JP2002002584A - バラスト水の取水システム - Google Patents

バラスト水の取水システム

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JP2002002584A
JP2002002584A JP2000182182A JP2000182182A JP2002002584A JP 2002002584 A JP2002002584 A JP 2002002584A JP 2000182182 A JP2000182182 A JP 2000182182A JP 2000182182 A JP2000182182 A JP 2000182182A JP 2002002584 A JP2002002584 A JP 2002002584A
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water intake
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hull
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Tsunenobu Matsumoto
常宣 松本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の取水口を状況に応じて切り替えること
等により、汚泥等の不純物の少ないバラスト水を取水す
ること。 【解決手段】 本発明にかかるバラスト水の取水システ
ムは、船体1の異なる高さに配置された複数の取水口6
a〜6cと、複数の取水口6a〜6cの全部または任意
の一部を介してバラスト水の取水を行う取水手段として
のポンプ10と、所定の基準に基づいて、複数の取水口
6a〜6cの中から取水を行う取水口を選択する選択手
段としての取水制御部5と、取水制御部5の選択結果に
基づいて、取水を行う取水口6a〜6cを切り替える切
り替え手段としてのバルブ9a〜9cとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種の船舶にお
いてバラスト水を取水するための取水システムに関し、
特に、汚泥等の不純物の少ないバラスト水を取水するこ
とのできる、バラスト水の取水システムに関する。
【0002】
【従来の技術】貨物船や客船等の如き各種船舶の船体に
は、バラストタンクおよび取水システムが設けられてい
る。そして、取水システムを介してバラストタンク内に
海水等の水を注水することにより、船体のバランス調整
や喫水位置の調整を図ることが可能である。
【0003】このような従来の取水システムを備えた船
舶の縦断面図を図9に示す。この図9において、取水シ
ステムは、船底の近傍位置に設けられた取水口100
と、この取水口100を介してバラスト水を吸引するた
めのポンプ101と、このポンプ101を制御するため
の取水制御部102とを備えて構成されていた。そし
て、取水制御部102の制御によってポンプ101が駆
動されると、バラスト水が取水口100を介して取水さ
れ、船体の各バラストタンク103(想像線にて示す)
に注水される。このように取水口100を船底の近傍に
設けたのは、船舶が無載貨になることによって船体の下
方位置に喫水線が位置している場合であっても、取水を
可能とするためである。
【0004】ここで、近年、汚泥や微生物等の不純物が
混入したバラスト水を、船舶外部へ排出することが徐々
に制限される方向となっている。特に、船舶の入港時に
は、他国で取水されたバラスト水が排出されることによ
って、微生物等が国内に侵入するおそれ等があるため、
不純なバラスト水を排水することは一層厳しく監視され
る。したがって、バラスト水の取水時に、不純物が極力
混入していないバラスト水のみを取水することが好まし
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
バラスト水の取水システムにおいては、上述のように単
に船底の近傍位置に取水口100を設けていたので、不
純物の少ないバラスト水を取水することが困難であっ
た。すなわち、水深の浅い湾内等に船舶が入港した際、
船舶自体や船舶を曳航するタグボート等によって水底1
04の堆積物105が巻き上げられたり、あるいは取水
による水流の影響によって堆積物105が舞い上げられ
たりするため、水底104に近い取水口100から取水
した場合には、汚泥や微生物等が混入してしまう可能性
が高かった。この結果、バラストタンク103内には多
くの汚泥等が入り込み、入港前にバラスト水の入れ替え
を行って汚泥等を排出する必要が生じたり、あるいはバ
ラストタンク103内に不純物が堆積してしまった場合
等にはバラストタンクを作業員が洗浄する必要が生じる
といった問題があった。
【0006】この発明は、このような従来のバラスト水
の取水システムにおける問題点に鑑みてなされたもので
あって、複数の取水口を状況に応じて切り替えること等
により、汚泥等の不純物の少ないバラスト水を取水する
ことのできる、バラスト水の取水システムを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1にかかるバラスト水の取水システムは、
船体の異なる高さに配置された複数の取水口と、複数の
取水口の全部または任意の一部を介してバラスト水の取
水を行う取水手段と、所定の基準に基づいて、複数の取
水口の中から取水を行う取水口を選択する選択手段と、
選択手段の選択結果に基づいて、取水を行う取水口を切
り替える切り替え手段とを備えたことを特徴として構成
されている。
【0008】この取水システムにおいては、所定の基準
に基づいて、複数の取水口が切り替えて使用される。こ
の所定の基準としては、不純物が極力混入していないバ
ラスト水を取水するための任意の基準を用いることがで
きる。このようなシステムによれば、状況に応じて取水
口の位置を切り替えることにより、不純物の少ないバラ
スト水を取水することができる。したがって、不純物が
バラストタンク内に堆積する可能性が軽減されるので、
バラストタンク内を洗浄する手間等を省略することがで
きる。
【0009】なお、不純物とは、バラスト水の排水に関
する各種の規制によって制限を受け得る不純物や、規制
には関連しないが、バラスト水に混入することによって
船舶に悪影響を及ぼし得る全ての不純物を意図する。そ
の一例としては、水底に堆積した汚泥や微生物が挙げら
れる。
【0010】また、請求項2にかかるバラスト水の取水
システムにおいて、選択手段における前記所定の基準
は、船体の喫水線より低い位置に配置された取水口のう
ち、最も高い位置に配置された取水口を選択するように
設定されたことを特徴として構成されている。これは取
水口の選択基準の一例を示すものであり、この場合に
は、常時、最も高い位置の取水口から取水が行われるた
め、水底の近くで巻き上げられた不純物がバラストタン
ク内に浸入することを最大限防止することができる。な
お、喫水線より低い位置とは、喫水線の直下位置の他、
喫水線から安全のために所定距離だけ離れた位置をも含
むものである。
【0011】また、請求項3にかかるバラスト水の取水
システムにおいて、選択手段における前記所定の基準
は、船体の喫水線より低い位置に配置された取水口のう
ち、水底から所定距離以上だけ離れた全ての取水口を選
択するように設定されたことを特徴として構成されてい
る。これは取水口の選択基準の他の例を示すものであ
り、たとえば、取水可能な取水口が複数ある場合であっ
て、その内の複数の取水口が水底から充分離れている場
合には、この水底から離れた全ての取水口を介して取水
を行うことができる。このように複数の取水口から取水
を行う場合には、取水速度を向上させることができる。
【0012】また、請求項4にかかるバラスト水の取水
システムは、複数の取水口のうち、最も高い位置に配置
される取水口の位置を、最大載貨状態における船体の喫
水線の下方位置とし、最も低い位置に配置される取水口
の位置を、無載貨状態における船体の喫水線の下方位置
としたことを特徴として構成されている。これは、複数
の取水口の配置位置の根拠例を示すものである。この場
合、最大載貨状態(喫水線が最も上方に位置する状態)
において、少なくとも一つの取水口から取水を行うこと
ができ、また、無載貨状態(喫水線が最も下方に位置す
る状態)においても、少なくとも一つの取水口から取水
を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかるバラスト
水の取水システムの実施の形態につき図面を参照しつつ
詳細に説明する。ただし、この実施の形態によりこの発
明が限定されるものではない。
【0014】(実施の形態1)図1はこの実施の形態に
かかるバラスト水の取水システムを備えた船舶の側面
図、図2は図1の船舶の縦断面図、図3は図2の要部拡
大図である。本実施の形態は概略的に、高さの異なる複
数の取水口を設け、これら複数の取水口を喫水位置に基
づいて切り替えて取水を行うバラスト水の取水システム
にかかるものである。
【0015】図1、2に示すように、船舶の船体1に
は、複数のバラストタンク2(想像線にて示す)が、上
下および左右のほぼ均等位置に設けられている。これら
各バラストタンク2には、取水システム3を介してバラ
スト水が注入される。この取水システム3は、第1〜第
4の取水系統4a〜4dと、これら取水系統4a〜4d
を制御する取水制御部5とを備えて構成されている(な
お、第4の取水系統4dの図示は省略する)。
【0016】第1〜第4の取水系統4a〜4dのうち、
第1および第2の取水系統4a、4bは、図1、2に示
すように、船体1の中央部において相互にほぼ左右対称
に配置されている。また、第3および第4の取水系統4
c、4dは、船体1の後部においてほぼ左右対称に配置
されている。このように各取水系統4a〜4dは、船体
1の前後左右に対してバランスよく取水できるように配
置されることが好ましい。しかしながら、取水系統4a
〜4dの数や配置位置等は任意であり、所望の取水能力
や船体1の形状等に応じて変更可能である。たとえば、
第1〜第4の取水系統4a〜4dに加えてさらに多くの
取水系統を設けることができる。
【0017】これら第1〜第4の取水系統4a〜4dは
相互に同一の構成であるため、以下、第1の取水系統4
aを例にとって説明する。この第1の取水系統4aは、
図1、2に示すように、複数(本実施の形態においては
三つ)の取水口6と、各取水口6に接続された取水管路
7と、これら取水管路7に共通に接続された主管路8
と、各取水管路7の管路中に配置されたバルブ9と、主
管路8の管路中に配置されたポンプ10とを備えて構成
されている(以下、取水口6、取水管路7、およびバル
ブ9については、図2に示すように、下方から上方に至
る順に添字a〜cを付して示す)。
【0018】各取水口6a〜6cは、図3に示すよう
に、船体1の外壁1aに設けられるもので、複数の通孔
を有する取水壁11と、この取水壁11に隣接した取水
室12とを備えて構成されている。そして、船体外部か
ら、取水壁11に設けた通孔11aを介して水(海洋船
舶においては海水)が取水室12の内部に流入し、取水
が可能となる。ここで、水が取水壁11の通孔11aを
通過する際、木片等の比較的大きな不純物が排除され
る。
【0019】また、取水室12においては、水中の不純
物の沈殿が促されて、取水管路7a〜7cへ流入する不
純物を低減することができる。なお、この取水室12に
は、複数の隔壁を設けることによって不純物が取水管路
7a〜7cへ流入し難くすることもでき、あるいは濾過
フィルターやサイクロンセパレータの如き不純物の排除
機構を設けることもできる。
【0020】このように構成された複数の取水口6a〜
6cは、図1に示すように、相互に高さの異なる位置
(船底からの高さH1、H2、H3(H1<H2<H
3)の位置)に配置されている。このように、取水口6
a〜6cが異なる高さに配置されているため、当然のこ
とながら、異なる高さで取水を行うことが可能となる。
ただし、この機能を奏し得る限りにおいて、この取水口
6a〜6cの数および配置高さについては、図示のもの
以外にも適宜変更することができる。たとえば、複数の
取水口6a〜6cは必ずしも垂直方向に沿ってに並設さ
れる必要はなく、垂直に対して若干傾斜する傾斜方向に
並設してもよい。
【0021】本実施の形態において、最も高い位置に配
置される取水口6cの位置H3は、船体1に対して最大
許容限度の人員や積み荷が積載された状態(最大載貨状
態)における船体1の喫水線の下方位置である。また、
最も低い位置に配置される取水口6aの位置H1は、船
体1に対して最低限度の人員や積み荷が積載された状態
(無載貨状態)における船体1の喫水線の下方位置であ
る。
【0022】したがって、最大載貨状態においては高さ
H3の取水口6a〜6cから取水を行うことが可能であ
り、また、無載貨状態においては高さH1の取水口6a
から取水を行うことができる。この他、中間位置に配置
される取水口6bの高さH2は、高さH1とH3のほぼ
中央位置である。なお、高さH1の取水口6aとして
は、従来から船体1の船底近傍に設けられている取水口
を利用することもできる。
【0023】このような取水口6a〜6cに接続され
た、取水管路7a〜7c、主管路8、およびポンプ10
は、取水口6a〜6cを介してバラスト水の取水を行う
取水手段を構成する。すなわち、ポンプ10が駆動され
ることにより、取水口6a〜6cから各取水管路7a〜
7cに水が導かれ、この水がさらに主管路8を介してポ
ンプ10に導かれる。このポンプ10の後段には、図示
しない分岐配管が接続されており、この分岐配管を介し
て各バラストタンク2にバラスト水が注入される。この
分岐配管は、従来と同様に構成することができる。
【0024】なお、これら取水管路7a〜7c、主管路
8、およびポンプ10の構成は、図示のものに限られ
ず、少なくとも複数の取水口6a〜6cを介して取水を
行うことを可能とするものであって、後段にて詳述する
切り替え手段としてのバルブ9a〜9cと協働して、取
水口6a〜6cの切り替えを行うことを可能とするもの
であればよい。たとえば、ポンプ10を主管路8でなく
各取水管路7a〜7cの管路中にそれぞれ配置してもよ
く、この場合には取水管路7a〜7cを分岐管路に直接
接続して、主管路8を省略することもできる。また、取
水管路7a〜7c、主管路8、およびポンプ10の具体
的な仕様は、必要な取水量や取水速度に対応するように
適宜決定することができる。
【0025】また、各取水管路7a〜7cに設けられた
バルブ9a〜9cは、取水制御部5の制御によって自動
的に開閉されるリモートバルブであり、開かれた状態に
おいては当該バルブ9a〜9cが配置された取水管路7
a〜7cを介して水が取水されることを可能とし、閉鎖
された状態においては当該バルブ9a〜9cが配置され
た取水管路7a〜7cを介して水が取水されることを不
可とする。すなわち、バルブ9a〜9cを開閉制御する
ことによって、取水に用いられる取水口6a〜6cを切
り替えることができ、この点においてバルブ9a〜9c
は、取水口6a〜6cを切り替える切り替え手段として
機能する。
【0026】ただし、取水口6a〜6cの切り替え手段
としてはバルブ9a〜9c以外にも他の構成要素を用い
ることができ、たとえば、上述のように各取水管路7a
〜7cにポンプ10を設けた場合には、このポンプ10
のON/OFFによって各取水口6a〜6cからの取水
を個別的に切り替えることができるので、各ポンプ10
が取水口6a〜6cの切り替え手段として機能する。
【0027】つぎに、取水制御部5について説明する。
この取水制御部5は、第1〜第4の取水系統4a〜4d
の各バルブ9a〜9c、各ポンプ10、および後述する
喫水計13に対して電気的に接続され、これらを制御す
るものである。この取水制御部5による制御内容につい
ては後段にて詳述するが、概略的には、喫水計13にて
測定された喫水線の位置に基づいて、複数の取水口6a
〜6cの中から取水を行う取水口を選択する選択手段と
して機能し、この選択内容に従って取水を行うように各
バルブ9a〜9cおよび各ポンプ10を制御する。
【0028】この取水制御部5は、上述のように第1〜
第4の取水系統4a〜4dに対して共通に設けられてい
るため、全ての取水系統4a〜4dに対して同一の制御
を行って船体全体に渡ってバランスのよい取水制御を行
うことが可能である。ただし、取水制御部5を各取水系
統4a〜4d毎に個別的に設けることも可能であり、こ
の場合には、船体各部において相互に異なる詳細な取水
制御を行うことが可能である。この取水制御部5は、具
体的には、CPU(Central Processing Unit)と、この
CPUにて解析実行されるプログラムとから構成されて
おり、その一部または全部を、船舶の航行制御を行う制
御部と共有することができる。ただし、取水制御部5
は、ワイヤードロジックにて構成することもできる。
【0029】つぎに、取水制御部5において、取水を行
う取水口6a〜6cを選択するための基準について説明
する。この基準としては、不純物が極力混入していない
水を取水するための任意の基準を用いることができる。
たとえば、少なくとも取水可能な取水口6a〜6cであ
ること(第1の選択基準)、および、取水可能な取水口
6a〜6cが複数ある場合には、不純物の混入率が比較
的低いと思われる一又は複数の取水口6a〜6cである
こと(第2の選択基準)、を満たす取水口が選択され
る。
【0030】第1の選択基準を判断するため、本実施の
形態においては、図1に示すように、船体1に喫水計1
3が設けられている。この喫水計13は、船底から喫水
線に至る高さ(以下、喫水の位置)を測定し、この高さ
に応じた信号を出力するものである。この喫水計13と
しては、船舶航行用に従来から設けられているものを兼
用することができる。この喫水計13からの出力は取水
制御部5に入力され、取水制御部5では、この出力を解
析して得られた喫水線の位置と、予め設定された各取水
口6a〜6cの高さH1〜H3を比較することによっ
て、いずれの取水口6a〜6cから取水が可能であるの
かが判断される。
【0031】具体的には、喫水線の位置に対して取水口
6a〜6cの高さH1〜H3が若干でも下方であれば
(あるいは安全率を考慮して、喫水線の位置に対して取
水口6a〜6cの高さH1〜H3が所定距離以上、下方
に位置する場合には)、取水が可能であり、不用意に空
気を取り込んでしまう可能性はないと判断される。たと
えば、喫水線の位置をH4とすると、H4≧H3である
場合には取水口6a〜6cから取水可能であり、H3>
H4≧H2である場合には取水口6a、6bから取水可
能であり、H2>H4≧H1である場合には取水口6a
から取水可能であると判断される。なお、喫水計13に
よる喫水線の位置の測定は、取水口6a〜6cの極力近
くで行われることが好ましい。
【0032】この他、第1の選択基準を判断するために
は、喫水計13による出力以外にも種々の手段を利用す
ることができる。たとえば、各取水口6a〜6cに流入
する水の存在や水位を検知したり、あるいは、各取水口
6a〜6cから試験的に水を取水し、この水に空気が混
入している場合には取水不可と判断してもよい。
【0033】また、第2の選択基準を判断するための方
法として、本実施の形態における取水制御部5は、取水
可能な複数の取水口6a〜6cのうちで最も高い位置に
ある一つの取水口を、不純物の混入率が比較的低いと思
われる取水口として選択するように設定されている。こ
の設定は、たとえば、取水制御部5の制御プログラムの
一条件として記述することができる。
【0034】このような設定を行うのは、最も高い位置
の水に対しては、水底から巻き上げられた堆積物や微生
物が最も混入し難いと考えられるからである。この他、
第2の選択基準を判断するためには、他の方法を用いる
こともできる。たとえば、取水可能な複数の取水口6a
〜6cからそれぞれ試験的に取水を行い、各取水口6a
〜6cから取水された水の不純度を測定して、最も不純
度の低い取水口を選択するようにしてもよい。
【0035】このように構成された取水システムにおけ
る、取水制御について説明する。図4〜6は喫水位置と
取水位置との関係を示す図、図7は取水制御部の制御内
容を示すフローチャートである。以下においては、船舶
が湾内等の水深の浅い場所に停泊した状態において、最
大載貨状態(図4)、中程度の載貨状態(図5)、無載
貨状態(図6)に順次変化した場合の取水制御を中心と
して説明する。
【0036】まず、図4に示すように、船舶が最大載貨
状態にある場合、積み荷の荷重があるために船体1の喫
水線1bは比較的に上方に位置する。この状態において
取水制御の開始が任意の手段によって指示されると、以
下の取水制御が取水制御部5によって実行される。ま
ず、喫水計13の出力が取り込まれ(S701)、この
出力に基づいて第1の選択基準による選択が行われる。
すなわち、喫水計13の出力を解析することによって得
られた喫水線1bの位置と、予め設定された取水口6a
〜6cの高さH1〜H3に基づいて、取水口6a〜6c
のうちの取水可能な取水口が特定される(S702)。
図4の例では、全ての取水口6a〜6cが取水可能な取
水口として特定される。
【0037】このように複数の取水口6a〜6cから取
水が可能な場合には、第2の選択基準による選択が行わ
れる。すなわち、取水が可能な複数の取水口6a〜6c
のうち、最も高い位置の取水口6cが、取水を行う取水
口として最終的に選択される(S703、S705)。
そして、この取水口6cから取水を行うため、バルブ9
a、9bが閉じられると共に、バルブ9cが開かれる
(S706)。このような取水口6a〜6cと各バルブ
9a〜9cの開閉との対応は、たとえば、対応テーブル
として予め設定され、取水制御部5によって必要に応じ
て参照される。
【0038】そして、バルブ9a〜9cの開閉完了後、
ポンプ10が駆動され(S707)、取水が開始され
る。このような制御によれば、最も高い位置の取水口6
cから取水が行われるので、水底14から最も離れた位
置で取水を行うことができ、不純物の少ないバラスト水
を取水することができる。その後、取水が完了したか否
かが任意の検知手段からの出力に基づいて判断され(S
708)、取水が完了していない場合には、ステップS
701が再び行われる。以降、取水が完了したことが任
意の手段によって検知される迄、ステップS701〜S
708が繰り返して行われる。
【0039】ここで、船舶から積み荷1cが降ろされ始
めると、喫水線1bは船体1に対して徐々に下方に移動
する。そして、図5に示す状態になると、ステップS7
02において、二つの取水口6a、6bのみが、取水可
能な取水口として特定されるようになる。すると、上述
と同様のステップS703〜S708において、二つの
取水口6a、6bのうちの最も高い位置の取水口6bか
ら取水が行われるように、バルブ9a〜9cが切り替え
られる。すなわち、バルブ9bが開かれると共に、バル
ブ9a、9cが閉じられる。したがって、この場合には
水底14から最大限離れた位置の取水口6bで取水を行
うことができ、最も不純物の少ないバラスト水を取水す
ることができる。
【0040】その後、さらに船舶から積み荷1cが降ろ
されることによって、図6に示すように無載貨状態にな
ると、喫水線1bは船体1に対してさらに下方に移動す
る。すると、ステップS702において、一つの取水口
6aのみが取水可能な取水口として選択される。このよ
うに、一つの取水口6aのみが選択された場合には、第
2の選択基準による選択を行うことなく、この取水口6
aが、取水を行う取水口であると最終的に選択される
(S703、S704)。そして、この取水口6aにて
取水を行うようにバルブ9a〜9cの切り替えが行われ
る(S706)。ここでは、バルブ9aが開かれると共
に、バルブ9b、9cが閉じられる。その後、ステップ
S708において取水が完了したと判断されると、ポン
プ10が停止され(S709)、取水制御が完了する。
【0041】上記の説明においては、積み荷1cが徐々
に減った場合(喫水線1bの位置が徐々に下がる場合)
について例示したが、積み荷1cが徐々に増える場合
(喫水線1bの位置が徐々に上がる場合)についても同
様の取水制御を行うことができ、この場合には、取水口
6a→取水口6b→取水口6cの順に徐々に切り替えが
行われることになる。また、当然のことながら、積み荷
1cの変化に伴う場合に限られず、任意の原因にて喫水
線1bの位置が変化した場合について、上記と同様に取
水制御を行うことができる。
【0042】なお、図7のフローチャートにおいては、
ステップS708からステップS701に向けてループ
が形成されているため、喫水計13からの出力が周期的
に取水制御部5に取り込まれ、その都度、取水を行う取
水口の位置が判断されることになる。しかしながら、こ
のように判断頻度が多くなると、取水制御部5の負荷が
大きくなる。これを回避するためには、取水口6a〜6
cの位置を変更する必要性があるか否かのみを常時判断
し、必要性がある場合にのみ、取水口6a〜6cの位置
を判断するようにしてもよい。
【0043】具体的には、喫水線1bの位置の変化のみ
を常時監視し、この変化が所定の基準距離(たとえば、
2m)以上になった場合にのみ、取水口6a〜6cの位
置を判断するようにしてもよい。この場合には、取水制
御部5の負荷を低減することができる。
【0044】(実施の形態2)図8はこの実施の形態に
かかるバラスト水の取水システムを備えた船舶の縦断面
図である。なお、実施の形態1と同様の構成要素につい
ては同じ符号を付し、その説明を省略する。この図8に
おいて、各取水口6a〜6cの取水管路7a〜7cには
それぞれポンプ10a〜10cが設けられており、これ
らポンプ10a〜10cは取水制御部5によって個別的
に制御可能である(なお、図8においては、電気線路の
図示を省略する)。
【0045】このように構成された取水システムにおい
ては、実施の形態1と同様の制御を行うことができる
他、複数の取水口6a〜6cから同時に取水を行うよう
な取水制御を行うこともできる。具体的には、取水可能
な取水口6a〜6cが複数あると判断された場合におい
て、水底14から所定距離(不純物の混入率が少ないと
思われる距離)以上だけ離れた取水口6a〜6cが複数
ある場合には、これら複数の取水口6a〜6cの全てか
ら同時に取水を行うように、バルブ9a〜9cおよびポ
ンプ10a〜10cを制御してもよい。
【0046】図8においては、二つの取水口6b、6c
が水底14から充分に離れた高さに位置するため、これ
ら両取水口6b、6cから取水を行うことができる。こ
のように複数の取水口6b、6cから取水を行う場合に
は、取水速度を向上させることができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
バラスト水の取水システム(請求項1)によれば、船体
の異なる高さに配置された複数の取水口と、複数の取水
口の全部または任意の一部を介してバラスト水の取水を
行う取水手段と、所定の基準に基づいて、複数の取水口
の中から取水を行う取水口を選択する選択手段と、選択
手段の選択結果に基づいて、取水を行う取水口を切り替
える切り替え手段とを備えたことにより、状況に応じて
取水口の位置を切り替えることにより、不純物の少ない
バラスト水を取水することができる。
【0048】また、この発明にかかるバラスト水の取水
システム(請求項2)によれば、選択手段における前記
所定の基準は、船体の喫水線より低い位置に配置された
取水口のうち、最も高い位置に配置された取水口を選択
するように設定されたことにより、常時、最も高い位置
の取水口から取水が行われるため、水底の近くで巻き上
げられた不純物がバラストタンク2内に浸入することを
最大限防止することができる。
【0049】また、この発明にかかるバラスト水の取水
システム(請求項3)によれば、選択手段における前記
所定の基準は、船体の喫水線より低い位置に配置された
取水口のうち、水底から所定距離以上だけ離れた全ての
取水口を選択するように設定されたことにより、状況に
よっては複数の取水口から取水を行うことが可能とな
り、取水速度を向上させることができる。
【0050】また、この発明にかかるバラスト水の取水
システム(請求項4)によれば、最も高い位置に配置さ
れる取水口の位置を、最大載貨状態における船体の喫水
線の下方位置とし、最も低い位置に配置される取水口の
位置を、無載貨状態における船体の喫水線の下方位置と
したので、最大載貨状態(喫水線が最も上方に位置する
状態)と無載貨状態(喫水線が最も下方に位置する状
態)のいずれにおいても、少なくとも一つの取水口から
取水を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるバラスト水の
取水システムを備えた船舶の構成を示す側面図である。
【図2】図1に示した船舶の構成を示す縦断面図であ
る。
【図3】図2に示した船舶の構成の要部拡大図である。
【図4】最大載貨状態の場合における喫水位置と取水位
置との関係を示す図である。
【図5】中程度の載貨状態の場合における喫水位置と取
水位置との関係を示す図である。
【図6】無載貨状態の場合における喫水位置と取水位置
との関係を示す図である。
【図7】取水制御部の制御内容を示すフローチャートで
ある。
【図8】この発明の実施の形態2にかかるバラスト水の
取水システムを備えた船舶の構成を示す縦断面図であ
る。
【図9】従来における取水システムを備えた船舶の構成
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 船体 1a 外壁 1b 喫水線 1c 積荷 2 バラストタンク 3 取水システム 4a〜4d 第1〜第4の取水系統 5 取水制御部 6 取水口 7 取水管路 8 主管路 9 バルブ 10 ポンプ 11 取水壁 12 取水室 13 喫水計 14 水底

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体の異なる高さに配置された複数の取
    水口と、 複数の取水口の全部または任意の一部を介してバラスト
    水の取水を行う取水手段と、 所定の基準に基づいて、複数の取水口の中から取水を行
    う取水口を選択する選択手段と、 選択手段の選択結果に基づいて、取水を行う取水口を切
    り替える切り替え手段と、 を備えたことを特徴とするバラスト水の取水システム。
  2. 【請求項2】 選択手段における前記所定の基準は、船
    体の喫水線より低い位置に配置された取水口のうち、最
    も高い位置に配置された取水口を選択するように設定さ
    れたことを特徴とする請求項1に記載のバラスト水の取
    水システム。
  3. 【請求項3】 選択手段における前記所定の基準は、船
    体の喫水線より低い位置に配置された取水口のうち、水
    底から所定距離以上だけ離れた全ての取水口を選択する
    ように設定されたことを特徴とする請求項1に記載のバ
    ラスト水の取水システム。
  4. 【請求項4】 複数の取水口のうち、最も高い位置に配
    置される取水口の位置を、最大載貨状態における船体の
    喫水線の下方位置とし、最も低い位置に配置される取水
    口の位置を、無載貨状態における船体の喫水線の下方位
    置としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つ
    に記載のバラスト水の取水システム。
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