JP2002013354A - ガラスパネルへのグレージングチャンネルの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスパネルの周縁部に嵌合、装着するグレ
ージングチャンネルのコーナー部の接合強度を向上させ
たい。 【解決手段】 ガラスパネル５０の両主表面５１ａ，５
１ａのコーナー部に、ガラスパネルの接着面側に接着剤
を有する接着テープ２０を配置し、端部を斜めに切断し
たグレージングチャンネル１を、ガラスパネルの周縁部
の各辺に格別に嵌合して該グレージングチャンネル同士
を該ガラスパネルのコーナー部で突き合せて当接し、グ
レージングチャンネルの両側の挟持片５ｂ，５ｂを接着
テープ２０の側縁部２０ｋ，２０ｋに係合したガラスパ
ネルへのグレージングチャンネルの取付構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスパネルをサ
ッシに嵌合、装着する際に、ガラスパネルの周縁部に嵌
合、装着するグレージングチャンネルの取付構造に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】断熱性、防音性、安全性等に優れる複層
ガラスが、住宅をはじめ多くの建築物の窓として用いら
れる。複層ガラスは、内外２枚（３枚、或いはそれ以上
の枚数の複層ガラスもある）の板ガラスの対向する内面
間の周縁部にスペーサを介装して内部空間を画成し、こ
の内部空間に乾燥空気又は不活性ガスを充填し、断熱
性、防音性等を得るものである。複層ガラスは、少なく
とも２枚の板ガラスと、該２枚の板ガラスの間に空間を
設けるので、厚さが大きくなる。このため、サッシに複
層ガラスを嵌合、保持させる際には、複層ガラス四周縁
部を囲繞するようにグレージングチャンネルを装着し、
サッシに保持させる。

【０００３】以上の他に、ある程度厚さのある１枚の板
ガラスからなる単板ガラス、２枚の板ガラスを中間膜を
介して接合、一体化したある程度厚さが大きくなる合せ
ガラス、内外２枚の板ガラス間の内部空間を真空とし、
ピラーを内部に封入した真空ガラスも厚さが大きくな
り、サッシにこれ等のガラスパネルを嵌合、保持させる
際には、ガラスパネル四周縁部を囲繞するようにグレー
ジングチャンネルを装着し、サッシに保持させることが
好ましい。

【０００４】次に、ガラスパネルの一例として、複層ガ
ラスへのグレージングチャンネルの装着及びサッシによ
る保持を説明しよう。図１６は、サッシへのグレージン
グチャンネルによる複層ガラスの保持の縦断面図であ
る。図において５０はガラスパネルの一例としての複層
ガラスで、図では二枚構造のものを示し、空間５３を設
けて対峙する二枚の板ガラス５１，５１と、周辺部のス
ペーサ５２とからなり、複層ガラス５０の周縁部５０ａ
を囲繞するようにグレージングチャンネル１を嵌合、装
着する。

【０００５】グレージングチャンネル１は、硬質の合成
樹脂、例えば、硬質の塩化ビニール樹脂で形成した基材
２と、軟質の合成樹脂、例えば、軟質の塩化ビニール樹
脂で形成したシール材５，５で構成する。基材２は、断
面が凹形状で、底片部３、底片部の両側から起立した左
右の側片部４，４を備える。そして、左右の側片部４，
４には、シール材５，５を接合、一体化して備える。シ
ール材５，５には、複層ガラス５０を挟持する挟持片部
５ｂ，５ｂとシール部５ａ，５ａとを有している。以上
の断面凹形状のグレージングチャンネル１の左右の側片
部４，４、左右のシール材５，５間に複層ガラス５０の
周縁部５０ａを嵌合、装着し、底片部３の内底面（図で
は上面）３ａが複層ガラス５０の周縁部端面に当接す
る。

【０００６】以上のグレージングチャンネル１を四周に
囲繞するように嵌合、装着した複層ガラス５０を、グレ
ージングチャンネル１を介してサッシ６０の溝内に嵌合
し、サッシ６０は、底片部６１、左右の側片部６２，６
２を備え、図では、底片部６１上にセッティングブロッ
ク６３を配置し、この上に、複層ガラス周縁部に装着し
たグレージングチャンネル１の底片部３の下面（外底
面）３ｂを載せた。

【０００７】ところで、複層ガラス５０のコーナー部に
グレージングチャンネル１を装着する場合は、複層ガラ
スの縦横寸法に対応した長さに切断したグレージングチ
ャンネルを用意する。そして、図１５に示すように、グ
レージングチャンネル１の突き合せ端部、即ち、複層ガ
ラスのコーナー部及び該コーナー部を構成する二辺にか
かる端部を夫々４５°に切断し、側片部４，４の切断端
部Ａ，Ａ相互、並びに底片部３，３の端部Ｂ，Ｂ相互を
突き合せ、接着剤を介してグレージングチャンネル１，
１のコーナー部の接合部を接着している。又他の手法と
して、従来、実用新案登録第３０３６４７８号、特開平
９−２１７５５９号のように、グレージングチャンネル
のコーナー部を含む突き合せ端部の二辺の外側にかかる
ように、接着テープ７０で保持している。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】以上の従来の手法は、
コーナー部の突き合せ端部の接着に際し、突き合せ端部
相互の接着面積が極めて小さいので、接着強度不足とな
り、剥離する虞が多分にある。又接着剤塗布後の養生に
長時間を必要とし、作業効率が悪い。特に、工場で事前
にグレージングチャンネルを複層ガラス等のガラスパネ
ルに装着し、運送し、現場でサッシに組み付けることが
できれば、作業性が向上する。しかしながら、上記した
接着によるコーナー部の接合なので、運搬中に外力が作
用したり、他の積載物と接触したり等してコーナー接合
部が剥離する虞がある。

【０００９】又接着テープをコーナー部の外側から貼着
した場合は、グレージングチャンネルのコーナー部の二
辺にかかるようにテープを外側から貼着しているだけで
あり、又グレージングチャンネルと複層ガラスコーナー
部とは接着等されておらず、接合強度が低い。又接着テ
ープも外側に配置されていることから、剥がれ易く、運
搬等において傷付き易い。

【００１０】本発明は、以上の課題を解決すべくなされ
たものである。本発明の目的とする処は、グレージング
チャンネルのガラスパネルへの装着の容易化、接合構造
の簡易化、グレージングチャンネル装着後におけるコー
ナー部の接合の確実化、強度アップを図ることを可能と
したガラスパネルへのグレージングチャンネルの取付構
造を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項１は、断面が凹形状で、ガラスパネル周縁部に
嵌合、装着するグレージングチャンネルのガラスパネル
への取り付け構造であって、ガラスパネルの両主表面の
コーナー部に、該ガラスパネルの接着面側に接着剤を有
する接着テープを配置し、端部を斜めに切断したグレー
ジングチャンネルを、前記ガラスパネルの周縁部の各辺
に格別に嵌合して該グレージングチャンネル同士を該ガ
ラスパネルのコーナー部で突き合せて当接し、各グレー
ジングチャンネルの両側の挟持片を前記接着テープの側
縁部に係合したことを特徴とする。

【００１２】請求項１では、ガラスパネルの両主表面の
端部近傍に、ガラスパネルの接着面側の接着剤を有する
接着テープを配置する。そして、ガラスパネルの周縁部
に嵌合するように、端部を斜めに切断したグレージング
チャンネルの挟持部は、ガラスパネルの両主表面のコー
ナー部に配置した接着テープの側縁部に係合されること
となる。これにより、ガラスパネルの四周縁部に嵌合、
装着するグレージングチャンネルは、ガラスパネルのコ
ーナー部に配置した接着テープと挟持片部との係合によ
り一体化されることとなる。

【００１３】請求項２は、請求項１において、接着テー
プは両面接着テープであって、一方の接着面をガラスパ
ネルの側面及び該側面に隣接する両主表面のコーナー部
にかけて接着し、他方の接着面を前記ガラスパネルに嵌
合したグレージングチャンネルの内底面に接着したこと
を特徴とする。

【００１４】請求項２では、接着テープを両面接着テー
プとしたので、先ず、ガラスパネルの側面及び該側面に
隣接する両主表面の端部近傍にかけて両面接着テープの
一方の接着面が接着される。更にガラスパネルに嵌合し
ているグレージングチャンネルの内面には、両面接着テ
ープの他方の接着面が接着されることとなる。これによ
り、ガラスパネルの周縁部に嵌合、装着するグレージン
グチャンネルは、その内底面が複層ガラスに接着され、
一体化されることとなる。

【００１５】請求項３は、請求項２において、両面接着
テープの他方の接着面を、前記ガラスパネルに嵌合した
グレージングチャンネルの両内側面に接着したことを特
徴とする。

【００１６】請求項３では、請求項２に加えるに、両面
接着テープは、他方の接着面でガラスパネルに嵌合して
いるグレージングチャンネルの両内側面に接合すること
となるので、接着強度は一層向上する。

【００１７】請求項４は、請求項１〜請求項３のいずれ
かにおいて、ガラスパネルのグレージングチャンネルと
の接着は、前記接着テープ以外の部分においては、グレ
ージングチャンネルとガラスパネルとの間に接着剤を充
填するようにしたことを特徴とする。

【００１８】請求項４では、請求項１〜請求項３のいず
れかに加えるに、両面接着テープによる接着部分以外の
部分は、充填した接着剤で接着されるので、グレージン
グチャンネルとガラスパネルを強固、確実に接着するこ
とができる。

【００１９】請求項５は、請求項１〜請求項４のいずれ
かにおいて、グレージングチャンネルは、断面が凹形状
の硬質の合成樹脂からなる基材と、該基材の左右の側片
部に接合、一体化された軟質の合成樹脂からなるシール
材とからなることを特徴とする。

【００２０】請求項５では、請求項１〜請求項４のいず
れかに加えるに、グレージングチャンネルの硬質基材で
ガラスパネルの保持、サッシへの保持を確実に行ない、
軟質シール材で、ガラスパネルとグレージングチャンネ
ル、グレージングチャンネルとサッシとの間の高いシー
ル作用、シール効果が得られる。

【００２１】請求項６は、請求項１、請求項２、請求項
３、請求項４又は請求項５において、ガラスパネルは、
単板ガラス、合せガラス、複層ガラス又は真空ガラスで
あることを特徴とする。

【００２２】ガラスパネルにおいて、ガラスパネルが単
板ガラス、合せガラス又は真空ガラスであっても、これ
等ガラスパネルの厚さがある程度大きい場合に、グレー
ジングチャンネルを該ガラスパネルの四周に囲橈、装着
してサッシに取り付けることが好ましく、これらガラス
パネルに囲枠状にグレージングチャンネルを装着する際
においても有利である。特に厚さが大きくなる複層ガラ
スのグレージングチャンネルの装着上において、本発明
は好ましい。

【００２３】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。実施の形態の図１〜図１０においては、ガ
ラスパネルの一例として複層ガラスについて示す。従っ
て、複層ガラスの構造及びグレージングチャンネルの構
造は、前述と同構造なので、同一部分には同一符号を付
して説明する。又実施の形態では、本発明にかかる取付
構造に用いる接着テープの例として、ベースシートの両
面に接着層を形成した両面接着テープを用いた例で説明
する。接着テープは、後述するようにベースシートの一
面にのみに接着層を形成したものでも良い。

【００２４】図１は、両面接着テープの一例を示す斜視
図、図２は、複層ガラスのコーナー部に接着テープを接
着する直前の状態を示す斜視図である。両面接着テープ
２０は、両面に接着剤（粘着材）を塗布して接着層を形
成したベースシート２１と、これに両面に容易に剥離可
能に貼着された保護フイルム２２，２３とからなる。

【００２５】両面接着テープ２０は、幅ａが図２に示し
た複層ガラス５０の幅ｗよりも所定幅大きく設定し、該
テープ２０の長さ方向に表示した平行する破線２０ｃ，
２０ｃ間の中間部２０ａの幅ｂが複層ガラス５０の幅と
略々一致し、従って中間部２０ａを囲む破線２０ｃ，２
０ｃの両側に所定幅ｃ，ｃの余片部２０ｂ，２０ｂが形
成される。該テープ２０の長さｄは、複層ガラス５０の
コーナー部５４及び該コーナー部５４を介して隣接する
側面５５，５６に一部がかかる長さとした。

【００２６】又該テープ２０の厚さｔであるが、図では
接着テープ２０の理解の便宜上、実際のものよりも極め
て厚く表現している。該テープ２０は、例えば０．５ｍ
ｍ程度の厚さのものを用いた。材質は、ベースシート２
１は、例えばポリウレタンシートであり、表面の保護フ
ィルム２２，２３の材質は、例えばポリエチレンフィル
ム、塩化ビニールフィルムであり、薄く、表面は滑性を
有する。

【００２７】両面接着テープ２０の長さ方向の中央部
で、破線２０ｃ，２０ｃ間に、長さ方向を横断するよう
に折線２０ｄを設け、一方、両側の余片部２０ｂ，２０
ｂには、折線２０ｄの延長線を谷とする破線２０ｅで示
した９０°Ｖ形の切除線を形成しする。以上の両面接着
テープ２０の両側の余片部２０ｂ，２０ｂのＶ形切除線
２０ｅ，２０ｅを切除し、長さ方向の中心部の両側部
に、対称的にＶ形切除部２０ｆ，２０ｆを形成する。そ
して、破線２０ｃ，２０ｃから山折りし、図２に示すよ
うに断面凹形の両面接着テープ２０Ａを形成する。

【００２８】ところで、上記したＶ形切除部２０ｆ，２
０ｆは必ずしも設ける必要がなく、両側の余片部２０
ｂ，２０をそのままとし、折線２０ｄを山折りしてもよ
い。この場合には、余片部の折曲部相互を内外に重ね合
わせ、接着剤の接着作用で折部分を貼着してもよい。従
って、Ｖ形切除部２０ｆ，２０ｆは必ずしも必要としな
い。

【００２９】以上の両面接着テープ２０Ａを事前に折線
２０ｄから山折りしておき、先ず、ベースシート２１の
下面の保護フィルム２３を剥離し、複層ガラス５０のコ
ーナー部５４の稜線にかかるように山折り部の裏面を重
ね、山折り部の前後の部分の裏面を、コーナー部５４を
介して隣接する側面を形成する５５，５６に重ねる。こ
れにより、両面接着テープ２０の裏面の中間部２０ａ
は、その裏面の接着剤により、複層ガラス５０のコーナ
ー部５４の稜線及びコーナー部５４を介して隣接する側
面５５，５６に接着されることとなる。

【００３０】又Ｖ形切除部２０ｆ，２０ｆ（図は右側が
表れているが、左側は隠れている）の前後の余片部２０
ｂ，２０ｂは、複層ガラス５０の板ガラス５１，５１の
両主表面５１ａ，５１ａの端部近傍に重なる。これによ
り、余片部２０ｂ，２０ｂの各内側面は、板ガラス５
１，５１の両主表面５１ａ，５１ａの端部近傍に接着さ
れることとなる。この状態を図３で示し、図３は、複層
ガラス５０の主表面５１ａ，５１ａの端部近傍及びコー
ナー部５４を介して隣接する側面にかけて両面接着テー
プ２０の内面（裏面）を接着した状態を示す要部の斜視
図である。

【００３１】図４は、図３において、複層ガラス５０の
主表面５１ａ，５１ａの端部近傍及びコーナー部を介し
て隣接する側面にかけて両面接着テープ２０を接着した
後、グレージングチャンネル１を装着する分解説明図
で、要部を示す図である。グレージングチャンネル１
は、図１６で説明したような断面形状、構造をなし、凹
形状の硬質合成樹脂等からなる基材２と、基材２の両側
片部４，４に接合、一体化した軟質合成樹脂等からなる
シール材５，５で形成されている。図４は、グレージン
グチャンネル１の側面図を模式的に示し、図は複層ガラ
スの１ヵ所のコーナー部を示しているが、他の３ヵ所も
同様である。

【００３２】グレージングチャンネル１は、複層ガラス
５０の縦・横四辺の長さに切断され、図では２個のグレ
ージングチャンネル１Ａ，１Ｂを示し、突き合せ端部を
各４５°の対称形状に切除し、突き合せ斜辺部１ａ，１
ａを形成する。このグレージングチャンネル１Ａ，１Ｂ
の突き合せ斜辺部１ａ，１ａが突き合さるように、グレ
ージングチャンネル１Ａ，１Ｂを複層ガラスの周縁部に
矢印，に示すように嵌合、装着する。

【００３３】ところで、両面接着テープ２０の表面の保
護フィルム２２を事前に、又はグレージングチャンネル
１Ａ，１Ｂを嵌合、装着する直前に剥がしておき、表面
の接着剤を露出させておく。グレージングチャンネル１
Ａ，１Ｂの斜辺部１ａ，１ａの裏面及びこの周辺部の裏
面は、両面接着テープ２０の表面２０ｇ，２０ｈに接着
し、又斜辺部１ａ，１ａの両内側面及び周辺部の両内側
面は両面接着テープ２０の両側の表面２０ｉ，２０ｊに
接着されることとなる。

【００３４】以上により、グレージングチャンネル１
Ａ，１Ｂの接合端部及びこの周辺部は、両面接着テープ
２０により、複層ガラス５０のコーナー部及びこの周辺
部に接合、一体化するように嵌合、装着されることとな
る。図５は、複層ガラス５０の四周辺部にグレージング
チャンネル１を囲繞するように装着した状態の模式的説
明図である。図のように、グレージングチャンネル１の
四隅は、夫々突き合わされ、両面接着テープ２０…（…
は複数を表す。以下同じ）で複層ガラスに接着されるこ
ととなる。図の四隅の破線で示したＬ形の表示は、前記
した両面接着テープ２０…である。

【００３５】図６は、図５の６−６線断面図である。図
に示したように、両面接着テープ２０は、その中間部２
０ａの表裏両面が、接着剤により複層ガラス５０の側面
及びグレージングチャンネル１の基材２の底片部３の内
底面３ａを接着して一体的に接合する。又両面接着テー
プ２０の両側の余片部２０ｂ，２０ｂは、複層ガラス５
０の主表面５１ａ，５１ａの端部近傍とグレージングチ
ャンネル１の基材２の左右の側片部４，４の内側面と接
着し、これ等を接合、一体化する。尚、図では理解の便
宜上接着テープ２０を極めて厚く表している。ところ
で、両面接着テープによる接着部分以外の部分に、接着
剤２４…を充填しても良い。

【００３６】ところで、図６で示すように、複層ガラス
５０のコーナー部を含み、これに隣接する側面近傍の主
表面５１ａ，５１ａには、前述のように接着テープ２０
の両側の余片部２０ｂ，２０ｂの端縁部２０ｋ，２０ｋ
に左右のシール材５，５の挟持片部５ｂ，５ｂが係合す
る。従って、実施の形態では接着テープ２０の両面に接
着層を形成するとしたが、接着テープ２０の内面のみに
接着層を形成し、外面にはこれを設けず、接着テープを
複層ガラス５０のコーナー部の側面及び該側面近傍の主
表面５１ａ，５１ａに接着し、グレージングチャンネル
側は、接着テープ２０の両側の余片部２０ｂ，２０ｂの
端縁部２０ｋ，２０ｋに、その左右のシール材５，５の
挟持片部５ｂ，５ｂを係合させることで、グレージング
チャンネル１を複層ガラス側に係合してもよい。

【００３７】図７は、図５の７−７線断面図である。こ
の部分は、両面接着テープ２０に代って、事前にグレー
ジングチャンネル１の溝内に接着剤２４…を充填してお
き、複層ガラス５０の周辺部をグレージングチャンネル
１に嵌合、装着した際、接着剤２４…は複層ガラス表面
の両側部と左右の側片部４，４との間に充填され、グレ
ージングチャンネル１を複層ガラス１の周縁部に接合、
一体化する。

【００３８】図８は、本発明の他の実施の形態を示す分
解説明図である。両面接着テープ１２０は、前記と同様
にベースシート１２１、表裏両面に剥離可能に貼着した
保護フィルム１２２，１２３からなり、幅ａは複層ガラ
ス５０の幅ｗと略一致する。両面接着テープ１２０の裏
面の保護フィルム１２３を剥がし、矢印のように複層
ガラス５０のコーナー部５４を介して隣接する側面５
５，５６に接着する。

【００３９】図９は、複層ガラス５０のコーナー部５４
を介して隣接する側面５５，５６に、図８に示した両面
接着テープ１２０を接着した状態を示す説明的斜視図で
ある。両面接着テープなので、複層ガラス５０のコーナ
ー部５４の稜線部及び側面の部分１２０ｇ，１２０ｈの
外面には、上記と同様に接着剤による接着層が形成され
ることとなる。図１０は、図９の両面接着テープ１２０
を接着したグレージングチャンネル部分の図６と同様の
断面図である。図で明示したように、両面接着テープ１
２０は、前記した実施の形態と異なり、平坦で、両端部
に折曲部がないことが理解できる。両面接着テープ１２
０で接着した部分以外の部分には、接着剤を充填しても
良い。

【００４０】以上は、複層ガラスに実施した例を説明し
た。次に図１１以降の例を説明する。図１１、図１２
は、ガラスパネルとして単板ガラス１５０を示す。単板
ガラスは、通常板厚が３ｍｍ〜これ以上の厚さがあり、
１５ｍｍ以上の厚さになるものもある。従って、厚さが
大きい場合には、サッシに保持させるに際し、グレージ
ングチャンネルを介装することが好ましい場合がある。
図１１、図１２はこのような実施の形態を示す。

【００４１】板ガラス１５０のコーナー部１５０ａ及び
コーナー部１５０ａを介して隣接する側面のコーナー部
１５０ａの近傍部分の１５０ｂ，１５０ｃにかけて、図
１、図２の構造の両面接着テープ２０を図１１に示すよ
うに配置し、図１２のようにテープ２０の一面を板ガラ
ス１５０のコーナー部１５０ａを介して隣接する側面１
５０ｂ，１５０ｃにかけて接着し、該テープ２０の外面
となる直角の接着面２０Ｂを露出し、前記したグレージ
ングチャンネル１Ａ，１Ｂの突き合せ斜辺部１ａ，１ａ
を突き合わせつつ、溝状内面を直角の接着面２０Ｂの夫
々に接着する。

【００４２】図１３、図１４は、ガラスパネルとして合
せガラス２５０を示す。合せガラス２５０は、既知のよ
うに、２枚の板ガラス２５１，２５１間に中間膜を介在
させて接合、一体化したガラスパネルである。前記と同
様に、合せガラス２５０のコーナー部２５０ａ及びコー
ナー部２５０ａを介して隣接する側面のコーナー部２５
０ａの近傍部分の２５０ｂ，２５０ｃにかけて、図１、
図２の構造の両面接着テープ２０を図１３に示すように
配置する。図１４のように、テープ２０の一面を合せガ
ラス２５０のコーナー部２５０ａを介して隣接する側面
２５０ｂ，２５０ｃにかけて接着し、該テープ２０の外
面となる直角の接着面２０Ｂを露出し、前記したグレー
ジングチャンネル１Ａ，１Ｂの突き合せ斜辺部１ａ，１
ａを突き合わせつつ、溝状内面を直角の接着面２０Ｂの
夫々に接着する。

【００４３】真空ガラスは一対の板ガラス間にピラーを
介装し、両板ガラスの外縁全周にわたり密閉部を設けて
空隙部を減圧状態に密閉した構造であるが、図では示さ
なかった。真空ガラスへのグレージングチャンネルの装
着に際し、本発明の対象のガラスパネルとして有用度が
高いことが理解できるであろう。

【００４４】

【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項１は、断面が凹形状で、ガラスパネル周縁
部に嵌合、装着するグレージングチャンネルのガラスパ
ネルへの取り付け構造であって、ガラスパネルの両主表
面のコーナー部に、該ガラスパネルの接着面側に接着剤
を有する接着テープを配置し、端部を斜めに切断したグ
レージングチャンネルを、ガラスパネルの周縁部の各辺
に格別に嵌合して該グレージングチャンネル同士を該ガ
ラスパネルのコーナー部で突き合せて当接し、各グレー
ジングチャンネルの両側の挟持片を前記接着テープの側
縁部に係合した。

【００４５】請求項１では、ガラスパネルの主表面の端
部近傍に、ガラスパネルの接着面側に接着剤を有する接
着テープを配置する。そして、ガラスパネルの周縁部に
嵌合するように、端部を斜めに切断したグレージングチ
ャンネルの挟持片部は、ガラスパネルの両主表面のコー
ナー部に配置した接着テープの側縁部に係合されること
となる。これにより、ガラスパネルの四周縁部に嵌合、
装着するグレージングチャンネルは、ガラスパネルのコ
ーナー部に配置した接着テープと挟持片部の係合により
に一体化されることとなる。

【００４６】従って、ガラスパネルの周縁部に嵌合、装
着するグレージングチャンネルは、挟持片部がガラスパ
ネルのコーナー部に配置した接着テープと係合され、一
体化されることとなる。従って、極めて接合し難く、又
接合強度が得られ難く、剥がれ易いグレージングチャン
ネルの接合コーナー部を構成する切断部を含む二つの部
材は、ガラスパネルに一体的に接合されることとなり、
極めて高い接合強度を得ることが可能となった。つま
り、グレージングチャンネルのコーナー部を構成する二
部材は、ガラスパネルに接合、一体化される状態とな
り、運搬、現場におけるサッシへの施工等に際し、コー
ナー部に配慮することなくサッシへの組付作業を行なう
ことができる。

【００４７】請求項２は、請求項１において、接着テー
プは両面接着テープであって、一方の接着面をガラスパ
ネルの側面及び該側面に隣接する両主表面のコーナー部
にかけて接着し、他方の接着面を前記ガラスパネルに嵌
合したグレージングチャンネルの内底面に接着した。

【００４８】請求項２では、請求項１の効果に加える
に、ガラスパネルの側面及び該側面に隣接する両主表面
の端部近傍にかけて両面接着テープの一方の接着面が接
着される。更にガラスパネルに嵌合しているグレージン
グチャンネルの内底面には、両面接着テープの他方の面
が接着されることとなる。これにより、ガラスパネルの
周縁部に嵌合、装着するグレージングチャンネルは、そ
の内底面がガラスパネルに両面接着テープを介して接着
され、一体化されることとなる。

【００４９】極めて接合し難く、又接合強度が得られ難
く、剥がれ易いグレージングチャンネルの接合コーナー
部を構成する切断部を含む二つの部材は、ガラスパネル
に一体的に接合されることとなり、極めて高い接合強度
を得ることが可能となった。つまり、グレージングチャ
ンネルのコーナー部を構成する二部材は、ガラスパネル
両面接着テープで接合、一体化され、従って、運搬、現
場におけるサッシへの施工等に際し、コーナー部に配慮
することなくサッシへの組付作業を行なうことができ
る。

【００５０】又本発明では、両面接着テープを用意し、
片面のフィルムを剥がし、複層ガラスのコーナー部及び
これを構成する二面に接着し、爾後、他面のフィルムを
剥がし、コーナー部に突き合わせるようにグレージング
チャンネルを嵌合、装着するだけで、グレージングチャ
ンネルのコーナー部の接合部の接合が行なえるので、グ
レージングチャンネルのコーナー部の接合作業が極めて
容易であり、又接合部材も両面接着テープなので、簡素
であり、コスト的に極めて有利である。

【００５１】請求項３は、請求項２において、両面接着
テープの他方の接着面を、前記ガラスパネルに嵌合した
グレージングチャンネルの両内側面に接着した。

【００５２】請求項３では、請求項２の効果に加える
に、両面接着テープは、他方の接着面がガラスパネルに
嵌合しているグレージングチャンネルの両内側面に接合
することとなる。従って、接着テープによるガラスパネ
ルとグレージングチャンネルの接着強度は一層向上し、
又接着テープの幅は、複層ガラスの幅よりも大きく設定
しておき、両側部を折ることで得られ、又接着すること
ができるので、構造簡素で、作業が容易である。

【００５３】請求項４は、請求項１〜請求項３のいずれ
かにおいて、ガラスパネルのグレージングチャンネルと
の接着は、前記接着テープ以外の部分においては、グレ
ージングチャンネルとガラスパネルとの間に接着剤を充
填するようにした。

【００５４】請求項４では、請求項１〜請求項３のいず
れかの効果に加えるに、両面接着テープによる接着部分
以外の部分は、充填した接着剤で接着されることとな
る。これにより、両面接着テープにより接着されたグレ
ージングチャンネルとガラスパネルを、充填した接着剤
により、強固、確実に接着することができる。従って、
工場等において複層ガラスにグレージングチャンネルを
事前に囲繞、装着した状態で運送等しても、グレージン
グチャンネルがガラスパネルから外れたりすることがな
く、現場におけるガラスパネルのサッシへの取付作業が
直ちに、迅速に行なえ、現場でのガラスパネルへのグレ
ージングチャンネルの装着作業を無くし、効率の良いガ
ラスパネルの取付作業を行なうことができる。

【００５５】請求項５は、請求項１〜請求項４のいずれ
かにおいて、グレージングチャンネルは、断面が凹形状
の硬質の合成樹脂からなる基材と、該基材の左右の側片
部に接合、一体化された軟質の合成樹脂からなるシール
材とからなる。

【００５６】請求項５では、請求項１〜請求項４のいず
れかの効果に加えるに、グレージングチャンネルの硬質
基材でグレージングチャンネルの保形、グレージングチ
ャンネルによるガラスパネルの保持、サッシへの保持を
確実に行なう。又軟質シール材で、ガラスパネルとグレ
ージングチャンネルとの間、グレージングチャンネルと
サッシとの間のシールを行ない、軟質部材であることか
ら、これ等シール作用、シール効果に高いものが得られ
る。

【００５７】請求項６は、請求項１〜請求項５のいずれ
かにおいて、ガラスパネルは、単板ガラス、合せガラ
ス、複層ガラス、真空ガラスとした。

【００５８】請求項６では、請求項１〜請求項５のいず
れかの効果に加えるに、ガラスパネルにおいて、ガラス
パネルが単板ガラス、合せガラス、真空ガラスであって
も、これ等ガラスパネルの厚さがある程度大きい場合
に、グレージングチャンネルを該ガラスパネルの四周に
囲橈、装着してサッシに取り付けることが好ましく、こ
れらガラスパネルに囲枠状にグレージングチャンネルを
装着する際においても有利である。特に厚さが大きくな
る複層ガラスのグレージングチャンネルの装着上におい
て、本発明は好ましい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる取付構造に用いる両面接着テー
プの一例を示す斜視図

【図２】複層ガラスのコーナー部に接着テープを接着す
る直前の状態を示す斜視図

【図３】複層ガラスのコーナー部に両面接着テープの内
面（裏面）を接着した状態を示す要部の斜視図

【図４】図３において、複層ガラスのコーナー部に両面
接着テープを接着した後、グレージングチャンネルを装
着する分解説明図で、要部を示す図

【図５】複層ガラスの四周辺部にグレージングチャンネ
ルを囲繞するように装着した状態の模式的説明図

【図６】図５の６−６線断面図

【図７】図５の７−７線断面図

【図８】本発明の他の実施の形態を示す分解説明図

【図９】複層ガラスのコーナー部に、図８に示した両面
接着テープを接着した状態を示す説明的斜視図

【図１０】図９の両面接着テープを接着したグレージン
グチャンネル部分の図６と同様の断面図

【図１１】ガラスパネルの他の例として単板ガラスに実
施した形態の図２と同様の図

【図１２】単板ガラスに実施した形態の図３と同様の図

【図１３】ガラスパネルの他の例として合せガラスに実
施した形態の図２と同様の図

【図１４】合せガラスに実施した形態の図３と同様の図

【図１５】従来のグレージングチャンネルコーナー部の
接着テープによる接着の例を示す要部の斜視図

【図１６】サッシへのグレージングチャンネルによる複
層ガラスの保持の縦断面図

【符号の説明】

１…グレージングチャンネル、 １ａ…斜めに切断した
端部（斜辺部）、 ２…硬質の基材、 ５…軟質のシー
ル材、 ５ｂ…挟持片部、 ２０，１２０…両面接着テ
ープ、 ２０ｂ…両側の余辺、 ２０ｋ…側縁部、 ５
０…ガラスパネルの一例としての複層ガラス、 ５１ａ
…主表面、 ５４…コーナー部、 ５５，５６…コーナ
ー部を形成する二辺、 １５０…ガラスパネルの一例と
しての単板ガラス、 ２５０…ガラスパネルの一例とし
ての合せガラス。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面が凹形状で、ガラスパネル周縁部に
   嵌合、装着するグレージングチャンネルのガラスパネル
   への取り付け構造であって、 ガラスパネルの両主表面のコーナー部に、該ガラスパネ
   ルの接着面側に接着剤を有する接着テープを配置し、 端部を斜めに切断したグレージングチャンネルを、前記
   ガラスパネルの周縁部の各辺に格別に嵌合して該グレー
   ジングチャンネル同士を該ガラスパネルのコーナー部で
   突き合せて当接し、 各グレージングチャンネルの両側の挟持片を前記接着テ
   ープの側縁部に係合した、 ことを特徴とするガラスパネルへのグレージングチャン
   ネルの取付構造。
2. 【請求項２】 前記接着テープは両面接着テープであっ
   て、一方の接着面をガラスパネルの側面及び該側面に隣
   接する両主表面のコーナー部にかけて接着し、他方の接
   着面を前記ガラスパネルに嵌合したグレージングチャン
   ネルの内底面に接着したことを特徴とする請求項１に記
   載のガラスパネルへのグレージングチャンネルの取付構
   造。
3. 【請求項３】 前記両面接着テープの他方の接着面を、
   前記ガラスパネルに嵌合したグレージングチャンネルの
   両内側面に接着したことを特徴とする請求項２記載のガ
   ラスパネルへのグレージングチャンネルの取付構造。
4. 【請求項４】 前記ガラスパネルのグレージングチャン
   ネルとの接着は、前記接着テープ以外の部分において
   は、グレージングチャンネルとガラスパネルとの間に接
   着剤を充填するようにしたことを特徴とする請求項１〜
   請求項３のいずれかに記載のガラスパネルへのグレージ
   ングチャンネルの取付構造。
5. 【請求項５】 前記グレージングチャンネルは、断面凹
   形状の硬質の合成樹脂からなる基材と、該基材の左右の
   側片部に接合、一体化された軟質の合成樹脂からなるシ
   ール材とからなることを特徴とする請求項１〜請求項４
   のいずれかに記載のガラスパネルへのグレージングチャ
   ンネルの取付構造。
6. 【請求項６】 前記ガラスパネルは、単板ガラス、合せ
   ガラス、複層ガラス又は真空ガラスであることを特徴と
   する請求項１〜請求項５のいずれかに記載のガラスパネ
   ルへのグレージングチャンネルの取付構造。