JP2002065073A - 育苗ポット及びその集合体 - Google Patents

育苗ポット及びその集合体

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JP2002065073A
JP2002065073A JP2000256206A JP2000256206A JP2002065073A JP 2002065073 A JP2002065073 A JP 2002065073A JP 2000256206 A JP2000256206 A JP 2000256206A JP 2000256206 A JP2000256206 A JP 2000256206A JP 2002065073 A JP2002065073 A JP 2002065073A
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seedling
pot
seedling raising
raising pot
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JP2000256206A
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Shigeji Motooka
茂治 元岡
Jun Suyama
純 陶山
Yasunari Ogura
康成 小倉
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MORUZA KK
Minoru Industrial Co Ltd
Original Assignee
MORUZA KK
Minoru Industrial Co Ltd
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 育苗ポットごと土中に埋設して定植を行った
場合に苗の生育を妨げるおそれの少ない育苗ポットを提
供する。 【解決手段】 育苗ポット11は、パルプを主たる配合
成分として含む原料をモールド成形して形成されたパル
プモールド体によって構成され、土中での分解性を有す
る。その原料中の繊維成分は、50〜90重量%の木材
パルプと50〜10重量%のレーヨンからなる。育苗ポ
ット11の側壁13には薄肉部23が設けられ、底壁1
2には排水用の孔21a〜21eと育苗ポット11の外
側へ凸となる突起22とが設けられている。また、育苗
ポット11の底壁12及び側壁13の肉厚は、0.2〜
0.5mmに設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の苗の生育に
用いられる育苗ポット及びその集合体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、育苗ポットとしては、ポリエチレ
ン等の樹脂製のものが広く用いられている。しかし、こ
の育苗ポットの場合、定植の際に育苗ポットから苗を取
り出して植え替える必要があり、手間がかかるという問
題があった。また、苗を取り出した後の育苗ポットを処
分するのにもコストや手間がかかるという問題があっ
た。さらに、従来の樹脂製のポットの場合、根づまりが
起こりやすいという問題もあった。従来の育苗ポットで
根づまりが起こりやすい原因としては、次のようなこと
が考えられる。育苗ポット内で苗を生育させた場合、生
長に伴ってポットの側壁にまで到達した根は側壁の内面
に沿って伸長し、さらにその根からは側根がでる。この
ため、側壁に近い部分に根が集中しやすく、その根が網
目状に充満すると根づまりの状態となる。通常根はその
先端部から水分及び養分を吸収するので、その先端部が
側壁に近い部分に集中すると充分な水分及び養分が吸収
できなくなり、苗の生育は停滞してしまう。
【0003】そこで、こうした問題を解決すべく、パル
プモールド体によって構成され、土中での分解性を有す
る育苗ポットが提案されている。これにより、育苗ポッ
トごと土中に埋設して定植を行うことが可能となり、育
苗ポットから苗を取り出す手間を省くことができるよう
になるとともに、育苗ポットの処分にも困らない。ま
た、パルプモールド体によって構成したことにより通気
性を有しているために、「エアプルーニング」と呼ばれ
る現象によって苗の根づまりを抑制することもできる。
「エアプルーニング」とは、充分な通気性を有する空間
に根が到達すると、その根の伸長が停止して分枝が促さ
れる現象である。すなわち、生長に伴ってポットの側壁
にまで到達した根は、育苗ポットが通気性を有するため
に空気に触れ、その結果伸長が停止してその根の中間部
に新たな根をだす。その新たな根が生育してポットの側
壁にまで到達すると、また同じようにその伸長が停止し
て分枝する。これが繰り返されるため、常に新しい根が
生え、土の中にまんべんなく、しかも数多くの根が分布
し、水分及び養分を充分に吸収することができる。この
ため、根づまりを起こすことなく苗を生育させることが
できる。このように根づまりをしていない苗は定植後の
生育もよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、定植後、育
苗ポットの外側へ根が伸長するのを許容するだけの強度
に達するまで分解が進行していない間は、苗の根の伸長
できる範囲が育苗ポット内に制限されるので、その期間
は苗の生育が妨げられるという問題があった。
【0005】本発明は、上記のような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、育苗ポットごと土中に埋設して定植を行っ
た場合に苗の生育を妨げるおそれの少ない育苗ポット及
びその集合体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、パルプを主たる配合成
分として含む原料をモールド成形して形成されたパルプ
モールド体によって構成され、土中での分解性を有する
とともに、底壁と、その底壁の周縁から立ち上がる側壁
とを備えた育苗ポットであって、前記側壁に薄肉部又は
孔を設けたことを要旨とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の育苗ポットにおいて、前記原料中の繊維成分の50〜
90重量%が木材パルプ、50〜10重量%がレーヨン
からなることを要旨とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の育苗ポットにおいて、前記底壁及び側壁
の肉厚が0.2〜0.5mmであることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいず
れか一項に記載の育苗ポットにおいて、前記底壁に排水
用の孔を設けるとともに、育苗ポットの外側又は内側へ
凸となる突起を底壁又は側壁に設けたことを要旨とす
る。
【0009】請求項5に記載の発明は、請求項1から請
求項4のいずれか一項に記載の育苗ポットを複数個備
え、その育苗ポット同士が連結部によって連結されてな
ることを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2に
示すように、本実施形態における育苗ポット11は、円
形の底壁12と、その底壁12の周縁から立ち上がる側
壁13とにより上方に開口した有底円筒状に形成されて
いる。育苗ポット11の側壁13は、上方に向かうにつ
れて拡径するテーパ状をなし、また底壁12と側壁13
の境界は円弧状に湾曲して形成されている。
【0011】育苗ポット11の底壁12には、排水用の
孔21a〜21eが五つ、育苗ポット11の外側へ凸と
なる突起22が四つ設けられている。孔21a〜21e
は円形をなし、そのうちの一つの孔21aは他の四つの
孔21b〜21eよりも径が大きく、底壁12の中央に
設けられている。そして、孔21b〜21eは、前記孔
21aを中心に周方向に等間隔をおいて設けられてい
る。突起22は、周方向において隣り合う孔21b〜2
1eの中間部にそれぞれ設けられている。この突起22
の断面は円弧形状をなしている。
【0012】一方、側壁13には、薄肉部23が設けら
れている。薄肉部23は、側壁13の外側面が育苗ポッ
ト11の内側に窪んだ形状をなしており、他の部位に比
べて肉厚が小さく形成されている。この薄肉部23は、
側壁13の下部において周方向に等間隔をおいて八つ
(図1及び図2では一部の薄肉部23のみを示す)形成
されている。また、この薄肉部23が、育苗ポット11
の表面積の5〜50%を占めることが望ましい。50%
を超えると、育苗ポット11の強度が大きく低下するた
め好ましくない。
【0013】育苗ポット11の底壁12及び側壁13の
肉厚の好ましい範囲は0.2〜0.5mm、最適な範囲
は0.3mm前後である。また、薄肉部23の肉厚の好
ましい範囲は0.01〜0.05mm、最適な範囲は
0.03mm前後である。
【0014】上記した育苗ポット11は、木材パルプを
主たる配合成分として含む原料をモールド成形して形成
されたパルプモールド体によって一体的に構成され、土
中での分解性を有している。前記原料中に含まれる木材
パルプの量は、原料中の繊維成分の50〜90重量%と
なる範囲が好ましく、70重量%前後となる範囲が最も
好ましい。さらに、前記原料中には、木材パルプ以外の
繊維成分としてレーヨン、また添加剤としてサイズ剤、
防かび剤が配合されている。前記原料中に含まれるレー
ヨンの量は、原料中の繊維成分の50〜10重量%とな
る範囲が好ましく、30重量%前後となる範囲が最も好
ましい。また、サイズ剤の量の好ましい範囲は原料全体
の2重量%前後、防かび剤の配合量の好ましい範囲は原
料全体の0.1重量%前後である。
【0015】次に、上記のように構成された育苗ポット
11の製造方法を説明する。育苗ポット11の製造は、
従来公知のパルプモールド体の製造方法によって行われ
る。即ち、育苗ポット11の製造工程は主に、パルプを
主たる配合成分として含む原料を抄造して所定形状の湿
潤成形体を形成する工程と、その湿潤成形体を加熱加圧
して乾燥させる工程とからなる。
【0016】ここで、前記二つの工程で用いられる金型
について説明する。金型は、抄型、プレス型、移動型の
三種の型から構成されている。抄型は、前記原料から所
定形状の湿潤成形体を抄造形成するためのものである。
この抄型には、育苗ポット11の内面形状に対応する成
形面が形成されており、その成形面には多数の排水口が
設けられている。
【0017】プレス型は、前記抄型で形成される湿潤成
形体を加熱加圧して乾燥させるためのもので、雄型と雌
型とからなる。雄型には育苗ポット11の内面形状に対
応する成形面が、また雌型には育苗ポット11の外面形
状に対応する成形面が形成されている。
【0018】移動型は、抄型で形成される湿潤成形体を
抄型からプレス型へと受け渡しするためのものである。
移動型は湿潤成形体を着脱することが可能であると共
に、抄型とプレス型との間を移動することが可能な構成
となっている。
【0019】育苗ポット11を製造する場合には、ま
ず、木材パルプとレーヨンの混合物に水を加え、叩解、
精砕等の機械的処理及びサイズ剤と防かび剤の添加を行
って、パルプスラリーを調製する。次に、そのパルプス
ラリーを抄型の成形面上に流し込むか、あるいはパルプ
スラリー中に抄型を浸漬してパルプスラリーを真空吸引
するかして、パルプスラリーの固形分を抄型の成形面上
に堆積させる。そうすると、抄型の成形面上にその成形
面に対応した形状の湿潤成形体が形成されるので、移動
型を使ってその湿潤成形体を抄型からプレス型へと移
し、プレス型の雄型と雌型との間に挟み込んで加熱加圧
して乾燥を行う。その結果、目的とする育苗ポット11
が得られる。
【0020】続いて、育苗ポット11の作用を説明す
る。図3は、定植後、育苗ポット11の外側へ根が伸長
するのを許容するだけの強度に達するまで分解が進行し
ていない時期の育苗ポット11を示す断面図である。同
図に示すように、生育に伴って分岐伸長して育苗ポット
11の内面にまで到達した苗Aの根は、育苗ポット11
の外側へ根が伸長するのを許容するだけの強度に達する
まで分解が進行していない時期であっても、側壁13の
薄肉部23を突き破って)、あるいは底壁12の孔21
a〜21eを介して育苗ポット11の外側へ伸長する。
その後、土中での育苗ポット11の分解が進行して、そ
の強度が育苗ポット11の外側へ根が伸長するのを許容
するだけの強度にまで低下すれば、苗Aの根は、薄肉部
23と孔21a〜21eを介してに制限されることな
く、自由に伸長することが可能となる。
【0021】以上詳述した本実施形態によれば次のよう
な効果が発揮される。 (1)側壁13に薄肉部23が設けられているため、育
苗ポット11ごと土中に埋設して定植を行った場合、そ
の定植直後であっても、強度の弱い薄肉部23を突き破
って育苗ポット11の外側へ苗の根を伸長させることが
可能である。すなわち、育苗ポット11の外側へ根が伸
長するのを許容するだけの強度に達するまで分解が進行
していない時期に苗の根の伸長できる範囲が育苗ポット
11内に制限されるのを回避することができる。従っ
て、苗の生育を妨げるおそれを抑制することができる。
【0022】(2)薄肉部23は、他の部位に比べて肉
厚が小さく形成された部位であって貫通した孔ではな
い。このため、育苗ポット11に土を詰めたときに、そ
の土が薄肉部23から外にこぼれ出るおそれがない。
【0023】(3)薄肉部23の肉厚を0.01〜0.
05mmの範囲に設定することにより、苗の根が育苗ポ
ット11の外側へ伸長するのを許容する機能と、育苗ポ
ット11の中に詰めた土が外にこぼれ出るおそれを防ぐ
機能の両者を確実に発揮することができる。
【0024】(4)育苗ポット11は木材パルプを主た
る配合成分として含む原料をモールド成形して形成され
たパルプモールド体によって構成され、土中での分解性
を有している。このため、育苗ポット11ごと土中に埋
設して定植を行うことが可能で、育苗ポット11から苗
を取り出す手間を省くことができる。加えて、定植作業
の後に育苗ポット11を処分する手間も省くことができ
る。また、育苗ポット11から苗を取り出して定植を行
う場合にはその作業の際に苗の根を損傷してしまうおそ
れがあったが、本実施形態の場合には育苗ポット11ご
と定植を行うことでそのおそれを防ぐことができる。
【0025】(5)育苗ポット11は、パルプモールド
体によって構成されているので、従来の合成樹脂製の育
苗ポット11に比べて緩衝能力が高く、また通気性も良
好である。
【0026】(6)原料中にレーヨンを配合すること
で、育苗ポット11の通気性を一層向上させることがで
きる。また、レーヨンは土中での分解性が高いので、育
苗ポット11の分解性を低下させるおそれもない。
【0027】(7)繊維成分の50〜90重量%が木材
パルプ、50〜10重量%がレーヨンからなる原料を用
いることにより、土中での分解性を良好に保ちつつ、通
気性に優れた育苗ポット11の製造を容易かつ安価に実
現することができる。
【0028】(8)底壁12及び側壁13の肉厚を0.
2〜0.5mmの範囲に設定することにより、優れた通
気性を確実に発揮することができるほか、土中での分解
性を向上させることができる。
【0029】(9)底壁12に排水用の孔21a〜21
eを設けたことにより、排水性を発揮できるのはもちろ
んのこと、育苗ポット11ごと定植を行った場合に、そ
の孔21a〜21eを介して育苗ポット11の外側へ苗
の根を伸長させることも可能である。
【0030】(10)底壁12に育苗ポット11の外側
へ凸となる突起22を設けたことにより、ある面上に育
苗ポット11を載置すると、育苗ポット11の底壁12
とその載置面との間には空隙が形成される。従って、育
苗ポット11を載置して使用する場合であっても、底壁
12の孔21a〜21eが閉塞してしまうおそれがな
く、孔21a〜21eの排水機能を確実に発揮すること
ができる。
【0031】(11)底壁12に突起22が設けられて
いるので、例えば二つの育苗ポット11を積み重ねた場
合、一方の育苗ポット11の突起22先端が他方の育苗
ポット11の底壁12内面に当たり、その結果両育苗ポ
ット11間には空隙が形成される。従って、複数の育苗
ポット11を積み重ねたときに育苗ポット11同士が密
着するのを防ぐことができ、積み重ねた状態にある育苗
ポット11を分離する作業を容易化することができる。
【0032】なお、前記実施形態を次のように変更して
構成することもできる。 ・ 前記実施形態では、定植直後の時期であっても薄肉
部23を突き破って苗の根が伸長することができるよう
に、薄肉部23の肉厚を比較的小さく形成したが、薄肉
部23の肉厚は側壁13の肉厚よりも小さければよく、
特に限定されるものでない。肉厚が比較的大きい場合で
あっても、薄肉部23は、土中での分解作用によって、
育苗ポット11の外側へ苗の根が伸長するのを許容する
だけの強度にまで他の部位に比べて早期に達する。この
ため、底壁12及び側壁13の薄肉部23以外の部位が
それだけの強度に達するまで分解が進行していない時期
であっても、薄肉部23を介して育苗ポット11の外側
へ苗の根を伸長させることが可能である。すなわち、育
苗ポット11の外側へ根が伸長するのを許容するだけの
強度に達するまで分解が進行していない時期に苗の根の
伸長できる範囲が育苗ポット11内に制限されるのを回
避することができる。従って、苗の生育を妨げるおそれ
を抑制することができる。
【0033】・ 前記実施形態において、薄肉部23に
代えて貫通した孔を側壁13に形成してもよい。また、
薄肉部23と貫通した孔の両方を側壁13に形成しても
よい。このように構成した場合も、定植直後の時期であ
ってもその貫通した孔を介して育苗ポット11の外側へ
苗の根を伸長させることが可能であり、苗の生育を妨げ
るおそれを抑制することができる。
【0034】・ 肉厚が側壁13の他の部位と略同一
で、かつ繊維の密度が他の部位に比べて粗な部分を、薄
肉部23に代えて、あるいは薄肉部23と共に側壁13
に設けてもよい。この場合でも、実施形態とほぼ同様の
効果を奏することができる。
【0035】・ 底壁12の孔21a〜21eの形状は
円形に限定されるものでなく、任意の形状に変更してよ
い。また、その孔21a〜21eの大きさ、数、位置に
ついても適宜に変更してよい。さらに、底壁12に孔を
複数個設ける場合には、それらの孔が全て同じ大きさ、
形状であってもよい。
【0036】・ 前記実施形態においては、突起22の
形状を育苗ポット11の外側へ凸となる形状としたが、
育苗ポット11の内側へ凸となる形状としてもよい。ま
た、育苗ポット11の外側へ凸となる突起22と育苗ポ
ット11の内側へ凸となる突起の両方を一つの育苗ポッ
ト11に同時に設けてもよい。
【0037】・ 前記実施形態においては、底壁12に
突起22を設けたが、側壁13に設けるように変更して
もよい。また、底壁12と側壁13の両方に突起22を
設けてもよい。突起22を側壁13に設ける場合、高さ
方向に沿って延びる凸条として設けてもよいし、周方向
に沿って延びる凸条として設けてもよい。
【0038】・ 前記実施形態の育苗ポット11を連結
部によって連結して育苗ポットの集合体として構成して
もよい。このように構成すれば、まとめての運搬が容易
となるなど作業性を向上させることができる。この育苗
ポットの集合体は、パルプモールド体によって一体的に
構成されるのが望ましく、その場合にはミシン目、切込
み、薄肉部分などを連結部に設けて個々の育苗ポット1
1を分離しやすくすることが好ましい。
【0039】図4は、実施形態の育苗ポット11とは若
干構成の異なる育苗ポット31が連結部によって連結さ
れてなる育苗ポットの集合体を示す斜視図である。この
育苗ポットの集合体は10個(2×5)の育苗ポット3
1を有し、各育苗ポット31は、実施形態の育苗ポット
11と同様に、底壁(図示せず)に排水用の孔(図示せ
ず)と突起(図示せず)を有し、側壁13に薄肉部23
を有している。また、各育苗ポット31の上端縁には外
側に延出する延出部32が全周にわたって設けられてい
る。そして、隣接する育苗ポット31の延出部同士が連
続することにより隣接する育苗ポット31同士が連結し
た構成となっている。
【0040】・ 前記実施形態では木材パルプを主たる
配合成分として含む原料から育苗ポット11を形成した
が、非木材パルプを主たる配合成分として含む原料か
ら、あるいは木材パルプと非木材パルプの混合物を主た
る配合成分として含む原料から形成してもよい。この場
合の非木材パルプとしては、古紙、麻、藁等が挙げられ
る。
【0041】・ 前記実施形態の育苗ポット11の原料
には、主たる配合成分としての木材パルプの他に、その
他の繊維成分としてレーヨンが配合されているが、その
他の繊維成分として、非木材パルプやその他の化学繊維
をレーヨンに代えて、あるいはレーヨンに加えて配合し
てもよい。この場合、土中での分解性が高いものをその
他の繊維成分として配合することが好ましい。ただし、
分解性の低いものであっても少量であれば特に支障はな
いので、その他の繊維成分は分解性の高いものに限定さ
れるものではない。
【0042】・ 育苗ポット11をモールド成形する際
に、パルプスラリーの中に肥料を混合させてもよい。あ
るいは、成形後の育苗ポット11の表面に肥料を塗布、
撒布する等してもよい。このように構成すれば、肥料に
よって苗の生育を促進することができる。
【0043】・ 前記実施形態では底壁12の孔21a
〜21e及び側壁13の薄肉部23をモールド成形時に
形成したが、成形後の加工によって形成してもよい。 ・ 定植の際、育苗ポット11から苗を取り出して植え
替えるようにしてもよい。この場合、定植作業後に使用
済みの育苗ポット11を処分する必要があるが、土中に
埋めれば分解されるし焼却も容易であるので、容易に処
分を行うことができる。
【0044】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 (イ)パルプを主たる配合成分として含む原料をモール
ド成形して形成されたパルプモールド体によって構成さ
れ、土中での分解性を有する育苗ポットであって、育苗
ポットごと土中に埋設して苗の定植を行ったときに、育
苗ポットの外側へ苗の根が伸長するのを許容するだけの
強度に達するまで土中での分解が進行していない時期
に、苗の根が育苗ポットの外側へ伸長するのを許容する
許容手段を備えたことを特徴とする育苗ポット。このよ
うに構成した場合、育苗ポットごと土中に埋設して定植
を行った場合に、育苗ポットの外側へ根が伸長するのを
許容するだけの強度に達するまで分解が進行していない
時期に苗の根の伸長できる範囲が育苗ポット内に制限さ
れるのが回避される。従って、苗の生育を妨げるおそれ
を抑制することができる。
【0045】(ロ)底壁と、その底壁の周縁から立ち上
がる側壁とを備え、前記許容手段が側壁に設けられた薄
肉部又は孔であることを特徴とする上記(イ)に記載の
育苗ポット。このように構成した場合、育苗ポットの外
側へ苗の根が伸長するのを許容するだけの強度に達する
まで土中での分解が進行していない時期に、苗の根が育
苗ポットの外側へ伸長するのを許容する手段を容易に実
現することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明
によれば、育苗ポットごと土中に埋設して定植を行った
場合に、育苗ポットの外側へ根が伸長するのを許容する
だけの強度に達するまで分解が進行していない時期に苗
の根の伸長できる範囲が育苗ポット内に制限されるのが
回避される。従って、育苗ポットごと土中に埋設して定
植を行った場合に苗の生育を妨げるおそれを抑制するこ
とができる。
【0047】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加え、土中での分解性を良好に保
ちつつ、通気性に優れた育苗ポットの製造を容易かつ安
価に実現することができる。
【0048】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は請求項2に記載の発明の効果に加え、優れた通気性
を確実に発揮することができるうえに、分解性を向上さ
せることができる。
【0049】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加
え、複数の育苗ポットを積み重ねたときに育苗ポット同
士が密着するのを防ぐことができ、積み重ねた状態にあ
る育苗ポットを分離する作業を容易化することができ
る。さらに、育苗ポットを載置して使用する場合であっ
ても、排水用の孔の排水機能を確実に発揮することがで
きる。
【0050】請求項5に記載の発明によれば、育苗ポッ
ト同士が連結部によって連結されてなる育苗ポットの集
合体において、請求項1から請求項4のいずれか一項に
記載の発明の効果と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の育苗ポットを示す斜視図。
【図2】 同じく育苗ポットを示す半断面図。
【図3】 定植後の育苗ポット示す断面図。
【図4】 育苗ポットの集合体を示す斜視図。
【符号の説明】
11…育苗ポット、12…底壁、13…側壁、21a〜
21e…孔、22…突起、23…薄肉部。
フロントページの続き (72)発明者 陶山 純 岡山県赤磐郡山陽町下市447番地 みのる 産業 株式会社内 (72)発明者 小倉 康成 岐阜県武儀郡武芸川町八幡983番地 モル ザ 株式会社内 Fターム(参考) 2B027 NC02 NC21 NC23 NC36 NC40 NC52 ND03 QA04 QB03 QC02 QC22 QC23 QC28

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプを主たる配合成分として含む原料
    をモールド成形して形成されたパルプモールド体によっ
    て構成され、土中での分解性を有するとともに、底壁
    と、その底壁の周縁から立ち上がる側壁とを備えた育苗
    ポットであって、 前記側壁に薄肉部又は孔を設けたことを特徴とする育苗
    ポット。
  2. 【請求項2】 前記原料中の繊維成分の50〜90重量
    %が木材パルプ、50〜10重量%がレーヨンからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の育苗ポット。
  3. 【請求項3】 前記底壁及び側壁の肉厚が0.2〜0.
    5mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の育苗ポット。
  4. 【請求項4】 前記底壁に排水用の孔を設けるととも
    に、育苗ポットの外側又は内側へ凸となる突起を底壁又
    は側壁に設けたことを特徴とする請求項1から請求項3
    のいずれか一項に記載の育苗ポット。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか一項に
    記載の育苗ポットを複数個備え、その育苗ポット同士が
    連結部によって連結されてなることを特徴とする育苗ポ
    ットの集合体。
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