JP2002052594A - 樹脂製線状体の製造方法と樹脂製線状体 - Google Patents

樹脂製線状体の製造方法と樹脂製線状体

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JP2002052594A
JP2002052594A JP2000241611A JP2000241611A JP2002052594A JP 2002052594 A JP2002052594 A JP 2002052594A JP 2000241611 A JP2000241611 A JP 2000241611A JP 2000241611 A JP2000241611 A JP 2000241611A JP 2002052594 A JP2002052594 A JP 2002052594A
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cooling
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Kiyoo Ishii
清雄 石井
Kimio Takano
君男 高野
Terumitsu Kotani
輝充 小谷
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Toyo Heisei KK
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Heisei Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部にボイドを多数含まず、外観に優れ、か
つ、剛性、弾性回復等の物性にも優れた樹脂線状体を、
生産性良く提供する。 【解決手段】 溶融樹脂を線状に成形する成形工程と、
成形された線状体を冷却する冷却工程とを有する樹脂製
線状体10の製造方法において、溶融樹脂中に、この樹
脂の融点で安定な材料からなる芯線21を存在させて成
形工程と冷却工程を行う。得られた樹脂製線状体10
は、芯線21を有する樹脂製線状体10であり、芯線2
1は樹脂製線状体10を形成している樹脂の融点で安定
な材料からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に多数のボイ
ドを含まず、外観に優れ、かつ、剛性、弾性回復等の物
性にも優れた樹脂製線状体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン、ポリエステル等の成形
体は、自動車の外装部品や内装部品、家庭電気製品の部
品等の工業用部品の他、各種容器、フィルム、雑貨類等
の種々の分野で使用されている。これらの成形体は、押
出成形法、射出成形法等の方法で製造できるが、これら
のうち、直径2〜20mm程度の線状体は、通常、原料
の樹脂を溶融して線状に押出成形した後、これを冷却水
槽等に導入して冷却する方法によって製造されている。
このような線状体はこのままで、または、この線状体を
環状、らせん状、U字状、S字状等の様々な形状に曲げ
てヒートセットして形状を安定化した後、雑貨類、装飾
品、衣服の装飾部品等に使用されることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな製造方法において、押出成形で成形された線状体を
冷却水槽等で急速冷却すると、まず線状体の外側が直ち
に冷却され、固化、結晶化し、その後徐々に線状体の内
側がゆっくりと固化、結晶化する。その結果、線状体の
内部には多数のボイドが生じてしまうという問題があっ
た。このように多くのボイドを含む線状体は、外観が劣
るうえ、この線状体を環状、らせん状、U字状、S字状
等の様々な形状にヒートセットすると、ボイドがつぶれ
て、線状体の表面が凹凸になってしまうという問題があ
った。
【0004】内部にボイドを含まない線状体を製造する
方法としては、急速冷却せずに徐々に温度を下げてゆっ
くりと冷却し、線状体の径方向に大きな温度分布が生じ
ないように冷却する方法がある。しかし、このようにゆ
っくりと冷却し、線状体の温度を十分に下げるためには
非常に長時間を要し、工業的に好ましくなかった。ま
た、十分に温度が下がりきらないうちにピンチロール等
で線状体を把持してしまい、断面形状が扁平の線状体に
なってしまう場合もあった。さらに、このように徐々に
冷却して得られた線状体を、環状、らせん状、U字状、
S字状等の様々な形状にヒートセットして得られたもの
は、剛性、弾性回復等の物性が低く、その用途が制限さ
れるという問題もあった。
【0005】また、樹脂として例えばポリプロピレンを
使用する場合には、これにプロピレンとエチレンのブロ
ックポリマーを配合することによっても内部のボイドを
低減することができる。しかし、ブロックポリマーを配
合するとボイドの発生は抑制されるものの、得られる線
状体の品質が低下する場合があった。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、内部に多数のボイドを含まず、外観に優れ、かつ、
剛性、弾性回復等の物性にも優れた樹脂線状体を、生産
性良く提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂製線状体の
製造方法は、溶融樹脂を線状に成形する成形工程と、成
形された線状体を冷却する冷却工程とを有する樹脂製線
状体の製造方法において、溶融樹脂中に、この樹脂の融
点で安定な材料からなる芯線を存在させて成形工程と冷
却工程を行うことを特徴とする。本発明の樹脂製線状体
の製造方法は、溶融樹脂を線状に成形する成形工程と、
成形された線状体を冷却する冷却工程と、線状体をヒー
トセットしてらせん状とするヒートセット工程とを有す
る樹脂製線状体の製造方法において、溶融樹脂中に、こ
の樹脂の融点で安定な材料からなる芯線を存在させて成
形工程と冷却工程を行うことを特徴とする。上記成形工
程を押出成形法で行うことが好ましい。上記樹脂は、結
晶性樹脂であることが好ましい。上記樹脂は、ポリプロ
ピレンまたはポリエステルであることが好ましい。ま
た、上記樹脂がポリプロピレンであって、上記芯線がポ
リエステル糸またはナイロン糸であることが好ましい。
また、冷却工程後には、線状体から芯線を引き抜く引抜
工程をさらに行ってもよい。本発明の樹脂製線状体は、
芯線を有する樹脂製線状体であり、芯線は樹脂製線状体
を形成している樹脂の融点で安定な材料からなることを
特徴とする。上記樹脂は、結晶性樹脂であることが好ま
しい。上記樹脂は、ポリプロピレンまたはポリエステル
であることが好ましい。また、上記樹脂がポリプロピレ
ンであって、上記芯線がポリエステル糸またはナイロン
糸であることが好ましい。本発明の樹脂製管状体は、長
さ方向と略平行な中空部分を有する樹脂製管状体であ
り、長さ方向に垂直な断面に占める中空部分の割合が、
25%以下であることを特徴とする。また、本発明の開
環リングは、上記の樹脂製線状体または樹脂製管状体
が、開環部を有するリング状に形成されたものである。
また、本発明のエプロンは、上記開環リングが首周りに
配されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の樹脂製線状体の製造方法は、溶融樹脂を線状に
成形する成形工程と、成形工程で成形された線状体を冷
却する冷却工程とを有する。そして、成形工程において
は、溶融樹脂中に芯線を存在させて樹脂を線状体に成形
し、冷却工程においては、成形工程で成形された線状体
を、線状体中に芯線が存在した状態のままで冷却し、固
化する。このように、溶融樹脂中に芯線を存在させて成
形工程と冷却工程を行うことによって、樹脂中における
ボイドの発生を抑制でき、外観に優れた樹脂製線状体を
製造できる。
【0009】このような製造には図1に示す製造装置を
使用することができる。この製造装置は、溶融樹脂を押
し出して線状とする押出成形機20と、この押出成形機
20内に芯線21を導入するための繰出し装置30と、
押出成形機20から押し出された線状体22を冷却する
ための冷却水槽40と、冷却されて樹脂が固化した樹脂
製線状体10を引き取るためのピンチロール50とから
概略構成されている。押出成形機20の先端にはクロス
ヘッドダイ23が装着されていて、押出成形機20内に
投入された溶融樹脂を線状に押し出すことができるよう
になっている。そして、繰出し装置30からの芯線21
がこのクロスヘッドダイ23の中心のスピンドル部を通
ることによって、押し出された樹脂の内部に芯線21が
導入されるようになっている。
【0010】このような装置を使用して、樹脂製線状体
10を製造する場合には、まず、押出成形機20内に樹
脂を投入する。使用される樹脂としては通常、熱可塑性
樹脂が使用され、熱可塑性樹脂のうちでは結晶性樹脂が
好ましい。結晶性樹脂の具体例としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリア
セタール、ポリエステル等が挙げられる。これらのなか
では特にポリプロピレンとポリエステルが好ましく、ポ
リプロピレンとしては、ホモポリプロピレンの他、プロ
ピレンとエチレンとのランダム共重合体やブロック共重
合体が挙げられる。ポリエステルとしてはポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げ
られる。
【0011】芯線21としては、樹脂製線状体10を形
成する樹脂の融点において安定な材料からなるものであ
れば制限はない。樹脂製線状体10を形成する樹脂の融
点で安定な材料とは、その融点まで加熱されても、溶融
したり、または、分解したりする等の変化をおこさない
材料である。このような材料としては、例えば、ステン
レス線、ピアノ線、銅線、鉄線等の金属線、綿糸、樹脂
糸等が挙げられる。樹脂糸としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエス
テルや、ポリアミド(ナイロン)、ポリプロピレン、ポ
リアセタール等からなる糸が使用でき、樹脂製線状体1
0に使用される樹脂よりも融点の高い樹脂を適宜選択し
て使用する。芯線21として、樹脂製線状体10を形成
する樹脂の融点において不安定な材料を使用すると、樹
脂中におけるボイドの発生を抑制できず、外観の劣った
樹脂製線状体10となり好ましくない。
【0012】具体的には、例えばポリプロピレンからな
る樹脂製線状体10を製造する場合には、芯線21とし
て、上記の金属線や綿糸の他、樹脂糸としてポリエステ
ル糸、ナイロン糸等を使用することが特に好ましい。こ
のような組み合わせとすると、溶融樹脂中においても芯
線21は、溶融したり、分解したりせず安定である。ま
た、ここで使用する芯線21の直径には特に制限はない
が、樹脂製線状体10の外径の1/2以下であることが
好ましく、さらに好ましくは1/3以下であり、より好
ましくは1/5以下である。すなわち、長さ方向に垂直
な断面に占める芯線の断面積の割合が25%以下、さら
に好ましくは11.1%以下であり、より好ましくは4
%以下である。なお、樹脂製線状体10の外径は、その
用途に応じて適宜設定でき特に制限はないが、通常2〜
20mmである。
【0013】押出成形機20内に投入された樹脂は、押
出成形機20に備えられている図示略のヒーターによっ
て加熱、溶融された後、クロスヘッドダイ23から押し
出される。そして、その際、クロスヘッドダイ23のス
ピンドル部から芯線21が送り出されることによって、
線状体22の中心に芯線21が配される。このようにし
て、溶融樹脂中に芯線21を存在させることができる。
このようにして成形工程を行った後、成形された線状体
22を連続的に冷却水槽40内に導入して冷却工程を行
う。そして冷却されて樹脂が固化した樹脂製線状体10
をピンチロール50で引き取る。冷却水槽40は通常2
〜10mの長さになっていて、この長さ方向に線状体2
2が進行する。冷却水の温度は、通常10〜50℃であ
る。また、線状体22がこの冷却水槽40内を通過する
速度、いわゆる線状体22の加工速度は、通常10〜5
0m/minである。このようにして、芯線21を有
し、その芯線21は樹脂製線状体10を形成している樹
脂の融点で安定な材料からなる図2に示すような樹脂製
線状体10を製造することができる。
【0014】このように、溶融樹脂中に芯線21を存在
させて成形工程を行い、芯線21を存在させたままの状
態で冷却工程を行うと、比較的大きな冷却速度で冷却し
た場合にも、樹脂製線状体10中に発生するボイドを抑
制でき、外観の優れた樹脂製線状体10を製造できる。
また、ボイドを低減するために冷却速度を小さくする必
要がなく、比較的大きな冷却速度で冷却工程を行うこと
ができるため、生産性が優れるとともに、剛性、弾性回
復等の物性の優れた樹脂製線状体10を製造できる。し
たがって、このような製造方法によれば、外観および物
性の優れた樹脂製線状体10を効率的に製造できる。こ
こで、芯線21を存在させることによるボイド抑制作用
の詳細は明らかではないが、通常、溶融樹脂を冷却する
と、樹脂の体積収縮によって樹脂内部の任意の場所から
ボイドが発生するのに対し、芯線21を存在させること
によって、樹脂の体積収縮が芯線21と樹脂との界面部
分に沿って起こり、樹脂内部でのボイドの発生が抑制さ
れるためと考えられる。
【0015】また、冷却工程後には、さらに樹脂製線状
体10から芯線21を引き抜く引抜工程を行ってもよ
い。このような引抜工程を行うことにより、長さ方向と
略平行に中空部分を有し、ボイドがなく、またはボイド
があったとしてもごくわずかである、外観に優れた管状
の樹脂製線状体10、すなわち樹脂製管状体が得られ
る。特に、このような引抜工程で得られ、長さ方向に垂
直な断面に占める中空部分の割合が、好ましくは25%
以下、より好ましくは11.1%以下、さらに好ましく
は4%以下である樹脂製管状体は、肉厚でありながらボ
イドがなく、またはボイドがあったとしてもごくわずか
であり、外観に優れ、剛性、弾性回復等の物性にも優れ
た管状体となる。
【0016】なお、樹脂製線状体10の断面は円形に限
定されず、使用するクロスヘッドダイ23の形状を適宜
選択することによって、多角形等の任意の形状とするこ
とができる。また、所望の色に着色された芯線21を使
用することによって、デザイン性の高い樹脂製線状体1
0とすることができる。得られた樹脂製線状体10は、
様々な用途に使用することができる。樹脂性線状体10
の用途には制限はないが、例えば、フック類、クリッ
プ、バッグやかばん等の取手類の材料や、装飾品、衣服
の装飾部品、その他の雑貨等に使用できる。また、成形
工程を、上述したようにクロスヘッドダイ23を備えた
押出成形機20を使用した押出成形法で行うと、芯線2
1を常に樹脂製線状体10の中心に配置できるため好ま
しい。しかしながら、溶融樹脂中に芯線21を存在させ
て成形工程を行う限りは、その方法には制限はなく、射
出成形法、圧縮成型法等の方法で成形工程を行ってもよ
い。
【0017】また、本発明の製造方法においては、溶融
樹脂中に芯線21を存在させて成形工程を行い、芯線2
1を存在させたままの状態で冷却工程を行った後、樹脂
製線状体10を加熱して所望の形状とするヒートセット
工程をさらに行ってもよい。ヒートセット工程は、冷却
工程後であれば引抜工程の前に行っても後に行ってもよ
い。ヒートセット工程によって樹脂製線状体10を、環
状、らせん状、U字状、S字状等の様々な形状とするこ
とができる。ヒートセット工程を行う場合には、樹脂製
線状体10の樹脂の種類によって異なるが、通常ピンチ
ロール50を通過した樹脂製線状体10を所望の形状に
固定した状態で、60〜250℃で20分〜30時間保
持して、所望の形状に安定化する。このようにして、溶
融樹脂中に芯線21を存在させて成形工程と冷却工程を
行い、得られた樹脂製線状体10をヒートセットする
と、この樹脂製線状体10はボイドをほとんど含まない
ために、ヒートセット工程で加熱されてもボイドがつぶ
れることによる表面の凹凸を生じない。よって、このよ
うな方法によれば、表面が均質で優れた外観を有し、様
々な形状を有する樹脂製線状体10を製造できる。
【0018】例えば、樹脂製線状体10をらせん状とす
る場合には、図3に示すように、ピンチロール50を通
過した樹脂製線状体10を、金属製、紙製等の円柱60
等に巻き付けた状態で加熱してヒートセット工程を行
う。そして、こうして得られたらせん状の樹脂製線状体
10を、さらに適宜切断することによって、図4のよう
な、開環部11を有する開環リング12を製造できる。
このような開環リング12は、図4中の矢印方向に力を
加えることによって、開環部11が容易に開き、加えた
力を除去することによって容易に開環部11が閉じる。
したがって、このような性質を利用することによって、
開環リング12を様々な用途に使用できる。
【0019】用途の一例としては、開環リング12を図
5に示すようにエプロン13の首周りに配して、首周り
装着部として使用することができる。こうして開環リン
グ12を使用すると、開環リング12を開いて容易に首
に装着でき、また、開環リング12を開いて首から容易
に外すことができるため、着脱が容易なエプロン13を
提供することができる。このようなエプロンは、養護の
必要な乳幼児や、介護の必要な高齢者等に簡単に着脱さ
せることができる。開環リング12を、溶融樹脂中に芯
線21を存在させて成形工程と冷却工程を行い、得られ
た樹脂製線状体10をらせん状にするヒートセット工程
を行い、そして、得られたらせん状の樹脂製線状体10
を切断して製造することによって、剛性および弾性回復
に優れ、開環部11を繰り返し開閉してもこれらの性能
が劣化しにくい、エプロン13の首周り等への使用に適
した開環リング12が得られる。また、このような開環
リング12は、その他にバングル、リストバンド、ブレ
スレット、アンクレット、耳飾、首輪等の装飾品等に使
用できる。
【0020】このように、溶融樹脂を線状に成形する成
形工程と、成形された線状体22を冷却する冷却工程と
を有する樹脂製線状体10の製造方法において、溶融樹
脂中に、この樹脂の融点で安定な材料からなる芯線21
を存在させて成形工程と冷却工程を行うことによって、
冷却速度が大きい場合でも、樹脂中でのボイドの発生を
抑制でき、外観に優れた樹脂製線状体10を製造でき
る。また、大きな冷却速度で冷却できるため、生産性が
優れるとともに、剛性、弾性回復等の物性に優れた樹脂
製線状体10を製造できる。また、引抜工程を行うこと
によって、ボイドが少なく、外観に優れた樹脂製管状体
が得られる。特に、得られた樹脂製管状体において、長
さ方向に垂直な断面に占める中空部分の割合が25%以
下、さらに好ましくは11.1%以下、より好ましくは
4%以下であると、肉厚でありながらボイドがなく、ま
たはボイドがあったとしてもごくわずかであり、外観に
優れ、剛性、弾性回復等の物性にも優れたものとなる。
したがって、このような製造方法によれば、ボイドの発
生しやすい結晶性樹脂を使用した場合であっても、外観
および物性の優れた樹脂製線状体10および樹脂製管状
体を効率的に製造できる。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例を示して具体的に説明す
る。 [実施例]図1の装置を使用して、直径0.5mmのポ
リエステル糸からなる芯線21を中心に有する、直径5
mmの樹脂製線状体10を製造した。樹脂としてはポリ
プロピレン(日本ポリオレフィン(株)製PL300
A)を使用した。押出成形条件は、シリンダ温度190
〜220℃、ダイス温度230℃とした。冷却水槽40
の長さは6m、冷却水温度は20℃、樹脂製線状体10
の加工速度は15m/minであった。こうして得られ
た樹脂製線状体10はボイドを含まず、外観に優れてい
た。そしてこれを引き続き、図3に示すように直径10
cmの紙製の円柱60にらせん状に巻き付けて、150
℃で1時間保持してヒートセットした。得られたらせん
状の樹脂製線状体10を適宜切断して、図4に示す開環
リング12を製造した。得られた開環リング12は、ボ
イドを含まないので表面に凹凸がなく、外観に優れてい
るとともに、開環部11の開閉を300回繰り返して
も、剛性、弾性回復性が劣化しなかった。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明の製造方法に
よれば、樹脂中にボイドを含まず、外観に優れ、かつ、
剛性、弾性回復等の物性にも優れた樹脂製線状体を、生
産性よく製造できる。したがって、本発明の樹脂製線状
体は、外観、物性に優れ、商品価値が高く、様々な用途
に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 樹脂製線状体を製造する装置の一例を示す概
略構成図である。
【図2】 樹脂製線状体の一例を示す斜視図である。
【図3】 ヒートセット工程を説明する説明図である。
【図4】 開環リングの一例を示す斜視図である。
【図5】 図4の開環リングを使用したエプロンの平面
図である。
【符号の説明】
10…樹脂製線状体、11…開環部、12…開環リン
グ、21…芯線、22…線状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 67:00 B29K 67:00 105:20 105:20 C08L 23:10 C08L 23:10 67:00 67:00 (72)発明者 小谷 輝充 東京都中央区日本橋小舟町4番1号 平成 ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA20 AA43 AH19 BB06 BC05 BC06 4F207 AA11 AA24 AA29 AD05 AD18 AG13 AG14 AH66 AM32 KA01 KA17 KB18 KK52 KK54 KL58 KW23 KW26 KW41 4F209 AA11 AA24 AA29 AD05 AD18 AG13 AG14 AH66 AM32 NA16 NB02 NG04 NG12 NH06 NJ09 NJ15 NK01 NL01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融樹脂を線状に成形する成形工程と、
    成形された線状体を冷却する冷却工程とを有する樹脂製
    線状体の製造方法において、 溶融樹脂中に、この樹脂の融点で安定な材料からなる芯
    線を存在させて成形工程と冷却工程を行うことを特徴と
    する樹脂製線状体の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶融樹脂を線状に成形する成形工程と、
    成形された線状体を冷却する冷却工程と、線状体をヒー
    トセットしてらせん状とするヒートセット工程とを有す
    る樹脂製線状体の製造方法において、 溶融樹脂中に、この樹脂の融点で安定な材料からなる芯
    線を存在させて成形工程と冷却工程を行うことを特徴と
    する樹脂製線状体の製造方法。
  3. 【請求項3】 成形工程を押出成形法で行うことを特徴
    とする請求項1または2に記載の樹脂製線状体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 樹脂が、結晶性樹脂であることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂製線状体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 樹脂が、ポリプロピレンまたはポリエス
    テルであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の樹脂製線状体の製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂がポリプロピレンであって、芯線が
    ポリエステル糸またはナイロン糸であることを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂製線状体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 冷却工程後に、線状体から芯線を引き抜
    く引抜工程をさらに有することを特徴とする請求項1な
    いし6のいずれかに記載の樹脂製線状体の製造方法。
  8. 【請求項8】 芯線を有する樹脂製線状体であり、芯線
    は樹脂製線状体を形成している樹脂の融点で安定な材料
    からなることを特徴とする樹脂製線状体。
  9. 【請求項9】 樹脂が、結晶性樹脂であることを特徴と
    する請求項8に記載に記載の樹脂製線状体。
  10. 【請求項10】 樹脂が、ポリプロピレンまたはポリエ
    ステルであることを特徴とする請求項8または9に記載
    の樹脂製線状体。
  11. 【請求項11】 樹脂がポリプロピレンであって、芯線
    がポリエステル糸またはナイロン糸であることを特徴と
    する請求項8または9に記載の樹脂製線状体。
  12. 【請求項12】 長さ方向と略平行な中空部分を有する
    樹脂製管状体であり、長さ方向に垂直な断面に占める中
    空部分の割合が、25%以下であることを特徴とする樹
    脂製管状体。
  13. 【請求項13】 請求項8ないし12のいずれかに記載
    の樹脂製線状体または樹脂製管状体が、開環部を有する
    リング状に形成されていることを特徴とする開環リン
    グ。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の開環リングが、首
    周りに配されていることを特徴とするエプロン。
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