JP2002071810A - ガラス線量計及びその校正方法 - Google Patents

ガラス線量計及びその校正方法

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JP2002071810A
JP2002071810A JP2000257302A JP2000257302A JP2002071810A JP 2002071810 A JP2002071810 A JP 2002071810A JP 2000257302 A JP2000257302 A JP 2000257302A JP 2000257302 A JP2000257302 A JP 2000257302A JP 2002071810 A JP2002071810 A JP 2002071810A
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glass dosimeter
radiation
glass
calibration
dosimeter
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Megumi Urata
恵 浦田
Takashi Matsushita
敬 松下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般の放射能測定器で校正に使用している核
種が放射するエネルギーより高いエネルギーを照射する
加速器等において個人の被ばく量を測定する測定器及び
その校正法を提供したい。 【解決手段】 加速器等を停止して点検を行う人たちの
被ばく量をより正確に測定し、事故等が発生したときの
被ばく量をより正確に求めると共に、治療等に反映させ
る。このガラス線量計は、ガラス線量素子31上に複数
の遮蔽体31Aを積層したものである。校正には実際に
使用しようとする粒子線治療装置を用いて行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粒子線治療装置やX
線発生装置等において人が被ばくした線量を測定する個
人用測定器であるガラス線量計及びその校正方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている個人の放射線被ばく
量の測定器具としては、フイルムバッジ、ポケット線量
計、ガラス線量計、半導体式電子線量計等がある。これ
らの機械は一定期間(通常は1年)を超えないごとに校
正され、精度が保たれていることを確認しながら使用さ
れる。
【0003】校正は標準となる測定器との比較によって
行われる。日本における基準の計器としては工業技術院
の計器が用いられる。この標準計器により校正された一
次標準計器が校正を行う業者に保管されこれを基に一般
の計器が校正される。校正には通常以下の線源が使用さ
れる。 γ線 コバルトー60 1172keV 1332keV セシウムー137 662keV アメリシュウムー241 60keV β線 ストロンチュウムー90 2280keV 中性子線 アメリシュウムーベリリュウム 最大 約 2000keV カルホニュームー252 最大 約 2000keV
【0004】このような放射線源を使用しフイルムバッ
ジやポケット線量計、また環境測定に使用されるGMサ
ーベイメーター、電離箱サーベイメーター等の測定器具
が校正される。これらの測定器具の校正の方法を図2に
より説明する。図2において21は校正用の放射性線源
であって上述した如き各種の線源が存在する。22は標
準用一次測定器、24は被校正測定器(例えばサーベイ
メーター)、25は個人モニター用被校正測定器、26
は人体模擬用ファントムを示す。標準用一次測定器22
は校正用に使用する工業技術院で校正された一次標準計
器である。計器22と線源21、計器24と線源21、
計器25と線源21とは、それぞれ同一距離Lだけ離れ
た位置関係で測定を行う。
【0005】先ず図2(A)に従って測定器22で線源
21による線量率を求める。その後目的とする測定器2
4を図2(B)に示すように配置しこの測定器24の線
量率を求める。測定器24と一次標準計器22との各測
定値比を換算係数として求める。換算係数が一定以下で
あればその測定器24は合格となり換算係数を表示して
測定現場に配置使用される。換算係数が一定以上であれ
ばその測定器24は不合格となり修理されて再び校正さ
れる。
【0006】図2(A)(B)においてはサーベイメー
ターにて説明したが、フイルムバッジやポケット線量計
等の個人用測定器25においては、図2(C)に示すよ
うに、人体と同じような組織構成をしたファントム26
に測定器24を取り付けて測定を行い、次にファントム
26に測定器25を取り付けて測定を行い、校正を行
う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した放射能測定器
の校正方法は日本工業規格に従い実施されているもの
で、校正された機器は、原子力発電所、放射性同位元素
(RI)使用施設、加速器施設等において使用される。
しかし、最近治療用の粒子加速器が発達しそれを利用し
た粒子線治療装置が各地に設置されるようになった。こ
の治療装置は電源をきれば放射線の発生が停止する。更
に照射室のドアーを開けば即刻電源が遮断されたり、各
人に電源スイッチの鍵を配布し、全員の鍵が返却されな
い限り電源が投入できない機構等、種々のインターロッ
クを装備しており誤って人に放射線を照射しないような
構造となっている。このために人にたいする特別な個人
モニター用放射能測定器は準備されておらず、従来と同
じフィルムバッジやポケット線量計等を使用している。
一方放射線管理上は被ばくしていないことを証明し記録
しておく必要がある。法律において測定は、原則として
機器で行うこと、どうしても不可能なときは、計算でも
可能となっている。従って放射線管理上は測定可能な機
器が要求されている。
【0008】しかし、最近設置された加速器は400M
eVの陽子線や、8GeV(8000MeV)の電子線
等、従来の校正に使用されている核種から放射される放
射線のエネルギより1000倍以上高いエネルギーのビ
ームを放出する。個人モニター用の放射能測定器は校正
業者がこのようなエネルギーの線源を準備できないた
め、校正することができずに、通常の校正が行われてい
る。現状は一般的な測定器である、フイルムバッジやポ
ケット線量計を使用し、被ばくしていないことを確認し
ているが、通常の作業、点検作業や、万一起こった時の
事故等のためにも確実に校正ができている測定器の開発
が待たれている。
【0009】本発明の目的は、こうした線量計に代わる
新規なガラス線量計及びその校正法を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、照射面を持つ
ガラス線量素子と、この照射面上に積層される、質量の
異なる複数の減速材を区分して配置した減速材フィルタ
層と、を備えたガラス線量計を開示する。
【0011】更に本発明は、加速器と、その発生粒子を
通し軌道制御がはかられる管路と、管路からの粒子をベ
ッド上の被検体に照射すべく構成した治療用ガントリー
と、を有する粒子線治療装置の、施設内の放射線測定用
に着衣装着して使用するガラス線量計を開示する。
【0012】更に本発明は、ガラス線量計の校正法にお
いて、治療用ガントリーのベット上のファントムにこの
ガラス線量計を装着して、粒子ビーム照射しての放射線
測定を行い、このガラス線量計に代わって基準放射線測
定器を装着して、粒子ビーム照射しての放射線測定を行
い、両測定で得た測定値からガラス線量計の校正値を
得、この校正値でその後のガラス線量計の着衣装着に伴
う測定値の校正を行うようにしたガラス線量計の校正法
を開示する。
【0013】更に本発明は、ガラス線量計の校正法にお
いて、治療用ガントリーの照射口の経路上に加速ビーム
通過管路と同一材質及び又は同一形状のモデル材を配置
し、このモデル材の照射口側と反対側に上記ガラス線量
計を装着して、粒子ビーム照射しての放射線測定を行
い、このガラス線量計に代わって基準放射線測定器を装
着して、粒子ビーム照射しての放射線測定を行い、両測
定で得た測定値からガラス線量計の校正値を得、この校
正値でその後のガラス線量計の着衣装着に伴う測定値の
校正を行うようにしたガラス線量計の校正方法を開示す
る。
【0014】更に本発明は、粒子線治療装置に代わって
X線発生装置の施設で使用することとしたガラス線量計
を開示する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例を図面を用
いて詳細に説明する。図1は病院に設置されているガン
治療に用いられる陽子線治療装置の概略を示す。同図に
おいて1は陽子を加速する加速器(シンクロトロン、ま
たはサイクロトロン)、2はステンレス等の管路(図示
せず)内を通る陽子ビーム、3は治療室、4、5、6、
7、8は陽子ビームの進行方向を曲げるための電磁石、
9はガントリーと呼ばれる陽子ビームを任意の位置へ移
動させ患者に照射するための部材、10、16はガント
リーを支える支点、11は患者用ベッド、12は治療を
受ける患者、13は廊下、14は入り口の扉、15は制
御室、を示す。
【0016】ガン治療用に用いられる陽子ビームはエネ
ルギーが最大400MeV程度であり、治療する部位に
よってエネルギーを変化させる。すなわち皮膚に近い所
では低いエネルギーのビームを、逆に深い場所ではエネ
ルギーが高いビームを加速器1で発生させる。加速器1
で発生したビーム2は電磁石4、5、6、7、8でその
軌道が曲げられる。治療を受ける患者12は、ベット1
1の上で静止している。目的とする治療の位置、頭、
肺、腸等へは総重量100トンにも達するガントリー9
と呼ばれる装置でビームを移動する。ガントリーには電
磁石6、7、8が設置されており、10、16のガント
リー支点で回転するようになったいる。これにより患者
は静止した状態で上下左右より目的とする部位へ任意の
エネルギーのビームを照射治療することができる。ビー
ム2は通常、真空に保たれている、照射管と呼ばれるス
テンレス鋼製の管路の中を進行する。これらの治療は制
御室15で直接監視しながら実施されると共に、多数の
テレビカメラを用いて安全を確認しながら行われる。治
療室3へは入り口扉14より廊下13を通じて入室する
が、治療中は看護婦と、患者の身内による介助する人等
最低限の人等が入室する。治療室3は加速器の最大エネ
ルギーのビームに対して仮に管路の外部へ漏れた場合に
も治療室3から更なる外部に漏れないように十分な遮蔽
能力を有する構造となっている。また不要な人が扉14
を開いて入室しようとすると、インターロックが作動し
照射ビームが停止する構造となっている。
【0017】最大400MeVにも達する高エネルギー
粒子がステンレス管路内を通る場合、管路の折れ曲がり
個所では、軌道を曲げるための電磁石に不具合(例えば
磁力低下)があると、粒子の一部が曲げられずに直進し
管路内壁に衝突し、その管路を構成するFe等の原子を
核破砕することがある。破砕しても施設外に漏れないよ
うな構造にはしているが、完全な遮蔽効果を発揮できな
い例もある。核破砕によって、陽子線、γ線、β線、中
性子線、重粒子線等の放射線が発生し、これが管路外へ
と放出されてしまうことがある。そこで、この施設の管
理区域で働く人達(医者、看護婦、オペレータ、照射装
置の点検者等)には放射線測定器の装着が義務付けられ
ている。放射線は狭い範囲で照射されるため、管理区域
で働く人達の胸、頭、腹、手足等の複数個所に装着す
る。
【0018】本実施の形態では、放射線測定器として、
複数の質量の異なる減速材(遮蔽体)をフィルタとして
利用したガラス線量計を使用する。ガラス線量計は銀活
性リン酸塩ガラスを使用し、放射線を照射した後、紫外
線を照射すると蛍光を発生する。この蛍光量を測定する
ことで、受けた放射線を定量する。このガラス線量計
は、γ線、β線、陽子線、中性子線、重粒子線に感度を
持っているため、前記治療装置において発生する可能性
がある、Fe等の原子を破砕したときに発生する陽子
線、γ線、β線、中性子線、重粒子線等の放射線を検出
できる。尚、ガラス線量計の一般文献としては、雑誌
「応用物理」(38巻、11号、1969。1077
(67)〜1082(72))の「蛍光ガラス線量計の
メカニズム」(横田著)がある。
【0019】次に本発明の実施の態様として使用するガ
ラス線量計について図3を用いて説明する。このガラス
線量計30は、数cmの長さと1〜2cm程度の幅を持
つ衣服等に簡単に装着可能な構造の小型素子であり、下
層にガラス線量素子31を持ち、その上部に区分された
フィルタ層31Aを積層したものである。ガラス線量素
子31はフィルタ層31Aの区分に対応して区分化され
ている。しかし、この区分化しない例もありうる。ガラ
ス線量素子31は、例えば銀を含んだリン酸ガラスより
成るものであり、放射線を受けた場合、その後で例えば
365mμを中心にした紫外線を照射し、これが蛍光発
光となり、この蛍光量を測定することで、ガラスに受け
た放射線総量を求めようとするものである。紫外線を照
射するまでに受けた放射線総量を検出できるため、積分
形検出器と呼ばれる。フィルタ層31Aは、低いエネル
ギーの放射線を分別するために質量の差を利用するよう
にしたものである。このフィルタ層31Aは、線量素子
31の長手方向に沿って区分(例えば7区分)されてお
り、各区分毎に異なるフィルタ効果を持つように材料設
定してある。例えば、区分32は、遮蔽効果なしの材
料、区分33はプラスチック材、区分34はアルミニュ
ーム材、区分35は銅材、区分36は鉄材、区分37は
鉛材、区分38はボロン合金材の各素材より成るフィル
タである。こうした素材設定により、区分35〜38に
は電子線の遮蔽効果、区分36〜38には陽子線の遮蔽
効果、区分38には中性子線の遮蔽効果をもたせること
ができる。この結果、区分35〜38では、電子線の検
出に利用され、区分35では陽子線の検出に利用され
る。他も同様である。従って、区分の素材として測定対
象に必要なものを選ぶことで、高エネルギーの各種放射
線を適格に測定できることになる。
【0020】使用法は以下の如くである。区分フィルタ
31Aを線量素子31に積層して得たガラス線量計30
を、区分フィルタ31Aを表側にして身体の一部に付け
る。身体の一部への付け方は、バッジ式、マジックテー
プ(登録商標)式等を採用する。通常身体の複数個所に
装着する。区分フィルタ31Aが放射線入力方向39と
なる。そして、入力方向39からの放射線は、その区分
32〜38に応じてフィルタリングされ、区分対応の線
量素子31の領域に照射され、蓄積効果を生む。このガ
ラス線量計30は照射された後、紫外線を照射する読取
器にかけられ線量を読み取る。フィルタ層31Aを設け
たことで、エネルギーが低い放射線を分別でき、エネル
ギーが高い陽子線、重粒子線、中性子線を効率よく測定
できる。すなわち、電子線は、銅、鉄、鉛、ボロン合金
ではほとんど遮へいされ、陽子等の粒子線は、鉄、鉛、
ボロン合金で低エネルギーの散乱線が遮へいされ、中性
子線はボロン合金で遮蔽される。
【0021】ガラス線量計30の校正を説明する。ガラ
ス線量計30は、従来例と同じ標準計器を使っての校正
Iと、実際に使用する加速器の実際のエネルギー照射を
受けての校正IIと、管路の核破砕を想定しての校正III
との3つがある。この3つの校正は、互いに独立であっ
て、同一のガラス線量計に対して別々に行うものであ
る。更に、ガラス線量計30を加速器の施設でのみ使う
場合は、校正II、IIIで間に合う。勿論、念のために校
正Iをも行うことがある。加速器の他に例えばガンマナ
イフ装置が設置されている施設での使用にあっては、校
正I、II、IIIのすべてが必要である。いずれにしろ、ガ
ラス線量計の提供側やメンテナンス側、施設管理者側に
あっては、こうした校正I、II、IIIの各データを提供
し、実際のガラス線量計による測定値の校正を行わせ
る。
【0022】(1)校正I これは図2に述べたやり方による校正である。即ち、従
来と同じ以下の線源のエネルギーを使用して従来と同じ
やり方で校正値Aを得る。 γ線 コバルトー60 1172keV 1332keV セシウムー137 662keV アメリシュウムー241 60keV β線 ストロンチュウムー90 2280keV 中性子線 アメリシュウムーベリリュウム 最大約 2000keV カルホニュームー252 最大約 2000keV
【0023】(2)、校正II 実際に使用する相手となる現場設置の粒子線治療装置を
利用して校正データを得る。そのために、実際の校正対
象のガラス線量計と、大型の標準放射線測定器とを使
う。大型の標準放射線測定器とは、ガラス線量計に対し
て大型との意であり、例えば電離箱と減速材とを組み合
わせたものである。大型の標準放射線測定器は、ガラス
線量計に比べて広い領域を有し、1個で又は1回の測定
で広い面積の検出を可能にする。
【0024】先ず、図4に示すように、患者を治療する
時に使用するベッド11の部分にファントム26を設置
し、その上にガラス線量計30を装着する。そして加速
器を実際に運転し、実際に使用するエネルギーで一定時
間に一定条件でスキャンし照射を行う。照射終了後に加
速器を停止し、線量計30を取り除き、代わりに上述の
大型の標準放射線測定器を設置し、同様の条件で測定す
る。この場合ファントム26を取り除くやり方と取り除
かないやり方のいずかれを採用する。
【0025】加速器では加える電圧と注入する電流によ
り照射角を指定すれば、照射量(線量当量率)は、計算
と実験により求まる。かかる照射量に対してガラス線量
計の測定値(マイクロシーベルト/時間)a、大型の放
射測定器の測定値bを得、照射量−測定値a、照射量−
測定値bの両者の比をとることで、ガラス線量計の校正
値Bを得る。尚、ガラス線量計の測定値とは、放射線照
射を受けたガラス線量計に対して紫外線を照射し、その
出力蛍光を測定することで得たものである。加速器では
治療部位に応じて照射エネルギーが種々設定可能となっ
ている。最小から最大までのある幅を持つ。例えば最大
が8000MeVになる加速器もある。そうした種々の
照射エネルギーに対しても校正値を得るには、加速器に
対して種々の照射エネルギーを変更設定するように制御
操作をし、上述の如き測定を行う。加速器では同一の照
射条件を再現できるゆえに、校正の精度を高めるため
に、同種の測定を複数回にわたって行う事が好ましい。
【0026】(3)、校正III 核破砕は管路の折れ曲がり部分の磁界の低下により発生
することが多い。その様子を図5に示す。管路40は、
例えばステンレス管であり、その内部をビーム2が通
る。管路40の折れ曲がり部位には超電導電磁石の如き
電磁石41が設置され、その磁界によりビーム2を2a
→2b→2cの如く折れ曲がった管路に沿って軌道変更
をはかる。ビーム2のエネルギーを考慮して管路に沿っ
て正しく折れ曲がるような磁界が印加されているが、電
磁石41の不具合(例えば磁力の低下)によって、ビー
ム軌道が曲げられず、一部のビームが直進したりするこ
とがある。直進すると管路40の直進方向Dの管路壁面
にビームが衝突し、その壁面の原子、例えばFeと衝突
し、Feの核破砕を起こす。核破砕によって放射線が発
生する。こうした核破砕による放射線を検出するのも、
ガラス線量計の役割である。
【0027】そこで、実機である粒子線治療装置を使っ
て核破砕による放射線測定の校正IIIを行う。ガントリ
ーのベッド位置のファントム26上にガラス線量計30
を装着(ファントム26を使用しないこともある)し、
照射口とこのガラス線量計30との間に管路40と同材
質及び同一壁面形状のモデル材を置く。その上で加速器
を運転してビームを照射する。モデル材を通して核破砕
による放射線をガラス線量計30で測定する。更に、こ
のガラス線量計に代わって、大型の標準放射線測定器を
装着して同様の測定を行う。そして両測定値d、eを対
比することで校正値Cを得る。当然のことながら、上記
測定は、照射エネルギーを変えながら行う。それによっ
て照射エネルギーと測定値との関係が求まり、照射エネ
ルギーに対する校正値Cを得ることができる。
【0028】以上で得た校正値は、例えばビームのエネ
ルギー(MeV)と校正値との関係を示す関数値(曲
線)である。この校正値で、実際の作業員や看護婦等の
つけているガラス線量計の測定値を校正することで、正
しい測定値(照射量)を求めることができる。こうした
校正値や校正関数はパソコンに入力しておき、測定値を
取り込み自動校正をはかる。
【0029】このフィルター付きガラス線量計はガン治
療時に患者を看護する看護婦や、身内の人に複数個装着
され個人の被ばく量をモニターする。またこのような放
射線発生装置は1年に1回等、定期的に点検すると共
に、不具合が発生したとき、メーカーの保守担当者が照
射室に線量計を付けて立入り点検する。点検において通
常放射線発生装置は14のドアを開けることによりイン
ターロックが作動し、ビームを発生させるこはない。し
かし、不具合の状況によりこれらのインターロックを解
除し、ビームの状況を確認しながら点検することもあ
る。このような点検では十分被ばくをしないようにビー
ムの向きを確認しながら行われるが、もしビームを曲げ
る電磁石等に不具合が発生したとき被ばくする可能性が
ある。図5に示すように電磁石が不具合を起こした時、
ビームが予定していない方向に流れる。点検中にこのよ
うなことが起こっていないことを確認するためにも、ガ
ラス線量計をつけ、被ばく量をモニターする。上記の実
施例はガン治療用の加速器について説明したが、電子を
加速する加速器や、X線発生装置においてもフィルター
を変更することにより同様の効果がえられる。
【0030】
【発明の効果】本発明のような校正を行った個人モニタ
ーを使用することにより、より正確に被ばく量を評価す
ることができ、人体への影響の推定や医学的な治療をよ
り的確に行うことができる。また装置の点検を行う人た
ちも実際の被ばく量を正確に測定されているということ
がわかり安心して作業を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガン治療用加速器システム図である。
【図2】従来方法による測定器の校正方法を示した図で
ある。
【図3】本発明に使用するガラス線量計を説明した図で
ある。
【図4】本発明による線量計の校正方法を示した図であ
る。
【図5】電磁石による陽子線の動きを示した図である。
【符号の説明】
1 加速器(シンクロトロンまたはサイクロトロン) 2 陽子線 3 治療室 4、5、6、7、8、47 電磁石 9 ガントリー 10、16 ガントリー支点 11 患者用ベット 12 患者 13 照射室への廊下 14 入り口扉 15 操作室 21 校正用線源 22 1次標準計器 24 校正用計器 25 個人用線量計 26 ファントム 30 ガラス線量計 31 ガラス線量素子 31A フィルタ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G088 BB12 FF02 FF04 FF05 FF06 FF09 FF13 FF19 JJ08 JJ09 JJ27 JJ29 JJ30 LL05 LL06 LL08 LL15 LL28

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照射面を持つガラス線量素子と、この照
    射面上に積層される、質量の異なる複数の減速材を区分
    して配置した減速材フィルタ層と、を備えたガラス線量
    計。
  2. 【請求項2】 加速器と、その発生粒子を通し軌道制御
    がはかられる管路と、管路からの粒子をベッド上の被検
    体に照射すべく構成した治療用ガントリーと、を有する
    粒子線治療装置の、施設内の放射線測定用に着衣装着し
    て使用する請求項1のガラス線量計。
  3. 【請求項3】 請求項2のガラス線量計の校正法におい
    て、治療用ガントリーのベット上のファントムにこのガ
    ラス線量計を装着して、粒子ビーム照射しての放射線測
    定を行い、このガラス線量計に代わって標準放射線測定
    器を装着して、粒子ビーム照射しての放射線測定を行
    い、両測定で得た測定値からガラス線量計の校正値を
    得、この校正値でその後のガラス線量計の着衣装着に伴
    う測定値の校正を行うようにしたガラス線量計の校正
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2のガラス線量計の校正法におい
    て、治療用ガントリーの照射口の経路上に加速ビーム通
    過管路と同一材質及び又は同一形状のモデル材を配置
    し、このモデル材の照射口側と反対側に上記ガラス線量
    計を装着して、粒子ビーム照射しての放射線測定を行
    い、このガラス線量計に代わって標準放射線測定器を装
    着して、粒子ビーム照射しての放射線測定を行い、両測
    定で得た測定値からガラス線量計の校正値を得、この校
    正値でその後のガラス線量計の着衣装着に伴う測定値の
    校正を行うようにしたガラス線量計の校正方法。
  5. 【請求項5】 請求項2で、粒子線治療装置に代わって
    X線発生装置の施設で使用することとしたガラス線量
    計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20130103284A (ko) * 2012-03-09 2013-09-23 한국전자통신연구원 이온 빔 프로파일러, 이온 빔 필터, 및 이온 빔 필터를 장착한 이온 빔 생성 장치
WO2015190602A1 (ja) * 2014-06-13 2015-12-17 三菱重工メカトロシステムズ株式会社 ガンマ線計測装置及びガンマ線計測方法

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