JP2001516142A - 機械グラインディングによって形成したナノ結晶子粉末ベースのバリスタ - Google Patents

機械グラインディングによって形成したナノ結晶子粉末ベースのバリスタ

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、酸化亜鉛ベースの新規なバリスタ及びその製造方法に関する。本発明では、高負荷機械グラインディングによって得られたナノ結晶粉末をベースとして用いるとともに、これらのナノ結晶粉末の混合物に対してZnOの粒径をできる限り小さく維持するように適切に選択した温度及び時間の条件で焼結などの硬化処理を行う。形成されるバリスタは、非常に微細で均質なミクロ構造を有するとともに、3μm以下の粒径、即ち従来材料の5分の1の粒径を特性として有する。上記新規なバリスタは、単位長さ当たりの結晶粒界の数が多く、よって、かなり高い破壊電圧を有する。この電圧は、特性として10kV/cmよりも高く、従来のバリスタの破壊電圧よりもほぼ一桁大きい17kV/cmまで達し得る。電流−電圧曲線の非線形係数も改善され、この値は、20よりも大きく、60まで達し得る。更に、上記バリスタの破壊電圧よりも小さいところでの漏れ電流は、かなり弱い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、高負荷ミリングによって得たナノ結晶子粉末を用いてバリスタを製
造する新しい方法に関する。
【0002】 また、特に、非常に高い破壊電圧を有する点で現在供給されている類似製品と
異なる、上記のように製造されたバリスタに関する。
【0003】
【背景技術】
過電圧から電気機器を保護するために酸化亜鉛を含むバリスタを使用すること
は、かなり前から知られている。バリスタは、端子に与えられる電圧の関数とし
てそのインピーダンスが非線形に変化する電気能動素子である。これらの素子は
、一般的に、直径3〜100mm、厚さ1〜30mmのペレット状である。また
、これらの素子は、実質的に酸化ビスマス(Bi23)で形成された絶縁結晶粒
界に囲まれた酸化亜鉛(Zn0)の電導粒子で形成される材料からなる。ペレッ
トは、加圧後に、1000〜1500℃の温度で炉で焼結される。
【0004】 電圧が低いと、結晶粒界における絶縁バリアは、電流が流れるのを阻止する。
従って、材料は、絶縁体として機能する。電圧が“破壊電圧”と呼ばれる所定値
を超えると、粒界での抵抗が急速に低下し、材料は抵抗が可変、つまり“レジス
タ”となる。この状態では、材料の電導性が非常に高くなり、電流は、電気機器
に損傷を与えることなく接地される。バリスタは、その構造により、主に電気エ
ネルギの送電及び配電ネットワーク等の避雷器に使用されている。
【0005】 現在供給されている避雷器は、一般に、円筒形チューブ状の絶縁外囲器を含む
。この外囲器は、キャビティを画定し、このキャビティには、バリスタが互いの
上にパックされた1つもしくは複数のコラムが取り付けられる。各避雷器は、電
気機器の端子で発生し得る過電圧を低減するように、保護すべき電気機器と並列
に接続される。実際には、各避雷器は、通常開回路となっており、機器の端子で
大きい過電圧が生じた場合に、即座に保護すべき機器に並列な閉回路に“変換”
される。これにより、保護される電気機器の絶縁レベルを低減することができる
【0006】 しかし、バリスタは、特に、二次的ネットワーク、家電製品、電子機器や小型
機器などの保護に関して、数多くの他の用途での可能性を有している。
【0007】 現在、酸化亜鉛で形成されたバリスタが市場で数多く供給されている。避雷器
として有用なバリスタには、例えば、REYCHEMやSEDIVERの登録商
標の下で販売されているものを挙げることができる。これらのバリスタは、Zn
O,Bi23の粉末、及び選択的にSb23及び/またはSiO2などの他の酸化
物の混合物を約1,200℃の温度で焼結することによって製造される。これら
のバリスタは、3μmよりも大きい平均粒径(RAYCHEMバリスタの場合は
10μm、SEDIVERバリスタの場合は6μm)を有する。これらのバリス
タの破壊電圧は、単位長さ当たりの結晶粒界の数即ちBi23の絶縁バリアの数
に比例する。このような破壊電圧は、(RAYCHEMバリスタの場合は約1.
6kV/cm、SEDIVERバリスタの場合は約2kV/cmであり)一般に
2.5kV/cmよりも低い。
【0008】 ZnOベースのバリスタの構造及び特性を取り扱った科学論文は、数多い。こ
れらの論文のいくつかには、初期材料として純粋なもしくは添加されたナノサイ
ズのZnO粉末を初期材料として使用すると、種々の利点を有することが提案さ
れている。このような利点には、特に、バリスタの破壊電圧と電流電圧曲線の非
線形係数(以下では“係数α”と呼ぶ)とが実質的に増加することが含まれる。
実際に、破壊電圧は、ZnOの粒径、そしてこれに従い、焼結温度に対して逆比
例するようである。
【0009】 このような論文の例として、以下のものを参照することができる。
【0010】 ・エス.ヒンゴラニ等による“マイクロエマルジョンを媒介とするバリスタ研
究用の酸化亜鉛ナノ粒子の合成”、材料研究会報(Mat.Res.Bull.
)28(1993)、1303; ・エス.ヒンゴラニ等による“ZnO−Bi23バリスタ及びナノサイズのZ
nO前駆物質の結晶成長及びミクロ構造へのプロセス変量の影響”、材料研究誌
(J.of Materials Research)10号(1995)、4
61; ・ジェイ.リー等による“ZnOナノ相における結晶粒界のインピーダンス分
光学”、材料研究誌(J.of Materials Research)10
号(1995)、2295; ・アール.エヌ.ヴィスワナス等による、“バリスタ用途のナノ結晶子ZnO
ベース材料の前処理及び特性付け”、ナノ構造材料(Nanostructur
ed materials)6(1995)、993. これらの論文では、ZnOのナノ粒子は、ガス相の凝縮(ジェイ.リー等によ
る論文参照)もしくはコロイド懸濁及び遠心分離(アール.エヌ.ヴィスワナス
等による論文参照)によるミクロエマルジョン(エス.ヒンゴラニ等による論文
参照)によって形成される。全ての例において、得られた粉末は、ペレット即ち
ディスクを形成するように加圧され、続いて、結晶子サイズの過度成長を防止す
るように600℃〜700℃程度の低い温度(アール.エヌ.ヴィスワナス等及
びジェイ.リー等による論文参照)、もしくは1,200℃程度の高い温度(エ
ス.ヒンゴラニ等による論文参照)で焼結される。
【0011】 最近、本発明の発明者によって、ISMANAM−96の論文が発表された。
“バリスタ用途のためにボールミリングしたZnO”と題するこの論文は、高負
荷機械グラインディングによって得た純粋なナノ結晶子粉末から形成するととも
に、続いて1時間にわたって1,250℃で加圧及び焼結したペレットに対して
行った試験結果を報告している。これらの試験では、このように形成したペレッ
トは、ガス相の凝縮(ジェイ.リー等による論文を再度参照)によって得られた
ナノサイズ粉末のZnOで形成したものとは反対に、バリスタ効果を有しなかっ
た。
【0012】
【発明の開示】
本発明において、 ・従来もしくは高負荷ミリングによって得たナノ結晶子粉末の初期材料を使用
し、 ・これらの粉末から得られた混合物に対して高負荷ミリングし、続いて、Zn
Oの粒径ができる限り小さく保たれるような時間及び温度の条件の下での焼結な
どの硬化処理を行うと、 平均粒径が通常3μm以下である、即ち従来材料の粒径の3〜5分の1である
、非常に微細でかつ均一なミクロ構造を有するバリスタを形成することができる
ことが発見された。
【0013】 このような新規なバリスタは、単位当たりの結晶粒界が多く、従ってかなり高
い破壊電圧を有する。この破壊電圧は、通常10kV/cmよりも高く、17k
V/cmまで高いこともあり得、この値は、従来のバリスタの破壊電圧よりも一
桁高い値である。所定の作動電圧では、このような性能の向上により、機器保護
装置の大きさを実質的に減少させることが可能となる。
【0014】 電流電圧曲線の非線形係数αも実施的に改善される。この値は、20よりも高
く、60まで達し得る。この値は、登録商標SEDIVERのバリスタでは、約
40であり、登録商標RAYCHEMのバリスタでは、約36である。
【0015】 更に、このように製造したバリスタの破壊電圧以下での漏れ電流は、比較的小
さい。
【0016】 従って、本発明の第1の目的は、非常に高い破壊電圧を有するバリスタの製造
方法を提供することであり、この方法は、 (a)酸化亜鉛(ZnO)と酸化ビスマス(Bi23)の粉末を、バリスタの
特性に影響を与え得る少なくとも1つの他の添加剤の粉末とともにもしくはこの
ような粉末を加えずに混合することを含み、この混合は、形成される混合物の少
なくとも75モル%が酸化亜鉛となるような粉末の量で行われ、 (b)粉末の混合前、混合中、もしくは混合後に、得られる粉末がナノ結晶子
となるようにこれらの粉末を高エネルギのボールミルによって高負荷ミリングす
ることを含み、 (c)このように得たナノ結晶子の粉末混合物に対して、酸化亜鉛の粒径をで
きる限り小さく保つように選択した時間及び温度の条件の下で硬化処理を行うこ
とを含むことを特徴とする。
【0017】 高負荷ミリングステップ(b)は、混合ステップ(a)の後で実行されること
が望ましい。
【0018】 初期材料として使用される酸化亜鉛粉末は、混合ステップ(a)の前に、単独
であるいはAl23などの添加剤とともに混合することができる。並行して、混
合ステップ(a)の前に、酸化ビスマスや選択した他の全ての添加剤の粉末を混
合し、ミリングし、ステップ(c)の温度以上の高温で処理することもできる。
【0019】 また、望ましくは、酸化粉末もしくはその混合物は、ステップ(c)を実行す
る前でかつ高負荷ミリングステップ(b)を実行する前もしくは後で、550℃
以下の温度でか焼され、ステップ(c)の硬化処理は、1,200℃よりも低い
温度で2.5時間以下の時間にわたって行われる焼結である。焼結温度に到達す
るまでの加熱速度は、0.5〜10℃/分であることが有利であり、望ましくは
約1℃/分である。
【0020】 本発明の他の目的は、上述した方法によって得られる、酸化亜鉛(ZnO)及
び酸化ビスマス(Bi23)を含むバリスタを提供することである。このバリス
タは、通常10kV/cmよりも高い、非常に高い破壊電圧を有するとともに他
の数多くの興味深い特性を有する。このような特性には、特に、電流−電圧曲線
の非線形係数αが高いこと、及び漏れ電流が小さいことが含まれる。
【0021】 従って、本発明のもう一つのより総体的な目的は、少なくとも75モル%のZ
nOを含む、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化ビスマス(Bi23)ベースのバリス
タであり、このバリスタは、 ・ZnOの平均粒径が3ミクロンよりも小さい、非常に微細でかつ均質なミク
ロ構造を有し、 ・10kV/cmよりも高い破壊電圧を有し、 ・20よりも大きい電流−電圧の非線形係数を有し、 ・破壊電圧以下では非常に小さい漏れ電流を有することを特徴とする。
【0022】 本発明のバリスタは、一次及び二次ネットワーク、電気機器、及び電子装置や
小型装置の保護素子として有用である。例えば、変圧器保護用の避雷器の製造に
使用することもできる。また、過電圧から家電機器を保護するためにコンセント
に使用することもできる。更に、電子装置を保護するためにミクロ回路で用いる
こともできる。
【0023】 本発明のバリスタの特性、特にその高い破壊電圧によって、本発明に係るバリ
スタは、小型化が可能であり、これにより、従来材料で考えられなかった数々の
用途で使用することができる。例えば、従来のバリスタは、(登録商標RAYC
HEMのバリスタの場合には、約1.6kV/cmである)比較的低い破壊電圧
を有する。従って、配電変圧器の保護用に必要とされる作動電圧30kVに対す
る保護を得るためには、避雷器において18.75cmの長さでバリスタを積み
重ねる必要がある。16kV/cm以上の破壊電圧を容易に得ることができる本
発明に係るバリスタ(以下の実施形態参照)の場合には、厚み2cmのバリスタ
もしくはバリスタを2cmの長さで重ねることで、30kV/cmよりも高い過
電圧に対して同様の保護を充分に得ることができる。
【0024】 本発明及びその数多くの利点は、限定を含まない以下の詳細な説明を参照する
ことでよりよく理解されよう。
【0025】
【発明を実施するための最良の形態】
従って、本発明の第1の目的は、非常に高い破壊電圧を有する酸化亜鉛(Zn
O)と酸化ビスマス(Bi23)ベースのバリスタの製造方法を提供することで
ある。
【0026】 この方法は、2つの第1ステップを含み、これらのステップを以下では、混合
ステップ(a)及びミリングステップ(b)と呼び、これらのステップは、組み
合わせることも逆にすることもできる。
【0027】 ステップ(a)は、酸化亜鉛(ZnO)と酸化ビスマス(Bi23)との粉末
を、1つもしくはそれ以上の他の添加剤の他の粉末とともにもしくはこのような
添加剤を加えずに混合することを含む。
【0028】 これらの他の添加剤は、バリスタに添加することができ、かつバリスタの電流
電圧曲線の特性を変更し、相の抵抗率を変更し、漏れ電流を減少させ、エネルギ
放散能力を増加させ、気孔率を制御し、結晶成長を遅らせ、構造の完全性を高め
、相の融点を変更するとともにその化学的、電気的、機械的、及び熱的な安定性
を高めることができる、金属酸化物、炭化物、窒化物、硝酸塩、水素化物からな
る群より選択されることが望ましい。これらの金属酸化物、炭化物、窒化物、硝
酸塩、水素化物には、以下の元素が含まれることが望ましい:Si,Sb,Mn
,Ge,Sn,Pb,Nb,B,Al,Ti,Ta,Fe,S,F,Li,Ni
,Cr,Mo,W,Be,Br,Ba,Co,Pr,U,As,Ag,Mg,V
,Cu,C,Zr,Se,Te,Ga。
【0029】 本発明の特に好適な実施例では、使用する添加剤は、酸化アンチモン(Sb23)、酸化マンガン(MnO2)、アルミナ(Al23)、シリカ(SiO2) 、酸化スズ(SnO2)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化コバルト(CoOもし くはCo34)、酸化鉄(Fe23もしくはFe34)及び酸化チタン(TiO 2 もしくはTiO)からなる群から選択される。混合ステップ(a)で使用され る粉末の量は、混合物が以下の組成を含むように好適に選択される。
【0030】
【表1】 0.25〜10モル%のBi23 1.5〜4モル%のSb23 0.5〜4モル%のMnO2 0.00125〜0.05モル%のAl23 0〜4モル%のSiO2 0〜2モル%のSnO2 0〜2モル%のNb25 0〜2.5モル%のCoO 0〜2.5モル%のFe23 0〜3モル%のTiO2 残部ZnO 全ての場合において、混合物における酸化亜鉛粉末の量が少なくとも75モル
%と等しくなるように混合物を形成することが重要である。
【0031】 上記で挙げた種々の酸化物の中で、酸化亜鉛(ZnO)とともに初期材料とし
て使用する酸化ビスマス(Bi23)は、ZnOの粒子間での高い絶縁性、そし
てこれに従い、高いバリスタ効果を得る上で重要である。
【0032】 酸化アンチモン(Sb23)は、結晶成長を抑制するとともに、硬化処理中に
ビスマスが多く含まれる液相においてイオンの移動を防ぐことが知られている。
【0033】 シリカ(SiO2)は、結晶成長を抑制するとともに、連続する電気的な拘束 の下でバリスタの安定性を改善することが知られている。
【0034】 酸化マンガンや酸化コバルトは、バリスタの非線形係数αを増加させるととも
に境界面の状態を好適にすることが知られている。
【0035】 Al3+陽イオンとともに酸化鉄や酸化ニオブも係数αを増加させることが知 られている。
【0036】 最後に、酸化チタン(TiO2)は、粒子の大きさを増加させることが知られ ており、これは本発明において避ける必要があることである。しかし、TiO2 は、ZnOと反応してZn2TiO4の粒子を形成し、この粒子は、核生成率を上
昇させ、これに従い、粒径分布がかなり均質になるようである。
【0037】 本発明の方法のミリングステップ(b)は、絶対的に重要である。このステッ
プは、酸化物及び/または添加剤の粉末を、これらの混合前、混合中、もしくは
混合後に高エネルギのボールミルによって高負荷機械グラインディングし、得ら
れる粉末がナノ結晶子となるようにすることを含む。このミリングステップ(b
)は、粉末の混合後に、即ち混合ステップ(a)の後に行われることが望ましい
。しかし、混合ステップは、各粉末を1つずつボールミルに加えることにより、
粉末のミリングと同時に実行してもよい。また、それぞれの粉末を個々にミリン
グしてから、これらの粉末を単に混合してもよい。
【0038】 従って、例えば、初期材料として使用する酸化亜鉛の粉末は、混合ステップ(
a)の前に単独でもしくはAl23などの添加剤とともにミリングすることがで
きる。同時に、混合ステップ(a)の前に酸化ビスマス及び他の全ての添加剤の
粉末を混合するとともにミリングし、ステップ(c)の温度以上の高温で処理す
ることもできる。
【0039】 ミリングは、例えば、炭化タングステンやクロム鋼などで形成されたるつぼを
有する登録商標SPEXやZOZ(登録商標)の高エネルギボールミルで行うこ
とができる。どのような装置を用いた場合でも、得られる混合物に含まれる粉末
がナノ結晶子であることが重要である。
【0040】 本発明の特に好適な実施例では、このように形成したナノ結晶子粉末を、55
0℃以下の温度でか焼する。か焼は、粉末を個々にミリングする時にこれらの粉
末に対して個々に行うこともできる。しかし、混合後の粉末を直接か焼すること
が望ましい。
【0041】 か焼後に、ペレットを形成するように混合物を処理することができる。これは
、ポリビニルアルコール(PVA)などのバインダを混合物に導入し、バインダ
を導入した混合物を加圧して要求されるペレットを形成することで達成できる。
この混合物は、他の形状とすることもでき、押出しやラミネーションによって形
成することもできる。粉末とPVAは、ボールミルのるつぼと同一のるつぼで約
1時間にわたって混合することができる。バインダを含む混合物は、続いて、5
00Mpa以上の圧力下で加圧することができる。
【0042】 本発明の方法における次のステップもまた、重要なステップである。このステ
ップは、「発明の開示」及び請求項において(c)として示したものであり、ミ
リング及び選択的に処理した混合物を、酸化亜鉛が最小の粒径を保つように選択
した温度及び時間の条件の下で硬化処理することを含む。
【0043】 この硬化処理は、焼結、異なる雰囲気(O2,Ar,air,N2,SF6,..
.)の下での加圧、圧延、押出し、線引、プラズマ溶射などであってもよい。こ の処理は、加熱を含むことが望ましく、この加熱には、対流加熱、誘導加熱、マ
イクロ波加熱、レーザ加熱、もしくは放電加熱が含まれ、硬化中もしくは硬化後
に連続的にもしくは(急速熱焼なまし、パルス処理などでは)1つまたは複数の
周期にわたって行うことができる。
【0044】 本発明の特に好適な実施例では、ステップ(c)の硬化処理は、電気炉におい
て1,200℃よりも低い温度で2.5時間以下の時間にわたって行われる焼結
である。実際には、このような焼結は、酸化ビスマスが溶融状態であり、かつ酸
化亜鉛粒子の周囲に完全に配分されて要求される絶縁を達成するように、800
℃よりも高い温度で行う必要がある。しかし、過度の高温で焼結を行うと、粒子
の大きさが過度に成長するとともにいくつかの添加剤が蒸発するおそれがあるの
で、このような温度で焼結を行ってはならない。
【0045】 本発明の好適実施例では、1,000℃で1.5時間以下の時間にわたって焼
結を行うことが望ましい。
【0046】 選択した焼結温度を達成するための加熱速度は、0.5〜10℃/分を含み、
好適な値は、1℃/分である。実際に、加熱速度が速ければ速いほど、得られる
バリスタの気孔率が高いことが発見されており、これは避ける必要がある。
【0047】 最後に、硬化処理後に、形成したペレットを周囲の空気で冷却してもよい。上
述したように、このように得られたバリスタは優れた特性を有する。
【0048】 即ち、 ・非常に微細で均質なミクロ構造を有するとともに、3μmよりも小さく、望ま
しくは2μm以下のZnO平均粒径を有し、 ・10kV/cmよりも高い破壊電圧を有し、 ・電流電圧曲線の非線形係数αが20よりも大きく、望ましくは40もしくは6
0よりも大きく、 ・破壊電圧以下では非常に小さな漏れ電流を有する。
【0049】 以下の実施例は、出願人が行った試験結果を含む。添付図面とともに、これら
の実施例によって、本発明のバリスタの利点がよりよく理解されよう。
【0050】 実施例及び添付図面において、単純化のために本発明に基づいて形成したバリ
スタを以下のように記載している。
【0051】
【数1】 Sa−b(c) ここで、 Sは、バリスタがシリカを含むことを示しており、 aは、バリスタ内のシリカの量をモル%で示しており、 bは、焼結温度であり、 cは、時間数で示した焼結時間である。
【0052】 従って、例えば、S2−1,000(1.5h)は、2モル%のシリカを含む
とともに、1,000℃で1.5時間にわたって焼結することで形成したバリス
タを表す。
【0053】
【実施例】
実施例1 S2−1,000(2.5h)バリスタの形成 (アルドリッチから供給された)純度99.9%のZnO粉末を3モル%のB
23,2モル%のSb23,2.5モル%のMnO2,2モル%のSiO2,0
.005モル%のAl23と混合した。混合物は、全体として10グラムの重量
であった。この混合物を、直径11mmの鋼球を3つ含む(60ccの)鋼製る
つぼ内に封入し、大気条件において700rpmで作動するミリング機械によっ
て10時間ミリングを行った。
【0054】 ミリング後の結晶子の大きさは、ナノメートルの十分の一の単位であった。
【0055】 次に、上記混合粉末を大気条件において500〜550℃で2.5時間にわた
ってか焼し、バインダとして使用する2重量%のPVAと混合した。混合物の形
成で使用したるつぼと同様のもので、混合粉末とPVAを約1時間にわたってミ
リングした。
【0056】 直径9mm、厚さ1.5mmのペレットを形成するように、バインダと混合し
た粉末を550MPaの圧力で加圧した。
【0057】 続いて、これらのペレットを、電気炉において5℃/分の速度(加熱速度)で
1,000℃の焼結温度に達するまで加熱し、この温度に2.5時間保った。焼
結が完了した後に、供給電力を停止することでペレットを炉内で(約5℃/分の
冷却速度で500℃まで)冷却した。
【0058】 図1には、時間の関数として混合粉末に対して行った処理の温度プロファイル
を示した。
【0059】 形成した焼結ペレットは、電気試験を行うために、最終厚さの1mmに達する
まで研磨紙で研磨した。ペレットの両側には、金の蒸着によって電気接点が接続
された。
【0060】 このように形成したバリスタ材料の特性は、以下のように判断された。
【0061】 ZnO結晶子の大きさは、31.8°に配置したCu−Kα放射線を使用して
、シーメンスD−5000のディフラクトメーターで測定したX線解析曲線のピ
ーク値(100)に対して、シェレールの法則を用いて評価した。
【0062】 ペレットのミクロ構造は、画像解析装置を備えた(JEOL JSN 840
AとHITACHI S−570型の)走査型電子顕微鏡を用いて調べた。粒径
は、得られた顕微鏡写真によって評価した。
【0063】 上記のように形成した材料の化学組成は、以下の通りであった。
【0064】
【表2】 Zno 90.495モル% Bi23 3モル% Sb23 2モル% SiO2 2モル% MnO2 2.5モル% Al23 0.005モル% 以下の表は、上記のように形成した材料内のZnOの平均粒径と、EDXによ
って測定した主要な成分の重量%を示している。また、比較のために登録商標R
AYCHEM及びSEDIVERの下で販売されている材料におけるZnOの粒
径と成分の重量%も併せて示している。
【0065】
【表3】
【0066】 実施例2 S2−1,000(1h)バリスタの形成 実施例1と同様の初期材料及び同様のモル%を用いて、Bi23及びAl23 の第1の混合物を形成した。この第1の混合物を、登録商標SPEXの装置で1
0時間にわたって高エネルギミリングした。次に、第1のペレットを形成するた
めに、この第1の混合物を160MPaの圧力で加圧した。続いて、この第1の
ペレットを1時間にわたって1,100℃で焼結し、その後、いくつかの塊に割
った。
【0067】 第1のペレットのこれらの塊を、純度99.99%のZnO粉末と混合した。
このようにして形成した第2の混合物に対して、同様のSPEX装置で10時間
高エネルギミリングを行った。ミリング後の第2の混合物を、550℃で2.5
時間にわたってか焼し、バインダとして使用するPVA2重量%と混合した。続
いて、混合粉末とPVAの混合物を630MPaの圧力下で第2のペレットを形
成するように加圧した。この第2のペレットに対して、1000℃で1時間にわ
たって焼結を行い、焼結炉内で冷却した。
【0068】 上記のように形成した焼結ペレットを、実施例1と同様の方法で処理及び試験
したところ、電気的特性は実施例1と実質的に同様であったが、気孔率が明確に
(係数2だけ)低かった(図16参照)。
【0069】 実施例3 S2−1,000(1h)バリスタの形成 実施例1と同様の初期材料及びモル%を用いて、実施例2と実質的に同様の操
作を行ったが、第1の混合物における混合物を“結晶粒界”と呼ばれる材料即ち
Bi23,Sb23,MnO2,SiO2のみに限定するためにAl23などのZ
nO添加剤を除いた。この第1の混合物に対して、実施例2と同様の条件で同様
の第1のミリング、加圧、及び焼結を行った。
【0070】 この処理と並行して、ZnOの純粋な粉末を添加剤Al23とともにSPEX
装置で10時間ミリングし、このようにミリングした粉末を上記のように形成し
た第1の焼結ペレットの塊と混合した。続いて、この新たな混合物に対して、実
施例2と同様に第2のミリング、か焼、PVAの添加、及び焼結を行った。
【0071】 最終製品として得られた第2の焼結ペレットもまた、実施例1,2と電気的特
性が同様であったが、気孔率が実施例1よりもかなり低かった。
【0072】 実施例4 S2−1,000(2.5h)バリスタのI−V特性の評価 S2−1,000(2.5h)バリスタの電流−電圧(I−V)特性を、従来
の4ポイント法に続いて、ヒューレットパッカードHP−4339Aの抵抗測定
器を用いて測定した。与えられた電圧は、0.1〜1,000Vの範囲であり、
電流は、10-8〜10-1mAの範囲にわたって測定した。
【0073】 図2aは、S2−1,000(2.5h)バリスタに関して、電界(V/cm
)の関数として電気密度の値を示したものである。図2bは、図2aと同様のグ
ラフであり、登録商標SEDIVERのバリスタに関して電界の関数として電流
密度の値を示したものである。
【0074】 これらのグラフを見て分かるように、本発明に係るS2−1,000(2.5
h)バリスタの破壊電圧は、約12.5kV/cmであり、その非線形係数αは
、44.7である。破壊電圧よりも低いところでの漏れ電流は、1×10-7〜2
×10-6A/cm2の範囲にある。漏れ電流は、図3aによりよく示されている 。
【0075】 登録商標SEDIVERの従来バリスタの破壊電圧は、約2kV/cmであり
、その非線形係数は、45.2である。また、その破壊電圧よりも低いところで
の漏れ電流は、1×10-6〜1×10-4A/cm2の範囲にあり、比較のために 示されている。
【0076】 実施例5 焼結時間の重要性に関する評価 図4,図5のグラフは、図2a,図3aに示したものと同様である。これらの
グラフは、S2−1,000(2.5h)バリスタと完全に同一の組成を有し、
焼結時間が2.5時間ではなく0.5時間である以外はこのバリスタと同様の方
法で形成したS2−1,000(0.5h)バリスタに関して、電界の関数とし
ての電流密度の値と漏れ電流の値とを示している。
【0077】 これらのグラフを見て分かるように、破壊電圧は、16kV/cmの範囲にあ
る。従って、焼結時間が短ければ短いほど、結晶子の大きさが小さく、破壊電圧
が高くなるようである。しかし、焼結時間が短すぎる(もしくは焼結が低すぎる
温度で実行される)と、バリスタの質に影響を与え得る気孔率の問題が解決され
ない。
【0078】 焼結時間がZnOの粒径に与える影響は、図6〜図9でよりよく示されており
、これらの図には、S2−1,000(1h)バリスタ(図6,図7参照)とS
2−1,000(2h)バリスタ(図8,図9参照)のZnOの粒径分布とその
粒子の顕微鏡写真が示されている。
【0079】 これらのバリスタは、共に実施例1で示したのと完全に同一の組成を有し、ま
た、1,000℃での焼結時間が(2.5時間ではなく)それぞれ1時間,2時
間であることを除いて、実施例1と同様の方法で形成された。
【0080】 これらのグラフを見て分かるように、S2−1,000(1h)バリスタのZ
nO平均粒径は、1μmの単位である。この平均直径は、S2−1,000(2
h)バリスタの場合には2倍である。これにより、焼結時間が粒径に直接影響を
与え、従って、最適な結果を得るためにはできる限り焼結時間を短くする必要が
あることが再度確認される。
【0081】 図13は、実施例1と同一の組成を有し、かつ1,000℃での焼結時間を除
いて全く同様に形成されたS2−1,000バリスタに関して、焼結時間の関数
として破壊電圧の値を示すグラフである。
【0082】 このグラフを見て分かるように、焼結時間が(約0.5時間)と短い場合に、
破壊電圧は、約16kV/cmの値に達する。また、焼結時間が2時間を超える
と、破壊電圧は、安定化するようであることも分かる。
【0083】 実施例6 焼結温度の重要性に関する評価 図10は、S2−1,000(2.5h)バリスタの構造を示す顕微鏡写真で
ある。図11は、S2−1,200(2.5h)バリスタの構造を示す顕微鏡写
真である。これらの顕微鏡写真では、黒くて丸い粒子がZnOである。これらを
見て分かるように、ZnO粒子は、1,000℃では、約2μmの大きさを有し
、1,200℃では、5μmよりも幅が広い。
【0084】 図14は、S2,S3バリスタに関して、焼結時間の関数として非線形係数α
と破壊電圧とを示している。これらのバリスタの組成は、SiO2の量を除いて は、実施例1と同一である(SiO2の追加は、ZnOの量に影響する)。また 、その形成は、焼結時間を除いて同様の方法で行われた。グラフを見て分かるよ
うに、係数αの値は、焼結時間の影響を真に受けていない。しかし、(焼結中に
結晶成長を減少させるために添加した)SiO2の量には関係なく、焼結温度が 1,000℃から1,200℃に上がったことによって破壊電圧が12.2kV
/cmから3.7kV/cmまで減少した。
【0085】 実施例7 加熱速度の重要性に関する評価 図16は、実施例1と完全に同一の組成を有し、550℃で2.5時間か焼し
、450Mpaの圧力で加圧し、1,000℃で1時間にわたって焼結すること
を含めて実施例2と同様に形成したS2−1,000(1h)バリスタに関して
、加熱速度の関数として気孔率の値を示すグラフである。各試験の違いは、加熱
速度、即ち加圧した粉末−バインダ混合物を選択した1,000℃の焼結温度に
達するまで加熱する速度である。
【0086】 グラフから分かるように、加熱速度は、気孔率に強い影響を有しており、好適
なバリスタを得るためには、気孔率をできる限り低くする必要がある。グラフか
ら、加熱速度が遅ければ遅いほど、気孔率が低いことが分かる。逆に、加熱速度
が遅すぎる場合には、高温での時間が長くなるおそれがあり、問題となる(例5
参照)。
【0087】 実際には、0.5〜10℃/分の範囲で加熱速度が選択され、好適な速度は1
℃/分である。
【0088】 実施例8 ミリング時間の重要性の評価 図12は、実施例1と完全に同一の組成を有し、最初のミリング時間を除いて
実施例1と同様の装置及び方法で形成したS2−1,000(2.5h)バリス
タに関して、ミリング時間の関数として破壊電圧を示したグラフである。
【0089】 このグラフから分かるように、破壊電圧は、10時間のミリング後に最大値に
達した。この図は、バリスタの特性に対する高負荷機械グラインディング(ミリ
ング)の重要性、そしてこれにより得られたナノ結晶子構造の重要性を示してい
る。
【0090】 実施例9 SiO2添加の重要性の評価 上述したように、シリカ(SiO2)は、知られている範囲では、結晶成長を 減少させるのに特に有用である。また、破壊電圧は、ZnOの粒径に逆比例する
ことも知られており、上述した試験でも明らかに示されている。
【0091】 図15は、(モル%で示される)シリカの量がZnOの量とともに変更され、
かつ焼結時間が1時間であることを除いて実施例1と同一のバリスタ、即ちS2
−1,000(2.5h)タイプのものに関して、電界の関数として電流密度を
示しており、これに従って破壊電圧も示している。
【0092】 グラフから分かるように、SiO2の添加は、電気的特性を改善する。改善の 程度は、2.5モル%のSiO2を添加した場合に最大であった。
【0093】 実施例10 他の添加剤の添加の重要性の評価 いくつかの添加剤の重要性を示すために、異なる混合物を形成し、これらにつ
いて試験を行った。試験は、S2−1,000(1h)タイプのバリスタに対し
て行い、(モル%で示した)他の添加剤の量をZnOの量とともに変更した。使
用した混合物には、Al23は添加しなかった。
【0094】 図17は、Sb23の影響を示している。この図で示した試験は、S2−1,
000(1h)バリスタに対して行った。Sb23は、結晶成長を減少させると
ともに、硬化処理(焼結)中のビスマスを多く含む相においてイオンが移動する
のを防止することが知られている。図から分かるように、Sb23の割合の増加
は、破壊電圧の大きな増加に結びつき、破壊電圧の値は20kV/cmまで達し
た。しかし、係数αは、Sb23が2モル%の時に最大値に達したようである。
【0095】 図18は、MnO2の影響を示している。試験は、S2−1,000(1h) バリスタに対して行った。図から分かるように、ZnOをMnO2の追加分だけ 除いて、2.5モル%までのMnO2を添加したところ、破壊電圧が大きく増加 した。しかし、2.5モル%以上では、破壊電圧は減少した。
【0096】 図19は、SnO2の影響を示している。試験は、S2−1,000(1h) バリスタに対して行った。図から分かるように、SnO2の追加は、破壊電圧の 値に影響を与えないようである。同様に、係数αも変化が非常に少ない。しかし
、この試験は、形成されるバリスタの電気的特性に影響を与えることなく酸化亜
鉛を他の添加剤に置き換えることができることを示している。
【0097】 最後に、図20は、Nb25の影響を示している。試験は、S2−1,000
(1h)バリスタに対して行われた。図から分かるように、Nb25の追加によ
り、破壊電圧だけでなく係数αをも実質的に増加した。
【0098】 上記の試験結果に鑑みて、出願人は、残部としてBi23及び他の添加剤を含
む75モル%までのZnOを用いて、非常に効果的なバリスタを容易に製造する
ことができると考える。
【0099】 請求項で定義した本発明の趣旨から逸脱することなく、上記で開示及び説明し
たことに種々の改良や変更を加えることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適実施例に係るバリスタの製造方法に関して時間の関数としてか焼
及び焼結が実行される温度を示すグラフである。
【図2a】 本発明に係るバリスタS2−1,000(2.5h)に関して(V/cmで示
した)電界の関数として電流密度を(A/cm2で)示すグラフである。
【図2b】 従来技術として登録商標SEDIVERに関して電界の関数として電流密度を
示す図2aと同様のグラフである。
【図3a】 本発明に係るバリスタS2−1,000(2.5h)に関して破壊電圧以下の
漏れ電流を対数目盛上に示した図2aと同様のグラフである。
【図3b】 従来技術に係る登録商標SEDIVERに関して破壊電圧以下の漏れ電流を示
す図3aと同様のグラフである。
【図4】 本発明に係るバリスタS2−1,000(0.5h)に関して電界の関数とし
て電流密度を示す図2aと同様のグラフである。
【図5】 本発明に係るバリスタS2−1,000(0.5h)に関して破壊電圧以下の
漏れ電流を示す図3aと同様のグラフである。
【図6】 本発明に係るバリスタS2−1,000(1h)に関してZnOの(μmで示
した)平均粒径分布を示すヒストグラムである。
【図7】 図6で平均粒径を示したバリスタS2−1,000(1h)のミクロ構造を示
す(2000倍の)顕微鏡写真である。
【図8】 本発明に係るバリスタS2−1,000(2h)に関してZnOの平均粒径分
布を示す図6と同様のヒストグラムである。
【図9】 図8で平均粒径を示したバリスタS2−1,000(2h)のミクロ構造を示
す図7と同様の顕微鏡写真である。
【図10】 本発明に係るバリスタS2−1,000(2.5h)のミクロ構造を示す図7
及び図9と同様の顕微鏡写真である。
【図11】 本発明に係るバリスタS2−1,200(2.5h)のミクロ構造を示す図7
及び図9と同様の顕微鏡写真である。
【図12】 本発明に係るバリスタS2−1,000(2h)に関して(時間で示した)ミ
リング時間の関数として破壊電圧を(kV/cmで)示したグラフである。
【図13】 本発明に係るバリスタS2−1,000に関して(時間で示した)焼結時間の
関数として破壊電圧を(kV/cmで)示したグラフである。
【図14】 本発明に係るバリスタS2−1,000及びS3−1,000に関して焼結温
度の関数として破壊電圧を示したグラフである。
【図15】 S−1,000(1h)に関して(V/cmとして示す)電界の関数として電
流密度を(A/cm2で)示すとともにこのタイプのバリスタの製造に使用する 混合粉末に添加されるSiO2のモル%を示すグラフである。
【図16】 本発明に係るバリスタS2−1,000(1h)に関して焼結ステップ中の(
毎分℃で示す)加熱速度の関数として気孔率の値を(体積%で)示したグラフで
ある。
【図17】 S2−1,000(1h)に関して電界の関数として電流密度を示すとともに
このタイプのバリスタの製造に使用する混合粉末に添加されるSb23のモル%
を示す図15と同様のグラフである。
【図18】 S2−1,000(1h)に関して電界の関数として電流密度を示すとともに
このタイプのバリスタの製造に使用する混合粉末に添加されるMnO2のモル% を示す図15と同様のグラフである。
【図19】 S2−1,000(1h)に関して電界の関数として電流密度を示すとともに
このタイプのバリスタの製造に使用する混合粉末に添加されるSnO2のモル% を示す図15と同様のグラフである。
【図20】 S2−1,000(1h)に関して電界の関数として電流密度を示すとともに
このタイプのバリスタの製造に使用する混合粉末に添加されるNb25のモル%
を示す図15と同様のグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月14日(2000.2.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 最近、本発明の発明者によって、ISMANAM−96の論文が発表された。
“バリスタ用途のためにボールミリングしたZnO”と題するこの論文は、高負
荷機械グラインディングによって得た純粋なナノ結晶子粉末から形成するととも
に、続いて1時間にわたって1,250℃で加圧及び焼結したペレットに対して
行った試験結果を報告している。これらの試験では、このように形成したペレッ
トは、ガス相の凝縮(ジェイ.リー等による論文を再度参照)によって得られた
ナノサイズ粉末のZnOで形成したものとは反対に、バリスタ効果を有しなかっ
た。 ジー.ブランコヴィック等による論文“親和力により前処理したZnOベース のバリスタのナノ構造成分”、ナノ構造材料(Nanostructured materials)、4(1994)、149、には、以下のステップを含む バリスタの製造方法が開示されている。 a)まず、ZnOベースのバリスタの主成分の相をそれぞれ前処理し、 b)成分の相の粉末を混合し、 c)これらの粉末がナノ結晶子となるように、粉末を混合後に高負荷ミリング し、 d)このようにミリングした混合物を、加圧するとともに、続いて1,100 ℃(1,373°K)で1時間にわたって焼結することで硬化処理を行う。 このように得られた最終製品は、従来のバリスタの特性を有する。ZnO粒径 は、5.5〜7.5μm(表2参照)であり、これは従来のバリスタの一般的な 範囲である。更に、破壊電圧は、4.1〜6.6KV/cmの値となる。筆者は 、“ミリングサンプルとサンプルZ1(基準サンプル)との間には、同様の条件 の下で焼結した場合に大きな差はないが、ミリングサンプルは、より高い値の焼 結密度を有する・・・焼結前に高負荷ミリングしたバリスタ混合物のほうが焼結 処理においてより活性が高いことは明らかである。これは、粉末粒子の均一な分 布と粉末粒径の減少とともに、表面自由エネルギの増加と欠陥の集中のためであ る”と述べている。 米国特許第4,681,717号には、バリスタ製造のための化学処理が開示 されており、この処理は、金属の共沈に続いて、か焼による酸化と675℃〜7 40℃で4時間以上の焼結とを含む。このように得られたバリスタは、組成と焼 結温度によって、1μmより小さい粒径、10〜100KVの破壊電圧、30よ り大きい非線形係数α、及び理論密度の約65〜99%の密度を有すると開示さ れている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 本発明において、 ・従来もしくは高負荷ミリングによって得たナノ結晶子粉末の初期材料を使用
し、 ・これらの粉末から得られた混合物に対して高負荷ミリングし、続いて、Zn
Oの粒径ができる限り小さく保たれるような時間及び温度の条件の下での焼結 含む 硬化処理を行うと、 平均粒径が通常3μm以下である、即ち従来材料の粒径の3〜5分の1である
、非常に微細でかつ均一なミクロ構造を有するバリスタを形成することができる
ことが発見された。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】 従って、本発明の第1の目的は、非常に高い破壊電圧を有するバリスタの製造
方法を提供することであり、この方法は、 (a)酸化亜鉛(ZnO)と酸化ビスマス(Bi2O3)の粉末を、バリスタ
の特性に影響を与え得る少なくとも1つの他の添加剤の粉末とともに混合する テップ を含み、この混合は、形成される混合物の少なくとも75モル%が酸化亜
鉛となるような粉末の量で行われ、 (b)粉末の混合前、混合中、もしくは混合後に、得られる粉末がナノ結晶子
となるようにこれらの粉末を高エネルギのボールミルによって高負荷ミリングす
ステップを含み、 (c)このように得たナノ結晶子の粉末混合物に対して硬化処理を行うステッ プを含み、 硬化処理(c)は、焼結を含むとともに、酸化亜鉛の粒径が3μmより小さく 保たれ、かつ気孔率が低く保たれるように選択した時間及び温度条件の下で行わ れることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】 また、望ましくは、酸化粉末もしくはその混合物は、ステップ(c)を実行す
る前でかつ高負荷ミリングステップ(b)を実行する前もしくは後で、550℃
以下の温度でか焼され、ステップ(c)の硬化処理中の焼結は、1,200℃よ
りも低い温度で2.5時間以下の時間にわたって行われる焼結温度に到達する
までの加熱速度は、0.5〜10℃/分であることが有利であり、望ましくは約
1℃/分である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】 より詳細には、上記のように製造したバリスタは、少なくとも75モル%のZ nOを含むとともに、特性として、 ・ZnOの平均粒径が3ミクロンよりも小さい、非常に微細でかつ均質なミク
ロ構造を有し、 ・10kV/cmよりも高い破壊電圧を有し、 ・20よりも大きい電流−電圧の非線形係数を有し、 ・破壊電圧以下では非常に小さい漏れ電流を有する
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】 ステップ(a)は、酸化亜鉛(ZnO)と酸化ビスマス(Bi23)との粉末
を、バリスタの特性に影響を及ぼし得る1つもしくはそれ以上の他の添加剤の他
の粉末とともに混合することを含む。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】 本発明の方法における次のステップもまた、重要なステップである。このステ
ップは、「発明の開示」及び請求項において(c)として示したものであり、ミ
リング及び選択的に処理した混合物を硬化処理することを含む。この硬化処理に は、酸化亜鉛が最も小さい粒径を保ち、同時に低い気孔率を保つように選択した 温度及び時間の条件の下で行う焼結が含まれる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】 この硬化処理は異なる雰囲気(O2,Ar,air,N2,SF6,...)の 下での加圧、圧延、押出し、線引、プラズマ溶射などのもう1つの処理を含むこ ともできる 。この処理は、加熱を含むことが望ましく、この加熱には、対流加熱
、誘導加熱、マイクロ波加熱、レーザ加熱、もしくは放電加熱が含まれ、硬化中
もしくは硬化後に連続的にもしくは(急速熱焼なまし、パルス処理などでは)1
つまたは複数の周期にわたって行うことができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】 本発明の特に好適な実施例では、焼結ステップ(c)は、電気炉において1,
200℃よりも低い温度で2.5時間以下の時間にわたって行われる実際には
、このような焼結は、酸化ビスマスが溶融状態であり、かつ酸化亜鉛粒子の周囲
に完全に配分されて要求される絶縁を達成するように、800℃よりも高い温度
で行う必要がある。しかし、過度の高温で焼結を行うと、粒子の大きさが過度に
成長するとともにいくつかの添加剤が蒸発するおそれがあるので、このような温
度で焼結を行ってはならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ヴァン ネステ,アンドレ カナダ,ケベック,セイント−フォイ,ア ヴェニュー ボープレ 1127 (72)発明者 アランダリ,ホウスハン カナダ,ケベック,セイント−フォイ,ユ ニヴァシテ ラヴァル,シーエイチ 8680,パヴィロン パレント,レジデンス ユニヴァシタイル Fターム(参考) 5E034 CC03 DA03 DE01 DE04 DE07

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非常に高い破壊電圧を有するバリスタの製造方法であって、 (a) 混合物の少なくとも75モル%が酸化亜鉛となるような粉末量で、酸
    化亜鉛(ZnO)と酸化ビスマス(Bi23)との粉末を、バリスタの特性に影
    響を与え得る少なくとも1つの他の粉末とともにもしくはこのような粉末を加え
    ずに混合し、 (b) 前記粉末がナノ結晶子となるように、これらの粉末を、混合前、混合
    中、もしくは混合後に、高エネルギボールミルによって高負荷ミリングし、 (c) 酸化亜鉛の粒径をできる限り小さく保つように選択した時間及び温度
    条件の下で、ミリングした前記混合物に対して硬化処理を行うことを含むことを
    特徴とするバリスタの製造方法。
  2. 【請求項2】 高負荷ミリングステップ(b)が、粉末混合ステップ(a)の
    後で行われることを特徴とする請求項1記載のバリスタの製造方法。
  3. 【請求項3】 混合ステップ(a)の前に、初期材料として使用する酸化亜鉛
    粉末を単独でもしくは1つまたはそれ以上の添加剤と共にミリングするとともに
    、酸化ビスマス粉末を他の全ての添加剤と混合し、続いて、このように得た酸化
    ビスマスと他の添加剤との混合物をミリングしてから高温で処理することを特徴
    とする請求項2記載のバリスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 (d) ステップ(c)を実行する前に、前記粉末もしくはそ
    の混合物を550℃以下の温度でか焼することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のバリスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 (e) ステップ(d)のか焼の後でかつステップ(c)を実
    行する前に、ミリングした前記粉末の混合物にバインダを導入し、このバインダ
    を導入した混合物を、ペレットを形成するように加圧してからステップ(c)の
    か焼処理を行うことを特徴とする請求項4記載のバリスタの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記バインダは、ポリビニルアルコールであり、このアルコー
    ルは、ボールミリングによって前記粉末の混合物に導入されることを特徴とする
    請求項5記載のバリスタの製造方法。
  7. 【請求項7】 ステップ(c)の硬化処理は、焼結、加圧、圧延、伸張、線引
    、プラズマ溶射からなる群より選択され、この硬化処理には、加熱が含まれるか
    もしくは、続いて加熱が行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載のバリスタの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記加熱は、対流加熱、誘導加熱、マイクロ波加熱、レーザ加
    熱、及び放電加熱からなる群より選択されることを特徴とする請求項7記載のバ
    リスタの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記加熱は、1つもしくは複数の短い周期で行われることを特
    徴とする請求項8記載のバリスタの製造方法。
  10. 【請求項10】 ステップ(c)の硬化処理は、1,200℃よりも低い温度
    で2.5時間以下の時間にわたって行われる焼結であることを特徴とする請求項
    1〜9のいずれかに記載のバリスタの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記焼結は、約1,000℃で行われることを特徴とする請
    求項10記載のバリスタの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記焼結は、1.5時間以下の時間にわたって行われること
    を特徴とする請求項10または11に記載のバリスタの製造方法。
  13. 【請求項13】 加熱速度が約1℃/分であることを特徴とする請求項10〜
    12のいずれかに記載のバリスタの製造方法。
  14. 【請求項14】 ステップ(a)中もしくはその前に、ZnOとBi23との
    粉末を、バリスタの特性に影響を与え得る少なくとも1つの添加剤の他の粉末と
    混合し、この添加剤は、バリスタに添加することができるとともに、バリスタの
    電流電圧曲線の特性を変更し、相の抵抗率を変更し、漏れ電流を減少させ、エネ
    ルギ放散能力を増加させ、気孔率を制御し、結晶成長を遅らせ、構造の完全性を
    高め、相の融点を変更し、かつその化学的、電気的、機械的、及び熱的な安定性
    を高めることができる、金属酸化物、炭化物、窒化物、硝酸塩、水素化物からな
    る群より選択されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のバリス
    タの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記添加剤は、Si,Sb,Mn,Ge,Sn,Pb,Nb
    ,B,Al,Ti,Ta,Fe,S,F,Li,Ni,Cr,Mo,W,Be,
    Br,Ba,Co,Pr,U,As,Ag,Mg,V,Cu,C,Zr,Se,
    Te,Gaの元素を含む金属酸化物、炭化物、窒化物、硝酸塩、水素化物からな
    る群より選択されることを特徴とする請求項14記載のバリスタの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記添加剤は、酸化アンチモン(Sb23)、酸化マンガン
    (MnO2)、アルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)、酸化スズ(SnO2 )、酸化ニオブ(Nb25)、酸化コバルト(CoOもしくはCo34)、酸化
    鉄(Fe23もしくはFe34)及び酸化チタン(TiO2もしくはTiO)か らなる群より選択されることを特徴とする請求項15記載のバリスタの製造方法
  17. 【請求項17】 ステップ(a)で形成される混合物は、 0.25〜10モル%のBi23 1.5〜4モル%のSb23 0.5〜4モル%のMnO2 0.00125〜0.05モル%のAl23 0〜4モル%のSiO2 0〜2モル%のSnO2 0〜2モル%のNb25 0〜2.5モル%のCoO 0〜2.5モル%のFe23 0〜3モル%のTiO2 残部ZnO を含むことを特徴とする請求項16記載のバリスタの製造方法。
  18. 【請求項18】 ステップ(a)で形成される混合物は、 90.495モル%のZnO 3モル%のBi23 2モル%のSb23 2.5モル%のMnO2 2モル%のSiO2 0.005モル%のAl23 を含むことを特徴とする請求項17記載のバリスタの製造方法。
  19. 【請求項19】 酸化亜鉛(ZnO)と酸化ビスマス(Bi23)とを含むバ
    リスタであって、非常に高い破壊電圧を有し、かつ請求項1〜18のいずれかに
    記載の製造方法によって製造されたことを特徴とするバリスタ。
  20. 【請求項20】 10kV/cmよりも高い破壊電圧を有することを特徴とす
    る請求項19記載のバリスタ。
  21. 【請求項21】 酸化亜鉛(ZnO)と酸化ビスマス(Bi23)とを含むバ
    リスタであって、このバリスタは、少なくとも75モル%のZnOを含み、 ・ZnOの平均粒径が3ミクロンよりも小さい非常に微細で均質なミクロ構造
    と、 ・10kV/cmよりも高い破壊電圧と、 ・20よりも大きい電流−電圧非線形係数と、 ・破壊電圧以下では非常に小さい漏れ電流と、を有することを特徴とするバリ
    スタ。
  22. 【請求項22】 ペレット状であることを特徴とする請求項21記載のバリス
    タ。
  23. 【請求項23】 電流−電圧の非線形係数が40よりも大きいことを特徴とす
    る請求項21または22に記載のバリスタ。
  24. 【請求項24】 非線形係数が60よりも大きいことを特徴とする請求項22
    記載のバリスタ。
  25. 【請求項25】 バリスタに添加することができるとともに、バリスタの電流
    電圧曲線の特性を変更し、相の抵抗率を変更し、漏れ電流を減少させ、エネルギ
    放散能力を増加させ、気孔率を制御し、結晶成長を遅らせ、構造の完全性を高め
    、相の融点を変更し、かつその化学的、電気的、機械的、及び熱的な安定性を高
    めることができる、金属酸化物、炭化物、窒化物、硝酸塩、水素化物からなる群
    より選択される少なくとも1つの他の粉末を含むことを特徴とする請求項21〜
    24のいずれかに記載のバリスタ。
  26. 【請求項26】 前記他の粉末は、Si,Sb,Mn,Ge,Sn,Pb,N
    b,B,Al,Ti,Ta,Fe,S,F,Li,Ni,Cr,Mo,W,Be
    ,Br,Ba,Co,Pr,U,As,Ag,Mg,V,Cu,C,Zr,Se
    ,Te,Gaの元素を含む金属酸化物、炭化物、窒化物、硝酸塩、水素化物から
    なる群より選択されることを特徴とする請求項25記載のバリスタ。
  27. 【請求項27】 前記他の粉末は、酸化アンチモン(Sb23)、酸化マンガ
    ン(MnO2)、アルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)、酸化スズ(SnO 2 )、酸化ニオブ(Nb25)、酸化コバルト(CoOもしくはCo34)、酸 化鉄(Fe23もしくはFe34)及び酸化チタン(TiO2もしくはTiO) からなる群より選択されることを特徴とする請求項26記載のバリスタ。
  28. 【請求項28】 0.25〜10モル%のBi23 1.5〜4モル%のSb23 0.5〜4モル%のMnO2 0.00125〜0.005モル%のAl23 0〜4モル%のSiO2 0〜2モル%のSnO2 0〜2モル%のNb25 0〜2.5モル%のCoO 0〜2.5モル%のFe23 0〜3モル%のTiO2 残部ZnO を含むことを特徴とする請求項27記載のバリスタ。
  29. 【請求項29】 90.495モル%のZnO 3モル%のBi23 2モル%のSb23 2.5モル%のMnO2 2モル%のSiO2 0.005モル%のAl2O を含むことを特徴とする請求項27記載のバリスタ。
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