JP2002080284A - 無機多孔質体 - Google Patents

無機多孔質体

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JP2002080284A
JP2002080284A JP2000269625A JP2000269625A JP2002080284A JP 2002080284 A JP2002080284 A JP 2002080284A JP 2000269625 A JP2000269625 A JP 2000269625A JP 2000269625 A JP2000269625 A JP 2000269625A JP 2002080284 A JP2002080284 A JP 2002080284A
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inorganic porous
porous body
pores
cmol
zeolite
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JP2000269625A
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Toshihiro Hattori
敏裕 服部
Masateru Aoki
正輝 青木
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Aisin Takaoka Co Ltd
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Aisin Takaoka Co Ltd
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】孔を活かした機能を十分に発揮させつつ、陽イ
オン交換機能を十分に発揮させることのできる無機多孔
質体を提供する。 【解決手段】無機多孔質体は、種々の大きさの孔、微細
孔及び細孔を有すると共に、外周部及び各孔の周壁部に
ゼオライトPが形成されている。また、無機多孔質体に
おいて、その陽イオン交換容量が50(cmol/k
g)以上400(cmol/kg)以下、かつ、その細
孔分布のメディアン径が0.01(μm)以上15.0
0(μm)以下となるように設定されている。これによ
り、種々の大きさの孔を活かした機能が発揮され、ゼオ
ライトPの機能と、陽イオン交換容量などを所定範囲に
設定したこととにより、陽イオン交換機能が十分に発揮
されるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外周部にゼオライ
トを有してなる無機多孔質体に係り、より詳しくは、例
えば土壌改良材、水質浄化材、植物育成用資材、脱臭材
及び河川用コンクリート被覆材等に使用される無機多孔
質体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の無機多孔質体としては、
例えば特開平8−59365号公報に記載されたものが
知られている。この従来公報では、無機材料としての使
用済み鋳物砂(微紛砂)等に水を加えて造粒し、造粒に
より得られた粒状体(成形物)を所定温度で焼成(焼
結)することにより、複数の孔を有してなる無機多孔質
体(多孔質焼結体)が製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術における無機多孔質体は、複数の孔を有している
ため、それらの孔を活かした機能(例えば保水性、透水
性、通気性等)を十分に発揮できるものの、単に無機材
料を造粒して焼成した焼結体にすぎないため、その陽イ
オン交換機能(例えば保肥力、吸着力等)は十分でなか
った。そのため、この従来技術に係る無機多孔質体を土
壌改良材や水質浄化材等として用いるには、適当でなか
った。
【0004】本発明は、上述した実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、孔を活かした機能を十分に発
揮させつつ、陽イオン交換機能を十分に発揮させること
のできる無機多孔質体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明の無機多孔質体は、陽イオン
交換容量が50(cmol/kg)以上400(cmo
l/kg)以下、かつ、細孔分布のメディアン径が0.
01(μm)以上15.00(μm)以下であり、外周
部にゼオライトが形成されていることを要旨としてい
る。
【0006】ここで、陽イオン交換容量を50(cmo
l/kg)以上400(cmol/kg)以下に設定し
たのは、陽イオン交換容量が、50(cmol/kg)
未満の場合、無機多孔質体の陽イオン交換機能が十分に
発揮されないおそれがあり、400(cmol/kg)
を超える場合、無機多孔質体自身を製造することが極め
て困難となったり、無機多孔質体の形状を維持できなく
なったりするおそれがあるからである。また、無機多孔
質体の細孔分布のメディアン径を0.01(μm)以上
15.00(μm)以下と設定したのは、メディアン径
が、0.01(μm)未満の場合、無機多孔質体の孔の
機能が十分に発揮されないおそれがあり、15.00
(μm)を超える場合、無機多孔質体の表面積が小さく
なって無機多孔質体の外周部にゼオライトが十分に形成
されないおそれがあるからである。
【0007】上記請求項1に記載の発明によれば、無機
多孔質体は複数の孔を有しているため、それらの孔を活
かした機能(例えば保水性、透水性、通気性等)が十分
に発揮され、無機多孔質体の外周部に形成されたゼオラ
イトの機能と、陽イオン交換容量等を所定範囲に設定し
たこととにより、陽イオン交換機能(例えば保肥力、吸
着力等)が十分に発揮される。そのため、無機多孔質体
を土壌改良材や水質浄化材等として用いた場合でも、そ
の機能が十分に発揮されることとなる。
【0008】請求項2に記載の発明の無機多孔質体は、
二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含有した無機材料
を造粒する工程と、前記造粒により得られた粒状体を焼
成して無機多孔質原料を形成する工程と、前記無機多孔
質原料に対してアルカリ処理を行う工程とを順に実施す
ることにより、陽イオン交換容量を50(cmol/k
g)以上400(cmol/kg)以下、かつ、細孔分
布のメディアン径を0.01(μm)以上15.00
(μm)以下となるように設定すると共に、外周部にゼ
オライトを形成することを要旨としている。
【0009】上記請求項2に記載の発明によれば、請求
項1に記載の発明の作用を有してなる無機多孔質体が得
られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の無機多孔質体を
具体化した一実施の形態について説明する。なお、本実
施の形態においては、鋳鉄を鋳造する際に鋳物工場の集
塵装置から粉塵廃棄物として排出される廃砂(鋳物砂)
が無機材料(原材料)として用いられている。
【0011】廃砂は、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化ア
ルミニウム(アルミナ)及び酸化鉄等を含有している。
廃砂の成分比率を重量比で表すと、例えば、二酸化ケイ
素61.2重量%、酸化アルミニウム19.5重量%、
酸化鉄4.97重量%、酸化カルシウム1.89重量
%、酸化マグネシウム2.49重量%、その他(カーボ
ン等を含む)9.95重量%である。
【0012】さて、無機多孔質体を製造するには、以下
のようにして行う。まず、前記廃砂を転動造粒機に収容
すると共に、全体に対して10重量%〜30重量%とな
るように水を注入し、水を含んだ廃砂を混練・造粒す
る。なお、一般的に、造粒の際の粒径を小さくするに
は、造粒時間を短くすればよく、逆に粒径を大きくする
には、造粒時間を長くすればよい。本実施の形態では、
所定の大きさに造粒された粒状体が形成された。
【0013】そして、上記のように形成された粒状体を
140℃で60分間加熱保持して乾燥し、粒状体の水分
を除去する。その後、乾燥した粒状体を800℃で30
分以上焼成することにより、複数の孔を有してなる無機
多孔質原料が形成される。このように800℃で粒状体
を焼成する際に、更に空気を過剰に付与した酸化条件で
粒状体の焼成を行うようにしてもよい。この場合、無機
多孔質原料の気孔率は、空気を過剰に付与しない条件の
場合と比較して、若干大きくなる。
【0014】本実施の形態の無機多孔質原料は、Si、
Al、Fe及びO等の成分を含有した焼成体であり、そ
の粒径は0.5mm以上10mm以下の大きさである。
焼成体の粒径は、前述した0.5mm以上10mm以下
の大きさに限定されるものではないが、種々の用途に対
応させるための粒径としては、0.1mm以上30mm
以下の大きさが望ましいと考えられる。
【0015】本実施の形態に係る無機多孔質原料の強熱
減量は20%を超えている(実測値は23.5%であっ
た)。強熱減量とは、乾燥により水分を除去した後の状
態を基準として、焼成の際の高温加熱により減量した割
合を意味するものであり、本実施の形態においては、得
られた無機多孔質原料がポーラスであることを示す指標
の1つでもある。本実施の形態における強熱減量は、粒
状体を140℃で60分間加熱保持して乾燥した後、そ
の重量(W1)を計測し、更に焼成した後の重量(W
2)を計測し、それらの重量の差(W1−W2)をΔW
として、強熱減量={(ΔW/W1)×100}%に基づい
て求めた。
【0016】また、焼成後の無機多孔質原料の成分比率
は、重量比で、二酸化ケイ素63.5重量%、酸化アル
ミニウム20.3重量%、酸化鉄6.27重量%、酸化
カルシウム2.02重量%、酸化マグネシウム2.54
重量%、その他5.37重量%であった。この無機多孔
質原料の気孔率は34.8体積%であった。なお、気孔
率は、{(焼成後の無機多孔質原料の孔体積/焼成後の無
機多孔質原料の見掛け体積)×100}%に基づいて求め
た。
【0017】次に、上記のようにして得られた無機多孔
質原料に対して以下のようなアルカリ処理を行う。すな
わち、無機多孔質原料1.2kgをオートクレーブ内に
投入し、更に3Nの水酸化ナトリウム水溶液3.0kg
を前記オートクレーブ内に追加投入する。そして、オー
トクレーブ内を密閉状態となるようにセットして、オー
トクレーブ内を120℃に加熱した状態で2時間処理す
る(アルカリ処理)。更に、アルカリ処理後、過剰の水
酸化ナトリウムを除去すべく、遠心法によって水で洗浄
する。そして、水酸化ナトリウムをほぼ完全に除去した
後、風乾することにより、最終的に外周部のゼオライト
化された無機多孔質体が得られる。この無機多孔質体の
粒径は、アルカリ処理後の無機多孔質原料の粒径とほと
んど変わらなかった。なお、無機多孔質体の無数の孔
(後述する全ての孔を含む)における周壁部にも、ゼオ
ライトが形成されている。
【0018】このようにして得られた無機多孔質体は、
該外周部及び孔の周壁部にゼオライトが形成されてお
り、それら以外の部分は非ゼオライトとなっている。因
みに、上記のようにして得られた無機多孔質体を粉末状
にして、日本電子製X線回折装置を用いて粉末X線回折
測定を行った結果、回折角2θ=12.48,21.6
8,28.08,33.40等でゼオライトPの特性ピ
ークが明瞭に確認された。また、走査型電子顕微鏡(S
EM)を用いて無機多孔質体の断面構造を観察したとこ
ろ、無機多孔質体の外周部及び孔の周壁部に微小な結晶
(ゼオライトP)が確認された。
【0019】この無機多孔質体には、孔と、その孔より
も微細な微細孔と、その微細孔よりも大きく、かつ、孔
よりも小さな細孔とが無数に形成されている。すなわ
ち、無機多孔質体においては、アルカリ処理の影響を受
けずに孔がそのままの状態(大きさ)で残存したり、ア
ルカリ処理の影響を受けて、孔が大きくなったり、(孔
よりも微細な)微細孔を有してなるゼオライトPが形成
されたり、(微細孔よりも大きく、かつ、孔よりも小さ
な)細孔が無数に形成されたりしている。これらの微細
孔、細孔及び孔の大きさは、0.1ナノメートル〜20
0マイクロメートルであった。
【0020】また、無機多孔質体を水銀圧入式ポロシメ
ーターで測定したところ、その細孔分布のメディアン径
(体積基準)は、0.01μm〜15.00μmであっ
た。このメディアン径は、例えば0.05μm〜12.
00μm、0.10μm〜10.00μm、1.00μ
m〜5.00μm、0.20μm〜3.00μm等とな
るように設定することが、より好ましい。なお、細孔分
布には、細孔だけでなく、無機多孔質体の種々の孔、す
なわち孔、微細孔及び細孔の全てが含まれている。
【0021】更に、この無機多孔質体の陽イオン交換容
量を測定したところ、その陽イオン交換容量は、50
(cmol/kg)〜400(cmol/kg)であっ
た。この陽イオン交換容量は、70(cmol/kg)
〜300(cmol/kg)となるように設定すること
がより望ましく、100(cmol/kg)〜250
(cmol/kg)となるように設定することが更に望
ましい。
【0022】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に記す効果が得られるようになる。
【0023】・本実施の形態では、無機多孔質体の外周
部及び各孔の周壁部にゼオライトPを形成すると共に、
無機多孔質体に種々の大きさの孔、微細孔及び細孔を形
成することとした。このため、種々の大きさの孔を活か
した機能(例えば保水性、透水性、通気性等)を十分に
発揮させることができると共に、無機多孔質体に形成さ
れたゼオライトPの機能と、陽イオン交換容量等を所定
範囲に設定したこととにより、陽イオン交換機能(例え
ば保肥力、吸着力等)を十分に発揮させることができる
ようになる。
【0024】・本実施の形態の無機多孔質体は、保水
性、透水性、通気性、保肥力、吸着力等の機能を備えて
いるため、例えば土壌改良材、水質浄化材、植物育成用
資材及び河川用コンクリート被覆材等として使用するこ
とができる。
【0025】・本実施の形態の無機多孔質体は、無数の
種々の孔、微細孔及び細孔を有して強い吸着力を備えて
いるため、それらの孔にイオン性臭気物質(例えばアン
モニア)を吸着させて脱臭し易くすることができる。そ
のため、この無機多孔質体を脱臭材(吸着材)として使
用した場合でも、その機能を十分に発揮させることがで
きる。
【0026】・本実施の形態における無機多孔質体の製
造方法によれば、保水性、透水性、通気性、保肥力、吸
着力等の機能を備えた無機多孔質体を得ることができ
る。また、無機多孔質体の外周部にゼオライトPを形成
することで、多機能を備えてなる無機多孔質体を簡単に
得ることができるようになる。
【0027】・本実施の形態では、鋳物工場から排出さ
れる廃砂を無機材料として用いることとした。このた
め、無機材料に供される材料として廃砂の有効利用を図
ることができるため、廃砂のリサイクルが可能となる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例1及び実施例2、比較例1及
び比較例2について説明する。
【0029】(実施例1)実施例1では、前述した前記
実施の形態における無機多孔質体の製造方法に基づいて
製造した外周部等のゼオライト化された無機多孔質体を
用意した。なお、この実施例1の無機多孔質体は、乾燥
した粒状体を800℃で30分以上焼成する際に、過剰
な空気を付与しない条件で粒状体の焼成を行ったもので
ある。実施例1の無機多孔質体を水銀圧入式ポロシメー
ターで測定したところ、その細孔分布のメディアン径
(体積基準)は、0.4844μmであった。また、気
孔率は、37体積パーセントであった。
【0030】(実施例2)実施例2では、実施例1にお
ける無機多孔質体の製造方法に準じて製造した外周部等
のゼオライト化された無機多孔質体を用意した。但し、
この実施例2の無機多孔質体は、乾燥した粒状体を80
0℃で30分以上焼成する際に、更に空気を過剰に付与
した酸化条件で粒状体の焼成を行ったものである。すな
わち、実施例1と実施例2との無機多孔質体の製造方法
における相違は、無機多孔質原料を形成する際の焼成条
件が相違するだけであり、その他の部分における無機多
孔質体の製造方法は同一である。実施例2の無機多孔質
体を水銀圧入式ポロシメーターで測定したところ、その
細孔分布におけるメディアン径(体積基準)は、0.3
728μmであった。また、気孔率は、41体積パーセ
ントであった。
【0031】(比較例1)比較例1では、実施例1の無
機多孔質体の製造方法において、無機多孔質原料に対し
てアルカリ処理を行わなかったもの(無機多孔質原料の
外周部等をゼオライト化しなかったもの)、すなわち、
乾燥した粒状体を800℃で30分以上焼成する際に、
過剰な空気を付与しない条件で焼成することにより得ら
れた無機多孔質原料をそのまま無機多孔質体として用意
した。この無機多孔質原料(無機多孔質体)は、複数の
孔を有しており、それらの孔の大きさは、微細孔及び細
孔よりも大きい。比較例1の無機多孔質原料における細
孔分布のメディアン径(体積基準)は、実施例1のもの
より若干大きかった。また、気孔率は34体積パーセン
トであった。
【0032】(比較例2)比較例2では、実施例2の無
機多孔質体の製造方法において、無機多孔質原料に対し
てアルカリ処理を行わなかったもの(無機多孔質原料の
外周部等をゼオライト化しなかったもの)、すなわち、
乾燥した粒状体を800℃で30分以上焼成する際に、
更に空気を過剰に付与した酸化条件で焼成することによ
り得られた無機多孔質原料をそのまま無機多孔質体とし
て用意した。この無機多孔質原料(無機多孔質体)は、
複数の孔を有しており、それらの孔の大きさは、微細孔
及び細孔よりも大きい。比較例2の無機多孔質原料にお
ける細孔分布のメディアン径(体積基準)は、実施例2
のものより若干大きかった。また、気孔率は、35体積
パーセントであった。
【0033】ここで、前記実施の形態における効果等の
一部を確認すべく、以下に記す実験を行った。そして、
その実験結果を図1に示した。なお、実施例1及び実施
例2、並びに比較例1及び比較例2の保水性、透水性及
び通気性の機能に係る実験を行って、実施例1〜比較例
2のものは、それらの機能を十分に発揮できるというこ
とを確認している。
【0034】(陽イオン交換容量)まず、実施例1及び
実施例2、並びに比較例1及び比較例2の各サンプルを
それぞれ2g用意した。次に、試験管にサンプル2gと
酢酸アンモニウム溶液30mlとを入れ、その試験管を
振とう機にセットして15分間振とうした後、更に試験
管を遠心分離機にセットして遠心分離を3分間行った。
そして、試験管から上澄み液のみを除去し、試験管中に
残ったサンプルをエタノール20mlで洗浄した。その
後、サンプルとエタノールとを分離させて、試験からエ
タノールのみを除去した。
【0035】そして、サンプルの残った試験管に塩化カ
リウム溶液30mlを入れ、その試験管を振とう機にセ
ットして15分間振とうした後、更に試験管を遠心分離
機にセットして遠心分離を3分間行った。次に、遠心分
離後の試験管中のサンプル及び水溶液をろ過すると共
に、ろ液に所定量の蒸留水を加えて希釈した。その後、
希釈溶液にネスラー試薬を加えて着色させ、その着色溶
液中のアンモニアイオンを吸光光度分析によって定量し
て、各サンプルの陽イオン交換容量をそれぞれ求めた。
その結果を図1に示す。
【0036】図1に示されるように、実施例1(170
〔cmol/kg〕)と実施例2(180〔cmol/
kg〕)との陽イオン交換容量がほとんど同じであると
共に、比較例1(10〔cmol/kg〕)と比較例2
(10〔cmol/kg〕)との陽イオン交換容量が同
じであることから、実施例1及び実施例2の無機多孔質
体の外周部等に形成されたゼオライトPの構造は略同等
であると考えられる。加えて、実施例1及び実施例2の
細孔分布におけるメディアン径が、0.4844μm
(実施例1)、0.3728μm(実施例2)と略同等
であるため、実施例1及び実施例2の無機多孔質体の構
造も略同等であると推測される。
【0037】また、図1から理解できるように、実施例
1と比較例1、実施例2と比較例2の比較から、無機多
孔質原料をアルカリ処理して該外周部等にゼオライトP
を形成することにより、無機多孔質体の陽イオン交換容
量が増大するということがわかった。すなわち、実施例
1及び実施例2の陽イオン交換容量は、比較例1及び比
較例2の陽イオン交換容量と比較して17倍程度高くな
っており、実施例1及び実施例2の無機多孔質体は、そ
の陽イオン交換機能を十分に発揮することが可能である
ということを確認できた。
【0038】次に、特許請求の範囲の各請求項に記載さ
れないものであって、前記実施の形態等から把握される
技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
【0039】(a) 請求項2に記載の無機多孔質体に
おいて、前記無機材料に供される材料は、鋳物工場から
排出される廃砂であることを特徴とする無機多孔質体。
【0040】このように構成した場合、請求項2に記載
の発明の効果に加えて、鋳物工場から排出される廃砂を
無機材料に供される材料として有効利用できるため、廃
砂のリサイクルが可能となる。
【0041】(b) 陽イオン交換容量が70(cmo
l/kg)以上300(cmol/kg)以下、かつ、
メディアン径が0.05(μm)以上12.00(μ
m)以下であり、外周部及び孔の周壁部にゼオライトが
形成されていることを特徴とする無機多孔質体。
【0042】このように構成した場合でも、無機多孔質
体の複数の孔を活かした機能を十分に発揮させつつ、無
機多孔質体の陽イオン交換機能を十分に発揮させること
ができる。
【0043】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、無機多
孔質体の複数の孔を活かした機能を十分に発揮させつ
つ、無機多孔質体の陽イオン交換機能を十分に発揮させ
ることができる。
【0044】請求項2に記載の発明によれば、無機多孔
質体の複数の孔を活かした機能を十分に発揮させつつ、
陽イオン交換機能を十分に発揮させることの可能な無機
多孔質体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の陽イオン交換容量を測定し
た結果を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 41/85 C04B 41/85 C C09K 17/02 C09K 17/02 H 17/08 17/08 H // C09K 101:00 101:00 Fターム(参考) 2B022 BA03 BA05 BB01 2B314 PC03 PC25 4G019 LB02 4G066 AA61B AA75A BA09 BA24 BA38 CA02 CA29 DA03 DA08 EA20 FA03 FA11 FA21 FA22 FA26 4H026 AA01 AB04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽イオン交換容量が50(cmol/k
    g)以上400(cmol/kg)以下、かつ、細孔分
    布のメディアン径が0.01(μm)以上15.00
    (μm)以下であり、外周部にゼオライトが形成されて
    いることを特徴とする無機多孔質体。
  2. 【請求項2】 二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含
    有した無機材料を造粒する工程と、 前記造粒により得られた粒状体を焼成して無機多孔質原
    料を形成する工程と、 前記無機多孔質原料に対してアルカリ処理を行う工程と
    を順に実施することにより、 陽イオン交換容量を50(cmol/kg)以上400
    (cmol/kg)以下、かつ、細孔分布のメディアン
    径を0.01(μm)以上15.00(μm)以下とな
    るように設定すると共に、外周部にゼオライトを形成す
    ることを特徴とする無機多孔質体。
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