JP2002065628A - 生体インピーダンス検出装置 - Google Patents

生体インピーダンス検出装置

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JP2002065628A
JP2002065628A JP2000264973A JP2000264973A JP2002065628A JP 2002065628 A JP2002065628 A JP 2002065628A JP 2000264973 A JP2000264973 A JP 2000264973A JP 2000264973 A JP2000264973 A JP 2000264973A JP 2002065628 A JP2002065628 A JP 2002065628A
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current
electrodes
impedance
bioimpedance
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Yoshiaki Watanabe
義明 渡邉
Tadashi Nakatani
直史 中谷
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極の面積が十分に取れない場合でも安定し
て生体インピーダンスを検出できる生体インピーダンス
検出装置とこれを用いた体脂肪率計を提供する。 【解決手段】 電流印加手段8に接続された2つの電極
1、3間に人体と並列に安定化抵抗9を接続している。
これによって、低温環境下などで人体の表皮付近のイン
ピーダンスが極めて大きくなり電流印加手段8による安
定した電流印加が難しい場合でも前記安定化抵抗9を通
じて電流印加手段8の安定化を図ることが可能となり、
低温環境下等の表皮付近のインピーダンスが大きな場合
でも安定した生体インピーダンスを検出することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体のインピーダ
ンスを測定する生体インピーダンス検出装置と、検出さ
れた生体インピーダンスから生体の体脂肪率を算出する
体脂肪率計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の生体インピーダンス検出装置は人
や動物などの生体に直流や交流の電流を印加した時に発
生する電位差を検出して生体のインピーダンスを算出す
るもので、電流を印加する電極と電圧を検出する電極と
が同一である2端子法と両者が別々になっている4端子
法とがある。2端子法では電流印加と電圧検出に同一の
電極を用いるので、電極と生体の接触抵抗や外気の状態
で変化しやすい表皮付近のインピーダンスも含めたイン
ピーダンスが測定され、体組成等を反映する身体深部の
インピーダンスを測定するにはあまり適当でない。そこ
で、電流印加用の1組の電極により生体に既知の電流を
印加し、電流が流れている区間の皮膚上の任意の2点に
電圧検出用の電極を配置してその間の電圧を検出するこ
とにより、原理的に接触抵抗や表皮付近のインピーダン
スの影響を受け難くできる4端子法が広く用いられてい
る。
【0003】また、従来の体脂肪率計については、人体
の密度を測定し脂肪分とそれ以外の組織の比重の違いか
ら体脂肪率を算出する密度法が標準的な計測法として医
師や研究者に用いられているが、この方法では人体の容
積や比重を求めるために、全身を水中に潜らせる必要が
あり、被測定者への肉体的な負荷が大きく家庭用として
は用いられてはいない。そこで家庭用としては体脂肪率
と相関があると言われている生体インピーダンスや光の
透過率、超音波の反射率や透過率を測定し、測定値を上
記で述べた密度法で計測された体脂肪率と対応づけるこ
とによって間接的に体脂肪率を求める間接法が多く用い
られている。
【0004】近年、生体インピーダンスを用いた家庭用
体脂肪率計が多く発売されており、例えば、特開平10
−94530号公報に開示されるように体重計に電極を
配置して両足間のインピーダンスを検出して人体の体脂
肪率を算出するものや、特開平11−188016号公
報に開示されるように両手で電極を握り両腕間のインピ
ーダンスを検出して人体の体脂肪率を算出するものが存
在する。
【0005】図12に両手で電極を握る従来の体脂肪率
計の外観図を示す。1から4は電極、5は本体であり、
4つの電極の内1と3は電流印加電極、2、4は電圧検
出電極となっている。被験者が左手で電極1、2を握
り、右手で電極3、4を握ると、左右の上肢間に電流が
流れるので、その時に発生する左右の上肢間の電位差を
電圧検出電極で検出することにより、生体インピーダン
スを検出し、体脂肪率に換算している。
【0006】さらに、特開平11−70092号公報に
開示されるようにカード型で左右の指をカードの両面に
当てて両腕間のインピーダンスから人体の体脂肪率を算
出するものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の体脂肪率計では、低温環境下や肌が乾燥しやすい人
など条件によっては表皮付近のインピーダンスが極めて
大きくなってしまい、小さな電極では電流印加が安定し
て行なえず4端子法を用いても安定して生体のインピー
ダンスを測定することが困難になる場合があった。これ
を解決するために足や手との接触部に大きな電極を配置
して人体との接触面積を大きく取ることにより悪条件下
でも安定して生体のインピーダンスを測定できるように
しているが、この場合、電極の面積を大きくする必要が
あるために、形状もある程度大きな物にならざるを得
ず、機器の外形も大きくなってしまう欠点があった。な
お、電極面積を小さくしてカード型の小さな機器も存在
するが、この場合は悪条件下での測定の安定性を犠牲に
しており、測定の安定化と小型化を両立できる機器はな
かった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、生体に電流を印加する2つの電極の間に安
定化抵抗を接続した構成とした。また、電圧検出電極の
近傍にインピーダンス変換回路を設けた。さらに、出力
可変手段により複数の電流値を持つ電流を印加した。
【0009】上記発明によれば、低温環境下など生体の
表皮付近のインピーダンスが大きく電流印加手段による
安定した電流印加が難しい場合でも安定化抵抗を通じて
電流印加回路の安定化を図ることが可能で、表皮付近の
インピーダンスが大きな場合でも安定した生体インピー
ダンスの検出ができる。また、2つの電極から電圧検出
手段に電位を伝達する間のノイズの影響を少なくするこ
とが可能で、ノイズの影響を受けない正確な生体インピ
ーダンス検出ができる。さらに、ノイズがある場合で
も、複数の電流値から生体インピーダンスに起因する電
圧成分のみを検出可能で、ノイズによる影響が少なく正
確な生体インピーダンス検出ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1にかかる生体イ
ンピーダンス検出装置およびこれを用いた体脂肪率測定
装置は、生体のそれぞれ異なる部位の皮膚に接触し電気
的な導通を計る4つの電極と、前記4つの電極のうち2
つの電極の間に一定電流を印加する電流印加手段と、前
記4つの電極のうち前記電流印加手段に接続されない2
つの電極の間の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電
圧検出手段の出力に基づいて前記生体のインピーダンス
を算出する生体インピーダンス算出手段とを持ち、前記
電流印加手段に接続された2つの電極の間を安定化抵抗
で接続したものである。
【0011】そして、電流印加手段に接続された2つの
電極間に生体と並列に安定化抵抗を接続しているので、
低温環境下などで生体の表皮付近のインピーダンスが極
めて大きくなり電流印加手段による安定した電流印加が
難しい場合でも前記安定化抵抗を通じて電流印加手段の
安定化を図ることが可能で、低温環境下等の表皮付近の
インピーダンスが大きな場合でも安定した生体インピー
ダンスの検出ができる。
【0012】本発明の請求項2にかかる生体インピーダ
ンス検出装置およびこれを用いた体脂肪率測定装置は、
安定化抵抗の抵抗値は少なくとも1MΩ以上、より望ま
しくは4MΩ以上である。
【0013】そして、2つの電極間に配置する抵抗の大
きさが電流印加手段の印加する電流の周波数領域で深部
のインピーダンスと表皮付近のインピーダンスを加算し
た値の少なくとも20倍以上の高い値となるので、2つ
の電極間に安定化抵抗を配置しても十分に正確な生体イ
ンピーダンス検出ができる。
【0014】本発明の請求項3にかかる生体インピーダ
ンス検出装置およびこれを用いた体脂肪率測定装置は、
生体のそれぞれ異なる部位の皮膚に接触し電気的な導通
を計る4つの電極と、前記4つの電極のうち2つの電極
の間に一定電流を印加する電流印加手段と、前記4つの
電極のうち前記電流印加手段に接続されない2つの電極
の間の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手
段の出力に基づいて前記生体のインピーダンスを算出す
る生体インピーダンス算出手段とを持ち、前記電圧検出
手段は前記電圧検出手段に接続された2つの電極に近接
して配置されるインピーダンス変換手段を持つ。
【0015】そして、電圧検出手段に接続された2つの
電極に近接してインピーダンス変換手段が配置されるの
で、2つの電極から電圧検出手段に電位を伝達する間の
ノイズの影響を少なくすることが可能で、ノイズの影響
を受けない正確な生体インピーダンス検出ができる。
【0016】本発明の請求項4にかかる生体インピーダ
ンス検出装置およびこれを用いた体脂肪率測定装置は、
生体のそれぞれ異なる部位の皮膚に接触し電気的な導通
を計る4つの電極と、前記4つの電極のうち2つの電極
の間に一定電流を印加する電流印加手段と、前記4つの
電極のうち前記電流印加手段に接続されない2つの電極
の間の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手
段の出力に基づいて前記生体のインピーダンスを算出す
る生体インピーダンス算出手段とを持つとともに、生体
に印加する電流を変化させる出力可変手段を持ち、前記
電流印加手段は前記出力可変手段が可変した複数の電流
値の電流を生体に印加し、生体インピーダンス算出手段
は電流印加手段が生体に印加した複数の電流値とそれに
応じた電圧検出手段の出力値とから生体インピーダンス
を決定する。
【0017】そして、ノイズがある場合でも、複数の電
流値から生体インピーダンスに起因する電圧成分のみを
検出可能で、ノイズによる影響が少なく正確な生体イン
ピーダンス検出ができる。
【0018】本発明の請求項5にかかる生体インピーダ
ンス検出装置およびこれを用いた体脂肪率測定装置は、
生体のそれぞれ異なる部位の皮膚に接触し電気的な導通
を計る4つの電極と、前記4つの電極のうち2つの電極
の間に一定電流を印加する電流印加手段と、前記4つの
電極のうち前記電流印加手段に接続されない2つの電極
の間の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手
段の出力に基づいて前記生体のインピーダンスを算出す
る生体インピーダンス算出手段とを持つとともに、生体
に印加する電流を遮断する出力遮断手段を持ち、生体イ
ンピーダンス算出手段は出力遮断手段が生体に印加する
電流を遮断しない場合の電圧検出手段の出力値と遮断し
た場合の電圧検出手段の出力値とから生体インピーダン
スを決定する。
【0019】そして、電流を流さない場合の出力からノ
イズの大きさを検出できるので、生体インピーダンス測
定時のノイズの影響を検出可能で、ノイズの状態を見積
もった上で正確な生体インピーダンス検出ができる。
【0020】本発明の請求項6にかかる生体インピーダ
ンス検出装置およびこれを用いた体脂肪率測定装置は、
電流印加手段に接続された2つの電極のうち少なくとも
一方の電圧を測定する電極電圧測定手段を持ち、前記電
極電圧測定手段の出力があらかじめ決められた範囲にあ
るとき生体インピーダンス算出手段の出力が正しい生体
インピーダンスではないと判定する。
【0021】そして、電流印加電極に接続された電極の
電圧を測定することにより電流印加電極の電圧が正常な
動作可能な範囲を超えて正しい生体インピーダンス測定
ができなくなった場合を検出することができるので、正
しい測定ができない場合でもそれを認識できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0023】(実施例1)図1は本発明の実施例1にお
ける生体インピーダンス測定装置のブロック図である。
図中1から4は生体6の表皮に接触させて電気的な導通
を図る電極であり、これらのうち1、3は生体6に電流
を印加させる電流印加電極、2、4は生体の電圧を検出
する電圧検出電極である。また、7は生体6に印加する
電流波形を形成する印加波形形成手段、8は印加波形形
成手段7により形成された波形を2つの電流印加電極
1、3の間に印加する電流印加手段、9は2つの電圧検
出電極1、3の間に生体に並列に配置された安定化抵
抗、10は2つの電圧検出電極2、4の間の電圧を検出
する電圧検出手段、11は電圧検出手段10にて検出さ
れた電圧から生体のインピーダンスを算出する生体イン
ピーダンス算出手段である。
【0024】なお、電流印加手段8はオペアンプ12と
電流値調整抵抗13で構成され、オペアンプのout端
子12aが電流印加電極1に接続される一方、オペアン
プの−端子12bは印加波形形成手段7から電流値調整
抵抗13を介して接続されるとともに電流印加電極3と
も接続され、さらにオペアンプの+端子12cは印加波
形形成手段7が形成した波形のDC電圧に設定され、こ
れにより生体を含めた定電流回路が構成されて2つの電
流印加電極1、3の間には生体インピーダンスに関わら
ず印加波形形成手段7が形成した出力信号と電流値調節
抵抗13とにより一義的に決定されるACの定電流が印
加される。
【0025】また、印加波形形成手段7は50KHzの正
弦波波形を電圧信号として出力するもので、生体6に印
加する電流値以上の電流供給能力を持つものである。な
お、本実施例では生体である人の左右上肢間の生体イン
ピーダンスを測定するものであり、電流印加電極1と電
圧検出電極2は人の右手首、電流印加電極3と電圧検出
電極4は左手首の皮膚に貼り付けられる。
【0026】次に上記構成の動作、作用を示す。電流印
加電極1と電圧検出電極2とを被験者の右手首に、電流
印加電極3と電圧検出電極4とを左手首の皮膚に貼り付
けると、印加波形形成手段7により形成された電圧信号
が電流値調整抵抗13を介してオペアンプの−端子12
bに引き込まれる。オペアンプ12のout端子12a
と−端子12bとが生体を介して接続されているため、
オペアンプ12は−端子12bの電位を+端子12bと
同電位に引き込もうとするので、電流値調整抵抗13の
両端には印加波形形成手段7の出力電圧と印加波形形成
手段7のDC電圧との差、すなわち、印加波形形成手段
7の出力電圧のAC成分のみの電位差が生じるように電
流値調整抵抗13に流れる電流値が調整される。この電
流は生体6と安定化抵抗9を通じてオペアンプ12のO
UT端子12aに引き込まれるが、その回路以外には電
流を流出するルートがないためにオペアンプ12のou
t端子12aと−端子12bの間にはその間の回路構成
に関わらず印加波形形成手段7と電流値調整抵抗13に
より規定される電流iが流れることになり、したがっ
て、生体6を含めた定電流回路を構成することができ
る。
【0027】ただし、本実施例で、安定化抵抗9を設け
ているために、この定電流化された電流はすべてが生体
6に印加されることにはならず、(式1)に示すような
生体を介するインピーダンスRbと安定化抵抗9の抵抗
値Rsから計算される電流ibが生体に流れることにな
る。
【0028】ib=i×Rs/(Rb+Rs)(式1) このように安定化抵抗9により生体に流れる電流ibが
安定化抵抗9と生体インピーダンスにより左右されてし
まうが、それでも安定化抵抗9を加えている理由は、低
温時や乾燥時に生体6の表皮付近のインピーダンスが極
めて大きくなる場合があり、生体6を含めた定電流回路
の動作が不安定になる場合があるのを防止するためであ
る。一般に生体のインピーダンスには周波数特性があ
り、高周波成分のインピーダンスは低く、低周波成分の
インピーダンスは高くなる。
【0029】図2に骨格筋の周波数と抵抗率との関係図
を示す。図のように骨格筋では20KHzから200KHzに
かけて周波数の増加とともに徐々に抵抗率が低下してい
る。これは、細胞壁が容量成分として働き、周波数の低
い信号成分は細胞壁の外にある細胞外液のみを導体とし
て働くためにインピーダンスが高くなり、一方、周波数
が高くなると細胞壁を電流が通過し、細胞壁の内部にあ
る細胞外液まで導体として働くために電流が流れやすく
なり生体インピーダンスも低下することによる。この他
にも表皮近傍では組織の異方性による抵抗率の違いの要
因もあり、これも周波数が低いほど抵抗率が高くなるこ
とから、これら複数の要因により周波数が変わると生体
のインピーダンスは大きく変化する。
【0030】本実施例では50KHzの正弦波の電流を生
体に印加しておりこの周波数帯の信号は表皮付近の細胞
壁にも電流が流れまた組織の異方性の影響も受け難いた
め、表皮付近のインピーダンスも10℃40%RH程度
の環境下など表皮付近の毛細血管が収縮して導電体であ
る水分が減少した状態のときでも10数KΩ程度で済む
が、これがDCから数百Hzなどの周波数の低い成分に
なると数百MΩオーダーの大変大きなインピーダンスに
なってしまうことがある。このような場合、オペアンプ
12が−端子12bを+端子12cと同電位にするよう
にフィードバックをかけようとしても、この時フィード
バックのために流す電流の経路は生体6を経由する経路
しかなく、生体6を通じてDC電位である+端子12c
の電位を確保しようとすると低温乾燥時のきわめて高い
インピーダンスに阻まれてフィードバックがうまく機能
しなくなくなってしまう。
【0031】しかしながら、本実施例では安定化抵抗9
を配置することにより、生体6以外にフィードバックの
経路を確保しているので、オペアンプ12の−端子12
bの電位を容易に+端子12cと同じ電位に安定して維
持できる。なお、安定化抵抗9を配置しても、安定化抵
抗9の電気抵抗が生体6に印加する周波数における生体
インピーダンスRbより十分に大きい場合、ibはiに
ほぼ等しくなる。本実施例の場合、生体インピーダンス
が50KΩ程度でも十分な精度を確保できるように安定
化抵抗9に10MΩという非常に高い抵抗値を用いてい
る。このibに応じて生体6に電圧が発生し、この電圧
を2つの電圧検出電極2、4の間の電位差を電圧検出手
段10により検出し、生体インピーダンス算出手段11
は電圧検出手段10の検出した電圧を生体6に印加され
る電流ibとほぼ同じ電流iで除算することにより生体
インピーダンスが算出される。
【0032】なお、本実施例では電流印加電極と電圧検
出電極が互いに絶縁され別個に構成された4端子法を用
いており、電圧検出電極は電流印加電極により電流が印
加される区間の皮膚に接触するように配置されているの
で、外気の影響を受けて変化しやすい電流印加電極の表
皮付近のインピーダンスと印加電流ibとによる電圧は
検出されることはなく、外気等の影響を受けず変化の少
ない生体内部の抵抗成分による電圧を検出して生体イン
ピーダンスを算出できる。
【0033】上記のように本実施例の生体インピーダン
ス検出装置は、生体に並列に安定化抵抗9を配置して生
体に電流を印加するので、低温乾燥時などの表皮付近の
インピーダンスが高くなる場合でも安定して生体に電流
を印加することができ、面積の小さな電極を用いた場合
でも安定した生体インピーダンスの測定が可能となる。
【0034】なお、皮膚との接触面積を2cm2とした電
極を2つの電流印加電極1、3として使用した場合、1
0℃の低温環境下で表皮付近のインピーダンスを測定す
ると50KHz付近ではほとんどの人が片側で5KΩ以下
であったが、ごくわずかではあるが片側20KΩ程度の
人が居ることが分かった。片側の表皮付近の生体インピ
ーダンスが20KΩの場合、両側で40KΩとなるが、
そのような条件でも生体インピーダンスの測定精度を1
%以内にするためには安定化抵抗9の抵抗値は少なくと
もその100倍の4MΩ以上とする必要がある。なお、
殆どの人が5KΩ以下であるので、これらの人のみ正し
く測定すればよいと割り切れば、安定化抵抗9は10K
Ωの百倍の1MΩでもよい。
【0035】(実施例2)本発明の実施例2に付いて図
面とともに説明する。図3は本発明の生体インピーダン
ス検出装置のブロック図である。本実施例が本発明の実
施例1と異なる点は、2つの電圧検出電極2、4に近接
してインピーダンス変換手段14、15を設けた点、及
び、電流印加電極3の電圧を測定する印加電圧監視手段
16を設けた点にある。
【0036】実施例1では安定化抵抗9により小さな電
極を用いても生体6へ安定した電流印加が可能になった
が、表皮付近の生体インピーダンスが大きくなると生体
6に流れる電流が一定であるためにそれに伴って2つの
電流印加電極1、3の間の電位差がその分大きくなって
しまう。生体6に印加される電流は50KHzの正弦波形
なので、2つの電流印加電極1、3の間の電位差も50
KHzの正弦波形となり、この振幅が大きくなると電源電
圧を更に大きくする必要が生じてくるほか、僅かな回路
の誤差やノイズが無視できなくなってくる。この問題を
解決するために、本実施例の生体インピーダンス検出装
置は、二つの電圧検出電極2、4に近接してインピーダ
ンス変換手段14、15を設けている。
【0037】図4に4つの電極間のインピーダンス成分
を示す。Rh1iは電流印加電極1の表皮付近の抵抗、
Rh1vは電圧検出電極2の表皮付近の抵抗、Rh2i
は電流印加電極3の表皮付近の抵抗、Rh2vは電圧検
出電極4の表皮付近の抵抗、Rb1は電圧検出手段10
により検出される生体内部の生体インピーダンスであ
る。ここで、図5にこれらのインピーダンスの電圧波形
を示す。図5(a)は表皮付近の抵抗が十分小さい場
合、(b)は表皮付近の抵抗が大きくなった場合を示
す。抵抗値は(a)ではRh1v=Rh1i=1KΩ、
Rh2v=Rh2i=0.5KΩ、Rb1=0.5K
Ω、(b)ではRh1v=Rh1i=20KΩ、Rh2
v=Rh2i=10KΩ、Rb1=0.5KΩの場合で
ある。図中Aは2つの電流印加電極1、3の間の電圧波
形、Bは一方の電圧検出電極2と基準電位間の電圧波
形、Cはもう一方の電圧検出電極4と基準電位間の電圧
波形、Dは2つの電圧検出電極2、4の間の電圧波形で
ある。なお、ここでは生体5に印加する電流として、振
幅が250mAp−pとなる50KHzの正弦波を用いて
いる。
【0038】(a)と(b)とを比較すると、Aの振幅
が(b)が7.62vなのに対し(a)が0.5vで
(b)が(a)のほぼ15倍の値となっており、(b)
のAの振幅はDの振幅の実に60倍の大きさとなる。生
体インピーダンス算出手段11では電圧検出手段10が
検出するDの振幅から生体インピーダンスを算出するの
で、Dの波形は生体インピーダンスの算出に極めて重要
であり、ノイズ等により波形に影響が受けない様に配慮
する必要がある。しかし、表皮付近のインピーダンスが
大きくなる(b)では、B及びCの振幅を見るとA振幅
の約2/3の大きさであり、Dの振幅の40倍となって
いる。Dの波形はBとCの差であるから、BやCの波形
にノイズが重畳した場合はもちろん、BとCの位相が少
しでもずれた場合にも、Dの波形に大きく影響する。し
かし、電圧検出手段10では、表布付近のインピーダン
スの影響を無くすために電圧検出電極2、4からの電圧
信号を表布のインピーダンスより50〜100倍以上の
十分大きな入力インピーダンスで接続することが要求さ
れるため、電圧検出電極2、4と電圧検出手段10の間
ではノイズの影響を大変受けやすくなっている。また、
本実施例では電流印加電極1、3と電圧検出電極2、4
とは回路P板からリード線(図示せず)により結ばれて
おり、これが長くなるほど回路外からのノイズの影響を
受けやすく、しかも、電流印加手段8と電圧検出手段1
0との間に容量成分が生じて位相のずれを誘発する恐れ
もあった。
【0039】そこで本実施例の生体インピーダンス検出
装置は、このリード線によるノイズの混入や位相のずれ
をなくすために電圧検出電極2、4に接してインピーダ
ンス変換手段14、15を設け、電圧検出電極2、4が
検出した波形をできるだけそのまま電圧検出手段10に
送信している。この構成により、そのままではノイズの
影響を受けやすい入力インピーダンスの高い部分を極力
短くすることが可能で、またリード線に流れる電流を大
きくできるので、リード線の容量成分に起因する位相の
変化もほとんどなくすことができる。これによって、生
体の深部の生体インピーダンスに基づく電位差を正確に
検出できるので、正確な生体インピーダンスを検出でき
る生体インピーダンス検出装置を実現できる。
【0040】なお、本実施例では電圧検出電極とインピ
ーダンス変換手段は接して配置されるが、近接して配置
されていれば必ずしも接している必要はない。ただし、
電圧検出電極とインピーダンス変換手段とは近ければ近
いほど効果が高い。
【0041】また、本実施例の生体インピーダンス検出
装置では、電流印加電極3の電圧を監視する印加電圧監
視手段16を設けている。これは、表皮付近のインピー
ダンスが余りに大きい場合には2つの電流印加電極1、
3間の電圧が電流印加手段8の動作が可能な電圧範囲を
超えることがあるが、この場合、印加波形のうち動作可
能範囲を超えた部分はピークカットされて生体へは正弦
波ではない歪んだ電流波形が印加される。
【0042】従って、電圧検出手段10の出力も歪んだ
電流による電圧を検出してしまい、そのままでは正しく
電流が印加された正しい電圧を検出したのか、歪んだ電
流波形により発生した電圧を検出したのかを区別でき
ず、誤った生体インピーダンスを検出してまう恐れがあ
った。この問題を解決するために、本実施例の生体イン
ピーダンス検出装置は電流印加電極3の電圧を監視する
印加電圧監視手段16を設け、歪んだ電流波形を印加さ
せる恐れのある場合を監視している。
【0043】図6に電流印加電極3の電圧波形を示す。
(a)は表皮付近の抵抗が十分小さい場合、(b)は表
皮付近の抵抗が大きくなった場合を示す。抵抗値は図5
で説明した場合と同様である。図のように(a)(b)
ともに波形形成手段のDC電圧(0V)を基準とした正
弦波形となっているが、この振幅は2つの電流印加電極
1、3の間の生体インピーダンスにより大きく変化し、
(a)では+0.25Vなのに対し(b)では+3.8
1Vにまでなっている。
【0044】本実施例の場合、電源電圧は+5V、−5
Vの両電源を用いており、オペアンプの動作電圧範囲は
+4V〜−4Vである。そこで、印加電圧監視手段16
では+3.9Vを超える電圧が発生した場合に電流印加
電極3の電圧が正常範囲内にないことを示す信号を生体
インピーダンス算出手段11に出力し、生体インピーダ
ンス算出手段ではこの出力があるとき、算出した生体イ
ンピーダンスの代わりに、異常を示す信号を出力してい
る。
【0045】この構成により、電流印加電極の電圧が正
常な動作可能な範囲を超えて正しい生体インピーダンス
測定ができなくなった場合を検出することができるの
で、正しい測定ができない場合でもそれを認識できる。
【0046】なお、印加電圧監視手段16は電圧を監視
する部分の入力インピーダンスが安定化抵抗9と同等か
それ以上の高インピーダンスを持つ必要があるので、注
意が必要である。
【0047】また、上記実施例では印加電圧監視手段1
6は2つの電流印加電極のうちオペアンプ12の−端子
12bに接続された側の電流印加電極3の電圧を監視し
ているが、もう一方の電流印加電極1を監視してもよ
い。ただし、この場合はオペアンプのオフセット電圧や
バイアス電流の影響を受けDC電圧が多少変化するた
め、その分の余裕が必要になる。したがって、本実施例
のようにオペアンプ12の−端子12bに接続された側
の電流印加電極3の電圧を監視する方がよい。
【0048】(実施例3)本発明の実施例3を図面とと
もに示す。本実施例では生体は人体であり、検出した生
体インピーダンスから人体の体脂肪率を算出する体脂肪
率計の例を示す。図7は本実施例の体脂肪率計のブロッ
ク図、図8は本実施例の体脂肪率計の外観図である。図
中1から4は生体6の表皮に接触させて電気的な導通を
図る4つの電極であり、これらのうち1、3は生体に電
流を印加させる電流印加電極、2、4は生体の電圧を検
出する電圧検出電極である。
【0049】また、7は生体に印加する電流波形を形成
する印加波形形成手段、8は印加波形形成手段7により
形成された波形を2つの電流印加電極1、3との間に印
加する電流印加手段、10は2つの電圧検出電極2、4
との間の電圧を検出する電圧検出手段、11は電圧検出
手段10にて検出された電圧から生体のインピーダンス
を算出する生体インピーダンス算出手段、17は被測定
者の身体情報を入力する入力手段、18は生体インピー
ダンス算出手段11と入力手段17とから得られた情報
に基づき被測定者の体脂肪率を算出する体脂肪率算出手
段、19は体脂肪率算出手段18が算出した体脂肪率を
表示する表示手段である。
【0050】なお、印加波形形成手段7は正弦波を形成
する波形形成手段20と正弦波の振幅を可変して出力す
る出力可変手段21を持ち、出力可変手段21は本実施
例では体脂肪率算出手段18からの信号に基づき3種の
振幅に切り替えて各振幅の出力波形を順番に一定時間ず
つ電流印加手段8に出力し、電圧検出手段10では3種
の振幅に応じてそれぞれの場合の電圧を算出し、さらに
生体インピーダンス算出手段11では電圧検出手段10
が算出した3種の電圧により生体インピーダンスを決定
している。なお、本実施例では、出力可変手段21は体
脂肪率算出手段18からの信号に基づき増幅率を変化さ
せる可変増幅回路を用いて構成している。
【0051】また、図7において22は人体の左手首に
装着するための装着バンドであり、装着バンド22の手
首と接触する側に電流印加電極1と電圧検出電極2が配
置されおり、装着バンド22を手首に装着すると電流印
加電極1と電圧検出電極2が皮膚と接触して人体と電気
的に導通する。また、29は本体で装着バンド22の手
首と反対側に配置され、この本体23上の電流印加電極
3と電圧検出電極4(図8の奥側で電極自体は隠れて見
えない)が配置され、これら本体上の2つの電極に右手
の指を接触させることにより人体と電気的に導通する。
また、入力手段17と表示手段19とは本体23上に配
置されている。
【0052】なお、本体23上には電源スイッチ24が
あり、体脂肪率の測定時にこのボタンを押して体脂肪率
計の電源をオンにして測定を行う。さらに、入力手段1
7は確定ボタン17a、増加ボタン17b、減少ボタン
17cの3つのボタンからなり、表示手段19に表示さ
れる身体情報の数値を、各身体情報毎に増加ボタン17
bと減少ボタン17cを操作して被験者の値に合わせた
後に確定ボタンで数値を確定させる、といった操作によ
り身体情報の入力を行う。
【0053】本実施例の作用を示す。まず、体脂肪率を
測定する被測定者が本体23に設けられた入力手段17
から自身の身長、体重、年齢、性別の身体情報を入力
し、入力された情報が体脂肪率算出手段18に伝達され
る。被測定者は装着バンド22を左腕手首に装着する
と、装着バンド22の手首に接触する面に配置された電
流印加電極1と電圧検出電極2と手首とが接触して電気
的な導通が可能となる。更に装着バンド22に接続され
た本体23上にある電流印加電極3と電圧検出電極4に
右手の指を接触させると、生体を含めた電流印加手段8
の定電流回路が構成されて生体に定電流が印加される。
【0054】この時、印加波形形成手段7は出力可変手
段21により体脂肪率算出手段18の出力に基づいた3
種類の振幅の波形を順次一定時間ずつ出力し、生体には
3種類の振幅に応じた3種類の定電流が順次印加され
る。電圧検出手段10では、順次印加された3種の異な
る定電流に基づく生体の電圧を検出し、それぞれ生体イ
ンピーダンス算出手段11に出力する。生体インピーダ
ンス算出手段11では、3種の振幅に基づく3つの電圧
値を用いて生体インピーダンスを算出するが、算出方法
は以下のように行う。
【0055】図9に横軸に生体に印加された定電流の振
幅、縦軸に検出された電圧の関係図を示す。1回の測定
では3種の異なるそれぞれ既知の振幅の定電流を印加し
それぞれの電圧を検出するので、図に示すように3つの
点がプロットされ(図中白丸)、これらの3点は通常は
原点を通過する直線上に並ぶ(E)。横軸は電流、縦軸
は電圧であるから通常は1点が求まれば生体インピーダ
ンスは決定できるが、ノイズの影響がある場合は電圧検
出手段10にノイズによる電圧も重畳してしまい、正確
に生体インピーダンスを検出できない場合があった。
【0056】しかしながら、本実施例のように複数の異
なる振幅の電流を印加してそれぞれの場合での電圧を測
定すると、外部からのノイズの場合、ノイズの影響はす
べての場合で等しく現れるので、図7の黒丸で表される
ような位置に並び、それぞれの点を結んだ直線はノイズ
の影響のない場合の直線に対してノイズの大きさに応じ
た分上方へ平行移動した形(F)になる。ノイズの有無
による違いは切片の高さには現れるが傾きrE、rFに
は現れず、この直線の傾きは生体インピーダンスと比例
するので、傾きを求めることによって外来ノイズの影響
を受けない生体インピーダンスを算出することができ
る。
【0057】このように算出された生体インピーダンス
は体脂肪率算出手段18に出力され、体脂肪率算出手段
18では生体インピーダンス算出手段11の出力と入力
手段17に入力された被測定者の身体情報とから被測定
者の体脂肪率が算出され、算出された体脂肪率が表示手
段19により表示されて、被測定者に報知される。
【0058】上記のように、本実施例の体脂肪率計は、
複数の振幅の定電流を印加してそれぞれの振幅に応じた
電圧を検出し、この複数の電圧値に基づいて算出された
生体インピーダンスの値を用いて被測定者の体脂肪率を
算出するので、ノイズの影響を受けない体脂肪率計を提
供できる。
【0059】なお、本実施例では3種の振幅を用いてい
るが、最低でも2種あれば直線を特定できるので同様な
効果が得られる他、3種以上でも同じ効果が得られる。
また、複数の振幅の電流を繰り返し印加してより多くの
電圧値から傾きを求めると時々刻々と変化するノイズの
影響を更に低減させることが可能であり、さらに効果が
高まる。
【0060】また、本実施例では、出力可変手段として
可変増幅回路を構成して用いているが、複数の印加波形
形成手段を構成しこれら複数の波形を切り替えスイッチ
で切り替えて出力するような構成でもよいし、基準信号
を与えて滑らかな正弦波に加工する回路において基準信
号の振幅を変更して実現するものでもよく、出力可変の
方法を限定するものではない。
【0061】また、3種の振幅の電流と電圧との関係が
直線でない場合は、ノイズの影響があったり、生体イン
ピーダンスが大きくなりすぎて正しく測定できない場合
であったりすることから、この直線性を評価して測定し
た生体インピーダンスや体脂肪率の値を評価することも
可能である。例えば、3点のうち隣り合う2点の傾きの
差を算出し、これがあらかじめ決められた閾値より大き
い場合では、生体インピーダンスや体脂肪率の測定を再
度行うように制御するなどの応用が可能となる。
【0062】(実施例4)本発明の実施例4を図面とと
もに説明する。図10は本発明の実施例4の体脂肪率計
のブロック図である。本実施例が本発明の実施例3と異
なる点は、出力可変手段の代わりに出力遮断手段25を
持ち電流を流す場合と流さない場合とを交互に出力し、
電流が流れている場合の電圧検出手段10の出力と電流
が流れていない場合の電圧検出手段10の出力とから前
記人体の生体インピーダンスを検出して体脂肪率を算出
する点にある。なお、本実施例では、出力遮断手段25
はアナログスイッチで構成し体脂肪率算出手段の出力を
受けて動作させている。
【0063】生体に電流を印加していないときに電圧検
出手段10が検出する電圧は外乱ノイズに起因する電圧
である。電流を流している場合は、この外乱ノイズが重
畳し、電圧検出手段10では生体に印加した電流とその
間の生体インピーダンスとにより発生する電圧と外乱ノ
イズとが加わった値となる。そこで、図11に示すよう
に定電流を印加した時の電圧検出手段10の出力から電
流を印加しない時の電圧検出手段10の出力を減算して
外乱ノイズのない状態での電圧を算出して出力してい
る。
【0064】図中Gはノイズの重畳がほとんどない場
合、Hはノイズの重畳がある場合であり、それぞれV
G、VHという電圧が求められ、この値から生体インピ
ーダンスと体脂肪率が算出される。この場合、電流を切
りかえるのではなく、電流印加のない状態を作ればよい
ので、実施例3のように増幅率を切り替えたり複数の波
形形成手段を用いたりする等の複雑な回路構成が不要で
あり、本実施例のようにアナログスイッチ等を用いるこ
とにより単純な構成で簡単に実現できる。
【0065】なお、外乱ノイズのない状態の電圧を求め
る算出方法は、実施例で述べた定電流印加時に検出され
た電圧から電流印加をしない時に検出された電圧を減算
して求めるのが最も容易であるが、ノイズの状態によっ
てはそれだけでは正確に求められない場合もあるので、
あらかじめ得られた2つの電圧値からノイズのない場合
の電圧値を求める回帰式を求めておき、新たに得られた
2つの電圧値を回帰式に代入してノイズのない場合の電
圧値を算出するなどの方法を取ってもよい。その場合の
回帰式は例えば式2のようなものであり、a、bの係数
は様々な条件から統計的に求めておけばよい。
【0066】V=aVi−bV0(式2) 上記のように、本実施例の体脂肪率計は、簡単な構成で
ノイズの影響を除去できるので、電極の面積が十分に取
れない場合でも正確体脂肪率を測定できる。
【0067】なお、本実施例の体脂肪率計では出力遮断
手段25は印加波形形成手段に含まれるアナログスイッ
チであるが、電流印加電極が生体に電流を印加する動作
を妨げるものであれば何処にあってもよく、また、遮断
方法も回路を遮断するものに限らず物理的に電極との接
触を断つものなどでもよく、遮断方法を限定するもので
はない。
【0068】なお、上記4つの実施例では生体インピー
ダンス検出装置とこれを用いた体脂肪率計に付いて説明
したが、いずれも、表皮付近のインピーダンスが高い場
合でも正確な生体インピーダンスを検出するための構成
が主眼であり、体脂肪率計を例に説明した構成であって
も、その生体インピーダンス検出の構成は単独で利用可
能なものであり、体脂肪率計への利用に制限するもので
はない。さらに、体脂肪率以外にも体水分量など生体イ
ンピーダンスを用いて計測できる生理状態の計測機器へ
応用してももちろんよい。
【0069】また、上記4つの実施例では生体として人
体の生体インピーダンスや体脂肪率を求めているが、人
体に限らず、動物などでも同様である。また、生体に限
らず、電極付近のインピーダンスが変化しやすく極めて
大きくなる可能性のあるものであれば、応用が可能であ
る。
【0070】上記発明により、電極の面積を小さくして
も正確に生体インピーダンスを検出することが可能であ
り、小型で正確な生体インピーダンス検出装置やこれを
用いた体脂肪率計を実現できる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
係る生体インピーダンス検出装置およびこれを用いた体
脂肪率測定装置は、電流印加手段に接続された2つの電
極間に人体と並列に安定化抵抗を接続しているので、低
温環境下などで人体の表皮付近のインピーダンスが極め
て大きくなり電流印加手段による安定した電流印加が難
しい場合でも前記安定化抵抗を通じて電流印加手段の安
定化を図ることが可能で、低温環境下等の表皮付近のイ
ンピーダンスが大きな場合でも安定した生体インピーダ
ンス検出ができる。
【0072】また、請求項2に係る生体インピーダンス
検出装置およびこれを用いた体脂肪率測定装置は、2つ
の電極間に配置する抵抗の大きさが電流印加手段の印加
する電流の周波数領域で深部の生体インピーダンスと表
皮付近のインピーダンスを加算した値の少なくとも20
倍以上の高い値となるので、2つの電極間に安定化抵抗
を配置しても十分に正確な生体インピーダンス検出がで
きる。
【0073】また、請求項3に係る生体インピーダンス
検出装置およびこれを用いた体脂肪率測定装置は、電圧
検出手段に接続された2つの電極に近接してインピーダ
ンス変換手段が配置されるので、2つの電極から電圧検
出手段に電位を伝達する間のノイズの影響を少なくする
ことが可能で、ノイズの影響を受けない正確なインピー
ダンス検出を実現できる。
【0074】また、請求項4に係る生体インピーダンス
検出装置およびこれを用いた体脂肪率測定装置は、ノイ
ズがある場合でも、複数の電流値から生体インピーダン
スに起因する電圧成分のみを検出可能で、ノイズによる
影響が少なく正確な生体インピーダンス検出ができる。
【0075】また、請求項5に係る生体インピーダンス
検出装置およびこれを用いた体脂肪率測定装置は、電流
を流さない場合の出力からノイズレベルを検出できるの
で、生体インピーダンス測定時のノイズの影響を検出可
能で、ノイズの状態を見積もった上で正しい生体インピ
ーダンス検出ができる。
【0076】また、請求項6に係る生体インピーダンス
検出装置およびこれを用いた体脂肪率測定装置は、電流
印加電極に接続された電極の電圧を測定することにより
電流印加電極の電圧が正常な動作可能な範囲を超えて正
しい生体インピーダンス測定ができなくなった場合を検
出することができるので、正しい測定ができない場合で
もそれを認識できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における生体インピーダンス
検出装置のブロック図
【図2】同装置における骨格筋の抵抗率の周波数特性図
【図3】本発明の実施例2における生体インピーダンス
検出装置のブロック図
【図4】同装置の電極装着時の生体中のインピーダンス
成分を示す回路図
【図5】(a)同装置の表布付近のインピーダンスが通
常の人の場合の電極の電圧出力図 (b)同装置の表布付近のインピーダンスが高い人の場
合の電極の電圧出力図
【図6】(a)同装置の表布付近のインピーダンスが通
常の人の場合の電極の電圧出力図 (b)同装置の表布付近のインピーダンスが高い人の場
合の電極の電圧出力図
【図7】本発明の実施例3における体脂肪率計のブロッ
ク図
【図8】同体脂肪率計の外観斜視図
【図9】同体脂肪率計の生体インピーダンス算出手段の
算出方法の概念を示す図
【図10】本発明の実施例4における体脂肪率計のブロ
ック図
【図11】同体脂肪率系の生体インピーダンス算出手段
の算出方法の概念図
【図12】従来例における体脂肪率計の外観斜視図
【符号の説明】
1、3 電流印加電極 2、4 電圧検出電極 6 人体(生体) 8 電流印加手段9 安定化抵抗 10 電圧検出手段 11 生体インピーダンス算出手段 14、15 インピーダンス変換手段 21 出力可変手段 25 出力遮断手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G028 AA01 BC07 CG08 DH05 DH09 DH13 DH14 DH21 FK01 FK09 HN01 HN11 HN13 LR02 4C027 AA06 DD05 EE01 EE03 EE05 GG00 KK07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体のそれぞれ異なる部位の皮膚に接触し
    電気的な導通を計る4つの電極と、前記4つの電極のう
    ち2つの電極の間に一定電流を印加する電流印加手段
    と、前記4つの電極のうち前記電流印加手段に接続され
    ない2つの電極の間の電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段の出力に基づいて前記生体のインピー
    ダンスを算出する生体インピーダンス算出手段とを備
    え、前記電流印加手段に接続された2つの電極の間を安
    定化抵抗で接続した生体インピーダンス検出装置。
  2. 【請求項2】安定化抵抗の抵抗値は少なくとも1MΩ以
    上、より望ましくは4MΩ以上である請求項1に記載の
    生体インピーダンス検出装置。
  3. 【請求項3】生体のそれぞれ異なる部位の皮膚に接触し
    電気的な導通を計る4つの電極と、前記4つの電極のう
    ち2つの電極の間に一定電流を印加する電流印加手段
    と、前記4つの電極のうち前記電流印加手段に接続され
    ない2つの電極の間の電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段の出力に基づいて前記生体のインピー
    ダンスを算出する生体インピーダンス算出手段とを備
    え、前記電圧検出手段は前記電圧検出手段に接続された
    2つの電極に近接して配置されるインピーダンス変換手
    段を持つ生体インピーダンス検出装置。
  4. 【請求項4】生体のそれぞれ異なる部位の皮膚に接触し
    電気的な導通を計る4つの電極と、前記4つの電極のう
    ち2つの電極の間に一定電流を印加する電流印加手段
    と、前記4つの電極のうち前記電流印加手段に接続され
    ない2つの電極の間の電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段の出力に基づいて前記生体のインピー
    ダンスを算出する生体インピーダンス算出手段とを持つ
    とともに、生体に印加する電流を変化させる出力可変手
    段を備え、前記電流印加手段は前記出力可変手段が可変
    した複数の電流値の電流を生体に印加し、生体インピー
    ダンス算出手段は電流印加手段が生体に印加した複数の
    電流値とそれに応じた電圧検出手段の出力値とから生体
    インピーダンスを決定する生体インピーダンス検出装
    置。
  5. 【請求項5】生体のそれぞれ異なる部位の皮膚に接触し
    電気的な導通を計る4つの電極と、前記4つの電極のう
    ち2つの電極の間に一定電流を印加する電流印加手段
    と、前記4つの電極のうち前記電流印加手段に接続され
    ない2つの電極の間の電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段の出力に基づいて前記生体のインピー
    ダンスを算出する生体インピーダンス算出手段とを持つ
    とともに、生体に印加する電流を遮断する出力遮断手段
    を持ち、生体インピーダンス算出手段は出力遮断手段が
    生体に印加する電流を遮断しない場合の電圧検出手段の
    出力値と遮断した場合の電圧検出手段の出力値とから生
    体インピーダンスを決定する生体インピーダンス検出装
    置。
  6. 【請求項6】電流印加手段に接続された2つの電極のう
    ち少なくとも一方の電圧を測定する電極電圧測定手段を
    持ち、前記電極電圧測定手段の出力があらかじめ決めら
    れた範囲にあるとき生体インピーダンス算出手段の出力
    が正しい生体インピーダンスではないと判定する請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の生体インピーダンス検出
    装置。
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