JP2001517638A - 小細胞肺癌に対するフコーシルgm−1−klh接合体ワクチン - Google Patents

小細胞肺癌に対するフコーシルgm−1−klh接合体ワクチン

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リビングストン、フィリップ・オー
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スローン − ケタリング・インスティテュート・フォー・キャンサー・リサーチ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、免疫原タンパク質に接合されたフコーシルGM1ガングリオシドまたはそのオリゴサッカライド部分と、アジュバントと、薬学的に許容され得るキャリアとを含有する組成物であって、前記接合ガングリオシドおよび前記アジュバントの量が、対象における抗体産生を刺激または向上させるために有効な量である組成物を提供する。本発明はまた、対象における抗体産生を刺激する方法であって、前記対象に対して、抗体産生を刺激するのに有効な量の上記組成物を投与することを具備した方法を提供する。本発明はまた、対象における抗体産生を向上する方法であって、前記対象に対して、抗体産生を向上させるのに有効な量の上記組成物を投与することを具備した方法を提供する。本発明はまた、対象において癌を予防する方法であって、前記対象に対して、癌を予防するのに有効な量の上記組成物を投与することを具備した方法を提供する。本発明はまた、対象において癌を治療する方法であって、前記対象に対して、癌を治療するのに有効な量の請求項1の組成物を投与することを具備した方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、1997年9月25日に提出された米国仮出願番号60/059,664の利益を請 求するものである。その内容は、本明細書の一部をなす参照として本願に組込ま
れる。
【0002】 ここに開示された発明は、合衆国厚生省国立衛生局の承認番号PO1CA33049のも
とで政府の援助によってなされたものである。よって合衆国政府は、本発明にあ
る特定の権利を有する。
【0003】
【背景】
出願の全体を通して、種々の刊行物が著者名、日付およびアラビア数字で参照
されている。これらの公表物の全引用は、第三組の実験の最後および第四組の実
験の最後にアルファベット順に掲載されている。これらの公表物の開示は、ここ
に記載され権利請求された本発明の日において、当業者に高知の従来技術の状態
をより十分に記載するために、そのすべてが、本明細書の一部をなす参照として
本願に組込まれる。
【0004】 肺癌は依然として合衆国の癌死の主要な原因である。1998年には死亡数160,10
0 と推定された(Landis, S.H. et al., 1998)。合衆国において、肺癌は、男 性における癌死のいまだ主要な原因となっており、女性における癌死の主要原因
である乳癌を凌いでいる。小細胞肺癌(SCLC)は、全肺癌の事例の約20%を占め、
癌由来の死の第5番目の主要原因である(Wingo, P., et al., 1995)。診断の際
に、SCLC患者の2/3以上に遠隔転移が存在し(Inhde, D.C., 1995)、治療しな ければ腫瘍の進行は早く、平均生存率は2−4ヶ月に過ぎない。しかしながら、SC
LCは化学療法に非常に感受性があり、限定段階の疾病(LD)の患者は80%以上で
、進行段階(ED)の疾病の患者は60%を超えるが、治療に対して大きく反応性を
示す。これらの結果があるにも拘わらず、再発は普通に見られ、ほとんどの患者
は診断から2年以内に死亡する。反応性を大きく示した患者については、放射線 療法を伴うかまたは伴わないで化学療法を完了した後は、標準の治療が観察され
るに過ぎない。LD患者の平均生存率は14-20ヶ月であり、ED患者の平均生存率は8
-12ヶ月である。過去10年にわたり、全体の生存率を改善するために何か別の治 療法が付加されたことはないし、化学療法を4−6回施した後、大きな反応性を示
した患者についてはただ標準の治療が行われるに過ぎない。これらの慎ましやか
な成果のため、アジュバント治療への新しいアプローチが必要とされている。
【0005】 B細胞によって産生された抗体は、循環している病因を血流から取り除く主要 な機構である。抗体は、急性および慢性の両方のメカニズムによって同種移植拒
絶を引き起こすことができる。抗体は、細網内皮系によるオプソニン化および除
去、補体媒介細胞溶解、および抗体依存性細胞媒介溶解を含む幾つかの機構によ
って細胞の破壊を引き起こす。抗体は、アジュバント設定で、循環している腫瘍
細胞およびミクロ転移を一掃するに理想的に適しているようだ(livingston, P.
O., 1995). メラノーマ細胞および他の様々な癌に存在している高度に限定されたガングリ
オシド抗原に向けられた抗体が、ある患者の血清で検出されている。これらの抗
体の存在は、意外にも好ましい経過を伴なっていることが指摘されている(livi
ngston, P.O., 1987; Jones, P.C., et al., 1981)。僅かな患者のみが彼らの 血清にこれらの抗体を持っているので、関連抗原を含む腫瘍ワクチンで患者を免
疫感作させて抗体形成を誘導しようと試みがなされた。
【0006】 腫瘍ワウチンによるSCLCのアジュバント免疫治療は、免疫原性であるSCLC細胞
によって発現される抗原の特定を基本としなければならない。幾つかの抗原を、
マウスのモノクローナル抗体を使用してSCLC細胞上で特定されているが、このう
ちの非常に僅かしかヒト免疫系によって認識されないことが分かっている。
【0007】 フコーシルGM−1(Fuc-GM1)は最初はウシ甲状腺で特定され単離されたガング
リオシドである(Macher, B.A. et al., 1979)。ガングリオシドは、その脂肪 親和性のセラミド部分で原形質膜の脂肪二重層中に固定されているグリコスフィ
ンゴリピッドを含むノイラミン酸である。特異的ガングリオシドは、癌の特異的
指標であることが分かっており、また免疫治療の抗原部位であり得る(1985年12
月10日に発行された合衆国特許第4,557,931号)。
【0008】 ガングリオシドおよび他の多く腫瘍抗原は、それらが自己抗原であり、よって
自己認識できるから弱い免疫原である。腫瘍抗原をより免疫原性にするために、
腫瘍抗原をその通常の自己抗原環境から取り出し、免疫系に授与するために免疫
原性外来抗原状況の中に置かなくてはならない。様々な方法が、抗原の免疫原性
を増加させるために、特にIgG反応を誘発するために使用されてきた。IgG反応を
誘発する際に最もうまく行くと思われるアプローチは、ガングリオシドを免疫原
性のキャリア蛋白と接合することであった。免疫原性を改善するために、GD3、 すなわちヒト悪性メラノーマ細胞で発現されるガングリオシドは、貝類から派生
するキーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)に共有結合で付着させていた 。GD3に対する高い力価IgMおよびIgG反応がマウスで見られ、その反応はGD3を発
現するヒト・メラノーマ細胞を、補体に媒介されて溶解することができる(Hell
ing, F., et al., 1995)。しかしながら、ワクチンを使用して免役反応を誘導 し、またはは抗体を産生するのは予想外のことである。特殊なワクチンを使用し
てある生物中で抗体を誘導および産生することは可能であっても、他の生物中で
同じワクチンが抗体を誘導および/または産生することを予測することはできな
い。例えば、GM2に対して低い力価のIgGおよびIgM反応のみがマウス中で見られ たけれども、同じワクチンが、試験された患者ではIgGおよびIgM両抗体の高力価
産生を誘発した(livingston, P.O., et al., 1989)。
【0009】 GM-2-KLH接合ワクチンによる一連の臨床試験がスローン・ケッタリング記念癌
センター(MSKCC)で行なわれ、KLHキャリア蛋白が安全に投与されることが分か
った(Helling, F., et al., 1995; 1992年4月7日発行合衆国特許第5,102,663)
。よって、KLHがこのワクチン中で免疫原性キャリア蛋白として使用される。
【0010】 メラノーマ患者のグループが、MSKCCで無アジュバントまたは種々のアジュバ ント、DETOX,BCGおよびQS-21を加えたメラノーマ・ワクチンで免疫感作された 。QS21は、他のものよりも著しく高い効果を持つアジュバントであり、著しく高
い力価のIgMおよびIgG抗体を産生する。QS‐21は、南アメリカの樹木であるキラ
ヤ・サポナリア・モリナ(Quillaja saponaria Molina)の樹皮から抽出された 糖鎖化合物である。単糖類組成物、分子量、アジュバント効果およびこれら一連
のサポニン類に対する毒性については、先に記載されている(Kensil. C.R., et
al., 1991)。QS-21は、その抗原性補強能性と毒性の欠如によって選択された 。毒性がないことと、猫におけるFeLVサブ・ユニットワクチンおよびアカゲザル
におけるHIV-1組換えワクチンの免疫原性を高めるのに優れて効果的であること が実証されている(Newman,M.J.et al., 1992)。QS-21の安全性および抗原 性補強性を実証する第一相臨床試験が、GM2-KLHワクチンで治療された患者にお いて最近完了した(Livingston, P.O., et al., 1994)。100μgの投与量は十 分耐性があり、その結果、免疫感作部位において2‐3日続いて紅斑および硬変を
起こし、また時々低いレベルのインフルエンザ様徴候を起こして、アジュバント
活性を示した(1994年1月21日に提出された、1994年8月4日にWO94/16731下で公 開された国際特許出願PCT/US94/00757)。よって、100μg投与量がこのワクチ ンについて選択された。
【0011】 免疫治療に対する有望なターゲットがSCLCの細胞表面で同定されている。これ
らには、ガングリオシドGM2、GD2、GD3、9-0-アセチルGD3およびFuc‐GM1のみな
らず、胎児性神経細胞付着分子(N-CAM)のポリシアル酸エピトープ特性、糖鎖 化合物グロボ(Globo)Hおよび糖タンパクKSAが含まれる(Hamilton,W.B.、e
t al., 1993, Zhang, S. et al., 1997, Brezicka, F-T, 1989, Fuentes, R. et
al., 1997, Brezicka, F-T, et al. 1992, Cheresh, D.A. et al., 1986, Gran
t, S.C., et al. 1996, Zhang, S. et al., in press)。これら抗原のうち、ガ
ングリオシドFuc-GM1は、その発現が通常の組織および他の癌上にほとんどが限 定されている(Zhang, S. et al., 1997, Brezicka, F-T, 1989)。ガングリオ シドの免疫治療のターゲットとしての重要性が、GM2, GD2およびGD3に対するモ ノクローナル抗体による受動性免疫治療後に、メラノーマ患者において観察され
る臨床反応によって実証されている(Cheung, N-K., 1987, Houghton, A. N., 1
985, Irie, F.R., 1986, Irie, R.F., et al., 1989)。更に、ガングリオシド に対して向けられた自然発生抗体または能動的に誘発された抗体の存在が、予後
を改善することと関連していた(Jones, P. C., et al., 1981, Livingston, P.
O. et al., 1994, Livingston P.O., et al. 1989)。以前、SCLC患者は、BEC2 、すなわちGD3を模倣した抗イディオタイプモノクローナル抗体による最初の化 学療法の後、免疫接種されていた(Grant, S.C., et al. 1996)。患者は、抗GD
3抗体を生じ、病歴コントロールと比べて生存率を延ばした。このような励まさ れる結果を持って、我々は免疫治療のターゲットとしてのフコーシルGM1を調査 研究している。
【0012】 Fuc-GM1は、最初はウシ甲状腺から特定され、単離された(Macher,B.A., e
t al. 1979)。高度に特異的なマウスモノクローナル抗体を使用して、F12、す なわちガングリオシドFuc-GM1(Fucα1‐2Galβ1‐3GalNAcβ1‐4(NeuAcα2‐3 )Galβ1‐4Glcβ1‐1Cer)がSCLC組織サンプルの大半、および該疾患を持つ少数
の患者の血清において同定された(Zhang, S., et al., 1997, Brezicka, F-T.,
et al 1989, Fredman, P., et al., 1986, Vangsted, A.J., et al. 1991)。
Fuc-GM-1は、正常胚および気管支では検出されなかったが、胸腺における偶発的
小円形細胞、脾臓、膵臓ランゲルハンス島細胞、固有層、小腸の壁内のガングリ
オニック細胞、並びに末梢感覚ニューロンおよび後根ガングリアの小さな部分集
合に散在的に分布していた(Zhang, S., et al., 1997, Brezicka, F-T., et al
1989, Yoshino, H. , et al., 1993)。
【0013】 抗Fuc-GM1血清抗体は、知覚神経壊疽の患者での記載があるがしかし他の状況 での記載はない。これは、この抗原が弱い免疫原性であることを示唆している。
我々は弱い免疫原性抗原の免疫原性を高めるための様々なアプローチを探索して
きた。これらの方法の最も効果的な方法は貝類由来の蛋白であるキーホールリン
ペット・ヘモシアニン(KLH)と化学的に接合させ、免疫原性アジュバントQS‐2
1と混合させることである(Livingston, P.O., et al., 1987, Helling, F.,, e
t al., 1984, Hellng F., et al., 1995、Livingston, P.。O., et al., 1994,
Kensil, C.R., et al. 1991)。本研究において、標準治療に対して主に反応を 示したSCLCの10人の患者が、フコーシルGM1-KLH接合ワクチンによる少なくとも5
回のワクチン接種を受け、誘導された抗体反応の反応性が評価された。
【0014】
【発明の概要】
本発明は、対象において抗体産生を刺激しまたは高めるに効果的な量の、免疫
原性蛋白と接合したフコーシルGM1のガングリオシドまたはオリゴサッカライド 部分と、アジュバントと、薬学的に許容可能な担体とを含有する組成物を提供す
る。
【0015】 本発明はまた、抗体産生を刺激するために、対象に対して有効量の上記組成物
を投与することからなる、対象において抗体産生を刺激する方法を提供する。
【0016】 本発明は更に、抗体産生を高めるために、対象に対して有効量の上記組成物を
投与することからなる、対象において抗体産生を高める方法を提供する。
【0017】 本発明は更に、癌を予防するに効果的な量の上記組成物を対象に投与すること
からなる、対象において癌を予防する方法を提供する。
【0018】 本発明は更に、癌を予防するに効果的な量の上記組成物を対象に投与すること
からなる、対象において癌を治療する方法を提供する。
【0019】 [発明の詳細な説明] 略語:GD3、GD2,GM2、9-0-アセチル-GD3およびフコーシルGM-1は、スベンナ ーホルム(Svennerholm)(1963)によって提唱された短縮形ガングリオシドの 命名法に準拠して使用されている。ABCはアビジン-ビオチン複合体であり;ITLC
は免疫薄膜クロマトグラフイーであり;Mabはモノクローナル抗体であり;PBSは
リン酸緩衝生理食塩水であり;SCLCは小細胞肺癌であり;MSKCCはスローン・ケ ッタリング記念癌センターである。
【0020】 本発明は、抗体産生を刺激しまたは高めるために、対象に対して、免疫原性蛋
白と接合した有効量のフコーシルGM1ガングリオシドまたはそのオリゴ糖部分と 、アジュバントと、薬学的に許容可能な担体とを含有する組成物を提供する。
【0021】 フコーシルGM1ガングリオシドのオリゴ糖部分は、ガングリオシドを開裂させ て誘導でき、または直接合成できる。
【0022】 具体的な態様では、フコーシルGM1の量は約3μg〜約100μgである。
【0023】 ここで使用される免疫原性蛋白は、ガングリオシドまたはそのオリゴ糖部分と
接合されたときに、対象において抗体の産生を刺激または高める蛋白質、または
その誘導体である。キーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)は既知の免疫 原性蛋白である。キーホールリンペット・ヘモシアニンの誘導体は、少なくとも
一つの免疫原性アジュバント、例えばモノホスホリピッドA、非イオン阻害共重 合体またはサイトカインと、キーホールリンペット・ヘモシアニンとを直接結合
させることによって生成され得る。サイトカイン類は当業者に既知である。サイ
トカインの例には、顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子(GMCSF)および インターロイキン2がある。他の当該技術で既知のインターロイキンは、キーホ
ールリンペット・ヘモシアニンと結合して、キーホールリンペット・ヘモシアニ
ンの誘導体を形成し得る。
【0024】 具体的な態様において、前記組成物は、キーホールリンペット・ヘモシアニン
に接合されたフコーシルGM1ガングリオシドまたはセラミド部分を通して該ガン グリオシドに接合されたその誘導体を含む。すなわち該ガングリオシドはキーホ
ールリンペット・ヘモシアニンに接合される。
【0025】 更なる態様において、前記アジュバントは、キラヤ・サポナリア・モリナ(Qu
illaja saponaria Molina)の樹皮すなわちQS-21から誘導される糖鎖化合物で、
その量は、30μg〜100μgである。他の既知のアジュバントも本発明に応用可能
である。本発明に準拠して同様に使用され得るQS-21のクラスまたはQS-21様化合
物のクラスがある。
【0026】 様々な有効量の接合されたガングリオシドまたはそのオリゴ糖部分、およびア
ジュバントが本発明に従って使用され得る。当業者は単純な力価実験を行なって
、効果的な免疫感作に必要とされる有効量を決定することができる。このような
力価実験の例としては、接合されたガングリオシドまたは接合されたオリゴ糖部
分、またはアジュバントを様々な量で対象に対して注入し免疫反応を調べること
があげられる。
【0027】 本発明の目的において、「薬学的に許容可能な担体」は、任意の標準的な薬学
的担体を意味する。適切な単体の例は従来技術で既知であり、標準の薬学的単体
、例えばリン酸緩衝生理食塩水溶液、ポリソーブ80を含むリン酸緩衝生理食塩水
、水、油/水エマルジョン、種々のタイプの湿潤剤が含まれるが、これには限定
されない。
【0028】 本発明のワクチンは、皮内、皮下、および筋肉内に投与し得る。当業者に既知
の他の方法も使用し得る。
【0029】 本発明の具体的態様において、前記対象はヒトである。
【0030】 本発明はまた、抗体の産生を刺激するために、対象に対して有効量の上記組成
物を投与することからなる、対象において抗体の産生を刺激する方法を提供する
。具体的な態様では、該組成物はキーホールリンペット・ヘモシアニンと接合さ
れたフコーシルGM1ガングリオシドまたはそのセラミド部分を通してガングリオ シドと接合されたその誘導体を含む。更に具体的には、ガングリオシドは、キー
ホールリンペット・ヘモシアニンとそのセラミド部分によって接合されている。
【0031】 本発明はまた、抗体の産生を高めるために、対象に対して有効量の上記組成物
を投与することからなる、対象において抗体の産生を高める方法を提供する。
【0032】 本発明はまた、癌を予防するために、対象に対して有効量の上記組成物を投与
することからなる、対象において癌を予防する方法を提供する。具体的に、癌は
小細胞肺癌である。
【0033】 本発明はまた、癌を治療するため、対象に対して有効量の上記組成物を投与す
ることからなる、対象において癌を治療する方法を提供する。具体的に、癌は小
細胞肺癌である。
【0034】 本発明は、以下の実験詳細セクションで例証される。これらのセクションは、
本発明の理解を補助するために記載されるのであり、如何なる意味でも特許請求
の範囲に記載された本発明を限定することを意図するものではないし、限定する
ものと解釈すべきではない。
【0035】
【実験の詳細】
癌および正常組織上での腫瘍関連抗原の分布を理解することは、癌の免疫療法
のターゲットを選択する上で必要不可欠である。7つの糖鎖抗原、すなわち免疫 療法の有望ターゲットが、十分特徴付けされたモノクローナル抗体のパネルを使
用して、13タイプの癌および18正常組織のクリオスタット切断された組織断片上
で免疫組織化学的に研究された。フコーシルGM1は小細胞肺癌(SCLC)上でのみ 検出された。フコーシルGM1は、分析されたどの正常組織上にも顕著に発現され ていたわけではない。本研究は、糖鎖化合物抗原フコーシルGM1の分布を理解す ることにまでおよび、免疫攻撃のために適切な糖鎖化合物抗原、至適腫瘍ターゲ
ット、および本プロセスで損傷を受けやすい正常組織を選択する為のより確実な
基礎を提供する。
【0036】 <序論> 糖鎖化合物抗原は、ほとんどの癌の細胞表面上で最も多く発現される抗原であ
る(Hakomori et al., 1985; Feizi et al., 1985; Livingston et al., 1982;
Hamilton et al., 1993a, b)。ガングリオシドGD3,GD2,GM2といった幾つかの
糖鎖化合物の抗原および二糖類sTnが、モノクローナル抗体による受動免疫治療
の効果的ターゲットとして働くことが分かっている(Houghton et al., 1985; C
heung et al., 1987; Saleh et al., 1992; Irie et al., 1986; Schlom et al.
, 1992)。それらはまた、臨床試験におけるワクチンによる能動免疫療法の効果
的ターゲットでもあることも実証されている(Livingston et al., 1994; MacLe
an et al., 1993)。免疫治療試験において、ターゲットの候補として糖鎖化合 物抗原を選ぶ際の重要なステップは、悪性および正常組織でその分布を決定する
ことである。免疫組織化学によって組織断片において抗原発現を調査するために
これらの抗原に対するモノクローナル抗体(mAb)を利用することにより、これ らの研究が促進された(Feizi et al., 1985)。
【0037】 抗原発現の定量化について異なる研究所からの結果を比較する場合、免疫組織
学は特に整合性のないことで評判が悪い。このような以前の研究に基づいて至適
抗原を選択し腫瘍ターゲットを選択するのは難しかった。ここで研究された抗原
の分布は記載されている(Dippold et al., 1985; Bernhard et al., 1992; Che
resh et al., 1984; Brezicka et al., 1989; Bremer et al., 1984; Husmann e
t al., 1990)が、研究された組織の数と型が一般的に限定されており、他の抗 原の発現と比較されていない一つまたは二つの抗原に対するmAbsを含んでいる。
この目的のために、腫瘍および正常組織の凍結組織断片についての大掛かりな免
疫組織化学研究が、抗原フコーシルGM1に対する十分特徴化されたネズミmAbsの パネルを使用して開始された。ここに記載されているのは、ガングリオシド・フ
コーシルGM1の分布である。GM3,GM1およびGD1aのようなガングリオシドは、正 常組織で広く発現されることがわかっているので、免疫治療の有望ターゲットで
あるとは考えられず、ここではテストされなかった。以下の研究では、同じ組織
パネル上の血液型関連抗原の発現を記載する。
【0038】 1.第一セットの実験 <材料と方法> A. 組織サンプル 組織Tek O.C.T. 化合物(Diagnostic Division, Elkhart, IN)中に埋設さ れた凍結標本が、スローン・ケッタリング記念癌センター(MSKCC)の組織調達 サービスによって病理学報告書と共に提供された。クライオスタット断片を5‐6
μmに切断し、大気中で乾燥し、中性緩衝液10%ホルマリン溶液(Sigma Co, st
. Louis, MO)またはメタノール(Fisher Scientific, Fair Lawn, NJ)でヘマ トキシリン・エオシンまたは免疫染色する前に10分間固定した。
【0039】 B.mAbおよび免疫組織化学 mAb F12(抗原:フコーシルGM1(Fucα1‐2Galβ1‐3GalNAcβ1‐4(NeuAcα2
‐3)Galβ1‐4Glcβ1‐1Cerは、トーマス・ブレジッカー(Thomas Brezicka博 士(Goteborg University, Sweden)によって提供された。
【0040】 アビジン・ビオチン複合体(ABC)免疫パーオキシダーゼ法は、先に記載され た(Hsu et al., 1981)ようにして実施した。簡単にいうと、断片をPBS中0.1%
のH2O2で15間急冷し、アビジンおよびビオチン試薬(Vector Laboratories,Inc
.Burlingame、CA)を用いてそれぞれ10分間ブロックし、第二抗体を生じる馬ま
たはヤギの10%血清中でインキュベートし、種々のmAbsと共に一時間、至適濃度
でインキュベートした。至適mAb濃度は、既知の陽性ターゲット細胞に対する反 応性が強いことと、間質に対するバックグラウンドが僅かしかなく、または全く
ないことに基づいて選択された。使用されたmAb、F12の濃度は、1.5μg/mlであ
った。D1.1は上澄み溶液であり、1:4で使用された。続いて、断片を1:600 の ビオチン化抗マウスIgGまたは1:300のヤギ抗マウスIgM抗体(Vector Laboratori
es, Inc. Burlingame, CA)と共に40分間インキュベートし、次いで、1:50ABC試
薬(Vector Laboratories, Inc., Burlingame, CA)と共に30分間インキュベー トした。0.02%のH2O2および0.1%のジアミノベンジジン・テトラヒドロクロラ イド(Sigma Co., St. Louis, MO)を用いて、反応を2-5分間現像した。スライ ドを、ハリス修正ヘマトキシリン(Fisher Scientific, Fiar Lawn, NJ)を用い
て1−3分間対比染色した。免疫反応性を、陽性細胞のパーセントおよび陰性コン
トロール上に見られる染色強度:1+〈弱い〉、2+(中程度)、3+〈強い〉 、4+(非常に強い)に基づいて類別した。各実験では、既知の陽性および陰性
コントロール・スライドを使用した。試験された抗体のパネル中に含まれる幾つ
かのIgM,IgG3、およびIgG2・mAbsの結果から、抗体の特殊サブクラスの非特異的
接着は除外された。
【0041】 先に記載されたように(Cheresh et al., 1984)して、間接免疫パー・オキシ
ダーゼ法を、正常肝臓、腎臓および胃サンプルについて行なった。これらの組織
はABC試薬と直接強力に反応し、高いバックグラウンドを生じた。要するに、断 片をPBS中、0.1%のH2O2で15分急冷し、10%の血清でブロックし、mAbsで1時間 、至適濃度、本分析ではF12で20μg/ml、最高強度の上澄みD1.1と共にインキュ
ベートした。断片を1:100のパーオキシダーゼ〈Dako Co., Cappinteria, CA〉 で標識したウサギ抗マウス・イムノグロブリンと共に1時間インキュベートし、A
BC法について記載されたようにして現像した。
【0042】 C.免疫薄膜層クロマトグラフイー(ITLC) 酸性および中性グリコリピッドの組織からの抽出およびITLCを、以前に記載さ
れたようにして実施された(Hamilton et al., 1993a)。抽出されたグリコリピッ
ド2‐5μgおよびGM2およびGD2コントロールを高速シリカゲル・プレート(Merc
k Co, Darmstadt, Germany)に充填し、クロロホルム/メタノール/0.02%水性
CaCl2(60:35:8;v/v/v)流動溶剤中で分離した。全グリコリピッドを視覚化 するために、プレート一つをレゾルシノールまたはオルシノールで染色した。他
の一つをmAb696(5μg/ml)と共にインキュベートし、次にホースラデイッシュ ・パーオキシダーゼ(Zymed Co., San Francisco, CA)に結合したウサギの抗マ
ウスIgMと共にインキュベートし、H2O2(Fisher Co., Fair Lawn, NJ)を含む4
−クロロー1−ナフトール溶液(Sigma Co., St Louis, MO)で現像された。
【0043】 <結果> A.mAbsと腫瘍組織との反応性 表2に、mAbsのパネルで観察される腫瘍組織サンプル上での免疫反応性が要約
されている。全73の腫瘍性組織を、8つの各抗体を用いて分析した。メラノーマ および小細胞肺癌の結果の例が図1に示される。フコーシルGM1は、その分布が高
度に限定されている:SCLC単独。
【0044】 B.mAbsと正常組織との反応性 表3に、mAbsのパネルによって観察される、正常組織サンプル上での免疫反応
性が要約されている。正常組織上の結果の例が図2に示される。Mabs F12のみが
散在する膵臓のランゲルハンス島細胞(島間細胞の10%未満)および散在する後
根ガングリオン・ニューロンと反応した。
【0045】 <考察> 本研究における予期しない知見は、フコーシルGM1の分布が著しく限定されて いたことであった。フコーシルGM1は前記に記載の様にSCLC上で発現された(Bre
zicka et al., 1989)。 フコーシルGM1は、ランゲルハンス島の10%未満の細胞
上に弱く染色されたことを除いては、他のどの癌にも、またはテストされた正常
組織、および散在した後根ガングリオン・ニューロンにも見られなかった。該島
およびBrezicka et al (1989)によって免疫蛍光を使用して以前に観察された他 の組織の分布はもっと限定されていた。フコーシルGM1は、小細胞肺癌に対する 免疫攻撃の優れたターゲットであるようだ。
【0046】 癌の能動および受動免疫治療法のターゲットとしてその有効性を決定づける主
な因子は、正常組織上のある抗原の全量ではなく、該抗原が過剰発現されている
場所の正確な分布および免疫システムに対するその利用可能性であることを示す
蓄積された証拠がある。ガングリオシドGD2およびGD3は、中枢神経系(CNS)に 広く分布されており、殆どの臓器のストロマ中には低レベルで存在している。し
かし、子供および大人に対して、GD2およびGD3に対するmAbを中程度の投与量で 与えて受動的治療を施した結果、得られた臨床反応では、CNS徴候を示さず、ま たは自己免疫がなかった。血流脳関門は、CNSに対するこれら抗体のアクセスを 防御するようにみえる。末梢神経上でGD2が高度に発現する事が知られているが、
GD2に対するmAbsを高度投与されて治療されたある患者においては、投与量依存 の急性および/または慢性毒性を示した(Saleh et al., 1992)。B細胞上のGD2 の分布については、以前疑義がもたれていなかったので、これらの臨床試験では
B細胞数または作用を評価する試みはなされなかった。ここに示されているGM2の
正常組織上での分布は、GD2またはGD3よりももっと広範に広がっているが、免疫
系、脳(GD2およびGD3より少ないが)および大半の臓器の上皮管腔細胞にはアク
セスできない部位にもっと限定されているかもしれない。ストロマあるいは結合
組織因子におけるGM2の発現は検出されなかった。MUC1,sTnおよびTF等上皮組織
にこのように分布するGM2に対する抗体および幾つかの他の抗原は、毒性または 自己免疫を示さず、誘導されたかまたは投与された(MacLean et al., 1992, 19
93; Finn et al., 1995; Gilewski et al.、1996;Adluri et al., 1995)。適 切に構築されたワクチンによる免疫感作に続いてGM2に対する抗体の誘導が、大 半の患者でみられ、これは著しく良好な予後と関連していて、さらにまた自己免
疫の形跡もなかった(livingston., 1994)。正常組織上のこの分布では、耐性 も誘導されず一旦誘導された抗体に対しても有効ではなかった。このバックグラ
ウンドに対して、フコーシルGM1が受動的または能動的免疫治療の傑出したター ゲットであるようだ。
【0047】 2.第2セットの実験 キーホールリンペット・ヘモシアニン(フコーシルGM1-KLH)に共有結合され たフコーシルGM1+免疫学低的アジュバントQS‐21とを含むワクチンの、小細胞 肺癌患者における使用を観察する。90人以上の患者にGM2-KLH+QS‐21を免疫接 種(livingston, P.O., et al., Helling, F., et al, 1995)した研究と同様に
、フコーシルGM1-KLHワクチンを使用したこのような免疫研究が行なわれる。
【0048】 フコーシルGM1(Fuc-GM1)は、最初はウシ甲状腺で特定され単離されたガング
リオシドである(Matcher, B.A., et al., 1979)。ガングリオシドは、原形質 膜の脂肪二重層にその脂質親和性のセラミド部分で固定されたグリコスフィンゴ
リピッドを含むノイラミン酸である。ガングリオシド、Fuc-GM1(Fucα1‐2Galβ
1‐3GalNAcβ1‐4(NeuAcα2‐3)Galβ1‐4Glcβ1‐1Cer)は、高度に特異的な マウスのモノクローナル抗体,F12〈Fredman,P.,et al., 1986〉を使用して、
SCLCの21事例のうち19の組織サンプルで特定され、また該疾患患者少数の血清中
で検出された。Fuc‐GM1は、正常肺および気管で特定されたが、小丸細胞の散在
して分布するクラスターは、胸腺、脾臓、膵臓ランゲルハンス島細胞、固有層お
よび小腸の壁内のガングリオ細胞中で染色された(Brezicka,F-T., et al., 19
89; Vangsted, A.J., et a;., 1991; Yoshino, H. , et al., 1993)。
【0049】 キーホールリンペット・ヘモシアニンおよびアジュバントに接合されたフコー
シルGM1は、患者を免疫感作するために以前は使用されていなかった。フコーシ ルGM1は、最初、mAB F12を含むネズミのモノクローナル抗体を使用して癌抗原と
して特定された(Fredman, P., et al., 1986; Nilsson, O., et al., 1986; Br
ezicka, F-T., et al., 1989)。フコーシルGM1の正常細胞上での分布は十分限 られており、小細胞肺癌上の分布は十分に一般化されており、フコーシルGM1が 免疫治療の優れたターゲットであろうことを示唆している。フコーシルGM1―KLH
接合ワクチン+免疫学的アジュバントQS-21を使用して、フコーシルGM1に対して
能動免疫感作することは可能と思われる。
【0050】 フコーシルGM1‐KLH+QS-21ワクチンによる予備臨床テスト研究: マトレーヤ(Matreya Inc.)によって調製されたフコーシルGM1を使用して、 幾つかの異なるフコーシルGM1ワクチンの免疫原性を比較した。KLHに接合された
フコーシルGM1+免疫学的アジュバントQS‐21は、最も免疫原的なアプローチで あった。ELISAで検出されたIgMおよびIgGの力価は、このアプローチでは、特に 生理食塩水中4℃で貯蔵する代わりに、ビンに小分けしながら最終ワクチンを凍 結乾燥している場合に最高であった。この結果は、表1に要約されている。該結 果はフコーシルGM1―KLH+QS-21ワクチンはマウスにおいて免疫原性であり、Fuc
‐GM1に対して高力価抗体を誘導したことを実証している。
【0051】
【表1】
【0052】 2.化学、製造および対照データ A.フコーシルGM1抽出 家畜ウシから得られたウシ甲状腺バン・デッセルら(Van dessel et al.) に
よる記載の方法,つまりガングリオシド・ワクチンを用いた以前の多くの試験に ついて、ウシ脳からのGM2 および GD2 の調製をするために使用されたものと非 常に近い方法に準拠して抽出された。手短に言えば、甲状腺組織を凍結乾燥さ、
せホルヘ(Folch)システムによって、クロロホルムとメタノールの濃度を変え ながら抽出した。非脂質混入物をセファデックスG-25クロマトグラフィーで除去
し、フコーシルGM1を分取薄膜クロマトグラフィー(TLC)で分離した。クロロホ
ルム/メタノール(2/1)中のフコーシルGM1をマトレーヤ(Matreya Inc.)から 受領し、蒸発させ、メタノール中で再構成させた。純度はTLCおよびITLCでテス トされる。過去には混入物の証拠はなく、単一のフコーシルGM1バンドのみが存 在した(>95%純度)。
【0053】 B.フコーシルGM1のKLHに対する接合 キーホールリンペット・ヘモシアニン(KLH)は、プレインミューン社(Perimmu
ne Inc.)より購入し、Perimmune Inc. IND(BB-IND 4250)のもとで使用され た。このKLHについては臨床試験では、実験室で調製されたGM2-KLH、GD2-KLH、g
lobe H-KLHおよびMUC‐KLH接合ワクチンという形での多くの経験がある。フコー
シルGM1のKLHに対する接合が、ガングリオシドとKLHを接合させるために以前使 用されていたと全く同じ方法を使用してLivingston博士の実験室において行なわ
れる。
【0054】 C.フコーシルGM1アルデヒドの合成 全てのガラス容器を蒸留水で濯ぎ、使用する前にオートクレーブする。メタノ
ール(5ml)中精製されたフコーシルGM1(5mg)の溶液を室温で攪拌し、該溶液中 にオゾンガス(Delzone Traveler Model Z0-150 ozonator)を10分間通す。窒素
流を該溶液中に通し、過剰のオゾンを取り除き、該反応をクロロホルム/メタノ ール/水(60/35/8)中でTLCによってチェックする。この溶液に、硫化メチル(400 μl)を加え、反応混合物を室温で2時間攪拌する。該溶剤を窒素流下で取り除き
、n-ヘキサンで処理し、遊離のアルデヒドを取り除く。得られた白色粉末は、直
接次の接合ステップで使用する。
【0055】 D.フコーシルGM1のKLHに対する接合 全ての操作は、クラス100の生物学的に安全なキャビネットで行なう。7.21か らのアルデヒドを、フラスコ中の滅菌されたパイロジェンフリーのPBS(pH7.5)
中に超音波振動下で溶解し、次にPBS(5mg/ml)中に溶解されていた滅菌パイロ
ジェンフリーのKLH、10mgを収容した滅菌ガラス・ボトルに移した(Perimmune I
nc., Rockville, MD)。該フラスコを2.5mlのPBSで2回以上リンスし、KLH/フコ ーシルGM1アルデヒド混合物に加え、室温で15分静かに攪拌しながらインキュベ ートされた。
【0056】 ナトリウム・シアノボロハイドライド(NaBH3CN)の20 mg/ml溶液2 mlをPBS中
で調製し、滅菌濾過した。1 mlのNaBH3CN溶液を、KLH/フコーシルGM1アルデヒ ド混合物中に添加し、37℃48時間インキュベートする。
【0057】 E.フコーシル GM1-KLHグリコ接合物の透析濾過 全ての操作は、クラス100の生物学的に安全なキャビネットで行なわれる。 フ
コーシル GM1-KLH反応バイアルの中身は滅菌パイロジェンフリーのAmicon Cenri
prep濃縮器30ユニットに移され、1500gで15分遠心分離される。接合物は次に、 生理食塩水(injection USP)を使用して同様の手法で3回洗浄され、濾過ユニッ
トから無菌的に除去され、2000rpmで30分攪拌された。上澄み液は、次に0.22μ mの低蛋白結合滅菌パイロジェンフリーのフィルターで滅菌濾過され、-20℃で 貯蔵された。蛋白およびガングリオシドの配合量が確定され、該溶液が生理食塩
水中に適切に希釈される。QS-21が添加され100μg/mlを産生し、該混合物は再び
0.22μm濾過され滅菌された2mlのヌンク(nunc)バイアルに1mlを分取する。バ
イアルは凍結乾燥されキャップを締め、-30℃に貯蔵される。
【0058】 F. ロット分泌規準 フコーシル GM1は、TLCによって少なくとも95%純度にしなければならない。K
LHの分子量を5x10と仮定すると、フコーシル GM1-KLHの比率は400/1 〜1400/
1であればよい。未結合フコーシルGM1のパーセントの決定のため、および未来 のロットとの比較のために、TLCおよびITLCを、フコーシル GM1-KLHの各ロット について行なう。20%以下の未結合フコーシルGM1は許容できる。臨床テストに 使用する各ロットからのバイアルによる滅菌性および安全性テストを>50回、該
投与量/mで行なう。培養基中で成長しないこと、およびマウスまたはモルモッ
トにおいて不利な反応(10%以上の体重減を含む)のないことは許容される。2 匹以上のマウスが各フコーシルGM1-KLHバッチで、1-2週間に2-3回免疫感作され
、免疫感作後の血清がテストされる。フコーシルGM1に対する1/1000以上の抗体 の力価であれば、該構築物が適切な免疫原性を持っている証拠として許容される
【0059】 3.薬理学および毒性データ フコーシルGM1のマウスまたはウサギにおける正常組織上での発現については 研究されていないが、フコーシルGM1-KLH+QS-21ワクチンによる研究の進展中に
免疫感作されたマウスで毒性についてはなんの証拠もなかった。正常細胞上での
フコーシルGM1の分布が限定されていることと、また患者におけるKLH接合ワクチ
ン+免疫学的アジュバントQS-21による我々の長年の経験から、予想外の毒性は このワクチンから生じたとは考えられない。
【0060】 しかしながら、フコーシルGM1は、胸腺、脾臓、膵臓ランゲルハンス島細胞、 固有層、小腸の壁内のガングリオ細胞、のみならず末梢感覚ニューロンおよび、
可能性としては他の正常組織にも存在している。末梢感覚ニューロン神経障害の
数人の患者は、彼らの血清中にGM1およびフコーシルGM1に対する抗体を持ってお
り、免疫感作後に末梢感覚ニューロン神経障害を起こす可能性が惹起される(21)
。これらの位置は、免疫療法のターゲットとして使用される、GM2,GD3,GD3およ
び上皮成長因子受容体等の他の抗原よりも正常細胞上ではより限定された分布と
なっている。もし交差反応が起こったら、これらの組織に対する自己免疫が結果
として真性糖尿病、炎症性大腸疾患、膵臓炎、末梢知覚神経障害となる。このよ
うな炎症性反応は、ワクチンおよび抗炎症性投薬治療を中止することによって制
御されると思われる。患者は全て、最初のワクチン投与の前に基本的病歴および
神経系診察を含めた身体検査でチェックされ、第5回および6回目のワクチン投与
の前に、追跡チェックも行なわれる。これらのワクチン接種は、末梢神経障害が
生じたという証拠があれば、または真性糖尿病、膵臓炎、または胃腸疾患がワク
チン接種に続いて副次的に起こると思われるならば、投与されない。
【0061】 3.第3セットの実験 これまで上記に記載した手法を使用して、出願人は、8人にアジュバントQS-21
を持つフコーシルGM1-KLHワクチンを投与した。患者は全て小細胞肺癌と診断さ れて、この疾患の化学療法および放射線治療、基準的治療を受けていた。 ワクチンは全て30μgのKLHと接合されたFuc GM1および100μgのQS-21を含み、
1,2,3,4,8および16週目に皮下に投与された。
【0062】 各ワクチン接種の後、8人から血清サンプルを採集した。抗体集団の特徴を分 析した。酵素結合イムノソルベント検定法を使用して、該血清サンプルにおける
IgMおよびIgGの力価を測定した(表4)。
【0063】 QS-21アジュバントと組み合わせたフコーシルGM1-KLHを使用したこれらの患者
のワクチン接種の表4に示した結果によって、免疫反応が誘導されたことが明解 に示される。フコーシルGM1-KLHをワクチンによって誘導された免疫反応はIgM抗 体を産生したばかりでなくIgG抗体も同様に産生した。このようなワクチンは次 に小細胞肺癌のような癌に見られるフコーシルGM1抗原に対する抗体を高めるか または産生するために使用され得る。見られる毒性はただ、注射部位における局
所的紅斑および硬化、1-2日間の低レベルの発熱、QS-21から予想される副作用で
ある。該患者は良好状態を維持し、遅延毒性又の可能性はこれらの患者の80%を
超えると予想される疾患の再発から保護の可能性について追跡される。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
【化1】
【0069】
【化2】
【0070】
【化3】
【0071】
【化4】
【0072】
【化5】
【0073】
【化6】
【0074】
【化7】
【0075】
【化8】
【0076】
【化9】
【0077】 4.第4セットの実験 SCLCは化学療法に対して非常に反応性であるが、再発が普通に見られ、殆どの
患者が診断の2年以内に死ぬ。初期治療の後基準治療が見られるにすぎない。 癌のアジュバント療法として、選択されたガングリオシドに対する免疫感作が研
究されてきた。抗GM2ガングリオシド抗体の存在が、メラノーマ患者中、疾患を 伴わずに生存を延長させることに関係していることが報告されており、またガン
グリオシドGD3を模倣した抗イディオタイプモノクローナル抗体BEC2で免疫感作 したSCLC患者は、病歴コントロールと比べて生存が伸びたとの報告がある。現在
の試みでは、SCLC細胞表面に発現される別のガングリオシドであるFuc-GM1が能 動免疫治療のターゲットとして選択された。Fuc-GM1は、大半のSCLCに存在する が、正常組織には少ししか存在しない。初期治療に主に応答を示したSCLC患者は
、1,2,3,4,8および16週目に担体蛋白のKLHと接合され、アジュバントQS21と
混合されたFuc-GM1(30μg)の皮下注射により免疫感作された。該患者は少なく とも5免疫接種され応答を評価された。患者は全て、免疫抑制化学療法+/‐放射
線治療で前もって治療されていたにもかかわらず、IgMおよびIgG両抗体を誘導す
るという血清学的応答を示した。治療後のフローサイトメトリーでは、患者の血
清由来抗体が、Fuc‐GM1を発現している腫瘍細胞に結合する事が実証された。 事例のほとんどにおいて、血清は補体媒介性細胞毒性を示すことが可能である。
注射部位における中程度の一過性紅斑および硬変が僅かに一致した毒性であった
。Fuc-GM1-KLH+QS21ワクチンはSCLC患者において安全で免疫原性を示した。こ のワクチンおよび他のガングリオシドワクチンの研究は継続して進行中である。
【0078】 <患者および方法> a. 患者の選択 治療に対して主な腫瘍反応を示すと記録された病理学的に確認された限定病期
患者または広範病期のSCLC患者は、計画された一時治療(適宜、予防用の頭側照
射を含めた)の部分を構成する全ての化学治療および放射線治療を完了した後、
」本研究に参加できた。患者は、少なくとも4週間および初期治療完了後12週間 以内にワクチン接種を開始すること要求された。資格規準は、カルノフスキー特
性状態 ≧70%;年齢≧18、全WBC≧ 3.0 x10細胞/μl;全リンパ球計測≧
0.5x10細胞/μl; 血清ビリルビン≦1.5mg/dl;および血清SGOTおよびアル カリ・ホスファターゼ≦1.5x正常者の最上限、である。海産物アレルギー、臨床
学的に重篤な末梢神経障害、免疫欠損または自己免疫疾患、膵臓切除、または膵
臓放射線照射の来歴を持つ患者、コルチコステロイドの現使用者、または過去5 年以内に活性悪性腫瘍を罹患した患者は除外された。患者は全員、MSKCCにおい て協会団体レビュー評議員によて承認されたインフォームド・コンセントにサイ
ンした。
【0079】 b.ワクチンの調製および投与 フコーシルGM1をウシ甲状腺より抽出し精製した(Matreya Inc.,Pleasant G
ap、PA)。Fuc-GM1をKLH(Intracel Inc., Rockville, Maryland)と、セラミド
二重結合を酸素溶解によってアルデヒド基に変換することによってKLHに接合さ せ、先に記載したように、ナトリウム・シアノボロハイドライドを使用してKLH 上のNH基と連結した(24)。Fuc‐GM1:KLHエピトープの比率は、696:1であっ た。Fuc‐GM1‐KLH接合は、洗浄され濾過され滅菌を確実にし、個々のバイアル にリン酸緩衝生理食塩水と共に分取された。ワクチン接種の日に、30μgのFuc-G
M-KLH接合体を、100μgのQS‐21(Aquill Biopharmaceuticals,Worcester Massa
chusetts)と混合した。QS‐21は、キラヤ・サポナリア(Quillaja saponaria) のモリナ樹皮から精製したサポニン分画から得られた免疫アジュバントである(2
7)。フコーシルGM1‐KLH+QS‐21ワクチンは、MSKCCによる食品薬品局調査新薬 認可下で投与された。
【0080】 患者は1,2,3,4,8および16週目に投与される一連の皮下ワクチン接種を受 けた。血液を血清学的テストのために各ワクチン接種前および第4、5、6回目の ワクチン投与の後2週間目に採取した。病歴および身体診察および胸部X線は8週 および18週目に行なわれた。CBC、化学物質類およびアミラーゼは、3、8、およ び8週目に採集された。患者は病歴および身体検査によっておよび患者記載の日 誌によって毒性について追跡調査された。NCI共通毒性規準を使用して、CALGB共
通毒性スケールを使用して類別される筋肉痛、疲れ、寒気の徴候以外の毒性を類
別した。
【0081】 <血清学的分析> ELISA法を行ないIgMおよびIgG抗体反応を検出した(25)。ヌンク・マイクロ・ ウエル皿(Nunc, Denmark)は、精製されたFuc‐GMガングリオシド0.2μg/ウエル によって50μlエタノール中において被覆し、室温で一晩インキュベートされた
。午前中に、皿を3%HSAで37℃2時間インキュベートされた。患者の血清連続希 釈物を皿に添加した。IgM分析として、皿を室温で1時間インキュベートし、洗浄
し、アルカリホスファターゼ接合ヤギ抗ヒトIgM(Southern Biotechnology Asso
c. Inc., Birmingham, AL)を添加し、室温で更に一時間インキュベートされた 。IgG分析では、ヤギ抗ヒトIgG未標識抗体(Southern Biotechnology Assoc. In
c., Birmingham, AL)を添加し、一時間インキュベートした。マウス抗ヤギア ルカリ・フォスファターゼ接合抗体(Southern Biotechnology Assoc. Inc., Bi
rmingham, AL)を添加し、45分の間インキュベートした。IgGのサブクラスをサ
ブクラス特異的第二マウス抗ヒトIgG1,IgG2,IgG3,IgG4モノクローナル抗体(
Zymed Laboratories, Inc., San Francisco, CA)を使用したELISAによって決定
した。アルカリ・フォスファターゼ接合ヤギ抗マウスIgG(Southern Biotech, B
irmingham, AL)が第三の抗体として希釈率1:200で使用された。 全ての皿が洗浄されて、Sigma104フォスファターゼ基質(Sigma Diagnotics,
St. Louis, MO)により10%ジエタノールアミン中で現像された。吸光度を、414
nmで測定し、少なくとも0.100の吸光度を持つ最高の希釈度を抗体の力価とした 。非特異的結合を制御するため、患者の血清はまた、全く同一に加工されガング
リオシドが添加されていない皿上でテストされ、この読み取り値は、ガングリオ
シド存在下で得られた値からマイナスされた。
【0082】 フロー・サイトメトリー分析(FACS)を共にFuc-GM1(H146よりもH4IIEを多く
)発現するヒトSCLC細胞系H146およびラット肝癌細胞系H4IIEで実行した。腫瘍 細胞の単一細胞懸濁液(3x105 細胞/チューブ)をRPMI培地中、3%FCSで洗浄 した。患者血清を1:10希釈で細胞ペレットに添加し、次に30分氷上でインキュ ベートした。細胞を一度3%のFCS-RPMIで洗浄し、1:25希釈の蛍光イソシアネー
ト(FITC)標識されたヤギ抗ヒトIgM(Zymed Laboratories, Inc., San Francis
co, CA)20μlまたは1:25希釈のFITC標識のヤギ抗ヒト(IgG Southern Biotec
hnology Assoc. Inc., Birmingham, AL)のいずれかで、氷上30分インキュベー
トした。染色細胞の陽性細胞集団のパーセントおよび平均蛍光強度(MFI)は、 フローサイトメトリー(FACScan、Becton-Dickinson, CA)によって分析された 。マウスの抗Fuc-GM1モノクローナル抗体、F12を陽性対照として使用して、前処
理血清を陰性対照として使用した。FACS阻害研究をFuc‐GM1抗原を使用した選択
血清上でGD3ガングリオシドを陰性対照として行なった。
【0083】 補体依存細胞毒性分析(DCD)を、クロミウム分泌法によって2時間行なった。
Fuc-GM1陽性細胞系H146およびH411Eをターゲット細胞とした。約10細胞を100 μCi のNa 51CrO(New England Nuclear, Boston, MA)で3%HSA中2時間37
℃で15分ごとに震盪しながら標識した。該細胞を4回洗浄し、10生存細胞/mlの
濃度にした。96ウエルの丸底プレート(Corning , New York)において、標識
細胞50μlをワクチン接種前あるいは接種後の希釈(1:2)された血清50μl中
に加え、または培地のみを加えて、シエーカー上で4℃45分インキュベートした 。3%HSAで1:5に希釈したヒト補体を100μl/ウエルに添加し、37℃2時間イン
キュベートした。皿を100gで5分間遠心し、各ウエルからの上澄み液100μlのア
リコットをグラムカウンターで読み、分泌された51Crの量を決定した。補体の非
存在下で、最大の分泌用と自発分泌用のコントロール・ウエルを含めた全サンプ
ルを3重に実施した。自発分泌ウエル(補体のみでインキュベートされたターゲ ット細胞によって分泌された量)を実験値および最大分泌値から引き算した。最
大分泌は、10%トリトンX100(Sigma Diagnostics, St., Louis, MO)20μl, およびヒト補体の100μlで2時間インキュベーションした後、ターゲット細胞に
よって分泌された量であった。特異的分泌は、修正された最大分泌によって割算
して修正された実験分泌と等しかった。
【0084】 特異的分泌(%)= 実験的分泌‐自発的分泌 x 100 最大分泌‐自発的分泌 患者は、少なくとも5回の免疫接種を受けた場合、免疫分泌を評価できるとみ なされた。血清は、ELISAによってもし反応性の力価が少なくとも1:40であれば
、FACSによって免疫接種前と後の%陽性の差が少なくとも20%であれば、および
CDCによって10%以上の特異的分泌があれば、陽性と考えられた。
【0085】 <結果> a. 患者の特徴 13人の患者は、Fuc‐GM1‐KLH接合体+QS21ワクチンを受けた。患者の特徴を 表5に掲載する。9人の患者は広範疾病段階にあるSCLCで、4人の患者は限定疾病
段階にある。平均年齢は52歳(範囲43−76才)、その平均KPSは90%である。す べての患者は、プラチナ・ベースの化学療法手法を受け、6人の患者は胸部照射 を受け、4人の患者は最初に計画された治療の一部として予防療法である頭側照 射によって治療された。13人の研究中の患者のうち、3人の患者が、5回目のワク
チン接種を受ける前に再発した。よって僅か10患者のみが血清学的反応について
評価可能であった。これら10人の患者のうち、4人がプロトコール療法を終わら せる前に再発したSCLCに対して二次的に5回目のワクチン接種を受けた。疾病の 進行に連れ、患者は研究からはずされ、患者の主治医の自由裁量で更に治療がな
された。
【0086】 <血清学的分析> 10人の評価可能な患者はすべて、放射線治療を伴うかまたは伴わない免疫抑 制化学療法で前治療されたにも拘わらず、Fuc-GM1に対するIgMおよびIgG抗体の 高力価を持つFuc‐GM1‐KLH接合体ワクチンに対する抗体反応を示すことが、ELI
SAによって実証された(表6)。
【0087】 IgG抗体は、原則的にはIgG1サブクラス(表7)のものであった(何人かの患 者は表6に掲載されていた患者よりも低いIgG力価を持っていた)。限定段階の疾
病患者3人の評価可能な患者のうち、6つの計画されたワクチン接種をすべて受け
た患者は各々、それぞれIgGおよびIgG抗体力価1:320 -1:2560 および1:1280-
1:2560を誘導した。広範疾病段階にある4人の患者は6回のワクチン接種を受け る前に再発したが、それらの患者の大半は、IgMおよびIgG反応の両方を示した。
SCLCの診断と初めの免疫感作の間の間隔は、抗体の力価に影響を与えたようには
みえない。
【0088】 Fuc‐GM1陽性ラット肝癌細胞系H411Eを使用したFACS分析では、それぞれ10人 のうち8患者および10人のうち5患者に由来する治療後のIgMおよびIgG抗体がそれ
ぞれ腫瘍細胞に結合していたことが実証された(表8)。H411Eよりも低いレべ ルでFuc-GM1を発現するヒトSCLC細胞系H146を使用した結果では、10患者のうち5
人および10患者のうち1人からの腫瘍細胞に結合した治療後のIgMおよびIgG抗体 がそれぞれ示される(表8)。 Fuc-GM1抗原を選ばれた患者の血清に添加すると
、腫瘍細胞に抗体が続けて結合することが阻止されるが、一方、腫瘍細胞に対す
る結合は、GD3を添加することによっては阻止されなかった。反応を評価できる 10患者のうち8人から得られたワクチン接種後の血清は、Fuc-GM1陽性腫瘍細胞 系の補体に媒介される細胞毒性を誘導した(表9)。
【0089】 <毒性> 13人の患者すべてが毒性について評価され、68の投与ワクチン接種のうち61に
ついては、患者記載の日誌からの毒性データが利用できた。もっとも共通してい
た毒性は、局所皮膚反応であり、これは大半のワクチン接種の後に生じ、典型的
には注入部位における中等度の痛み、腫れおよび紅斑である。該反応は約2-5日 続き、2または3回目のワクチン接種の後がもっとも顕著であった。
【0090】 低等級の発熱、筋肉痛、頭痛、および寒気を含めた中程度の一過性インフルエ
ンザ様兆候は、数回のワクチン接種の場合に生じた。下痢が、60(15%)ワクチ
ン接種したうち9に観察された(8等級1、1等級2)。等級1疲労は、60ワクチン
接種のうち13(22%)に見られた。一人の患者は、最初のワクチン接種後、胸の
痛みおよび息切れを伴う肺炎を起こした。これは抗生物質に反応したのであって
治療に関係したものであるとは思われない。一つの毒性等級による化学療法誘発
知覚神経障害の悪化が、6患者に見られた(表10)。3患者が知覚神経障害が、
等級0から等級1、2患者が等級1から等級2、患者一人が等級2から等級3へ
と悪化した。運動神経障は見られなかった。
【0091】 <考察> Fuc-GM1は、ほとんどの小細胞肺癌に広範に発現され、正常細胞では最小に発 現される。これは、このガングリオシドの抗原が、能動免疫接種の優れたターゲ
ットとして働くことを示唆している。しかしながら、Fuc-GM1のような自己抗原
の免疫原性は、正常細胞における発現に基づいて安定して予測することはできな
い。正常細胞上に限られた分布を持ち、その分布は脳、結合組織、T細胞の小集 団に限られるGD3ガングリオシドは、GD3に対する抗体反応が偶発的に誘導された
が(30)、ヒトにおいて免疫原性が低いことが証明されている(28、29)。反対
に、GM2は、脳およびすべての上皮組織の分泌辺縁に発現されているが、高度に 免疫原性であることが実証されている。Fuc-GM1は、GM2またはGD3よりも正常組 織により限定された分布を持ち、従ってより免疫原性であると期待されていた。
本研究では、まさにこれが事実であることが実証された。
【0092】 Fuc-GM1-KLH+QS21ワクチンによる免疫感作の後のFuc-GM1に対するELISA抗体 力価の主要ピークは、IgMで1:320およびIgGで1:960であった。これらの力価は
、メラノーマ患者における以前の試みにおける、GM2−KLH+QS21ワクチンによ ってGM2に対して誘導された力価と類似している(25、26)が、該メラノーマ患 者は、検出可能な疾病は持たず、前もって化学治療または放射線治療を受けてい
なかった。このトライアルで治療されたSCLC患者の大半は最近、放射治療を伴う
かまたは伴わない化学治療での治療を完了したが、評価可能な疾患の放射線学的
証拠を引き続き持っていた。疾患および前治療の程度がより大きくなったにも拘
わらず、Fuc-GM1-KLH接合体ワクチンは一定してIgMおよびIgG抗体反応を誘導し た。
【0093】 これらの結果をもとに、Fuc-GM1は、われわれがテストしたうちでもっとも免 疫原性の高いものと思われ、明らかにGD2およびGD3よりも免疫原性であり、少な
くともGM2と同じ免疫原性であッった。Fuc-GM1の広い細胞表面を持つラット肝癌
細胞系H411Eおよび中程度のFuc-GM1細胞表面発現を持つSCLC細胞系H146を使用し
て、血清の反応性がフローサイトメトリーおよびCDCによって実証された。10患 者のうち8人、10患者のうち6人がH411Eに対するIgMおよびIgGフローサイトメト リーによって、結合した細胞の%がそれぞれ、少なくとも2倍なったことがわか
った。細胞表面Fuc-GM1に対するこれらの反応の特異性が、GD3ではなく、精製さ
れたFuc-GM1を反応に添加した後の免疫接種後血清の全反応性を完璧に阻害する ことによって、選択されたケースにおいて、実証された。少なくとも、H411Eに 対するCDCの倍増が、6-10患者においてみられ、患者の2/3が少なくともワクチ ン接種後の血清によって誘導された70%の細胞毒性を示した。 H146およびH411E
の両方に対して増加が見られるが、増加はH411Eに対してより著しい。IgG抗体は
、基本的にはIgG1サブクラスである。よってこのCDCは、IgMおよびIgG抗体によ って誘導され、またこの二つは、我々がGM2に対する抗体について先に実証した ように添加物であることのようである(30)。
【0094】 Fuc-GM1-KLH+QS21ワクチンは、一般的には十分耐性があった。注入部位の中 程度の紅斑および硬化が、時折インフルエンザ兆候を伴う多くの患者で観察され
た。研究の進行につれ6人の患者において、知覚神経障害(あるNCI細胞障害等級
によって)の重篤性の若干の増加が見られた。これは客観的神経障害の設定にあ
るのであって、該研究に参加した13患者のうち8人(62%)においては臨床学的 に重篤なベースライン神経障害ではなく、おそらく前の化学療法に関係している
ものと思われる。末梢感覚ニューロン上に発現される抗体のFuc-GM1に対する結 合によって、観察された変化は説明できる。 しかしながら変化は穏やかで、患 者の大半は、機能性に変化はないかあるいは時間とともに症状が悪くなることは
ないと報告されている。真性糖尿病、胃腸病または免疫学的不全、または他の問
題実証されなかった。これは、正常組織上のFuc-GM1の分布をもとにした自己免 疫の可能性を示唆している。
【0095】 1)近年の集中化学療法にも拘わらず、これらのSCLC患者は、本接合ワクチン
に対して良好な抗体反応を示した。2)Fuc-GM1は、高度に免疫原性であり、3 )Fuc-GM1は重篤な毒性を伴っていないことが実証された。
【0096】 しかしながら、フコーシルGM1は、ほとんどの供試体で、ほとんどのSCLC細胞 上に発現される一方、すべての細胞あるいはすべての標本で発現されるわけでは
ない。すべてのSCLC細胞を効果的にターゲットするために、多数の一定して免疫
原性である抗原を含む多価ワクチンが必要とされる。今回はSCLC患者におけるKL
H接合+QS21ワクチンの初めての試みであったが、他の癌患者においてはこのよ うな接合ワクチンによる体験は、かなりある。SCLCsの大半で発現されることが わかっている細胞表面抗原のうち、GM2、GD2, Globo Hおよび、現在はフコーシ ルGM1に対して一定して免疫原性であるワクチンが利用可能である(25、26、31 、32、33)。KSA-KLH接合体ワクチンによる試みが他の癌患者において進行中で ある。我々は、ポリシアル酸‐KLH接合ワクチンでSCLC患者の免疫感作を始めた 。GD3および9‐o‐アセチル‐GD3ワクチンは、これらの抗原に対して(28、29)
一定した明らかな抗体とはならず、よって多価ワクチンに包含させる良好な候補
とは考えない。けれども、同じ患者グループに投与されたGD3-KLHおよびBEC2ワ クチンによる試みが近い将来計画されている。
【0097】 続いて、抗体に媒介されるSCLCの免疫療法の特定されている有望なターゲット
のうち、4つの抗原に対するワクチンが、現在利用可能である。2または3の抗原の免
疫原性が1998年の末までに決定されるであろう。その時には、4-6の免疫原性抗原 を含む一定して免疫原性である多価ワクチンが利用可能になり、どの患者の腫瘍 のどのSCLC細胞にも基本的にターゲットするワクチンを誘導する抗体の可能性に
ついて、初めて結論的決定を行うことができる。
【0098】
【表6】
【0099】
【表7】
【0100】
【表8】
【0101】
【表9】
【0102】
【表10】
【0103】
【表11】
【0104】
【化10】
【0105】
【化11】
【0106】
【化12】
【0107】
【化13】
【0108】
【化14】
【0109】
【化15】
【0110】
【化16】
【0111】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、メラノーマおよび小細胞肺癌上での糖鎖化合物抗原の発現を示す顕微
鏡写真である。SCLC細胞は、フコーシルGM1に対するmAb F12で強力に染色された
【図2A】 正常組織上の糖鎖化合物抗原の発現を示す顕微鏡写真。正常胸の管腔細胞はGM
2(a)に対する mAb696で中位(2-3+)に染色された。バーの縮尺は100μm。
【図2B】 正常組織上の糖鎖化合物抗原の発現を示す顕微鏡写真。正常胸の管腔細胞はGl
obo H (b)に対するMAb MBr1で中位(2-3+)に染色された。バーの縮尺は100μm
【図2C】 正常組織上の糖鎖化合物抗原の発現を示す顕微鏡写真。直腸粘膜の管腔細胞は
、GM2(C)に対する mAb696で強力(3+)に染色された。バーの縮尺は100μm。
【図2D】 正常組織上の糖鎖化合物抗原の発現を示す顕微鏡写真。脾臓の赤脾髄ではなく
白脾髄中の細胞はGD2(D)に対するmAab3F8で強力に染色された。バーの縮尺は
100μm。
【図2E】 正常組織上の糖鎖化合物抗原の発現を示す顕微鏡写真。強力な免疫染色(3-4 +)が脳の灰質で検出され、中程度(1-2+)のGD2(e)に対するMAb3F8による白
質の染色が検出された。バーの縮尺は、100μm。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ラグパッチ、ゴビンダスワミ アメリカ合衆国、ニューヨーク州 10028 ニューヨーク、イースト・エイティーフ ァースト・ストリート 504、アパートメ ント・5エー Fターム(参考) 4C076 AA11 CC06 CC07 CC27 EE41 EE58 FF34 4C085 AA02 AA38 BB01 EE01 EE06 FF14 FF18 GG03 GG04 GG05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免疫原タンパク質に接合したフコーシルGM1ガングリオシ
    ドまたはそのオリゴサッカライド部分と、アジュバントと、薬学的に許容され得
    るキャリアとを含有する組成物であって、前記接合ガングリオシドおよび前記ア
    ジュバントの量が、対象における抗体産生を刺激または向上させるために有効な
    量である組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組成物であって、前記組成物は、キーホー
    ルリンペットヘモシアニンに接合したフコーシルGM1ガングリオシド、または
    そのセラミド部分を介してガングリオシドに接合したその誘導体を含有する組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の組成物であって、前記ガングリオシドはキ
    ーホールリンペットヘモシアニンまたはその誘導体に接合されている組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の組成物であって、前記アジュバントは、キ
    ラヤ・サポナリヤ・モリナ(Quillaja saponaria Molina)の樹皮に由来する糖鎖 物質である組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の組成物であって、前記糖鎖物質はQS−2
    1である組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の組成物であって、前記ガングリオシドの量
    は約3μg〜約100μgである組成物。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の組成物であって、前記QS−21の量は約
    30μg〜約100μgである組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の組成物であって、前記対象がヒトである組
    成物。
  9. 【請求項9】 対象における抗体産生を刺激する方法であって、前記対象に
    対して、抗体産生を刺激するのに有効な量の請求項1の組成物を投与することを
    具備した方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法であって、前記組成物は、キーホー
    ルリンペットヘモシアニンに接合したフコーシルGM1ガングリオシド、または
    そのセラミド部分を介してガングリオシドに接合したその誘導体を含有する組成
  11. 【請求項11】 対象における抗体産生を向上する方法であって、前記対象
    に対して、抗体産生を向上させるのに有効な量の請求項1の組成物を投与するこ
    とを具備した方法。
  12. 【請求項12】 対象において癌を予防する方法であって、前記対象に対し て、癌を予防するのに有効な量の請求項1の組成物を投与することを具備した方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の方法であって、前記癌は小細胞肺癌で
    ある方法。
  14. 【請求項14】 対象において癌を治療する方法であって、前記対象に対し
    て、癌を治療するのに有効な量の請求項1の組成物を投与することを具備した方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の方法であって、前記癌は小細胞肺癌で
    ある方法。
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