JP2002036543A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法

Info

Publication number
JP2002036543A
JP2002036543A JP2000220578A JP2000220578A JP2002036543A JP 2002036543 A JP2002036543 A JP 2002036543A JP 2000220578 A JP2000220578 A JP 2000220578A JP 2000220578 A JP2000220578 A JP 2000220578A JP 2002036543 A JP2002036543 A JP 2002036543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
diaphragm
substrate
ink
recording head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000220578A
Other languages
English (en)
Inventor
Masamune Kusunoki
雅統 楠
Mikio Ohashi
幹夫 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000220578A priority Critical patent/JP2002036543A/ja
Publication of JP2002036543A publication Critical patent/JP2002036543A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2002/043Electrostatic transducer

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は振動板と第1の電極間の残留電荷によ
る振動板の相対変位量の低下を防止してインク吐出量を
一定にし、印字品質を向上させるインクジェット記録ヘ
ッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供す
る。 【解決手段】インクジェット記録ヘッド1は、第1の電
極16と振動板5との間に生じる静電気力で振動板5を
変形させて、インク液室9内のインクをノズル孔10か
ら吐出させるが、振動板5と第1の電極16との間に、
振動板5と同電位の第2の電極18を配設し、第2の電
極18に、第1の電極16を振動板5に直接対面させる
開口部18aを形成している。従って、振動板5を第1
の電極16の静電気力で第2の電極18に近接するまで
引きつけて振動板5と第1の電極16との対向間隔を一
義的に決定できるとともに、振動板5と同電位の第2の
電極18で振動板5と第1の電極16間の残留電荷によ
る振動板5の相対変位量の低下を防止し、インク吐出量
を一定にして印字品質を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法に関
し、詳細には、インク吐出タイミングにのみ、静電引力
を利用して振動板を変位させて、当該振動板上の加圧液
室(インク流路)を圧縮してインク滴を吐出するインク
・オン・デマンド方式のインクジェット記録ヘッド及び
インクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】静電引力を利用してインク滴を吐出する
インクジェット記録ヘッドは、加圧液室の底面に振動板
が配設されており、振動板との間に絶縁板を挟んで電極
板が配設されている。加圧液室の振動板と対向する面に
ノズルが形成されており、振動板と電極との間に電圧が
印加されることで、振動板が変形して、インクをノズル
から吐出させる。そして、従来のインクジェット記録ヘ
ッドは、記録の必要なときにのみ、電極板に静電気を印
加して、加圧液室内の圧力を加圧し、当該加圧液室に連
通するノズルからインク滴を吐出させる、いわゆるイン
クオンデマンド型のインクジェット記録ヘッドが普及し
ている。
【0003】このようなインクジェット記録ヘッドとし
ては、従来、ノズルと、該ノズルに連通するインク流路
と、該流路の一部に設けられた振動板と、該振動板に対
向して設けられた電極とを有し、前記振動板と前記電極
間に電気パルスを印加し、前記振動板を静電気力により
変形させ、前記ノズルからインク液滴を記録紙に向け吐
出し印刷を行うインクジェットヘッドにおいて、前記振
動板は電極に対向する面に絶縁膜が形成された半導体か
らなり、前記電極は酸化物導電体からなることを特徴と
するインクジェットヘッドが提案されている(特開平7
−214769号公報参照)。
【0004】そして、この公報では、前記振動板の電極
に対向する面に形成された絶縁膜として、酸化膜、窒化
膜等を用いることが提案されている。
【0005】このインクジェットヘッドでは、振動板
が、電極に対向する面に酸化膜または窒化膜等の絶縁膜
の形成された半導体で形成されているため、振動板が絶
縁体を介して電極に接するため、短絡によってヘッドが
破壊されることを防止するとともに、振動板を電極に接
するまで引きつけることができ、各ノズルから吐出され
る1回当たりのインク吐出量を、振動板と電極との対向
間隔により一義的に決定して、各ノズルの吐出量を一定
にし、安定した印字品質を確保しようとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな公報記載のインクジェット記録ヘッドにあっては、
振動板が電極に対向する面に酸化膜または窒化膜等の絶
縁膜の形成された半導体で形成され、振動板が当該絶縁
体を介して電極に接するようになっているため、パルス
駆動動作時に電極から振動板上の酸化膜表面や膜中に電
子が注入され、注入された電子が残留電荷として作用
し、この残留電荷が作り出す電界によって振動板と電極
との相対変位量を低下させる。この相対変位量の低下
は、インク液滴の吐出量やインクスピードの低下等の吐
出不良の原因となり、例えば、印字濃度や画素ずれ等の
印刷品質の不良や画素抜け等の信頼性の低下を発生させ
るという問題があった。
【0007】そこで、請求項1記載の発明は、第1の電
極と振動板との間に生じる静電気力で変形してインク流
路内に圧力変化を生じさせてインク流路内のインクを当
該インク流路に連通するノズルから吐出させる振動板と
第1の電極との間に、振動板と同電位の第2の電極を配
設し、当該第2の電極に、第1の電極を振動板に直接対
面させる開口部を形成することにより、振動板を第1の
電極の静電気力で第2の電極に近接するまで引きつけ
て、振動板と第1の電極との対向間隔を一義的に決定で
きるようにするとともに、振動板と同電位の第2の電極
で振動板と第1の電極間に残留電荷による相対変位量の
低下が発生することを防止し、連続パルスで駆動させた
場合にも、長期的に各ノズルから吐出される1回当たり
のインク吐出量を一定にして、印字品質を向上させると
ともに、画素抜け等の発生を防止して、信頼性を向上さ
せることのできるインクジェット記録ヘッドを提供する
ことを目的としている。
【0008】請求項2記載の発明は、第2の電極を、第
1の電極の形成されている絶縁膜を貫通して当該絶縁膜
の形成されている第1の基板に接続し、当該第1の基板
を振動板に接続させて、当該振動板と同電位とすること
により、第2の電極を振動板と同電位とするための端子
を、第1の基板側、すなわち、インクジェット記録ヘッ
ドの基板の裏面側に形成可能とし、画像品質及び信頼性
を向上させるとともに、簡単かつ容易に実装面積を縮小
させて、小型で、高密度なインクジェット記録ヘッドを
提供することを目的としている。
【0009】請求項3記載の発明は、第1の電極を、エ
ッチングレートの異なる複数の導電性膜が積層された積
層膜で形成することにより、例えば、シリコンの振動板
と第1の電極基板とを直接接合する場合にも、第1の電
極基板側の接合表面の凹凸を最小限にすることができ、
画像品質及び信頼性を向上させるとともに、小型で、高
密度なインクジェット記録ヘッドを提供することを目的
としている。
【0010】請求項4記載の発明は、第2の電極を、高
濃度の不純物を含んだポリシリコン膜で形成することに
より、第2の電極の電位を振動板と同電位とするための
電極端子をインクジェット記録ヘッドの基板の裏面、す
なわち、第1の基板側から取る場合に、第1の基板とし
てシリコン基板を用いていると、この第1の基板との接
触抵抗を小さくすることができ、画像品質及び信頼性を
向上させるとともに、簡単かつ容易に実装面積を縮小さ
せて、小型で、高密度なインクジェット記録ヘッドを提
供することを目的としている。
【0011】請求項5記載の発明は、第1の電極を、高
融点金属膜で形成することにより、例えば、振動板とし
てシリコン基板を用いた場合に、当該プロセス温度が高
温であるシリコンの振動板と第1の電極基板とを直接接
合する場合にも、第1の電極の特性が変化することを防
止することができ、画像品質及び信頼性を向上させると
ともに、小型で、高密度なインクジェット記録ヘッドを
提供することを目的としている。
【0012】請求項6記載の発明は、第1の電極を、高
濃度の不純物を含んだポリシリコン膜で形成することに
より、例えば、例えば、振動板としてシリコン基板を用
いた場合に、当該プロセス温度が高温であるシリコンの
振動板と第1の電極基板とを直接接合する場合にも、第
1の電極の特性が変化することを防止することができ、
画像品質及び信頼性を向上させるとともに、小型で、高
密度なインクジェット記録ヘッドを提供することを目的
としている。
【0013】請求項7記載の発明は、第2の電極と振動
板との距離を、開口部の形成されている領域における第
1の電極と振動板との距離の3分の1よりも大きく設定
することにより、残留電荷の蓄積がない状態で振動板を
第1の電極に接しないまでもできるだけ引きつけて、振
動板と第1の電極との対向間隔をより確実に一義的に決
定し、連続パルスで駆動させた場合にも、ビット間バラ
ツキをより一層低減させて、印字品質を向上させるとと
もに、画素抜け等の発生を防止して、信頼性を向上させ
ることのできるインクジェット記録ヘッドを提供するこ
とを目的としている。
【0014】請求項8記載の発明は、第1の電極と振動
板との間に生じる静電気力で変形してインク流路内に圧
力変化を生じさせてインク流路内のインクを当該インク
流路に連通するノズルから吐出させる振動板と第1の電
極との間に、振動板と同電位の第2の電極を配設し、当
該第2の電極に、第1の電極を振動板に直接対面させる
開口部を形成するに際して、第1の電極を、エッチング
レートの異なる複数の導電性膜を積層する工程処理で形
成し、第2の電極を、第1の電極を覆う絶縁体層を形成
する工程処理を経た後、当該絶縁体層上に第1の電極と
同じ導電性膜を積層する工程処理で形成することによ
り、振動板を第1の電極の静電気力で第2の電極に近接
するまで引きつけて、振動板と第1の電極との対向間隔
を一義的に決定できるようにするとともに、振動板と同
電位の第2の電極で振動板と第1の電極間に残留電荷に
よる相対変位量の低下が発生することを防止し、連続パ
ルスで駆動させた場合にも、長期的に各ノズルから吐出
される1回当たりのインク吐出量を一定にして、印字品
質を向上させることができるとともに、画素抜け等の発
生を防止して、信頼性を向上させることのできるインク
ジェット記録ヘッドを容易に製造することのできるイン
クジェット記録ヘッドの製造方法を提供することを目的
としている。
【0015】請求項9記載の発明は、第1の電極を、第
1の基板表面に絶縁膜を形成して、当該絶縁膜に凹部を
形成する工程処理を経た後、エッチングレートの異なる
複数の導電性膜を積層する工程処理で形成し、第2の電
極を、第1の電極を覆う状態で絶縁体層を形成するとと
もに凹部の第1の電極以外の領域の絶縁膜をエッチング
して第1の基板を露出させる工程処理を行った後、当該
露出した第1の基板上に少なくとも第1の電極を構成す
る導電性膜と同じ導電性膜を形成する工程処理を行って
形成することにより、第2の電極を振動板と同電位とす
るための端子を、第1の基板側、すなわち、インクジェ
ット記録ヘッドの基板の裏面側に形成可能とし、画像品
質及び信頼性を向上させることができるとともに、実装
面積を縮小させて、小型で、高密度なインクジェット記
録ヘッドを簡単かつ容易に製造することのできるインク
ジェット記録ヘッドの製造方法を提供することを目的と
している。
【0016】請求項10記載の発明は、第1の基板を、
所定の導電性の不純物を含んだシリコン基板とし、凹部
の第1の電極以外の領域の絶縁膜をエッチングして、第
1の基板を露出させる工程処理を経た後、当該第1の基
板と同じ導電型の不純物イオンを注入する工程処理を行
うことにより、第2の電極とシリコン基板である第1の
基板との接触抵抗をさらに低減し、高速動作が可能なイ
ンクジェット記録ヘッドを製造することのできるインク
ジェット記録ヘッドの製造方法を提供することを目的と
している。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のイ
ンクジェット記録ヘッドは、第1の基板上に絶縁膜が形
成され、当該絶縁膜に列状に形成された複数の凹部内に
複数の第1の電極が形成され、前記第1の電極上にそれ
ぞれ振動板が位置する状態で前記絶縁膜上に振動板部材
が配設され、前記振動板部材上に第2の基板が配設され
て、当該第2の基板と前記複数の振動板との間にそれぞ
れインク流路が形成されるとともに当該各インク流路に
連通するノズルが形成され、前記第1の電極と前記振動
板との間に生じる静電気力で前記振動板を変形させて前
記インク流路内に圧力変化を生じさせ、当該インク流路
内の圧力変化で当該インク流路内のインクを前記ノズル
からインク滴として吐出させるインクジェット記録ヘッ
ドであって、前記振動板と前記第1の電極との間に、前
記振動板と同電位の第2の電極が配設されており、当該
第2の電極に、前記第1の電極を前記振動板に直接対面
させる開口部が形成されていることにより、上記目的を
達成している。
【0018】上記構成によれば、第1の電極と振動板と
の間に生じる静電気力で変形してインク流路内に圧力変
化を生じさせてインク流路内のインクを当該インク流路
に連通するノズルから吐出させる振動板と第1の電極と
の間に、振動板と同電位の第2の電極を配設し、当該第
2の電極に、第1の電極を振動板に直接対面させる開口
部を形成しているので、振動板を第1の電極の静電気力
で第2の電極に近接するまで引きつけて、振動板と第1
の電極との対向間隔を一義的に決定できるようにするこ
とができるとともに、振動板と同電位の第2の電極で振
動板と第1の電極間に残留電荷による相対変位量の低下
が発生することを防止することができ、連続パルスで駆
動させた場合にも、長期的に各ノズルから吐出される1
回当たりのインク吐出量を一定にして、印字品質を向上
させることができるとともに、画素抜け等の発生を防止
して、信頼性を向上させることができる。
【0019】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記第2の電極は、前記絶縁膜を貫通して前記第
1の基板に接続され、当該第1の基板が前記振動板に接
続されて、当該振動板と同電位とされていてもよい。
【0020】上記構成によれば、第2の電極を、第1の
電極の形成されている絶縁膜を貫通して当該絶縁膜の形
成されている第1の基板に接続し、当該第1の基板を振
動板に接続させて、当該振動板と同電位としているの
で、第2の電極を振動板と同電位とするための端子を、
第1の基板側、すなわち、インクジェット記録ヘッドの
基板の裏面側に形成可能とすることができ、画像品質及
び信頼性を向上させることができるとともに、簡単かつ
容易に実装面積を縮小させて、インクジェット記録ヘッ
ドを小型で、高密度なものとすることができる。
【0021】また、例えば、請求項3に記載するよう
に、前記第1の電極は、エッチングレートの異なる複数
の導電性膜が積層された積層膜で形成されていてもよ
い。
【0022】上記構成によれば、第1の電極を、エッチ
ングレートの異なる複数の導電性膜が積層された積層膜
で形成しているので、例えば、シリコンの振動板と第1
の電極基板とを直接接合する場合にも、第1の電極基板
側の接合表面の凹凸を最小限にすることができ、画像品
質及び信頼性を向上させることができるとともに、イン
クジェット記録ヘッドを小型で、高密度なものとするこ
とができる。
【0023】さらに、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記第2の電極は、高濃度の不純物を含んだポリシ
リコン膜で形成されていてもよい。
【0024】上記構成によれば、第2の電極を、高濃度
の不純物を含んだポリシリコン膜で形成しているので、
第2の電極の電位を振動板と同電位とするための電極端
子をインクジェット記録ヘッドの基板の裏面、すなわ
ち、第1の基板側から取る場合に、第1の基板としてシ
リコン基板を用いていると、この第1の基板との接触抵
抗を小さくすることができ、画像品質及び信頼性を向上
させることができるとともに、簡単かつ容易に実装面積
を縮小させて、インクジェット記録ヘッドを小型で、高
密度なものとすることができる。
【0025】また、例えば、請求項5に記載するよう
に、前記第1の電極は、高融点金属膜で形成されていて
もよい。
【0026】上記構成によれば、第1の電極を、高融点
金属膜で形成しているので、例えば、振動板としてシリ
コン基板を用いた場合に、当該プロセス温度が高温であ
るシリコンの振動板と第1の電極基板とを直接接合する
場合にも、第1の電極の特性が変化することを防止する
ことができ、画像品質及び信頼性を向上させることがで
きるとともに、インクジェット記録ヘッドを小型で、高
密度なものとすることができる。
【0027】さらに、例えば、請求項6に記載するよう
に、前記第1の電極は、高濃度の不純物を含んだポリシ
リコン膜で形成されていてもよい。
【0028】上記構成によれば、第1の電極を、高濃度
の不純物を含んだポリシリコン膜で形成しているので、
例えば、例えば、振動板としてシリコン基板を用いた場
合に、当該プロセス温度が高温であるシリコンの振動板
と第1の電極基板とを直接接合する場合にも、第1の電
極の特性が変化することを防止することができ、画像品
質及び信頼性を向上させることができるとともに、イン
クジェット記録ヘッドを小型で、高密度なものとするこ
とができる。
【0029】また、例えば、請求項7に記載するよう
に、前記第2の電極と前記振動板との距離は、前記開口
部の形成されている領域における前記第1の電極と前記
振動板との距離の3分の1よりも大きく設定されていて
もよい。
【0030】上記構成によれば、第2の電極と振動板と
の距離を、開口部の形成されている領域における第1の
電極と振動板との距離の3分の1よりも大きく設定して
いるので、残留電荷の蓄積がない状態で振動板を第1の
電極に接しないまでもできるだけ引きつけて、振動板と
第1の電極との対向間隔をより確実に一義的に決定する
ことができ、連続パルスで駆動させた場合にも、ビット
間バラツキをより一層低減させて、印字品質を向上させ
ることができるとともに、画素抜け等の発生を防止し
て、信頼性を向上させることができる。
【0031】請求項8記載の発明のインクジェット記録
ヘッドの製造方法は、第1の基板上に絶縁膜が形成さ
れ、当該絶縁膜に列状に形成された複数の凹部内に複数
の第1の電極が形成され、前記第1の電極上にそれぞれ
振動板が位置する状態で前記絶縁膜上に振動板部材が配
設され、前記振動板部材上に第2の基板が配設されて、
当該第2の基板と前記複数の振動板との間にそれぞれイ
ンク流路が形成されるとともに当該各インク流路に連通
するノズルが形成され、前記第1の電極と前記振動板と
の間に生じる静電気力で前記振動板を変形させて前記イ
ンク流路内に圧力変化を生じさせ、当該インク流路内の
圧力変化で当該インク流路内のインクを前記ノズルから
インク滴として吐出させるインクジェット記録ヘッドの
製造方法であって、前記第1の電極を、エッチングレー
トの異なる複数の導電性膜を積層する工程処理で形成
し、前記第2の電極を、前記第1の電極を覆う絶縁体層
を形成する工程処理を経た後、当該絶縁体層上に前記第
1の電極と同じ導電性膜を積層する工程処理で形成する
ことにより、上記目的を達成している。
【0032】上記構成によれば、第1の電極と振動板と
の間に生じる静電気力で変形してインク流路内に圧力変
化を生じさせてインク流路内のインクを当該インク流路
に連通するノズルから吐出させる振動板と第1の電極と
の間に、振動板と同電位の第2の電極を配設し、当該第
2の電極に、第1の電極を振動板に直接対面させる開口
部を形成するに際して、第1の電極を、エッチングレー
トの異なる複数の導電性膜を積層する工程処理で形成
し、第2の電極を、第1の電極を覆う絶縁体層を形成す
る工程処理を経た後、当該絶縁体層上に第1の電極と同
じ導電性膜を積層する工程処理で形成しているので、振
動板を第1の電極の静電気力で第2の電極に近接するま
で引きつけて、振動板と第1の電極との対向間隔を一義
的に決定できるようにするとともに、振動板と同電位の
第2の電極で振動板と第1の電極間に残留電荷による相
対変位量の低下が発生することを防止することができ、
連続パルスで駆動させた場合にも、長期的に各ノズルか
ら吐出される1回当たりのインク吐出量を一定にして、
印字品質を向上させることができるとともに、画素抜け
等の発生を防止して、信頼性を向上させることのできる
インクジェット記録ヘッドを容易に製造することができ
る。
【0033】請求項9記載の発明のインクジェット記録
ヘッドの製造方法は、第1の基板上に絶縁膜が形成さ
れ、当該絶縁膜に列状に形成された複数の凹部内に複数
の第1の電極が形成され、前記第1の電極上にそれぞれ
振動板が位置する状態で前記絶縁膜上に振動板部材が配
設され、前記振動板部材上に第2の基板が配設されて、
当該第2の基板と前記複数の振動板との間にそれぞれイ
ンク流路が形成されるとともに当該各インク流路に連通
するノズルが形成され、前記第1の電極と前記振動板と
の間に生じる静電気力で前記振動板を変形させて前記イ
ンク流路内に圧力変化を生じさせ、当該インク流路内の
圧力変化で当該インク流路内のインクを前記ノズルから
インク滴として吐出させるインクジェット記録ヘッドの
製造方法であって、前記第1の電極を、前記第1の基板
表面に前記絶縁膜を形成して、当該絶縁膜に前記凹部を
形成する工程処理を経た後、エッチングレートの異なる
複数の導電性膜を積層する工程処理で形成し、前記第2
の電極を、前記第1の電極を覆う状態で絶縁体層を形成
するとともに前記凹部の前記第1の電極以外の領域の前
記絶縁膜をエッチングして前記第1の基板を露出させる
工程処理を行った後、前記露出した第1の基板上に少な
くとも前記第1の電極を構成する導電性膜と同じ導電性
膜を形成する工程処理を行って形成することにより、上
記目的を達成している。
【0034】上記構成によれば、第1の電極を、第1の
基板表面に絶縁膜を形成して、当該絶縁膜に凹部を形成
する工程処理を経た後、エッチングレートの異なる複数
の導電性膜を積層する工程処理で形成し、第2の電極
を、第1の電極を覆う状態で絶縁体層を形成するととも
に凹部の第1の電極以外の領域の絶縁膜をエッチングし
て第1の基板を露出させる工程処理を行った後、当該露
出した第1の基板上に少なくとも第1の電極を構成する
導電性膜と同じ導電性膜を形成する工程処理を行って形
成しているので、第2の電極を振動板と同電位とするた
めの端子を、第1の基板側、すなわち、インクジェット
記録ヘッドの基板の裏面側に形成可能とすることがで
き、画像品質及び信頼性を向上させることができるとと
もに、実装面積を縮小させて、小型で、高密度なインク
ジェット記録ヘッドを簡単かつ容易に製造することがで
きる。
【0035】上記請求項9の場合において、例えば、請
求項10に記載するように、前記第1の基板は、所定の
導電性の不純物を含んだシリコン基板であり、前記イン
クジェット記録ヘッドの製造方法は、前記凹部の前記第
1の電極以外の領域の前記絶縁膜をエッチングして、前
記第1の基板を露出させる工程処理を経た後、当該第1
の基板と同じ導電型の不純物イオンを注入する工程処理
を行ってもよい。
【0036】上記構成によれば、第1の基板を、所定の
導電性の不純物を含んだシリコン基板とし、凹部の第1
の電極以外の領域の絶縁膜をエッチングして、第1の基
板を露出させる工程処理を経た後、当該第1の基板と同
じ導電型の不純物イオンを注入する工程処理を行ってい
るので、第2の電極とシリコン基板である第1の基板と
の接触抵抗をさらに低減することができ、高速動作が可
能なインクジェット記録ヘッドを製造することができ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0038】図1〜図21は、本発明のインクジェット
記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法の
一実施の形態を示す図であり、図1は、本発明のインク
ジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製
造方法の一実施の形態を適用したインクジェット記録ヘ
ッド1の側面断面図、図2は、図1のインクジェット記
録ヘッド1のA−A矢視断面図、図3は、図1のインク
ジェット記録ヘッド1の平面図、図4は、図1のインク
ジェット記録ヘッドの部分断面平面図、図5は、図4の
B−B矢視断面図、図6〜図21は、図1のインクジェ
ット記録ヘッド1の製造プロセスを示す図である。
【0039】図1及び図2において、インクジェット記
録ヘッド1は、記録の必要なときにのみ、電極板に静電
気を印加してインク滴を吐出させる、いわゆるインクオ
ンデマンド型のインクジェット記録ヘッドであり、N型
シリコン基板で形成された第1の基板2上に絶縁膜3が
形成されている。絶縁膜3には、絶縁凹部3aが形成さ
れおり、絶縁膜3上に振動板部材4が形成されている。
【0040】振動板部材4には、振動板5が形成されて
おり、振動板部材4、特に、振動板5は、低抵抗シリコ
ン基板、本実施の形態では、N型シリコン基板を用いて
作製されている。この低抵抗シリコン基板である半導体
材料は、抵抗率が、0.1〜1Ωcmのものが用いられ
ている。
【0041】振動板部材4上には、第2の基板6が形成
されており、この第2の基板6と振動板部材4との間に
は、共通液室7、液体抵抗8、複数のインク液室(イン
ク流路)9及び各インク液室9毎のノズル孔10が形成
されている。
【0042】共通液室7には、インク供給部11に接続
された接続パイプ12及び接続パイプ12に接続された
インクチューブ13を通して図示しないインクカートリ
ッジからインクが供給され、共通液室7内のインクは、
インク液室9毎に形成された液体抵抗8を通して各イン
ク液室9に供給される。
【0043】各インク液室9のインクは、後述するよう
に、振動板5が振動する(撓む)ことで、加圧され、当
該インク液室9のノズル孔10からインク滴14とし
て、記録紙等の記録媒体15に噴出される。
【0044】上記絶縁膜3の絶縁凹部3a内のインク液
室9に対応する位置部分上には、第1の電極16が形成
されており、第1の電極16上の両端部には、図2に示
すように、絶縁膜(絶縁体層)17を挟んで第2の電極
18が形成されている。すなわち、第2の電極18は、
その中央部に、第1の電極16を振動板5に直接対向さ
せる開口部18aが形成された状態となっている。絶縁
膜17は、第1の電極16と第2の電極18とを絶縁し
て、両電極間のショートを防止しているとともに、第2
の電極18と同様に、第1の電極16を直接振動板5に
対向させるために、第2の電極18の開口部18aと同
様の開口部17aが形成されている。第1の電極16と
振動板5との対向間隔であるギャップ長G(図示略)
は、絶縁凹部3aの深さと第1の電極16の厚さとの差
になるように設定されており、第2の電極18と振動板
5との距離であるギャップ長Gは、後述するように、開
口部18aの形成されている領域における第1の電極1
6と振動板5との距離の3分の1よりも大きく設定され
ている。
【0045】そして、図3及び図4に示すように、第1
の電極16には、駆動回路19が接続されており、第2
の電極18及び振動板5は、共にアースに接続されて同
電位に設定されている。
【0046】また、上述のように、振動板5が低抵抗シ
リコン基板で作成されているため、第1の電極16は、
個別電極として機能し、振動板5が共通電極として機能
して、第1の電極16に駆動回路19から駆動電圧が印
加されると、第1の電極16にプラス電荷が帯電され
て、この静電気による吸引力で、振動板5を、図2に矢
印で示すように、第1の電極16方向に吸引する。とこ
ろが、第2の電極18には、絶縁膜17の容量分で決定
される電荷が蓄積されるのみとなり、振動板5に対して
静電気による吸引力を生じることがない。すなわち、第
2の電極18及び絶縁膜17の形成されていない部分、
すなわち、開口部17a、18aの形成されている有効
ギャップ領域にのみ、第1の電極16に帯電された電荷
による静電気力の吸引力が発生し、振動板5は、この吸
引力で第1の電極16側に撓む(変形する)。
【0047】次に、本実施の形態の作用を説明する。本
実施の形態のインクジェット記録ヘッド1は、インク吐
出タイミングにのみ第1の電極16に駆動電圧を印加し
て、インク滴14を吐出させる、いわゆるインクオンデ
マンド型のインクジェット記録ヘッドであり、振動板5
に残留する残留電荷の影響を防止して、インク吐出性能
を向上させたところにその特徴がある。
【0048】すなわち、インクジェット記録ヘッド1
は、第1の基板2上に形成された絶縁膜3の絶縁凹部3
a内のインク液室9に対応する位置部分上に、第1の電
極16が形成されており、第1の電極16上には、開口
部17a、18aを開けて第1の電極16と第2の電極
18とを絶縁する絶縁膜17を挟んで第2の電極18が
形成されている。そして、第1の電極16と振動板5と
の対向間隔であるギャップ長Gは、絶縁凹部3aの深さ
と第1の電極16の厚さとの差になるように設定されて
いる。
【0049】インクジェット記録ヘッド1は、第1の電
極16に駆動回路19から駆動電圧が印加されると、第
1の電極16にプラス電荷が帯電されて、この静電気に
よる吸引力で、振動板5を、図2に矢印で示したよう
に、第1の電極16方向に吸引するが、第2の電極18
には、絶縁膜17の容量分で決定される電荷が蓄積され
るのみとなり、振動板5に対して静電気による吸引力を
生じることがない。すなわち、第2の電極18及び絶縁
膜17の形成されていない部分、すなわち、開口部17
a、18aの形成されている有効ギャップ領域にのみ、
第1の電極16に帯電された電荷による静電気力の吸引
力が発生し、振動板5は、この吸引力で第1の電極16
側に撓む。
【0050】その後、さらに、駆動回路19から第1の
電極16に印加する駆動電圧をあげていくと、図5に示
すように、第1の電極16の静電気による吸引力が大き
くなり、振動板5が、さらに、第1の電極16方向に撓
んで、第2の電極18に接触して、それ以上撓まなくな
る。
【0051】振動板5が第2の電極18に接触している
部分では、振動板5と第2の電極板18が同じ電位であ
るため、電荷のやりとりは生じず、また、図5に示すよ
うに、振動板5は、第2の電極18と絶縁膜17の厚さ
で第1の電極16から離れた状態となり、振動板5と第
1の電極16とが接触することがない。
【0052】したがって、駆動回路19から第1の電極
16に駆動電圧を付与している間は、第1の電極16の
静電気による吸引力で振動板5を撓んだ状態とすること
ができる。
【0053】そして、一般に、振動板5の変位量は、静
電気による吸引力と振動板5自体の復元力が釣り合う位
置で決定されるため、振動板5の変位量がギャップ長G
の1/3(3分の1)を越えると、静電気による吸引力
が振動板5自体の復元力を大きく上回って、第1の電極
16側へ接触して、振動板5の変位量がギャップ長Gと
なる。
【0054】したがって、この特徴を利用して、振動板
5の変位量をギャップ長Gのみで一義的に決定すること
ができる。
【0055】そこで、本実施の形態では、第2の電極1
8と絶縁膜17を合計した膜厚(厚さ)をギャップ長G
の2/3(3分の2)よりも小さく形成することで、振
動板5を第1の電極16に接触させることなく、かつ、
可能なだけ第1の電極16に引きつけて、振動板5と第
1の電極16との対向間隔を一義的に決定している。す
なわち、第2の電極18と振動板5との距離をギャップ
長Gの1/3(3分の1)よりも大きく形成している。
【0056】したがって、ビット間バラツキを低減する
ことができるとともに、振動板5が第1の電極16と接
触して、振動板5に残留電荷が蓄積して残留電荷が作り
出す電界によって振動板5と第1の電極16との相対変
位量が低下することを防止することができ、インク液滴
の吐出量やインクスピードの低下等の吐出不良を防止す
ることができる。その結果、例えば、印字濃度や画素ず
れ等の印刷品質の不良や画素抜け等の信頼性の低下を防
止し、画像品質を向上させることができる。
【0057】このように、本実施の形態のインクジェッ
ト記録ヘッド1は、第1の電極16と振動板5との間に
生じる静電気力で変形してインク液室9内に圧力変化を
生じさせてインク液室9内のインクを当該インク液室9
に連通するノズル孔10から吐出させる振動板5と第1
の電極16との間に、振動板5と同電位の第2の電極1
8を配設し、当該第2の電極18に、第1の電極16を
振動板5に直接対面させる開口部18aを形成してい
る。
【0058】したがって、振動板5を第1の電極16の
静電気力で第2の電極18に近接するまで引きつけて、
振動板5と第1の電極16との対向間隔を一義的に決定
できるようにすることができるとともに、振動板5と同
電位の第2の電極18で振動板5と第1の電極16間に
残留電荷による相対変位量の低下が発生することを防止
することができ、連続パルスで駆動させた場合にも、長
期的に各ノズル孔10から吐出される1回当たりのイン
ク吐出量を一定にして、印字品質を向上させることがで
きるとともに、画素抜け等の発生を防止して、信頼性を
向上させることができる。
【0059】そして、上記インクジェット記録ヘッド
1、特に、第1の電極16から第2の電極18までの電
極部分は、以下の手順で、製造されている。
【0060】すなわち、図6及び図7に示すように、第
1の基板2として、N型シリコン基板を用い、この第1
の基板2上に、絶縁膜3となる1.5umの膜厚の酸化
膜20を形成する。この酸化膜20としては、熱酸化膜
であってもよいし、CVD酸化膜であってもよい。
【0061】次に、公知技術のフォトリソグラフィ及び
エッチング技術を用いて、図8及び図9に示すように、
酸化膜20の第1の電極16を形成する領域に、絶縁凹
部3aとなる深さ0.7umの溝21を形成する。
【0062】酸化膜20に溝21を形成すると、図10
及び図11に示すように、N型シリコン基板である第1
の基板2上の酸化膜20全面に、0.1umの膜厚の高
融点金属である窒化チタン膜22と、0.1umの膜厚
のN型不純物(例えば、リン)を高濃度に含んだポリシ
リコン膜23と、を形成して、第1の電極16となる部
分と、その後に振動板5に接合される部分と、をフォト
リソ技術によりレジスト24でマスクし、ドライエッチ
ングにより、SiCl4 系のガスを用いて窒化チタン膜
22とSiF6 系のガスを用いてポリシリコン膜23の
積層膜をパターニングする。
【0063】次に、図12及び図13に示すように、レ
ジスト24を除去した後、基板全面に、絶縁膜17とな
る0.15umの膜厚のCVD酸化膜25を形成し、第
1の電極16となる窒化チタン膜22とポリシリコン膜
23の積層膜を覆うようにフォトリソ技術によりレジス
トでマスクし、CF4/H2系のガスを用いてドライエッ
チングによりCVD酸化膜25をパターニングする。
【0064】次に、図14及び図15に示すように、基
板全面に第2の電極18となる0.05umの膜厚のN
型不純物(例えば、リン)を高濃度に含んだポリシリコ
ン膜26、すなわち、第1の電極16となるポリシリコ
ン膜23と同じ導電成膜を形成し、図16及び図17に
示すように、少なくとも有効ギャップ領域とその後振動
板5と接合される第1の電極16部分が開口するよう
に、フォトリソ技術によりレジスト27をパターニング
し、ドライエッチングにより、まず、最初にSiF6
のガスを用いてポリシリコン膜26をパターニングす
る。このとき、その後に振動板5と接合される部分上の
ポリシリコン膜23が除去され、窒化チタン膜22が残
る。
【0065】さらに、CF4/H2系のガスを用いてドラ
イエッチングを行って、CVD酸化膜25をパターニン
グする。このとき、その後に振動板5と接合される部分
上の窒化チタン膜22は、エッチングされることなく、
残存するが、第1の電極16上にはポリシリコン膜23
が露出されている状態になる。
【0066】次に、図18及び図19に示すように、レ
ジスト27を除去した後、アンモニア過水を用いたウエ
ットエッチングにより、その後に振動板5と接合される
部分の上の窒化チタン膜22を全面除去する。このと
き、第1の電極16であるポリシリコン膜23はアンモ
ニア過水ではほとんどエッチングされず、残存する。
【0067】なお、第1の電極16を構成する積層膜
は、エッチングレートが異なる2種類以上の膜であれば
上記窒化チタン膜22とポリシリコン膜23に限るもの
ではない。
【0068】次に、図20及び図21に示すように、別
プロセスで形成されたN型シリコンの振動板5を有する
振動板部材4を直接接合する。この場合、プロセス温度
が高温であるため、第1の電極16及び第2の電極18
は、高融点の導体膜を用いる必要があり、低融点のアル
ミなどは適さない。
【0069】このように、本実施の形態のインクジェッ
ト記録ヘッド1の製造方法では、第1の電極16を、エ
ッチングレートの異なる複数の導電性膜である窒化チタ
ン膜22とポリシリコン膜23を積層する工程処理で形
成し、第2の電極18を、第1の電極16を覆う絶縁膜
17となるCVD酸化膜25を形成する工程処理を経た
後、当該CVD酸化膜25上に第1の電極16と同じ導
電性膜を積層する工程処理で形成している。
【0070】したがって、振動板5を第1の電極16の
静電気力で第2の電極18に近接するまで引きつけて、
振動板5と第1の電極16との対向間隔を一義的に決定
できるようにするとともに、振動板5と同電位の第2の
電極18で振動板5と第1の電極16間に残留電荷によ
る相対変位量の低下が発生することを防止することがで
き、連続パルスで駆動させた場合にも、長期的に各ノズ
ル孔10から吐出される1回当たりのインク吐出量を一
定にして、印字品質を向上させることができるととも
に、画素抜け等の発生を防止して、信頼性を向上させる
ことのできるインクジェット記録ヘッド1を容易に製造
することができる。
【0071】次に、上記インクジェット記録ヘッド1の
他の製造方法、特に、電極形成方法の他の例について、
説明する。
【0072】なお、本製造方法においては、上記図6〜
図11までは、上記製造方法と同様のプロセスであり、
図6〜図11までと同様の製造プロセスを行って、第1
の電極16となる部分と、その後に振動板5に接合され
る部分と、をフォトリソ技術によりレジスト24でマス
クして、ドライエッチングにより、SiCl4 系のガス
を用いて窒化チタン膜22とSiF6 系のガスを用いて
ポリシリコン膜23の積層膜をパターニングする。
【0073】その後、図22及び図23に示すように、
基板全面に絶縁膜17となる0.15umの膜厚のCV
D酸化膜30を形成し、第1の電極16となる窒化チタ
ン膜22とポリシリコン膜23の積層膜を覆うように、
フォトリソ技術によりレジスト31でマスクし、CF4
/H2系のガスを用いてドライエッチングによりCVD
酸化膜30をパターニングする。このとき、N型シリコ
ン基板である第1の基板2上に形成された酸化膜20を
オーバーエッチングして、図22に示すように、N型シ
リコン基板である第1の基板2が露出するようにする。
【0074】次に、図24及び図25に示すように、露
出したN型シリコン基板である第1の基板2の表面に、
N型不純物32(例えば、ヒ素、リンなど)をイオン注
入法により注入し、N型拡散層33を形成する。
【0075】このようにN型拡散層33を形成すると、
後に形成される第2の電極18との接触抵抗を下げるこ
とができ、高速応答性を確保することができる。
【0076】次に、図26及び図27に示すように、レ
ジスト31を除去した後、基板全面に第2の電極18と
なる0.05umの膜厚のN型不純物(例えば、リン)
を高濃度に含んだポリシリコン膜34、すなわち、第1
の電極16となるポリシリコン膜23と同じ導電成膜を
形成し、図28及び図29に示すように、少なくとも有
効ギャップ領域とその後振動板5と接合される部分が開
口するように、フォトリソ技術によりレジスト35をパ
ターニングし、ドライエッチングにより、ポリシリコン
膜34とCVD酸化膜30をパターニングする。この工
程で振動板5と接合される部分上のポリシリコン膜34
も除去され、その下にある窒化チタン膜22が露出され
る。ここで高濃度のN型不純物を含んだポリシリコン膜
34を使用すると、後の直接接合などの高温プロセス時
に固相拡散により第1の基板16のN型シリコン基板2
表面に拡散して、接触抵抗を下げる作用が発揮され、前
述のイオン注入を行うことなく、高速応答を可能にする
ことができる。
【0077】次に、図30及び図31に示すように、レ
ジスト35を除去した後、アンモニア過水を用いたウエ
ットエッチングにより、その後振動板5と接合される部
分上の窒化チタン膜22を全面除去する。
【0078】次に、図32及び図33に示すように、別
プロセスで形成されたN型シリコンの振動板5となる振
動板部材4を直接接合する。
【0079】したがって、図6〜図21で説明した製造
プロセスで作製したインクジェット記録ヘッド1では、
第1の基板2上に第2の電極18の電位を取ることとな
るが、この場合は、図34に示すように、その分だけ、
インクジェット記録ヘッド1の面積が大きくなるが、上
述した図22〜図33の製造プロセスを用いると、図3
5に示すように、第2の電極18の電位を基板の裏面で
取ることができ、インクジェット記録ヘッド1の面積を
縮小化することができる。
【0080】このように、図22〜図33に示したイン
クジェット記録ヘッドの製造方法では、第1の電極16
を、第1の基板2表面に絶縁膜3となる絶縁膜20を形
成して、当該絶縁膜20に絶縁凹部3aとなる凹部を形
成する工程処理を経た後、エッチングレートの異なる複
数の導電性膜である窒化チタン膜22とポリシリコン膜
23を積層する工程処理で形成し、第2の電極18を、
第1の電極16を覆う状態で絶縁膜30を形成するとと
もに凹部(絶縁凹部3a)の第1の電極16以外の領域
の絶縁膜20をエッチングして第1の基板2を露出させ
る工程処理を行った後、絶縁膜30上に少なくとも第1
の電極16を構成する導電性膜であるポリシリコン膜2
3と同じ導電性膜であるポリシリコン膜34を形成する
工程処理を行って形成している。
【0081】したがって、第2の電極18を振動板5と
同電位とするための端子を、第1の基板2側、すなわ
ち、インクジェット記録ヘッド1の基板2の裏面側に形
成可能とすることができ、画像品質及び信頼性を向上さ
せることができるとともに、実装面積を縮小させて、小
型で、高密度なインクジェット記録ヘッド1を簡単かつ
容易に製造することができる。
【0082】また、第1の基板2を、所定の導電性の不
純物を含んだシリコン基板(N型シリコン基板)とし、
絶縁凹部3aである凹部の第1の電極16以外の領域の
絶縁膜20をエッチングして、第1の基板2を露出させ
る工程処理を経た後、当該第1の基板2と同じ導電型の
不純物イオン(ヒ素、リン等のN型不純物)を注入する
工程処理を行っている。
【0083】したがって、第2の電極18とシリコン基
板である第1の基板2との接触抵抗をさらに低減するこ
とができ、高速動作が可能なインクジェット記録ヘッド
1を製造することができる。
【0084】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0085】
【発明の効果】請求項1記載の発明のインクジェット記
録ヘッドによれば、第1の電極と振動板との間に生じる
静電気力で変形してインク流路内に圧力変化を生じさせ
てインク流路内のインクを当該インク流路に連通するノ
ズルから吐出させる振動板と第1の電極との間に、振動
板と同電位の第2の電極を配設し、当該第2の電極に、
第1の電極を振動板に直接対面させる開口部を形成して
いるので、振動板を第1の電極の静電気力で第2の電極
に近接するまで引きつけて、振動板と第1の電極との対
向間隔を一義的に決定できるようにすることができると
ともに、振動板と同電位の第2の電極で振動板と第1の
電極間に残留電荷による相対変位量の低下が発生するこ
とを防止することができ、連続パルスで駆動させた場合
にも、長期的に各ノズルから吐出される1回当たりのイ
ンク吐出量を一定にして、印字品質を向上させることが
できるとともに、画素抜け等の発生を防止して、信頼性
を向上させることができる。
【0086】請求項2記載の発明のインクジェット記録
ヘッドによれば、第2の電極を、第1の電極の形成され
ている絶縁膜を貫通して当該絶縁膜の形成されている第
1の基板に接続し、当該第1の基板を振動板に接続させ
て、当該振動板と同電位としているので、第2の電極を
振動板と同電位とするための端子を、第1の基板側、す
なわち、インクジェット記録ヘッドの基板の裏面側に形
成可能とすることができ、画像品質及び信頼性を向上さ
せることができるとともに、簡単かつ容易に実装面積を
縮小させて、インクジェット記録ヘッドを小型で、高密
度なものとすることができる。
【0087】請求項3記載の発明のインクジェット記録
ヘッドによれば、第1の電極を、エッチングレートの異
なる複数の導電性膜が積層された積層膜で形成している
ので、例えば、シリコンの振動板と第1の電極基板とを
直接接合する場合にも、第1の電極基板側の接合表面の
凹凸を最小限にすることができ、画像品質及び信頼性を
向上させることができるとともに、インクジェット記録
ヘッドを小型で、高密度なものとすることができる。
【0088】請求項4記載の発明のインクジェット記録
ヘッドによれば、第2の電極を、高濃度の不純物を含ん
だポリシリコン膜で形成しているので、第2の電極の電
位を振動板と同電位とするための電極端子をインクジェ
ット記録ヘッドの基板の裏面、すなわち、第1の基板側
から取る場合に、第1の基板としてシリコン基板を用い
ていると、この第1の基板との接触抵抗を小さくするこ
とができ、画像品質及び信頼性を向上させることができ
るとともに、簡単かつ容易に実装面積を縮小させて、イ
ンクジェット記録ヘッドを小型で、高密度なものとする
ことができる。
【0089】請求項5記載の発明のインクジェット記録
ヘッドによれば、第1の電極を、高融点金属膜で形成し
ているので、例えば、振動板としてシリコン基板を用い
た場合に、当該プロセス温度が高温であるシリコンの振
動板と第1の電極基板とを直接接合する場合にも、第1
の電極の特性が変化することを防止することができ、画
像品質及び信頼性を向上させることができるとともに、
インクジェット記録ヘッドを小型で、高密度なものとす
ることができる。
【0090】請求項6記載の発明のインクジェット記録
ヘッドによれば、第1の電極を、高濃度の不純物を含ん
だポリシリコン膜で形成しているので、例えば、例え
ば、振動板としてシリコン基板を用いた場合に、当該プ
ロセス温度が高温であるシリコンの振動板と第1の電極
基板とを直接接合する場合にも、第1の電極の特性が変
化することを防止することができ、画像品質及び信頼性
を向上させることができるとともに、インクジェット記
録ヘッドを小型で、高密度なものとすることができる。
【0091】請求項7記載の発明のインクジェット記録
ヘッドによれば、第2の電極と振動板との距離を、開口
部の形成されている領域における第1の電極と振動板と
の距離の3分の1よりも大きく設定しているので、残留
電荷の蓄積がない状態で振動板を第1の電極に接しない
までもできるだけ引きつけて、振動板と第1の電極との
対向間隔をより確実に一義的に決定することができ、連
続パルスで駆動させた場合にも、ビット間バラツキをよ
り一層低減させて、印字品質を向上させることができる
とともに、画素抜け等の発生を防止して、信頼性を向上
させることができる。
【0092】請求項8記載の発明のインクジェット記録
ヘッドの製造方法によれば、第1の電極と振動板との間
に生じる静電気力で変形してインク流路内に圧力変化を
生じさせてインク流路内のインクを当該インク流路に連
通するノズルから吐出させる振動板と第1の電極との間
に、振動板と同電位の第2の電極を配設し、当該第2の
電極に、第1の電極を振動板に直接対面させる開口部を
形成するに際して、第1の電極を、エッチングレートの
異なる複数の導電性膜を積層する工程処理で形成し、第
2の電極を、第1の電極を覆う絶縁体層を形成する工程
処理を経た後、当該絶縁体層上に第1の電極と同じ導電
性膜を積層する工程処理で形成しているので、振動板を
第1の電極の静電気力で第2の電極に近接するまで引き
つけて、振動板と第1の電極との対向間隔を一義的に決
定できるようにするとともに、振動板と同電位の第2の
電極で振動板と第1の電極間に残留電荷による相対変位
量の低下が発生することを防止することができ、連続パ
ルスで駆動させた場合にも、長期的に各ノズルから吐出
される1回当たりのインク吐出量を一定にして、印字品
質を向上させることができるとともに、画素抜け等の発
生を防止して、信頼性を向上させることのできるインク
ジェット記録ヘッドを容易に製造することができる。
【0093】請求項9記載の発明のインクジェット記録
ヘッドの製造方法によれば、第1の電極を、第1の基板
表面に絶縁膜を形成して、当該絶縁膜に凹部を形成する
工程処理を経た後、エッチングレートの異なる複数の導
電性膜を積層する工程処理で形成し、第2の電極を、第
1の電極を覆う状態で絶縁体層を形成するとともに凹部
の第1の電極以外の領域の絶縁膜をエッチングして第1
の基板を露出させる工程処理を行った後、当該露出した
第1の基板上に少なくとも第1の電極を構成する導電性
膜と同じ導電性膜を形成する工程処理を行って形成して
いるので、第2の電極を振動板と同電位とするための端
子を、第1の基板側、すなわち、インクジェット記録ヘ
ッドの基板の裏面側に形成可能とすることができ、画像
品質及び信頼性を向上させることができるとともに、実
装面積を縮小させて、小型で、高密度なインクジェット
記録ヘッドを簡単かつ容易に製造することができる。
【0094】請求項10記載の発明のインクジェット記
録ヘッドの製造方法によれば、第1の基板を、所定の導
電性の不純物を含んだシリコン基板とし、凹部の第1の
電極以外の領域の絶縁膜をエッチングして、第1の基板
を露出させる工程処理を経た後、当該第1の基板と同じ
導電型の不純物イオンを注入する工程処理を行っている
ので、第2の電極とシリコン基板である第1の基板との
接触抵抗をさらに低減することができ、高速動作が可能
なインクジェット記録ヘッドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッド及びインク
ジェット記録ヘッドの製造方法の第1の実施の形態を適
用したインクジェット記録ヘッドの側面断面図。
【図2】図1のインクジェット記録ヘッドのA−A矢視
断面図。
【図3】図1のインクジェット記録ヘッドの平面図。
【図4】図1のインクジェット記録ヘッドの部分断面平
面図。
【図5】図4のインクジェット記録ヘッドのB−B矢視
断面図。
【図6】図1のインクジェット記録ヘッドの製造方法を
示すもので、第1の基板としてのN型シリコン基板上に
酸化膜を形成した状態の側面断面図。
【図7】図6の基板の中央部分での正面断面図。
【図8】図6及び図7の酸化膜の第1の電極形成領域に
溝を形成した状態の側面断面図。
【図9】図8の基板の中央部分での正面断面図。
【図10】図8及び図9の第1の基板上の酸化膜全面に
窒化チタン膜とポリシリコン膜を形成して、レジストで
マスクした後、ドライエッチングでパターニングした状
態の側面断面図。
【図11】図10の基板の中央部分での正面断面図。
【図12】図10及び図11のレジストを除去した後、
基板全面にCVD酸化膜を形成し、第1の電極となる部
分の上部にのみドライエッチングでCVD酸化膜をパタ
ーニングした状態の側面断面図。
【図13】図12の基板の中央部分での正面断面図。
【図14】図12及び図13の基板全面に第2の基板電
極となるポリシリコン膜を形成した状態の側面断面図。
【図15】図14の基板の中央部分での正面断面図。
【図16】図14及び図15のポリシリコン膜上にレジ
ストを形成して、ポリシリコン膜が露出するようにドラ
イエッチングでパターニングした状態の側面断面図。
【図17】図16の基板の中央部分での正面断面図。
【図18】図16及び図17のレジストを除去した状態
の側面断面図。
【図19】図18の基板の中央部分での正面断面図。
【図20】図18及び図19の基板に振動板を接合した
状態の側面断面図。
【図21】図20の基板の中央部分での正面断面図。
【図22】図1のインクジェット記録ヘッドの他の製造
方法を示すもので、図10及び図11のレジストを除去
した後、基板全面にCVD酸化膜を形成し、第1の電極
となる部分の上部にのみドライエッチングでCVD酸化
膜をパターニングした状態の側面断面図。
【図23】図22の基板の中央部分での正面断面図。
【図24】図22及び図23の露出した第1の基板部分
にN型拡散層を形成した状態の側面断面図。
【図25】図24の基板の中央部分での正面断面図。
【図26】図24及び図25のレジストを除去した後、
基板全面に第2の電極となるポリシリコン膜を形成した
状態の側面断面図。
【図27】図26の基板の中央部分での正面断面図。
【図28】図26及び図27の第1の電極上に、第1の
電極上が開口するようにレジストを形成した後、第1の
電極上のポリシリコン膜とCVD酸化膜をドライエッチ
ングでパターニングしている状態の側面断面図。
【図29】図28の基板の中央部分での正面断面図。
【図30】図28及び図29のレジストを除去した後、
ウエットエッチングにより中央部分上のポリシリコン膜
を全面除去した状態の側面断面図。
【図31】図30の基板の中央部分での側面断面図。
【図32】図30及び図31の基板に振動板を接合した
状態の側面断面図。
【図33】図32の基板の中央部分での側面断面図。
【図34】図1のインクジェット記録ヘッドの第1の基
板上に第2の電極の電位を取る場合の要部平面図。
【図35】上記作製プロセスで作製したインクジェット
記録ヘッドの第2の電極の電位を基板裏面で取る場合の
要部平面図。
【符号の説明】
1 インクジェット記録ヘッド 2 第1の基板 3 絶縁凹部 4 振動板部材 5 振動板 6 第2の基板 7 共通液室 8 液体抵抗 9 インク液室 10 ノズル孔 11 インク供給部 12 接続パイプ 13 インクチューブ 14 インク滴 15 記録媒体 16 第1の電極 17 絶縁膜 18 第2の電極 19 駆動回路 20 酸化膜 21 溝 22 窒化チタン膜 23 ポリシリコン膜 24 レジスト 25 CVD酸化膜 26 ポリシリコン膜 27 レジスト 30 CVD酸化膜 31 レジスト 32 N型不純物 33 N型拡散層 34 ポリシリコン膜 35 レジスト

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の基板上に絶縁膜が形成され、当該絶
    縁膜に列状に形成された複数の凹部内に複数の第1の電
    極が形成され、前記第1の電極上にそれぞれ振動板が位
    置する状態で前記絶縁膜上に振動板部材が配設され、前
    記振動板部材上に第2の基板が配設されて、当該第2の
    基板と前記複数の振動板との間にそれぞれインク流路が
    形成されるとともに当該各インク流路に連通するノズル
    が形成され、前記第1の電極と前記振動板との間に生じ
    る静電気力で前記振動板を変形させて前記インク流路内
    に圧力変化を生じさせ、当該インク流路内の圧力変化で
    当該インク流路内のインクを前記ノズルからインク滴と
    して吐出させるインクジェット記録ヘッドであって、前
    記振動板と前記第1の電極との間に、前記振動板と同電
    位の第2の電極が配設されており、当該第2の電極に、
    前記第1の電極を前記振動板に直接対面させる開口部が
    形成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】前記第2の電極は、前記絶縁膜を貫通して
    前記第1の基板に接続され、当該第1の基板が前記振動
    板に接続されて、当該振動板と同電位とされていること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】前記第1の電極は、エッチングレートの異
    なる複数の導電性膜が積層された積層膜で形成されてい
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】前記第2の電極は、高濃度の不純物を含ん
    だポリシリコン膜で形成されていることを特徴とする請
    求項1から請求項3のいずれかに記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  5. 【請求項5】前記第1の電極は、高融点金属膜で形成さ
    れていることを特徴とする請求項1から請求項4のいず
    れかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】前記第1の電極は、高濃度の不純物を含ん
    だポリシリコン膜で形成されていることを特徴とする請
    求項1から請求項4のいずれかに記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  7. 【請求項7】前記第2の電極と前記振動板との距離は、
    前記開口部の形成されている領域における前記第1の電
    極と前記振動板との距離の3分の1よりも大きく設定さ
    れていることを特徴とする請求項1から請求項6のいず
    れかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】第1の基板上に絶縁膜が形成され、当該絶
    縁膜に列状に形成された複数の凹部内に複数の第1の電
    極が形成され、前記第1の電極上にそれぞれ振動板が位
    置する状態で前記絶縁膜上に振動板部材が配設され、前
    記振動板部材上に第2の基板が配設されて、当該第2の
    基板と前記複数の振動板との間にそれぞれインク流路が
    形成されるとともに当該各インク流路に連通するノズル
    が形成され、前記第1の電極と前記振動板との間に生じ
    る静電気力で前記振動板を変形させて前記インク流路内
    に圧力変化を生じさせ、当該インク流路内の圧力変化で
    当該インク流路内のインクを前記ノズルからインク滴と
    して吐出させるインクジェット記録ヘッドの製造方法で
    あって、前記第1の電極を、エッチングレートの異なる
    複数の導電性膜を積層する工程処理で形成し、前記第2
    の電極を、前記第1の電極を覆う絶縁体層を形成する工
    程処理を経た後、当該絶縁体層上に前記第1の電極と同
    じ導電性膜を積層する工程処理で形成することを特徴と
    するインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】第1の基板上に絶縁膜が形成され、当該絶
    縁膜に列状に形成された複数の凹部内に複数の第1の電
    極が形成され、前記第1の電極上にそれぞれ振動板が位
    置する状態で前記絶縁膜上に振動板部材が配設され、前
    記振動板部材上に第2の基板が配設されて、当該第2の
    基板と前記複数の振動板との間にそれぞれインク流路が
    形成されるとともに当該各インク流路に連通するノズル
    が形成され、前記第1の電極と前記振動板との間に生じ
    る静電気力で前記振動板を変形させて前記インク流路内
    に圧力変化を生じさせ、当該インク流路内の圧力変化で
    当該インク流路内のインクを前記ノズルからインク滴と
    して吐出させるインクジェット記録ヘッドの製造方法で
    あって、前記第1の電極を、前記第1の基板表面に前記
    絶縁膜を形成して、当該絶縁膜に前記凹部を形成する工
    程処理を経た後、エッチングレートの異なる複数の導電
    性膜を積層する工程処理で形成し、前記第2の電極を、
    前記第1の電極を覆う状態で絶縁体層を形成するととも
    に前記凹部の前記第1の電極以外の領域の前記絶縁膜を
    エッチングして前記第1の基板を露出させる工程処理を
    行った後、前記露出した第1の基板上に少なくとも前記
    第1の電極を構成する導電性膜と同じ導電性膜を形成す
    る工程処理を行って形成することを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】前記第1の基板は、所定の導電性の不純
    物を含んだシリコン基板であり、前記インクジェット記
    録ヘッドの製造方法は、前記凹部の前記第1の電極以外
    の領域の前記絶縁膜をエッチングして、前記第1の基板
    を露出させる工程処理を経た後、当該第1の基板と同じ
    導電型の不純物イオンを注入する工程処理を行うことを
    特徴とする請求項9記載のインクジェット記録ヘッドの
    製造方法。
JP2000220578A 2000-07-21 2000-07-21 インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法 Pending JP2002036543A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220578A JP2002036543A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000220578A JP2002036543A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002036543A true JP2002036543A (ja) 2002-02-05

Family

ID=18715160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000220578A Pending JP2002036543A (ja) 2000-07-21 2000-07-21 インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002036543A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8957459B2 (en) 2011-07-26 2015-02-17 Renesas Electronics Corporation Semiconductor device including memory cell with transistors disposed in different active regions

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8957459B2 (en) 2011-07-26 2015-02-17 Renesas Electronics Corporation Semiconductor device including memory cell with transistors disposed in different active regions

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5002030B2 (ja) インクジェットプリントヘッドの圧電アクチュエータ及びその形成方法
EP0943440A2 (en) Ink jet recording head and manufacturing method thereof
JP4638750B2 (ja) インクジェットプリントヘッドの圧電アクチュエータ、及びその形成方法
KR100506082B1 (ko) 반구형 잉크 챔버를 가진 잉크 젯 프린트 헤드의 제조 방법
US6454395B1 (en) Electrostatic inkjet head and manufacturing method thereof
JP2002036543A (ja) インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録ヘッドの製造方法
US6354696B1 (en) Ink-jet head
JP2002321357A (ja) インクジェットヘッド
JP2000318155A (ja) 静電型アクチュエータ及びその製造方法
JP2000177122A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JPH11157060A (ja) インクジェットヘッド
JP3594808B2 (ja) インクジェットヘッド
US7780267B2 (en) Recording head for ink-jet recording apparatus
JP4072935B2 (ja) 液滴を吐出するヘッド及び画像形成装置
JP2013000911A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP3942810B2 (ja) 静電型インクジェットヘッドおよびその製造方法
JP2002019128A (ja) 静電アクチュエータ、静電アクチュエータの製造方法、アクチュエータを用いたインクジェット用ヘッドおよびインクジェット用ヘッドを用いた画像形成装置
JP2002127415A (ja) 液滴吐出ヘッド及びその製造方法
JP2002120368A (ja) 静電型インクジェットヘッド及びその製造方法
JPH09300630A (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JP2002254636A (ja) インクジェットヘッド
JP2001010036A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置
JP2000168077A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JPH11300959A (ja) インクジェットヘッド
JP3883096B2 (ja) 液滴吐出ヘッド及びその製造方法