JP2002080569A - 新規な置換レゾルシン酸化縮合物 - Google Patents
新規な置換レゾルシン酸化縮合物Info
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Abstract
ゾルシン酸化縮合物を提供する。 【解決手段】 一般式(I)で表わされる置換レゾルシ
ン化合物を酸化重合させて得られる置換レゾルシン酸化
縮合物。 【化1】 (式中、Q2は炭素原子数5以上の炭化水素基または炭
素原子数5以上の置換炭化水素基を表わす。Q1はQ2
と同じであるか、Q2と異なる場合は水素原子、炭素原
子数1〜9の炭化水素基、炭素原子数1〜9の置換炭化
水素基を表わす。R1〜R4は互いに独立に、水素原
子、炭素原子数1〜9の炭化水素基、炭素原子数1〜9
の置換炭化水素基、炭素原子数1〜9の炭化水素オキシ
基、炭素原子数1〜9の置換炭化水素オキシ基、アミノ
基、炭素原子数1〜9の置換アミノ基、メルカプト基、
炭素原子数1〜9の置換メルカプト基またはハロゲン原
子であり、R2とR3及び/又はR3とR4が環を形成
していてもよいが、Q1、R1、R2またはR4のいず
れか二つの基は水素原子である。)
Description
ン酸化縮合物に関する。
ンフリー・常温反応・副生成物は水だけという、環境に
優しい酸化縮合法で製造できるため、最近、特に注目さ
れるようになってきた(高分子、48、729 (1999)や化学
と工業、53巻、4号、501-505 (2000)等)。一方、炭素
原子数の大きな炭化水素基をもつ芳香族ポリマーが開発
され、ポリマーの結晶性、液晶性、粘弾性、溶解性等に
関して様々な特徴が見い出されている。Macromolecule
s, 29, 1337, (1996)には該芳香族ポリエステルが、Mac
romolecules, 27, 7754 (1994)には該ポリアニリンが記
載されている。しかし、レゾルシン誘導体の酸化縮合物
については、J. Polym. Sci. Part A,Polym. Chem. 35,
2259 (1997)に1,3-ジブトキシベンゼン酸化重合体が報
告されているだけであった。また、この重合体が結晶性
を示したという記載もなかった。
原子数5以上の置換基をもつ、結晶性レゾルシン酸化縮
合物を提供することである。
鑑み鋭意研究した結果、以下の発明により上記課題を解
決しうることを見出した。 (1)一般式(I)で表わされる置換レゾルシン化合物
を酸化重合させて得られる置換レゾルシン酸化縮合物。
素基または炭素原子数5以上の置換炭化水素基を表わ
す。Q1はQ2と同じであるか、Q2と異なる場合は水
素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基、炭素原子数1
〜9の置換炭化水素基を表わす。R1〜R4は互いに独
立に、水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基、炭素
原子数1〜9の置換炭化水素基、炭素原子数1〜9の炭
化水素オキシ基、炭素原子数1〜9の置換炭化水素オキ
シ基、アミノ基、炭素原子数1〜9の置換アミノ基、メ
ルカプト基、炭素原子数1〜9の置換メルカプト基また
はハロゲン原子であり、R2とR3及び/又はR3とR
4が環を形成していてもよいが、Q1、R1、R2また
はR4のいずれか二つの基は水素原子である。) (2)−100℃以上に5J/g以上の結晶融点を示す
ことを特徴とする(1)項記載の置換レゾルシン酸化縮
合物。
物は、一般式(I)で表わされる置換レゾルシン化合物
を酸化重合させて得られる縮合物である。上記一般式
(I)において、Q2は炭素原子数5以上の炭化水素基
または炭素原子数5以上の置換炭化水素基である。上記
一般式(I)において、Q2における炭化水素基の炭素
原子数は5以上であればよいが、好ましくは5〜100
であり、より好ましくは8〜50であり、さらに好まし
くは10〜30であり、特に好ましくは12〜22であ
る。該炭化水素基として、好ましくは脂肪族炭化水素基
であり、より好ましくはアルキル基またはシクロアルキ
ル基であり、さらに好ましくはアルキル基であり、特に
好ましくは−(CH2)n-1CH3または−CH(CH3)(CH2)n-3CH3
(ただし、nは炭素原子数を表わす。)である。上記一
般式(I)のQ2における置換炭化水素基として、好ま
しくは、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ
基、置換アミノ基等で置換された上記の炭化水素基であ
る。上記一般式(I)のQ2としては、炭化水素基が好
ましい。上記一般式(I)において、Q1はQ2と同じ
基であるか、Q2と異なる基の場合は水素原子、炭素原
子数1〜9の炭化水素基または炭素原子数1〜9の置換
炭化水素基である。上記一般式(I)におけるQ1がQ
2と異なる場合の炭素原子数1〜9の炭化水素基とし
て、好ましくは、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素
原子数3〜9のシクロアルキル基、炭素原子数7〜9の
アラルキル基または炭素原子数6〜9のアリール基であ
り、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、
iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘ
キシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、
ベンジル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルエチ
ル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチル
フェニル基等が挙げられる。
なる場合の炭素原子数1〜9の置換炭化水素基として、
好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、
置換アミノ基等で置換された炭素原子数1〜9のアルキ
ル基、炭素原子数3〜9のシクロアルキル基、炭素原子
数7〜9のアラルキル基または炭素原子数6〜9のアリ
ール基であり、具体例としては、トリフルオロメチル
基、2−t−ブチルオキシエチル基、3−ジメチルアミ
ノプロピル基等が挙げられる。上記一般式(I)のQ1
としては、Q2と同じ基、炭素原子数1〜9の炭化水素
基または水素原子が好ましく、水素原子がさらに好まし
い。上記一般式(I)のR1〜R4における炭素原子数
1〜9の炭化水素基として、好ましくは、炭素原子数1
〜9のアルキル基、炭素原子数3〜9のシクロアルキル
基、炭素原子数7〜9のアラルキル基または炭素原子数
6〜9のアリール基であり、具体的にはメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチ
ル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、
シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オ
クチル基、ノニル基、ベンジル基、2−フェニルエチル
基、1−フェニルエチル基、フェニル基、4−メチルフ
ェニル基、4−エチルフェニル基等が挙げられる。
素原子数1〜9の置換炭化水素基は、好ましくは、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基等で
置換された炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数
3〜9のシクロアルキル基、炭素原子数7〜9のアラル
キル基または炭素原子数6〜9のアリール基であり、具
体例としては、トリフルオロメチル基、2−t−ブチル
オキシエチル基、3−ジメチルアミノプロピル基等が挙
げられる。
化水素オキシ基として、好ましくは、炭素原子数1〜9
のアルコキシ基、炭素原子数3〜9のシクロアルコキシ
基、炭素原子数7〜9のアラルキルオキシ基または炭素
原子数6〜9のアリールオキシ基であり、具体的にはメ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プ
ロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、t
−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキ
シ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オ
クチルオキシ基、ノニルオキシ基、ベンジルオキシ基、
2−フェニルエトキシ基、1−フェニルエトキシ基、フ
ェニルオキシ基、4−メチルフェニルオキシ基、4−エ
チルフェニルオキシ基等が挙げられる。上記一般式
(I)のR1〜R4における置換炭化水素オキシ基は、
好ましくは、ハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、
置換アミノ基等で置換された炭素原子数1〜9のアルコ
キシ基、炭素原子数3〜9シクロアルコキシ基、炭素原
子数7〜9のアラルキルオキシ基または炭素原子数6〜
9のアリールオキシ基であり、具体例としては、トリフ
ルオロメトキシ基、2−t−ブチルオキシエトキシ基、
3−ジメチルアミノプロポキシ基等が挙げられる。上記
一般式(I)のR1〜R4における炭素原子数1〜9の
置換アミノ基とは、炭素原子数1〜9の炭化水素基で置
換されたアミノ基であり、好ましくは、炭素原子数1〜
9のアルキル基、炭素原子数3〜9のシクロアルキル
基、炭素原子数7〜9のアラルキル基または炭素原子数
6〜9のアリール基で置換されたアミノ基であり、具体
的にはメチルアミノ基、ジメチルアミノ基ジエチルアミ
ノ基、ジ-n−プロピルアミノ基、ジ-iso−プロピル
アミノ基、ジ-n−ブチルアミノ基、ジ-iso−ブチル
アミノ基、ジ-t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ
基、シクロペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シク
ロヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ
基、ベンジルアミノ基、2−フェニルエチルアミノ基、
1−フェニルエチルアミノ基、フェニルアミノ基、4−
メチルフェニルアミノ基、4−エチルフェニルアミノ基
等が挙げられる。
素原子数1〜9の置換メルカプト基とは、炭素原子数1
〜9の炭化水素基で置換されたメルカプト基であり、好
ましくは、炭素原子数1〜9のアルキルメルカプト基、
炭素原子数3〜9のシクロアルキルメルカプト基、炭素
原子数7〜9のアラルキルメルカプト基または炭素原子
数6〜9のアリールメルカプト基であり、具体的にはメ
チルメルカプト基、エチルメルカプト基、n−プロピル
メルカプト基、iso−プロピルメルカプト基、n−ブ
チルメルカプト基、iso−ブチルメルカプト基、t−
ブチルメルカプト基、ペンチルメルカプト基、シクロペ
ンチルメルカプト基、ヘキシルメルカプト基、シクロヘ
キシルメルカプト基、オクチルメルカプト基、ノニルメ
ルカプト基、ベンジルメルカプト基、2−フェニルエチ
ルメルカプト基、1−フェニルエチルメルカプト基、フ
ェニルメルカプト基、4−メチルフェニルメルカプト
基、4−エチルフェニルメルカプト基等が挙げられる。
上記一般式(I)のR1〜R4におけるハロゲン原子と
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙
げられるが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子がより好
ましく、フッ素原子、塩素原子がさらに好ましい。
2とR3及び/又はR3とR4が環を形成する場合は、
5〜7員環が好ましく、R2とR3及び/又はR3とR
4が−(CH2)3−基、−(CH2)4−基または−C
H=CH−CH=CH−基として環を形成するものであ
ることがさらに好ましい。上記一般式(I)のR3とし
て、好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水
素基またはハロゲン原子である。より好ましくは、水素
原子または炭素原子数1〜9の炭化水素基であり、さら
に好ましくは、水素原子または炭素原子数1〜4の炭化
水素基であり、特に好ましくは水素原子である。上記一
般式(I)のR1、R2およびR4として、好ましく
は、水素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基またはハ
ロゲン原子である。より好ましくは、水素原子、炭素原
子数1〜9の炭化水素基であり、さらに好ましくは、水
素原子である。上記一般式(I)において、Q1、
R1、R2またはR4のいずれか二つの基は水素原子で
なければならない。本発明のポリマーにおいては、上記
一般式(I)で表される置換レゾルシン化合物を単独ま
たは混合して酸化重合することにより得てもよく、下記
一般式(II)で表されるフェノール化合物、(III)で
表されるフェノール化合物及び/又は下記一般式(IV)
で表わされるビスフェノール化合物と混合して酸化重合
することにより得てもよい。
炭素原子数1〜9の炭化水素基、炭素原子数1〜9の置
換炭化水素基、炭素原子数1〜9の炭化水素オキシ基、
アミノ基、炭素原子数1〜9の置換アミノ基、メルカプ
ト基、炭素原子数1〜9の置換メルカプト基またはハロ
ゲン原子であり、隣り合う二つのR5が環を形成してい
てもよい。R6は酸素原子、硫黄原子、二価の炭化水素
基または二価の置換炭化水素基を表わし、mは1又は0
である。)
炭化水素基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、アミ
ノ基、置換アミノ基、メルカプト基、メルカプト基また
はハロゲン原子炭化水素基の具体例は、上記一般式
(I)におけるR3のそれらと同様である。上記一般式
(II)〜(IV)のR5のうち、隣り合う二つのR5が環
を形成する場合は、5〜7員環が好ましく、隣り合う二
つのR5が−(CH2)3−基、−(CH2)4−基また
は−CH=CH−CH=CH−基として環を形成するも
のであることがさらに好ましい。上記一般式(II)〜
(IV)のR5として、好ましくは、水素原子、炭素原子
数1〜9の炭化水素基、炭素原子数1〜9の炭化水素オ
キシ基またはハロゲン原子である。より好ましくは、水
素原子、炭素原子数1〜9の炭化水素基または炭素原子
数1〜9の炭化水素オキシ基であり、さらに好ましく
は、水素原子または炭素原子数1〜9の炭化水素基であ
り、特に好ましくは水素原子または炭素原子数1〜6の
炭化水素基である。
化水素基としては、炭素原子数1〜9のアルキレン基、
炭素原子数7〜9のアラルキレン基、または炭素原子数
6〜9のアリーレン基が好ましく、具体例としては、メ
チレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、
1,1−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2,2
−プロピレン基、1,1−ブチレン基、2,2−ブチレ
ン基、3−メチル−2,2−ブチレン基、3,3−ジメ
チル−2,2−ブチレン基、1,1−ペンチレン基、3,
3−ペンチレン基、1,1−へキシレン基、1,1−ヘ
プチレン基、1,1−オクチレン基、1,1−ノニレン
基、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキ
シレン基、フェニルメチレン基、1−フェニル−1,1
−エチレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニ
レン基、1,4−フェニレン基が挙げられる。上記一般
式(IV)のR6における二価の置換炭化水素基として
は、ハロゲン原子、アルコキシ基、二置換アミノ基等で
置換された、炭素原子数1〜9のアルキレン基、炭素原
子数7〜9のアラルキレン基、または炭素原子数6〜9
のアリーレン基が好ましく、具体例としては、ヘキサフ
ルオロ−2,2−プロピレン基、ペンタフルオロフェニ
ルメチレン基、4−メトキシフェニルメチレン基、4−
ジメチルアミノフェニルメチレン基等を挙げることがで
きる。上記一般式(IV)のR6としては、酸素原子また
は二価の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜9のア
ルキレン基または炭素原子数7〜9のアラルキレン基が
より好ましく、炭素原子数1〜6のアルキレン基がさら
に好ましい。
ン化合物と、上記一般式(II)で表されるフェノール化
合物、上記一般式(III)で表されるフェノール化合物
及び/又は上記一般式(IV)で表わされるビスフェノー
ル化合物を混合して用いる場合、その混合比は目的のポ
リマーの物性を損なわない範囲で適宜定められるが、該
置換レゾルシン化合物が全フェノールモノマーに対し
て、好ましくは30モル%以上であり、より好ましくは
50モル%以上であり、さらに好ましくは80モル%以
上である(これらを以下にモノマーと呼ぶことがあ
る)。本発明の重合体は、Q1が水素原子でない場合に
は、下記の基本構造式(V)で表わされる繰り返し単位
を有する構造をもつものである。また、Q1が水素原子
の場合には、主として下記の基本構造式(VI)で表わさ
れる繰り返し単位を有する構造をもつものであるが、下
記の基本構造式(VII)で表わされる繰り返し単位を有
する構造を含んでもよい。
はないが、400〜1,000,000が好ましく、6
00〜100,000がより好ましく、700〜50,
000がさらに好ましい。本発明の重合体は、好ましく
は、−100℃以上に5J/g以上の結晶融点を示す結
晶性の重合体である。該重合体において、結晶融点は以
下のようにして測定する。すなわち、示差走査熱量分析
をアルゴン雰囲気下で実施し、まず10℃/minで−1
00℃まで冷却した後、10℃/minで−100℃から
完全に溶融する温度まで昇温する。次に、再び−100
℃まで冷却した後、10℃/minで−100℃から完全
に溶融する温度まで再昇温する際に、−100℃以上に
5J/g以上の吸熱ピークがあれば、そのピークトップ
温度を結晶融点とし、そのピーク面積を結晶融解熱量と
する。結晶融点は−100℃以上300℃未満が好まし
く、−50℃以上150℃未満がより好ましく、0℃以
上150℃未満がさらに好ましく、30℃以上100℃
未満が特に好ましい。また結晶融解熱量は10J/g以
上が好ましく、20J/g以上がより好ましく、30J
/g以上がさらに好ましく、40J/g以上が特に好ま
しい。結晶化の発熱ピーク熱量の上限は通常200J/
gである。本発明の重合体は、好ましくは実質的にゲル
分を含まないものである。ゲル分のないことは、例えば
重合体1mgが1,2−ジクロロベンゼン1mlに15
0℃で溶解することで確認できる。「実質的にゲル分を
含まない」とは、重合体中に含有されるゲル分が好まし
くは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下であ
ることをいい、最も好ましくはゲル分が含有されないこ
とをいう。
を詳細に説明する。本発明の特徴は、上記一般式(I)
で表される置換レゾルシン化合物を原料の酸化重合モノ
マーに用いることによりはじめて合成しうるということ
であり、酸化重合法は、電解酸化重合法でもよいが、化
学酸化重合法が好ましい。上記一般式(I)のQ1が水
素でない場合、J. Polym. Sci. Part A, Polym.Chem. 3
5, 2259 (1997)に記載されるようにFeCl3、VOCl3、MoCl
5等の酸化剤を当量用いる方法や、Macromolecules, 29,
7645 (1996)に記載されるようなVO錯体/酸素等の触媒
を用いる方法がさらに好ましい。
触媒と酸化剤を用いる方法がさらに好ましい。触媒の例
としては、特公昭36−18692号公報、特開平10
−53649号公報、特願2000−119826号記
載の単座配位子/遷移金属錯体;特開平10−1681
79号公報、特願2000−121512号記載の二座
配位子/遷移金属錯体;特開平9−144449号公
報、特開平10−45904号公報、特開平9−324
040号公報、特許第3035559号公報、特願20
00−25621号記載の三座配位子/遷移金属錯体;
特開平8−53545号公報、特開平9−324042
号公報記載の四座または五座配位子/遷移金属錯体;特
開平9−324043号公報記載の六座以上の配位子/
遷移金属錯体;特開平9−324045号公報記載のメ
タロセン錯体;特開平8-208813号公報記載の金属微粒
子;特開平9-107984号公報記載の酸化酵素等が好まし
い。さらに好ましくは、単座配位子/遷移金属錯体、二
座配位子/遷移金属錯体、三座配位子/遷移金属錯体、
四座配位子/遷移金属錯体であり、特に好ましくは三座
配位子/遷移金属錯体である。これらの触媒の使用量
は、それぞれに記載されるフェノール化合物に対する使
用量を、前記のフェノール性出発原料に対する使用量と
して、そのまま適用できる。また、反応溶媒、反応溶媒
使用量、反応温度等の反応条件についても、それぞれに
記載された反応条件を適用できる。
ドが好ましい。酸素は不活性ガスとの混合物であっても
よく、空気でもよい。またパーオキサイドの例として
は、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイド、ジクミルパーオキサイド、過酢酸、過安息香
酸等を示すことができる。さらに好ましい酸化剤として
は、酸素または過酸化水素である。該酸化剤の使用量に
限定はないが、酸素を用いる場合はフェノールに対して
通常、0.5当量以上大過剰に使用し、パーオキサイド
を用いる場合はフェノールに対して通常、0.5〜3当
量を使用する。
独でも、また、他のポリマー及び/又は改質剤との組成
物として用いることができる。組成物のポリマー成分と
して、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、
ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル及びそれらの共
重合体等のポリオレフィン類;ポリオキシメチレン、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリ(2,6−ジメチル−
1,4−フェニレンオキサイド)、ポリ(2,5−ジメ
チル−1,4−フェニレンオキサイド)及びそれらの共
重合体等のポリエーテル類;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(エチレン−
2,6−ジナフタレート)、ポリ(4−オキシベンゾエ
ート)、ポリ(2−オキシ−6−ナフタレート)及びそ
れらの共重合体等のポリエステル類;ナイロン6、ナイ
ロン66等のポリアミド類;ポリカーボネート;ポリフ
ェニレンサルファイド;ポリサルフォン;ポリエーテル
サルフォン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリイミ
ド;ポリエーテルイミド;フェノール樹脂、尿素樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性ポリマーを挙
げることができる。組成物の改質剤成分として、具体的
には2,6−ジ−t−ブチルフェノール誘導体、2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン類等の安定剤;ポ
リハロゲン化物、リン酸エステル等の難燃剤;界面活性
剤;流動改質剤を挙げることができる。
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。 (i)モノマー合成及び分析 モノマー合成:使用したモノマーは、J. Am. Chem. So
c., 120, 12274 (1998)を参考にして合成した。 モノマーの転化率(Conv.):内部標準物質としてジフ
ェニルエーテルを含む反応混合物15mgをサンプリン
グし、濃塩酸を若干量加えて酸性とし、メタノール2g
を加え、測定サンプルとした。このサンプルを、高速液
体クロマトグラフィー(東ソー社製SC8020システ
ム、検出器:東ソー社製PD−8020、検出波長:2
78nm、カラム:YMC社製ODS−AM、展開溶
媒:メタノール/水)により分析し、ジフェニルエーテ
ルを内部標準物質として定量した。
ー1mgを1,2-ジクロロベンゼン(oDCBと略す。)1m
lに加え、150℃に加熱したときの不溶部(ゲル分と
する)の有無を観察した。 ポリマーの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(M
w):ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより
分析し、標準ポリスチレン換算値として重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定した。oDCB/140
℃条件:Polymer Laboratories社製PL-GPC210システム
(RI検出)により、Polymer Laboratories社製PLgel 10
um MIXED-B 3本をカラムとして、oDCB(2,6-ジ-t-ブチ
ル-4-メチルフェノール0.01%w/v含有)を展開溶媒とし
て、140℃で行った。
解熱量(Hm):示差走査熱量分析(MAC SCIENCE社 DS
C3200S)をアルゴン雰囲気下で実施した。まず10℃/
minで−100℃まで冷却した後、10℃/minで−10
0℃から完全に溶融する温度まで昇温する。次に、再び
−100℃まで冷却した後、10℃/minで−100℃
から再昇温する際に、−100℃以上で5J/g以上の
吸熱ピークを示す場合、そのピークトップ温度を結晶融
点(Tm)とし、そのピーク面積を結晶融解熱量(H
m)とした。このピークが見られない場合はN.D.と
した。
素を充填した2Lゴム風船を取付け、フラスコ内を酸素
に置換した。これに、Cu(Cl)2(1,4,7−トリイソプ
ロピル−1,4,7−トリアザシクロノナン)(J. Am.
Chem. Soc., 120, 8529, (1998).参照、Cu(tacn)と略
す。)0.03mmolを入れ、3-n-オクタデシロキシ
フェノール0.6mmolと、塩基として2,6-ジフェニ
ルピリジン0.3mmolをトルエン1.2gに溶解し
たものを加えた。これを40℃に保温し、激しく撹拌し
た。72時間後(モノマー転化率:98%)、濃塩酸を
加えて酸性にした後、メタノール25mlを加え、沈殿
した重合体を濾取した。メタノール10mlで3回洗浄
し、減圧乾燥した後、重合体を得た(収率:72%)。
この重合体はoDCBに完全に溶解し、分子量はMn=80
0、Mw=1600であり、またTm=43℃、Hm=47J/gと
結晶性を示した。本重合体の赤外吸収スペクトル(KBr
法)を図1に示すが、約3500cm-1のO−H伸縮振動
ピークがモノマーのそれと比較して相当減少しているこ
とから、本重合体は主にオキシフェニレン構造を有して
いることが分かった。
炭素原子数5以上の炭化水素基をもつ新規なポリマーで
あり、結晶性を発現しうる。本ポリマーは溶融成形材料
またはフィルム材料として用いられるが、特にアルキル
鎖の長いものは、ポリマーアロイ相溶化剤、側鎖結晶性
熱可塑性エラストマー、表示材料、温度センサー等への
特殊用途も期待され、その工業的意義は大きい。
す。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(I)で表わされる置換レゾルシ
ン化合物を酸化重合させて得られる置換レゾルシン酸化
縮合物。 【化1】 (式中、Q2は炭素原子数5以上の炭化水素基または炭
素原子数5以上の置換炭化水素基を表わす。Q1はQ2
と同じであるか、Q2と異なる場合は水素原子、炭素原
子数1〜9の炭化水素基、炭素原子数1〜9の置換炭化
水素基を表わす。R1〜R4は互いに独立に、水素原
子、炭素原子数1〜9の炭化水素基、炭素原子数1〜9
の置換炭化水素基、炭素原子数1〜9の炭化水素オキシ
基、炭素原子数1〜9の置換炭化水素オキシ基、アミノ
基、炭素原子数1〜9の置換アミノ基、メルカプト基、
炭素原子数1〜9の置換メルカプト基またはハロゲン原
子であり、R2とR3及び/又はR3とR4が環を形成
していてもよいが、Q1、R1、R2またはR4のいず
れか二つの基は水素原子である。) - 【請求項2】 −100℃以上に5J/g以上の結晶融
点を示すことを特徴とする請求項1記載の置換レゾルシ
ン酸化縮合物。
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