JP2002076976A - ダイレクトコンバージョン受信装置 - Google Patents

ダイレクトコンバージョン受信装置

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JP2002076976A
JP2002076976A JP2000256764A JP2000256764A JP2002076976A JP 2002076976 A JP2002076976 A JP 2002076976A JP 2000256764 A JP2000256764 A JP 2000256764A JP 2000256764 A JP2000256764 A JP 2000256764A JP 2002076976 A JP2002076976 A JP 2002076976A
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phase
mixer
local
baseband
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Yasuhiro Adachi
泰広 足立
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/06Receivers
    • H04B1/16Circuits
    • H04B1/30Circuits for homodyne or synchrodyne receivers
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03DDEMODULATION OR TRANSFERENCE OF MODULATION FROM ONE CARRIER TO ANOTHER
    • H03D1/00Demodulation of amplitude-modulated oscillations
    • H03D1/22Homodyne or synchrodyne circuits
    • H03D1/2245Homodyne or synchrodyne circuits using two quadrature channels
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03DDEMODULATION OR TRANSFERENCE OF MODULATION FROM ONE CARRIER TO ANOTHER
    • H03D3/00Demodulation of angle-, frequency- or phase- modulated oscillations
    • H03D3/007Demodulation of angle-, frequency- or phase- modulated oscillations by converting the oscillations into two quadrature related signals
    • H03D3/008Compensating DC offsets
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/18Phase-modulated carrier systems, i.e. using phase-shift keying
    • H04L27/22Demodulator circuits; Receiver circuits
    • H04L27/233Demodulator circuits; Receiver circuits using non-coherent demodulation
    • H04L27/2332Demodulator circuits; Receiver circuits using non-coherent demodulation using a non-coherent carrier

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Signal Processing (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Noise Elimination (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンテナからの不要放射を防止し、か
つ、DCオフセットによる誤り率特性の劣化を防止する
こと。 【解決手段】 電力分配器104は、RFアンプ103
により増幅されたRF信号を第1RF信号〜第4RF信
号の4つに分配する。移相器105〜107は、それぞ
れ、第2RF信号〜第4RF信号を180°、90°お
よび270°移相させる。ミキサ108〜111は、第
1RF信号および移相された第2RF信号〜第4RF信
号と、局部発振器112からのローカル信号とをミキシ
ングすることにより、それぞれ、第1ベースバンド信号
〜第4ベースバンド信号を生成する。加算器113およ
び114は、それぞれ、第1ベースバンド信号と第2ベ
ースバンド信号との差分、および、第3ベースバンド信
号と第4ベースバンド信号との差分をとる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信周波数を直接
ベースバンド周波数に周波数変換するダイレクトコンバ
ージョン受信方式を用いた受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイレクトコンバージョン受信方式は、
受信したRF信号をこの信号と同じ周波数のローカル信
号とミキサで混合することにより、この受信したRF信
号を直接ベースバンド信号に周波数変換して検波する受
信方式である。このダイレクトコンバージョン受信方式
は、現在受信方式の主流となっているスーパへテロダイ
ン受信方式と比べ、IFフィルタなどの中間周波数(I
F)回路が不要でありIC化にも適しているので、受信
機の小型化・低消費電力化・低コスト化に適した受信方
式として期待されている。以下、従来のダイレクトコン
バージョン受信方式を適用した受信装置(以下単に「ダ
イレクトコンバージョン受信装置」という。)につい
て、図9を参照して説明する。図9は、従来のダイレク
トコンバージョン受信装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0003】アンテナ11により受信されたRF信号
は、RFバンドパスフィルタ12を通過し、RFアンプ
13により増幅された後、電力分配器14により2分配
される。
【0004】一方、局部発振器17から供給されたロー
カル信号(Lo信号)は、90°分配器18により分配
されて、ミキサ15およびミキサ16に送られる。な
お、ミキサ15およびミキサ16に送られるローカル信
号は、相互に90°の位相差を持った信号とされる。
【0005】電力分配器14により分配された各信号
は、それぞれミキサ15およびミキサ16により、90
°分配器18からのローカル信号と混合されることによ
り、ベースバンド信号に周波数変換される。よって、ミ
キサ15およびミキサ16により得られたベースバンド
信号は、相互に90度の位相差を持った信号となる。
【0006】ミキサ15およびミキサ16により得られ
たベースバンド信号は、それぞれ、ローパスフィルタ1
9およびローパスフィルタ20を通過し、ベースバンド
アンプ21およびベースバンドアンプ22により増幅さ
れ、A/D変換器23およびA/D変換器24によりサ
ンプリング処理される。A/D変換器23およびA/D
変換器24によりサンプリング処理されたI(同相)成
分およびQ(直交)成分のベースバンド信号は、ディジ
タル信号処理回路等に送られる。
【0007】このようにダイレクトコンバージョン受信
方式は、IF回路が不要なので、受信機の小型化・低消
費電力化・低コスト化に適した方式であるということが
できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のダイレクトコンバージョン受信装置においては、次
のような問題がある。すなわち、ミキサ15およびミキ
サ16におけるLo−RFポート間とLo−BBポート
間のアイソレーションが完全ではないので、局部発振器
17からのローカル信号が、BBポートおよびRFポー
トに漏洩することがある(なお、BBポートとは、ロー
パスフィルタ19およびローパスフィルタ20側のポー
トに相当し、RFポートとは、電力分配器14側のポー
トに相当する)。
【0009】BBポートに漏洩したローカル信号は、ロ
ーパスフィルタ19およびローパスフィルタ20により
除去されるので、問題とならない。ところが、RFポー
トに漏洩したローカル信号は、受信信号と周波数が同一
の信号であるので問題となる。
【0010】すなわち、まず第1に、RFポートに漏洩
したローカル信号は、所望信号と同一周波数の信号であ
るので、RFバンドパスフィルタ12を通過してアンテ
ナ11から放射される。このようにアンテナ11から放
射された電波は、不要放射となり、他端末に対する妨害
波となる。
【0011】第2に、RFポートに漏洩したローカル信
号は、電力分配器14、RFアンプ13またはRFバン
ドパスフィルタ12に反射して、ミキサ15またはミキ
サ16に入力されることになる。よって、ミキサ15お
よびミキサ16では、90°分配器18からのローカル
信号と、反射して入力されたローカル信号とが乗算され
ることにより、自己検波がなされる。
【0012】ミキサ15またはミキサ16により自己検
波がなされると、それぞれ、ローパスフィルタ19また
はローパスフィルタ20に対して、DCオフセットすな
わち直流成分が出力される。すなわち、ミキサ15およ
びミキサ16により得られたベースバンド信号にDCオ
フセットが乗ることになる。この結果、ミキサ15およ
びミキサ16により得られたベースバンド信号は、DC
オフセットの影響を受けて、その電圧が高くまたは低く
なる。DCオフセットによる電圧の変化は、上述したA
/D変換時において問題となる。
【0013】したがって、ミキサ15またはミキサ16
での自己検波に起因するDCオフセットのために、本受
信装置では、受信感度が抑圧されて、受信誤り率特性の
劣化が生ずる。
【0014】以上のように、従来のダイレクトコンバー
ジョン受信装置においては、ローカル信号が漏洩するこ
とに起因して、アンテナからの不要放射が発生するとと
もに、DCオフセットにより誤り率特性が劣化するとい
う問題がある。
【0015】以上のような問題を防止するために、特開
平6−268546号公報には、次のような方法が開示
されている。すなわち、受信したRF信号を電力分配器
により4つに分岐し、分岐した各RF信号をそれぞれ0
゜、90゜、180゜および270゜の移相器に通して
いる。この構成によれば、ミキサからアンテナ側に漏洩
するローカル信号に対して、それぞれ、0゜、90゜、
180゜および270゜の位相差が与えられる。これに
より、漏洩した各ローカル信号は、電力分配器で加算さ
れるときに打ち消し合う。この結果、アンテナからのロ
ーカル信号の不要放射を防げることができる。
【0016】ところが、この方法では、アンテナからの
不要放射を防ぐことはできても、DCオフセットの発生
を防止することはできない。すなわち、ミキサからアン
テナ側に漏洩したローカル信号が、電力分配器や移相器
に反射してミキサに入力されることがある。この結果、
ミキサでは、自己検波がなされるのでDCオフセットが
発生する。本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので
あり、アンテナからの不要放射を防止し、かつ、DCオ
フセットによる誤り率特性の劣化を防止するダイレクト
コンバージョン受信装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のダイレクトコン
バージョン受信装置は、アンテナにより受信された高周
波信号を第1信号および第2信号の2つの信号に分配す
る分配手段と、前記第1信号から得られる第1ベースバ
ンド信号と前記第2信号から得られる第2ベースバンド
信号とが逆相の関係となるように、前記第1信号および
前記第2信号に対して各信号と略同一周波数のローカル
信号を用いた周波数変換を行うことによりそれぞれ第1
ベースバンド信号および第2ベースバンド信号を生成す
る変換手段と、前記第1ベースバンド信号と前記第2ベ
ースバンド信号との差分をとり所定チャネルのベースバ
ンド信号を生成する加算手段と、具備する構成を採る。
【0018】この構成によれば、互いに逆相の関係にあ
る各ベースバンド信号は、同相加算されるので、適切に
所定チャネルのベースバンド信号となる。一方、第1信
号に対する周波数変換時に発生する可能性のあるDCオ
フセットと、第2信号に対する周波数変換時に発生する
可能性のあるDCオフセットとは、同相の関係にあるの
で、上記減算処理において打ち消される。これにより、
DCオフセットによる誤り率特性の劣化を防止すること
ができる。さらに、この構成によれば、第1信号に対す
る周波数変換時にRFポートに漏洩するローカル信号
と、第2信号に対する周波数変換時にRFポートに漏洩
するローカル信号とが、互いに逆相の関係となるので、
各ローカル信号はRFポート側で互いに打ち消し合う。
これにより、アンテナからの不要放射を防止することが
できる。
【0019】本発明のダイレクトコンバージョン受信装
置は、変換手段が、第1信号と第2信号との位相差を逆
相とし、前記第1信号に用いるローカル信号と前記第2
信号に用いるローカル信号との位相差を同相として、周
波数変換を行う構成を採る。
【0020】本発明のダイレクトコンバージョン受信装
置は、変換手段が、第1信号に用いるローカル信号と第
2信号に用いるローカル信号との位相差を逆相にし、前
記第1信号と前記第2信号との位相差を同相として、周
波数変換を行う構成を採る。
【0021】これらの構成によれば、第1信号から生成
される第1ベースバンド信号と第2信号から生成される
第2ベースバンド信号とを、確実に逆位相の関係にする
ことができる。これにより、確実にDCオフセットによ
る誤り率特性の劣化を防止することができる。さらに、
これらの構成によれば、第1信号に対する周波数変換時
に漏洩したローカル信号と、第2信号に対する周波数変
換時に漏洩したローカル信号は、アンテナから放射され
る前に確実にお互いに打ち消し合うことにより、アンテ
ナからの不要放射を確実に防止することができる。
【0022】本発明のダイレクトコンバージョン受信装
置は、変換手段が、同一の位相差を移相させる複数の移
相手段を組み合わせることにより、第1信号、第2信号
またはローカル信号を移相させる構成を採る。
【0023】この構成によれば、同一の位相差を移相さ
せる複数の移相手段を組み合わせることにより、移相手
段の特性のばらつきに起因する受信信号の特性劣化を抑
えることができる。
【0024】本発明のダイレクトコンバージョン受信装
置は、アンテナにより受信された高周波信号に対して、
前記高周波信号と略同一周波数のローカル信号を用いた
周波数変換を行うことにより、所定チャネルのベースバ
ンド信号を生成する変換手段と、前記ローカル信号を用
いて強制的にDCオフセットを発生させる発生手段と、
前記所定チャネルのベースバンド信号から前記DCオフ
セットを差し引く加算手段と、を具備する構成を採る。
【0025】この構成によれば、生成された所定チャネ
ルのベースバンド信号から、強制的に発生させたDCオ
フセットを差し引くことにより、DCオフセットが除去
された所定チャネルのベースバンド信号を生成すること
ができる。これにより、周波数変換に要するミキサの数
を減らすことができるので、回路規模を削減することが
できる。
【0026】本発明の通信端末装置は、上記いずれかの
ダイレクトコンバージョン受信装置を備えた構成を採
る。
【0027】本発明の基地局装置は、上記いずれかのダ
イレクトコンバージョン受信装置を備えた構成を採る。
【0028】これらの構成によれば、アンテナからの不
要放射を防止し、かつ、DCオフセットによる誤り率特
性の劣化を防止するダイレクトコンバージョン受信装置
を備えることにより、良好な通信を行う通信端末装置お
よび基地局装置を提供することができる。
【0029】本発明のダイレクトコンバージョン受信方
法は、アンテナにより受信された高周波信号を第1信号
および第2信号の2つの信号に分配する分配工程と、前
記第1信号から得られる第1ベースバンド信号と前記第
2信号から得られる第2ベースバンド信号とが逆相の関
係となるように、前記第1信号および前記第2信号に対
して各信号と略同一周波数のローカル信号を用いた周波
数変換を行うことによりそれぞれ第1ベースバンド信号
および第2ベースバンド信号を生成する変換工程と、前
記第1ベースバンド信号と前記第2ベースバンド信号と
の差分をとり所定チャネルのベースバンド信号を生成す
る加算工程と、を具備する方法を採る。
【0030】この方法によれば、互いに逆相の関係にあ
る各ベースバンド信号は、同相加算されるので、適切に
所定チャネルのベースバンド信号となる。一方、第1信
号に対する周波数変換時に発生する可能性のあるDCオ
フセットと、第2信号に対する周波数変換時に発生する
可能性のあるDCオフセットとは、同相の関係にあるの
で、上記減算処理において打ち消される。これにより、
DCオフセットによる誤り率特性の劣化を防止すること
ができる。さらに、この方法によれば、第1信号に対す
る周波数変換時にRFポートに漏洩するローカル信号
と、第2信号に対する周波数変換時にRFポートに漏洩
するローカル信号とが、互いに逆相の関係となるので、
各ローカル信号はRFポート側で互いに打ち消し合う。
これにより、アンテナからの不要放射を防止することが
できる。
【0031】本発明のダイレクトコンバージョン受信方
法は、アンテナにより受信された高周波信号に対して、
前記高周波信号と略同一周波数のローカル信号を用いた
周波数変換を行うことにより、所定チャネルのベースバ
ンド信号を生成する変換工程と、前記ローカル信号を用
いて強制的にDCオフセットを発生させる発生工程と、
前記所定チャネルのベースバンド信号から前記DCオフ
セットを差し引く加算工程と、を具備する方法を採る。
【0032】この方法によれば、生成された所定チャネ
ルのベースバンド信号から、強制的に発生させたDCオ
フセットを差し引くことにより、DCオフセットが除去
された所定チャネルのベースバンド信号を生成すること
ができる。これにより、周波数変換に要するミキサの数
を減らすことができるので、回路規模を削減することが
できる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、アンテナにより
受信された高周波信号を第1信号および第2信号の2つ
に分配し、第1信号から得られる第1ベースバンド信号
と第2信号から得られる第2ベースバンド信号とが逆相
となるように、第1信号および第2信号に対して周波数
変換を行って第1ベースバンド信号および第2ベースバ
ンド信号を生成し、さらに、生成された第1ベースバン
ド信号と第2ベースバンド信号との差分をとり所定チャ
ネルのベースバンド信号を生成することである。また、
本発明の骨子は、アンテナにより受信された高周波信号
に対してこの高周波信号と略同一周波数のローカル信号
を用いた周波数変換を行うことにより生成した所定チャ
ネルのベースバンド信号から、このローカル信号を用い
て強制的に発生させたDCオフセットを差し引くことで
ある。
【0034】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照して詳細に説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1にかか
るダイレクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロ
ック図である。図1において、バンドパスフィルタ10
2は、アンテナ101により受信されたRF信号(高周
波信号)のうち所望周波数帯域の信号のみを、RFアン
プ103に出力する。RFアンプ103は、バンドパス
フィルタ102からの所望周波数帯域のRF信号を増幅
して電力分配器104に出力する。
【0035】電力分配器104は、RFアンプ103に
より増幅されたRF信号を4つに分配し、分配したRF
信号を、ミキサ108および移相器105〜移相器10
7に出力する。
【0036】移相器105は、電力分配器104からの
RF信号を180°移相させてミキサ109に出力す
る。移相器106は、電力分配器104からのRF信号
を90°移相させてミキサ110に出力する。移相器1
07は、電力分配器104からのRF信号を270°移
相させてミキサ111に出力する。
【0037】局部発振器112は、所望RF信号と略同
一周波数のローカル信号を発生させてミキサ108〜ミ
キサ111に出力する。ミキサ108は、電力分配器1
04からのRF信号と局部発振器112からのローカル
信号とをミキシングすることにより、電力分配器104
からのRF信号をベースバンドに周波数変換してベース
バンド信号を生成する。同様に、ミキサ109〜ミキサ
111は、それぞれ、移相器105〜移相器107から
のRF信号と局部発振器112からのローカル信号とを
ミキシングすることにより、移相器105〜移相器10
7からのRF信号をベースバンドに周波数変換してベー
スバンド信号を生成する。
【0038】加算器113は、ミキサ108からのベー
スバンド信号とミキサ109からのベースバンド信号と
の差分を、ローパスフィルタ115に出力する。同様
に、加算器114は、ミキサ110からのベースバンド
信号とミキサ111からのベースバンド信号との差分
を、ローパスフィルタ116に出力する。
【0039】ローパスフィルタ115およびローパスフ
ィルタ116は、それぞれ、加算器113および加算器
114からのベースバンド信号から高周波雑音を除去し
て、ベースバンドアンプ117およびベースバンドアン
プ118に出力する。
【0040】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。アンテナ101
により受信されたRF信号は、バンドパスフィルタ10
2を通過することにより、所望周波数帯域のRF信号と
なる。所望周波数帯域のRF信号は、RFアンプ103
により増幅された後、電力分配器104により4つのR
F信号(すなわち「第1RF信号」〜「第4RF信
号」)に分配される。第1RF信号および第2RF信号
〜第4RF信号は、それぞれ、ミキサ108および移相
器105〜移相器107に出力される。
【0041】電力分配器104からの第2RF信号〜第
4RF信号は、それぞれ、移相器105〜移相器107
により、180°、90°および270°だけ移相され
た後、ミキサ109〜ミキサ111に出力される。
【0042】ミキサ108〜ミキサ111には、局部発
振器112により発生されたローカル信号が入力されて
いる。ミキサ108〜ミキサ111では、局部発振器1
12からのローカル信号と、それぞれ、移相器105〜
移相器107により移相されたRF信号とがミキシング
される。これにより、第1RF信号および移相された第
2RF信号〜第4RF信号は、それぞれ、ベースバンド
に周波数変換されて、第1ベースバンド信号〜第4ベー
スバンド信号となる。第1ベースバンド信号および第2
ベースバンド信号は加算器113に出力され、第3ベー
スバンド信号および第4ベースバンド信号は加算器11
4に出力される。
【0043】この時点においては、第1ベースバンド信
号と第2ベースバンド信号とは、第2RF信号が180
°移相されていることに起因して、逆相の関係にある。
同様に、第3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号
とは、第3RF信号が90°移相され第4RF信号が2
70°移相されていることに起因して、逆相の関係にあ
る。
【0044】加算器113では、第1ベースバンド信号
と第2ベースバンド信号との差分がとられる。すなわ
ち、第1ベースバンド信号から第2ベースバンド信号が
差し引かれる。ここで、第1ベースバンド信号と第2ベ
ースバンド信号とは逆相の関係にあるので、加算器11
3では、第1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号
とは、同相で加算される。これにより、加算器113で
は、Ichのベースバンド信号が生成される。
【0045】加算器114では、第3ベースバンド信号
と第4ベースバンド信号との差分がとられる。すなわ
ち、第3ベースバンド信号から第4ベースバンド信号が
差し引かれる。ここで、第3ベースバンド信号と第4ベ
ースバンド信号とは逆相の関係にあるので、加算器11
4では、第3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号
とは、同相で加算される。これにより、加算器114で
は、Qchのベースバンド信号が生成される。
【0046】なお、Ichのベースバンド信号とQch
のベースバンド信号とは、第1RF信号に対して第3R
F信号が90°移相されていることに起因して、90°
の位相差が生じていることはいうまでもない。
【0047】Ichのベースバンド信号およびQchの
ベースバンド信号は、それぞれ、ローパスフィルタ11
5およびローパスフィルタ116により高周波雑音が除
去された後、ベースバンドアンプ117およびベースバ
ンドアンプ118により増幅される。増幅されたIch
のベースバンド信号およびQchのベースバンド信号
は、図示しないA/D変換器によりサンプリング処理さ
れた後、ディジタル信号処理回路等に出力される。
【0048】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を、ミキサ108〜ミキサ1
11において漏洩したローカル信号に着目して説明す
る。本実施の形態にかかるダイレクトコンバージョン受
信装置においても、従来方式と同様に、局部発振器11
2からのローカル信号がミキサ108〜ミキサ111に
おいて漏洩する可能性がある。
【0049】ミキサ108においてRFポートに漏洩し
たローカル信号は、移相されることなく、電力分配器1
04に到達する。ミキサ109においてRFポートに漏
洩したローカル信号は、移相器105により180°移
相された後、電力分配器104に到達する。よって、ミ
キサ108からのローカル信号とミキサ109からのロ
ーカル信号は、電力分配器104に到達した時点では逆
相の関係となるため、電力分配器104において加算さ
れることにより互いに打ち消し合う。
【0050】同様に、ミキサ110においてRFポート
に漏洩したローカル信号は、移相器106により90°
移相された後、電力分配器104に到達する。ミキサ1
11においてRFポートに漏洩したローカル信号は、移
相器107により270°移相された後、電力分配器1
04に到達する。よって、ミキサ110からのローカル
信号とミキサ111からのローカル信号は、電力分配器
104に到達した時点では、逆相の関係となるため、電
力分配器104において加算されることにより互いに打
ち消し合う。これにより、ローカル信号が漏洩すること
に起因するアンテナからの不要放射を大幅に抑えること
ができる。
【0051】上記のように、移相器105〜移相器10
7を設けることにより、ミキサ108〜ミキサ111で
漏洩したローカル信号は、電力分配器104においてほ
ぼ完全に打ち消される。
【0052】ところが、ミキサ108で漏洩したローカ
ル信号は、電力分配器104で打ち消される以前に、こ
の電力分配器104に反射してミキサ108に入力され
ることがある。また、ミキサ109で漏洩したローカル
信号は、電力分配器104で打ち消される以前に、移相
器105または電力分配器104に反射してミキサ10
9に入力されることがある。同様に、ミキサ110およ
びミキサ111で漏洩したローカル信号は、電力分配器
104で打ち消される以前に、それぞれ、移相器106
および移相器107または電力分配器104に反射し
て、ミキサ110およびミキサ111に入力されること
がある。
【0053】具体的には、ミキサ108において漏洩し
たローカル信号は、移相されることなく電力分配器10
4に反射した後、再度、ミキサ108に入力される。
【0054】ミキサ109において漏洩したローカル信
号は、移相器105により180°移相された後、電力
増幅器104に反射し、移相器105により再度180
°移相された後、ミキサ109に入力される。または、
ミキサ109において漏洩したローカル信号は、移相器
105に反射してミキサ109に入力される。すなわ
ち、ミキサ109で漏洩したローカル信号と反射してき
たローカル信号とは、同相の関係となる。
【0055】同様に、ミキサ110(ミキサ111)に
おいて漏洩したローカル信号は、移相器106(移相器
107)により90°(270°)移相された後、電力
増幅器104に反射し、移相器106(移相器107)
により再度90°(270°)移相された後、ミキサ1
10(ミキサ111)に入力される。または、ミキサ1
10(ミキサ111)において漏洩したローカル信号
は、移相器106(移相器107)に反射してミキサ1
10(ミキサ111)に入力される。すなわち、ミキサ
110(ミキサ111)で漏洩したローカル信号と反射
してきたローカル信号とは、逆相の関係となる。
【0056】この後、ミキサ108〜ミキサ111で
は、反射してきたローカル信号と局部発振器112から
のローカル信号とがミキシングされることにより、自己
検波がなされてDCオフセットが発生する。ここで、ミ
キサ108において発生したDCオフセットとミキサ1
09において発生したDCオフセットとは、同相の関係
となる。同様に、ミキサ110において発生したDCオ
フセットとミキサ111において発生したDCオフセッ
トとは、同相の関係となる。
【0057】このようにミキサ108〜ミキサ111で
は、DCオフセットが発生することになるが、加算器1
13において、ミキサ108で発生したDCオフセット
からミキサ109で発生したDCオフセットが差し引か
れる。したがって、加算器113により生成されるIc
hのベースバンド信号は、DCオフセットが除去された
ものとなる。同様に、加算器114において、ミキサ1
10で発生したDCオフセットからミキサ111で発生
したDCオフセットが差し引かれる。したがって、加算
器114により生成されるQchのベースバンド信号
は、DCオフセットが除去されたものとなる。これによ
り、DCオフセットによる誤り率特性の劣化を大幅に防
止することができる。
【0058】このように、本実施の形態においては、受
信信号(高周波信号)を周波数変換してベースバンド信
号を生成する際に、まず、受信信号を第1信号と第2信
号の2つの受信信号に分配し、第1信号から得られるベ
ースバンド信号と第2信号から得られるベースバンド信
号とが逆相となるように、第1信号および第2信号を周
波数変換する。さらに、互いに逆相の関係にある各ベー
スバンド信号のうちの一方のベースバンド信号から他方
のベースバンド信号を差し引くための減算処理を行って
いる。
【0059】これにより、互いに逆相の関係にある各ベ
ースバンド信号は、同相加算されるので、適切に所定チ
ャネルのベースバンド信号となる。一方、第1信号に対
する周波数変換時に発生する可能性のあるDCオフセッ
トと、第2信号に対する周波数変換時に発生する可能性
のあるDCオフセットとは、同相の関係にあるので、上
記減算処理において打ち消される。これにより、DCオ
フセットによる誤り率特性の劣化を防止することができ
る。
【0060】さらに、本実施の形態においては、第1信
号に対する周波数変換時にRFポートに漏洩するローカ
ル信号と、第2信号に対する周波数変換時にRFポート
に漏洩するローカル信号とが、互いに逆相の関係となる
ようにしているので、各ローカル信号はRFポート側で
互いに打ち消し合う。これにより、アンテナからの不要
放射を防止することができる。
【0061】(実施の形態2)本実施の形態において
は、実施の形態1において、用いる移相器の種類を減ら
すことにより、移相器の特性のばらつきを抑える場合に
ついて説明する。
【0062】上記実施の形態1では、移相器として、9
0°、180°および270°だけ移相させる3種類の
移相器を用いている。用いる移相器の種類が多いほど、
各移相器の特性のばらつきに起因して、受信信号の特性
が劣化する可能性がある。
【0063】そこで、本実施の形態では、90°および
180°を移相させる2種類の移相器のみを用いる。以
下、本実施の形態にかかるダイレクトコンバージョン受
信装置について、図2を参照して説明する。
【0064】図2は、本発明の実施の形態2にかかるダ
イレクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック
図である。なお、図2における実施の形態1(図1)と
同様の構成については、図1におけるものと同一の符号
を付して、詳しい説明を省略する。
【0065】図2において、電力分配器201は、RF
アンプ103により増幅されたRF信号を2つに分配
し、分配したRF信号を電力分配器202および移相器
106に出力する。電力分配器202は、電力分配器2
01からのRF信号を2つに分配し、分配したRF信号
をミキサ108および移相器105に出力する。電力分
配器203は、移相器106により90°移相されたR
F信号を2つに分配し、分配したRF信号をミキサ11
0および移相器105に出力する。
【0066】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態1と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0067】RFアンプ103により増幅されたRF信
号は、電力分配器201により2つのRF信号(すなわ
ち「第5RF信号」および「第6RF信号」)に分配さ
れる。第5RF信号は電力分配器202に出力され、第
6RF信号は移相器106に出力される。
【0068】第5RF信号は、電力分配器202により
2つのRF信号(すなわち「第7RF信号」および「第
8RF信号」)に分配される。第7RF信号および第8
RF信号は、それぞれ、ミキサ108およびミキサ10
9において、実施の形態1におけるものと同様の処理が
なされる。なお、ミキサ108に入力される第7RF信
号とミキサ109に入力される第8RF信号とは、実施
の形態1と同様に、逆相の関係にある。
【0069】第6RF信号は、移相器106により90
°移相された後、電力分配器203により、2つの信号
(すなわち「第9RF信号」および「第10RF信
号」)に分配される。第9RF信号はミキサ110に出
力され、第10RF信号は、移相器105により180
°移相された後、ミキサ111に出力される。第9RF
信号および第10RF信号は、ミキサ110およびミキ
サ111において、実施の形態1におけるものと同様の
処理がなされる。なお、ミキサ110に入力される第9
RF信号とミキサ111に入力される第10RF信号と
は、実施の形態1と同様に、逆相の関係にある。
【0070】上記構成のよれば、加算器113では、第
1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号とが同相で
加算されることにより、Ichのベースバンド信号が生
成される。加算器114では、第3ベースバンド信号と
第4ベースバンド信号とが同相で加算されることによ
り、Qchのベースバンド信号が生成される。
【0071】また、ミキサ108で漏洩したローカル信
号は、移相されることなく、電力分配器202に到達す
る。ミキサ109で漏洩したローカル信号は、移相器1
05で180°移相された後、電力分配器202に到達
する。よって、ミキサ108からのローカル信号とミキ
サ109からのローカル信号は、電力分配器202に到
達した時点では逆相の関係となるため、電力分配器20
2において加算されることにより互いに打ち消し合う。
【0072】同様に、ミキサ110で漏洩したローカル
信号は、移相されることなく、電力分配器203に到達
する。ミキサ111で漏洩したローカル信号は、移相器
105で180°移相された後、電力分配器203に到
達する。よって、ミキサ110からのローカル信号とミ
キサ111からのローカル信号は、電力分配器203に
到達した時点では逆相の関係となるため、電力分配器2
03において加算されることにより互いに打ち消し合
う。これにより、ローカル信号が漏洩することに起因す
るアンテナからの不要放射を大幅に抑えることができ
る。
【0073】さらに、ミキサ108〜ミキサ111にお
いて仮にDCオフセットが発生した場合には、ミキサ1
08で発生するDCオフセットとミキサ109で発生す
るDCオフセットは同相の関係となる。よって、加算器
113において、ミキサ108で発生したDCオフセッ
トからミキサ109で発生したDCオフセットが差し引
かれることにより、生成されるIchのベースバンド信
号は、DCオフセットが除去されたものとなる。
【0074】同様に、ミキサ110で発生するDCオフ
セットとミキサ111で発生するDCオフセットは同相
の関係となる。よって、加算器114において、ミキサ
110で発生したDCオフセットからミキサ111で発
生したDCオフセットが差し引かれることにより、生成
されるQchのベースバンド信号は、DCオフセットが
除去されたものとなる。これにより、DCオフセットに
よる誤り率特性の劣化を大幅に防止することができる。
【0075】このように、本実施の形態によれば、90
°および180°だけ移相させる2種類の移相器のみを
用いるので、3種類の移相器を用いる実施の形態1に比
べて、DCオフセットによる誤り率特性の劣化およびア
ンテナからの不要放射を防止するとともに、移相器の特
性のばらつきに起因する受信信号の特性劣化を抑えるこ
とができる。
【0076】(実施の形態3)本実施の形態において
は、実施の形態1または実施の形態2において、RF信
号を移相させることに代えて、ローカル信号を移相させ
る場合について説明する。
【0077】上記実施の形態1または上記実施の形態2
では、移相器を用いてRF信号を移相させている。とこ
ろが、RF信号を移相させた場合には、RF信号に遅延
が生じて、受信品質の劣化するか、または、生じた遅延
を補償するために処理が複雑になる。
【0078】そこで、本実施の形態では、RF信号を移
相させることに代えて、ローカル信号を移相させる。以
下、本実施の形態にかかるダイレクトコンバージョン受
信装置について、図3を参照して説明する。
【0079】図3は、本発明の実施の形態3にかかるダ
イレクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック
図である。なお、図3における実施の形態1(図1)と
同様の構成については、図1におけるものと同一の符号
を付して、詳しい説明を省略する。
【0080】電力分配器104は、RFアンプ103に
より増幅されたRF信号を4つに分配し、分配したRF
信号をミキサ108〜ミキサ111に出力する。移相器
105は、局部発振器112により発生されたローカル
信号を180°移相させてミキサ109に出力する。移
相器106は、局部発振器112により発生されたロー
カル信号を90°移相させてミキサ110に出力する。
移相器107は、局部発振器112により発生されたロ
ーカル信号を270°移相させてミキサ111に出力す
る。
【0081】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態1と同様の構成については、詳
しい説明を省略する。
【0082】RFアンプ103により増幅されたRF信
号は、電力分配器104により4つのRF信号(すなわ
ち「第1RF信号」〜「第4RF信号」)に分配され
る。第1RF信号〜第4RF信号は、それぞれ、ミキサ
108〜ミキサ111に出力される。
【0083】局部発振器112により発生されたローカ
ル信号は、移相されることなくミキサ108に出力さ
れ、移相器105により180°移相された後ミキサ1
09に出力され、移相器106により90°移相された
後ミキサ110に出力され、また、移相器107により
270°移相された後ミキサ111に出力される。
【0084】ミキサ108およびミキサ109では、そ
れぞれ、第1RF信号および第2RF信号と、移相され
ていないローカル信号および180°移相されたローカ
ル信号とのミキシングが行われる。これにより、第1ベ
ースバンド信号と第2ベースバンド信号が生成される。
第1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号とは、逆
相の関係にある。
【0085】また、ミキサ110およびミキサ111で
は、それぞれ、第3RF信号および第4RF信号と、9
0°移相されたローカル信号および270°移相された
ローカル信号とのミキシングが行われる。これにより、
第3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号が生成さ
れる。第3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号と
は、逆相の関係にある。
【0086】加算器113では、第1ベースバンド信号
と第2ベースバンド信号との差分がとられる。すなわ
ち、第1ベースバンド信号から第2ベースバンド信号が
差し引かれる。ここで、第1ベースバンド信号と第2ベ
ースバンド信号とは逆相の関係にあるので、加算器11
3では、第1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号
とは、同相で加算される。これにより、加算器113で
は、Ichのベースバンド信号が生成される。
【0087】加算器114では、第3ベースバンド信号
と第4ベースバンド信号との差分がとられる。すなわ
ち、第3ベースバンド信号から第4ベースバンド信号が
差し引かれる。ここで、第3ベースバンド信号と第4ベ
ースバンド信号とは逆相の関係にあるので、加算器11
4では、第3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号
とは、同相で加算される。これにより、加算器114で
は、Qchのベースバンド信号が生成される。
【0088】また、ミキサ108に入力されるローカル
信号とミキサ109に入力されるローカル信号とは逆相
の関係にあるため、ミキサ108で漏洩したローカル信
号とミキサ109で漏洩したローカル信号は、電力分配
器104に到達した時点では逆相の関係となるので、電
力分配器104において加算されることにより互いに打
ち消し合う。
【0089】同様に、ミキサ110に入力されるローカ
ル信号とミキサ111に入力されるローカル信号とは逆
相の関係にあるため、ミキサ110で漏洩したローカル
信号とミキサ111で漏洩したローカル信号は、電力分
配器104に到達した時点では逆相の関係となるので、
電力分配器104において加算されることにより互いに
打ち消し合う。これにより、ローカル信号が漏洩するこ
とに起因するアンテナからの不要放射を大幅に抑えるこ
とができる。
【0090】さらに、ミキサ108〜ミキサ111にお
いて仮にDCオフセットが発生した場合には、ミキサ1
08で発生するDCオフセットとミキサ109で発生す
るDCオフセットは同相の関係となる。よって、加算器
113において、ミキサ108で発生したDCオフセッ
トからミキサ109で発生したDCオフセットが差し引
かれることにより、生成されるIchのベースバンド信
号は、DCオフセットが除去されたものとなる。
【0091】同様に、ミキサ110で発生するDCオフ
セットとミキサ111で発生するDCオフセットは同相
の関係となる。よって、加算器114において、ミキサ
110で発生したDCオフセットからミキサ112で発
生したDCオフセットが差し引かれることにより、生成
されるQchのベースバンド信号は、DCオフセットが
除去されたものとなる。これにより、DCオフセットに
よる誤り率特性の劣化を大幅に防止することができる。
【0092】このように、本実施の形態によれば、RF
信号を移相させることに代えて、ローカル信号を移相さ
せているので、RF信号を移相させる実施の形態1また
は実施の形態2に比べて、DCオフセットによる誤り率
特性の劣化およびアンテナからの不要放射を防止すると
ともに、RF信号を移相させることに起因する受信品質
の劣化および処理の複雑化を防止することができる。
【0093】(実施の形態4)本実施の形態において
は、実施の形態3において、用いる移相器の種類を減ら
すことにより、移相器の特性のばらつきを抑える場合に
ついて説明する。以下、本実施の形態にかかるダイレク
トコンバージョン受信装置について、図4を参照して説
明する。
【0094】図4は,本発明の実施の形態4にかかるダ
イレクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック
図である。なお、図4における実施の形態3(図3)と
同様の構成については、図3におけるものと同一の符号
を付して、詳しい説明を省略する。
【0095】移相器106は、局部発振器112からの
ローカル信号を90°移相させてミキサ110および移
相器105に出力する。移相器105は、移相器106
により90°移相されたローカル信号を180°移相さ
せてミキサ111に出力する。
【0096】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態3と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0097】局部発振器112により発生されたローカ
ル信号は、移相器106により90°移相された後ミキ
サ110に出力され、また、移相器106により90°
移相され移相器105により180°移相された後ミキ
サ111に出力される。これにより、ミキサ110に入
力されるローカル信号とミキサ111に入力されるロー
カル信号とは、逆相の関係にある。上記以外の動作につ
いては、上記実施の形態3におけるものと同様であるの
で、詳しい説明を省略する。
【0098】このように、本実施の形態によれば、90
°および180°だけ移相させる2種類の移相器を用い
るので、3種類の移相器を用いる実施の形態3に比べ
て、DCオフセットによる誤り率特性の劣化およびアン
テナからの不要放射を防止するとともに、移相器の特性
のばらつきに起因する受信信号の特性劣化を抑えること
ができる。
【0099】(実施の形態5)本実施の形態において
は、実施の形態1において、用いる移相器の種類を実施
の形態2よりもさらに減らすことにより、さらに位相の
特性のばらつきを抑える場合について説明する。以下、
本実施の形態にかかるダイレクトコンバージョン受信装
置の構成について、図5を参照して説明する。
【0100】図5は、本発明の実施の形態5にかかるダ
イレクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック
図である。なお、図5における実施の形態1(図1)と
同様の構成については、図1におけるものと同一の符号
を付して、詳しい説明を省略する。
【0101】電力分配器501は、RFアンプ103に
より増幅されたRF信号を2つに分配し、分配したRF
信号をミキサ108および移相器106に出力する。移
相器106は、電力分配器501からのRF信号を90
°移相させて電力分配器502に出力する。
【0102】電力分配器502は、90°移相されたR
F信号を2つに分配し、分配したRF信号をミキサ11
0および移相器106に出力する。移相器106は、9
0°移相されたRF信号をさらに90°移相させて電力
分配器503に出力する。
【0103】電力分配器503は、合計180°移相さ
れたRF信号を2つに分配し、分配したRF信号をミキ
サ109および移相器106に出力する。移相器106
は、180°移相されたRF信号をさらに90°移相さ
せてミキサ111に出力する。
【0104】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態1と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0105】RFアンプ103により増幅されたRF信
号は、電力分配器501により2つの信号(すなわち
「第11RF信号」および「第12RF信号」)に分配
される。第11RF信号はミキサ108に出力され、第
12RF信号は移相器106に出力される。
【0106】第12RF信号は、移相器106により9
0°移相された後、電力分配器502により2つの信号
(すなわち「第13RF信号」および「第14RF信
号」)に分配される。第13RF信号はミキサ110に
出力され、第14RF信号は、移相器106に出力され
る。
【0107】第14RF信号は、移相器106により9
0°移相され(第11RF信号に対して180°移相さ
れ)た後、電力分配器503により2つの信号(すなわ
ち「第15RF信号」および「第16RF信号」)に分
配される。第15RF信号はミキサ109に出力され、
第16RF信号は、移相器106に出力される。
【0108】第16RF信号は、移相器106により9
0°移相され(第11RF信号に対して270°移相さ
れ)た後、ミキサ111に出力される。第11RF信号
および第15RF信号は、それぞれ、ミキサ108およ
びミキサ109において、実施の形態1におけるものと
同様の処理がなされる。なお、ミキサ108に入力され
る第11RF信号とミキサ110に入力される第15R
F信号とは、実施の形態1と同様に、逆相の関係にあ
る。
【0109】第13RF信号および第16RF信号は、
それぞれ、ミキサ110およびミキサ111において、
実施の形態1におけるものと同様の処理がなされる。な
お、ミキサ110に入力される第13RF信号と第16
RF信号とは、実施の形態1と同様に、逆相の関係にあ
る。
【0110】上記構成によれば、加算器113では、第
1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号とが同相で
加算されることにより、Ichのベースバンド信号が生
成される。加算器114では、第3ベースバンド信号と
第4ベースバンド信号とが同相で加算されることによ
り、Qchのベースバンド信号が生成される。
【0111】また、ミキサ108で漏洩したローカル信
号は、移相されることなく、電力分配器501に到達す
る。ミキサ109で漏洩したローカル信号は、2つの移
相器106により合計180°移相された後、電力分配
器501に到達する。よって、ミキサ108からのロー
カル信号とミキサ109からのローカル信号は、電力分
配器501に到達した時点では逆相の関係となるため、
電力分配器501において加算されることにより互いに
打ち消し合う。
【0112】同様に、ミキサ110で漏洩したローカル
信号は、移相器106により90°移相された後、電力
分配器501に到達する。ミキサ111で漏洩したロー
カル信号は、3つの移相器106により合計270°移
相された後、電力分配器501に到達する。よって、ミ
キサ110からのローカル信号とミキサ111からのロ
ーカル信号は、電力分配器501に到達した時点では逆
相の関係となるため、電力分配器501において加算さ
れることにより互いに打ち消し合う。これにより、ロー
カル信号が漏洩することに起因するアンテナからの不要
放射を大幅に抑えることができる。
【0113】また、ミキサ108〜ミキサ111おいて
仮にDCオフセットが発生した場合においても、実施の
形態1で説明したものと同様の理由により、生成される
Ichのベースバンド信号およびQchのベースバンド
信号は、ともにDCオフセットが除去されたものとな
る。
【0114】このように、本実施の形態によれば、90
°だけ移相させる1種類の移相器のみを用いるので、3
種類の移相器を用いる実施の形態1のみならず2種類の
移相器を用いる実施の形態2に比べて、DCオフセット
による誤り率特性の劣化およびアンテナからの不要放射
を防止するとともに、移相器の特性のばらつきに起因す
る受信信号の特性劣化をさらに抑えることができる。
【0115】(実施の形態6)本実施の形態において
は、実施の形態3において、用いる移相器の種類を実施
の形態4よりもさらに減らすことにより、さらに位相の
特性のばらつきを抑える場合について説明する。以下、
本実施の形態にかかるダイレクトコンバージョン受信装
置の構成について、図6を参照して説明する。
【0116】図6は、本発明の実施の形態6にかかるダ
イレクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック
図である。なお、図6における実施の形態3(図3)と
同様の構成については、図3におけるものと同一の符号
を付して、詳しい説明を省略する。
【0117】移相器106は、局部発振器112により
発生されたローカル信号を90°移相させてミキサ11
0および移相器106に出力する。移相器106は、移
相器106により90°移相されたローカル信号をさら
に90°移相させて(すなわち、局部発振器112によ
り発生されたローカル信号を合計180°移相させて)
ミキサ109および移相器106に出力する。移相器1
06は、移相器106により合計180°移相されたロ
ーカル信号をさらに90°移相させて(すなわち、局部
発振器112により発生されたローカル信号を合計27
0°移相させて)ミキサ111に出力する。
【0118】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態3と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0119】局部発振器112により発生されたローカ
ル信号は、移相されることなくミキサ108に出力さ
れ、移相器106により90°移相された後ミキサ11
0に出力される。さらに、局部発振器112により発生
されたローカル信号は、2つの移相器106により合計
180°移相された後、ミキサ109に出力され、3つ
の移相器106により合計270°移相された後、ミキ
サ111に出力される。
【0120】ミキサ108およびミキサ109では、そ
れぞれ、第1RF信号および第2RF信号と、移相され
ていないローカル信号および180°移相されたローカ
ル信号とのミキシングが行われる。これにより、第1ベ
ースバンド信号と第2ベースバンド信号が生成される。
第1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号とは、逆
相の関係にある。
【0121】また、ミキサ110およびミキサ111で
は、それぞれ、第3RF信号および第4RF信号と、9
0°移相されたローカル信号および270°移相された
ローカル信号とのミキシングが行われる。これにより、
第3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号が生成さ
れる。第3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号と
は、逆相の関係にある。
【0122】加算器113では、実施の形態3で説明し
たように、第1ベースバンド信号と第2ベースバンド信
号とが同相で加算されることにより、Ichのベースバ
ンド信号が生成される。同様に、加算器114でも、第
3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号とが同相で
加算されることにより、Qchのベースバンド信号が生
成される。
【0123】また、ミキサ108に入力されるローカル
信号とミキサ109に入力されるローカル信号とは逆相
の関係にあるため、ミキサ108で漏洩したローカル信
号とミキサ109で漏洩したローカル信号は、電力分配
器104に到達した時点では逆相の関係となるので、電
力分配器104において加算されることにより互いに打
ち消し合う。
【0124】同様に、ミキサ110に入力されるローカ
ル信号とミキサ111に入力されるローカル信号とは逆
相の関係にあるため、ミキサ110で漏洩したローカル
信号とミキサ111で漏洩したローカル信号は、電力分
配器104に到達した時点では逆相の関係となるので、
電力分配器104において加算されることにより互いに
打ち消し合う。これにより、ローカル信号が漏洩するこ
とに起因するアンテナからの不要放射を大幅に抑えるこ
とができる。
【0125】さらに、ミキサ108〜ミキサ111にお
いて仮にDCオフセットが発生した場合においても、実
施の形態3で説明した理由により、生成されるIchの
ベースバンド信号およびQchのベースバンド信号は、
ともにDCオフセットが除去されたものとなる。これに
より、DCオフセットによる誤り率特性の劣化を大幅に
防止することができる。
【0126】このように、本実施の形態によれば、90
°だけ移相させる1種類の移相器のみを用いるので、3
種類の移相器を用いる実施の形態3のみならず2種類の
移相器を用いる実施の形態4に比べて、DCオフセット
による誤り率特性の劣化およびアンテナからの不要放射
を防止するとともに、移相器の特性のばらつきに起因す
る受信信号の特性劣化をさらに抑えることができる。
【0127】(実施の形態7)本実施の形態において
は、実施の形態1〜実施の形態6に比べて、回路規模を
削減する場合について、図7を参照して説明する。図7
は、本発明の実施の形態7にかかるダイレクトコンバー
ジョン受信装置の構成を示すブロック図である。なお、
図7における実施の形態1(図1)と同様の構成につい
ては、図1におけるものと同一の符号を付して、詳しい
説明を省略する。
【0128】移相器106は、電力分配器104からの
RF信号を90°移相させてミキサ702に出力する。
ミキサ701は、電力分配器104からのRF信号と局
部発振器112からのローカル信号とをミキシングする
ことにより、電力分配器104からのRF信号をベース
バンドに周波数変換してIchのベースバンド信号を生
成する。同様に、ミキサ702は、電力分配器104か
らのRF信号と局部発振器112からのローカル信号と
をミキシングすることにより、電力分配器104からの
RF信号をベースバンドに周波数変換してQchのベー
スバンド信号を生成する。
【0129】一方、RFアンプ706は、実施の形態1
で説明したRFアンプ103と同様の構成を有するもの
である。ミキサ703は、局部発振器112からのロー
カル信号と、このローカル信号が漏洩してRFアンプ7
06に反射してこのミキサ703に入力される信号と、
をミキシングすることによりDCオフセットを発生して
加算器704および加算器705に出力する。
【0130】加算器704および加算器705は、それ
ぞれ、ミキサ701およびミキサ702により生成され
たIchのベースバンド信号およびQchのベースバン
ド信号から、ミキサ703により発生されたDCオフセ
ットを差し引く。
【0131】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態1と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0132】RFアンプ103により増幅されたRF信
号は、電力分配器104により2つのRF信号(すなわ
ち「第17RF信号」および「第18RF信号」)に分
配される。第17RF信号および第18RF信号は、そ
れぞれ、ミキサ701および移相器106に出力され
る。第18RF信号は、移相器106により90°移相
された後、ミキサ702に出力される。
【0133】ミキサ701では、第17RF信号と局部
発振器112からのローカル信号とがミキシングされ
る。これにより、第17RF信号は、ベースバンドに周
波数変換されてIchのベースバンド信号となる。同様
に、ミキサ702では、90°移相された第18RF信
号と局部発振器112からのローカル信号とがミキシン
グされる。これにより、第18RF信号は、ベースバン
ドに周波数変換されてQchのベースバンド信号とな
る。なお、Ichのベースバンド信号とQchのベース
バンド信号との間には、第18RF信号が90°移相さ
れていることに起因して、90°の位相差が生じている
ことはいうまでもない。
【0134】一方、局部発振器112により発生された
ローカル信号は、ミキサ703にも入力されている。こ
のローカル信号は、ミキサ703のRFポート(RFア
ンプ706側のポート)に漏洩する。漏洩したローカル
信号は、RFアンプ706に反射して再度ミキサ703
に入力される。この結果、ミキサ703では、局部発振
器112により発生されたローカル信号と、漏洩して反
射してきたローカル信号とがミキシングされる。これに
より、ミキサ703では、自己検波がなされて、DCオ
フセットが発生する。発生したDCオフセットは、加算
器704および加算器705に出力される。
【0135】加算器704および加算器705では、そ
れぞれ、ミキサ701で生成されたIchのベースバン
ド信号およびミキサ702で生成されたQchのベース
バンド信号から、ミキサ703により発生されたDCオ
フセットが差し引かれる。これにより、加算器704お
よび加算器705からは、それぞれ、ローパスフィルタ
115およびローパスフィルタ116に対して、DCオ
フセットが除去されたIchのベースバンド信号および
Qchのベースバンド信号が出力される。これにより、
DCオフセットによる誤り率特性の劣化を大幅に抑える
ことができる。なお、本実施の形態においては、アンテ
ナ不要放射の対策はなされない。
【0136】このように、本実施の形態によれば、通常
通り生成したIchおよびQchのベースバンド信号の
それぞれから、強制的に発生させたDCオフセットを差
し引くことにより、DCオフセットが除去されたIch
およびQchのベースバンド信号を生成することができ
る。さらに、本実施の形態によれば、ミキサを3つだけ
使用するので、ミキサを4つ使用する実施の形態1〜実
施の形態6に比べて、回路規模を削減することができ
る。
【0137】(実施の形態8)本実施の形態において
は、実施の形態7において、RF信号を移相させること
に代えて、ローカル信号を移相させる場合について、図
8を参照して説明する。図8は、本発明の実施の形態8
にかかるダイレクトコンバージョン受信装置の構成を示
すブロック図である。なお、図8における実施の形態7
(図7)と同様の構成については、図7におけるものと
同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0138】本実施の形態にかかるダイレクトコンバー
ジョン受信装置は、実施の形態7にかかるダイレクトコ
ンバージョン受信装置における移相器106を、局部発
振器112とミキサ702との間に設けた構成を有す
る。
【0139】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態7と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0140】第17RF信号および第18RF信号は、
それぞれ、ミキサ701およびミキサ702に出力され
る。ミキサ701では、実施の形態7と同様の動作がな
されて、Ichのベースバンド信号が生成される。ミキ
サ702では、第18RF信号と、移相器106により
90°移相されたローカル信号とがミキシングされるこ
とにより、Qchのベースバンド信号が生成される。
【0141】ここで、Ichのベースバンド信号とQc
hのベースバンド信号との間には、第18RF信号が9
0°移相されたローカル信号とミキシングされているこ
とに起因して、90°の位相差が生じていることはいう
までもない。
【0142】このように、本実施の形態によれば、RF
信号を移相させることに代えて、ローカル信号を移相さ
せているので、RF信号を移相させる実施の形態7に比
べて、DCオフセットによる誤り率特性の劣化を防止す
るとともに、RF信号を移相させることに起因する受信
品質の劣化および処理の複雑化を防止することができ
る。
【0143】上記実施の形態にかかるダイレクトコンバ
ージョン受信装置は、CDMA(Code Division Multip
le Access)方式やOFDM(Orthogonal Frequency Di
vision Multiplexing)方式等の様々なディジタル移動
体通信システムにおける通信端末装置や基地局装置に搭
載可能なものである。
【0144】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アンテナにより受信された高周波信号を第1信号および
第2信号の2つに分配し、第1信号から得られる第1ベ
ースバンド信号と第2信号から得られる第2ベースバン
ド信号とが逆相となるように、第1信号および第2信号
に対して周波数変換を行って第1ベースバンド信号およ
び第2ベースバンド信号を生成し、さらに、生成された
第1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号との差分
をとり所定チャネルのベースバンド信号を生成するの
で、アンテナからの不要放射を防止し、かつ、DCオフ
セットによる誤り率特性の劣化を防止するダイレクトコ
ンバージョン受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるダイレクトコン
バージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2にかかるダイレクトコン
バージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態3にかかるダイレクトコン
バージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態4にかかるダイレクトコン
バージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態5にかかるダイレクトコン
バージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態6にかかるダイレクトコン
バージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態7にかかるダイレクトコン
バージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態8にかかるダイレクトコン
バージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図9】従来のダイレクトコンバージョン受信装置の構
成を示すブロック図
【符号の説明】
104,201,202,501〜503 電力分配器 108〜111,701〜703 ミキサ 113,114,704,705 加算器 112 局部発振器 105〜107 移相器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月6日(2001.12.
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ダイレクトコンバージョン受信装
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信周波数を直接
ベースバンド周波数に周波数変換するダイレクトコンバ
ージョン受信方式を用いた受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイレクトコンバージョン受信方式は、
受信したRF信号(高周波信号)をこの信号と同じ周波
数のローカル信号とミキサで混合することにより、この
受信したRF信号を直接ベースバンド信号に周波数変換
して検波する受信方式である。このダイレクトコンバー
ジョン受信方式は、現在受信方式の主流となっているス
ーパへテロダイン受信方式と比べ、IFフィルタなどの
中間周波数(IF)回路が不要でありIC化にも適して
いるので、受信機の小型化・低消費電力化・低コスト化
に適した受信方式として期待されている。以下、従来の
ダイレクトコンバージョン受信方式を適用した受信装置
(以下単に「ダイレクトコンバージョン受信装置」とい
う)について、図9を参照して説明する。図9は、従来
のダイレクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロ
ック図である。
【0003】アンテナ11により受信されたRF信号
は、RFバンドパスフィルタ12を通過し、RFアンプ
13により増幅された後、電力分配器14により2つに
分配される。
【0004】一方、局部発振器17から供給されたロー
カル信号(Lo信号)は、90°分配器18により分配
されて、ミキサ15およびミキサ16に送られる。な
お、ミキサ15およびミキサ16に送られるローカル信
号は、相互に90°の位相差を持った信号とされる。
【0005】電力分配器14により分配された各信号
は、それぞれミキサ15およびミキサ16により、90
°分配器18からのローカル信号と混合されることによ
り、ベースバンド信号に周波数変換される。よって、ミ
キサ15およびミキサ16により得られたベースバンド
信号は、相互に90°の位相差を持った信号となる。
【0006】ミキサ15およびミキサ16により得られ
たベースバンド信号は、それぞれ、ローパスフィルタ1
9,20を通過し、ベースバンドアンプ21,22によ
り増幅され、A/D変換器23,24によりサンプリン
グ処理される。A/D変換器23およびA/D変換器2
4によりサンプリング処理されたI(同相)成分および
Q(直交)成分のベースバンド信号は、ディジタル信号
処理回路等に送られる。
【0007】このようにダイレクトコンバージョン受信
方式は、IF回路が不要なので、受信機の小型化・低消
費電力化・低コスト化に適した方式であるということが
できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のダイレクトコンバージョン受信装置においては、次
のような問題がある。すなわち、各ミキサ15,16に
おけるLo−RFポート間およびLo−BBポート間の
アイソレーションが完全ではないので、局部発振器17
からのローカル信号が、BBポートおよびRFポートに
漏洩することがある。ここで、BBポートとは、ローパ
スフィルタ19,20側のポートに相当し、RFポート
とは、電力分配器14側のポートに相当する。
【0009】BBポートに漏洩したローカル信号は、各
ローパスフィルタ19,20により除去されるので、問
題とならない。ところが、RFポートに漏洩したローカ
ル信号は、受信信号と周波数が同一の信号であるので問
題となる。
【0010】すなわち、まず第1に、RFポートに漏洩
したローカル信号は、所望信号と同一周波数の信号であ
るので、RFバンドパスフィルタ12を通過してアンテ
ナ11から放射される。このようにアンテナ11から放
射された電波は、不要放射となり、他端末に対する妨害
波となる。
【0011】第2に、RFポートに漏洩したローカル信
号は、電力分配器14、RFアンプ13またはRFバン
ドパスフィルタ12で反射して、ミキサ15またはミキ
サ16に入力されることになる。よって、このミキサ1
5またはミキサ16では、90°分配器18からのロー
カル信号と、反射して入力されたローカル信号とが乗算
されることにより、自己検波がなされる。
【0012】ミキサ15,16により自己検波がなされ
ると、それぞれ、ローパスフィルタ19,20に対し
て、DCオフセットすなわち直流成分が出力される。す
なわち、ミキサ15,16により得られたベースバンド
信号にDCオフセットが乗ることになる。この結果、ミ
キサ15,16により得られたベースバンド信号は、D
Cオフセットの影響を受けて、その電圧が高くまたは低
くなる。DCオフセットによる電圧の変化は、上述した
A/D変換時において問題となる。
【0013】したがって、ローカル信号がRFポートに
漏洩した場合、ミキサ15,16での自己検波に起因す
るDCオフセットのために、本受信装置では、受信感度
が抑圧されて、受信誤り率特性の劣化が生ずる。
【0014】以上のように、従来のダイレクトコンバー
ジョン受信装置においては、ローカル信号が漏洩するこ
とに起因して、アンテナからの不要放射が発生するとと
もに、DCオフセットにより誤り率特性が劣化するとい
う問題がある。
【0015】以上のような問題を防止するために、特開
平6−268546号公報には、次のような方法が開示
されている。すなわち、受信したRF信号を電力分配器
により4つに分配し、分配した各RF信号をそれぞれ0
゜、90゜、180゜および270゜の移相器に通して
いる。この構成によれば、ミキサからアンテナ側に漏洩
するローカル信号に対して、それぞれ、0゜、90゜、
180゜および270゜の位相差が与えられる。これに
より、漏洩した各ローカル信号は、電力分配器で加算さ
れるときに打ち消し合う。この結果、アンテナからのロ
ーカル信号の不要放射を防げることができる。
【0016】ところが、この方法では、アンテナからの
不要放射を防ぐことはできても、DCオフセットの発生
を防止することはできない。すなわち、ミキサからアン
テナ側に漏洩したローカル信号が、電力分配器や移相器
で反射してミキサに入力されることがある。この結果、
ミキサでは、自己検波がなされるのでDCオフセットが
発生する。
【0017】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、アンテナからの不要放射を防止し、かつ、DC
オフセットによる誤り率特性の劣化を防止することがで
きるダイレクトコンバージョン受信装置を提供すること
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のダイレクトコン
バージョン受信装置は、アンテナにより受信された高周
波信号を第1信号および第2信号の2つの信号に分配す
る分配手段と、前記第1信号から得られる第1ベースバ
ンド信号と前記第2信号から得られる第2ベースバンド
信号とが逆相の関係となるように、前記第1信号および
前記第2信号に対して当該各信号と同一周波数のローカ
ル信号を用いた周波数変換を行うことによりそれぞれ前
記第1ベースバンド信号および前記第2ベースバンド信
号を生成する変換手段と、前記第1ベースバンド信号と
前記第2ベースバンド信号との差分をとり所定チャネル
のベースバンド信号を生成する加算手段と、を有する構
成を採る。
【0019】この構成によれば、互いに逆相の関係にあ
る各ベースバンド信号は、同相加算されるので、適切に
所定チャネルのベースバンド信号となる。一方、第1信
号に対する周波数変換時に発生する可能性のあるDCオ
フセットと、第2信号に対する周波数変換時に発生する
可能性のあるDCオフセットとは、同相の関係にあるの
で、上記減算処理において打ち消される。これにより、
DCオフセットによる誤り率特性の劣化を防止すること
ができる。さらに、この構成によれば、第1信号に対す
る周波数変換時にRFポートに漏洩するローカル信号
と、第2信号に対する周波数変換時にRFポートに漏洩
するローカル信号とが、互いに逆相の関係となるので、
各ローカル信号はRFポート側で互いに打ち消し合う。
これにより、アンテナからの不要放射を防止することが
できる。
【0020】本発明のダイレクトコンバージョン受信装
置は、前記変換手段は、前記第1信号と前記第2信号と
の位相差を逆相とし、前記第1信号に用いるローカル信
号と前記第2信号に用いるローカル信号との位相差を同
相として、前記周波数変換を行う構成を採る。
【0021】本発明のダイレクトコンバージョン受信装
置は、前記変換手段は、前記第1信号に用いるローカル
信号と前記第2信号に用いるローカル信号との位相差を
逆相とし、前記第1信号と前記第2信号との位相差を同
相として、前記周波数変換を行う構成を採る。
【0022】これらの構成によれば、第1信号から生成
される第1ベースバンド信号と第2信号から生成される
第2ベースバンド信号とを、確実に逆位相の関係にする
ことができる。これにより、確実にDCオフセットによ
る誤り率特性の劣化を防止することができる。さらに、
これらの構成によれば、第1信号に対する周波数変換時
に漏洩したローカル信号と、第2信号に対する周波数変
換時に漏洩したローカル信号は、アンテナから放射され
る前に確実にお互いに打ち消し合うことにより、アンテ
ナからの不要放射を確実に防止することができる。
【0023】本発明のダイレクトコンバージョン受信装
置は、前記変換手段は、それぞれ所定の位相差だけ信号
を移相させる複数の移相手段を有し、前記複数の位相手
段によって前記第1信号、前記第2信号および/または
前記ローカル信号を移相させる構成を採る。
【0024】この構成によれば、所定の位相差だけ信号
を移相させる複数の移相手段を組み合わせることによ
り、移相手段の特性のばらつきに起因する受信信号の特
性劣化を抑えることができる。
【0025】本発明のダイレクトコンバージョン受信装
置は、アンテナにより受信された高周波信号に対して、
前記高周波信号と同一周波数のローカル信号を用いた周
波数変換を行うことにより、所定チャネルのベースバン
ド信号を生成する変換手段と、前記ローカル信号を用い
て強制的にDCオフセットを発生させる発生手段と、前
記所定チャネルのベースバンド信号から前記DCオフセ
ットを差し引く加算手段と、を有する構成を採る。
【0026】この構成によれば、生成された所定チャネ
ルのベースバンド信号から、強制的に発生させたDCオ
フセットを差し引くことにより、DCオフセットが除去
された所定チャネルのベースバンド信号を生成すること
ができる。これにより、周波数変換に要するミキサの数
を減らすことができるので、回路規模を削減することが
できる。
【0027】本発明の通信端末装置は、上記いずれかの
ダイレクトコンバージョン受信装置を有する構成を採
る。
【0028】本発明の基地局装置は、上記いずれかのダ
イレクトコンバージョン受信装置を有する構成を採る。
【0029】これらの構成によれば、アンテナからの不
要放射を防止し、かつ、DCオフセットによる誤り率特
性の劣化を防止するダイレクトコンバージョン受信装置
を有することにより、良好な通信を行う通信端末装置お
よび基地局装置を提供することができる。
【0030】本発明のダイレクトコンバージョン受信方
法は、アンテナにより受信された高周波信号を第1信号
および第2信号の2つの信号に分配する分配工程と、前
記第1信号から得られる第1ベースバンド信号と前記第
2信号から得られる第2ベースバンド信号とが逆相の関
係となるように、前記第1信号および前記第2信号に対
して当該各信号と同一周波数のローカル信号を用いた周
波数変換を行うことによりそれぞれ前記第1ベースバン
ド信号および前記第2ベースバンド信号を生成する変換
工程と、前記第1ベースバンド信号と前記第2ベースバ
ンド信号との差分をとり所定チャネルのベースバンド信
号を生成する加算工程と、を有するようにした。
【0031】この方法によれば、互いに逆相の関係にあ
る各ベースバンド信号は、同相加算されるので、適切に
所定チャネルのベースバンド信号となる。一方、第1信
号に対する周波数変換時に発生する可能性のあるDCオ
フセットと、第2信号に対する周波数変換時に発生する
可能性のあるDCオフセットとは、同相の関係にあるの
で、上記減算処理において打ち消される。これにより、
DCオフセットによる誤り率特性の劣化を防止すること
ができる。さらに、この方法によれば、第1信号に対す
る周波数変換時にRFポートに漏洩するローカル信号
と、第2信号に対する周波数変換時にRFポートに漏洩
するローカル信号とが、互いに逆相の関係となるので、
各ローカル信号はRFポート側で互いに打ち消し合う。
これにより、アンテナからの不要放射を防止することが
できる。
【0032】本発明のダイレクトコンバージョン受信方
法は、アンテナにより受信された高周波信号に対して、
前記高周波信号と同一周波数のローカル信号を用いた周
波数変換を行うことにより、所定チャネルのベースバン
ド信号を生成する変換工程と、前記ローカル信号を用い
て強制的にDCオフセットを発生させる発生工程と、前
記所定チャネルのベースバンド信号から前記DCオフセ
ットを差し引く加算工程と、を有するようにした。
【0033】この方法によれば、生成された所定チャネ
ルのベースバンド信号から、強制的に発生させたDCオ
フセットを差し引くことにより、DCオフセットが除去
された所定チャネルのベースバンド信号を生成すること
ができる。これにより、周波数変換に要するミキサの数
を減らすことができるので、回路規模を削減することが
できる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、アンテナにより
受信された高周波信号を第1信号および第2信号の2つ
に分配し、第1信号から得られる第1ベースバンド信号
と第2信号から得られる第2ベースバンド信号とが逆相
となるように、第1信号および第2信号に対して周波数
変換を行って第1ベースバンド信号および第2ベースバ
ンド信号を生成し、さらに、生成された第1ベースバン
ド信号と第2ベースバンド信号との差分をとり所定チャ
ネルのベースバンド信号を生成することである。
【0035】また、本発明の骨子は、アンテナにより受
信された高周波信号に対してこの高周波信号と略同一周
波数のローカル信号を用いた周波数変換を行うことによ
り生成した所定チャネルのベースバンド信号から、この
ローカル信号を用いて強制的に発生させたDCオフセッ
トを差し引くことである。
【0036】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照して詳細に説明する。
【0037】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1に係るダイレクトコンバージョン受信装置の構成
を示すブロック図である。図1において、バンドパスフ
ィルタ102は、アンテナ101により受信されたRF
信号(高周波信号)のうち所望周波数帯域の信号のみ
を、RFアンプ103に出力する。RFアンプ103
は、バンドパスフィルタ102からの所望周波数帯域の
RF信号を増幅して電力分配器104に出力する。
【0038】電力分配器104は、RFアンプ103に
より増幅されたRF信号を4つに分配し、分配したRF
信号を、ミキサ108および移相器105,106,1
07に出力する。
【0039】移相器105は、電力分配器104からの
RF信号を180°移相させてミキサ109に出力す
る。移相器106は、電力分配器104からのRF信号
を90°移相させてミキサ110に出力する。移相器1
07は、電力分配器104からのRF信号を270°移
相させてミキサ111に出力する。
【0040】局部発振器112は、所望RF信号と同一
周波数のローカル信号を発生して各ミキサ108〜11
1に出力する。ミキサ108は、電力分配器104から
のRF信号と局部発振器112からのローカル信号とを
ミキシングすることにより、電力分配器104からのR
F信号をベースバンドに周波数変換してベースバンド信
号を生成する。同様に、ミキサ109,110,111
は、それぞれ、移相器105,106,107からのR
F信号と局部発振器112からのローカル信号とをミキ
シングすることにより、移相器105〜107からのR
F信号をベースバンドに周波数変換してベースバンド信
号を生成する。
【0041】加算器113は、ミキサ108からのベー
スバンド信号とミキサ109からのベースバンド信号と
の差分を、ローパスフィルタ115に出力する。同様
に、加算器114は、ミキサ110からのベースバンド
信号とミキサ111からのベースバンド信号との差分
を、ローパスフィルタ116に出力する。
【0042】ローパスフィルタ115およびローパスフ
ィルタ116は、それぞれ、加算器113,114から
のベースバンド信号から高周波雑音を除去して、ベース
バンドアンプ117,118に出力する。
【0043】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。アンテナ101
により受信されたRF信号は、バンドパスフィルタ10
2を通過することにより、所望周波数帯域のRF信号と
なる。所望周波数帯域のRF信号は、RFアンプ103
により増幅された後、電力分配器104により4つのR
F信号(以下「第1RF信号」、「第2RF信号」、
「第3RF信号」および「第4RF信号」という)に分
配される。第1RF信号乃至第4RF信号は、それぞ
れ、ミキサ108、移相器105、移相器106、移相
器107に出力される。
【0044】電力分配器104からの第2RF信号乃至
第4RF信号は、それぞれ、移相器105〜107によ
り、180°、90°および270°だけ移相された
後、ミキサ109〜111に出力される。
【0045】各ミキサ108〜111には、局部発振器
112により発生されたローカル信号が入力されてい
る。ミキサ108〜111では、それぞれ、局部発振器
112からのローカル信号と、対応する移相器105〜
107により移相されたRF信号とがミキシングされ
る。これにより、第1RF信号ならびに移相された第2
RF信号乃至第4RF信号は、それぞれ、ベースバンド
に周波数変換されて、第1ベースバンド信号乃至第4ベ
ースバンド信号となる。第1ベースバンド信号および第
2ベースバンド信号は加算器113に出力され、第3ベ
ースバンド信号および第4ベースバンド信号は加算器1
14に出力される。
【0046】この時点においては、第1ベースバンド信
号と第2ベースバンド信号とは、第2RF信号が180
°移相されていることに起因して、逆相の関係にある。
同様に、第3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号
とは、第3RF信号が90°移相され第4RF信号が2
70°移相されていることに起因して、逆相の関係にあ
る。
【0047】加算器113では、第1ベースバンド信号
と第2ベースバンド信号との差分がとられる。すなわ
ち、第1ベースバンド信号から第2ベースバンド信号が
差し引かれる。ここで、第1ベースバンド信号と第2ベ
ースバンド信号とは逆相の関係にあるので、加算器11
3では、第1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号
とは、同相で加算される。これにより、加算器113で
は、Ichのベースバンド信号が生成される。
【0048】加算器114では、第3ベースバンド信号
と第4ベースバンド信号との差分がとられる。すなわ
ち、第3ベースバンド信号から第4ベースバンド信号が
差し引かれる。ここで、第3ベースバンド信号と第4ベ
ースバンド信号とは逆相の関係にあるので、加算器11
4では、第3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号
とは、同相で加算される。これにより、加算器114で
は、Qchのベースバンド信号が生成される。
【0049】なお、Ichのベースバンド信号とQch
のベースバンド信号とは、第1RF信号に対して第3R
F信号が90°移相されていることに起因して、90°
の位相差が生じていることはいうまでもない。
【0050】Ichのベースバンド信号およびQchの
ベースバンド信号は、それぞれ、ローパスフィルタ11
5,116により高周波雑音が除去された後、ベースバ
ンドアンプ117,118により増幅される。増幅され
たIchのベースバンド信号およびQchのベースバン
ド信号は、図示しないA/D変換器によりサンプリング
処理された後、ディジタル信号処理回路等に出力され
る。
【0051】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を、ミキサ108〜111に
おいて漏洩したローカル信号に着目して説明する。本実
施の形態に係るダイレクトコンバージョン受信装置にお
いても、従来方式と同様に、局部発振器112からのロ
ーカル信号が各ミキサ108〜111において漏洩する
可能性がある。
【0052】ミキサ108においてRFポートに漏洩し
たローカル信号は、移相されることなく、電力分配器1
04に到達する。ミキサ109においてRFポートに漏
洩したローカル信号は、移相器105により180°移
相された後、電力分配器104に到達する。よって、ミ
キサ108からのローカル信号とミキサ109からのロ
ーカル信号は、電力分配器104に到達した時点では逆
相の関係となるため、電力分配器104において加算さ
れることにより互いに打ち消し合う。
【0053】同様に、ミキサ110においてRFポート
に漏洩したローカル信号は、移相器106により90°
移相された後、電力分配器104に到達する。ミキサ1
11においてRFポートに漏洩したローカル信号は、移
相器107により270°移相された後、電力分配器1
04に到達する。よって、ミキサ110からのローカル
信号とミキサ111からのローカル信号は、電力分配器
104に到達した時点では、逆相の関係となるため、電
力分配器104において加算されることにより互いに打
ち消し合う。これにより、ローカル信号が漏洩すること
に起因するアンテナからの不要放射を大幅に抑えること
ができる。
【0054】上記のように、移相器105乃至移相器1
07を設けることにより、ミキサ108〜111で漏洩
したローカル信号は、電力分配器104においてほぼ完
全に打ち消される。
【0055】ところが、ミキサ108で漏洩したローカ
ル信号は、電力分配器104で打ち消される以前に、こ
の電力分配器104で反射してミキサ108に入力され
ることがある。また、ミキサ109で漏洩したローカル
信号は、電力分配器104で打ち消される以前に、移相
器105または電力分配器104で反射してミキサ10
9に入力されることがある。同様に、ミキサ110およ
びミキサ111で漏洩したローカル信号は、電力分配器
104で打ち消される以前に、それぞれ、移相器10
6,107または電力分配器104で反射して、同じミ
キサ110,111に入力されることがある。
【0056】具体的には、ミキサ108において漏洩し
たローカル信号は、移相されることなく電力分配器10
4で反射した後、再度、ミキサ108に入力される。
【0057】ミキサ109において漏洩したローカル信
号は、移相器105により180°移相された後、電力
増幅器104で反射し、移相器105により再度180
°移相された後、ミキサ109に入力される。または、
ミキサ109において漏洩したローカル信号は、移相器
105で反射してミキサ109に入力される。すなわ
ち、ミキサ109で漏洩したローカル信号と反射してき
たローカル信号とは、同相の関係となる。
【0058】同様に、ミキサ110(ミキサ111)に
おいて漏洩したローカル信号は、移相器106(移相器
107)により90°(270°)移相された後、電力
増幅器104で反射し、移相器106(移相器107)
により再度90°(270°)移相された後、ミキサ1
10(ミキサ111)に入力される。または、ミキサ1
10(ミキサ111)において漏洩したローカル信号
は、移相器106(移相器107)で反射してミキサ1
10(ミキサ111)に入力される。すなわち、ミキサ
110(ミキサ111)で漏洩したローカル信号と反射
してきたローカル信号とは、逆相の関係となる。
【0059】この後、ミキサ108〜111では、反射
してきたローカル信号と局部発振器112からのローカ
ル信号とがミキシングされることにより、自己検波がな
されてDCオフセットが発生する。ここで、ミキサ10
8において発生したDCオフセットとミキサ109にお
いて発生したDCオフセットとは、同相の関係となる。
同様に、ミキサ110において発生したDCオフセット
とミキサ111において発生したDCオフセットとは、
同相の関係となる。
【0060】このようにミキサ108〜111では、D
Cオフセットが発生することになるが、加算器113に
おいて、ミキサ108で発生したDCオフセットからミ
キサ109で発生したDCオフセットが差し引かれる。
したがって、加算器113により生成されるIchのベ
ースバンド信号は、DCオフセットが除去されたものと
なる。同様に、加算器114において、ミキサ110で
発生したDCオフセットからミキサ111で発生したD
Cオフセットが差し引かれる。したがって、加算器11
4により生成されるQchのベースバンド信号は、DC
オフセットが除去されたものとなる。これにより、DC
オフセットによる誤り率特性の劣化を大幅に防止するこ
とができる。
【0061】このように、本実施の形態においては、受
信信号(高周波信号)を周波数変換してベースバンド信
号を生成する際に、まず、受信信号を第1信号と第2信
号の2つの信号に分配し、第1信号から得られるベース
バンド信号と第2信号から得られるベースバンド信号と
が逆相となるように、第1信号および第2信号を周波数
変換する。さらに、互いに逆相の関係にある2つのベー
スバンド信号のうちの一方のベースバンド信号から他方
のベースバンド信号を差し引くための減算処理を行って
いる。
【0062】これにより、互いに逆相の関係にある各ベ
ースバンド信号は、同相加算されるので、適切に所定チ
ャネルのベースバンド信号となる。一方、第1信号に対
する周波数変換時に発生する可能性のあるDCオフセッ
トと、第2信号に対する周波数変換時に発生する可能性
のあるDCオフセットとは、同相の関係にあるので、上
記減算処理において打ち消される。これにより、DCオ
フセットによる誤り率特性の劣化を防止することができ
る。
【0063】さらに、本実施の形態においては、第1信
号に対する周波数変換時にRFポートに漏洩するローカ
ル信号と、第2信号に対する周波数変換時にRFポート
に漏洩するローカル信号とが、互いに逆相の関係となる
ようにしているので、各ローカル信号はRFポート側で
互いに打ち消し合う。これにより、アンテナからの不要
放射を防止することができる。
【0064】(実施の形態2)本実施の形態では、実施
の形態1において、使用する移相器の種類を減らすこと
により、移相器の特性のばらつきを抑える場合について
説明する。
【0065】上記実施の形態1では、移相器として、9
0°、180°および270°だけ移相させる3種類の
移相器を使用している。使用する移相器の種類が多いほ
ど、各移相器の特性のばらつきに起因して、受信信号の
特性が劣化する可能性がある。
【0066】そこで、本実施の形態では、90°および
180°を移相させる2種類の移相器のみを使用する。
以下、本実施の形態に係るダイレクトコンバージョン受
信装置について、図2を参照して説明する。
【0067】図2は、本発明の実施の形態2に係るダイ
レクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック図
である。なお、図2における実施の形態1(図1)と同
様の構成については、図1におけるものと同一の符号を
付して、詳しい説明を省略する。
【0068】図2において、電力分配器201は、RF
アンプ103により増幅されたRF信号を2つに分配
し、分配したRF信号を電力分配器202および移相器
106に出力する。電力分配器202は、電力分配器2
01からのRF信号を2つに分配し、分配したRF信号
をミキサ108および移相器105aに出力する。電力
分配器203は、移相器106により90°移相された
RF信号を2つに分配し、分配したRF信号をミキサ1
10および移相器105bに出力する。
【0069】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態1と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0070】RFアンプ103により増幅されたRF信
号は、電力分配器201により2つのRF信号(以下
「第5RF信号」および「第6RF信号」という)に分
配される。第5RF信号は電力分配器202に出力さ
れ、第6RF信号は移相器106に出力される。
【0071】第5RF信号は、電力分配器202により
2つのRF信号(以下「第7RF信号」および「第8R
F信号」という)に分配される。第7RF信号および第
8RF信号は、それぞれ、ミキサ108,109におい
て、実施の形態1におけるものと同様の処理がなされ
る。なお、ミキサ108に入力される第7RF信号とミ
キサ109に入力される第8RF信号とは、実施の形態
1と同様に、逆相の関係にある。
【0072】第6RF信号は、移相器106により90
°移相された後、電力分配器203により、2つの信号
(以下「第9RF信号」および「第10RF信号」)に
分配される。第9RF信号はミキサ110に出力され、
第10RF信号は、移相器105bにより180°移相
された後、ミキサ111に出力される。第9RF信号お
よび第10RF信号は、それぞれ、ミキサ110,11
1において、実施の形態1におけるものと同様の処理が
なされる。なお、ミキサ110に入力される第9RF信
号とミキサ111に入力される第10RF信号とは、実
施の形態1と同様に、逆相の関係にある。
【0073】上記構成によれば、加算器113では、第
1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号とが同相で
加算されることにより、Ichのベースバンド信号が生
成される。加算器114では、第3ベースバンド信号と
第4ベースバンド信号とが同相で加算されることによ
り、Qchのベースバンド信号が生成される。
【0074】また、ミキサ108で漏洩したローカル信
号は、移相されることなく、電力分配器202に到達す
る。ミキサ109で漏洩したローカル信号は、移相器1
05aで180°移相された後、電力分配器202に到
達する。よって、ミキサ108からのローカル信号とミ
キサ109からのローカル信号は、電力分配器202に
到達した時点では逆相の関係となるため、電力分配器2
02において加算されることにより互いに打ち消し合
う。
【0075】同様に、ミキサ110で漏洩したローカル
信号は、移相されることなく、電力分配器203に到達
する。ミキサ111で漏洩したローカル信号は、移相器
105bで180°移相された後、電力分配器203に
到達する。よって、ミキサ110からのローカル信号と
ミキサ111からのローカル信号は、電力分配器203
に到達した時点では逆相の関係となるため、電力分配器
203において加算されることにより互いに打ち消し合
う。これにより、ローカル信号が漏洩することに起因す
るアンテナからの不要放射を大幅に抑えることができ
る。
【0076】さらに、ミキサ108〜111において仮
にDCオフセットが発生した場合には、ミキサ108で
発生するDCオフセットとミキサ109で発生するDC
オフセットは同相の関係となる。よって、加算器113
において、ミキサ108で発生したDCオフセットから
ミキサ109で発生したDCオフセットが差し引かれる
ことにより、生成されるIchのベースバンド信号は、
DCオフセットが除去されたものとなる。
【0077】同様に、ミキサ110で発生するDCオフ
セットとミキサ111で発生するDCオフセットは同相
の関係となる。よって、加算器114において、ミキサ
110で発生したDCオフセットからミキサ111で発
生したDCオフセットが差し引かれることにより、生成
されるQchのベースバンド信号は、DCオフセットが
除去されたものとなる。これにより、DCオフセットに
よる誤り率特性の劣化を大幅に防止することができる。
【0078】このように、本実施の形態によれば、90
°および180°だけ移相させる2種類の移相器のみを
使用するので、3種類の移相器を使用する実施の形態1
に比べて、DCオフセットによる誤り率特性の劣化およ
びアンテナからの不要放射を防止するとともに、移相器
の特性のばらつきに起因する受信信号の特性劣化を抑え
ることができる。
【0079】(実施の形態3)本実施の形態では、実施
の形態1または実施の形態2において、RF信号を移相
させることに代えて、ローカル信号を移相させる場合に
ついて説明する。
【0080】上記実施の形態1または上記実施の形態2
では、移相器を用いてRF信号を移相させている。とこ
ろが、RF信号を移相させた場合には、RF信号に遅延
が生じて、受信品質が劣化するか、または、生じた遅延
を補償するために処理が複雑になる。
【0081】そこで、本実施の形態では、RF信号を移
相させることに代えて、ローカル信号を移相させる。以
下、本実施の形態に係るダイレクトコンバージョン受信
装置について、図3を参照して説明する。
【0082】図3は、本発明の実施の形態3に係るダイ
レクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック図
である。なお、図3における実施の形態1(図1)と同
様の構成については、図1におけるものと同一の符号を
付して、詳しい説明を省略する。
【0083】電力分配器104は、RFアンプ103に
より増幅されたRF信号を4つに分配し、分配したRF
信号を各ミキサ108〜111に出力する。移相器10
5は、局部発振器112により発生されたローカル信号
を180°移相させてミキサ109に出力する。移相器
106は、局部発振器112により発生されたローカル
信号を90°移相させてミキサ110に出力する。移相
器107は、局部発振器112により発生されたローカ
ル信号を270°移相させてミキサ111に出力する。
【0084】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態1と同様の構成については、詳
しい説明を省略する。
【0085】RFアンプ103により増幅されたRF信
号は、電力分配器104により4つのRF信号(第1R
F信号乃至第4RF信号)に分配される。第1RF信号
乃至第4RF信号は、それぞれ、ミキサ108〜111
に出力される。
【0086】局部発振器112により発生されたローカ
ル信号は、移相されることなくミキサ108に出力さ
れ、また、移相器105により180°移相された後ミ
キサ109に出力され、また、移相器106により90
°移相された後ミキサ110に出力され、また、移相器
107により270°移相された後ミキサ111に出力
される。
【0087】ミキサ108では、第1RF信号と、移相
されていないローカル信号とのミキシングが行われ、ミ
キサ109では、第2RF信号と、180°移相された
ローカル信号とのミキシングが行われる。これにより、
第1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号がそれぞ
れ生成される。第1ベースバンド信号と第2ベースバン
ド信号とは、逆相の関係にある。
【0088】また、ミキサ110では、第3RF信号
と、90°移相されたローカル信号とのミキシングが行
われ、ミキサ111では、第4RF信号と、270°移
相されたローカル信号とのミキシングが行われる。これ
により、第3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号
がそれぞれ生成される。第3ベースバンド信号と第4ベ
ースバンド信号とは、逆相の関係にある。
【0089】加算器113では、第1ベースバンド信号
と第2ベースバンド信号との差分がとられる。すなわ
ち、第1ベースバンド信号から第2ベースバンド信号が
差し引かれる。ここで、第1ベースバンド信号と第2ベ
ースバンド信号とは逆相の関係にあるので、加算器11
3において、第1ベースバンド信号と第2ベースバンド
信号とは、同相で加算される。これにより、加算器11
3では、Ichのベースバンド信号が生成される。
【0090】加算器114では、第3ベースバンド信号
と第4ベースバンド信号との差分がとられる。すなわ
ち、第3ベースバンド信号から第4ベースバンド信号が
差し引かれる。ここで、第3ベースバンド信号と第4ベ
ースバンド信号とは逆相の関係にあるので、加算器11
4において、第3ベースバンド信号と第4ベースバンド
信号とは、同相で加算される。これにより、加算器11
4では、Qchのベースバンド信号が生成される。
【0091】また、ミキサ108に入力されるローカル
信号とミキサ109に入力されるローカル信号とは逆相
の関係にあるため、ミキサ108で漏洩したローカル信
号とミキサ109で漏洩したローカル信号は、電力分配
器104に到達した時点では逆相の関係となるので、電
力分配器104において加算されることにより互いに打
ち消し合う。
【0092】同様に、ミキサ110に入力されるローカ
ル信号とミキサ111に入力されるローカル信号とは逆
相の関係にあるため、ミキサ110で漏洩したローカル
信号とミキサ111で漏洩したローカル信号は、電力分
配器104に到達した時点では逆相の関係となるので、
電力分配器104において加算されることにより互いに
打ち消し合う。これにより、ローカル信号が漏洩するこ
とに起因するアンテナからの不要放射を大幅に抑えるこ
とができる。
【0093】さらに、ミキサ108〜111において仮
にDCオフセットが発生した場合には、ミキサ108で
発生するDCオフセットとミキサ109で発生するDC
オフセットは同相の関係となる。よって、加算器113
において、ミキサ108で発生したDCオフセットから
ミキサ109で発生したDCオフセットが差し引かれる
ことにより、生成されるIchのベースバンド信号は、
DCオフセットが除去されたものとなる。
【0094】同様に、ミキサ110で発生するDCオフ
セットとミキサ111で発生するDCオフセットは同相
の関係となる。よって、加算器114において、ミキサ
110で発生したDCオフセットからミキサ112で発
生したDCオフセットが差し引かれることにより、生成
されるQchのベースバンド信号は、DCオフセットが
除去されたものとなる。これにより、DCオフセットに
よる誤り率特性の劣化を大幅に防止することができる。
【0095】このように、本実施の形態によれば、RF
信号を移相させることに代えて、ローカル信号を移相さ
せているので、RF信号を移相させる実施の形態1また
は実施の形態2に比べて、DCオフセットによる誤り率
特性の劣化およびアンテナからの不要放射を防止すると
ともに、RF信号を移相させることに起因する受信品質
の劣化および処理の複雑化を防止することができる。
【0096】(実施の形態4)本実施の形態では、実施
の形態3において、使用する移相器の種類を減らすこと
により、移相器の特性のばらつきを抑える場合について
説明する。以下、本実施の形態に係るダイレクトコンバ
ージョン受信装置について、図4を参照して説明する。
【0097】図4は、本発明の実施の形態4に係るダイ
レクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック図
である。なお、図4における実施の形態3(図3)と同
様の構成については、図3におけるものと同一の符号を
付して、詳しい説明を省略する。
【0098】移相器106は、局部発振器112からの
ローカル信号を90°移相させてミキサ110および移
相器105bに出力する。移相器105bは、移相器1
06により90°移相されたローカル信号を180°移
相させてミキサ111に出力する。
【0099】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態3と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0100】局部発振器112により発生されたローカ
ル信号は、移相器106により90°移相された後ミキ
サ110に出力され、また、移相器106により90°
移相され移相器105bにより180°移相された後ミ
キサ111に出力される。これにより、ミキサ110に
入力されるローカル信号とミキサ111に入力されるロ
ーカル信号とは、逆相の関係にある。上記以外の動作に
ついては、上記実施の形態3におけるものと同様である
ので、詳しい説明を省略する。
【0101】このように、本実施の形態によれば、90
°および180°だけ移相させる2種類の移相器のみを
使用するので、3種類の移相器を使用する実施の形態3
に比べて、DCオフセットによる誤り率特性の劣化およ
びアンテナからの不要放射を防止するとともに、移相器
の特性のばらつきに起因する受信信号の特性劣化を抑え
ることができる。
【0102】(実施の形態5)本実施の形態では、実施
の形態1において、使用する移相器の種類を実施の形態
2よりもさらに減らすことにより、さらに位相の特性の
ばらつきを抑える場合について説明する。以下、本実施
の形態に係るダイレクトコンバージョン受信装置の構成
について、図5を参照して説明する。
【0103】図5は、本発明の実施の形態5に係るダイ
レクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック図
である。なお、図5における実施の形態1(図1)と同
様の構成については、図1におけるものと同一の符号を
付して、詳しい説明を省略する。
【0104】電力分配器501は、RFアンプ103に
より増幅されたRF信号を2つに分配し、分配したRF
信号をミキサ108および移相器106aに出力する。
移相器106aは、電力分配器501からのRF信号を
90°移相させて電力分配器502に出力する。
【0105】電力分配器502は、90°移相されたR
F信号を2つに分配し、分配したRF信号をミキサ11
0および移相器106bに出力する。移相器106b
は、90°移相されたRF信号をさらに90°移相させ
て電力分配器503に出力する。
【0106】電力分配器503は、合計180°移相さ
れたRF信号を2つに分配し、分配したRF信号をミキ
サ109および移相器106cに出力する。移相器10
6cは、180°移相されたRF信号をさらに90°移
相させてミキサ111に出力する。
【0107】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態1と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0108】RFアンプ103により増幅されたRF信
号は、電力分配器501により2つの信号(以下「第1
1RF信号」および「第12RF信号」という)に分配
される。第11RF信号はミキサ108に出力され、第
12RF信号は移相器106aに出力される。
【0109】第12RF信号は、移相器106aにより
90°移相された後、電力分配器502により2つの信
号(以下「第13RF信号」および「第14RF信号」
という)に分配される。第13RF信号はミキサ110
に出力され、第14RF信号は、移相器106bに出力
される。
【0110】第14RF信号は、移相器106bにより
90°移相された後(つまり、第11RF信号に対して
180°移相された後)、電力分配器503により2つ
の信号(以下「第15RF信号」および「第16RF信
号」という)に分配される。第15RF信号はミキサ1
09に出力され、第16RF信号は、移相器106cに
出力される。
【0111】第16RF信号は、移相器106cにより
90°移相された後(つまり、第11RF信号に対して
270°移相された後)、ミキサ111に出力される。
【0112】第11RF信号および第15RF信号は、
それぞれ、ミキサ108,109において、実施の形態
1におけるものと同様の処理がなされる。なお、ミキサ
108に入力される第11RF信号とミキサ110に入
力される第15RF信号とは、実施の形態1と同様に、
逆相の関係にある。
【0113】第13RF信号および第16RF信号は、
それぞれ、ミキサ110,111において、実施の形態
1におけるものと同様の処理がなされる。なお、ミキサ
110に入力される第13RF信号と第16RF信号と
は、実施の形態1と同様に、逆相の関係にある。
【0114】上記構成によれば、加算器113では、第
1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号とが同相で
加算されることにより、Ichのベースバンド信号が生
成される。加算器114では、第3ベースバンド信号と
第4ベースバンド信号とが同相で加算されることによ
り、Qchのベースバンド信号が生成される。
【0115】また、ミキサ108で漏洩したローカル信
号は、移相されることなく、電力分配器501に到達す
る。ミキサ109で漏洩したローカル信号は、2つの移
相器106b,106aにより合計180°移相された
後、電力分配器501に到達する。よって、ミキサ10
8からのローカル信号とミキサ109からのローカル信
号は、電力分配器501に到達した時点では逆相の関係
となるため、電力分配器501において加算されること
により互いに打ち消し合う。
【0116】同様に、ミキサ110で漏洩したローカル
信号は、移相器106aにより90°移相された後、電
力分配器501に到達する。ミキサ111で漏洩したロ
ーカル信号は、3つの移相器106c,106b,10
6aにより合計270°移相された後、電力分配器50
1に到達する。よって、ミキサ110からのローカル信
号とミキサ111からのローカル信号は、電力分配器5
01に到達した時点では逆相の関係となるため、電力分
配器501において加算されることにより互いに打ち消
し合う。これにより、ローカル信号が漏洩することに起
因するアンテナからの不要放射を大幅に抑えることがで
きる。
【0117】また、ミキサ108〜111おいて仮にD
Cオフセットが発生した場合においても、実施の形態1
で説明したものと同様の理由により、生成されるIch
のベースバンド信号およびQchのベースバンド信号
は、ともにDCオフセットが除去されたものとなる。
【0118】このように、本実施の形態によれば、90
°だけ移相させる1種類の移相器のみを使用するので、
3種類の移相器を使用する実施の形態1のみならず2種
類の移相器を使用する実施の形態2に比べて、DCオフ
セットによる誤り率特性の劣化およびアンテナからの不
要放射を防止するとともに、移相器の特性のばらつきに
起因する受信信号の特性劣化をさらに抑えることができ
る。
【0119】(実施の形態6)本実施の形態では、実施
の形態3において、使用する移相器の種類を実施の形態
4よりもさらに減らすことにより、さらに位相の特性の
ばらつきを抑える場合について説明する。以下、本実施
の形態に係るダイレクトコンバージョン受信装置の構成
について、図6を参照して説明する。
【0120】図6は、本発明の実施の形態6に係るダイ
レクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック図
である。なお、図6における実施の形態3(図3)と同
様の構成については、図3におけるものと同一の符号を
付して、詳しい説明を省略する。
【0121】移相器106aは、局部発振器112によ
り発生されたローカル信号を90°移相させてミキサ1
10および移相器106bに出力する。移相器106b
は、移相器106aにより90°移相されたローカル信
号をさらに90°移相させて(すなわち、局部発振器1
12により発生されたローカル信号を合計180°移相
させて)ミキサ109および移相器106cに出力す
る。移相器106cは、移相器106bにより合計18
0°移相されたローカル信号をさらに90°移相させて
(すなわち、局部発振器112により発生されたローカ
ル信号を合計270°移相させて)ミキサ111に出力
する。
【0122】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態3と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0123】局部発振器112により発生されたローカ
ル信号は、移相されることなくミキサ108に出力さ
れ、また、移相器106aにより90°移相された後ミ
キサ110に出力される。さらに、局部発振器112に
より発生されたローカル信号は、2つの移相器106
a,106bにより合計180°移相された後、ミキサ
109に出力され、また、3つの移相器106a,10
6b,106cにより合計270°移相された後、ミキ
サ111に出力される。
【0124】ミキサ108では、第1RF信号と、移相
されていないローカル信号とのミキシングが行われ、ミ
キサ109では、第2RF信号と、180°移相された
ローカル信号とのミキシングが行われる。これにより、
第1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号がそれぞ
れ生成される。第1ベースバンド信号と第2ベースバン
ド信号とは、逆相の関係にある。
【0125】また、ミキサ110では、第3RF信号
と、90°移相されたローカル信号とのミキシングが行
われ、ミキサ111では、第4RF信号と、270°移
相されたローカル信号とのミキシングが行われる。これ
により、第3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号
がそれぞれ生成される。第3ベースバンド信号と第4ベ
ースバンド信号とは、逆相の関係にある。
【0126】加算器113では、実施の形態3で説明し
たように、第1ベースバンド信号と第2ベースバンド信
号とが同相で加算されることにより、Ichのベースバ
ンド信号が生成される。同様に、加算器114でも、第
3ベースバンド信号と第4ベースバンド信号とが同相で
加算されることにより、Qchのベースバンド信号が生
成される。
【0127】また、ミキサ108に入力されるローカル
信号とミキサ109に入力されるローカル信号とは逆相
の関係にあるため、ミキサ108で漏洩したローカル信
号とミキサ109で漏洩したローカル信号は、電力分配
器104に到達した時点では逆相の関係となるので、電
力分配器104において加算されることにより互いに打
ち消し合う。
【0128】同様に、ミキサ110に入力されるローカ
ル信号とミキサ111に入力されるローカル信号とは逆
相の関係にあるため、ミキサ110で漏洩したローカル
信号とミキサ111で漏洩したローカル信号は、電力分
配器104に到達した時点では逆相の関係となるので、
電力分配器104において加算されることにより互いに
打ち消し合う。これにより、ローカル信号が漏洩するこ
とに起因するアンテナからの不要放射を大幅に抑えるこ
とができる。
【0129】さらに、ミキサ108〜111において仮
にDCオフセットが発生した場合においても、実施の形
態3で説明した理由により、生成されるIchのベース
バンド信号およびQchのベースバンド信号は、ともに
DCオフセットが除去されたものとなる。これにより、
DCオフセットによる誤り率特性の劣化を大幅に防止す
ることができる。
【0130】このように、本実施の形態によれば、90
°だけ移相させる1種類の移相器のみを使用するので、
3種類の移相器を使用する実施の形態3のみならず2種
類の移相器を使用する実施の形態4に比べて、DCオフ
セットによる誤り率特性の劣化およびアンテナからの不
要放射を防止するとともに、移相器の特性のばらつきに
起因する受信信号の特性劣化をさらに抑えることができ
る。
【0131】(実施の形態7)本実施の形態では、実施
の形態1乃至実施の形態6に比べて、回路規模を削減す
る場合について、図7を参照して説明する。
【0132】図7は、本発明の実施の形態7に係るダイ
レクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック図
である。なお、図7における実施の形態1(図1)と同
様の構成については、図1におけるものと同一の符号を
付して、詳しい説明を省略する。
【0133】移相器106は、電力分配器104からの
RF信号を90°移相させてミキサ702に出力する。
ミキサ701は、電力分配器104からのRF信号と局
部発振器112からのローカル信号とをミキシングする
ことにより、電力分配器104からのRF信号をベース
バンドに周波数変換してIchのベースバンド信号を生
成する。同様に、ミキサ702は、電力分配器104か
らのRF信号と局部発振器112からのローカル信号と
をミキシングすることにより、電力分配器104からの
RF信号をベースバンドに周波数変換してQchのベー
スバンド信号を生成する。
【0134】一方、RFアンプ706は、実施の形態1
で説明したRFアンプ103と同様の構成を有するもの
である。ミキサ703は、局部発振器112からのロー
カル信号と、このローカル信号が漏洩してRFアンプ7
06で反射してこのミキサ703に入力される信号とを
ミキシングすることによりDCオフセットを発生して加
算器704および加算器705に出力する。
【0135】加算器704は、ミキサ701により生成
されたIchのベースバンド信号から、ミキサ703に
より発生されたDCオフセットを差し引く。また、加算
器705は、ミキサ702により生成されたQchのベ
ースバンド信号から、ミキサ703により発生されたD
Cオフセットを差し引く。
【0136】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態1と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0137】RFアンプ103により増幅されたRF信
号は、電力分配器104により2つのRF信号(以下
「第17RF信号」および「第18RF信号」という)
に分配される。第17RF信号は、ミキサ701に出力
され、第18RF信号は、移相器106に出力される。
第18RF信号は、移相器106により90°移相され
た後、ミキサ702に出力される。
【0138】ミキサ701では、第17RF信号と局部
発振器112からのローカル信号とがミキシングされ
る。これにより、第17RF信号は、ベースバンドに周
波数変換されてIchのベースバンド信号となる。同様
に、ミキサ702では、90°移相された第18RF信
号と局部発振器112からのローカル信号とがミキシン
グされる。これにより、第18RF信号は、ベースバン
ドに周波数変換されてQchのベースバンド信号とな
る。なお、Ichのベースバンド信号とQchのベース
バンド信号との間には、第18RF信号が90°移相さ
れていることに起因して、90°の位相差が生じている
ことはいうまでもない。
【0139】一方、局部発振器112により発生された
ローカル信号は、ミキサ703にも入力されている。こ
のローカル信号は、ミキサ703のRFポート(RFア
ンプ706側のポート)に漏洩する。漏洩したローカル
信号は、RFアンプ706で反射して再度ミキサ703
に入力される。この結果、ミキサ703では、局部発振
器112により発生されたローカル信号と、漏洩して反
射してきたローカル信号とがミキシングされる。これに
より、ミキサ703では、自己検波がなされて、DCオ
フセットが発生する。発生したDCオフセットは、加算
器704および加算器705に出力される。
【0140】加算器704では、ミキサ701で生成さ
れたIchのベースバンド信号から、ミキサ703によ
り発生されたDCオフセットが差し引かれる。また、加
算器705では、ミキサ702で生成されたQchのベ
ースバンド信号から、ミキサ703により発生されたD
Cオフセットが差し引かれる。これにより、加算器70
4および加算器705からは、それぞれ、ローパスフィ
ルタ115,116に対して、DCオフセットが除去さ
れたIchのベースバンド信号、Qchのベースバンド
信号が出力される。これにより、DCオフセットによる
誤り率特性の劣化を大幅に抑えることができる。なお、
本実施の形態においては、アンテナ不要放射の対策はな
されない。
【0141】このように、本実施の形態によれば、通常
通り生成したIchおよびQchのベースバンド信号の
それぞれから、強制的に発生させたDCオフセットを差
し引くことにより、DCオフセットが除去されたIch
およびQchのベースバンド信号を生成することができ
る。さらに、本実施の形態によれば、ミキサを3つだけ
使用するので、ミキサを4つ使用する実施の形態1乃至
実施の形態6に比べて、回路規模を削減することができ
る。
【0142】(実施の形態8)本実施の形態では、実施
の形態7において、RF信号を移相させることに代え
て、ローカル信号を移相させる場合について、図8を参
照して説明する。
【0143】図8は、本発明の実施の形態8に係るダイ
レクトコンバージョン受信装置の構成を示すブロック図
である。なお、図8における実施の形態7(図7)と同
様の構成については、図7におけるものと同一の符号を
付して、詳しい説明を省略する。
【0144】本実施の形態に係るダイレクトコンバージ
ョン受信装置は、実施の形態7に係るダイレクトコンバ
ージョン受信装置における移相器106を、局部発振器
112とミキサ702との間に設けた構成を有する。
【0145】次いで、上記構成を有するダイレクトコン
バージョン受信装置の動作を説明する。なお、本実施の
形態における実施の形態7と同様の動作については、詳
しい説明を省略する。
【0146】第17RF信号は、ミキサ701に出力さ
れ、また、第18RF信号は、ミキサ702に出力され
る。ミキサ701では、実施の形態7と同様の動作がな
されて、Ichのベースバンド信号が生成される。ミキ
サ702では、第18RF信号と、移相器106により
90°移相されたローカル信号とがミキシングされるこ
とにより、Qchのベースバンド信号が生成される。
【0147】ここで、Ichのベースバンド信号とQc
hのベースバンド信号との間には、第18RF信号が9
0°移相されたローカル信号とミキシングされているこ
とに起因して、90°の位相差が生じていることはいう
までもない。
【0148】このように、本実施の形態によれば、RF
信号を移相させることに代えて、ローカル信号を移相さ
せているので、RF信号を移相させる実施の形態7に比
べて、DCオフセットによる誤り率特性の劣化を防止す
るとともに、RF信号を移相させることに起因する受信
品質の劣化および処理の複雑化を防止することができ
る。
【0149】上記実施の形態に係るダイレクトコンバー
ジョン受信装置は、CDMA(CodeDivision Multiple
Access)方式やOFDM(Orthogonal Frequency Divis
ionMultiplexing)方式等の様々なディジタル移動体通
信システムにおける通信端末装置や基地局装置に搭載可
能なものである。
【0150】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アンテナにより受信された高周波信号を第1信号および
第2信号の2つに分配し、第1信号から得られる第1ベ
ースバンド信号と第2信号から得られる第2ベースバン
ド信号とが逆相となるように、第1信号および第2信号
に対して周波数変換を行って第1ベースバンド信号およ
び第2ベースバンド信号を生成し、さらに、生成された
第1ベースバンド信号と第2ベースバンド信号との差分
をとり所定チャネルのベースバンド信号を生成するの
で、アンテナからの不要放射を防止し、かつ、DCオフ
セットによる誤り率特性の劣化を防止するダイレクトコ
ンバージョン受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るダイレクトコンバ
ージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2に係るダイレクトコンバ
ージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態3に係るダイレクトコンバ
ージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態4に係るダイレクトコンバ
ージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態5に係るダイレクトコンバ
ージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態6に係るダイレクトコンバ
ージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態7に係るダイレクトコンバ
ージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態8に係るダイレクトコンバ
ージョン受信装置の構成を示すブロック図
【図9】従来のダイレクトコンバージョン受信装置の構
成を示すブロック図
【符号の説明】 104,201〜203,501〜503 電力分配器 108〜111,701〜703 ミキサ 113,114,704,705 加算器 112 局部発振器 105〜107 移相器
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナにより受信された高周波信号を
    第1信号および第2信号の2つの信号に分配する分配手
    段と、前記第1信号から得られる第1ベースバンド信号
    と前記第2信号から得られる第2ベースバンド信号とが
    逆相の関係となるように、前記第1信号および前記第2
    信号に対して各信号と略同一周波数のローカル信号を用
    いた周波数変換を行うことによりそれぞれ第1ベースバ
    ンド信号および第2ベースバンド信号を生成する変換手
    段と、前記第1ベースバンド信号と前記第2ベースバン
    ド信号との差分をとり所定チャネルのベースバンド信号
    を生成する加算手段と、を具備することを特徴とするダ
    イレクトコンバージョン受信装置。
  2. 【請求項2】 変換手段は、第1信号と第2信号との位
    相差を逆相とし、前記第1信号に用いるローカル信号と
    前記第2信号に用いるローカル信号との位相差を同相と
    して、周波数変換を行うことを特徴とする請求項1に記
    載のダイレクトコンバージョン受信装置。
  3. 【請求項3】 変換手段は、第1信号に用いるローカル
    信号と第2信号に用いるローカル信号との位相差を逆相
    にし、前記第1信号と前記第2信号との位相差を同相と
    して、周波数変換を行うことを特徴とする請求項1に記
    載のダイレクトコンバージョン受信装置。
  4. 【請求項4】 変換手段は、同一の位相差を移相させる
    複数の移相手段を組み合わせることにより、第1信号、
    第2信号またはローカル信号を移相させることを特徴と
    する請求項1から請求項3のいずれかに記載のダイレク
    トコンバージョン受信装置。
  5. 【請求項5】 アンテナにより受信された高周波信号に
    対して、前記高周波信号と略同一周波数のローカル信号
    を用いた周波数変換を行うことにより、所定チャネルの
    ベースバンド信号を生成する変換手段と、前記ローカル
    信号を用いて強制的にDCオフセットを発生させる発生
    手段と、前記所定チャネルのベースバンド信号から前記
    DCオフセットを差し引く加算手段と、を具備すること
    を特徴とするダイレクトコンバージョン受信装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    のダイレクトコンバージョン受信装置を備えたことを特
    徴とする通信端末装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    のダイレクトコンバージョン受信装置を備えたことを特
    徴とする基地局装置。
  8. 【請求項8】 アンテナにより受信された高周波信号を
    第1信号および第2信号の2つの信号に分配する分配工
    程と、前記第1信号から得られる第1ベースバンド信号
    と前記第2信号から得られる第2ベースバンド信号とが
    逆相の関係となるように、前記第1信号および前記第2
    信号に対して各信号と略同一周波数のローカル信号を用
    いた周波数変換を行うことによりそれぞれ第1ベースバ
    ンド信号および第2ベースバンド信号を生成する変換工
    程と、前記第1ベースバンド信号と前記第2ベースバン
    ド信号との差分をとり所定チャネルのベースバンド信号
    を生成する加算工程と、を具備することを特徴とするダ
    イレクトコンバージョン受信方法。
  9. 【請求項9】 アンテナにより受信された高周波信号に
    対して、前記高周波信号と略同一周波数のローカル信号
    を用いた周波数変換を行うことにより、所定チャネルの
    ベースバンド信号を生成する変換工程と、前記ローカル
    信号を用いて強制的にDCオフセットを発生させる発生
    工程と、前記所定チャネルのベースバンド信号から前記
    DCオフセットを差し引く加算工程と、を具備すること
    を特徴とするダイレクトコンバージョン受信方法。
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