JP2002004467A - 二重壁 - Google Patents

二重壁

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JP2002004467A
JP2002004467A JP2000189605A JP2000189605A JP2002004467A JP 2002004467 A JP2002004467 A JP 2002004467A JP 2000189605 A JP2000189605 A JP 2000189605A JP 2000189605 A JP2000189605 A JP 2000189605A JP 2002004467 A JP2002004467 A JP 2002004467A
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wall
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JP2000189605A
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Hiroshi Kubo
浩士 久保
Hiromi Obayashi
浩海 大林
Itsuro Tanaka
逸郎 田中
Toshihiro Terada
利坦 寺田
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JFE Steel Corp
JFE Techno Research Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Kawatetsu Techno Research Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低周波数音域、特には100 Hz以下の低周波数
音域における遮音、吸音(:防音)に優れた二重壁の提
供。 【解決手段】 少なくとも1対の柱11、12および間柱21
を支持材とする二重壁であって、これらの支持材の同一
側面側P1において、単層または複層の板材3を前記1対
の柱11、12および間柱21に貼り付けて壁の一面を形成
し、これらの支持材の反対側面側P2においては、好まし
くは金属板を有する単層または複層の板材4を、該板材
4が前記1対の柱11、12に固着され間柱21には接触しな
いように貼り付けて壁の他の一面を形成し、好ましくは
板材3と板材4との間に嵩密度:10〜48kg/m3 の繊維系
多孔質材を介在させた低周波数音域における防音性に優
れた二重壁。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の壁、屋根な
どに用いられる二重壁、さらにガラス板などの板材を二
重構造とした二重窓に関し(以下、二重窓を含めて二重
壁と記す)、特に、防音性能に優れた二重壁に関する。
【0002】
【従来の技術】木造住宅外壁の遮音工事例として、「建
築技術別冊vol.1 No.449 88〜89 (88')」に掲載された
工事例によれば、柱および間柱の同一側面側に外壁材、
アスファルトフェルトおよび合板の積層体を貼り付けて
壁の一面を形成し、これらの支持材の反対側面側におい
ては、石膏ボードを貼り付け、内部にグラスウールを介
在させた外壁構造を採用することによって、内外音圧レ
ベル差:40dB(500Hz) の遮音性能が得られている。
【0003】一方、遮音性能は周波数により異なり、上
記した外壁構造の場合、125Hz においては内外音圧レベ
ル差が20dB程度に低下することが示されている。上記し
た周波数と内外音圧レベル差との関係から推定すると、
上記した外壁構造の場合、100Hz 以下の周波数において
は内外音圧レベル差は著しく低下するものと考えられる
が、その性能値は示されていない。
【0004】このように、100Hz 以下の低周波数音域に
おける防音の必要性がありながら、その研究がほとんど
なされていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、低周波数音域(以下、低周波
数域とも記す)、特には100 Hz以下の低周波数域におけ
る遮音、吸音(以下、防音とも記す)に優れた二重壁を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した低周波数域にお
ける防音の研究がほとんどなされなかった一因として、
低周波数域の防音性能を簡便かつ正確に測定することが
可能な測定方法が確立されていなかったことが挙げられ
る。本発明は、低周波数域の防音性能を簡便かつ正確に
測定することが可能な測定装置を確立したことが契機と
なっている。
【0007】すなわち、本発明者らは、低周波数域にお
ける防音性能の測定の重要性を認識し鋭意検討した結
果、建材試料の防音性能を適切に評価することが可能な
後記実施例に示す音響管を提供した(特開2000−121427
号公報)。本発明者らは、上記した測定装置(音響管)
を用いて鋭意実験、検討を重ねた結果、低周波数域の防
音に関する種々の知見を得、本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明は、少なくとも1対の柱
11、12および間柱21を支持材とする二重壁であって、こ
れらの支持材の同一側面側P1において、単層または複層
の板材3を前記1対の柱11、12および間柱21に貼り付け
て壁の一面を形成し、これらの支持材の反対側面側P2
おいては、単層または複層の板材4を、該板材4が前記
1対の柱11、12に固着され間柱21には接触しないように
貼り付けて壁の他の一面を形成したことを特徴とする低
周波数音域における防音性に優れた二重壁である。
【0009】前記した本発明においては、前記板材4が
単層または複層の金属板を有することが好ましい(本発
明の第1の好適態様)。また、前記した本発明の第1の
好適態様においては、前記金属板が亜鉛系めっき鋼板で
あることが好ましい(本発明の第2の好適態様)。ま
た、前記した本発明、本発明の第1の好適態様、第2の
好適態様においては、前記板材3が合板と窯業系屋根材
との積層体からなることが好ましい(本発明の第3の好
適態様〜第5の好適態様)。
【0010】また、前記した本発明、本発明の第1の好
適態様〜第5の好適態様においては、前記板材3と板材
4との間に嵩密度:10〜48kg/m3 の繊維系多孔質材、よ
り好ましくは嵩密度:12〜48kg/m3 の繊維系多孔質材を
介在させることが好ましい(本発明の第6の好適態様〜
第11の好適態様)。また、前記した本発明においては、
前記板材3および板材4の両者がガラス板であることが
好ましい(本発明の第12の好適態様)。
【0011】なお、前記した本発明、本発明の第1の好
適態様〜第12の好適態様における間柱21とは、建築分野
におけるいわゆる間柱(まばしら)に限定されるもので
はなく、前記した柱11と柱12の間に配設される柱全般を
示す。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは、前記したように、本発明者らが開
発した測定装置(音響管)を用い実験、検討を重ねた結
果、低周波数域の防音に関する種々の知見を得、本発明
に至った。
【0013】すなわち、上記した音響管を用いて板状材
料の音響透過損失(以下、透過損失とも記す)を実験的
に詳細に調査した結果、周波数の変化による透過損失の
変化は下記のとおりであった。すなわち、周波数が100
Hzから小さくなるに従い透過損失が次第に小さくなる様
子が観察され、次いでその材料に固有の周波数において
透過損失が極小値を示した後、さらに周波数が小さくな
るに従い逆に透過損失が次第に大きくなる様子が観察さ
れた。
【0014】上記した現象は材料の物理的特性であるた
め回避することはできないが、低周波数域の防音材料と
して見た場合、透過損失の極小値が数dBになることもあ
り、防音性の観点から上記した材料の物理的特性による
制約を解決する必要がある。そこで、本発明者らはさら
に種々の材料、壁構造について防音性能を調査した結
果、下記知見(1) 、(2) を見出した。
【0015】(1) 材料の面密度が大きいほど透過損失の
極小値を示す周波数が小さくなる。 (2) 材料の剛性が大きいほど透過損失の極小値を示す周
波数が大きく、極小値も大きくなる。 しかしながら、材料の選択のみでは十分な防音性能を得
ることが困難なことは明らかであった。
【0016】そこで、本発明者らは実験から得た上記知
見に基づき、さらに種々検討を重ねた結果、本発明の壁
構造を採用することによって低周波数域における防音性
能に優れた壁構造を得ることが可能であることを実験で
見出し、本発明を完成した。本発明の基本は、音響透過
損失(:透過損失)の極小値を示す周波数に違いのある
材料を組み合わせることにより各材料の欠点を互いに補
って、総体としての防音性能を向上させることにある。
【0017】上記した透過損失の極小値を示す周波数に
違いのある材料として、板材の支持間隔を違えた壁を組
合せることが必要である。図1に、本発明の二重壁の一
例を、水平断面図によって示す。なお、図1において、
11、12、13は柱、21、22は間柱、3、4は板材、P1は柱
11、12、13、間柱21、22である支持材の同一側面側、P2
は柱11、12、13、間柱21、22である支持材の反対側面側
を示す。
【0018】すなわち、図1に例示されるように、本発
明においては、少なくとも1対の柱11、12および間柱21
を支持材とする二重壁において、これらの支持材の同一
側面側P1において、単層または複層の板材3を前記1対
の柱11、12および間柱21に貼り付けて壁の一面を形成
し、これらの支持材の反対側面側P2においては、単層ま
たは複層の板材4を、該板材4が前記1対の柱11、12
固着(:固定)され間柱21には接触しないように貼り付
けて壁の他の一面を形成する構成とした。
【0019】本発明の二重壁においては、面の支持間隔
の広い壁面は低周波数域の吸音性に優れることが分かっ
た。なお、上記した二重壁の変形例として、板材3、板
材4の支持間隔を違えただけで十分な防音性能が得られ
る場合、板材4を棒状材で補強することも可能である。
【0020】本発明においては、板材の種類により、支
持間隔を違えただけでは不十分な場合、さらに板材の面
密度を違えることが好ましい。この場合は、図1に示す
支持間隔が広く壁の剛性が小さい反対側面側P2に金属板
を貼って面密度をさらに大きくするのが有利である。金
属板としては、単層もしくは複層の金属板を用いること
ができ、金属板としては特に制限はないが、鉛板、亜鉛
系めっき鋼板を用いることが好ましく、さらには亜鉛系
めっき鋼板を用いることがより好ましい。
【0021】これは、鉛板を用いることによって、透過
損失の極小値を示す周波数が低下する効果が得られ、さ
らに、亜鉛系めっき鋼板を用いることによって、上記し
た効果に加えて、耐食性が向上し、また経済性に優れる
ためである。亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼
板、Zn−Niめっき鋼板、Zn−Alめっき鋼板などを用いる
ことができる。
【0022】また、板材4が金属板で構成される場合、
金属板の振動を減衰させることによって、さらに防音性
能が向上する。このため、金属板に、さらに、ロックウ
ール、グラスウールのような繊維系多孔質材、石膏ボー
ドあるいはゴムシートを積層するのが有利である。ま
た、本発明においては、前記1対の柱11、12および間柱
21に貼り付けて壁の一面を形成する複層の板材3として
は、合板と窯業系屋根材との積層体からなる板材を用い
ることが好ましい。
【0023】これは、板材3として合板と窯業系屋根材
との積層体からなる板材を用いることによって、外壁と
して用いることができるという効果が得られ、しかも、
金属板に比較して剛性の小さい窯業系屋根材の剛性を合
板および間柱によって補強できるためである。さらに、
板材4として金属板で構成される板材を用いる場合も、
相対する板材3としては、合板と窯業系屋根材との積層
体からなる板材を用いることが好ましい。
【0024】これは、板材4として金属板で構成される
板材を用いると共に、相対する板材3として合板と窯業
系屋根材との積層体からなる板材を用いることによっ
て、前記した両者の効果が併せて得られるためである。
上記した窯業系屋根材としては、石綿スレート平板、コ
ロニアル屋根材などが例示される。
【0025】さらに、上記したいずれの二重壁において
も、グラスウール、ロックウールなどの繊維系多孔質材
を、板材3と板材4との間に介在させることが、防音性
能を高める上でより好ましい。上記した繊維系多孔質材
としては、嵩密度が10〜48kg/m3 の繊維系多孔質材が好
適であり、さらには嵩密度が12〜48kg/m3 の繊維系多孔
質材がより好適である。
【0026】これは、繊維系多孔質材の嵩密度が10kg/m
3 未満の場合、総体としての透過損失の極小値が小とな
り、48kg/m3 を超える場合も、総体としての透過損失の
極小値が小となるためである。また、本発明の二重壁と
しては、板材3および板材4として、ガラス板を用いた
二重壁も好適である。
【0027】これは、上記二重壁によれば、防音効果に
優れた窓を提供することが可能なためである。以上、本
発明について述べたが、本発明の二重壁は、低周波数域
の防音壁として極めて好適に利用できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。本実施例においては、図2に示す本発明
者らが開発した音響透過損失測定装置を用いて実験を行
った。先ず、上記した図2に示す音響透過損失測定装
置、および二重壁の試験方法について説明する。
【0029】(音響透過損失測定装置:)図2(a) は音
響透過損失測定装置の水平断面図を示し、図2(b) は音
響透過損失測定装置の側断面図を示す。また、図2にお
いて、10は音響管、11は管体、11a は管体11の一端、12
はスピーカー、13は建材試料、14a 〜14d はマイクロホ
ン、15は演算装置、15a は音圧反射係数演算部、15b は
透過損失演算部、16は吸音材、17は表示装置を示す。
【0030】図2に示す音響透過損失測定装置において
は、管体11の一端11a が閉鎖された管内断面矩形の管体
11の他端部に、音源であるスピーカー12が取り付けら
れ、その管体11の中央部に、建材試料13が設置される。
管体11には、建材試料13の設置位置を挟んで上流側(ス
ピーカー12側)に、2つのマイクロホン取付け穴が開口
すると共に、下流側にも2つのマイクロホン取付け穴が
開口していて、その4つのマイクロホン取付け穴に、そ
れぞれマイクロホン14a 〜14d が挿着されている。
【0031】各マイクロホン14a 〜14d は、音圧信号を
演算装置15に供給可能となっている。また、管体11内に
おける、管体11の一端11aと建材試料13の設置位置との
間である、管体11内における管体11の一端11a側に、グ
ラスウールなどからなる吸音材16が配置されている。
【0032】吸音材16は、図2に示すように、その建材
試料側が、平面視で、管体11の一端11a 側に頂点を向け
た二等辺三角形状に切り欠かれた形状に成形されること
で、建材試料13側に尖り部を向けた左右対称の一対のく
さび形状に構成されている。また、演算装置15は、音圧
反射係数演算部15a および透過損失演算部15b を備え
る。
【0033】音圧反射係数演算部15a は、上流側の2つ
のマイクロホン14a 、14b からの音圧信号を入力し、そ
の入力信号に高速フーリエ変換(FFT)を施して伝達
関数を求め、「J.Acoust.Soc.Am.68(3),Sept.1980,pp.9
07-913」に記載されているような公知の演算法によっ
て、上流側での音圧反射係数R1を求める。同様にして、
下流側の2つのマイクロホン14c 、14d からの音圧信号
に基づき、下流側での音圧反射係数R2を求める。
【0034】透過損失演算部15b は、建材試料13を挟ん
だ二つのマイクロホン14b 、14c からの音圧信号に高速
フーリエ変換を施して両者のマイクロホン14b 、14c の
間の伝達関数H12 を求めると共に、上記音圧反射係数演
算部15a から2つの音圧反射係数R1、R2を入力し、下記
式(1) に基づき透過率を演算し、その透過率から音響透
過損失を演算する。
【0035】 |H12 ・(1+R1)/((1+R2)|2 ………(1) なお、上記式(1) 中、H12 は、建材試料13を挟む音圧測
定位置間(マイクロホン設置位置間)の伝達関数であ
り、各位置における音の対応する周波数の音圧の比を表
す。また、上記式(1) 中、R1、R2は、各音圧測定位置
(マイクロホン設置位置)における音圧反射係数であ
り、各位置での入射波(あるいは透過波)の音圧の大き
さに対する反射波の音圧の比を表す。
【0036】演算装置15は、演算した透過損失値を表示
装置17に伝送可能となっている。上記構成の音響管10に
よれば、吸音材16によって、管体11の一端11a からの反
射波がゼロに近づくことで、測定した音圧反射係数R2
ゼロに近づく。この結果、その反射波による建材試料13
の面での反射による測定誤差(透過波が大きく測定され
ること)が抑えられ、より実際の値に近い建材試料13の
音響透過損失を測定することができる。
【0037】しかも、吸音材16の形状を吸音くさび形状
にすることで、有効に管体11の一端11a からの反射波を
抑えることができる。すなわち、図2に示す音響管10を
用いることで、125 Hz以下の低音域での周波数への対応
が容易となり、しかも、垂直入射吸音率測定と相まっ
て、実際値に近い音響透過損失の測定が可能である。
【0038】(二重壁の試験方法:)本実施例において
は、図2に示す音響透過損失測定装置において、建材試
料13として、下記2種類の建材試料A、B(二重壁)を
用いて実験を行った。 〔建材試料A:〕木枠内の中央部に間柱を取り付けた四
角形木枠および間柱それぞれの両面側に板材を貼り付け
た二重壁(比較例) 〔建材試料B:〕上記四角形木枠および間柱の片面側お
よび上記四角形木枠の他の片面側に板材を貼り付けた二
重壁(実施例1〜5) 図3に、音響管内の四角形木枠および木枠内の間柱の配
置状況を、斜視図によって示す。
【0039】なお、図3において、20は四角形木枠(以
下木枠とも記す)、21は四角形木枠内の間柱、P10 は木
枠20および間柱21の同一側面側(以下、同一側面側P10
とも記す)、P20 は木枠20および間柱21の反対側面側
(以下、反対側面側P20 とも記す)、H、Wは音響管横
断面の内寸法、w1、t1は四角形木枠(:木枠)の木材の
横断面寸法、w2、t2は間柱の横断面寸法を示す。
【0040】すなわち、横断面内寸法がH:1m×W:1m
の音響管10に内接する四角形木枠(:木枠)20および木
枠内の間柱21の同一側面側P10 および反対側面側P20
両者において木枠20および間柱21の両者に板材を貼り付
けた二重壁(比較例)、または、上記同一側面側P10
おいて木枠20および間柱21の両者に板材を貼り付け、上
記反対側面側P20 において木枠20のみに板材を貼り付け
た二重壁(実施例1〜5)について、前記した方法で音
響透過損失の測定を行った。
【0041】(比較例)図4に、本比較例で用いた二重
壁の構造を、図3におけるA−A方向側断面図によって
示す。なお、図4において、3、4は板材、20は木枠、
21は間柱、25は合板、26はフレキシブルボード(石綿セ
メント板)、27はグラスウール、28は石膏ボード、29は
釘を示す。
【0042】すなわち、図3における横断面寸法:w1
50mm×t1=105mm の木材で作製した木枠20の中央に、同
一横断面寸法(w2=50mm×t2=105mm )の木材である間
柱21を1本立て、木枠20および間柱21の同一側面側P10
(:同一側面側P10 )において、木枠20および間柱21の
両者に、厚さ:9mmの合板25と厚さ:12mmのフレキシブ
ルボード26を釘29で貼り付けた。
【0043】また、木枠20の枠内に、嵩密度:12kg/
m3 、厚さ50mmのグラスウール27を介在させ、木枠20お
よび間柱21の反対側面側P20 (:反対側面側P20 )にお
いて、木枠20および間柱21の両者に、厚さ12mmの石膏ボ
ード28を釘29で貼り付けた。次に、上記で得られた二重
壁について、周波数20〜100 Hzにおける音響透過損失を
測定した。
【0044】図5に、測定結果を示す。図5に示される
ように、上記構造の二重壁の周波数20〜100 Hzにおける
音響透過損失の極小値は12dBであった。 (実施例1)図6に、本実施例で用いた二重壁の構造
を、図3におけるA−A方向側断面図によって示す。
【0045】なお、図6における符号は、前記した図4
と同様の内容を示す。すなわち、本実施例における二重
壁においては、図3における木枠20の木材の横断面寸法
をw1=50mm×t1=105mm 、間柱21の横断面寸法をw2=50
mm×t2=80mmとし、いずれもが比較例と同じ合板25およ
びフレキシブルボード26の積層体を、同一側面側P10
おいて木枠20および間柱21の両者に釘で貼り付けた。
【0046】また、木枠20の枠内に、比較例で用いたと
同じグラスウール27を介在させ、反対側面側P20 におい
て木枠20に比較例と同じ石膏ボード28を釘29で貼り付け
た。上記した構造の二重壁においては、石膏ボード28は
間柱21に何ら接触しない。次に、上記で得られた二重壁
について、周波数20〜100 Hzにおける音響透過損失を測
定した。
【0047】この結果、本実施例の二重壁の周波数20〜
100 Hzにおける音響透過損失の極小値は17dBであった。 (実施例2)図7に、本実施例で用いた二重壁の構造
を、図3におけるA−A方向側断面図によって示す。
【0048】なお、図7において、30は積層鉛板、31は
ロックウールを示し、その他の符号は前記した図4と同
様の内容を示す。すなわち、本実施例における二重壁に
おいては、前記した実施例1において、石膏ボード28に
代えて、厚さ: 0.5mmの鉛板を3枚積層し、さらにその
積層鉛板30の上に嵩密度: 200kg/m3 、厚さ:25mmのロ
ックウール31と厚さ:5mmの合板25を順に積層した。
【0049】次に、上記で得られた二重壁について、周
波数20〜100 Hzにおける音響透過損失を測定した。この
結果、本実施例の二重壁の周波数20〜100 Hzにおける音
響透過損失の極小値は25dBであった。 (実施例3)図8に、本実施例で用いた二重壁の構造
を、図3におけるA−A方向側断面図によって示す。
【0050】なお、図8において、32は積層亜鉛鉄
板(:積層亜鉛めっき鋼板)を示し、その他の符号は前
記した図4と同様の内容を示す。すなわち、本実施例に
おける二重壁においては、前記した実施例2において積
層鉛板30に代えて、厚さ: 1.6mmおよび厚さ: 0.6mmの
亜鉛鉄板(:亜鉛めっき鋼板)を積層して貼りつけ、さ
らにその積層亜鉛鉄板(:積層亜鉛めっき鋼板)32の上
に厚さ:12mmの石膏ボード28を積層した。
【0051】次に、上記で得られた二重壁について、周
波数20〜100 Hzにおける音響透過損失を測定した。図9
に、測定結果を示す。図9に示されるように、上記構造
の二重壁の周波数20〜100 Hzにおける音響透過損失の極
小値は25dBであった。
【0052】(実施例4)図10に、本実施例で用いた二
重壁の構造を、図3におけるA−A方向側断面図によっ
て示す。なお、図10において、33は窯業系屋根材(:ク
ボタコロニアル屋根材)を示し、その他の符号は図8と
同様の内容を示す。
【0053】すなわち、本実施例における二重壁におい
ては、木枠20の木材の横断面寸法をw1=50mm×t1=400m
m 、間柱21の横断面寸法をw2=50mm×t2=100mm とし、
実施例3において、フレキシブルボード26の代わりに厚
さ5mmの窯業系屋根材33を貼りつけ、合板25と亜鉛鉄板
(:積層亜鉛めっき鋼板32)との間隔を 400mmとした。
【0054】次に、上記で得られた二重壁について、周
波数20〜100 Hzにおける音響透過損失を測定した。この
結果、本実施例の二重壁の周波数20〜100 Hzにおける音
響透過損失の極小値は25dBであった。 (実施例5)図11に、本実施例で用いた二重壁の構造
を、図3におけるA−A方向側断面図によって示す。
【0055】なお、図11において、341 、342 はガラス
板を示し、その他の符号は前記した図4と同様の内容を
示す。すなわち、本実施例における二重壁においては、
木枠20の木材の横断面寸法をw1=50mm×t1=100mm 、間
柱21の横断面寸法をw2=50mm×t2=80mmとし、厚さ:12
mmのガラス板341 を同一側面側P10 において木枠20およ
び間柱21の両者に接触させ、このガラス板341 を木枠20
と図示しない木材との間に挟み込むようにして固着し、
厚さ:8mmのガラス板342 を反対側面側P20 において木
枠20のみに接触させて、木枠20と図示しない木材との間
に挟み込むようにして固着した。
【0056】次に、上記で得られた二重壁について、周
波数20〜100 Hzにおける音響透過損失を測定した。この
結果、本実施例の二重壁の周波数20〜100 Hzにおける音
響透過損失の極小値は20dBであった。表1に、上記比較
例、実施例で得られた実験結果をまとめて示す。
【0057】表1に示されるように、本発明によれば、
低周波数域、特には100 Hz以下の低周波数域における遮
音、吸音(:防音)に優れた二重壁を提供することが可
能となった。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、低周波数域における遮
音、吸音(:防音)に優れた二重壁を提供することが可
能となり、本発明の二重壁を建築物の壁、窓、屋根など
に適用することによって、良好な居住環境、生活空間を
確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二重壁の一例を示す水平断面図であ
る。
【図2】音響透過損失測定装置の水平断面図(a) および
側断面図(b) である。
【図3】音響管内の四角形木枠および間柱の配置状況を
示す斜視図である。
【図4】比較例の二重壁の構造を示す側断面図である。
【図5】比較例の二重壁の音響透過損失測定結果を示す
グラフである。
【図6】実施例の二重壁の構造を示す側断面図である。
【図7】実施例の二重壁の構造を示す側断面図である。
【図8】実施例の二重壁の構造を示す側断面図である。
【図9】実施例の二重壁の音響透過損失測定結果を示す
グラフである。
【図10】実施例の二重壁の構造を示す側断面図であ
る。
【図11】実施例の二重壁の構造を示す側断面図であ
る。
【符号の説明】
11、12、13 柱 21、22 間柱 3、4 板材 10 音響管 11 管体 11a 管体の一端 12 スピーカー 13 建材試料 14a 〜14d マイクロホン 15 演算装置 15a 音圧反射係数演算部 15b 透過損失演算部 16 吸音材 17 表示装置 20 四角形木枠(:木枠) 21 四角形木枠内の間柱 25 合板 26 フレキシブルボード 27 グラスウール 28 石膏ボード 29 釘 30 積層鉛板 31 ロックウール 32 積層亜鉛鉄板(:積層亜鉛めっき鋼板) 33 窯業系屋根材 341 、342 ガラス板 H、W 音響管横断面の内寸法 P1 柱、間柱である支持材の同一側面側(:同一側面側
P1) P2 柱、間柱である支持材の反対側面側(:反対側面側
P2) P10 木枠および間柱の同一側面側(:同一側面側P10 ) P20 木枠および間柱の反対側面側(:反対側面側P20 ) w1、t1 四角形木枠(:木枠)の木材の横断面寸法 w2、t2 間柱の横断面寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大林 浩海 兵庫県神戸市中央区北本町通1丁目1番28 号 川崎製鉄株式会社内 (72)発明者 田中 逸郎 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 (72)発明者 寺田 利坦 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DF02 DF04 DF07 FA03 FA16 FA32 GA12 GA29 GA42 GA43 GA63 HA02 HA11 HA32 HA33 HB02 HB06 HC01 HC02 HE01 MA01 MA11 MA13 2E162 BA05 BB08 CA02 CA03 CA31 CA33 CA35 CB02 CB03 CB12 CC03 CE01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1対の柱(11 、12) および間
    柱(21)を支持材とする二重壁であって、これらの支持材
    の同一側面側(P1)において、単層または複層の板材(3)
    を前記1対の柱(11 、12) および間柱(21)に貼り付けて
    壁の一面を形成し、これらの支持材の反対側面側(P2)に
    おいては、単層または複層の板材(4)を、該板材(4) が
    前記1対の柱(11 、12) に固着され間柱(21)には接触し
    ないように貼り付けて壁の他の一面を形成したことを特
    徴とする低周波数音域における防音性に優れた二重壁。
  2. 【請求項2】 前記板材(4) が、単層または複層の金属
    板を有することを特徴とする請求項1記載の二重壁。
  3. 【請求項3】 前記金属板が亜鉛系めっき鋼板であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の二重壁。
  4. 【請求項4】 前記板材(3) が合板と窯業系屋根材との
    積層体からなることを特徴とする請求項1〜3いずれか
    に記載の二重壁。
  5. 【請求項5】 前記板材(3) と板材(4) との間に嵩密
    度:10〜48kg/m3 の繊維系多孔質材を介在させたことを
    特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の二重壁。
  6. 【請求項6】 前記板材(3) および板材(4) の両者がガ
    ラス板であることを特徴とする請求項1記載の二重壁。
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