JP2002060311A - 歯科用軟質裏装材組成物 - Google Patents

歯科用軟質裏装材組成物

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JP2002060311A
JP2002060311A JP2000245931A JP2000245931A JP2002060311A JP 2002060311 A JP2002060311 A JP 2002060311A JP 2000245931 A JP2000245931 A JP 2000245931A JP 2000245931 A JP2000245931 A JP 2000245931A JP 2002060311 A JP2002060311 A JP 2002060311A
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hydrogen atoms
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Masayuki Ikeno
正行 池野
Hideki Sugawara
秀樹 菅原
Masaya Arakawa
雅弥 荒川
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間使用しても変色せず、軟質でクッショ
ン性が良好であり、研削・研磨性に優れた歯科用軟質裏
装材組成物を提供する。 【解決手段】 (A)一分子中にケイ素原子に結合したア
ルケニル基を少なくとも1個有するポリオルガノシロキ
サン、(B)ケイ素原子に結合した水素原子を分子鎖両末
端のみに有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン、(C)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少
なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サン、(D)ヒドロシリル化反応触媒、および(E)無機質充
填剤からなり、(B)成分と(C)成分に存在するケイ素原子
に結合した水素原子の合計量が、(A)成分中のアルケニ
ル基1個当たり1〜10個であり、(B)成分中のケイ素原子
に結合した水素原子の数が、(B)成分及び(C)成分中のケ
イ素原子に結合した水素原子の少なくとも20%である歯
科用軟質裏装材組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は義歯のレジン床、金
属床の粘膜当接面の裏装材に使用される歯科用軟質裏装
材組成物に関するものであり、特に義歯患者の疼痛の緩
和及び義歯の吸着性向上を目的として使用され、軟質で
硬化性及び切削性に優れ、長期に亙って変色しない歯科
用軟質裏装材組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】長期間義歯を装着している患者では、骨
が痩せ細ったり、粘膜が菲薄になったりした場合、義歯
床はレジン又は金属の様な硬質の材料でできているた
め、咬合時における義歯の沈下により骨の最も高い所の
周辺に当たりができて疼痛の原因となる。また重いペリ
オ患者では歯槽骨が***したり、歯槽骨が吸収されて顎
提が低くなったりしている。この様な場合、咬合時に歯
槽骨の***部分に過度の負担圧がかかり疼痛となる。
【0003】このような症状の緩和と発生を防止するた
めに、義歯床の粘膜当接面を柔らかい材料、すなわち歯
科用軟質裏装材で裏装し、咬合時の衝撃を緩和する必要
がある。このようなシリコーン系歯科用軟質裏装材とし
て、すでに特開平8-291017号公報には、疎水化された微
粉末シリカと溶融石英とを併用した長期粘弾性の維持に
優れた組成物が開示されている。また特開平10-226613
号公報には、ポリオルガノシルセスキオキサンフィラー
を含有する耐着色性、切削性に優れた組成物が開示さて
いる。
【0004】しかしながら、これらのシリコーン系軟質
裏装材は裏装材としてのクッション性に劣るという問題
があった。また長期間使用した場合に付加触媒による変
色や義歯床との接着力も小さくなり、義歯床から裏装材
が剥離するという問題があった。さらに切削性も劣るの
で、硬化後の形態修正が困難となり、義歯が不適合とな
り易かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、長期間使用
しても変色せず、軟質でクッション性が良好であり、形
態修正のための研削・研磨性に優れた歯科用軟質裏装材
組成物を提供することを目的とする。なお、特開平10-2
59111号公報には、歯科印象材として架橋剤に2官能の鎖
長延長剤を併用した弾性歪み、永久歪みなどの性質に優
れた組成物が開示されている。しかし、この組成物は、
義歯を作製するための精密な型取りを目的としているも
のであり、口腔内で長期間にわたり使用されることはな
く、本発明の主目的である、義歯床への密着性、切削性
などについては全く言及していない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、後述する組成物は、硬化時間が短く、軟質でク
ッション性に優れ、研削・研磨性が良好で、長期に亙っ
て変色しないことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、(A)一分子中にケイ
素原子に結合したアルケニル基を少なくとも1個有し、2
5℃における粘度が0.05〜1000Pa・sであるポリオルガノ
シロキサン:100重量部、(B)ケイ素原子に結合した水素
原子を分子鎖両末端のみに有し、25℃における粘度が0.
001〜1.0Pa・sであるジオルガノポリシロキサン、(C)1
分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3
個有し、25℃における粘度が0.001〜1.0Pa・sであるオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン、(D)ヒドロシリ
ル化反応触媒:有効量、及び(E)無機質充填剤:5〜100
重量部を含有してなり、前記(B)成分と(C)成分に存在す
るケイ素原子に結合した水素原子の合計量が(A)成分中
のアルケニル基1個当たり1〜10個であり、(B)成分中の
ケイ素原子に結合した水素原子の数が、(B)成分及び(C)
成分中に存在するケイ素原子に結合した水素原子の少な
くとも20%であることを特徴とする歯科用軟質裏装材組
成物を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 〔(A)成分〕本発明における(A)成分は、本組成物の主成
分(ベースポリマー)となるものであり、基本的に主鎖
がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子
鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状
のジオルガノポリシロキサンであることが一般的である
が、分子鎖の一部に分枝状構造を含んだものであっても
よいが、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基
を少なくとも1個、好ましくは2個以上含有するポリオ
ルガノシロキサンである。アルケニル基として具体的に
は、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、
ヘキセニル基、ヘプテニル基等の炭素数2〜8、好まし
くは2〜4の低級アルケニル基が例示され、好ましくは
ビニル基である。アルケニル基の結合位置は特に限定さ
れず、分子鎖末端及び/又は分子鎖側鎖であり、このア
ルケニル基は、分子中のケイ素原子に対して、0.01〜10
モル%、特に0.1〜5モル%程度の割合で含有されてい
ることが好ましい。また、(A)成分中のケイ素原子結合
アルケニル基以外の有機基(すなわち、ケイ素原子に結
合した非置換又は置換の1価炭化水素基)として具体的
には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル
基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール
基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3,3,
3−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハ
ロ置換アルキル基等の炭素数1〜10、好ましくは炭素数
1〜8程度の非置換又は置換1価炭化水素基が例示さ
れ、これらのうち合成が容易なことから、メチル基であ
ることが好ましい。
【0009】(A)成分の粘度は、25℃において、0.05〜1
000Pa・s(パスカル・秒)、好ましくは0.1〜100Pa・s
の範囲から選ばれる。(A)成分のポリオルガノシロキサ
ンのシロキサン骨格は、直鎖状でも、環状でも、分岐状
でもよく、またこれらの混合物でもよいが、実質的に直
鎖状であることが好ましい。
【0010】〔(B)成分〕本発明における(B)成分は、
(A)成分と同様に本発明の組成物の主成分を構成するも
のであり、ケイ素原子結合水素原子を分子鎖両末端のみ
に有し(すなわち、1分子中にSiH基を2個含有し)、2
5℃における粘度が0.001〜1.0Pa・sである好ましくは直
鎖状のジオルガノポリシロキサンである。(B)成分のジ
オルガノポリシロキサンにおいて水素原子以外にケイ素
原子に結合した有機基としては、(A)成分において例示
した非置換又は置換の1価炭化水素基のうち、アルケニ
ル基以外のものと同じものを挙げることができ、特にメ
チル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基
が好ましい。この(B)成分のジオルガノポリシロキサン
としては、下記式で表される両末端ジメチルハイドロジ
エンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンが特に好ま
しい。
【0011】H(CH3)2SiO[(CH3)2Si0]xSi(CH3)2H 式中xは粘度の大きさが上述の範囲内のものとなるよう
な値である。この(B)成分は(A)成分の分子鎖長を高分子
量まで増加するように使用され、本組成物に良好な切削
性強度を与える。また速い硬化速度を与え変色の原因で
ある付加触媒の使用量を減少させることができる。
【0012】〔(C)成分〕本発明における(C)成分は、1
分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3
個有し、25℃における粘度が0.001〜1.0Pa・sであるオ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンである。ケイ素原
子に結合した水素原子(すなわち、SiH基)は前記(A)成
分のアルケニル基と付加反応をし、架橋剤となるもので
ある。(C)成分中のケイ素原子に結合した有機基(すな
わち、非置換又は置換の1価の炭化水素基)としては、
上記(A)成分において例示したもののうちアルケニル基
以外のものと同じものを挙げることができ、特にメチル
基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好
ましい。(C)成分の分子構造は直鎖、枝分かれ鎖、環
状、又は三次元網状であってもよい。このようなオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンとしては、分子鎖両末
端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロ
ジェンポリシロキサン、分子鎖両末端がトリメチルシロ
キシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイド
ロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端がトリメチ
ルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチル
ハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン
共重合体、分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロ
キシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン・メチルハ
イドロジェンシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位
とSiO2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とS
iO2単位と(C6H5)SiO3/2単位とからなる共重合体、及び
これらのオルガノポリシロキサンの二種以上からなる混
合物が挙げられる。
【0013】ここで、(B)成分と(C)成分に存在するケイ
素原子に結合した水素原子(すなわち、SiH基)の合計
量は、前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニ
ル基1個当たり、1〜10個であり、好ましくは1〜5であ
る。また(B)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の
数は、(B)成分及び(C)成分中に存在するケイ素原子に結
合した水素原子の合計量の少なくとも20モル%であり、
通常20〜80モル%、好ましくは30〜70モル%である。
【0014】〔(D)成分〕本発明における(D)成分のヒド
ロシリル化反応触媒としては、(A)成分中のケイ素原子
に結合したアルケニル基と、(B)成分及び(C)成分中のSi
H基との付加反応(ヒドロシリレーション)を促進する
作用を有するものであればいかなる触媒でも用いること
ができ、例えば、白金系触媒、パラジウム系触媒及びロ
ジウム系触媒から選ばれる少なくとも1種の白金族金属
触媒が好ましく、より具体的には、例えば、塩化白金
酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィ
ン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位
化合物;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム;クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等
が挙げられ、特に好ましくは白金系化合物である。(D)
成分は触媒としての有効量必要であり、具体的には、通
常、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量に対して触
媒金属元素の量としてO.01〜100ppm、好ましくはO.02〜
50ppmの割合で配合される。(D)成分の配合量が少なすぎ
ると、硬化反応が十分に進行しない場合があり、また多
すぎると、硬化物の物性が損なわれたり、硬化物が変色
したりする場合がある。
【0015】〔(E)成分〕本発明における(E)成分である
無機質充填剤は、従来からシリコーンゴムの補強、粘度
調整、耐熱性の向上などを目的とする充填剤として使用
されており、周知とされているものが使用可能である。
このような無機質充填剤としては、例えば、ヒュームド
シリカ、沈降シリカ、結晶性シリカ等のシリカ微粉末、
球状溶融シリカ、石英粉、酸化アルミニウム、水酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、
酸化カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウムアルミ
ネート、ハイドロタルサイト類、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム等が使用され、これらの1種又は2種以上
を使用することができる。
【0016】前記シリカ微粉末としては、その種類は特
に限定されず、例えば、BET法による比表面積が50m2/g
以上(通常50〜400m2/g、好ましくは100〜300m2/g)の
沈降シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ等の補強性
充填剤や、平均粒子径が50μm以下、特にO.1〜20μmの
粉砕石英(結晶性シリカ)、珪藻土等の非補強性充填剤
などが使用される。また前記溶融シリカとしては、平均
粒子径が0.1〜40μmのものが使用される。
【0017】上記無機質充填剤はそのまま使用してもよ
いが、表面処理剤で処理して表面を疎水性にしたものを
用いてもよい。無機質充填剤に疎水性を与える表面処理
剤としては、オルガノシラン、オルガノシラザン、オル
ガノシクロポリシロキサン、ジオルガノポリシロキサ
ン、オルガノハイドロジエンポリシロキサン等を挙げる
ことができる。
【0018】また、硬化物を半透明性にして歯茎との一
体感を与えるためには疎水化された沈降シリカ、ヒュー
ムドシリカ及び溶融シリカから選ばれる少なくとも1種
を使用することが好ましい。
【0019】〔その他の成分〕本発明の組成物には、上
記の(A)〜(E)成分の他に、必要に応じて、反応制御剤を
含有させることができる。反応制御剤としては付加反応
を制御するものであれば従来公知のものが使用でき、3
−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−
ヘキシル−3−オール、フェニルブチノール等のアセチ
レン系化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テト
ラビニルシクロテトラシロキサン、1,3−ジビニル−テ
トラメチルジシロキサン等のアルケニルシロキサン;ベ
ンゾトリアゾール等のトリアゾール化合物;その他、フ
ォスフィン化合物、メルカプト化合物等が挙げられ、こ
れらを微量又は少量含有させることができる。また必要
に応じて着色剤などの各種成分を配合することができ
る。
【0020】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例になんら限定されない。 実施例1 (A)成分:25℃における粘度が100Pa・sの両末端ビニル
基封鎖ジメチルポリシロキサン75重量部、25℃における
粘度が0.6Pa・sの両末端ビニル基封鎖ジメチルポリシロ
キサン25重量部、 (B)成分:25℃における粘度が0.018Pa・sの分子鎖両末端
にケイ素原子結合水素原子を有するジメチルポリシロキ
サン(ケイ素原子結合水素原子含有量=0.13重量%)3.7
重量部、 (C)成分:25℃における粘度が0.15Pa・sの分子鎖末端、
及び分子鎖側鎖にケイ素原子結合水素原子を有するメチ
ルハイドロジエンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素
原子含有量=0.38重量%)2.2重量部、 (D)成分:塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキ
サンの錯体を白金金属として(A)〜(C)成分の合計量に対
して20ppm、 (E)成分:ジメチルポリシロキサンで処理された比表面
積42m2/g、平均粒子径4μmの疎水性沈降シリカ20重量
部、制御剤として1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テ
トラビニルシクロテトラシロキサンを0.01重量部を混合
して組成物Aを得た。ただし、(A)成分中のケイ素原子
結合ビニル基に対する(B)成分及び(C)成分中のSiH基の
合計量のモル比は1.7であり、また、(B)成分及び(C)成
分中のSiH基の合計量に対する(B)成分中のSiH基の割合
は37モル%であった。
【0021】得られた組成物Aについて、硬化終了時
間、硬さ試験、研削・研磨性試験を次のようにして行
い、その結果を表1に示した。 (a)硬化終了時間 この組成物を30秒間練和したものをアクリル板上の金属
リング(内径;24mm、高さ;8mm)に満たした。その後、1
50gのビッカー針(針の直径3mm)を試料の表面から静かに
落下させ、針入が表面から1mm以下になった時を硬化終
了時間とした。 (b)硬さ試験 この組成物の練和物を金属リング(内径;24mm、高さ;8
mm)に満たし、上下をアクリル板で挟み、37℃水中に浸
漬した。30分後、金型を水中より取り出しジュロメータ
ーAで硬さを測定した。 (C)研削・研磨性試験 硬さ試験と同様なサンプルを作成後、シリコーンポイン
トにて研削、研磨した後の表面がなめらかであれば○、
表面がささくれ状態であれば×とした。 (d)変色試験 硬さ試験と同様なサンプルを作成後、80℃の乾燥機に2
日間放置し、変色の度合いを観察した。初期と同程度の
外観であれば○、著しく変色した場合は×とした。
【0022】実施例2 (A)成分:25℃における粘度が100Pa・sの両末端ビニル
基封鎖ジメチルポリシロキサン75重量部、25℃における
粘度が0.6Pa・sの両末端ビニル基封鎖ジメチルポリシロ
キサン25重量部、 (B)成分:25℃における粘度が0.018Pa・sの分子鎖両末端
にケイ素原子結合水素原子を有するジメチルポリシロキ
サン(ケイ素原子結合水素原子含有量=0.13重量%)3.7
重量部、 (C)成分:25℃における粘度が0.045Pa・sの(CH3)2HSiO
1/2単位58モル%、SiO2単位42モル%からなる、ケイ素
原子結合水素原子を含有するメチルハイドロジエンシロ
キサン樹脂0.8重量部、 (D)成分:塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキ
サンの錯体を白金金属として(A)〜(C)成分の合計量に対
して20ppm、 (E)成分:ジメチルポリシロキサンで処理された比表面
積42m2/g、平均粒子径4μmの疎水性沈降シリカ20重量
部、制御剤として1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テ
トラビニルシクロテトラシロキサンを0.01重量部を混合
して組成物Bを得た。ただし、(A)成分中のケイ素原子
結合ビニル基に対する(B)成分及び(C)成分中のSiH基の
合計量のモル比は1.6であり、また、(B)成分及び(C)成
分中のSiH基の合計量に対する(B)成分中のSiH基の割合
は40モル%であった。得られた組成物Bについて実施例
1と同様の試験を行った。その結果を表1に示した。
【0023】実施例3 (A)成分:25℃における粘度が100Pa・sの両末端ビニル
基封鎖ジメチルポリシロキサン75重量部、25℃における
粘度が0.6Pa・sの両末端ビニル基封鎖ジメチルポリシロ
キサン25重量部、 (B)成分:25℃における粘度が0.018Pa・sの分子鎖両末端
にケイ素原子結合水素原子を有するジメチルポリシロキ
サン(ケイ素原子結合水素原子含有量=0.13重量%)4.0
重量部、 (C)成分:25℃における粘度が0.15Pa・sの分子鎖末端、
及び分子鎖側鎖にケイ素原子結合水素原子を有するメチ
ルハイドロジエンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素
原子含有量=0.38重量%)2.1重量部、 (D)成分:塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキ
サンの錯体を白金金属として(A)〜(C)成分の合計量に対
して20ppm、 (E)成分:ヘキサメチルジシラザンで処理された比表面
積120m2/gの疎水性ヒュームドシリカ7重量部、平均粒子
径7μmの溶融石英30重量部、制御剤として1,3,5,7−テ
トラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロ
キサンを0.01重量部を混合して組成物Cを得た。ただ
し、(A)成分中のケイ素原子結合ビニル基に対する(B)成
分及び(C)成分中のSiH基の合計量のモル比は1.7であ
り、また、(B)成分及び(C)成分中のSiH基の合計量に対
する(B)成分中のSiH基の割合は39モル%であった。得ら
れた組成物Cについて実施例1と同様の試験を行った。
その結果を表1に示した。
【0024】比較例1 (B)成分を除いて、2.6重量部の(C)成分を使用した以外
は全て実施例1に従って配合し、組成物Dを得た。ただ
し、(A)成分中のケイ素原子結合ビニル基に対する(C)成
分中のSiH基のモル比は1.3であった。実施例1と同様の
試験を行い、その結果を表1に示した。
【0025】比較例2 (B)成分を除いて、2.6重量部の(C)成分を使用した以外
は全て実施例3に従って配合し、組成物Eを得た。ただ
し、(A)成分中のケイ素原子結合ビニル基に対する(C)成
分中のSiH基のモル比は3.0であった。実施例1と同様の
試験を行い、その結果を表1に示した。
【0026】比較例3 (B)成分を除いて、2.6重量部の(C)成分を使用し、かつ
白金金属として(A)〜(C)成分の合計量に対して80ppmに
相当する塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサ
ンの錯体を使用した以外は全て実施例1に従って配合
し、組成物Fを得た。ただし、(A)成分中のケイ素原子
結合ビニル基に対する(C)成分中のSiH基のモル比は1.3
であった。実施例1と同様の試験を行い、その結果を表
1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明の歯科用軟質裏装
材組成物は、硬化時間が短く、軟質で、研削・研磨性が
良好で、長期に亙って変色がない。したがって、本発明
の歯科用軟質裏装材組成物を、例えば義歯床の裏装材と
して用いた場合、クッション性、密着性が良好で、長期
に亙って変色せず、患者に適合した義歯を提供すること
ができる。
フロントページの続き (72)発明者 荒川 雅弥 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4C089 AA03 BA13 BE11 CA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一分子中にケイ素原子に結合したアル
    ケニル基を少なくとも1個有し、25℃における粘度が0.0
    5〜1000Pa・sであるポリオルガノシロキサン:100重量
    部、(B)ケイ素原子に結合した水素原子を分子鎖両末端
    のみに有し、25℃における粘度が0.001〜1.0Pa・sであ
    るジオルガノポリシロキサン、(C)1分子中にケイ素原
    子に結合した水素原子を少なくとも3個有し、25℃にお
    ける粘度が0.001〜1.0Pa・sであるオルガノハイドロジ
    ェンポリシロキサン、(D)ヒドロシリル化反応触媒:有
    効量、及び(E)無機質充填剤:5〜100重量部を含有して
    なり、前記(B)成分と(C)成分に存在するケイ素原子に結
    合した水素原子の合計量が(A)成分中のアルケニル基1個
    当たり1〜10個であり、(B)成分中のケイ素原子に結合し
    た水素原子の数が、(B)成分及び(C)成分中に存在するケ
    イ素原子に結合した水素原子の少なくとも20%であるこ
    とを特徴とする歯科用軟質裏装材組成物。
  2. 【請求項2】(E)無機質充填剤が、疎水性沈降シリカ、
    疎水性ヒュームドシリカ及び溶融シリカから選ばれる少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の歯
    科用軟質裏装材組成物。
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