JP2002086158A - 過酸化水素含有排水の処理方法 - Google Patents

過酸化水素含有排水の処理方法

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JP2002086158A
JP2002086158A JP2000276145A JP2000276145A JP2002086158A JP 2002086158 A JP2002086158 A JP 2002086158A JP 2000276145 A JP2000276145 A JP 2000276145A JP 2000276145 A JP2000276145 A JP 2000276145A JP 2002086158 A JP2002086158 A JP 2002086158A
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wastewater
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pulp
ppm
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Hitoshi Kagawa
仁志 香川
Hideo Igarashi
英夫 五十嵐
Yukinori Kizara
幸紀 木皿
Yusuke Inatomi
裕介 稲富
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】過酸化水素含有排水を生物学的処理に影響を与
えない程度まで、安価に効率よく処理する方法を提供す
る。 【解決手段】リグノセルロース物質の過酸化水素漂白後
の過酸化水素含有排水と、古紙脱墨パルプ排水とを生物
学的処理前に混合処理し、処理排水中の過酸化水素濃度
を20ppm以下にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過酸化水素排水の処理
法に関し、更に詳しくは、漂白工程から排出される排水
の中で、生物学的処理工程において生物活性に悪影響を
与える過酸化水素漂白後の排水に含まれる過酸化水素を
分解処理する排水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リグノセルロース物質を製紙原料として
多くの用途に使用するためには、蒸解のような化学作用
によってパルプ化した後、或いはリファイナー等を用い
て機械的作用によってパルプ化した後、得られるパルプ
を漂白薬品で漂白して白色度を高める必要がある。例え
ば、クラフトパルプは包装資材のように強度を必要とす
る用途に使う場合を除いて、通常、アルカリ酸素漂白し
た後、過酸化水素の他に原子状塩素、次亜塩素酸塩、二
酸化塩素、酸素、オゾン、苛性ソーダ等の漂白剤及び漂
白助剤により漂白処理され、パルプに含まれる着色原因
物質であるリグニン等が除去された後に漂白クラフトパ
ルプとして使用されるのが一般的である。また、機械パ
ルプの漂白は、通常、過酸化水素及びハイドロサルファ
イト等の薬品を用い、1段或いは2段で漂白される。
【0003】昨今、日本国内では、ダイオキシンを発生
する恐れがある有機塩素化合物の環境への流出を防ぐ目
的で、ECF(Elemental Chorine
Free)化が進行中である。通常、塩素を用いた漂白
としては、前述の通り、原子状塩素(C)、苛性ソーダ
(E)、次亜塩素酸塩(H)、二酸化塩素(D)等が用
いられ、C−E−H−Dの4段シーケンスとするのが、
漂白コストの面から有利と言われている。また、このシ
ーケンスをECF化するためには、塩素及び次亜塩素酸
塩を他の薬品へ代替する必要があるが、塩素の代替薬品
としては、反応性が似ていて、且つ、現状の反応塔で代
用できる二酸化塩素が用いらる。また、次亜塩素酸塩の
代替としては、同様に、過酸化水素(P)が用いられて
いる。したがって、ECF化後のシーケンスとしては、
D−E−P−D或いは、D−E−D−P等が用いられ、
ECF化によって、過酸化水素の使用量が増えることか
ら、今後、クラフトパルプの製造工場においては、過酸
化水素含有排水の量が確実に増加すると思われる。
【0004】また、地球環境保護という視点から古紙の
再利用が注目され、様々な古紙が利用されるようになっ
てきているため、古紙脱墨排水の量も増加することが考
えられている。
【0005】通常、パルプ製造工場における漂白排水
は、COD値(化学的酸素要求量)、及び、BOD値
(生物化学的酸素要求量)等が高いため、清澄沈殿処
理、凝集沈殿処理、加圧浮上処理等の他に生物学的処理
方法として活性汚泥処理を行なう必要がある。しかし、
過酸化水素は、消毒剤及び殺菌剤として使用される薬品
であり、前述の排水中における過酸化水素の濃度が一定
以上に上昇すると、活性汚泥処理における生物活性を阻
害することが知られている。
【0006】過酸化水素を含む排水の処理方法として
は、通常、亜流酸ソーダ等の還元剤を用いて過酸化水素
を分解する方法が取られているが、処理コストが高価と
なる欠点がある。また、カタラーゼによる過酸化水素野
分解方法(特公平7−22752号公報、特開平9−2
53659号公報)が知られているが、カタラーゼとの
長時間の反応が必要な上に、処理設備費及び処理費用も
高価なものとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は過酸化水素排
水を安価に効率よく処理する方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明者らは、過酸化水素排水について、鋭意研究
を重ねた結果、以下の知見を得た。すなわち、リグノセ
ルロース物質の過酸化水素漂白処理時に発生する過酸化
水素含有排水に古紙脱墨パルプ排水を混合することで、
生物学的処理槽中の生物阻害をもたらす過酸化水素の濃
度を十分なレベルにまで低下させることができるという
知見を得た。
【0009】本発明は以下の発明を包括する。 (1)リグノセルロース物質の過酸化水素漂白後の過酸
化水素含有排水を生物学的処理する方法において、該生
物学的処理前に過酸化水素含有排水に古紙脱墨パルプ排
水を混合処理し、混合処理排水中の過酸化水素濃度を2
0ppm以下とすることを特徴とする過酸化水素含有排
水の処理方法である。
【0010】(2)前記過酸化水素含有排水中の過酸化
水素濃度が400ppm以下であり、且つ、前記古紙脱
墨パルプ排水中のCOD濃度が500ppm以上である
ことを特徴とする(1)記載の過酸化水素含有排水の処
理方法。
【0011】(3)前記過酸化水素含有排水への前記古
紙脱墨パルプ排水混合比率が50%以上であることを特
徴とする(1)又は(2)記載の過酸化水素含有排水の
処理方法。
【0012】(4)前記過酸化水素含有排水と古紙脱墨
パルプ排水との混合時間が5分間以上であることを特徴
とする(1)〜(3)記載の過酸化水素含有排水の処理
方法である。
【0013】(5)前記古紙脱墨パルプ排水が新聞古紙
脱墨パルプ排水である請求項1〜4記載の過酸化水素含
有排水の処理方法。
【0014】
【発明の実施の形態】なぜ古紙脱墨パルプ排水が過酸化
水素を分解するかについては、おそらく、古紙脱墨パル
プ排水には、原子間に飽和結合をもったインキ成分や樹
脂分が多く存在するため、過酸化水素と反応しやすく、
加水分解が促進するものと思われる。したがって、過酸
化水素の分解と同時に古紙脱墨パルプ排水中のCODも
低減していると考えられ、活性汚泥へのCOD負荷が低
減できる。
【0015】本発明の過酸化水素含有排水の処理方法
は、過酸化水素漂白パルプがクラフトパルプであって
も、砕木パルプやリファイナーグラウンドパルプ、及び
サーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、サルファイド
パルプ、ケミグラウンドパルプ等何れの漂白排水でも、
排水中に含まれる過酸化水素を分解することができる。
【0016】排水中の過酸化水素の濃度は、パルプの目
標白色度や漂白工程中の洗浄機等の設備によって変わる
が、通常の漂白に使用される過酸化水素の添加率は、絶
乾パルプ当たり、0.1%〜5%程度である。例えば、
通常パルプ漂白した後の排水中に残る過酸化水素量が初
期添加量の10%程度なので、対パルプ5%(MAX)
の過酸化水素を添加して、10%パルプ濃度で過酸化水
素漂白した場合を想定すると、漂白後の過酸化水素含有
排水中の過酸化水素濃度は、400ppm程度となる。
【0017】また、本発明で使用される古紙脱墨パルプ
排水は、新聞古紙、ダンボール古紙、OA古紙、雑誌古
紙、上質古紙、色上古紙、模造古紙等の何れの古紙由来
の排水でもよいが、過酸化水素の分解を促進すると考え
られるインキが多く含まれている印刷面の多い新聞古紙
由来の排水が好ましい。また、古紙脱墨パルプ製造工程
中の古紙離解工程、スクリーン工程、クリーナー工程、
漂白工程、フローテーション工程、洗浄・脱水工程等の
何れの工程から発生した排水でもよいが、過酸化水素の
分解を促進すると考えられるインキ由来の樹脂、溶剤、
顔料を多く含むフローテーション工程排水を含む排水が
好ましい。通常、新聞脱墨古紙パルプ化工程の各排水C
ODは、離解工程+スクリーン工程+クリーナー工程+
漂白工程のトータル排水で500〜800ppm、フロ
ーテーション工程+洗浄・脱水工程のトータル排水で約
1000ppm程度であり、フローテーションを含む工
程由来の排水CODが高い傾向がある。また、古紙パル
プ由来の排水は、CODが500ppm以下とはならな
いが、CODが500ppm以下の排水の場合、過酸化
水素含有排水に添加する割合が50%未満では、400
ppm以上の過酸化水素含有排水中の残過酸化水素の分
解が不十分になることが考えられる。
【0018】本発明において、過酸化水素含有排水と古
紙脱墨パルプ排水の混合方法は、専用の混合槽を設けて
完全に混合することが好ましいが、スタティックミキサ
ー等のインラインミキサーを用いて混合してもよいし、
排水路中及び排水管中の混合でも十分に過酸化水素は分
解する。
【0019】また、過酸化水素含有排水と古紙脱墨パル
プ排水の混合後、生物学的処理槽に入るまでの滞留時間
は、過酸化水素の分解時間を考慮すると、COD濃度が
500ppm以上の脱墨排水と過酸化水素濃度が400
ppm以下の過酸化水素含有排水であれば、5分という
時間で生物学的処理に影響を与えない濃度まで排水中の
過酸化水素を分解することが可能である。
【0020】本発明における生物学的処理は、間欠砂ろ
過処理、接触ろ床処理、散水ろ床処理等のろ過処理、接
触処理、活性汚泥処理、酸化池処理、特殊生物処理、メ
タン発酵処理等の何れにも当てはまり、パルプ工場排水
の処理としては、その排水の性質や処理量等から、一般
的に活性汚泥処理が用いられている。
【0021】パルプ工場排水の活性汚泥処理における生
物活性をみる目安としては、ATP(アデノシン三リン
酸)を測定し、生物数そのものを数える方法、BODを
測定する方法等を使用できるが、測定値の正確さと長時
間の測定時間が必要である等の理由から、通常は、CO
Dを測定する方法を用いる。通常の工場における活性汚
泥の処理効率を表すCODカット率は、排水の成分やC
ODの絶対量で多少変化するが、パルプ工程由来の排水
では、50%〜60%の数値のレベルが必要である。一
方、過酸化水素が多少(20ppmの濃度まで)存在し
ても活性処理に悪影響を与えない理由は、活性汚泥中の
微生物が、過酸化水素を分解する酵素(カタラーゼ)を
出すためと考えられている。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0023】過酸化水素濃度の測定、は、特に示さない
限り、以下の方法で行なった。過酸化水素濃度の測定 ビーカーに純水(約50ml)を入れる。 4Nの硫酸を20mlビーカーに入れる。 サンプルを25mlビーカーに入れる 1Nよう化カリウム溶液を20mlビーカーに入れ
る。 モリブデン酸アンモニウム飽和溶液を2、3滴ビーカ
ーに入れる。 N/10チオ硫酸ソーダ溶液で滴定する。 過酸化水素測定値は、以下の式にて算出した。過酸化水素濃度(g/l) =滴定量(ml)×0.00
355×(1000/25g)×F(チオ硫酸ソーダフ
ァクター)×2.09
【0024】CODカット率の測定 JIS K−0102の測定方法に準拠して行なった。
また、CODカット率は、以下の式で算出した。CODカット率(%) =((混合処理後COD)−(混
合処理前COD))/(混合処理前COD)×100
【0025】参考例1 工場設備により新聞古紙を離解→スクリーン→クリーナ
ー→漂白→フローテーション→洗浄・脱水の順で処理し
た排水(pH=9.6、COD濃度=871ppm)5
00mlと清水500mlを1lメスシリンダーで混合
し、サーフェスエアレーターを用いて、24時間瀑気処
理を行ない、処理前後のCODカット率を測定した。そ
の結果、表1に示すようにCODカット率は、58.9
%であった。
【0026】参考例2 工場設備により新聞古紙を離解→スクリーン→クリーナ
ー→漂白→フローテーション→洗浄・脱水の順で処理し
た排水(pH=9.6、COD濃度=871ppm)5
00mlと過酸化水素濃度が10ppmの水溶液500
mlを1lメスシリンダーで混合し、サーフェスエアレ
ーターを用いて、24時間瀑気処理を行ない、処理前後
のCODカット率を測定した。その結果、表1に示すよ
うにCODカット率は、58.9%であった。
【0027】参考例3 工場設備により新聞古紙を離解→スクリーン→クリーナ
ー→漂白→フローテーション→洗浄・脱水の順で処理し
た排水(pH=9.6、COD濃度=871ppm)5
00mlと過酸化水素濃度が20ppmの水溶液500
mlを1lメスシリンダーで混合し、サーフェスエアレ
ーターを用いて、24時間瀑気処理を行ない、処理前後
のCODカット率を測定した。その結果、表1に示すよ
うにCODカット率は、56.7%であった。
【0028】参考例4 工場設備により新聞古紙を離解→スクリーン→クリーナ
ー→漂白→フローテーション→洗浄・脱水の順で処理し
た排水(pH=9.6、COD濃度=871ppm)5
00mlと過酸化水素濃度が30ppmの水溶液500
mlを1lメスシリンダーで混合し、サーフェスエアレ
ーターを用いて、24時間瀑気処理を行ない、処理前後
のCODカット率を測定した。その結果、表1に示すよ
うにCODカット率は、48.2%であった。
【0029】参考例5 工場設備により新聞古紙を離解→スクリーン→クリーナ
ー→漂白→フローテーション→洗浄・脱水の順で処理し
た排水(pH=9.6、COD濃度=871ppm)5
00mlと過酸化水素濃度が40ppmの水溶液500
mlを1lメスシリンダーで混合し、サーフェスエアレ
ーターを用いて、24時間瀑気処理を行ない、処理前後
のCODカット率を測定した。その結果、表1に示すよ
うにCODカット率は、47.0%であった。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1 広葉樹チップを蒸解後、酸素漂白した工場製パルプ(カ
ッパー価=11.0)を絶乾100g用いて、過酸化水
素1.0%、苛性ソーダ1.0%を添加し、パルプ濃度
10%、温度60℃、リテンション90分の条件で処理
を行なったところ、漂白パルプの脱水搾液中の残過酸化
水素濃度は、149ppmであった。この残過酸化水素
を含む搾液500mlと工場設備により新聞古紙を離解
→スクリーン→クリーナー→漂白→フローテーション→
洗浄・脱水の順で処理した排水(pH=9.6、COD
濃度=871ppm)500mlをビーカーに入れ、ビ
ーカー中でマグネチックスターラーを用いて、回転数を
約120rpmで5分間混合したところ、5分後の過酸
化水素濃度は、9ppmに低下した。その時の水温は、
28℃であった。その後、1lメスシリンダー内で、サ
ーフェスエアレーターを用いて、24時間瀑気処理を行
ない、処理前後のCODカット率を測定した。その結
果、表2に示すようにCODカット率は、60.2%で
あった。
【0032】実施例2 広葉樹チップを蒸解後、酸素漂白した工場製パルプ(カ
ッパー価=11.0)を絶乾100g用いて、過酸化水
素1.0%、苛性ソーダ1.0%を添加し、パルプ濃度
10%、温度60℃、リテンション90分処理を行なっ
たところ、漂白パルプの脱水搾液中の残過酸化水素濃度
は、149ppmであった。この残過酸化水素を含む搾
液500mlと工場設備により新聞古紙を離解→スクリ
ーン→クリーナー→漂白→フローテーション→洗浄・脱
水の順で処理した排水(pH=9.6、COD濃度=8
71ppm)500mlをビーカーに入れ、ビーカー中
でマグネチックスターラーを用いて、回転数を約120
rpmで10分間混合し、10分後の過酸化水素濃度
は、検出されなかった。その時の水温は、28℃であっ
た。その後、1lメスシリンダー内で、サーフェスエア
レーターを用いて、24時間瀑気処理を行ない、処理前
後のCODカット率を測定した。その結果、表2に示す
ようにCODカット率は、60.1%であった。
【0033】実施例3 広葉樹チップを蒸解後、酸素漂白した工場製パルプ(カ
ッパー価=11.0)を絶乾100g用いて、過酸化水
素5.0%、苛性ソーダ1.0%を添加し、パルプ濃度
10%、温度60℃、リテンション90分処理を行なっ
たところ、漂白パルプの脱水搾液中の残過酸化水素濃度
は、397ppmであった。この残過酸化水素を含む搾
液500mlと工場設備により新聞古紙を離解→スクリ
ーン→クリーナー→漂白→フローテーション→洗浄・脱
水の順で処理した排水(pH=9.6、COD濃度=8
71ppm)500mlをビーカーに入れ、ビーカー中
でマグネチックスターラーを用いて、回転数を約120
rpmで5分間混合し、5分後の過酸化水素濃度は、1
5ppmに低下した。その時の水温は、28℃であっ
た。その後、1lメスシリンダー内で、サーフェスエア
レーターを用いて、24時間瀑気処理を行ない、処理前
後のCODカット率を測定した。その結果、表2に示す
ようにCODカット率は、60.4%であった。
【0034】実施例4 広葉樹チップを蒸解後、酸素漂白した工場製パルプ(カ
ッパー価=11.0)を絶乾100g用いて、過酸化水
素5.0%、苛性ソーダ1.0%を添加し、パルプ濃度
10%、温度60℃、リテンション90分処理を行なっ
たところ、漂白パルプの脱水搾液中の残過酸化水素濃度
は、397ppmであった。この残過酸化水素を含む搾
液500mlと工場設備により新聞古紙を離解→スクリ
ーン→クリーナー→漂白→フローテーション→洗浄・脱
水の順で処理した排水(pH=9.6、COD濃度=8
71ppm)500mlをビーカーに入れ、ビーカー中
でマグネチックスターラーを用いて、回転数を約120
rpmで10分間混合し、10分後の過酸化水素濃度
は、検出されなかった。その時の水温は、28℃であっ
た。その後、1lメスシリンダー内で、サーフェスエア
レーターを用いて、24時間瀑気処理を行ない、処理前
後のCODカット率を測定した。その結果、表2に示す
ようにCODカット率は、60.3%であった。
【0035】実施例5 広葉樹チップを蒸解後、酸素漂白した工場製パルプ(カ
ッパー価=11.0)を絶乾100g用いて、過酸化水
素5.0%、苛性ソーダ1.0%を添加し、パルプ濃度
10%、温度60℃、リテンション90分処理を行なっ
たところ、漂白パルプの脱水搾液中の残過酸化水素濃度
は、397ppmであった。この残過酸化水素を含む搾
液500mlと工場設備により新聞古紙を離解→スクリ
ーン→クリーナー→漂白→フローテーション→洗浄・脱
水の順で処理した排水(pH=9.6、COD濃度=8
71ppm)287mlにイオン交換水213mlを混
合してCOD濃度を500ppmとした排水500ml
をビーカーに入れ、ビーカー中でマグネチックスターラ
ーを用いて、回転数を約120rpmで5分間混合し、
5分後の過酸化水素濃度は、20ppmであった。その
時の水温は、27℃であった。その後、1lメスシリン
ダーで混合し、サーフェスエアレーターを用いて、24
時間瀑気処理を行ない、処理前後のCODカット率を測
定した。その結果、表2に示すようにCODカット率
は、59.7%であった。
【0036】比較例1 広葉樹チップを蒸解後、酸素漂白した工場製パルプ(カ
ッパー価=11.0)を絶乾100g用いて、過酸化水
素5.0%、苛性ソーダ1.0%を添加し、パルプ濃度
10%、温度60℃、リテンション90分処理を行なっ
たところ、漂白パルプの脱水搾液中の残過酸化水素濃度
は、397ppmであった。この残過酸化水素を含む搾
液500mlと工場設備により新聞古紙を離解→スクリ
ーン→クリーナー→漂白→フローテーション→洗浄・脱
水の順で処理した排水(pH=9.6、COD濃度=8
71ppm)500mlをビーカーに入れ、ビーカー中
でマグネチックスターラーを用いて、回転数を約120
rpmで3分間混合し、3分後の過酸化水素濃度は、5
4ppmであった。その時の水温は、28℃であった。
その後、1lメスシリンダー内で、サーフェスエアレー
ターを用いて、24時間瀑気処理を行ない、処理前後の
CODカット率を測定した。その結果、表2に示すよう
にCODカット率は、45.8%であった。
【0037】比較例2 広葉樹チップを蒸解後、酸素漂白した工場製パルプ(カ
ッパー価=11.0)を絶乾100g用いて、過酸化水
素1.0%、苛性ソーダ1.0%を添加し、パルプ濃度
10%、温度60℃、リテンション90分処理を行なっ
たところ、漂白パルプの脱水搾液中の残過酸化水素濃度
は、149ppmであった。この残過酸化水素を含む搾
液500mlと工場設備により新聞古紙を離解→スクリ
ーン→クリーナー→漂白→フローテーション→洗浄・脱
水の順で処理した排水(pH=9.6、COD濃度=8
71ppm)500mlをビーカーに入れ、ビーカー中
でマグネチックスターラーを用いて、回転数を約120
rpmで3分間混合し、3分後の過酸化水素濃度は、2
7ppmであった。その時の水温は、28℃であった。
その後、1lメスシリンダー内で、サーフェスエアレー
ターを用いて、24時間瀑気処理を行ない、処理前後の
CODカット率を測定した。その結果、表2に示すよう
にCODカット率は、48.4%であった。
【0038】比較例3 広葉樹チップを蒸解後、酸素漂白した工場製パルプ(カ
ッパー価=11.0)を絶乾100g用いて、過酸化水
素5.0%、苛性ソーダ1.0%を添加し、パルプ濃度
10%、温度60℃、リテンション90分処理を行なっ
たところ、漂白パルプの脱水搾液中の残過酸化水素濃度
は、397ppmであった。この残過酸化水素を含む搾
液500mlと工場設備により新聞古紙を離解→スクリ
ーン→クリーナー→漂白→フローテーション→洗浄・脱
水の順で処理した排水(pH=9.6、COD濃度=8
71ppm)400mlをビーカーに入れ、トータル液
量が1lになるようにイオン交換水100mlを加え、
ビーカー中でマグネチックスターラーを用いて、回転数
を約120rpmで5分間混合し、5分後の過酸化水素
濃度は、26ppmであった。その時の水温は、27℃
であった。その後、1lメスシリンダー内で、サーフェ
スエアレーターを用いて、24時間瀑気処理を行ない、
処理前後のCODカット率を測定した。その結果、表2
に示すようにCODカット率は、49.2%であった。
【0039】
【表2】
【0040】表1の参考例1〜5を見ると明らかなよう
に、新聞古紙脱墨パルプ排水量を一定とし、混合前の過
酸化水素濃度を上昇させていくと、過酸化水素濃度が2
0ppmを境界とし、瀑気処理前後のCODカット率
は、顕著に低下する。
【0041】また、表2の実施例1〜4と比較例1〜3
を比較することから明らかなように、過酸化水素含有排
水と古紙脱墨パルプ排水を混合することにより、混合処
理後の過酸化水素濃度が低減し、処理時間が5分間未満
の場合、過酸化水素濃度は、20ppm以上となり、活
性汚泥に悪影響を及ぼし、また、過酸化水素含有排水と
古紙脱墨パルプ排水の混合比率のうち、古紙脱墨パルプ
排水の比率が、50%未満では、過酸化水素濃度を20
ppm以下にすることができず、やはり活性汚泥に悪影
響を及ぼす。更に実施例5をみると明らかなように過酸
化水素含有排水と古紙脱墨パルプ排水の混合比率50%
で、古紙脱墨パルプ排水のCOD濃度が500ppm
で、且つ、過酸化水素濃度が397ppmの場合、過酸
化水素濃度は、生物処理に影響をあたえる境界の20p
pmであることから、前記排水の混合比率が、各々50
%の場合、古紙脱墨パルプ排水のCOD濃度が500p
pmより低いと過酸化水素濃度を20ppm以下にでき
ないし、過酸化水素含有排水中の過酸化水素濃度が40
0ppmより高ければ、やはり過酸化水素濃度を20p
pm以下にできない。
【0042】
【発明の効果】本発明の過酸化水素含有排水の処理方法
に関し、過酸化水素含有排水に、古紙脱墨パルプ排水を
混合処理することにより、容易に活性汚泥へ悪影響を与
えないレベルの濃度まで過酸化水素濃度を低減させるる
ことが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲富 裕介 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 Fターム(参考) 4D028 AB00 CC01 CD00 4D038 AA08 AB26 BB20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リグノセルロース物質の過酸化水素漂白後
    の過酸化水素含有排水を生物学的処理する方法におい
    て、該生物学的処理前に過酸化水素含有排水に古紙脱墨
    パルプ排水を混合処理し、混合処理排水中の過酸化水素
    濃度を20ppm以下とすることを特徴とする過酸化水
    素含有排水の処理方法。
  2. 【請求項2】前記過酸化水素含有排水中の過酸化水素濃
    度が400ppm以下であり、且つ、前記古紙脱墨パル
    プ排水中のCOD濃度が500ppm以上であることを
    特徴とする請求項1記載の過酸化水素含有排水の処理方
    法。
  3. 【請求項3】前記過酸化水素含有排水への前記古紙脱墨
    パルプ排水混合比率が50%以上であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の過酸化水素含有排水の処理方
    法。
  4. 【請求項4】前記過酸化水素含有排水と前記古紙脱墨パ
    ルプ排水との混合時間が5分間以上であることを特徴と
    する請求項1〜3記載の過酸化水素含有排水の処理方
    法。
  5. 【請求項5】前記古紙脱墨パルプ排水が新聞古紙脱墨パ
    ルプ排水である請求項1〜4記載の過酸化水素含有排水
    の処理方法。
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