JP2001518207A - 反射減少手段を有する反射式液晶ディスプレイ（ｌｃｄ）装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 反射式液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）装置は基板の表面上に反射性画素電極のアレイを有し、光透過性領域が前記反射性画素電極間に位置している。反射性画素電極と、これら反射性画素電極間の光透過性領域との双方の上にはネマチック液晶層が設けられている。前記ネマチック液晶層及び前記光透過性領域を経てこの反射式液晶ディスプレイ装置に入射するとともに反射により前記光透過性領域及び前記ネマチック液晶層を経て反射式液晶ディスプレイ装置から出射する光の割合を減少させるために反射減少手段が設けられている。この反射減少手段は、一形態では、低反射率のＶ字状層が設けられた基板中のＶ字状溝とする。或いはまた、反射式液晶ディスプレイ装置が明状態の際に、ネマチック液晶層の分子が反射性画素電極の軸線に対し約４５°の角度の方向に配向されるようにすることにより、反射減少手段をうることができる。第３の方法は、上述した２つの方法を１つの装置で組合せることである。このようにすることにより、光遮蔽体を必要とすることなく、見る方向での画素間領域からの光の反射が減少され、コントラストが改善される。

Description

【発明の詳細な説明】 反射減少手段を有する反射式液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）装置 本発明は液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）装置の分野におけるものであり、特に、 このような装置の画素間領域からの不所望な反射を減少させることに関するもの である。 反射式ＬＣＤ装置自体は当業者にとって既知である。このような装置、特にア クティブマトリックス装置の例は米国特許第4,239,346号及び第5,056,895号明細 書に開示されている。以下の説明において、このような装置の通常の特徴は本発 明と関連している為、本発明に特有の特徴のみを説明する。従って、説明を簡潔 にするために、上記の米国特許明細書をそつくり参照する。 従来の装置における問題は、活性状態、すなわち、暗状態で、画素電極間の光 透過性領域の下側に反射性材料が存在する為に、これら画素電極間の光透過性領 域内で光が反射されるおそれがあるということである。このような光は見る方向 に戻るように反射され、表示される画像のコントラストを減少させる。その理由 は、暗状態にある反射性画素間の領域に明領域が生じる為である。この問題は、 ＬＣＤ装置の上側のガラス層上に、下側の画素間領域と正確に整列されるように 配置した光遮蔽体により解決されるが、このような解決策は費用が嵩み、複雑で あるとともに、光透過性領域、すなわち、画素間領域ど光遮蔽体との極めて正確 な位置決めを要求する。 従って、費用が嵩み、高精度で、複雑な光遮蔽体を必要とすることなく、ＬＣ Ｄ装置の画素間領域において、光反射を減少させる又は最少とすることが望まし い。 従って、本発明の目的は、複雑で、費用が嵩み、高精度の光遮蔽体を画素間領 域上に用いる必要のない、反射減少手段を有する反射式ＬＣＤ装置を提供せんと するにある。 本発明によれば、この目的を達成するために、上述した種類の反射式ＬＣＤ装 置において、前記液晶層及び前記光透過性領域を経てこの反射式液晶ディスプレ イ装置に入射するとともに反射により前記光透過性領域及び前記液晶層を経て反 射式液晶ディスプレイ装置から出射する光の割合を減少させる反射減少手段を設 ける。 本発明の好適例では、前記反射減少手段が、低反射率のＶ字状層が設けられた 前記基板内のＶ字状溝を有しているようにする。 本発明の他の好適例では、互いに直交する２つの軸線を規定する方形（代表的 に正方形）の反射性画素電極を用い、ＬＣＤ装置が明状態にある際にこれらの軸 線に対し約４５°の角度の方向に分子が配向されるネマチック液晶層を設けるこ とにより、反射減少を達成する。 本発明の更に他の好適例では、Ｖ字状溝とネマチック液晶層の分子配向との双 方の特徴を１つの装置で組合せる。 本発明による反射式ＬＣＤ装置は、費用が嵩み、複雑で、高精度の光遮蔽体を 用いることなく、暗状態でのコントラストが著しく改善される点で、従来のもの に比べ著しい改善をもたらす。 本発明の上述した及びその他の観点は、以下の実施例に関する説明から明らか となるであろう。 本発明は、添付図面と関連して読むべき以下の説明により、より一層完全に理 解しうるであろう。図面中、 図１は、本発明の第１実施例による反射式ＬＣＤ装置の一部を簡単化して示す 断面図であり、 図２は、本発明の第２実施例による反射式ＬＣＤ装置の一部を明状態で簡単化 して示す平面図であり、 図３は、本発明の第２実施例による反射式ＬＣＤ装置の一部を暗状態で簡単化 して示す平面図である。 異なる図において、同様な領域には一般に同じ符号を付してあり、図面は実際 のものに正比例して描いていないことに注意すべきである。 本発明の第１実施例による反射式ＬＣＤ装置５の一部を図１に簡単化した断面 図で示す。明瞭とするために、本発明に関連する装置部分のみを図示してある。 その理由は、装置の他の部分は通常の特性のものであり、当業者にとって周知の ものであり、前述した米国特許明細書に示されている為である。更に、明瞭とす るために、図１に示す装置のうちのある選択した部分のみにハッチを付して示し てあり、残りの部分は簡単化した外形で示してある。 図１に示す装置の基本構造は、例えばシリコンより成る基板１０の上に、順次 に絶縁層１２と、液晶層１４と、ＩＴＯ電極１６と、ガラス層１８とを設けたも のから成っている。液晶層１４と絶縁層１２との間には反射性の画素電極２０の アレイが設けられており、これら反射性の画素電極間には光透過性の領域２２が 位置している。これまで説明したところの図１に示す装置の部分が通常の特性の ものであり、これらの形状及び構成は当業者にとって既知のものである為、これ らは更に詳細に説明しない。 本発明の第１実施例によれば、図１の反射式ＬＣＤ装置が基板１０内にＶ字状 溝２４をも有し、この溝内に、代表的に反射率が比較的低い材料より成るのが有 利なＶ字状層２６を設ける。この層２６は、ポリシリコン又は金属のような導電 性の材料を以て構成しうるため、基板１０をこのＶ字状層２６から絶縁し、これ によりいかなる不所望な電流も２つの素子間で流れないようにするのに、基板上 に絶縁層２８を設ける。更に、反射性画素電極２０間の光透過性領域２２の下側 にＶ字状層２６を配置することにより、光透過性領域を経て装置に入射される光 は殆ど基板１０に到達しないようになり、これにより不所望な漏洩電流が基板中 に誘起されなくなる。 図１に示す装置では、層２６をＶ字状層として形成し、この層２６の反射率を 比較的低くすると、光透過性領域２２を介して装置に入る光線３０は、図１に光 線３２で示すように光透過性領域２２を経て装置から出る方向に向く前にＶ字状 層２６により２度反射される(従って、減衰される)。このようにして、光透過性 領域の下側に通常の平坦な層を有する場合に比べ２倍の量の減衰が得られる為、 たとえ、Ｖ字状層２６を金属又は反射率が比較的高い材料を以て構成した場合で も、従来の装置の場合よりも低い反射率が得られる。しかし、本発明の好適例で は、Ｖ字状層２６をポリシリコンを以て構成して、この層の反射率を更に低くす るのが有利である。 絶縁層１２に対し黒色ポリイミドのような材料を用い、光透過性領域２２を通 って装置に入射され（３０）且つ装置を出る（３２）光を更に２度減衰させるこ とにより、光透過性領域２２を通る光路における反射率を更に減少させることが できる。 図２及び３の簡単化した平面図に示すような本発明の他の好適例によれば、ネ マチック液晶層１４に、明状態（電極に電圧を印加しない状態）で分子配向を与 えて、本発明により反射性画素電極に電圧を印加した際に画素間領域（光透過性 領域２２）が暗状態となるようにする。 ＬＣＤ装置５の多数の反射性画素電極２０を画素間光透過性領域２２により分 離した状態を図２に極めて簡単化して示してあり、反射性画素電極は方形（この 場合正方形）とし、これら電極のエッジが、図２の平面図における縦及び横方向 に一致する２つの互いに直交する軸線を規定している。図２には、反射性画素電 極に電圧を印加しない際の明状態における、反射性画素電極２０の軸線に対し約 ４５°の角度の方向での、ネマチック液晶層（図１に１４で示す）の分子配向を も示してある。図２では、この分子配向を、反射性画素電極のエッジの縦及び横 軸線に対し約４５°の角度の方向に延在する破線３４で示してある。 当該技術分野で周知のように、反射式ＬＣＤ装置における光の変調は、装置に おける反射光の偏光状態を変えることにより達成される。特に、装置に入射され る光の偏光状態は、この光が複屈折度の高い液晶層１４を通過するので（反射路 の為に２度）変化する。明のディスプレイ部分に対しては、電界は加えられず、 偏光は９０°回転し、一方、暗のディスプレイ部分に対しては垂直方向に向いた 電界が反射性画素電極に加えられ、液晶層の有効複屈折度を低減させ、従って、 偏光変化を低減させる。電界レベルが高いと、複屈折度が零に近づき、装置に暗 状態を生ぜしめる。このような装置は、代表的に、初期偏光を生じる前置偏光子 と、ディスプレイ内の偏光が明状態で９０°回転した場合にディスプレイから可 視光出力を生じるとともに暗状態で反射光を可視出力方向からそれる方向に偏向 させる偏光ビームスプリッタと共に動作する。 従って、縦及び横方向の光偏光方向に対し、図２及び３に示すように、液晶層 の４５°の分子配向が所望の９０°の偏光回転を生じ、反射性画素電極２０に電 圧が印加されない際のディスプレイの明状態を達成する。 図３は、電圧が反射性画素電極に印加された活性、すなわち、暗状態での反射 式ＬＣＤ装置５における分子及び電界配向を簡単化して示している。本発明によ れば、図３に示しているように、順次異なる極性の電圧を順次の画素電極２０に 印加し、図３の平面に対し垂直な方向の分子配向をネマチック液晶層１４に生ぜ しめ、電極２０Ｂ及び２０Ａ上に点を含む円及び＋印を含む円でそれぞれ示すと ともに図３に符号３６及び３８で示すように、順次の電極２０Ａ及び２０Ｂ上の 分子が同じ方向に、しかし１８０°相がずれて配向されるようにする。画素電極 に電圧を印加することにより垂直方向に向いた電界が生じる為、液晶層の有効複 屈折度が減少され、従って、偏光変化が減少して零に近付き、高電界で暗状態を 生ぜしめる。 これと同時に、順次の画素電極に逆極性の電圧を印加することにより、すなわ ち、画素反転モードとして既知の動作状態の為に、強い平面内電界成分４０が画 素間領域２２内に生ぜしめられる。その結果、画素間領域２２内の液晶層の複屈 折度が、画素領域内の場合のように最小化されずに、最大化される。図３に示す ように、画素電極の互いに直交する軸線の一方に平行な方向の入射光の偏光を選 択することにより、画素間領域も暗状態となるように液晶の画素間領域における 分子が光の偏光方向に対して配向される。 本発明の他の好適例では、図１のＶ宇状層と、図２及び３に示す液晶配向及び 電圧印加設計とを組合せることにより、コントラストを更に改善することができ る。 従って、本発明は、光遮蔽体をガラス層上に正確に整列させる高価で複雑な手 段に頼ることなく、コントラストを改善した反射式ＬＣＤ装置を提供する。 上述したところでは、本発明を幾つかの好適例につき説明したが、本発明の範 囲を逸脱することなく本発明を種々に変更しうること明らかである。

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．基板の表面上に反射性画素電極のアレイを有する反射式液晶ディスプレイ装 置であって、前記反射性画素電極間に光透過性領域が位置し、この反射式液晶 ディスプレイ装置は更に、前記反射性画素電極及び前記光透過性領域上に液晶 層を有する当該反射式液晶ディスプレイ装置において、 この反射式液晶ディスプレイ装置が、前記液晶層及び前記光透過性領域を経 てこの反射式液晶ディスプレイ装置に入射するとともに反射により前記光透過 性領域及び前記液晶層を経て反射式液晶ディスプレイ装置から出射する光の割 合を減少させる反射減少手段を有していることを特徴とする反射式液晶ディス プレイ装置。 ２．請求の範囲１に記載の反射式液晶ディスプレイ装置において、前記反射減少 手段が、低反射率のＶ字状層が設けられた前記基板内のＶ字状溝を有している ことを特徴とする反射式液晶ディスプレイ装置。 ３．請求の範囲２に記載の反射式液晶ディスプレイ装置において、低反射率の前 記Ｖ字状層が絶縁層上に設けられ、この絶縁層が前記Ｖ字状層を前記基板から 絶縁していることを特徴とする反射式液晶ディスプレイ装置。 ４．請求の範囲３に記載の反射式液晶ディスプレイ装置において、低反射率の前 記Ｖ字状層がポリシリコンを有していることを特徴とする反射式液晶ディスプ レイ装置。 ５．請求の範囲４に記載の反射式液晶ディスプレイ装置において、前記反射性画 素電極と前記基板との間に黒色ポリイミドが設けられていることを特徴とする 反射式液晶ディスプレイ装置。 ６．請求の範囲１に記載の反射式液晶ディスプレイ装置において、前記液晶層が ネマチック液晶層であり、前記反射減少手段が、互いに直交する２つの軸線を 規定するエッジを有する方形形状とした前記反射性画素電極と、反射式液晶デ ィスプレイ装置が明状態の際に前記軸線に対し約４５°の角度の方向に配向さ れるようになっている前記ネマチック液晶層の分子とを有することを特徴とす る反射式液晶ディスプレイ装置。 ７．請求の範囲６に記載の反射式液晶ディスプレイ装置において、この反射式液 晶ディスプレイ装置が暗状態の際に交互の画素電極に交互に極性の異なる電圧 を印加する手段が設けられていることを特徴とする反射式液晶ディスプレイ装 置。 ８．請求の範囲１に記載の反射式液晶ディスプレイ装置において、前記反射減少 手段が、低反射率のＶ字状層が設けられた前記基板内のＶ字状溝と、互いに直 交する２つの軸線を規定するエッジを有する方形形状とした前記反射性画素電 極との双方を有し、前記液晶層がネマチック液晶層であり、このネマチック液 晶層の分子は、反射式液晶ディスプレイ装置が明状態の際に前記軸線に対し約 ４５°の角度の方向に配向されるようになっていることを特徴とする反射式液 晶ディスプレイ装置。