JP2002056643A - 磁気ディスク装置とその製造方法 - Google Patents

磁気ディスク装置とその製造方法

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JP2002056643A
JP2002056643A JP2000236299A JP2000236299A JP2002056643A JP 2002056643 A JP2002056643 A JP 2002056643A JP 2000236299 A JP2000236299 A JP 2000236299A JP 2000236299 A JP2000236299 A JP 2000236299A JP 2002056643 A JP2002056643 A JP 2002056643A
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JP
Japan
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magnetic disk
film
outer case
nitrogen
filter
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JP2000236299A
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English (en)
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Michie Sakai
理江 酒井
Takumi Kono
巧 河野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害ガスや塵埃などの外装ケースの内部への
侵入を低減して、構成部材の化学反応の発生や磁気ディ
スクの回転不能、ヘッドクラッシュ等を抑制できる信頼
性の高い磁気ディスク装置を提供する。 【解決手段】 外装ケース4に組み込まれたフィルタ7
aが特定のガスを選択して透過させるガス選択フィルタ
であり、特に窒素を選択的に透過させる膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外装ケースの内部
の圧力と大気圧とを等しくするフィルタが組み込まれた
磁気ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気ディスク装置の外装ケー
スには、外装ケースの内部と外気との温度差等によって
生じる圧力差によって外装ケースが変形するのを避ける
ため、外装ケースの上面部に呼吸フィルタが取り付けら
れている。
【0003】この呼吸フィルタには、通常、不織布から
なるフィルタなどが組み込まれており、外装ケースの空
気と外気との流通をはかって圧力差を解消するよう構成
されている。また、このような呼吸フィルタとしての役
割だけでなく、外部からの塵埃の侵入を防止して内部の
無塵化を図る目的もあり、更にフィルタに活性炭などを
組み合わせて有害なガス分子を吸着させて外装ケース内
の清浄化をはかっているものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の呼吸フィルタでは、近年の自動車等の増加に伴う排
気ガスや産業排気等による大気汚染によって生じる硫黄
酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)といった有害
物質を除去できず、外装ケースの内部にSOxやNOx
が侵入して構成部材と化学反応を起こし、その表面に生
成物(例えば、硫化物、窒化物あるいは過酸化物など)
を生じるという問題がある。
【0005】また、記録媒体としての磁気ディスクに
は、近年、記録密度の向上のために磁性膜としてコバル
ト系合金を用いた薄膜磁気ディスクが使われ始めてお
り、このような薄膜磁気ディスクを使用する場合には、
上記のSOxやNOxによって下記のような問題が生じ
る。
【0006】薄膜磁気ディスクには、一般に、磁性膜の
損傷や腐食を防止するための保護膜が付与されている
が、特に、カーボンを主成分とする保護膜を有する磁気
ディスクを搭載した磁気ディスク装置では、繰り返しコ
ンタクト・スタート・ストップを行うと、磁気ヘッドと
磁気ディスクとの摩擦力が増大して、磁気ディスクが回
転不能となったり、ヘッドクラッシュという現象が生じ
る。このヘッドクラッシュは、カーボン保護膜の摩耗に
よる表面の平滑化のためであり、さらにこの摩耗メカニ
ズムは、単なる機械的な摩耗ではなく、大気中において
はカーボンの酸化による気化(酸化摩耗)が支配的だと
言われている。
【0007】本発明は前記問題点を解決し、有害ガスや
塵埃などの外装ケースの内部への侵入を低減して、構成
部材の化学反応の発生や磁気ディスクの回転不能、ヘッ
ドクラッシュ等を抑制できる信頼性の高い磁気ディスク
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク装
置は、外装ケースにガス選択透過性フィルタを組み込ん
だことを特徴とする。
【0009】この本発明によると、磁気ディスク装置の
動作に支障をきたすような有害ガスや塵埃、酸素などの
外装ケースへの侵入を低減して、より安定で信頼性の高
い磁気ディスク装置を実現できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の磁気ディ
スク装置は、外装ケースの内部の圧力と外部の大気圧と
を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置
であって、前記フィルタが特定のガスを選択して透過さ
せるガス選択フィルタであることを特徴とする。
【0011】この構成によると、有害ガスの外装ケース
内部への侵入を低減したり、外装ケースの内部の成分を
選択的に外部へ透過させることで、磁気ディスク装置へ
の悪影響を抑え、装置の安定化が図れる。
【0012】本発明の請求項2記載の磁気ディスク装置
の製造方法は、請求項1記載の磁気ディスク装置を組み
立てるに際し、減圧下で組み立てた後、大気圧に戻して
ガス選択フィルタに特定のガスを透過させて外装ケース
の内部の圧力を大気圧と等しくすることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項3記載の磁気ディスク装置
は、磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディスク
にアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドとを
内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と大
気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク
装置において、前記フィルタが前記外装ケース内に窒素
を選択的に透過させる膜であることを特徴とする。
【0014】この構成によると、外装ケースの内部に窒
素を選択的に透過させることで有害ガスの外装ケース内
部への侵入を低減でき、磁気ディスク装置への悪影響を
抑え、装置の安定化が図れる。
【0015】本発明の請求項4記載の磁気ディスク装置
は、請求項3において、前記フィルタが窒素富化膜であ
ることを特徴とする。本発明の請求項5記載の磁気ディ
スク装置は、請求項3記載の磁気ディスク装置を組み立
てるに際し、外装ケース内の雰囲気を大気圧よりも低い
気圧で組み立てた後、大気圧に戻してガス選択フィルタ
に特定のガスを透過させて外装ケースの内部圧力を大気
圧と等しくすることを特徴とする。
【0016】この構成によると、外装ケース内部の気圧
を大気圧よりも低い気圧で組み立てることで大気圧に戻
したときに外装ケース内部へ窒素が優先的に侵入し、有
害ガスの外装ケースの内部への侵入を抑制できる。
【0017】本発明の請求項6記載の磁気ディスク装置
は、磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディスク
にアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドとを
内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と大
気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク
装置において、前記フィルタが電磁場による制御によっ
て透過するガス種を選択できる膜であることを特徴とす
る。
【0018】本発明の請求項7記載の磁気ディスク装置
は、請求項6において、前記フィルタが高分子/液晶複
合膜であることを特徴とする。本発明の請求項8記載の
磁気ディスク装置は、請求項6において、前記フィルタ
が酸素分子を透過させない膜であることを特徴とする。
【0019】本発明の請求項9記載の磁気ディスク装置
は、磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディスク
にアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドとを
内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と大
気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク
装置において、前記フィルタが、窒素を選択的に外装ケ
ースの内部に透過させる膜と、窒素を選択的に外装ケー
ス外部に透過させる膜とからなることを特徴とする。
【0020】この構成によると、外装ケースの内部へ窒
素が優先的に透過するとともに外装ケースの外部へ優先
的に透過することで、外部からの酸素やその他の有害ガ
スの外装ケースの内部への侵入が低減でき、しかも外装
ケースの内部の気圧と大気圧を等しくでき、装置の安定
化が図れる。
【0021】本発明の請求項10記載の磁気ディスク装
置は、請求項9において、窒素を選択的に外装ケース内
に透過させる前記膜と窒素を選択的に外装ケース外に透
過させる前記膜がともに窒素富化膜であることを特徴と
する。
【0022】本発明の請求項11記載の磁気ディスク装
置は、請求項9において、窒素を選択的に外装ケース内
に透過させる前記膜と窒素を選択的に外装ケース外に透
過させる前記膜がともに高分子/液晶複合膜であること
を特徴とする。
【0023】本発明の請求項12記載の磁気ディスク装
置は、請求項9において、窒素を選択的に外装ケース内
に透過させる前記膜と、窒素を選択的に外装ケース外に
透過させる前記膜のうち、一方が窒素富化膜であり、他
方が高分子/液晶複合膜であることを特徴とする。
【0024】本発明の請求項13記載の磁気ディスク装
置は、磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気ディス
クにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘッドと
を内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の気圧と
大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディス
ク装置において、前記フィルタが、窒素を選択的に外装
ケース内に透過させる膜と、酸素を選択的に外装ケース
外に透過させる膜とからなることを特徴とする。
【0025】本発明の請求項14記載の磁気ディスク装
置は、請求項13において、窒素を選択的に外装ケース
内に透過させる前記膜が窒素富化膜であり、酸素を選択
的に外装ケース外に透過させる前記膜が酸素富化膜であ
ることを特徴とする。
【0026】本発明の請求項15記載の磁気ディスク装
置は、請求項13において、窒素を選択的に外装ケース
内に透過させる前記膜が高分子/液晶複合膜であり、酸
素を選択的に外装ケース外に透過させる前記膜が酸素富
化膜であることを特徴とする。
【0027】本発明の請求項16記載の磁気ディスク装
置は、請求項13において、窒素を選択的に外装ケース
内に透過させる前記膜が窒素富化膜であり、酸素を選択
的に外装ケース外に透過させる前記膜が高分子/液晶複
合膜であることを特徴とする。
【0028】本発明の請求項17記載の磁気ディスク装
置は、請求項13において、窒素を選択的に外装ケース
内に透過させる前記膜と酸素を選択的に外装ケース外に
透過させる前記膜がともに高分子/液晶複合膜であるこ
とを特徴とする。
【0029】以下、本発明の各実施の形態を図1〜図5
を用いて説明する。 (実施の形態1)図1〜図3は、本発明の(実施の形態
1)を示す。
【0030】この(実施の形態1)では、呼吸フィルタ
としてガス選択フィルタを用いた点で上記従来例とは異
なる。磁気ディスク装置は、図1に示すように、外装ケ
ース4の内部に磁気ディスク1を駆動するモータ2と磁
気ディスク1にアクセスして情報の記録・再生を行う磁
気ヘッド12とが内蔵されており、外装ケース4の上面
には外装ケース4の内部の気圧と大気圧を等しくするフ
ィルタ7aが組み込まれている。3は磁気ヘッド12を
支持するテンションアームユニットである。
【0031】外装ケース4は、モータユニット2,テン
ションアームユニット3およびその他主要な構成部品が
取り付けられた下部カバー5aと、下部カバー5aの上
面を覆う上部カバー5bとからなり、下部カバー5aと
上部カバー5bとの間にパッキン材8が介装され、上部
カバー5bが下部カバー5aにビス9にて締め付けるら
れて外装ケース4がシールドされる。
【0032】図2に示すように、上部カバー5bには、
外装ケース4の外部と内部の気体を流通させる孔6aが
穿設されており、その上面を覆うようにフィルタ7aが
接着剤等にて上部カバー5bに取り付けられている。
【0033】このようにシールドされた外装ケース4
は、外部からのごみ等の侵入を防ぎ、孔6aを覆うフィ
ルタ7aを介して外装ケース4の外部と内部とで気体の
流通を行なえる。
【0034】フィルタ7aは、この(実施の形態1)に
特有の構成であるガス選択フィルタであり、酸素や有害
ガスや塵埃などを外装ケース4の内部に取り込まないよ
う、特定のガスを選択して透過するよう構成されてい
る。
【0035】詳細には、図3に示すように、外装ケース
4の内部に透過させたいガス分子10と透過させたくな
いその他のガス分子11が混在した状態の気体がフィル
タ7aに達すると、非多孔質膜からなるフィルタ7aの
表面では、微量ながら気体が溶解して界面で平衡に達す
る。溶解した気体はフィルタ7aの内部に拡散してい
き、フィルタ7aの反対側に達して脱着される。この溶
解と拡散によって透過させたいガス分子10を膜の反対
側に選択的に透過させ、その他のガス分子11を選択的
に透過しないようにすることができ、いわゆるガスを分
離することが可能となる。
【0036】従って、有害ガスなどのように透過させた
くない分子11と、例えば窒素などのように透過させた
いガス分子10に応じたガス選択特性のフィルタ7aを
使用することで、外装ケース4の内部の劣化を低減でき
る。
【0037】また、上記のように構成された磁気ディス
ク装置において、その製造時に大気圧よりも低い減圧下
で組立てて、その後で大気圧に戻すと、フィルタ7aを
介して積極的に外装ケース4の内部に透過させたいガス
分子10が透過するため、より効率的にガス透過が行な
える。
【0038】例えば、透過させたいガス分子10が窒素
の場合には、フィルタ7aとして窒素富化膜を使用する
と、大気圧よりも低い気圧で組み立てた後で減圧状態か
ら大気圧に戻すと、窒素富化膜からより選択的に窒素が
外装ケース4の内部に透過するようになり、外装ケース
4内部の酸素濃度が低い磁気ディスク装置が得られる。
【0039】このように、特定のガスを選択して積極的
に外装ケース4の内部に取り込むようにすることで、外
装ケース4の内部への粉塵の侵入を低減できるだけでな
く、酸素やSOx,NOxの侵入を低減して構成部品の
酸化や破損を低減でき、ヘッドクラッシュなどの現象を
抑制でき、信頼性の高い磁気ディスク装置が実現でき
る。
【0040】なお、上記説明では、外装ケース4の内部
にフィルタ7aを介して特定のガスを取り込む場合を例
に挙げて説明したが、フィルタ7aとして外装ケース4
の内部からフィルタ7aを介して特定ガスを排出する特
性のものを使用することによっても従来に比べて外装ケ
ース4の内部の劣化を低減できる。例えばフィルタ7a
として酸素富化膜を使用すると、外装ケース4の内部の
酸素が外部に透過して外装ケース4の内部の部品の酸化
を抑制できる。
【0041】(実施の形態2)この(実施の形態2)で
は、ガス選択フィルタであるフィルタ7aとして高分子
/液晶複合膜を用いた点で異なるがそれ以外の基本的な
構成は上記(実施の形態1)と同様である。
【0042】フィルタ7aとして使用される高分子/液
晶複合膜には、通常、低分子液晶をその中に3次元連続
層として分散させたものが用いられ、液晶分子の配向を
電磁場による制御によって変化させることで、透過する
ガスを選択でき、いわゆるガスを分離することが可能と
なる。
【0043】このようなフィルタ7aを用いると、有害
物質が外装ケース4内部に入ってこないように制御で
き、外装ケース4の外部から特定のガスが選択的に透過
して外装ケース4の内部に入るように構成できる。
【0044】例えば、高分子/液晶複合膜が窒素を選択
的に透過するよう電磁場を制御すると、上記(実施の形
態1)と同様に、外装ケース4の内部に積極的に窒素を
取り込むことができ、また、磁気ディスク装置の組立て
時に減圧下で組み立てれば、外装ケース4内部の酸素濃
度が低い磁気ディスク装置が得られる。
【0045】(実施の形態3)図4と図5は、本発明の
(実施の形態3)を示す。この(実施の形態3)では、
ガス選択フィルタを複数設けた点で異なるが、それ以外
の基本的な構成は上記各実施の形態と同様である。
【0046】図4に示すように、磁気ディスク1が組み
込まれた外装ケース4には孔6b,6cが穿設され、図
5に示すように、その上面がフィルタ7b,7cで覆わ
れて外装ケース4の外部と内部とで気体が流通するよう
構成されている。
【0047】フィルタ7b,7cは、上記各実施の形態
と同様のガス選択フィルタである。このように複数のフ
ィルタ7b,7cを外装ケース4に設けると、外装ケー
ス4の内部と外部の圧力が等しくなるだけでなく、外装
ケース4の内部には選択的に窒素が透過するとともに外
装ケース4の外部に選択的に窒素が透過するため、外装
ケース4の内部における酸素濃度が低くなり、信頼性の
高い磁気ディスク装置が得られる。
【0048】例えば、フィルタ7b,7cがともに窒素
富化膜である場合には、図6(a),(b)に示すよう
に、外装ケース4の外部から窒素が選択的に外装ケース
4内部に透過し、また内部から選択的に外装ケース4外
部に窒素が透過するようになる。図6(a)は、フィル
タ7bで窒素を外装ケース4の内部に取り込み、フィル
タ7cで内部から窒素を外部に排出する(A)のパター
ンであり、図6(b)は、フィルタ7bで外装ケース4
の内部から窒素を外部に排出し、フィルタ7cで窒素を
外装ケース4の内部に取り込む(B)のパターンであ
る。
【0049】窒素富化膜は窒素を一方通行的に透過させ
る膜であり、膜の取り付けの上下を変えることで上記
(A)のパターン,(B)のパターンの両方が可能とな
る。従って、フィルタ7b,7cの膜の取り付けの上下
が逆になってさえいれば良く、(A)のパターンになる
か(B)のパターンになるかは限定されるものではな
い。
【0050】磁気ディスク装置の回転時には、外装ケー
ス4の内部はモータの駆動により熱が発生して内部圧が
外部よりも高くなるため、窒素富化膜が外装ケース4の
内部に窒素を「取り込む」向きだけに設けられていると
内部圧は高くなる一方となり、ディスク装置を変形させ
る恐れがあるが、上記のように一方の窒素富化膜が外装
ケース4の内部に窒素を「取り込む」向きであり、他方
の窒素富化膜が外部に窒素を「排出する」向きである
と、外装ケース4の内外の圧力差を無くしてディスク装
置の変形を防ぐことができる。また、外装ケース4の内
部の空気の流れが良くなるため、内部の熱を外部に積極
的に放出でき、しかも、空気の流通は良くなっても窒素
富化膜の効果により余分な酸素の出入りはなくなるた
め、外装ケース4の内部の酸素濃度を低くできる。
【0051】なお、このガス選択フィルタ7b,7c
は、両方とも窒素富化膜とするだけでなく、その他にも
両方とも高分子/液晶複合膜としてもよく、あるいは一
方が窒素富化膜で他方が高分子/液晶複合膜であっても
よい。このようにフィルタ7a,7bが特定のガス、特
に窒素を選択的に透過する性質の膜であれば特に限定さ
れるものではなく、また、上記説明では、2個のガス選
択フィルタ7b,7cを設けたが、その個数は特に限定
されるものではない。
【0052】(実施の形態4)この(実施の形態4)で
は、フィルタ7b,7cがそれぞれ異なる種類のガスを
選択するようにした点で上記(実施の形態3)とは異な
る。
【0053】例えば、フィルタ7bを窒素を選択的に容
器内に透過させる膜とし、フィルタ7cを酸素を容器外
に透過させるよう構成すると、フィルタ7bとしては窒
素富化膜が,フィルタ7cとしては酸素富化膜が好適に
使用できる。
【0054】これらのフィルタ7b,7cを設けた磁気
ディスク装置は、外装ケース4の外部から窒素が窒素富
化膜の表面に達すると、その原理に従って窒素が選択的
に外装ケース4の内部に透過し、外装ケース4の内部の
酸素は酸素富化膜によって外装ケース4の外部に透過す
るようになる。
【0055】このような構成とすることで、外装ケース
4の内部と外部の圧力が等しくなるだけでなく、外装ケ
ース4内部の酸素濃度が低く、信頼性の高い磁気ディス
ク装置が実現できる。
【0056】なお、酸素富化膜は、酸素を透過し拡散さ
せる性質を持っているのは表面層だけであり、反対側は
表面層を支持するシート(例えば不織布,多孔シートな
ど)で構成されている。そのため、酸素富化膜全体で見
ると、膜の表面から反対側に向かって一方通行的に酸素
を透過することはあっても逆向きの透過は起こらないの
で、内部の酸素が外部に透過する向きに膜が設けられて
いれば外部の酸素が内部に透過することはない。
【0057】また、上記説明では、フィルタ7bとして
窒素富化膜を,フィルタ7cとして酸素富化膜を例に挙
げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、その他にもフィルタ7bが高分子/液晶複合膜で、
フィルタ7cが酸素富化膜であるもの、フィルタ7bが
窒素富化膜で、フィルタ7cが高分子/液晶複合膜であ
るもの、さらにフィルタ7b,7cがともに高分子/液
晶複合膜であるものなどが挙げられる。また、上記説明
では、2個のガス選択フィルタ7b,7cを設けたが、
その個数は特に限定されるものではない。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明の磁気ディスク装
置によれば、外装ケースの内部の圧力と外部の大気圧と
を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置
であって、前記フィルタが特定のガスを選択して透過さ
せるガス選択フィルタであることで、有害ガスや塵埃な
どの外装ケースの内部への侵入を低減して、構成部材の
化学反応の発生や磁気ディスクの回転不能、ヘッドクラ
ッシュ等を抑制できる信頼性の高い磁気ディスク装置を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の(実施の形態1)における磁気ディス
ク装置の斜視図
【図2】図1のフィルタ7aの設置部の縦断面図
【図3】フィルタのガス分離の原理を示す図
【図4】本発明の(実施の形態3)における磁気ディス
ク装置の斜視図
【図5】図4のフィルタ7b,7cの設置部の縦断面図
【図6】図5の具体例を説明する模式図
【符号の説明】
1 磁気ディスク 2 モータユニット 3 テンションアームユニット 4 外装ケース 7a、7b、7c フィルタ 10 透過させたいガス分子 11 その他のガス分子

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外装ケースの内部の圧力と外部の大気圧と
    を等しくするフィルタが組み込まれた磁気ディスク装置
    であって、 前記フィルタが特定のガスを選択して透過させるガス選
    択フィルタである磁気ディスク装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気ディスク装置を組み立
    てるに際し、減圧下で組み立てた後、大気圧に戻してガ
    ス選択フィルタに特定のガスを透過させて外装ケースの
    内部の圧力を大気圧と等しくする磁気ディスク装置の製
    造方法。
  3. 【請求項3】磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気
    ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘ
    ッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の
    気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気
    ディスク装置において、 前記フィルタが前記外装ケース内に窒素を選択的に透過
    させる膜である磁気ディスク装置。
  4. 【請求項4】前記フィルタが窒素富化膜である請求項3
    記載の磁気ディスク装置。
  5. 【請求項5】請求項3記載の磁気ディスク装置を組み立
    てるに際し、外装ケース内の雰囲気を大気圧よりも低い
    気圧で組み立てた後、大気圧に戻してガス選択フィルタ
    に特定のガスを透過させて外装ケースの内部圧力を大気
    圧と等しくする磁気ディスク装置の製造方法。
  6. 【請求項6】磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気
    ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘ
    ッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の
    気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気
    ディスク装置において、 前記フィルタが電磁場による制御によって透過するガス
    種を選択できる膜である磁気ディスク装置。
  7. 【請求項7】前記フィルタが高分子/液晶複合膜である
    請求項6記載の磁気ディスク装置。
  8. 【請求項8】前記フィルタが酸素分子を透過させない膜
    である請求項6記載の磁気ディスク装置。
  9. 【請求項9】磁気ディスクを駆動するモータと前記磁気
    ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気ヘ
    ッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部の
    気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁気
    ディスク装置において、 前記フィルタが、窒素を選択的に外装ケースの内部に透
    過させる膜と、窒素を選択的に外装ケース外部に透過さ
    せる膜とからなる磁気ディスク装置。
  10. 【請求項10】窒素を選択的に外装ケース内に透過させ
    る前記膜と窒素を選択的に外装ケース外に透過させる前
    記膜がともに窒素富化膜である請求項9記載の磁気ディ
    スク装置。
  11. 【請求項11】窒素を選択的に外装ケース内に透過させ
    る前記膜と窒素を選択的に外装ケース外に透過させる前
    記膜がともに高分子/液晶複合膜である請求項9記載の
    磁気ディスク装置。
  12. 【請求項12】窒素を選択的に外装ケース内に透過させ
    る前記膜と、窒素を選択的に外装ケース外に透過させる
    前記膜のうち、一方が窒素富化膜であり、他方が高分子
    /液晶複合膜である請求項9記載の磁気ディスク装置。
  13. 【請求項13】磁気ディスクを駆動するモータと前記磁
    気ディスクにアクセスして情報の記録・再生を行う磁気
    ヘッドとを内蔵する外装ケースに前記外装ケースの内部
    の気圧と大気圧を等しくするフィルタが組み込まれた磁
    気ディスク装置において、 前記フィルタが、窒素を選択的に外装ケース内に透過さ
    せる膜と、酸素を選択的に外装ケース外に透過させる膜
    とからなる磁気ディスク装置。
  14. 【請求項14】窒素を選択的に外装ケース内に透過させ
    る前記膜が窒素富化膜であり、酸素を選択的に外装ケー
    ス外に透過させる前記膜が酸素富化膜である請求項13
    記載の磁気ディスク装置。
  15. 【請求項15】窒素を選択的に外装ケース内に透過させ
    る前記膜が高分子/液晶複合膜であり、酸素を選択的に
    外装ケース外に透過させる前記膜が酸素富化膜である請
    求項13記載の磁気ディスク装置。
  16. 【請求項16】窒素を選択的に外装ケース内に透過させ
    る前記膜が窒素富化膜であり、酸素を選択的に外装ケー
    ス外に透過させる前記膜が高分子/液晶複合膜である請
    求項13記載の磁気ディスク装置。
  17. 【請求項17】窒素を選択的に外装ケース内に透過させ
    る前記膜と酸素を選択的に外装ケース外に透過させる前
    記膜がともに高分子/液晶複合膜である請求項13記載
    の磁気ディスク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019161097A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 シンフォニアテクノロジー株式会社 Efemシステム及びefemシステムにおけるガス供給方法
WO2023048285A1 (ja) * 2021-09-24 2023-03-30 株式会社デンソー ライダ装置

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