JP2002051675A - スピニングリールのロータ制動装置 - Google Patents

スピニングリールのロータ制動装置

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JP2002051675A JP2000240809A JP2000240809A JP2002051675A JP 2002051675 A JP2002051675 A JP 2002051675A JP 2000240809 A JP2000240809 A JP 2000240809A JP 2000240809 A JP2000240809 A JP 2000240809A JP 2002051675 A JP2002051675 A JP 2002051675A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動部材の移動量の変動に関わらずロータを
安定して制動でき、かつ制動部材への接触時に移動部材
をスムーズに移動できるようにする。 【解決手段】 ロータ制動装置54は、スピニングリー
ルのリール本体2に回転自在に装着されたロータ3を、
糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに揺動するベールアーム17
の揺動に応じて制動する装置であって、制動部材65
と、移動部材51とを備えている。制動部材は、リール
本体のロータに面する前部に設けられ、制動面65a
と、制動面の前方に制動面と連続して設けられ制動面よ
り徐々に凹んだ導入面65bとを少なくとも外形の一部
に有する弾性体製の部材である。移動部材は、ベールア
ームの糸巻取姿勢から糸開放姿勢への揺動に連動して導
入面側から制動面に接触するように制動部材の圧縮方向
と交差する方向にロータに移動自在に装着された部材で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータ制動装置、
特に、スピニングリールのリール本体に回転自在に装着
されたロータを、糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに揺動する
ベールアームの揺動に応じて制動するスピニングリール
のロータ制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にスピニングリールのロータには、
釣り糸をスプールに案内するためのベールアームが設け
られている。ベールアームは、釣り糸を巻き取る際に釣
り糸をスプール外周に導く糸巻取姿勢と、スプールから
釣り糸を繰り出す際に邪魔にならないように糸巻取姿勢
から倒された糸開放姿勢とをとり得る。ベールアームを
糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに維持するとともに、ロータ
の糸巻取方向の回転に連動して糸開放姿勢から糸巻取姿
勢に戻すために、ロータにはベール反転装置が設けられ
ている。
【0003】従来のベール反転装置として、特開平10
−4839号公報に開示された装置が知られている。こ
のベール反転装置は、ベールアームの揺動中心の近傍に
先端が係止され、ロータに装着されたトグルばねと、ベ
ールアームの揺動中心の近傍に先端が係止され、基端が
リール本体に向けて前後移動する移動部材と、移動部材
に接触するようにリール本体に設けられた切換突起とを
有している。トグルばねは、ベールアームを2つの姿勢
に振り分けて付勢し、ベールアームを2つの姿勢で保持
する。移動部材は、糸開放姿勢にベールアームが揺動す
ると、切換突起に接触する位置に後退する。そして、ロ
ータが糸巻取方向に回転すると、切換突起に接触して前
進する、この前進によりトグルばねが収縮し、トグルば
ねによってベールアームが糸巻取姿勢に戻る。
【0004】このようなスピニングリールでは、キャス
ティングを行って釣り糸を繰り出すときには、ロータの
逆転を禁止した状態で、釣り糸を人指し指の腹で引っ掛
けた後ベールアームを糸開放姿勢に反転させる。このと
きには、釣り糸を引っ掛けやすいようにラインローラが
釣り竿側になるようにロータを回転させる。そして、釣
り竿を振り下ろしその途中で釣り糸を人指し指から放し
て仕掛けが着水するのを待つ。仕掛けが着水した後、仕
掛けが適当に沈んだところでハンドルを僅かに巻き取り
ベール反転装置によりベールアームを糸巻取姿勢に戻
す。
【0005】また、キャスティング後や船釣り時等に仕
掛けの自重により釣り糸を繰り出すときには、ベールア
ームを糸開放姿勢に反転した後人差し指の先端部でスプ
ール先端を押さえて釣り糸に人差し指の腹を接触させ糸
ふけを防止するサミングといわれる操作を行う。このと
きには、ベールアームが邪魔にならないような位置にロ
ータを回転させる。
【0006】前記従来のスピニングリールでは、ベール
アームを糸開放姿勢にしているとき、逆転防止機構によ
り逆転が禁止されていれば糸繰り出し方向にロータが回
転することはない。しかし、糸巻取方向にはロータが回
転することがある。近年、ロータは、高巻き上げ効率を
達成するために回転バランスが向上しているので軽く回
転しやすくなっている。このため、回転バランスを向上
させたスピニングリールでは糸巻取方向に簡単に回転し
やすい。ロータが回転すると、キャスティングやサミン
グのそれぞれに適した回転位相にロータを回転させても
ロータの回転位相が容易にずれることがある。
【0007】これを防止するために、前記従来の構成で
は、リール本体に接触してロータを制動する制動部材が
移動部材に装着されている。制動部材は、移動部材が接
触位置に移動すると、リール本体の前面に接触して圧縮
されロータを制動する。このようにベール反転時にロー
タを弾性的に制動すると、ロータの回転を防止できると
ともに、必要に応じてロータの糸巻取方向へ回転させる
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
移動部材に装着された制動部材がリール本体に接触して
圧縮されることによりロータを制動している。このた
め、製作誤差や取付誤差等により移動部材の接触位置が
前後に変動すると、制動部材の圧縮量が変動する。圧縮
量が変動すると、ロータの制動力が変動し、ロータを安
定して制動できなくなる。
【0009】そこで、制動部材をリール本体に設けると
ともに、移動部材を制動部材の圧縮方向と交差する方向
に制動部材の端部から外側面に向けて移動させて制動部
材に接触させることが考えられる。これにより、移動部
材の移動量の変動に関わらずロータを安定して制動でき
るようになる。しかし、このように構成すると、移動部
材が制動部材の端部に接触するときに、移動部材がスム
ーズに移動しにくくなるおそれがある。移動部材がスム
ーズに移動しなくなると、ベールアームを糸巻取姿勢か
ら糸開放姿勢に滑らかに切り換えしにくくなる。
【0010】本発明の課題は、糸開放姿勢の時にロータ
を制動可能なスピニングリールのロータ制動装置におい
て、移動部材の移動量の変動に関わらずロータを安定し
て制動でき、かつ制動部材への接触時に移動部材をスム
ーズに移動できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明1に係るスピニング
リールのロータ制動装置は、スピニングリールのリール
本体に回転自在に装着されたロータを、糸巻取姿勢と糸
開放姿勢とに揺動するベールアームの揺動に応じて制動
する装置であって、移動部材と、制動部材とを備えてい
る。移動部材は、ベールアームの糸巻取姿勢から糸開放
姿勢への揺動に連動してロータ内からリール本体側に移
動自在にロータに装着された部材である。制動部材は、
移動部材の移動方向に沿って形成されベールアームが糸
開放姿勢にあるときに移動部材が接触可能な制動面と、
制動面と連続して移動部材の移動方向上流側に設けら
れ、移動方向上流側が下流側より記移動部材から遠ざか
るように傾斜する導入面とを有し、リール本体に設けら
れた弾性体製の部材である。
【0012】このロータ制動装置では、ベールアームが
糸巻取姿勢から糸開放姿勢に揺動すると、それに連動し
て移動部材が導入面側から制動面に接触してロータが制
動される。ここでは、制動面の移動方向上流側に上流側
が下流側より移動部材から遠ざかるように導入面が形成
され、かつ制動面が移動部材の移動方向に沿って形成さ
れているので、移動部材の移動量が変動しても制動力が
変化せず、ロータを安定して制動できるとともに、制動
面に向けて徐々に移動部材に近づく導入面側から制動面
に接触するので、移動部材の移動がスムーズになる。
【0013】発明2に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明1に記載の装置において、制動面は制動
部材の外周面に平坦な円周面で形成され、導入面は、制
動面の前部に前方側に向けて徐々に縮径する傾斜面で形
成されており、移動部材は、先端部がベールアームに係
止され、ベールアームの揺動に連動して糸巻取姿勢に対
応するリール本体から離反した第1位置と、糸開放姿勢
に対応するリール本体に接近し導入面を経て前記制動面
に接触する第2位置とに後端部が少なくとも前後移動自
在にロータに設けられている。この場合には、ベールア
ームが糸巻取姿勢から糸開放姿勢に揺動すると、移動部
材を第1位置から第2位置に移動し、導入面側から制動
面に接触する。ここでは、移動部材の前後移動により制
動部材の外周面に形成された制動面に接触するように構
成したので、移動部材の構成が簡素である。
【0014】発明3に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明2に記載の装置において、移動部材は、
先端部がベールアームの揺動中心の近傍に向けて揺動軸
芯に沿うように屈曲し、後端部がロータの回転軸芯に向
けて屈曲し、その間がロータの回転軸芯に沿って配置さ
れた部材であり、後端部がロータに前後移動自在に係止
され、先端部がベールアームに形成された係合凹部に揺
動方向に移動自在に係止されている。ここでは、屈曲し
て形成された移動部材の先端部をベールアームに係止
し、後端部を前後移動自在に係止するだけで、ベールア
ームの揺動運動を移動部材の先端の前後運動に簡単に変
換できる。
【0015】発明4に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明1から3のいずれかに記載の装置におい
て、導入面は、前方側に向けて徐々に縮径する円錐台形
状のテーパ面で形成されている。この場合には、導入面
の形状が簡素であるので、導入面の形成が容易である。
【0016】発明5に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明1から3のいずれかに記載の装置におい
て、導入面は、前方側に向けて徐々に縮径する丸みを帯
びたアール面で形成されている。この場合には、導入面
が丸みを帯びたアール面で形成されいるので、移動部材
が移動しながら導入面から制動面に接触するときにより
スムーズに移動でき、ベールアームの姿勢の切り換えが
より滑らかになる。
【0017】発明6に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明1から5のいずれかに記載の装置におい
て、移動部材の制動面に接触する後端面は丸みを帯びて
いる。この場合には、制動部材に接触する移動部材の後
端面が丸みを帯びているので、移動部材が移動しながら
制動部材に接触するときや制動部材から離反するときに
スムーズに移動でき、両姿勢での姿勢の切り換えが滑ら
かになる。
【0018】発明7に係るスピニングリールのロータ制
動装置は、発明1から6のいずれかに記載の装置におい
て、ベールアームに先端が回動自在に係止され、ベール
アームを糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに振り分けて付勢す
るトグルばね機構と、リール本体の前部に設けられ、ロ
ータが糸巻取方向に回転したとき、第2位置に移動した
移動部材の突出した後端部に接触して移動部材を第1位
置に向けて移動させ切換部とをさらに備える。この場合
には、ベールの反転装置とロータの制動装置とで構成要
素を兼用でき、コンパクトなスピニングリールを実現で
きる。
【0019】発明8に係るスピニングリールのロータ制
動装置では、発明1に記載の装置において、制動面は制
動部材の前端面に平坦な環状面で形成され、導入面は、
制動面の前部外周側に後方側に向けて徐々に拡径する傾
斜面で形成されており、移動部材は、先端部がベールア
ームに係止され、ベールアームの揺動に連動して糸巻取
姿勢に対応するリール本体から離反した第1位置と糸開
放姿勢に対応するリール本体に接近する第2位置とに移
動自在に装着された連動部と、連動部の第1位置と第2
位置との移動に連動して径方向移動するようにロータに
設けられ、連動部が第1位置から第2位置に移動すると
導入面を経て制動面に接触する移動部材とを有する。こ
の場合には、制動部材の前端面に制動面が形成されてい
るので、制動面の平面度を高く維持しやすくなり、制動
力をより安定させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1において、本発明の一実施形
態を採用したスピニングリールは、ハンドル1と、ハン
ドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3
と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本
体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4
は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の
前部に前後移動自在に配置されている。
【0021】リール本体2は、内部に空間を有するリー
ルボディ2aと、リールボディ2aの空間を塞ぐために
リールボディ2aに着脱自在に装着される蓋部材2bと
を有している。
【0022】リールボディ2aは、たとえばマグネシウ
ム合金製であり、上部に前後に延びるT字形の竿取付脚
2cが一体形成されている。図2に示すように、リール
ボディ2aの空間内には、ロータ3をハンドル1の回転
に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4
を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシ
レーティング機構6とが設けられている。リールボディ
2a及び蓋部材2bの前端には、円形のフランジ部2d
と、フランジ部2dより小径で先端が開口する円筒部2
eと形成されている。円筒部2eの断面は、図5に示す
ように、円の一部が切り欠かれたD字状に形成されてい
る。
【0023】蓋部材2bは、たとえばマグネシウム合金
製の部材であり、3カ所でリールボディ2aにビス止め
されている。フランジ部2dにおいて、リールボディ2
aと蓋部材2bとの分割部分には、図5及び図6に示す
ように、後述する切換部材52が着脱自在に装着されて
いる。
【0024】ロータ駆動機構5は、図2に示すように、
ハンドル1が回転不能に装着されたハンドル軸10と、
ハンドル軸10とともに回転するフェースギア11と、
このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを
有している。ピニオンギア12は筒状に形成されてお
り、その前部12aはロータ3の中心部を貫通してお
り、ナット13によりロータ3と固定されている。ピニ
オンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、そ
れぞれ軸受14a,14bを介してリール本体2に回転
自在に支持されている。
【0025】オシレーティング機構6は、スプール4の
中心部にドラグ機構71を介して連結されたスプール軸
15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動
させるための機構である。
【0026】〔ロータの構成〕ロータ3は、図2に示す
ように、ロータ本体16と、ロータ本体16の先端に糸
開放姿勢と糸巻取姿勢とに揺動自在に装着されたベール
アーム17と、ベールアーム17を糸巻取姿勢に戻すた
めにロータ本体16に装着されたベール反転機構18と
を有している。
【0027】ロータ本体16は、リールボディ2aにス
プール軸15回りに回転自在に装着された円筒部30
と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第1
及び第2ロータアーム31,32とを有している。円筒
部30と両ロータアーム31,32とは、たとえばマグ
ネシウム合金製であり一体成形されている。
【0028】円筒部30の前部には前壁33が形成され
ており、前壁33の中央部にはボス部33aが形成され
ている。ボス部33aの中心部には貫通孔が形成されて
おり、この貫通孔をピニオンギアの前部12a及びスプ
ール軸15が貫通している。前壁33の前部にロータ3
の固定用のナット13が配置されている。
【0029】第1及び第2ロータアーム31,32は、
図2〜図4に示すように、円筒部30の後部外周面にそ
れぞれ配置された第1及び第2接続部31a,32a
と、第1及び第2接続部31a,32aからそれぞれ外
方に凸に湾曲しつつ前方に延びる第1及び第2アーム部
31b,32bと、両接続部31a,31bと両アーム
部31b,32bとの両外方部分をそれぞれ覆う第1及
び第2カバー部材31c.32cとを有している。第1
及び第2接続部31a,32aは、円筒部30と周方向
に滑らかにそれぞれ連続して形成されている。
【0030】第1及び第2アーム部31b,32bは、
第1及び第2接続部31a,32aと滑らかに連続して
形成され円筒部30と間隔をあけて前方に延びている。
第1及び第2アーム部31b,32bは、先端部から円
筒部30との接続部分に向けて滑らかに湾曲している。
両接続部31a,31bと両アーム部31b,32bと
の両外方部分には、開口31d,32dがそれぞれ形成
されており、第1及び第2カバー部材31c,32c
は、開口31d,32dをそれぞれ外周側から塞いでい
る。この第1カバー部材31cと第1接続部31a及び
第1アーム部31bとの間には、収納空間48が形成さ
れている。
【0031】第1アーム部31bの先端の外周側には、
第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。
第1アーム部31bには、図4に示すように、ベール反
転機構18を装着するための長孔36及び装着孔37
と、第1ベール支持部材40を装着するためのねじ孔付
きのボス部38とが形成されている。
【0032】第2アーム部32bの先端内周側には、第
2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。第
1ベール支持部材40は、第1アーム31bの先端にね
じ込まれた取付ピン39により第1ロータアーム31に
取り付けられる。この取付ピン39は引っかかりが少な
い六角孔付きボルトからなり、その頭部に釣り糸が引っ
かかりにくくなっている。
【0033】第1ベール支持部材40の先端には、図3
に示すように、釣り糸をスプール4に案内するためのラ
インローラ41と、ラインローラ41を挟んで第1ベー
ル支持部材40に固定された固定軸カバー47とが装着
されている。ラインローラ41は、第1ベール支持部材
40の先端に回転自在に装着されている。固定軸カバー
47は、先端がとがった変形円錐形状である。固定軸カ
バー47の先端部と第2ベール支持部材42との間には
線材を略U状に湾曲させた形状のベール43が固定され
ている。これらの第1及び第2ベール支持部材40,4
2、ラインローラ41、ベール43及び固定軸カバー4
7により釣り糸をスプール4に案内するベールアーム1
7が構成される。ベールアーム17は、図3(a)に示
す糸案内姿勢と、図3(b)に示す糸案内姿勢から反転
した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
【0034】〔ベール反転機構の構成〕ベール反転機構
18は、収納空間48内に配置されている。ベール反転
機構18は、ベールアーム17を糸開放姿勢から糸案内
姿勢にロータ3の回転に連動して復帰させるとともに、
両姿勢でその状態を保持する。
【0035】ベール反転機構18は、図3〜図6に示す
ように、収納空間48内で第1アーム部31bに揺動自
在に装着されたトグルばね機構50と、収納空間48内
に移動自在に装着された移動部材51と、移動部材51
に接触可能にフランジ部2dに着脱自在に装着された切
換部材52と、ロータ3を制動するためのロータ制動機
構54とを有している。
【0036】トグルばね機構50は、図3に示すよう
に、ベールアーム17が糸巻取姿勢となる第1位置と糸
開放姿勢となる第2位置とを取り得るように第1ロータ
アーム31内に配置され、ベールアーム17を糸巻取姿
勢と糸開放姿勢とに保持するための機構である。トグル
ばね機構50は、一端が第1ベール支持部材40に係止
され、他端が第1アーム部31bに沿って延びるロッド
55と、ロッド55が進退自在に装着されるとともに第
1アーム部31bに中間部が揺動自在に取り付けられた
ガイド部材56と、ロッド55を進出側に付勢するコイ
ルばね57とを有している。
【0037】ロッド55は、図4に示すように、その先
端部55aが外周側に折り曲げられ、第1ベール支持部
材40に形成された係合穴40aに係止されている。ま
たロッド55の外周面には、ばね係止用の突起部55b
が形成されている。
【0038】ガイド部材56は前端が開口する有底角筒
状の部材であり、装着孔37に係合するように突出する
揺動軸56aを軸方向の中間部に有している。揺動軸5
6aは、ロータ3の径方向に沿って配置されており、ガ
イド部材56は、揺動軸56aを中心に第1ロータアー
ム31に揺動自在に取り付けられている。
【0039】トグルばね機構50は、揺動軸56aの軸
芯と第1ベール支持部材40の揺動軸芯とを結ぶ線分に
対して、糸巻取姿勢と糸開放姿勢とでロッド55の第1
ベール支持部材40に対する係止位置が異なる方向に位
置するように配置されている。これにより、トグルばね
機構50は、ベールアーム17を両姿勢に振り分けて付
勢して両姿勢で保持できる。
【0040】移動部材51は、たとえば、ステンレス合
金などの金属製の線材の両端を90度異なる方向に折り
曲げて形成された部材である。移動部材51は、図3
(a)に示す離反位置と図3(b)に示す接触位置と
に、第1アーム部31bに略前後移動自在に装着されて
いる。移動部材51は、図3〜図6に示すように、その
先端部51aが外周側に折り曲げられ、第1ベール支持
部材40に揺動方向に沿って形成された円弧状の係合凹
溝40bの揺動方向の端部のいずれに係止されている。
中間部51bは、ロッド55より径方向内側で第1アー
ム部31bに沿って延びている。後端部51cは、中間
部51bから内周側に折り曲げられ、さらにロータ3の
中心(回転軸芯)に向けて折り曲げられている。このよ
うに後端部51cをロータ3の中心に向けると、切換部
材52に接触して押圧されたときに、力の伝達がスムー
ズになる。また、先端部51aを円弧状の係合凹溝40
bの端部に係止することにより、揺動時のベールアーム
の揺動量より移動部材51の移動量を係合凹溝40bの
円弧方向の長さ分少なくすることができる。後端部51
cは、長孔36を貫通し、ロータ制動機構54を構成す
る制動部材65の前端面に僅かに重なり合う位置まで内
方に延びており、その後端面が僅かに丸みを帯びてい
る。長孔36の幅は、移動部材51の直径とほぼ同じ寸
法である。このため、移動部材51の後端部51cは、
ベールアーム17の揺動に連動して長孔36に沿って前
後に移動する。
【0041】移動部材51の係合凹溝40bでの係止端
は、ベールアーム17が糸開放姿勢にあるとき、後端部
51cとベールアーム17の揺動中心とを結ぶ線分より
糸巻取姿勢側に位置している。つまり、移動部材51
は、接触位置(図3(b))にあるときの後端部51c
の軸芯と第1ベール支持部材40の揺動軸芯とを結ぶ線
分から同じ方向に離反位置と接触位置とで第1ベール支
持部材40への係止位置が存在するように配置されてい
る。これにより、移動部材51の後端部51cが切換部
材52により押圧されたとき、第1ベール支持部材40
を糸巻取姿勢側に復帰させることができる。この接触位
置にあるとき、後端部51cの端面は、制動部材65の
前端面より奥側で外周面よりやや内方に食い込んでい
る。このため、移動部材51の移動量が僅かに変動して
も常に同じ制動力が得られる。
【0042】ロータ制動機構54は、糸開放姿勢にベー
ルアーム17が揺動したときロータ3を制動するもので
あり、移動部材51と、円筒部2eの基端部に装着され
た制動部材65とを有している。すなわち、移動部材5
1は、ベール反転機構18を構成するとともに、ロータ
制動機構54も構成する。
【0043】制動部材65は、ベールアーム17が糸開
放姿勢にあるとき、ロータ3の回転を制動するために設
けられている。制動部材65は、断面が矩形の、たとえ
ばスチレン‐ブタジエン‐ゴム(SBR)、アクリロニ
トリル‐ブタジエン‐ゴム、ブタジエン‐ゴム、イソプ
レン‐ゴム、クロロプレン‐ゴム、シリコーン‐ゴム、
ウレタン‐ゴム等の合成ゴムからなる弾性体製のリング
状の部材である。制動部材65の外周面には、切換部材
52を回避する部分を除いて平坦な円周面で構成された
制動面65aが形成されている。制動部材65は、断面
がD字状の円筒部2eの基端外周面に装着されている。
したがって、制動部材65は、正面視D字状に装着され
ている。この制動部材65の直線部は、切換部材52を
迂回するために設けられている。制動部材65の制動面
65aの先端端縁には、導入面65bが制動面65aと
連続して形成されている。導入面65bは、糸開放姿勢
への揺動に連動した移動部材51の移動方向上流側が下
流側より遠ざかるように形成されており、本実施形態で
は、制動面65aと連続して丸みをおびたアール面で形
成されている。このように制動面65aに連続して傾斜
した導入面65bを形成すると、移動部材51が制動部
材65に接触するとき、丸みを帯びた移動部材51の先
端が制動部材65の導入面65bを経て制動面65aに
滑らかに接触する。このため、ベールアーム17の姿勢
の切り換えがスムーズになる。円筒部2eの外周面に
は、フランジ部2dと間隔を隔てて環状突起2fが形成
されており、制動部材65は、フランジ部2dと環状突
起2fとの間に両者に接触して装着されている。
【0044】切換部材52は、たとえばナイロン66や
ポリアセタールなどの合成樹脂製の部材であり、図5及
び図6に示すように、リールボディ2aと蓋部材2bと
の分割部分でフランジ部2dに着脱自在に装着されてい
る。リールボディ2aと蓋部材2bとの分割部分には、
矩形の切り欠き53が形成されている。切換部材52
は、傾斜面60aを有するカム部60と、カム部60と
一体形成されたくびれ部61と、鍔部62とを有してい
る。傾斜面60aは、図6に矢印で示すロータ3の糸巻
取回転方向の下流側が上流側によりロータ3に向けて前
方に突出する傾斜面である。くびれ部61は、切り欠き
53にはめ込まれる大きさを有しており、フランジ部2
dの肉厚と略同じ寸法の隙間をカム部60と鍔部62と
の間に形成している。鍔部62は、くびれ部61より大
きな断面を有しており、フランジ部2dの裏面に接触す
る。
【0045】このように構成された切換部材52は、リ
ールボディ2aに蓋部材2bを装着するとき、たとえば
リールボディ2a側の切り欠き53にくびれ部61をは
め込み、蓋部材2bをリールボディ2aにビス止めする
だけで、リール本体2に固定できる。このため、固定の
ための別の部材を用いずに簡単にリール本体2に切換部
材52を固定できる。また、リール本体2が腐食しやす
いマグネシウム合金製であっても、移動部材51が接触
する切換部材52はリール本体2と別部材であるので、
ベールアーム17が反転するときにリール本体2が傷つ
くことがない。このため、傷による腐食の進行を防止で
きる。さらに、リール本体2に装着される切換部材52
は、誘電体である合成樹脂製であるため、切換部材52
をリール本体2に接触させてもリール本体2が電解腐食
しない。
【0046】このような構成のトグルばね機構50は、
図3(a)に示すような第1位置と、図3(b)に示す
ような第2位置とをとることが可能である。第1位置
は、ベールアーム17の糸巻取姿勢に対応し、第2位置
はベールアーム17の糸開放姿勢に対応している。ま
た、移動部材51は、図3(a)に示す離反位置と、図
3(b)に示す接触位置とに後端部51cが長孔36に
案内されて前後移動することができる。この離反位置が
糸巻取姿勢に対応し、接触位置が糸巻取姿勢に対応す
る。接触位置では、移動部材51の後端部51cの端面
が制動部材65の前端面より奥側で制動面65aが僅か
に圧縮されるように接触する。このため、移動部材51
の移動位置、つまり接触位置が軸方向に変動しても制動
力は変動しない。また、接触位置でロータ3が糸巻取方
向に回転すると、移動部材51の後端部51cの周面は
切換部材52の傾斜面60aに接触し、移動部材51は
離反姿勢に向けて前方に押圧される。
【0047】ロータ3の円筒部30の内部には、図2に
示すように、ロータ3の逆転を禁止・解除するための逆
転防止機構70が配置されている。逆転防止機構70を
ローラ型のワンウェイクラッチを有しており、ワンウェ
イクラッチを作用状態と非作用状態とに切り換えること
により、ロータ3の逆転を禁止・解除する。
【0048】スプール4は、ロータ3の第1ロータアー
ム31と第2ロータアーム32との間に配置されてお
り、スプール軸15の先端にドラグ機構71を介して装
着されている。スプール4は、外周に釣り糸が巻かれる
糸巻き胴部4aと、糸巻き胴部4aの後部に一体で形成
されたスカート部4bと、糸巻き胴部4aの前端に一体
で形成されたフランジ部4cとを有している。
【0049】〔リールの操作及び動作〕キャスティング
時には逆転防止機構70によりロータ3を逆転禁止状態
にしてベールアーム17を糸開放姿勢に反転させる。ベ
ールアーム17を糸開放姿勢に反転させると、第1ベー
ル支持部材40及び第2ベール支持部材42は後方側に
倒れ、ベール反転機構18は、図3(b)に示すような
第2位置に配置される。ベールアーム17が糸開放姿勢
に倒れた状態では、スプール4からの釣り糸を容易に繰
り出すことが可能である。
【0050】この糸巻取姿勢から糸開放姿勢への揺動に
おいて、トグルばね機構50では、第1ベール支持部材
40の回転によってロッド55が図3(a)において徐
々に退入しつつ反時計方向に揺動し、図3(b)に示す
第2位置にいたる。このとき、死点を超えるまでは退入
する。死点を超えると、ロッド55がコイルばね57の
付勢力により進出してベールアーム17を糸開放姿勢側
に切り換えるとともにその姿勢で保持する。
【0051】ベールアーム17が糸開放姿勢に揺動する
と、係合凹溝40bの揺動方向上流側の端部に移動部材
51の先端部51aが接触すると、移動部材51は、離
反位置から接触位置に向けて移動を開始する。そして第
2位置に至ると、移動部材51の後端部51cの端面
は、制動部材65の導入面65bを経て制動面65aに
僅かに食い込んで弾性的に接触する。この結果、ロータ
3が制動されその回転位相が保持される。このとき、移
動部材51の後端部51cの端面が制動部材65の制動
面65aに僅かに食い込んで弾性的に接触しているの
で、移動部材51の接触位置が軸方向にずれても、接触
状態が変動せず、制動力が変化しない。また、移動部材
51が制動部材65と弾性的に接触して摩擦によりロー
タ3が制動されているだけであるので、ロータ3を手で
回転させたりハンドル1により回転させれば簡単に回転
位相を調整できる。すなわち、ロータ3が摩擦力により
制動され回転位相が維持されるので、ベールアーム17
を糸開放姿勢にしたときにロータ3が回転することはな
い。したがって、キャスティング時やサミング時にロー
タ3の不意の回転による不具合を解消できる。しかも、
ロータ3は摩擦により制動されているだけであるので、
ロータ3に力を加えれば簡単に回して回転位相を調整す
ることができる。
【0052】この状態で釣り竿を握る手の人差し指で釣
り糸を引っかけながら釣り竿をキャスティングする。す
ると釣り糸は仕掛けの重さにより勢いよく放出される。
キャスティング後に、ベールアーム17を糸開放姿勢に
維持したままの状態でハンドル1をたとえば左手で糸巻
取方向に回転させると、ロータ駆動機構5によりロータ
3が糸巻取方向に回転する。ロータ3が糸巻取方向に回
転すると、ベールアーム17がベール反転機構18によ
り糸巻取姿勢に復帰する。
【0053】具体的には、図5及び図6において、移動
部材51がロータ3とともに時計方向に回転する。する
と、移動部材51の後端部51cの周面がリール本体2
側に固定された切換部材52の傾斜面60aに当接す
る。これにより、移動部材51が前方に押圧され、図6
に二点鎖線で示す離反位置に切り換えられ、第1ベール
支持部材40を糸巻取姿勢に揺動させる。これに伴って
トグルばね機構50のガイド部材56が図3(b)に示
す第2位置から図3(a)に示す第1位置に向けて揺動
する。そして、死点を超えると、コイルばね57の付勢
力よりロッド55が進出し、ベールアーム17を糸巻取
姿勢に切り換えるとともにその姿勢で保持する。ベール
アーム17が糸巻取姿勢に復帰すると、第1ベール支持
部材40及び第2ベール支持部材42は、図1及び図2
に示すように、それぞれ前方側に起立している。ベール
アーム17が糸巻取姿勢に戻ると、ベールアーム17に
より釣り糸がスプール4に案内されてスプール4の外周
に巻き付けられる。
【0054】〔他の実施形態〕 (a)前記実施形態では、トグルばね機構50をロッド
55とガイド部材56とコイルばね57とで構成した
が、図7に示すように、トグルばね機構80をロッド8
1とロッド81の外周側に配置されたコイルばね82と
で構成してもよい。
【0055】トグルばね機構80のロッド81は、先端
に第1ベール支持部材40の係合孔40aに係止される
ように第1ベール支持部材40に向けて折れ曲がった係
止部81aを有している。また、ロッド81は、中間部
にコイルばね82の先端部を係止するための係止突起8
1bを有し、後端部に僅かに湾曲した湾曲部81cを有
している。係止突起81bには、コイルばね82の先端
が当接するワッシャ83が装着されており、これによ
り、コイルばね82の先端部からロッド81に力が均一
にロッド81に伝達される。
【0056】コイルばね82は、アーム部31bに装着
された、たとえばナイロン66などの合成樹脂製の案内
シート84に接触して案内される。案内シート84は、
コイルばね82の一面を案内するとともに係止するよう
に折れ曲がった壁面部84aを有している。壁面部84
aは、コイルばね82の側部及び基端部に接触し得る高
さを有している。これにより、コイルばね82が伸縮し
やすくなるとともに、コイルばね82が伸縮する際にア
ーム部31bが傷つかなくなる。
【0057】コイルばね82のワッシャ83に係止され
る先端部は他の部分より巻径が小さくなっている。これ
により先端部以外でコイルばね82とロッド81との間
で大きな隙間が生じ、コイルばね82の内部でロッド8
1が姿勢を変えてもコイルばね82が変形しにくくな
る。また、アーム部31bには、第1カバー部材31c
を装着するためのねじ穴付きのボス部85が形成されて
いる。このような構成のトグルばね機構80を有するベ
ール反転機構でも、揺動時にコイルばね82による第1
ベール支持部材40の付勢方向が変化するので、前記実
施形態と同様な効果が得られる。
【0058】なお、このような実施形態において、コイ
ルばね82の基端部内周面に接触するボス部や基端部外
周面を覆うカバー部等を設けてコイルばね82の基端部
を係止するようにしてもよい。また、これらのボス部や
カバー部を第1ベール支持部材40の揺動軸と平行な軸
回りに揺動するようにアーム部31bに装着してもよ
い。たとえば、ボス部の基端面に円弧凸部を形成すると
ともにアーム部31b内に円弧凸部に係合する円弧凹部
を形成し、これによりボス部を揺動自在に構成すること
が考えられる。
【0059】(b)前記実施形態では、制動部材を合成
ゴム製にしたが、弾性を有するものであれば、金属、合
成樹脂、コルク等の木材、皮革材等でもよい。 (c)前記実施形態では、移動部材51を金属製の線材
で構成したが、移動部材はこれに限定されず、後端部が
前後移動して制動部材の制動面に接触するものであれば
どのような形態でもよい。
【0060】(d)前記実施形態では、ベール反転機構
18を第1ロータアーム31側に装着したが、第2ロー
タアーム32側に装着してもよい。また、一方のロータ
アームにロータ制動機構54を除くベール反転機構18
を設け、他方のロータアームにロータ制動機構54を設
けてもよい。
【0061】(e)前記実施形態では、切換部材52の
傾斜面60aが糸巻取回転方向上流側から下流側に向け
て突出量が増加する傾斜面で構成されていたが、図8及
び図9に示すように、傾斜面60aに加えて傾斜面60
aの突出部分から糸巻取回転方向下流側に向けて突出量
が減少する傾斜面60bを形成してもよい。このような
突出量が減少する傾斜面60bを形成すると、切換部材
52が山形の傾斜面となる。この結果、ベールアーム1
7が糸開放姿勢にあるとき、無理に逆転(糸繰り出し方
向の回転)が加わって移動部材51が切換部材52に接
触しても、ベール反転機構18の移動部材51が傾斜面
60bで切換部材52に滑らかに案内され、損傷しにく
くなる。なお、このような2つの傾斜面60a,60b
を有する切換部材52は、リール本体2と一体形成され
た切換部材にも適用できる。
【0062】(f)前記実施形態では、移動部材51の
後端部51cが長孔36によって前後に案内されている
が、長孔36を完全な前後方向ではなく左右に少し振れ
て配置し、後端部51cを斜めに案内してもよい。この
ように斜めに後端部51cを案内すると、糸開放姿勢の
とき、後端部51cをロータ3の中心に向けることがで
きる。また、後端部51cをロータ3の中心に向ける
と、後端部51cをさらにロータ3の中心に向けて折り
曲げる必要がなくなる。
【0063】(g)前記実施形態では、移動部材51の
後端部51cの先端に丸みを付けたが、後端部51cの
先端を湾曲させて制動部材65の制動面65aに接触さ
せてもよい。
【0064】(h)前記実施形態では、切換部材52を
フランジ部2dに着脱自在に装着したが、フランジ部2
dに一体形成してもよい。 (i)前記実施形態では、導入面65bをアール面で構
成したが前方に行くにつれて縮径するテーパ面で構成し
てもよい。
【0065】(j)前記実施形態では、移動部材51が
前後に移動したが、図10に示すように、移動部材15
1の後端部151cを径方向に移動させてもよい。この
場合、制動部材165の制動面165aは前端面に形成
される。また、導入面165bは、アール面ではなく、
制動面165aの径方向外方に後方に行くにつれて拡径
するテーパ面で形成されている。なお、この場合、移動
部材151に、ベールアーム17の揺動に応じて移動す
る連動部(図示せず)と連動部の移動により径方向に移
動する移動部151aとを設け、移動部151aの後端
部151cを径方向に移動させればよい。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、制動面の移動方向上流
側に上流側が下流側より移動部材から遠ざかるように導
入面が形成され、かつ制動面が移動部材の移動方向に沿
って形成されているので、移動部材の移動量が変動して
も制動力が変化せず、ロータを安定して制動できるとと
もに、制動面に向けて徐々に移動部材に近づく導入面側
から制動面に接触するので、移動部材の移動がスムーズ
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリー
ルの右側面図。
【図2】その左側面断面図。
【図3】第1ロータアームの平面図。
【図4】第1ロータアームの断面拡大図。
【図5】ベール反転機構を示すリールボディの正面図。
【図6】ベール反転機構を示すリールボディの底面部分
図。
【図7】他の実施形態の図3に相当する図。
【図8】他の実施形態の図5に相当する図。
【図9】他の実施形態の図6に相当する図。
【図10】他の実施形態の図4に相当する図。
【符号の説明】
2 リール本体 3 ロータ 17 ベールアーム 18 ベール反転機構 50,80 トグルばね機構 51,151 移動部材 51a 先端部 51b 中間部 51c,151c 後端部 52 切換部材 55,81 ロッド 56 ガイド部材 57,82 コイルばね 60a 傾斜面 65 制動部材 65a 制動面 65b 導入面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピニングリールのリール本体に回転自在
    に装着されたロータを、糸巻取姿勢と糸開放姿勢とに揺
    動するベールアームの揺動に応じて制動するスピニング
    リールのロータ制動装置であって、 前記ベールアームの前記糸巻取姿勢から前記糸開放姿勢
    への揺動に連動して前記ロータ内から前記リール本体側
    に移動自在に前記ロータに装着された移動部材と、 前記移動部材の移動方向に沿って形成され前記ベールア
    ームが糸開放姿勢にあるときに前記移動部材が接触可能
    な制動面と、前記制動面と連続して前記移動部材の移動
    方向上流側に設けられ、前記移動方向上流側が下流側よ
    り前記移動部材から遠ざかるように傾斜する導入面とを
    有し、前記リール本体に設けられた弾性体製の制動部材
    と、を備えたスピニングリールのロータ制動装置。
  2. 【請求項2】前記制動面は前記制動部材の外周面に平坦
    な円周面で形成され、前記導入面は、前記制動面の前部
    に前方側に向けて徐々に縮径する傾斜面で形成されてお
    り、 前記移動部材は、先端部が前記ベールアームに係止さ
    れ、前記ベールアームの揺動に連動して前記糸巻取姿勢
    に対応する前記リール本体から離反した第1位置と、前
    記糸開放姿勢に対応する前記リール本体に接近し前記導
    入面を経て前記制動面に接触する第2位置とに後端部が
    少なくとも前後移動自在に前記ロータに設けられてい
    る、請求項1に記載のスピニングリールのロータ制動装
    置。
  3. 【請求項3】前記移動部材は、先端部が前記ベールアー
    ムの揺動中心の近傍に向けて揺動軸芯に沿うように屈曲
    し、後端部が前記ロータの回転軸芯に向けて屈曲し、そ
    の間が前記ロータの回転軸芯に沿って配置された部材で
    あり、前記後端部が前記ロータに前後移動自在に係止さ
    れ、前記先端部が前記ベールアームに形成された係合凹
    部に揺動方向に移動自在に係止されている、請求項2に
    記載のスピニングリールのロータ制動装置。
  4. 【請求項4】前記導入面は、前方側に向けて徐々に縮径
    する円錐台形状のテーパ面で形成されている、請求項1
    から3のいずれかに記載のスピニングリールのロータ制
    動装置。
  5. 【請求項5】前記導入面は、前方側に向けて徐々に縮径
    する丸みを帯びたアール面で形成されている、請求項1
    から3のいずれかに記載のスピニングリールのロータ制
    動装置。
  6. 【請求項6】前記移動部材の前記制動面に接触する後端
    面は丸みを帯びている、請求項1から5のいずれかに記
    載のスピニングリールのロータ制動装置。
  7. 【請求項7】前記ベールアームに先端部が回動自在に係
    止され、前記ベールアームを前記糸巻取姿勢と糸開放姿
    勢とに振り分けて付勢するトグルばね機構と、 前記リール本体の前部に設けられ、前記ロータが糸巻取
    方向に回転したとき、前記第2位置に移動した前記移動
    部材の突出した後端部に接触して前記移動部材を前記第
    1位置に向けて移動させる切換部とをさらに備える、請
    求項1から6のいずれかに記載のスピニングリールのロ
    ータ制動装置。
  8. 【請求項8】前記制動面は前記制動部材の前端面に平坦
    な環状面で形成され、前記導入面は、前記制動面の前部
    外周側に後方側に向けて徐々に拡径する傾斜面で形成さ
    れており、 前記移動部材は、 先端部が前記ベールアームに係止され、前記ベールアー
    ムの揺動に連動して前記糸巻取姿勢に対応する前記リー
    ル本体から離反した第1位置と前記糸開放姿勢に対応す
    る前記リール本体に接近する第2位置とに移動自在に装
    着された連動部と、 前記連動部の前記第1位置と第2位置との移動に連動し
    て径方向移動するように前記ロータに設けられ、前記連
    動部が第1位置から第2位置に移動すると前記導入面を
    経て前記制動面に接触する移動部とを有する、請求項1
    に記載のスピニングリールのロータ制動装置。
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