JP2002008910A - 磁性粉末及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁性粉末及び磁気記録媒体

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JP2002008910A
JP2002008910A JP2000182275A JP2000182275A JP2002008910A JP 2002008910 A JP2002008910 A JP 2002008910A JP 2000182275 A JP2000182275 A JP 2000182275A JP 2000182275 A JP2000182275 A JP 2000182275A JP 2002008910 A JP2002008910 A JP 2002008910A
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magnetic powder
magnetic recording
powder
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JP2000182275A
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Masashi Meguro
政志 目黒
Akiko Watanabe
晶子 渡辺
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性粉末の分散性を高めて磁性層の表面平滑
性を改善し、これまでにない高密度記録化を実現する。 【解決手段】 Feを含有する磁性粉末を含有する磁性
塗料が塗布されてなる磁性層3と、非磁性支持体2とを
備える磁気記録媒体1において、磁性粉末は、AlをF
e比で1.0重量%以上、20重量%以下の割合で含有
し、且つ3価のイオン化エネルギーが30eV以上、4
5eV以下の範囲である非磁性金属元素のうち少なくと
も1種類以上を、Fe比で1.0重量%以上、40重量
%以下の割合で含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性塗料を塗布し
てなる磁性層を有する磁気記録媒体に関するものであ
り、特に磁気抵抗効果型再生ヘッドを用いたヘリカルス
キャン磁気記録システムに用いて好適な磁気記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーディオ装置やビデオ装置、コンピュ
ータ装置等に用いられる記録媒体としては、磁性粉末、
結合剤及び各種添加剤を有機溶媒に混練/分散すること
により調製される磁性塗料を非磁性支持体上に塗布して
磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が
知られている。この塗布型の磁気記録媒体は、生産性及
び汎用性に優れることから、上述したような記録媒体と
して主流を占めている。
【0003】磁気記録媒体は、インダクティブヘッド等
の磁気ヘッドを備える記録再生装置により記録再生が行
われる。この記録再生装置においては、近年、小型軽量
化、高画質化、長時間化が進められている。これに伴
い、上述した塗布型の磁気記録媒体においても、高密度
記録化が強く要求されている。
【0004】塗布型の磁気記録媒体では、高密度記録化
の実現に向けて、磁性層を薄膜化して記録減磁による出
力ロスを抑制したり、磁性層表面を平滑化してスペーシ
ングロスを最小限にする試みがなされている。
【0005】また、この種の磁気記録媒体では、飽和磁
束密度が大きい磁性粉末を用いることにより、インダク
ティブヘッドを用いた記録再生システムにおいて高密度
記録を達成することを目指している。このような磁性粉
末としては、従来から使用されている酸化鉄系磁性粉末
に代わって鉄を主体とする金属磁性粉末や、バリウムフ
ェライト等の板状磁性粉末等が使用されている。
【0006】例えば、鉄を主体とする金属磁性粉末は、
酸化鉄系磁性粉末と比較して飽和磁束密度が大きく、コ
バルトを添加することにより更に高い飽和磁束密度を有
するので、磁気記録媒体としては、このような磁性粉末
を含有することにより高飽和磁束密度を有し、インダク
ティブヘッドを用いた記録再生システムにおいて高密度
記録に適応したものとなる。
【0007】さらにまた、この種の磁気記録媒体では、
微粒子化された磁性粉末を用いることにより、ノイズを
低減してS/Nを向上させ、高密度記録を達成すること
を目指している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁性粉
末を微粒子化すると、磁性粉末の分散性は低下する傾向
がある。このため、微粒子化された磁性粉末を含有する
磁性層は、その表面平滑性が不良となっていた。その結
果、磁気記録媒体は所望の電磁変換特性を得られず、高
密度記録を達成されないという問題があった。
【0009】本発明はこのような実情に鑑みて提案され
たものであり、微粒子化されていても分散性に優れる磁
性粉末を提供することを目的とする。また、上記磁性粉
末を含有することで優れた電磁変換特性を有し、これま
でにない高密度記録化を実現する磁気記録媒体を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る磁性粉末は、Feを含有する磁性粉
末において、AlをFe比で1.0重量%以上、20重
量%以下の割合で含有し、且つ3価のイオン化エネルギ
ーが30eV以上、45eV以下の範囲である非磁性金
属元素のうち少なくとも1種類以上を、Fe比で1.0
重量%以上、40重量%以下の割合で含有することを特
徴とする。
【0011】以上のように構成された本発明に係る磁性
粉末は、例えば磁性層において高度に分散する。
【0012】また、本発明に係る磁性粉末は、Feを含
有する磁性粉末において、非磁性金属元素のうち少なく
とも1種類以上を含有し、非磁性金属元素の3価のイオ
ン化エネルギーの平均値が30ev以上、40eV以下
の範囲であることを特徴とする。
【0013】以上のように構成された本発明に係る磁性
粉末は、例えば磁性層において高度に分散する。
【0014】さらにまた、本発明に係る磁性粉末は、F
eを含有する磁性粉末において、ゼータ電位測定での等
電点が7以上、11以下の範囲であることを特徴とす
る。
【0015】以上のように構成された本発明に係る磁性
粉末は、例えば磁性層において高度に分散する。
【0016】そして、本発明に係る磁気記録媒体は、F
eを含有する磁性粉末を含有する磁性塗料が塗布されて
なる磁性層と、非磁性支持体とを備える磁気記録媒体に
おいて、磁性粉末は、AlをFe比で1.0重量%以
上、20重量%以下の割合で含有し、且つ3価のイオン
化エネルギーが30eV以上、45eV以下の範囲であ
る非磁性金属元素のうち少なくとも1種類以上を、Fe
比で1.0重量%以上、40重量%以下の割合で含有す
ることを特徴とする。
【0017】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体において、磁性層は、分散性に優れる磁性粉末
を含有するので、優れた表面平滑性を有する。
【0018】また、本発明に係る磁気記録媒体は、Fe
を含有する磁性粉末を含有する磁性塗料が塗布されてな
る磁性層と、非磁性支持体とを備える磁気記録媒体にお
いて、磁性粉末は、非磁性金属元素のうち少なくとも1
種類以上を含有し、非磁性金属元素の3価のイオン化エ
ネルギーの平均値が30ev以上、40eV以下の範囲
であることを特徴とする。
【0019】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体において、磁性層は、分散性に優れる磁性粉末
を含有するので、優れた表面平滑性を有する。
【0020】また、本発明に係る磁気記録媒体は、Fe
を含有する磁性粉末を含有する磁性塗料が塗布されてな
る磁性層と、非磁性支持体とを備える磁気記録媒体にお
いて、磁性粉末は、ゼータ電位測定での等電点が7以
上、11以下の範囲であることを特徴とする。
【0021】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体において、磁性層は、分散性に優れる磁性粉末
を含有するので、優れた表面平滑性を有する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
の具体的な実施の形態について、図面を参照して詳細に
説明する。
【0023】本発明を適用した磁気記録媒体1は、図1
に示すように、非磁性支持体2と、磁性粉末及び結合剤
を含有する磁性塗料を非磁性支持体2上に塗布して形成
される磁性層3とを備える。
【0024】ここで、磁性層3に使用する磁性粉末とし
ては、Feを含有する磁性粉末、具体的にはFeを主体
とする金属磁性粉末(Fe系の針状磁性粉末、Fe−C
o合金系の針状磁性粉末等)、バリウムフェライト等の
板状磁性粉末、窒化鉄等が挙げらる。
【0025】これら磁性粉末の長軸長(バリウムフェラ
イト等の板状磁性粉末である場合は板長とする。)は2
μm以下である。また、磁性粉末の長軸長は0.12μ
m以下であることが好ましく、0.10μm以下である
ことがより好ましく、0.085μm以下であることが
最も好ましい。磁性粉末の長軸長が小さいほど、この磁
性粉末を含有する磁性層の表面平滑性は向上する。
【0026】特に、Feを主体とする磁性粉末である金
属磁性粉末の平均長軸長は0.01μm〜0.15μm
の範囲とすることが好ましい。平均長軸長が0.01μ
m未満である場合、金属磁性粉末は超常磁性となり、磁
気記録媒体1の電磁変換特性が著しく低下する虞があ
る。一方、平均長軸長が0.15μmを越える場合、短
波長記録ではノイズ成分が増加する虞がある。
【0027】また、X線回析法から求められる金属磁性
粉末の結晶子サイズ、即ちX線結晶粒径Dxは50Å〜
200Åの範囲であることが好ましい。Dxが小さすぎ
る場合、金属磁性粉末は超常磁性となり、磁気記録媒体
1の電磁変換特性が著しく低下する虞がある。一方、D
xが大きすぎる場合、ノイズ成分が増加して電磁変換特
性を劣化させる虞がある。
【0028】さらにまた、金属磁性粉末の飽和磁化量
(飽和磁束密度)(δs)は80〜150emu/gで
あることが好ましい。飽和磁化量が80emu/g未満
である場合、十分な再生出力が得られない虞がある。一
方、飽和磁化量が150emu/gを越える場合、磁性
層3において金属磁性粉末の凝集が生じ、磁性層3の表
面性が劣化する虞がある。
【0029】ところで、磁気記録媒体の磁気特性は、磁
性層に含有される磁性粉末の分散性に影響される。そこ
で、磁性粉末の分散性を磁気特性の指標となる角形比R
sを用いて評価することにより、磁性粉末の分散性及び
体積の関係を図2に示す。図2から、磁性粉末の体積が
小さいほど角形比Rsが小さいことがわかる。即ち、磁
性粉末は、微粒子化されるほど分散性が低下するといえ
る。
【0030】本発明者らは磁性粉末の分散性を改善する
ために、従来からの磁性粉末に非磁性金属元素を添加し
て磁性粉末の表面改質を試みた。ここで、非磁性金属元
素とは、強磁性金属元素(例えば、Fe、Co、Ni等
である。)以外の金属元素、具体的には、Si、Zn、
Sr等である。
【0031】3価のイオン化エネルギーが30eV未満
である非磁性金属元素Yを添加した場合、Rsは図2中
の点Aに示すように低下する。即ち、磁性粉末の分散性
は劣化することがわかる。一方、3価のイオン化エネル
ギーが30eVを越える非磁性金属元素Siを添加した
場合、Rsは図2中の点Bに示すように向上する。即
ち、磁性粉末の分散性は改善されることが確認された。
【0032】そこで、微粒子化された磁性粉末が高度な
分散性を備えるように、その組成を規定する。具体的に
は、第1の規定として、Feを含有する磁性粉末におい
て、AlをFe比で1.0重量%以上、20重量%以下
の割合で含有し、且つ3価のイオン化エネルギーが30
eV以上、45eV以下の範囲である非磁性金属元素の
うち少なくとも1種類以上を、Fe比で1.0重量%以
上、40重量%以下の割合で含有することとする。
【0033】このように規定され磁性粉末は優れた分散
性を備え、例えば磁性層3において高度に分散する。従
って、この磁性粉末を含有する磁性層3は、優れた表面
平滑性を有する。
【0034】又は、第2の規定として、Feを含有する
磁性粉末において、非磁性金属元素のうち少なくとも1
種類以上を含有し、非磁性金属元素の3価のイオン化エ
ネルギーの平均値が30ev以上、40eV以下の範囲
であることとする。
【0035】このように規定され磁性粉末は優れた分散
性を備え、例えば磁性層3において高度に分散する。従
って、この磁性粉末を含有する磁性層3は、優れた表面
平滑性を有する。
【0036】また、本発明者らは、非磁性金属元素を添
加した磁性粉末に対して、ゼータ電位の測定を水系で行
った。その結果、3価のイオン化エネルギーが30eV
を越える非磁性金属元素Siを添加すると等電点は下が
り、3価のイオン化エネルギーが30eV未満である非
磁性金属元素Yを添加すると等電点は高くなることが確
認された。
【0037】そこで、微粒子化された磁性粉末が高度な
分散性を備えるように、その等電点を規定する。具体的
には、第3の規定として、磁性粉末は、ゼータ電位測定
での等電点が7以上、11以下の範囲とすることとす
る。
【0038】このように規定され磁性粉末は優れた分散
性を備え、例えば磁性層3において高度に分散する。従
って、この磁性粉末を含有する磁性層3は、優れた表面
平滑性を有する。
【0039】これらの作用としては、以下のようなモデ
ルを考えている。磁性粉末の表面には、非磁性金属元素
が酸化物として、例えばAl23という形で存在してい
る。また、磁性粉末の表面には、無数の水酸基(OH
基)が存在している。この水酸基と、結合剤として含有
されている樹脂の有する極性基とが結合することで、磁
性粉末は磁性層に分散すると考えられている。
【0040】ところで、磁性粉末の表面に存在する非磁
性金属元素は、上記水酸基の酸素原子の電子を引き寄せ
る作用を有する。特に、イオン化エネルギーの大きい非
磁性金属元素は、酸素原子の電子を引きつける力が強い
ので、水酸基に強い極性を生じさせる。その結果、磁性
粉末の分散性が向上する。
【0041】磁性層3に使用される結合剤としては、従
来からこの種の磁気記録媒体において結合剤として使用
されている樹脂が何れも使用可能であり、例えば、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共
重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アク
リル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エ
ステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メ
タクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、ポリアセ
タール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重
合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アル
キド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ
る。これらの結合剤は、一種類単独であってもよく、二
種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0042】また、結合剤として、親水性極性基を導入
してなる樹脂を用いることが好ましい。これにより、磁
性層3に含有される磁性粉末等の顔料の分散性が向上す
ると共に、磁性層3の塗膜強度が向上する。上述した樹
脂に導入可能な親水性極性基としては、スルホン酸基、
硫酸エステル基、カルボン酸基及びその塩や、3級アミ
ン基、4級アンモニウム塩基、リン酸基、リン酸エステ
ル基等が挙げられる。これら親水性極性基の中でも、特
にスルホン酸基、硫酸エステル基のアルカリ金属塩、或
いは4級アンモニウム塩基を用いることが好ましい。
【0043】また、磁性層3は架橋剤(硬化剤)を含有
することにより、耐久性がより向上する。架橋剤として
は、3官能イソシアネート化合物(具体的には、トリメ
チロールプロパン1molとトリレンジイソシアネート
3molとの反応生成物である。)、或いはジイソシア
ネート3molの環状付加重合化合物であるイソシアヌ
レート等が挙げられる。
【0044】さらに、磁性層3には、上述した磁性粉末
及び結合剤のほかに研磨剤、帯電防止剤等が含有されて
いても良い。
【0045】そして、この磁気記録媒体1において、磁
性層3は、使用される磁性粉末の種類、磁性粉末と結合
剤との混合比、その他に使用される添加剤の種類及び配
合比等を制御することによって、磁気抵抗効果型再生ヘ
ッド(以下、MR再生ヘッドと称する。)を飽和させ
ず、歪みの無い状態で、最大の出力が得られるように規
制される。具体的には、磁性層3の残留磁化量Mrと膜
厚δとの積Mr・δの値が0.8〜6.5memu/c
2となるようにする。
【0046】上記積Mr・δの値が0.8memu/c
2未満であると、十分な再生出力が得られない。逆に
6.5memu/cm2を越えると、MR再生ヘッドが
飽和してしまい、歪みが生ずる。
【0047】上記範囲であれば膜厚δや残留磁化量Mr
は任意に設定することが可能であるが、膜厚δや残留磁
化量Mrがあまり小さすぎると、上記積Mr・δの値を
0.8memu/cm2以上確保することが難しい。逆
に、膜厚δや残留磁化量Mrがあまり大きすぎると、歪
みが問題となる。
【0048】また、磁性層3の面内方向での保磁力は、
低ノイズ、高分解能を実現するためには、1400Oe
以上に保つことが好ましい。ただし、保磁力が余りにも
大きすぎると、十分な記録ができなくなり、再生出力が
低下する。
【0049】なお、磁性塗料に使用される溶剤として
は、磁気記録媒体を製造する際に通常用いられているも
の、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グ
リコールモノエチルエーテル等のエステル類、エチルエ
ーテル、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノ
エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
エーテル類、ベンセン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素、メチレンクロライド、エチレンクロライド、
四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、
ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素等が挙げられる。
この溶剤は、単独で用いても2種類以上を混合して用い
ても構わない。
【0050】非磁性支持体2としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフイン類、セルローストリアセテート
等のセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド等のプラスチック、アルミニウム
等の金属を蒸着したプラスチック類などが挙げられる。
【0051】また、非磁性支持体2の形状としては、フ
ィルム状、テープ状、シート状との何れの形状であって
もよい。なお、個々の形状に対応して、非磁性支持体2
の材料は適宜選択される。
【0052】この磁気記録媒体1は、非磁性支持体2上
に磁性塗料を塗布することにより形成される磁性層3を
有する。この磁性塗料は、例えば、磁性粉末を結合剤等
とともに有機溶剤に混練及び分散することで調製され
る。
【0053】一方、上述しような原料から磁性塗料を調
製する際には、混練機や希釈分散機を用いることができ
る。この混練機は、比較的固形分の高い磁性粉末を、結
合剤を含む混合物中で高せん断で分散する混練工程で用
いられる。また、希釈分散機は、比較的固形分の低い磁
性粉末を、結合剤を含む混合物中でビーズ等の衝撃力で
分散する希釈分散工程で用いられる。
【0054】これら混練機及び希釈分散機としては、従
来から公知のものを使用することができる。具体的に、
混練機としては、連続二軸混練機(エクストルーダ
ー)、コニーダー、加圧ニーダー等が挙げられる。ま
た、希釈分散機としては、縦型サンドミル、横型サンド
ミル、スパイクミル、パールミル、ダブルシリンダーパ
ールミル等が挙げられる。
【0055】また、調製された磁性塗料は、非磁性支持
体2上に塗布され、その後、乾燥されることにより磁性
層3となる。磁性塗料を非磁性支持体2上に塗布する塗
布装置としては、例えば、リバースロール、グラビアロ
ール、エアドクターコーター、ブレードコーター、エア
ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、ト
ランスファロールコーター、キスコーター、キャストコ
ーター、スプレイコーター等が用いられる。
【0056】なお、上述では、非磁性支持体2上に磁性
塗料を塗布してなる磁性層3を有するような磁気記録媒
体1を例示したが、本発明は、これに限定されるもので
はない。すなわち、本発明に係る磁気記録媒体として
は、非磁性支持体の両面に磁性層が形成されている構成
であってもよく、非磁性支持体上に非磁性塗料と磁性塗
料とを同時重層塗布し、その後、これら非磁性塗料と磁
性塗料を乾燥させ、非磁性支持体上に非磁性層と磁性層
とがこの順で積層されてなる構成であってもよい。
【0057】また、非磁性支持体2の磁性層3が形成さ
れている一主面とは反対側の他主面上に、図示しないバ
ックコート層を設けてもよい。バックコート層を設ける
ことにより、磁気記録媒体1の走行性が向上し、又、層
間粘着が防止される。
【0058】以上のように構成される磁気記録媒体1
は、上述した第1の規定、第2の規定及び第3の規定の
うち、少なくとも何れか1つをみたす磁性粉末を含有す
ることにより表面平滑性に優れる磁性層3を備えるの
で、優れた電磁変換特性を有する。
【0059】なお、磁性層3に含有される磁性粉末とし
ては、第1の規定〜第3の規定を全てみたすものであっ
てもよく、第1の規定及び第3の規定、または第2の規
定及び第3の規定を満たすものであっても良い。
【0060】ところで、上記磁気記録媒体1は、MR再
生ヘッドを用いたヘリカルスキャン磁気記録システムの
磁気テープとして好適である。
【0061】この場合、MR再生ヘッドとしては、MR
素子をシールドで挟み込んだシールド型のMRヘッドを
用い、これを回転ドラムに搭載して記録再生装置を構成
する。
【0062】MRヘッドを用いたヘリカルスキャン磁気
記録システムと本発明に係る磁気記録媒体1とを組み合
わせることにより、これまでにない高密度記録システム
を構築することができる。
【0063】上記ヘリカルスキャン磁気記録システムの
磁気記録再生装置は、回転ドラムを用いて記録再生を行
うヘリカルスキャン方式の磁気記録再生装置であり、回
転ドラムに搭載された再生用磁気ヘッドとして、MRヘ
ッドを使用する。
【0064】この磁気記録再生装置に搭載される回転ド
ラム装置の一構成例を図3及び図4に示す。なお、図3
は回転ドラム装置11の概略を示す斜視図であり、図4
は回転ドラム装置11を含む磁気テープ送り機構20の
概略を示す平面図である。
【0065】図3に示すように、回転ドラム装置11
は、円筒状の固定ドラム12と、円筒状の回転ドラム1
3と、回転ドラム13を回転駆動するモータ14と、回
転ドラム13に搭載された一対のインダクティブ型磁気
ヘッド15a,15bと、回転ドラム13に搭載された
一対のMRヘッド16a,16bとを備える。
【0066】上記固定ドラム12は、回転することなく
保持されるドラムである。この固定ドラム12の側面に
は、上述した構成の磁気記録媒体1を適当な幅にスリッ
トしてなる磁気テープ17の走行方向に沿ってリードガ
イド部18が形成されている。後述するように、記録再
生時に磁気テープ17は、このリードガイド部18に沿
って走行する。そして、この固定ドラム12と中心軸が
一致するように、回転ドラム13が配されている。
【0067】回転ドラム13は、磁気テープ17に対す
る記録再生時に、モータ14によって所定の回転速度で
回転駆動されるドラムである。この回転ドラム13は、
固定ドラム12と略同径の円筒状に形成されてなり、固
定ドラム12と中心軸が一致するように配されている。
そして、この回転ドラム13の固定ドラム12に対向す
る側には、一対のインダクティブ型磁気ヘッド15a,
15b及び一対のMRヘッド16a,16bが搭載され
ている。
【0068】インダクティブ型磁気ヘッド15a,15
bは、一対の磁気コアが磁気ギャップを介して接合され
るとともに、磁気コアにコイルが巻装されてなる記録用
磁気ヘッドであり、磁気テープ17に対して信号を記録
する際に使用される。そして、これらのインダクティブ
型磁気ヘッド15a,15bは、回転ドラム13の中心
に対して互いに成す角度が180°となり、それらの磁
気ギャップ部分が回転ドラム13の外周から突き出すよ
うに、回転ドラム13に搭載されている。なお、これら
のインダクティブ型磁気ヘッド15a,15bは、磁気
テープ17に対してアジマス記録を行うように、アジマ
ス角が互いに逆となるように設定されている。
【0069】一方、MRヘッド16a,16bは、磁気
テープ17からの信号を検出する感磁素子としてMR素
子を備えた再生用磁気ヘッドであり、磁気テープ17か
ら信号を再生する際に使用される。そして、これらのM
Rヘッド16a,16bは、回転ドラム13の中心に対
して互いに成す角度が180°となり、磁気ギャップ部
分が回転ドラムの外周から突き出すように、回転ドラム
13に搭載されている。なお、これらのMRヘッド16
a,16bは、磁気テープ17に対してアジマス記録さ
れた信号を再生できるように、アジマス角が互いに逆と
なるように設定されている。
【0070】そして、磁気記録再生装置は、このような
回転ドラム装置11に磁気テープ17を摺動させて、磁
気テープ17に対する信号の記録や、磁気テープ17か
らの信号の再生を行う。
【0071】すなわち、記録再生時に磁気テープ17
は、図4に示すように、供給リール21からガイドロー
ラ22,23を経て、回転ドラム装置11に巻き付くよ
うに送られ、この回転ドラム装置11で記録再生がなさ
れる。そして、回転ドラム装置11で記録再生がなされ
た磁気テープ17は、ガイドローラ24,25、キャプ
スタン26、ガイドローラ27を経て、巻き取りロール
28へと送られる。すなわち、磁気テープ17は、キャ
プスタンモータ29により回転駆動されるキャプスタン
26によって所定の張力及び速度にて送られ、ガイドロ
ーラ27を経て巻き取りロール28に巻き取られる。
【0072】このとき、回転ドラム13は、図3中の矢
印Aに示すように、モータ14によって回転駆動され
る。一方、磁気テープ17は、固定ドラム12のリード
ガイド部18に沿って、固定ドラム12及び回転ドラム
13に対して斜めに摺動するように送られる。すなわ
ち、磁気テープ17は、テープ走行方向に沿って、図3
中矢印Bに示すようにテープ入口側から固定ドラム12
及び回転ドラム13に摺接するようにリードガイド部1
8に沿って送られ、その後、図3中矢印Cに示すように
テープ出口側へと送られる。
【0073】次に、上記回転ドラム装置11の内部構造
について、図5を参照して説明する。
【0074】図5に示すように、固定ドラム12及び回
転ドラム13の中心には、回転軸31が挿通されてい
る。なお、固定ドラム12、回転ドラム13及び回転軸
31は導電材料からなり、これらは電気的に導通してお
り、固定ドラム12が接地されている。
【0075】そして、固定ドラム12のスリーブの内側
には、2つの軸受け32,33が設けられており、これ
により、固定ドラム12に対して回転軸31が回転可能
に支持されている。すなわち、回転軸31は、軸受け3
2,33により、固定ドラム12に対して回転可能に支
持されている。一方、回転ドラム13には、その内周部
にフランジ34が形成されており、このフランジ34が
回転軸31の上端部に固定されている。これにより、回
転ドラム13は、回転軸31の回転に伴って回転するよ
うになされている。
【0076】また、回転ドラム装置11の内部には、固
定ドラム12と回転ドラム13との間で信号の伝送を行
うために、非接触型の信号伝送装置であるロータリトラ
ンス35が配されている。このロータリトランス35
は、固定ドラム12に取り付けられたステータコア36
と、回転ドラム13に取り付けられたロータコア37と
を有している。
【0077】ステータコア36及びロータコア37は、
フェライト等のような磁性材料が、回転軸31を中心と
する円環状に形成されてなる。また、ステータコア36
には、一対のインダクティブ型磁気ヘッド15a,15
bに対応した一対の信号伝送用リング36a,36b
と、一対のMRヘッド16a,16bに対応した信号伝
送用リング36cと、一対のMRヘッド16a,16b
の駆動に必要な電力を供給するための電力伝送用リング
36dとが、同心円状に配置されている。同様に、ロー
タコア37にも、一対のインダクティブ型磁気ヘッド1
5a,15bに対応した一対の信号伝送用リング37
a,37bと、一対のMRヘッド16a,16bに対応
した信号伝送用リング37cと、一対のMRヘッド16
a,16bの駆動に必要な電力を供給するための電力伝
送用リング37dとが、同心円状に配置されている。
【0078】これらのリング36a,36b,36c,
36d,37a,37b,37c,37dは、回転軸3
1を中心として円環状に巻回されたコイルからなり、ス
テータコア36の各リング36a,36b,36c,3
6dと、ロータコア37の各リング37a,37b,3
7c,37dとがそれぞれ対向するように配されてい
る。そして、このロータリトランス35は、ステータコ
ア36の各リング36a,36b,36c,36dと、
ロータコア37の各リング37a,37b,37c,3
7dとの間で、非接触にて信号や電力の伝送を行うよう
になっている。
【0079】また、回転ドラム装置11には、回転ドラ
ム13を回転駆動させるモータ14が取り付けられてい
る。このモータ14は、回転部分であるロータ38と、
固定部分であるステータ39とを有している。ロータ3
8は、回転軸31の下端部に取り付けられており、駆動
用マグネット40を備えている。一方、ステータ39
は、固定ドラム12の下端部に取り付けられており、駆
動用コイル41を備えている。そして、駆動用コイル4
1に電流を供給することにより、ロータ38が回転駆動
される。これにより、ロータ38に取り付けられている
回転軸31が回転し、それに伴って、回転軸31に固定
されている回転ドラム13が回転駆動されることとな
る。
【0080】つぎに、以上のような回転ドラム装置11
による記録再生について、この回転ドラム装置11並び
にその周辺回路についての回路構成の概略を示す図6を
参照して説明する。
【0081】上記回転ドラム装置11を用いて磁気テー
プ17に信号を記録する際は、先ず、モータ14の駆動
用コイル41に電流が供給され、これにより、回転ドラ
ム13が回転駆動される。そして、回転ドラム13が回
転している状態にて、図6に示すように、外部回路50
からの記録信号が記録用アンプ51に供給される。
【0082】記録用アンプ51は、外部回路50からの
記録信号を増幅し、一方のインダクティブ型磁気ヘッド
15aによって信号を記録するタイミングの時、当該イ
ンダクティブ型磁気ヘッド15aに対応したステータコ
ア36の信号伝送用リング36aに記録信号を供給し、
また、他方のインダクティブ型磁気ヘッド15bによっ
て信号を記録するタイミングの時、当該インダクティブ
型磁気ヘッド15bに対応したステータコア36の信号
伝送用リング36bに記録信号を供給する。
【0083】ここで、一対のインダクティブ型磁気ヘッ
ド15a,15bは、上述したように、回転ドラム13
の中心に対して互いに成す角度が180°となるように
配されているので、これらのインダクティブ型磁気ヘッ
ド15a,15bは、180°の位相差を持って交互に
記録することとなる。すなわち、記録用アンプ51は、
一方のインダクティブ型磁気ヘッド15aに記録信号を
供給するタイミングと、他方のインダクティブ型磁気ヘ
ッド15bに記録信号を供給するタイミングとを、18
0°の位相差を持って交互に切り換える。
【0084】そして、一方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド15aに対応したステータコア36の信号伝送用リン
グ36aに供給された記録信号は、非接触にてロータコ
ア37の信号伝送用リング37aに伝送される。そし
て、ロータコア37の信号伝送用リング37aに伝送さ
れた記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド15aに
供給され、当該インダクティブ型磁気ヘッド15aによ
り、磁気テープ17に対して信号の記録がなされる。
【0085】同様に、他方のインダクティブ型磁気ヘッ
ド15bに対応したステータコア36の信号伝送用リン
グ36bに供給された記録信号は、非接触にてロータコ
ア37の信号伝送用リング37bに伝送される。そし
て、ロータコア37の信号伝送用リング37bに伝送さ
れた記録信号は、インダクティブ型磁気ヘッド15bに
供給され、当該インダクティブ型磁気ヘッド15bによ
り、磁気テープ17に対して信号の記録がなされる。
【0086】また、上記回転ドラム装置11を用いて磁
気テープ17からの信号を再生する際は、先ず、モータ
14の駆動用コイル41に電流が供給され、これによ
り、回転ドラム13が回転駆動される。そして、回転ド
ラム13が回転している状態にて、図6に示すように、
オシレータ52から高周波の電流がパワードライブ53
に供給される。
【0087】オシレータ52からの高周波の電流は、パ
ワードライブ53によって所定の交流電流に変換された
上で、ステータコア36の電力伝送用リング36dに供
給される。そして、ステータコア36の電力伝送用リン
グ36dに供給された交流電流は、非接触にてロータコ
ア37の電力伝送用リング37dに伝送される。そし
て、ロータコア37の電力伝送用リング37dに伝送さ
れた交流電流は、整流器54により整流されて直流電流
とされレギュレータ55に供給され、当該直流電流はレ
ギュレータ55により所定の電圧に設定される。
【0088】そして、レギュレータ55によって所定の
電圧に設定された電流は、一対のMRヘッド16a,1
6bにセンス電流として供給される。なお、一対のMR
ヘッド16a,16bには、当該MRヘッド16a,1
6bからの信号を検出する再生用アンプ56が接続され
ており、レギュレータ55からの電流は、この再生用ア
ンプ56にも供給される。
【0089】ここで、MRヘッド16a,16bは、外
部磁界の大きさによって抵抗値が変化するMR素子を備
えている。そして、MRヘッド16a,16bは、磁気
テープ17からの信号磁界により、MR素子の抵抗値が
変化し、これにより、センス電流に電圧変化が現れるよ
うになされている。
【0090】そして、再生用アンプ56は、この電圧変
化を検出し、当該電圧変化に応じた信号を再生信号とし
て出力する。なお、再生用アンプ56は、一方のMRヘ
ッド16aによって信号を再生するタイミングの時、当
該MRヘッド16aによって検出した再生信号を出力
し、また、他方のMRヘッド16bによって信号を再生
するタイミングの時、当該MRヘッド16bによって検
出した再生信号を出力する。
【0091】ここで、一対のMRヘッド16a,16b
は、上述したように、回転ドラム13の中心に対して互
いに成す角度が180°となるように配されているの
で、これらのMRヘッド16a,16bは、180°の
位相差を持って交互に再生することとなる。すなわち、
再生用アンプ56は、一方のMRヘッド16aからの再
生信号を出力するタイミングと、他方のMRヘッド16
bからの再生信号を出力するタイミングとを、180°
の位相差を持って交互に切り換える。
【0092】そして、再生用アンプ56からの再生信号
は、ロータコア37の信号伝送用リング37cに供給さ
れ、この再生信号は、非接触にてステータコア36の信
号伝送用リング36cに伝送される。ステータコア36
の信号伝送用リング36cに伝送された再生信号は、再
生用アンプ57によって増幅された上で、補正回路58
に供給される。そして、再生信号は、補正回路58によ
り所定の補正処理が施された後、外部回路50へと出力
される。
【0093】なお、図6に示したような回路構成とした
場合、一対のインダクティブ型磁気ヘッド15a,15
b、一対のMRヘッド16a,16b、整流器54、レ
ギュレータ55及び再生用アンプ56は、回転ドラム1
3に搭載され、回転ドラム13と共に回転する。一方、
記録用アンプ51、オシレータ52、パワードライブ5
3、再生用アンプ57及び補正回路58については、回
転ドラム装置11の固定部分に配するか、或いは、回転
ドラム装置11とは別に構成された外部回路とする。
【0094】つぎに、上記回転ドラム13に搭載される
MRヘッド16a,16bについて、図7を参照して詳
細に説明する。なお、MRヘッド16a及びMRヘッド
16bは、アジマス角が互いに逆となるように設定され
ている他は、同一の構成を有している。そこで、以下の
説明では、これらのMRヘッド16a,16bをまとめ
てMRヘッド16と称する。
【0095】MRヘッド16は、回転ドラム13に搭載
され、ヘリカルスキャン方式によって磁気テープ17か
らの信号を、磁気抵抗効果を利用して検出する再生専用
の磁気ヘッドである。このMRヘッド16は、図7に示
すように、Ni−Zn多結晶フェライト等のような軟磁
性材料からなる一対の磁気シールド61,62と、絶縁
体63を介して一対の磁気シールド61,62によって
挟持された略矩形状のMR素子部64とを備える。な
お、MR素子部64の両端からは、一対の端子が導出さ
れており、これらの端子を介して、MR素子部64にセ
ンス電流を供給できるようになされている。
【0096】MR素子部64は、磁気抵抗効果を有する
MR素子と、SAL(Soft Adjacent Layer)膜と、M
R素子とSAL膜との間に配された絶縁体膜とが積層さ
れてなる。MR素子は、異方性磁気抵抗効果(AMR)
により、外部磁界の大きさによって抵抗値が変化するN
i−Fe等のような軟磁性材料からなる。SAL膜は、
いわゆるSALバイアス方式により、MR素子にバイア
ス磁界を印加するためのものであり、パーマロイ等のよ
うに低保磁力で高透磁率の磁性材料からなる。絶縁体膜
は、MR素子とSAL膜との間を絶縁し、電気的な分流
損を防ぐためのものであり、Ta等のような絶縁材料か
らなる。
【0097】このMR素子部64は、略矩形状に形成さ
れてなり、一側面が磁気テープ摺動面65に露呈するよ
うに、一対の磁気シールド61,62によって絶縁体6
3を介して挟持されている。詳細には、このMR素子部
64は、短軸方向が磁気テープ摺動面65に対して略垂
直となり、長軸方向が磁気テープ摺動方向に対して略直
交するように、一対の磁気シールド61,62によって
絶縁体63を介して挟持されている。
【0098】このMRヘッド16の磁気テープ摺動面6
5は、当該磁気テープ摺動面65にMR素子部64の一
側面が露呈するように、磁気テープ17の摺動方向に沿
って円筒研磨されているとともに、磁気テープ17の摺
動方向に対して直交する方向に沿って円筒研磨されてい
る。これにより、このMRヘッド16は、MR素子部6
4或いはその近傍部分が最も突出するようになされてい
る。このように、MR素子部64或いはその近傍部分が
最も突出するようにすることにより、MR素子部64の
磁気テープ17に対する当たり特性を良好なものとする
ことができる。
【0099】そして、以上のようなMRヘッド16を用
いて磁気テープ17からの信号を再生する際は、図8に
示すように、磁気テープ17をMR素子部64に摺動さ
せる。なお、図8中の矢印は、磁気テープ17が磁化さ
れている様子を模式的に示している。
【0100】そして、このように磁気テープ17をMR
素子部64に摺動させた状態で、MR素子部64の両端
に接続された端子64a,64bを介して、MR素子部
64にセンス電流を供給し、当該センス電流の電圧変化
を検出する。具体的には、MR素子部64の一端に接続
された端子64aから、所定の電圧Vcを印加するとと
もに、MR素子部64の他端に接続された端子64b
を、回転ドラム13に接続しておく。ここで、回転ドラ
ム13は回転軸31を介して固定ドラム12に電気的に
導通しており、また、固定ドラム12は接地されてい
る。したがって、MR素子部64に接続された一方の端
子64bは、回転ドラム13、回転軸31及び固定ドラ
ム12を介して接地されている。
【0101】そして、磁気テープ17を摺動させた状態
でMR素子部64にセンス電流を供給すると、磁気テー
プ17からの磁界に応じて、MR素子部64に形成され
たMR素子の抵抗値が変化し、その結果、センス電流に
電圧変化が生じる。そこで、このセンス電流の電圧変化
を検出することにより、磁気テープ17からの信号磁界
が検出され、磁気テープ17に記録されている信号が再
生される。
【0102】なお、用いるMRヘッド16において、M
R素子部64に形成されるMR素子は、磁気抵抗効果を
示す素子であれば良く、例えば、複数の薄膜を積層する
ことにより、より大きな磁気抵抗効果を得られるように
した、いわゆる巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)も
使用可能である。また、MR素子にバイアス磁界を印加
する手法は、SALバイアス方式でなくてもよく、例え
ば、永久磁石バイアス方式、シャント電流バイアス方
式、自己バイアス方式、交換バイアス方式、バーバーポ
ール方式、分割素子方式、サーボバイアス方式等、種々
の手法が適用可能である。なお、巨大磁気抵抗効果並び
に各種バイアス方式については、例えば、丸善株式会社
発行の「磁気抵抗ヘッド−基礎と応用 林和彦訳」に詳
細に記載されている。
【0103】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、実験結果に基づき詳細に説明する。
【0104】まず、本実施例で磁性粉末として用いたF
eを含有する金属磁性粉末の組成、磁気特性及びイオン
化エネルギー等を、表1〜表5に示す。なお、表中にお
けるイオン化エネルギー平均値とは、磁性粉末に含有さ
れる非磁性金属元素の3価のイオン化エネルギーの平均
値である。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】
【表5】
【0110】そして、以下に示すサンプル1〜サンプル
41では、これら各種磁性粉1〜41を用いて、磁気テ
ープを作製した。
【0111】サンプル1 先ず、下記の組成に準じて各組成物を秤取り、混練及び
分散させることで磁性塗料を調製した。
【0112】 <磁性塗料組成> 磁性粉末(磁性粉1) 100重量部 結合剤:ポリ塩化ビニル樹脂 10重量部 :ポリエステルポリウレタン樹脂 10重量部 研磨剤:α−Al23(平均粒径0.3μm) 5重量部 ステアリン酸 1重量部 メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部
【0113】なお、ポリ塩化ビニル樹脂としては、日本
ゼオン社製のMR―110を使用し、ポリエステルポリ
ウレタンとしては、東洋紡社製のUR−8200を使用
した。
【0114】次に、このようにして調製された磁性塗料
を、ダイコータを用いて、厚みが60μmであるポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に塗布し、配向処理を
経た後、乾燥することにより磁性層を形成した。更に、
ポリエチレンテレフタレートフィルムの磁性層が形成さ
れている面と反対側の面上にバックコート層を形成し、
カレンダー処理を経た後に硬化処理を施し、8mm幅に
裁断して磁気テープを作製した。
【0115】サンプル2〜サンプル41 磁性粉末として、表1〜表5に示す磁性粉2〜41をそ
れぞれ用いたこと以外は、サンプル1と同様にして磁気
テープを作製した。
【0116】以上のようにして作製された磁気テープを
カセットに組み込んだ後、磁性層における磁性粉末の分
散性を評価するため、磁気記録媒体の磁気特性を調べ
た。
【0117】なお、磁気特性は、試料振動型磁力計(東
英工業社製)によって角形比Rsを測定することによっ
て評価し、この角形比Rsを指標として磁性層における
磁性粉末の分散性を評価した。
【0118】また、磁気記録媒体の電磁変換特性を調べ
るために、磁気テープと磁気ヘッドとの相対速度を3.
8m/sとして、記録波長0.5μmにて7.6MHz
の単一周波数信号を記録した後、インダクティブヘッド
により再生出力を測定した。そして、サンプル1の磁気
テープの再生出力を0dBとしたときの相対値を求める
ことにより、電磁変換特性を評価した。更に、7.6M
Hz±1.0MHzのノイズ比をS/Nとして評価し
た。
【0119】また、磁気テープに上述と同様にして7.
6MHzの単一周波数信号を記録した後、シールド型M
Rヘッドを用いてエラーレートの測定を行った。なお、
再生に用いたMRヘッドの素子は、FeNi−AMR
(異方性磁気抵抗効果素子)であり、飽和磁化は800
emu/cc、膜厚は40nm、シールド材はNiZ
n、シールド間距離は0.17μmである。また、トラ
ック幅は18μm、アジマス角は25°である。
【0120】まず、3価のイオン化エネルギーの異なる
種々の非磁性金属元素の添加量を変化させた磁性粉1〜
磁性粉17を用いたサンプル1〜サンプル17に関し
て、磁性粉末の分散性を評価するため磁気特性を調べ、
また、電磁変換特性を評価した。以上の結果を表6に示
す。
【0121】
【表6】
【0122】サンプル7のように、Alを含有しない磁
性粉7を用いた場合、所望の電磁変換特性を得られな
い。また、サンプル11のように、AlをFe比で20
重量%を越えて含有する磁性粉11を用いた場合、十分
な再生出力が得られない。
【0123】また、サンプル16のように、3価のイオ
ン化エネルギーが45eVを越える非磁性金属元素であ
るKを含有する磁性粉16を用いた場合、磁性粉末の分
散性が悪いので所望の電磁変換特性を得られず、また分
解能が低下する傾向にある。また、サンプル17のよう
に、3価のイオン化エネルギーが30eV未満である非
磁性金属元素であるVを含有する磁性粉17を用いた場
合、磁性粉末の分散性が悪いので所望の電磁変換特性を
得られず、また分解能が低下する傾向にある。
【0124】更に、サンプル1のように、3価のイオン
化エネルギーが30eV以上、45eV以下の範囲であ
る非磁性金属元素を含有しない磁性粉1を用いた場合、
磁性粉末の分散性が悪く所望の電磁変換特性を得られな
い。また、サンプル5及びサンプル13のように、3価
のイオン化エネルギーが30eV以上、45eV以下の
範囲である非磁性金属元素を40重量%を越えて含有す
る磁性粉5及び磁性粉13を用いた場合、十分な再生出
力を得られず、また分解能が低下する傾向にある。
【0125】以上の結果から、Feを含有する金属磁性
粉末は、AlをFe比で1.0重量%以上、20重量%
以下の割合で含有し、且つ3価のイオン化エネルギーが
30eV以上、45eV以下の範囲である非磁性金属元
素をFe比で1.0重量%以上、40重量%以下の割合
で含有することにより、磁性層において高度に分散す
る。その結果、磁気記録媒体としては電磁変換特性に優
れる。
【0126】次に、非磁性金属元素の3価のイオン化エ
ネルギーの平均値を変化させた磁性粉18〜磁性粉23
を用いたサンプル18〜サンプル23に関して、上述と
同様にして金属磁性粉末の分散性を評価するため磁気特
性を調べ、また、電磁変換特性を評価した。以上の結果
を表7に示す。
【0127】
【表7】
【0128】サンプル18のように、非磁性金属元素の
3価のイオン化エネルギーの平均値が30ev未満であ
る磁性粉18を用いた場合、磁性粉末の分散性が悪く、
所望の電磁変換特性を得られない。また、サンプル23
のように、非磁性金属元素の3価のイオン化エネルギー
の平均値が40eVを越える磁性粉末23を用いた場
合、十分な再生出力を得られず、また分解能が低下する
傾向にある。
【0129】以上の結果から、磁性粉末は、非磁性金属
元素の3価のイオン化エネルギーの平均値が30ev以
上、40eV以下の範囲であることにより、磁性層にお
いて高度に分散する。その結果、磁気記録媒体としては
電磁変換特性に優れる。
【0130】更に、非磁性金属元素の添加量を変化さ
せ、ゼータ電位測定での等電点を制御した磁性粉24〜
磁性粉29を用いたサンプル24〜サンプル29に関し
て、上述と同様にして金属磁性粉末の分散性を評価する
ため磁気特性を調べ、また、電磁変換特性を評価した。
以上の結果を表8に示す。
【0131】
【表8】
【0132】サンプル24のように、等電点が大きい磁
性粉24を用いた場合には、磁性粉末の分散性が悪く、
また分解能が低下する傾向にある。また、サンプル29
のように、等電点が小さい磁性粉29を用いた場合、十
分な再生出力を得られない。
【0133】以上の結果から、磁性粉末は、ゼータ電位
測定での等電点が7以上、11以下の範囲であることに
より、磁性層において高度に分散する。その結果、磁気
記録媒体としては電磁変換特性に優れる。
【0134】更にまた、磁性層の残留磁化Mrと膜厚δ
の積Mr・δの値を変化させたサンプル30〜サンプル
33に関して、上述と同様にして磁気特性を調べ、ま
た、電磁変換特性を評価した。以上の結果を表9に示
す。なお、磁性粉末としては、各々磁性粉30〜磁性粉
33を用いた。
【0135】
【表9】
【0136】サンプル32のように、Mr・δが小さい
場合、十分な再生出力を得られない虞がある。一方、サ
ンプル33のように、Mr・δが大きい場合、MR素子
が飽和して再生波形が歪み、エラーレートが劣化する。
従って、Mr・δとしては、0.8〜6.5memu/
cm2の範囲とすることが好ましい。
【0137】また、磁性粉末のX線結晶粒径Dx、長軸
長、飽和磁化量(σs)を変化させた磁性粉34〜磁性
粉41を用いたサンプル34〜サンプル41に関して、
上述と同様にして磁性粉末の分散性を評価するため磁気
特性を調べ、また、電磁変換特性を評価した。以上の結
果を表10に示す。
【0138】
【表10】
【0139】サンプル37のように、飽和磁化量が80
emu/g未満である磁性粉37を用いた場合、十分な
再生出力を得られない。
【0140】また、サンプル38のように、X線結晶粒
径Dxが200Åを越える磁性粉38を用いた場合、ノ
イズが増大して電磁変換特性が低下する。一方、サンプ
ル39のように、X線結晶粒径Dxが50Å未満である
磁性粉39を用いた場合、電磁変換特性が低下する。従
って、金属磁性粉末のX線結晶粒径Dxは50Å〜20
0Åの範囲とすることが好ましい。
【0141】さらにまた、サンプル40のように、長軸
長が0.15μmを越える磁性粉40を用いた場合、ノ
イズが増大して電磁変換特性が低下する。一方、サンプ
ル41のように、長軸長が0.01μm未満である磁性
粉41を用いた場合、電磁変換特性は著しく劣化する。
従って、金属磁性粉末の長軸長は、0.01μm〜0.
15μmの範囲とすることが好ましい。
【0142】ところで、金属磁性粉末のゼータ電位測定
における等電点を制御する方法としては、非磁性金属元
素の添加量を変化させる方法以外にも、磁性粉末を作製
する際の還元温度を調整して、磁性粉末表面の結晶性を
変化させる方法も挙げられる。ここで、磁性粉末を作製
する際の還元温度を変化させた磁性粉42〜磁性粉46
の組成、磁気特性及びイオン化エネルギー等を表11に
示す。
【0143】
【表11】
【0144】表11から明らかなように、磁性粉の組成
を同一として還元温度を変化させた場合、還元温度が高
いほど、ゼータ電位測定における等電点が高くなること
がわかった。
【0145】サンプル42〜46 磁性粉末として、表11に示す磁性粉42〜46をそれ
ぞれ用いたこと以外は、サンプル1と同様にして磁気テ
ープを作製した。
【0146】そして、42〜46に関して、上述と同様
にして磁性粉末の分散性を評価するため磁気特性を調
べ、また、電磁変換特性を評価した。以上の結果を表1
2に示す。
【0147】
【表12】
【0148】金属磁性粉末を作製する際の還元温度を変
化させたとしても、ゼータ電位測定での等電点が7以
上、11以下の範囲である磁性粉43〜46を用いたサ
ンプル43〜サンプル46は、電磁変換特性に優れるこ
とがわかった。
【0149】一方、非磁性金属元素の3価のイオン化エ
ネルギーの平均値が30ev未満である磁性粉42を用
いたサンプル42は、磁性粉末の分散性が悪く、所望の
電磁変換特性を得られない。
【0150】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る磁性粉末はFeを含有し、AlをFe比で1.
0重量%以上、20重量%以下の割合で含有し、且つ3
価のイオン化エネルギーが30eV以上、45eV以下
の範囲である非磁性金属元素のうち少なくとも1種類以
上を、Fe比で1.0重量%以上、40重量%以下の割
合で含有するので、磁性層における分散性に優れる。
【0151】従って、この磁性粉末を含有する磁気記録
媒体は、磁性層の表面平滑性が向上して電磁変換特性に
優れる。特に、シールド型のMR再生ヘッドを用いたヘ
リカルスキャン磁気記録システムの磁気記録媒体として
用いることで、これまでにない高密度記録システムを構
築することが可能である。
【0152】また、本発明に係る磁性粉末はFeを含有
し、非磁性金属元素のうち少なくとも1種類以上を含有
し、非磁性金属元素の3価のイオン化エネルギーの平均
値が30ev以上、40eV以下の範囲であるので、磁
性層における分散性に優れる。
【0153】従って、この磁性粉末を含有する磁気記録
媒体は、磁性層の表面平滑性が向上して電磁変換特性に
優れる。特に、シールド型のMR再生ヘッドを用いたヘ
リカルスキャン磁気記録システムの磁気記録媒体として
用いることで、これまでにない高密度記録システムを構
築することが可能である。
【0154】さらに、本発明に係る磁性粉末はFeを含
有し、ゼータ電位測定での等電点が7以上、11以下の
範囲であるので、磁性層における分散性に優れる。
【0155】従って、この磁性粉末を含有する磁気記録
媒体は、磁性層の表面平滑性が向上して電磁変換特性に
優れる。特に、シールド型のMR再生ヘッドを用いたヘ
リカルスキャン磁気記録システムの磁気記録媒体として
用いることで、これまでにない高密度記録システムを構
築することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体の一構成例を示す要部断面図であ
る。
【図2】磁性粉末の分散性及び体積の関係を示す特性図
である。
【図3】ヘリカルスキャン磁気記録方式の磁気記録再生
装置に搭載される回転ドラム装置の一構成例について、
その概略を示す斜視図である。
【図4】上記回転ドラム装置を含む磁気テープ送り機構
の一構成例について、その概略を示す平面図である。
【図5】上記回転ドラム装置の内部構造を示す断面図で
ある。
【図6】上記回転ドラム装置並びにその周辺回路につい
て、回路構成の概略を示す回路図である。
【図7】上記回転ドラムに搭載されるMRヘッドの一例
について、一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図8】MRヘッドを用いて磁気テープからの信号を再
生する様子を模式的に示す模式図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、2 非磁性支持体、3 磁性層

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Feを含有する磁性粉末において、 AlをFe比で1.0重量%以上、20重量%以下の割
    合で含有し、且つ3価のイオン化エネルギーが30eV
    以上、45eV以下の範囲である非磁性金属元素のうち
    少なくとも1種類以上を、Fe比で1.0重量%以上、
    40重量%以下の割合で含有することを特徴とする磁性
    粉末。
  2. 【請求項2】 Feを含有する磁性粉末において非磁性
    金属元素のうち少なくとも1種類以上を含有し、当該非
    磁性金属元素の3価のイオン化エネルギーの平均値が3
    0ev以上、40eV以下の範囲であることを特徴とす
    る磁性粉末。
  3. 【請求項3】 Feを含有する磁性粉末において、 ゼータ電位測定での等電点が7以上、11以下の範囲で
    あることを特徴とする磁性粉末。
  4. 【請求項4】 Feを含有する磁性粉末を含有する磁性
    塗料が塗布されてなる磁性層と、非磁性支持体とを備え
    る磁気記録媒体において、 当該磁性粉末は、AlをFe比で1.0重量%以上、2
    0重量%以下の割合で含有し、且つ3価のイオン化エネ
    ルギーが30eV以上、45eV以下の範囲である非磁
    性金属元素のうち少なくとも1種類以上を、Fe比で
    1.0重量%以上、40重量%以下の割合で含有するこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記磁性層の残留磁化量Mrと膜厚δの
    積Mr・δの値が0.8〜6.5memu/cm2であ
    ることを特徴とする請求項4記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 面内方向での保磁力が1400Oe以上
    であることを特徴とする請求項4記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 磁気抵抗効果型再生ヘッドを用いたヘリ
    カルスキャン磁気記録システムに用いられることを特徴
    とする請求項4記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記磁性粉末は、ゼータ電位測定での等
    電点が7以上、11以下の範囲であることを特徴とする
    請求項4記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 Feを含有する磁性粉末を含有する磁性
    塗料が塗布されてなる磁性層と、非磁性支持体とを備え
    る磁気記録媒体において、 当該磁性粉末は、非磁性金属元素のうち少なくとも1種
    類以上を含有し、当該非磁性金属元素の3価のイオン化
    エネルギーの平均値が30ev以上、40eV以下の範
    囲であることを特徴とする磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記磁性層の残留磁化量Mrと膜厚δ
    の積Mr・δの値が0.8〜6.5memu/cm2
    あることを特徴とする請求項9記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 面内方向での保磁力が1400Oe以
    上であることを特徴とする請求項9記載の磁気記録媒
    体。
  12. 【請求項12】 磁気抵抗効果型再生ヘッドを用いたヘ
    リカルスキャン磁気記録システムに用いられることを特
    徴とする請求項9記載の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 上記磁性粉末は、ゼータ電位測定での
    等電点が7以上、11以下の範囲であることを特徴とす
    る請求項9記載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 Feを含有する磁性粉末を含有する磁
    性塗料が塗布されてなる磁性層と、非磁性支持体とを備
    える磁気記録媒体において、 当該磁性粉末は、ゼータ電位測定での等電点が7以上、
    11以下の範囲であることを特徴とする磁気記録媒体。
  15. 【請求項15】 上記磁性層の残留磁化量Mrと膜厚δ
    の積Mr・δの値が0.8〜6.5memu/cm2
    あることを特徴とする請求項14記載の磁気記録媒体。
  16. 【請求項16】 面内方向での保磁力が1400Oe以
    上であることを特徴とする請求項14記載の磁気記録媒
    体。
  17. 【請求項17】 磁気抵抗効果型再生ヘッドを用いたヘ
    リカルスキャン磁気記録システムに用いられることを特
    徴とする請求項14記載の磁気記録媒体。
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