JP2001518792A - 血液製剤から希少細胞を採集する方法 - Google Patents

血液製剤から希少細胞を採集する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は血液製剤から希少細胞を採集し、および/または希少細胞の産物を得る方法を提供する。この方法は、希少細胞を含有する血液製剤を多孔質媒体と接触させ、関心ある希少細胞を多孔質媒体上に選択的に保持することを含む。多孔質媒体は溶離液と接触させて、希少細胞の1集団を多孔質媒体から溶離させることができる。多孔質媒体上に選択的に保持された希少細胞は多孔質媒体上で培養することができ、希少細胞の産物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 血液製剤から希少細胞を採集する方法 本出願は1997年4月8日出願の米国仮特許出願60/043,200号、1997年11月3日 出願の米国仮特許出願60/064,111号、および1997年11月4日出願の米国仮特許出 願60/064,192号(これらの全体を参照として援用する)の優先権を主張する。発明の技術分野 本発明は血液製剤から希少細胞(rare cells)を採集し、および/または希少細 胞の産物(products)を得ることに関する。発明の背景 血液は、溶液、懸濁した微粒子状巨大分子、および多様な細胞型を含む複雑な 生物学的組織である。血液は供血者から日常的に採取され、典型的には複数の成 分画分[例、赤血球濃縮液(PRC)、濃厚血小板(PC)、および血漿]に分離され 、血漿のような成分はさらに処理することができる。成分画分は典型的には輸血 製剤を製造するために使用される。 供血または成分画分は、血液製剤から白血球を分離するために濾過することが ある。これは白血球の移注が受血者(レシピエント)に副作用を生ずることがあ るからである。例えば、「自己」物と「非自己」物との識別による免疫応答を媒 介するある種の白血球(例、顆粒球)は、移注された白血球が宿主を攻撃し、多 様な宿主の組織の実質的な損傷をよく生ずる「対宿主性移植片」(GVH)病の原因 ともなる。GVH病の攻撃により血縁個体間であっても輸血が著しく複雑になるの で、この危険性を最小限にするために、このような細胞を効率的に濾過する手段 が開発されてきた。 細胞画分として、白血球は雑多な希少細胞型のグループを意味している。顆粒 球(例、好中球、好塩基球、好酸球等)、単球、マクロファージ等は一般に食作 用を示し、程度は異なるがアメーバ様運動が可能である。これらの細胞型は、希 少細胞の大半(約60〜80%)を占める。これらのアメーバ様細胞は、ある種のホ ルモン[例、細菌毒素、サイトカイン(特にインターロイキンIL-2)、補体複合 体の産物(特にC3a,C4a,およびC5a)、ホルモン活性化因子等]の存在により活 性化されることがあり、これらの細胞は活性化因子の濃度勾配に沿った走化性運 動を示す。即ち、これらのアメーバ様細胞は、血液中にありながら、血管外側の 炎症、感染または損傷部に局在化していることが多く、走化性刺激に応答して、 漏出(血管外遊出)や遊走のプロセスにより血管から出てしまう。顆粒球は「異 物」を単離および/または破壊し、また顆粒球はリンパ球に抗原を提供する。他 の希少細胞(例、リンパ球、樹状細胞、および幹細胞)は、顆粒球のようなアメ ーバ様白血球とは識別されうる。 供血は臨床用およびさらなる研究用の希少細胞の可能な供給源となる。しかし 、血液製剤から希少細胞を日常的および経済的に採集する方法は、一般的には欠 けているか、または問題が多い。例えば、希少細胞の単離が無差別であるか、効 率が低いことがよくある。さらに、最初に1つの或る集団に閉じ込めた細胞の或 る集団を優先的に単離する方法(例、顆粒球の濾過白血球フェレーシス<leukaphe resis>)は一部の適用例では望ましくない。或る種のリンパ球(例、インターフ ェロン、リンホカイン、ホルモン、および他の因子を産生する細胞)を優先的に 単離することができないことは、遺伝子組換えにより作った因子が往々にして品 質に劣るか、または精製が困難および/もしくは高価であることから、特に問題 である。 以上に述べた問題点からみて、血液製剤から希少細胞を採集する改善された方 法が求められている。本発明は、このような血液製剤から希少細胞を採集する方 法を提供するものである。本発明の方法は希少細胞の亜集団(sub-populations) の単離または分離もさらに提供し、また希少細胞の産物を得るために希少細胞の 集団の培養を可能にする。発明の要約 本発明は血液製剤から希少細胞を採集する方法を提供する。この方法は、まず 希少細胞を含有する血液製剤を多孔質媒体と接触させて、関心ある希少細胞を多 孔質媒体上に選択的に保持することを含む。その後、多孔質媒体を溶離液と接触 させて、その希少細胞の1集団を多孔質媒体から溶離させる。一部の態様では、 この方法は希少細胞の第1集団を選択的に溶離させ、希少細胞の第2集団を多孔 質媒体上に残しておくことを含む。 本発明の方法の態様は、希少細胞の1集団が多孔質媒体上で培養されるよう、 関心ある希少細胞を含有する多孔質媒体を富栄養培養液と接触させることにより 多孔質媒体上に選択的に保持させた希少細胞の産物を得ることを含む。その後、 希少細胞の産物を培養液から単離することができる。 本発明は、多様な用途、例えば、さらなる研究、または臨床上もしくは学術上 の適用例のために、希少細胞(もしくはその任意の亜集団)、またはかかる希少 細胞が産生する産物を提供する。本発明の態様はさらに、希少細胞に関する活性 、数、細胞型、濃度、生存率、濾過性、分泌もしくは代謝活性、または他のパラ メータを検定する手段を提供、開発、または容易にする。さらに、本発明の方法 の態様は、血液製剤の白血球除去効率または希少細胞の亜集団の除去効率に対す る試験法の開発を準備する。本発明の上記および他の利点、ならびにそれ以外の 発明の特徴は、本書に述べた発明の説明から明らかとなろう。発明の具体的開示 定義 本書に続く請求の範囲を含めてここに使用した下記用語の意味を次のように規 定する: 希少細胞は血液製剤中の細胞である;一般に希少細胞は赤血球または血小板以 外の血液細胞、例えば、白血球である。希少細胞は、幹細胞のような非特殊化細 胞であっても、または特殊化細胞(specialized cell)、例えば、リンパ球(T細 胞およびB細胞といった種類のリンパ球を包含する)および樹状細胞のようなタ イプの白血球、であってもよい。 血液製剤は、その任意の成分(好ましくは全ての成分)が血液由来である組成 物である。即ち、血液製剤は全血であってもよいが、血液製剤はその任意の画分 (例、血漿、赤血球濃縮液、バフィーコート、溶液中の細胞の濃厚懸濁液、特に 希少細胞を含む製剤)であってもよい。 多孔質媒体が微粒子に対する基体(substrate)として作用する場合に、その微 粒子はその多孔質媒体上に保持される;即ち、微粒子は多孔質媒体の表面上と多 孔質媒体の細孔内部のいずれかに保持される。 ある種類の微粒子がある基体に選択的に保持されるのは、それが別の種類の微 粒子と比べてより大きな親和性で保持される場合である。ある種類の微粒子は、 それが別の種類の微粒子と比べて同じか、ずっと小さな親和性で保持される場合 には、たとえその種類の微粒子がその基体にある親和性で保持される場合であっ ても、選択的には保持されていない。 ある種類の微粒子は、他の種類の微粒子より大きな程度でその基体から溶離す る場合には、たとえその別の種類の微粒子がその基体からある程度は溶離する場 合であっても、その基体から選択的に溶離する。 説明を容易にするため、多孔質媒体の上流表面とは、血液製剤と最初に接触し た方の表面であり、下流表面とは反対側、即ち、透過流が最初に排出される側で ある。 本発明は、血液製剤から希少細胞を採集する方法を提供する。この方法は、ま ず希少細胞を含有する血液製剤を多孔質媒体と接触させて、関心ある希少細胞を 多孔質媒体上に選択的に保持することを含む。その後、多孔質媒体を溶離液と接 触させて、関心ある希少細胞の1集団を多孔質媒体から溶離させる。この方法の 態様では、希少細胞を別個の複数の細胞集団に分離することを含む。 本発明の方法は、最初に希少細胞を含有する血液製剤を多孔質媒体と接触させ ることを含む。適当な血液製剤は希少細胞を含んでいる任意の血液製剤である; 好適な血液製剤は他の成分(赤血球、血小板、および非細胞性微粒子物、または 他の産物のような)もまた含有することができる。但し、希少細胞の容易に入手 可能な供給源であることから、好ましい血液製剤の1例は全血である。即ち、多 くの型の白血球を単離するためには、血液銀行から得た供血が、量が十分で安価 であるので好ましい。幹細胞を単離するために好ましい血液製剤は請帯からとっ た血(臍帯血)である。 希少細胞を含有する血液製剤を、関心ある希少細胞が多孔質媒体上(表面上と 細孔内部を包含する)に選択的に保持されるように多孔質媒体と接触させる。多 孔質媒体上に関心ある希少細胞を選択的に保持するどのような手段も本発明の方 法の範囲内で使用するのに適している。 例えば、血液製剤を、多孔質媒体を通過させるか、または多孔質媒体の上流表 面を接線方向に横断するように流して、血液製剤の一部または1成分が媒体を通 過できるようにすることができる。好ましくは、関心外の血液成分(例、液体、 赤血球、小粒子等)が多孔質媒体を通過することができるように、多孔質媒体を 血液製剤の流体流路の中に介在させる。例えば、上流圧力が下流圧力より大きく なるように多孔質媒体の流れ方向に圧力勾配を確立することにより、流体相(液 相)や、多孔質媒体上に保持されない微粒子物の多孔質媒体の通過を促進させる 。多孔質媒体を横断することができない物質は多孔質媒体上に保持される。この 物質(例、希少細胞)の大部分は多孔質媒体上に選択的に保持される。いろいろ な程度の圧力勾配を多孔質媒体の流れ方向に確立することができるが、圧力は多 孔質媒体上に保持されている希少細胞を損傷するほど大きくしないことが好まし い。 関心ある希少細胞以外の血液製剤の成分(例、液相、血液に含まれるタンパク 質、他の巨大分子、ならびに赤血球や血小板のような多量に含まれる細胞のよう な)は多孔質媒体上に選択的には保持されない。さらに、適用例によっては、希 少細胞の亜集団も多孔質媒体上に選択的には保持されない(即ち、全ての希少細 胞が関心ある希少細胞である必要はない)。かくして、本発明の方法によれば、 多孔質媒体は、例えば、全ての希少細胞を含む集団、または希少細胞の任意の種 類、亜集団もしくはサブグループ(亜族)(例えば、一定タイプの希少細胞だけ)と いった、希少細胞の任意の集団を選択的に保持することができる。 望ましくは、関心ある希少細胞以外の血液製剤の成分は、関心ある希少細胞が 保持されるのに近い程度では多孔質媒体に保持されない(即ち、関心ある希少細 胞だけが多孔質媒体上に選択的に保持される)。しかし、関心あるもの以外の希 少細胞を含んでいることもある血液製剤のこれらの他の成分は、比較的少量であ れば、場合により(好ましくはないが)多孔質媒体上に保持されていてもよい。 さらに、多孔質媒体を非血液溶液でフラッシングして、関心ある希少細胞はそれ により多孔質媒体から実質的に除去されないようにして、多孔質媒体から関心あ る希少細胞以外の血液製剤成分を実質的に除去することもできる。 関心ある希少細胞を多孔質媒体上に選択的に保持する際に、多孔質媒体を通過 した血液製剤画分(即ち、血液製剤流出液)は、関心ある希少細胞を著しい数で は含んでいないことが望ましい。しかし、血液製剤流出液は、他の希少細胞(即 ち、関心ある希少細胞以外の希少細胞)は著しい数を含んでいてもよい。 関心ある希少細胞がここに述べたようにして多孔質媒体上に選択的に保持され る限り、任意の種類の多孔質媒体が本発明の方法で使用するのに適している。但 し、本発明の方法に使用するための多孔質媒体は、少なくとも2つの表面(即ち 、第1または上流の表面と第2または下流の表面)を有する。例えば、多孔質媒 体は、これが関心ある希少細胞を選択的に保持するように、任意の適当な細孔構 造および表面特性を有することができる。即ち、多孔質媒体は、流体相、赤血球 、および巨大分子が多孔質媒体を選択的に通過できるようにする一方で、関心あ る希少細胞が多孔質媒体を通過するのを選択的に防止する(例、ふるい分けおよ び/または吸着によって)のに必要な細孔構造(例、細孔径)および表面特性を 有する。 多孔質媒体は有機または無機材料といった任意の適当な物質から作製すること ができる。しかし、好ましくは、多孔質媒体は高分子材料のような合成材料から なる。本発明の方法に使用するのに適した多孔質媒体の例としては、米国特許第 4,880,548および4,925,572号ならびに国際公開特許出願WO96/11738,WO95/17236 ,WO94/17894に記載された多孔質媒体が挙げられる。このような多孔質媒体は典 型的には供血および血液製剤用の血液フィルターとして使用され、例えば、ポ 市販されている。アメーバ様細胞を多孔質媒体上に選択的に保持することを目的 とした本発明の方法の適用例にとって、好ましい多孔質媒体の材料としては、米 国特許第4,255,267号に記載されたポリマーのような、脂肪族または芳香族基を 有するポリアミドまたはポリエステル、特にナイロン類(例、ナイロン6、ナイ ロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、およびナイロ ン(6+610)もしくはナイロン(6+66+610)のようなポリアミド類)が挙げられる。 アメーバ様希少細胞の亜集団は2価カチオン(例、Ca++)の存在下でこのような 媒体に選択的に付着するからである。 多孔質媒体は任意の適当な形態のものとすることができる。好ましくは、多孔 質媒体は繊維質ウェブ(不織布繊維質ウェブのような)を形成し、最も好ましく はアメーバ様細胞(例、顆粒球)が多孔質媒体により強力に付着することができ るように粗く不規則な表面(平滑な表面ではなく)を持つ繊維質ウェブとする。 多孔質媒体は任意の適当な方法で変性(例、表面変性)処理してもよい。例えば 、多孔質媒体を関心ある希少細胞の選択的保持を増大させるように電荷変性処理 することができる。さらに、多孔質媒体の表面に、関心ある希少細胞の多孔質媒 体への選択的保持を容易にするために、関心ある希少細胞に対して選択的親和性 を持つリガンド(例、関心ある希少細胞に対して選択的親和性を持つ抗体)を結 合させることができる。 上述したように、希少細胞を選択的に保持させた多孔質媒体を、希少細胞の1 集団が多孔質媒体から溶離するように溶離液と接触させる。溶離液は、多孔質媒 体から関心ある希少細胞を、細胞の1集団が生存したままで除去するための任意 の適当な液体(fluid)でよい。溶離液の化学組成は、希少細胞の該集団と生理学 的な適合性があるようなものとする。但し、溶離液は天然の生理学的溶液の化学 組成と実質的に異なるものでもよい。 溶離液において変化が可能な1つの生理学的パラメータが張性(tonicity)(即 ち、細胞質浸透度に対する溶離液の浸透度)である。もちろん、多くの適用例に おいて、関心ある希少細胞へのストレスを最小限にするため、等張溶離液を使用 することが望ましい。しかし、適用例によっては、溶離液は希少細胞にとって低 張性であることが好ましい。低張溶液は多孔質媒体からの一部の細胞型の溶離を 容易にするからである。他の適用例において、溶離液は高張性であってもよい。 高張溶液は、ある種の細胞型にとって多孔質媒体への選択保持を容易にするから である。 溶離液において、関心ある希少細胞の集団に応じて変化が可能な別の生理学的 パラメータは、温度である。温度がより低いと、細胞性タンパク質(例、細胞生 理学および細胞外ミクロ環境との相互作用を調節する酵素)の活性が低減する。 より低温の溶離液は細胞代謝および生理学を遅らせ、それにより外部合図(食作 用または遊走の挙動の活性化因子またはプロモーターといった)に応答する細胞 能力を低減または実質的にゼロにする。さらに、細胞外ミクロ環境との相互作用 を媒介するタンパク質に影響することで、より低温の溶離液は、希少細胞が多孔 質媒体に付着する程度を弱める。そのため、非常に低温の溶離液(例、約0℃〜 約15℃、より典型的には約4℃以上)は、希少細胞型の大部分(例、ほとんど、 または実質的に全部)について、それらの多孔質媒体の表面からの溶離を容易に する。しかし、生理学的な周囲温度(典型的には約37℃付近)で適用した溶離液 は、環境からの合図に対する免疫応答または多孔質媒体基体に対する結合強度を 減ずることはない。従って、例えば、生理学的温度では、遊走性細胞(例、顆粒 球および他のアメーバ様細胞)および/または食作用性細胞は細胞運動によって 多孔質媒体により強力に付着し、より多くの細胞表面積の多孔質媒体との接触を 生ずる。 溶離液はまた細胞に対するその栄養価の面でも変動しうる。一部の適用例では 、溶離液は緩衝化(緩衝剤含有)食塩水(酸性クエン酸塩<acid-citrate>緩衝化 食塩水、リン酸緩衝化食塩水等)である。しかし、別の適用例では、溶離液は培 養液のような富栄養液である。富栄養液は溶離した細胞の生存率を高め、従って 希少細胞の総回収効率を高めることができる。任意の適当な培養液が、本発明の 方法に従って溶離液として使用するのに適している。このような培養液は本技術 分野で周知である。本発明の方法の溶離液として使用するのに好ましい培養液の 例は、イーグルの基礎培地(BME)、CO2-無依存性培地、ダルベッコの修飾イーグ ル培地(D-MEM)、フィッシャーの培地、ライボビッツ(Leibovitz)のL-15培地、マ ッコイの5A培地、MCDB 131培地、最小必須培地(MEM)、RPMI培地(例、RPMI培地1 630または1640)、ならびに他の適当な培地である。 溶離液は、pH、オスモル濃度、電解質濃度、および他のパラメータといった 他の観点でも、関心ある希少細胞の集団が多孔質媒体から溶離し、溶離液と接触 した後に生存したままに保持されるように、変動させることができる。さらに、 溶離液は、糖類、緩衝剤(例、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、等)、血清製品 、凍結保護剤、または他の添加剤といった上記以外の要素もまた含有しうる。例 えば、溶離液は、多孔質媒体へのある種の細胞の付着を防止するためのコポリマ ー(例、ポロキシマー<poloxymer〉等)、溶離した細胞へのストレスを少なくす るために粘度を増大させるポリマー(例、デキストラン40もしくは70)、および /または凍結温度で保存された細胞へのストレスを少なくするための凍結保護剤 (例、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む混合物)を含有することができる。好 ましくは、溶離液は糖類(例、単糖類、二糖類、もしくは多糖類)を含有する。 より好ましくは、特に関心ある細胞が幹細胞である場合、このような糖類は、グ ルコース、スクロース、d−ガラクトース、d−マンノース、メチル−α−d− グルコース、メチル−α−d−ガラクトース、メチル−α−マンノース等である 。これらのうち、白血球の選択的収率にとっては、d−マンノースが最も好まし い。 別の態様では、溶離液は生理学的に活性な物質を含有することができる。例え ば、溶離液は、プロセシング条件、例えば、高剪断速度、に曝された時に細胞の 活性化を実質的に低減または防止するために、細胞活性化の阻害剤(例、プロス タグランジンE、ステロイド類、もしくは非ステロイド系抗炎症剤等の白血球阻 害剤)を含有することができる。 或いは、所望の細胞集団の選択的溶離のために、溶離液は細胞活性化剤を含有 しうる。溶離液は多様な他の因子を含有しうるが、溶離液が有効量の毒素または 関心ある希少細胞の生存率または活性を減ずる他の化合物を含有することは好ま しくない。細胞生存率を最適に保持するには、溶離液が血清製剤[例、ウシ血清 アルブミン(BSA)もしくはウシ胎児血清(FCS)]またはタンパク質(例、アルブミ ン)のようなタンパク質補給物質を含有することが好ましい。 従って、本発明に関連して使用するのが好ましい溶離液の1例は、ウシ血清ア ルブミンおよびクエン酸/塩(acid citrate)−デキストロース(ACD)を添加したD -MEMを含有する。好ましくは、この溶液は約10〜20wt%、より好ましくは約12〜 18wt%、例えば、約14〜16wt%(例、約15wt%)のBSAまたはFCS濃度を有する。 もちろん、溶離液のBSAまたはFCS濃度はこれよりずっと高いか低くすることもで きる。溶離液はまた、好ましくは約5〜15wt%、より好ましくは約7〜13 wt%、例えば、約9〜11wt%(例、約10wt%)のACD濃度を有する。もちろん、 溶離液のACD濃度はこれよりずっと高いか低くすることもできる。 さらに、溶離液は生理学的に許容できる濃度のカチオンを含有する。生理学的 に許容できるカチオン濃度の範囲はカチオンの種類により異なるが、そのような 範囲は本技術分野では周知である。好ましくは、溶離液は2価カチオン、特にカ ルシウム(即ち、Ca++)を含有し、溶離液は好ましくはキレート化剤を含有しな い。溶離液中の2価カチオンの存在は、ここに説明したように、多孔質媒体の性 質に応じて、アメーバ様細胞からの非アメーバ様細胞の溶離を助長する。好まし くは、2価カチオンは生理学的周囲濃度(例えば、血液中濃度に近い濃度)で存 在させる。例えば、2価カチオンがカルシウムである場合、これは約0.05〜10mM Ca++、より好ましくは約0.5〜5mM Ca++、例えば、約0.75〜3mM Ca++(例、約1 〜2mM Ca++)で存在させることができ、溶離液は最も好ましくは約1.2mM Ca++ を含有する。もちろん、溶離液の2価カチオン濃度は、上に示した範囲よりずっ と低いか高くすることもできる。また、例示の目的で、ここでは2価カチオンを 2価カルシウムとして説明したが、2価カチオンは任意の2価カチオン種(例、 マグネシウムまたは複合2価カチオン種)でよい。 溶離液と接触する間に、希少細胞の1集団が多孔質媒体から溶離する。この集 団は多孔質媒体上に選択的に保持された大部分または実質的に全ての種類の希少 細胞を含むことができるが、適用例によっては、この集団は多孔質媒体上に選択 的に保持された希少細胞の全てより少ない種類(即ち、希少細胞の亜集団)を含 む。関心ある集団を溶離させる任意の適当な方法が本発明の範囲内である。例え ば、関心ある希少細胞を多孔質媒体から溶離液への拡散により溶離させることが できる。 望ましくは、多孔質媒体上に選択的に保持された細胞に流体圧力を加えて、こ れらの細胞について多孔質媒体に対する剪断力を生じさせることにより多孔質媒 体からのそれらの解離を助長する。例えば、多孔質媒体を溶離液内で攪拌するか 、遠心分離するか、溶離液を多孔質媒体の1表面(即ち、上流表面)を接線方向 に通過するように流すか、または他の適当な手段により、関心ある希少細胞を溶 離させることができる。好ましくは、多孔質媒体を通る流量を確立するのに十分 な圧力下で多孔質媒体に溶離液を流して、多孔質媒体を溶離液でフラッシングす ることにより、関心ある希少細胞を多孔質媒体から溶離させる。多孔質媒体のフ ラッシングはどちらの方向(上流側から下流側に向かう方向に多孔質媒体を通る ように溶離液を流す順流フラッシングと、逆方向に流す逆流フラッシング)でも よい。しかし、一般には希少細胞の濃度は多孔質媒体の上流表面の方がより高い ので、多孔質媒体を逆流フラッシングする方が好ましい。 一部の態様では、逆流フラッシングと組合わせて濾過媒体の順流フラッシング も行うことにより回収率がさらに向上する。即ち、一定量の溶離液で媒体を逆流 フラッシングした後、追加量の溶離液を用いて媒体を順流フラッシングすること ができる。 フラッシングは、任意の適当な流体流量、例えば約0.1〜15L/min/m2で行うこ とができる。但し、この範囲よりずっと多いか、または少ない流量も使用するこ とができる。例として、逆流フラッシングは約0.5〜10L/min/m2、例えば、約1〜 8L/min/m2の流体流量で行うことができる;より好ましくは、この流量は、約1.5 〜7L/min/m2、例えば、約2〜6L/min/m2、特に約2.5〜5L/min/m2(例、約3〜4L/m in/m2)である。最も好ましい流量は、溶離液の粘度および温度、多孔質媒体の 性質、ならびに溶離する細胞の集団の組成に依存する。例えば、より穏やかな細 胞処理が望ましいような一部の適用例では、逆流フラッシングは約1〜100ml/mi n/m2(例、約15〜85ml/min/m2)の流量で行うことができる;より好ましくは、 この流量は約30〜70ml/min/m2、特に約40〜60ml/min/m2(例、約50ml/min/m2) である。 血液製剤からの希少細胞の採集効率を測定するため、採集する前と採集後の関 心ある希少細胞の相対的集団を比較する。全体採集効率は関心ある希少細胞の組 成(即ち、希少細胞の型)に応じて大いに変動し、どのような程度の採集効率も 本発明の範囲内である。一部の適用例では、関心ある希少細胞の相対的な集団内 個数(即ち、分離効率)は少なくとも約2倍ないし約3倍にすることができ、別 の適用例では、相対的集団個数は少なくとも約5倍.さらには少なくとも約10倍 、即ち、少なくとも約1桁の大きさで、増大させることができる。また、適用例 によっては、さらにずっと高い分離効率(例、少なくとも2桁ないし数桁または それ以上の大きさ)が本発明の方法により達成される。 本発明の方法により血液製剤からのあらゆる型の希少細胞の単離を実施するこ とができるが、一部の適用例では、希少細胞を複数の亜集団(即ち、第1集団、 第2集団等)に分離することが望ましい。本発明の方法によると、希少細胞を任 意の数の望ましい群、型、集団または種類に分離することができる。 一部の態様では、ここに説明したようにして細胞を繰り返し保持および/また は溶離することにより希少細胞の亜集団を互いに分離することができる。上述し たように、流出した血液製剤(即ち、多孔質媒体を通過した血液製剤画分)も、 いくらかの数の希少細胞(即ち、多孔質媒体上に選択的に保持される関心ある希 少細胞以外の希少細胞)を含有することがある。その後に、流出した血液製剤を 、本書に説明したようにして、関心ある多孔質媒体を選択的に保持するための別 の多孔質媒体に露出することができる。こうして、希少細胞のいくつかの別々の 亜集団を、本発明の方法を続けて反復適用することによって分離することができ る。 希少細胞の複数の亜集団を単離する別の方法は、希少細胞集団間の寿命スパン の差を利用することによる。ここに説明したように、溶離液は好ましくは組織培 養液のような富栄養培地である。多孔質媒体を富栄養溶離液中で数日間インキュ ベーションすると、多孔質媒体に付着した一部の細胞は生存し続ける。ある種の 細胞型は培養液中または生体(in vivo)で長くは生存しない(例、ある種の顆粒 球の集団)が、別の細胞型(例、ある種のリンパ球の集団)は通常は長く生存す る。従って、多孔質媒体を細胞に剪断力を適用する前に溶離液中で数日間インキ ュベーションすると、数日間生存可能な細胞だけが生きて溶離される。 この方法では一部の死滅細胞も溶離されるが、生存細胞だけを選択的に平板培 養または培養する方法といった、死滅細胞から生存細胞を分離する方法は本技術 分野では周知である。さらに、適用例によっては、溶出液中の他の細胞(関心あ る希少細胞以外の細胞)の存在は、このような他の細胞が生存している場合だけ に問題となる(例、関心ある希少細胞が他の細胞により分泌される薬剤に曝され るのを避けるために)。即ち、適用例によっては、関心ある希少細胞中に一部の 死滅細胞が存在していても実質上は重要ではない。但し、この方法は細胞分離を 達成するが、長く生存する細胞についても生存率の減少を生じて、全体回収率を 低減を生ずることがある。即ち、選択的生存による細胞分離方法は、本発明の方 法の範囲内ではあるが、全ての適用について好ましいわけではない。 別の態様では、希少細胞の亜集団を選択的溶離/保持により分離する。上述し たように、多孔質媒体上に選択的に保持された全ての希少細胞を、多孔質媒体の 溶離液との接触によって溶離させる必要はない。即ち、本発明の方法は大部分ま たは全ての型の希少細胞を多孔質媒体から溶離させることも可能であるが、好ま しい態様では、希少細胞の第1の集団をここに説明したようにして選択的に溶離 させ、希少細胞の第2の集団は溶離培地と接触した後も多孔質媒体上に選択的に 保持されたままとする。 本発明の方法に従った選択的溶離/保持による希少細胞の集団の分離は任意の 適当な方法により実施することができる。例えば、溶離液の温度が多孔質媒体か らの希少細胞の集団の選択的保持/容易を媒介することができる。ここに述べた ように、温度は代謝活性と多孔質媒体基体に対する希少細胞の結合親和性の両方 に影響する。例えば、大部分の希少細胞型は非常に低温で溶離される一方で、生 理学的に周囲温度に近い温度で溶離される型は非常に少ない。中間温度では代謝 活性はいくらか遅くなることがあるが、結合強度は比較的高いままである。従っ て、非アメーバ様細胞の選択的溶離のためには、溶離液の温度は約0〜40℃が望 ましく、好ましくは約5〜37℃、より好ましくは約15〜35℃、最も好ましくは約 20〜30℃(例、約25℃)といった周囲室温である。もちろん、適用例によっては 、関心ある希少細胞が生きたままに保持できるなら、溶離液の温度は45℃、さら には約50℃といったずっと高い温度とすることができる。 希少細胞の亜集団を分離する別の方法は、多孔質媒体への希少細胞の第1の亜 集団の持続した選択的付着を、多孔質媒体からの希少細胞の第2の亜集団の選択 的溶離を防止することなく促進させるための因子を使用することである。このよ うな第2の亜集団の選択的溶離を促進するのに好適な任意の因子が本発明の方法 の範囲内で使用するのに適している。この因子の性質は関心ある希少細胞の亜集 団の性質にかなりの程度依存する。特に好ましい因子は、第2の亜集団に比べて 第1の亜集団が多孔質媒体により強固に付着するのを促進するものである。また 、この因子は、溶離液中に含有させる、多孔質媒体に結合させる、さらには希少 細胞それ自体の集団により供給する、といった任意の適当な方法で利用すること ができる。 一部の態様では、例えば、溶離液が多孔質媒体への希少細胞の第1の亜集団の 持続した選択的付着を促進させるのに適当な化合物を含有することができ、それ により多孔質媒体からの希少細胞の第2の亜集団の選択的溶離が可能になる。例 えば、溶離液は、希少細胞の第1の亜集団(例、顆粒球または他の食作用細胞の 1集団)が第2の亜集団に比べて多孔質媒体により強固に付着するのを活性化さ せる物質を含有することができる。多孔質媒体に対する細胞の1亜集団の選択的 親和性を高めるのに適した任意の適当な活性化因子が本発明の方法の範囲内であ る。どの活性化因子が適当であるかは、多孔質媒体への持続した選択的保持が望 まれる希少細胞の亜集団の種類に必然的に依存する。例えば、多孔質媒体上に保 持したい細胞の集団が顆粒球を含んでいる場合、活性化因子は細菌毒素、サイト カイン、補体複合体の産物(特にC3a,C4a,C5a等)、ホルモン活性化因子、ま たは他の因子のような分子とすることができ、これらは顆粒球の遊走および/ま たは食作用活性を刺激することが本技術分野ではよく知られている。 溶離液は、この液体が溶離液である場合に好ましいとここに説明したように、 2価カチオンを含有することもできる。2価カチオンはアメーバ様細胞(例、顆 粒球)の多孔質媒体に対する親和性を選択的に高めるので、溶離液中の2価カチ オンの存在はアメーバ様細胞の多孔質媒体への選択的保持を助長する一方で、リ ンパ球、樹状細胞および他の非アメーバ様の希少細胞はそれにより多孔質媒体か ら選択的に溶離するようになる。もちろん、他の亜集団に対して希少細胞の1つ の亜集団の多孔質媒体への選択的保持を促進するための他の任意の因子も本発明 の方法の範囲内である。 溶離液が活性化因子(または多孔質媒体への希少細胞の1集団の持続した選択 的保持を促進する他の因子または成分)を含有する場合、この液体は選択的保持 を引き起こすのに適した条件下で多孔質媒体と接触させることが好ましい。これ らの条件の本質は多孔質媒体への持続した選択的保持が望まれる細胞の型に依存 し、このような条件は本技術分野では周知である。望まれる細胞が顆粒球または 他のアメーバ様細胞である場合、細胞に剪断力を適用する前に多孔質媒体を溶離 液に漬けることができる。好ましくは、活性化因子が下流側の表面(即ち、希少 細胞が主に保持されている表面とは反対側の表面)から多孔質媒体中に拡散する ように、活性化因子を含有する溶離液中に多孔質媒体を漬ける。こうして、活性 化因子が多孔質媒体中を拡散し、濃度勾配ができ上がる。それにより、顆粒球の ようなアメーバ様細胞は、それらの走化性傾向のために、多孔質媒体の上流表面 からその内部に(恐らくはそれを通過して)濃度勾配が高くなる方向に遊走を生 ずるようになる。多孔質媒体の付着性表面が好ましくは粗面であるので、アメー バ様細胞は非アメーバ様細胞と比べてより強い多孔質媒体との相互作用を達成す る。 十分な時間の後、多孔質媒体に前述したように剪断力を受けさせる。媒体に積 極的に付着している細胞(例、多孔質媒体内に埋没してしまった細胞)に比べて 媒体の上流表面からの細胞の溶離に必要な剪断力は実質的に小さいので、走化性 を示さない希少細胞の亜集団(例、リンパ球、樹状細胞等)は選択的に溶離し、 一方で走化性を示す希少細胞の亜集団(例、顆粒球)は多孔質媒体上に選択的に 保持される。溶離液の粘度および希少細胞の亜集団の性質に応じて、最適の溶離 速度により、多孔質媒体から別の亜集団が選択的に追い出されずに、1つの亜集 団が選択的に追い出される。或いは、アメーバ様細胞の1集団が多孔質媒体を通 って遊走する場合には、関心ある希少細胞をここに述べたようにして多孔質媒体 の上流表面から溶離させる前か後のいずれかに、その遊走性の集団を多孔質媒体 から多孔質媒体の下流表面と接触させた溶離液中に溶離させることができる。 外来液体(溶離液またはここに述べた他の液体のような)の中に供給するのに 加えて、多孔質媒体からの希少細胞の第2の亜集団の溶離を可能にしながら多孔 質媒体への希少細胞の第1の亜集団の増大した選択的付着を促進する因子は、多 孔質媒体の一部(多孔質媒体に結合させたもの等)とすることもできる。例えば 、多孔質媒体は特定の細胞型に対する多孔質媒体の親和性を増大させる手段を有 することができる。例えば、或る種の細胞型(例、顆粒球)が優先的に強く付着 する高分子材料(例、ナイロン)を使用することができる。 或いは、多孔質媒体を希少細胞の第1の亜集団に対して特異的な抗体に結合す ることができる。さらに、多孔質媒体は希少細胞の第1の亜集団が結合するリガ ンドを有することができる。この高親和性結合剤の存在は、第1の亜集団が第2 の亜集団より強固に多孔質媒体に付着するのを促す(但し、ここに述べたように 、どちらの亜集団とも血液製剤の残りの成分に比べて選択的に保持されるが)。 その結果、第2の亜集団は第1の亜集団を溶離させるのに必要な剪断力より著し く小さい剪断力の条件下で多孔質媒体から溶離し、それによりこれらの亜集団の 分離が可能となる。 ここに説明したように、多孔質媒体への1つの細胞型の選択的付着を促進する 因子を液体中に供給するか、または多孔質媒体に結合することができるが、この ような細胞は多孔質媒体上に選択的に保持された希少細胞の亜集団によって供給 することもできる。例えば、希少細胞を含有する多孔質媒体を溶離液と接触させ る前に、この多孔質媒体をまず活性化液と接触させることにより、希少細胞の第 1の亜集団を生物学的に活性な因子を分泌するように活性化させ、この活性因子 に希少細胞の第2の亜集団が反応することにより、第1の亜集団が多孔質媒体に 付着するのとは異なる程度に第2の亜集団が多孔質媒体に付着するようにするこ とができる。この工程は希少細胞の複数の亜集団間の生理学的相互作用を利用し たものである。 その後、多孔質媒体を希少細胞の1つの亜集団を多孔質媒体から選択的に溶離 させる溶離液と接触させる。例えば、希少細胞が付着している多孔質媒体を、リ ンパ球を誘導する因子を含有する溶液と接触させて、IL-2のようなホルモンを放 出させることができる。IL-2は顆粒球をより大きな食作用活性を示すように活性 化させるので、顆粒球は分泌細胞に比べてより大きな親和性で多孔質媒体に選択 的に付着する。その結果、顆粒球を多孔質媒体から移動させるには、分泌細胞を 溶離するのに必要なものより大きな剪断力が必要となる。こうして、他の細胞を 選択的に保持しながら、リンパ球のような分泌細胞を多孔質媒体から選択的に除 去することができる。 ここに説明した、希少細胞の別個の亜集団間の選択的結合親和性の差を助長す る因子を用いる方法の別法として、希少細胞の複数の亜集団を第2の多孔質媒体 を用いて分離することができる。具体的には、希少細胞を含有する溶離液(例、 ここに述べたように第1の多孔質媒体を逆流フラッシングすることにより得た溶 出液)を第2の多孔質媒体と接触させ、希少細胞の第1の亜集団を第2の多孔質 媒体に選択的に保持させる一方で、第2の亜集団は保持させないことにより、希 少細胞を分離することができる。この第2の多孔質媒体への細胞型の選択的結合 は、ここに述べた方法のような任意の適当な方法により達成される。例えば、多 孔質媒体の物理的特性を、第1の亜集団が第2の多孔質媒体に選択的に保持され るが、第2の亜集団は選択的に保持されないようなものとすることができる。或 いは、第2の多孔質媒体が(ここに述べたように)関心ある1つの亜集団を選択 的に結合させる抗体またはリガンドを含有することができる。第2の多孔質媒体 への1つの亜集団の選択的結合はまた任意の他の適当な方法によって達成するこ ともできる。 第2の多孔質媒体を用いる方法、1つの多孔質媒体への選択的溶離/保持を採 用する方法、生存性の差を活用する方法、等の2以上の方法を組合わせて、希少 細胞の複数の亜集団のより細かな分離を達成することができる。例えば、希少細 胞の第1の亜集団を含有するが、第1の多孔質媒体上に選択的に保持された希少 細胞の第2の亜集団を含有しない溶離液を第2の多孔質媒体と接触させて、第1 の亜集団を、第2の多孔質媒体上に選択的に保持される希少細胞の第3の亜集団 と、第2の多孔質媒体には選択的に保持されない第4の亜集団とに分離すること ができる。さらに、上述したように顆粒球を誘導させて、走化性アメーバ様遊走 により多孔質媒体の上流表面から出ていくようにすることもできる。 或いは、リンパ球を活性化してIL-2を放出させることができる。このIL-2は多 孔質媒体に対するマクロファージの親和性をさらに増大させる。活性化したリン パ球はマクロファージ遊走阻害因子を放出し、この因子は顆粒球の遊走を弱めて 、これらを多孔質媒体内に埋め込まれたままにする。さらに、ここに説明したよ うに、1つの亜集団が第2の亜集団に比べてより大きな親和性で結合している多 孔質媒体に希少細胞を選択的に保持しながら、この希少細胞をこのように処理す ることができる。ここに説明した各種方法の他の組合わせによっても、希少細胞 を別個の亜集団に分離することが可能であり、さらに別の方法も本発明の方法の 範囲内で採用することができる。 こうして、本発明の方法は多様な手段によって希少細胞を細胞の別個の亜集団 に分離することができる。本発明の方法は、希少細胞を所望の特性を持つ細胞か ら本質的になる任意の亜集団に分離することができる。例えば、本発明の方法は 、所望の生物学的に活性な物質を分泌する細胞の亜集団と、所望の物質を分泌し ない細胞の亜集団とに、希少細胞を分離することができる。或いは、本発明の方 法は、非食作用性細胞から食作用性希少細胞の分離、非幹細胞から幹細胞の分離 、等を行うことができる。かくして、一部の用途では、細胞の第1の亜集団は好 ましくはリンパ球、幹細胞、樹状細胞、その他の細胞といった薬理学的に重要な 細胞から本質的になる。その場合、細胞の第2の亜集団は好ましくは食作用性細 胞、または顆粒球(例、好中球、好塩基球、好酸球等)、単球(例、マクロファ ージ)、ナチュラルキラー(NK)細胞といった他の細胞、またはその他のこのよう な細胞、から本質的になる。特に好ましくは、希少細胞の第1の亜集団は、細胞 の第2の亜集団に由来する細胞を実質的に含有していない。 ある分離の効率を測定するため、ある希少細胞型の分離前と分離後の相対的な 細胞数を比較する。希少細胞亜集団分離のあるスキームの総合分離効率は、関心 ある亜集団の性質にかなり依存する。さらに、本明細書のいずれない述べた希少 細胞の分離度といった、任意の程度の分離が本発明の範囲内である。 本発明の方法に従って単離される関心ある希少細胞(希少細胞の任意の分離さ れた亜集団を含む)を、任意の所望のやり方で操作することができる。例えば、 細胞のトランスフェクション、感染、サブクローニング、溶解、標識、形質転換 、またはその他の操作を行うことが可能である。望ましくは、本発明の方法は、 溶離した希少細胞の集団を培養液中で培養することを含む。任意の培養液、例え ば、ここに説明した培養液といった、関心ある希少細胞集団を支持することがで きる任意の培養液、を本発明の方法に関連して利用することができる。関心ある 希少細胞を培養して、分泌分子といった細胞代謝の産物を単離することが望まし い。例えば、本発明の方法によりインターフェロンおよび他のリンパ球代謝の分 泌産物の採集のためにリンパ球を選択的に培養することができる。 本発明はさらに希少細胞の産物を多孔質媒体から溶離させずに得る方法も提供 する。この方法は、まず希少細胞を含有する血液製剤を多孔質媒体と接触させ、 希少細胞のある集団を多孔質媒体上に保持することを含む。その後、多孔質媒体 を富栄養培養液と接触させることにより、多孔質媒体上で希少細胞の該集団を培 養する。典型的には、この方法は培養液から希少細胞の産物を単離することも含 む。 血液製剤由来の関心ある希少細胞集団を、ここに説明したような任意の適当な 方法により多孔質媒体上に選択的に保持する。もちろん、関心ある集団は、全て のタイプの希少細胞を含んでいてもよく、または、ここに説明したように任意の 望ましい希少細胞の亜集団を含むものでもよい。従って、流出した血液製剤(即 ち、多孔質媒体を通過する血液製剤画分)は、認めうる数の希少細胞(即ち、関 心ある希少細胞集団以外の希少細胞)を含むことができる。次に、流出した血液 製剤は、ここに説明したように、第2の希少細胞の集団(または追加の複数の希 少細胞の集団)を選択的に保持するために、その後で第2の多孔質媒体(または 追加の複数の多孔質媒体)にさらすこともできる。 次いで、希少細胞の集団を選択的に保持している多孔質媒体を培養液にさらす (例、浸漬する)。適当な培養液は、関心ある希少細胞の集団を支持するもので ある。適当な培養液の例はここに説明されており、それ以外の培養液も本技術分 野では周知である。最も望ましい培養液は、もちろん、関心ある集団内の希少細 胞のタイプ(型)に大いに依存し.適当な培養液の選択は本技術分野において周 知である。 培養液内において、多孔質媒体は関心ある希少細胞の基質として作用する。従 って、培養液内で多孔質媒体をインキュベーションする任意の方法が適当である 。例えば、多孔質媒体を濡らすように培養液を入れた培養皿の表面上に多孔質媒 体を置くことができる。好ましくは、培養液内に沈めるといった方法により多孔 質媒体を完全に濡らす。こうして、希少細胞の集団を多孔質媒体上で培養する。 希少細胞の集団を任意の適当な条件下でこのように培養することができ、適当な 条件はもちろん培養液の性質(例、CO2濃度、pH、温度等)に応じて変動する。 細胞培養物のインキュベーションは本技術分野では周知である。 関心ある任意の希少細胞集団を本発明の方法に従って培養することができる。 さらに、関心ある集団は、ここに開示したようにして分離された希少細胞の亜集 団のような希少細胞の亜集団であってもよい。好ましい希少細胞の集団はリンパ 球を包含する。本発明の方法に従って多孔質媒体上で培養する間に、リンパ球を 活性化させて、インターフェロン、リンホカイン、または他の因子を産生するこ とができる。従って、リンパ球を培養する場合、培養液は好ましくはリンパ球を 活性化する因子を含有する。任意のこのような活性化因子が適当であり、このよ うな因子は本技術分野では周知である。その後、分泌された因子を単離するため に培地を規則的に変化させる。 以下の実施例は本発明さらに説明するが、いかなる意味でも本発明の範囲を制 限するものと解すべきではない。 実施例1 本実施例は、本発明の方法が血液製剤から白血球(リューコサイト)を選択的 に回収することができることを実証する。 アドゾール(Adsol)TM添加剤溶液中の濃厚赤血球(PRC)の標準的な複数の単位を 、アメリカ血液銀行協会(American Association of Blood Banks)により認可さ れている供血センターから入手した。実験当日の濃厚赤血球は2〜7日経過した ものであった。濾過前に各単位を秤量し、血液学的指数(即ち、ヘマトクリット 値、白血球含有量、血小板濃度等)を自動血液分析器により測定した。 濾過した。流出濾液を600mlのプラスチック製移送バッグ内に集めた。 濾過の後、各フィルターユニットの入口チューブをクランプ止めし、フィルタ ーを血液バッグから取り外した。フィルターを取り外した後、クランプを取り除 き、入口と出口のチューブのそれぞれ約8mm分を除いた全てのチューブをフィル ターから取り除いた。 約4℃の溶離液(15wt% BSAもしくはFCS、ならびに10wt% ACD処方A(即ち、2. 5g/lデキストロース、2.20g/lクエン酸ナトリウム2水和物、および730mg/l無水 クエン酸)を加えたDMEM)を入れた60ml注射器をフィルターの出口チューブに取 り付け、フィルターを約2.5L/min/m2の流量で逆流フラッシングした。フィルタ ーから実質的に全ての残留赤血球を溶離させるために、合わせて数回 の注射器量(即ち、約280ml)の溶離液で核フィルターを逆流フラッシングした 。その後、残留する溶液液を全て除去するために、各フィルターに120mlの空気 を流した。 溶離後、各溶離液の量を秤量して体積を求め(密度を1.0g/mlと仮定して)、 自動血液分析器により血液学的指数を測定した。測定値から、濾過前の白血球濃 度と、溶離後の濃度を算出して、全白血球回収率の値を求めた。これらの結果を 表1に示す。 これらのデータは本発明の方法がPRC 1単位中の白血球の約65%を効果的に回 収することを示している。 実施例2 本実施例は本発明の方法が白血球を選択的に回収できることを実証する。 血液銀行から入手したPRCの標準的な複数の単位を、下記の点を除いて実施例 1と実質的に同様に処理した。PRCは、表2に示すように、2時間ないし12日間 経過したものであった。1日より古いPRCにはアドゾールTM添加剤を添加した。 溶離はバッグからフィルターを取り外した後、出口に軟質チューブを取り付ける ことにより行った。チューブの他端は蠕動ポンプに取り付けた。溶離液を異なる 流量(表2に示した)でフィルターに通した。さらに、フィルターをフラッシン グする際に、ポンプを止め、チューブからフィルターを取り外し、このチューブ をフィルターのもう一方の口に取り付け、ポンプを再開することにより、流れ方 向を逆転させた。各方向のフラッシングにおいてフィルターを通るように送り込 んだ溶離液の量を表2に示す。 溶離液A(実験用)およびC(対照)の2種類を実験に使用した。どちらの溶 液も30g/Lヒトアルブミン、0.01M K2PO4、および0.15M NaClであった。さらに、 溶液Aは90g/Lデキストラン(分子量=66,000〜70,000)、3.0mM EDTA、および1 0g/Lプルロニック(Pluronic)F68コポリマーを含有していた。一部の実験は低温 溶離液(22±2℃)で行い、別の実験は保温溶離液(37±2℃)で行った。溶離 した白血球(Wbc)を滅菌250ml遠心管に集め、細胞数ならびに他の血液学的指数を 実施例1に記載したようにして測定した。 各サンプルの回収率を表2に報告する。サンプル#1−流量200ml/min。逆流−100ml、順流−100ml、逆流−75ml。 サンプル#2−流量225ml/min。逆流−100ml、順流−125ml(流量250ml/min) 。 サンプル#3−流量300ml/min。逆流−125ml、順流−100ml。 サンプル#4−流量400ml/min。逆流−100ml、順流−150ml。 サンプル#5〜8−流量400ml/min。逆流−125ml、順流−流出量の残り。 サンプル#9−流量450ml/min。逆流−125ml、順流−流出量の残り。実施例3 本実施例は、本発明の方法が白血球の1つの亜集団を別の亜集団から選択的に 回収することができることを実証する。 下記の点を除いて実施例1と同様にフィルターを得て処理する。逆流フラッシ ングとクランプの取り外しの前に、フィルターの短い流出用チューブに、サイト カイン(特にIL-2)ならびに補体複合体産物のC3a,C4a,およびC5aを添加した 溶離液を満たす。流出而を溶離液と接触させながらフィルターをほぼ室温で1時 間インキュベーションする。その後、フィルターを前に説明したようにして逆流 フラッシングする。 続いて、フィルターを顆粒球の走化性を加速させることが知られている因子に 曝している時に、より非アメーバ様である白血球をフィルターから溶離させる。 実施例4 本実施例は、本発明方法が単核細胞(MNC)(単球およびリンパ球)を選択的に回 収することができることを実証する。 クエン酸リン酸デキストロース(CPD)抗凝固剤中の新鮮なヒト全血の複数の単 別々のプラスチック製移送バッグに集めた。 濾過後、緩衝化9%(w/v)デキストラン(分子量70,000)、3〜5%(w/v)ヒト アルブミン、2〜5%(w/v)スクロース、0.01Mリン酸カリウムおよび0.15M塩化 ナトリウムを含有する溶離液259mlを用いて約300〜400ml/minの流量でフィルタ ーを逆フラッシングした。 これらのデータは、本発明の方法が全血中に存在していた量の単核細胞(MNC) の約80〜100%を有効に回収することを実証している。 特許、特許出願および刊行物を含むここに引用した全ての参考文献の全体をこ こに参照のために援用する。 本発明を好適態様に重点を置いて以上に説明したが、これらの好適態様を変更 することができ、本発明はここに具体的に説明した以外の手法でも実施できるこ とは当業者には明らかであろう。従って、本発明は下記の請求の範囲により規定 される本発明の技術思想および範囲内に包含される全ての変更例を包含する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/064,192 (32)優先日 平成9年11月4日(1997.11.4) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記工程を含む、血液製剤から希少細胞の1集団を採集する方法: 希少細胞を含有する血液製剤を多孔質媒体と接触させ; 該希少細胞を該多孔質媒体上に選択的に保持し; 該多孔質媒体を富栄養溶離液と接触させ;そして 希少細胞の該集団を該多孔質媒体から選択的に溶離させる。 2.下記工程を含む、血液製剤から希少細胞を採集する方法: 該希少細胞を含有する血液製剤を多孔質媒体と接触させ; 該希少細胞を該多孔質媒体上に選択的に保持し; 該多孔質媒体を約5〜37℃の温度で溶離液と接触させ;そして 該第一表面から該希少細胞を選択的に溶離させる。 3.該溶離液が富栄養液体を含む、請求の範囲第2項記載の方法。 4.該溶離液がウシ血清アルブミンおよびクエン酸/塩−デキストロースを添加 したダルベッコ修飾イーグル培地を含む、請求の範囲第1項ないし第3項のいず れか1項に記載の方法。 5.該溶離液が緩衝剤含有食塩水を含む、請求の範囲第1項ないし第4項のいず れか1項に記載の方法。 6.該溶離液が約15〜35℃の範囲内の温度である、請求の範囲第1項ないし第5 項のいずれか1項に記載の方法。 7.該溶離液が約20〜30℃の範囲内の温度である請求の範囲第6項記載の方法。 8.多孔質媒体の溶離液との接触が、多孔質媒体を溶離液で逆流フラッシングす ることを含む、請求の範囲第1項ないし第7項のいずれか1項に記載の方法。 9.血液製剤が希少細胞の少なくとも第1および第2の集団を含み、希少細胞の 第1集団を選択的に溶離させ、希少細胞の第2集団は該溶離液との接触後も多孔 質媒体上に選択的に保持されたままである、請求の範囲第2項記載の方法。 10.該集団が希少細胞の第1集団であり、希少細胞の第2集団は該溶離液との接 触後も多孔質媒体上に選択的に保持されたままとなる、請求の範囲第1項または 第2項ないし第8項のいずれか1項に記載の方法。 11.該第1集団が本質的にリンパ球からなる請求の範囲第9項または第10項記載 の方法。 12.該第2集団が本質的に樹状細胞、顆粒球、単球、マクロファージ、または幹 細胞からなる、請求の範囲第10項または第11項記載の方法。 13.該溶離液が希少細胞の該第2集団の該多孔質媒体への選択的付着を促進する 、請求の範囲第10項ないし第12項のいずれか1項に記載の方法。 14.該溶離液が2価カチオンを含んでいる、請求の範囲第10項ないし第13項のい ずれか1項に記載の方法。 15.該溶離液がサイトカインを含んでいる、請求の範囲第10項ないし第14項のい ずれか1項に記載の方法。 16.該溶離液が少なくとも1種の補体複合体産物を含んでいる、請求の範囲第10 項ないし第15項のいずれか1項に記載の方法。 17.該補体複合体産物がC3a,C4a,およびC5aよりなる群から選ばれる、請求の 範囲第16項記載の方法。 18.希少細胞の該集団を含有する該溶離液を、第2の多孔質媒体と接触させ、該 希少細胞の1つの亜集団を該第2の多孔質媒体に選択的に保持する、請求の範囲 第1項ないし第17項のいずれか1項に記載の方法。 19.該第2の多孔質媒体が希少細胞の該亜集団に特異的な抗体を含んでいる、請 求の範囲第18項記載の方法。 20.該第2の多孔質媒体が該希少細胞の亜集団に結合するリガンドを含んでいる 、請求の範囲第18項または第19項記載の方法。 21.該亜集団が本質的に樹状細胞、顆粒球、単球、マクロファージ、または幹細 胞からなる、請求の範囲第18項ないし第20項のいずれか1項に記載の方法。 22.下記工程を含む、血液製剤から希少細胞を採集する方法: 該希少細胞を含有する該血液製剤を多孔質媒体と接触させ; 該希少細胞の第1および第2の集団を該多孔質媒体上に選択的に保持し; 希少細胞の該第1および第2の集団を、該第1集団が該第2集団に比べてより 強力に多孔質媒体に付着するのを促進させる因子と接触させ;そして 該多孔質媒体を、該第1および第2の集団と生理学的に適合性のある溶液を含 んでいる溶離液と接触させ、該希少細胞の該第2集団を希少細胞の該第1集団よ り大きな程度で該多孔質媒体から溶離させる。 23.該因子が該希少細胞の該第1集団により分泌される、請求の範囲第22項記載 の方法。 24.該因子がインターロイキン−IIである、請求の範囲第22項または第23項記載 の方法。 25.該多孔質媒体が該因子を含んでいる、請求の範囲第22項ないし第24項のいず れか1項に記載の方法。 26.該因子が抗体である、請求の範囲第22項ないし第25項のいずれか1項に記載 の方法。 27.該因子がリガンドである、請求の範囲第22項ないし第26項のいずれか1項に 記載の方法。 28.該因子がポリマーである、請求の範囲第25項記載の方法。 29.該ポリマーがナイロンである、請求の範囲第28項記載の方法。 30.希少細胞の該第1集団が、該溶離後に希少細胞の該第2集団由来の細胞を実 質的に含んでいない、請求の範囲第22項ないし第29項のいずれか1項に記載の方 法。 31.該第2集団がリンパ球を含んでいる、請求の範囲第22項ないし第30項のいず れか1項に記載の方法。 32.該第1集団が本質的に樹状細胞、顆粒球、単球、マクロファージ、または幹 細胞からなる、請求の範囲第22項ないし第31項のいずれか1項に記載の方法。 33.下記工程を含む、希少細胞の産物を得る方法: 希少細胞を含む血液製剤を、この希少細胞を選択的に保持する多孔質媒体と接 触させ、 該多孔質媒体を富栄養培養液と接触させて、該希少細胞の産物を産生するよう に該希少細胞の1集団を該孔質媒体上で培養し、 該培養液から該希少細胞の該産物を単離する。 34.該希少細胞がリンパ球を含んでいる、請求の範囲第1項ないし第8項または 第33項記載の方法。 35.該培養液がリンパ球を活性化する因子を含んでいる、請求の範囲第33項記載 の方法。 36.該希少細胞が幹細胞を含んでいる、請求の範囲第1項ないし第8項または第 33項記載の方法。
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