JP2002077165A - 多重化ネットワーク通信装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多重化ネットワーク（ｎ個）により物理的な
障害に対する耐障害性を有することができ、また１重化
ネットワークのｎ倍程度の帯域を提供すること 【解決手段】 ネットワークに接続された装置の全プロ
セス情報を有する装置外プロセス管理テーブル１２を各
装置に設け、送信側装置１０には送信用管理テーブル１
３と送信番号管理テーブル１４を設け、受信側装置２０
には受信用管理テーブル２３と受信用ローカルメモリ２
４を設け、送信側装置１０に存在する送信側プロセス１
１は、メッセージを送信する際に、各テーブルより情報
を取得し、特定のネットワークのみに常にメッセージを
送信するようにし、受信側装置２０に存在するネットワ
ーク受信プロセス２１は、全てのネットワーク３０から
メッセージを受信し、テーブルより情報を取得し、同一
メッセージの受信を確認し、受信側プロセス２２にメッ
セージを配信する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ローカルエリアネ
ットワーク又はワイドエリアネットワーク等の通信回線
を複数利用し、接続したコンピュータ装置において、各
装置間のメッセージ送受信を高い信頼性を維持しなが
ら、ネットワーク負荷の平準化を可能とした多重化ネッ
トワーク通信装置とこの装置を実行するためのプログラ
ムを記録した記録媒体に関する。

【０００２】

【従来の技術】ネットワークを利用したメッセージの伝
送方式の一つとして、ＴＣＰ／ＩＰを用いたものがあ
る。これはよく知られているように、１つの業務機能を
有したプロセスから送信されたメッセージを再送アルゴ
リズムなどを利用し、別の業務機能を有したプロセスに
送信するよう伝送方式である。

【０００３】また、ネットワークの多重化する場合は、
特殊なハードウェアを設置し、ネットワークの状態を管
理し、異常を検出した場合には、他のネットワークに切
り替え、再送するようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た再送アルゴリズムのみでは、物理的なネットワークの
切断に対して対応はできない。

【０００５】また、物理的にネットワークを多重化する
場合は、空いているネットワークが通常利用されていな
いため、１つのネットワークによりメッセージの送受信
が行われ、１つのネットワークに負荷が集中し、利用効
率並びに伝送効率が悪くなる。つまり、同時に複数の装
置上の複数のプロセス群からネットワークにメッセージ
を送信しようとした場合、１つのネットワークしか利用
されていないために、１つのプロセスが送信を終了しな
いと、他のプロセスは処理が滞留してしまい、コンピュ
ータシステム全体の利用効率を悪くする。

【０００６】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、物理的なネットワークのハードウェア障害に対
しても確実にメッセージの送受信を行えることと、メッ
セージの送受信が同時に複数発生した場合に対して、送
信側プロセス群が複数ネットワークを利用することによ
り、ネットワークの帯域を物理的に増大させることがで
きる多重化ネットワークにおける装置間通信装置及びネ
ットワーク負荷平準化装置を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係わる多重化ネットワークにおける装置間
通信装置では、複数の装置が多重化したネットワーク上
に接続した状態において、ある送信側装置上の送信側プ
ロセスから他の複数の受信側装置上の受信側プロセス群
に対してメッセージを送信する場合、送信側装置上に受
信側プロセスの存在する位置情報を記憶した装置外プロ
セス管理テーブルと、ネットワーク上の装置に存在する
プロセスの位置情報を検出するネットワーク構成管理プ
ロセスとを設けて、前記装置外プロセス管理テーブルを
更新する。

【０００８】それぞれの送信側プロセスについては、送
信を行った順序情報を格納した送信用管理テーブルを設
け、複数のネットワークのうち送信すべきネットワーク
の情報を記憶する送信番号管理テーブルを設けて、メッ
セージを送信する際に、メッセージ送信先がネットワー
クに存在するかを前記装置外プロセス管理テーブルによ
り把握し、存在している場合には、メッセージに前記送
信用管理テーブルに記憶された送信順序情報を付加し、
前記送信用管理テーブルの情報を更新し、前記送信番号
テーブルに記憶された情報により、送信すべきネットワ
ーク上にメッセージを送信する。（請求項１）

【０００９】前記受信側装置上においては、ネットワー
ク上に送信されたメッセージを受信するネットワーク受
信プロセスにより、自身宛てのメッセージを受信した場
合に、前記受信側装置上に受信用ローカルバッファを設
け、前記受信用ローカルバッファにメッセージを格納す
る。また、受信した順序情報を格納した受信用管理テー
ブルを設け、前記受信用ローカルバッファに存在するメ
ッセージに記述された送信順序情報をもとに、前記受信
用管理テーブルに格納された情報を比較し、以前に受信
していないメッセージの場合には、メッセージを受信側
装置内に存在する受信側プロセスにメッセージを配信
し、既に以前受信しているメッセージの場合には、メッ
セージを破棄するようにした通信装置（請求項２）。

【００１０】上記の装置を使用し、多重化されたネット
ワーク上に存在する送信側装置上の送信側プロセスが、
他の複数の受信側装置上の受信側プロセス群にメッセー
ジを送信するために、前記送信側プロセスに複数のネッ
トワークのうち利用するネットワーク情報を格納した送
信番号管理テーブルを設け、メッセージを送信する際に
は、複数のネットワークのうち正常なネットワークの１
つのみにてメッセージを送信し、送信失敗時には、次の
正常なネットワークを前記送信番号管理テーブルより検
索し、再度送信をし、正常時には前記送信番号管理テー
ブルを更新し、次回送信時には、今回利用したネットワ
ーク以外のネットワークを利用するようにしたことによ
り、多重化ネットワークにおけるネットワーク負荷平準
化を行う通信装置（請求項３）。

【００１１】そして、上記の装置を使用するのに適した
本発明に係る多重化ネットワークにおける多重化ネット
ワーク通信装置では、ネットワーク上の全てのプロセス
の位置を記憶した装置外プロセス管理テーブルと、前記
装置外プロセス管理テーブルに記憶したプロセス情報か
ら相手先プロセスの位置を把握するネットワーク構成管
理部と、メッセージを送信するときに同一メッセージの
重複を防ぐための情報を記憶する送信用管理テーブル
と、多重化されたネットワークのどのネットワークにメ
ッセージを送信するか判定するための情報を記憶する送
信番号管理テーブルと、前記送信用管理テーブルと前記
送信番号管理テーブルと用いて多重化されたネットワー
クを利用して、正しくメッセージを相手装置に送信する
メッセージ送信部と、受信したメッセージが既に受信し
たかを記憶する受信用管理テーブルと、受信したメッセ
ージを一時記憶する受信用ローカルバッファと、前記受
信用管理テーブルと前記受信用ローカルバッファによ
り、ネットワークに送信されたメッセージを受信し、装
置内のプロセスにメッセージを配信する受信部を備えた
通信装置（請求項４）。

【００１２】ここで、上記した多重化マルチネットワー
クの装置間通信装置では、存在するネットワーク数に応
じて稼働することができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】上記したシステムの一実施例とし
て図１に示す。送信側プロセス１１、受信側プロセス２
２が連携し、４重化されたネットワークを利用し、ネッ
トワーク障害に対して、信頼性の高い装置間通信を実施
し、ネットワーク負荷を軽減した効率のよいメッセージ
の受け取りがいかに行われるか説明する。

【００１４】同図に示すように、装置外プロセス管理テ
ーブル１２はプロセスとそのプロセスがどこの装置にあ
るかの対応を示すデータが格納されている。送信側装置
１０内部に実装される送信側プロセス１１から受信側装
置２０の受信側プロセス２２にメッセージを送信する場
合、送信側プロセス１１は送信先プロセスを装置外プロ
セス管理テーブル１２より、送信先プロセスの有無とそ
れが実装されている装置を検出する。

【００１５】実装されていた場合、送信側プロセス１１
は、送信するメッセージに送信用管理テーブル１３の送
信回数を１だけ増加した値を付加し、同時に送信用管理
テーブル１３内の送信回数も１だけ増加させる。前記装
置外プロセス管理テーブル１２より検出された受信側プ
ロセ２２の実装装置にメッセージを配信するために、ネ
ットワーク３０に対してメッセージを送信する。

【００１６】なお、送信側装置１０に実装されているネ
ットワーク構成管理プロセス２５は、他装置である受信
側装置２０に実装されているネットワーク構成管理プロ
セス２６と一定間隔で通信を行う。各装置上に実装され
ているネットワーク構成管理プロセスは、他の装置に実
装されているネットワーク構成管理プロセス１５，１６
と自装置上のプロセス情報を互いに伝送し、装置外プロ
セス管理テーブル１２上に最新の他装置のプロセス情報
を記録する。このように、装置外プロセス管理テーブル
１２に記録されている情報は、常に最新の情報を保持す
るようになっている。

【００１７】次に、複数のネットワーク（本実施例では
４つ）３０ａ〜ｄのうちのどのネットワークに対して送
信するか定めるために、送信番号管理テーブル１４を参
照し、設定がｏｎ状態になっているネットワーク３０ａ
を検出し、検出したネットワーク３０ａに対して、メッ
セージを送信する。このとき、送信失敗時には、ｏｎ状
態の次のネットワーク３０ｂに対して、メッセージを送
信し、成功時には、現在ｏｎ状態のネットワークをｏｆ
ｆ状態にし、送信したネットワーク３０ｂの次のネット
ワーク３０ｃをｏｎ状態に設定する。

【００１８】受信側装置２０では、４つのネットワーク
３０ａ〜ｄから全てメッセージを受信できる状態に設定
し、上記にて送信されたメッセージをネットワーク受信
プロセス２１がメッセージを受信する。受信したメッセ
ージは一時的に受信用ローカルメモリ２４に格納され
る。受信したメッセージに対して、送信側で付加された
送信回数情報と受信用管理テーブル２３にある受信回数
と比較し、一致した場合には以前受信していないと判断
し、受信側プロセス２２にメッセージを配信し、受信用
管理テーブル２３の受信回数を次回受信期待回数に１だ
け増加させる。しかし、一致しない場合には、既に受信
しているものとし、メッセージを破棄し、処理を終了す
る。

【００１９】次に送信側プロセス１１の機能について説
明する。送信側プロセス１１は、図２のフローチャート
に示すように、装置外に対してあるメッセージを送信し
ようとした場合に、その送信先のプロセスが存在する受
信側装置２０の位置を装置外プロセス管理テーブル１２
からプロセス名が一致するデータを検出し、送信先のプ
ロセスが存在する装置名を取得する（Ｓ１０１）。次い
で、送信すべきメッセージに対して、重複メッセージの
送信を防ぐために、送信用管理テーブル１３より送信回
数を取得して、送信回数情報をメッセージに付加し（Ｓ
１０２）、その後、４重化ネットワークのうち送信すべ
きネットワークを取得するために、送信番号管理テーブ
ル１４を参照し、フラグの欄から送信設定（ｏｎ状態）
となっているネットワークを検出する（Ｓ１０３）。

【００２０】検出されたネットワークに対してメッセー
ジを送信し（Ｓ１０４）、送信したネットワークに異常
があった場合、あるいはメッセージが衝突して送信が失
敗した場合には、再度送信番号管理テーブル１４を参照
し、送信したネットワークの次のネットワークを取得し
（Ｓ１０６）、再度メッセージを送信する（Ｓ１０
３）。メッセージの送信が成功した場合には、送信番号
管理テーブル１４のフラグ情報を送信成功したネットワ
ークの次に記述されたネットワークを次回送信用と設定
し、現在の設定になっているネットワークを解除（ｏｆ
ｆ状態）し（Ｓ１０５）、送信用管理テーブル１３の当
該受信側装置２０に対応する送信回数を１だけ増加させ
る（Ｓ１０７）。なお、送信番号管理テーブル１４が指
し示すフラグの欄が最下位となった場合には、先頭に戻
すことにより、サイクリックに利用することとなる。

【００２１】上記したように処理することにより、１つ
の送信側プロセス１１は、送信時に複数のネットワーク
を順番に取得し、１度の通信では１つのネットワークに
対してのみメッセージを送信しているため、複数の装置
上に複数の送信側プロセスが存在した場合も、それぞれ
の送信装置内に存在する送信番号管理テーブルの位置が
ランダムに変化することにより、４重化された全てのネ
ットワークに対して均一にメッセージを送信することと
なり、４重化されたネットワークの負荷を平準化する。

【００２２】次に、受信処理について説明する。ネット
ワーク受信プロセス２１は、図３に示すフローチャート
に従って、多重化されたネットワークより常にメッセー
ジを受信する（Ｓ２０１）。このとき、受信したメッセ
ージが自身への宛先かどうかをメッセージより確認し、
自身であることを確認した場合のみメッセージを取り込
む。

【００２３】次いで、受信したメッセージを受信用ロー
カルメモリ２４に格納し（Ｓ２０２）、受信したメッセ
ージより上記の如く付加された送信回数データを取り出
し、受信用管理テーブル２３を参照し、装置名の欄か
ら、データに記憶している受信回数を、上記送信回数と
比較し（Ｓ２０３）、比較結果が一致した場合には（Ｓ
２０４）、以前に一度も受信していないメッセージであ
るとし、受信側プロセス２２に装置内プロセス通信にて
メッセージを配信する（Ｓ２０５）。

【００２４】比較結果が一致しない場合には、以前に受
信したメッセージであるとし、メッセージを破棄する
（Ｓ２０６）。受信側プロセスが複数存在する場合にお
いても、送信回数、受信回数が装置内にユニークである
ため対応可能である。

【００２５】最後に、受信用管理テーブル２３の送信側
装置１０に対応する受信回数を１だけ増加し、次回期待
受信回数に設定する（Ｓ２０７）。

【００２６】このように、受信側装置２０に存在するネ
ットワーク受信プロセス２１は、上記したように送信側
装置１０の送信回数と受信側装置２０の受信回数をもと
に、同一メッセージの受信の確認を行うことにより、送
信側装置１０の送信側プロセス１１が複数ネットワーク
に同一メッセージを送信したとしても、重複メッセージ
を受信側プロセス２２に配信することを防いでいる。

【００２７】

【発明の効果】以上のように本発明に係わる多重化ネッ
トワークにおける装置間通信装置、ネットワーク負荷平
準化装置では、ｎ重化されたネットワークを１つの場合
のネットワークの帯域の平均してｎ倍の帯域のネットワ
ークのように扱えることと、多重化による物理的なハー
ドウェア障害に耐えうることにより、高速で、高信頼性
のメッセージの装置間通信が行えるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる多重化ネットワークにおける装
置間通信装置、ネットワーク負荷平準化装置の実施の形
態の一例を示す図である。

【図２】送信側プロセスの手順を示すフローチャートで
ある。

【図３】ネットワーク受信プロセスの手順を示すフロー
チャートである。

【符号の説明】

１０ 送信側装置 １１ 送信側プロセス １２ 装置外プロセス管理テーブル １３ 送信用管理テーブル １４ 送信番号管理テーブル ２０ 受信側装置 ２１ ネットワーク受信プロセス ２２ 受信側プロセス ２３ 受信用管理テーブル ２４ 受信用ローカルメモリ ２５，２６ ネットワーク構成管理プロセス ３０ ネットワーク

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の装置が多重化されたネットワーク
   上に接続された状態で、１台の装置上の送信側プロセス
   から別の複数台の装置上の受信側プロセス群に対してメ
   ッセージを送信する装置間通信装置において、前記ネッ
   トワーク上の全てのプロセスがどの装置に存在するかの
   データを一定間隔でお互いに交換するネットワーク構成
   管理プロセスと、メッセージのあて先となるプロセスの
   存在位置を記憶した装置外プロセス管理テーブルと、メ
   ッセージを送信する際に同一メッセージの送信による重
   複を防ぐための装置名と通信回数を記憶する送信用管理
   テーブルとを有する多重化ネットワーク通信装置。
2. 【請求項２】 複数の装置が多重化されたネットワーク
   上に送信されたメッセージを受信するネットワーク受信
   プロセスと、受信したメッセージが既に受信したメッセ
   ージであるかを管理する受信用管理テーブルと、メッセ
   ージを一時記憶するための受信用ローカルバッファと、
   送信されたメッセージを前記ネットワーク受信プロセス
   が受信することにより、前記ネットワーク上に送信され
   たメッセージが自身へのあて先であることを確認し、受
   信用ローカルバッファに格納し、前記受信用管理テーブ
   ル上の過去の受信履歴を確認し、以前に一度も受信して
   いないメッセージの場合には、メッセージを所定の前記
   受信側プロセス群に配信し、既に受信しているメッセー
   ジの場合には、メッセージを破棄するようにすることに
   よりメッセージを受信する多重化ネットワークにおける
   装置間通信装置。
3. 【請求項３】 複数の装置が多重化されたネットワーク
   上に接続された状態で、１台の送信側装置上の送信側プ
   ロセスから別の複数台の受信側装置上の受信側プロセス
   群に対してメッセージを送信する際に、多数のネットワ
   ークのうち前回送信に利用したネットワーク情報（実施
   の形態ではネットワーク番号）を記憶する送信番号管理
   テーブルを設け、１回のメッセージの送信において、前
   記送信番号管理テーブルに記述されたネットワーク情報
   をもとに、多重化されたネットワークのうち利用可能な
   ネットワーク情報を順次利用し、メッセージの送信が失
   敗した場合には、残りのネットワークのうち利用可能な
   別のネットワークにて送信し、前記送信番号管理テーブ
   ルを更新し、多重化されたネットワークに送信されるメ
   ッセージによるネットワーク負荷を平準化する多重化ネ
   ットワークにおけるネットワーク負荷平準化による通信
   装置。
4. 【請求項４】 多重化されたネットワーク上で、複数の
   装置上に存在するプロセスの存在位置を把握する手段
   と、他の装置に対してメッセージを送信する送信手段
   と、他の装置からのメッセージを受信し、装置内のプロ
   セスにメッセージを配信する受信手段と、多重化された
   ネットワークを利用し、ネットワークへの通信負荷を平
   準化する手段とを備えた多重化ネットワーク通信装置。