JP2002003505A - α−オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

α−オレフィン重合体の製造方法

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JP2002003505A
JP2002003505A JP2000183868A JP2000183868A JP2002003505A JP 2002003505 A JP2002003505 A JP 2002003505A JP 2000183868 A JP2000183868 A JP 2000183868A JP 2000183868 A JP2000183868 A JP 2000183868A JP 2002003505 A JP2002003505 A JP 2002003505A
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slurry
tank
blade
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JP2000183868A
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Yukimasa Matsuda
行正 松田
Naoki Doi
直樹 土肥
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Japan Polychem Corp
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Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 α−オレフィンのスラリー重合又はバルク重
合において、除熱設備を有する反応槽を用い、反応槽の
中のスラリーの均一混合性能を改善し、反応器内におけ
る固体粒子の滞留量を実質的に高め、触媒の効率を高
め、攪拌所要動力を軽減することができるα−オレフィ
ン重合体の製造方法の提供。 【解決手段】 少なくとも1槽以上の重合槽を用いて、
α−オレフィンをスラリー重合、又はバルク重合し、該
重合で発生する重合熱を蒸発物質の蒸発による潜熱を利
用して除熱するα−オレフィン重合体の製造方法におい
て、生成する固体粒子が特定の粒子径を有し、重合槽内
のスラリー中の特定の固体粒子濃度で、重合槽における
蒸発物質が特定の空塔ベースの蒸発線速を有し、重合槽
内のスラリー中の蒸発物質が特定の気泡含有率を有し、
特定位置におけるスラリー中の固体粒子濃度を一定にす
るに必要な最小攪拌回転数以上となりうる攪拌回転数条
件で運転することを特徴とするα−オレフィン重合体の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産性に優れたα
−オレフィン重合体のスラリー重合又はバルク重合にお
ける連続製造方法に関し、特にα−オレフィンの重合で
発生する反応熱の全部又は一部をα−オレフィンモノマ
ー又は炭化水素系溶媒(分散媒)の蒸発潜熱を利用して
除熱するα−オレフィン重合体の連続製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】スラリー重合又はバルク重合におけるα
−オレフィン重合体の連続製造方法は、反応器の型式と
してループ型反応器の様な2重管方式のもの、竪型円筒
状の攪拌槽型のものに大別される。当該反応器の生産性
を向上させる方法としては、(1)反応器内部スラリー
中の固体粒子をより高濃度で運転することで反応器容積
を削減する方法、(2)立体規則性触媒の滞留時間を下
げて反応器容積を削滅する方法があり、後者の(2)の
方法の場合は一般的に立体規則性触媒の滞留時間を下げ
ると触媒の効率(単位触媒当たりのα−オレフィン重合
体生産量)が低下し、あまり望ましくなく、反応器内部
スラリー中の固体粒子をより高濃度で運転する事ことで
反応器容積を削減する(1)の方法が望ましい。ループ
型反応器の場合は、反応器内部のスラリーを循環させる
ために配設されたスラリー循環ポンプの運転性能を維持
するために、反応器内部スラリー中の固体粒子濃度の上
限界が、攪拌槽型の反応器に比べ低いのが一般的であ
る。また、重合による反応熱量や、ループ型反応器の場
合はスラリー循環ポンプから発生する熱量或いは攪拌槽
型反応器の場合は攪拌により発生する熱量を除去するた
めの除熱設備が必要である。その除熱方法としては、ル
ープ型反応器や攪拌槽の外部にジャケットを装着した
り、反応器内部に除熱コイル型の邪魔板を複数本配設し
た反応器や当該攪拌槽のスラリーを循環ポンプ等で外部
循環させ、該循環系に多管式熱交換器等の除熱のための
設備を付属した物等に代表される。例えば、攪拌槽型反
応器の場合には、外部にジャケットを装着し、内部に除
熱コイル型の邪魔板を複数本配設した顕熱利用の除熱設
備とα−オレフィンモノマーや炭化水素系溶媒(分散
媒)を当該反応器より蒸発させ、その蒸発潜熱を利用す
る除熱設備を併用して除熱するのが望ましい。
【0003】一般的に蒸発潜熱を利用する反応器には、
蒸発した気体を冷却・凝縮液化させ、反応器に戻すこと
が出来る還流コンデンサーが使用されている。上記スラ
リー重合又はバルク重合でα−オレフィン重合体を製造
する方法においては、反応器の生産性を向上させるため
には前述の除熱設備の能力を向上させることが必要であ
る。除熱設備の除熱能力を向上させるための一般的な方
法は、当該除熱設備の熱交換器の伝熱面積を増大させる
方法である。ループ型反応器や攪拌槽の外部にジャケッ
トを装着したり、反応槽内部に除熱コイル型の邪魔板を
複数本配設した反応器において顕熱を利用して除熱する
設備では、反応器自身に除熱設備が付設されている関係
上、反応器容積を変更しないで除熱設備の伝熱面積を増
大させることは困難である。
【0004】攪拌槽内のスラリーを循環ポンプ等で外部
循環させ、該循環系に多管式熱交換器等の除熱のための
設備を付属した除熱方式を用いる場合は、反応器の容積
を変更しないで生産性を向上させることは可能である
が、スラリーポンプを用いるために、ループ型反応器と
同様に反応器内部のスラリー中の固体粒子濃度の上限界
を、スラリーポンプを用いない攪拌槽型の反応器に比べ
低くする必要がある。
【0005】また、スラリー循環系に付設される多管式
熱交換器は、取り扱うスラリーの反応による付着・閉塞
等の問題を防ぐために、該多管式熱交換器に用いられる
チューブは、一般的に50mm以上の内径のものが用い
られ、且つ伝熱係数が200〜300kcal/m
℃/h程度と低く、該熱交換器の伝熱面積を増大させる
ためには該熱交換器の容積が過大に大きくなり、工業的
に不利である。チューブ内はスラリーが循環するため、
そのスラリー中の固体粒子を円滑に輸送するために規定
のスラリー流速以上で循環する必要があり、スラリー循
環ポンプの輸送能力を向上させる必要もあり、更には該
スラリーポンプの工業的な製作限界以上の能力を必要と
することがある。
【0006】さらに、α−オレフィンモノマー又は炭化
水素系溶媒(分散媒)の蒸発による蒸発潜熱を利用する
方法による攪拌槽を用いる反応器の場合は、反応器の容
積を変更しないで当該反応器の生産性を向上させること
が可能であり、当該除熱系に付設する多管式熱交換器に
用いられるチューブの内径も前述のスラリークーラーの
様に付着・閉塞の危険性が極めて少ないため、15〜2
5mmと小口径のチューブを利用出来、伝熱係数も40
0〜600Kcal/m/℃/hとスラリークーラー
と比較して高く、該熱交換器の伝熱面積を増大させる場
合、該熱交換器の容積が過大になることはなく、反応器
の生産性の向上に最も適した除熱方法と言える。
【0007】以上述べた様に、反応で発生する反応熱の
全部又はその一部をα−オレフィンモノマー又は炭化水
素系溶媒(分散媒)の蒸発による蒸発潜熱を利用する方
法は、例えば特公平1−7084号、特開昭62−12
4107号、特公平5−74601号、特公平5−74
602号、特公平7−17705号の各公報等に記載さ
れているように、一般的によく知られた方法である。
【0008】前記のα−オレフィンモノマー又は炭化水
素系溶媒(分散媒)の蒸発を利用する方法の攪拌槽は、
一般的に気−液−固3相通気型攪拌槽と呼ばれ、その攪
拌槽に良く用いられる攪拌翼は複数段のタービン型攪拌
翼や複数段のタービン型攪拌翼と3枚パドル翼(3方後
退翼)の組み合わせがある。
【0009】複数段のタービン型翼は、配設された4〜
6枚のパドルをスラリーの混合性能を向上させる目的の
ために攪拌軸の回転による、該タービン型翼から発生す
る吐出流が下方向に向く様に攪拌軸に対して30〜60
°傾斜させたものがよく用いられ、3枚パドル翼(3方
後退翼)の形状は攪拌軸芯から翼の先端迄が軸の回転方
向に対して順次25〜50°後方に後退角を持ち、10
〜20°の上昇角を有するものがよく用いられる。複数
段のタービン型翼と3枚パドル翼の組み合わせの場合、
攪拌槽の底部に3枚パドル翼を配設し、その上部に一定
間隔で複数段のタービン型翼を配設するのが一般的であ
る。
【0010】α−オレフィンモノマーまたは炭化水素系
溶媒(分散媒)の蒸発により気体を発生させる場合、発
生したその気体は、攪拌槽のスラリー部分を通過し、攪
拌槽上部の実質的にスラリーを保有しない気相部へ上昇
して行く。上昇する気体の影響で攪拌翼がスラリーに与
える力(即ち攪拌動力)が低下し、その結果スラリーの
均一混合性能を低下させる。スラリーの均一混合性能が
低下すると、スラリー層の下部に固体粒子濃度の濃い層
が形成され、上部には固体粒子濃度の薄い層が形成され
る。一般的に該反応器からのスラリー抜き出しは、反応
器の直胴部の下部又は反応器の底部から行われることが
多く、スラリーの均一混合性能の低下は反応器の上部に
おける固体の滞留量が低下し、ひいては触媒の実質的な
滞留時間を低下させ、触媒の効率を低下させることにな
る。
【0011】更に、気体通過量の増大や攪拌回転数が低
い等の場合には、スラリー中の固体粒子の浮遊を阻害
し、攪拌槽の底部に沈降層を形成したり、粒子間の凝集
等による巨大粒子の生成、付着・閉塞等の連続製造を阻
害する原因となる。
【0012】スラリーの均一混合性能の低下や固体粒子
の浮遊を阻害する現象は、スラリー層を通過する気体量
を攪拌槽の断面積で除した空塔ベ−スの通気ガス線速
(Ug)の増加により顕著に現れ、又スラリー中の重量
基準固体粒子濃度(Ws)、固体粒子の平均粒子径(d
p)、スラリー中の固体、液体の密度(ρs及びρ
l)、液体の動粘度(νl)、更には攪拌槽の底部に配
設した攪拌翼の取り付け位置、寸法比(攪拌翼径/攪拌
槽径)などの影響を受ける。
【0013】上記の現象は攪拌回転数を上げることによ
り、解消される傾向となるが、攪拌所要動力が上がり、
又スラリー中の気体の含有率が上昇する現象を起こし、
産業上好ましいとは言えない。又、攪拌槽の液相部分の
内、気体の占める部分は実質的にスラリーは存在しない
ので、同一液量で攪拌槽を用いる場合、前述同様、固体
の滞留量が減少し、触媒の効率を低下させることにな
る。一般的に攪拌槽の単位断面積当たりのガスの通気量
を増大させたり、攪拌回転数を上げ攪拌負荷動力を増大
させると液相部分の内、気体の占める割合が増加する傾
向となる。
【0014】一方、インパクトコポリマーグレードのポ
リプロピレンに代表される様にα−オレフィンの重合で
得られる製品の品質を向上させるために、製品固体粒子
の粒子径をその平均粒子径で、従来400〜600μm
程度であったものが、近来、700〜1500μm(場
合によっては1500〜2000μmの物も見受けられ
る)と製品固体粒子径の大きい触媒が多用されている。
【0015】製品固体粒子径を700〜1500μmと
大きくすると、上述の粒子の均一混合や粒子の浮遊のた
めに攪拌回転数を更に増大する必要があり、攪拌負荷が
過大となり、液相中の気体の占める割合も増大し、又、
反応槽の攪拌回転数が高い状態ではスラリー界面におけ
る泡立ち(Foaming)現象が発生し、該蒸発物質
を液化・凝縮させるための還流コンデンサーの性能を著
しく低下させることがあり、生産性を著しく低下させ、
もはや産業上採用することは困難と言わざるを得ない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、α−
オレフィンのスラリー重合又はバルク重合において、そ
の反応で発生する反応熱の全部又は一部を該重合に供さ
れるα−オレフィン又は炭化水素系溶媒(分散媒)等の
蒸発物質の蒸発により除去する除熱設備を有する反応槽
を用いると共に、反応槽のスラリー中の固体粒子の沈降
分離を防ぎスラリーの均一混合性能を改善し、且つ蒸発
物質(α−オレフィン又は炭化水素系溶媒(分散媒))
の蒸発により発生する気体のスラリー中の含有率を低下
させ、該反応器内における固体粒子の滞留量を実質的に
高め、触媒の効率を高めることが出来、攪拌所要動力を
軽減することが出来る、工業上有利なα−オレフィン重
合体の製造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、重合固体粒子の平均粒
子径、固体粒子の濃度、蒸発物質の蒸発線速、蒸発物質
の気泡含有率、スラリー中の固体粒子濃度等が特定にな
るような攪拌回転数条件で運転すること、さらに特定の
形状の攪拌翼により攪拌することにより、触媒の効率を
高め、攪拌の所要動力を低減できることを見出し、本発
明を完成した。すなわち、本発明は、少なくとも1槽以
上の重合槽を用いて、立体規則性触媒の存在下に、α−
オレフィンをスラリー重合、又はバルク重合し、該重合
で発生する重合熱を蒸発物質の蒸発による潜熱を利用し
て除熱するα−オレフィン重合体の製造方法において、
該重合で生成する固体粒子の平均粒子径が500〜2,
000μmの範囲であり、重合槽内のスラリー中の固体
粒子濃度は20〜60wt%であり、且つ、重合槽にお
ける当該蒸発物質の空塔ベースの蒸発線速(Ug)が
1.0〜6.0cm/secの範囲であって、重合槽内
のスラリー中の当該蒸発物質の気泡含有率[気泡の容積
/(気泡の容積+スラリーの容積)×100]が40v
ol%以下であり、さらに、当該重合槽内の液面高さ
(H)に対し、直胴部下端(下部Tangential
Line)を基準として0.9H〜1.0Hの位置に
おけるスラリー中の固体粒子濃度[上部濃度]と0〜
0.1Hの位置におけるスラリー中の固体粒子濃度[下
部濃度]の比が一定になるために必要な最小攪拌回転数
[粒子濃度平衡攪拌回転数(Nus又はNusg)]以
上となりうる攪拌回転数条件で運転することを特徴とす
るα−オレフィン重合体の製造方法である。
【0018】また、本発明は、重合槽における当該蒸発
物質の空塔ベースの蒸発線速(Ug)が1.0〜6.0
cm/secの範囲であって、重合槽内の攪拌による単
位容積当たりの攪拌所要動力(Pgv)が0.5〜3.
0KW/mである条件の攪拌回転数で運転する前記の
α−オレフィンの製造方法である。
【0019】また、本発明は、α−オレフィンの重合に
供される重合槽の攪拌槽及び攪拌翼の構造として、図1
において竪型円筒状攪拌槽の中心部に槽外からの駆動源
10により、回転可能な攪拌軸2を配設し該攪拌軸2に
攪拌槽底壁面から攪拌翼下端部迄の距離(C)と攪拌槽
の直径(D)の比(C/D)が0.10以下になる位置
に配設された図2に示すような大型のボトムパドル翼1
2と該ボトムパドル翼12より上位部分にアームパドル
14と該アームパドル14と直角方向に延びるストリッ
プ13から構成される格子翼からなる攪拌翼3を装着す
ると共に攪拌槽側壁面に下部〜上部迄、側壁面に沿って
4〜12本の邪魔板4を間隔を置いて配設した攪拌槽を
用いる前記のα−オレフィンの製造方法である。
【0020】また、本発明は、前記の攪拌翼3の構造が
図3の様にボトムパドル翼の直径に対し、上部アームパ
ドル翼の直径が短くなる様な形状の攪拌翼3を用いる前
記のα−オレフィンの製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明を以下に各項目毎に詳細に
説明する。本発明において、原料として用いるα−オレ
フィンとしては、炭素数は2〜8のもの、例えば、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテンなどを挙げることができる。
【0022】このα−オレフィンの重合は、重合槽に立
体規則性触媒、あるいはこれを構成する各種成分、例え
ば、固体触媒成分、共触媒、必要に応じて電子供与性化
合物、あるいはこれらの接触物、およびα−オレフィ
ン、および必要により水素を連続的に供給することによ
って行われる。
【0023】本発明で用いる立体規則性触媒は、固体触
媒成分と有機アルミニウム化合物、および必要に応じて
電子供与性化合物からなるものである。ここで、「から
なる」とは、上記主成分以外に合目的な各種成分が含ま
れてなるものをも包含するものである。
【0024】本発明での立体規則性触媒は、その固体触
媒成分が、従来のこの種の立体規則性触媒と本質的に異
ならない。固体触媒成分と有機アルミニウム化合物、お
よび必要に応じて電子供与性化合物からなる立体規則性
触媒は、公知(例えば、特開昭56−811号、特開昭
58−83006号、特開平4−218507号、特開
平6−25338号、特開昭57−63311号、特開
昭61−213208号、特開昭62−187706
号、特開平5−331233号、特開平5−33123
4号、特開昭63−289004号、特開平1−319
508号、特開昭52−98706号、特開平1−54
007号、および特開平3−72503号の各公報参
照)である。
【0025】本発明で使用する固体触媒成分は、マグネ
シウム、チタン、ハロゲン、ならびに電子供与性化合物
を含むものである。固体触媒成分中のマグネシウムは、
塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシ
ウム、フッ化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシ
ウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネ
シウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩
化マグネシウム、ヘキソキシ塩化マグネシウム、オクト
キシ塩化マグネシウムのようなアルコキシマグネシウム
ハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノ
キシ塩化マグネシウムのようなアリロキシマグネシウム
ハライド;メトキシマグネシウム、エトキシマグネシウ
ム、イソプロポキシマグネシウム、n−ブトキシマグネ
シウム、n−オクトキシマグネシウム、2−エチルヘキ
ソキシマグネシウムのようなアルコキシマグネシウム;
フェノキシマグネシウム、メチルフエノキシマグネシウ
ムのようなアリロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸マグネシウムのようなマグネシウ
ムのカルボン酸塩などから得ることができる。なお、こ
れらのマグネシウム化合物は、単独で用いても良いし、
混合物を用いても良い。
【0026】固体触媒成分中のチタンは、通常Ti(O
R)4−g(Rは炭化水素基、Xはハロゲン、gは
0≦g≦4なる数を示す)で示される4価のチタン化合
物、具体的には、TiCl、TiBr、TiI
どのテトラハロゲン化チタン;Ti(OCH)C
、Ti(OC)Cl、Ti(On−C
)Cl、Ti(Oi−C)Cl、Ti(O
CH)Br、Ti(OC)Br、Ti(O
n−C)Br、Ti(Oi−C)Br
などのトリハロゲン化アルコキシチタン、Ti(OCH
Cl、Ti(OCCl、Ti(O
n−CCl、Ti(Oi−C
、Ti(OCHBr、Ti(OC
Br、Ti(On−CBr、Ti(O
i−CBrなどのジハロゲン化アルコキシ
チタン、Ti(OCHCl、Ti(OC
Cl、Ti(On−CCl、Ti(Oi−
Cl、Ti(OCHBr、Ti(O
Br、Ti(On−CBr、T
i(Oi−CH9)Brなどのモノハロゲン化アル
コキシチタン、Ti(OCH、Ti(OC
、Ti(On−C、Ti(Oi−
などのテトラアルコキシチタン;あるいは
これらの混合物、あるいは、これらとアルミニウム化合
物、ケイ素化合物、硫黄化合物、他の金属化合物、ハロ
ゲン化水素、ハロゲン等との混合物によって、ハロゲン
は、上記の−般式Ti(OR)4−g(Rは炭化水
素基、Xはハロゲン、gは0≦g≦4なる数を示す)で
示される4価のチタン化合物や、ハロゲン化水素、ハロ
ゲン等によって導入することが普通である。
【0027】固体触媒成分中の電子供与性化合物は、こ
の種の固体触媒成分の製造に用いられる通常公知の化合
物を使用することができる。一般的には、含酸素化合物
及び/又は含窒素化合物が好ましい。含酸素化合物とし
ては、一般に、エーテル類、ケトン類、エステル類、ア
ルコキシシラン類を挙げることができる。含窒素化合物
としては、アミン類、アミド類、ニトロソ化合物類を挙
げることができる。
【0028】立体規則性触媒の共触媒である有機アルミ
ニウム化合物は、合目的な任意のものを用いることがで
きる。具体的には、(イ)トリアルキルアルミニウム、
例えば、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜12のも
の、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリn−プロピルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオ
クチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリド
デシルアルミニウム、(ロ)ハロゲン含有有機アルミニ
ウム化合物、具体的には上記のトリアルキルアルミニウ
ムのアルキル基の1個または2個がハロゲン、例えば塩
素、臭素等で置換されたもの、例えば、ジエチルアルミ
ニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライ
ド、(ハ)ヒドリド含有有機アルミニウム化合物、具体
的には上記のトリアルキルアルミニウムのアルキル基の
1個または2個が水素で置換されたもの、例えば、ジエ
チルアルミニウムヒドリド、(ニ)アルコキサイド含有
有機アルミニウム化合物、具体的には上記のトリアルキ
ルアルミニウムのアルキル基の1個または2個がアルコ
キシ基(アリールオキシ基を包含する)、特に炭素数1
〜8程度のもので置換されたもの、例えばジメチルアル
ミニウムメトキサイド、ジエチルアルミニウムメトキサ
イド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルア
ルミニウムフェノキサイド、(ホ)アルミノキサン(ア
ルモキサンとも言う)、具体的にはアルキル基が炭素数
1〜12であるアルキルアルミノキサン、例えば、メチ
ルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチル
アルミノキサンなどを挙げることができる。また、これ
らは各群内及び/又は各群間で複数用いることもでき
る。
【0029】有機アルミニウム化合物の使用量について
特に制限はないが、通常は、有機アルミニウム化合物中
のアルミニウムと、固体触媒成分中のチタンとのモル比
が、0.1〜10000、好ましくは、10〜500
0、さらに好ましくは、50〜2000となるように使
用する。
【0030】必要に応じて用いられる電子供与性化合物
も、この種の立体規則性触媒において用いられているも
のを用いることができる。本発明においては、含酸素化
合物、及び/又は含窒素化合物を好ましいものとして挙
げることができる。
【0031】含窒素化合物としては、トリエチルアミ
ン、エチレンジアミン、ジイソプロピルアミン、ジt−
ブチルアミン、ピリジン、ピペリジン、2,2,6,6
−テトラメチルピペリジンのようなアミン類およびその
誘導体、また、3級アミン、ピリジン類、キノリン類の
N−オキシドのようなニトロソ化合物を挙げることがで
きる。
【0032】含酸素化合物としては、一般に、エーテル
類、ケトン類、エステル類、アルコキシシラン類を挙げ
ることができる。(イ)エーテル類としては、エーテル
酸素と結合する炭化水素残基が合計炭素数2〜18程
度、好ましくは4〜12程度のものであって、エーテル
酸素をその内部に有するもの、例えば、ジエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、プロピレングリコールジメチルエ−テル、
エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、2,2,5,
5,−テトラメチルテトラヒドロフラン、ジオキサンな
どを、(ロ)ケトン類としては、ケトンカルボニル基と
結合する炭化水素残基が合計炭素数2〜18程度、好ま
しくは4〜12程度のもの、例えば、アセトン、ジエチ
ルケトン、メチルエチルケトン、アセトフェノンなど
を、(ハ)エステル類としては、カルボン酸部分がアリ
ールないしアラルキルカルボン酸(アリール基ないしア
リール部分はフェニルまたは低級(C〜C程度)ア
ルキル及び/又は低級(C〜C程度)アルコキシ置
換フェニルが好ましく、アラルキル基のアルキル部分
は、C〜C程度が好ましく、カルボキシル基は1〜
3個程度が好ましい)、または脂肪族カルボン酸(カル
ボキシル基(1〜3個程度)以外の部分が炭素数1〜2
0程度、好ましくは2〜12程度のエーテル酸素を含ん
でいても良い脂肪族炭化水素残基であるもの)であり、
アルコール部分が炭素数1〜8程度、好ましくは1〜4
程度のもの(上記のカルボン酸の対応ヒドロキシ置換誘
導体の分子内エステルを包含する)、例えば、フェニル
酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香
酸フェニル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、ア
ニス酸メチル、アニス酸エチル、メトキシ安息香酸メチ
ル、メトキシ安息香酸エチル、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、γ−ブチロラクト
ン、エチルセロソルブなどを、(ニ)アルコキシシラン
類としては、アルコキシ基(アリールオキシ基を包含す
るものとし、炭素数1〜18程度、なかでも1〜4程度
が好ましい)を少なくとも1個持ち、ケイ素原子の残り
の原子価がアルキル基、アリール基またはアラルキル基
(これらの一般的説明は、前記のそれと同じである)で
あるもの、テトラメトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピ
ルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリ
メトキシシラン、1−メチルシクロヘキシルトリメトキ
シシラン、1,1,2,2−テトラメチルプロピルトリ
メトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジn−プ
ロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシ
ラン、ジフェニルジメトキシシラン、t−ブチルメチル
ジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラ
ン、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、t−
ブチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシル
メチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシ
シラン、1−メチルシクロヘキシルメチルジメトキシシ
ラン、1,1,2,2−テトラメチルプロピルメチルジ
メトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロ
ピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシ
ラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、1
−メチルシクロヘキシルトリエトキシシラン、1,1,
2,2−テトラメチルプロピルトリエトキシシラン、ジ
エチルジエトキシシラン、ジn−プロピルジエトキシシ
ラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジ
エトキシシラン、t−ブチルメチルジエトキシシラン、
t−ブチルエチルジエトキシシラン、t−ブチル−n−
プロピルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエ
トキシシラン、シクロへキシルエチルジエトキシシラ
ン、1−メチルシクロヘキシルメチルジエトキシシラ
ン、1,1,2,2−テトラメチルプロピルメチルジエ
トキシシランなどを挙げることができる。これらの化合
物のうち、好ましく用いられるのは、ピペリジン類、ま
たは、アルコキシシラン類であり、特に好ましくはアル
コキシシラン類である。これらの化合物の使用量に制限
はないが、通常は、共触媒として使用する有機アルミニ
ウム化合物中のアルミニウムに対するモル比で、0〜1
0、好ましくは、0〜2となるように使用する。また、
複数の電子供与性化合物を上記の各群内及び/又は各群
間で選んで用いることができる。
【0033】固体触媒成分、有機アルミニウム化合物、
および必要に応じて用いられる電子供与性化合物の各触
媒成分は、重合槽中であるいは重合槽外で、重合させる
べきモノマーの存在下あるいは不存在下で互いに接触
し、この接触によって、本発明の立体規則性触媒が形成
される。各触媒成分は、重合槽に独立に供給しても良い
し、任意の各成分を接触させたうえで供給しても良い。
この場合、接触方法は任意である。すなわち各成分を同
時に接触させても良いし、任意の各成分を逐次接触させ
ても良い。これらの各成分を重合槽に供給する方法につ
いては、特に制限はない。プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、
トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒に溶解も
しくは懸濁させて供給しても良いし、実質的にこれらの
不活性炭化水素溶媒を使用することなく、直接供給する
こともできる。
【0034】本発明は、少なくとも1槽以上の重合槽を
用いて、立体規則性触媒の存在下に、α−オレフィンを
スラリー重合、又はバルク重合し、該重合で発生する重
合熱の全部又は一部をα−オレフィンモノマーまたは炭
化水素系溶媒(分散媒)の蒸発による潜熱を利用して除
熱するα−オレフィン重合体の製造方法により行う。
【0035】本発明の製造工程の一例を図を用いて説明
する。図12において、重合槽(攪拌槽)1は攪拌軸2
に、図2に示すような大型のボトムパドル翼12と該ボ
トムパドル翼12より上位部分にアームパドル14と該
アームパドル14と直角方向に延びるストリップ13か
ら構成される格子翼を装着する攪拌翼3、又は上記攪拌
翼の構造が図3の様にボトムパドル翼12の直径に対
し、上部アームパドル翼14の直径が短くなる様に該ア
ームパドルとストリップの交差角(θ)が85〜90°
の方向である攪拌翼3を有し、立体規則性触媒の存在下
に、α−オレフィンのスラリー重合またはバルク重合に
用いるものであり、反応熱により蒸発するα−オレフィ
ンモノマーまたは炭化水素系溶媒の蒸気は、還流コンデ
ンサー5で冷却され、その凝縮液は回収液ドラム6及び
回収液ポンプ7を経て加熱器8で予熱され、攪拌槽1に
再循環(リサイクル)される。バルク重合する場合に
は、例えば、液体プロピレン白身を媒体とする重合方法
が用いられる。
【0036】本発明において、重合槽の重合温度に特に
制限はないが、通常、40〜120℃、好ましくは、5
0〜90℃で行われる。圧力にも特に制限はないが、通
常1〜100atm、好ましくは、5〜50atmの圧
力で行われる。重合は必要に応じて、水素の存在下で行
われる。重合槽への水素の供給量に特に制限はなく、所
望のメルトフローレート(以下、MFRと称する)を得
るために必要な水素を供給することができる。
【0037】上記したように重合槽1において、α−オ
レフィンのスラリー重合又はバルク重合によって、その
反応で発生する反応熱の全部又は一部を該重合に供され
るα−オレフィン又は炭化水素系溶媒(分散媒)の蒸発
により除去する除熱設備を有している。重合槽(攪拌
槽)1としては、図1に示す様に、竪型円筒状攪拌槽の
中心部に槽外からの駆動源10により、回転可能な攪拌
軸2を配設し該攪拌軸2に攪拌槽底壁面から攪拌翼下端
部迄の距離(C)と攪拌槽の直径(D)の比(C/D)
が0.10以下になる位置に配設された図2に示すよう
な大型のボトムパドル翼12を該ボトムパドル翼12よ
り上位部分にアームパドル14と該アームパドル14と
直角方向に延びるストリップ13から構成される格子翼
を装着する攪拌翼3、又は上記攪拌翼の構造が図3の様
にボトムパドル翼12の直径に対し、上部アームパドル
翼14の直径が短くなる様な形状の攪拌翼3を用い、攪
拌槽側壁面に下部〜上部迄、側壁面に沿って4〜12本
の邪魔板4を間隔を置いて配設した攪拌槽を用いる。
【0038】該攪拌翼の形状は、攪拌槽の直径(D)に
対し、直径(di)及び高さ(h)がdi/D=0.4
5〜0.7、h/D=0.6〜1.2が好ましく、更に
di/D=0.5〜0.6、h/D=0.7〜1.1が
好ましく、ボトムパドル翼の直径に対し、上部アームパ
ドル翼の直径が短くなる様な攪拌翼においては該アーム
パドルとストリップの交差角(θ)が80〜90°更に
好ましくは85〜90°である。上記の形状の攪拌翼と
しては、具体的には、特開昭61−200842号公
報、特開平6−312122号公報、特開平8−252
444号公報、特開平8−252445号公報に公開さ
れている、住友重機械工業(株)社製のマックスブレン
ド翼が好ましい。
【0039】さらに、攪拌槽側壁面に下部〜上部迄、側
壁面に沿って4〜12本の邪魔板4が間隔を置いて配設
されている。配設される邪魔板4の幅(b)は攪拌槽の
直径(D)に対してb/D=0.05〜0.12の範囲
で、邪魔板の長さ(L)は攪拌槽の下部Tangent
ial Lineから液面位置までを包含する長さのも
のが一般的に用いられるが、邪魔板の下端部が下部Ta
ngential Lineよりも上部にあっても良
い。又、邪魔板の形状としては板状、円柱状、楕円柱状
のものが好んで用いられる。攪拌翼及び邪魔板の寸法・
形状は上述の範囲に規定される必要は無い。
【0040】本発明においては、上記した形状の攪拌翼
及び邪魔板を用いて、攪拌槽中でα−オレフィンをスラ
リー重合又はバルク重合し、該重合で生成する固体粒子
の粒子径が500〜2,000μm、好ましくは700
〜1,500μmの範囲で、スラリー中の固体粒子濃度
が20〜60wt%、好ましくは30〜50wt%の範
囲で、その反応熱により蒸発するα−オレフィンモノマ
ー又は炭化水素溶媒(分散媒)の蒸発物質の攪拌槽にお
ける空塔ベースの蒸発ガス線速(Ug)を1.0〜6.
0cm/secの範囲、好ましくは2.0〜5.0cm
/secの範囲とし、且つ、攪拌槽内のスラリー中の当
該蒸発物質の気泡含有率[気泡の容積/(気泡の容積+
スラリーの容積)×100]が40vol%以下、好ま
しくは5〜35vol%の範囲であり、さらに、当該攪
拌槽内の下部Tangential Lineを基準と
した液面高さ(H)に対し0.9〜1.0×Hの位置に
おけるスラリー中の固体粒子濃度[上部濃度]と0〜
0.1×Hの位置におけるスラリー中の固体粒子濃度
[下部濃度]の比が一定となるために必要な最小攪拌回
転数[粒子濃度平衝攪拌回転数と呼ぶ(Nus又はNu
sg)]の比が1以上、好ましくは1〜1.2の範囲と
なりうる攪拌回転数条件で運転することを特徴とする。
【0041】上記した生成する固体粒子の粒子径が50
0μm未満では、α−オレフィンの重合で得られた製品
の品質を向上させることが困難であり、生成する固体粒
子の粒子径が2000μmを超えると粒子濃度平衝攪拌
回転数が過大となり、その結果、過大な攪拌動力を必要
とし、経済的に不利である。
【0042】又、スラリー中の固体粒子濃度が20wt
%未満では攪拌槽内の固体粒子の滞留量が減少し、触媒
の実質的な滞留時間の減少により、触媒の効率が低下す
る。スラリー中の固体粒子濃度が60wt%を超えると
固体粒子濃度の増加による急激なスラリー粘度の増大を
起こし、攪拌動力の増大や混合性能の悪化現象を起こ
し、好ましくない。
【0043】更に、空塔ベースの蒸発ガス線速が下限
(1.0cm/sec)未満であると、同一容量の攪拌
槽を用いる場合、α−オレフィンモノマーの重合量を減
少させる必要があり、或いは同量のα−オレフィンモノ
マーの重合量を得るためには攪拌槽の内径(サイズ)を
大きくする必要があり、経済的に不利である。一方、空
塔ベースの蒸発ガス線速が上限(6.0cm/sec)
を超えると、気液の界面における泡立ち(Foamin
g)現象を起こしたり、液面からの粒子の飛び出しが多
くなり、除熱のための還流コンデンサーの性能低下の原
因となり、また、その粒子の飛び出しを防ぐためには、
攪拌槽の空塔部の寸法を大きくする必要があるため、経
済的に不利となる。重合槽内のスラリー中の当該蒸発物
質の気泡含有率が上限(40vol%)を超えると、含
有する気泡部分には触媒粒子を保有しないので実質的な
触媒の滞留時間の減少となり、触媒の実質的な効率を低
下させる問題が生じるので好ましくない。さらに、上記
スラリー中の固体粒子濃度が一定になるために必要な最
小攪拌回転数未満では、攪拌槽内部に保有するスラリー
の上部と下部に固体粒子の濃度差が発生し、上部の固体
粒子濃度が低下するために実質的な触媒の滞留時間の減
少となり、触媒効率を低下させる問題が生じるので好ま
しくない。
【0044】本発明は、α−オレフィンのスラリー重合
又はバルク重合において、その反応で発生する反応熱の
全部又は一部を該重合に供されるα−オレフィン又は炭
化水素系溶媒(分散媒)の蒸発により除熱するα−オレ
フィン重合体の連続重合方法に代表される気体−液体−
固体の3相通気攪拌槽における攪拌翼の選定及び攪拌回
転数の設定方法を提供するものである。特に、固体の粒
子濃度が30〜60wt%と高く、該固体粒子の平均粒
子径が700〜1,500μmと大きく、且つガスの空
塔ベース通気線速が2.0〜6.0cm/secと高線
速であり、粒子の浮遊や均一混合が極めて不利な条件に
おいて、粒子の均一混合と気泡の含有率のバランスの良
い攪拌翼の選定及び攪拌回転数の設定方法を提供するも
のである。
【0045】さらに、攪拌による単位容積当たりの攪拌
所要動力が0.5〜3.0KW/m の範囲がスラリー
の混合性能がよく、触媒効率の点で望ましく、この攪拌
所要動力が0.5KW/m未満では攪拌槽内のスラリ
ーの混合性能の低下による触媒効率の低下が大きく、ま
た、3.0KW/mを超えると攪拌所要動力が大き
く、経済的に不利であり、且つ、気泡の含有率の増加に
よる触媒効率の低下も起こす。
【0046】上記したように本発明は、α−オレフィン
のスラリー重合又はバルク重合において、その反応で発
生する反応熱の全部又は一部を該重合に供されるα−オ
レフィン又は炭化水素系溶媒(分散媒)の蒸発により除
熱するα−オレフィン重合体の連続重合方法に代表され
る気体−液体−固体の3相通気攪拌槽における攪拌翼の
選定及び攪拌回転数の設定方法を提供するものである。
【0047】図5に2段のタービン翼+3枚パドル翼
(以下多段翼と呼ぶ)の例、図6に本発明の攪拌翼(以
下大型翼と呼ぶ)の例を記すように、実質的にガスを通
気しない無通気の状態においても攪拌回転数が低いと、
攪拌槽のスラリーを保有する部分に、スラリー層上部と
下部のスラリー中の固体粒子濃度が均一混合状態になり
得ないことがある。
【0048】すなわち、スラリー層の上部は固体粒子濃
度が薄く、下部は固体粒子濃度が濃い状態が起こる。こ
の現象は順次攪拌回転数を上げて行くことにより、上部
と下部の濃度の差が解消されて行き、やがて上下の固体
粒子濃度はほぼ均一になる。
【0049】スラリー層の固体粒子濃度がほぼ均一にな
るために必要な最小の攪拌回転数を粒子濃度平衡攪拌回
転数(Nus)と呼ぶと、その関係は本発明者らの研究
によって以下の式で表されることが判った。 Nus=K・ν−0.25・[g・(ρs−ρl)/ρ
l]0.4・dp0. 47・Ws0.22/di0.8 但し、上記の式において、各記号は以下の通りである。 Nus:ガスの無通気条件における粒子濃度平衝攪拌回
転数[sec−1] K:配設した攪拌翼の形状で決まる定数 ν:液体の動粘度[m/sec] ρs:固体の密度[kg/m] ρl:液体の密度[kg/m] Ws:固体粒子の重量基準濃度[wt%] dp:固体粒子の粒子径[m] di:配設した翼の径;多段翼の場合は配設した複数段
の翼の平均径[m]
【0050】ここで、定数Kを比較するために、実際に
測定した粒子濃度平衝攪拌回転数と上記式で定数Kを除
くν−0.25・[g・(ρs−ρl)/ρl]0.4
・dp0.47・Ws0.22/di0.8でなる式の
計算値の関係を多段翼と大型翼で比較して図7に示す。
【0051】また、気体を通気する気体−液体−固体の
3相通気攪拌槽においては、ガスの通気の影響を考慮す
るために上記式で求めたNusを補正する必要がある。
この現象は、気体を通気することにより、粒子には浮力
が働くが、攪拌翼が通気によるエアーレーション現象を
起こし攪拌負荷動力が低下するために粒子の浮遊のため
に与える力が低下し、粒子に与える浮力よりも、攪拌動
力低下の影響がより顕著に現れるためと考えられ、次の
式で表すことができる。
【0052】 Nusg=Nus・[1+K’・(Ug/Ut)]α 但し、上記の式において、各記号は以下の通りである。 Nusg:ガスの通気条件における粒子濃度平衝攪拌回
転数[sec−1] K’、α:底部に配設した攪拌翼の形状で決まる定数 Ug:攪拌槽における通気ガスの空塔ベースガス線速
[m/sec] Ut:固体粒子の静置沈降速度[m/sec]
【0053】本発明者らの数多くの実験で多段翼と大型
翼のK、K’、αは、以下の数値を用いることで粒子濃
度平衝攪拌回転数を推算することが可能となった。
【0054】
【表1】
【0055】上記の通り、多段翼に対して大型翼の定数
Kの数値は小さく、無通気状態での粒子濃度平衡攪拌回
転数が小さく、大型翼は多段翼と較べて、低攪拌回転数
で粒子濃度を平衡にすることが可能であることが判っ
た。
【0056】前記の記述は粒子濃度平衡攪拌回転数での
評価であり、一般的に攪拌所要動力で比較する必要があ
る。無通気下における粒子濃度平衝攪拌回転数における
所要攪拌動力は、概ね以下の式で求めることが出来る。
【0057】Pw=K・g・Ut・Ws0.66 但し、上記の式において、各記号は以下の通りである。 Pw:粒子濃度平衝攪拌回転数における単位重量当たり
の攪拌所要動力[KW/kg] Pw=P/V/ρav K:攪拌翼の形状で決まる定数[−] g:重力の加速度;9.81[m/sec] Ut:固体粒子の静置沈降速度[m/sec] Ws:固体粒子の重量基準濃度[wt%]
【0058】多段翼と大型翼の定数(K)を比較すると
以下の通り、必要動力で評価しても、大型翼が優位であ
る。
【0059】
【表2】
【0060】同様に、気体を通気した状態でのスラリー
中の気泡の含有率の変化を多段翼と大型翼で比較検討し
た結果、図8、図9に表す様に、スラリー中の気体の含
有率は、通気ガス線速の影響を受け、更に攪拌回転数に
よって異なることが解った。なお、図8は多段翼の実験
結果の一例、図9は大型翼の実験結果の一例である。
【0061】ガスを通気した場合は、スラリー中に気体
を包含することによるスラリー密度の低下や、特に多段
翼の場合は、上段のタービン型翼の後部に気泡を包含す
る現象(すなわち、Cavityの生成)により、攪拌
所要動力は低下する。本発明者らは、数多くの実験結果
を用いてガス通気条件下における下記の攪拌所要動力の
推算式を得た。
【0062】Pgv=K・ρaν・Ug(1−β)
[Fr1.2・D0.5(−β) 但し、上記の式において、各記号は次の通りである。 Pgv:単位容積当たりの通気下の攪拌所要動力[W/
] K:攪拌翼の形状・組合せによる定数 ρaν:スラリーの平均密度[kg/m] Ug:攪拌槽の空塔ベースのガス通気線速[m/se
c] Fr:攪拌フルード数;Fr=n・di/g n:攪拌回転数[sec−1] di:配設した翼の径;多段翼の場合は配役した複数段
の翼の平均径[m] g:重力の加速度;9.81[m/sec] D:攪拌槽の直径[m] β:定数 多段翼と大型翼のK、βを比較すると以下の通りであ
る。
【0063】
【表3】
【0064】例として、大型翼における前述の通気攪拌
動力の推算式と実験による測定値の関係を図10に示
す。
【0065】次に、気体を通気した状態におけるスラリ
ー中の気体の含有率(すなわち、ガスホールドアップ;
εg)を推算する式を求めた結果を記す。前述の通り、
ガスホールドアップは、通気ガス線速、攪拌所要動力と
関係あることが図8、図9で判る。
【0066】図8と図9を比較すると多段翼(図8)に
比べ、大型翼(図9)は、攪拌回転数(即ち攪拌所要動
力)の変化による気泡含有率の変化が小さいこと、又ガ
スの通気線速が4cm/sec以上の高線速領域で気泡
含有率の上昇が小さいことが判る。
【0067】本発明者らの数多くの実験結果より、スラ
リー中の固体粒子濃度が増加するとガスホールドアップ
が低下すること、スラリー中の固体粒子の粒径の影響を
若干受けることが判った。ガスホールドアップの相関式
として、乱流状態におけるエネルギー消散を考えたモデ
ルをベースにスラリー濃度の影響、固体粒子の粒径の影
響を考慮した以下の推算式を得た。
【0068】 εg/(1−εg)=K・[(Pg/Qg)/{ρaν・(g・μaν/ρ ν2/3}]α・[Qg/(g・di1/2β・[g・di・ρaν /σ]1/5・[(μaν/ρaν/(g・di)]2/45・[ρaν /(ρaν−ρ)]・(ρ/ρaν1/15・(μaν/μ−1/4 ・(1+Ut/Uturb−1/10 但し、上記の式において、各記号は以下の通りである。 K、α、β:係数 εg:スラリー中の気泡含有率[気体/(気体+スラリ
ー)][−] Pg:通気下の攪拌所要動力[W] Qg:ガス通気量[m/sec] ρaν:スラリー平均密度[kg/m] μaν:スラリー平均粘度[kg/m/sec] μ:液粘度[kg/m/sec] ρ:ガス密度[kg/m] σ:表面張力[N/m] di:配設した翼の径;多段翼の場合は配設した複数段
の翼の平均径[m] g:重力の加速度;9.81[m/sec] Ut:固体粒子の静置沈降速度[m/sec] Uturb:乱流特性速度1.4・(Np・n・di
/V・dp)(1 /3) [m/sec] Np:動力数 n:攪拌回転数[sec−1] V:攪拌槽内のスラリー層の容積[m] dp:固体粒子の平均粒径[m]
【0069】本発明者らが用いた多段翼と大型翼では、
以下のK、α、βを用いることで気泡含有率を推算する
ことが可能である。
【0070】
【表4】
【0071】εg/(1−εg)∝Pg・Qgの形
に置き換えるとm、nは以下の通りとなり、大型翼は攪
拌動力及び通気ガス量の影響を受けにくいことが判る。
【0072】
【表5】
【0073】例として、大型翼における前述の通気によ
る気泡含有率の推算式と実験による測定値の関係を図1
1に示す。
【0074】以上、粒子の均一混合、ガス通気下におけ
る攪拌所要動力、気泡含有率を推算する実験式を述べた
が、本発明は、これらに限定されるものでは無い。
【0075】以上、述べた様にスラリー重合又はバルク
重合によるα−オレフィン重合体の製造方法において、
重合による反応熱の全部又は一部を該α−オレフィンモ
ノマー又は炭化水素系溶媒(分散媒)の蒸発による蒸発
潜熱を利用する除熱設備を付属する反応槽において実質
的に気泡を含有するスラリー中の固体粒子の滞留量を高
め、触媒の効率を高めるためにはスラリーの均一混合性
能を改善し、且つスラリー中の気泡の含有率を低下させ
ることが重要である。本発明により示した上記各推算式
を用いることにより、当該反応器の内部状態を予測し、
適正な設計が可能になる。
【0076】
【実施例】以下に実施例及び比較例により本発明を説明
するが、本発明はこれらに限定されるものでは無い。以
下に示す実施例及び比較例は、以下に示す反応装置及び
計測装置を用いて行った。 (1)反応装置 図12に示す様な反応器で、蒸発したガスを凝縮・液化
させるための還流コンデンサー、凝縮した液を保有する
ドラム、回収液を再び反応器へ供給するためのポンプ及
び該液を加熱蒸発させるための加熱器を付属設備として
配設する内径750mm、高さ1370mm、容量0.
66mの竪型攪拌槽の中心位置に攪拌軸を配設し、該
攪拌軸には、攪拌槽の底壁面から翼の下端迄の距離が8
0mmの位置に実施例及び比較例の一部においては図2
の記号を用いて表現すると、di=420mm、h=6
00mm、b1=220mm、b2=354mm、b3
=26mm、R1=210mm、R2=173mm、R
3=120mm、R4=95mm、の大型翼(実施例及
び比較例1〜3に記載)を配設し、比較例の一部(比較
例4〜6)では図4の記号を用いて表現するとdi=4
36mm、w=65mm、後退角約30°、上昇角約1
5°の3枚パドル翼を配設し、その上方に各々約320
mmの間隔を持ってdi=300mm、w=60mm、
l=76mmで4枚のパドル羽根が約45°下方に傾斜
角を持つタービン型翼を2段配設した。
【0077】該攪拌軸は、槽外上方に設置した0〜36
0r/mの範囲で回転数を変更可能なインバーターモー
ター(10)で回転される。又、該攪拌軸の底部からの
反応スラリーを下流の処理設備へ抜き出すためのライン
にはスラリー中にガスの蒸発により含有する気泡を冷却
消滅させるための2重管式のスラリークーラー(9)を
配置した。
【0078】(2)計測装置及び方法 該攪拌軸の槽外部分には攪拌所要動力を計測するために
トルクメーター(21)が、回転数を計測するために光
電式回転計(22)が付設されている。攪拌槽内部の空
塔ベースのガスの蒸発線速を計測するために該攪拌槽と
還流コンデンサーの間にオリフィス式の差圧流量計(2
3)を配設している。
【0079】反応器内部のスラリー中の固体粒子濃度を
計測する手段として反応器の胴部の下部Tangent
ial lineから50mm及び750mm上方で攪
拌槽側壁から100mm内部に挿入された位置にサンプ
リング管(24)及び弁を設けてサンプリングにより、
固体粒子濃度を求めた。又攪拌槽底部抜き出しラインに
設置した2重管式のスラリークーラーの下流側には放射
線式の密度計(25)を設置し、スラリー密度を計測す
ることでスラリー中の固体濃度を求めた。反応器内部の
スラリー中の気泡の含有率(εg)は前述のサンプリン
グ管の配設位置と略同じ高さに2ケの放射線式密度計
(25)を、攪拌槽の底部抜き出しラインの2重管クー
ラーの上流側に1ケの放射線式密度計(25)を配設
し、気泡を含むスラリーの平均密度を計測することによ
り、別途求めたスラリー中の固体粒子濃度を用いて以下
の式で気泡合有率を算出した。 ρslurry=100/{[solid]/ρ
(100−[solid])/ρ} εg=(ρslurry−ρaν)/(ρslurry
−ρ)×100 但し、上記の式において、各記号は以下の通りである。 ρslurry:気泡を含まないスラリー(液体と固
体)の平均密度 [solid]:気泡を含まないスラリー中の固体粒子
濃度 ρ:固体の密度 ρ:液体の密度 ρaν:放射線密度計で計測した気泡を含む平均密度 ρ:蒸発ガスのガス密度
【0080】実施例1 図12に示す反応槽に大型翼を取付けた状態で、液量
0.44m(L/D=1.16)、重合温度70℃、
圧力32.5kg/cmG、攪拌回転数200r/
m、ガスの蒸発線速6.0cm/sec(蒸発量7.0
ton/h)、固体触媒供給量l.10g/h、プロピ
レン供給量110kg/hの条件でポリプロピレンのバ
ルク連続重合を行った。この運転において攪拌の所要動
力は、1.14KW(Pgv=2.6KW/m )であ
り、反応槽の上下のサンプリングによるポリプロピレン
粒子濃度は、上部、下部共に45wt%とほぼ均一であ
り、放射線式密度計からの計算による気泡の含有率は3
0.0vol%であった。連続重合で得られた粒子は平
均粒径が800μm、触媒の効率は44,000g−ポ
リプロピレン/g−触媒であり、ポリプロピレンは平均
で50kg/hの生産レートで得られた。液体であるプ
ロピレンには重合で副生するアタクティックポリプロピ
レンの一部を溶解しており、溶解している濃度より、液
の粘度は2.0〜2.5センチポイズと推定され、この
運転条件における計算上の粒子濃度平衝攪拌回転数は1
66r/mであった。
【0081】実施例2 実施例1で用いた触媒に対し、若干粒子径の大きな触媒
を用いて、ガスの蒸発線速を4.0cm/sec(蒸発
量4.7ton/h)に下げた以外は、実施例1と同じ
条件でポリプロピレンのバルク連続重合を行った。この
運転において、攪拌の所要動力は1.18KW(Pgv
=2.7KW/m )であり、反応槽の上下のサンプリ
ングによるポリプロピレン粒子濃度は、上部、下部共に
45wt%とほぼ均一であり、放射線式密度計からの計
算による気泡の含有率は27.0vol%であった。連
続重合で得られた粒子の平均粒径は1,000μm、触
媒の効率は45,000g−ポリプロピレン/g−触媒
であり、ポリプロピレンは平均で50kg/hの生産レ
ートで得られた。液体であるプロピレンには重合で副生
するアタクティックポリプロピレンの一部を溶解してお
り、溶解している濃度より、液の粘度は2.0〜2.5
センチポイズと推定され、この運転条件における計算上
の粒子濃度平衝攪拌回転数は170r/mであった。
【0082】実施例3 実施例2に対し、生産能力を上げるために、攪拌回転数
を190r/mに下げて、触媒供給量を1.47g/h
にアップし、反応槽の実質ポリプロピレン粒子濃度を上
げた以外は、実施例2と同じ条件でポリプロピレンのバ
ルク連続重合を行った。この運転において攪拌の所要動
力は1.18KW(Pgv=2.7KW/m)であ
り、反応槽の上下のサンプリングによるポリプロピレン
粒子濃度は、上部、下部共に60wt%とほぼ均一であ
り、放射線式密度計からの計算による気泡の含有率は2
5.0vol%であった。連続重合で得られた粒子の平
均粒径は1,000μm、触媒の効率は45,000g
−ポリプロピレン/g−触媒であり、ポリプロピレンは
平均で66.3kg/hの生産レートで得られた。液体
であるプロピレンには重合で副生するアタクティックポ
リプロピレンの一部を溶解しており、溶解している濃度
より、液の粘度は2.0〜2.5センチポイズと推定さ
れ、この運転条件における計算上の粒子濃度平衝攪拌回
転数は180r/mであった。
【0083】実施例4 実施例2で用いた触媒に対し、更に粒子径の大きな触媒
を用いた以外は、実施例2と同じ条件でポリプロピレン
のバルク連続重合を行った。この運転において攪拌の所
要動力は1.18KW(Pgv=2.7KW/m)で
あり、反応槽の上下のサンプリングによるポリプロピレ
ン粒子濃度は、上部、下部共に45wt%とほぼ均一で
あり、放射線式密度計からの計算による気泡の含有率は
26.6vol%であった。連続重合で得られた粒子の
平均粒径は1,500μm、触媒の効率は45,000
g−ポリプロピレン/g−触媒であり、ポリプロピレン
は平均で50kg/hの生産レートで得られた。製品ポ
リマーの平均粒子径が1,500μmにアップした他
は、実施例2とほぼ同等の結果を得た。液体であるプロ
ピレンには重合で副生するアタクティックポリプロピレ
ンの一部を溶解しており、溶解している濃度より、液の
粘度は2.0〜2.5センチポイズと堆定され、この運
転条件における計算上の粒子濃度平衝攪拌回転数は19
5r/mであった。
【0084】実施例5 生産能力のポリプロピレン濃度依存性を見るために、実
施例4に対し、触媒の供給量を1.1g/hから0.6
5g/hに下げ、プロピレン供給量を100kg/hに
下げた以外は、実施例4と同じ条件でポリプロピレンの
バルク連続重合を行った。この運転において攪拌の所要
動力は1.04KW(Pgv=2.4KW/m)であ
り、反応槽の上下のサンプリングによるポリプロピレン
粒子濃度は、上部、下部共に30wt%とほぼ均一であ
り、放射線式密度計からの計算による気泡の含有率は2
9vol%であった。連続重合で得られた粒子は平均粒
径が1,500μm、触媒の効率は45,000g−ポ
リプロピレン/g−触媒であり、ポリプロピレンは平均
で30kg/hの生産レートで得られた。触媒供給量及
びポリプロピレン粒子濃度低下相当の生産レートの低下
が起こった以外は実施例4とほぼ同等の結果を得た。液
体であるプロピレンには重合で副生するアタクティック
ポリプロピレンの一部を溶解しており、溶解している濃
度より、液の粘度は2.0〜2.5センチポイズと堆定
され、この運転条件における計算上の粒子濃度平衝攪拌
回転数は193r/mであった。
【0085】実施例6 ポリプロピレン粒子径の限界を把握するために実施例5
で用いた触媒に対し、更に粒子径の大きな触媒を用いた
以外は実施例5と同じ条件でポリプロピレンのバルク連
続重合を行った。この運転において、攪拌の所要動力は
1.18KW(Pgv=2.7KW/m )であり、反
応槽の上下のサンプリングによるポリプロピレン粒子濃
度は上部、下部共に30wt%とほぼ均一であり、放射
線式密度計からの計算による気泡の含有率は28.5v
ol%であった。連続重合で得られた粒子は平均粒径が
1,800μm、触媒の効率は43,500g−ポリプ
ロピレン/g−触媒であり、ポリプロピレンは平均で2
9kg/hの生産レートで得られた。製品ポリマーの平
均粒子径が1,800μmにアップし、若干、触媒の効
率の低下が認められたが、実施例5とほぼ同等の結果を
得た。液体であるプロピレンには重合で副生するアタク
ティックポリプロピレンの一部を溶解しており、溶解し
ている濃度より、液の粘度は2.0〜2.5センチポイ
ズと推定され、この運転条件における計算上の粒子濃度
平衝攪拌回転数は200r/mであった。
【0086】比較例1 ポリプロピレン粒子径の限界を把握するために実施例6
で用いた触媒に対し、更に粒子径の大きな触媒を用いた
以外は実施例6と同じ条件でポリプロピレンのバルク連
続重合を行った。この運転において、攪拌の所要動力は
1.18KW(Pgv=2.7KW/m )であり、反
応槽の上下のサンプリングによるポリプロピレン粒子濃
度は上部が10wt%、下部が30wt%と上部には殆
どポリマー粒子が存在しない状態となり、放射線式密度
計からの計算による気泡の含有率は29.5vol%で
あった。連続重合で得られた粒子の平均粒径は2,10
0μm、触媒の効率は34,000g−ポリプロピレン
/g−触媒であり、ポリプロピレンは平均で23kg/
hの生産レートで得られた。製品ポリマーの平均粒子径
が2,100μmにアップし、触媒の効率の低下と生産
能力の低下が認められた。液体であるプロピレンには重
合で副生するアタクティックポリプロピレンの一部を溶
解しており、溶解している濃度より、液の粘度は2.0
〜2.5センチポイズと推定され、この運転条件におけ
る計算上の粒子濃度平衝攪拌回転数は210r/mであ
った。
【0087】比較例2 比較例1における生産性の低下を挽回すべく、比較例1
の触媒を用い、攪拌回転数を250r/mにアップした
以外は比較例1と同じ条件でポリプロピレンのバルク連
続重合を行った。この運転において、攪拌の所要動力は
2.01KW(Pgv=4.6KW/m )であり、反
応槽の上下のサンプリングによるポリプロピレン粒子濃
度は、上部、下部共に30wt%とほぼ均一であり、放
射線式密度計からの計算による気泡の含有率は30.0
vol%であった。連続重合で得られた粒子の平均粒径
は2,300μm、触媒の効率は42,500g−ポリ
プロピレン/g−触媒であり、ポリプロピレンは平均で
28kg/hの生産レートで得られた。製品ポリマーの
平均粒子径が2,300μmにアップし、触媒の効率の
低下、生産能力の低下が認められ無かったが攪拌回転数
アップによる著しい攪拌負荷動力のアップが認められ
た。液体であるプロピレンには重合で副生するアタクテ
ィックポリプロピレンの一部を溶解しており、溶解して
いる濃度より、液の粘度は2.0〜2.5センチポイズ
と推定され、この運転条件における計算上の粒子濃度平
衝攪拌回転数は220r/mであった。
【0088】比較例3 実施例3に対し更に生産能力を上げるためにポリマー粒
子濃度を70wt%に上げるために計算上の粒子濃度平
衡攪拌回転数が219r/mだったので、攪拌回転数を
230r/mに設定し、触媒供給量を1.72g/hに
アップした以外は、実施例3と同じ条件でポリプロピレ
ンのバルク連続重合を行った。この運転において攪拌の
所要動力は2.81KW(Pgv=6.5KW/m
であり、反応槽の上下のサンプリングによるポリプロピ
レン粒子濃度は上部、下部共に70wt%とほぼ均一で
あり、放射線式密度計からの計算による気泡の含有率は
15vol%であった。連続重合で得られた粒子の平均
粒径は1,550μm、触媒の効率は50,000g−
ポリプロピレン/g−触媒であり、ポリプロピレンは平
均で77kg/hの生産レートで得られた。触媒の効率
及び生産能力の向上は達成できたが、攪拌負荷動力が異
常に高く工業的に困難であり、採用出来ない条件であっ
た。
【0089】比較例4 攪拌翼の影響を確認するために、図12に示す反応槽に
多段翼を取付けた状態で液量0.44m(L/D=
1.16)、重合温度70℃、圧力32.5kg/cm
G、攪拌回転数360r/m、ガスの蒸発線速6.0
cm/sec(蒸発量7.0ton/h)、固体触媒供
給量0.83g/h、プロピレン供給量83kg/hの
条件でポリプロピレンのバルク連続重合を行った。この
運転において攪拌の所要動力は1.62KW(Pgv=
3.7KW/m)であり、反応槽の上下のサンプリン
グによるポリプロピレン粒子濃度は上部が38wt%、
下部が45wt%と若干濃度差が付き、放射線式密度計
からの計算による気泡の含有率は40.0vol%であ
った。連続重合で得られた粒子の平均粒径は800μ
m、触媒の効率は44,500g−ポリプロピレン/g
−触媒であり、ポリプロピレンは平均で38kg/hの
生産レートで得られた。攪拌負荷動力高く工業的に不利
であり、且つ気泡の含有率高いため、生産能力が実施例
1に対し、約25%低下した。液体であるプロピレンに
は重合で副生するアタクティックポリプロピレンの一部
を溶解しており、溶解している濃度より、液の粘度は
2.0〜2.5センチポイズと推定され、この運転条件
における計算上の粒子濃度平衝攪拌回転数は360r/
mであった。
【0090】比較例5 攪拌回転数を360r/mから300r/mに下げた以
外は比較例4とほぼ同じ条件でポリプロピレンのバルク
連続重合を行った。この運転において、攪拌の所要動力
は0.96KW(Pgv=2.2KW/m )であり、
反応槽の上下のサンプリングによるポリプロピレン粒子
濃度は上部が9wt%、下部が45wt%と著しい濃度
差が付き、放射線式密度計からの計算による気泡の含有
率は37.0vol%であった。連続重合で得られた粒
子の平均粒径は740μm、触媒の効率は35,000
g−ポリプロピレン/g−触媒であり、ポリプロピレン
は平均で30kg/hの生産レートで得られた。攪拌負
荷動力は定常範囲になったが、実施例1に対し、触媒の
効率が約20%低下し、生産能力が約40%低下した。
液体であるプロピレンには重合で副生するアタクティッ
クポリプロピレンの一部を溶解しており、溶解している
濃度より、液の粘度は2.0〜2.5センチポイズと推
定され、この運転条件における計算上の粒子濃度平衝攪
拌回転数は355r/mであった。
【0091】比較例6 実施例4で用いた触媒を用いた以外は比較例4とほぼ同
じ条件でポリプロピレンのバルク連続重合を行った。こ
の運転において、攪拌の所要動力は1.58KW(Pg
v=3.6KW/m )であり、反応槽の上下のサンプ
リングによるポリプロピレン粒子濃度は上部が8wt
%、下部が45wt%と著しい濃度差がつき、放射線式
密度計からの計算による気泡の含有率は39.5vol
%であった。連続重合で得られた粒子の平均粒径は1,
350μm、触媒の効率は33,000g−ポリプロピ
レン/g−触媒であり、ポリプロピレンは平均で30k
g/hの生産レートで得られた。攪拌負荷動力が高く工
業的に不利であり、実施例4に対し、触媒の効率が約2
5%低下し、生産能力が約40%低下した。
【0092】
【発明の効果】α−オレフィンのスラリー重合又はバル
ク重合でα−オレフィンモノマー又は炭化水素系溶媒
(分散媒)を蒸発させ重合熱や攪拌熱を蒸発潜熱で除去
する重合方法において、ガスの蒸発によるスラリー内の
気泡の含有率とスラリーの固体粒子の均一混合性能のバ
ランスを保つために、有効な攪拌翼を用い、且つ適正
な、攪拌回転数に設定することで重合反応器における触
媒の効率を高め、攪拌の所要動力が低減した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応槽を示す。
【図2】本発明で用いる攪拌翼の一例を示す。
【図3】本発明で用いる攪拌翼の一例を示す。
【図4】比較に用いた3枚パドル翼及びタービン翼を示
す。
【図5】多段翼における攪拌回転数と反応槽内粒子濃度
の関係の測定結果の一例を示す。
【図6】大型翼における攪拌回転数と反応槽内粒子濃度
の関係の測定結果の一例を示す。
【図7】粒子濃度平衝攪拌回転数の測定値と推算計算値
の関係を示す。
【図8】多段翼における通気ガス線速と気泡含有率の関
係の測定結果の一例を示す。
【図9】大型翼における通気ガス線速と気泡含有率の関
係の測定結果の一例を示す。
【図10】大型翼における通気攪拌動力の測定値と推算
計算値の関係を示す。
【図11】大形翼における通気による気泡含有率の測定
値と推算計算値の関係を示す。
【図12】本発明の製造方法に係わる工程図の概略を示
す。
【符号の説明】
1 攪拌槽 2 攪拌軸 3 攪拌翼 4 邪魔板 5 還流コンデンサー 6 回収液ドラム 7 回収液ポンプ 8 加熱器 9 2重管式熱交換器 10 電動機 11 ボス 12 ボトムパドル 13 ストリップ 14 アームバトル 21 トルクメーター 22 光電式回転計 23 オリフィス式差圧流量計 24 サンプリング管 25 放射線式密度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 2/02 C08F 2/02 2/08 2/08 Fターム(参考) 4G078 AA13 AA21 AB11 BA05 CA01 CA08 DA30 4J011 DA02 DA04 DB16 DB19 DB23 FA01 FA06 FB04 FB07 FB11 FB16 HA03 HB01 HB03 HB05 HB07 HB16 HB18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1槽以上の重合槽を用いて、
    立体規則性触媒の存在下に、α−オレフィンをスラリー
    重合又はバルク重合し、該重合で発生する重合熱を蒸発
    物質の蒸発による潜熱を利用して除熱するα−オレフィ
    ン重合体の製造方法において、該重合で生成する固体粒
    子の平均粒子径が500〜2,000μmの範囲であ
    り、重合槽内のスラリー中の固体粒子濃度が20〜60
    wt%であり、且つ、重合槽における当該蒸発物質の空
    塔ベースの蒸発線速(Ug)が1.0〜6.0cm/s
    ecの範囲であって、重合槽内のスラリー中の当該蒸発
    物質の気泡含有率[気泡の容積/(気泡の容積+スラリ
    ーの容積)×100]が40vol%以下であり、さら
    に、当該重合槽内の液面高さ(H)に対し、直胴部下端
    (下部Tangential Line)を基準として
    0.9H〜1.0Hの位置におけるスラリー中の固体粒
    子濃度[上部濃度]と0〜0.1Hの位置におけるスラ
    リー中の固体粒子濃度[下部濃度]の比が一定になるた
    めに必要な最小攪拌回転数[粒子濃度平衡攪拌回転数
    (Nus又はNusg)]以上となりうる攪拌回転数条
    件で運転することを特徴とするα−オレフィン重合体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 重合槽における当該蒸発物質の空塔ベー
    スの蒸発線速(Ug)が1.0〜6.0cm/secの
    範囲であって、重合槽内の攪拌による単位容積当たりの
    攪拌所要動力(Pgv)が0.5〜3.0KW/m
    ある条件の攪拌回転数で運転する請求項1に記載のα−
    オレフィンの製造方法。
  3. 【請求項3】 α−オレフィンの重合に供される重合槽
    の攪拌槽及び攪拌翼の構造として、図1において竪型円
    筒状攪拌槽の中心部に槽外からの駆動源10により、回
    転可能な攪拌軸2を配設し該攪拌軸2に攪拌槽底壁面か
    ら攪拌翼下端部迄の距離(C)と攪拌槽の直径(D)の
    比(C/D)が0.10以下になる位置に配設された図
    2に示すような大型のボトムパドル翼12と該ボトムパ
    ドル翼12より上位部分にアームパドル14と該アーム
    パドル14と直角方向に延びるストリップ13から構成
    される格子翼からなる攪拌翼3を装着すると共に攪拌槽
    側壁面に下部〜上部迄、側壁面に沿って4〜12本の邪
    魔板4を間隔を置いて配設した攪拌槽を用いる請求項1
    又は請求項2に記載のα−オレフィンの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の攪拌翼3の構造が図3
    のようにボトムパドル翼の直径に対し、上部アームパド
    ル翼の直径が短くなるような形状の攪拌翼3を用いる請
    求項1乃至3に記載のα−オレフィンの製造方法。
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