してなされたものであり、その目的は、便器本体ボウル
面に均一に洗浄水が流下する洗浄性能の安定した簡易水
洗便器の洗浄ノズルの構造を提供するものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の本発明の
簡易水洗便器の洗浄ノズルの構造は、洗浄水タンクの洗
浄水が通水管を経由し、該通水管の端部に内挿された洗
浄ノズルより、便器本体のボウル面に吐出される簡易水
洗便器の洗浄ノズルの構造であって、前記通水管と洗浄
ノズルとは管軸方向に凹凸嵌合で位置固定され、前記筒
体からなる洗浄ノズルは、一端に整流壁が設けられ、前
記整流壁に隣接する筒体外周の下部半周部分に吐出孔が
形成され、該吐出孔が両側方および下方に開口して設け
られているものである。

【００１３】請求項２記載の本発明の簡易水洗便器の洗
浄ノズルの構造は、前記吐出孔の両側方の吐出孔は、下
方の吐出孔より大きく開口されているものである。

【００１４】

【作用】請求項１記載の本発明の簡易水洗便器の洗浄ノ
ズルの構造は、前記通水管と洗浄ノズルとは管軸方向に
凹凸嵌合で位置固定され、前記筒体からなる洗浄ノズル
は、一端に整流壁が設けられ、前記整流壁に隣接する筒
体外周の下部半周部分に吐出孔が形成され、該吐出孔が
両側方および下方に開口して設けられているので、洗浄
ノズルは、凹凸嵌合で位置固定され、吐出孔がずれるこ
とがなく、一定に決められている。又、左右側面、下方
の３方向の吐出孔のより吐出される洗浄水は３方向より
便器本体のボウル面を流下し、ボウル面をまんべんなく
洗浄することができる。

【００１５】請求項２記載の本発明の簡易水洗便器の洗
浄ノズルの構造は、前記吐出孔の両側の吐出孔は、下方
の吐出孔より大きく開口されているので、両側の吐出孔
がより遠方の便器本体のボウル面を洗浄水をより多く配
分し、便器本体のボウル面を均一に洗浄することができ
る。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１は、本発明の簡易水洗便器の
通水管構造を示す断面図、図２は、本発明の簡易水洗便
器の通水管構造の詳細を示す断面図、図３は、本発明の
簡易水洗便器の洗浄ノズルを示す管軸方向の断面図、図
４は、本発明の簡易水洗便器の洗浄ノズルを示す管軸に
直交する方向の断面図、図５は、洗浄ノズルの整流壁の
別の実施例を示す断面図、図６は、洗浄ノズルの整流壁
の更に別の実施例を示す断面図である。

【００１７】図１、図２に示す様に、本発明の簡易水洗
便器１０の洗浄ノズル１６の構造は、洗浄水が洗浄水タ
ンク１１より通水管１４を経由して、該通水管１４の端
部に内挿された洗浄ノズル１６より、便器本体１２のボ
ウル面１２２に吐出されるようになされている。

【００１８】前記簡易水洗便器１０には、便器本体１２
の上部端に洗浄水を貯水する洗浄水タンク１１が設けら
れている。洗浄水タンク１１の洗浄水は、下部にサイホ
ン管１５で便器本体１２の通水管１４に連結されてい
る。

【００１９】洗浄水タンク１１内の洗浄水は、ゴム止水
体１３を持ち上げて、サイホン管１５を開口することに
より勢いよく通水管１４に導入されている。

【００２０】前記サイホン管１５の下端部は、前記洗浄
水タンク１１の下部壁面１１１外へ突き出し、前記上端
部１６の突起片１６１を突き抜けて通水管１４に内挿さ
れている。

【００２１】便器本体１２には、上部に通水管挿入部１
２７が設けられている。通水管挿入部１２７は、上部に
通水管係止孔１２１が、下部に貫通孔１２５が穿孔され
ている。

【００２２】便器本体１２の内面は、湾曲したボウル面
１２２が形成されている。ボウル面１２２の上部段に
は、洗浄水が流水する流水棚１２３が設けられている。

【００２３】流水棚１２３の下部は、洗浄水が流水し易
い湾曲したボウル面１２２が形成されている。

【００２４】通水管１４はゴム成形品で形成され、洗浄
ノズル１６と凹凸嵌合する内周の軸方向（流水方向）に
凸部が設けられている。

【００２５】洗浄水は、通水管１４先端の洗浄ノズル１
６に充満され、洗浄ノズル１６端の吐出孔１６１、１６
１、１６２から噴射して、洗浄ノズル直下及び両側のボ
ウル面１２２を流れながらボウル面１２２が洗浄されて
いる。

【００２６】前記通水管１４と洗浄ノズル１６とは管軸
方向に凹凸嵌合され、外周方向の位置が固定されように
なされている。

【００２７】図３、図４に示す様に、洗浄ノズル１６
は、樹脂成型品で成型され、通水管１４との凹凸嵌合す
る外周に凹溝１６４が設けられ、洗浄ノズル１６を通水
管１４に内挿して装着することにより通水管１４の管軸
に対する回転方向のバラツキは解消されるようになされ
ている。

【００２８】洗浄ノズル１６は、筒状端部に整流壁１６
３が設けられ、洗浄水は整流壁１６３で流れ方向が変え
られている。洗浄水は、洗浄水タンク１１のヘッド圧を
受けて通水管１４の中を通って洗浄ノズル１６に勢いよ
く流入するようになされている。

【００２９】前記筒体からなる洗浄ノズル１６は、一端
を整流壁１６３で閉塞され、前記整流壁１６３に隣接す
る筒体外周の下部半周部分に吐出孔１６１、１６１、１
６２が形成され、該吐出孔１６１、１６１、１６２は両
側面および下方に開口して設けられているものである。

【００３０】吐出孔１６１は管軸に下部半周部分の左右
対称に開口され、吐出孔１６２は、垂直に直下して設け
られている。

【００３１】吐出孔１６１、１６１は、吐出孔１６２よ
り開口断面積が大きく開口されている。そのため洗浄水
はより多く吐出孔１６１、１６１に集水され遠方に吐出
されている。

【００３２】この直進する洗浄水を便器のボウル面１２
２の上部の流水棚に沿って洗浄ノズル１６直下から前方
のボウル面１２２の至るまで均等に配分しながらボウル
面１２２の全面を洗浄している。

【００３３】そこで、洗浄ノズル１６の先端は、洗浄ノ
ズル１６径より大きな整流壁１６３を設け、整流壁１６
３に衝突した洗浄水が左右に分かれて流下するようにな
されている。

【００３４】洗浄ノズル直下の吐出孔１６２は、大量に
吐出するのを防止するため開口断面が絞られ、両側方の
吐出孔１６１、１６１は大きく開口され、流水棚１２３
に吐出される洗浄水の量を多くされている。

【００３５】これにより流水棚１２３の上を流れる洗浄
水は、流水棚１２３の外周の壁面１２４に沿って前方ま
で運ばれかつ壁面１２４に当たって途中、流水棚１２３
からボウル面１２２に流下しながらボウル面１２２が洗
浄されている。

【００３６】流水棚１２３を最後まで流れた洗浄水は、
前面中央で衝突合流し、ボウル面１２２の洗浄を行う。
尚、洗浄水は、流水棚１２３上に水平吐出されればよい
ので、吐出孔１６１、１６１、１６２は、洗浄ノズル１
６の軸芯より下方に開口されている。

【００３７】洗浄ノズルの吐出孔１６１は、両側方が開
口寸法が大きく、下位の直下の吐出孔１６２の隙間が狭
くなっているので段になっている。この段に部分の断面
抜き勾配は、金型構造上真下に型開きできるようになさ
れている。

【００３８】流水棚１２３の外周の壁面１２４には、洗
浄ノズル１６の外径よりわずかに大きい貫通孔１２５を
設けて、通水管１４に取り付けられた洗浄ノズル１６を
貫通させてある。

【００３９】洗浄ノズル１６径が小であれば流水棚１２
３の両側に洗浄水を分配するのが困難となるので、洗浄
ノズル１６の外径より充分大きな径の整流壁１６３にな
されている。

【００４０】正面の整流壁に当たった洗浄水は、ボウル
面１２２の全周に分散し吐出孔１６１、１６１、１６２
から吐出されている。

【００４１】洗浄ノズル１６の貫通孔１２５を開けるボ
ウル面１２２の外周の壁面１２４は、５０ミリほどの寸
法しかない。従って、壁面１２４の貫通孔１２５も４０
ミリ以下約３５ミリの孔径しかとれない。

【００４２】本実施例でも、孔径３５ミリで洗浄ノズル
１６の内径を２５ミリ、外径３０ミリ、整流壁径３３ミ
リ、長さ６０ミリになされている。

【００４３】洗浄ノズル１６の材質は、樹脂製としＡＢ
Ｓ、ＰＥ、ＰＰ、ポリアセタール、ＰＶＣ等の材質が用
いられている。

【００４４】洗浄ノズル１６の天井部には、整流壁を除
く軸方向全長に断面幅方向の寸法が５ミリ、深さ３ミリ
の凹溝を形成し、通水管の嵌合部内天井に凹溝に対応す
る突リブを形成して軸廻りの取付けのバラツキをなくし
ている。

【００４５】洗浄ノズル１６の側方の吐出孔１６１、１
６１は、吐出孔幅寸法が７ミリ、高さを９ミリとし、直
下の吐出孔１６２の吐出孔幅寸法は２.５ミリ、高さは
吐出孔１６１の高さを除いた洗浄ノズル下端までの寸法
となっている。

【００４６】通水管は垂直に下降してすぐ屈曲し２〜５
度程度の下り勾配で流下するように設計されている。通
水管１４の端部が外周の壁面１２４に当てられ洗浄ノズ
ルの吐出孔位置が流水棚１２３の所定の位置に配置され
るように洗浄ノズル１６が内挿されている。

【００４７】なお、本実施例では、洗浄ノズル１６がボ
ウル面１２２の流水棚１２３外周の壁面１２４の貫通孔
１２５を貫通しているので、洗浄ノズル１６から吐出し
た洗浄水の飛沫が通水管１４側に浸入するのを防止する
ため、大変やわらかいスポンジ体を通水管端部に張り付
けてられている。

【００４８】便器本体１２の流水棚１２３の外周には、
壁面１２４が形成され、壁面１２４には洗浄ノズル１６
を貫通できるように、洗浄ノズル１６外径よりわずかに
大きな貫通孔１２５を開口してあり、通水管１４の端部
１４１が流水棚壁面１２４に当接すると、洗浄ノズル１
６の吐出孔１６１位置が流水棚１２３の所定の位置に配
置されるようになされている。

【００４９】通水管１４はゴム弾性体とし、エチレンプ
ロピレンゴム、クロロプレン、天然ゴム、ＳＢＲ、ＮＢ
Ｒ等のゴム成形体で硬度は、４０度〜６０度付近がよ
い。

【００５０】尚、洗浄ノズル１６がボウル面１２２の上
部の流水棚の壁面１２４の貫通孔１２５を貫通している
ので、洗浄ノズル１６から吐出した洗浄水の飛沫が通水
管１４側に浸入するを防止するため、大変柔らかいスポ
ンジ体を通水管先端の端部当接面にはりつけて止水され
ている。

【００５１】図５は別に洗浄ノズル１６の実施例を示し
ている。図５に示す様に、洗浄ノズル１６先端上部と整
流壁１６５との接合部の空間を埋めてなだらかな凹面を
設けるようになされている。

【００５２】図６は更に別の洗浄ノズルの実施例を示し
ている。図６に示す様に、更に別の実施例の様に、整流
壁１６６の壁面を中心部が流入側に突き出した山状の突
部を設けることは、吐出水１６１、１６２の流れをよく
するために有効である。

【発明の効果】請求項１記載の本発明の簡易水洗便器の
洗浄ノズルの構造は、前記通水管と洗浄ノズルとは管軸
方向に凹凸嵌合で位置固定され、前記筒体からなる洗浄
ノズルは、一端を整流壁で閉塞され、前記整流壁に隣接
する筒体外周の下部半周部分に吐出孔が形成され、該吐
出孔は両側面および下方に連続開口して設けられている
ので、洗浄ノズルは、凹凸嵌合で位置固定され、吐出孔
がずれることがない。又、左右側面、下方の３方向の吐
出孔のより吐出される洗浄水は３方向より便器本体のボ
ウル面を流下し、ボウル面をまんべんなく洗浄すること
ができる。

【００５３】請求項２記載の本発明の簡易水洗便器の洗
浄ノズルの構造は、前記吐出孔の両側の吐出孔は、下方
の吐出孔より大きく開口されているので、両側の吐出孔
がより遠方の便器本体ボウル面を洗浄でき、便器本体ボ
ウル面を均一に洗浄することができる。

【００５４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の簡易水洗便器の通水管構造を示す断面
図である。

【図２】本発明の簡易水洗便器の通水管構造の詳細を示
す断面図である。

【図３】本発明の簡易水洗便器の洗浄ノズルを示す管軸
方向の断面図である。

【図４】本発明の簡易水洗便器の洗浄ノズルを示す管軸
に直交する方向の断面図である。

【図５】本発明の簡易水洗便器の洗浄ノズルの整流壁の
別の実施例を示す断面図である。

【図６】本発明の簡易水洗便器の洗浄ノズルの整流壁の
更に別の実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

１０ 簡易水洗便器 １１ 洗浄水タンク １１１ 下部壁面 １２ 便器本体 １２１ 通水管係止孔 １２２ ボウル面 １２３ 流水棚 １２４ 壁面 １２５ 貫通孔 １２７ 通水管挿入部 １３ ゴム止水体 １４ 通水管 １４１ 下端部 １５ サイホン管 １６ 洗浄ノズル １６１ 吐出孔 １６２ 吐出孔 １６３ 整流壁 １６４ 凹溝 １７ 洗浄ノズル １８ 洗浄ノズル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄水タンクの洗浄水が通水管を経由
   し、該通水管の端部に内挿された洗浄ノズルより、便器
   本体のボウル面に吐出される簡易水洗便器の洗浄ノズル
   の構造であって、 前記通水管と洗浄ノズルとは管軸方向に凹凸嵌合で位置
   固定され、 前記筒体からなる洗浄ノズルは、一端に整流壁が設けら
   れ、 前記整流壁に隣接する筒体外周の下部半周部分に吐出孔
   が形成され、 該吐出孔が両側方および下方に開口して設けられている
   ことを特徴とする簡易水洗便器の洗浄ノズルの構造。
2. 【請求項２】前記両側の吐出孔は、下方の吐出孔より大
   きく開口されていることを特徴とする請求項１記載の簡
   易水洗便器の洗浄ノズルの構造。