JP2002060881A - 鋳造鍛造用アルミニウム合金及び鋳造鍛造材の製造方法 - Google Patents
鋳造鍛造用アルミニウム合金及び鋳造鍛造材の製造方法Info
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Abstract
及び靭性の良好なアルミニウム合金鋳造鍛造材を得る。 【構成】 この鋳造鍛造用アルミニウム合金は、Mg:
1.3〜4.0%、Si:0.2〜1.0%、Fe:
0.1〜0.3%及びMn:0.1〜0.5%、Cr:
0.05〜0.5%、Zr:0.05〜0.3%の何れ
か1種又は2種以上含み、更に必要に応じてCu:0.
3〜0.7%、Ti:0.01〜0.2%、B:0.0
01〜0.01%の1種又は2種以上を含み、粗大再結
晶がなく平均結晶粒径200μm以下の微細均一な再結
晶組織をもつ。そのため、組織に異方性がなく、強度の
バラツキが少ない。また、水素含有量を0.30cc/
100g以下に規制することにより靭性が向上する。
Description
るサスペンションアーム等の自動車用部品として好適な
鋳造鍛造用のアルミニウム合金及び鋳造鍛造材の製造方
法に関する。
された鋳型中で溶湯を連続凝固させた連鋳棒や連鋳棒か
ら押出加工された丸棒等が一般的に使用されている。し
かし、これらの素材を利用して複雑形状の製品を成形す
る場合、歩留まりが低く、コスト高になる。また、結晶
粒の粗大化に起因した強度低下も生じやすい。そこで、
最近では重力鋳造やダイカスト法等で製造した予成形体
を鍛造成形する鋳造鍛造法が普及してきた。鋳造鍛造法
では、鋳造時に極力最終製品に近い予成形体に鋳造し、
押出工程を経ることなく予成形体を熱間鍛造している。
予成形体を鍛造で成形するためには、鍛造の前工程で健
全な予成形体が得られることが重要であり、鋳造性及び
鍛造性の両方が良好な合金の開発が要求されている。
金としては、JIS A6061,A6151等のAl
−Mg−Si系合金やJIS A2017,A7075
等の高強度の展伸材がある。これらの材料は、丸棒等の
単純形状に鋳造するには問題ないが、製品形状に近い複
雑な形状に鋳造しようとすると鋳造時の割れ、流動性不
良等に起因して鋳造欠陥が発生しやすく、目的とする予
成形体が得られない。また、材料内部に欠陥が発生しや
すいため、鋳造鍛造用素材として不向きである。そこ
で、本願出願人等は、鋳造性及び鍛造性に優れたA1−
Si系アルミニウム合金を特開平10−110231号
公報で紹介した。
れる自動車用途では、強度,靭性及び耐食性に優れた鋳
造鍛造材が求められるようになってきた。特に重要保安
部品である自動車部品用としては、衝撃に強く、衝突事
故の際に破壊せずに変形することにより衝突エネルギー
を十分に吸収したり、事故後も作動することが要求され
るようになってきた。このような観点からも、より高靭
性のアルミニウム合金が望まれている。本発明は、この
ような要求に応えるべく案出されたものであり、Al−
Mg系をベースとしMg,Siの添加量を最適化して鋳
造性及び鍛造性を両立させ、より高靭性の鋳造鍛造用ア
ルミニウム合金を提供することを目的とする。
ミニウム合金は、Mg:1.3〜4.0質量%、Si:
0.2〜1.0質量%、Fe:0.1〜0.3質量%及
びMn:0.1〜0.5質量%、Cr:0.05〜0.
5質量%、Zr:0.05〜0.3質量%の何れか1種
又は2種以上含み、残部が実質的にAlの組成をもつこ
とを特徴とする。この鋳造鍛造用アルミニウム合金は、
更にCu:0.3〜0.7質量%、Ti:0.01〜
0.2質量%、B:0.001〜0.01質量%の1種
又は2種以上を含むことができる。
粗大再結晶がなく平均結晶粒径200μm以下の微細均
一な再結晶組織をもつ。そのため、組織に異方性がな
く、強度のバラツキが少ない。また、水素含有量を0.
30cc/100g以下に規制することにより靭性が向
上する。
組成に調製されたアルミニウム合金の溶湯を720〜7
60℃で製品形状に近い形状に鋳込み、冷却速度0.3
℃/秒以上で冷却し、得られた鋳物を400〜500℃
に加熱した後、100〜450℃に加熱された金型を用
い、圧縮率30〜70%で、鍛造加工を施すことにより
製造される。鍛造後530〜590℃で溶体化処理した
後、冷却速度100℃/分以上で200℃まで冷却し、
200〜250℃で1〜8時間保持処理することによ
り、高い強度が付与される。
ルミニウムでは、Siが多量に含まれているため靭性の
向上には限界があった。そこで、本発明者等は、鋳造鍛
造材としては知られていないA1−Mg系アルミニウム
合金をべ一スとし、該A1−Mg系アルミニウム合金の
鋳造性及び鍛造性を向上させることを検討した。A1−
Mg系アルミニウム合金は、Mg含有量が増加すると鋳
造性は向上するものの、鍛造時の変形抵抗値が増加し鍛
造性が悪くなるので、Mg含有量の上限を4.0質量%
と低く設定した。しかし、Mg含有量を低く抑えると鋳
造性が問題となってくる(図1a)。
討したところ、本発明が対象とするAl−Mg系ではS
i添加量0.2〜1.0質量%の範囲で鋳造性が向上す
ることが判った(図1b)。この点、従来のアルミニウ
ム合金ではSi含有量が低くなるにつれて鋳造性が悪く
なると考えられていたが、0.2〜1.0質量%の範囲
でSiが鋳造性の向上に有効に作用することは本発明を
もって始めてとする知見である。鋳造性は、Fe,T
i,Bの添加により更に改善される。0.2〜1.0質
量%の範囲でSiを添加したAl−Mg系合金を鋳造鍛
造した後で時効処理すると、Mg2Siの析出により機
械的強度も向上する。
材は、平均結晶粒径が200μm以下の均一微細な再結
晶組織をもっている。この再結晶組織のために、材質に
異方性がなく、安定した特性を呈する鋳造鍛造製品とし
て使用される。因みに、再結晶組織が粗大化している
と、機械的強度が低下するばかりでなく、異方性ががあ
るため靭性も低下する。
組織は、Siの添加量を1.0質量%とし、Mn,C
r,Zrの添加と共に鋳造時の冷却速度を0.3℃/秒
以上とし、粗大再結晶組織の核となる晶出物の粗大化を
防止することにより実現される。再結晶粒の粗大化は、
鍛造時の圧縮率を30%以上として転位等の再結晶核の
生成サイトを鍛造材内部に多数発生させることでも防止
される。なお、本発明で言う「圧縮率」とは、鍛造方向
における鋳物の高さと鍛造材の高さの差を鋳物の高さで
割った値である。また、強度を出すため、鍛造後に溶体
化処理及び時効処理が施される。
材に含まれる合金成分,含有量,製造条件等を説明す
る。 Mg:1.3〜4.0質量% 鋳造性を向上させるとともに、時効処理時にSiと共に
Mg2Siを形成し、引張強度及び耐力の向上に有効な
合金成分である。この効果は、1.3質量%以上のMg
含有量で顕著となる。1.3%未満のMg含有量では、
鋳造性が悪く、複雑な予成形体を形成できない。より複
雑な形状の予成形体を形成する場合は、Mg含有量を
1.5質量%以上にするのが好ましい。しかし、4.0
質量%より過剰なMgが含まれると、鍛造時の変形抵抗
値が大きくなり、鍛造性が劣化する。過剰なMg含有
は、時効処理による強度向上に有効でなく、却って強度
を低下させる原因となるので、Mg含有量は2.5質量
%以下にするのがさらに好ましい。
し、機械的強度を向上させる有効成分である。このよう
な作用は、0.2%以上のSi含有量で顕著になる。し
かし、1.0質量%を超える過剰量のSi含有は、却っ
て鋳造性を劣化させ、更に靭性低下や再結晶組織の核と
なるMg2Siの粗大化に起因した再結晶組織の粗大化
も生じる。より複雑な予成形体を形成する場合には、S
i含有量を0.4〜0.9質量%とするのが好ましい。 Fe:0.1〜0.3質量% 耐力の向上に有効な合金成分であり、溶湯の鋳型への焼
き付きを防ぐ作用も呈する。Feの添加効果は、0.1
質量%以上で顕著となる。しかし、0.3質量%を超え
る過剰量のFeが含まれると、粗大な化合物が形成さ
れ、耐食性及び靭性が悪化する。
l−Fe−Si系化合物を針状から粒状に変えて靭性を
向上させる作用も呈する。また、再結晶粒の粗大化防止
にも有効な成分である。このようなMnの添加効果は、
0.1%以上(好ましくは0.15質量%以上)で顕著
になる。しかし、0.5%を超える過剰量のMnが含ま
れると、靭性に有害な粗大な化合物が生成しやすくな
る。 Cr:0.05〜0.5質量%、Zr:0.05〜0.
3質量% 共に、強度、伸び、耐食性を向上させ、再結晶粒の粗大
化を防ぐ作用を呈する合金成分である。また、Mnとの
併用添加により一層大きな効果が得られる。このような
効果は、Cr:0.05%以上,Zr:0.05%以上
で顕著となるが、Cr:0.5%、Zr:0.3%を超
えると粗大な化合物を形成し、靭性が低下する。
001〜0.01質量% 必要に応じて添加される合金成分であり、鋳造時に結晶
粒の微細化剤と作用し、鋳造性を向上させる。また、予
成形体の鋳造組織を微細化するため鍛造性も向上させ、
再結晶粒の粗大化を防ぐ効果もある。このような効果
は、Ti:0.01%以上,B:0.001%以上で顕
著になるが、Ti:0.2%、B:0.01%で飽和す
る。 Cu:0.3〜0.7質量% 必要に応じて添加される合金成分であり、強度を向上さ
せる作用を呈する。Cuの添加効果は0.3%以上で顕
著になるが、0.7%を超えると耐食性が劣化する。不
純物としてZnを0.5質量%以下におさえるのが好ま
しい。
の微細均一な再結晶組織 アルミニウム合金鋳造鍛造材の機械的強度は、再結晶組
織の結晶粒径に応じて変わるが、平均結晶粒径を200
μm以下にすることにより要求特性を満足する機械的強
度が得られる。また、均一微細な再結晶組織とすること
により、異方性がなく品質信頼性の高い鋳造鍛造製品と
なる。これに対し、再結晶粒の平均粒径が200μmを
超えると機械的強度が低下し、異方性も大きくなるため
鍛造材の強度が部分的に強度の低い部分ができる。強度
の低い部分は、衝撃が加わった際に応力集中個所とな
り、靭性を低下させる原因となる。
00g以下に規制することにより、鍛造時及び熱処理時
にフクレの発生が抑制される。また、水素含有量の規制
により鋳造鍛造材内部に導入される欠陥が少なくなるた
め、機械的強度及び靭性も向上する。水素含有量は、溶
湯中に不活性ガスや塩素ガスを注入することにより低減
できる。
るため760℃以下の温度で鋳造される。しかし、72
0℃より低い鋳造温度では、鋳造性が悪く、必要形状の
予成形体に成形できない。鋳造方法としては、鋳造時の
空気の巻き込みによるガス含有量の増加を考慮すると重
力鋳造法,溶湯鍛造法が好ましいが、本願出願人等が開
発した真空酸素ダイカスト法(特願平11−15456
6号公報,特願2000−3208号公報)も採用でき
る。真空酸素ダイカスト法では、鋳型内を真空吸引した
後で酸素等の活性ガスを注入し、次いで溶湯を鋳型内に
注入するため、鋳造時にガスが鋳物に巻き込まれること
が少なく、フクレの発生しない高強度、高靭性の鋳造鍛
造材が得られる。
与しないMg2Siの晶出を抑制するため0.3℃/秒
以上の冷却速度で冷却される。0.3℃/秒より遅い冷
却速度では、冷却過程でMg2Si等の金属間化合物が
粗大化し、鍛造性を悪化させる。粗大化した晶出物は、
鍛造時の予熱や溶体化処理時にも完全には固溶せず、溶
体化処理時に粗大再結晶組織の核となり、強度を低下さ
せる。
100〜450℃ 予成形体は、熱間鍛造に先だって合金元素を極力固溶さ
せるため、400〜500℃に加熱される。鍛造に際し
ては、鍛造金型を材料の大きさ及び加工率との兼ね合い
で100〜450℃に予熱しておき、圧縮率30〜70
%で熱間鍛造する。このとき、鍛造上りの材料表面温度
が400〜500℃となるように加熱条件を選定する。
このように熱間鍛造を高温条件に設定することにより、
鍛造時の変形抵抗が低下して、鍛造性が良くなり、また
Cr,Mn系の化合物を微細均一に分布させることがで
きる。その結果、溶体化処理時の再結晶粒の粗大化が防
止される。
め、加工率を30%以上に設定することが好ましい。3
0%未満の加工率では、鋳造欠陥の圧潰が不充分とな
り、また再結晶核の生成サイトの形成が不十分で結晶粒
粗大化が生じるために十分な機械的性質が得られない。
しかし、70%を超える加工率では鍛造圧力が増加する
ため、過大なプレス能力が必要となり、金型寿命も低下
する。
間保持,冷却速度100℃/秒以上 時効処理で強度を付与する用途では、鋳造時に晶出した
強度向上に寄与しないMg2Siを固溶させるため、5
30〜590℃で溶体化処理する。晶出しているMg2
Siは、530℃以上,2時間以上の保持処理で十分に
固溶する。しかし、590℃を超える高温に加熱すると
バーニングが発生し、強度が低下する。また、長時間加
熱による生産性の低下を防止するため、保持時間を7時
間以内に設定する。溶体化処理されたアルミニウム合金
は、Mg,Siの固溶状態を維持するために100℃/
秒以上の速度で冷却される。100℃/秒に達しない冷
却速度では、再固溶したMg,Siが再び強度向上に寄
与しないMg2Siとして冷却過程で再析出してしま
う。
50℃×1〜8時間の時効処理を施すと、Mg2Siの
析出により強度が付与される。160〜250℃×1〜
8時間の条件を外れると、強度向上に有効なMg2Si
の析出量が確保されず、強度及び耐食性が劣ることにも
なる。
注入し、溶湯中の水素含有量を0.30cc/100g
以下にした後、図2(a)の形状をもつ予成形体に鋳込
んだ。得られた鋳物を450℃に加熱した後、200℃
に加熱された金型を用い平均圧縮率40%で図2(b)
に示す形状の鋳造鍛造品に成形した。そして、570℃
で2時間の溶体化処理した後、水焼入れし、220℃×
4時間の時効処理を施した。
減量(塩水噴霧:2000時間)及びシャルピー値を測
定すると共に、予成形体からサンプルを採取し変形抵抗
値(試験法:圧縮法、試験温度:450℃)を測定し
た。測定結果を表2に示す。また、合金No.4,9,
10それぞれのマクロ組織写真を図3に示す。表2か
ら、合金No.1〜7(本発明例)の鋳造鍛造材は、合
金No.8〜16(比較例)に比較して強度,伸び,耐
食性に優れ、なかでもシャルピー値が特に優れているこ
とが判る。また、合金No.4(本発明例)の鋳造鍛造
材は、粗大再結晶組織のない微細均一な再結晶組織にな
っていることが図3から判る。
(比較例)の鍛造鋳造材では、耐食性が表2にみられる
ように劣っている。Si含有量の高い合金No.9(比
較例)の鍛造鋳造材では、再結晶組織が粗大化してお
り、低いシャルピー衝撃値を示した。Mn,Cr無添加
の合金No.10(比較例)の鋳造鍛造材も、粗大化し
た再結晶組織になっており、機械的強度が低下してい
た。Al−Si系合金である合金No.11(比較例)
は、合金No.1〜7(本発明例)と比較するとシャル
ピー衝撃値及び耐食性が著しく低下していた。シャルピ
ー衝撃値及び耐食性の低下は、Fe含有量の高い合金N
o.12(比較例)でもみられた。Mn,Cr,Zr含
有量の高い合金No.13〜15(比較例)は、機械的
強度及びシャルピー値が低い値を示した。Mg含有量の
高い合金No.16(比較例)は、変形抵抗値が非常に
大きくなっており、鍛造性及び耐食性に劣っていた。
及びA5052相当合金の溶湯を重力金型鋳造法でリン
グ(内径60mm,外径80mm)形状に鋳造し、鋳物
に発生した割れの長さを測定した。表4の測定結果にみ
られるように、Si含有量の増加に従って割れ長さが短
くなり、鋳造性が良くなっている。しかし、0.6%を
超えるSi含有量では逆に割れ長さが長くなる傾向がみ
られ、1.0質量%を超えると急激に割れ長さが長くな
り、鋳造性が悪化していることが判る。また、本発明合
金は、JIS A6061相当及びA5052相当合金
に比較して鋳造性の良いことが表4から判る。
溶湯及び脱ガス処理を施していない合金No.4の溶湯
を用意し、それぞれ鋳込み温度740℃で重力鋳造方
法,溶湯鍛造,ダイカスト法,真空酸素ダイカスト法で
図2(a)の形状に鋳込んだ。得られた予成形体を実験
例1と同じ条件で図2(b)の形状に成形した後、熱処
理を行った。熱処理後の鋳造鍛造品について、ガス含有
量,引張強度,耐力,伸び,シャルピー値を測定した。
表5の測定結果にみられるように、脱ガス処理を施さな
かった鋳造鍛造材は、脱ガス処理した鋳造鍛造材と比較
してガス含有量が高く、機械的強度,伸び,シャルピー
値が低くなっていた。また、通常のダイカスト法で製造
した鋳造鍛造材は、他の鋳造法で製造した鋳造鍛造材よ
りもガス含有量が高く、機械的強度,伸び,シャルピー
値が低くなっていた。
秒)で、直径100mm,高さ100mmの円筒状に鋳
込んだ。得られた鋳物を450℃に加熱した後、圧縮率
85,75,55,35,25%で圧縮鍛造した。得ら
れた鍛造材を実施例1と同じ熱処理を施し、機械的強
度,伸び,シャルピー値を測定した。また鋳物から直径
14mm,厚み21mmのサンプルを採取し荷重−変位
曲線を求めた(試験法:圧縮法、試験温度:450
℃)。その結果を表6及び図4に示す。表6から、圧縮
率25%では鋳造欠陥が十分に潰されておらず、結晶粒
粗大化等に起因して機械的強度、伸び及びシャルピー値
が低くなっていることが判る。また、図4から70%を
超える圧縮率では試験荷重が著しく高くなっていること
が判る。
ニウム合金鋳造鍛造材は、Al−Mg系をベースとし、
Mg,Siの添加量を最適化することにより、鋳造性及
び鍛造性を向上させると共に、再結晶組織を微細化する
ことによって機械的強度及び靭性を改善している。この
ようにして得られた鋳造鍛造品は、機械的強度や靭性が
要求される自動車部品を始めとして各種分野で使用され
る。
添加量(a)及びSi添加量(b)の影響を表したグラ
フ
鍛造品(b)の形状
微鏡写真
Claims (5)
- 【請求項1】 Mg:1.3〜4.0質量%、Si:
0.2〜1.0質量%、Fe:0.1〜0.3質量%及
びMn:0.1〜0.5質量%、Cr:0.05〜0.
5質量%、Zr:0.05〜0.3質量%の何れか1種
又は2種以上含み、残部が実質的にAlの組成をもつこ
とを特徴とする鋳造鍛造用アルミニウム合金。 - 【請求項2】 更にCu:0.3〜0.7質量%、T
i:0.01〜0.2質量%、B:0.001〜0.0
1質量%の何れか1種又は2種以上を含む請求項1記載
の鋳造鍛造用アルミニウム合金。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の合金組成をもち、
平均粒径が200μm以下の微細均一な再結晶組織から
なり、水素ガス含有量が0.30cc/100g以下で
あるアルミニウム合金鋳造鍛造材。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の組成をもつアル
ミニウム合金の溶湯を720〜760℃で製品形状に近
い形状に鋳込み、冷却速度0.3℃/秒以上で冷却し、
得られた鋳物を400〜500℃に加熱した後、100
〜450℃に加熱された金型を用い、圧縮率30〜70
%で、鍛造加工を施すことを特徴とするアルミニウム合
金鋳造鍛造材の製造方法。 - 【請求項5】 鍛造後530〜590℃で2〜7時間保
持し、溶体化処理した後、冷却速度100℃/分以上で
200℃まで冷却し、160〜250℃で1〜8時間保
持処理する請求項4記載の製造方法。
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