JP2002069198A - 再分散性良好な合成樹脂粉末 - Google Patents

再分散性良好な合成樹脂粉末

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JP2002069198A
JP2002069198A JP2000258821A JP2000258821A JP2002069198A JP 2002069198 A JP2002069198 A JP 2002069198A JP 2000258821 A JP2000258821 A JP 2000258821A JP 2000258821 A JP2000258821 A JP 2000258821A JP 2002069198 A JP2002069198 A JP 2002069198A
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resin powder
weight
slurry
styrene
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JP2000258821A
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English (en)
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Etsuo Ito
悦夫 伊藤
Hideyuki Sumi
英行 角
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DKS Co Ltd
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 上記の課題は、スチレン・ブタジエン系
ラテックス、エチレン性不飽和単量体重合エマルジョン
および保護コロイド成分を混合して乾燥することによっ
て得られた再分散性良好な合成樹脂粉末とすることによ
って解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐ブロッキング性
に優れた再分散性の合成樹脂粉末に関する。本発明は更
に詳しくは、スチレン・ブタジエン系ラテックス(以
下、適宜「SBR」と言う)から成る再分散性良好な合
成樹脂粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン・ブタジエン系ラテックスは土
木用、紙用または接着剤用等のバインダーとして有用で
あるが、このような水性エマルジョンは輸送や保管の容
易性を考慮して、使用時に水と混合すると再分散してそ
のような水性エマルジョンになるSBRから成る合成樹
脂粉末が従来より求められていた。しかしながら、スチ
レン・ブタジエン系ラテックスは粘着剤としても使用さ
れるように粘着性であり、これを単独で粉末化すること
は困難である。またSBR単独の粉末はブロッキング
(塊状化)を起こしてしまうのでこれを水に分散させて
も沈降物が発生して所望の水性エマルジョンを得ること
は困難である。
【0003】このような課題を解決する手段として、ス
チレン・ブタジエン系ラテックスに保護コロイド成分や
シリカ等の抗粘結防止剤を多量に配合して粉末化する方
法もあるが、保護コロイド成分や抗粘結防止剤を多量に
含むスチレン・ブタジエン系ラテックスの乾燥粉末は再
分散させても土木用、紙用および接着剤用のバインダー
としての実用性に劣る。そこで、従来より、使用時に水
と混合して好適な水性エマルジョンを形成するスチレン
・ブタジエン系の合成樹脂粉末が種々提案されてきた。
【0004】例えば、特開平09−151221号、特
開平11−263849号、特開平11−279361
号または特開平10−194816号には、水溶性高分
子あるいは親水性化合物をラテックスの表面に化学的に
結合したり、コア/シェル構造を有するラテックスを乾
燥したり、カルボキシル化ブタジエンコポリマーをベー
スとしたラテックスを乾燥することによって所望の合成
樹脂粉末を得る方法が記載されている。このような従来
の方法によって、再分散性および耐ブロッキング性に優
れた粉末は得られるが、より生産性を高めた同様の合成
樹脂粉末およびその製法が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、モ
ノマー変成を行ったりラテックスの表面修飾を行なうこ
となく、再分散性に優れたスチレン・ブタジエン系ラテ
ックスから成る合成樹脂粉末を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決するため種々検討を重ねた結果、スチレン・ブタ
ジエン系ラテックス、エチレン性不飽和単量体重合エマ
ルジョン、および保護コロイド成分を混合して乾燥する
ことによって得られた再分散性良好な合成樹脂粉末とす
ることによって解決できることを見いだした。以下に本
発明を詳細に説明する。
【0007】〔スチレン・ブタジエン系ラテックス(S
BR)〕本発明の合成樹脂粉末には、スチレン・ブタジ
エン系ラテックスが第一成分として配合されている。一
般的には、スチレン・ブタジエン系ラテックスはスチレ
ン系単量体およびブタジエン系単量体のラジカル乳化重
合によって得られる。従来より、スチレン・ブタジエン
系ラテックスとして、その単量体成分またはその重合体
に様々な化学的修飾を行なったものが提案されている
が、本発明においては、このような種々の改質されたス
チレン・ブタジエン系ラテックスを任意に使用すること
ができる。例えば、スチレン系単量体としてカルボキシ
変成スチレンやスルホン変成スチレン等を使用したも
のや、またブタジエン系単量体としてブタジエン、イソ
プレンおよびクロロプレンや、これらのカルボキシ変成
物やスルホン変成物等を使用したスチレン・ブタジエ
ン系ラテックスも本発明において使用できる。
【0008】本発明の合成樹脂粉末中のスチレン・ブタ
ジエン系ラテックスの配合量は特に限定されないが、そ
の中に、スチレン・ブタジエン系ラテックスに由来する
固形分が、10〜90重量%、さらに好ましくは40〜
90重量%、最適には60〜85重量%含まれているこ
とが好ましい。これによって再分散性に優れ、しかも種
々の用途において有用なSBRから成る合成樹脂粉末を
得ることができる。
【0009】〔エチレン性不飽和単量体重合エマルジョ
ン〕また、本発明の合成樹脂粉末には、エチレン性不飽
和単量体重合エマルジョンが第二成分として配合されて
いる。このエチレン性不飽和単量体重合エマルジョン
は、例えば、乳化剤を含む水相中にエチレン性不飽和単
量体を滴下しながら重合したり、予め乳化剤によって水
中に分散されたエチレン性不飽和単量体を重合する従来
周知の乳化重合法を採用することによって得られる。
【0010】ここで、本発明に好適な第二成分としての
重合エマルジョンを得るためのエチレン性不飽和単量体
としては、特に限定されないが、エチレン、プロピレン
およびイソブテン等のオレフィン類;塩化ビニル、塩化
ビニリデン、フッ化ビニルおよびフッ化ビニリデン等の
ハロゲン化オレフィン類;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸
ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリ
ル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t
−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸ドデシルおよび(メタ)アクリル酸
オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそれらの
ナトリウム塩等のアクリルアミド系単量体;アクリロニ
トリルおよびメタクリロニトリル等のニトリル類;酢酸
アリルおよび塩化アリル等のアリル化合物;スチレン、
α−メチルスチレン、P−メチルスチレンスルホン酸お
よびそれらのナトリウム塩やカリウム塩等のスチレン系
単量体等が挙げられる。上記のように例示されるエチレ
ン性不飽和単量体は、単独または2種以上を組み合わせ
て重合することによって本発明の重合エマルジョンにな
る。
【0011】本発明の合成樹脂粉末中のエチレン性不飽
和単量体重合エマルジョンの配合量は特に限定されない
が、その中に、エチレン性不飽和単量体重合エマルジョ
ンに由来する固形分が、5〜85重量%、さらに好まし
くは5〜50重量%、最適には5〜30重量%含まれる
ように配合されていることが好ましい。これによって、
スチレン・ブタジエン系ラテックスの粘着性を抑制して
好適な粉末を得ることができ、しかも耐ブロッキング性
および貯蔵安定性に優れた再分散性の合成樹脂粉末を得
ることができる。
【0012】〔保護コロイド成分〕さらに本発明の合成
樹脂粉末には保護コロイド成分が第三成分として配合さ
れている。本発明の第三成分として配合される保護コロ
イド成分は、天然または合成の水溶性高分子化合物であ
り、この保護コロイド成分の配合によって本発明の合成
樹脂粉末は水性溶媒に分散させた時に所望のコロイド溶
液になる。本発明に好適な保護コロイド成分としては、
ポリビニルアルコール系重合体、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、デンプン誘導体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン
およびポリエチレンオキサイド等が挙げられる。
【0013】本発明の合成樹脂粉末中の保護コロイド成
分の配合量は特に限定されないが、その中に、保護コロ
イド成分が、固形分として、5〜50重量%、さらに好
ましくは5〜30重量%、最適には5〜20重量%含ま
れるように配合されていることが好ましい。これによっ
て、再分散性に優れたスチレン・ブタジエン系ラテック
スを含む合成樹脂粉末を得ることができる。
【0014】〔抗粘結防止剤〕さらに本発明の合成樹脂
粉末には、抗粘結防止剤が任意成分として配合されてい
てもよい。この抗粘結防止剤の配合は、得られた粉末の
ブロッキングを防止して貯蔵安定性を向上するととも
に、本発明の合成樹脂粉末の再分散性を向上する。この
ような抗粘結防止剤としては、例えば、シリカ、炭酸カ
ルシウム、クレー、無水珪酸、珪酸アルミニウム、ホワ
イトカーボン、タルクおよびアルミナホワイト等の無機
の微粉末が好適に使用されるが、その中でもシリカが特
に好ましい。また熱硬化性樹脂等の有機系抗粘結剤を使
用してもよい。本発明の合成樹脂粉末に配合するのに好
適な抗粘結防止剤の粒径は、特に限定されないが、好ま
しくは0.01〜100.0μmである。なお、この抗
粘結防止剤は、噴霧乾燥前のスラリーに添加したり、ま
た噴霧乾燥後の合成樹脂粉末に混合される。
【0015】本発明の合成樹脂粉末中の抗粘結防止剤の
配合量は特に限定されないが、その中に、好ましくは
0.5〜20重量%、さらに好ましくは1〜15重量
%、最適には3〜15重量%含まれている。これによっ
て、耐ブロッキング性に優れた再分散性のSBRから成
る合成樹脂粉末を得ることができる。
【0016】〔その他の任意成分〕上記の合成樹脂粉末
は、必要に応じてその用途に適した添加剤を任意に配合
することができる。例えば、本発明の合成樹脂粉末が接
着剤として使用される場合、粘性改良剤、保水剤、粘着
付与剤および増粘剤等が添加される。また塗料用バイン
ダーや水性インキ用バインダーとして使用される場合、
粘性改良剤、増粘剤、顔料分散剤、安定剤および消泡剤
等が添加される。また繊維仕上用として使用される場
合、レベリング剤、帯電防止剤、繊維柔軟剤、増粘剤お
よび消泡剤等が添加される。またセメントやモルタル改
質剤として使用される場合、AE剤、減水剤、保水剤、
増粘剤、流動化剤および防水剤等が添加される。なお、
このような添加剤は、次述のスラリーに添加されてもよ
いし、また、スラリーを乾燥、例えば噴霧乾燥する際に
同時に噴霧して混合されてもよいし、またスラリーを乾
燥した後に添加されてもよい。
【0017】〔スラリーの調製〕本発明においては、ス
チレン・ブタジエン系ラテックス、エチレン性不飽和単
量体重合エマルジョンおよび保護コロイド成分、並びに
必要に応じて配合され得る他の成分は混合されてスラリ
ーが調製され、そして、このスラリーが乾燥されて本発
明の再分散性の合成樹脂が得られる。
【0018】ここで、このスラリーの調製方法として
は、特に限定されないが、例えば、後述の実施例Iのよ
うに、全ての配合成分を混合して成るスラリーを調製し
て、これをその後の乾燥工程に供することができる。こ
の場合、このスラリーには、スチレン・ブタジエン系ラ
テックスは、固形分として、好ましくは10〜90重量
%、さらに好ましくは40〜90重量%、最適には60
〜85重量%含まれている。またエチレン性不飽和単量
体重合エマルジョンは、固形分として、好ましくは5〜
85重量%、さらに好ましくは5〜50重量%、最適に
は5〜30重量%含まれている。また保護コロイド成分
は、固形分として、好ましくは5〜50重量%、さらに
好ましくは5〜30重量%、最適には5〜20重量%含
まれている。スラリー中の各成分の配合量をこのように
調整することによって、上述の好適な各配合成分量を有
する合成樹脂粉末を得ることができる。また、上記の好
ましい配合組成を有するスラリーの例としては、例え
ば、固形分として、スチレン・ブタジエン系ラテックス
が60〜85重量%、エチレン性不飽和単量体重合エマ
ルジョンが5〜20重量%、保護コロイド成分が5〜2
0重量%含まれるもの、またスチレン・ブタジエン系ラ
テックスが35〜60重量%、エチレン性不飽和単量体
重合エマルジョンが20〜50重量%、保護コロイド成
分が5〜20重量%含まれるもの、またスチレン・ブタ
ジエン系ラテックスが10〜35重量%、エチレン性不
飽和単量体重合エマルジョンが50〜75重量%、保護
コロイド成分が5〜20重量%含まれるもの等が挙げら
れる。このようなスラリーの配合組成は得られる合成樹
脂粉末の用途に応じて適宜調節できる。
【0019】また例えば後述の実施例IIのように、ス
チレン・ブタジエン系ラテックスと保護コロイド成分と
を含む第一のスラリーと、エチレン性不飽和単量体重合
エマルジョンと保護コロイド成分とを含む第二のスラリ
ーとを調製して、これらをその後の乾燥工程に供しても
よい。この場合、上記の第一のスラリーには、スチレン
・ブタジエン系ラテックスは、固形分として、好ましく
は50〜95重量%、さらに好ましくは50〜90重量
%、最適には70〜90重量%含まれており、保護コロ
イド成分は、固形分として、好ましくは5〜50重量
%、さらに好ましくは10〜50重量%、最適には10
〜30重量%含まれている。一方、上記の第二のスラリ
ーには、固形分として、エチレン性不飽和単量体重合エ
マルジョンは、好ましくは50〜95重量%、さらに好
ましくは60〜90重量%、最適には75〜90重量%
含まれており、保護コロイド成分は、好ましくは5〜5
0重量%、さらに好ましくは10〜40重量%、最適に
は5〜25重量%含まれている。そして、この第一のス
ラリーおよび第二のスラリーは、後述のように、それぞ
れ乾燥しながら互いに混合されて本発明の合成樹脂粉末
になるが、その時、この合成樹脂粉末中には、第一のス
ラリーに由来する固形分が5〜95重量%含まれてお
り、第二のスラリーに由来する固形分が5〜95重量%
含まれていることが好ましい。第一および第二のスラリ
ー中の各成分の配合量およびそれらの混合比率をこのよ
うに設定することによって、上述の好適な各配合成分量
を有する合成樹脂粉末を得ることができる。
【0020】〔乾燥工程〕上記のようにして調製された
スラリーは、乾燥することによって本発明の合成樹脂粉
末となる。本発明においては、スラリーの乾燥方法は特
に限定されず、噴霧乾燥法、凍結乾燥法および減圧乾燥
法等の従来周知の乾燥方法を任意に採用することができ
るが、噴霧した水性エマルジョンを熱風で搬送しながら
急速に乾燥する噴霧乾燥法が生産性の点で最適であると
考えられる。また、スラリーは、パルス衝撃波と熱エネ
ルギーとを組み合わせた乾燥方法を利用して、比較的低
温で効率よく乾燥してもよい。
【0021】ここで噴霧乾燥法が採用される場合、スラ
リーはディスク式またはノズル式などの従来周知の噴霧
手段によって噴霧され、また熱風や水蒸気加熱等の従来
周知の加熱手段によって加熱することができる。乾燥条
件は、使用する噴霧乾燥機の大きさや種類、スラリーの
濃度、粘度および流量等によって決定される。なお、熱
風の温度も、特に限定されず、一般的には40℃〜15
0℃またはそれ以上の適当な温度で乾燥されるが、水分
の蒸発効率を考慮すると熱風は少なくとも100℃以上
であることが好ましい。
【0022】なお、後述の実施例IIのように、スチレ
ン・ブタジエン系ラテックスと保護コロイド成分とを含
む第一のスラリー、およびエチレン性不飽和単量体重合
エマルジョンと保護コロイド成分とを含む第二のスラリ
ーから本発明の合成樹脂粉末が調製される場合、(1)
第一のスラリーおよび第二のスラリーをそれぞれ別個に
乾燥し、得られた各粉末をできるだけ速やかに混合す
る、または(2)まず第二のスラリーを乾燥し、次に第
一のスラリーが乾燥されている乾燥塔内や回収ライン内
に第二のスラリーの乾燥粉末を供給する、等の手法が採
用される。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例に従って更に詳細に説
明する。 〔実施例I〕実施例Iでは、全ての配合成分を混合した
スラリーを調製して本発明に従う合成樹脂粉末を得た。
以下、具体的に説明する。
【0024】実施例I−1 固形分に換算して、68重量部のスチレン・ブタジエン
系ラテックス(JSR株式会社製SBR:0589)、
17重量部のスチレン/アクリル系単量体重合エマルジ
ョン(昭和高分子株式会社製ポリゾールAE−820
B)、および15重量部のポリビニルアルコール(株式
会社クラレ製PVA−205)を混合容器内に仕込ん
で、これらを十分に攪拌してスラリーを得た。得られた
スラリーを、ディスク式の噴霧乾燥機を使用して回転数
6000rpmで噴霧し、130℃の熱風で乾燥して粉
末化して、本発明に従うサンプルI−1を得た。
【0025】実施例I−2〜I−9 上記実施例I−1と同様にして、表1に記載の固形分組
成を有するスラリーを調製した後に、これを乾燥するこ
とによって、本発明に従うサンプルI−2〜I−9を得
た。
【0026】比較例I−11〜I−12 エチレン性不飽和単量体重合エマルジョンを配合しない
点を除いて上記実施例I−1と同様にして、表1に記載
の固形分組成を有するスラリーを調製し、このスラリー
を乾燥することによって、比較例としてのサンプルI−
11〜I−12を得た。
【0027】
【表1】
【0028】上記のようにして得られたサンプルI−1
〜I−9およびサンプルI−11〜I−12について、
ブロッキング性能および再分散性能に関する評価試験を
行なうとともに、ブロッキング性能の評価試験後の粉末
状態を観察した。その結果を表2に示す。なおこの評価
試験は具体的には次のようにして実施されたものであ
る。
【0029】〔ブロッキング性能の評価試験〕縦:横:
高さ=5cm:5cm:15cmの内径寸法を有する容
器に上記サンプルをそれぞれ詰めた。そして、その上に
この容器の内径に合致する上蓋を載せて、この上蓋の上
に20kgの袋を10段積み重ねた重量に相当する80
g/cm 2 の加重をかけながら、20±1℃の恒温室に
7日間放置した。このようにして放置した後に、縦:
横:厚さ=5cm:5cm:3cmの被試験ブロックを
調製し、そのブロックに対して、OHBA KEIKI
SS製の改良型ダイヤル式テンションゲージの直径6
cmの円柱金棒で加重して、サンプルのブロッキングを
砕く加重量(kg/cm2 )を測定した。なお、サンプ
ルが指で砕ける程度である場合、そのブロッキング強度
は16〜18kg/cm2 であると推定される。
【0030】〔ブロッキング性能の評価試験後の状態観
察〕上述のブロッキング性能の評価試験後のサンプルの
状態を観察して、次の三段階に評価した。 「ブロック」 :比較的強固なブロッキング状態を呈し
ている 「擬ブロック」:刺激を与えると即崩壊するが一部塊状
を呈している 「パウダー」 :ブロッキング試験容器から取り出した
時点で粉末状
【0031】〔再分散性能の評価試験〕室温下におい
て、上記放置後の合成樹脂粉末20gを、なるべくその
形を崩さないようにして、500mlビーカーに入れ、
そこに蒸留水200gを注いだ。そして、直径約5cm
の3枚翼プロペラ付き攪拌機を用いて、20rpmの攪
拌速度で10分間攪拌混合した。得られた溶液の状態を
次の2段階に評価した。 「○」:粒子沈降が殆どなく、均一な分散状態を呈して
いる場合 「×」:ブロック状態の沈降物および粒子沈降があり、
少し放置すると液の上層に透明な層が確認される場合
【0032】
【表2】
【0033】表2より明らかなように、本発明に従う組
成で配合された合成樹脂粉末は、エチレン性不飽和単量
体重合エマルジョンを含まない比較例の合成樹脂粉末と
比較して、耐ブロッキング性能および再分散性が極めて
良好であることが分かった。また、比較例の合成樹脂粉
末は明らかなブロッキングが発生したが、本発明の合成
樹脂粉末は再分散に影響を与えるようなブロッキングは
発生していなかった。特に、本発明に従うサンプルI−
2、3、4、5、6、8および9では、貯蔵後において
もなおパウダー状態を良好に維持していたので、これら
のサンプルについてはブロッキング性能を測定すること
ができなかった。
【0034】〔実施例II〕実施例IIでは、スチレン
・ブタジエン系ラテックスと保護コロイド成分とを含む
第一のスラリーと、エチレン性不飽和単量体重合エマル
ジョンと保護コロイド成分とを含む第二のスラリーとを
調製することによって本発明に従う合成樹脂粉末を得
た。以下、具体的に説明する。
【0035】第一のスラリーの調製 固形分に換算して、85重量部のスチレン・ブタジエン
ラテックス(JSR株式会社製SBR:0589)およ
び15重量部のポリビニルアルコール(株式会社クラレ
製PVA−205)を混合容器内に仕込んで十分に攪拌
してスラリーaを調製した。これと同様にして、表3に
示す固形分組成を有するスラリーbを調製した。
【0036】第二のスラリーの調製 固形分に換算して、90重量部のスチレン/アクリル系
単量体重合エマルジョン(昭和高分子株式会社製ポリゾ
ールAE−820B)および10重量部のポリビニルア
ルコール(株式会社クラレ製PVA−205)を混合容
器内に仕込んで十分に攪拌してスラリーcを調製した。
同様にして表3に示す固形分組成を有するスラリーdお
よびeを調製した。
【0037】
【表3】
【0038】実施例II−1〜II−9 上記のようにして調製されたスラリーaおよびスラリー
cを、それぞれ噴霧乾燥しながら互いに混合して、本発
明に従うサンプルII−1を得た。なお、噴霧乾燥は、
ディスク式の噴霧乾燥機を使用して、回転数6000r
pmで噴霧するとともに130℃の熱風で乾燥した。同
様に、表4に示す第一および第二のスラリーの配合組成
で、本発明に従うサンプルII−2〜II−9を得た。
【0039】比較例II−11〜II−12 上記のようにして調製されたスラリーaを単独で噴霧乾
燥して、本発明に従うサンプルII−11を得た。同様
に、上記のようにして調製されたスラリーbを単独で噴
霧乾燥して、本発明に従うサンプルII−11を得た。
【0040】
【表4】
【0041】上記のようにして得られたサンプルII−
1〜II−9およびサンプルII−11〜II−12に
ついて、ブロッキング性能および再分散性能に関する評
価試験を行なうとともに、ブロッキング性能の評価試験
後の粉末状態を観察した。その結果を表5に示す。なお
この評価試験の具体的は手法は、実施例Iにおける記載
と同様である。
【0042】
【表5】
【0043】表5より明らかなように、本発明に従う組
成で配合された合成樹脂粉末は、エチレン性不飽和単量
体重合エマルジョンを含まない比較例の合成樹脂粉末と
比較して、耐ブロッキング性能および再分散性が極めて
良好であることが分かった。また、比較例の合成樹脂粉
末は明らかなブロッキングが発生したが、本発明の合成
樹脂粉末は再分散に影響を与えるようなブロッキングは
発生していなかった。特に、本発明に従うサンプルII−
3、4、5、6、8および9では、貯蔵後においてもな
おパウダー状態を良好に維持していたので、これらのサ
ンプルについてはブロッキング性能を測定することがで
きなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08J 3/02 C08J 3/02 B Fターム(参考) 4F070 AA08 AA18 AA40 AB09 AB12 AC13 AC16 AC22 AC23 AC27 AC72 AC74 AC75 AC76 AC77 AC78 AC79 AC80 AC82 AC83 AC84 AC93 AE30 BB07 CA18 CB02 CB15 DA33 DA34 DA37 DC05 DC12 DC13 FA05 FA17 4J002 AB023 AB043 AC081 BB032 BB122 BB172 BC051 BD052 BD102 BD132 BD142 BE023 BF012 BF022 BG012 BL011 CH023 DE236 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 FD206 GH01 GK02 GL00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン・ブタジエン系ラテックス、エ
    チレン性不飽和単量体重合エマルジョンおよび保護コロ
    イド成分を混合して乾燥することによって得られた再分
    散性良好な合成樹脂粉末。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂粉末は、固形分として、1
    0〜90重量%の前記スチレン・ブタジエン系ラテック
    ス、5〜85重量%の前記エチレン性不飽和単量体重合
    エマルジョン、5〜50重量%の前記保護コロイド成分
    を含むスラリーを乾燥することによって調製されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂粉末。
  3. 【請求項3】 前記合成樹脂粉末は、前記スチレン・ブ
    タジエン系ラテックスおよび前記保護コロイド成分を含
    む第一のスラリー、並びに前記エチレン性不飽和単量体
    重合エマルジョンおよび前記保護コロイド成分を含む第
    二のスラリーを、それぞれ乾燥しながら混合することに
    よって調製されていることを特徴とする請求項1に記載
    の合成樹脂粉末。
  4. 【請求項4】 前記第一のスラリーは、固形分として、
    50〜95重量%の前記スチレン・ブタジエン系ラテッ
    クスおよび5〜50重量%の前記保護コロイド成分を含
    んでおり、前記第二のスラリーは、固形分として、50
    〜95重量%の前記エチレン性不飽和単量体重合エマル
    ジョンおよび5〜50重量%の前記保護コロイド成分を
    含んでいることを特徴とする請求項3に記載の合成樹脂
    粉末。
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