JP2001519815A - アレルゲン誘発性障害の治療におけるラクトフェリンの使用 - Google Patents

アレルゲン誘発性障害の治療におけるラクトフェリンの使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、例えば炎症性皮膚反応、喘息及び関節炎などの局所免疫反応を特徴とするアレルギー性障害を治療するための医薬組成物と方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 アレルゲン誘発性障害の治療におけるラクトフェリンの使用発明の分野 本発明は、アレルゲンに反応して起こる不適切な又は過度の免疫反応に関係す る例えば炎症性皮膚反応、喘息、関節炎などの障害を治療するための医薬組成物 と方法に関する。発明の背景 ラクトフェリン(LF)は、乳汁には高濃度で、また他の分泌物と体液にはより 低濃度で見出される80キロダルトン(kD)の鉄結合性糖タンパク質である。これ は、哺乳動物における鉄の結合と送達に関与するトランスフェリンと呼ばれる数 多くの鉄結合性タンパク質の一つである。Montreuil及びMullet,1960,C.R.Acad. Sci Paris 250:1736-1737;Montreuilら,1960,Biochem.Biophys.Acta 45:413-42 1;Johansson,1960,Acta Chem.Scand.14:510-512;Blanc及びIsliker,1961,Bull .Soc.Chim.Biol.43:929-943;Masson及びHeremans,1967,Protides Biol.Fluid s Proc.Colloq.21:115-124;Querinjennら,1971,Eur.J.Biochem.20:420-425;L egerら,1977,Biol.Anim.Biochem.Biophys.17:737−747。 ラクトフェリンはもともとは乳中に発見されたもので、初乳では7グラム/リッ トルのレベルに達しうる。しかしその後、涙、唾液、粘膜分泌物などといった他 の多くの体液と、多形核白血球の二次顆粒にも検出されている。Biserteら,1963 ,Exp.Ann.Biochim.Med.25:85-120;Masson,1970,La Lactoferrine(Arscia Bru xelles)の93-165頁。このように、主としてこのタンパク質は、局所的免疫防御 と中枢免疫防御の両方に関係する腺上皮細胞と好中球によって発現される。 ラクトフェリンは、その十分に確立された抗微生物活性ゆえに、宿主防御機構 に重要な役割を果たすことが示されている。ラクトフェリンの抗微生物作用は少 なくとも部分的には、ラクトフェリンの鉄結合性が微生物の成長に必要な鉄を封 鎖する結果だと思われる。 ラクトフェリンの産生は細菌細胞壁の成分であるリポ多糖類(LPS)によって 誘導されることが示されている。Guttebergら,1990,Scan.J.Clin.Lab.Invest 50 :421-427。ラクトフェリンが、抗微生物活性の他に、ナチュラルキラー細胞機能 を含む先天免疫及び適応免疫過程にも影響を及ぼし、炎症過程と補体活性化に参 加し、サイトカイン産生に影響を与えうるという証拠は増えつつある。Lashら,1 983,Blood 61:885-888;Manssonら,1990,Ann.Rheum.Dis.49:594-597;Van Snic kら,1974,J.Exp.Med.140:1068-1084。後者については、インビボとインビトロの 両方で、ラクトフェリンが、炎症、敗血症及び内毒素血症性ショックに重要な役 割に果たすサイトカインである腫瘍壊死因子α(TNF-α)の産生を全身的に損な いうることが証明されている(Beutlerら,1985,Science 229:869-871;Traceyら ,1987,Curr.Opinion Immunol.1:454-461;Waageら,1989,J.Exp.Med.169:333-3 38;Kunkelら,1989,Crit.Rev.Immunol.9:93-117)。 しかし過去の研究では、LPSによって誘発されるTNF-α産生の調節に注目が集 まっていた。Machnickiら,1993,Int.J.Exp.Path.74:433-439;Guttebergら,1990 ,APMIS 98:1027-1032;Guttebergら,1991,APMIS 99:602-608。ラクトフェリン はLPSに直接結合することが知られているので、観察されたTNF-αの減少がこの サイトカイン自体の転写調節又は転写後調節によるのか、LPSの利用可能性がラ クトフェリンによりこの内毒素の直接結合と不活性化ゆえに低くなるためである かは判然としなかった。Ellison及びGiehl,1991,J.Clin.Invest.88:1080-1091; Appelmelkら,1994,Infect.Immunity 62:2628-2632。ラクトフェリンのアレルゲ ン誘発性効果の実証は、過去になされていない。そのため、ここでは、均一な組 換えラクトフェリンが、TNF-α依存性の生物学的反応(TNF-α発現の刺激がLPS とは無関係であるもの)の誘発に影響を及ぼす能力を調べるための実験を行なっ た。 ラクトフェリンをコードするcDNAとそれを組換え生産する方法は、Conneelyら により米国特許第5,571,896号、第5,571,697号及び第5,571,691号に開示されて いる。融合産物としてのラクトフェリンの生産は米国出願第08/453,703号及び第 08/456,106号(共に1995年5月30日出願)と同第08/691,123号(1996年8月1日出 願)に開示されている。さらにまた、ヘパリン活性を調整又は中和するためのラ クトフェリンの使用は米国出願第08/391,986号(1995年2月21日出願)に開示され ている。また、ラクトフェリン突然変異体とその変異種は米国出願第08/866,544 号(1997年5月30日出願)に開示されている。上述した全ての特許及び特許出願 の開示は参照によりそのまま本明細書に組み込まれる。発明の概要 ラクトフェリンはアレルゲン依存性の炎症反応を抑制する。本発明は、ラクト フェリンが、内毒素(すなわち細菌細胞壁のリポ多糖類(LPS)成分)によって 誘発されないTNF-α依存性の反応を抑制しうることを証明する。ラクトフェリン は、アレルゲン性物質によって開始される局所免疫反応の結果である種々の炎症 性障害を治療するための活性化合物である。 本発明の一側面は、局所炎症反応を抑制する組成物を特色とする。本組成物は ラクトフェリンと製薬上許容できる担体とを含む。またこれらの組成物は、ラク トフェリンに代えて、又はラクトフェリンに加えて、局所的に誘発されたTNF-α 依存性炎症に対して所望の抑制活性を示すラクトフェリンの機能的類似体又は機 能的断片を含みうる。 もう一つの側面として、本発明は、局所免疫反応を特徴とする哺乳動物の疾患 を、ラクトフェリンと製薬上許容できる担体とを含む組成物の有効量を投与する ことによって治療する方法を提供する。本発明の治療法に有用な組成物は、ラク トフェリンに代えて、又はラクトフェリンに加えて、局所的に誘発されたTNF-α 依存性炎症反応に対して抑制活性を示すラクトフェリンの機能的類似体又は機能 的断片を含みうる。 本発明の組成物と方法は、局所免疫反応の結果である種々の適応症の治療に有 用である。そのような適応症には、接触アレルギー性皮膚炎、乾癬、紫外線誘発 性炎症、乳児おむつ皮膚炎、肺炎症性疾患、アクネなどの炎症性皮膚障害が含ま れる。 さらに、本発明の組成物と方法は、しわとり用化粧液の添加物として、そのよ うな化粧品の活性成分として最も頻繁に使用されるヒドロキシ酸の炎症性副作用 を排除するために使用できる。 最後にもう一つの側面として、本発明の組成物と方法は、炎症をもたらす局所 免疫反応が関係する他の適応症の治療に使用できる。そのような適応症には喘息 と関節炎があるが、これらに限らない。図面の簡単な説明 図1Aは、局所免疫反応と炎症をもたらす皮膚における細胞移動カスケードを図 示したものである。 図1Bは、皮膚における局所免疫反応を誘発する表皮のランゲルハンス細胞とケ ラチノサイトによって産生されるサイトカイン類の相互作用を図示したものであ る。 図2は、ラクトフェリンの、新生仔マウス皮膚中の原位置にあるTNF-α産生ケ ラチノサイト上のそのレセプターへの結合を表す図である。上側2つののパネル は標識ラクトフェリンのみを使用して得た明視野像と暗視野像を示す。下側2つ のパネルは、結合アッセイを過剰の非標識ラクトフェリンの存在下に行なった場 合の明視野像と暗視野像を示す。 図3Aは、ラクトフェリンの皮内投与が、オキサゾロンによって誘発される流入 領域(draining)リンパ節での樹状細胞の蓄積を抑制するが、TNF-αの注射によ って刺激されたものは抑制しないことを示している。 図3Bは、ラクトフェリンの皮内投与が、流入領域リンパ節におけるオキサゾロ ン誘発性及びIL-1β誘発性の樹状細胞の蓄積をどちらも抑制することを示してい る。 図4は、TNF-α誘発性及びIL-1β誘発性のランゲルハンス細胞移動に対するラ クトフェリンの影響を示している。 図5は、オキサゾロンによる処置が、0.02%BSAで前処置されたマウスの流入領 域リンパ節における樹状細胞の蓄積を誘発することを示す2つの独立した実験( パネルA及びB)の結果である(パネルA及びBの第二バーと対照である第一バーを 比較参照のこと)。マウスラクトフェリンの局所投与は、どちらの実験でも、オ キサゾロンに反応して起こるリンパ節での樹状細胞の蓄積の強い抑制をもたら した(パネルA及びBの第三バーを参照)。これらの結果は、ラクトフェリンの局 所投与が、アレルゲンに反応して起こるリンパ節での樹状細胞蓄積を抑制するの に極めて有効であり、それゆえアレルゲン誘発性の皮膚炎を抑制するのに極めて 有効であることを示している。発明の詳細な説明 ラクトフェリンによる腫瘍壊死因子α(TNF-α)産生の調節 本発明は、ラクトフェリンとその類似体及び誘導体(例えば短縮型分子、生物 学的に活性な断片、置換及び/又は欠失を持つ突然変異タンパク質など)が、内 毒素(LPS)非依存的経路によるTNF-αの産生を必要とする種々の反応を抑制で きるという驚くべき発見に基づいている。 炎症性障害は、例えば外因的及び内因的に生産された化学物質又はアレルゲン などの化学物質へのばく露によって引き起こされる局所免疫反応又は自己免疫反 応によって誘発される局所免疫反応の結果であることが多い。そのような炎症反 応は、表皮に局在する免疫「ランゲルハンス」細胞による抗原の捕捉によって引 き起こされる。抗原がいったん捕捉されると、ランゲルハンス細胞は成熟又は分 化過程を受けて、表皮から解離し、成熟樹状細胞(DC)として皮膚の真皮を通っ てリンパ系に移動することが可能になる。次にそれらはリンパ系によって流入領 域リンパ節に運ばれ、そこでその細胞表面に加工された抗原をTリンパ球に向け て提示しうる。Kimber及びCumberbatch,1992,Toxicol.Appl.Pharmacol.117:13 7-146。図1A参照。活性化されたT細胞は、炎症性白血球細胞による皮膚の侵襲を もたらして局所炎症反応を引き起こす複雑な免疫反応を誘発する反応を示しうる 。 このように皮膚免疫などの局所免疫反応には、 (1)ランゲルハンス細胞成熟による抗原の認識と捕捉及び樹状細胞のリンパ節 への移動、 (2)抗原提示樹状細胞によるリンパ節におけるT細胞の活性化、及び (3)それに続く、皮膚への炎症性白血球動員の刺激、 が必要である。 これらの過程のそれぞれは、関与する免疫細胞の機能を調節するように働く1 又は複数のサイトカインに依存する。 皮膚炎症反応カスケードなどの炎症反応を開始するサイトカイン類は、表皮の ケラチノサイトとランゲルハンス細胞の両方によって産生される。ランゲルハン ス細胞は、図1Bから明らかなようにケラチノサイト細胞に密接に近接して、表皮 に局在する。 化学的アレルゲンによるランゲルハンス細胞移動の誘発と、それに続く流入領 域リンパ節における樹状細胞の蓄積は、TNF-α(皮膚感作又は他の形態の皮膚外 傷に反応してケラチノサイトにより表皮で産生されるサイトカイン)の局所的利 用可能性に依存する。Cumberbatch及びKimber,1992,Immunology 75:257-263;Cu mberbatchら,1994,Immunology 81:395-401;Cumberbatch及びKimber,1995,Immun ology 84:31-35。中和性抗TNF-α抗体の全身投与は、オキサゾロンなどの化学物 質によって誘発されるランゲルハンス細胞移動と樹状細胞蓄積の刺激をほとんど 完全に阻害する。Cumberbatch及びKimber,1995(前掲)。均一な組換えTNF-αの 皮内投与は、それだけで皮膚からのランゲルハンス細胞の移動を誘発し、流入領 域リンパ節内に見出される樹状細胞の数の増加を引き起こすのに十分である。Cu mberbatch及びKimber,1992(前掲);Cumberbatchら,1994(前掲)。 ラクトフェリンとその機能的類似体及び機能的断片の皮内投与は、図3Aと実施 例2及び3に示すように、オキサゾロンによって誘発される流入領域リンパ節での 樹状細胞の蓄積を抑制するが、TNF-αの注射によって刺激されたものは抑制しな い。これらのデータは、皮膚感作に続いて刺激されることが知られているケラチ ノサイトによるTNF-αの産生のラクトフェリンによる負の調節と合致する。 ランゲルハンス細胞移動と樹状細胞蓄積の刺激が、もう一つの表皮サイトカイ ンであるインターロイキン1β(IL-1β)の局所的利用可能性にも依存すること は、既に立証されている。Enkら,1993,J.Immunol.150:3698-3704。このサイトカ インはネズミ表皮でランゲルハンス細胞により構成的に少量産生され、その発現 は皮膚感作の結果としてさらにアップレギュレートされる。Enk及びKatz,1992,P roc.Natl.Acad.Sci.89:1398;Enk及びKatz,1992,J. Invest.Dermatol.99:S39-S41。中和性抗IL-1β抗体の全身投与は、ランゲルハン ス細胞移動と樹状細胞蓄積を抑制する。Enkら,1993(前掲)。 したがって効果的なランゲルハンス細胞移動がIL-1βの利用可能性とケラチノ サイトによるTNF-αのデノボ合成に依存することは明らかである。このことは、 IL-1βのみの皮内投与でランゲルハンス細胞移動が誘発されることを示す先の研 究によってさらに裏付けられる。図3Bと実施例2及び3を参照されたい。 ラクトフェリンは流入領域リンパ節におけるオキサゾロン誘発性の樹状細胞蓄 積とIL-1β誘発性の樹状細胞蓄積の両方を抑制する。このようにラクトフェリン はIL-1β誘発性の樹状細胞蓄積を損なうが、TNF-αによって誘発されたものは損 なわない(図3A参照)。これは、ラクトフェリンの抑制効果が、局所免疫反応を 誘発するサイトカインカスケードにおいてIL-1βの下流にあり、かつTNF-αの上 流にあることを示している。 さらに、ラクトフェリンがケラチノサイト上のレセプターに結合することも、 ここに証明され、これはケラチノサイトへのラクトフェリンの結合がTNF-αの産 生を妨害することを示している。具体的に述べると、図2は、新生仔マウス皮膚 上の原位置にあるTNF-α産生ケラチノサイト上のレセプターへのラクトフェリン の結合を示している。ラクトフェリンの結合は表皮層と汗腺に集中しているが、 通常の表皮細胞には見られない。 ここに開示する実験結果は、ランゲルハンス細胞移動と樹状細胞蓄積に対する ラクトフェリンの抑制効果が、ランゲルハンス細胞機能の他の側面に対する影響 によるのではなくて、TNF-α産生の負の調節によるものであることを示している 。このようにラクトフェリンは、ケラチノサイト上のレセプターに結合すること により、TNF-αのデノボ合成を抑制できる。 2葉構造の発達がラクトフェリンに特有の鉄結合性を付与し、この分子の他の 生物学的機能の一因になっている。これらのドメインの同定に基づいて、このタ ンパク質の鉄結合性に貢献するラクトフェリンポリペプチド中の配列と構造が、 米国出願第08/866,544号(1997年5月30日出願)に記述されている(この出願の 開示は参照により本明細書に組み込まれる)。この出願は改変された鉄結合能を 持つ新規ラクトフェリン変異種またはその一部分の設計と作成に指針を与える。 通例、ラクトフェリン変異種は、抗微生物活性が改善されるように鉄に対する親 和性が高くなっているラクトフェリン変異種、鉄に対する親和性が低く鉄放出性 が改善されているラクトフェリン変異種、又は鉄の結合及び/又は放出に関して 変化したpH又は温度条件若しくは範囲を持つラクトフェリン変異種など(ただし これらに限らない)、改善された特性を持つ。また、本発明の方法で有用なラク トフェリン変異種は、通例、IL-1βが示すようなインターロイキン活性の阻害性 が強化されている。また本発明では、その生物学的活性を保ったまま、例えば治 療上の許容度、免疫反応性又は生物学的半減期などといった他の特徴が改善され ているラクトフェリン変異種の設計も可能である。 本発明のラクトフェリン変異種は、例えばヒト、マウス、ラット、ウシ及びブ タのラクトフェリン(ただしこれらに限らない)を含む様々な動物種の野生型ラ クトフェリンから誘導されうる。野生型ラクトフェリンは当技術分野で広く知ら れている様々な方法によって突然変異させうる。なかんずくSambrookら,1990,Mo lecular Cloning;A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory Press ,ニューヨーク;Kunkelら,1987,Meth.Enzymol.154:367-382;Kunnkel,1985,Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488-42を参照されたい。 好ましい態様として、本発明のラクトフェリン変異種はそのアミノ酸配列に少 なくとも一つの突然変異を含む。もう一つの好ましい態様として、本発明のラク トフェリン変異種は短縮されたアミノ酸配列を含む。 本発明のラクトフェリンとその変異種をコードする核酸配列は、真核細胞での 発現に適したベクターに、そのラクトフェリン変異種の発現が可能なように挿入 することができる。あるいは、本発明のラクトフェリン変異種の一部分をコード する核酸配列を、真核細胞でのそれらの発現を可能にするベクターに挿入しても よい。 もう一つの好ましい態様として、ラクトフェリンは、組換え発現系で生産され る。例えばWardら,1992,Biotechnology 10:784-789;Wardら,1995,Biotechnolog y 13:498-502を参照されたい。そのためには、所望の形のラクトフェリンをコー ドする核酸(例えば参照によりそのまま本明細書に組み込まれる米国特許第5,57 1,691号を参照されたい)を細胞宿主に発現しうるように 組み込み、それをそのペプチド又はタンパク質の発現に適した条件で培養する。 様々な遺伝子発現系がこの目的に適応させられており、それらは通例、選択した 宿主によって本来使用されている発現制御配列から所望の遺伝子を発現させる。 本発明のラクトフェリン変異種は、天然のラクトフェリンと同様に、通例、数 個のアミノ酸残基での糖鎖付加などといった翻訳後修飾を必要とするので、ラク トフェリン変異種又はその部分の多くは、真核宿主中で生産される必要がある。 好ましい態様として、本ラクトフェリン製品は、Wardら,1992,Gene 122:219-223 と米国特許第5,571,896号及び第5,571,697号(これらの開示は参照によりそのま ま本明細書に組み込まれる)に記述されているようなアスペルギルス(Aspergil lus)発現系で生産される。 しかし非グリコシル化型のラクトフェリン変異種又はその部分を製造する場合 は、それらの生産を大腸菌などの細菌宿主で行なうと好都合だろう。そのような 生産には、選択したラクトフェリン変異種又はその部分をコードする核酸を、大 腸菌の例えばlac、trp又はPL遺伝子などの発現制御下に置くと便利だろう。 ラクトフェリン変異体とその部分そのものをコードする核酸の発現に代わる方 法として、発現産物の単離を容易にしその安定性を促進する担体タンパク質にラ クトフェリン製品が放出しうるように連結されている融合タンパク質としてラク トフェリン製品を発現させるように、宿主を適合させることもできる。 更なる選択肢として、ラクトフェリン変異種又はその部分は有機合成によって 生成させうる。特に、ラクトフェリン変異種の部分(例えば約20アミノ酸長〜約 50アミノ酸長のペプチド)が目的である場合は、十分に確立された自動ペプチド 合成技術が使用され、その一般的説明は、例えばJ.M.Stewart及びJ.D.Young,Sol id Phase Pepetide Synthesis,第2版,1984,Pierce Chemical Company社(イリノ イ州ロツクフォード)、M.Bodanszky及びA.Bodanszky,The Practice of Peptide Synthesis,1984,Springer-Verlag社(ニューヨーク)、Applied Biosystems 4 30Aユーザーズマニュアル,1987,ABI社(カリフォルニア州フォスターシティー) 、Solid Phase Peptide Syntehsis‐A Practical Approach,E.Atherton及びR.C. Sheppard,IRL Press(オクスフォード)(1989)などに見られる。これらの技 術では、ラクトフェリン変異種部分をそのC末端樹 脂結合残基から、Fmox法かtBox法を使用して、適当に保護されたアミノ酸の逐次 付加によって成長させる。 ラクトフェリンを含有する医薬組成物 ラクトフェリンとラクトフェリン製品.「ラクトフェリン」という用語は、ここ では、天然に生産された形又は組換え的に生産された形のラクトフェリン(具体 的には特に指定しないう限り哺乳類型)を集合的に指す。本明細書で使用する「 ラクトフェリン製品」という用語は、本発明の実施に役立ちうるラクトフェリン とその機能的類似体及び機能的断片を集合的に指す。具体的に述べると、この用 語は、例えば短縮型ラクトフェリンと、1又は複数のアミノ酸が置換もしくは欠 失されているラクトフェリンとを包含する。ラクトフェリンの「機能的類似体及 び機能的断片」とは、それぞれ、細胞内でTNF-αの産生を抑制する能力を持つラ クトフェリン突然変異体と誘導体及びラクトフェリン由来ペプチドを指す。一般 に、本発明によって包含されるラクトフェリン、その機能的類似体及び機能的断 片は、TNF-αの産生を伴う不適切な又は過度の局所免疫反応を抑制できる。 ラクトフェリン類似体又はラクトフェリン由来ペプチドは、例えば本明細書の 実施例2に記述するマウスモデルにより、機能的類似体又は機能的断片を同定す るために試験できる。Cumberbatch及びKimber,1992,Immunology 75:257-263も参 照されたい。簡単に述べると、この試験ではアレルゲン(例えばオキサゾロン) を剃毛したマウスの皮膚に適用することによって局所免疫反応を誘発する。1時 間後に、マウスのオキサゾロン処置部位に、食塩水中約0.002%〜約0.5%の試験し ようとするラクトフェリン類似体又は断片を皮内注射する。第二及び第三の動物 群には、それぞれラクトフェリンとBSAを同じ濃度範囲及び同じ緩衝液で注射す る。約12時間後に、それらの動物を屠殺し、流入領域リンパ節を回収することが できる。蓄積した樹状細胞の数(これはCumberbatch及びKimber(前掲)に記述 されているように決定できる)を比較すると、ラクトフェリン類似体又は断片の 効力と、本発明の組成物と方法にとってのその有用性が明らかになるだろう。 一般に、ラクトフェリンの置換、付加又は欠失であって、不適切な又は過度の 免疫反応の一部としてのTNF-αの産生に対するそのレセプター媒介性抑制効果を 破壊しないものは、いずれも本発明で有効に使用できる。当業者ははなはだしい 実験を行なわなくてもそのような置換、付加及び欠失を作成できる。好ましい態 様として、機能的ラクトフェリン類似体又は機能的断片は、実質上、天然ヒトラ クトフェリンと同等に有効である。最も好ましい態様として、機能的ラクトフェ リン類似体又は機能的断片は、天然ヒトラクトフェリンと比較して強化されたTN F-αダウンレギュレート活性を持つ。例えばそのような機能的類似体又は機能的 断片は、増進した血清安定性、増進した受容体結合性、及び増進したシグナル伝 達活性を示しうる。本発明で有効に使用できるラクトフェリン、機能的ラクトフ ェリン類似体及び機能的断片に対する他の修飾は、炎症部位にとってその分子を より容易に生物学的に利用できるようにするものである。例えば、ラクトフェリ ン製品が局所的に投与される場合は、機能的ラクトフェリン類似体又は機能的断 片が向上した経皮吸収性を示しうる。 本発明の特定のラクトフェリン製品は、よく知られている様々なタンパク質製 品製造技術によって製造できる。天然に存在する形のラクトフェリンは、当然、 タンパク質単離技術を適当に組み合せて使用することにより、天然の供給源(例 えば哺乳類(最も好ましくはヒト)の乳)からの抽出によって得ることができる 。例えばCheronら,1977,C.R.Acd.Sci.Paris 284:585-588に記述されているよう に、ラクトフェリン単離はセファデックスG-25、G-50、G-75及びG-100による連 続的な抽出と精製によって達成される。 抽出に代わる方法として、L-アミノ酸だけを組み込んだ形のラクトフェリンは 、組換えDNA技術の応用により、再現性よく商業的規模で生産できる。例えばWar dら,1992,Biotechnology 10:784-789;Wardら,1995,Biotechnology 13:498-503 を参照されたい。この目的のためには、所望の形のラクトフェリンをコードする 核酸(例えば参照により本明細書にそのまま組み込まれる米国特許第5,571,691 号を参照されたい)を細胞宿主に発現しうるように組み込んで、それをそのペプ チド又はタンパク質の発現に適した条件で培養することができる。様々な遺伝子 発現系がこの目的に適応させられており、それらは通例、選択した宿主によって 本来使用される発現制御配列から所望の遺伝子を発現させる。 天然型のラクトフェリンは数個のアミノ酸部位での糖鎖付加などといった翻訳 後修飾を必要とするので、本発明のラクトフェリン、その機能的類似体又は機能 的断片の多くは真核宿主中で生産される必要がある。好ましい態様として、本ラ クトフェリン製品は、Wardら,1992,Gene 122:219-223と米国特許第5,571,896号 及び第5,571,697号(これらの開示は参照によりそのまま本明細書に組み込まれ る)に記述されているようなアスペルギルス(Aspergillus)発現系によって生 産されうる。 しかし非グリコシル化型のラクトフェリン、機能的類似体又は機能的断片を使 用する場合は、それらの生産を大腸菌などの細菌宿主で行なうと好都合だろう。 そのような生産を行なうには、選択したラクトフェリン、その機能的類似体又は 機能的断片をコードする核酸を、大腸菌の例えばlac、trp又はPL遺伝子などの発 現制御下に置くことができる。 ラクトフェリン、その機能的類似体又は機能的断片そのものをコードする核酸 の発現に代わる方法として、発現産物の単離を容易にしその安定性を促進する担 体タンパク質にラクトフェリン製品が放出しうるように連結されている融合タン パク質としてラクトフェリン製品を発現させるように、宿主を適合させることも できる。 更なる選択肢として、ラクトフェリン製品は有機合成によって生成させうる。 特に、そのラクトフェリン製品が機能的断片(例えば約20アミノ酸長〜約50アミ ノ酸長のペプチド)である場合は、十分に確立された自動ペプチド合成技術が使 用される。典型的ペプチド合成の一般的説明は、例えばJ.M.Stewart及びJ.D.You ng,Solid Phase Pepetide Synthesis,第2版,1984,Pierce Chemical Company社( イリノイ州ロックフォード)、M.Bodanszky及びA.Bodanszky,The Practice of P eptide Synthesis,1984,Springer-Verlag社(ニューヨーク)、Applied Biosys tems 430Aユーザーズマニュアル,1987,ABI社(カリフォルニア州フォスターシテ ィー)、Solid Phase Peptide Syntehsis‐A Practical Approach,E.Atherton及 びR.C.Sheppard,IRLPress(オクスフォード)(1989)などに見られる。これらの 技術では、ラクトフェリン断片をそのC末端樹脂結合残基から、Fmoc法かtBoc法 を使用して、適当に保護されたアミノ酸の逐次付加によって成長させうる。 代替法として、本発明の方法と組成物に有用な機能的ラクトフェリン断片は、 精製したラクトフェリン又はラクトフェリン製品のペプチダーゼ消化又は加水分 解によって得ることもできる。もちろん、上述のような適当な宿主での組換え発 現によって、ラクトフェリン断片を生産することもできる。本発明は、例えばメ チル化、カルボキシル化などといった化学的に修飾されたラクトフェリン製品の 使用も包含する。 医薬製剤および投与ルート 治療上の使用において、本発明によるラクトフェリン製品は、薬剤と共に用い ることが可能な従来の方法により、単独の治療薬、あるいは併用の治療薬のいず れでも投与することができる。各々を単独で投与することもできるが、一般には 、選択した投与ルートおよび標準的な製薬上の業務経験に基づいて選択された製 薬上の担体とともに投与される。本発明の医薬組成物は経口投与、非経口投与、 局所的投与または直腸投与、あるいは吸入剤として用いてもよく、さらに、製薬 技術における当業者に公知の方法により剤形単位としてもよい。非経口投与は、 皮下内、静脈内、腹腔内あるいは筋肉内への注射剤を含むが、これに制限される ものではない。 有効成分を用いた治療は、例えば、診断された乾癬、接触皮膚炎、紫外線誘導 による炎症、乳児のおむつかぶれ、ぜん息、関節炎等の治療についての指示の後 、任意の時に開始することができる。治療は予防として、また、疾病の初期段階 では最初の箇所における重い炎症を防ぐために開始されるのが好ましい。一般的 に、炎症が治るまで治療は継続する。乾癬、ぜん息あるいは関節炎のような慢性 病の場合に、あるいはアレルゲンに対し継続してさらされている状態の場合には 、症状の治癒を過ぎても治療を延長しなければならないこともある。ラクトフェ リンが天然発生の非毒素蛋白なので、長期間の治療の場合であっても副作用の心 配はない。 もちろん、投与量は、(1)特定のラクトフェリン生成物およびその形態の薬 力学特性および投与ルート、(2)受容者の年齢、健康、身長さおよび重量、(3 )症状の性質および範囲、(4)併用療法の種類、(5)治療の頻度、および (6)所望の効果、のような既知の要因に依存して変更する。有効成分の1日当た りの投与量は、体重1kg当たり約1mgから約1.2gと推算できる。さらに好ましい 投与量は、体重1kg当たり50mgから約500mgである。有効成分を皮膚に対して局所 的に投与するか吸入薬として投与する場合には、有効成分は担体と混合して一般 に0.005%から約5%で用い、そのうち、約0.05%から約0.5%が好ましい。 剤形(投与に適した組成物)は、1単位当たり約0.005%から約0.5%の有効成 分を含有している。これらの医薬組成物では、通常、有効成分は組成物の全重量 に基づいた重量で約0.5〜95%の量を示している。 一般的に、吸入剤として、あるいは炎症を起こした関節あるいは軟骨中への注 射剤として有効成分を局所的に投与する。しかしながら、代わりに、ハードゼラ チンカプセルまたはソフトゼラチンカプセル、タブレットまたは粉末のような固 形または半固体の剤形、あるいはエリキシル、シロップ剤または懸濁液のような 液体剤形で、ラクトフェリン生成物を経口投与してもよい。さらに殺菌した液状 の剤形で、非経口的に投与することができる。他の剤形としては、パッチ、軟膏 剤または経皮投与が可能である。 また、本発明のラクトフェリン生成物は、ラクトフェリン生成物の長時間にわ たる持続性のある投与を目的として、遅効性注入手段としての製剤化を行なって もよい。そのような徐放性の剤形の例としては、乳酸の重合体、乳酸とグリコー ル酸の共重合体、メチルセルロース、ヒアルロン酸、コラーゲン等の生物学的適 合性ポリマーの混合物が含まれる。薬剤放出賦形剤における分解性高分子の構造 、選択および利用は、A.Dombら、Polymers for Advanced Technologies 3:279− 292(1992)を含むいくつかの出版物に報告されている。医薬剤形でのポリマー の選択および利用についての追加ガイダンスは、M.Chasm及びR.Langer(eds.)," Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems,"Vol.45 of"Drugs and the Pharmaceutical Sciences,"M.Dekker,New York,1990の本文を参照することが できる。さらにリポソームを使用することでラクトフェリン製品に徐放性を提供 してもよい。関心のある薬剤のリポソーム剤形を作り使用する方法についての詳 細は、他の文献中にも確認することができる。米国特許第4,944,948:米国特許 第5,008,050:米国特許第4,921,706:米国特許第 4,927,637:米国特許第4,452,747:米国特許第4,016,100:米国特許第4,311,712 :米国特許第4,370,349:米国特許第4,372,949:米国特許第4,529,561:米国特 許第5,009,956:米国特許第4,725,442:米国特許第4,737,323:米国特許第4,920 ,016。局所濃度の高いラクトフェリン製品を提供することが望まれる場合に、徐 放性剤形は特に重要である。 ゼラチンカプセルあるいは液体充填ソフトゼラチンカプセルは、有効成分、お よびラクトース、レシチンスターチ、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシ ウム、ステアリン酸等の粉末状または液状の担体を含有することができる。圧縮 錠剤を作るためには、類似の賦形剤を使用することができる。徐放性生成物とし てタブレットおよびカプセルの両方を製造することができ、数時間にわたって薬 物が継続的に放出される。不快な風味を隠し、かつ大気からタブレットを保護す るため、圧縮錠剤に砂糖コーティング、またはフイルムコーティングをすること ができる。また、胃腸管で選択的に崩壊させるための腸溶性のコーティングを実 施することができる。経口投与用の液状の剤形には、患者に受け入れてもらいや すくするため、着色料および(または)香味料を含有することができる。さらに 、適切な医薬担体は、この分野における標準的参考書であるReminglon's Pharma ceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA(1990) に記載されており、その全体を引用文献として本明細書に援用する。 好ましい態様においては、ラクトフェリン製品からなる医薬組成物をアレルギ ー性の皮膚病の治療のために局所的に投与することができるが、ぜん息のような 肺の炎症性疾病治療用の吸入剤としては、鼻炎と副鼻腔炎用の鼻内噴霧、あるい は関節炎の治療では注射剤の形態として投与することができる。また、ラクトフ ェリン製品の組成物は、ハイドロコーチゾン、レチン酸あるいは現在、局所的な 治療に使用されている従来の補助剤を含むがこれに限定されるものではない付加 的な活性成分からなっていてもよい。本発明のラクトフェリン製品の好ましい投 与用医薬剤形を以下に説明することができる。 局所的製剤 炎症性皮膚病の治療が望まれる場合、投与の好ましいルートは一般的には局所 的である。ラクトフェリンは、例えば汗腺によって分泌されるので(Massouら,1 966,Clin.Chem.Axta 14:735−739)、局所的に投与された場合、ラクトフェリ ン製品は皮膚の毛穴を通じて入っていくと一般には予想される。さらに、その作 用部位への有効成分の有用性は、炎症が皮膚表面の崩壊によって一般に生じる現 象を緩和するであろう。あるいは、皮膚を通して浸透を増強する物質を製剤に加 えてもよい。 通常、局所的投与においては、ラクトフェリン製品は当業者に公知の方法によ って、薬学的に許容し得る形態である溶液、ゲル、ローション、軟膏剤、クリー ム、懸濁液、泥膏、塗布剤、粉末、チンキ剤、エアロゾル、経皮的なドラッグデ リバリーシステムなどとして製剤化することができる。実際の局所的な剤形の調 製方法は、当業者においては公知であり明白であるが、Remington's Pharmaceut ical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA(1990):and P harmaceitocal Dosage Forms and Drug Delivery Systems,6th ed.,Williams & Wilkins(1995)に詳細に記述されている。 有効成分の経皮吸収を増強するために、局所的な製剤に、ジメチルスルホキシ ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、界面活性剤、アゾン、エチ ルアルコール、アセトン、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール を含むがこれらに制限されることはない多数の溶剤を加えてもよい。その上に、 経皮的浸透を増強するため、イオン浸透療法またはソノフォレシス(sonophores is)のような物理的方法を使用してもよい。 皮膚に医薬組成物を直接適用してもよい。あるいは、絆創膏のような様々な経 皮的ドラッグデリバリーシステムによって投与することもできる。 吸入剤用製剤 特に、ぜん息と気管支炎のような肺性の炎症性疾病の治療においては、通常、 ラクトフェリン製品からなる組成物を吸入剤として投与する。 一般に、従来の吸入器を使用して、ラクトフェリン製品を投与することができ る。ラクトフェリン製品は単独で投与してもよく、あるいは、次の含有するが制 限されない他の吸入剤エアロゾルとともに同時投与してもよい。例えばベータア ドレナリン作動性のアゴニスト、アルブテロール吸入剤エアロゾル、salmeterol xinafoate吸入薬エアロゾル、硫酸テルブタリン吸入薬エアロゾル;副腎皮質ス テロイド、例えば、ベクロメタゾンジプロプリオネート(diproprionate)吸入 剤エアロゾル;抗ぜん息薬、抗アレルギー性物質、マスト細胞安定剤、例えば、 クロモリンナトリウム吸入剤エアロゾル;消炎エアロゾル、例えば、トリアムシ ノロンアセトニド局所的エアロゾル;抗コリン作用薬、例えば、イプラトロピウ ムブロマイド吸入剤エアロゾル、または交感神経様作用薬、例えば、イソエタリ ン・メシレート吸入剤エアロゾル、および硫酸メタプロテレノール吸入剤エアロ ゾル。さらなる文献としては、AnselらによるPhasrmaceutical Dosage Forms an d Drug Delivery Systems,Williams & Wilkins,PA(1995)に、これらに関する 補足的な教示が記載されている。 スプレー用製剤 特に、鼻炎、副鼻腔炎および日焼けの治療においては、ラクトフェリン製品か らなる組成物を一般的にスプレーとして投与する。 通常、商業上使用可能な従来のスプレー装置を用いてラクトフェリン製品を投 与することができる。ラクトフェリン製品は単独で投与してもよく、あるいは、 抗ヒスタミン薬、交感神経様作動薬および抗生物質を含有するがこれに制限され ない他の物質とともに同時投与してもよい。さらに、塩化ナトリウム鼻腔溶液( Salinex solution(Muro))あるいは塩酸キシロメタゾリン鼻腔溶液(Sine-Off (SmithKline Beecham))のような含薬性スプレーあるいは機能的に類似のスプ レーでラクトフェリン製品を投与してもよい。さらなる文献については、前述の Pharmaceutical Dosage Forms and DrugDelivery Systemsにおいて、これらに関 する補足的な教示が提供されている。 注射用製剤 特に関節炎と蜂巣炎の治療においては、ラクトフェリン製品からなる組成物を 、例えば、病気である関節または軟骨への局所的あるいは全身的注射剤のような 注射剤によって投与することができる。 一般に、水、オイル、食塩水、水性のデキストロース(グルコース)、ポリソ ルベートおよび同類の砂糖溶液およびプロピレングリコールまたはポリエチレン グリコールのようなグリコールが注射液の担体として適している。非経口投与用 の溶液あるいはエマルジョンは、好ましくは、約5〜15%のポリソルベート80ま たはレシチン、適切な安定化剤を含んでおり、必要に応じて緩衝物質を含む。単 独であるいは他と組み合わせた、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムある いはアスコルビン酸、しかしこれに制限されなるものではない抗酸化作用剤が適 切な安定化剤である。さらに、クエン酸およびその塩並びにEDTAナトリウムが使 用される。その上、注射液には、塩化ベンザルコニウム、メチルパラベンまたは プロピルパラベン、およびクロロブタノールを含むがこれに制限されない防腐剤 を含有することができる。 前述のRemington's pharmaceutical Sciencesに、非経口投与に対する適切な 製薬上の担体が記述されている。 適用 上記で検討したように、TNF-αは様々な急性かつ慢性の炎症性の疾病経過の病 原論および(または)進行において重要な役割を果たしている。そのため、治療 上使用され得るかもしれないTNF-α生産物合成阻害剤の開発にかなりの興味がも たれてきた。本明細書に記載した証明は、ラクトフェリン製品がTNF-α生産物を 制御する手段を提供することを示している。これらのデータに基づくラクトフェ リンの潜能的な治療への適用は多岐にわたり、これには、特にヒトを含む哺乳動 物における以下に検討した炎症性疾病の治療の含んでいるが、これに制限される ものではない。 接触性皮膚炎 接触皮膚炎は、環境中の物質にさらされている状態によって引き起こされる湿 疹性の皮膚炎である。それらの物質は刺激原またはアレルゲンであり、その多く が急性、亜急性または慢性の湿疹性炎症を引き起こす。刺激性の接触性皮膚炎、 すなわち皮膚の炎症は、接触性皮膚炎の最も一般的な形状である。露出が連続的 である場合、刺激性の少ない刺激原は、乾燥、ひび割れ、および紅斑を引き起こ すかもしれない。例えば、手、おむつをあてる箇所、例えば乳児のおむつかぶれ 、あるいは人工肛門形成術のまわりの皮膚のような領域における水分に連続的に 露出された場合はやがて湿疹性の炎症を引き起こすかもしれない。強い化学薬品 は即時に反応を生じる可能性がある。T.P.Hahif.in:ClincalDermatology,Mos by,Missoun(1996)、また、The Textbook of Medicine,編集:J.B.Wyngaarden 及びL.H.Smith.W.,W.B.Saundres Company,Philadelphia(1985)を参照。 刺激性の接触性皮膚炎とは対照的に、アレルギー性の接触性皮膚炎は、特にそ の個体の抗原性活性を示す物質に対する一度のあるいは数回の露出の後に、個体 の極限数値に影響する遅延型過敏症反応である。 すでに説明したように、刺激原およびアレルギー性接触性皮膚炎は、ともにケ ラチノサイト細胞におけるTNP-αのデノボ発現を含む局所的な免疫性カスケード によって起きると考えられる。 現在の治療方法およびその欠点 現在、急性の接触性皮膚炎は、例えば、非常に低濃度で強力な抗炎症剤である ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、および症状がひど い場合には、フッ化コルチコステロイドなどのステロイド類の投与とともに寒冷 湿潤の包帯で処置する。フッ化ステロイド類、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロ ンおよびメチルプレドニゾロンよりも効力が弱いものは、症状が軽い場合に使用 する。炎症の重症度に応じて、ステロイドを局所的にあるいは全身的に適用する 。 しかしながら、ステロイド類、特に強力なフッ素化ステロイド類に多くの副作 用が報告されている。例えば、表皮性および真皮性の萎縮症は明らかに副作用で あり、コラーゲン合成を減少し、また、血管に対するストローマ支持の減少は、 毛細血管拡張症、紫斑病および線条を引き起こすかもしれない。さらに、顔面の 紅斑の悪化、並びにも口周囲の皮膚炎がフッ化ステロイド類の利用によって報告 されているので、顔面へのこれらの化合物の長期にわたる使用が絶対的に制限さ れている。さらに、眼圧内の上昇が考えられるので、目の付近へ局所的ステロイ ド類を長期にわたって適用することに対しては、断固たる禁止がなされなければ ならない。 局所的ステロイド類の全身的吸収性の実際は付加的な障害を示す。閉塞下にお いて、全身の20パーセントほどで血漿コルチゾールレベルの低下が見られる。そ れらの現象によって特徴づけられる皮膚病において、ステロイド類を中止した後 のリバウンドの危険性を見落とすことはできない。 全般的に、接触性皮膚炎に対する低毒性の治療方法が必要であることは明白で ある。 本発明による改善された治療方法の提供 本発明は、接触性皮膚炎の治療用のラクトフェリン製品からなる新規な製剤組 成物を提供する。好ましい態様では、本組成物は局所的適用に対し調製されるも のである。約0.005%から約5%の活性物質濃度で、特に好ましい態様では約0.01 %から約0.5%の活性物質濃度で、ラクトフェリン製品をローション、クリーム 、軟膏剤等の剤形で投与することができる。一般的に、この組成物は局所投与に 用いられている従来の補助剤からなる。これは前述を参照のこと。代わりの態様 としては、この組成物は皮内注射用として製剤化される。本発明の組成物は、ケ ラチノサイト細胞によるTNF−αの生産物を直接的に妨げる。それにより、刺 激性並びにアレルギー性接触性皮膚炎の根本的な原因でもある悪化した局所的な 免疫学的応答が防止される。ラクトフェリンが非毒素蛋白であることが知られて いるので、提供されるこの組成物には副作用は検出されない。 乾癬 乾癬は、繰り返される再発および軽快をこうむる慢性の炎症性皮膚病であり、 世界人口の1〜3パーセントが罹っている疾病である。アメリカでは、100万人を 越える人々が乾癬に罹っており、これらの11パーセント以上は、雇用や有能性を 危うくするような重症の疾病を経験した。その疾病はいかなる年齢においても発 病し、30代にそのピークの出現がみられる。その重症度、経過および軽快は予測 不能である。T.P.Habif.in:Clinical Dermatology,Mosby,Missouri(1996)お よびThe Textbook of Medicine,編集;J.B.Wyngaarden and L.H.Smith.W., W.B.Saundres Company,Philadelphia(1985)を参照。 乾癬を患っている患者は、遺伝的疾病素質を有するもの、および後成的発現、 すなわち環境要因に応答するものの2つのグループに分類することができる。最 も一般的な形状は慢性の斑乾癬で、真皮および表皮の炎症並びに表皮の過形成が 特徴である。これらの変化は、未確認の抗原性刺激に応じた所属リンパ節中の真 皮性免疫反応を仲介するTリンパ球細胞の活性化に基づいて生じる。活性化され たT細胞はケラチノサイト細胞を増殖させ、乾癬表現型を呈する。環境性刺激に 応じて引き起こされる炎症誘発性のサイトカインたんぱく質は炎症性反応を引き 起こし、炎症性の白血球によって真皮および表皮の浸潤が生じる。 現在の治療方法およびそれらの欠点 乾癬に対する治療法はない。また、現在使用中の治療の方法は、疾病の重症度 および範囲を抑制するよう努力している。患っているのが身体の10%未満である 患者に対して治療する第1番目の方法は、消炎薬を局所的に投与することである 。高水準の短期の効能と比較的低コストであるという理由から、アメリカで最も 広く用いられている作用薬はコルチコステロイド(ヒドロコルチゾンと類似体) である。全身性のコルチコステロイドは、例えば、乾癬の病変を迅速に解決する ことができる。しかし、抑制するためにいずれ投与量の増加が要求される。治療 効果が次第に弱くなってきた場合、恐らく剥離状態へ病変が拡張するとともに、 反跳現象が起こる。他の有効な理由があるために乾癬を患っている患者が全身性 のステロイドを使用する場合、治療開始の決定において、悪化する乾癬のリスク を認識し熟慮すべきである。 乾癬をある時間、症状の軽快を引き起こすことが可能な治療で処置している場 合、繰り返される投与により治療の反炎症性作用に対する耐性が強くなり、また 、その効果は数か月以上は持続しなくなる。さらに、標準を超えたヒドロコルチ ゾン(1%)反投与量を用いた場合、乳児に見られる下垂体性副腎抑制に重大な 副作用が関与している。Jamesら、1967,Lancet 2:1059-1061、および、Turpein en,1991,Br.J.Deomatoi,124:358−360。さらに、ステロイド類の 副作用については前に記載している。 要するに、重大な副作用はなく効果がある乾癬の治療方法が求められているの は明らかである。 本発明により提供される改善された治療方法 乾癬の病原論における免疫反応の中心的役割についての我々の理解の近年の進 歩は、疾病を緩和するための免疫療法の適用についての真剣な研究に結びついた 。特に、乾癬は、ケラチノサイトによるTNF−αの新規の生産物が関与する不適 当な局所的免疫学的応答によって引き起こされることが示された。Gilharら,19 96.Clin.Exp.Immunol.106:134−142。従って、本発明の1つの態様において は、本発明は、ケラチノサイトによるTNF-αの生産物を直接阻害する組成物を提 供する。それによって、乾癬を引き起こす不適当な局所的免疫学的応答を防ぐこ とができる。さらに詳しくは、本発明は、乾癬の治療用のラクトフェリン生成物 をからなる新規な薬剤組成物を提供する。好ましい態様においては、その組成物 は、約0.5%から約5%の担体を用いて局所的適用のために製剤化する。別の態様 では、組成物は皮内注射用として製剤化される。 上記のように、乾癬は治癒しない疾病と信じられており、そのため、長期治療 が要求されるであろう。現在の治療方法に優る本発明の組成物の重要な利点の一 つは、ラクトフェリン生成物の低い毒性(あるいは非毒性)ということである。 紫外線誘導炎症 紫外線への露出は、皮膚の光劣化である日焼け、癌を含む局所型皮膚反応およ び疾病のもう一つの顕著な原因である。 現在の予防方法とそれらの欠点 現在、角質の下の生存表皮細胞に光活動性のイオン化していない放線が浸透し ないように、すなわち、紫外線照射に対する副作用を防ぐために、例えば、有効 成分がp−アミノ安息香酸である光防護作用を有する日焼け止めが用いられてい る。これらの光防護剤は、290〜320nm.UVBの波長分布域の紫外線のより短い炎症 光線に対して保護するよう一般につくられている。その結果、日焼け止めは、伝 達された放射線と日焼けに対処するために部分的に保護された皮膚の特有の容量 に比例してメラニン生成に対するを不完全なブロックを提供する。 皮膚老化並びにほとんどの皮膚炎症性皮膚反応は、320〜400nm.UVA.の範囲の 長い炎症光線によって誘起され、一般的な光防護剤では保護ができない。UVAに 対する保護を望む場合、身体用の日焼け止めには、二酸化チタンまたは酸化亜鉛 などが必要である。それらは、濃厚なクリームまたはペーストとして利用可能で ある。しかしながら、これらの不透明な保護体は、UVAを保護する透明または乳 白色のローション剤としてなかなか認容されず、さらに、皮膚の自己防護的な日 焼け反応をさせない。T.P.Habif.in:Crinical Dermatology,Mosbv,Missouri (1996)、および、The Textbook of Medicine,編集:J.B.WyngaardenおよびL .H.Smith.W.,W,B.Saundres Company,Philadelphia(1985)を参照。 現在の治療方法およびそれらの欠点 一度紫外線誘導皮膚炎(すなわち日焼け)が生じたならば、通常、冷湿布で直 ちに処置する。より症状が重い場合には、プレドニゾンで処置する。それは前に 記載したような表皮性および真皮性萎縮症、さらには毛細血管拡張症、紫斑病お よび線条はどの重い副作用を引き起こすかもしれない。 要するに、皮膚の炎症を誘発するUV5を防ぎ、治療する物質が求められてい るのである。 本発明により提供される改善された予防的方法および治療方法 本発明は、紫外線誘導皮層刺激の治療および予防に対する改善された組成物お よび方法を提供する。さらに詳しくは、一つの態様において、本発明は、従来の 日焼け止め主成分と添加物として炎症予防的のラクトフェリン生成物からなる新 規のUV保護組成物を提供する。これらの新規な医薬組成物は、皮膚が日焼けを受 けている間、UVA誘発性炎症を含む紫外線誘導皮膚炎を防ぎやすい。 別の態様として、本発明は、紫外線誘導皮膚炎の治療用のラクトフェリン生成 物からなる薬剤組成物を提供する。 光老化した皮膚 上述したように、紫外線への露出における悪影響の1つは、光劣化と呼ばれて いる皮膚の劣化である。 トレチノインを用いた光劣化した皮膚の現在の治療方法とその欠点 現在、トレチノインの局所的塗布が、光損傷性の皮膚の治療に用いられている ことがある。Weissら、1988,J.AMA,259:527−532oしかしながら、ほとんど の患者は、副作用としてトレチノイン誘発性皮膚炎を経験し、おそらく数週間か ら数ヶ月我慢しなければならないであろう。T.P.Habif,in:Clinical Dermatolo gy,Mosby,Mitsouri(1996)、および、The Texttbook of Medicine,編集:J.B .WyngaardenおよびL.H.Smith.W.,W.B.Saundres Company,Philadelphia(198 5)を参照。 したがって、光劣化した皮膚の治療のために改善された生成物が必要とされて いる。 本発明により提供される改善された組成物 本発明は、光劣化した皮膚の治療用の改善された組成物および方法を提供する 。さらに詳しくは、一つの態様において、本発明はトレチノイン誘発性炎症の副 作用に対する保護として、ラクトフェリン生成物からなる従来のトレチノイン組 成物を提供する。 抗しわ生成物 近年、局所的適用の多数の「抗しわ」化粧用製品が市場に参入している。顔の 皮膚老化を防ぎたい、あるいは既に生じた老化過程に逆らいたい消費者によって 頻繁に使用される製品には、有効成分としてヒドロキシ酸が含まれている。これ らの生成物は、確かに所望の「しわとり」の活性を持つように思われるが、一方 で、それらは副作用として皮膚の炎症を頻繁に引き起こす。従って、現在使用さ れている抗しわ製品にそれらの炎症性の副作用を緩和するよう改良する必要があ る。 本発明により提供される改善された組成物 本発明によれば、ヒドロキシ酸誘発の炎症性副作用に対して保護する添加物と して、従来の抗しわクリーム、ローション剤および他の製品にラクトフェリン生 成物を加えてもよい。 アクネ 皮膚の炎症をもたらす、あるいは関係するもう1つの障害はアクネであり、多 くの人の生活の質に干渉する皮膚障害である。T.P.Habif,in:Clinical Dermato logy,Mosby,Mitsouri(1996)、および、The Texttbook of Medicine,編集:J .B.WyngaardenおよびL.H.Smith.W.,W.B.Saundres Company,Philadelphia( 1985)を参照。 トレチノインを用いた光劣化した皮膚の現在の治療方法およびその欠点 この疾病の軽い形状に対し、抗菌物質、例えば、過酸化ベンゾイル、またはク リンダマイシン)、テトラサイクリン、エリスロマイシンが局所的適用に頻繁に 処方される。あるいは、この疾病は、全身性広域抗菌スペクトルの抗菌物質で処 置されるであろう。しかしながら、より効果的な局所的治療であるが、そのよう な治療方法は、しばしば所望する結果は得られず、さらに、重い副作用が伴う。 例えば、テトラサイクリンは一般に使用されるが、歯の変色、光感受性の危険を もたらし、その上、経口避妊薬との薬物相互作用によって予期しない妊娠が起こ ることもある。それらの物質は、成長する骨格と歯に取りこまれるので、第4胎 児月から12才まで処方されるべきではない。また、妊娠中の場合、ストレスの下 に、母親の肝炎あるいは胎児吸収の必然的な危険を伴って、その後の骨格の可動 化の可能性がある。エリスロマイシンは有用な代替物であるが、胃腸の痛みがし ばしば生じる。 より重い症状のアクネには、よい広範囲な外科的処置、抗菌物質、病巣用ステ ロイド類あるいは全身性ステロイド類の投与量の増加が要求するかもしれない。 エストロゲン化合物は治りにくい重いアクネの症状がある選ばれた女性において 用いられ好結果であったが、周期的なエストロゲンプロゲスチン治療として使用 する以外は、それらにはすべて避妊に用いられる無***性調剤に付随する危険が ある。 要するに、現在のアクネの治療方法は、一般に満足な治療を受けることなく、 むしろ重い副作用を生じた患者をそのままにしている。 したがって、有効な低毒性の治療が求められている。 本発明により提供される改良された組成物 本発明は、アクネに関係する炎症の治療に用いるラクトフェリン製品からなる 有効な組成物を提供する。一般に、この組成物は、接触性皮膚炎の治療に使用さ れるものと同様に製剤化される。 関節炎 関節炎、すなわち関節の軟骨の炎症は、多くの原因に関係していて、様々な症 状発現があることで知られている。例えば、関節炎は自己免疫疾患かもしれない し、あるいは、アレルゲンによって誘発されるものかもしれない。The Textbook of Medicine,編集:J.B.Wyngaarden及びL.H.Smith.W.,W.B.Saundres Com pany,Philadelphia(1985)を参照。 現在の治療方法およびそれらの欠点 現在、一般的に、コルチコステロイドあるいは他のステロイド類で全身的に関 節炎を治療する。ステロイド治療に関連した問題は前に検討した。更に、関節炎 に対する現在の治療方法はどれも、疾病の進行を止めないであろう。そしてそれ は、骨格の変形を結果として生じるかもしれない。したがって、関節炎の治療に 用いる改善された組成物および方法について多くの要求がある。 本発明により提供される改善された組成物 本発明は、多様な関節炎の形状の治療に有用なアレルゲン介在の炎症を阻害す るラクトフェリン製品からなる新規の組成物を提供する。更に、自己免疫反応の 介在は、免疫学的応答に関連したアレルゲンのような類似したメカニズムに依存 しているように思われ、双方ともTNF-αに介在される。また、提供されるこの組 成物は、自己免疫疾患と関係した関節炎の形状の治療に価値がある。本発明の1 つの態様においては、有効成分がラクトフェリン製品からなる組成物を病気であ る関節に直接注射する。補助剤としてサリチル酸塩のような他の抗炎症剤を使用 してもよい。本発明の他の態様では、注射剤によって、あるいは徐放性生成物の 形状で、ラクトフェリン製品を全身的に投与することができる。関節炎治療に用 いられるすでに公知の生成物よりも優れた本発明の組成物の利点は、次のとおり である。(I)有効性。疾病、すなわち関節炎の推進力に直接干渉する。それに よって、疾病の進行を防ぐことができる。(2)非毒性。つまり、上に指摘した ように、ラクトフェリン製品は、ヒトおよび他の哺乳動物に毒性作用がないとい う証拠が示されている。 肺の炎症性疾病 アレルギー性ぜん息および気管支炎のような肺の炎症性疾病は、多様な刺激、 すなわちアレルゲンに対する気管および気管支の充進した反応性によって特徴づ けられる疾病であり、広範囲にわたる気道の狭窄が生じる。例えば、ぜん息は外 部刺激に応じた呼吸器系の炎症性反応である。重症の場合には、ぜん息は酸素供 給量の欠乏によって死を引き起こすかもしれない。また、アメリカでは人口の5 パーセントもの人がそれを患っている。症例の半分以上は、2歳から17歳の間の 年齢でぜん息が診断されており、この群では、それが疾病および障害の主要な原 因である。The Textbook of Medicine,編集:J.B.Wyngaarden及びL.H.Smith .W.,W.B.Saundres Company,Philadelphia(1985)を参照。 現在の治療方法およびそれらの欠点 現在の治療方法は、交感神経様作薬、メチルキサンチンおよびコルチコステロ イドの投与を含んでいる。エピネフリンとイソプロテレノールを含む交感神経様 薬は、ベータアドレナリン作動性の効果がある。それらの有用性は、心臓に対す るそれらの作用により制限されており、さらに、頻回の使用により耐性が増強さ れる。メチルキサンチンは、細胞質の酵素フォスフォジエステラーゼでそれらの 作用により平滑筋弛緩を引き起こすと考えられているが、多数の場合、食欲不振 、吐気、胃腸の不調、および中枢神経系過敏症が起こる。コルチコステロイドは 、ぜん息の治療に非常に有効である。しかしながら、前に述べたような重い副作 用がある。したがって、低毒性でありながら効力のあるぜん息治療用新しい組成 物および方法が必要とされている。 本発明により提供される改善された組成物 本発明は、ぜん息治療用のラクトフェリン製品からなる新しい組成物および方 法を提供する。一般的に、投与するこの組成物は吸入剤である。あるいは、注射 剤、または錠剤、カプセルの剤形、徐放性の剤形によって全身的に投与すること ができるラクトフェリン製品からなる組成物である。ラクトフェリンは天然由来 であり、非毒性たんぱく質であるので、高い投与量でさえ、本発明の組成物は著 しい副作用を持たない。 以下の実施例において、本発明をより詳細に説明する。当業者が本発明をより 明瞭に理解し、かつ実行できるように、以下の調製法および実施例を提供する。 しかしながら、本発明は例示された態様によって制限されるものではない。それ らは、本発明の一つの局面のみを例として示すことを意図したものである。また 、機能的に同等な方法は本発明の範囲内である。実際は、ここに記述されたもの に加えての本発明の様々な変更は、先の記載および添付図面から当業者には明ら かとなるであろう。そのような変更は、添付する請求の範囲の範囲内に属するこ とを意図されている。 好ましい態様の実施例 実施例1 TNF-α産生ケラチノサイト上のレセプターへのラクトフェリンの結合 以下の実施例は、新生マウスの皮膚表皮層中のケラチノサイトに対する125I- ラクトフェリンの結合を示す生体内原位置のリガンド結合分析である。 実験方法 新生の野生型マウスから約2mm2の背中の皮膚サンプルを得、37℃でPBSを用い て簡潔に2回すすぎ、37℃で0.1%のウシ血清アルブミンを含むPBS0.5ml中で複製 培養した。 (A)1.0×108 125Iラクトフェリン;及び (B)1.0×108 125Iラクトフェリン+50倍超過の非標識の鉄飽和組換え型ラクト フェリン サンプルを0.1%ウシ血清アルブミン含有の冷却PBSで6回、各10分間洗浄し、 振盪なしで3時間、4%のパラホルムアルデヒドで固定し、次に、冷却PBSで10分 間2回すすいだ。直ちに、サンプルを冷凍した。そのサンプルから10μmの切片 を調製し、次いで、上昇濃度のエタノールを使用して脱水した。NTB-2エマルジ ョンに切片を設置し、4℃で7〜14日間さらした。成長後に、ヘマトキシリンで切 片を染色し、ペルマウント(Permount)でマウントした。 ケラチノサイトへのラクトフェリンの結合 切片上ハイブリッド形成実験が明らかにしたように、ラクトフェリンはケラチ ノサイトの膜で蓄積する。例えば、図2を参照。特に、図2は、新生マウス皮膚上 の原位置にあるTNF−α産生ケラチノサイト上のレセプターへのラクトフェリ ンの結合を示す。上部の2つのパネルは、標識されたラクトフェリン(1.0×1081 25 Iラクトフェリン)のみを使用して得られた明視野像または暗視野像を表して いる。下部の2つのパネルは、結合分析を過剰(50倍超過)の非標識ラクトフェ リンを用いて行なった場合の明視野像または暗視野像を示している。ラクトフェ リンの結合は、表皮層および毛包に集中するが、正常な真皮層では観られない。 これらの結果は、表皮中のケラチノサイト表面上のレセプターへラクトフェリン が結合していることを示している。ケラチノサイトはTNF−αを産生すること が知られている。 実施例2 流入領域リンパ節でのDC(樹状細胞)蓄積に関するラクトフェリンの影響 ラクトフェリンは、オキサゾロンおよびIL-βによって誘導される流入領域リ ンパ節での樹状細胞の蓄積を阻害するが、TNF-αの投与によって誘導される樹状 細胞の蓄積には影響しないことを以下の実施例は示している。 実験方法 マウス群(個体数=10)に対し、各々リン酸緩衝食塩液(PBS:pH7.2)に懸濁 した0.02%マウスラクトフェリン(LF)または0.02%ウシ血清アルブミン(BSA )のいずれかを両耳翼へ30μl皮内注射した。2時間後、マウスに0.1%BSA/PBS 中に懸濁したサイトカイン、すなわちTNF-αまたはIL-1βの50ng(30μl)を同 じ部位第2回目の皮内注射をするか、あるいはアセトン:オリーブ油(4:1)に 溶解した0.5%オキサゾロン(Ox)25μlにマウス両耳背部上を局所的にさらし た。未処理のマウスを対照とした。流入領域(耳介の)リンパ節を、各処置、す なわち、TNF-αでは4時間、IL-1βでは17時間、オキサゾロンでは18時間に誘導 された樹状細胞の蓄積の動態に依存した露出の後で数回除去した。次に、前述の ように、リンパ節当たりの樹状細胞数を算定した。 CumberbatchおよびKimber,1992,Immunology:75.:257−263。 結果 表1および図3Aに表したように、オキサゾロンを用いた処置は、リンパ節排液 において樹状細胞の蓄積を引き起こしていた。(バー1として記載した対照群と 比較したバー4)。しかしながら、オキサゾロンに誘発された動物に対するラク トフェリンの皮内投与は、75%まで流入領域リンパ節中の樹状細胞の蓄積を抑制 した(オキサゾロン/ラクトフェリン:13,774の樹状細胞/1リンパ節(ベース レベル以上)、オキサゾリン/+ラクトフェリン:3,394の樹状細胞/1リンパ 節(ベースレベル以上)、表1を参照。)これらは、ラクトフェリンによってこ れら動物中の局所的な免疫学的応答の抑制を示している。 さらに、表1および図3Aに示されているように、TNF-αの投与は、流入領域リ ンパ節での樹状細胞の蓄積を引き起こしている(図3A、バー2参照)。図3Aのバ ー3によって表された結果によって明らかなように、ラクトフェリンは、TNF-α 誘発性の局所的免疫学的応答においては効果はない。すなわち、TNF-α/+ラク トフェリンの投与は、4,802の樹状細胞/1リンパ節(ベースレベル以上)の結果 を示し、TNF−α/−ラクトフェリンの投与は4,753の樹状細胞/1リンパ節( ベースレベル以上)の結果となっている。これらの結果は、免疫学的応答カスケ ードにおいてラクトフェリンはTNF-αの上流域で作用することを示している。 表1(B)に表し、さらに図3Bに示したように、IL-1βの皮内投与は、ランゲル ハンス細胞移動および流入領域リンパ節での樹状細胞蓄積の刺激作用をもたらし た(図3Bのバー1)。ラクトフェリンの投与は免疫学的応答の抑制を生じた。図3 B、バー2に示したように、ラクトフェリンの皮内注射は、56%まで樹状細胞蓄積 の抑制を生じた(IL-1β/ラクトフェリン:7,569の樹状細胞/1リンパ節(ベ ースレベル以上)、オキサゾロン/+ラクトフェリン:3,342の樹状細胞/1リ ンパ節(ベースレベル以上)、表1参照)。 これらの結果は次のことを示している。 (1)樹状細胞蓄積はIL-1βレベルの増加に依存する。 (2)TNF-α誘発性免疫学的応答はラクトフェリンに影響されないので、IL-1β はTNF-αの上流で作用する。 したがって、IL-1βは、ケラチノサイトによってTNF-αの新規合成を刺激する 。更に、これらのデータは、ランゲルハンス細胞移動および樹状細胞蓄積におけ るラクトフェリンの抑制効果が、ランゲルハンス細胞作用の別の面における効果 によるよりもむしろTNF-α産生の負調節に基づいていることを示している。従っ て、ラクトフェリンはTNF-αの新規合成を阻害することが可能である。 表1 流入領域リンパ節でのDC(樹状細胞)蓄積におけるラクトフェリンの影響 実施例3 TNF-αおよびIL-1β-誘発性ランゲルハンス細胞移動におけるラクトフェリンの 効果 以下の実施例は、ラクトフェリンはIL-1β誘発性ランゲルハンス細胞移動を抑 制するが、TNF-α誘発性ランゲルハンス細胞の移動には影響しないことを実証す る。 実験方法 マウス群(個体数=3)の両耳翼へ、各々リン燐緩衝食塩液(PBS;pH7.2)に懸 濁した0.005%マウスラクトフェリン(LF)または0.005%ウシ血清アルブミン( BSA)のいずれか30μlを皮内注射した。2時間後、サイトカイン、すなわち、各 々0.1%BSA/PBS中に懸濁したTNF-αあるいはIL-1βの50ng(30μl)を同部位に2 回目の皮内注射として実施した。未処理のマウスを対照とした。それらの耳を、 30分間TNF-α処理または17時間IL-1β処理に続いて取り出し、前述のように表皮 性シーツを調製した。Cumberbatchら,1994,Immunology81:395−401。間接免疫 蛍光法によって、ランゲルハンス細胞(LC)数を測定した。各々4つのサンプル について10区/サンプルの検査から得られた1mm2当たりの平均細胞数(±SE)を 結果として表した。スチューデントt検定を用いて、目標実験群間の差の統計的 有意差を計算した。p.<0.005。 結果 表IIおよび図4に示されるように、IL-1β皮内投与はランゲルハンス細胞移動 の刺激作用を生じた。それは、ラクトフェリンによって阻害された。また、TNF- αの投与はランゲルハンス細胞移動を生じたが、移動誘発性TNF-αはラクトフェ リンによって阻害されなかった。 これらの結果は、IL-1βが局所的免疫学的応答カスケードにおいてTNF-αの上 流で作用し、ラクトフェリンはIL-1βの下流、ただしTNF-αの上流で作用するこ とを立証している。 表II TNF−AおよびIL−1β誘導ランゲルハンス細胞移動における ラクトフェリンの効果 実施例4 流入領域リンパ節での樹状細胞の蓄積におけるラクトフェリンの効果 以下の実施例は、ラクトフェリンが局所的に投与された場合、オキサゾロンに よって誘発された流入領域リンパ節での樹状細胞の蓄積を阻害することを示して いる。 実験方法 マウス群(個体数=6)は、潤滑ローションに溶解されたラクトフェリンの0.0 2%溶液または同様に溶解された0.02%ウシ血清アルブミン(BSA)を両耳背上に 局所的に受けた。その後、アセトン:オリーブ油(4:1)に溶解された0.5%オ キサゾロン(Ox)25μlに、そのマウスを局所的に同じ部位でさらした。 未処理のマウスを対照とした。18時間露出に続いて、流入領域リンパ節を取り出 し、排水することを18時間取り除き、以前に記述されるように1リンパ節当たり の樹状細胞数を評価した。Cumberbatchら,1992,Immunology 75:257-263。 結果 図5に示されたように、2つ独立した実験(パネルAおよびB)から得られる結果 は、0.02%のBSAで前処理したマウスの流入領域リンパ節での樹状細胞蓄積を誘 発するオキサゾロンを用いた処理について示している(対照、バー1に対するパ ネルAおよびBのバー2を参照)。マウスへのラクトフェリンの局所投与は、両実 験において、オキサゾロンに応答したリンパ節中の樹状細胞の蓄積に対し強い抑 制を示した(パネルAおよびBのバー3を参照)。 この結果は、局所的に投与されたラクトフェリンが、アレルゲンおよびアレル ゲン誘導皮膚炎症の応答におけるリンパ節中の樹状細胞蓄積の阻害に非常に有効 であることを示している。 図5は、皮膚表面にラクトフェリンを局所的投与した場合、流入領域リンパ節 での樹状細胞蓄積を誘発するオキサゾロンに対するラクトフェリンの抑制効果を 示す。 緊急の明細書本文中に引用されたすべての文献は、これら全体において文献と してここに援用する。 本明細書に提供された実施例は、単なる代表例である。 本発明は、添付された請求の範囲の範囲によってのみ制限されるものであるこ とを意図している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ディアマン,レベッカ・ジェイ イギリス、エスケイ10・1エヌジー、チェ シャー、マックルズフィールド、バクスト ン・ロード134番 (72)発明者 コネリー,オーラ・エム アメリカ合衆国77030テキサス州ヒュース トン、カービー・ドライブ・ナンバー17、 7350番 (72)発明者 ウォード,ポーリーン アメリカ合衆国77030テキサス州ヒュース トン、シェリダン・ナンバー1、2348番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.医薬有効量のラクトフェリン製品を投与する段階を含んでなるIL-1βの炎 症活性を抑制する方法。 2.(a)局所炎症反応を引き起こす治療用又は化粧用化合物と(b)ラクトフ ェリン製品とを含む組成物。 3.(a)の化合物がトレチノイン、光防護剤及びヒドロキシ酸からなる群より 選択される請求項2記載の組成物。 4.さらに製薬上許容できる担体又は化粧用担体を含む請求項2又は請求項3記 載の組成物。 5.哺乳動物に治療有効量のラクトフェリン製品を投与する段階を含んでなる 、哺乳動物のアレルゲン誘発性炎症性障害を治療する方法。 6.哺乳動物がヒトである請求項5記載の方法。 7.アレルゲン誘発性炎症障害がTNF-αの増加した産生を特徴とする局所免疫 反応を特色とする請求項1、5及び6のいずれかに記載の方法。 8.ラクトフェリン製品が天然に存在するラクトフェリンである請求項1及び5 〜7のいずれかに記載の方法。 9.ラクトフェリン製品が組換え生産されたラクトフェリン又は生物学的に活 性なその類似体である請求項1及び5〜7のいずれかに記載の方法。 10.ラクトフェリン製品がラクトフェリンの生物学的に活性な断片である請求 項1及び5〜7のいずれかに記載の方法。 11.炎症性障害が関節炎と肺炎症性疾患からなる群より選択される請求項1、5 、6、7、8、9及び10のいずれかに記載の方法。 12.炎症性障害が皮膚炎症性障害である請求項1、5、6、7、8、9及び10のいず れかに記載の方法。 13.炎症性障害が接触皮膚炎、乾癬、紫外線誘発性炎症、乳児おむつ皮膚炎及 びアクネからなる群より選択される請求項1、5、6、7、8、9及び10のいずれかに 記載の方法。 14.ラクトフェリン製品がさらにしわとり剤を含む組成物として投与され、炎 症性障害が顔面の皮膚老化である請求項1、5、6、7、8、9及び10のいずれかに記 載の方法。 15.炎症性疾患が喘息である請求項1、5、6、7、8、9及び10のいずれかに記載 の方法。 16.炎症性疾患が副鼻腔炎である請求項1、5、6、7、8、9及び10のいずれかに 記載の方法。 17.炎症性疾患が鼻炎である請求項1、5、6、7、8、9及び10のいずれかに記載 の方法。 18.炎症性疾患が気管支炎である請求項5、6、7、8、9及び10のいずれかに記 載の方法。 19.炎症性疾患が気管支炎である請求項5、6、7、8、9及び10のいずれかに記 載の方法。
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