JP2002038227A - 深絞り性に優れたりん青銅条及びその製造方法 - Google Patents

深絞り性に優れたりん青銅条及びその製造方法

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善雄 黒澤
Takatsugu Hatano
隆紹 波多野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 りん青銅の深絞り性を向上する。 【解決手段】Snを3〜9質量%、Pを0.03〜0.
35質量%及びAgを30〜200質量ppm含有し、
残部が銅及びその不可避的不純物からなることを特徴と
する、深絞り性に優れたりん青銅条。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非常に優れた深絞り性
を有するりん青銅条及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】りん青銅は展延性、耐疲労性及び耐食性
がよいことから、スイッチ、リードフレーム、コネク
タ、ベローズ、ヒューズクリップ、ダイヤフラム、電子
・電気機器用バネ、軸受、打楽器などの用途で広く用い
られている。一方、近年の電子・電気部品の軽薄・短小
化及び高機能化に伴い、従来プレス加工や曲げ加工が主
体であったりん青銅に対しても、深絞り加工による部品
の製造が求められるようになった。ところで、現在、銅
合金のなかでも最も良好な深絞り性を有すると言われて
いるのは黄銅である(「塑性加工技術シリーズ13、プ
レス絞り加工、」日本塑性加工学会編、1999年6月
25日発行、(株)コロナ社、第162頁参照)が、こ
れと同等な深絞り性を有するりん青銅の開発に対する要
求が高まってきている。
【0003】金属の深絞り性には集合組織が大きな影響
を及ぼす。すなわち、銅合金の場合は深絞り性に有効な
板面方位は(111)と(110)であり、有害な板面
方位は(100)である。例えば、純銅の再結晶集合組
織は、立方体組織と呼ばれる(100)〔001〕方位
であるが、CuにZnを添加すると、積層欠陥エネルギ
ーが低下して再結晶集合組織の主方位が(110)〔1
12〕となり、この結果として深絞り性が向上する。こ
れが、黄銅の深絞り性が純銅より優れる理由である。
【0004】一方、りん青銅はCuにIV属のSn及び
V属のPを添加したものであるから、積層欠陥エネルギ
ーはかなり低いものと思われる。したがって、りん青銅
の冷延集合組織は非常に鮮鋭な(110)〔112〕方
位となり、微弱方位として(111)が板面方位として
存在する(前掲「プレス絞り加工」第162頁参照)。
また、深絞り性に対しては、結晶粒径は大きい方がよい
とされているが、これは結晶粒径が大きい方が、n値
(加工硬化係数)が大きくなり、一様な歪分布が得られ
るためである(日本伸銅協会:銅及び銅合金の基礎と工
業技術、(1998)、p.540)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した技術の水準を基に集合組織に関する新たな知見を加
えて、りん青銅条の深絞り性を他の特性を低下させるこ
となく改良することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述のとおり、りん青銅
条の冷延集合組織は非常に鮮鋭な(110)〔112〕
方位であるが、再結晶焼鈍後の集合組織は冷延時に比較
してその優先度はかなり低下する。そこで本発明者ら
は、りん青銅に微量元素を添加することにより、再結晶
集合組織を変化させて、主方位である(110)〔11
2〕の存在量を減少させることを防ぎ、深絞り性を改善
することを試みた。その結果、りん青銅に添加された微
量のAgが、深絞り性に有効な(110)及び(11
1)方位を増加させ、深絞り性が向上することを見出し
た。従来、純銅にPを微量に添加すると曲げ加工性が向
上することは知られており(鈴木敬治郎、上田喜三郎、
辻正博:伸銅技術研究会誌、21(1982)、p8
9)、また100〜200ppm添加されたAgが銅合
金の強度と耐熱性を向上することも知られていた(特許
第2895549号公報)が、りん青銅の深絞り性に対
するAg微量添加の効果は新しい発見であった。
【0007】本発明に関わるりん青銅条は、Snを3〜
9質量%、Pを0.03〜0.35質量%及びAgを3
0〜200wtppm含有し、残部が銅及びその不可避
的不純物からなり、深絞り性に優れた合金であり、また
本発明に係る方法は、上記組成を有する銅合金を圧延
し、圧延上がりのりん青銅板を再結晶焼鈍して結晶粒径
を5〜60μmに調整し、次いで加工度20〜90%の
範囲で冷間圧延を行ない、最後に600〜850℃にて
再結晶焼鈍を行って結晶粒径を5〜50μmに調整する
ことを特徴とする方法である。
【0008】続いて、本発明に関わるりん青銅条の限定
理由を以下説明する。Sn :Snが3質量%未満の場合、再結晶焼鈍後の伸び
が小さく良好な深絞り性が得られない。また、りん青銅
は加工硬化性が強く、Snが9質量%を超えると引張り
強さが高くなり伸びが減少するため、加工性が低下し、
深絞り加工を行なうには不利となる。そこで、Sn含有
量を3〜9質量%に規定した。
【0009】Ag:Agはりん青銅の原料である電気銅
中に10ppm程度不純物として含有されており、した
がって従来のりん青銅中にも数ppmのAgは含有され
ている。このりん青銅中のAg含有量を30ppm以上
にすると、結晶方位に変化が現われ、深絞り性の改善効
果が生じる。Ag含有量が増加するに従い、深絞り性の
改善効果が大きくなるが、Ag含有量が200ppmを
超えると、Ag含有量をさらに増やしても深絞り性はほ
とんど改善されず原料コストのみが増加する。そこで、
Ag含有量を30〜200質量ppmに規定した。
【0010】:Pは脱酸剤として添加される。P含有
量が0.03質量%未満の場合には、その脱酸効果が不
充分であり、酸化物系介在物が生成してインゴットの加
工性が低下する。また、Pは0.35質量%を超えると
Cu3Pが析出して硬く、脆くなるため、インゴットの
加工性が低下し、圧延中に耳割れが発生して条に加工で
きなくなる。そこで、P含有量を0.03〜0.35質
量%に規定した。
【0011】さらに、本発明に関わるりん青銅条は圧延
方向に直角な断面において測定して5〜50μmの結晶
粒径をもつことが好ましい。結晶粒径 :結晶粒径が5μm未満になると、n値の低下
に伴い、深絞り加工の際に局所的に歪が集中しやすくな
り、深絞り性が低下する。一方、結晶粒径が50μmを
超えると、深絞り加工した製品の側壁部にオレンジピー
ルと呼ばれる肌荒れが発生する。肌荒れは結晶粒内と粒
界における変形ひずみの相違によって現われ、結晶粒径
が粗大化すると目立つようになって製品価値を損ねる。
そこで、好ましい結晶粒径を5〜50μmに規定した
が、より好ましい結晶粒径の範囲は5〜20μmであ
る。
【0012】加えて、本発明に関わるりん青銅条は有害
な(100)板面方位を下記式により抑制することが好
ましい。X線回折強度 :深絞り性に有効な板面方位は(111)
と(110)であり、有害な板面方位は(100)であ
る。りん青銅条に対して深絞り性の改善するためには、 I(220)+I(111)>I(200) となるように、結晶方位を調整することが好ましい。こ
こで、I(hkl)は圧延面に対しCo管球を用いてX線回
折を行なったときの(hkl)面の回折強度の積分値で
ある。
【0013】製造方法:本発明のりん青銅条は、電気
銅、りん青銅スクラップ、金属すず、りん化銅、電気銀
などを通常の方法で溶解し、得られたインゴットを条に
加工することにより得られる。条の寸法は、特に制限が
ないが、一般には厚さが0.1〜1.0mm、幅が20
〜700mm程度のものである。深絞り性が優れた方位
を得るためには以下の工程順を踏むことが好ましい。 圧延上がりのりん青銅板を、再結晶焼鈍を行って結晶
粒径を5〜60μmに調整する。 次いで加工度20〜90%の範囲で冷間圧延を行な
う。 最後に873K(600℃)〜1123K(850
℃)の加熱炉中で再結晶焼鈍を行っ て結晶粒径を5〜
50μmに調整する。
【0014】りん青銅ではSnが偏析しやすく、インゴ
ットを熱間圧延すると、これに起因して、火割れと言わ
れる割れが発生することがある。このため、熱間圧延は
行なわれずに、インゴットを均質化焼鈍した後、冷間圧
延加工を行って条に仕上げる場合が多い。ところが、り
ん青銅は(1)加工硬化が著しく、板厚が薄くなるにし
たがって加工が困難になること、(2)圧延組織が発達
し異方性が強くなること、などの理由から、中間の再結
晶焼鈍が必要となる。この再結晶焼鈍における結晶粒
径を5〜60μmに調整する。また、の再結晶焼鈍に
より所望の結晶方位を得る。すなわち、りん青銅の工業
的生産において、焼鈍は2回以上行なわれる。製品の特
性に関するのは最後の焼鈍で得られる結晶粒径と結晶方
位であるが、この粒径と方位を得るためには、その前の
焼鈍である後の結晶粒径を所定の範囲に調整する必要
がある。
【0015】の再結晶焼鈍では、バッチ炉を用いて6
73K(400℃)〜873K(600℃)の温度で数
時間の加熱を行ってもよいし、連続焼鈍ラインを用いて
873K(600℃)〜1123K(850℃)で数秒
間から数分間の加熱を行ってよい。ただし、再結晶焼鈍
後の結晶粒径を5〜60μmの範囲に調整することが重
要である。再結晶焼鈍後の結晶粒径が60μmを超える
と、の焼鈍後の再結晶組織が不均一となり、深絞り加
工後の製品に肌荒れが生じる。また、再結晶焼鈍後の結
晶粒径が5μm未満の場合には、所望の結晶方位が得ら
れず深絞り性が低下する。
【0016】の冷間圧延において、加工度が20%未
満の場合には、の焼鈍後の再結晶組織が不均一とな
り、深絞り加工後の製品に肌荒れが生じる。また、加工
度が90%を超える場合には、再結晶焼鈍後に(11
0)方位は増大するものの、(111)方位は急激に減
少し、深絞りに有害な(100)方位が急激に増大す
る。さらに、加工度が高くなるにしたがって、深絞り製
品のカップ耳高さが高くなるため、製品としての価値が
低下する。
【0017】の焼鈍で上述した結晶粒径と結晶方位を
得る。所望の結晶方位を得るためには、バッチ炉を用い
て低温で長時間の焼鈍を行なうよりも、連続焼鈍ライン
を用いて高温で短時間の熱処理を行なう方が望ましい。
この場合の適当な加熱炉の温度は、873K(600
℃)〜1123K(850℃)である。加熱炉の温度が
1123K(850℃)を超えると、結晶粒径が50μ
m以下の再結晶組織を得ることが困難となる。また、8
73K(600℃)を下回ると所望の結晶方位が得られ
ない。焼鈍時間は、目標とする結晶粒径と加熱炉の温度
によって決定されるが、通常は数秒間から数分間の範囲
である。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。圧延
上がりのりん青銅条(厚みをtommと表す)を再結晶
焼鈍した(以下「中間焼鈍」とする)。次に、冷間圧延
を行なって厚みを0.3mmとした。最後に、再結晶焼
鈍を行って、結晶粒径を調整した(以下「最終焼鈍」と
する)。冷間圧延における圧延加工度(R)を、R=
(to−0.3)/to×100(%)で定義する。この
ように製造したりん青銅条について、中間焼鈍後及び最
終焼鈍後の結晶粒径を測定した。また、最終焼鈍後の材
料について、結晶方位を測定し、深絞り性を評価した。
深絞り性の評価については、その代用特性としてよく用
いられるランクフォード値を測定するとともに、実際に
カップを作製して耳の高さと肌荒れの状況を調査した。
試験方法の詳細を以下に示す。
【0019】(1)断面組織 圧延方向に直角な断面を鏡面研摩した後、10%アンモ
ニア水10ml+3%過酸化水素水10ml+水5ml
の水溶液に浸漬して組織を現出した。そして、日本工業
規格JISH0501の比較法にしたがって、結晶粒径
を測定した。
【0020】(2) 結晶方位 圧延面において、X線回折により、(111)、(22
0)及び(200)の各面の回折強度の積分値を測定
し、 I'=(I(220)+I(111))/I(200) の値を求めた。この測定はCo管球を使用して行った。
【0021】(3) ランクフォード値(r値) 引張り方向が圧延方向と成す角度が、0°、45°及び
90°となる3種類の方向に、JIS5号引張り試験片
を採取した。この試験片を引張試験機を用いて引張り、
20%の永久伸びを与え、次式によりr値を求めた。 r=ln(Wo/W)/ln(to/t)=ln(Wo
W)/ln(LW/Lo o) ここで、Wo、Wは変形前、後の板幅であり、to、tは
変形前、後の板厚であり、Lo、Lは変形前、後の評点
距離である。なおLoは50mmとした。r値は深絞り
性と相関を持つ因子であり、r値の高い材料は深絞り性
が良好である。r値は異方性が著しく、圧延方向に対し
て0度の方向の値(ro)、45°の方向の値(r45
及び90°の方向の値(r90)の値がかなり異なるの
で、これらの加重平均値である平均塑性ひずみ比
(r')で評価するのが一般的である。 r'=(ro+2r45+r90)/2 また、roとr90の平均値とr45の差である△rの値で
面内異方性を評価する。 △r=(ro−2r45+r90)/2 △rは深絞りカップに発生する耳と関係があり、△r=
0では耳が発生せず、△r>0で 0°及び90°方向
に耳が発生し、△r<0で45°方向に耳が発生する。
【0022】(4)深絞り試験 エリクセン社製試験機を用い、ブランク径:φ64m
m、ポンチ径:φ33mm、シート圧力:3.0kN、
潤滑剤:白色ワセリンの条件で、カップを作製した。こ
のカップの耳の高さを測定し、また外観を観察した。耳
の高さの測定では、カップをガラス板上に置いて耳の谷
とガラス板との間に生成した間隙を読み取り顕微鏡で測
定し、カップに発生した4個の耳の平均値を求めた。
【0023】表1に評価したりん青銅条の成分及び製造
方法を示す。No.1〜23は本発明の実施例であっ
て、No.21,22は請求項2,3の範囲外である
が、請求項1の範囲内であり、No.24〜37は成分
または成分と製造方法が本発明外の比較例である。な
お、No.24はAgを添加していない従来のりん青銅
である。今回の評価では、I'≧0.96、r'>1.8
5、|△r|<0.25、耳高さ<0.4mm、外観=
肌荒れなしの場合に従来のりん青銅条に対して深絞り性
が改善されていると判定した。本発明例のNo.1〜2
3は、この条件を満たしている。
【0024】図1と図2は実施例のNo.1〜7及びN
o.24〜26について、Ag含有量とI'、耳高さ、
r'及び△rとの関係を図示したものである。これら実
施例では、いずれもSn含有量が約8%であり、製造方
法についても、中間焼鈍後の結晶粒径が8〜18μm、
圧延加工度が75%、最終焼鈍後の結晶粒径5〜15μ
mとほぼ同様である。Ag含有量が高くなるに従い、
圧延面における(220)及び(111)面の存在比率
が増加し、深絞り後の耳が小さくなり(耳は45°方
向に発生)、r'値(この値が大きいほど深絞り性は
良好)が大きくなり、△rの絶対値(この値がゼロに
近づくほど異方性が低減し耳が減少)が小さくなってい
る。Ag含有量増加に伴うこのような効果は、Agが2
00ppmを超える範囲ではほとんど認められない。
【0025】Ag含有量がほぼ等しく、同様の方法で製
造されたNo.3、8、9及び27を比較すると、Sn
含有量が増加するに従い、I'及びr'が増加し、△rの
絶対値及び耳高さが低下することがわかる。ただし、S
n含有量が9%を超えるNo.28は、深絞り試験中に
破断が生じたため、カップに成形できなかった。また、
No.27はSn含有量が3%に満たないため、I'<
0.96であり深絞り性が劣る。
【0026】No.29〜37の製造方法は本発明外の
比較例である。No.30は冷間圧延加工度が90%を
超えたため、No.31は最終焼鈍後の結晶粒径が5μ
mに満たないため、No.34は中間焼鈍後の結晶粒径
が5μmに満たないため、No.33は最終焼鈍を炉温
が600℃より低い条件で行なったため、I'<1であ
り深絞り性が劣る。また、No.29は冷間圧延加工度
が20%に満たないため、No.32は最終焼鈍の炉温
が850℃を超えて焼鈍後の結晶粒径(製品での結晶粒
径)が50μmを超えたため、No.35は中間焼鈍後
の結晶粒径が60μmを超えたため、深絞り後のカップ
側壁部に肌荒れが発生した。No.36及び37はP含
有量が本発明外の比較例である。No.36はP含有量
が0.03%に満たないため、酸化物系介在物が発生
し、また、No.37はP含有量が0.35%を超えて
いるためCu3Pが析出し、両者ともインゴットを冷間
圧延する際に耳割れが生じて条に加工できなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明は、深絞り性が黄銅とほぼ同等の
りん青銅条を提供するものである。このりん青銅条は深
絞り性以外のリードフレーム、端子・コネクター及びば
ね材などの用途で要求される、電気伝導性、強度、耐熱
性、曲げ性なども良好である。このような用途のりん青
銅条では、製造工程の最後に冷間圧延が行なわれること
が多いが、冷間圧延後の状態においても、Ag添加で強
度と延性の異方性が低下する効果は認められるので、部
品加工において厳しい加工条件や複雑な加工が容易とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Ag含有量と、結晶方位I'=(I(220)+I
(111))/I(220)及び耳高さの関係を示すグラフである
(Sn含有量=8%、中間焼鈍結晶粒径=8〜18μ
m、圧延加工度=75%、最終焼鈍結晶粒径=5〜15
μm)。
【図2】 Ag含有量と、平均塑性ひずみ比r'=(ro
+2r45+r90)/2及びランクフォード値の面内異方
性△r=(ro−2r45+r90)/2の関係を示すグラ
フである(Sn含有量=8%、中間焼鈍結晶粒径=8〜
18μm、圧延加工度=75%、最終焼鈍結晶粒径=5
〜15μm)。
【図3】 本発明実施例及び比較例の組成及び特性を示
す図表(表1)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630K 661 661A 685 685Z 691 691B 694 694A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Snを3〜9質量%、Pを0.03〜
    0.35質量%及びAgを30〜200質量ppm含有
    し、残部が銅及びその不可避的不純物からなることを特
    徴とする、深絞り性に優れたりん青銅条。
  2. 【請求項2】 圧延方向に直角な断面において測定した
    結晶粒径が5〜50μmであることを特徴とする請求項
    1記載のりん青銅条。
  3. 【請求項3】 Co管球を用いてX線回折を行った圧延
    面(220)面の積分強度値(I(220))及び(11
    1)面の積分強度値(I(111))が、(200)面の積
    分強度値(I(200))に対し、I(220)+I(111)>I
    (200)であることを特徴とする請求項1又は2記載のり
    ん青銅条。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の組成を有する銅合金を圧
    延し、圧延上がりのりん青銅板を再結晶焼鈍して結晶粒
    径を5〜60μmに調整し、次いで加工度20〜90%
    の範囲で冷間圧延を行ない、最後に600〜850℃に
    て再結晶焼鈍を行って結晶粒径を5〜50μmに調整す
    ることを特徴とする深絞り性に優れたりん青銅条の製造
    方法。
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