JP2002000728A - 微小針を備えた噴射式の薬液注入装置 - Google Patents

微小針を備えた噴射式の薬液注入装置

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JP2002000728A
JP2002000728A JP2000183554A JP2000183554A JP2002000728A JP 2002000728 A JP2002000728 A JP 2002000728A JP 2000183554 A JP2000183554 A JP 2000183554A JP 2000183554 A JP2000183554 A JP 2000183554A JP 2002000728 A JP2002000728 A JP 2002000728A
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liquid
microneedle
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liquid medicine
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Ryoichi Nanba
亮一 難波
Tetsuya Ooyanai
哲也 大谷内
Takeo Ishii
竹夫 石井
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごく短時間での薬液の注入が可能で、且つ、
薬液注入のための圧力を低減させることができるととも
に、薬液を流すための流路の径を小さくすることがで
き、もって薬液注入時の痛みを低減することができる、
微小針を備えた噴射式の薬液注入装置を提供する。 【解決手段】 薬液を皮膚より注入する薬液注入装置1
であって、薬液注入装置の外枠を構成するハウジング3
と、内部に薬液を収容する薬液容器71と、使用時に先
端が角質層を貫き生きた表皮細胞層内、または表皮細胞
層と真皮層との境界面近傍に位置する長さを有する微小
針101と、薬液容器71内の薬液を噴射させるための
圧力を発生させる駆動源と、を有し、薬液容器71内の
薬液は、微小針101を経由して皮膚より注入されるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬液を、人または
動物の皮膚より、皮内、皮下若しくは筋肉内へ注入する
際に用いる薬液注入装置に関し、特に、噴射式の薬液注
入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、針を使用せずに、薬液を噴射して
皮膚より投与することができる薬液注入装置として、無
針注射器が開発されてきている。この無針注射器は、薬
液容器の先端に設けられたノズルを皮膚表面上に当てた
状態で、薬液を噴射させ、角質層、生きた表皮細胞層お
よび真皮層を貫いて、皮下組織層あるいは筋肉組織層に
投与するものである。無針注射器の利点としては、有針
注射器に比べて、注射時の外傷が少なくて、交互感染の
虞れが少なく、また、使用済み針の誤穿刺による感染事
故や廃棄の問題が解消でき、さらに、針による穿刺痛が
無いので針に対する恐怖感が払拭される、等が挙げられ
る。このため、無針注射器は、例えばインスリン注射の
ように、薬液を毎日自分で注射する場合等に使用され
る。
【0003】しかしながら、上記従来の無針注射器にあ
っては、薬液を噴射させるために、駆動源により高い圧
力を発生させる必要がある。したがって、この圧力に耐
えられるように、ハウジングの強度を上げなければなら
ず、重量が増大するとともに、かさばるという問題があ
った。また、薬液の注入時に薬液の漏れが生じる虞れが
あるため、使用者のくせによって薬液注入量が一定せ
ず、正確な薬液投与には必ずしも向いていない面があっ
た。さらには、薬液が、皮膚組織の中では比較的硬い角
質層(表皮表面の死んだ細胞)や生きた表皮細胞層を貫
くためには、薬液を噴射させるために、どうしてもかな
り高い圧力が必要となるので、これに伴って痛みが発生
し易くなる。また、高い圧力の発生に伴って衝撃音や振
動が発生し、使用者が恐怖感を抱いてしまう虞れがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明
の目的は、薬液注入のための圧力を低減させることがで
きるとともに、薬液を流すための流路の径を小さくする
ことができ、もって薬液注入時の痛みを低減することが
できる、噴射式の薬液注入装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0006】(1) 薬液を皮膚より注入する薬液注入
装置であって、装置端部に設けられた微小針の先端を、
角質層を越えて生きた表皮細胞層内、または表皮細胞層
と真皮層との境界面近傍に位置させた状態で、圧力を発
生させる駆動源により、薬液を噴射させ前記微小針を経
由して皮膚より注入することを特徴とする薬液注入装
置。
【0007】(2) 薬液を皮膚より注入する薬液注入
装置であって、薬液注入装置の外枠を構成するハウジン
グと、内部に薬液を収容する薬液容器と、使用時に先端
が角質層を貫き生きた表皮細胞層内、または表皮細胞層
と真皮層との境界面近傍に位置する長さを有する微小針
と、前記薬液容器内の薬液を噴射させるための圧力を発
生させる駆動源と、を有し、前記薬液容器内の薬液は、
前記微小針を経由して皮膚より注入されることを特徴と
する薬液注入装置。
【0008】(3) 薬液の1回当たりの注入時間が1
秒以下で、薬液の1回当たりの注入量が0.01〜2m
lであることを特徴とする上記(1)または(2)に記
載の薬液注入装置。
【0009】(4) 前記微小針は、皮膚内に穿刺可能
な部分の長さが0.02〜1.0mmである針部を有す
ることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の薬
液注入装置。
【0010】(5) 前記微小針は、皮膚内に穿刺され
る、薬液を流すための流路が内部に形成された中空の針
部と、前記流路に連通する貫通孔が設けられるとともに
前記針部を支持する基体部とを有することを特徴とする
上記(1)または(2)に記載の薬液注入装置。
【0011】(6) 前記針部の流路は、先端に近付く
につれて断面積が小さくなるように形成されていること
を特徴とする上記(5)に記載の薬液注入装置。
【0012】(7) 前記微小針は、皮膚内に穿刺され
る中実の針部と、貫通孔が設けられるとともに前記針部
を支持する基体部とを有し、前記針部の外面の一部を切
り欠いて前記基体部の貫通孔に連通させるか、または前
記基体部の貫通孔を当該針部の根元近傍に設けることに
より、薬液を流すための流路が形成されていることを特
徴とする上記(1)または(2)に記載の薬液注入装
置。
【0013】(8) 前記基体部の貫通孔は、先端に近
付くにつれて断面積が小さくなるように形成されている
ことを特徴とする上記(5)または(7)に記載の薬液
注入装置。
【0014】(9) 前記微小針は、薬液を噴出するた
めの噴射口を有し、前記噴射口の直径が0.01〜0.
5mmであることを特徴とする上記(1)または(2)
に記載の薬液注入装置。
【0015】(10) 前記微小針は、皮膚内に穿刺さ
れる複数の針部を有することを特徴とする上記(1)ま
たは(2)に記載の薬液注入装置。
【0016】(11) 前記微小針は、薬液の噴射圧力
に耐えられるように、金属、セラミック、プラスチッ
ク、または2種以上の材料からなる複合材料のなかから
から選択されたいずれかの材料により形成されているこ
とを特徴とする上記(1)または(2)に記載の薬液注
入装置。
【0017】(12) 前記駆動源は、ばね、ガス、ゴ
ム、または電磁弁のなかから選択されたいずれかである
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の薬液
注入装置。
【0018】(13) 薬液を噴射させるための圧力
は、11.8MPa以下であることを特徴とする上記
(1)または(2)に記載の薬液注入装置。
【0019】(14) 前記微小針は、前記薬液容器に
対して着脱可能に設けられていることを特徴とする上記
(2)に記載の薬液注入装置。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。
【0021】図1は、本発明の第1の実施形態である薬
液注入装置を示す図であって、(A)は平面図、(B)
は側面図であり、図2は、注入器本体の水平断面図であ
る。
【0022】図1に示すように、薬液注入装置1は、注
入器本体2と、カートリッジ部7とから構成されてお
り、スタートボタン55を押すことにより、薬液をカー
トリッジ部7の先端から噴射して皮膚より注入する、微
小針101を備えた噴射式の薬液注入装置である。
【0023】図2に示すように、注入器本体2は、薬液
注入装置1の外枠を構成するハウジング3と、ハウジン
グ3内に設けられた軸受部31により支持され、ハウジ
ング3の長手方向に往復動可能なプランジャー4と、先
端(図中左端)部がハウジング3に接続されるとともに
後端(図中右端)部がプランジャー4に接続された引張
ばね6と、を有している。なお、プランジャー4は、引
張ばね6内に挿通されている。
【0024】ハウジング3は、図1(B)に示すよう
に、上下に2分割された一対のハウジング素子3a,3
bから構成されており、例えばプラスチック等により形
成される。両ハウジング素子3a,3bのうちの一方に
は図示しない爪部が形成され、他方には該爪部が係合す
る図示しない係合穴部が形成されている。ハウジング3
は、両ハウジング素子3a,3bの各接合端部が突き合
わされるとともに、上記した爪部が係合穴部に係合する
ことにより組み立てられる。ハウジング3の先端側に
は、ボス部32が設けられており、このボス部32の内
面には、後述する薬液容器71をねじ込むための雌螺子
部33が形成されている。
【0025】プランジャー4は、棒状を呈しており、先
端部には、後述するガスケット81を取り付けるための
リング状の突起56が形成されている。また、プランジ
ャー4の中間部には、フランジ部57が形成されてい
る。プランジャー4は、耐圧性、耐衝撃性に優れた材料
により形成されており、使用される材料としては、例え
ば、プラスチックや、金属等が挙げられる。
【0026】ハウジング3のボス部32とプランジャー
4のフランジ部57との間には、ストッパ62が、ガイ
ド部38に摺動可能に保持された状態で、配設されてい
る。ストッパ62の軸心に沿って貫通孔63が形成され
ており、この貫通孔63内にプランジャー4が所定の隙
間を有して挿通される。したがって、プランジャー4が
前方(図中左方)に移動した場合、プランジャー4のフ
ランジ部57がストッパ62を押圧するが、ストッパ6
2はハウジング3のボス部32の端面に当接して停止さ
せられることになる。このように、ストッパ62は、カ
ートリッジ部7未装着時及び薬液投与終了時にプランジ
ャー4が前方に飛び出さないように、より安全を確保す
るために取り付けられている。
【0027】プランジャー4の後端部には、緩衝部材4
1が取り付けられ、緩衝部材41の後端部には、引張ば
ね6の後端部が固定されるばね固定部45が取り付けら
れている。したがって、引張ばね6の後端部は、ばね固
定部45と緩衝部材41とを介して、プランジャー4に
接続されることになる。
【0028】緩衝部材41は、引張ばね6が引っ張られ
た状態から縮む際に生じる衝撃を緩和する役目を果た
す。つまり、緩衝部材41は、引張ばね6が縮む際の運
動エネルギーを吸収することにより、薬液注入装置1全
体に衝撃を与えない構造を有している。この緩衝部材4
1は、圧縮ばね42と、この圧縮ばね42を内部に収容
するとともにプランジャー4およびばね固定部45間に
保持するためのホルダ43とを有している。なお、緩衝
部材41としては、上記構成に限定されるものではな
く、例えばゴム、エアサスペンション、油圧ダンパ等を
利用することも可能である。
【0029】図3は、ばね固定部を示す図であって、
(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は左側面図で
ある。
【0030】図3に示すように、ばね固定部45には、
引張ばね6の後端部の線材が係止される一対の係止部4
6,46が設けられている。また、ばね固定部45に
は、後述するラッチ部材51の先端部が入り込んで係合
する凹溝47が形成されている。さらに、ばね固定部4
5には、使用時にばね固定部45を後方(図中右方)に
スライド移動させるための、一対のスライドボタン49
が設けられる。このスライドボタン49は、ハウジング
3に開設された開口部37内に位置されて、ハウジング
3外に露呈される。また、ばね固定部45には、プラン
ジャー4およびばね固定部45を、引張ばね6の張力に
抗して後退させるときに、ラッチ部材51の先端部を凹
溝47に導くための一対のガイド溝48が形成されてい
る。
【0031】図4は、図2のIVで示す線に沿う断面図で
ある。図4に示すように、ラッチ部材51は、アーム5
3の端部に形成された略U字形状の溝部54に保持され
る。アーム53は、ハウジング3に回動可能に支持され
たピン52に固着されている。アーム53は、板ばね5
8により、ラッチ部材51を保持した溝部54が内方に
向けて回動する方向に常時付勢される。アーム53の溝
部54と反対側の端部には、スタートボタン55が固着
されている。このスタートボタン55は、ハウジング3
に開設された開口部34内に位置される。
【0032】また、ハウジング3には、ラッチ部材51
の頭部が往復動可能に収容される凹部35が形成されて
いる。これにより、ラッチ部材51は、プランジャー4
の軸心に向けて進退可能とされている。したがって、ス
タートボタン55を押すと、アーム52を介して、ラッ
チ部材51を凹部35の底部の方、すなわち外方に移動
させることができる。
【0033】引張ばね6としては、好ましくは初張力を
有するばねが使用される。初張力を有する引張ばねは、
自然状態でばねが密着状態を保つように作用する内部応
力が生じている引張ばねをいう。したがって、本実施形
態の引張ばね6は、内部応力が解除されるまでは引張力
を加えても実質的には伸びない。引張ばね6に引張力を
加えて伸ばすのに要する力が、初張力に相当する。
【0034】引張ばね6の先端部の線材は、図5に示す
ように、リテーナ36の孔61の周縁部に係止される。
リテーナ36は、約1〜2mmの厚さの板材から作られ
ている。このリテーナ36は、ハウジング3に設けられ
た所定の溝幅を有する係止溝部39に嵌着され、これに
より、引張ばね6の先端部がハウジング3に接続される
ことになる。
【0035】引張ばね6は、密着状態でハウジング3内
に装着される。したがって、薬液注入装置1の使用前に
は、引張ばね6による付勢力は外部に働かない。これに
より、例えば圧縮ばねを利用した場合に最小噴出力を確
保するためにばねをあらかじめ押し縮めた際に生じる力
を注入器本体のハウジングで常時保持する必要はなくな
る。
【0036】図6は、カートリッジ部の側面図、図7
は、カートリッジ部の断面図である。図6および図7に
示すように、カートリッジ部7は、内部に薬液を収容す
る薬液容器71と、薬液容器71内にあらかじめ嵌挿さ
れたガスケット81とを備えている。なお、薬液容器7
1とガスケット81とは、最初は別々にして用意してお
いてもよい。
【0037】薬液容器71は、円筒形状を呈する容器本
体72と、容器本体72の先端側に設けられた微小針1
01とから構成されている。なお、薬液容器71は、好
ましくは、微小針101を覆う図示しない保護キャップ
を備える。
【0038】容器本体72の後端側には、ハウジング3
の雌螺子部33に螺合される雄螺子部75が形成されて
いる。本実施形態では、後述するように、薬液注入時に
おける容器本体72のボス部32へのねじ込み量によっ
て、薬液の注入量を調整することが可能となっている。
容器本体72の後端側の外周面には、例えば円周方向複
数箇所に、外周面より内方に位置された平担部76が形
成されており、この平担部76に薬液の注入量を把握す
るための目盛り77が付けられている。また、容器本体
72の先端側に近い外周面には、薬液を容器本体72に
充填させる際に使用するアダプタ91(図13参照)を
軽く係止するための突起78が設けられている。
【0039】薬液容器71は、薬液の所定の高い噴射圧
力に耐えられる材料により形成されており、使用される
材料は、例えば、ガラス、プラスチック、金属、または
2種以上の材料からなる複合材料のなかからから選択さ
れるのが望ましい。但し、耐圧性の低い素材であって
も、容器の周囲を金属等の補強材料で被覆することによ
って使用することができる。なお、薬液容器71の全部
または一部を透明な材料より形成すれば、内部に収容さ
れた薬液を目視で確認することができるので好ましい。
【0040】ガスケット81は、容器本体72の内面に
密着して薬液を後方に漏らさないようにシールする役目
を果たす。ガスケット81の内部には、プランジャー4
の先端部が挿入される穴部82が形成されており、さら
に、プランジャー4の突起56が嵌着される係合溝部8
3が形成されている。ガスケット81の材料としては
は、例えばゴムや、エラストマー等が使用される。
【0041】図8は、微小針を示す拡大図であって、
(A)は前方から見た図、(B)は側面図であり、図9
は、微小針の針部が皮膚内に穿刺されている状態を示す
断面図である。
【0042】図8に示すように、微小針101は、皮膚
内に穿刺される針部110と、針部110を支持する基
体部120とを有している。
【0043】この微小針101の針部110は、図9に
示すように、使用時に先端が角質層131を貫き生きた
表皮細胞層132内、または表皮細胞層132と真皮層
133との境界面141近傍(表皮直下)に位置する長
さを有している。角質層131の厚さは一般に、個人、
性別、年齢、身体の部位、生活環境等によって異なって
いて一定ではないが、人の腕においては、通常10〜3
0μmである。また、生きた表皮細胞層132の厚さ
も、種々の要因により一定ではないが、人の上腕部にお
いては、通常30〜100μmである。また、真皮層1
33の厚さも、一定ではないが、通常1〜3mmであ
る。したがって、具体的には、針部110の皮膚内に穿
刺される部分の長さは、好ましくは0.02〜1.0m
m、より好ましくは0.02〜0.2mmに設定され
る。なお、針部110の全長(皮膚に入らない部分も含
めた全体の長さ)としては、皮膚の柔軟性により、針部
110の根元部(基体部120の皮膚と対向する面)ま
で押入されない場合があり得ることを考慮して、0.1
〜3mm程度であることが好ましく、0.5〜1.5m
m程度であるのがより好ましい。
【0044】針部110は、図示のように、略円錐形状
を呈している。但し、この針部110の形状は、特に限
定されるものではなく、皮膚内に穿刺して薬液を注入す
ることができる形状であれば任意である。例えば、針部
110は、角錐形状でもよく、あるいは円柱や角柱の先
端部のみを円錐形状や角錐形状としてもよく、さらには
最先端部を斜めにカットした形状に加工してもよい。
【0045】微小針101の針部110は、図8に示す
ように、薬液を流すための流路111が内部に形成され
た中空の針部である。この流路111は、断面積が一定
で、直線状を呈している。流路111の先端に位置する
薬液の噴出口の直径は、例えば0.01〜0.5mmで
ある。ここで、薬液注入装置1を厚い皮膚や固い皮膚に
対して使用する場合には、噴出口の直径が大きいものを
使用する等、皮膚の性状の相違によって噴出口の直径が
異なるものを使用することができる。
【0046】なお、針部110の流路111は、先端に
近付くにつれて断面積が小さくなるように形成してもよ
い。このようにすれば、薬液の噴射圧力を高めることが
できる。また、基体部120には、薬液を流すための貫
通孔121が内部に形成されており、貫通孔121は流
路111と連通している。この基体部120の貫通孔1
21も、薬液の噴射圧力を高める観点から、先端に近付
くにつれて断面積が小さくなるように形成してもよい。
【0047】図10は、微小針の変形例を示す拡大図で
あって、(A)は前方から見た図、(B)は側面図であ
る。
【0048】図10に示す微小針101aは、皮膚内に
穿刺される中実の針部110aと、針部110aを支持
する基体部120aとを有しており、針部110aの外
面の一部を切り欠くことにより、薬液を流すための流路
111aが形成されている。この場合、流路111a
は、溝状を呈している。また、基体部120aには、薬
液を流すための貫通孔121aが内部に形成されてお
り、貫通孔121aは流路111aと連通している。図
10では、流路111aは、1個のみ形成されている
が、針部110aの外面に複数形成されていてもよい。
さらには、針部110aの外面に流路111aを形成す
ることなく、基体部の針部の根元近傍に貫通孔を1個ま
たは複数設けることにより、薬液を流すための流路が形
成されていてもよい。この場合、薬液は、基体部に設け
られた貫通孔である流路から噴出されると、針部の外面
に沿って皮膚内に注入されることになる。
【0049】基体部120の貫通孔121は、薬液容器
71の容器本体72内部と連通しており、基体部120
は、容器本体72の前端面にあらかじめ一体的に成形さ
れている。但し、接着または溶着等により基体部120
を容器本体72に固着してもよい。さらには、微小針1
01は、薬液容器71の容器本体72に対して、例えば
螺合等により着脱可能に設けられていてもよい。但し、
この場合には、薬液の噴射圧力に耐えることができる強
度を備えていなければならず、またシール部材を設ける
等することにより耐もれ性を確保する必要がある。
【0050】微小針101は、薬液の所定の高い噴射圧
力に耐えられる材料により形成されており、使用される
材料は、例えば、ステンレス、チタン等の金属、セラミ
ック、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチッ
ク、または2種以上の材料からなる複合材料のなかから
から選択される。そして、微小針101は、リソグラフ
等の微細加工方法、電着成形、プラスチック成形、金属
成形(MIM等)、放電加工、エッチング成形加工、ま
たはレーザー加工などの公知の方法を用いて製造するこ
とができる。
【0051】図8および図10に示した微小針101,
101aは、それぞれ1本の針部110,110aのみ
を有しているが、本発明の微小針はこれに限られず、複
数の針部を有していてもよい。このようにすれば、薬液
の注入量を増やすことができる。また、複数の針部から
薬液を注入することができるので、各針部の径を小さく
することができ、痛みを低減することが可能となる。さ
らに薬液が分散されて注入されるので、薬物の迅速な効
果が期待できる。
【0052】次に、このように構成された薬液注入装置
の作用について説明する。
【0053】図11は、引張ばねの張力に抗しつつプラ
ンジャーを後方に所定距離移動させて保持した状態を示
す注入器本体の水平断面図、図12は、図11の状態の
注入器本体にカートリッジ部をねじ込んだ状態を示す薬
液注入装置の水平断面図、図13は、アダプタと薬液が
満たされているバイアルとを示す断面図、図14は、ア
ダプタを介して薬液容器内に薬液を充填させる様子を示
す断面図、図15は、薬液注入装置の薬液投与前の状態
を示す水平断面図、図16は、薬液注入装置の薬液投与
後の状態を示す水平断面図、図17は、引張ばねのたわ
みと薬液の噴射力との関係を示す図である。
【0054】薬液注入装置1を使用する場合にあって
は、まず、図11に示すように、注入器本体2のばね固
定部45に設けられたスライドボタン49を後方にスラ
イド移動させ、ラッチ部材51の先端部をばね固定部4
5の凹溝47に入り込ませて係合させる。これにより、
引張ばね6が密着状態(図17のQ1 )から引っ張られ
つつ、プランジャー4が後方に所定距離移動させられた
状態(図17のQ2 )で保持される。なお、ストッパ6
2は、プランジャー4の後方への移動に伴って移動する
ことはない。
【0055】そして、図12に示すように、カートリッ
ジ部7を注入器本体2のハウジング3に形成されたボス
部32に、一杯までねじ込む。これにより、容器本体7
2内で、プランジャー4の先端部にガスケット81が装
着される。かつ、ストッパ62がカートリッジ部7によ
り後方に押され、ガイド部38の内側端面に当接する。
【0056】一方、図13に示すように、薬液8が満た
されているバイアル85に、アダプタ91を取り付け
る。アダプタ91は、軸心に沿う通路93が内部に形成
された針部92を備えており、針部92の先端は、バイ
アル85のゴム栓86を貫通して薬液8に達する。
【0057】薬液注入装置1で使用される薬液は、薬剤
を含有する溶液、ゲルまたは懸濁液である。使用可能な
薬剤は、経皮的な投与に適さない薬剤以外であるなら
ば、実質的に制限されない。主な薬剤としては、例え
ば、抗菌薬、抗ウイルス薬、ワクチン、抗腫瘍薬、免疫
抑制薬、ステロイド薬、抗炎症薬、抗リウマチ薬、関節
炎治療薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、糖尿病治
療薬、ホルモン剤、骨・カルシウム代謝薬、ビタミン、
血液製剤、造血薬、抗血栓薬、抗高脂血症薬、抗不整脈
薬、血管拡張薬、プロスタグランジン、カルシウム拮抗
薬、ACE阻害薬、βブロッカー、降圧薬、利尿薬、キ
サンチン誘導体、βアゴニスト、抗喘息薬、鎮咳薬、去
痰薬、抗コリン薬、止寫薬、健胃消化薬、抗潰瘍薬、下
剤、睡眠薬、鎮静薬、鎮痛薬、解熱薬、かぜ薬、抗てん
かん薬、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、中枢神経刺
激薬、副交感神経作用薬、交感神経作用薬、制吐薬、中
枢興奮薬、抗パーキンソン病薬、筋弛緩薬、鎮痙薬、麻
酔薬、鎮痒薬、抗偏頭痛薬、診断薬、オリゴヌクレオチ
ド、遺伝子薬などが挙げられる。但し、薬剤は、好まし
くは、経口投与で効果を表さないか、あるいは減弱して
しまう、ペプチド、タンパク、多糖類、オリゴヌクレオ
チド、DNA等である。
【0058】次いで、図14に示すように、薬液注入装
置1のカートリッジ部7をアダプタ91内に挿入する
と、薬液容器71の微小針101がアダプタ91のシー
ル部材95に当接されるとともに、薬液容器71の突起
78がアダプタ91の内面に形成された微小な突起94
を乗り越えて、軽く係止される。この状態でカートリッ
ジ部7をボス部32にねじ込むときとは逆に回す。これ
により、ガスケット81がプランジャー4に固定された
状態で、カートリッジ部7の薬液容器71のみが結果的
に前方に移動することになるので、薬液容器71内に負
圧が発生する。この負圧により、バイアル85内の薬液
8は吸い上げられ、通路93を通って、薬液容器71内
に入る。また、カートリッジ部7の移動に伴い、ストッ
パ62がガイド部38から離れ、前方に移動可能とな
る。
【0059】なお、アダプタ91のカートリッジ部7を
挿入する側の内面には、ゴム製の回転防止部材96が貼
着されている。この回転防止部材96により、薬液8の
充填時にカートリッジ部7を回すとき、薬液容器71と
アダプタ91とを一緒に回転させることができ、薬液8
の薬液容器71への吸い上げが良好に行われる。
【0060】このとき、薬液容器71に付された目盛り
77を利用して、必要な量の薬液8を薬液容器71に吸
い上げることができる。所定量の薬液8が薬液容器71
に充填されると、アダプタ91からカートリッジ部7を
引き抜いて外す。
【0061】このようにして、図15に示すように薬液
注入装置1の薬液投与の準備が整った状態で、カートリ
ッジ部7の先端を薬液注入部位の皮膚表面に押し付け、
スタートボタン55を押す。これにより、ラッチ部材5
1がばね固定部45の凹溝47から外れ、密着状態から
引っ張られた状態で保持されていた引張ばね6が縮む。
このようにラッチ部材51と凹溝47との係合および解
除を行うラッチ機構部が設けられているので、薬液注入
の際の使用者による操作が容易となる。
【0062】引張ばね6が縮む力によって、プランジャ
ー4は、前方へ移動させられる。これにより、図16に
示すように、ガスケット81が薬液容器71内の薬液8
を押圧し、微小針101の噴出口から薬液が噴出され
て、体内に注入される。そして、ストッパ62がカート
リッジ部7の後端に当接し、プランジャー4のフランジ
部57がストッパ62の後端に当接することにより、プ
ランジャー4が停止される。このとき、薬液を体内へ注
入するために、引張ばね6が引っ張られた状態から縮む
際に衝撃が生じるが、この衝撃は、緩衝部材41により
緩和される。
【0063】ここで、ラッチ部材51をばね固定部45
の凹溝47に係合させる場合、図17に示すように、引
張ばね6は、ばねのたわみ量がゼロである密着状態Q1
から、ばねのたわみ量がW2 となる引っ張られた状態Q
2 で保持され、薬液の最大噴射力F2 が決まる。一方、
ラッチ部材51をばね固定部45の凹溝47から外す場
合、引張ばね6が、ばねのたわみ量がW2 である引っ張
られた状態Q2 から、ばねのたわみ量がゼロである密着
状態Q1 になるまで縮むように設定することができ、薬
液の最小噴射力F1 を確保することができる。
【0064】このように本実施形態では、初張力を有す
る引張ばね6を使用時に密着状態から引っ張り、当該引
張ばね6が縮む力を利用して薬液を噴出させるようにし
ている。したがって、例えば圧縮ばねを利用した場合の
ようにあらかじめ縮めた際に生じる力を常時保持するた
めの強固な構造を採る必要が無くなるため、装置全体の
軽量化が図られている。
【0065】また、図17に示されるように、薬液注入
中における引張ばね6のたわみは、W2 から密着状態の
ゼロまで変化することになるので、薬液注入中のばねの
たわみ変化量を大きく確保することができる。したがっ
て、プランジャー4のストローク長を大きく取ることが
でき、より多量の薬液を噴射させることが可能となる。
さらに、引張ばね6を利用した場合には、薬液の注入終
了時に、ばねが密着するようにカートリッジのねじ込み
量によって設定することができるので、ストッパにかか
る衝撃力を小さくすることが可能となる。また、緩衝部
材41を設けることにより、薬液の注入終了時の衝撃を
より一層緩和することができ、使用者等に与える衝撃力
や衝撃音を軽減することが可能となる。
【0066】本実施形態によれば特に、カートリッジ部
7の先端を皮膚表面に押し付けることにより、微小針1
01の針部110の先端を、角質層131を貫き生きた
表皮細胞層132内、または表皮細胞層132と真皮層
133との境界面141近傍(表皮直下)に位置させる
ことができる。ここで、角質層131および生きた表皮
細胞層132には痛みに関する自由神経終末は存在しな
いとされているため、微小針101の針部110を皮膚
内に穿刺しても殆んど痛みを感じることはない。
【0067】一方、角質層131は、ケラチンや繊維状
タンパク質で満たされた核のない死細胞であるため皮膚
組織の中で最も堅牢に形成されており、外界からの異物
の侵入から生体を防御するための障壁となっている。こ
のため、従来の無針注射器は、噴射された薬液が堅牢な
角質層131と細胞間が密になっている生きた表皮細胞
層132とを貫くように、かなり高い圧力を発生させな
ければならなかった。これに対し、本実施形態の薬液注
入装置1は、微小針101を使用して薬液を注入する
際、針部110の先端が角質層131を貫いて生きた表
皮細胞層132内または表皮細胞層132と真皮層13
3との境界面141近傍に位置するまで穿刺されている
ため、従来の無針注射器のような噴射された薬液が皮膚
に穿孔するための高い圧力を必要とせずに、比較的低い
圧力で薬液を注入することが可能となる。具体的には、
駆動源により発生される圧力として、従来の無針注射器
で使用される圧力より低い圧力、例えば11.8MPa
(120kgf/cm2 )、好ましくは5.9MPa
(60kgf/cm2 )、より好ましくは4.4MPa
(45kgf/cm2 )を採用することができる。
【0068】本発明の薬液注入装置1による薬液の1回
当たりの注入時間は、従来の無針注射器と同等(0.2
5秒以下で、殆んどの場合0.1秒以下)か、それより
も長くてもよい。しかし、薬液の1回当たりの注入時間
は、概ね1秒以下が好ましく、例えば0.25〜1秒の
間で設定することも可能である。また、薬液の1回当た
りの注入量は、通常の注射薬の単回注射量(殆んどの場
合1ml以下)と同等か、あるいは0.01〜2mlの
間で設定することも可能である。
【0069】また、上記したように薬液の噴射圧力を低
減することが可能となることから、その分だけ、薬液が
皮下組織層134または筋肉組織層135へ流れる際に
通過する真皮層133内に存在する痛みに関係する神経
網への刺激が弱くなり、痛みがさらに低減される。しか
も、薬液の噴射圧力の低下により、耐圧性や耐衝撃性を
要するハウジング3や薬液容器71などの部材の耐久性
が、相対的に向上することになる。あるいは、耐久性が
向上する分、ハウジング3や薬液容器71などの装置を
構成する部材の軽量化および小型化に寄与することがで
きる。
【0070】さらに、薬液をより低い圧力で噴射して注
入することができるということは、圧力を発生させる駆
動源が仮に同じであれば、薬液を流すための流路の径を
小さくすることを可能ならしめる。これは、一般に薬液
を噴出するための噴射孔の断面積を小さくすると、噴射
圧力も低下する傾向があるからである。したがって、薬
液がより細い流路径で注入されるので、痛みに関係する
神経網に対する薬液の接触面積を低下させることがで
き、神経網への刺激が低下して、痛みの発生が抑えられ
る。例えば、蚊は殆んど無痛的に自らの口針を皮膚層に
穿刺して吸血するが、蚊の唾液成分には特に制痛作用は
認められていない。蚊が皮膚層に穿刺しても無痛の理由
は、その口針の径(50〜100μm)の細さにあると
されている(斉藤浩一、総合臨床、Vol.46, 2412-2413,
1997 )。
【0071】図18(A)は、本発明の第2の実施形態
に係る噴射式の薬液注入装置の注入器本体の斜視図、図
18(B)は、図18(A)に示される注入器本体のカ
バーを除いた状態の平面図、図19は、本実施形態に係
る噴射式の薬液注入装置の断面図、図20は、プランジ
ャーの先端付近の斜視図、図21は、薬液容器を装着す
る際の状態を示す斜視図、図22(A)〜(D)は、ガ
スケット及び逆止弁の断面図である。以下、この第2の
実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心
に、共通する部分は適宜省略して説明する。
【0072】図18および図19に示すように、噴射式
の薬液注入装置201は、注入器本体202を有してい
る。この注入器本体202は、下ケース203aとカバ
ー203bとを有するハウジング203を備えている。
カバー203bは、ヒンジ203cにより、開閉自在に
下ケース203aに取り付けられている。なお、図18
(B)中の符号203dは、後述する圧縮バネ207や
プランジャー204等の駆動機構部を覆う内カバーを示
す。
【0073】図19に示すように、注入器本体202に
は、プランジャー204が軸方向に移動自在に設けら
れ、このプランジャー204の後方(図19の右方)に
は、ラッチ保持部205が設けられている。プランジャ
ー204は、耐圧性、耐衝撃性に優れた材料により形成
されており、使用される材料としては、例えば、プラス
チックや、金属等が挙げられる。
【0074】プランジャー204のラッチ保持部205
には、プランジャー204を後退させるときに、ラッチ
部材214の先端をラッチ保持部205の前端面に導く
ためのガイド溝205aが形成されている。また、注入
器本体202のハウジング203内の後端側には、バネ
保持部206が固定的に設置されている。
【0075】プランジャー204のラッチ保持部205
と、バネ保持部206との間には、圧縮バネ207が介
装されている。この圧縮バネ207により、プランジャ
ー204が前方(図19の左方)に付勢されている。こ
れにより、後述するように、圧縮バネ207がプランジ
ャー204を前方に押圧し、後述するガスケット226
を移動させて、薬液を噴射することが可能となってい
る。
【0076】プランジャー204には、患者等の操作者
が操作するためのレバー208が設けられている。ま
た、このプランジャー204には、フランジ209が設
けられていると共に、注入器本体202のハウジング2
03内には、このフランジ209が当接するストッパー
210が設けられている。
【0077】図20に示すように、プランジャー204
の先端部には、後述するチューブ225を収納するため
の凹所211が形成されている。これにより、プランジ
ャー204の移動に追随して、チューブ225が凹所2
11内で自由に変形できるようになっている。
【0078】ハウジング203の側壁には、プランジャ
ー204の移動を開始するためのスタートボタン212
が設けられている。アーム213の一端には、スタート
ボタン212が接続されており、アーム213の他端に
は、ラッチ部材214が側壁から離反可能に係合されて
いる。このアーム213は、ハウジング203に回動可
能に支持されたピン216に固着されている。ハウジン
グ203の側壁とアーム213との間には、板バネ21
5が介装されており、これにより、アーム213の他端
およびラッチ部材214が、アーム213のピン216
を中心としてハウジング203の側壁から離れる方向に
付勢されている。
【0079】したがって、患者等の操作者がレバー20
8を操作して、プランジャー204を圧縮バネ207の
付勢力に抗して後方に移動させたときには、ラッチ部材
214がガイド溝205aにより案内され、プランジャ
ー204のラッチ保持部205の前端面に係合して、プ
ランジャー204を待機位置に保持する。
【0080】一方、操作者がスタートボタン212を押
圧すると、アーム213を介してラッチ部材214が板
バネ215の付勢力に抗してハウジング203の側壁に
近づけられ、ラッチ部材214とプランジャー204の
ラッチ保持部205の前端面との係合が解除される。こ
うして、プランジャー204は、圧縮バネ207の付勢
力により前方に押圧され、後述するガスケット226を
移動させて薬液を噴射するようになっている。
【0081】プランジャー204の前方には、薬液を噴
射するための薬液容器217が配置される。
【0082】薬液容器217の先端には、微小針101
が設けられている。微小針101は、図8に示したよう
に、皮膚内に穿刺される針部110と、針部110を支
持する基体部120とを有している。そして、針部11
0は、図9に示したように、使用時に先端が角質層13
1を貫き生きた表皮細胞層132内、または表皮細胞層
132と真皮層133との境界面141近傍に位置する
長さを有している。この微小針101の構成は、上記し
た第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明を
省略する。
【0083】薬液容器217の円筒形状の本体部は、薬
液の所定の高い噴射圧力に耐えられる材料により形成さ
れており、使用される材料は、例えば、ガラス、プラス
チック、金属、または2種以上の材料からなる複合材料
のなかからから選択されるのが望ましい。但し、耐圧性
の低い素材であっても、容器の周囲を金属等の補強材料
で被覆することによって使用することができる。なお、
薬液容器217の全部または一部を透明な材料より形成
すれば、内部に収容された薬液を目視で確認することが
できるので好ましい。
【0084】ハウジング203には、薬液容器217を
装着するための装着部219が形成されている。この装
着部219は、図21に示すように、薬液容器217を
保持するための円弧状保持部220と、二枚の板状部材
の間に形成したガイド溝221とを有している。また、
薬液容器217の側面には、突起218が形成されてい
る。これにより、薬液容器217が円弧状保持部220
に保持されて、90度回転されると、突起218がガイ
ド溝221に係止されて、前後方向(図19の左右方
向)の移動が制限される。
【0085】ハウジング203に形成された装着部22
2には、薬液を予め充填した薬液リザーバ223が着脱
自在に装着されるようになっている。この薬液リザーバ
223には、薬液を吸引・吐出するためのプランジャー
224が設けられていると共に、薬液を薬液容器217
に導くためのチューブ225が接続されている。また、
薬液リザーバ223の外側には、薬液の容量を計測する
ための目盛りが形成されている。但し、この目盛りは、
薬液容器217の外側に形成されていてもよく、あるい
は薬液容器217および薬液リザーバ223の双方に形
成されていてもよい。なお、薬液容器217は、操作性
の観点から注入器本体202に対し着脱可能であること
が好ましいが、注入器本体202に着脱自在でなくとも
よく、あらかじめ注入器本体202と一体もしくは固着
されていてもよい。
【0086】この薬液リザーバ223としては、具体的
には、プレフィルドタイプの充填済みカートリッジ(薬
液リザーバ)、または、薬液バイアルから吸引して充填
した薬液リザーバ、が用いられる。
【0087】なお、この薬液リザーバ223の形状とし
ては、一般のシリンジ形状を用いることができるが、そ
の他、注入器形状を有しているものであれば使用可能で
ある。薬液リザーバ223の材質としては、プラスチッ
ク、ガラス等が用いられ、プラスチックとしてはポリプ
ロピレン、ポリエチレン等が使用される。薬液リザーバ
223内に充填される薬液は、薬剤を含有する溶液、ゲ
ルまたは懸濁液である。使用可能な薬剤は、経皮的な投
与に適さない薬剤以外であるならば、実質的に制限され
ない。主な薬剤としては、例えば前述した第1の実施形
態で示したものと同様の薬剤を挙げることができる。
【0088】薬液リザーバ223のチューブ225は、
薬液容器217内に往復動自在に挿入されるガスケット
226に形成された軸方向の貫通孔226aに接続され
ている。これにより、薬液の薬液容器217内への充填
が容易となる。
【0089】また、ガスケット226の貫通孔226a
には、薬液リザーバ223からチューブ225を介して
薬液容器217内に薬液を流入する際には、開いて薬液
の流入を許容する一方、ガスケット226を押圧して薬
液容器217から薬液を噴射する際には、閉じて薬液容
器217から薬液リザーバ223への薬液の逆流を阻止
する逆止弁227が形成されている。
【0090】ここで、逆止弁227は、ガスケット22
6の貫通孔226aの先端に設けられている。これによ
り、噴射時に薬液がガスケット226の貫通孔226a
やチューブ225内に入り込むことが全く防止されるた
め、正確な薬液の注入量を確保することができる。
【0091】ガスケット226および逆止弁227は、
ブチルゴム、シリコンゴム等から一体成形により形成さ
れている。これにより、逆止弁を極めて簡易に構成する
ことができるとともに、小型化を図ることができ、ま
た、部品点数も減り、製造コストも低減される。また、
逆止弁227は、図22(A)(B)に示すように、閉
じたときには、円錐状になり(図22(A))、開いた
ときには、この円錐形状が開く(図22(B))。但
し、逆止弁227の形状は、これに限定されるものでは
なく、例えば図22(C)(D)に示すように、薄板状
の弁体が形成されたものであってもよい。さらに、逆止
弁227は、必ずしもガスケット226の先端部に設け
られる必要はなく、他の箇所であってもよい。
【0092】図19に示すように、薬液容器217の先
端部には、キャップ228が装着されるようになってい
る。キャップ228の中央部には、ゴム等により形成さ
れたシール部材228bが設けられている。また、キャ
ップ228の開口端近傍には、リング状の突起228a
が形成されている。キャップ228の装着時に、突起2
28aが薬液容器217に形成されたリング状の突起2
17aを乗り越えることにより、キャップ228が薬液
容器217に係止される。
【0093】このキャップ228は、薬液リザーバ22
3から薬液容器217に薬液を充填する際に装着され
る。キャップ228が装着された状態では、逆止弁22
7が開いて薬液容器217への薬液の流入を許容すると
共に、薬液容器217の微小針101にキャップ228
のシール部材228bが密着されて液密性が確保されて
いる。このため、薬液リザーバ223からプランジャー
224により薬液が吐出されて、チューブ225及び逆
止弁227を介して薬液容器217内に流入されると、
薬液容器217内でガスケット226が自動的に後退さ
れて、薬液が薬液容器217内に充填される。即ち、プ
ランジャー204により、ガスケット226を引っ張っ
て後退させる必要がない。しかも、このキャップ228
を注入器本体202に装着することにより、空気からの
感染を防止することができる。
【0094】次に、本実施の形態に係る薬液注入装置の
作用について説明する。
【0095】図23は、本実施形態に係る薬液注入装置
の断面図であって、薬液リザーバ等を装着した状態を示
す図、図24は、本実施形態に係る薬液注入装置の断面
図であって、プランジャーを待機位置にセットした状態
を示す図、図25は、本実施形態に係る薬液注入装置の
断面図であって、薬液容器に薬液を充填した状態を示す
図、図26は、本実施形態に係る薬液注入装置の断面図
であって、薬液の噴射を終了した状態を示す図である。
【0096】まず、図23に示すように、例えばカバー
203bを開いてプレフィルドタイプの充填済み薬液リ
ザーバ223にチューブ225を接続し、薬液リザーバ
223を装着部222にセットする。そして、薬液容器
217内に収容されたガスケット226の背面側に接続
されているチューブ225をプランジャー204の凹所
211内に位置させながら、薬液容器217内にプラン
ジャー204が挿入されるようにして、薬液容器217
を装着部219上に配置する。この状態で、薬液容器2
17を90度回転し、薬液容器217の突起218を装
着部219のガイド溝221に係止する。
【0097】次いで、図24に示すように、患者等の操
作者がレバー208を操作して、プランジャー204を
圧縮バネ207の付勢力に抗して後方に移動させる。こ
れにより、ラッチ部材214がプランジャー204のラ
ッチ保持部205の前端面に係合して、プランジャー2
04を待機位置に保持する。
【0098】次に、図25に示すように、薬液容器21
7の先端部にキャップ228を装着する。そして、プラ
ンジャー224を移動させることにより、薬液リザーバ
223から薬液を吐出して、薬液容器217に充填す
る。
【0099】この際、ガスケット226の先端の逆止弁
227が開いて、薬液容器217への薬液の流入を許容
すると共に、薬液容器217の微小針101にキャップ
228のシール部材228aが密着されて液密性が確保
されている。このため、プランジャー224を移動させ
ることにより薬液リザーバ223から薬液が吐出され
て、チューブ225及び逆止弁227を介して薬液容器
217内に流入されると、薬液容器217内で、ガスケ
ット226が自動的に後退させられて、薬液が薬液容器
217内に充填される。なお、薬液の薬液容器217内
への充填時に、キャップ228の代わりに、別の部材で
微小針101の噴射口を塞ぐようにしてもよい。
【0100】薬液が薬液容器217内に充填された後、
カバー203bを閉じキャップ228を外した状態で、
薬液容器217の先端を薬液注入部位の皮膚表面に押し
付けて、スタートボタン212を押す。これにより、図
26に示すように、ラッチ部材214とプランジャー2
04のラッチ保持部205の前端面との係合が解除さ
れ、プランジャー204は、圧縮バネ207の付勢力に
より前方に押圧される。この結果、ガスケット226は
前方に移動させられ、薬液が噴射される。
【0101】この噴射の際、ガスケット226の先端の
逆止弁227は閉じて、薬液容器217から薬液リザー
バ223への薬液の逆流を阻止する。なお、実際に患者
に薬液を注入する際には、何回か薬液の注入容器17内
への充填と噴射を繰り返し、薬液容器内の空気を全て抜
いてから皮膚に押し当てて、薬液を注入することが好ま
しい。また、薬液容器内の空気抜きは、薬液容器217
への薬液充填後、キャップ228を一旦外し、薬液リザ
ーバ223内の薬液を微小針101から吐出することに
より行うこともできる。
【0102】このように本実施形態によっても、薬液容
器217の先端を皮膚表面に押し付けることにより、微
小針101の針部110の先端を、角質層131を貫き
生きた表皮細胞層132内、または表皮細胞層132と
真皮層133との境界面141近傍(表皮直下)に位置
させることができ、この状態で薬液を噴射することが可
能となり、上記した第1の実施形態と同様の効果を得る
ことができる。
【0103】本実施形態ではさらに、薬液リザーバ22
3として、プレフィルドタイプの充填済みカートリッジ
(薬液リザーバ)を使用することができるため、従来の
ように、患者自身が薬液バイアルから薬液を吸い取って
薬液容器に毎回充填する煩雑な充填作業を強いられるこ
とがなく、極めて簡易な作業により、例えば、インスリ
ン注射をすることができるとともに、きわめて携帯性に
優れたものとなる。
【0104】なお、以上説明した実施形態は、本発明を
限定するために記載されたものではなく、本発明の技術
的思想内において当業者により種々変更が可能である。
【0105】例えば、薬液噴射のためにプランジャーを
押圧する圧力を発生する駆動源は、瞬間的に所定の強い
圧力を発生することができるものであれば、特に限定さ
れない。駆動源は、好ましくは、上述した引張ばねや圧
縮バネのほか、高圧ガス、弾性ゴム、電磁弁等である。
高圧ガスを利用する場合、ガスリザーバおよびガス充填
機構、あるいはあらかじめガスが充填されたカートリッ
ジを装着する機構を有し、さらにガスを解放し圧力を発
生させる機構を有する必要がある。ガスの種類は、窒
素、二酸化炭素、ヘリウム等、人体や環境に悪影響を及
ぼさないものであれば、特に限定されない。
【0106】また、上記実施形態では、薬液容器や薬液
リザーバが、ハウジングに対して着脱可能になっている
が、ハウジングと一体的に成形あるいは固定されていて
もよい。また、薬液が薬液容器や薬液リザーバに予め充
填されている構成と、薬液が適宜使用者により充填され
る構成とのいずれを採用してもよい。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
微小針の先端を、角質層を越えて生きた表皮細胞層内、
または表皮細胞層と真皮層との境界面近傍に位置させた
状態で、圧力を発生させる駆動源により、薬液を噴射さ
せ前記微小針を経由して皮膚より注入するようにしたの
で、角質層および生きた表皮細胞層には痛みに関する自
由神経終末は存在せず、微小針の針部を皮膚内に穿刺し
ても殆んど痛みを感じることはない。
【0108】また、噴射された薬液が堅牢な角質層と細
胞間が密になっている生きた表皮細胞層とを貫くような
高い圧力を発生させる必要がなくなり、比較的低い圧力
で薬液を注入することが可能となる。しかも、噴射式な
ので、薬液の1回当たりの注入時間はごく短時間で済
む。
【0109】そして、薬液の噴射圧力を低減することが
可能となることから、その分だけ、真皮層内に存在する
痛みに関係する神経網への刺激が弱くなり、痛みが低減
される。しかも、薬液の噴射圧力の低下により、耐圧性
や耐衝撃性を要する構成部材の耐久性が、相対的に向上
することになる。あるいは、耐久性が向上する分、構成
部材の軽量化および小型化に寄与することができる。
【0110】また、薬液をより低い圧力で噴射して注入
することができるので、圧力を発生させる駆動源が仮に
同じであれば、薬液を流すための流路の径を小さくする
ことができる。したがって、薬液がより細い流路径で注
入されるので、痛みに関係する神経網に対する薬液の接
触面積を低下させることができ、神経網への刺激が低下
して、痛みの発生がより一層抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態である薬液注入装置
を示す図であって、(A)は平面図、(B)は側面図で
ある。
【図2】 注入器本体の水平断面図である。
【図3】 ばね固定部を示す図であって、(A)は平面
図、(B)は側面図、(C)は左側面図である。
【図4】 図2のIVで示す線に沿う断面図である。
【図5】 リテーナの軸方向から見た図である。
【図6】 カートリッジ部の側面図である。
【図7】 カートリッジ部の断面図である。
【図8】 微小針を示す拡大図であって、(A)は前方
から見た図、(B)は側面図である。
【図9】 微小針の針部が皮膚内に穿刺されている状態
を示す断面図である。
【図10】 微小針の変形例を示す拡大図であって、
(A)は前方から見た図、(B)は側面図である。
【図11】 引張ばねの張力に抗しつつプランジャーを
後方に所定距離移動させて保持した状態を示す注入器本
体の水平断面図である。
【図12】 図11の状態の注入器本体にカートリッジ
部をねじ込んだ状態を示す薬液注入装置の水平断面図で
ある。
【図13】 アダプタと薬液が満たされているバイアル
とを示す断面図である。
【図14】 アダプタを介して薬液容器内に薬液を充填
させる様子を示す断面図である。
【図15】 薬液注入装置の薬液投与前の状態を示す水
平断面図である。
【図16】 薬液注入装置の薬液投与後の状態を示す水
平断面図である。
【図17】 引張ばねのたわみと薬液の噴射力との関係
を示す図である。
【図18】 (A)は、本発明の第2の実施形態に係る
噴射式の薬液注入装置の注入器本体の斜視図、(B)
は、(A)に示される注入器本体のカバーを除いた状態
の平面図である。
【図19】 本実施形態に係る噴射式の薬液注入装置の
断面図である。
【図20】 プランジャーの先端付近の斜視図である。
【図21】 薬液容器を装着する際の状態を示す斜視図
である。
【図22】 (A)〜(D)は、ガスケット及び逆止弁
の断面図である。
【図23】 本実施形態に係る薬液注入装置の断面図で
あって、薬液リザーバ等を装着した状態を示す図であ
る。
【図24】 本実施形態に係る薬液注入装置の断面図で
あって、プランジャーを待機位置にセットした状態を示
す図である。
【図25】 本実施形態に係る薬液注入装置の断面図で
あって、薬液容器に薬液を充填した状態を示す図であ
る。
【図26】 本実施形態に係る薬液注入装置の断面図で
あって、薬液の噴射を終了した状態を示す図である。
【符号の説明】
1,201…薬液注入装置、 3,203…ハウジング、 6…引張ばね(駆動源)、 71,217…薬液容器、 8…薬液。 101…微小針、 110,110a…針部、 111,111a…流路、 120,120a…基体部、 121,121a…貫通孔、 207…圧縮バネ(駆動源)、 223…薬液リザーバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 竹夫 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 Fターム(参考) 4C066 AA07 AA09 BB01 CC01 CC05 DD03 DD04 EE14 FF03 FF05 HH12 KK01 KK02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液を皮膚より注入する薬液注入装置で
    あって、 装置端部に設けられた微小針の先端を、角質層を越えて
    生きた表皮細胞層内、または表皮細胞層と真皮層との境
    界面近傍に位置させた状態で、圧力を発生させる駆動源
    により、薬液を噴射させ前記微小針を経由して皮膚より
    注入することを特徴とする薬液注入装置。
  2. 【請求項2】 薬液を皮膚より注入する薬液注入装置で
    あって、 薬液注入装置の外枠を構成するハウジングと、 内部に薬液を収容する薬液容器と、 使用時に先端が角質層を貫き生きた表皮細胞層内、また
    は表皮細胞層と真皮層との境界面近傍に位置する長さを
    有する微小針と、 前記薬液容器内の薬液を噴射させるための圧力を発生さ
    せる駆動源と、を有し、 前記薬液容器内の薬液は、前記微小針を経由して皮膚よ
    り注入されることを特徴とする薬液注入装置。
  3. 【請求項3】 薬液の1回当たりの注入時間が1秒以下
    で、薬液の1回当たりの注入量が0.01〜2mlであ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の薬液注入
    装置。
  4. 【請求項4】 前記微小針は、皮膚内に穿刺される部分
    の長さが0.02〜1.0mmである針部を有すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の薬液注入装置。
  5. 【請求項5】 前記微小針は、皮膚内に穿刺される、薬
    液を流すための流路が内部に形成された中空の針部と、
    前記流路に連通する貫通孔が設けられるとともに前記針
    部を支持する基体部とを有することを特徴とする請求項
    1または2に記載の薬液注入装置。
  6. 【請求項6】 前記針部の流路は、先端に近付くにつれ
    て断面積が小さくなるように形成されていることを特徴
    とする請求項5に記載の薬液注入装置。
  7. 【請求項7】 前記微小針は、皮膚内に穿刺される中実
    の針部と、貫通孔が設けられるとともに前記針部を支持
    する基体部とを有し、前記針部の外面の一部を切り欠い
    て前記基体部の貫通孔に連通させるか、または前記基体
    部の貫通孔を当該針部の根元近傍に設けることにより、
    薬液を流すための流路が形成されていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の薬液注入装置。
  8. 【請求項8】 前記基体部の貫通孔は、先端に近付くに
    つれて断面積が小さくなるように形成されていることを
    特徴とする請求項5または7に記載の薬液注入装置。
  9. 【請求項9】 前記微小針は、薬液を噴出するための噴
    射口を有し、 前記噴射口の直径が0.01〜0.5mmであることを
    特徴とする請求項1または2に記載の薬液注入装置。
  10. 【請求項10】 前記微小針は、皮膚内に穿刺される複
    数の針部を有することを特徴とする請求項1または2に
    記載の薬液注入装置。
  11. 【請求項11】 前記微小針は、薬液の噴射圧力に耐え
    られるように、金属、セラミック、プラスチック、また
    は2種以上の材料からなる複合材料のなかからから選択
    されたいずれかの材料により形成されていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の薬液注入装置。
  12. 【請求項12】 前記駆動源は、ばね、ガス、ゴム、ま
    たは電磁弁のなかから選択されたいずれかであることを
    特徴とする請求項1または2に記載の薬液注入装置。
  13. 【請求項13】 薬液を噴射させるための圧力は、1
    1.8MPa以下であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の薬液注入装置。
  14. 【請求項14】 前記微小針は、前記薬液容器に対して
    着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項2に
    記載の薬液注入装置。
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