JP2002018367A - 真空チャンバー用拭き取り材およびその製造方法 - Google Patents

真空チャンバー用拭き取り材およびその製造方法

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JP2002018367A JP2000199972A JP2000199972A JP2002018367A JP 2002018367 A JP2002018367 A JP 2002018367A JP 2000199972 A JP2000199972 A JP 2000199972A JP 2000199972 A JP2000199972 A JP 2000199972A JP 2002018367 A JP2002018367 A JP 2002018367A
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Yukio Sato
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Inoac Technical Center Co Ltd
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    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡径等の制御が容易であると共に、シリコ
ン系界面活性剤を使用せずに発泡させたポリウレタン発
泡体を使用することで、充分に粘性泥状物の拭き取り性
能および保水性を備え得る真空チャンバー用拭き取り材
と、その製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリウレタン発泡体を材質とし、このポ
リウレタン発泡体を製造するに際し、整泡剤としてHL
B値が9〜20の範囲にある非シリコン系界面活性剤を
使用し、気泡径が500〜3000μmの範囲にあり、
シリコンフリーとなるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シリコンウェハ
ー製作に使用される真空チャンバー用の拭き取り材およ
びその製造方法に関し、更に詳細には、ポリウレタン発
泡体を材質とし、充分な保湿性および拭き取り性を確保
し得る真空チャンバー用拭き取り材と、この拭き取り材
を好適に製造し得る方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータチップ等の製造に不可欠な
シリコンウェハーは、所要の基材に、真空状態下でタン
グステン、アルミニウム、銅等の金属を蒸着させる工程
を経て製造される。この工程では、真空チャンバーが使
用されているが、前記各種金属の蒸着過程で、イオン化
した金属が該真空チャンバーの内壁に粘性の泥状物(現
場用語で「デボ物」と称する)として蒸着し経時的に層
状に生長することが知られている。このように真空チャ
ンバー内部に蒸着した粘性泥状物は、基材に対する蒸着
の不均一化や、蒸着効率の低下を招くと共に、不純物を
混入させたりする等の悪影響を与えるため、その蒸着状
況に応じて完全除去作業が行なわれる。
【0003】前記完全除去作業は、固化した前記泥状
物の表面を研磨パッド等を使用して削り落しを行ない、
除去された固化泥状物の下にある粘性泥状物を洗浄液
を染み込ませた拭き取り材で拭き取り除去を行ない、
最終的に前記拭き取り材で、真空チャンバー内壁面を基
材への蒸着に影響がなくなるまで拭き取って仕上げる各
工程を要している。なお前記およびの各工程には、
基材への蒸着に悪影響を与えるシリコンを含有せず、ま
たリント(細かい糸くず)等も殆ど含まない、例えばセル
ロース製の不織布が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記不織布を使
用して除去作業を行なう場合、前記蒸着物が粘性を有す
る泥状物であることや、拭き取り作業に洗浄液を使用す
ること等に起因して大量の不織布が必要とされる。一例
を挙げれば、一回当たり平均して約30枚の不織布を使
用し、作業は累計15回程行なわれるため、真空チャン
バー1基当たりの拭き取りには約450枚もの不織布が
使用されることになる。前記セルロースの不織布には、
再生材を利用した比較的安価な製品もあるが、粘性泥状
物の拭き取り条件のハードルが高いため、使用量がどう
しても多くならざるを得ない。しかも以後の再利用は困
難であることから、全体としてランニングコストが嵩ん
でしまう欠点を内在している。
【0005】また不織布は基本的に布であるので目詰ま
りが起こり易く、粘性泥状物の掻き取りおよび拭き取り
性能はさほど良好でない。また繊維集合体であるため
に、少量とはいえリントが不回避的に発生してしまう欠
点が指摘される。更に個々の不織布は厚みがないため、
手で持って作業する際の取り扱い性が低い難点も指摘さ
れる。
【0006】そこで前記不織布の他に、スポンジ状の各
種発泡体を拭き取り材として使用することも考えられ
る。この発泡体の場合、作業者が手で握るに適した厚み
を容易に確保し得るので取り扱い性が高く、また作業後
の洗浄により粘性泥状物や洗浄液を除去することも容易
であって、しかもリントの発生もない等の利点がある。
しかるに前記発泡体では、その発泡過程で整泡剤として
シリコン系界面活性剤が使用される。このため前記発泡
体を真空チャンバー内部の拭き取りに使用すると、チャ
ンバー内壁にシリコンを残留させてしまい、これが製造
されるシリコンウェハー等に不純物として混入してしま
うという重大な欠点がある。
【0007】
【発明の目的】この発明は、真空チャンバー用拭き取り
材の使用に当たって顕在化する前記問題に鑑み、これを
好適に解決するべく提案されたものであって、気泡径等
の制御が容易であると共に、シリコン系界面活性剤を使
用せずに発泡させたポリウレタン発泡体を使用すること
で、充分に粘性泥状物の拭き取り性能および保水性を備
え得る真空チャンバー用拭き取り材と、その製造方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本発明の真空チャンバー用拭き取
り材は、シリコンウェハー製作に使用される真空チャン
バー用のポリウレタン発泡体を材質とする拭き取り材で
あって、このポリウレタン発泡体はシリコンフリーで気
泡の径を500〜3000μmの範囲に制御した連続性
気泡構造を有していることを特徴とする。
【0009】前記課題を克服し、所期の目的を達成する
ため本願の別の発明に係る真空チャンバー用拭き取り材
の製造方法は、シリコンウェハー製作に使用される真空
チャンバー用のポリウレタン発泡体を材質とする拭き取
り材の製造方法であって、少なくともポリオールおよび
トリレンジイソシアネートを予め混合してイソシアネー
ト基末端プレポリマーを作製し、前記イソシアネート基
末端プレポリマーに、HLB値が9〜20の範囲にある
非シリコン系界面活性剤、各種添加材および水を混合
し、この混合物を反応・発泡させることで、得られた拭
き取り材の気泡径が、500〜3000μmの範囲にあ
ってシリコンフリーとなっているように制御したことを
特徴とする。
【0010】前記課題を克服し、所期の目的を達成する
ため本願の更に別の発明に係る真空チャンバー用拭き取
り材の製造方法は、シリコンウェハー製作に使用される
真空チャンバー用のポリウレタン発泡体を材質とする拭
き取り材の製造方法であって、少なくともポリオール
と、トリレンジイソシアネートと、非シリコン系界面活
性剤と、各種添加材と、水とを混合し、この混合物を反
応・発泡させることで、得られた拭き取り材の気泡径
が、500〜3000μmの範囲にあってシリコンフリ
ーとなっているように制御したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る真空チャンバ
ー用拭き取り材およびその製造方法につき、好適な実施
例を挙げて、添付図面を参照しながら以下に説明する。
本願の発明者は、真空チャンバーの内壁にイオン化金属
が蒸着した泥状物を拭き取るための拭き取り材としてポ
リウレタン発泡体を採用するに際して、整泡剤として非
シリコン系の界面活性剤を利用してシリコンフリーとす
ると共に、気泡径を特定の範囲内に制御することで効率
的で真空チャンバー内を不純物等で汚染することのない
拭き取りをなし得る拭き取り材と、その製造方法とを知
見したものである。また保水性を向上させるために、水
に馴染みやすい、所謂水ウレタンを用いることで、より
効果的な拭き取りが可能であることを確認した。
【0012】本発明の好適な実施例に係る拭き取り材1
0は、図1および図2に示す如く、連通構造となってい
る気泡12を有するスポンジ状のポリウレタン発泡体を
基材とし、拭き取り時の取り扱い性を向上させるべく所
要の厚みを有している。前記拭き取り材10の形状は、
殊に限定されるものではなく、使用される部位に応じて
所要の形状が付与される。
【0013】前記気泡12は、前記拭き取り材10内に
水分の保持並びに粘性泥状物の拭き取りおよび保持を容
易になし得るように、3次元的に連通した構造であるこ
とが好ましい(図2参照)。そして前記気泡12の大きさ
(気泡径)としては、500〜3000μm程度の範囲が
好適であり、殊に1000〜2000μm程度が最も好
適である。この気泡径は、小さすぎると従来技術の不織
布と同様に目詰まりを生じて拭き取り性が低下し、また
大きすぎても同じく拭き取り性が低下する。
【0014】
【製造方法】実施例に係る前記拭き取り材10となるポ
リウレタン発泡体の製造方法を、図3および図4を参照
にして以下に説明する。
【0015】前記拭き取り材10を形成する発泡体とし
ては、その整泡剤としてシリコン系界面活性剤を使用し
ないポリウレタン発泡体が使用される。すなわち予めポ
リオールおよびTDI(トリレンジイソシアネート)か
ら、イソシアネート基末端プレポリマーを作製し、該プ
レポリマーと、整泡剤としてのHLB値が9〜20の範
囲にある非シリコン系界面活性剤と、各種添加物と、水
とを混合し、この混合物を例えばスラブ発泡により、反
応・発泡させることで得られる親水性の、所謂水ウレタ
ンからなる発泡体が好適である
【0016】前記整泡剤であるシリコン系界面活性剤の
代替物としては、例えばアニオン、カチオン、ノニオン
または両性イオン界面活性剤等の非シリコン系界面活性
剤が好適に使用される。これらの使用によりシリコンフ
リーなポリウレタン発泡体が作製可能である。また前記
各種の添加剤としては、アミン触媒、スズ触媒等の重合
触媒といった重合等に必要な各薬剤が挙げられる。
【0017】先に簡単に説明した親水性の高い水ウレタ
ンからなるポリウレタン発泡体と、それ以外のポリウレ
タン発泡体とでは製造方法が異なるので、図3を参照に
して個別に説明する。
【0018】「水ウレタンからなるポリウレタン発泡体
から拭き取り材を製造する場合」この工程は、基本的に
プレポリマー製造段階S1、混合段階S2、発泡・成形
段階S3および最終段階S4からなる(図3の参照)。
【0019】前記プレポリマー製造段階S1は、後述の
混合段階S2において、水との反応により発泡を起こさ
せるべく、予めポリオールおよびTDIを混合して、イ
ソシアネート基末端プレポリマーを製造する段階であ
る。一例を挙げれば、ポリオールとしてポリエチレング
リコール80重量部と、TDIとしての2,4、2,6ト
リレンジイソシアネート20重量部と、架橋剤として作
用するトリメチロールプロパンとを混合することで行な
われる。
【0020】前記混合段階S2は、前記プレポリマー製
造段階S1で得られたイソシアネート基末端プレポリマ
ーに対して、非シリコン界面活性剤、水および各種添加
材を混合し、反応・発泡前の混合物を得る段階である。
【0021】前記発泡・成形段階S3は、前記混合段階
S2で得られた混合物をスラブ発泡等を行なうことで、
反応・発泡させて所要形状のポリウレタン発泡体を得る
段階である。この製造方法の場合、水が重合開始剤とし
て作用するため、親水性のポリウレタン発泡体が製造さ
れる。水ウレタンの場合、前記気泡12の内部だけでな
く、ウレタンの骨部にも水分が浸透するので高い保水性
を有する特徴がある。
【0022】本発泡・成形段階S3で使用されるスラブ
発泡による製造装置30は、図4に示す如く、移送コン
ベア32の移送方向における上面左右に所要間隔(例え
ば2m)にサイドウォール34,34を配設し、所定速度
で回転する前記移送ンベア32の上面に原料注出ヘッド
36から前記混合物を連続的に注入することにより、ポ
リウレタン発泡体を連続的に製造する方法である。この
製造方法では、前記移送コンベア32および左右のサイ
ドウォール34,34によって下面および左,右側面の3
面が規制され、かつ上面が規制されていない空間内で混
合物が連続的に自然発泡するようになり、例えば前記ポ
リウレタン発泡体は、幅W=2m,高さH=1m,長さが
10m以上の大きさに成形される。そして、この発泡体
を後述の最終段階S4で適宜寸法・形状に切断・加工す
ることで所望形状の拭き取り材10が得られる。
【0023】以上の段階を経て得られたポリウレタン発
泡体は、最終的に洗浄、商品形状への加工および検査を
行なう最終段階S4を経ることで完成に至る。
【0024】なお、前記イソシアネート基末端プレポリ
マーに含有されるイソシアネート基含有量は、3〜26
重量%程度が好適である。このイソシアネート基の含有
量は粘度に影響を与えるものであり、その含有量が少な
すぎると前記プレポリマーの粘度が高くなりすぎ、多す
ぎると発泡時に形状の保持が困難となってしまい、何れ
の場合でも、好適な発泡体を得ることが困難になってし
まう。イソシアネート基含有量については、下記の「そ
の他のウレタンからなるポリウレタン発泡体から拭き取
り材を製造する場合」でも同様である。
【0025】「その他のウレタンからなるポリウレタン
発泡体から拭き取り材を作製する場合」この工程は、基
本的に混合段階S5、発泡・成形段階S3および最終段
階S4からなるが(図3の参照)、その内の発泡・成形
段階S3および最終段階S4については、前述の「水ウ
レタンからなるポリウレタン発泡体から拭き取り材を製
造する場合」と同じであるので記載を省略する。
【0026】前記混合段階S5は、ポリオール、TD
I、非シリコン系界面活性剤、水および各種添加材とを
混合し、反応・発泡前の混合物を得る段階である。本方
法により製造されたポリウレタン発泡体の場合、気泡1
2の内部だけに水分を保持することになるので、前記水
ウレタンに比べて保水性が低い。以下、発泡・成形段階
S3および最終段階S4を経ることで、所要形状に成形
された拭き取り材10が完成する
【0027】前述したポリウレタン発泡体における気泡
径の制御は、整泡剤である非シリコン系界面活性剤の添
加量およびHLB値等の物性値と、反応に使用される水
およびイソシアネート基のモル比等とにより決定され
る。水ウレタンの場合を例を挙げれば、イソシアネート
基末端プレポリマー100重量部に対して、HLB値1
0の非シリコン系界面活性剤1重量部を添加し、水:イ
ソシアネート基=21.2:1の場合には、気泡径12
00μm、セル数24個/25mmのポリウレタン発泡
体が得られ、イソシアネート基末端プレポリマー100
重量部に対して、HLB値4の非シリコン界面活性剤1
重量部を添加し、水:イソシアネート基=22.3:1
の場合には、気泡径500μm、セル数44個/25m
mのポリウレタン発泡体が得られた。
【0028】前述の条件の中で最も重要な指標はHLB
値であり、このHLB値とは、界面活性剤の親水度/疎
水度のバランスを表すものである。本発明に使用される
非シリコン系界面活性剤の場合、このHLB値は0〜2
0の間の数値を取っており、この数値が0に近いほど疎
水性が高く、逆に20に近いほど親水性が高いことを表
している。そして、親水度が高いほど、すなわちHLB
値が大きいほど、前記気泡12の大きさも比例的に大き
くなる知見が得られており、この値により好適な気泡径
に制御される。
【0029】なお前述の製造方法では、スラブ発泡によ
る製造装置30によりポリウレタン発泡体を得て、しか
る後に所要の切断・加工を施して拭き取り材としたが、
混合物の反応・発泡による膨張の度合および使用される
キャビティの大きさ等の条件や、スキン層除去等の後加
工を施し得るものであれば、成形型を使用した製造方法
も利用し得る。この場合、複雑な形状を有する拭き取り
材を容易に製造し得るものである。
【0030】
【実験例】以下に実施例に係る真空チャンバー用拭き取
り材を使用した拭き取り性の実験例を示す。
【0031】使用試験片: 試験体A:親水性ポリウレタン発泡体(商品名 Lendell
フォーム NS−8000;イノアックコーポレーション
製) 試験体B:親水性ポリウレタン発泡体(商品名 Lendell
フォーム MI−5000;イノアックコーポレーション
製) 試験体C:セルロース不織布(商品名 ベンコット;旭化
成製) 試験体D:ウレタンフォーム(商品名 ウルトラソルブ;
ウィルシャー製) 試験体E:疎水性ポリウレタン発泡体(商品名 MF−
8;イノアックコーポレーション製) 試験体F:疎水性ポリウレタン発泡体(商品名 CFH−
20;イノアックコーポレーション製)
【0032】上記6種類の試験体を使用して、10mm
×60mm×120mmの大きさの各試験体を作製して
実験に使用した。試験体Cのセルロース不織布について
は、24枚を重ねて厚さを10mm程度に設定した。
【0033】実験方法:前記各試験体を使用して、所定
加圧下でガラス板上に置かれた粘性泥状物を拭き取り、
拭き取り前および拭き取り後の粘性泥状物の重量変化を
測定し、拭き取り率として評価した。また前記各試験体
をそのまま使用して拭き取り試験を行なう乾燥時拭き取
り試験と、充分に純水を含ませてから、余分な純水を絞
り出した状態にした保水時拭き取り試験とを行なった。
【0034】実験手順:図5に示す如く、前記粘性泥状
物の基として、JIS Z 8901に規定される試験用
ダスト(関東ローム粉:細粒 平均粒径6.7μm)を使用
し、蒸留水に100重量部に対して70重量部投入して
試験試料を作製し、ガラス板上に1.5g滴下した(図5
(a)参照)。続いて前記試験試料を覆うように各試験体
を置き、拭き取る際に加える力の代わりとして、重り
(アルミブロック292g)を更に試験体上方に載置した
(図5(b)参照)。その状態から前記試験体を手前に引
き、試験試料を拭き取る(図5(c)参照)。最後に拭き取
り後に残った試験試料を集めて、その重さを計測した
(図5(d)参照)。
【0035】実験結果:下記の表1および表2に、各試
験体の気泡径等の諸物性並びに保水時および乾燥時の夫
々の拭き取り率を併せて記す。
【0036】
【0037】結果:表1から分かるように、従来使用さ
れていた不織布である試験体Cや、殊に特化されていな
い発泡体である試験体Dを使用した場合に較べて、本発
明に係るポリウレタン発泡体である試験体AおよびBで
は、その拭き取り率が格段に良くなっている。また気泡
径の異なる試験体AおよびBを比べた場合では、気泡径
が1200μmと大きい試験体Aの方が良い結果を示し
た。更に同一の気泡径で、かつ親水性/疎水性が異なる
試験体AおよびFと較べた場合、親水性の高い試験体A
がより高い拭き取り率を発揮している。
【0038】気泡径による拭き取り率の違いも、試験体
A、BおよびC〜Fを較べることで、1000〜150
0μm程度に最適点があると推察され、500μm以下
や、3000μm以上では、拭き取り率が低下すること
が確認された。
【0039】表1および表2の結果から、発泡体に関し
ては、乾燥時より適度に水分を持たせた保水時の方がよ
り高い効率で拭き取り可能であることが分かった。これ
は前述の親水性を有する水ウレタンから作製されるポリ
ウレタン発泡体の拭き取り率が、疎水性のポリウレタン
発泡体の拭き取り率より高い事実を裏付けている。
【0040】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る真空
チャンバー用拭き取り材およびその製造方法によれば、
拭き取り性能の良い気泡径並びに形状および大きさを有
するシリコンフリーのポリウレタン発泡体を作製するこ
とが出来る。得られた拭き取り材は、洗浄による再利用
が容易であって、拭き取りに必要とされるコストを低減
させ得ると共に、省資源の観点からの配慮もなされてい
る。更に親水性の高い水ウレタンからなるポリウレタン
発泡体から拭き取り材を得ることで、より効率の良い拭
き取りも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る真空チャンバー用
拭き取り材の概略斜視図である。
【図2】図1に示す拭き取り材の表面の拡大写真図であ
る。
【図3】真空チャンバー用拭き取り材を製造する方法の
工程図である。
【図4】図3に示す製造工程で使用される製造装置の概
略図であって、(a)は移送コンベア上に注出した混合物
が発泡してポリウレタン発泡体が成形される状態を示す
正面図、(b)は(a)のX−X線断面図である。
【図5】実験例に係る実験方法を示す段階図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B074 AA03 AC02 3B116 AA32 AB51 BA08 CC05 4J034 CA05 CB04 CC03 CE01 DA01 DB04 DC50 DG03 HA01 HA07 HA11 HC12 HC61 HC73 JA42 KB02 KC17 KD12 KE02 MA29 NA03 NA05 QB15 QC01 QD03 RA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンウェハー製作に使用される真空
    チャンバー用のポリウレタン発泡体を材質とする拭き取
    り材であって、 このポリウレタン発泡体はシリコンフリーで気泡の径を
    500〜3000μmの範囲に制御した連続性気泡構造
    を有していることを特徴とする真空チャンバー用拭き取
    り材。
  2. 【請求項2】 前記ポリウレタン発泡体は、予め作製さ
    れたイソシアネート基末端プレポリマーと、水とを反応
    させて得られる請求項1記載の真空チャンバー用拭き取
    り材。
  3. 【請求項3】 シリコンウェハー製作に使用される真空
    チャンバー用のポリウレタン発泡体を材質とする拭き取
    り材の製造方法であって、 少なくともポリオールおよびトリレンジイソシアネート
    を予め混合してイソシアネート基末端プレポリマーを作
    製し、 前記イソシアネート基末端プレポリマーに、HLB値が
    9〜20の範囲にある非シリコン系界面活性剤、各種添
    加材および水を混合し、 この混合物を反応・発泡させることで、得られた拭き取
    り材の気泡径が、500〜3000μmの範囲にあって
    シリコンフリーとなっているように制御したことを特徴
    とする真空チャンバー用拭き取り材の製造方法。
  4. 【請求項4】 シリコンウェハー製作に使用される真空
    チャンバー用のポリウレタン発泡体を材質とする拭き取
    り材の製造方法であって、 少なくともポリオールと、トリレンジイソシアネート
    と、非シリコン系界面活性剤と、各種添加材と、水とを
    混合し、 この混合物を反応・発泡させることで、得られた拭き取
    り材の気泡径が、500〜3000μmの範囲にあって
    シリコンフリーとなっているように制御したことを特徴
    とする真空チャンバー用拭き取り材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記非シリコン系界面活性剤は、HLB
    値が9〜20の範囲にある請求項4記載の真空チャンバ
    ー用拭き取り材の製造方法。
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