JP2002042803A - 密閉型ニッケル水素二次電池 - Google Patents

密閉型ニッケル水素二次電池

Info

Publication number
JP2002042803A
JP2002042803A JP2000231560A JP2000231560A JP2002042803A JP 2002042803 A JP2002042803 A JP 2002042803A JP 2000231560 A JP2000231560 A JP 2000231560A JP 2000231560 A JP2000231560 A JP 2000231560A JP 2002042803 A JP2002042803 A JP 2002042803A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen storage
storage alloy
negative electrode
secondary battery
hydrogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000231560A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Endo
賢大 遠藤
Yasushi Izumi
康士 泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Battery Co Ltd filed Critical Toshiba Battery Co Ltd
Priority to JP2000231560A priority Critical patent/JP2002042803A/ja
Publication of JP2002042803A publication Critical patent/JP2002042803A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 充放電サイクル寿命の長い密閉型ニッケル水
素二次電池を提供する。 【解決手段】 水素吸蔵合金粉末を含む負極と、この負
極にセパレータを挟んで配置された水酸化ニッケルを活
物質として含む正極と、アルカリ電解液と、これら部材
を収納する容器とを具備した密閉型ニッケル水素二次電
池であって、前記負極中の水素吸蔵合金は、一般式Ln
NiaCobM1cM2d(ただし、式中のLnはランタノ
イド元素,M1はMg,CaおよびSrから選ばれる少
なくとも1つの元素で、M2はMn,Al,V,Nb,
Ta,Cr,Mo,Fe等から選ばれる少なくとも1つ
の元素、a,b,c,dはそれぞれモル比で3.5≦a
≦5.0,0.2≦b≦0.4,0.01≦c≦0.1
0,0.4≦d≦0.8,5.2≦a+b+c+d≦
5.6を示す)にて表わされ、かつBET法における比
表面積が0.04〜0.10m2/gであることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金を含
む負極を改良した密閉型ニッケル水素二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】密閉型ニッケル水素二次電池は、例えば
水酸化ニッケルを活物質として含むペースト式正極と水
素吸蔵合金を含むペースト式負極の間にセパレータを介
在させた電極群をアルカリ電解液と共に容器内に収納
し、密閉した構造を有する。このような密閉型ニッケル
水素二次電池は、携帯用電話機や携帯型撮像機などの各
種の電子機器の作動電源として広く実用化され、近年、
さらなる長寿命化が要望されている。
【0003】ところで、密閉型ニッケル水素二次電池は
負極としてLnNix系(xはモル比で5.20〜5.
60)の水素吸蔵合金を含むもの、正極として水酸化ニ
ッケルを含むものを用いた構造のものが知られている。
しかしながら、このような二次電池は充放電サイクル時
において水素吸蔵合金による水素の吸蔵・放出が繰り返
しなされると、水素吸蔵合金の微粉化が促進されて新鮮
な面を表出することによる腐食発生やそれに伴なう電解
液の消費によりサイクル特性が低下するという問題があ
った。
【0004】このようなことから、LnNix系(xは
モル比で5.20〜5.60)の水素吸蔵合金において
Niの一部をCoで置換するとともに、その置換量をモ
ル比で0.7〜0.8にすることによって、充放電サイ
クル時の水素の吸蔵・放出の繰り返しにおいて水素吸蔵
合金の微粉化を抑制して充放電サイクル寿命を長くする
ことが行われている。しかしながら、Coは希少金属で
あるために、Coの置換量をモル比で0.7〜0.8と
多くすると、水素吸蔵合金の価格が上昇を招き、結果と
して密閉型ニッケル水素二次電池の価格高くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、LnNi系
の水素吸蔵合金においてNiサイトのCo置換量を少な
くしても充放電サイクル寿命の長くすることが可能な密
閉型ニッケル水素二次電池を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る密閉型ニッ
ケル水素二次電池は、水素吸蔵合金粉末を含む負極と、
この負極にセパレータを挟んで配置された水酸化ニッケ
ルを活物質として含む正極と、アルカリ電解液と、これ
ら部材を収納する容器とを具備した密閉型ニッケル水素
二次電池であって、前記負極中の水素吸蔵合金は、一般
式LnNiaCobM1cM2d(ただし、式中のLnはラ
ンタノイド元素,M1はMg,CaおよびSrから選ば
れる少なくとも1つの元素で、M2はMn,Al,V,
Nb,Ta,Cr,Mo,Fe,Ga,Zn,Sn,I
n,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1
つの元素、a,b,c,dはそれぞれモル比で3.5≦
a≦5.0,0.2≦b≦0.4,0.01≦c≦0.
10,0.4≦d≦0.8,5.2≦a+b+c+d≦
5.6を示す)にて表わされ、かつBET法における比
表面積が0.04〜0.10m2/gであることを特徴
とするものである。
【0007】本発明に係る別の密閉型ニッケル水素二次
電池は、水素吸蔵合金粉末を含む負極と、この負極にセ
パレータを挟んで配置された水酸化ニッケルを活物質と
して含む正極と、アルカリ電解液と、これら部材を収納
する容器とを具備した密閉型ニッケル水素二次電池であ
って、前記負極中の水素吸蔵合金は、一般式LnNia
CobM1cM2dM3e(ただし、式中のLnはランタノ
イド元素,M1はMg,CaおよびSrから選ばれる少
なくとも1つの元素で、M2はMn,Al,V,Nb,
Ta,Cr,Mo,Ga,Zn,Sn,In,Si,P
およびBから選ばれる少なくとも1つの元素、M3はF
eおよびCuから選ばれる少なくとも1つの元素、a,
b,c,d,eはそれぞれモル比で3.5≦a≦5.
0,0.2<b≦0.2,0.01≦c≦0.10,
0.4≦d≦0.8,0<e≦0.2,5.2≦a+b
+c+d+e≦5.6を示す)にて表わされ、かつBE
T法における比表面積が0.04〜0.10m2/gで
あることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る密閉型ニッケ
ル水素二次電池(例えば円筒形の密閉型ニッケル水素二
次電池)を図1を参照して説明する。
【0009】有底円筒状の容器1内には、正極2とセパ
レータ3と負極4とを積層してスパイラル状に捲回する
ことにより作製された電極群5が収納されている。前記
負極4は、前記電極群5の最外周に配置されて前記容器
1と電気的に接触している。アルカリ電解液は、前記容
器1内に収容されている。中央に孔6を有する円形の封
口板7は、前記容器1の上部開口部に配置されている。
リング状の絶縁性ガスケット8は、前記封口板7の周縁
と前記容器1の上部開口部内面の間に配置され、前記上
部開口部を内側に縮径するカシメ加工により前記容器1
に前記封口板7を前記ガスケット8を介して気密に固定
している。正極リード9は、一端が前記正極2に接続、
他端が前記封口板7の下面に接続されている。帽子形状
をなす正極端子10は、前記封口板7上に前記孔6を覆
うように取り付けられている。ゴム製の安全弁11は、
前記封口板7と前記正極端子10で囲まれた空間内に前
記孔6を塞ぐように配置されている。中央に穴を有する
絶縁材料からなる円形の押え板12は、前記正極端子1
0上に前記正極端子10の突起部がその押え板12の前
記穴から突出されるように配置されている。外装チュー
ブ13は、前記押え板12の周縁、前記容器1の側面及
び前記容器1の底部周縁を被覆している。
【0010】次に、前記負極4、正極2、セパレータ3
および電解液について説明する。
【0011】1)負極4 前記負極は、一般式LnNiaCobM1cM2d(ただ
し、式中のLnはランタノイド元素,M1はMg,Ca
およびSrから選ばれる少なくとも1つの元素で、M2
はMn,Al,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Fe,G
a,Zn,Sn,In,Cu,Si,PおよびBから選
ばれる少なくとも1つの元素、a,b,c,dはそれぞ
れモル比で3.5≦a≦5.0,0.2≦b≦0.4,
0.01≦c≦0.10,0.4≦d≦0.8,5.2
≦a+b+c+d≦5.6を示す)にて表わされ、かつ
BET法における比表面積が0.04〜0.10m2
gである水素吸蔵合金を含有する。
【0012】前記一般式のLnとしてはLa,Pr,C
eおよびNdから選ばれる少なくとも1種以上のものを
用いることが好ましい。
【0013】前記一般式のb(Niに対するCo置換
量)を0.2モル比未満にすると、充放電サイクル時の
水素の吸蔵・放出の繰り返しにおける水素吸蔵合金の微
細化の進行を抑制することが困難になる。一方、置換量
bが0.4モル比を超えると水素吸蔵合金に占めるCo
量が多くなって、水素吸蔵合金のコストが上昇するのみ
ならず、その容量が低下する恐れがある。
【0014】前記一般式のc(Niに対するMgのよう
なM1元素の置換量)を0.01モル比以下にすると、
充放電サイクル時の水素の吸蔵・放出の繰り返しにおけ
る水素吸蔵合金の微細化の進行を抑制することが困難に
なる。一方、cが0.10モル比以上にするとこれら元
素を主体とする偏析相の生成が顕著になり、水素吸蔵合
金の容量が低下する恐れがある。より好ましい一般式中
のcは、0.03≦c≦0.07である。
【0015】前記一般式のa+b+c+d(Niサイト
の量)を5.20モル比未満にすると、充放電サイクル
時の水素の吸蔵・放出の繰り返しにおける水素吸蔵合金
の微細化の進行を抑制することが困難になる。一方、a
+b+c+dが5.60モル比を超えると水素吸蔵合金
の容量が低下する恐れがある。
【0016】前記BET法における比表面積を0.04
2 /g未満にすると、水素吸蔵合金が割れ難くなって
電解液との反応性が低下して内圧上昇を招く恐れがあ
る。一方、前記比表面積が0.10m2 /gを越えると
水素吸蔵合金の腐食を抑制することが困難になる。特
に、BET法における比表面積は0.6〜0.9m2
gであることが好ましい。
【0017】より好ましい負極は、一般式LnNia
bM1cM2dM3e(ただし、式中のLnはランタノイ
ド元素,M1はMg,CaおよびSrから選ばれる少な
くとも1つの元素で、M2はMn,Al,V,Nb,T
a,Cr,Mo,Ga,Zn,Sn,In,Si,Pお
よびBから選ばれる少なくとも1つの元素、M3はFe
およびCuから選ばれる少なくとも1つの元素、a,
b,c,d,eはそれぞれモル比で3.5≦a≦5.
0,0<b≦0.2,0.01≦c≦0.10,0.4
≦d≦0.8,0<e≦0.2,5.2≦a+b+c+
d+e≦5.6を示す)にて表わされ、かつBET法に
おける比表面積が0.04〜0.10m2/gである水
素吸蔵合金を含有する。
【0018】前記一般式のLnとしてはLa,Pr,C
eおよびNdから選ばれる少なくとも1種以上のものを
用いることが好ましい。
【0019】前記一般式のb(Niに対するCo置換
量)を前記一般式のe(Niに対するFeのようなM3
の置換量)との関係で0<b≦0.20にすることによ
って、充放電サイクル時の水素の吸蔵・放出の繰り返し
における水素吸蔵合金の微細化の進行を抑制することが
可能になる。ただし、前記置換量bが0.2モル比を超
えると前記置換量eとの関係で水素吸蔵合金のコストを
より一層低減することが困難になる。
【0020】前記一般式のc(Niに対するMgのよう
なM1元素の置換量)および前記一般式のa+b+c+
d(Niサイトの量)を規定したのは、前記水素吸蔵合
金で説明したのと同様な理由によるものである。
【0021】前記一般式のe(Niに対するFeのよう
なM3の置換量)を0モル比にすると、充放電サイクル
時の水素の吸蔵・放出の繰り返しにおける水素吸蔵合金
の微細化の進行を抑制する前記Coの補完的な効果を発
揮させることできなくなる。一方、置換量eが0.2モ
ル比を超えると、容量が低下するおそれがある。
【0022】前記BET法における比表面積を規定した
のは、前記水素吸蔵合金で説明したのと同様な理由によ
るものである。特に、BET法における比表面積は0.
6〜0.9m2 /gであることが好ましい。
【0023】前記負極4は、例えば前記水素吸蔵合金粉
末に導電材を添加し、高分子結着剤および水と共に混練
してペーストを調製し、このペーストを導電性基板に充
填し、乾燥した後、成形することにより作製される。
【0024】前記高分子結着剤としては、例えばカルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げ
ることができる。
【0025】前記導電材としては、例えばカーボンブラ
ック等を用いることができる。
【0026】前記導電性基板としては、パンチドメタ
ル、エキスパンデッドメタル、穿孔剛板、ニッケルネッ
トなどの二次元基板や、フェルト状金属多孔体や、スポ
ンジ状金属基板などの三次元基板を挙げることができ
る。
【0027】2)正極2 この正極2は、活物質である水酸化ニッケル粒子、導電
材料および高分子結着剤を含む正極材料を導電性基板に
担持した構造を有する。
【0028】前記水酸化ニッケル粒子としては、例えば
単一の水酸化ニッケル粒子、または亜鉛、コバルト、ビ
スマス、銅のような金属が共晶された水酸化ニッケル粒
子を用いることができる。特に、後者の水酸化ニッケル
粒子を含む正極は、高温状態における充電効率をより一
層向上することが可能になる。
【0029】前記導電材料としては、例えば金属コバル
ト、コバルト酸化物、コバルト水酸化物等を挙げること
ができる。
【0030】前記高分子結着剤としては、例えばカルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げ
ることができる。
【0031】前記導電性基板としては、例えばニッケ
ル、ステンレスまたはニッケルメッキが施された金属か
ら形成された網状、スポンジ状、繊維状、もしくはフェ
ルト状の金属多孔体等を挙げることができる。
【0032】この正極2は、例えば活物質である水酸化
ニッケル粒子に導電材料を添加し、高分子結着剤および
水と共に混練してペーストを調製し、このペーストを導
電性基板に充填し、乾燥した後、成形することにより作
製される。
【0033】3)セパレータ3 このセパレータ3としては、例えばポリアミド繊維製不
織布、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン繊維製不織布、またはこれらの不織布に親水性官能
基を付与したものを挙げることができる。
【0034】4)アルカリ電解液 このアルカリ電解液としては、例えば水酸化ナトリウム
(NaOH)と水酸化リチウム(LiOH)の混合液、
水酸化カリウム(KOH)とLiOHの混合液、KOH
とLiOHとNaOHの混合液等を用いることができ
る。
【0035】以上説明したように本発明に係る密閉型ニ
ッケル水素二次電池は、水素吸蔵合金粉末を含む負極
と、この負極にセパレータを挟んで配置された水酸化ニ
ッケルを活物質として含む正極と、アルカリ電解液と、
これら部材を収納する容器とを具備した密閉型ニッケル
水素二次電池であって、前記負極として一般式LnNi
aCobM1cM2d(ただし、式中のLnはランタノイド
元素,M1はMg,CaおよびSrから選ばれる少なく
とも1つの元素で、M2はMn,Al,V,Nb,T
a,Cr,Mo,Fe,Ga,Zn,Sn,In,C
u,Si,PおよびBから選ばれる少なくとも1つの元
素、a,b,c,dはそれぞれモル比で3.5≦a≦
5.0,0.2≦b≦0.4,0.01≦c≦0.1
0,0.4≦d≦0.8,5.2≦a+b+c+d≦
5.6を示す)にて表わされ、かつBET法における比
表面積が0.04〜0.10m2/gである水素吸蔵合
金を含有するものを用いることによって、Niサイトの
Co置換量を抑えることによる水素吸蔵合金の低コスト
化を実現しつつ、充放電サイクル時の水素の吸蔵・放出
の繰り返しにおいて水素吸蔵合金の微粉化を抑制してサ
イクル寿命を向上することができる。
【0036】すなわち、前記負極中に含有される水素吸
蔵合金として一般式に示すようにM1元素(例えばM
g)を必須成分として配合した組成にすることによっ
て、充放電サイクル時の水素の吸蔵・放出の繰り返しに
おいて水素吸蔵合金の微粉化を抑制できる。また、Ni
サイトの量(a+b+c+d)を5.20〜5.60と
5.0を超えるモル比にすることによって、充放電サイ
クル時の水素の吸蔵・放出の繰り返しにおいて同様に水
素吸蔵合金の微粉化を抑制できる。さらに、水素吸蔵合
金のBET法における比表面積を0.04〜0.10m
2/gにすることによって、同様に水素吸蔵合金の微粉
化を抑制できる。このような水素吸蔵合金の成分および
組成比率の改良と水素吸蔵合金自体の形状の改良によ
り、Coの置換量(b)を0.2≦b≦0.4と少なく
しても充放電サイクル時の水素の吸蔵・放出の繰り返し
において水素吸蔵合金の微粉化を抑制できる。
【0037】その結果、かかる水素吸蔵合金を含む負極
を備えた密閉型ニッケル水素二次電池は、Niサイトの
Co置換量を抑えることによる水素吸蔵合金の低コスト
化を実現しつつ、充放電サイクル時の水素の吸蔵・放出
の繰り返しにおいて水素吸蔵合金の微粉化を抑制してサ
イクル寿命を向上できる。
【0038】また、前記負極として一般式LnNia
bM1cM2dM3e(ただし、式中のLnはランタノイ
ド元素,M1はMg,CaおよびSrから選ばれる少な
くとも1つの元素で、M2はMn,Al,V,Nb,T
a,Cr,Mo,Ga,Zn,Sn,In,Si,Pお
よびBから選ばれる少なくとも1つの元素、M3はFe
およびCuから選ばれる少なくとも1つの元素、a,
b,c,d,eはそれぞれモル比で3.5≦a≦5.
0,0.2<b≦0.2,0.01≦c≦0.10,
0.4≦d≦0.8,0<e≦0.2,5.2≦a+b
+c+d+e≦5.6を示す)にて表わされ、かつBE
T法における比表面積が0.04〜0.10m 2/gで
あるものを用いることによって、NiサイトのCo置換
量を抑えることによる水素吸蔵合金の低コスト化を実現
しつつ、充放電サイクル時の水素の吸蔵・放出の繰り返
しにおいて水素吸蔵合金の微粉化を抑制してサイクル寿
命を向上することができる。
【0039】すなわち、前記負極中に含有される水素吸
蔵合金として一般式に示すようにM1元素(例えばM
g)を必須成分として配合した組成にすること、Niサ
イトの量(a+b+c+d)を規定すること、BET法
における比表面積を規定することによって、前述したよ
うに充放電サイクル時の水素の吸蔵・放出の繰り返しに
おいて水素吸蔵合金の微粉化を抑制できる。また、一般
式に示すようにCoと同族元素であるM3元素(Fe,
Cu)を必須成分として配合した組成にすることによっ
て、Coと同様な作用、つまり充放電サイクル時の水素
の吸蔵・放出の繰り返しにおいて水素吸蔵合金の微粉化
を抑制できる。このような水素吸蔵合金の成分および組
成比率の改良と水素吸蔵合金自体の形状の改良により、
Coの置換量(b)をさらに0<b≦0.2と少なくし
ても充放電サイクル時の水素の吸蔵・放出の繰り返しに
おいて水素吸蔵合金の微粉化を抑制できる。
【0040】その結果、かかる水素吸蔵合金を含む負極
を備えた密閉型ニッケル水素二次電池は、Co置換量を
さらに抑えることによる水素吸蔵合金の低コスト化を実
現しつつ、充放電サイクル時の水素の吸蔵・放出の繰り
返しにおいて水素吸蔵合金の微粉化を抑制してサイクル
寿命を向上できる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して詳細に説明する。
【0042】(実施例1〜5) <負極の作製>La,Ce,Pr,Nd,Mg,Ni,
Co,Mn,Al,Cu,Feの各元素をアーク用回路
に入れて10-4〜10-5torrまで真空にした後、ア
ルゴン雰囲気中でアーク放電し、加熱溶解し、さらに冷
却することにより下記表1に示す組成を有する5種の水
素吸蔵合金を製造した。つづいて、前記各水素吸蔵合金
を粗粉砕し、さらにボールミルで粉砕し、篩分けを行っ
て平均粒径35μmの水素吸蔵合金粉末を得た。得られ
た各水素吸蔵合金のBET法における比表面積を下記表
1に併記する。
【0043】次いで、得られた各水素吸蔵合金粉末10
0質量部にポリアクリル酸ナトリウム0.5質量部、カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)0.12質量部、
ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン(比重
1.5、固形分60質量%)を固形分換算で1.0質量
部、および導電性材料としてのカーボンブラック1.0
質量部を添加し、水30質量部と共に混合することによ
りペーストを調製した。これらのペーストを導電性基板
としてのパンチドメタルに塗布、乾燥し、さらにプレス
して5種の負極を作製した。
【0044】<正極の作製>水酸化ニッケル粉末90質
量部および一酸化コバルト粉末10質量部からなる混合
粉体に、カルボキシメチルセルロース(CMC)0.3
質量部、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョ
ン(比重1.5、固形分60質量%)を固形分換算で
0.5質量部を添加し、純水45質量部と共に混合する
ことによりペーストを調製した。つづいて、このペース
トを発泡ニッケル基板内に充填し、乾燥した後、ローラ
プレスを行って圧延することにより正極を作製した。
【0045】次いで、前記各負極と前記正極との間にグ
ラフト重合処理したポリプロピレン繊維製不織布からな
る厚さ0.2mmセパレータを介装し、渦巻状に捲回し
て電極群を作製した。このような電極群を有底円筒状容
器に収納した後、7Nの水酸化カリウムおよび1Nの水
酸化リチウムからなる電解液を収容し、封口等を行うこ
とにより前述した図1に示す構造を有し、理論容量が4
000mAhである4/3Aサイズの密閉型円筒状ニッ
ケル水素二次電池を組み立てた。
【0046】(比較例1〜8)下記表1に示す組成およ
びBET法における比表面積を有する水素吸蔵合金粉末
を用いた以外、実施例1と同様な4/3Aサイズの密閉
型円筒状ニッケル水素二次電池を組み立てた。
【0047】得られた実施例1〜5および比較例1〜8
の二次電池について、20℃、0.1CmAで15時間
充電し、0.2CmA、1.0Vで放電する初期活性を
行なった後、45℃で3A、90分間充電し、3Aで終
始電圧1.0Vまで放電する充放電を繰り返した。この
ような充放電において、放電容量が初期値の80%以下
になった時の充放電サイクル数を求めた。その結果を下
記表1に併記する。
【0048】
【表1】
【0049】前記表1から明らかなように一般式LnN
aCobM1cM2d(M1;Mg,M2;Mn,Al)
で示され、a,b,c,dはそれぞれモル比で3.5≦
a≦5.0,0.2≦b≦0.4,0.01≦c≦0.
10,0.4≦d≦0.8,5.2≦a+b+c+d≦
5.6で、かつBET法における比表面積が0.04〜
0.10m2/gである水素吸蔵合金を含有する負極を
備えた実施例1〜3の二次電池は、a,b,c,dのモ
ル比が前記範囲を外れるか、BET法における比表面積
が0.04〜0.10m2/gの範囲を外れる水素吸蔵
合金を含有する負極を備えた比較例1〜4の二次電池に
比べて長い充放電サイクル寿命を有することがわかる。
しかも、これらの実施例1〜3の二次電池はCoがモル
比で0.75と多く含む水素吸蔵合金を含有する負極を
備えた比較例8と同等またはそれ以上のサイクル寿命を
有することがわかる。
【0050】また、前記表1から明らかなように一般式
LnNiaCobM1cM2dM3e(M1;Mg,M2;
Mn,Al、M3;CuまたはFe)で示され、a,
b,c,d,eがモル比にて3.5≦a≦5.0,0<
b≦0.2,0.01≦c≦0.10,0.4≦d≦
0.8,0<e≦0.2,5.2≦a+b+c+d+e
≦5.6とさらにCo量が少なく、かつBET法におけ
る比表面積が0.04〜0.10m2/gである水素吸
蔵合金を含有する負極を備えた実施例4,5の二次電池
は、a,b,c,d,eのモル比が前記範囲を外れる
か、BET法における比表面積が0.04〜0.10m
2/gの範囲を外れる水素吸蔵合金を含有する負極を備
えた比較例5〜7の二次電池に比べて長い充放電サイク
ル寿命を有する。しかも、これらの実施例4,5の二次
電池はCoがモル比で0.75と多く含む水素吸蔵合金
を含有する負極を備えた比較例8と同等のサイクル寿命
を有することがわかる。
【0051】なお、前述した実施例では正極と負極の間
にセパレータを介在して渦巻状に捲回し、有底円筒状の
容器1内に収納したが、本発明のニッケル水素二次電池
はこのような構造に限定されない。例えば、正極と負極
との間にセパレータを介在し、これを複数枚積層した積
層物を有底矩形筒状の容器内に収納して角形ニッケル水
素二次電池にも同様に適用できる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、L
nNi系の水素吸蔵合金においてNiサイトのCo置換
量を少なくしても充放電サイクル寿命の長くすることが
でき、携帯用電話機や携帯型撮像機などの各種電子機器
の作動電源として好適な密閉型ニッケル水素二次電池を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるニッケル水素二次電池を示す斜
視図。
【符号の説明】
1…容器、 2…正極、 3…セパレータ、 4…負極、 5…電極群、 7…封口板、 8…絶縁ガスケット。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月14日(2000.8.1
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】前記BET法における比表面積を0.04
2 /g未満にすると、水素吸蔵合金が割れ難くなって
電解液との反応性が低下して内圧上昇を招く恐れがあ
る。一方、前記比表面積が0.10m2 /gを越えると
水素吸蔵合金の腐食を抑制することが困難になる。特
に、BET法における比表面積は0.06〜0.09
2/gであることが好ましい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素吸蔵合金粉末を含む負極と、この負
    極にセパレータを挟んで配置された水酸化ニッケルを活
    物質として含む正極と、アルカリ電解液と、 これら部材を収納する容器とを具備した密閉型ニッケル
    水素二次電池であって、前記負極中の水素吸蔵合金は、
    一般式LnNiaCobM1cM2d(ただし、式中のLn
    はランタノイド元素,M1はMg,CaおよびSrから
    選ばれる少なくとも1つの元素で、M2はMn,Al,
    V,Nb,Ta,Cr,Mo,Fe,Ga,Zn,S
    n,In,Cu,Si,PおよびBから選ばれる少なく
    とも1つの元素、a,b,c,dはそれぞれモル比で
    3.5≦a≦5.0,0.2≦b≦0.4,0.01≦
    c≦0.10,0.4≦d≦0.8,5.2≦a+b+
    c+d≦5.6を示す)にて表わされ、かつBET法に
    おける比表面積が0.04〜0.10m2/gであるこ
    とを特徴とする密閉型ニッケル水素二次電池。
  2. 【請求項2】 水素吸蔵合金粉末を含む負極と、この負
    極にセパレータを挟んで配置された水酸化ニッケルを活
    物質として含む正極と、アルカリ電解液と、これら部材
    を収納する容器とを具備した密閉型ニッケル水素二次電
    池であって、 前記負極中の水素吸蔵合金は、一般式LnNiaCob
    cM2dM3e(ただし、式中のLnはランタノイド元
    素,M1はMg,CaおよびSrから選ばれる少なくと
    も1つの元素で、M2はMn,Al,V,Nb,Ta,
    Cr,Mo,Ga,Zn,Sn,In,Si,Pおよび
    Bから選ばれる少なくとも1つの元素、M3はFeおよ
    びCuから選ばれる少なくとも1つの元素、a,b,
    c,d,eはそれぞれモル比で3.5≦a≦5.0,0
    <b≦0.2,0.01≦c≦0.10,0.4≦d≦
    0.8,0<e≦0.2,5.2≦a+b+c+d+e
    ≦5.6を示す)にて表わされ、かつBET法における
    比表面積が0.04〜0.10m2/gであることを特
    徴とする密閉型ニッケル水素二次電池。
JP2000231560A 2000-07-31 2000-07-31 密閉型ニッケル水素二次電池 Pending JP2002042803A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000231560A JP2002042803A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 密閉型ニッケル水素二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000231560A JP2002042803A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 密閉型ニッケル水素二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002042803A true JP2002042803A (ja) 2002-02-08

Family

ID=18724384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000231560A Pending JP2002042803A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 密閉型ニッケル水素二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002042803A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009013848A1 (ja) * 2007-07-24 2009-01-29 Panasonic Corporation ニッケル水素電池用負極材料とその処理方法およびニッケル水素電池

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009013848A1 (ja) * 2007-07-24 2009-01-29 Panasonic Corporation ニッケル水素電池用負極材料とその処理方法およびニッケル水素電池
US8202650B2 (en) 2007-07-24 2012-06-19 Panasonic Corporation Negative electrode material for nickel-metal hydride battery and treatment method thereof, and nickel-metal hydride battery

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001316744A (ja) 水素吸蔵合金およびアルカリ二次電池
JP4309494B2 (ja) ニッケル水素二次電池
JP2000311704A (ja) 密閉型ニッケル水素二次電池
JPH11162459A (ja) ニッケル水素二次電池
JPH11162468A (ja) アルカリ二次電池
JP2002042803A (ja) 密閉型ニッケル水素二次電池
JP2002042802A (ja) 密閉型ニッケル水素二次電池
JP2002042804A (ja) 密閉型ニッケル水素二次電池
JP2000030702A (ja) ニッケル水素二次電池
JPH11354124A (ja) アルカリ二次電池
JP3392700B2 (ja) アルカリ二次電池
JP2001223000A (ja) アルカリ二次電池
JPH08138658A (ja) 水素吸蔵合金電極
JP3352347B2 (ja) アルカリ二次電池
JPH1040950A (ja) アルカリ二次電池
JP2002008710A (ja) 円筒形ニッケル水素二次電池
JP2001307722A (ja) アルカリ二次電池
JPH11329480A (ja) アルカリ二次電池
JP3454574B2 (ja) アルカリ二次電池の製造方法
JPH1197003A (ja) ニッケル水素二次電池
JPH1196999A (ja) 密閉型ニッケル水素二次電池
JPH10289711A (ja) アルカリ二次電池
JPH10255788A (ja) アルカリ二次電池用正極及びアルカリ二次電池
JPH1186864A (ja) 密閉型ニッケル水素二次電池
JP2001110412A (ja) アルカリ二次電池の製造方法