JP2001518100A - 効能剤を送達するためのアジュバント粉末を含む洗浄剤バー及び前記バーの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 アジュバント粉末組成物は効能剤を含み、効能剤の送達を強化するために洗浄剤バー組成物で使用される。アジュバントを形成するために使用されるキャリヤーは噴霧乾燥工程に耐えるに十分高い融点をもつべきである。詳細には、本発明は（Ａ）（ａ）粉末効能剤１〜７０重量％、（ｂ）粉末キャリヤー１５〜９８重量％、（ｃ）粉末水１〜１０重量％、及び（ｄ）粉末付着／加工助剤（例えば界面活性剤、カチオンポリマー及び／又は親水性ポリマー）０〜３０重量％を含む粉末約１％〜３０％と、（Ｂ）石鹸、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤及びその混合物から構成される群から選択される界面活性剤５％〜９０％を含むチップ９９％〜７０％を含むバー組成物に関する。本発明は更に、（Ａ）と（Ｂ）を別々に製造し、（ａ）、（ｂ）、（ｃ）及び場合により（ｄ）を４０℃〜８０℃で混合し、（ａ）と（ｂ）の混合物を８０℃〜２００℃で０．１０〜０．３０ｍＰａの圧力で噴霧乾燥し、（Ａ）と（Ｂ）を混合し、プロッディングし、押出して最終バーとするバーの製造方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】効能剤を送達するためのアジュバント粉末を含む洗浄剤バー及び前記バーの製造 方法 発明の技術分野 本発明は効能剤を良好に送達することが可能なバー組成物、特に合成バー組成 物に関する。特に、本発明は（ａ）効能剤と、（ｂ）キャリヤー（例えば可溶性 又は部分可溶性澱粉、水溶性非晶質固体又は半結晶質水溶性固体）と、（ｃ）水 と、（ｄ）場合により付着／加工助剤を含む粉末アジュバントに関し、前記アジ ュバント粉末は微粉砕、押出及びバーの型押よりも以前にバーチップと混合する 。本発明は前記バーの製造方法にも関する。発明の背景 バー加工に悪影響を与える（例えば効能剤が粘着性で機械に詰まったり、粘度 が高いためにバー組成物を押出しにくい）と同時に及び／又はバー使用性（例え ば泡立ち）を悪化させることなく、知覚可能な皮膚効能を提供するために十分な 皮膚効能剤を皮膚に送達可能な身体洗浄用バーを製造することは困難で ある。 例えば、一般に非水溶性効能剤は泡立ち性能を低下させる傾向がある。更に、 このような効能剤を添加しても、バー中の脂肪酸やロウ等の非水溶性粒子濃度が 高く、効能剤粒子と競合したり、所望の非水溶性効能剤の皮膚付着を妨げる恐れ があるため、非水溶性効能剤をバーから皮膚に有効に付着させるのは困難である 。 本願出願人は、（１）効能剤と、（２）水溶性（又は少なくとも部分水溶性） キャリヤーと、（３）水と、（４）場合により、界面活性剤（例えばココアミド スルホスクシネート、アルドビオナミド）、カチオンポリマー（例えばＭｅｒｑ ｕａｔ（登録商標）１００）及び親水性ポリマー（例えば高分子量ポリアルキレ ングリコール）から構成される群から選択される付着／加工助剤を含むアジュバ ント粉末として効能剤を送達すると、加工に悪影響を与えたり（場合によっては 加工を助長する）更に泡量等の使用性を悪化させずに（バーの代わりにシャワー ジェルを使用した場合と同等の高レベルまで）効能剤の付着を強化できることを 意外にも知見した。 非水溶性粒子（例えばシリコーン等のエモリエントオイル） の付着を強化するために所定の付着ポリマー（例えばカチオンポリマー）を使用 することは液体シャンプーからの毛髪付着の関連で知られている。例えばＳｉｍ ｅの米国特許第５，０３７，８１８号はシャンプーから毛髪への付着を強化する ためにカチオン界面活性剤を教示している。 ＷＯ９４／０３１５２（Ｕｎｉｌｅｖｅｒ ＰＬＣに譲渡）はカチオンポリマ ーを使用してシリコーン油を毛髪に有効に付着させることが可能な液体クレンザ ーを教示している。 Ｂｏｌｉｃｈ，Ｊｒ．らの米国特許第４，７８８，００６号は、２〜５０μｍ のシリコーン粒子と毛髪をコンディショニングするためにキサンタンを加えたシ ャンプー組成物を教示している。 しかし、上記文献はバーからの効能剤の付着について教示していない。更に、 これらの文献は効能剤と特定の噴霧乾燥可能なキャリヤー（及び場合によりカチ オンポリマー等の付着／加工助剤）を含む粉末アジュバントを教示又は示唆して おらず、このような粉末アジュバントをバーチップと混合してバーを形成するこ とも教示又は示唆していない。 皮膚コンディショニング効果及び／又は柔軟性を提供するた めにカチオンポリマーを含む身体洗浄用バーも従来技術に開示されている（Ｓｍ ａｌｌらの米国特許第４，６７３，５２５号、Ｍｅｄｃａｌｆ，Ｊｒ．らの米国 特許第４，８２０，４４７号及びＳｍａｌｌらの米国特許第５，０９６，６０８ 号参照）。しかし、これらの文献では、本発明に記載するように噴霧乾燥粉末ア ジュバントを形成するためにカチオンポリマーを効能剤と併用していない。 Ｐａｒｒａｎ，Ｊｒ．の米国特許第３，７６１，４１８号は非水溶性粒状物質 と、洗剤組成物で洗浄した表面への粒状物質の付着及び保持を強化するためのカ チオンポリマーを含む洗剤組成物を開示している。詳細には、カチオンポリマー を使用して化粧洗剤バーからの抗菌剤の付着を強化することが開示されている。 しかし、この文献も効能剤の付着を強化するために（キャリヤーを必須に含み、 場合によりカチオンポリマーを含む）本発明のアジュバント粉末を使用すること は教示又は示唆していない。 本願出願人らは本願と同日付けで出願した同時係属出願（発明の名称“Ｍｅｔ ｈｏｄ ｆｏｒ Ｅｎｈａｎｃｉｎｇ Ｄｅｐｏｓｉｔｉｏｎ ｆｒｏｍ Ｂａ ｒｓ Ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ Ｕｓｅ ｏｆ Ｂａｒ Ａｄｊｕｖａｎｔ Ｐｏｗｅｄｅｒ Ｃｏｍｐｏｓｉｔ ｉｏｎｓ Ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ Ｂｅｎｅｆｉｔ Ａｇｅｎｔ ａｎｄ Ｄｅ ｐｏｓｉｔｉｏｎ Ｐｏｌｙｍｅｒ”）においてカチオンポリマーを含むアジュ バント粉末から製造したバーを教示している。しかし、同出願は効能剤（とカチ オン付着助剤）を含むアジュバントをまず形成し、チップと同時押出するという 概念を広義に記載しているので、同発明のアジュバントは融点＞８０℃、好まし くは＞１００℃のキャリヤーに限定されず、任意の方法（自由乾燥、噴霧乾燥） を使用することができる。これに対して本発明のキャリヤーは噴霧乾燥法に耐え るために最低融点をもたなければならない。発明の要約 本発明は界面活性剤系５％〜９０％を含む「慣用」バーチップ９９％〜７０％ 、好ましくは９５％〜７５％と粉末組成物１〜３０重量％、好ましくは５〜２５ 重量％、より好ましくは１０〜２５重量％を混合したバー組成物に関する。アジ ュバント粉末組成物とチップを混合して押出し、従来よりも著しく高濃度の効能 剤を皮膚に送達することが可能なバー組成物を形成する。 詳細には、本発明は、 （Ａ）（ａ）粉末効能剤１〜７０重量％、 （ｂ）粉末キャリヤー１５〜９８重量％、 （ｃ）粉末水１〜１０重量％、及び （ｄ）粉末付着／加工助剤（例えば界面活性剤、カチオンポリマー及び／又は親 水性ポリマー）０〜３０重量％を含む粉末約１％〜３０％（従って約１０％添加 ）と、 （Ｂ）石鹸、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチ オン界面活性剤及びその混合物から構成される群から選択される界面活性剤５％ 〜９０％を含むチップ９９％〜７０％を含むバー組成物に関する。 最終バー中の効能剤の添加量（例えば約１０％）は効能剤に含まれる粉末の百 分率に依存する。例えば、粉末が効能剤油分５０％を含む場合には、１０％の添 加量（即ち２０％の５０％）を達成するためには粉末２０％（及びチップ８０％ ）が必要である。効能剤が粉末の25％に過ぎない場合には、最終バー中で１０％ 添加量を達成するためには、粉末４０％（４０％の２５％）をチップ６０％と混 合することが必要である。 別の態様では、本発明は（Ａ）と（Ｂ）を別々に製造し、（ａ）、 （ｂ）、（ｃ）及び場合により（ｄ）を４０℃〜８０℃で混合し、（ａ）と（ｂ ）の混合物を８０℃〜２００℃で０．１０〜０．３０ＭＰａの圧力で噴霧乾燥し 、（Ａ）と（Ｂ）を混合、プロッディング及び押出して最終バーとするバーの製 造方法を提供する。発明の詳細な説明 本発明はバー組成物で従来可能であったよりも多量の効能剤を皮膚又は他の 基質に送達することが可能なバー組成物に関する。より詳細には、所望の効能剤 を含むアジュバント粉末を製造し、効能剤を含む粉末を界面活性剤を含む「普通 」チップと同時押出することにより、比較的多量の効能剤を皮膚に送達するバー を製造することができる。 従って、本発明は特定の新規組成（即ち一般にエマルションとして添加する効 能剤、一般に水溶性のキャリヤー、水及び場合により付着／加工助剤）をもつ効 能剤を含む粉末及びこれらのアジュバント粉末と界面活性剤を含む「普通」チッ プを同時押出することにより製造されるバーに関する。 Ｉ．効能剤を含む粉末 本発明の効能剤粉末は効能剤「組成物」（必須ではないが、 通常は乳化剤と共にエマルションとして添加）、一般に水溶性のキャリヤー、水 及び場合により付着／加工助剤を含む。後述するように、一般にこれらの成分を 混合してスラリーを形成し、（例えば噴霧乾燥機で）乾燥して粉末を形成する。 以下、各成分について詳述する。効能剤組成物 本発明の効能剤「組成物」は単独効能剤成分でもよいし、キャリヤーを介して 添加する効能剤化合物でもよい。更に、効能剤組成物は２種以上の化合物の混合 物でもよく、その場合には効能があるのは化合物の１種でも全種でもよい。更に 、バー組成物に添加したい他の成分のキャリヤーとして効能剤自体を利用しても よい。 効能剤は、皮膚の水分を増加することにより皮膚（角質）を柔軟にし、水分の 低下を遅らせることにより皮膚を柔軟に保つ物質を意味する「エモリエントオイ ル」であり得る。 好ましいエモリエントを以下に挙げる。 （ａ）シリコーン油、ガム及びその態種（例えば直鎖及び環状ポリジメチルシロ キサン、アミノ、アルキル、アルキルアリール及びアリールシリコーン油）、 （ｂ）天然油脂（例えばホホバ油、大豆油、米ぬか油、アボカド油、アーモンド 油、オリーブ油、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、カカオ 脂、獣脂、ラード、前記油類を水素化することにより得られる硬化油）と、合成 モノ、ジ及びトリグリセリド（例えばミリスチン酸グリセリド及び２−エチルヘ キサン酸グリセリド）を含む油脂、 （ｃ）ロウ（例えばカルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン及びその誘導 体）、 （ｄ）疎水性植物エキス、 （ｅ）炭化水素（例えば流動パラフィン、ワセリン、微結晶ロウ、セレシン、ス クアレン、プリスタン及び鉱油）、 （ｆ）高級脂肪酸（例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリ ン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステ アリン酸及びポリ不飽和脂肪酸（ＰＵＦＡ））、 （ｇ）高級アルコール（例えばラウリル、セチル、ステアリル、オレイル、ベヘ ニル、コレステロール及び２−ヘキサデカノールアルコール）、 （ｈ）エステル（例えばオクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、 乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン 酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デ シル、イソステアリン酸コレステロール、モノステアリン酸グリセロール、ジス テアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、乳酸アルキル、クエ ン酸アルキル及び酒石酸アルキル）、 （ｉ）精油（例えばハッカ油、ジャスミン油、樟脳油、ヒバ油、橙皮油、ｒｙｕ 、ターペンタイン油、シナモン油、ベルガモット油、チンピ油、カラムス油、針 葉油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、アスナロ油、ユーカリ油、レモン油 、スターフラワー油、タイム油、ペパーミント油、バラ油、セージ油、メントー ル油、シネオール油、オイゲノール油、シトラール油、シトロネラ油、ボルネオ ール油、リナロール油、ゲラニオール油、月見草油、樟脳油、チモール油、スピ ラントール油、ペネン油、リモネン油及ぴテルペノイド油）、 （ｊ）脂質（例えばコレステロール、セラミド、スクロースエステル及びヨーロ ッパ特許明細書第５５６，９５７号に記載されているような擬セラミド）、 （ｋ）ビタミン（例えばビタミンＡ、ビタミンＥ及びビタミン Ｃアルキルエヌテル類を含むビタミンアルキルエステル）、 （ｌ）日焼け止め剤（例えばオクチルメトキシシンナメート（Ｐａｒｓｏｌ Ｍ ＣＸ）及びブチルメトキシベンゾイルメタン（Ｐａｒｓｏｌ １７８９））、 （ｍ）リン脂質、及び （ｎ）上記成分の任意のものの混合物。 本発明の効能剤組成物の別の要件は、組成物が１０，０００センチポアズを上 回る粘度をもつことである。個々のエモリエントがこの範囲を上回る粘度をもつ ことができ、あるいは低粘度のエモリエントを増粘してこのような粘度にするこ とができるので、この粘度は実現できる。 特に好ましい効能剤は、好ましくはシリコーン、特に上のように約１０，００ ０センチポアズを上回る粘度をもつシリコーンである。シリコーンはガムでもよ いし、及び／又はシリコーンの混合物でもよい。１例は約６０，０００センチス トークスの粘度をもつポリジメチルシロキサンである。 効能剤は一般に粉末組成物の約１〜７０重量％、好ましくは３０〜６０重量％ 、最も好ましくは４０〜６０重量％に相当する。上述のように、効能剤が粉末５ ０％を含み、粉末が粉末／ チップ混合物の２０％であり、この混合物を押出して最終バー（即ち粉末２０％ ／チップ８０％）を形成する場合には、効能剤添加量は１０％である。キャリヤー １態様では、キャリヤー成分は任意の水溶性澱粉とすることができ、部分可溶 性澱粉（例えばトウモロコシ又はジャガイモ澱粉）でもよいが、より好ましくは 「真の」水溶性澱粉即ち少なくとも１０用量％以上が水に溶けて透明又は実質的 に透明な溶液を形成する澱粉である。このような澱粉の例としては麦芽デキスト リンが挙げられる。麦芽デキストリンが特に好ましい。 別の態様では、キャリヤーは例えばアルカリ金属カゼイン塩（例えばナトリウ ムカゼイネート）等の水溶性非晶質固体とすることができる。 キャリヤーは例えばゼラチン等の半結晶質水溶性固体でもよい。 本発明のキャリヤーは８０℃、好ましくは１００℃を上回る融点をもつべきで ある。理論に結び付けるものではないが、このような高い融点をもつキャリヤー はねばねばした不溶性混合物を形成せずに噴霧乾燥粉末製造工程に耐え得ると考 えられる。 全規模噴霧乾燥機で製造する場合にはもっと低い融点（理論的には室温程度まで ）を使用できることに留意すべきである。要するに、キャリヤーの温度はアジュ バントを形成する乾燥チャンバーの温度よりも高くすることが必要である。 キャリヤー化合物は一般に粉末組成物の約１５％〜９８％、好ましくは３０％ 〜５０％に相当する。水 粉末組成物の第３の成分は水であり、一般に粉末の約１〜１０％を占める。粉 末はいずれにせよ吸湿性であるので（例えば粉末流動性を強化するために）付加 的な水が多少必要であるとしても、材料によっては、水分を著しく低くする必要 はないことに留意すべきである。付着／加工助剤 粉末組成物の任意成分は（１）アニオン、カチオン、ノニオン及び両性界面活 性剤、（２）カチオンポリマー、及び（３）親水性ポリマーから構成される群か ら選択される付着／加工助剤である。 （１）群の界面活性剤助剤は利用可能な数十種の界面活性剤の任意のものとす ることができ、これらに限定するものではな いが、例えばアルキルエーテルスルフェート、アルキルエトキシレート、アルキ ルエトキシカルボキシレート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、α− オレフィンスルホネート、アシルタウリド、メチルアシルタウレート、Ｎ−アシ ルグルタメート、アシルイセチオネート、アニオンアシルサルコシネート、アル キルホスフェート、メチルグルコースエーテル、タンパク縮合物、エトキシル化 アルキルスルフェート、アルキルポリグルコシド、アルキルアミンオキシド、ベ タイン、スルタイン、アルキルスルホスクシネート、ジアルキルスルホスクシネ ート、アシルラクチレート及びその混合物が挙げられる。上記界面活性剤はＣ₈ 〜Ｃ₂₄をベースとするものが好ましく、Ｃ₁₀〜Ｃ₁₈アルキル及びアシル部分をベ ースとするものがより好ましい。 好ましい界面活性剤としてはスルホスクシネート（例えばココアミドスルホス クシネート）、アミドベタイン（例えばココアミドプロピルベタイン）、及びア ルドナミド（例えばラクトビオナミド）が挙げられる。 利用可能なカチオンポリマーとしては、Ｕｎｉｏｎ Ｃａｒｂｉｄｅ製Ｐｏｌ ｙｍｅｒ ＪＲ型カチオンポリマー(例えばＰｏｌｙｍｅｒ ＪＲ−４００)、Ｍｅｒｃｋ ＆ Ｃｏ製Ｍｅｒｑｕａｔ １００及びＭｅｒｑ ｕａｔ ５５０等のＭｅｒｑｕａｔ（登録商標）ポリマー、Ｓｔｅｉｎ Ｈａｌ ｌ製Ｊａｇｕａｒ（登録商標）Ｃ−１４−Ｓ等のＪａｇｕａｒ（登録商標）ポリ マー、Ｍｉｒａｎｏｌ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ製Ｍｉｒａｐｏｌ Ａ１５（登録商 標）等のＭｉｒａｐｏｌ（登録商標）ポリマーが挙げられる。 他の利用可能なカチオンポリマーとしては、ジメチルアミノエチルメタクリレ ートとアクリルアミドのコポリマーや、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド とアクリルアミドのコポリマーが挙げられ、カチオン成分と中性ノニオン成分の 比はコポリマーにカチオン電荷を与えるように選択される。他の利用可能なカチ オンホリマーとしてはカチオン澱粉が挙げられ、例えばＳｔａｌｅｙ，Ｉｎｃ． 製ＳｔａＬｏｋ（登録商標）３００及び４００である。 利用可能な他のカチオンポリマーは１９８４年３月２０日付けで発行されたＧ ｒｏｌｌｉｅｒ／Ａｌｌｅｃの米国特許第４，４３８，０９４号に記載されてい る。この文献は参考資料として本明細書の一部とする。 利用可能な親水性ポリマーとしては、１４５０〜１５０，０００ の分子量をもつポリアルキレングリコール、例えばＵｎｉｏｎ Ｃａｒｂｉｄｅ 製ＰＥＧ８０００が挙げられる。 上記成分は粉末組成物の約０〜３０％、好ましくは０〜１５％を占めることが できる。製造 本発明の粉末アジュバントは必ずしもこの方法でなくてもよいが、一般に（通 常はエマルションとしての）効能剤と、水溶性キャリヤー（例えば麦芽デキスト リン）と、場合により付着／加工助剤の混合物を調製してスラリーを形成するこ とにより製造される。 上述のように、効能剤は一般にエマルションとしてスラリーに添加される。こ れらのエマルションは入手し易さと該当効能剤に依存して市販品でもよいし、実 験室で調製してもよい。例えば、シリコーンはＤｏｗ（登録商標）からエマルシ ョンとして容易に入手でき、鉱油は実験室で容易に乳化できる。エマルションは 通常、３０％〜５０％の内部相即ち効能剤と、２％〜１０％の乳化剤と残余の水 を含む。 キャリヤーは通常は溶液として調製され、一般にこのキャリヤー溶液に（使用 する場合には）付着／加工助剤を添加するこ とが好ましい。例えば、澱粉は付着／加工助剤を通常含む溶液として調製するこ とができる。より詳細には、例えば麦芽デキストリンを５０％溶液として調製し 、６０〜７０℃に維持し、付着／加工助剤を使用する場合には、オーバーヘッド ミキサーで撹拌しながら麦芽デキストリン溶液に添加することができる。 一般に、効能剤エマルションとキャリヤー加工助剤溶液を混合し、約７０％水 まで希釈し、約７０℃まで加熱する。希釈は実験室規模でポンピングするために 十分に低い粘度にするためのみに使用することに留意すべきである。規模を大き くすると、高粘度液体をより容易に維持することができるので、希釈は必ずしも 必要ない。その後、最終スラリーを乾燥手段（例えば噴霧乾燥機）にホンピング する。 噴霧乾燥機を使用する場合には、スラリーをチューブにポンピングし、チュー ブのノズルを８０℃〜２００℃、好ましくは１００℃〜２００℃にする。ノズル の端部からスラリーを高圧空気の併流により噴霧する。その後、水を蒸発させる と、効能剤をトラップしたさらさらした粉末が残る。 従って、一般に粉末の製造はキャリヤーと効能剤を４０℃〜８０℃、好ましく は５０℃〜７０℃で混合し、混合物をノズル 温度８０℃〜２００℃、好ましくは１００℃〜２００℃、圧力０．１０〜０．３ ０ＭＰａで噴霧乾燥機に通し、得られた粉末を回収する。 典型的な最終アジュバントは付着／加工助剤０％〜３０％と、効能剤１％〜７ ０％と、キャリヤー３０％〜９８％と、水１％〜１０％を含む。 その後、最終粉末をまず混和機でチップと混合することによりバーに添加する 。その後、アジュバント粉末と身体洗浄用チップを慣用装置でビレット状に押出 し、バー状にプレスする。効能剤を添加したバーは、その混合段階で効能剤を直 接添加したバー全体にわたって効能剤の付着の強化を示す。界面活性剤チップ 上述のように、最終バーではアジュバント約１％〜３０％を使用する。最終バ ー組成物の残りの成分（即ち約９９〜７０％のチップ）は一般にバーを規定する 界面活性剤系を含むチツプから構成される。 詳細には、界面活性剤系チップは界面活性剤系約５〜９０重量％を含み、界面 活性剤は石鹸（純石鹸界面活性剤を含む）、アニオン界面活性剤、ノニオン界面 活性剤、両性／両性イオン 界面活性剤、カチオン界面活性剤及びその混合物から構成される群から選択され る。最終バー組成物中に一般に存在する他の成分（例えば少量の芳香剤、防腐剤 、不透明化剤、皮膚触感ポリマー等）をこれらのチップに更に加えてもよい。界面活性剤系 「石鹸」なる用語は本明細書ではその一般的な意味で使用し、即ち脂肪族アル カン又はアルケンモノカルボン酸のアルカリ金属又はアルカノールアンモニウム 塩を意味する。本発明の目的には、ナトリウム、カリウム、モノ、ジ及びトリエ タノールアンモニウムカチオン、又はその組み合わせを利用できる。一般に、本 発明の組成物にはナトリウム石鹸を使用するが、石鹸の約１％〜約２５％はカリ ウム石鹸でもよい。本発明で有用な石鹸は炭素原子数１２〜２２、好ましくは約 １２〜約１８の天然又は合成脂肪族（アルカン又はアルケン）酸の周知アルカリ 金属塩である。これらの塩は例えば炭素原子数約１２〜約２２のアクリル炭化水 素のアルカリ金属カルボン酸塩である。 ヤシ油の脂肪酸分布をもつ石鹸は広い分子量範囲の下限を提供することができ る。落花生油もしくは菜種油又はそれらの水素化誘導体の脂肋酸分布をもつ石鹸 は広い分子量範囲の上限を 提供することができる。 ヤシ油もしくは獣脂又はその混合物は入手し易い脂肪であるので、それらの脂 肪酸分布をもつ石鹸を使用することが好ましい。ヤシ油石鹸中に少なくとも１２ 個の炭素原子をもつ脂肪酸の割合は約８５％である。この割合はヤシ油と主鎖長 がＣ₁₆以上の脂肪（例えば獣脂、パーム油又は非熱帯産堅果油脂）の混合物を使 用する場合にはもっと高くなる。本発明の組成物で使用するのに好ましい石鹸は 炭素原子数約１２〜１８の脂肪酸を少なくとも８５％含む。 石鹸に使用するヤシ油は全体又は一部を他の「高アルル」油即ち全脂肪酸の少 なくとも５０％がラウリン酸又はミリスチン酸とその混合物から構成される油脂 で置換してもよい。この種の油の例は一般にヤシ油類の熱帯産堅果油である。例 えば、パーム核油、バパス油、ウリキュリ油、ツークーム油、コフネヤシ油、ム ルムル油、ジャボティ核油、ハハン核油、ジカナッツ油及びユクフババターが挙 げられる。 好ましい石鹸の１例はヤシ油約１５％〜約２０％と獣脂約８０％〜約８５％の 混合物である。これらの混合物は炭素原子数約１２〜約１８の脂肪酸を約９５％ 含む。石鹸はヤシ油か ら製造することができ、その場合には脂肪酸含量はＣ₁₂〜Ｃ₁₈鎖長約８５％であ る。 石鹸は商業許容規格に従って不飽和を含んでいてもよい。過剰の不飽和は一般 に避けられる。 石鹸は伝統的窯沸騰法により製造してもよいし、最新式連続石鹸製造法により 製造してもよく、当業者に周知の手順を使用して獣脂もしくはヤシ油又はそれら の等価物等の天然油脂をアルカリ金属水酸化物で鹸化する。あるいは、ラウリン 酸（Ｃ₁₂）、ミリスチン酸（Ｃ₁₄）、パルミチン酸（Ｃ₁₆）又はステアリン酸（ Ｃ₁₈）等の脂肪酸をアルカリ金属水酸化物又は炭酸塩で中和することにより石鹸 を製造することもできる。 使用可能なアニオン界面活性剤は第１級アルカン(例えばＣ₈〜Ｃ₂₂)スルホネ ート、第１級アルカン（例えばＣ₈〜Ｃ₂₂）ジスルホネート、Ｃ₈〜Ｃ₂₂アルケン スルホネート、Ｃ₈〜Ｃ₂₂ヒドロキシアルカンスルホネート又はアルキルグリセ リルエーテルスルホネート（ＡＧＳ）等の脂肪族スルホネートでもよいし、アル キルベンゼンスルホネート等の芳香族スルホネートでもよい。 アニオン界面活性剤は更にアルキルスルフェート（例えばＣ₁₂ 〜Ｃ₁₈アルキルスルフェート）でもアルキルエーテルスルフエート（アルキルグ リセリルエーテルスルフェートを含む）でもよく、そのうち、アルキルエーテル スルフェートは式： ＲＯ（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）_nＳＯ₃Ｍ （式中、Ｒは炭素原子数８〜１８、好ましくは１２〜１８のアルキル又はアルケ ニルであり、ｎは１．０、好ましくは３を上回る平均値をもち、Ｍはナトリウム 、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウム等の可溶化カチオンである）を もつものである。アンモニウム及びナトリウムラウリルエーテルスルフェートが 好ましい。 アニオン界面活性剤は更にアルキルスルホスクシネート（モノ及びジアルキル 、例えばＣ₆〜Ｃ₂₂スルホスクシネートを含む）、アルキル及びアシルタウレー ト、アルキル及びアシルサルコシネート、スルホアセテート、Ｃ₈〜Ｃ₂₂アルキ ルホスフェート及びホスフェート、アルキルホスフェートエステル及びアルコキ シルアルキルホスフェートエステル、アシルラクテート、Ｃ₈〜Ｃ₂₂モノアルキ ルスクシネート及びマレエート、スルホアセテート、アルキルグルコシド及びア シルイセチオネートでもよい。 スルホスクシネートは式： Ｒ⁴Ｏ₂ＣＣＨ₂ＣＨ（ＳＯ₃Ｍ）ＣＯ₂Ｍ をもつモノアルキルスルホスクシネート、及び式： Ｒ⁴ＣＯＮＨＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ₂ＣＣＨ₂ＣＨ（ＳＯ₃Ｍ）ＣＯ₂Ｍ （式中、Ｒ⁴はＣ₈〜Ｃ₂₂アルキルであり、Ｍは可溶化カチオンである）をもつア ミド−ＭＥＡスルホスクシネートであり得る。 サルコシネートは一般に式： Ｒ¹ＣＯＮ（ＣＨ₃）ＣＨ₂ＣＯ₂Ｍ （式中、Ｒ¹はＣ₈〜Ｃ₂₀アルキルであり、Ｍは可溶化カチオンである）により表 される。 タウレートは一般に式： Ｒ²ＣＯＮＲ³ＣＨ₂ＣＨ₂ＳＯ₃Ｍ （式中、Ｒ²はＣ₈〜Ｃ₂₀アルキルであり、Ｒ³はＣ₁〜Ｃ₄アルキルであり、Ｍは 可溶化カチオンである）により表される。 Ｃ₈〜Ｃ₁₈アシルイセチオネートが特に好ましい。これらのエステルはアルカ リ金属イセチオネートと炭素原子数６〜１８及びヨウ素価２０未満の混合脂肪族 脂肪酸の反応により製造される。混合脂肪酸の少なくとも７５％は炭素原子数１ ２〜１８ であり、２５％までは炭素原子数６〜１０である。 アシルイセチオネートが存在する場合には、一般にバー組成物全体の約１０〜 約７０重量％である。この成分は約３０％〜約６０％存在することが好ましい。 アシルイセチオネートは、参考資料として本明細書の一部とするＩｌａｒｄｉ らの米国特許第５，３９３，４６６号に記載されているようなアルコキシル化イ セチオネートを使用できる。この化合物は一般式： （式中、Ｒは炭素原子数８〜１８のアルキル基であり、ｍは１〜４の整数であり 、Ｘ及びＹは水素又は炭素原子数１〜４のアルキル基であり、Ｍ⁺は例えばナト リウム、カリウム又はアンモニウム等の一価カチオンである）をもつ。 本発明で使用可能な両性界面活性剤は少なくとも一個の酸基を含む。これはカ ルボン酸基でもよいし、スルホン酸基でもよい。前記界面活性剤は第４級窒素を 含み、従って、第４級アミド酸である。前記界面活性剤は一般に炭素原子数７〜 １８のアルキル又はアルケニル基を含むべきである。前記界面活性剤は 通常、全体構造式：（式中、Ｒ¹は炭素原子数７〜１８のアルキル又はアルケニルであり、Ｒ²及びＲ³ は各々独立して炭素原子数１〜３のアルキル、ヒドロキシアルキル又はカルボ キシアルキルであり、ｍは２〜４であり、ｎは０〜１であり、Ｘは場合によりヒ ドロキシルで置換された炭素原子数１〜３のアルキレンであり、Ｙは−ＣＯ₂− 又は−ＳＯ₃−である）により表される。 上記一般式に該当する利用可能な両性界面活性剤としては、式： の単純ベタインと、式： （式中、ｎは２又は３である）のアミドベタインが挙げられる。 上記２式においてＲ¹、Ｒ²及びＲ³は上記と同義である。Ｒ¹は特に、Ｒ¹基の 少なくとも２分の１、好ましくは少なくとも４分の３が炭素原子数１０〜１４と なるようにヤシ油から誘導されるＣ₁₂アルキル基とＣ₁₄アルキル基の混合物であ り得る。Ｒ²とＲ³はメチルが好ましい。 あるいは、両性界面活性剤は式： もしくは （式中、ｍは２又は３である）のスルホベタイン又は−（ＣＨ₂）₃ＳＯ₃ ^-を で置換したこれらのベタインの置換体でもよい。 これらの式において、Ｒ¹、Ｒ²及びＲ³は上記と同義である。 本発明の第２の成分として使用可能なノニオン界面活性剤としては、特に疎水基 と反応性水素原子をもつ化合物（例えば脂肪族アルコール、酸、アミド又はアル キルフェノール類）とアルキレンオキシド、特にエチレンオキシドを単独使用又 はプロピレンオキシドと併用して反応させた反応生成物が挙げられる。具体的な ノニオン界面活性剤化合物はアルキル（Ｃ₆〜Ｃ₂₂）フェノールとエチレンオキ シドの縮合物、脂肪族（Ｃ₈〜_C18）第１級又は第２級直鎖又は分枝鎖アルコール とエチレンオキシドの縮合物、及びエチレンオキシドをプロピレンオキシドとエ チレンジアミンの反応生成物と縮合することにより生成される生成物である。他 の所謂ノニオン界面活性剤化合物としては、長鎖第３級アミンオキシド、長鎖第 ３級ホスフィンオキシド及びジアルキルスルホキシドが挙げられる。 ノニオン界面活性剤は、多糖アミド等の糖アミドでもよい。特に、ノニオン界 面活性剤は参考資料として本明細書の一部とするＡｕらの米国特許第５，３８９ ，２７９号に記載されているラクトビオナミドの１種でもよいし、参考資料とし て本明細書の一部とするＫｅｌｋｅｎｂｅｒｇの米国特許第５，００９，８１４ 号に 下記際されている糖アミドの１種でもよい。 カチオン界面活性剤の例はハロゲン化アルキルジメチルアンモニウム等の第４ 級アンモニウム化合物である。 使用可能な他の界面活性剤はいずれも参考資料として本明細書の一部とするＰ ｅｒｒａｎ Ｊｒ．の米国特許第３，７２３，３２５号及びＳｃｈｗａｒｔｚ， Ｐｅｒｒｙ ＆ Ｂｅｒｃｈ著“Ｓｕｒｆａｃｅ Ａｃｔｉｖｅ Ａｇｅｎｔｓ ａｎｄ Ｄｅｔｅｒｇｅｎｔｓ”（Ｖｏｌ．Ｉ ＆ ＩＩ）に記載されている 。 バーは純石鹸バーでもよいが、（バーにおける界面活性剤系を形成する）この チップの界面活性剤系は、 （ａ）アニオン性である第１の合成界面活性剤と、 （ｂ）第１の界面活性剤とは異なる第２のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活 性剤、両性界面活性剤及びその混合物から構成される群から選択される第２の合 成界面活性剤を含むことが好ましい。 第１のアニオン界面活性剤は上記の任意のものでよいが、上述のようにＣ₈〜 Ｃ₁₈イセチオネートが好ましい。アシルイセチオネートはバー組成物全体の１０ 〜９０重量％、好ましくは １０〜７０重量％に相当することが好ましい。 第２の界面活性剤は、スルホスクシネート、ベタイン又は両者の混合物が好ま しい。第２の界面活性剤又は界面活性剤混合物は一般にバー組成物全体の１％〜 １０％に相当する。特に好ましい組成物はバー組成物全体の３〜８％を形成する に十分なスルホスクシネートと、バー組成物全体の１〜５％を形成するに十分な ベタインを含む。加工 本発明のアジュバントはホッパー又はリボンミキサーで「界面活性剤」チッ プと混合し、精錬（より柔軟な塊に加工）し、ビレット状にプロッディングし、 型押し、切断する。 実施例及び比較例以外、又は特に指定しない限り、材料の量又は反応及び／又 は使用条件を表す本明細書中の全数字は「約」であると理解すべきである。 以下、実施例により本発明を更に説明するが、以下の実施例は本発明を制限す るものではない。 特に指定しない限り、全百分率は重量百分率である。 実施例１ 噴霧乾燥アジュバントを添加するバー製造 スラリー調製：大型ビーカーで４０℃を越えるまで水２３２．５ｇを加熱した 。麦芽デキストリン２３２．５ｇを撹拌下に加え、溶液が透明になるまで混合物 を混合及び加熱した。次にカチオンポリマーＭｅｒｑｕａｔ １００（活性分４ ０％）６．２．５ｇを加えた。均質になったらＤｏｗ １６５０シリコーンエマ ルション（活性分５０％、内部相６０，０００ｃｐｓ）４６５ｇを加え、温度を ５０〜７０℃に維持した。混合物の粘度が高過ぎてポンピングできない場合には 、更に水６４０．８ｇを加え、合計混合物の水分を７０％にした。 粉末製造：次に混合物をＹａｍａｔｏ，Ｐｕｌｖｉｓ ＧＢ２２小型実験室規 模噴霧乾燥機にポンピングした。入口温度を２００℃に設定し、噴霧圧を０．１ ５ＭＰａに設定した。得られた粉末を乾燥チャンバーの底部でサイクロンコレク ターから回収した。この場合には、この噴霧ノズル寸法は重要でなかった。ノズ ルは併流型ノズルである。 バー製造：噴霧乾燥で製造した粉末を以下の手順によりバーマトリックスに加 えた。 （１）Ｄｏｖｅチップ４ｌｂと噴霧乾燥粉末１ｌｂを十分な大きさの容器又は混 和機で乾燥混合した。 （２）混合物をＷｅｂｅｒ−Ｓｅｌａｎｄｅｒ２段プロッダーに通し、第１段で ヌードルを形成し、第２段でビレットを形成した。 （３）ビレットをプレスのバーダイに適合する長さに切断し、これを使用してバ ーを形成した。 得られたバーは６０，０００ｃｐｓポリ（ジメチルシロキサン）約９．３％を 含んでいた。 ｉｎ ｖｉｔｒｏ付着試験 ２５ｃｍ²片の湿潤ブタ皮膚をバーで１０回擦り、得られた液体を３０秒間泡 立てた後、皮膚を９０〜９５°Ｆ水で１０秒間濯ぐことにより試料を処理した。 次に、処理したブタ皮膚をバイアルに入れ、シリコーンをキシレン１０ｍｌで抽 出した。次に、皮膚をバイアルから取り出し、抽出溶媒のシリコーン含量を高周 波誘導結合プラズマ原子発光分光分析により分析した。 付着結果を以下に示す。 シリコーンのブタ皮膚付着はシャワージェルの送達と同等である。 噴霧乾燥粉末の付加実施例 ＊６０，０００センチポアズのポリジメチルシロキサン。 ＊＊５０，０００センチポアズの市販増粘鉱油。 ＊＊＊ココアミドプロピルベタイン。 ＊＊＊＊ココアミドスルホスクシネート。 列の合計は１００ではない。残余は水である。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年３月２日（１９９９．３．２） 【補正内容】 しかし、上記文献はバーからの効能剤の付着について教示していない。更に、 これらの文献は効能剤と特定の噴霧乾燥可能なキャリヤー（及び場合によりカチ オンポリマー等の付着／加工助剤）を含む粉末アジュバントを教示又は示唆して おらず、このような粉末アジュバントをバーチップと混合してバーを形成するこ とも教示又は示唆していない。 皮膚コンディショニング効果及び／又は柔軟性を提供するためにカチオンポリ マーを含む身体洗浄用バーも従来技術に開示されている（Ｓｍａｌｌらの米国特 許第４，６７３，５２５号、Ｍｅｄｃａｌｆ，Ｊｒ．らの米国特許第４，８２０ ，４４７号及びＳｍａｌｌらの米国特許第５，０９６，６０８号参照）。しかし 、これらの文献では、本発明に記載するように噴霧乾燥粉末アジュバントを形成 するためにカチオンポリマーを効能剤と併用していない。 Ｐａｒｒａｎ．，Ｊｒ．の米国特許第３，７６１，４１８号は非水溶性粒状物 質と、洗剤組成物で洗浄した表面への粒状物質の付着及び保持を強化するための カチオンポリマーを含む洗剤組成物を開示している。詳細には、カチオンポリマ ーを使用して化粧洗剤バーからの抗菌剤の付着を強化することが開示され ている。しかし、この文献も効能剤の付着を強化するために（キャリヤーを必須 に含み、場合によりカチオンポリマーを含む）本発明のアジュバント粉末を使用 することは教示又は示唆していない。 本願出願人らは本願と同日付けで出願した同時係属米国出願第０８／８２１， ５０４号（発明の名称“Ｍｅｔｈｏｄ ｆｏｒ Ｅｎｈａｎｃｉｎｇ Ｄｅｐｏ ｓｉｔｉｏｎ ｆｒｏｍ Ｂａｒｓ Ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ Ｕｓｅ ｏｆ Ｂ ａｒ Ａｄｊｕｖａｎｔ Ｐｏｗｅｄｅｒ Ｃｏｍｐｏｓｉｔｉｏｎｓ Ｃｏｍ ｐｒｉｓｉｎｇ Ｂｅｎｅｆｉｔ Ａｇｅｎｔ ａｎｄ Ｄｅｐｏｓｉｔｉｏｎ Ｐｏｌｙｍｅｒ”）においてカチオンポリマーを含むアジュバント粉末から製 造したバーを教示している。しかし、同出願は効能剤（とカチオン付着助剤）を 含むアジュバントをまず形成し、チップと同時押出するという概念を広義に記載 しているので、同発明のアジュバントは融点＞８０℃、好ましくは＞１００℃の キャリヤーに限定されず、任意の方法（自由乾燥、噴霧乾燥）を使用することが できる。 （ｊ）脂質（例えばコレステロール、セラミド、スクロースエステル及びヨーロ ッパ特許明細書第５５６，９５７号に記載されているような擬セラミド）、 （ｋ）ビタミン（例えばビタミンＡ、ビタミンＥ及びビタミンＣアルキルエヌテ ル類を含むビタミンアルキルエステル）、 （ｌ）日焼け止め剤（例えばオクチルメトキシシンナメート（Ｐａｒｓｏｌ Ｍ ＣＸ）及びブチルメトキシベンゾイルメタン（Ｐａｒｓｏｌ １７８９））、 （ｍ）リン脂貿、及び （ｎ）上記成分の任意のものの混合物。 本発明の効能剤組成物の別の要件は、組成物が１０，０００センチポアズを上 回る粘度をもつことである。個々のエモリエントがこの範囲を上回る粘度をもつ ことができ、あるいは低粘度のエモリエントを増粘してこのような粘度にするこ とができるので、この粘度は実現できる。 特に好ましい効能剤は、好ましくはシリコーン、特に上述のように約１０，０ ００ｍＰａｓ^-1（１０，０００センチポアズ）を上回る粘度をもつシリコーンで ある。シリコーンはガムでもよいし、及び／又はシリコーンの混合物でもよい。 １例は約 ６０，０００ｍＰａｓ^-1（６０，０００センチストークス）の粘度をもつポリジ メチルシロキサンである。 効能剤は一般に粉末組成物の約１〜７０重量％、好ましくは３０〜６０重量％ 、最も好ましくは４０〜６０重量％に相当する。上述のように、効能剤が粉末５ ０％を含み、粉末が粉末／チップ混合物の２０％であり、この混合物を押出して 最終バー（即ち粉末２０％／チップ８０％）を形成する場合には、効能剤添加量 は１０％である。 好ましい界面活性剤としてはスルホスクシネート（例えばココアミドスルホス クシネート）、アミドベタイン（例えばココアミドプロピルベタイン）、及びア ルドナミド（例えばラクトビオナミド）が挙げられる。 利用可能なカチオンポリマーとしては、Ｕｎｉｏｎ Ｃａｒｂｉｄｅ製Ｐｏｌ ｙｍｅｒ ＪＲ型カチオンポリマー（例えばＰｏｌｙｍｅｒ ＪＲ−４００）、 Ｍｅｒｃｋ ＆ Ｃｏ製Ｍｅｒｑｕａｔ １００及びＭｅｒｑｕａｔ ５５０等 のＭｅｒｑｕａｔ（登録商標）ポリマー、Ｓｔｅｉｎ Ｈaｌｌ製Ｊａｇｕａｒ （登録商標）Ｃ−１４−Ｓ等のＪａｇｕａｒ（登録商標）ポリマー、Ｍｉｒａｎ ｏｌ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ製Ｍｉｒａｐｏｌ Ａ１５（登録商標）等のＭｉｒａ ｐｏｌ（登録商標）ポリマーが挙げられる。 他の利用可能なカチオンポリマーとしては、ジメチルアミノエチルメタクリレ ートとアクリルアミドのコポリマーや、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド とアクリルアミドのコポリマーが挙げられ、カチオン成分と中性ノニオン成分の 比はコポリマーにカチオン電荷を与えるように選択される。他の利用可能なカチ オンポリマーとしてはカチオン澱粉が挙げられ、例えばＳｔａｌｅｙ，Ｉｎｃ． 製ＳｔａＬｏｋ（登録商標）３００ 及び４００である。 利用可能な他のカチオンポリマーは１９８４年３月２０日付けで発行されたＧ ｒｏｌｌｉｅｒ／Ａｌｌｅｃの米国特許第４，４３８，０９４号に記載されてい る。 利用可能な親水性ポリマーとしては、１４５０〜１５０，０００の分子量をも つポリアルキレングリコール、例えばＵｎｉｏｎ Ｃａｒｂｉｄｅ製ＰＥＧ８０ ００が挙げられる。 上記成分は粉末組成物の約０〜３０％、好ましくは０〜１５％を占めることが できる。 以下、実施例により本発明を更に説明するが、以下の実施例は本発明を制限す るものではない。 特に指定しない限り、全百分率は重量百分率である。 実施例１ 噴霧乾燥アジュバントを添加するバー製造 スラリー調製：大型ビーカーで４０℃を越えるまで水２３２．５ｇを加熱した 。麦芽デキストリン２３２．５ｇを撹拌下に加え、溶液が透明になるまで混合物 を混合及び加熱した。次にカチオンポリマーＭｅｒｑｕａｔ １００（活性分４ ０％）６．２．５ｇを加えた。均質になったらＤｏｗ １６５０シリコーンエマ ルション（活性分５０％、内部相６０，００００ｍＰａｓ^-1（６０，０００ｃｐ ｓ））４６５ｇを加え、温度を５０〜７０℃に維持した。混合物の粘度が高過ぎ てポンピングできない場合には、更に水６４０．８ｇを加え、合計混合物の水分 を７０％にした。 粉末製造：次に混合物をＹａｍａｔｏ，Ｐｕｌｖｉｓ ＧＢ２２小型実験室規 模噴霧乾燥機にポンピングした。入口温度を２００℃に設定し、噴霧圧を０．１ ５ＭＰａに設定した。得られた粉末を乾燥チャンバーの底部でサイクロンコレク ターから回収した。この場合には、この噴霧ノズル寸法は重要でなかっ た。ノズルは併流型ノズルである。 バー製造：噴霧乾燥で製造した粉末を以下の手順によりバーマトリックスに加 えた。 （１）Ｄｏｖｅ（登録商標）チップ１．８ｋｇ（４ｌｂ）と噴霧乾燥粉末０．４ ５ｋｇ（１ｌｂ）を十分な大きさの容器又は混和機で乾燥混合した。 （２）混合物をＷｅｂｅｒ−Ｓｅｌａｎｄｅｒ２段プロッダーに通し、第１段で ヌードルを形成し、第２段でビレットを形成した。 （３）ビレットをプレスのバーダイに適合する長さに切断し、これを使用してバ ーを形成した。 得られたバーは６０，０００ｍＰａｓ^-1（６０，０００ｃｐｓ）ポリ（ジメチ ルシロキサン）約９．３％を含んでいた。 ｉｎ ｖｉｔｒｏ付着試験 ２５ｃｍ²片の湿潤ブタ皮膚をバーで１０回擦り、得られた液体を３０秒間泡 立てた後、皮膚を３６．３℃〜３９．４℃（９０〜９５°Ｆ）水で１０秒間濯ぐ ことにより試料を処理した。次に、処理したブタ皮膚をバイアルに入れ、シリコ ーンをキシレン１０ｍｌで抽出した。次に、皮膚をバイアルから取り出し、抽 出溶媒のシリコーン含量を高周波誘導結合プラズマ原子発光分光分析により分析 した。 付着結果を以下に示す。 シリコーンのブタ皮膚付着はシャワージェルの送達と同等である。 噴霧乾燥粉末の付加実施例 ＊６０，０００ｍＰａｓ^-1（６０，０００センチポアズ）のポリジメチルシロキ サン。 ＊＊５０，０００ｍＰａｓ^-1（５０，０００センチポアズ）の市販増粘鉱油。 ＊＊＊ココアミドプロピルベタイン。 ＊＊＊＊ココアミドスルホスクシネート。 列の合計は１００ではない。残余は水である。 請求の範囲 １．（Ａ）（ａ）粉末皮膚効能剤１〜７０重量％と、 （ｂ）アジュバント粉末を形成する乾燥チャンバー内の温度を上回る融点をもつ 粉末キャリヤー１５〜９８重量％と、 （ｃ）粉末水約１〜１０重量％と、 （ｄ）（ｉ）アニオン、カチオン、ノニオン及び両性界面活性剤、 （ｉｉ）カチオンポリマー、及び （ｉｉｉ）親水性ポリマーから構成される群から選択される付着／加工助剤粉末 ０〜３０重量％を含むアジュバント粉末１％〜３０％と、 （Ｂ）石鹸、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチ オン界面活性剤及びその混合物から構成される群から選択される界面活性剤系５ ％〜９０％を含むチップ約９９％〜７０％を含み、アジュバント粉末を噴霧乾燥 法により製造するバー組成物。 ２．噴霧乾燥前の前記効能剤がエマルションの形態である請求項１に記載の組成 物。 ３．前記エマルションが、 （ａ）効能剤３０〜５０％、 （ｂ）乳化剤２〜１０％、及び （ｃ）残余水を含む請求項２に記載の組成物。 ４．前記キャリヤーがトウモロコシ及びジャガイモ澱粉から選択される部分可溶 性澱粉である請求項１から３のいずれか一項に記載の組成物。 ５．前記キャリヤーが水に１０重量％以上溶けて透明又は実質的に透明な溶液を 形成する澱粉であり、場合により前記澱粉が麦芽デキストリンである請求項１か ら４のいずれか一項に記載の組成物。 ６．キャリヤーが水溶性非晶質固体である請求項１から５のいずれか一項に記載 の組成物。 ７．キャリヤーが、 （ｉ）アルカリ金属カゼイン塩、 （ｉｉ）半結晶質水溶性固体、又は （ｉｉｉ）ゼラチンである請求項１から６のいずれか一項に記載の組成物。 ８．前記キャリヤーが８０℃、場合により１００℃を上回る融 点をもつ請求項１から７のいずれか一項に記載の組成物。 ９．前記付着／加工助剤がスルホスクシネート、アミドベタイン及びアルドナミ ドから選択される界面活性剤である請求項１から８のいずれか一項に記載の組成 物。 １０．前記親水性ポリマーが１４５０〜１５０，０００の分子量をもつポリアル キレングリコールである請求項１から９のいずれか一項に記載の組成物。 １１．（Ａ）と（Ｂ）を別々に製造し、（ａ）、（ｂ）、（ｃ）及び場合により （ｄ）を４０℃〜８０℃で混合し、（ａ）と（ｂ）の混合物を８０℃〜２００℃ で０．１０〜０．３０ｍＰａの圧力で噴霧乾燥し、（Ａ）と（Ｂ）を混合し、プ ロッディングし、押出して最終バーとする請求項１から１０のいずれか一項に記 載のバー組成物の製造方法。 １２．（ａ）、（ｂ）及び（ｃ）を混合してスラリーを形成する請求項１１に記 載の方法。 １３．前記キャリヤー（ｄ）が麦芽デキストリンの溶液である請求項１１又は１ ２に記載の方法。 １４．（ａ）、（ｂ）及び（ｃ）を約７０℃まで加熱する請求項１１から１３の いずれか一項に記載の方法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ， ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，Ｙ Ｕ，ＺＷ (72)発明者 マツクフアン，グレゴリー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07093、イースト・ルーサーフオード、リ バー・ルネツサンス・710 (72)発明者 ラツテインガー，ゲイル・ベス アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07666、テイーネツク、エツジウツド・ア ベニユー・315 (72)発明者 ツアウル，リヤン・シエン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07468、ノーウツド、ガーネツト・プレイ ス・12

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．（Ａ）（ａ）粉末効能剤１〜７０重量％と、 （ｂ）アジュバント粉末を形成する乾燥チャンバー内の温度を上回る融点をもつ 粉末キャリヤー１５〜９８重量％と、 （ｃ）粉末水約１〜１０重量％と、 （ｄ）（ｉ）アニオン、カチオン、ノニオン及び両性界面活性剤、 （ｉｉ）カチオンポリマー、及び （ｉｉｉ）親水性ポリマーから構成される群から選択される付着／加工助剤粉末 ０〜３０重量％を含むアジュバント粉末約１％〜３０％と、 （Ｂ）石鹸、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチ オン界面活性剤及びその混合物から構成される群から選択される界面活性剤系５ ％〜９０％を含むチップ約９９％〜７０％を含むバー組成物。 ２．前記効能剤がエマルションの形態である請求項１に記載の組成物。 ３．前記エマルションが、 （ａ）効能剤３０〜５０％、 （ｂ）乳化剤２〜１０％、及び （ｃ）残余水を含む請求項１又は２に記載の組成物。 ４．前記キャリヤーがトウモロコシ及びジャガイモ澱粉から構成される群から選 択される部分可溶性澱粉である請求項１から３のいずれか一項に記載の組成物。 ５．前記キャリヤーが水に10重量％以上溶けて透明又は実質的に透明な溶液を形 成する澱粉であり、場合により前記澱粉が麦芽デキストリンである請求項１から ４のいずれか一項に記載の組成物。 ６．キャリヤーが水溶性非晶質固体である請求項１から５のいずれか一項に記載 の組成物。 ７．キャリヤーが、 （ｉ）アルカリ金属カゼイン塩、 （ｉｉ）半結晶質水溶性固体、又は （ｉｉｉ）ゼラチンである請求項６に記載の組成物。 ８．前記キャリヤーが８０℃、場合により１００℃を上回る融点をもつ請求項１ から７のいずれか一項に記載の組成物。 ９．前記付着／加工助剤がスルホスクシネート、アミドベタイ ン及びアルドナミドから選択される界面活性剤である請求項１から８のいずれか 一項に記載の組成物。 １０．前記親水性ポリマーが１４５０〜１５０，０００の分子量をもつポリアル キレングリコールである請求項１から９のいずれか一項に記載の組成物。 １１．（Ａ）と（Ｂ）を別々に製造し、（ａ）、（ｂ）、（ｃ）及び場合により （ｄ）を４０℃〜８０℃で混合し、（ａ）と（ｂ）の混合物を８０℃〜２００℃ で０．１０〜０．３０ｍＰａの圧力で噴霧乾燥し、（Ａ）と（Ｂ）を混合し、プ ロッディングし、押出して最終バーとする請求項１から１０のいずれか一項に記 載のバー組成物の製造方法。 １２．（ａ）、（ｂ）及び（ｃ）を混合してスラリーを形成する請求項１１に記 載の方法。 １３．前記キャリヤー（ｄ）が麦芽デキストリンの溶液である請求項１１又は１ ２に記載の方法。 １４．（ａ）、（ｂ）及び（ｃ）を約７０℃まで加熱する請求項１１から１３の いずれか一項に記載の方法。