JP2002007646A - 人材の成長方向の設定方法、補充能力の選択方法、補充人材の選択方法、人材評価方法、人材育成プラン作成システム、人材補充システム、業務実績査定システム、ならびに情報伝達用媒体 - Google Patents

人材の成長方向の設定方法、補充能力の選択方法、補充人材の選択方法、人材評価方法、人材育成プラン作成システム、人材補充システム、業務実績査定システム、ならびに情報伝達用媒体

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JP2002007646A JP2000185287A JP2000185287A JP2002007646A JP 2002007646 A JP2002007646 A JP 2002007646A JP 2000185287 A JP2000185287 A JP 2000185287A JP 2000185287 A JP2000185287 A JP 2000185287A JP 2002007646 A JP2002007646 A JP 2002007646A
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敦 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組織が将来の構想を実現する方向に成長して
いくのに適した人材育成方針を作成する。 【解決手段】 組織の現在のミッション、および将来の
ビジョンに関する情報を入力して、現在および将来の組
織が必要とする能力を求めるとともに、組織内の各人材
の現在の能力および将来像に関する情報を入力して、各
人材毎の能力データを求める。さらに現在および将来の
組織が必要とする能力について、各人材毎の能力量を能
力の種類毎に累計し、組織としての能力量を求めた後、
この組織としての能力量を組織が必要とする能力量と比
較して、組織における能力の過不足状態を抽出する。さ
らに各人材の個別成長方向を、能力データから得た得手
・不得手データと組織における能力の過不足状態との関
係に基づいて設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、組織内の各人材の育
成および補充、ならびに組織における人材の評価に関す
る。具体的には、人事管理、人事教育、組織運営、人材
派遣、人材紹介、各人材の業務実績の査定などの分野に
関連する。
【0002】
【従来の技術】企業における「部」や「課」のような組
織においては、一般に、その組織に与えられた「ミッシ
ョン(任務,使命)」によって組織内で行われる業務が
決定する。ミッションは、所定期間における組織の業務
計画に基づき決定されるもので、前記期間内またはその
期間の一部において組織がなすべき業務の種類(通常、
複数種の業務が設定される。)や各業務の達成目標が定
められる。各業務は、組織内の各人材にそれぞれ「担当
業務」として割り当てられ、各人材には、前記ミッショ
ンに基づき、担当業務を実行する上での目標や課題が与
えられる。
【0003】組織では、通常、組織内の各人材の担当業
務の達成度などを定期的に査定する。この査定は、一般
に、業務に応じた査定項目を人材本人や上司がチェック
し、その結果に応じた評価点を出すことによって行われ
る。また組織あるいは人事部などの管理部門は、必要に
応じて現在の担当業務に関する教育を行うほか、人材と
の面談や前記査定結果などを用いて人材の希望や適正を
認識し、将来の育成方針を決定するようにしている。
【0004】ところで組織が与えられたミッションを遂
行するためには、そのミッションにかかる各業務につい
て、それぞれその業務を担当できる能力を有する人材が
十分に確保されている必要がある。言い換えれば、所定
の業務についてその業務を担当できる人材がいない場合
や、目標どおりに業務を行うには人材の数が足らないよ
うな場合は、その組織の現在の能力でミッションを遂行
するのは不可能である。このような場合、組織は、ミッ
ションを遂行するために、新たな人材を補充したり、一
部の業務を外部に委託するなどの対応をとる必要があ
る。
【0005】人材を補充する場合は、組織またはその上
位の組織(人事部門など)が直接募集を行う方法のほか
に、人材紹介会社より必要な人材を斡旋してもらう方法
や、人材派遣会社より人材の派遣を受ける方法がある。
【0006】外部に業務を委託する場合、その業務が専
門性の高い業務であれば、その業務に特化した専門技術
を有する個人または専門会社が選択される。一方、業務
が伝票の処理や庶務業務といった生産性が求められる補
助的な業務であれば、このような業務をパッケージサー
ビスとして提供するサポート会社に、必要な業務サービ
スを申し込むといった方法が選択される。図53は、専
門性の高い業務を請け負う外注会社の業務内容の具体例
を、図54は、サポートの専門会社によるアウトソーシ
ングの業務内容の具体例を、それぞれ示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の組織における業
務査定や人材育成は、あくまでも個々の人材が与えられ
た業務目標を達成できたか否かを主眼においている。有
能な管理者や人事担当者であれば、組織にとって不得手
な業務を達成するために人材が果たした役割を考慮した
り、組織全体を成長させるための各人材の努力目標を示
すことが可能であるが、これまでは単に個々の人材と向
き合っていただけであり、組織の中の個々の人材として
向き合っていないことが問題であった。またこのような
査定や人材育成のためのノウハウは、個人の経験や勘に
頼るところが大きく、マニュアル化できるようなもので
はない。したがって多くの場合、組織内の各人材は、現
時点の能力やこれまでの業務実績に基づいて評価され、
担当業務を割り当てられるだけとなり、組織に不足する
能力を補ったり、組織の成長方針を実現するために自分
がどのような役割を担うべきかや、組織の成長のために
今後どのような能力を伸ばす必要があるかを十分に示さ
れてない状態に置かれる。このため人材は、日々の業務
に埋没して働きがいを失い、業務の実行効率が低下する
虞が生じる。
【0008】さらに従来、組織が人材派遣や業務委託の
システムを利用する場合、現時点で与えられているミッ
ションを遂行することのみが重要視されて、不足する人
材や能力を場当たり的に補うに留まっており、組織にお
ける能力の保有状態を詳細に分析して不足する能力を補
ったり、組織を成長する方向に導くような人材を補充す
るのはきわめて困難である。たとえば従来の人材派遣会
社は、図55に示すように、各種の能力を持つ人材を取
り揃えたデパート型と特定の専門分野に精通する人材を
集めた特化型とに二分されるが、いずれの形態も、単に
クライアントである組織の要望に応じた人材を派遣する
だけであって、組織にとって不足している能力を十分に
補える人材や、組織が将来の目標を達成するのに最適な
派遣人材を選択する処理を行うまでには至っていない。
【0009】この発明は、組織内の各人材について、そ
れぞれその人材の持つ能力のうち組織が任務を遂行する
のに必要な能力を伸ばすような人材育成方針を、個人の
経験や勘によらずに導き出すことを第1の目的とする。
またこの発明は、組織が将来の構想を実現する方向に成
長していくのに適した人材育成方針を、個人の経験や勘
によらずに導き出すことを第2の目的とする。
【0010】またこの発明は、組織に人材を補充する際
に、その組織が与えられた任務を遂行する上で不足して
いる能力を抽出し、その能力の不足状態を解消するのに
最適な補充人材や業務サービスを選択することを第3の
目的とする。さらにこの発明は、単に現在の組織におけ
る能力不足を補うだけでなく、組織に対し、将来の構想
に沿って組織全体を成長させるための人材の育成プラン
を示しつつ、組織および人材が成長する過程で必要な補
充人材や業務サービスを選択することを第4の目的とす
る。
【0011】またこの発明は、組織に対し、与えられた
任務を遂行するのに必要な能力を保持できるような補充
人材であって、しかもその人材が自己の能力に適した組
織に配置されるように、組織間における人材の配置転換
や転職のサポートを行うことを第5の目的とする。さら
にこの発明は、組織に対し、その組織の現在の任務を遂
行するとともに将来の構想を実現する上で最適な補充人
材であって、しかもその人材が自己の能力や将来像に適
した組織に配置されて、組織とともに理想の方向に成長
できるような配置転換や転職のサポートを行うことを第
6の目的とする。
【0012】加えてこの発明は、組織内の人材の業務実
績の査定情報を作成する場合に、組織としての能力の過
不足状態を加味した査定を行うことにより、組織が業務
を行う上で各人材が果たした役割を正当に評価できるシ
ステムを提供することを第7の目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明でいうところの
「組織」とは、複数人の人材が所属し、共通の任務を果
たすために活動する社会のことを言う。たとえば会社内
には、事業部,部,課,係,小グループ、あるいは会社
全体など、種々の単位の組織が存在する。多くの場合、
これらの組織間には、上位組織が下位の複数の組織を包
含するという階層関係が設定され、上位組織における任
務に基づいて下位組織の任務が決定される。なお任務
(ミッション)とは、たとえば1ヶ月,半年間,1年間
などの所定期間内に組織が果たすべき役割を示すもの
で、組織の実行すべき業務の種類,各業務の期間内にお
ける達成目標などの情報を含む。
【0014】この発明で言うところの「能力」とは、能
力の種類または内容を表す情報(たとえば読解力,文書
作成力,語学力など)およびその能力の高さの度合を示
す情報(能力量)の組合せにより表現される。能力量
は、たとえば各人材の能力の高さを所定の判定基準に基
づいた評価点(100点,80点,60点など)や能力
の高さをレベルとして示す文字情報(Aランク,Bラン
ク,Cランクなど)によって示される。
【0015】請求項1の発明は、組織の任務に関する情
報を受け付けた後に、その情報を用いて組織が必要とす
る能力を求めるステップ、前記組織内の各人材の能力に
関する情報を受け付けた後に、その情報を用いて組織が
保有する能力を求めるステップ、前記組織が必要とする
能力の種類毎に、その能力の必要量を組織が保有する能
力量と比較して組織における能力の過不足状態を抽出す
るステップ、前記抽出結果に基づき前記各人材の能力に
関する情報から各人材の成長方向を個別に設定するステ
ップ、の各ステップを実行する。
【0016】『組織の任務』とは、前記したように、所
定の期間内における組織の業務およびその達成目標を示
し、通常、複数種の業務にかかる情報の集合として表さ
れる。すなわち『組織の任務に関する情報』は、組織の
行う業務毎に、その業務の種類と業務目標との組合せと
してパターン化することが可能となる。なおこの請求項
1で言うところの『組織の任務に関する情報』は、現在
の組織に与えられた任務を示す情報を指すこともあれ
ば、将来の組織に与えられる可能性のある任務を示す情
報を指す場合もある。またこの情報には、現在および将
来の任務を示す情報がともに含まれることもある。これ
は仮に受け付けた情報が、短期の業務計画に基づく情報
であったとしても、この業務計画が中期,長期の業務計
画の下で立てられている場合には、現在の組織に与えら
れた任務に関する情報以外に、その組織の将来の任務に
関わる情報も含まれてくるためである。このことは、以
下の請求項3,6,9,12,15,20,21,22
についても同様である。
【0017】『組織が必要とする能力』とは、組織の任
務に含まれる各業務をその達成目標に従って実行するの
に必要な能力のことを言う。通常、1つの業務を実行す
るには複数種の能力が必要となり、また複数の業務に同
じ能力が共通して要求される場合もある。『組織が必要
とする能力』とは、組織の任務に含まれる各業務毎の条
件を統合した概念であって、組織が実行すべき業務のた
めに必要な能力情報(前記した能力の種類と能力量との
組合せをいう。)の集合体として表現できる。
【0018】『組織内の各人材の能力に関する情報』と
は、個々の人材が保有している能力についての能力情報
であり、人材自身や上司などへのアンケートの結果や、
人材への能力テストや適性テストの結果から導き出すこ
とが可能である。なおこの能力情報についても、各人材
が現在保有する能力を示す場合と、各人材が将来保有す
る可能性のある能力を示す場合とがある。また現在およ
び将来の両方の情報が含まれる場合もある。(この定義
は、以下の請求項3,6,9,12,15,20,2
1,22についても同様である。)
【0019】『(組織が必要とする)能力の必要量』と
は、組織が任務を遂行する上で必要とする各種能力につ
いて要求される能力量のことをいう。『組織が必要とす
る能力の必要量』と『組織が保有する能力量』との比較
により抽出される『組織における能力の過不足状態』
は、組織が任務を実行する上で必要とする能力を十分に
保有しているか否かを示すもので、具体的には、組織が
必要とする能力の種類とその能力量の過不足の度合を示
す数値情報との組合せによって示すことができる。ただ
し数値情報は必ずしも必要ではなく、過剰または不足す
る能力の種類を示すだけであってもよい。または「大幅
不足」、「やや不足」、「過不足なし」、「やや過
剰」、「大幅過剰」というように、能力量の過不足の度
合を複数段階で示す情報を設定し、該当する情報を選択
するようにしてもよい。
【0020】なお『組織が保有する能力量』は、任務の
ために必要となる能力について、各人材が保有する能力
量を能力の種類毎に累計することによって求めることが
できる。また『各人材の成長方向』とは、各人材固有の
目標を示す情報であり、人材が伸ばすべき能力の種類や
その能力量の伸び度合を示す数値情報などによって示さ
れる。
【0021】請求項2の発明では、組織の現在の任務お
よび組織に将来与えられる可能性のある任務に関する情
報を受け付けた後に、その情報を用いて現在および将来
の組織が必要とする能力を求めるステップ、前記組織内
の各人材の能力および将来像に関する情報を受け付けた
後に、その情報を用いて組織が現在保有する能力および
組織が将来保有する可能性のある能力を求めるステッ
プ、前記現在および将来の組織が必要とする能力の種類
毎に、その能力の必要量を組織が保有する能力量および
組織が将来保有する可能性のある能力量と比較して組織
における能力の過不足状態を抽出するステップ、前記抽
出結果に基づき前記各人材の能力および将来像に関する
情報から各人材の成長方向を個別に設定するステップ、
の各ステップを実行する。
【0022】『現在および将来の組織が必要とする能
力』とは、前記組織の現在および将来の任務に含まれる
各業務をその達成目標に従って実行するのに必要な能力
のことを言い、現在および将来の組織が実行すべき業務
のために必要な能力情報(前記した能力の種類と能力量
との組合せをいう。)の集合体として表現できる。各人
材の『将来像に関する情報』とは、人材自身の努力目
標,希望,周囲の期待などに基づく情報であって、将
来、その人材が保有する可能性のある能力についての能
力情報(すなわち能力の種類と能力量との組合せ)によ
り表すことができる。『組織が将来保有する可能性のあ
る能力量』は、各人材が将来保有する可能性のある能力
量を能力の種類毎に累計することによって求めることが
できる。なお上記した『将来像に関する情報』,『組織
が将来保有する可能性のある能力量』についての定義
は、後記する請求項4,7,10,13,16にもあて
はまるものである。
【0023】請求項1,2の発明において、能力の過不
足状態を抽出するための比較処理には、つぎのような組
合せが考えられる。まず『現在の組織が必要とする能力
の必要量』と『組織が現在保有する能力量』とを比較す
ることにより、組織の現在における能力の過不足状態が
抽出される。また『将来の組織が必要とする能力の必要
量』と『組織が将来保有する可能性のある能力量』とを
比較することにより、組織の将来における能力の過不足
状態が抽出される。さらに『将来の組織が必要とする能
力の必要量』と『組織が現在保有する能力量』とを比較
することにより、組織の将来の任務に対する現時点での
能力の過不足状態を抽出することができる。
【0024】請求項9の発明にかかる人材育成プラン作
成システムは、請求項1の発明を実行するための手段と
して、組織の任務に関する情報およびその組織に所属す
る各人材の能力に関する情報を受け付ける情報入力手
段、組織の任務に関する入力情報を用いてこれら任務の
ために前記組織が必要とする能力を求める必要能力取得
手段、各人材についての入力情報を用いて各人材が保有
する能力を求める個別能力取得手段、組織が必要とする
能力について各人材が保有する能力を能力の種類毎に累
計する能力量累計手段、能力量累計手段により得た能力
量の累計結果を前記組織が必要とする能力の必要量と比
較して、組織における能力の過不足状態を抽出する抽出
手段、前記抽出された能力の過不足状態に基づき、個別
能力取得手段による取得情報から各人材の成長方向を設
定する成長方向設定手段、各人材について設定された成
長方向を示す育成プランを作成するプラン作成手段、の
各手段を具備する。
【0025】請求項10の発明にかかる人材育成プラン
作成システムは、請求項2の発明を実行するための手段
として、組織の現在の任務および組織に将来与えられる
可能性のある任務に関する情報、ならびに組織に所属す
る各人材の能力および将来像に関する情報を受け付ける
情報入力手段、前記組織の現在および将来の任務に関す
る入力情報を用いてこれら任務のために現在および将来
の組織が必要とする能力を求める必要能力取得手段、各
人材についての入力情報を用いて各人材が現在保有する
能力および将来保有する可能性のある能力を求める個別
能力取得手段、前記現在および将来の組織が必要とする
能力について、各人材が現在保有する能力量および将来
保有する可能性のある能力量を能力の種類毎に累計する
能力量累計手段、前記能力量累計手段により得た現在お
よび将来の能力量の累計結果を前記現在および将来の組
織が必要とする能力の必要量と比較して、組織における
能力の過不足状態を抽出する抽出手段、前記抽出手段に
より抽出された能力の過不足状態に基づき、個別能力取
得手段による取得情報から各人材の成長方向を設定する
成長方向設定手段、各人材について設定された各人材の
成長方向を示す育成プランを作成するプラン作成手段、
の各手段を具備する。
【0026】上記請求項9および10において、情報入
力手段は、組織の任務に関する情報や各人材の能力およ
び将来像に関する情報について、アンケートやテストな
どに対する回答パターンを入力する手段である。この情
報入力手段は、データを手入力する場合はキーボードに
よって構成され、また所定の記録媒体に記録されたデー
タを入力する場合は、その媒体専用のドライブ装置によ
って構成される。また組織側のコンピュータからネット
ワーク回線を介してデータを入力する場合は、前記情報
入力手段は、ネットワーク回線およびデータ受信回路な
どによって構成されることになる。
【0027】前記情報入力手段の受け付けるデータは、
前記した回答パターンに限らず、任務に関する情報につ
いては、前記した業務の種類と業務達成目標との組合せ
による情報を、各人材の能力や将来像については、前記
した能力情報、すなわち能力の種類と能力量の高さ度合
との組合せより成る情報を、直接入力するようにしても
よい。他方、回答パターンを導き出すことが可能な任意
の情報を入力し、コンピュータ内で入力された情報から
回答パターンを抽出するようにしてもよい。特にこのよ
うなパターン化される前の情報が入力される場合、「現
在の任務」と「将来の任務」とが同時に入力されること
がある。これは、短期的な任務は、中期,長期の計画に
基づいて設定されることが多く、現在の任務に関する情
報として入力された情報の中に将来の任務に関する情報
が含まれているためである。なおキーボードやネットワ
ーク回線を用いて組織側が直接データ入力を行う場合
は、逐次、表示や音声などにより組織側に所定の質問を
提示し、各質問に回答するという方法でデータ入力を行
うことも可能である。また上記の情報入力手段の定義
は、請求項15,16,18,19の各発明についても
適用されるものである。
【0028】請求項11の発明の人材育成プラン作成シ
ステムは、請求項9または10のいずれかの構成に加
え、プラン作成手段により作成された育成プランを外部
に出力する情報出力手段を具備する。この情報出力手段
は、組織宛または組織の各人材、もしくは両者に、作成
した育成プランを提示することを目的とするもので、た
とえば育成プランを紙媒体に印刷するプリンタ、所定の
記録媒体に書き込むドライブ装置、組織側のコンピュー
タに育成プランの電子化データを出力するネットワーク
回線(データ送信用の回路を含む。)などによって実現
することができる。
【0029】請求項3の発明では、請求項1と同様にし
て、組織の任務に関する情報、組織内の各人材の能力に
関する情報から、組織が必要とする能力,組織が保有す
る能力をそれぞれ求めた後に、組織が必要とする能力の
種類毎に、その能力の必要量を組織が保有する能力量と
比較して組織における能力の過不足状態を抽出する。そ
してこの抽出結果に基づき、所定の能力を有する補充用
人材またはその能力により実行される業務サービスが登
録されたデータベースから、組織における能力の不足状
態に応じたデータを抽出する。
【0030】また請求項4の発明では、請求項2と同様
のステップを実行して組織における能力の過不足状態の
抽出、および各人材の成長方向の設定を行った後に、前
記各人材の成長方向を示す情報を含む育成プランを作成
して出力する。さらに所定の能力を有する補充用人材ま
たはその能力により実行される業務サービスが登録され
たデータベースから、前記現在の任務に対する能力の不
足状態に応じた能力、ならびに組織内の各人材がそれぞ
れ前記設定された成長方向に沿って成長するまでの間に
不足する能力に関するデータを抽出するステップを実行
する。
【0031】請求項12の発明にかかる人材補充システ
ムは、請求項3の方法により補充人材を選択するシステ
ムであって、請求項9と同様の情報入力手段、必要能力
取得手段、個別能力取得手段、能力量累計手段、抽出手
段を具備するほか、所定数の補充用人材が登録されたデ
ータベースと、前記抽出手段による抽出結果に基づき、
組織の能力の不足状態に応じた能力を有する人材を、前
記データベースから抽出する人材抽出手段を具備する。
【0032】また請求項13の発明にかかる人材補充シ
ステムは、請求項4の方法により補充人材を選択するシ
ステムであって、請求項10と同様の情報入力手段、必
要能力取得手段、個別能力取得手段、能力量累計手段、
抽出手段、成長方向設定手段に加え、各人材の成長方向
を示す人材育成プランを作成した後に、この人材育成プ
ランを外部に出力する情報出力手段、所定数の補充用人
材が登録されたデータベース、現在の組織における能力
の不足状態に応じた能力を有する人材、および前記組織
内の各人材が設定された成長方向に沿って成長する間に
不足する能力を有する人材を、前記データベースから抽
出する人材抽出手段の各手段を具備する。
【0033】上記請求項12,13の人材補充システム
は、企業の人事部門などで、組織への補充要員として新
入社員や臨時社員(パートタイマ,アルバイター)を配
置することを目的に使用することができる。また人材派
遣会社で用いる人材派遣サービス用のシステムとして設
定することもできる。なお請求項13の発明における情
報出力手段は、組織宛に育成プランを提示するのが望ま
しいが、必要に応じて各人材にも固有のプランを提示す
るようにしてもよい。なお情報出力手段には、請求項1
1と同様の種々の態様が考えられる。
【0034】請求項13の構成において、前記人材抽出
手段が抽出する補充人材のうち、第1の人材の抽出要件
となる『現在の組織における能力の不足状態』は、前記
抽出手段により『現在の組織が必要とする能力の必要
量』と『各人材が現在保有する能力量の累計結果』とを
比較することによって設定されるものである。また第2
の人材の抽出要件となる『組織内の各人材が設定された
成長方向に沿って成長する間に不足する能力』は、『将
来の組織が必要とする能力の必要量』を『各人材が現在
保有する能力量の累計結果』や『各人材が将来保有する
可能性のある能力量の累計結果』と比較することによっ
て設定することができる。なおこの第2の人材の抽出要
件は、必要に応じて前記『現在の組織が必要とする能
力』と『将来の組織が必要とする能力』との間に複数ス
テップの目標を定め、その目標に応じた能力に対する組
織の能力量の過不足状態によって設定することも可能で
ある。
【0035】なお特に上記請求項12,13のシステム
が人材派遣サービスに使用される場合は、前記補充人材
の抽出結果から人材の補充プランを作成し、組織宛に出
力するように構成するのが望ましい。
【0036】請求項5の発明では、請求項4の各ステッ
プに加え、前記人材育成プランの出力から所定期間経過
後に、その時点における各人材の能力に関する情報を用
いて組織が保有する能力の伸び度合を抽出し、この能力
の伸び度合に応じて組織に対して請求する報賞額を決定
するステップを実行する。なお前記『能力の伸び度合』
とは、組織が保有する能力の種類毎の能力量の伸び度合
を意味する。能力量の伸び度合は、能力量の増加または
減少を示す数値情報によって表すことができる。または
前記した能力の過不足状態と同様に、「大幅減少」、
「やや減少」、「変化なし」、「やや増加」、「大幅増
加」というような形式で能力量の増加や減少の度合を複
数段階で示す情報を設定し、該当する情報を選択するよ
うにしてもよい。
【0037】請求項14の発明は、上記方法を実施する
ために、請求項13の構成に加え、能力量累計手段によ
り得た現在の能力量の累計結果をメモリに保存する累計
能力量保持手段と、人材の育成プランを出力してから所
定期間経過後に、前記情報入力手段および個別能力取得
手段を用いてその時点での各人材の能力を求める新能力
取得手段と、新能力取得手段により得た各人材の新能力
に示される能力量を能力の種類毎に累計するとともに、
この累計結果を前記累計能力量保持手段によりメモリに
保存された累計結果と比較し、その比較結果に応じて組
織に対する報賞額を決定する報賞額決定手段とを具備す
る。なお上記の構成のシステムは、主として、人材派遣
サービスに適用される。
【0038】請求項6の発明では、組織に補充する人材
を他の組織から選択するために、複数の組織について、
それぞれその組織の任務に関する情報を受け付けた後
に、その情報を用いて前記組織が必要とする能力を求め
るステップ、各組織について、それぞれその組織が必要
とする能力の種類毎にその能力の必要量を組織が保有す
る能力量と比較して、各組織における能力の過不足状態
を判別するステップ、任意の組織において不足すると判
別された能力が、他の組織において過剰となると判別さ
れたとき、後者の組織において前記能力を有する人材
を、前者の組織への補充人材として抽出するステップ、
の各ステップを実行する。
【0039】請求項7の発明では、複数の組織につい
て、それぞれその組織の現在の任務および組織に将来与
えられる可能性のある任務に関する情報を受け付けた後
に、その情報を用いて現在および将来の組織が必要とす
る能力を求めるステップ、前記各組織に所属する各人材
について、それぞれその人材の能力および将来像に関す
る情報を受け付けた後に、その情報を用いて各組織が現
在保有する能力および各組織が将来保有する可能性のあ
る能力を求めるステップ、各組織について、それぞれそ
の組織が現在および将来に必要とする能力の種類毎にそ
の能力の必要量を組織が保有する能力量および組織が将
来保有する可能性のある能力量と比較して、各組織にお
ける能力の過不足状態を判別するステップ、任意の組織
において現在または将来不足すると判別された能力が、
他の組織において現在または将来過剰となると判別され
たとき、後者の組織において前記能力を有する人材また
はその能力を有する可能性のある人材を、前者の組織へ
の補充人材として抽出するステップの各ステップを実行
する。
【0040】請求項15の発明にかかる人材補充システ
ムは、請求項6の方法を実施するために、情報入力手
段、必要能力取得手段、個別能力取得手段、能力量累計
手段により複数の組織を個別に処理し、各組織毎に、そ
の組織が必要とする能力、組織内の各人材が保有する能
力、組織が必要とする能力について各人材が保有する能
力量の累計値を求める。さらにこのシステムは、各組織
について得た能力量の累計結果をそれぞれの組織が必要
とする能力の必要量と比較して、各組織における能力の
過不足状態を判別する判別手段と、この判別手段により
任意の組織において不足すると判別された能力を有する
人材を、この能力が過剰であると判別された他の組織か
ら抽出する人材抽出手段とを具備する。
【0041】請求項16の発明にかかる人材補充システ
ムは、請求項7の方法を実現するために、情報入力手
段、必要能力取得手段、個別能力取得手段、能力量累計
手段により複数の組織を個別に処理し、各組織毎に、現
在および将来の組織が必要とする能力、組織内の各人材
が現在保有する能力および将来保有する可能性のある能
力、各人材が現在保有する能力量および将来保有する可
能性のある能力量、ならびにこれら能力量の累計値を求
める。さらにこのシステムは、各組織について得た現在
および将来の能力量の累計結果をそれぞれの組織が現在
および将来に必要とする能力の必要量と比較して各組織
における能力の過不足状態を判別する判別手段と、この
判別手段により任意の組織において現在または将来不足
すると判別された能力を有する人材を、この能力が現在
または将来過剰となると判別された他の組織から抽出す
る人材抽出手段とを具備する。
【0042】上記請求項15や16の発明にかかる人材
補充システムは、会社の人事部門などが人事異動方針を
たてる際に使用されるほか、外部の人材紹介会社が組織
に他組織の人材を紹介する目的で使用することもでき
る。
【0043】請求項17の発明にかかる人材紹介システ
ムは、請求項15または16のいずれかの構成に加え、
前記人材抽出手段により抽出された人材を前記能力の不
足する組織に紹介するレポート情報を作成し、そのレポ
ート情報を外部に出力する情報出力手段を具備する。こ
の情報出力手段には、請求項11,13の発明と同様
に、プリンタ、所定の記録媒体用のドライブ装置、ネッ
トワーク回線など、種々の態様が含まれる。
【0044】請求項8の発明では、組織内の人材を評価
する査定情報を作成するために、組織の任務に関する情
報を受け付けて、その任務のために組織が必要とする能
力を求めるステップ、前記組織に所属する各人材の能力
に関する情報を受け付けた後に、その情報を用いて組織
が保有する能力を求めるステップ、前記組織が必要とす
る能力の種類毎にその能力の必要量を組織の保有する能
力量と比較して組織における能力の過不足状態を判別す
るステップ、各人材の業務実績を表す情報を受け付けた
後に、この情報と前記組織における能力の過不足状態と
に基づき、各人材の査定情報を作成するステップを実行
する。
【0045】請求項18の発明にかかる業務実績査定シ
ステムは、上記方法を実施するために、組織の任務に関
する情報、前記組織に所属する各人材の能力に関する情
報、および各人材の業務実績に関する情報を受け付ける
情報入力手段、前記組織の任務に関する入力情報を用い
てその任務のために組織が必要とする能力を求める必要
能力取得手段、前記各人材についての入力情報を用いて
各人材が現在保有する能力を求める個別能力取得手段、
前記組織が必要とする能力について各人材が保有する能
力量を能力の種類毎に累計する能力量累計手段、前記能
力量累計手段により得た累計結果を組織が必要とする能
力の必要量と比較して組織における能力の過不足状態を
抽出する抽出手段、前記組織における能力の過不足状態
に基づき、各人材の前記業務実績に関する取得情報から
その人材を評価するための査定用情報を作成する査定用
情報作成手段、の各手段を具備する。
【0046】上記請求項8,18の発明における『組織
の任務に関する情報』には、組織の現在の任務に関する
情報のほか、必要に応じて既に終了した任務に関する情
報が含まれる(この過去の任務に関する情報も、現在や
将来の情報と同様、業務の種類と業務達成目標との組合
せにより表すことができる。)。各人材の『業務実績に
関する情報』は、各人材の担当業務の実施状態を本人や
上司が評価した結果を表す情報であって、各人材が、担
当業務について設定された目標を達成できたか否かや、
その達成度合などが示される。この情報についても、所
定数の査定項目に対する回答パターンなどによって、所
定のパターン化された情報を導くことができる。なお入
力される情報は、パターン化前の情報、パターン化後の
情報のいずれであってもよい。
【0047】さらに請求項19の業務実績査定システム
は、前記各人材の査定用情報を示すレポート情報を作成
して外部に出力する情報出力手段を具備する。なおこの
出力において、各人材の査定用情報をまとめて組織宛に
出力してもよいが、各人材毎に固有の査定用情報を出力
することも可能である。この情報出力手段は、前記請求
項11,13,17における情報出力手段と同様に、種
々の態様を含むものである。
【0048】請求項20の発明は、コンピュータシステ
ムが組織およびその組織内の各人材の少なくとも一方を
対象した情報を書き込んだ情報伝達用媒体に関する。前
記コンピュータシステムは、組織の任務に必要な能力に
対する組織の能力の過不足状態を抽出した後に、この抽
出結果に基づき各人材の能力に関する情報から各人材の
成長方向を設定し、前記媒体には、各人材の成長方向を
用いて作成した人材育成プランが書き込まれる。
【0049】請求項21の発明は、コンピュータシステ
ムが組織を対象にした情報を書き込んだ情報伝達用媒体
に関する。前記コンピュータシステムは、組織の任務に
必要な能力に対する組織の能力の過不足状態を抽出した
後に、この抽出結果に基づき各人材の能力に関する情報
から各人材の成長方向を設定するとともに、組織におい
て不足する能力に応じた補充人材をデータベースより抽
出しており、前記媒体には、前記成長方向を用いて作成
した人材育成プランと前記補充人材の紹介用の情報とが
書き込まれる。
【0050】請求項22の発明は、コンピュータシステ
ムが組織の各人材を対象にした情報を書き込んだ情報伝
達用媒体に関する。前記コンピュータシステムは、組織
の任務に必要な能力に対する組織の能力の過不足状態を
判別しており、前記判別結果に基づき各人材の業務実績
から作成した業務実績査定用の情報を前記媒体に書き込
む。
【0051】請求項20〜22の各情報伝達用媒体は、
紙媒体のほか、各種情報を電子化して書き込むことが可
能な記録媒体(フロッピー(登録商標)ディスク,コン
パクトディスクなど)も含む。
【0052】
【作用】請求項1および請求項9の発明によれば、組織
が任務を遂行するために必要とする能力の必要量と、組
織内の各人材により得られる組織として保有する能力量
とから、組織における能力量の過不足状態が導き出され
る。各人材の成長方向は、この組織としての能力の過不
足状態と各人材の能力とから設定されるので、各人材の
有する能力のうち、とりわけ組織にとって不足する能力
を伸ばす方向に成長方向を設定することで、組織の任務
に応じた人材育成プランを作成することが可能となる。
なお使用される情報が短期間の任務に関する情報に限定
される場合は、前記人材育成プランは、前記任務の期間
内における各人材の努力目標を設定するに留まる。これ
に対し、将来の組織の任務や各人材の将来の予想される
能力を加味した処理を行った場合は、組織が将来必要と
成りうる能力をつける方向に各人材を導くような人材育
成プランを作成することが可能となる。
【0053】請求項2および10の発明によれば、現在
および将来の組織が任務を遂行するために必要とする能
力の必要量と、組織内の各人材により得られる組織とし
て保有する能力量または将来保有する可能性のある能力
量とから、組織が現在の任務を遂行する上で不足する能
力のほか、将来の組織に不足する能力、現在の組織が将
来の任務を実行する上で補充しなければならない能力な
どが導き出される。したがって、たとえば組織の将来の
任務に必要な業務について組織における現在の能力量が
不足している場合、その能力を伸ばす可能性の高い人材
や前記業務に高い関心を持つ人材に、能力を伸ばすため
の自助努力を促すなど、各人材が将来伸ばす可能性のあ
る能力のうち、組織として必要な能力、とりわけ不足す
る能力を重要視した成長方向を設定することが可能とな
る。さらに請求項11の発明では、この育成方針がレポ
ートとして出力され、組織,個々の人材の少なくとも一
方に提示される。
【0054】請求項3,12の発明によれば、組織に対
し、その任務に関する情報や組織内の人材の能力に関す
る情報から、組織が必要とする能力や組織の保有する能
力を求めた後、これらを比較することにより組織が任務
を遂行する上で不足する能力を抽出する。そしてその抽
出結果に基づき、組織に不足する能力を補う人材や業務
サービスを選択する。なお使用される情報が短期間の任
務や現在の人材の能力に限定される場合は、即戦力とし
ての人材やサービスが選択されることになる。これに対
し、将来の情報まで用いた場合は、将来の組織の構想に
応じた人材やサービスを選択することが可能である。
【0055】請求項4,13の発明によれば、現在およ
び将来の組織に不足する能力量を抽出した上で、その不
足する能力を伸ばすような人材の成長方向を設定して、
その成長方向を示す組織宛のプランを作成する。さらに
組織に対し、組織が現在の任務を遂行する上で不足する
能力を補う人材または業務サービスや、組織内の各人材
が設定された成長方向に沿って成長するまでの間に不足
する能力を補う人材または業務サービスを選択する。
【0056】請求項5,14の発明によれば、人材育成
プランを提示してから所定期間後の組織内の人材の能力
の伸び度合に応じて、組織に請求する報賞額を決定す
る。したがって組織に対するプランの内容が適切であれ
ば、各人材の能力の伸び度合も大きくなり、高い報賞額
が設定されることになる。
【0057】請求項6,15の発明によれば、組織の任
務に適しない人材を、その能力を必要とする他の組織の
補充人材として設定することが可能となる。また請求項
7,16の発明によれば、組織の現在の任務や将来の構
想に適しない人材であっても、その人材を、能力や将来
像に応じた他の組織の補充人材として設定することが可
能となる。さらに請求項17の発明では、この補充人材
の補充先となる組織宛に、前記人材を紹介するレポート
が出力される。
【0058】請求項8,18の発明によれば、個々の人
材の業務実績と組織としての能力の過不足度合とを用い
た査定情報を作成するので、たとえば、組織における能
力が著しく低いにも関わらず、その能力を用いた業務に
おいての実績が向上した場合は、高い評価点を付けるな
ど、組織の成長に対する各人材の貢献度を反映した査定
を行うことが可能となる。さらに請求項19の発明で
は、各人材について作成された査定情報により、組織宛
の報告書、各人材宛の査定結果の通知書などを構成する
情報が出力される。
【0059】請求項20の発明では人材育成プランを、
請求項21の発明では人材育成プランおよび補充人材の
紹介用の情報を、請求項22の発明では業務実績査定用
の情報を、それぞれコンピュータにより所定のフォーマ
ットで出力した情報伝達用媒体が提供される。
【0060】
【発明の実施の形態】図1は、組織のミッション、およ
びそのミッションを遂行するのに必要な条件の概念を示
す。ここで言うところの「組織」とは、会社内で考えれ
ば、事業部,部,課,係,小グループなど、種々の単位
の組織であり、会社全体を1つの組織としてとらえる場
合もある。これらの組織のミッションとは、一般に、そ
の組織より上位の組織内においてその組織がどのような
役割や存在意義を持つかによって定められるもので、具
体的には、実行すべき業務の内容とその業務達成目標と
を示す情報を伴うと考えることができる。業務達成目標
(以下単に「業務目標」という。)には、業務量、達成
期間、仕事の質などの要素が含まれており、これらの要
素から必然的に所定期間内における業務量を導び出すこ
とができる。
【0061】期間内における業務量は、たとえば営業部
門であれば期間内の売上げ金額や契約件数、製造部門で
あれば製造台数の目標値、開発部門であれば開発スケジ
ュールのどの段階までを完了させるかなど、業務の内容
によって異なる方法で示される。しかしながらいずれの
業務についても、その業務を実行するには、業務内容に
応じた所定の能力を有する人材が所定数必要となるの
で、前記期間における業務量は、その業務を実行する能
力を持つ人材の数に置き換えて示すことができる。
【0062】一般に、1つの業務を実行するには、複数
種の能力を発揮することが必要である。これらの能力
は、その業務に特有の専門性の高い能力(たとえば電
気,機械,光学など特定の技術分野に関する専門知識、
語学力、論理を構成して表現する能力など)と、いずれ
の業務にも共通する可能性の高い能力(説明を受けて理
解する能力,事務的な処理の能力など)とに二分される
(図2参照)。
【0063】以下の説明では、業務の実行のために必要
な能力のことを「必要能力」、その必要能力を持つ人材
を「必要人材」と呼ぶ。必要能力とは、業務の遂行に必
要な複数の能力を総合した概念を示す。たとえばある人
材が、ある業務に応じた複数種の能力についてそれぞれ
所定の合格点を得たとき、その人材は業務を実行する必
要能力を具備していると認定することができる。またい
ずれの能力についても、得点が高いほど、その人材が高
い能力を有していると考えられるので、たとえば各能力
毎の得点の総計などにより、人材の持つ必要能力の高さ
の度合を示すことができる(以下この個々の人材の有す
る能力の高さの度合いを「能力量」という。)。したが
って「必要能力」とは、業務に必要とされる能力の種類
とその能力量との組合せによって表されることになる。
【0064】いま業務についての必要人材の能力量が基
準の合格点に達したレベルなど一律であるものと仮定す
ると、この業務の目標を達成するための条件は、何人の
必要人材が必要であるか、によって示すことができる。
【0065】図3は、組織がミッションを遂行する上で
必要な必要人材量を模式的に示す。組織のミッションを
遂行するための業務は、そのミッションの内容に直接関
わる処理を伴うコア業務(たとえば新商品を提案する業
務、製品やシステムを設計する業務など)と、コア業務
を円滑に実行させるためのサポート業務(書類整理、文
書や図面の浄書、庶務業務など)とに二分される。コア
業務、サポート業務とも、複数種の業務を含んでおり、
これら業務は、その業務のミッションへの貢献度や難易
度などによって評価される。
【0066】図示例では、コア業務を行う能力を「コア
能力」、サポート業務を行う能力を「周辺能力」として
示す。コア能力,周辺能力は、その能力により実行され
る業務に対応づけて評価される。各業務の目標を達成す
るための条件は、その業務のための必要能力と必要人材
の数(図中、「必要人員数」と示す。)との組合せによ
って表され、この組合せパターンの集合体が、組織全体
としてミッションを遂行するための条件を表すことにな
る。
【0067】ここで組織における各種必要能力と必要人
員数との組合せの集合(図3(1)の矩形枠の部分に該
当する)による情報を、「必要人材量」と定義する。な
お各必要人材が必要能力を発揮した結果が業務であると
考えた場合、組織として必要な人材量および業務量の総
量同値の考え方により、必要人材量は、図3(2)に示
すように、組織で実行される各業務とその必要人員数と
の組合せの集合(ここでは「必要業務量」と呼ぶ。)に
変換することができる。
【0068】また通常、同じ必要能力が認定された人材
であっても、その能力量には差が生じるはずであり、能
力量の高い人材が含まれているほど必要人材の数を少な
くすることができる。したがってたとえばAランクのコ
ア能力を○点、Bランクのコア能力を×点・・・という
ように、各必要能力とその能力量との組合せの集合によ
って組織のミッションを遂行するための条件を示すこと
も可能である。(以下、この能力量の集合による情報を
「必要能力量」という。)
【0069】図4は、コンピュータシステムにおいて、
必要人材量を求めるための処理の概要を示す。前記業務
内容や業務達成目標を示す情報には、図示のように複数
の項目にかかる情報が含まれる。これら項目毎の情報を
組織から取得するには、たとえば各項目毎に設問を設定
したアンケートを組織に対して行い、各設問に対する回
答をコンピュータシステムに入力する。
【0070】コンピュータシステムには、あらかじめ各
設問に対する回答パターンから業務の内容や所定期間あ
たりの業務量を割り出すための変換テーブル(後記する
ミッション・ビジョン判定テーブル)が設定されるとと
もに、各種業務について、業務の内容と期間あたりの業
務量との組合せのパターン(以下この組合せパターンを
「業務パターン」という。)毎に、それぞれそのパター
ンの示す条件に適合する必要人材の数を設定したテーブ
ル(図中、「業務パターン変換テーブル」と示す。)が
設定される。コンピュータシステムの制御部は、前記入
力された各設問の回答を前記変換テーブルにあてはめる
ことにより、組織で実行される業務パターンを特定した
後、この業務パターンを、業務パターン変換テーブルに
あてはめることにより、組織における必要人材量を求め
る。
【0071】図5は、この発明が適用される分野を示
す。まずこの発明は、組織に所属する各人材(以下、
「現有人材」という。)の育成方針の決定に用いること
ができる(以下、この人材育成方針を決定するためのシ
ステムを「人材育成プラン作成システム」という。)。
このシステムは、企業の人事***門のような部署で使
用されるほか、組織の管理者や教育担当者など組織内の
特定の人材によって使用することができる。また組織運
営をサポートする外部機関などが、各人材の育成プラン
を組織に提案するために使用する場合もある。
【0072】つぎにこの発明は、組織に新たな人材を補
充する際の補充人材の選択に適用することができる(以
下、この補充人材選択用のシステムを「人材補充システ
ム」と総称する。)。この人材補充システムは、たとえ
ば、会社の人事部門において新入社員や臨時社員(パー
トタイマ、アルバイタ)の採用や所属先の決定、または
人事異動の方針立てなどの目的で使用される。また以下
の具体例のように、人材派遣会社において派遣人材を選
択するシステム(以下、「人材派遣システム」とい
う。)や、人材紹介会社が所定の組織に所属する人材を
他の組織に所属するサービスに用いるシステム(以下、
「人材紹介システム」という。)に適用することもでき
る。
【0073】さらにこの発明は、組織における各人材の
業務実績を査定するためのシステムにも適用することが
できる(以下、このシステムを「業務実績査定システ
ム」という。)。なおこの発明は、上記の4種類のシス
テムに限らず、たとえば前記外部の業務サービスを利用
する組織、またはこれら業務サービスの提供者が、組織
にとって最適なサービス利用プランをたてる目的で使用
することも可能である。
【0074】以下、上記した4種類のシステムに本願発
明を適用した場合に発生するシステムの特徴を、従来の
システムと対比させながら説明する。
【0075】 人材育成プラン作成システム 図6は、人材育成プラン作成システムの従来例を示す。
このシステムは、現有人材に所定の能力テストを実施す
るなどして得られた人材の能力を示す情報を用いて、人
材の得手,不得手を抽出する(現有人材診断)。さらに
この抽出結果から、人材固有の努力目標として、たとえ
ば得手とする能力の種類およびその能力の伸び量の目標
値などを示すデータが設定され、所定の形式で出力され
る(育成方針提案)。
【0076】上記のシステムでは、個々の人材の得手,
不得手に基づく育成プランが示されるだけであるから、
たとえば人材に努力目標として示された能力が組織にと
っては十分に保有する能力であった場合、前記の育成方
針は、組織の任務遂行にはなんら貢献しないものとな
る。反対に、人材に示された能力が組織にとって不足す
る能力と一致した場合、人材がその努力目標を達成する
ことは、組織が任務を遂行することに大きく貢献するよ
うになる。本願発明にかかる人材育成プラン作成システ
ムでは、後者のような努力目標を各人材に示すことによ
り、組織,人材をともに成長させるものである。
【0077】図7は、この発明を適用した人材育成プラ
ン作成システムの概要を示す。このシステムは、組織よ
り現在のミッションおよび将来のビジョン(将来、その
組織が担うべき役割や存在意義、すなわち組織に将来与
えられる可能性のあるミッションの内容を指す。)に関
する情報を得るとともに、組織内に現在所属する各人材
(以下「現有人材」という。)の現在の能力や将来像に
関する情報を得て、組織として現在保有する能力および
将来保有する可能性のある能力を判別する。そしてこの
組織としての能力量と各組織がミッションやビジョンを
取得する上で必要とする能力量とを比較することによ
り、組織にとって不足する能力およびその不足量を判別
し、各現有人材がこの不足する能力を身につけ、所定の
期間内に組織が将来のビジョンに向かって成長させるこ
とが可能となるような育成方針を設定し、組織や各現有
人材に提案する。
【0078】図8は、前記人材育成プラン作成システム
の行う処理の概要を示す。この人材育成プラン作成シス
テムは、組織のミッション,ビジョンに関する情報や、
現有人材の現在の能力や将来像に関する情報を用いて、
各現有人材の個々の成長方向(以下「個別成長方向」と
いう。)を設定する。さらにシステムは、各人材の個別
成長方向を用いて、組織宛の人材育成プラン(各人材の
育成方針を示す提案書)や各人材宛の個別プラン(各人
材の成長方向を個別に示した提案書)を作成する。
【0079】前記ミッションやビジョンに関する情報
は、組織の管理者などへのアンケートやヒヤリングによ
り得た情報から導き出されるもので、前記図4に示した
ような複数種の項目にかかる質問への回答という形式で
システムに与えられる。
【0080】現有人材の能力に関する情報は、たとえば
各種の能力項目を各人材または組織の管理者に提示する
ことによって行う。前記能力項目は、能力の種類毎に1
〜複数個設定され、能力の種類または内容を示す「見出
し」に能力量を測るための質問や判定基準などを対応づ
けたデータ構成をとる。したがって現有人材の能力査定
は、各能力項目毎の質問を提示してその回答に評価点を
付け、評価点が所定の合格点に達した項目に対する能力
を人材の能力として認定することによって行う。システ
ムが最終的に処理する情報は、人材の具備する能力の種
類(内容)とその能力量を数値化した情報とを組み合わ
せた情報として設定される。(以下の説明では、この情
報を「能力量の査定情報」と呼ぶ。)
【0081】将来像とは、現有人材の将来の希望や興
味、組織として人材に期待する能力、将来伸びる可能性
のある能力などに関する情報であり、査定情報と同様
に、複数種の質問に対する人材や管理者の回答結果に基
づき、各人材が将来保有する可能性のある能力の種類お
よび能力量を示す情報が設定される。
【0082】この人材育成プラン作成システムは、前記
図4の原理に基づき組織の現在のミッションやビジョン
についての取得情報から前記した業務パターンを求めた
後、現在および将来の業務パターン3を、それぞれ前記
業務パターン蓄積データベースに当てはめて、現在およ
び将来の必要人材量4を求める。さらにこの必要人材量
4は、必要能力量5に置き換えられる。なお業務パター
ン3から直接必要能力量5を導くことも可能であり、ま
た必要に応じて必要能力量5を必要人材量4に置き換え
て示すことも可能である。
【0083】また現有人材の現時点での能力(図中、
「現能力」と示す。)の査定情報6や将来像を示す情報
7については、それぞれ各人材が現在保有する能力、各
人材が将来保有する可能性のある能力を示す情報(具体
的には、能力の種類およびその能力量)を取得する。シ
ステムは、各現有人材の査定情報6を用いて、各現有人
材の能力量を能力の種毎に累計し、組織として現在保有
する能力量8(以下、これを「累計能力量8a」とい
う。)を得る。またシステムは、各現有人材の将来像に
関する取得情報7を用いて、各現有人材の将来予想され
る能力量を取得した後、各現有人材について予想した能
力量を能力の種毎に累計し、組織として将来保有する可
能性のある能力量8(以下これを「予想累計能力量8
b」という。)を得る。
【0084】さらにシステムは、前記累計能力量8aお
よび予想累計能力量8bを、それぞれ現在および将来の
必要能力量5a,5bと比較する。そしてその比較結果
9に基づき、各現有人材の個別成長方向10やプラン1
1を作成する。
【0085】各現有人材の個別成長方向は、組織がミッ
ション,ビジョンを遂行する上での能力の過不足状態と
個々の現有人材の能力や将来像とに基づき設定される。
たとえば組織にとって不足する能力について、能力量の
高い伸びが期待できる人材がいる場合、その能力の種類
や目標とする能力量の伸び度合などを示す情報が、成長
方向として設定される。また人材育成プランや個別プラ
ンは、詳細は後記するが、各人材の個別成長方向やこの
個別成長方向を導くのに用いた各種情報を、所定のテン
プレートにあてはめることなどによって作成される。
【0086】なお上記図7,8のシステムにおいて、組
織の将来のビジョン,各現有人材の将来像に関する情報
は、必ず入手しなければならないというものではなく、
現在の状態を示す情報のみでも、組織が任務を遂行する
上で有効な人材育成プランを作成することが可能であ
る。ただし将来の情報も用いて処理を行う場合、組織の
目指す姿に配慮したより良いプランを作成することがで
きる。
【0087】 人材派遣システム 図9は、人材派遣システムの従来例を示す。この人材派
遣システムは、派遣人材の能力を査定するための各種能
力項目や、派遣対象となる複数の人材のプロフィールな
どが登録されたデータベース部85を具備する。前記能
力項目は、前記人材育成プラン作成システムにおいて現
有人材の能力査定に用いたものと同様のデータ構成をと
る。システムは、登録を希望する外部人材に対し、各能
力項目を提示して、それぞれの質問に対する人材の回答
から前記人材の保有する能力の種類やその能力量を判別
し、これをデータベース部85に登録する。
【0088】クライアントである組織は、人材派遣会社
に対し、派遣人材の能力や派遣期間などについての希望
の条件を提示する。人材派遣システムは、この組織側の
要求に応じた人材をデータベース部85から抽出し、そ
の登録された能力を組織側に提示する。また提示される
派遣人材が複数人である場合、組織は提示された人材の
中から所望の人材を選択して、その人材の派遣を受け
る。
【0089】上記のシステムでは、あくまでも組織側か
ら提示された条件に応じた人材を選択するだけであり、
その人材が組織の任務達成にとって本当に必要な人材と
なるかどうかや、その人材が組織の将来の成長に貢献し
得るかまでは、考慮されていない。
【0090】図10は、この発明を適用した人材派遣シ
ステムによるサービスの概要を示す。この人材派遣シス
テムを管理する人材派遣会社は、クライアントである組
織の現有人材の能力や適正などを診断して、組織が現在
のミッションを遂行する上で不足する能力を補う人材を
派遣する。また組織が将来のビジョンに向かって成長で
きるように、各現有人材の育成方針を設定して組織に提
案するとともに、各現有人材が育成方針に沿って自助努
力をするのに適した人材を派遣する。
【0091】前記人材育成方針の提案は、各現有人材の
能力や適性、希望などを診断した上で、人材育成プラン
を組織に提示することにより行われる。また人材派遣会
社は、組織に対して派遣する人材の計画を立て、この計
画内容を示す人材の派遣プランを、前記人材育成プラン
とともに組織に提示する。
【0092】組織に派遣される人材は、図11に示すよ
うに、組織としての必要人材量に対し、現有人材では不
足する能力量を補うための人材として位置づけられる。
前記図10の人材派遣プランでは、サービス開始直後の
派遣人材として、現在のミッションに基づく必要人材量
に不足する能力を補うための人材を選択するとともに、
サービス開始から所定期間経過後の派遣人材を、将来の
ビジョン、またはそのビジョンに進むための中間目標に
応じて抽出した必要人材量に基づいて選択し、各時点で
の派遣人材を組織に提案する。なお、派遣人材を変更す
るタイミングは特に規定されず、組織の現有人材の育成
期間中に、複数のステップで派遣人材の内容を変更する
ようにしてもよい。また育成期間が終了した時点での現
有人材の能力でもなお必要人材量に不足すると考えられ
る場合は、その不足する能力量を補うための派遣人材を
提案する。
【0093】図10に戻って、さらに人材派遣会社は、
提案した人材の育成期間が経過した時点で、各現有人材
の能力の伸びに応じた「出来高」を設定し、これを組織
に請求する。また派遣人材に対しては、所定額の基本契
約料のほか、派遣期間における現有人材の能力の伸びに
応じた「出来高」を支払う。ただしこの「出来高」の設
定は必ずしも必要ではない。
【0094】図12は、上記システムによる人材派遣会
社のサービスが組織に対して与える役割を示す。各現有
人材に提示される成長方向は、各現有人材の現在の能力
に基づく特性度合(組織の業務を行う上で得手、不得手
となる能力の種類やその能力量の過不足の度合をい
う。)や、予想評価度合(将来伸びが予想される能力の
種類やその能力量の伸び度合をいう。)を含む情報とし
て作成される。
【0095】組織は、人材派遣会社から提案された人材
育成プランや人材派遣プランに応じて各現有人材の育成
方針を設定し、その方針に沿って各人材を育成する。ま
た各現有人材は、個々に提示された成長方向に応じて将
来像を修正しつつ、提示された成長方向に向けて能力を
伸ばすべく自助努力を行う。各人材が提示された方向に
能力を伸ばすことにより、組織全体の能力量は、前記ビ
ジョンに示した業務パターンをこなすための必要能力量
に近づいていく。
【0096】人材派遣会社は、サービスの開始時点で組
織の初期状態における能力不足を補うための人材を派遣
するほか、この派遣人材を、各現有人材が成長する過程
での能力不足を補うという長期的視野で抽出した派遣人
材に、適宜切り替える。また各現有人材が成長方向に応
じて成長した時点でもなお将来のビジョンを達成する上
で不足する能力がある場合には、その能力不足を補うた
めの人材を派遣する。よって組織は、組織の成長に必要
な人材の派遣を受けながら組織全体としての目標に応じ
て現有人材を成長させることができ、組織全体として将
来のビジョンを実現する方向に成長していくことができ
る。
【0097】なおこの人材派遣システムにおいても、将
来の組織のビジョンや現有人材の将来像に関する情報
は、必ず求めなければならないというものではなく、現
在のミッション,各現有人材の現在の能力の査定情報を
用いての処理に留めても良い。この場合、システムは現
在の組織における必要能力量と組織の現有人材により得
られる現在の累計能力量との比較から組織が現在の業務
を行う上で不足する能力を抽出し、その能力不足を補う
ための派遣人材を抽出することになり、従来のような組
織の要望に応じるだけの人材派遣サービスから、組織の
能力の過不足状態に適切に対応できるような人材派遣サ
ービスに転換することができる。また現有人材に対して
も、ミッションを遂行する上でその人材の能力や適正に
応じた努力目標を示すことが可能である。ただしこの場
合には、努力目標の提示は必ずしも必要ではない。
【0098】図13は、前記人材派遣システムを使用す
る人材派遣会社と組織との関係を示す。前記人材派遣シ
ステムは、組織およびその現有人材からの情報を受け付
けて各種プランを作成する処理手段1と、データベース
部2とを含む。処理手段1は、コンピュータのCPUに
プログラムを与えることによって実現するもので、組織
の現在のミッションやビジョンに関する情報、各現有人
材の現在の能力に対する査定情報、および現有人材の将
来像に関する情報を得て、前記人材育成プラン、人材派
遣プランを作成するとともに、派遣人材を選択する。
【0099】前記処理手段1は、取得した各種情報を用
いて、前記した人材育成プラン作成システムと同様の方
法で各現有人材の個別成長方向を設定する。なおこの成
長方向は、各現有人材の能力の伸びをチェックするため
に能力の査定を行う都度、調整することができる。
【0100】さらに処理手段1は、各現有人材の個別成
長方向を用いて組織向けの人材育成プランや人材派遣プ
ランを作成する。人材育成プランは、前記人材育成プラ
ン作成システムにおけるものと同様に、各現有人材につ
いて設定した個別成長方向をまとめたものである。人材
派遣プランは、人材育成プランを実行するために必要な
派遣人材を提案するものである。これらのプランは、組
織に承認されることにより有効化され、データベース内
に保存される。さらに処理手段1は、各現有人材に対
し、それぞれの個別成長方向を示す個別プランを作成す
る。
【0101】データベース部2には、承認されたプラン
のほか、前記登録人材の査定のための能力項目、所定数
の派遣人材の登録情報、組織に認められたプランに関す
る情報などが格納される。
【0102】図14は、前記人材派遣システムの行う処
理の概要を示す。このシステムも、前記人材育成プラン
作成システムと同様に、組織の現在のミッションや将来
のビジョンを表す業務パターン3を取得し、その取得情
報から現在および将来の必要人材量4,必要能力量5を
求める。また各組織内の現有人材について、それぞれの
能力の査定情報6や将来像に関する情報7を取得した
後、累計能力量8a,予想累計能力量8bを求め、これ
らの累計能力量8a,8bと組織の必要能力量5a,5
bとを比較する。
【0103】さらにシステムは、前記の比較結果9を用
いて各現有人材の個別成長方向を設定するとともに、組
織に提案するプラン11を作成する。またシステムは、
比較結果9に基づき前記データベース部2を検索して、
組織において現在または将来不足する能力を補うための
人材を抽出する。なおここでは図示していないが、前記
プラン11には、派遣人材の抽出結果80に基づく人材
派遣プランも含まれており、組織がこのプランを承認す
ることにより、前記派遣人材の抽出結果に基づく人材P
が補充人材として組織に派遣されることになる。
【0104】図15は、上記人材派遣システムにおい
て、組織へ請求する出来高を求める処理の概要を示す。
前記図14において、サービスの開始時に取得した必要
能力量5,累計能力量8a,予想累計能力量8bなどの
情報は、データベース部2に格納される。システムは、
人材育成期間が経過した時点で、再び現有人材の能力の
新たな査定情報12を取得し、これらを能力の種類毎に
累計する。そしてこの新たな累計能力量13をデータベ
ース部2に格納していた以前の累計能力量14と比較
し、その比較結果15に応じて出来高16を決定する。
なお新たに得た累計能力量13、新旧の累計能力量の比
較結果15、決定した出来高16などは、データベース
部2に保存される。
【0105】上記の処理により設定される出来高には、
図16に示すように、派遣人材がその担当業務を達成し
た度合に応じた出来高のほか、前記システムにより提案
した各種プランおよび派遣人材が組織の高付加価値化に
貢献した度合に応じた出来高が含まれる。なお組織の高
付加価値化とは、主として現有人材の能力の向上により
組織全体における能力が向上したことを指す。
【0106】なお上記の人材派遣システムの構成は、外
注としての業務提供サービスにも適用することができ
る。この場合は、派遣人材に代えて、組織において不足
する能力に応じた業務を抽出し、組織に提案することに
なる。
【0107】 人材紹介システム 図17は、従来の人材紹介システムの例を示す。図示例
の人材紹介システムは、任意の組織からその組織が必要
とする人材についての条件を取得するとともに、その組
織とは異なる組織内の人材の中から前記条件に応じた能
力を有する人材を求め、前記組織への補充人材として紹
介するものである。場合によっては、図示のように、2
つの組織間で所属人材の入替えを行うようなケースも発
生する。また組織の希望条件に応じた人材が見つからな
い場合は、外部の新規人材を採用する。なお新規人材と
は、いずれの組織にも所属しておらず、組織間で補充人
材を確保できない場合に補充の対象となる人材である。
この新規人材としては、たとえば前記人材派遣会社の登
録人材やアルバイター、新入社員などをあげることがで
きる。
【0108】上記の人材紹介システムも、前記図9に示
した従来型の人材派遣システムと同様に、組織側の要求
に応じて補充人材を選択するものである。また多くの場
合、補充人材を提供した側の組織についての保持能力の
変化が考慮されないので、人材が抜けた後の組織の運営
に大きな支障が生じることがある。
【0109】図18は、この発明を適用した人材紹介シ
ステムの例を示す。このシステムでは、複数の組織の能
力の過不足状態を判別し、ある組織で組織のミッション
やビジョンを実行する上で不足する能力がある場合、そ
の能力を必要としない組織またはその能力が過剰となっ
ている組織から、前者の組織に補充するための人材を抽
出する。
【0110】図19は、前記人材紹介システムと組織と
の関係を示す。このシステムも、前記人材派遣システム
と同様の処理手段1やデータベース部2を具備するもの
で、データベース部2には、各組織の現有人材につい
て、それぞれその能力や将来像に関する情報を含むプロ
フィールが登録される。処理手段1は、組織の現在のミ
ッションやビジョンに関する情報,各人材の能力や将来
像に関する情報を用いて前記した2つのシステムと同様
の人材育成プランや個別プランを作成し、これらを組織
や各人材に提示する。また処理手段1は、各組織につい
ての取得情報からそれぞれの組織における能力の過不足
状態を判別し、能力の不足する組織に対しては、その不
足する能力が過剰となっている組織より補充人材を抽出
する。そして補充先、補充元の双方の組織に対し、前記
補充人材に関する提案書(以下「人材補充プラン」とい
う。)を作成して提示する。
【0111】図20は、前記人材紹介システムにおける
処理の概要を示す。このシステムも、前記人材育成プラ
ン作成システムや人材派遣システムと同様に、各組織毎
にその組織の現在のミッションや将来のビジョンを表す
業務パターン3を取得し、その取得情報から現在および
将来の必要人材量4,必要能力量5を求める。また各組
織内の現有人材について、それぞれの能力の査定情報6
や将来像に関する情報7を取得した後、累計能力量8
a,予想累計能力量8bを求め、これらの累計能力量8
a,8bと組織の必要能力量5a,5bとを比較する。
【0112】さらにシステムは、前記の比較結果9を用
いて補充を必要とする組織を判別した後に、組織への紹
介人材をデータベース部2より抽出する。そして前記比
較結果9や紹介人材の抽出結果81を用いて、各組織や
補充の対象の人材宛の人材補充のプラン17を作成す
る。このプランが承認されると、前記抽出結果81に基
づく紹介人材P1は、組織への補充人材として紹介先の
組織に配属される。
【0113】上記の人材紹介システムによれば、組織間
においてそれぞれの能力の過不足状態を補完することに
より、効率の良い人材補充を行うことができる。また各
人材に対しても、自分の能力や将来像に適した組織や、
能力や興味に応じた業務を提供することができる。なお
このシステムについても、将来のビジョンや人材の将来
像に関する情報を用いずに処理を行うことができる。こ
の場合、各組織における現在の能力の過不足状態に応じ
て所属人材の調整が行われるようになり、各組織に現在
の任務を遂行する上でバランスのとれた能力の分布状態
を設定することができる。
【0114】さらに上記の人材紹介システムは、人材紹
介会社のみならず、会社の人事部門が人事異動などの目
的で使用することもできる。この場合、前記プラン17
を、人材に対する異動の内示通知として作成することが
可能となる。
【0115】 業務実績査定システム図21は、業務
実績査定システムの従来例を示す。この業務実績査定シ
ステムは、組織内の現有人材の業務実績を所定の判定基
準に基づき査定し、その査定結果を示す評価値などを組
織や人材自身に提示するものである。なお業務実績の査
定は、たとえば、各人材の担当業務について設定された
所定数の質問に対する人材自身や上司の回答を判定基準
と照合することによって行われる。
【0116】この種のシステムは、組織の管理者または
人事部門のほか、上位の経営陣によって使用される。ま
た各人材の業務実績の査定を外注業務とする専門サポー
ト会社によって使用することもできる。しかしながら上
記図21のシステムでは、個々の人材についての担当業
務の達成度合が重視され、組織における能力の過不足度
合と各人材の能力との関係は考慮されていない。したが
って組織にとって簡単に実施できる業務を担当している
場合と、組織にとって非常に困難な業務を担当している
場合とで判定基準を変更するような査定は行われていな
い。
【0117】図22は、この発明を適用した業務実績査
定システムの概要を示す。この業務実績査定システム
は、組織内の現有人材の業務実績を所定の判定基準に基
づき査定するとともに、組織のミッションおよび各現有
人材の能力の査定情報から前記ミッションを遂行する上
での組織の能力の過不足度合を求める。そしてこの過不
足度合を前記業務実績の査定結果に加味することによ
り、組織としての得手,不得手を反映した業務査定を行
うようにしている。
【0118】図23は、業務実績査定システムの処理の
概要を示す。このシステムでは、現在のミッションにつ
いては、前記した各システムと同様に、組織の現在の業
務パターン3を取得し、その取得情報からミッションの
達成に必要な必要人材量4,必要能力量5を求める。ま
た現有人材の能力についても、前記各実施例と同様に、
各人材の有する能力の査定情報6を得た後、各人材の能
力量を種毎に累計して累計能力量8を得、前記必要能力
量5と比較する。
【0119】またシステムは、各現有人材の業務実績に
関する情報を、たとえば各人材の担当業務の実績に対
し、本人または上司、あるいは両者が評価した結果とし
て取得する。業務実績査定システムは、前記必要能力量
5と累計能力量8との比較結果9を業務実績の取得情報
に加味したものを、最終的な査定情報18として特定
し、これを組織に提示する。すなわちシステムは、各業
務について、その業務に必要な能力を組織が十分に有し
ているか、その能力が不足しているかによって、その業
務実績の評価値を調整する。たとえば組織として不足し
ている能力を用いた業務については、通常の評価基準よ
りもあまい判定基準で評価する一方、組織としての能力
が十分である能力による業務については、通常の規定よ
りも厳しい判定基準で評価する。このような査定方法に
より、組織においてとりわけ困難な業務を達成する上で
各人材が果たした貢献度を反映させた業務査定を行うこ
とができ、管理者や人事担当者の経験や勘を頼りにしな
くとも、各人材の業務実績を適性に評価することができ
る。
【0120】なお上記の業務実績査定システムでは、現
在のミッションを示す情報を用いて組織の能力の過不足
度合を判別しているが、これに限らず、特に所定期間に
わたる業務実績を査定するような場合は、期間内に完了
した業務に関する情報も用いて、期間内に実施されたす
べての業務に対する組織としての能力の過不足度合を判
別し、その判別結果を各人材の業務実績に反映させるよ
うにしてもよい。またシステムの利用者が組織の管理者
や人事部門である場合は、査定情報は組織のみならず、
各人材に個々に提示することが可能である。
【0121】
【実施例】以下、上記した4種類のシステムについての
具体的な構成や処理の手順を、順を追って説明する。
【0122】 実施例1:人材育成プラン作成システ
ム 図24は、人事部門のような管理部門が人材育成プラン
作成システムを使用した場合の組織と管理部門との関係
を示す。前記管理部門では、人材育成プラン作成システ
ムを用いて、組織の現在のミッションおよびビジョンに
関する情報、ならびに各現有人材の能力および将来像に
関する情報から各人材の個別成長方向を設定するととも
に、各現有人材の個別成長方向から組織全体に対する人
材育成プランを作成する。作成された人材育成プランは
組織に提示され、組織はこのプランに基づき、各現有人
材の育成方針を決定する。また管理部門から各現有人材
には、それぞれその人材の個別成長方向を示す個別プラ
ンが提示される。
【0123】図25は、前記人材育成プラン作成システ
ムを実現するためのコンピュータのハード構成を示す。
このコンピュータ20は、制御の主体となる演算装置
(CPU)21とメモリ22とを主体とする。メモリ2
2内には、前記したデータベース部2のほか、演算装置
21に前記システムの処理部としての機能を付与するた
めのプログラム格納用メモリ23や、前記プログラムを
実行する上での作業領域としてのプログラム実行用メモ
リ24が含まれる。
【0124】前記演算装置21には、インターフェイス
25を介して前記ミッション,ビジョン,および各現有
人材についての個人情報(能力および将来像)を入力す
るための手段26(以下単に「入力手段26」とい
う。)が接続され、また情報出力用のドライバ部27を
介して前記人材育成プランや個別プランを組織や各人材
に提示するための手段28(以下単に「提示手段28」
という。)が、接続される。入力手段26,提示手段2
8の代表的なものとして、それぞれキーボード、プリン
タをあげることができる。ただし入力手段26はマウス
や光学的読み取り装置などにより、提示手段28はファ
クシミリ装置などにより構成することも可能である。
【0125】また図26に示すように、組織とシステム
との間での情報のやり取りがFD,CD−R,DVDな
どの記録媒体を用いて行われる場合は、入力手段26お
よび提示手段28を、使用する記録媒体用のドライブ装
置として一体化することができる。さらに組織と管理部
門とがネットワーク回線によって接続されている場合
は、入力手段26と提示手段28とは一体であって、前
記ネットワーク回線および入出力信号の送受信回路によ
り構成されることになる。なおこのハード構成は、人材
育成プラン作成システムに限らず、後記する人材派遣シ
ステム,人材紹介システム,業務実績査定システムの各
システムにも適応する。
【0126】図27は、前記人材育成プラン作成システ
ムの具体的な構成を示す。前記データベース部2には、
入力情報および処理の過程で生成される情報として、組
織のミッションやビジョンに関するデータ、必要人材量
データ、必要能力量データ、各現有人材の能力データ、
組織の累計能力量データ、組織における能力の過不足度
合データ、組織に対する各人材の得手・不得手データ、
個別成長方向データなどの格納領域37〜45が設定さ
れる。このほかデータベース部2には、入力情報の変換
処理やプラン作成のためなどに、ミッション・ビジョン
判定テーブル46、業務パターン変換テーブル47、報
告用テンプレート48、査定用データテーブル49、能
力量判定テーブル50などが格納される。
【0127】図中、処理手段1は、前記プログラム格納
用メモリ23内のプログラムを実行する前記演算装置2
1によって実現するもので、情報取得手段29,変換処
理手段30,能力取得手段31,将来像取得手段32,
能力累計手段33、比較手段34、人材育成プラン作成
手段35、個別プラン作成手段36などの手段を含む。
【0128】前記情報取得手段29は、組織のミッショ
ンおよびビジョンに関する情報の入力を受け付けて、組
織における現在および将来の業務内容や業務目標を取得
するためのものである。能力取得手段31は、各現有人
材の能力を示す情報の入力を受け付けて、各人材が現在
保有する能力の種類およびその能力量を求める。将来像
取得手段32は、各現有人材の将来像に関する情報の入
力を受け付けて、各人材が将来保有する可能性のある能
力の種類およびその能力量を求める。なお以下の説明で
は、各現有人材の能力の種類および能力量については、
現在および将来のデータをまとめて「能力量データ」と
いう。
【0129】前記変換処理手段30は、ミッション、ビ
ジョンに関する取得情報から、組織における現在および
将来の必要能力量を求める。能力累計手段33は、現有
人材の能力量データから前記した累計能力量や予想累計
能力量を算出する。比較手段34は、これら累計能力
量,予想累計能力量を、それぞれ現在および将来の必要
能力量と能力の種毎に比較することにより、組織におけ
る能力の過不足度合を抽出する。
【0130】個別プラン作成手段36は、各現有人材に
ついて、それぞれその人材の能力量データに基づき、組
織が必要とする能力に対する個人の得手,不得手を示す
データを作成する(以下これを「得手・不得手データ」
という。)。さらに個別プラン作成手段36は、前記得
手・不得手データと前記比較手段34により抽出された
組織における能力の過不足度合とを用いて各人材の個別
成長方向を設定し、その設定データに基づき各現有人材
の個別プランを作成する。
【0131】人材育成プラン作成手段35は、情報取得
手段29や変換処理手段30による処理結果や、前記個
別プラン作成手段36により設定された各現有人材の個
別成長方向を用いて、組織としての人材育成プランを作
成する。なお前記データベース部2の報告用テンプレー
トの格納領域48には、人材育成プランおよび個別プラ
ンについて、定型文書を示す電子データのほか、前記個
別成長方向などのデータからこの定型文書のブランク部
分に嵌め込むデータを導くためのプログラムなどが保存
されている。
【0132】以下、処理手段1内の各手段による処理の
詳細および各手段に関係するデータベース部2内のデー
タ構成について、順を追って説明する。
【0133】この実施例の情報取得手段29は、ミッシ
ョンやビジョンに関する情報として、たとえば組織に対
してアンケートやインタビューを行った結果に基づく情
報であって、所定数の質問項目に対する組織側の回答結
果という形式の情報を入力する。これらのデータ入力に
ついては、あらかじめ紙媒体によるアンケートやヒヤリ
ングよりより得た情報を管理部門側で入力する場合もあ
るが、前記入力手段26が記録媒体やネットワーク回線
によって構成される場合は、組織側において直接入力す
ることが可能である。
【0134】データベース部2内のミッション・ビジョ
ン判定テーブル46は、前記ミッションやビジョンに関
する入力情報に含まれる回答パターンから業務の内容や
業務目的を判別するためのものである。業務内容の判別
のためには、たとえば複数種の業務をコード情報に対応
づけた業務テーブルが設定される。また業務目標の判別
のためには、業務の種毎に、業務目標に関する所定数の
質問に対する回答パターンから所定期間毎の業務量を導
くための変換テーブルが設定される。
【0135】前記情報取得手段29は、前記ミッション
・ビジョン判定テーブル46を用いて、前記ミッショ
ン,ビジョンに関する入力情報から組織における現在お
よび将来の業務内容、業務目標を判別する。なお判別さ
れた業務内容、業務目標の組合せ、すなわち業務パター
ンは、データベース部2のミッション,ビジョンの各デ
ータ格納領域37,38に保存される。なおミッション
は、中期,長期の計画から導き出されることが多いた
め、ミッションに関わる情報として入力された情報の中
にビジョンに関する情報が含まれている場合がある。
【0136】前記業務パターン変換テーブル47には、
前記図4に示した概念に基づき、各種業務パターンに対
応させて、その業務パターンを実現するための必要人材
量が設定されている。変換処理手段30は、前記ミッシ
ョン,ビジョンについて得られた業務パターンを業務パ
ターン変換テーブル47にあてはめて、現在および将来
の組織における必要人材量を取得する。
【0137】図28は、前記変換処理手段30の処理手
順を示す。なお以下では、「ミッション」の業務パター
ンを用いて現在の必要人材量を取得する場合を想定して
説明するが、将来の必要人材量についても、「ビジョ
ン」の業務パターンを用いて同様の処理を行うことによ
り取得することができる。
【0138】前記したように、組織のミッションは、通
常、複数の業務を実行することにより成立する。変換処
理手段30は、最初のST1で、前記データベース部2
の「ミッション」データの格納領域38より、各業務に
かかる業務パターンを読み出す。その後は、ST2,3
のループにおいて、前記業務パターン変換テーブル47
より各業務パターンに対応する必要人材量を順次取得す
る。そして最終的に、ST4において、各業務毎にその
業務の種類を表す情報と必要人材量とを対応づけたデー
タを作成した後、これらデータの集合を組織としての必
要人材量としてデータベース部2に格納する。なお上記
の処理の後、さらに変換処理手段33は、前記必要人材
量を必要能力量に置き換えてデータベース部2に格納す
る。
【0139】つぎに、現有人材の能力データの取得につ
いて説明する。この実施例では、各種能力の能力量を測
るための複数項目の質問に人材自身または上司が回答し
た結果を示す情報を入力する(以下では、人材自身が回
答したものとして説明する。)。前記査定用データテー
ブル49には、複数の能力項目毎に、その項目の表す能
力を測るための各種質問の内容が設定され、能力量判定
テーブル50には、各質問に対する回答パターンから能
力量を特定するための判定基準などが設定される。能力
取得手段31は、入力された現有人材毎の回答パターン
をそれぞれ前記判定基準にあてはめて、各現有人材が保
有する能力の種類およびその能力量を求める。
【0140】図29は、前記能力取得手段31が各現有
人材の能力に関する情報を取得する処理手順を示す。な
お図示例は、前記入力手段26が組織側のコンピュータ
に接続されたネットワーク回線により構成され、現有人
材に直接質問を提示して各質問に関する回答を直接入力
することを前提としているが、この質問は紙媒体などに
より提示し、その回答を、管理部門側で入力するように
してもよい。また回答の記録された記録媒体をシステム
に投入して、記録情報を読み込むようにしてもよい。
【0141】図29の手順では、まず前記査定用データ
テーブル49より各能力項目の「見出し」の部分を読み
出し、その内容を組織側コンピュータのモニタ画面上に
表示するなどの方法により各人材に提示する(ST
5)。前記「見出し」とは、能力の種類を表す文字情報
(たとえば企画力,情報分析力,交渉能力など)であっ
て、必要に応じて能力の内容を説明する情報が付加され
る。ここでは各能力項目を提示することにより、人材に
自分に適合すると思われる能力を選択させるようにして
いる。
【0142】所定数の能力項目が選択されると、ST6
からST7へと進み、データベース部2の査定用データ
テーブル49および能力量判定テーブル50から、それ
ぞれ選択された各能力項目についての質問および判定基
準が読み出される。さらにつぎのST8では、読み出さ
れた各質問が前記モニタ画面に提示され、人材側の回答
入力に待機する。そして質問に対する回答が入力される
都度、ST9からST10に進んで、入力された回答の
内容を前記プログラム実行メモリ24などに一時保存す
る。
【0143】提示されたすべての質問に対する回答入力
が終了すると、ST11からST12に移行して、選択
された能力項目毎の回答パターンを前記判定基準にあて
はめて所定の評価値を導き出す。こうして得られた評価
値は、各能力項目における能力量として、プログラム実
行メモリ24などに一時保存される。つぎのST13で
は、各能力項目毎の評価値をチェックする。そして所定
の水準値以上の評価値を得た項目がある場合は、ST1
4でその能力項目の示す能力に類似する能力も選択され
ているか否かをチェックし、選択されていない項目があ
れば、ST16でその項目を選択する。そして選択した
能力項目について、同様に前記ST7〜12の処理を実
行することにより、これら能力項目についての能力量を
示す評価値を取得する。
【0144】このようにまず人材の選択した能力項目に
ついての能力量をチェックした上で、高い能力が示され
た能力項目について、その項目に類似する能力項目の能
力量までをチェックする。ST13の判定が「NO」ま
たはST14の判定が「YES」となると、ST15に
進み、各能力項目のうち、評価点が合格点に達している
項目にかかる能力を、前記人材の能力として特定する。
そして合格点に達した各能力項目について、それぞれそ
の項目の「見出し」に用いられた能力の種類と評価点と
して得た能力量とを組み合わせたデータを作成し、これ
を人材の能力データとして、データベース部2の領域4
1に保存する。
【0145】なお前記査定用データテーブル49,能力
量判定テーブル50には、現在の能力のみならず、将来
の能力を測るための質問や能力量を特定するための判定
基準も含まれている。現有人材の将来像は、これらの質
問に対する現有人材または上司の回答結果として入力さ
れるもので、将来像取得手段32は、前記図29と同様
の手順により、各人材の回答パターンからその人材が将
来保有する可能性の高い能力の種類およびその能力量を
抽出し、その抽出結果を人材の将来の能力データとして
データベース部2に保存する。
【0146】図30は、能力累計手段33による処理の
手順を示す。なおここでは現在の能力量を累計すると想
定して説明するが、将来の能力量を累計する場合も、同
様の手順が実行される。まず能力累計手段33は、図3
0のST17で、各人材について前記図29の手順によ
り得られた能力データを読み出す。そしてつぎのST1
8で、各能力量を能力の種類毎に累計した後、続くST
19で、能力の種類毎に能力量の累計値を対応づけたデ
ータを作成する。これらのデータは、現在における累計
能力量データとしてデータベース部22の領域42内に
保存される。なおここでは図示しないが、累計処理の対
象とする能力は、前記ミッションやビジョンのために必
要能力として登録された能力に限定してよい。
【0147】図31は、前記比較手段34の処理手順を
示す。なおこの図でも、現在の累計能力量を必要人材量
と比較する場合を想定して説明するが、将来の予想累計
能力量と必要人材量との比較も同様にして行われる。図
31のST20,21において、比較手段34は、それ
ぞれデータベース部2より必要能力量データ、累計能力
量データを読み出す。そして必要能力量データの示す各
能力の種類毎に、累計能力量と必要能力量とを比較する
(ST22)。つぎのST23では、前記比較結果に基
づき、必要能力の種類と能力量の過不足度合を示す数値
データとを組み合わせた情報を作成し、これらデータを
組織における能力の過不足度合データとして、データベ
ース部2の領域43に保存する。
【0148】図32は、前記個別プラン作成手段36が
各現有人材の得手・不得手データを生成する場合の処理
手順を示す。なおここでは一人の人材に対するデータ生
成方法を示しており、組織の各人材毎に図32の手順を
繰り返す必要がある。この処理の最初のステップである
ST24では、人材の能力データ、すなわち現在および
将来における能力の種類およびその能力量を読み出し、
さらにつぎのST25で、前記必要能力量データなどか
ら組織における必要能力の種類を取得する。そして各必
要能力の種類毎に、以下のような処理を実行する。
【0149】ST26では、所定の必要能力について、
現有人材の現在の能力量を所定の基準値と比較する。現
有人材の能力量が前記基準値を上回る場合は、この人材
は、前記必要能力について高い能力を有していると判定
してST28へと進む。ST28では、着目中の必要能
力の種類,その必要能力について人材が保有する能力
量,将来の能力の伸び度合などを示すデータを人材の
「得手データ」として設定し、これをデータベース部2
の領域44に保存する。
【0150】一方、ST26が「NO」の場合はST2
7に進み、前記必要能力についての人材の現在の能力量
と将来の能力量とを比較して得られる能力の伸び度合を
所定の基準値と比較する。この伸び度合がいずれも基準
値以上であれば、前記必要能力を伸ばす可能性のある人
材であると判断してST29に進み、着目中の必要能力
の種類、その必要能力について人材が保有する能力量、
前記能力の伸び度合などを示すデータを、人材の「準得
手データ」として設定し、これをデータベース部2の領
域44に保存する。
【0151】なお着目している必要能力に対応する能力
データが存在しない場合は、ST26,27の判定がい
ずれも「NO」となり、ST30に移行する。ST30
では、この着目中の必要能力の種類にnullコードなどを
対応づけたデータを作成し、これを人材の「不得手デー
タ」としてデータベース部2の領域44に保存する。
【0152】このようにして組織の必要能力の種類毎
に、その必要能力が人材にとって得手、準得手、不得手
のいずれに該当するかをチェックし、得手、準得手、不
得手のいずれかのデータを作成してデータベース部2に
保存する。すべての必要能力についてのデータの作成、
保存が終了すると、ST31が「YES」となり、前記
現有人材についての得手・不得手データの生成処理が終
了する。
【0153】図33は、前記個別プラン作成手段36に
よる個別成長方向データの設定、およびそのデータを用
いての個別プランの作成にかかる処理手順を示す。なお
この図も、前記図32と同様に、一人の現有人材につい
ての処理手順を示しており、組織の全人材の個別プラン
を作成するには、人材毎に図示の手順を繰り返すことに
なる。
【0154】図示例では個別成長方向データとして、重
要能力データ、有力データ、要努力データの3種類のデ
ータを設定している。これらのデータは、現有人材にと
っての得手・不得手データを組織にとっての能力の過不
足度合と照合することにより得られるもので、重要能力
データは、組織にとって不足する能力を現有人材が保有
していること、または将来保有する可能性があることを
示す。他方、要努力データは、組織にとって不足する能
力を現有人材が不得手としていることを示す。また有力
データは、現有人材が得手とする能力または得手となり
得る能力が、組織にとっても十分に確保されていること
を示す。
【0155】図33において最初の手順となるST32
では、着目中の現有人材についての得手・不得手データ
を読み出す。読み出したデータに得手データまたは準得
手データが含まれる場合は、ST33が「YES」とな
り、ST34〜37の処理により前記重要能力データや
有力データを作成する。また読み出したデータに不得手
データが含まれる場合は、ST38が「YES」とな
り、ST39〜42の処理により要努力データが作成さ
れる。
【0156】得手データ、準得手データについては、順
につぎのような処理が行われる。まずST34では、着
目するデータに対応する必要能力が組織にとって不足す
る能力であるか否かを判別する。この判別は、前記必要
能力量と累計能力量との比較により得た能力の過不足度
合データに基づき行われるもので、着目する能力が組織
にとって不足している場合は、ST35に進んで重要能
力データを作成する。また着目する能力が組織において
十分である場合は、ST36に進んで有力データを作成
する。なお重要能力データ、有力データは、いずれも、
着目中の得手データまたは準得手データから得た人材の
現在の能力量や将来の能力の伸び度合などを能力の種類
に対応づけた構成をとり、データベース部2の領域45
に保存される。
【0157】つぎに不得手データについても同様に、S
T39で着目中のデータに対応する能力が組織にとって
不足する能力であるか否かをチェックする。ここで不足
する能力であると判別されると、ST39からST40
へと進み、組織としての能力の過不足度合や現有人材の
数などに基づき、その能力についての現有人材の伸び度
合の目標値を設定する。なお前記図29に示した能力デ
ータの取得時に、不得手な能力についても能力量を取得
するようにすれば、この能力量に応じた目標値を設定す
ることができる。
【0158】能力の伸び度合の目標値を設定すると、つ
ぎのST41で、要努力データとして、前記目標値を能
力の種類に対応づけたデータを作成し、これをデータベ
ース部2の領域45に保存する。
【0159】このようにして現有人材の成長方向データ
が作成されると、最後のST43において、前記データ
ベース部2の報告用テンプレートの格納領域48から個
別プラン用のテンプレートを読み出し、このテンプレー
トに前記成長方向データを当てはめることにより、前記
現有人材に対する個別プランを作成する。作成されたプ
ランは、電子データ形式で提示手段28へと出力され、
提示手段28の構成に応じた形式で現有人材に提示され
る。
【0160】図34は、紙媒体に出力された個別プラン
の一例を示す。この図示例では、前記重要能力データを
抽出し、これらデータの示す能力の種類とその期待度と
を対応づけたグラフや、各能力がどのような業務に関わ
るかを示す文書データが示されている。なお文書データ
中の点線部分は、定型文書中のブランクであり、重要能
力データから導かれた能力の種類や能力の伸び度合が嵌
め込まれている。
【0161】図35は、人材育成プラン作成手段35に
よる処理手順を示す。この処理では、まず最初のST4
4で、前記データベース部2より、組織における必要能
力の種類毎に能力の過不足度合を読み出した後、必要能
力の種類毎に以下の処理を実行する。
【0162】ST45では、着目する能力が組織にとっ
て不足する能力であるか否かをチェックする。そして不
足する能力であると判別した場合は、ST45からST
46に進み、前記各現有人材の成長方向データを検索す
ることにより、前記能力について重要能力データ、要努
力データが設定された人材を前記データとともに抽出す
る。また前記能力が不足していないと判別した場合は、
ST47に進み、同様にデータベースを検索して、その
能力についての有力データが設定された人材を前記デー
タとともに抽出する。
【0163】すべての必要能力についてのデータ抽出処
理が終了すると、ST48からST49に進み、人材育
成プランの出力様式を選択する。なおこの選択は、この
時点での外部からの選択を受け付けて行うほか、あらか
じめ設定された選択データに基づいて行うことも可能で
ある。(以下の実施例においても同様である。)最後の
ST50では、前記ST45〜48で抽出された各デー
タを、選択された様式に対応するテンプレートにあては
めて、人材育成プランの電子データを作成し、これを前
記提示手段28に出力する。なお選択した様式によって
は、前記抽出データのみならず、必要人材量、必要能力
量、累計能力量など、データベース部2に格納された各
種データを使用する必要がある。
【0164】図36は、紙媒体に出力された人材育成プ
ランの一例を示す。なお図中の点線部分は、定型文書内
のブランク部分を示す。図示例では、プランの冒頭に、
組織で将来実施される業務毎に、その業務に必要な能力
量と組織全体の現在の能力量とを比較したグラフが提示
されている。このグラフの下方には、能力不足の業務お
よびその不足量を示す情報や、前記不足する能力を高め
る上で期待できる人材の名前や期待度が提示されてい
る。さらにその下には、各人材の成長により将来の業務
目標を達成できるか否かなどを示すコメント情報が提示
されている。なお、前記グラフは、必要能力量,累計能
力量に基づいて作成される。また各情報中の人材や期待
度は、前記重要能力データや要努力データにより抽出さ
れたものである。
【0165】 実施例2:人材派遣システム 図37は、人材派遣システムを使用する人材派遣会社と
組織との関係を示す。この人材派遣会社は、組織から現
在のミッションやビジョンに関する情報、ならびに組織
の現有人材の能力や将来像に関する情報を得て、組織が
ビジョンに向かって成長するための人材育成プランを提
示するとともに、このプランでは足らない能力を補うた
めの人材派遣プランを提示する。これらのプランが組織
によって承認されると、人材派遣会社は、前記プランに
沿った人材を派遣するとともに、組織の各現有人材に対
し、前記人材育成プランに沿った個別成長方向を提示す
る。なお派遣人材の選択は、データベース内に登録され
た複数の人材の中から、前記人材派遣プランに応じた種
類の能力および能力量を具備する人材を抽出することに
より行われる。
【0166】さらにこの人材派遣会社は、提案したプラ
ンの実現の度合によって、組織に対し、所定の出来高を
請求するようにしている。この出来高は、図38に示す
ように、提案した人材育成期間など所定の期間が経過し
た時点で各現有人材による累計能力量を再度取得し、新
たな累計能力量とプラン提示時点での累計能力量とを比
較することによって設定されるものである。ただしこの
出来高の設定は、必ずしも必要ではない。
【0167】図39は、前記人材派遣システムの具体的
な構成を示す。このシステムも、第1の実施例と同様
に、演算装置21およびプログラムにより実現する処理
手段1と、データベース部2とから成る。
【0168】データベース部2には、第1の実施例と同
様のデータ格納領域に加えて、派遣人材の登録データ、
人材の新能力データ、組織の新累計能力量データ、出来
高テーブルなどの格納領域51,52,53,54が設
定される。また処理手段1には、第1の実施例と同様の
構成のほか、プラン確定手段59,出来高設定手段5
5,派遣人材能力取得手段57,派遣人材登録手段58
の各手段が含まれる。また第1の実施例の人材育成プラ
ン作成手段36に代えて、人材育成・人材派遣プラン作
成手段77が設定される。
【0169】なお図39中、第1の実施例と共通する構
成およびその処理内容については、前記実施例と同様に
機能するので、ここでは説明を省略する。ただし、この
実施例では、サービス開始から所定期間経過後に再び現
有人材の能力を示す情報を入力して、能力取得手段31
および能力累計手段33により成長後の現有人材の能力
データや組織としての累計能力量を取得するようにして
いる。これらの取得情報は、それぞれデータベース部2
の人材の新能力データ、組織の新累計能力量データの格
納領域52,53に保存される。
【0170】前記人材育成・人材派遣プラン作成手段7
7は、前記第1の実施例と同様に人材育成プランを作成
するほか、その人材育成プランに沿って抽出された派遣
人材を提案するための人材派遣プランを作成し、前記提
示手段28に出力する。なおこの人材派遣プランでは、
現在の組織に不足する能力を補うための初期の派遣人材
や、人材の育成期間が終了した時点でなお不足する能力
を補うための将来の派遣人材が提案されるほか、必要に
応じて、育成期間の中間地点での能力不足に対応するた
めの人材や、現有人材を人材育成プランに沿って成長さ
せるために必要な教育を行う能力を有する人材などが提
案される。
【0171】プラン確定手段59は、組織により承認さ
れたプランを確定処理し、派遣人材の選択処理を開始さ
せるためのものであり、組織側の要望に応じてプランを
修正する機能も具備する。
【0172】派遣人材能力取得手段57は、データベー
ス部2の査定用データテーブル49や能力量判定テーブ
ル50を用いて、前記図29と同様の処理により登録希
望人材についての能力データを作成する。派遣人材登録
手段58は、この能力データに人材の氏名などの個人情
報を対応づけた登録データを作成し、これをデータベー
ス部2の領域51に保存する。
【0173】派遣人材抽出手段60は、前記プラン確定
手段59より確定した人材派遣プランを与えられて前記
データベース部2の領域51を検索し、前記人材派遣プ
ランに応じた能力を有する登録人材を抽出する。
【0174】前記出来高設定手段55には、能力量取得
手段61,第2の比較手段62,出来高変換手段63,
出来高提示手段64などが含まれる。これらの手段は、
後記する図41の手順で動作して、組織に請求する出来
高を設定する。
【0175】図40は、前記派遣人材抽出手段60によ
る処理の手順を示す。まず処理の最初のステップである
ST51では、データベース部2の領域43より組織に
おける能力の過不足度合データを読み出し、不足する能
力があるか否かをチェックする。不足する能力がある場
合は、ST52が「YES」となり、以下、ST56で
能力不足の解消を判別するまで、ST53〜55の処理
が繰り返し実行される。
【0176】まずST53では、前記データベース部2
の領域51を検索して、前記不足する能力を提供可能な
派遣人材が登録されているか否かをチェックする。この
判定が「YES」であればST54に進んで、該当する
人材の登録データを抽出する。一方、ST53が「N
O」の場合は、未登録の人材(複数人)についてその能
力を査定した上で、前記不足の能力量に応じた人材を派
遣人材として抽出する(ST55)。なおST54,5
5において抽出される人材は、一人とは限らず、不足す
る能力量によっては複数人の人材が抽出される。
【0177】不足するすべての能力について派遣人材が
抽出されると、ST57が「YES」となり、つぎのS
T58で前記人材育成プランの作成と同様にして、人材
派遣プランの出力様式を選択する。そして続くST59
では、前記派遣人材の抽出結果を選択された様式のテン
プレートにあてはめて、人材派遣プランの電子データを
作成し、これを提示手段28に出力する。
【0178】図41は、前記出来高設定手段55による
処理の流れを示す。同図において、最初の処理であるS
T60では、能力量取得手段60が、データベース部2
の領域42,53より、それぞれサービスの開始時点で
作成された旧の累計能力量データ、前記能力累計手段3
3により得た新累計能力量データを読み出す。つぎにS
T61では、第2の比較手段62が新旧の累計能力量を
能力の種毎に比較することにより、各能力の伸び度合を
抽出する。続くST62では、出来高変換手段63が、
この能力の伸び度合をデータベース部2の出来高テーブ
ル54にあてはめることにより、前記伸び度合を所定量
の「出来高」に変換する。さらにつぎのST63では、
出来高提示手段64が、前記出来高を組織宛の請求書の
ような書式で提示するための電子データを作成し、その
データを前記提示手段28へと出力する。
【0179】 実施例3:人材紹介システム 図42は、この発明にかかる人材紹介システムを導入し
た人材紹介会社と組織との関係を示す。この実施例の人
材紹介会社は、複数の組織(図示例では2つの組織A,
Bを示す。)よりそれぞれ組織のミッションおよびビジ
ョンに関する情報を取得するとともに、各組織の現有人
材の能力に関する情報を得て、各組織においてミッショ
ンやビジョンを遂行する上で必要な能力の過不足度合を
抽出する。そして各組織の過不足度合から、ある組織で
不足する能力を他の組織から補充することが可能か否か
を判別する。そして可能である場合は、後者の組織から
補充人材を抽出して前者の組織に紹介する。また図中、
点線で示すように、2つの組織間で、それぞれの能力の
過不足状態に基づいて人材を交換するように提案する場
合もある。
【0180】なお図42中の新規人材は、人材紹介会社
が補充用の人材として登録した人材であって、所定の組
織に対する補充用の人材を見つけられなかった場合に、
人材紹介会社は、その補充用の人材に応じた能力を有す
る登録人材を紹介する。
【0181】図43は、前記人材紹介システムの具体的
な構成を示す。なおこのシステムは、前記図12に示し
た人材補充システムの一具体例であるが、会社の人事部
門が人事異動の方針を決定する上で使用するシステム
も、ほぼ同様の構成をとる。
【0182】このシステムも、第1,第2の実施例と同
様に、演算装置21およびプログラムにより実現する処
理手段1と、データベース部2とから構成される。デー
タベース部2には、先行の2つの実施例と共通するデー
タ格納領域のほか、新規人材の登録データや紹介人材の
抽出結果の格納領域65,66などが設定される。処理
手段1の各構成のうち、前記情報取得手段29,能力取
得手段31,将来像取得手段32,変換処理手段30,
能力累計手段33,比較手段34については、前記第
1、2の各実施例と同様のものである。ただしこの実施
例の各手段は、複数の組織について、それぞれその組織
のミッション,ビジョンを表す業務パターンや現有人材
の能力データを個別に取得しており、これら取得情報、
およびその取得情報から導き出される累計能力量や組織
における能力の過不足度合は、データベース部2内に組
織毎に格納される。
【0183】さらにこの実施例の処理手段1は、過不足
能力抽出手段67,紹介人材抽出手段68,人材紹介プ
ラン作成手段69,新規人材能力取得手段70,新規人
材登録手段71などを具備する。新規人材能力取得手段
70は、能力取得手段31や前記第2実施例の派遣人材
能力取得手段57と同様の方法により外部人材の能力デ
ータを得る。新規人材登録手段71は、この能力データ
を人材の個人情報と対応づけた登録データを作成し、こ
れをデータベース部2の領域65に保存する。
【0184】この実施例の過不足能力抽出手段67は、
比較手段34による累計能力量と必要能力量との比較結
果を用いて、各組織において不足する能力および過剰と
なる能力を抽出する。紹介人材抽出手段68は、過不足
能力抽出手段67による抽出結果に基づき、人材の補充
が必要な組織、およびその組織への補充人材として紹介
する人材を抽出する。なおこの紹介人材として、新規人
材が抽出される場合もある。人材紹介プラン作成手段6
9は、前記紹介人材の抽出結果を用いて、前記人材の補
充が必要な組織に対する人材紹介プランを作成する。こ
のプランは、前記人材育成プランや人材派遣プランと同
様に、テンプレートに抽出されたデータを当てはめるこ
とにより作成されるもので、作成されたプランは、電子
データ形式で前記提示手段28に出力される。
【0185】図44は、前記紹介人材抽出手段68にお
ける詳細な処理の手順を示す。まず処理の最初のステッ
プであるST64では、データベース部2より任意の組
織における能力の過不足度合データを読み出し、能力の
種類毎の過不足度合を抽出する。そしてつぎのST65
では、各能力の中に、組織にとって不足する能力がある
か否かをチェックする。
【0186】不足する能力がある場合は、ST65が
「YES」となり、以下、この能力不足が解消するま
で、ST66〜69のループにおいて、補充用の人材を
抽出する処理が実行される。まずST66では、他の組
織の過不足度合のデータに基づき、前記不足の能力を提
供できる組織があるか否かをチェックする。この能力が
過剰状態となっており、しかもその過剰の能力量が一人
または所定数の人材の能力量に相当するものである場合
は、ST66が「YES」となってST67に進み、前
記過剰の能力量に相当する人材を、補充人材として抽出
する。
【0187】一方、いずれの組織にも不足の能力量を補
う人材がいない場合は、ST68に進み、新規人材の登
録データから前記不足の能力に応じた人材を抽出する。
なおこの場合の人材は一人に限らず、能力の不足量が大
きい場合は、複数人の新規人材が抽出される。
【0188】不足するすべての能力について、紹介人材
または新規人材が抽出されると、ST69が「YES」
となってST70に進み、前記抽出結果をデータベース
部2の領域66に保存する。ここで保存されるデータ
は、前記着目中の組織を識別するデータ、不足する能力
の種類および不足量、紹介人材の所属組織ならびにその
人材を識別するデータなどであり、新規人材が抽出され
ている場合は、これらデータに加えて抽出された新規人
材の識別データなどが保存される。
【0189】以下、すべての組織について順に同様の処
理を実行することにより、各組織に不足する能力を補う
人材を抽出し、ST71が「YES」となった時点で処
理を完了する。
【0190】さらにこの実施例は、人材紹介プラン作成
手段69により、抽出された補充人材をその補充対象と
なる組織に配属した場合に、その人材が以前に所属した
組織および新しく配属された組織(以下、「補充元組
織」「補充先組織」という。)における能力の過不足状
態がどのように変化するかを検証し、その検証結果も含
めた人材紹介プランを作成するようにしている。
【0191】図45は、人材紹介プランの作成手順を示
す。なおここに示す手順は、処理対象の組織を2つに想
定しているが、3つ以上の組織間で人材を異動させる場
合も同様の方法を採用できる。同図において、最初のS
T72,73では、補充元組織,補充先組織のそれぞれ
について、その組織の現在の能力の過不足度合がデータ
ベース部2より読み出される。
【0192】つぎのST74では、前記図44の手順に
より抽出された補充人材の得手・不得手データを読み出
す。そして続くST75では、前記補充元組織および補
充先組織のそれぞれにおいて、前記補充人材を異動させ
た後の能力の過不足度合を求め、これを前記ST72,
73で読み出されたデータと比較することにより、能力
の増減度合を抽出する。さらにST76では、この抽出
結果をデータベース部2の領域66に保存する。
【0193】上記ST74〜76の処理は、複数人の補
充人材が抽出されている場合は、各人材毎に行われる。
すべての補充人材についての処理が終了すると、ST7
7からST78に進み、人材毎に得られた能力の増減度
合データをソートする。なお前記能力の増減度合が能力
の種類毎に得られている場合は、各種能力毎の増減度合
の総計値をキーとしてソートするか、または能力の種類
毎に個別にソートを行って、複数とおりのソート結果を
得ることになる。このソート処理の結果は、つぎのST
79でデータベース部2に保存される。
【0194】こうして人材紹介プランの作成に必要なデ
ータが揃うと、つぎのST80では、人材紹介プランの
様式を選択する。そして最後のST81で、前記補充人
材の抽出結果、および各補充人材毎の能力の増減度合デ
ータのソート結果を選択された様式のテンプレートにあ
てはめることにより、人材紹介プランの電子データを作
成し、これを提示手段28に出力する。
【0195】上記の処理により作成された人材紹介プラ
ンは、補充元組織,補充先組織のそれぞれに対し、抽出
された補充人材を紹介するとともに、その人材を組織間
で異動させることにより、各組織の能力の過不足状態が
どのように変化するかを提示するものとなる。特に複数
人の補充人材が抽出されている場合は、各組織が現在や
将来の任務を行う上で最適の補充人材を選ぶ目安を提示
することができる。
【0196】 実施例4:業務実績査定システム図4
6は、この発明にかかる業務実績査定システムを使用す
る管理部門と組織との関係を示す。管理部門は、組織よ
り現在のミッションを示す情報を取得するとともに、組
織の各現有人材の能力および業務実績に関する情報を取
得する。そしてこれらの情報に基づき、各現有人材の業
務実績を最終的に評価し、組織側に通知する。
【0197】図47は、前記業務実績査定システムの具
体的な構成を示す。このシステムも、前記第1〜3の各
システムと同様に、演算装置21およびプログラムによ
る処理手段1とデータベース部2とを具備する。データ
ベース部2には、前記各実施例と共通するデータ格納領
域のほかに、このシステム特有のデータとして、人材の
業務実績データの格納領域72や業務査定用データテー
ブル73などが保存される。
【0198】処理手段1には、各実施例と同様の情報取
得手段29,能力取得手段31,変換処理手段30,能
力累計手段33,比較手段34のほか、業務実績取得手
段74,業務実績査定手段75,査定結果報告作成手段
76の各手段が含まれる。
【0199】前記データベース部2の業務査定用データ
テーブル73には、複数種の業務についての業務実績を
査定するための質問や、各質問への回答パターンから評
価値を定めるための判定基準などが設定されている。業
務実績取得手段74は、このテーブルに基づき、前記能
力取得手段31と同様の手法、すなわち各現有人材やそ
の上司に各質問を提示しつつ、各質問への回答パターン
を判定基準と照合する方法により、業務毎の実績に対し
それぞれ所定の評価値を求める。そして業務の種類を示
す項目(業務項目)と評価値とを対応づけたデータを作
成し、これを業務実績データとしてデータベース部2の
領域72に保存する。
【0200】一方、情報取得手段29および変換処理手
段30によって、前記組織のミッションを示す業務パタ
ーンよりミッションの遂行のために必要な必要能力量が
求められ、また能力取得手段31および能力累計手段3
3によって、組織としての現在の累計能力量が求められ
る。比較手段34は、必要能力量と累計能力量とを比較
することにより、組織としての現在の能力の過不足度合
を抽出する。
【0201】業務実績査定手段75は、前記業務実績取
得手段74により得た各現有人材の業務実績データと前
記比較手段34により得た能力の過不足度合とを入力し
て、各人材の最終的な業務実績データを作成する。査定
結果報告作成手段76は、前記最終の業務実績データを
用いて、組織または各現有人材宛の査定結果報告を作成
する。なおこの報告用のデータも、前記した各システム
のプランと同様に、データベース部2の報告用テンプレ
ートを用いて作成されるもので、作成されたデータは、
前記提示手段28に出力される。
【0202】図48は、前記業務実績査定手段75によ
る処理手順を示す。まず最初の処理であるST82で
は、前記データベース部2の領域72より各人材の業務
実績データを読み出し、つぎのST83では、領域43
から組織における能力の過不足度合データを読み出す。
【0203】ここでは、前記業務実績データが、複数の
業務項目毎に、その項目にかかる業務実績値を示す評価
値などが設定された構成であるものとする。つぎのST
84〜88は、各業務項目毎に個別に行われる。ST8
4では、前記能力の過不足度合データに基づき、着目す
る項目の業務が組織にとって不足する能力を用いる業務
であるか否かをチェックする。ここで不足する能力を用
いる業務であると判別した場合は、ST84からST8
5に進んで、該当する業務の評価値を上方に補正する。
反対に、組織にとって不足していない能力による業務で
あると判別した場合は、ST84からST86に進み、
該当する業務の評価値を下方補正する。なお補正後の評
価値は、つぎのST87でデータベース部2の領域72
に保存されるが、この場合、元の業務実績の評価値とは
別個に保存するのが望ましい。
【0204】このようにして、組織にとって実行が困難
な業務に対しては、通常の判定基準よりも高い評価値が
設定され、組織が簡単に実行できる業務に対しては、通
常の判定基準よりも低い評価値が設定されることにな
る。すべての業務項目についての処理が終了すると、S
T88からST89に進み、前記した各実施例における
プランの出力と同様に、所定の様式の選択が行われる。
そしてST90では、前記ST84〜87で得た業務実
績データの補正結果を選択された様式のテンプレートに
あてはめて、業務実績査定の報告書の電子データを作成
し、これを前記提示手段28に出力する。
【0205】 プラン、報告書について 上記各実施例に示したシステムにおいては、各種プラン
や報告書のためのテンプレートとして、多数の定型文書
やプログラムを用意することにより、組織や現有人材
に、よりわかりやすく、充実した情報を提示することが
できる。
【0206】図49は第2実施例の人材派遣システムに
おける個別プランを出力する場合の各出力項目を示し、
図50は、組織への人材育成プランと人材派遣プランと
を1つの提案書にまとめた場合の各出力項目を示す。図
51は、第3実施例の人材紹介システムにおいて人材紹
介プランを出力する場合の出力項目を示し、図52は、
第4実施例の業務実績査定システムにおいて各人材宛の
報告書を出力する場合の出力項目を示す。なお図示例
は、いずれも各種情報を紙媒体に出力することを想定し
ているが、これに代えて、前記図26に示したように、
FD,CD−R,DVDなどの電子記録媒体に出力する
ことも可能である。また組織とシステムとがネットワー
クで接続されている場合は、ネットワーク経由で各情報
の電子ファイルを送信するようにしても良い。いずれの
出力形式を選択するかは、組織側の希望などによって決
定することができる。
【0207】
【発明の効果】請求項1,2,9,10の発明によれ
ば、組織内の人材の育成プランを作成する場合に、組織
が必要とする能力に対する組織としての能力の過不足状
態と各人材の保有する能力とに応じて、各人材の成長方
向を決定するので、各人材の有する能力のうち、とりわ
け組織にとって不足する能力を伸ばす方向に成長方向を
設定して、組織が任務を遂行する上で有効な人材育成プ
ランを作成することができる。特に、使用される情報に
将来の組織の任務や各人材の将来の予想される能力が含
まれる場合は、各人材について将来伸びる可能性のある
能力のうち、組織の将来の任務に必要な業務について不
足する能力を伸ばすような成長方向を設定することによ
り、組織の成長とともに各人材を成長させるような人材
育成プランを作成することができる。
【0208】請求項3,12の発明によれば、組織が任
務を遂行する上で不足する能力を補う人材や業務サービ
スの提供が可能となる。さらに請求項4,13の発明に
よれば、組織に対し、組織の成長とともに各人材を成長
させるような人材育成プランを提示するとともに、組織
への補充人材や業務サービスとして、組織が現在の任務
を遂行する上で不足する能力や、組織内の各人材が設定
された成長方向に沿って成長するまでの間に不足する能
力を補う人材やサービスを提供でき、組織が目的に向か
って成長するのをサポートすることができる。
【0209】請求項5,14の発明によれば、組織に対
して示した育成プランに対し、組織の成長の度合いに応
じた報賞額が設定されるので、組織に対し適正なサービ
スを実施することができる。
【0210】請求項6,7,15,16の発明によれ
ば、組織の任務に適しない人材であっても、その人材
を、能力に応じた他の組織の補充人材として設定するこ
とが可能となるので、各人材をその能力や適性に応じた
組織に所属させて人材資源を活用することができる。特
に将来の任務や人材の将来の能力に関する情報を用いた
処理を行うことにより、各人材を自己の能力や将来像に
適した組織に配属させ、かつ組織が理想の方向に成長す
るのを支援することが可能となる。
【0211】請求項8,18の発明によれば、個々の人
材の業務実績と組織としての能力の過不足度合とを用い
た査定情報を作成するので、組織の成長に対する各人材
の貢献度を反映した査定を行うことが可能となり、各人
材を正当に評価することができる。
【0212】請求項11の発明では人材育成プランが、
請求項17の発明では他組織からの補充人材を紹介する
組織宛のレポート情報が、請求項19の発明では各人材
についての査定情報を示すレポート情報が、それぞれ出
力されるので、組織や各人材に、種々のプランや報告事
項をわかりやすく提示することが可能となる。請求項2
0の発明では人材育成プランを、請求項21の発明では
人材育成プランおよび補充人材の紹介用の情報を、請求
項22の発明では業務実績査定用の情報を、それぞれコ
ンピュータにより所定のフォーマットで出力した情報伝
達用媒体を組織や各人材に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】組織のミッションの概念およびミッションを遂
行するのに必要な条件を説明する図である。
【図2】能力の種類の具体例を説明する図である。
【図3】必要人材量の概念を説明する図である。
【図4】必要人材量を求めるための処理の概要を説明す
る図である。
【図5】この発明の適用分野を説明する図である。
【図6】人材育成プラン作成システムの従来例を説明す
る図である。
【図7】この発明を適用した人材育成プラン作成システ
ムの概要を説明する図である。
【図8】人材育成プラン作成システムによる処理の概要
を説明する図である。
【図9】人材派遣システムの従来例を説明する図であ
る。
【図10】この発明を適用した人材派遣システムを説明
する図である。
【図11】派遣人材が組織に対して果たす役割を説明す
る図である。
【図12】組織に対する人材派遣システムのサービスの
役割を説明する図である。
【図13】人材派遣会社と組織との関係を説明する図で
ある。
【図14】人材派遣システムの行う処理の概要を説明す
る図である。
【図15】人材派遣システムにおいて出来高を求める処
理を説明する図である。
【図16】この発明における出来高の概念を説明する図
である。
【図17】人材紹介システムの従来例を説明する図であ
る。
【図18】この発明を適用した人材紹介システムを説明
する図である。
【図19】人材紹介システムの概要を説明する図であ
る。
【図20】人材紹介システムにおける処理の概要を説明
する図である。
【図21】業務実績査定システムの従来例を説明する図
である。
【図22】この発明を適用した業務実績査定システムを
説明する図である。
【図23】業務実績査定システムにおける処理の概要を
説明する図である。
【図24】人材育成プラン作成システムを使用した管理
部門と組織との関係を説明する図である。
【図25】人材育成プラン作成システムを実現するため
のハード構成を示すブロック図である。
【図26】システムと組織との間で行われるデータ入出
力の関係を説明する図である。
【図27】人材育成プラン作成システムの処理手段の機
能とデータベース部のデータ構成を示すブロック図であ
る。
【図28】必要人材量の取得手順を示すフローチャート
である。
【図29】能力の査定情報の取得手順を示すフローチャ
ートである。
【図30】累計能力量の取得手順を示すフローチャート
である。
【図31】能力量の比較手順を示すフローチャートであ
る。
【図32】得手・不得手データの生成手順を示すフロー
チャートである。
【図33】個別プランの作成手順を示すフローチャート
である。
【図34】個別プランの出力例を示す説明図である。
【図35】人材育成プランの作成手順を示すフローチャ
ートである。
【図36】人材育成プランの出力例を示す説明図であ
る。
【図37】人材派遣サービスを使用する人材派遣会社と
組織との関係を説明する図である。
【図38】人材派遣会社が組織に請求する出来高の設定
処理を説明する図である。
【図39】人材派遣サービスの処理手段の機能とデータ
ベース部のデータ構成を示すブロック図である。
【図40】派遣人材の抽出手順を示すフローチャートで
ある。
【図41】出来高の設定手順を示すフローチャートであ
る。
【図42】人材紹介システムを導入した人材紹介会社と
組織との関係を説明する図である。
【図43】人材紹介システムの処理手段の機能とデータ
ベース部のデータ構成を示すブロック図である。
【図44】紹介人材の抽出手順を示すフローチャートで
ある。
【図45】人材紹介プランの作成手順を示すフローチャ
ートである。
【図46】業務実績査定システムを使用する管理部門と
組織との関係を説明する図である。
【図47】業務実績査定システムの処理手段の機能とデ
ータベース部のデータ構成を示すブロック図である。
【図48】業務実績査定報告の作成手順を示すフローチ
ャートである。
【図49】人材派遣システムにより個別プランを出力す
る場合の出力項目を説明する図である。
【図50】人材派遣システムにより組織への人材育成プ
ラン、人材派遣プランを出力する場合の出力項目を説明
する図である。
【図51】人材紹介システムにより人材紹介プランを出
力する場合の出力項目を説明する図である。
【図52】業務実績査定システムにより各人材宛の報告
書を出力する場合の出力項目を説明する図である。
【図53】外注会社の取り扱い業務の具体例を示す説明
図である。
【図54】サポート専門会社がサービス対象とする業務
の具体例を示す説明図である。
【図55】人材派遣会社の形態を説明する図である。
【符号の説明】
1 処理手段 2 データベース部 20 コンピュータ 21 演算装置 26 入力手段 28 提示手段 29 情報取得手段 30 変換処理手段 31 能力取得手段 32 将来像取得手段 33 能力累計手段 34 比較手段 35 人材育成プラン作成手段 36 個別プラン作成手段 60 派遣人材抽出手段 77 人材育成・人材派遣プラン作成手段 67 過不足能力抽出手段 68 紹介人材抽出手段 69 人材の紹介プラン作成手段 74 業務実績取得手段 75 業務実績査定手段 76 査定結果報告作成手段

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織内の人材の育成プランを作成するの
    に必要な人材の成長方向を設定する方法であって、 組織の任務に関する情報を受け付けた後に、その情報を
    用いて前記組織が必要とする能力を求め、 前記組織内の各人材の能力に関する情報を受け付けた後
    に、その情報を用いて組織が保有する能力を求め、 前記組織が必要とする能力の種類毎に、その能力の必要
    量を組織が保有する能力量と比較して組織における能力
    の過不足状態を抽出した後に、この抽出結果に基づき前
    記各人材の能力に関する情報から各人材の成長方向を個
    別に設定する人材の成長方向の設定方法。
  2. 【請求項2】 組織内の人材の育成プランを作成するの
    に必要な人材の成長方向を設定する方法であって、 組織の現在の任務および組織に将来与えられる可能性の
    ある任務に関する情報を受け付けた後に、その情報を用
    いて現在および将来の組織が必要とする能力を求め、 前記組織内の各人材の能力および将来像に関する情報を
    受け付けた後に、その情報を用いて組織が保有する能力
    および組織が将来保有する可能性のある能力を求め、 前記現在および将来の組織が必要とする能力の種類毎
    に、その能力の必要量を組織が保有する能力量および組
    織が将来保有する可能性のある能力量と比較して組織に
    おける能力の過不足状態を抽出した後に、この抽出結果
    に基づき前記各人材の能力および将来像に関する情報か
    ら各人材の成長方向を個別に設定する人材の成長方向の
    設定方法。
  3. 【請求項3】 組織に補充する能力を選択する方法にお
    いて、 組織の任務に関する情報を受け付けた後に、その情報を
    用いて前記組織が必要とする能力を求め、 前記組織内の各人材の能力に関する情報を受け付けた後
    に、その情報を用いて組織が保有する能力を求め、 前記組織が必要とする能力の種類毎に、その能力の必要
    量を組織が保有する能力量と比較して組織における能力
    の過不足状態を抽出し、 所定の能力を有する補充用人材またはその能力により実
    行される業務サービスが登録されたデータベースから、
    前記組織における能力の不足状態に応じたデータを抽出
    する補充能力の選択方法。
  4. 【請求項4】 組織に補充する能力を選択する方法にお
    いて、 組織の現在の任務および組織に将来与えられる可能性の
    ある任務に関する情報を受け付けた後に、その情報を用
    いて現在および将来の組織が必要とする能力を求め、 前記組織内の各人材の能力および将来像に関する情報を
    受け付けた後に、その情報を用いて組織が現在保有する
    能力および組織が将来保有する可能性のある能力を求
    め、 前記現在および将来の組織が必要とする能力の種類毎
    に、その能力の必要量を組織が保有する能力量および組
    織が将来保有する可能性のある能力量と比較して組織に
    おける能力の過不足状態を抽出した後に、この抽出結果
    に基づき前記各人材についての能力および将来像に関す
    る情報から各人材の成長方向を個別に設定し、 前記各人材の成長方向を示す情報を含む育成プランを作
    成して出力するとともに、所定の能力を有する補充用人
    材またはその能力により実行される業務サービスが登録
    されたデータベースから、前記現在の組織における能力
    の不足状態に応じた能力、ならびに組織内の各人材がそ
    れぞれ前記設定された成長方向に沿って成長するまでの
    間に不足する能力に関するデータを抽出する補充能力の
    選択方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された補充能力の選択方
    法において、 前記人材育成プランの出力から所定期間経過後に、その
    時点における各人材の能力に関する情報を用いて組織が
    保有する能力の伸び度合を抽出し、この能力の伸び度合
    に応じて組織に対して請求する報賞額を決定する補充能
    力の選択方法。
  6. 【請求項6】 組織に補充する人材を他の組織から選択
    する方法であって、複数の組織について、それぞれその
    組織の任務に関する情報を受け付けた後に、その情報を
    用いて前記組織が必要とする能力を求め、 前記各組織に所属する各人材について、それぞれその人
    材の能力に関する情報を受け付けた後に、その情報を用
    いて各組織が保有する能力を求め、 各組織について、それぞれその組織が必要とする能力の
    種類毎にその能力の必要量を組織が保有する能力量と比
    較して、各組織における能力の過不足状態を判別し、 任意の組織において不足すると判別された能力が、他の
    組織において過剰となると判別されたとき、後者の組織
    において前記能力を有する人材を、前者の組織への補充
    人材として抽出する補充人材の選択方法。
  7. 【請求項7】 組織に補充する人材を他の組織から選択
    する方法であって、 複数の組織について、それぞれその組織の現在の任務お
    よび組織に将来与えられる可能性のある任務に関する情
    報を受け付けた後に、その情報を用いて現在および将来
    の組織が必要とする能力を求め、 前記各組織に所属する各人材について、それぞれその人
    材の能力および将来像に関する情報を受け付けた後に、
    その情報を用いて各組織が現在保有する能力および各組
    織が将来保有する可能性のある能力を求め、 各組織について、それぞれその組織が現在および将来に
    必要とする能力の種類毎にその能力の必要量を組織が保
    有する能力量および組織が将来保有する可能性のある能
    力量と比較して、各組織における能力の過不足状態を判
    別し、 任意の組織において現在または将来不足すると判別され
    た能力が、他の組織において現在または将来過剰となる
    と判別されたとき、後者の組織において前記能力を有す
    る人材またはその能力を有する可能性のある人材を、前
    者の組織への補充人材として抽出する補充人材の選択方
    法。
  8. 【請求項8】 組織内の人材を評価する査定情報を作成
    する方法であって、 組織の任務に関する情報を受け付けて、その任務のため
    に組織が必要とする能力を求め、 前記組織に所属する各人材の能力に関する情報を受け付
    けた後に、その情報を用いて組織が保有する能力を求
    め、 前記組織が必要とする能力の種類毎にその能力の必要量
    を組織の保有する能力量と比較して組織における能力の
    過不足状態を判別し、 各人材の業務実績を表す情報を受け付けた後に、この情
    報と前記組織における能力の過不足状態とに基づき、各
    人材の査定情報を作成する人材評価方法。
  9. 【請求項9】 組織内の人材の人材育成プランを作成す
    るシステムであって、 組織の任務に関する情報およびその組織に所属する各人
    材の能力に関する情報を受け付ける情報入力手段と、 前記組織の任務に関する入力情報を用いてこれら任務の
    ために前記組織が必要とする能力を求める必要能力取得
    手段と、 前記各人材についての入力情報を用いて各人材が保有す
    る能力を求める個別能力取得手段と、 前記組織が必要とする能力について各人材が保有する能
    力量を能力の種類毎に累計する能力量累計手段と、 前記能力量累計手段により得た能力量の累計結果を前記
    組織が必要とする能力の必要量と比較して、組織におけ
    る能力の過不足状態を抽出する抽出手段と、 前記抽出手段により抽出された能力の過不足状態に基づ
    き、個別能力取得手段による取得情報から各人材の成長
    方向を設定する成長方向設定手段と、 各人材について前記成長方向設定手段により設定された
    成長方向を示す育成プランを作成するプラン作成手段と
    を具備して成る人材育成プラン作成システム。
  10. 【請求項10】 組織内の人材の人材育成プランを作成
    するシステムであって、 組織の現在の任務および組織に将来与えられる可能性の
    ある任務に関する情報、ならびに組織に所属する各人材
    の能力および将来像に関する情報を受け付ける情報入力
    手段と、 前記組織の現在および将来の任務に関する入力情報を用
    いてこれら任務のために現在および将来の組織が必要と
    する能力を求める必要能力取得手段と、 前記各人材についての入力情報を用いて各人材が現在保
    有する能力および将来保有する可能性のある能力を求め
    る個別能力取得手段と、 前記現在および将来の組織が必要とする能力について、
    各人材が現在保有する能力量および将来保有する可能性
    のある能力量を能力の種類毎に累計する能力量累計手段
    と、 前記能力量累計手段により得た現在および将来の能力量
    の累計結果を前記現在および将来の組織が必要とする能
    力の必要量と比較して、組織における能力の過不足状態
    を抽出する抽出手段と、 前記抽出手段により抽出された能力の過不足状態に基づ
    き、個別能力取得手段による取得情報から各人材の成長
    方向を設定する成長方向設定手段と、 各人材について前記成長方向設定手段により設定された
    成長方向を示す育成プランを作成するプラン作成手段と
    を具備して成る人材育成プラン作成システム。
  11. 【請求項11】 請求項9または10に記載された人材
    育成プラン作成システムにおいて、 前記プラン作成手段により作成された育成プランを外部
    に出力する情報出力手段を具備して成る人材育成プラン
    作成システム。
  12. 【請求項12】 組織に補充する人材を選択するシステ
    ムであって、 組織の任務に関する情報およびその組織に所属する各人
    材の能力に関する情報を受け付ける情報入力手段と、 前記組織の任務に関する入力情報を用いてこれら任務の
    ために前記組織が必要とする能力を求める必要能力取得
    手段と、 前記各人材についての入力情報を用いて各人材が保有す
    る能力を求める個別能力取得手段と、 前記組織に必要となる能力について各人材が保有する能
    力量を能力の種類毎に累計する能力量累計手段と、 前記能力量累計手段により得た能力量の累計結果を前記
    組織が必要とする能力の必要量と比較して、組織におけ
    る能力の過不足状態を抽出する抽出手段と、 所定数の補充用人材が登録されたデータベースと、 前記抽出手段による抽出結果に基づき、前記能力の不足
    状態に応じた能力を有する人材を、前記データベースか
    ら抽出する人材抽出手段とを具備して成る人材補充シス
    テム。
  13. 【請求項13】 組織に補充する人材を選択するシステ
    ムであって、 組織の現在の任務および組織に将来与えられる可能性の
    ある任務に関する情報、ならびに前記組織に所属する各
    人材の能力および将来像に関する情報を受け付ける情報
    入力手段と、 前記組織の現在および将来の任務に関する入力情報を用
    いてこれら任務のために現在および将来の組織が必要と
    する能力を求める必要能力取得手段と、 前記各人材についての入力情報を用いて各人材が現在保
    有する能力および将来保有する可能性のある能力を求め
    る個別能力取得手段と、 前記現在および将来の組織に必要となる能力について、
    各人材が現在保有する能力量および将来保有する可能性
    のある能力量を能力の種類毎に累計する能力量累計手段
    と、 前記能力量累計手段により得た現在および将来の能力量
    の累計結果を前記現在および将来の組織が必要とする能
    力の必要量と比較して、組織における能力の過不足状態
    を抽出する抽出手段と、 前記抽出手段により抽出された能力の過不足状態に基づ
    き、個別能力取得手段による取得情報から各人材の成長
    方向を設定する成長方向設定手段と、 各人材について前記成長方向決定手段により設定された
    成長方向を示す人材育成プランを作成した後に、この人
    材育成プランを外部に出力する情報出力手段と、 所定数の補充用人材が登録されたデータベースと、 前記抽出手段の抽出結果に基づき、現在の組織における
    能力の不足状態に応じた能力を有する人材、および前記
    組織内の各人材が設定された成長方向に沿って成長する
    間に不足する能力を有する人材を、前記データベースか
    ら抽出する人材抽出手段とを具備して成る人材補充シス
    テム。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載された人材補充シス
    テムにおいて、 前記能力量累計手段により得た現在の能力量の累計結果
    をメモリに保存する累計能力量保持手段と、 前記人材の育成プランを出力してから所定期間経過後
    に、前記情報入力手段および個別能力取得手段を用いて
    その時点での各人材の能力を求める新能力取得手段と、 前記新能力取得手段により得た各人材の新能力に示され
    る能力量を能力の種類毎に累計するとともに、この累計
    結果を前記累計能力量保持手段によりメモリに保存され
    た累計結果と比較し、その比較結果に応じて組織に対す
    る報賞額を決定する報賞額決定手段とを具備して成る人
    材補充システム。
  15. 【請求項15】 組織に補充する人材を他の組織から選
    択するためのシステムであって、 複数の組織について、それぞれその組織の任務に関する
    情報およびその組織に所属する各人材の能力に関する情
    報を受け付ける情報入力手段と、 前記任務に関する入力情報を用いて各組織が任務のため
    に必要とする能力を求める必要能力取得手段と、 前記各人材についての入力情報を用いて各人材が保有す
    る能力を求める個別能力取得手段と、 各組織が必要とする能力について、それぞれその組織内
    の人材が保有する能力量を能力の種類毎に累計する能力
    量累計手段と、 前記能力量累計手段により各組織について得た能力量の
    累計結果をそれぞれの組織が必要とする能力の必要量と
    比較して、各組織における能力の過不足状態を判別する
    判別手段と、 前記判別手段により任意の組織において不足すると判別
    された能力を有する人材を、この能力が過剰であると判
    別された他の組織から抽出する人材抽出手段とを具備し
    て成る人材補充システム。
  16. 【請求項16】 組織に補充する人材を他の組織から選
    択するためのシステムであって、 複数の組織について、それぞれその組織の現在の任務お
    よび組織に将来与えられる可能性のある任務に関する情
    報、ならびに各組織に所属する各人材の能力および将来
    像に関する情報を受け付ける情報入力手段と、 各組織について、前記現在および将来の任務に関する入
    力情報を用いてこれら任務のために現在および将来の組
    織が必要とする能力を求める必要能力取得手段と、 前記各人材についての入力情報を用いて各人材が現在保
    有する能力および将来保有する可能性のある能力を求め
    る個別能力取得手段と、 各組織が現在および将来に必要とする能力について、そ
    れぞれの組織において人材が現在保有する能力量および
    将来保有する可能性のある能力量を能力の種類毎に累計
    する能力量累計手段と、 前記能力量累計手段により各組織について得た現在およ
    び将来の能力量の累計結果をそれぞれの組織が現在およ
    び将来に必要とする能力の必要量と比較して、各組織に
    おける能力の過不足状態を判別する判別手段と、 前記判別手段により任意の組織において現在または将来
    不足すると判別された能力を有する人材を、この能力が
    現在または将来過剰となると判別された他の組織から抽
    出する人材抽出手段とを具備して成る人材補充システ
    ム。
  17. 【請求項17】 請求項15または16に記載された人
    材補充システムにおいて、 前記人材抽出手段により抽出された人材を前記能力の不
    足する組織に紹介するレポート情報を作成し、そのレポ
    ート情報を外部に出力する情報出力手段を具備して成る
    人材補充システム。
  18. 【請求項18】 組織内の人材の業務実績を査定するシ
    ステムであって、 組織の任務に関する情報、前記組織に所属する各人材の
    能力に関する情報、および各人材の業務実績に関する情
    報を受け付ける情報入力手段と、 前記組織の任務に関する入力情報を用いてその任務のた
    めに組織が必要とする能力を求める必要能力取得手段
    と、 前記各人材についての入力情報を用いて各人材が保有す
    る能力を求める個別能力取得手段と、 前記組織が必要とする能力について各人材が保有する能
    力量を能力の種類毎に累計する能力量累計手段と、 前記能力量累計手段により得た累計結果を組織が必要と
    する能力の必要量と比較して組織における能力の過不足
    状態を抽出する抽出手段と、 前記組織における能力の過不足状態に基づき、各人材の
    前記業務実績に関する取得情報からその人材を評価する
    ための査定用情報を作成する査定用情報作成手段とを具
    備して成る業務実績査定システム。
  19. 【請求項19】 請求項18に記載された業務実績査定
    システムにおいて、 前記各人材の査定用情報を示すレポート情報を作成し、
    そのレポート情報を外部に出力する情報出力手段を具備
    して成る業務実績査定システム。
  20. 【請求項20】 コンピュータシステムにより組織およ
    びその組織内の各人材の少なくとも一方を対象にした情
    報が書き込まれた情報伝達用媒体であって、 前記コンピュータシステムにおいて、組織の任務に必要
    な能力に対する組織の能力の過不足状態を抽出した後
    に、この抽出結果に基づき各人材の能力に関する情報か
    ら各人材の成長方向を設定し、各人材の成長方向を用い
    て作成した人材育成プランを書き込んで成る情報伝達用
    媒体。
  21. 【請求項21】 コンピュータシステムにより組織を対
    象にした情報が書き込まれた情報伝達用媒体であって、 前記コンピュータシステムにおいて、組織の任務に必要
    な能力に対する組織の能力の過不足状態を抽出した後
    に、この抽出結果に基づき各人材の能力に関する情報か
    ら各人材の成長方向を設定するとともに、組織において
    不足する能力に応じた補充人材をデータベースより抽出
    し、前記成長方向を用いて作成した人材育成プランと前
    記補充人材の紹介用の情報とを書き込んで成る情報伝達
    用媒体。
  22. 【請求項22】 コンピュータシステムにより組織の各
    人材を対象にした情報が書き込まれた情報伝達用媒体で
    あって、 前記コンピュータシステムにおいて、組織の任務に必要
    な能力に対する組織の能力の過不足状態を判別した後
    に、前記判別結果に基づき各人材の業務実績から作成し
    た業務実績査定用の情報を書き込んで成る情報伝達用媒
    体。
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