JP2002068906A - 害虫忌避剤 - Google Patents

害虫忌避剤

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JP2002068906A
JP2002068906A JP2000260683A JP2000260683A JP2002068906A JP 2002068906 A JP2002068906 A JP 2002068906A JP 2000260683 A JP2000260683 A JP 2000260683A JP 2000260683 A JP2000260683 A JP 2000260683A JP 2002068906 A JP2002068906 A JP 2002068906A
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repellent
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Katsuya Shimizu
克也 清水
Shinichi Yamamoto
伸一 山本
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蚊、ゴキブリ、ダニに対し卓越した忌避効果
ひいては殺虫効果を発揮し、しかも広範囲の種類の菌類
に対する殺菌力にも優れるヒノキチオール類を含む害虫
忌避技術の提供。 【解決手段】 ヒノキチオール及び/又はヒノキチオー
ル誘導体を含有する害虫忌避剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は害虫忌避剤に係わ
る。さらに詳しくは、蚊、ゴキブリ、ダニに対し卓越し
た忌避効果ひいては殺虫効果を発揮し、しかも広範囲の
種類の菌類に対する殺菌力にも優れるヒノキチオール類
を含む害虫忌避剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒノキチオールが種々の害虫に対し忌避
性を有することは文献等に記載されている。例えば特開
平06−40833号公報にはヒノキチオールがダニ、
ゴキブリ等に対する忌避特性を有することが記載されて
いるが、忌避特性に関する具体的な実験例が示されてい
ない。また該公報には、ヒノキチオールを含有する木材
粉末を用いると記載されているのみであり、ヒノキチオ
ールの濃度など、害虫忌避効果を発現させるためのヒノ
キチオール存在の態様に関する具体的記載もなく、ヒノ
キチオールを害虫忌避剤として応用する技術を十分開示
したものとは言い難い。
【0003】ところで、ヒノキチオールは光に対して不
安定であり、光に暴露すると短時間で変性を起こし効果
を失ったり変色を起こしたりする。そのため製造時には
なるべく光があたらない工夫をしたり、商品として流通
しているときもしくは店頭に並んだときに光を遮る工夫
をしなければならず、実際には遮光容器に入れたりしな
ければならなかった。以上のような工夫をしても長期保
存しているとヒノキチオール含有量が減少することがあ
った。またヒノキチオールは昇華性があるので、製剤の
形態によっては飛散により害虫忌避効果が低下するとい
う問題が生じることがあった。
【0004】また、ヒノキチオールは金属類とくに鉄に
より着色しやすい性質を有するため、鉄を主材質とする
製造装置で配合操作が行われる場合、ヒノキチオールは
材質中の鉄と反応して着色をしてしまうことがある。こ
の場合には樹脂等でコーティングした材質にするか、着
色が実際上問題にならない程度に低減できる材質に変更
せざるをないという状況も時として発生した。また、製
剤の形態や使用環境によっては、製品使用時に着色が問
題になる場合もあった。
【0005】すなわちヒノキチオールは、これまで蚊、
ゴキブリ、ダニといった害虫に忌避効果を有すると言わ
れながらその具体的使用態様および定量的な効果が示さ
れておらず、したがってそれよりなる害虫忌避剤、特に
蚊に対する忌避剤に係る技術は事実上開示されていなか
った。また、害虫忌避剤としてヒノキチオールを応用す
る場合において時として問題になるヒノキチオールの昇
華性、金属による着色性などを回避する技術も未だ開示
されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒノキチオ
ールが蚊、ゴキブリ、ダニといった害虫に対するヒノキ
チオールの効果を使用態様とともに定量的に示し、その
害虫忌避剤としての使用技術を提供することを目的とす
る。さらに、害虫忌避剤としてヒノキチオールを使用す
る上でときとして問題となる昇華性、金属による着色性
などを回避する技術も併せて提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
鋭意検討した結果、ヒノキチオールの蚊、ゴキブリ、ダ
ニに対する明瞭な忌避効果を定量的に証明するに至り、
しかもヒノキチオール誘導体を用いると昇華性、金属に
よる着色性などを効果的に回避し得ることを見出し本発
明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は下記の通りである。 (1)ヒノキチオール及び/又はヒノキチオール誘導体
を含有することを特徴とする害虫忌避剤。 (2)害虫が、蚊、ゴキブリ、ダニよりなる群から選ば
れる1種又は2種以上であることを特徴とする(1)記
載の害虫忌避剤。 (3)ヒノキチオール誘導体が、ヒノキチオールの有機
塩、金属塩または金属錯体であることを特徴とする
(1)または(2)記載の害虫忌避剤。 (4)ヒノキチオール誘導体が、ヒノキチオールのアシ
ル体または配糖体であることを特徴とする(1)または
(2)記載の害虫忌避剤。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明でいうところのヒノキチオ
ール(4−イソプロピルトロポロン)とは、下記式
(1)で表される化合物である。
【0010】
【化1】
【0011】ヒノキチオールは、タイワンヒノキや青森
ヒバの精油中に含まれる天然物であり、幅広い菌種に対
し優れた抗菌性を有する極めて有用な結晶性物質であ
る。また、ヒノキチオールは耐性菌が極めて生じにくい
ことも知られている。ヒノキチオールは近年、化学合成
によっても製造され、様々な用途に使用されている。本
発明でいうところのヒノキチオールの誘導体とは、ヒノ
キチオールを一般的な化学変換等により導かれるもので
あれば特に制限はないが、ヒノキチオールの安定性を改
善する効果が大きい点において、ヒノキチオールの有機
塩または金属塩または金属錯体、ヒノキチオールのアシ
ル体、ヒノキチオールの配糖体、ヒノキチオールのシク
ロデキストリンや層状無機化合物の包接体、ヒノキチオ
ールの有機質壁もしくは無機質壁マイクロカプセル、ヒ
ノキチオールの有機質もしくは無機質粒子含浸体が好ま
しい。ヒノキチオールの誘導体を導く元となる原料ヒノ
キチオールは天然抽出品でも、化学合成品でもかまわな
い。
【0012】本発明でいうところのヒノキチオールの有
機塩とは、トリエタノールアミンなどの有機アミン塩で
ある。本発明でいうところのヒノキチオールの金属塩ま
たは金属錯体とは、下記式(2)で表されるものであ
る。ただし、式中Mは金属元素を表し、例えばNa、
K、Mg、Ca、Zn、Ni、Cu、Al、Agなどが
あげられる。式中nは金属の価数を表す。
【0013】
【化2】
【0014】ヒノキチオールの金属塩および金属錯体の
製法はとくに制限はなく、公知の方法で合成すればよ
い。例えば、ヒノキチオールと水酸化ナトリウムまたは
水酸化カリウムを反応させればヒノキチオールのナトリ
ウム塩またはカリウム塩を合成することができるし、ヒ
ノキチオール単体もしくはヒノキチオールのナトリウム
塩またはカリウム塩を塩化銅、塩化亜鉛、塩化カルシウ
ムなどの無機塩、ステアリン酸銅、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウムなどの有機塩と反応させればヒ
ノキチオールの金属錯体が合成できる。害虫忌避剤を製
造するときにはヒノキチオールの金属塩または金属錯体
を一旦合成してから配合しても良いし、害虫忌避剤を製
造するときにヒノキチオールとNa、K、Mg、Ca、
Zn、Ni、Cu、Al、Agの無機塩、有機塩を一緒
に配合しても良い。
【0015】本発明でいうところのヒノキチオールのア
シル体とは、ヒノキチオールの水酸基の水素原子をアシ
ル基で置換したものであり、下記式(3)または(4)
で表される。ただし、R1は置換または無置換のアルキ
ル基を表す。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】ヒノキチオールのアシル体への変換は一般
的な手法で実施すればよく、例えば脂肪酸などのカルボ
ン酸の酸塩化物もしくはエステルとヒノキチオールを反
応させる方法や、酵素の存在下で脂肪酸などのカルボン
酸とヒノキチオールを反応(エステル化)させる方法な
どがあげられる。例えば、酪酸、吉草酸、カプロン酸、
オクタン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸、オレイ
ン酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸などの酸塩化物と
ヒノキチオールを反応させる方法や、それらの酸とヒノ
キチオールをリパーゼやエステラーゼなどの酵素の存在
下でエステル化する方法などがあげられる。
【0019】本発明でいうところのヒノキチオールの配
糖体とは、ヒノキチオールの水酸基と糖類(R2OH)
の水酸基を脱水縮合させてエーテル結合を形成せしめた
ものであり、下記式(5)または(6)で表される。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】ヒノキチオールに結合させる糖類(R2
H)としては特に制限はなく、一般的なものを用いれば
よく、例えばグルコース、フルクトース、マンノース、
ガラクトースなどのヘキソース、キシロース、アラビノ
ースなどのペントソースなどの単糖類、プリメベロー
ス、ゲンチオビオース、ルチノース、ストロファントビ
オース、セロビオースなどの二糖類、その他の多糖類あ
るいはそれらの誘導体を用いることができる。
【0023】本発明は、ヒノキチオールまたはその誘導
体を必須成分とするが、光安定性が優れ昇華性も軽減さ
れるなどの点においてヒノキチオール誘導体を用いるの
が好ましい。ヒノキチオール誘導体としては、ヒノキチ
オールの有機塩または金属塩または金属錯体、ヒノキチ
オールのアシル体、ヒノキチオールの配糖体、ヒノキチ
オールのシクロデキストリンや層状無機化合物の包接
体、ヒノキチオールの有機質壁もしくは無機質壁マイク
ロカプセル、ヒノキチオールの有機質もしくは無機質粒
子含浸体があげられる。
【0024】ヒノキチオール誘導体を導く元となる原料
ヒノキチオールは天然抽出品でも、化学合成品でもかま
わない。ヒノキチオール誘導体の中でもヒノキチオール
の有機塩または金属塩または金属錯体は、安価な原料か
ら簡便に合成でき本発明のヒノキチオール誘導体として
好ましい。本発明において、ヒノキチオール及び/また
はヒノキチオール誘導体の配合量は、用途、形態(マイ
クロカプセル、有機質や無機質担持等)に応じ0.00
01から100wt%の範囲で任意に設定できる。本発
明の害虫忌避剤は、特に、蚊、ゴキブリ、ダニに有効で
あるが、とりわけ、蚊に対し有効であることが見いださ
れた。
【0025】本発明の害虫忌避剤において、ヒノキチオ
ール又はその誘導体は必須成分であるが、適宜、以下の
成分から選ばれる1種以上を共配合しても良い。イソピ
ンピネリン、ベルガプテン、ザントトキシン、コクサギ
ン、ジハイドロコクサギン、ジエチルトルアミド(De
et)、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレ
ート、ジブチルフタレート、ベンジルベンゾエート、M
GK11、MGK326、ダブトレックス、インダロ
ン、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、2−ブチ
ル−2−エチル−1、3−プロパンジオール、ジメチル
カーベート、プロピルマンデレート、プロピルN、N−
ジエチルスクシナメート、ベンズアミド、0−クロロ−
N、N−ジエチルベンズアミド、イソボルニルチオシア
ノアセテート、フェニルサリチレート、ベンジルサリチ
レート、ジブチルセバケート、パラジクロロベンゼンな
どの汎用害虫忌避剤;
【0026】ピレトリン、シネリン、ジャスモリン、ア
レスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリ
ン、フェノトリン、ペルメトリン、イミブロトリン、シ
フェノトリン、トラロメトリン、エトフェンプロック
ス、プラレトリン、シフルトリン、シラフルオフェン、
ビフェントリン、フルメトリン、フルバリネート、デル
タメスリンなどのピレスロイド剤;α−ピネン、ゲラニ
オール、シトロネラール、カンファー、リナロール、カ
ジノールなどの天然成分;
【0027】マツ、ヒノキ、クスノキ、ヒバ、シトロネ
ラ、ローズ、ゲラニューム、セダーウッド、ラベンダ
ー、アニス、スペアミント、ナツメグ、ペパーミント、
シナモン、クローブ、ユーカリ、ガーリック、マージョ
ラム、パルマローザ、クミン、コリアンダー、オリガナ
ム、ハッカ、レモンピール、ローズマリー、その他の植
物の精油;
【0028】本発明の害虫忌避剤は、エタノール、アセ
トン、水、トルエン、キシレン、酢酸エステルなど、用
途に応じた溶媒に用途に応じた濃度(0.001〜95
%)で溶解した溶液を、対象とする物品に噴霧や浸漬な
どの方法で付与することができる。例えば、該溶液を天
然や合成の素材よりなる織物、編み物、不織布、皮革、
フェルト、紙などのシート状物に噴霧もしくは含浸すれ
ば、害虫忌避シートが得られ、台所や洋服ダンスなどに
おける害虫忌避に利用できる。
【0029】本発明の害虫忌避剤は、繊維、皮革、木
材、建材、塗料・接着剤、プラスチック・フィルム、日
用品、電気製品、紙・パルプ、油剤、食品など様々な用
途に、様々な形態で実用に供することができる。以下に
その例をあげる。メラミン、ウレタン、ゼラチン、シリ
カなどをカプセル化剤とするマイクロカプセルの形態
や、シリカゲル、ゼオライトなどの無機物に担持させた
形態や、シクロデキストリンや層状無機化合物に包接さ
せ形態、もしくは溶液の形態で本発明の害虫忌避剤をポ
リエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリ塩化ビニル、レーヨン、キュプラ、綿、
麻、絹などの繊維に付着させ、害虫忌避性の繊維製品を
得ることができる。例えばパンティーストッキングに応
用すれば、下肢が蚊に刺されるのを効果的に防止するこ
とができる。蚊帳に応用するのも効果的である。
【0030】また、繊維の紡糸工程で本発明の害虫忌避
剤を繊維に配合し害虫忌避性の繊維製品を得ることもで
きる。例えば、ポリエステルやポリアミドなどの合成繊
維の紡糸工程で本発明の害虫忌避剤を練り込んだり、ポ
リウレタンなどの乾式紡糸、レーヨン、キュプラなどの
湿式紡糸において紡糸原液に本発明の害虫忌避剤を配合
することなどが可能である。不織布、紙などの通気性を
有するもので本発明の害虫忌避剤を包み、洋服ダンスや
押入に置けばダニなどの害虫忌避剤として機能するし、
台所等におけば、ゴキブリ忌避剤として利用できる。ま
た、本発明の害虫忌避剤を畳に適用すれば畳におけるダ
ニ忌避効果も得られる。しかもこれらの場合、ヒノキチ
オールが元来有している優れた抗菌性も発現し、カビ等
の菌の発生も抑制され、害虫、菌両面において衛生的環
境が確保される。
【0031】電気掃除機集塵袋に本発明の害虫忌避剤を
適用すれば、吸入した塵に含まれるダニを該袋内で駆除
することが可能である。塗料に本発明の害虫忌避剤を適
用すれば、塗膜に害虫忌避性が付与できるのみならず、
ヒノキチオールが元来有している優れた抗菌性も同時に
付与できる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、ポリエステ
ル、ポリアミドなどのフィルムや樹脂に適用すれば、害
虫忌避効果と抗菌性をそれらに付与できる。
【0032】本発明の害虫忌避剤自体もしくはゲル状物
等に含浸させたものを居間、浴室、トイレなどに設置す
れば、害虫忌避および抗菌雰囲気を得ることができる。
本発明の害虫忌避剤の用途、使用形態は上記の例以外に
は何ら限定されず、この他にも様々な用途、使用形態が
存在する。次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれによって何ら限定されるもので
はない。なお、配合量等における部および%はすべて質
量基準である。
【0033】
【実施例1、2、比較例1】マウスをステンレス製固定
金網(6×12.5cm=150cm2)の中に入れ、
薬液を1.5ml/150cm2となるよう表裏噴霧し
た。1時間風乾した後、これをアカイエカ(CuleX
pipiens pallens)25匹前後の供試
験虫(ジエチルエーテルあるいは炭酸で麻酔し予め雌成
虫のみを選別しておいたもの)を放したケージの天井に
つるし、2、4、6、8、24時間後に吸血数をカウン
トし、吸血率(=吸血した供試虫/全供試虫×100)
を求めた。無処理区を設け対照区とした。試験は2回ず
つ実施し、その平均をとった。結果を表1に示した。
【0034】ヒノキチオール溶液を噴霧したものは、対
照に比較し明瞭な蚊忌避効果が認められた。特に高濃度
(20%)のヒノキチオール溶液を噴霧したものに関し
ては、優れた蚊忌避効果が持続している。
【0035】
【実施例3〜12、比較例2〜11】ベニア板(外寸:
3.5×15cm、内面:3×15cm)を3枚用い、
三角柱にしたものをゴキブリのシェルター(隠れ場所)
として使用した。有効成分量として1g/50mlおよ
び10g/50mlになるようにヒノキチオールをエタ
ノールで希釈した。この希釈液を処理量が50ml/m
2になるようにシェルターの内面に均等に滴下処理した
後、一昼夜風乾した(検体シェルター)。一方、別のシ
ェルターをエタノールで同様に処理し、対照シェルター
とした。
【0036】ゴキブリの逃亡を防ぐため内側にバターを
塗布したプラスチック製容器(30×65×20Hc
m)の中央に水、餌(固型飼料:オリエンタル酵母
(株)製固形MF)を設置し、所定数の供試虫(チャバ
ネゴキブリ、Blattellagermanica
雌雄成虫 各15匹)を放した。併置試験では、検体シ
ェルターと対照シェルターを上記のプラスチック容器の
中に、水と餌を挟むように相対して配置した。単独試験
では検体シェルターのみを配置した。24時間経過後、
シェルター内部への供試虫の潜伏数を数えた。また、各
観察時にノックダウン(仰転している状態)または死亡
している個体があった場合には、その数も記録した。シ
ェルター外にいるゴキブリの数もあわせて記録した。
【0037】下記の式を用いて、各シェルターへの潜伏
数を算出し、チャバネゴキブリに対する忌避率を算出し
た。 潜伏率(%)=(検体シェルター内ゴキブリ数)/(供
試全ゴキブリ数)×100 忌避率(%)=100−潜伏率(%) なお、併置試験は3回、単独試験は4回の繰り返しを行
った。結果を表2〜4に示した。
【0038】ヒノキチオールに明瞭なゴキブリ忌避効果
が認められた。とくにヒノキチオール濃度が高い場合
(10g/m2)には、併置試験、単独試験ともに99
%以上の優れたゴキブリ忌避効果が認められた。
【0039】
【実施例13〜15、比較例12】ヒノキチオールのア
セトン溶液を5cmの黒紙に1ml塗布し、室温で2時
間風乾した後2.5cm角に切断した(薬剤処理紙)。
一方、3cm角に切断した黒紙をコナヒョウダニ(De
rmatophagoides farinaeHug
hes)の繁殖培地上に置き、その上に上記の薬剤処理
紙を置き、這い上がってきたコナヒョウダニの数をカウ
ントし、次式により忌避指数を求めた。ただし、忌避指
数がマイナスで得られた場合には0とする。 忌避指数={(C−T)/C}×100 (Cは対照区の這い上がりダニ数、Tは処理区の這い上
がりダニ数)結果を表5に示した。ヒノキチオールに明
瞭なダニ忌避効果が認められた。
【0040】
【実施例16、17、比較例13】ろ紙を10cm角に
切断し、ヒノキチオールのアセトン溶液を塗布し、室温
下で2時間風乾した。その後5×10cmに切断し、2
つ折りにして2方をクリップで止め袋状にした。供試ダ
ニ(コナヒョウダニ、 Dermatophagoid
es farinae Hughes)を小筆で採取
し、上述のろ紙の袋の中に入れ、目玉クリップで止め蓋
をし、ダニが逃げないようにした。ダニは20匹程度投
入した。
【0041】供試ダニの入ったろ紙袋を、温度25℃、
相対湿度75〜85%の条件下で保存し、24時間後と
48時間後にろ紙の中のダニの致死数を調べた。24時
間後と48時間後の合計致死数および供試数から致死率
を求め、下記の式により補正致死率を求めた。ただし、
補正致死率がマイナスで得られた場合には0とする。 補正致死率(%)=(C−T)/C}×100 (Cは対照区の致死率、Tは処理区の致死率)結果を表
6に示した。ヒノキチオールに明瞭な殺ダニ効果が認め
られた。この試験により、ヒノキチオールはダニ忌避効
果に加え殺ダニ効果も備えていることが明確に示され、
実用的価値の高さが示された。
【0042】
【実施例18】ヒノキチオールの代わりにヒノキチオー
ルの銅錯体を用いた以外は実施例1と同様の方法で蚊忌
避効果を調べた結果、48時間後においても吸血は見ら
れなかった。本実施例は、ヒノキチオール誘導体(金属
錯体)を用いているので、ヒノキチオールの昇華性が抑
えられ、効果の持続性が向上していると考えられる。
【0043】
【実施例19】ヒノキチオールの代わりにヒノキチオー
ルのアシル体(ヒノキチオールn−オクタノエート)を
用いた以外は実施例1と同様の方法で蚊忌避効果を調べ
た結果、48時間後においても吸血は見られなかった。
本実施例は、ヒノキチオール誘導体(アシル体)を用い
ているので、ヒノキチオールの昇華性が抑えられ、効果
の持続性が向上していると考えられる。
【0044】
【実施例20】ヒノキチオールの代わりに、ヒノキチオ
ールの配糖体(グルコース配糖体)を用いた以外は実施
例1と同様の方法で蚊忌避効果を調べた結果、48時間
後においても吸血は見られなかった。本実施例はヒノキ
チオール誘導体(配糖体)を用いているので、ヒノキチ
オールの昇華性が抑えられ、効果の持続性が向上してい
ると考えられる。
【0045】
【実施例21】ヒノキチオールの代わりにヒノキチオー
ルの銅錯体を用い、シェルターの内面に滴下処理して一
昼夜風乾後、40℃で1カ月間放置した後試験を実施し
た以外は実施例6と同様の方法でゴキブリ忌避試験を実
施した。ゴキブリ忌避率は92.3%であった。本実施
例は、ヒノキチオール誘導体(銅錯体)を用いているの
で、40℃で1カ月間放置しているにもかかわらずゴキ
ブリ忌避効果が持続していると考えられる。
【0046】
【実施例22】ヒノキチオールの代わりにヒノキチオー
ルのアシル体(ヒノキチオールn−オクタノエート)を
用い、シェルターの内面に滴下処理して一昼夜風乾後、
40℃で1カ月間放置した後試験を実施した以外は実施
例6と同様の方法でゴキブリ忌避試験を実施した。ゴキ
ブリ忌避率は93.5%であった。本実施例は、ヒノキ
チオール誘導体(アシル体)を用いているので、40℃
で1カ月間放置しているにもかかわらずゴキブリ忌避効
果が持続していると考えられる。
【0047】
【実施例23】ヒノキチオールの代わりにヒノキチオー
ルの配糖体(グルコース配糖体)を用い、シェルターの
内面に滴下処理して一昼夜風乾後、40℃で1カ月間放
置した後試験を実施した以外は実施例6と同様の方法で
ゴキブリ忌避試験を実施した。ゴキブリ忌避率は91.
7%であった。本実施例は、ヒノキチオール誘導体(配
糖体)を用いているので、40℃で1カ月間放置してい
るにもかかわらずゴキブリ忌避効果が持続していると考
えられる。
【0048】
【実施例24】ヒノキチオールの代わりにヒノキチオー
ルの銅錯体を用い、薬剤処理紙を40℃で1カ月間放置
した後試験を実施した以外は実施例15と同様の方法で
ダニ忌避試験を実施した。ダニ忌避率は24時間目で8
7.5%であった。本実施例は、ヒノキチオール誘導体
(銅錯体)を用いているので、40℃で1カ月間放置し
ているにもかかわらずダニ忌避効果が持続していると考
えられる。
【0049】
【実施例25】ヒノキチオールの代わりにヒノキチオー
ルのアシル体(ヒノキチオールn−オクタノエート)を
用い、薬剤処理紙を40℃で1カ月間放置した後試験を
実施した以外は実施例15と同様の方法でダニ忌避試験
を実施した。ダニ忌避率は24時間目で83.3%であ
った。本実施例は、ヒノキチオール誘導体(アシル体)
を用いているので、40℃で1カ月間放置しているにも
かかわらずダニ忌避効果が持続していると考えられる。
【0050】
【実施例26】ヒノキチオールの代わりにヒノキチオー
ルの配糖体(グルコース配糖体)を用い、薬剤処理紙を
40℃で1カ月間放置した後試験を実施した以外は実施
例15と同様の方法でダニ忌避試験を実施した。ダニ忌
避率は24時間目で84.2%であった。本実施例は、
ヒノキチオール誘導体(配糖体)を用いているので、4
0℃で1カ月間放置しているにもかかわらずダニ忌避効
果が持続していると考えられる。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【発明の効果】本発明により、ヒノキチオールが蚊、ゴ
キブリ、ダニといった害虫に対するヒノキチオールの害
虫忌避剤としての使用技術を提供することが可能とな
る。さらに、害虫忌避剤としてヒノキチオールを使用す
る上でときとして問題となる昇華性、金属による着色性
などを回避する技術も併せて提供することも可能とな
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒノキチオール及び/又はヒノキチオー
    ル誘導体を含有することを特徴とする害虫忌避剤。
  2. 【請求項2】 害虫が蚊、ゴキブリ、ダニよりなる群か
    ら選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請
    求項1記載の害虫忌避剤。
  3. 【請求項3】 ヒノキチオール誘導体が、ヒノキチオー
    ルの有機塩、金属塩、または金属錯体であることを特徴
    とする請求項1または2記載の害虫忌避剤。
  4. 【請求項4】 ヒノキチオール誘導体が、ヒノキチオー
    ルのアシル体または配糖体であることを特徴とする請求
    項1または2記載の害虫忌避剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005255664A (ja) * 2004-02-12 2005-09-22 Tomoko Hayase 食品害虫忌避剤および忌避方法
JP2007153780A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Takasago Tekko Kk ゴキブリ忌避性を有する金属材料およびそれを用いた構造物
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