JP2002054933A - 光ファイバジャイロ - Google Patents

光ファイバジャイロ

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JP2002054933A
JP2002054933A JP2000245808A JP2000245808A JP2002054933A JP 2002054933 A JP2002054933 A JP 2002054933A JP 2000245808 A JP2000245808 A JP 2000245808A JP 2000245808 A JP2000245808 A JP 2000245808A JP 2002054933 A JP2002054933 A JP 2002054933A
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light
optical
fiber loop
axis
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JP2000245808A
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Kuniyoshi Watanabe
邦芳 渡邉
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Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏波面保持光ファイバループを有する光ファ
イバジャイロにおいて、簡単な構成によって正確に外部
磁界に対するバイアス磁気感度を除去することを目的と
する。 【解決手段】 光源と、コイル状に巻かれた偏波面保持
光ファイバよりなる光ファイバループと、光源からの光
を光ファイバループを右回りに伝播する右回り光と左回
りに伝播する左回り光に分配し光ファイバループを伝播
した右回り光と左回り光を結合して干渉光を生成する光
分波結合器と、を有し、光源と光ファイバループの間の
光路を伝播する光を直線偏光に変換する偏光子機能を備
えた光ファイバジャイロにおいて、光分波結合器の2本
の光路と光ファイバループの両端の各々は、一方の主軸
が他方の主軸に対して45度傾斜するように、接続され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光のサグナック効果
によって角速度を検出する光ファイバジャイロに関し、
特に、地磁気等の周囲の磁界に起因するバイアス磁気感
度を除去する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバジャイロは光のサグナック効
果(サニャック効果)を利用して角速度を計測するよう
に構成されており、高い信頼性を有し、装置を小型化で
きる利点を有する。光ファイバジャイロには共振型、干
渉光型等がある。干渉光型の光ファイバジャイロは、光
ファイバを多数回巻いた光ファイバループよりなる1 本
の長い光路を互いに反対方向に光を伝播させ、この2つ
の光の位相差より角速度を求めるように構成されてい
る。
【0003】図5を参照して従来の干渉光型の光ファイ
バジャイロのうち位相変調方式の光ファイバジャイロの
例を説明する。本例の光ファイバジャイロは半導体レー
ザ、発光ダイオード等の光源101と入射光を電流に変
換する受光器102と1 本の光ファイバを複数回巻いて
形成された光ファイバループ103と偏光子104と光
ファイバを伝播する光を合成し又は分岐するカプラ10
5とY分岐導波路106Aを有する光集積回路106と
を有する。
【0004】光源101より出力された光はカプラ10
5及び偏光子104を経由して光集積回路106に導か
れる。光集積回路106のY分岐106Aによって光は
2つに分岐され、光ファイバループ103を互いに反対
方向に伝播する。
【0005】光ファイバループ103を互いに反対方向
に伝播した光は光集積回路106のY分岐106Aによ
って合成され、干渉光が生成される。干渉光は再び偏光
子104及びカプラ105を経由して受光器102に導
かれ、受光器102によって検出される。
【0006】光ファイバループ103に角速度Ωが加わ
ると、サグナック効果によって、光ファイバループ10
3を互いに反対方向に伝播する2つの光の間に位相差Δ
φが生ずる。この位相差Δφは角速度Ωに比例し、次の
式によって表される。
【0007】
【数1】Δφ=(4πLR/λC)Ω
【0008】ここにΩは光ファイバループ103の中心
軸線周りの角速度、Rは光ファイバループ103のルー
プ半径、Lは光ファイバループ103の長さ、λは光源
101から出力される光の波長、Cは光速を表す。
【0009】光ファイバジャイロは更に、電流電圧変換
器107、光集積回路106のY分岐の一方の分岐に沿
って設けられた位相変調器108、信号発生器109及
び同期検波器110を有する。受光器102より出力さ
れた電流は電流電圧変換器107に電圧に変換され、電
圧信号として出力される。
【0010】位相変調器108によって光ファイバルー
プ103を互いに反対方向に伝播する光は位相変調され
る。光ファイバループ103を右回りに伝播する光は、
光ファイバループ103を右回りに伝播した後に位相変
調され、光ファイバループ103を左回りに伝播する光
は、位相変調された後に光ファイバループ103を左周
りに伝播する。位相変調器108は信号発生器109か
らの基準信号によって作動される。基準信号の角周波数
をωp とすれば、電流電圧変換器107の出力電圧Vは
次のようになる。
【0011】
【数2】V=K[1+cosΔφ・{J0 (z)−2J
2 (z)cos2ωpt+・・・}−sinΔφ・{2J
1 (z)cosωpt−・・・}]
【0012】ここに、zは位相変調度、J0 、J1 、J
2 はベッセル関数、Kは光強度に比例する定数、tは時
間である。
【0013】同期検波器110には信号発生器109か
ら角周波数をωp の基準信号が供給され、それによって
出力電圧Vに含まれる角周波数nωptの成分のうち、1
倍波成分ωptが同期検波される。従って同期検波器11
0では、2KJ1 (z)sinΔφが得られる。これよ
り位相差Δφを求め、数1の式より角速度Ωが求められ
る。
【0014】光ファイバジャイロの誤差として地磁気等
の周囲の磁界に起因した誤差がある。これはバイアス磁
気感度又はドリフト磁気感度とも言われ、光ファイバル
ープを伝播する光に作用する磁気光学ファラデー効果に
起因する。
【0015】図6を参照して磁気光学ファラデー効果を
説明する。図示のように、磁気光学ファラデー効果は、
磁界によって直線偏光の偏波面が回転する現象をいう。
偏波面の回転角ζ及び単位光路長当りの回転角即ちファ
ラデー回転角ζ0 は、次の式によって表される。
【0016】
【数3】ζ=VHL ζ0 =ζ/L=VH
【0017】Vはベルデ定数、Hは光軸方向の磁界の強
さ、Lは光路長である。図6の出射側の円内の実線の矢
印は入射光の偏波面の方向を示し、破線の矢印は出射光
の偏波面の方向を示す。偏波面の回転方向は図示のよう
に、磁界Hの方向とは無関係に、右ねじが光の伝播方向
に進むときの右ねじの回転方向に一致する。
【0018】図7を参照して光ファイバループに作用す
る磁界の影響について説明する。図示のように光ファイ
バループの中心軸線をZ軸、それに垂直にX軸及びY軸
をとる。磁気光学ファラデー効果は上述のように、光軸
方向の磁界の強さに比例する。従って光ファイバループ
を伝播する光に生ずる磁気光学ファラデー効果は、光フ
ァイバループの中心軸線方向の磁界よりも光ファイバル
ープの接線方向の磁界に起因する。即ち、光ファイバル
ープを伝播する光に作用する磁気光学ファラデー効果
は、Z軸方向の磁界よりもX軸及びY軸方向の磁界HX
、HY に起因する。
【0019】光ファイバループがX軸及びY軸方向の磁
界の中に置かれると、磁気光学ファラデー効果によっ
て、光ファイバループを伝播する直線偏光の偏波面が回
転する。それによって光ファイバループを互いに反対方
向に伝播する光の間の相反性が崩れ、前記光の間に位相
差が生じる。この位相差がバイアス磁気感度である。
【0020】磁気光学ファラデー効果によって位相差が
生ずるのは、光ファイバループに捩れが存在するためで
あることが知られている。捩れが一様であれば、光ファ
イバループを右周りに伝播する光に生ずる位相差と光フ
ァイバループを左周りに伝播する光に生ずる位相差は大
きさが同じで極性が反対となり、互いに相殺される。し
かしながら、捩れが2πRの周期で変化している成分が
ある場合には、その部分にて生じた位相差はその部分と
直径方向反対側の部分によって生じる位相差の極性と同
一となり、バイアス磁気感度が生ずる。
【0021】図8を参照して偏波面保持(複屈折)光フ
ァイバループに捩れが存在する場合の位相差について説
明する。外部磁界に起因して、光ファイバループを互い
に反対方向に伝播する光の間に生ずる位相差Δψtは次
の式によって表される。
【0022】
【数4】Δψt=(4ζ0 R/Δβ)・∫ψt(θ)s
in(θ−θ0 )dθ
【0023】ζ0 は数3の式に示すようにファラデー回
転角(=VH)、Rは光ファイバループのループ半径、
Δβは偏波面保持(複屈折)光ファイバの複屈折率、θ
0 は外部磁界の方位角、θは光ファイバループ上の点P
の方位角である。ψt(θ)は光ファイバループ上の点
Pにおける周期が2πRモードの捩れ率である。数4の
式の右辺の積分は変数θ=0〜2πm(mは光ファイバ
ループの巻き数)について行う。
【0024】図9を参照して説明する。図9に従来の光
ファイバジャイロのバイアス磁気感度の測定結果を示
す。測定は、光ファイバジャイロの入力軸が鉛直方向に
なるように設定されて、行われた。横軸は時間である
が、最初の2時間は外部磁界として地磁気(約0.5ガ
ウス)、次の2時間は外部磁界として3ガウスの磁界、
次の2時間は外部磁界として6ガウスの磁界、最後の2
時間は外部磁界として再度地磁気を印加したことを示
す。
【0025】最初と最後の2時間の測定結果より、地磁
気の影響を無視した場合、北緯37度付近の地球の自転
角速度は約−9(°/時間)である。バイアス磁気感度
は地球の自転角速度に対する偏差である。3ガウス及び
6ガウスのX方向の磁界HXを印加すると、バイアス磁
気感度は約+0.8及び+1.5(°/時間)となる。
3ガウス及び6ガウスのY方向の磁界HY を印加する
と、バイアス磁気感度は約−0.5及び−0.8(°/
時間)となる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】光ファイバジャイロに
おけるバイアス磁気感度の除去方法及び装置の従来例と
して例えば特願平6−13913及び特願平7−214
439に記載されたものがある。特願平6−13913
に記載された例では、光ファイバループに光ファイバよ
りなる補償器を接続し、光ファイバループの捩れに起因
する位相差を相殺するように、この補償器の光ファイバ
を捩じる。また特願平7−214439に記載された例
では、光ファイバループの捩れに起因する位相差を相殺
するように、光ファイバループの端部を捩じる。
【0027】しかしながら、従来の装置及び方法では、
3次元の外部磁界に起因する位相差を完全に相殺するの
は困難であった。また、補償器の光ファイバや光ファイ
バループの光ファイバ端を捩じることによって位相差を
相殺するため、その調節が困難である。
【0028】更に、従来の装置及び方法では、光ファイ
バジャイロの製造時にバイアス磁気感度がゼロであって
も、光ファイバループの捩れが経時的に変化した場合
に、位相差が生ずる。
【0029】従って本発明の目的は、簡単に構成によっ
て正確に外部磁界に対するバイアス磁気感度を除去する
ことを目的とする。
【0030】本発明の目的は、光ファイバループの捩れ
が経時的に変化しても、バイアス磁気感度を除去するこ
とができることである。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明によると、光源
と、コイル状に巻かれた偏波面保持光ファイバよりなる
光ファイバループと、上記光源からの光を上記光ファイ
バループを右回りに伝播する右回り光と左回りに伝播す
る左回り光に分配し上記光ファイバループを伝播した右
回り光と左回り光を結合して干渉光を生成する光分波結
合器と、を有し、上記光源と上記光ファイバループの間
の光路を伝播する光を直線偏光に変換する偏光子機能を
備えた光ファイバジャイロにおいて、上記光分波結合器
の2本の光路と上記光ファイバループの両端の各々は、
一方の主軸が他方の主軸に対して45度傾斜するよう
に、接続されている。
【0032】光ファイバループを右周りに伝播する光及
び左周りに伝播する光はそれぞれ主軸を伝播する光と副
軸を伝播する光の2つに分かれる。主軸を伝播する光と
副軸を伝播する光は非干渉性であり、干渉光を生成しな
い。主軸を伝播する右回り光及び左周り光によって構成
されるセンシングループを第1のローカルジャイロと称
し、副軸を伝播する右回り光及び左周り光によって構成
されるセンシングループを第2のローカルジャイロと称
する。
【0033】光ファイバジャイロの出力は、第1のロー
カルジャイロの出力と第2のローカルジャイロの出力の
和である。本例では、光分波結合器の2本の光路と光フ
ァイバループの接続部にて主軸が互いに45度傾斜して
接続されているから、第1のローカルジャイロの出力と
第2のローカルジャイロの出力は互いに等しい。第1の
ローカルジャイロのバイアス磁気感度と第2のローカル
ジャイロのバイアス磁気感度は大きさが等しく極性が反
対であるから、互いにキャンセルする。従って光ファイ
バジャイロの出力にバイアス磁気感度が生ずることはな
い。
【0034】更に本発明によると、上記光分波結合器は
光導波路によって構成された光集積回路のY分岐であ
る。上記偏光子機能は上記光集積回路の偏光子機能であ
る。
【0035】
【発明の実施の態様】図1を参照して本発明の光ファイ
バジャイロの例を説明する。本例の光ファイバジャイロ
はスーパールミネッセントダイオード(SLD)、半導
体レーザ、発光ダイオード等の光源101と入射光を電
流に変換する受光器102と1 本の光ファイバを複数回
巻いて形成された光ファイバループ103と偏光子10
4と光ファイバを伝播する光を合成し又は分岐するカプ
ラ105とY分岐導波路106Aを有する光集積回路1
06とを有する。光ファイバループ103は偏波面保持
(複屈折)光ファイバよりなる。
【0036】本例の光ファイバジャイロは図5に示した
従来の光ファイバジャイロと比較して、光集積回路10
6からの2本の光ファイバ端106A、106Bと光フ
ァイバループ103からの2本の光ファイバ端103
A、103Bとの接続部A、Bの構成が異なり、それ以
外の構成は同様であってよい。
【0037】図2を参照して接続部A、Bを説明する。
図2には光集積回路106の2本の光ファイバ端106
A、106Bの一方106Aと光ファイバループ103
の2本の光ファイバ端103A、103Bの一方103
Aの接続部Aを示す。他方の接続部Bの構造は同様であ
り、その説明は省略する。図示のように、光集積回路1
06の光ファイバ端106Aの主軸と光ファイバループ
103の光ファイバ端103Aの主軸は互いに他に対し
て所定の角度αだけ傾斜している。この傾斜角αは約4
5度であってよい。
【0038】光ファイバループを構成する偏波面保持
(複屈折)光ファイバは光軸方向の軸線に関して非軸対
称な構造を有し、その断面は互いに直交する2つの主軸
を有する。この2つの主軸では屈折率分布が異なり、従
って、光の伝播定数が異なる。ここでは、光の伝播定数
が大きい軸をFAST軸又は主軸と称し伝播定数が小さ
い軸をSLOW軸又は副軸と称することとする。偏波面
保持(複屈折)光ファイバでは、主軸と副軸とでは、光
の伝播定数の差が大きく、両者を伝播する2つの光モー
ドの間にモード結合が生じない。即ち、入射端において
光ファイバの固有の偏波方向に一致する直線偏光を入射
させると出射端までその偏波状態が保持される。
【0039】再び図1を参照する。接続部A、Bを経由
した2つの光はそれぞれ主軸を伝播する光と副軸を伝播
する光の2つに分かれる。主軸を伝播する光と副軸を伝
播する光は非干渉性であり、干渉光を生成しない。主軸
を伝播する右回り光及び左周り光によって構成されるセ
ンシングループを第1のローカルジャイロと称し、副軸
を伝播する右回り光及び左周り光によって構成されるセ
ンシングループを第2のローカルジャイロと称する。
【0040】光ファイバジャイロの出力は、第1のロー
カルジャイロの出力と第2のローカルジャイロの出力の
和である。本例では、接続部A、Bにて主軸及び副軸が
互いに45度傾斜して接続されているから、第1のロー
カルジャイロの出力と第2のローカルジャイロの出力は
互いに等しい。第1のローカルジャイロと第2のローカ
ルジャイロでは、バイアス磁気感度、即ち、外部磁界に
起因する位相差の大きさが等しく極性が反対である。従
って両者は互いにキャンセルする。従って光ファイバジ
ャイロの出力にバイアス磁気感度が生ずることはない。
【0041】図3を参照して2つのローカルジャイロ間
のバイアス磁気感度について詳細に説明する。図3A及
び図3Bは同一の偏波面保持(複屈折)光ファイバを同
一方向に伝播する2つの直線偏光の偏波面を示す。図3
Aは、第1のローカルジャイロの偏波面(矢印が付され
た軸)が偏波面保持(複屈折)光ファイバの主軸(F
軸)に一致した状態を示し、図3Bは、第2のローカル
ジャイロの偏波面(矢印が付された軸)が偏波面保持
(複屈折)光ファイバの副軸(S軸)に一致した状態を
示す。主軸(F軸)と副軸(S軸)は90度異なるた
め、2つの直線偏光の偏光面は互いに90度異なる。
【0042】捩じり誘起の主軸(t−F軸)及び副軸
(t−S軸)は偏波面保持(複屈折)光ファイバの主軸
(F軸)及び副軸(S軸)に対して、それぞれ所定の捩
じり角βA及びβBだけ光軸周りに回転している。しか
しながら、2つの捩じり角は互いに等しいため、捩じり
誘起の主軸(t−F軸)と副軸(t−S軸)は互いに9
0度異なる。
【0043】主軸と副軸における実効複屈折軸の変動の
態様は同一であるが、実効複屈折率の増減の極性のみが
反転している。光ファイバループの主軸を伝播する右回
り光と左周り光の間の生ずる位相差誤差は数4の式のΔ
ψtによって表されるとすると、光ファイバループの副
軸を伝播する右回り光と左周り光の間の生ずる位相差誤
差は、数4の式のΔβの符号が反対となるため、−Δψ
tとなる。即ち2つのローカルジャイロの位相差誤差
は、互いに符号が反対で絶対値が等しい。従って、干渉
光では位相差誤差は相殺される。
【0044】本例では偏波面保持(複屈折)光ファイバ
からなる光ファイバループに2πR周期の捩れが存在し
ても、外部磁界に起因する位相差は現れない。
【0045】上述の議論では、主軸の光伝播損失と副軸
の光伝播損失が同一であることを前提としている。しか
しながら、実際の光ファイバループでは、主軸の光伝播
損失と副軸の光伝播損失は同一ではない。しかしなが
ら、主軸と副軸の光伝播損失の差は測定可能である。主
軸の光伝播損失と副軸の光伝播損失を予め測定し、両者
の比の値より、接続部A、Bにおける主軸の傾斜角αを
決めることができる。
【0046】
【数5】√(FL/SL)=tanα
【0047】ここに、FL及びSLはそれぞれ主軸及び
副軸の光伝播損失である。αは接続部A、Bにおける主
軸の傾斜角である。
【0048】図4に本発明の光ファイバジャイロのバイ
アス磁気感度の変化の例を示す。測定方法は図9の場合
と同様である。即ち、測定は、光ファイバジャイロの入
力軸が鉛直方向になるように設定されて、行われた。横
軸は時間であるが、最初の2時間は外部磁界として地磁
気、次の2時間は外部磁界として3ガウスの磁界、次の
2時間は外部磁界として6ガウスの磁界、最後の2時間
は外部磁界として再度地磁気を印加したことを示す。
【0049】図4Aに示す本発明の光ファイバジャイロ
のバイアス磁気感度の測定結果を説明する。最初及び最
後の2時間の測定結果より、地磁気の影響を無視した場
合、北緯37度付近の地球の自転角速度は約−8.91
(°/時間)である。バイアス磁気感度は地球の自転角
速度に対する偏差である。3ガウス及び6ガウスのX方
向の磁界HX を印加すると、バイアス磁気感度はそれぞ
れ約−0.1及び−0.17(°/時間)となる。
【0050】図4Bに示す本発明の光ファイバジャイロ
のバイアス磁気感度の測定結果を説明する。最初及び最
後の2時間の測定結果より、地磁気の影響を無視した場
合、北緯37度付近の地球の自転角速度は約−8.90
5(°/時間)である。3ガウス及び6ガウスのY方向
の磁界HY を印加すると、バイアス磁気感度はそれぞれ
約+0.002及び+0.005(°/時間)となる。
【0051】本発明の光ファイバジャイロのバイアス磁
気感度の測定結果を図9に示した従来の光ファイバジャ
イロのバイアス磁気感度の測定結果と比較して説明す
る。図9Aと図4Aを比較すると明らかなように、3ガ
ウス及び6ガウスのX方向の磁界HX を光ファイバルー
プに印加した場合、本発明では、従来例に比べて、バイ
アス磁気感度が1/7〜1/8に減少している。図9B
と図4Bを比較すると明らかなように、3ガウス及び6
ガウスのY方向の磁界HY を光ファイバループに印加し
た場合、本発明では、従来例に比べて、バイアス磁気感
度が1/160〜1/250に減少している。即ち、本
例の光ファイバジャイロでは従来の光ファイバジャイロ
に比べてバイアス磁気感度が著しく減少する。
【0052】以上本発明の例について説明したが、本発
明は上述の例に限定されることなく、特許請求の範囲に
記載された発明の範囲にて様々な変形、修正等が可能で
あることは当業者にとって理解されよう。
【0053】
【発明の効果】本発明によると、簡単な構成によって光
ファイバジャイロにおけるバイアス磁気感度を除去する
ことができる利点がある。
【0054】本発明によると、偏波面保持(複屈折)光
ファイバに誘起される捩れ複屈折率の対称性を利用する
ため、原理的には磁気バイアス感度を完全に除去するこ
とができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバジャイロの例を説明するた
めの説明図である。
【図2】本発明の光ファイバジャイロの主要部を説明す
るための説明図である。
【図3】本発明の光ファイバジャイロにおけるバイアス
磁気感度を説明するための説明図である。
【図4】本発明の光ファイバジャイロのバイアス磁気感
度の測定結果を説明するための説明図である。
【図5】従来の光ファイバジャイロの例を説明するため
の説明図である。
【図6】磁気光学ファラデー効果を説明するための説明
図である。
【図7】光ファイバループに作用する周囲の磁界の影響
を説明するための説明図である。
【図8】従来の光ファイバジャイロのバイアス磁気感度
を説明するための説明図である。
【図9】従来の光ファイバジャイロのバイアス磁気感度
の測定結果を説明するための説明図である。
【符号の説明】
101・・・ 光源、 102・・・ 受光器、 103・・・ 光
ファイバループ、 104・・・ 偏光子、 105・・・ カ
プラ、 106・・・ 光集積回路、 107・・・電流電圧
変換器、 109・・・ 信号発生器、 110・・・ 同期検
波器、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、コイル状に巻かれた偏波面保持光
    ファイバよりなる光ファイバループと、上記光源からの
    光を上記光ファイバループを右回りに伝播する右回り光
    と左回りに伝播する左回り光に分配し上記光ファイバル
    ープを伝播した右回り光と左回り光を結合して干渉光を
    生成する光分波結合器と、を有し、上記光源と上記光フ
    ァイバループの間の光路を伝播する光を直線偏光に変換
    する偏光子機能を備えた光ファイバジャイロにおいて、
    上記光分波結合器の2本の光路と上記光ファイバループ
    の両端の各々は、一方の主軸が他方の主軸に対して45
    度傾斜するように、接続されていることを特徴とする光
    ファイバジャイロ。
  2. 【請求項2】上記光分波結合器は光導波路によって構成
    された光集積回路のY分岐であることを特徴とする請求
    項1記載の光ファイバジャイロ。
  3. 【請求項3】上記偏光子機能は上記光集積回路の偏光子
    機能であることを特徴とする請求項2記載の光ファイバ
    ジャイロ。
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