JP2001521962A - 熱硬化性樹脂とフルオロカーボン添加剤とから作成される耐摩耗性製品 - Google Patents

熱硬化性樹脂とフルオロカーボン添加剤とから作成される耐摩耗性製品

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JP2001521962A
JP2001521962A JP2000519017A JP2000519017A JP2001521962A JP 2001521962 A JP2001521962 A JP 2001521962A JP 2000519017 A JP2000519017 A JP 2000519017A JP 2000519017 A JP2000519017 A JP 2000519017A JP 2001521962 A JP2001521962 A JP 2001521962A
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ベンジャミン エフ. デュポン
レオナルド エドワード レイモンド コシンスキー
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EI Du Pont de Nemours and Co
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Abstract

(57)【要約】 熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン組成物を含む耐摩耗性製品およびそれを作成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 技術分野 本発明は、熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン組成物を含む耐摩耗性製品お
よび前記製品を作成するための方法に関する。
【0002】 (関連技術の記載) ポリマーから生産される製品の種々の用途における性能を改善するための、ポ
リマーに対する添加剤または表面被覆の使用に関する豊富な文献が存在する。耐
摩耗性を改善するために表面処理が長らく用いられてきているが、しかし耐摩耗
性製品を作成することができる組成物を製造するためのポリマーおよびエラスト
マーに対するフルオロカーボン類の組み込みは、当該技術において知られていな
い。
【0003】 米国特許第5,061,759号は、過酸化物を用いて加硫可能であり、およ
び、そのゴム組成物の0.5から1質量部までの範囲で変動する量のパーフルオ
ロポリエーテル類である、加工を補助する添加剤を含有するゴム組成物に関する
。その添加剤は、押出における加工性を改善し、および加硫系にも加硫された製
品の特性にも有害に影響することなしに、成形金型からの加硫された製品のより
良好な離型性を与える。記載されている唯一の製品は、物理的特性を評価するの
に用いるための試験片である。製品の耐摩耗性に対する言及はない。
【0004】 特開昭60−104161号公報は、その成形材料に均一に付着される、注入
される、あるいは分散される1%から10%のフッ素化された油を有する熱硬化
性または熱可塑性樹脂を含む耐摩耗性成形材料に関する。適当なフッ素化された
油は、パーフルオロポリエーテル類(ヘキサフルオロプロピレンオキシドのオリ
ゴマーのようなもの)、およびフルオロカーボン油(テトラフルオロエチレンの
オリゴマーのようなもの)を含む。その成形材料は、電気接点スイッチ、電磁ス
イッチなどのための改良された耐摩耗性のすべり部品を作成するのに用いられる
【0005】 米国特許第5,143,963号および米国特許第5,286,773号は、
熱可塑性ポリマーと0.01%から1%未満までのフルオロカーボン添加剤とを
溶融配合することにより形成される物質組成物、およびその組成物を形成するた
めの方法に関する。そのフッ素化された添加剤は、フッ素化された炭化水素およ
びフッ素化された炭化水素ポリエーテル油を含むフルオロカーボン油、ガム、ま
たはグリースである。その組成物は、フィルムおよび繊維のための成形および押
出作業をより良好にしおよび加速するといわれている。熱可塑性ポリマーの基本
的なバルクの機械的、物理的および化学的特性は維持され、あるいは高められさ
えする。その表面におけるフルオロカーボン添加剤の濃縮によって、その組成物
から作成された製品はフルオロカーボン様の表面特性を獲得する。その製品が耐
摩耗性であるとの開示はない。その組成物は、医療用製品(たとえば人工血管、
***または目の移植物)、電子機器、電子−光または電子−機械部品のために、
およびそのような装置のための精密部品用の型として有用である。
【0006】 米国特許第4,481,333号は、塩化ビニルポリマーおよび塩素化ポリエ
チレンの混合物を含み、および0.4%までの微細に分割されたフルオロポリマ
ー類を含有する熱可塑性組成物を記載している。そのフルオロポリマー類は、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポ
リフッ化ビニリデン、およびフッ素化されたポリエーテル(たとえば、パーフル
オロビニルポリエーテル)のようなものである。その組成物は、特に押出によっ
て製品へと成形されるときに、著しく改善された加工性を有する。板、管、およ
びシートのような成形品を作成するためのそのような組成物の使用が記載されて
いる。そのような製品が改善された耐摩耗性を有するとの記載はない。
【0007】 ポリマーから作成される製品に対して、使用中の性能を改善すること、製造を
単純にすること、および費用効率を改善することに対する継続的要求が存在する
。本発明の1つの目的は、最小限の摩耗が必要とされる用途において有用である
利用可能な製品を作成することである。本発明の手順により熱硬化性ポリマー−
フルオロカーボン組成物から作成された製品は、広範な用途において、改善され
た耐摩耗性を示すことが見いだされている。ポリマーへのフルオロカーボンの組
み込みは、フルオロカーボンによるポリマー製品の表面処理に比較して、有益な
効果の寿命すなわち耐久性を大きく増大させる。
【0008】 (発明の要約) 耐摩耗性製品を、熱硬化性ポリマー(または混合された熱硬化性ポリマー)と
、約0.01質量%から1質量%未満までの、典型的には約0.1質量%から1
質量%未満までの呼称バルク濃度のフルオロカーボン(またはフルオロカーボン
類の混合物)からなる添加剤とから作成することができ、前記フルオロカーボン
添加剤が前記ポリマーのそれよりも低い表面エネルギーを有し、および前記フル
オロカーボンの濃度は、呼称バルク濃度よりも前記製品の表面において著しく高
いことが今や見いだされた。
【0009】 「耐摩耗性」とは、製品が、フルオロカーボン添加剤の欠如を除いて同一であ
る製品と比較して、より長い使用寿命を有することを意味する。耐摩耗性製品は
、充填材、強化材、着色剤などの慣用の配合剤もまた含有してもよい。本発明の
製品の有益な特性は、その耐摩耗性がその有効寿命の間中にわたることである。
【0010】 さらなる態様において、本発明は、熱硬化性ポリマー、フルオロカーボンおよ
び他の配合剤を混合する工程と、成形または押出のような適当な手順によって所
望される形状を製造する工程とから成る耐摩耗性製品を作成するための方法に関
する。
【0011】 (発明の詳細な記載) 本発明の耐摩耗性製品は、熱硬化性ポリマー、または混合された熱硬化性ポリ
マーと、フルオロカーボンまたはフルオロカーボンの混合物から成る添加剤とを
含み、後者の比率は、ポリマーの量の約0.01質量%から1質量%未満までの
、典型的には約0.1質量%から1質量%未満までのバルク濃度の範囲内で変動
し、前記フルオロカーボン添加剤が前記ポリマーのそれよりも低い表面エネルギ
ーを有し、および前記フルオロカーボンの濃度は、呼称バルク濃度よりも前記製
品の表面において著しく高い。耐摩耗性製品は、充填材、強化材、着色剤などの
慣用の配合剤もまた含有してもよい。本発明の製品の有益な特性は、その耐摩耗
性がその有効寿命の間中にわたることである。
【0012】 本発明はまた、熱硬化性ポリマーをフルオロカーボンおよび他の配合剤に組み
込むための方法、およびそのような組成物から本発明の耐摩耗性製品を形成する
ための方法に関する。
【0013】 耐摩耗性製品 ここで用いられる際には、術語「ガスケット」は、(1)2つの比較的硬い表
面の間に挿入されてそれらの接触を緩衝する製品、および(2)硬い表面上に接
触して、ウェザーストリップまたは潤滑シールのようなシールを形成する製品を
含み;術語「ブレード」とは、風防ワイパーおよびスクィージーのような硬い表
面を横切って移動して物質を除去する製品を含む。
【0014】 本発明の好ましい耐摩耗性製品は、固定または移動表面とすべり接触している
固定または移動部品であり、それら製品は、摩耗パッド、風防ワイパーブレード
、搬送ライン部、エンジンの伝動ベルト、歯車、接触スイッチ、磁気スイッチ、
手荷物用ストラップおよびバックル、履き物(特に運動目的のための履き物)、
窓機材部品、エンジン用の、気体または液体を運搬するライン用の、ポンプ用の
、反応容器用などのガスケットのようなフランジの間のシール、潤滑された接合
部用の封止キャップおよびブーツ、ワイヤーハーネスのコネクター、スパークプ
ラグのキャップ、配向樹脂製バンパー、バンパー懸架装置、尾灯アセンブリ、家
庭用および商用電化製品用の部品のようなものである。
【0015】 本発明の耐摩耗性製品は、長期間にわたって不利な条件にさらされるときに、
いくらかの柔軟性および性能の高いレベルの維持が望ましい用途において、適当
である。それら製品は、それらが封止要素または美観的もしくは機能的目的のた
めの物品として用いられるときに、これらの要求を満たす。
【0016】 より硬いポリマーを用いることに向かう最近の傾向は、当該技術において知ら
れているより柔らかいポリマーにおいて固有の欠点によって加速された。より柔
らかいポリマーは、ガスケットとして用いられたときに、同じくらい良好なすな
わち同じくらい耐久性のあるシールを与えない。なぜなら、それら柔らかいポリ
マーは、不利な条件に対する長期の暴露において形状の変形を発達させる傾向が
あるからである。また、そのような変形は、窓機材および建築用途に用いられる
製品のような美観的魅力を有することが意図される付属品において望ましくない
目障りな膨らみおよび異常として、それら自身明白に示す可能性がある。
【0017】 現在用いられているより硬い材料は、これらの問題点を大部分は克服する。し
かし、製品が、車両におけるように、凹凸のある路面を走行する際または速度を
変化させるときに、ずれ、トルクまたは振動にさらされる用途における改良に関
する要求が存在する。これは、エラストマー性表面被覆を用いることにより、あ
る程度まで克服することができる。表面被覆は耐久性が不足しているので、摩耗
の速度は、処理された製品の寿命にわたって増大する傾向がある。本発明の耐摩
耗性製品に特有の利点は、所望の形状への成形加工の前にフルオロカーボン材料
とポリマー成分とを配合することに由来する。製品の表面に向かうフルオロカー
ボンの移動が成形加工工程中に起こるので、フルオロカーボンの濃度は、呼称バ
ルク濃度よりもその表面において遥かに大きい。表面近傍のフルオロカーボン添
加剤の高濃度は、より低い摩擦、疎水性、化学的不活性および非粘着性表面のよ
うなフルオロカーボン様の表面特性を生じさせる。これらの特性はしばしば有益
であり、および特に摩耗が起こる程度が著しく低減され、かつ多くの場合におい
てその摩耗は事実上排除される。成形加工の前にまたはその間にフルオロカーボ
ン成分をポリマーおよび他の添加剤と混合することに由来する重要な追加の利点
は、後に付着される表面被覆を用いて得られるものに比べて、より大きな性能の
寿命である。
【0018】 熱硬化性ポリマー樹脂 本発明の耐摩耗性製品を作成する組成物において、熱硬化性樹脂が用いられる
。熱硬化性樹脂は、成形加工工程中に不溶性材料へと変換され、およびしたがっ
て、完成品は所望される特性の重大な損失なしに溶融再加工をもはや受け入れな
い。熱硬化性ポリマー樹脂の硬いおよび柔らかい種類の双方が、本発明の耐摩耗
性製品を製作するために適当な組成物を作成するのに有用である。一般的に、硬
いポリマーは、ASTMの方法D−785−89によって測定される約50から
約115までの範囲内のロックウェルR硬度計による硬度を有するものとして分
類することができる。柔らかいポリマーは、ASTMの方法D−2240−91
によって測定される約10から約90までの範囲内のジュロメータショアーA型
硬度計による硬度(Durometer Shore A scale hardness)を有するものである。シ
ョアーA型硬度計の範囲の上端とロックウェルR硬度計の範囲の下端との間にあ
る程度の重なりがある。90を越えるショアーA型硬度計による硬度測定値およ
び115を越えるロックウェルR硬度計による硬度が信頼性があるとは考えられ
ていないとはいえ、そのような硬度値を有するポリマー類は本発明の範囲内であ
る。両方の指定された値の範囲内にある硬度を有するポリマー樹脂もまた、本発
明の耐摩耗性製品を作成する組成物中に用いることができる。熱硬化性ポリマー
樹脂は、成形粒または粉末の形態において使用され、および成形加工工程の前に
またはその間にフルオロカーボン類および他の配合剤と混合される。
【0019】 本発明の耐摩耗性製品を作成するのに同様に適当である熱硬化性の硬いおよび
柔らかいポリマー樹脂は、アリル成形材料、ビスマレイミド類、エポキシ樹脂類
、フェノール樹脂類、ポリエステル類、エチレン−プロピレン−ジエン3元重合
体(たとえば、EPDMゴム)、ポリイミド、イオノマー類(たとえば、Surlyn
(登録商標))、ポリウレタン類、セグメント化されたポリウレア/ウレタン類
、シリコーン類、およびウレア−メラミンホルムアルデヒド樹脂を含むが、それ
らに限定される必要はない。また、熱硬化性樹脂は、望ましい特性の重大な損失
なしに溶融再加工がもはやできないような充分に高い程度に架橋された熱可塑性
樹脂を含むことも意味する。
【0020】 ポリプロピレンを有するEPDMゴム「アロイ」(Santoprene(登録商標))
およびPVCを有するEPDMゴム「アロイ」(Alcryn(登録商標))のような
、熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーの混合物もまた、本発明の耐摩耗性
製品を作成するのに適当である。
【0021】 発泡されたポリマー−フルオロカーボン組成物を含む製品もまた、本発明の範
囲内である。
【0022】 前記組成物から成形加工された製品は、広範な用途において優れた耐摩耗性を
有し、およびそれらの多くが、入手可能性および費用の観点から魅力的である。
【0023】 ポリマー樹脂のための添加剤 本発明の耐摩耗性製品中に用いられるポリマー樹脂は、通常、1つまたは複数
の以下の慣用の樹脂に配合する成分をも含み、それらは、有機または無機充填材
、強化材、着色剤、熱安定剤、酸化防止剤、オゾン亀裂防止剤、耐電防止剤、抗
微生物剤、可塑剤、潤滑剤、防曇剤、カップリング剤、難燃剤、発泡剤、芳香剤
、熱安定剤、耐衝撃性改良剤、離型剤、チタネート類、紫外線安定剤、熱伝導性
充填材、電気伝導性充填材、硬化剤、架橋剤、触媒などのようなものであるが、
それらに限定される必要はない。
【0024】 フルオロカーボン添加剤 適当なフルオロカーボン添加剤は、線状、分枝および環状化合物を含む6個ま
たはそれ以上の炭素原子を有するフッ素化された炭化水素またはフッ素化された
炭化水素ポリエーテルを含む、油、ガム、またはグリースである。適当な組成物
の例は、パーフルオロアルキルポリエーテル類(たとえば、Krytox(登録商標)
、Fomblin(登録商標)、Demnum(登録商標)、およびAflunox(登録商標))、
パーフルオロポリエチレンオキシド、パーフルオロポリプロピレンオキシド、ポ
リテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))、パーフルオロポリエチレン
−ポリプロピレン、パーフルオロポリブタジエン、ポリフッ化ビニリデン、パー
フルオロカーボン類、およびアルコール、アミン、アミド、エステル、ニトリル
、チオール、酸、酸ハライド(塩素、臭素およびヨウ素を含む)であるがこれら
に限定されないもののような官能基(単数または複数)を含有するエーテルを含
むフルオロ炭化水素類である。同様に、より高分子量の均質な線状および分枝フ
ルオロ炭化水素ならびにフッ素化された環状炭化水素も、50%超がフッ素化さ
れた、好ましくは75%超がフッ素化されたもののような部分的にフッ素化され
た添加剤も用いることができる。たとえば、ポリクロロトリフルオロエチレン類
、ポリテトラフルオロエキセタン類、または他の高度にフッ素化された化合物を
選択してもよい。
【0025】 熱硬化性ポリマー樹脂と配合されるフルオロカーボンまたは混合されたフルオ
ロカーボンの添加剤は、好ましくは、ポリマーのそれよりも著しく低い表面エネ
ルギーを有する。これが、成形加工工程中に、耐摩耗性製品の表面へのフルオロ
カーボンの移動をもたらす。一般的に、フルオロカーボンが、配合されるポリマ
ーの表面エネルギーよりも少なくとも5ダイン/cm低い表面エネルギーを有す
ることが好ましい。ポリマー材料に配合されてもよいフルオロカーボンの量は、
重量ベースにおいて約0.01%から1%未満まで、典型的には約0.1%から
1%未満までのバルク濃度の範囲内である。フルオロカーボン添加剤の有益な効
果は、呼称バルク濃度よりも表面における濃度が遥かに高いことにより、その範
囲の最下端において明白である。0.1%および1%のバルク添加レベルにおい
て、10nmの厚さの表面層におけるフルオロカーボンの濃度は、それぞれ約3
5%および約88%である。大抵の用途における望ましい性能のレベルを得るた
めに、本発明の成形品の多くにおいて少なくとも0.1%のフルオロカーボンを
用いることが好ましい。フルオロカーボン添加剤の最適量は、選択されるポリマ
ー、加工条件および目的とする用途により変化し、および通常の実験により容易
に決定される。
【0026】 フルオロカーボン添加時の表面濃度 ポリマー中のフルオロカーボン添加物の表面濃度と呼称バルク添加との間の関
係は、異なるレベルのパーフルオロアルキルポリエーテル油(Krytox(登録商標
))を配合された試験片「ポーカーチップ」に対してESCA分析方法を実施す
ることにより、前者を測定することによって確かめることができる。約5から1
0ナノメートル(nm)の厚さの表面層中の元素の原子濃度を定量的に分析する
この方法は、ガラス製スライドに対してKrytox(登録商標)油のフィルムを付着
させ、およびそのフィルムのフッ素のレベルを測定することにより較正される。
このフッ素の量約65%は、Krytox(登録商標)油に関して、100%被覆に相
当する。PVC「ポーカーチップ」の表面層内のフッ素レベルを測定することに
より、その表面層内のKrytox(登録商標)油のレベルが確認される。表1に与え
られたデータは、Krytox(登録商標)が0.1質量%から1.0質量%までの範
囲で変動する一連の試料に由来するものである。Krytox(登録商標)のレベルは
、明らかにサンプルのバルク中より表面層において遥かに高い。フルオロカーボ
ンの表面濃縮が起こる程度は、組成物の個別のポリマーおよびフルオロカーボン
成分、ならびにそれらを混合しおよび本発明の製品を成形加工することに用いら
れる手順に依存する。
【0027】
【表1】
【0028】 ポリマー樹脂フルオロカーボン組成物の配合 熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン組成物を含む耐摩耗性製品の製作の間の
ある点において、熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン組成物は液体として加工
されなければならない。フルオロカーボンは、完全にあるいは高い程度でポリマ
ーおよび他の成分と混和しない。充分な混合を提供して、ポリマー−フルオロカ
ーボン組成物全体にわたってフルオロカーボンを分散させなければならない。フ
ルオロカーボンは、その低い表面張力のために、加工装置の表面を濡らす。熱硬
化性ポリマー−フルオロカーボン組成物を液体状態から固体製品へと加工するこ
とは、本質的に非乱流の(すなわち良好には混合しない)場と、適当な急冷時間
とを含んで、フルオロカーボンが濃縮された表面層を発現させるべきである。対
照的に、液体状態が高度な乱流の(すなわち良好に混合する)場にあり、および
固体状態へと瞬間的に急冷される場合、相当に少ないフルオロカーボンの表面濃
縮しか起こらない。
【0029】 熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン組成物が、そのポリマー−フルオロカー
ボン組成物が液体として加工されているときに固体のままである他の添加剤を含
有する際に、フルオロカーボンの表面濃縮を最大限にするためには、これらの固
体成分は、フルオロカーボンの添加に先立って溶融ポリマーまたはフルオロカー
ボン以外の溶融組成物の成分によって濡らされなければならない。もしそうでな
ければ、非常に低い表面張力を有するフルオロカーボンがその固体添加剤の表面
を濡らして、ポリマー−フルオロカーボン相に関する減少されたフルオロカーボ
ンの表面濃縮をもたらすであろう。
【0030】 熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン組成物は、2つの異なるルートを経て作
成することができる。 1) その熱硬化特性に作用する同時または引き続く硬化(すなわち架橋)によ
り既に形成されたポリマーを伴う添加剤およびフルオロカーボンの溶融加工を伴
う。 2) モノマー、添加剤およびフルオロカーボンを接触させて、熱硬化性ポリマ
ーを直接形成することを伴う;熱硬化重合が起こる際に濃縮された表面層を形成
するために、そのフルオロカーボンは、反応剤と互いに接触する際に、それら反
応剤と良好に混合される必要がある。
【0031】 何れの場合においても、フルオロカーボンが重合または硬化反応を妨げること
は好ましくない。熱硬化性ポリマー−フルオロカーボンの溶融加工が起こる場合
においては、いくつかの可能な(しかし、網羅的ではない)加工方法は、 1) 溶融加工中に固体のままでいる成分を濡らすようにポリマー粉末、可塑剤
および他の添加剤を乾燥混合し、その乾燥配合物に対してフルオロカーボンを最
後に添加し、そして溶融混合装置に供給すること; 2) フルオロカーボンを除く全ての成分を乾燥配合し、溶融混合装置へ供給す
るのにこの乾燥配合物を用い、およびその溶融混合装置中へフルオロカーボンを
液体注入すること; 3) ポリマーとフルオロカーボンを除く添加剤を配合し、そして溶融混合装置
中へのフルオロカーボンの液体注入とともに、その配合されたポリマーを溶融混
合装置に供給すること である。
【0032】 溶融混合装置中へのフルオロカーボンの液体注入は、ポリマー−フルオロカー
ボン組成物に対するフルオロカーボンの添加することの好ましい方式である。熱
可塑性ポリマー−フルオロカーボン組成物を混合するのに用いることができる溶
融混合装置のいくつかの例は、連続混合機、押出機、混練機、および射出成形機
である。
【0033】 ポリマーが反応剤から直接的に形成される熱硬化性ポリマー−フルオロカーボ
ン組成物の場合には、フルオロカーボンは、それらが互いに接触する際に反応剤
と良好に混合される必要があり、そして熱硬化重合が起こる際に濃縮された表面
層を形成する必要がある。
【0034】 耐摩耗性製品の成形加工 熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン製品(前記フルオロカーボンの濃度が0
.01質量%から1質量%未満までのバルク濃度の範囲内である)を、多くの慣
用の成形加工方法により形成することができる。成形加工方法は、通常は費用効
果、たとえば局所的塗布、労務費、および/または現存する加工装置に適合させ
る必要性の排除によって決定される。
【0035】 次に、熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン製品を作成するために用いられる
成形加工方法は、その方法に対するポリマーおよびフルオロカーボン供給原料の
特質を決定する。たとえば圧縮成形のように成形加工方法がほとんどまたは全く
混合することを伴わない場合には、あらかじめ配合されたポリマー−フルオロカ
ーボン組成物が供給原料として最も役に立つであろう。しかし、成形加工方法が
充分な混合を伴う溶融混合装置を用いる場合には、プロセス供給物は後配合(pos
t-compounded)されるポリマー−フルオロカーボン組成物、フルオロカーボン液 体注入を伴うポリマー、またはポリマーとあらかじめ配合されたポリマー−フル
オロカーボン組成物との配合物であってもよい。
【0036】 熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン製品がポリマーフォームで構成されるな
らば、フルオロカーボンによる最大の外側表面濃縮は、フォーム発泡および凍結
工程の前にフルオロカーボンの表面濃縮が主として起こる場合に得られる。逆に
、発泡されたポリマー−フルオロカーボン組成物が、発泡された形態として溶融
されて加工される場合には、その低い表面張力により、フルオロカーボンは内部
のフォームセルの表面に濃縮され、製品の外側表面の濃縮を減少させる。
【0037】 熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン製品の成形加工方法のいくつかの例は、
押出、射出成形、射出吹込成形、押出吹込成形、カレンダー処理、引出し成形、
反応射出成形、および反応押出(reaction extrusion)を含むが、それらに限定さ
れるものではない。
【0038】 製品の表面に向かうフルオロカーボンの移動は、成形加工工程の間にも起こる
ので、フルオロカーボンの濃度は、呼称バルク濃度よりも表面において遥かに大
きくなる。表面近傍のフルオロカーボン添加剤の高濃度は、より低い摩擦、疎水
性、化学的不活性および非粘着性表面のようなフルオロカーボン様の表面特性を
生じさせる。これらの特性は、減少される摩耗、および雑音の減少のような性能
の改善をもたらす。成形加工の前あるいはその間にポリマーおよび他の添加剤と
フルオロカーボン成分を混合することに由来する重要な付加的利益は、後に付着
される表面被覆により得られるそれと比べて、性能のより長い寿命である。成形
加工されることができる熱硬化性ポリマー−フルオロカーボン製品形状のいくつ
かの例は、繊維、棒、管、フィルム、シート、プロファイルおよび複雑に成形さ
れる部品を含むが、それらに限定されるものではない。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成11年10月26日(1999.10.26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コシンスキー レオナルド エドワード レイモンド アメリカ合衆国 19317 ペンシルベニア 州 チャズ フォード ラザーフィールド レーン 3488 (72)発明者 ダッチ マイケル ウィリアム アメリカ合衆国 19711 デラウェア州 ニューアーク メイソン ドライブ 304 Fターム(参考) 4J002 AA021 BB151 BB231 BD142 BD152 CC001 CC131 CD011 CF001 CH002 CH022 CK021 CM041 CP031 EB066 FD202 FD206 GM00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性ポリマーと、前記ポリマーを基準として0.01質
    量%から1質量%未満までの範囲内の呼称バルク濃度を有するフルオロカーボン
    添加剤とを含む耐摩耗性製品であって、前記フルオロカーボンが前記ポリマーの
    それよりも低い表面エネルギーを有し、前記フルオロカーボンの濃度を特徴とす
    る耐摩耗性製品。
  2. 【請求項2】 前記フルオロカーボンは、前記呼称バルク濃度よりも前記製
    品の表面において高いことを特徴とする請求項1に記載の製品。
  3. 【請求項3】 前記フルオロカーボン添加剤は、前記ポリマーを基準として
    0.1質量%から1質量%未満までの範囲内の呼称バルク濃度を有し、前記製品
    の10ナノメートルの厚さを有する外側層における前記フルオロカーボンの濃度
    はそれぞれ35質量%から88質量%までの間であることを特徴とする請求項2
    に記載の製品。
  4. 【請求項4】 前記ポリマーは、ポリウレタン樹脂に由来することを特徴と
    する請求項3に記載の製品。
  5. 【請求項5】 ガスケットの形態にある請求項1、2、3または4に記載の
    製品。
  6. 【請求項6】 ブレードの形態にある請求項1、2、3または4に記載の製
    品。
  7. 【請求項7】 前記フルオロカーボン添加剤は、前記ポリマーの表面エネル
    ギーよりも少なくとも5ダイン/cm低い表面エネルギーを有することを特徴と
    する請求項3に記載の製品。
JP2000519017A 1997-10-31 1998-10-30 熱硬化性樹脂とフルオロカーボン添加剤とから作成される耐摩耗性製品 Pending JP2001521962A (ja)

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US60/063,895 1997-10-31
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