JP2001514563A - 外科手術用クリップおよびクランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 外科手術用クランプ（１２）は、近位端に締め付け用ジョー（１５、２１）を有し、遠位端に操作用ハンドル組立体を有する軸（１６）を包含する。軸は、ハンドル組立体（１４）の操作前に使用者によって所望の形状に動かされ、ハンドル組立体（１４）およびジョー（１８、２１）の捜査中に所望の形状を保持する特性を有する。制御要素が、屈曲可能な要素に対して配置してあり、これが軸の近位端でハンドル組立体（１４）から操作して、軸（１６）の遠位端でジョー（１８、２１）を相対的に移動させることができる。関連した方法は、クランプ（１２）の操作前に軸（１６）を所望の形状に曲げ、クランプ（１２）の操作中に軸（１６）をほぼ所望の形状に維持する段階を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】 外科手術用クリップおよびクランプ 発明の背景 発明の分野 本発明は、全般的にはクランプに、一層詳しくは外科手術環境で使用するクリ ップ、クランプおよびそれらを操作するための装置に関する。 従来技術の説明 対向したジョーの間に人体導管（たとえば、血管）をはさんで締めつけること によって人体導管を広げたり、ふさいだりするのにクランプが長く使用されてき た。ジョーに柔らかい触感の表面を与える挿入物も考えられてきた。それに加え て、コイルばねを用いて対向したジョーの閉鎖力を維持することも行われてきた 。いくつかのクランプは細長い形態を備え、通常、ジョー間に延びる軸と、この 軸を介してジョーを操作するハンドルとからなる形態となっていた。軸は、代表 的には、剛性の、普通まっすぐな組立体として形成され、単に使用者が外科手術 体腔の外部からジョーを操作しながらこの体腔深くに到達させるに過ぎないもの であった。この到達が望ましいいくつかの場合、細長いクランプの軸を可撓性の ある形態とし、曲がりくねった経路に沿ってクランプを使い易くしていた。これ らの可撓性のある軸では、ジョーを設置することができるが、ハンドル組立体の 偶発的な動きからジョーを隔離していた。しかしながら、これらの軸の成形形態 を保持することはできなかった。 従来技術の剛性でも、可撓性でもない構造では、細長いクランプが半剛性の軸 を有し、この軸がクランプの設置前に所望の形状に屈曲でき、しかも、クランプ の設置、操作中にこの所望の形状を維持できるものでなければならなかった。こ の半剛性であるという性質は、特に曲がりくねった経路に沿って或る目標に到達 するのに望ましい。固定された湾曲軸は調節可能できないし、可撓性のある軸は クランプの設置、操作中に曲がりを維持することができない。 或る種の状況においては、導管に対する外傷を避けるために閉鎖力をかなりの 程度に制御できることが望ましい。クリップおよびクランプの設置、操作、維持 および取り出しについての他の状態をより良く制御できることが常に重要である 。 発明の概要 クリップおよびクランプの種々の実施例が本発明の範囲内に含まれる。これら の実施例は、対向したジョーを含めて作動部材を包含するばかりでなく、制御、 操作をかなり容易にする種々のハンドル、ラチェット装置、急速分離装置、遠隔 制御器も包含する。所望の形態および制御を達成するためにこれらの構成要素の 多くが他の要素と交換できることは明白であろう。 本発明の実施例のうちの少なくとも１つは、遠位端でクランプのジョー間に延 びる軸と、この軸の近位端にあるハンドル組立体から主として生じる細長い形態 を有する。この場合、軸は半剛性の形態を有し、当初から屈曲可能であり、しか もクランプの設置、操作中に曲がりを維持することができるようになっている。 クランプの軸は波形であってもよいし、一連のボール・ソケット要素として形成 されていてもよい。しかしながら、ほとんどの場合、軸は、ハウジングとジョー の間に固定された固定要素と、ハンドル組立体の操作によってジョーを操作でき るように動くことができる可動要素とを包含することになる。固定要素、可動要 素のどちらも、チューブの形態をしていてもよく、その場合、普通、他の要素は チューブ内に配置される。 固定要素は、普通、展性あるいは半剛性の材料で形成されることになる。これ によって、軸およびクランプを所望の形状に曲げることができ、しかも、クラン プの設置中に所望形状を維持するに充分な剛性を有することができる。本発明の 一特徴によれば、軸はハンドル組立体の作動前に使用者によって所望の形状に曲 げることができ、また、ハンドル組立体の作動中に所望の形状を保持することが できる特性を有する。 本発明の別の特徴においては、軸はハンドル組立体とジョーの間で第１軸線に 沿って延びる屈曲可能な要素を包含する。制御要素が第２軸線に沿って屈曲可能 な要素に相対的に延びており、この制御要素は軸の近位端でハンドル組立体から 操作して軸の遠位端でジョーを相対的に動かすことができる。 本発明のさらに別の特徴によれば、クランプの操作には、外科手術の前に軸を 所望形状に曲げ、外科手術中この所望の形状をほぼ維持する段階が含まれる。本 発明のこれらおよび他の特徴および利点は添付図面を参照しての以下の好ましい 実施例についての説明からより明らかとなる。 図面の説明 第１図は、本発明の一実施例における可撓性ケーブルを通して平行ジョー・ク ランプを遠隔操作するためのＴ字形ハンドル組立体を包含するクランプ装置の側 面図である。 第２図は、はさみ型ハンドル組立体によって遠隔操作可能なはさみ型クランプ の側面図である。 第３図は、２爪式機構と共にハンドル組立体を包含するクランプ装置の別の実 施例である。 第４図は、閉鎖力、閉鎖速度の変化に備えた丸くしたジョーを有するクランプ およびそれに組み合わせたハンドルを包含するクランプ装置の側面図である。 第５図は、クランプから取り外すことのできるハンドル組立体および軸を包含 するさらに別の実施例の側面図である。 第５Ａ図は、第５図に示すクランプの背面図である。 第６図は、前述のハンドル組立体と交換できるクランプの側面図である。 第７図は、上記のハンドル組立体で操作可能なさらに別のクランプの側面図で ある。 第８図は、オーバーセンタ機構を有するクランプの側面図である。 第９図は、一体ラチェット爪を有するクランプの側面図である。 第９Ａ図は、第９図に示すクランプの軸線方向横断面図である。 第１０図は、丸く曲げたばねを有し、レバー機構によって操作可能であるクリ ップの側面図である。 第１１図は、本発明のばねクリップのさらに別の実施例である。 第１２図は、まっすぐなばね付きのクリップのさらに別の実施例の側面図であ る。 第１３図は、２つのヒンジ、Ｕ字形の対向したジョーを有するクリップの平面 図である。 第１３Ａ図は、第１３図のクリップの側面図である。 第１４図は、Ｌ字形形態の対向したジョーを備えたクリップの平面図である。 第１４Ａ図は、第１４図に示すクリップの側面図である。 第１５図は、Ｌ字形の形態を有するクリップの別の実施例の平面図である。 第１５Ａ図は、第１５図に示すクリップの側面図である。 第１６図は、Ｃ字形形態を有するクリップの平面図である。 第１６Ａ図は、第１６図に示すクリップの側面図である。 第１７図は、クランプ、ハンドル組立体間に配置されたケーブル組立体の成形 性を説明するための、第４図に示すクランプ装置の部分断面側面図である。 第１８図は、内側要素が外側ジャケットに対して移動できる実施例の部分軸線 方向断面斜視図である。 第１９図は、内側要素が外側ジャケットに対して移動できる実施例の軸線方向 断面斜視図である。 第２０図は、外側ジャケットが内側要素に対して移動できる実施例の軸線方向 断面斜視図である。 第２０図〜第２２図は、クランプのケーブルを成形する方法の種々の段階を示 す。 第２０図は、ケーブルをまっすぐな形態で示す斜視図である。 第２１図は、所定の形態に成形されつつあるケーブルを示す斜視図である。 第２２図は、手術部位に到達しながら所定の形態を維持することができるケー ブルの特性を示す斜視図である。 第２３図は、波形のチューブの形で設けられたケーブルの外側ジャケットを示 す斜視図である。 第２４図は、一連のボール・ソケット・ジョイントの形で設けられたケーブルの 外側ジャケットを示す斜視図である。 好ましい実施例の説明 クランプ組立体が、第１図に示してあり、全体的に参照符号１０が付けてある 。この組立体には、クランプ１２とハンドル１４が設けてあり、これらの構成要 素は軸１６によって連結されている。本実施例においては、クランプ１２はまっ すぐな形態を有する一対の平行に向かい合ったジョー１８、２１を有する。ケー ブル１６は、外側ジャケット２３および内側ケーブル２５を包含し、これらは相 対的に動くことができる。ジャケット２３は、ジョーの一方（たとえば、ジョー １８）に取り付けてあり、ケーブル２５は他方のジョー（たとえば、ジョー２１ ）に取り付けられている。したがって、ジャケット２３に相対的にケーブル２５ が動けば、ジョー１８、２１が相対的に動くことになる。 本実施例におけるハンドル１４は、使用者の手のひらに載せるようになってい るＴ字形ハンドル２７と、このＴ字形ハンドル２７に相対的に動くことができる Ｔ字形バー２９とを包含する。Ｔ字形バー２９をケーブル２５に固定している間 、Ｔ字形ハンドル２７をジャケット２３に固定することができる。したがって、 Ｔ字形ハンドル２７に対してＴ字形バー２９を操作すると、ジャケット２３に対 してケーブル２５が動き、また、ジョー１８に対してジョー２１が移動する。 本実施例において特に重要なのは、クランプ１２に対してハンドル１４が遠い 位置にあるということである。また、クランプ１２を所定位置に作動可能に固定 した後でさえ、ケーブル２５および関連するジャケット２３が撓むことができ、 ハンドル１４を動かすことができる。急速分離はケーブル１６の両端で行うこと ができ、ラチェット機構をハンドル１４に設けてジョー１８、２１間の所定のス ペース、圧力を維持することができる。ロック・レバー３０をハンドル１４に設 けてラチェット機構を係合、解放することができる。 クランプ組立体のさらに別の実施例が第２図に示してある。本実施例において は、先に説明したものと同様である構造要素には小文字「ａ」を付けた同じ参照 符号が付けてある。したがって、クランプ組立体１０ａは、クランプ１２ａ、ハ ンドル１４ａおよび軸１６ａを包含する。この場合、クランプ１２ａはジョー１ ８ａ、２１ａを包含するが、これらの対向したジョーは支点３６の両側に配置し た対向したレバー３２、３４を有するはさみ型の形態に形成されている。軸 １６ａは、第１図の実施例と同様に、剛性であっても、可撓性であってもよい。 ハンドル１４ａは、対向した手掌・指グリップ３８、４１およびそれらに組み合 わせたジョー４３、４５を備えたはさみ型の形態を備えていてもよい。 ジョー４３、４５は軸１６ａのケーブルおよびジャケットの対応したものに連 結してある。こうして、グリップ４８、４１を動かすと、軸１６ａのケーブル、 ジャケット間ならびにクランプ１２ａのジョー１８ａ、２１ａ間に相対運動が生 じる。ここで、ハンドル１４ａのジョー４３、４５をグリップ３８、４１の異な ったものと一体に形成し、これらのグリップが閉鎖したときにジョー１８ａ、２ １ａを交互に開閉することになることに注目されたい。 本発明の別の実施例が第３図に示してあり、ここにおいて、類似した構造の要 素が小文字「ｂ」を付けた参照符号で示してある。本実施例においては、先の実 施例の軸１６が２つの軸４７、５１として形成してあり、これらの軸は相対的に 軸線方向に動くことができる。ジョー１８ｂ、２１ｂがこれらの軸４７、５１の 対応したものに取り付けられている。本実施例におけるハンドル１４ｂは軸４７ に取り付けたラチェット・ギア５２と、軸５１上で独立して回動してラチェット ・ギア５２と係合する一対の爪５４、５６とを包含するラチェット機構を包含す る。 本発明の別の実施例が第４図に示してあり、ここでは、類似した構造の要素に は小文字「ｄ」を付けた同じ参照符号が付けてある。ジャケット２３ｄおよび同 軸ケーブル２５ｄを包含する点で、この実施例の軸１６ｄは第１図に示すものと 同様である。本実施例においては、クランプ１２ｄのジョー１８ｄ、２１ｄは平 行であるが、まっすぐな形態ではなくて湾曲した形態を有する。また、挿入物が これらのジョー１８ｄ、２１ｄに対して示してある。これらの挿入物は、血管の 非外傷性把持を容易にするために「のこぎり刃」パターンを備えていてもよい。 この実施例のハンドル１４ｄは特に重要である。ハンドルは、一体ヒンジ５３ を間に成形した対向したグリップ部分２７ｄ、２９ｄを包含する。このヒンジ５ ３ｄはこのレバー系の支点となる。ケーブル２５ｄが、ヒンジ５３付近、好まし くはグリップ２９ｄに取り付けられている。 指グリップ２９ｄは、ケーブル２５ｄに乗るカム作用面５５を備えている。グ リップ２７ｄ、２９ｄが近接すると、ケーブル２５ｄがカム作用面５５に対して 押され、それによって、軸１６ｄのジャケット２３ｄに対して動かされる。ケー ブル２５ｄに加えられる速度、距離、力の変化を容易にするために、カム作用面 ５５は図示したように円形形態を備えていても、他の任意の形態を備えていても よい。 本実施例においてはラチェット機構も設け得る。この場合、ラチェット・ギア ５４および爪５６をグリップ部材２９ｄ、２７ｄそれぞれの係合面に形成しても よい。ここで、本実施例においては、カム作用面５５を薄い可撓性の部材５７上 に形成し、グリップ部材２７ｄ、２９ｄが接近するように移動したときにケーブ ル２９ｂに或る程度の「弾力性」を与えてもよいことに注目されたい。 本発明のまた別の実施例が第５図に示してあり、ここでは、類似した構造の要 素には小文字「ｅ」を付けた同じ参照符号が付けてある。本実施例においては、 クランプ１２ｅの下方ジョー２１ｅが上方ジョー１８ｅを受け入れるようにスロ ットを設けた円筒形ハウジング５７と一体に形成されている。ネジ５９がハウジ ング５７を貫いて延びており、このネジのネジ山は上方ジョー１８ｅとかみ合っ ている。ネジ５９を回転させると、上方ジョー１８ｅはネジ５９のねじ山に乗り 、固定ジョー２９ｅおよびハウジング５７に対して移動する。 ネジ５９がその近位端にスタッド６１を備えており、このスタッド６１は半径 方向横断面が非円形、たとえば、正方形となっている。このスタッド６１は、対 応するハンドル１４ｅ・軸１６ｅ機構と着脱可能に係合するようになっている。 この場合、軸１６ｅは剛性ジャケット２３ｅおよび対応した剛性の同軸の軸６３ を包含する。本実施例におけるハンドル１４ｅを操作すると、内側の軸６３がジ ャケット２３ｅに対して回転することになる。軸６３ｅの遠位端にある凹部６５ をクランプ１２ｅのスタッド６１に対応した形状とし、これらの要素間で突き合 わせ係合を行わせてもよい。次いで、ハンドル１４ｅを操作すると、軸６３がス タッド６１と共に回転し、ジョー１８ｅ、２１ｅが相対的に移動する。クランプ １２ｅおよび軸１６ｅが容易に係合したり、離脱したりできることがこの実施例 の重要な特徴である。 別のクランプが第６図に示してあり、ここでは、類似した構造の要素に小文字 「ｆ」を付けた同じ参照符号が付けてある。本実施例においては、爪機構６７が クリップ１２ｆ上に設けてある。この機構６７は、ジョー１８ｆ上に形成したラ チェット・ギア６９と、下方ジョー２１ｆと組み合わせたハウジング５７ｆ上に 形成された爪とを包含する。爪１８ｆがジョー２１ｆに対して相対的に移動する と、ラチェット・ギア６９が爪７１に対して移動し、周知のラチェット作用を行 う。ピン７３をハウジング５７ｆに設けて、爪７１をラチェット・ギア６９との 係合から外せるようにしてもよい。クランプ２１ｆ上に爪機構６７を設けること によって、より高度のラチェット制御をジョー１８ｆ、２１ｆに近接して行うこ とができる。 さらに別のクランプ機構が第７図に示してあり、ここでは、類似した構造の要 素に小文字「ｇ」を付けた同じ参照符号が付けてある。この場合、ジョー１８ｇ 、２１ｇはさみ型の機構７５を備え、これはジョー１８ｇ、２１ｇを平行な向き に維持する傾向がある。機構７５は、対向した要素７７、７９を備えたはさみ型 の形態を有し、これらの要素はジョー１８ｇ、２１ｇのうちの一方のジョー上で 回動し、ジョー１８ｇ、２１ｇのうち他方のジョーにある溝内を摺動できる。ピ ン８２がはさみ型の要素７７、７９を結合し、支点となっている。ハウジング５ ７ｇに対してこのピン８２が移動すると、ジョー１８ｇ、２１ｇが開閉する。も ちろん、クランプ１２ｇは、他の方法、たとえば、ジョー１８ｇを移動させるか 、はさみ型の要素７７のうちいずれか一方をハウジング５７ｇに対して移動させ るかすることによっても操作できる。 第８図の実施例において、先に述べた要素と同様の要素には、小文字「ｈ」を 付けた同じ参照符号が付けてある。本実施例においては、ジョー１８ｈ、２１ｈ は互いに平行を移動することはできない。これらのジョー１８ｈ、２１ｈは、ピ ボット・ピン８４のところで結合され、また、参照符号８６で示すオーバーセン タ機構によっても結合されている。この機構８６はジョー１８ｈ上で回動する脚 ８８と、ジョー２１ｈ上で回動する脚９０とを包含する。これらの脚８８、９０ は支点ピン９２によって結合され、ジョー１８ｈ、２１ｈの解放可能な錠止係合 を容易にするオーバーセンタ機構を形成する。このクランプ１２ｈの作動は、支 点ピン９２を係合させ、それをジョー２１ｈに対して移動させてジョー１８ｈを 開閉することによって達成され得る。 第９図に示すさらに別の実施例においては、先に述べた要素と同様の要素には 、小文字「ｉ」を付けた同じ参照符号が付けてある。本実施例においては、クラ ンプ１２１はハウジング５７ｉと一体である上方ジョー１８ｉを包含する。下方 ジョー２１ｉは、軸９２とハウジング組立体によって操作できるようにこのハウ ジング５７ｉを貫いて延びている。ラチェット・ギア９１がこの軸９２上に形成 されており、ラチェット爪９４がハウジング５７ｉに成形してある。ラチェット ・リリース９６が軸９２に沿って摺動して爪９４をラチェット・ギア９１から分 離することができる。 第１０図〜第１２図は、特に血管を閉塞するようになっているクリップ・デザ インに関する。これらのクリップの各々は、一対の対向したジョー１０１、１０ ３を包含する。ワイヤ形状のヒンジ１０５がこれらのジョー１０１、１０３に連 結してあり、それらを閉じた状態に片寄せている。第１０、１１図の実施例にお いて、ワイヤ・ヒンジ１０５は折り返されてジョー１０１、１０３のそれぞれに 沿って延びるように配置した対向した脚を形成している。第１０図の実施例にお いて、ヒンジ１０５の閉鎖端１１１はそれぞれのジョー１０１、１０３の端の間 に位置している。本実施例においては、閉鎖端１１１は支点として機能する。ジ ョー１０７、１０９の、閉鎖端１１を超えて延びる部分に加えられる力がクリッ プのジョー１０１、１０３を開く。 この動作は、ワイヤ・ヒンジ１０５の閉鎖端１１１がジョー１０１、１０３の 長さを越えて延びる第１１図に開示されたクリップに匹敵し得る。ヒンジ１０５ は第１０図の実施例と同様にジョー１０１、１０３に対して同じ片寄せ力を与え るが、この構造の作動には、ヒンジ１０５のアーム１０７、１０９またはジョー １０１、１０３に対向力を与えてクリップを開く必要がある。 クリップのさらに別の実施例が第１２図に示してあり、ここでは、ワイヤ・ヒ ンジ１０５がまっすぐな形態を有する。このヒンジ１０５は、金属ワイヤまたは 平らなワイヤばねのいずれによっても形成し得る。この場合、ヒンジ１０５はジ ョー１０１、１０３に対してほぼ直角の方向に延びる。それにもかかわらず、こ のヒンジは、第１０、１１図の実施例と同様にクリップを閉じるように同じ片寄 せ力を与える。もちろん、第１２図のこのヒンジ１０５の設置は、それぞれのジ ョー１０１、１０３の端部間で行われ、クリップは第１０図を参照しながら説明 した要領で操作され得ることになる。 本発明のクリップの他の実施例が第１３〜１６図および第１２ａ〜１６ａ図の 関連した側面図に示してある。これらの実施例の各々において、少なくとも１つ のワイヤ・ヒンジ１０５が前述の実施例と同様に設けられる。しかしながら、第 １０〜１２図のまっすぐな平行ジョーと異なり、これらの実施例における対向し たジョー１０３、１０５はまっすぐでない形状を備える。したがって、第１３、 １３ａ図の実施例においては、ジョー１０１、１０３はＵ字形の形態を有する。 ワイヤ・ヒンジ１０５はこれらのジョー１０１、１０３の全長にわたって延びて おり、対向した端部のところに２つのヒンジ１０７、１０９を形成する。 第１４、１４ａ図の実施例は、ジョー１０１、１０３の短い脚の端部に形成し たワイヤ１０５のヒンジ１０７を有するＬ字形の形態を有するジョー１０１、１ ０３を包含する。第１４図ａに示したように、Ｌ字形の脚の自由端は拡大部すな わち「トーイン」１１３を備え、ばね作用を補正する。 第１５、１５ａ図の実施例もＬ字形の形態を有する。しかしながら、本実施例 では、ヒンジ１０７は「Ｌ」の字のうち長い脚の端に形成される。 第１６、１６ａ図に示すさらに別の実施例においては、ジョー１０１、１０３ はＣ字形形態を有する。本実施例においては、ただ１つのヒンジ１０７のみが示 してあるが、２つのヒンジ１０７、１０９を第１３図の実施例と同様に設けるこ とができる。 第１７図は第４図と同様の斜視図である。この状況から、先に開示した要素と 同様の構造要素には、小文字ｊを付けた同じ参照符号が付けてある。したがって 、第４図および第１７図の実施例は可撓性ケーブル組立体１６ｊを包含し、これ は、可撓性であると同時に成形可能であるという点で組立体１６ｄと同様である 。事実上、ケーブル組立体１６ｊは半剛性であり、可撓性であるだけではあり得 ず、形状を保持することもできないが、むしろ所望の形態に屈曲可能である。ひ とたび組立体１６ｊが所定の形状に曲げられたならば、その形状を維持し、クラ ンプ組立体１０を難しい部位に到達させ、血管１２１のような物体に係合し、そ れを把持し、おそらくは閉塞することができる。先に述べたように、ケーブル１ ６ｊ はクランプ１２ｊを受け入れるようになっている遠位端１２３と、ハンドルを受 け入れるようになっている近位端１２５とを有する。 先に延べた要領で、ケーブル１６ｊは、普通、ジャケット２３ｊおよび同軸ケ ーブルまたは素子２５ｊを包含することになる。ジャケット２３ｊおよび要素２ ５ｊのうち一方は固定であり、ジャケット２３ｊおよび要素２５ｊのうち他方は 可動であり、他方のジョー１８ｊ、２１ｊに取り付けられる。たとえば、第４、 １７図の実施例において、ジャケット２３ｊが固定であり、ジョー２１ｊに取り 付けてあり、要素２５ｊがジャケット２３ｊに対して可動であり、ジョー１８ｊ に取り付けてある。この場合、ジョー１８ｊ、２１ｊは圧縮ばね１２７によって 開いた位置に片寄せられている。ハンドル１４ｊを操作すると、ジャケット２３ ｊに対して近位方向へ要素２５ｊが引っ張られ、それによって、圧縮ばね１２７ の片寄せ力に対抗し、ジョー１８ｊをジョー２１ｊと共に閉じる状態へ移動させ る。 第４、１７図のこの実施例は、ケーブル１６ｊが可撓性であって、所定の形状 に調節され、さらに調節されるまでその形状を維持する特性を有するいくつかの 実施例のうちの１つに過ぎない。直線ではアクセスできない物体、たとえば、血 管１２１に係合するあるいはそれを塞ぐことを望む場合、ケーブル１６ｊのこれ らの特性が特に有利である。ケーブル１６ｊを調整または曲げることによって、 クランプ１２ｊは器官をまわって移動することができ、曲がりくねった経路に沿 って案内されて血管１２１と係合することができる。次いで、近位端１２５にあ るハンドル１４ｊを操作することによってケーブル１６ｊの遠位端１２３のとこ ろでクランプ１２ｊを操作することができる。これらの可撓性の特性は、また、 半剛性特性とも呼ばれる。ケーブル１６ｊは充分に柔らかくて、所定の湾曲した 形態に成形できるが、再成形されるまでこの所定の形状を維持できるほど充分に 剛性でもあると好ましい。 ケーブル１６ｊのこれらの特性は、ジャケット２３ｊまたは内側要素２５ｊの いずれかに成形可能な特性を与えることによって達成することができる。たとえ ば、第２１図において、クランプ１２ｊは、固定した外側ジャケット２３ｊに対 して内側要素２５ｊを移動させることによって操作可能である。第２２図の実施 例においては、外側ジャケット２３ｊは固定側の内側要素２５ｊに対して可動で ある。 代表的には、と言って必ずしもというわけではないが、成形可能な特性を備え ているのは、ジャケット２３ｊおよび内側要素２５ｊのうち固定した方のもので ある。ジャケット２３ｊおよび内側要素２５ｊのうち他方のものは、普通、成形 可能ではない。 操作時、可動要素（たとえば、要素２５ｊ）は、成形可能な要素（たとえば、 第２１図の外側ジャケット２３ｊ）の所定の湾曲をたどる。可動要素(たとえば 、内側要素２５ｊ)は、通常、引張り特性を有し、ばね１２７の片寄せ力に対抗 し、クランプ１２ｊを閉じた状態に移動させる。或る種の実施例において、クラ ンプ１２ｊのジョーは片寄せられず、その場合には、可動要素は、普通、引張り および圧縮の両特性を有し、ジョー１８ｊ、２１ｊをそれぞれ閉じた位置または 開いた位置に移動させることになる。 半剛性ケーブル１６ｊは、第２０図に示す形態のようなまっすぐな形態で設け られる。次いで、使用者は両手１２７、１３０を用いてケーブル１６ｊを所定の 形状に曲げることになる。第１９図に図示したように、この所定の形状としては 、Ｓ字形湾曲１３２がある。重要なのは、ケーブル１６ｊの半剛性特性によって 、再成形されるまで普通は両手１２７、１３０を用いてこの所定の形状、たとえ ば、Ｓ字形曲線１３２を維持するということである。これらの特性の場合、成形 可能なクランプ組立体１０ｊを用いて曲がりくねった経路に沿って到達し、第２ ２図の参照符号１３４で示すような手術部位のところで血管１２１と係合するこ とができる。 外側ジャケット２３ｊ（第２２図の実施例の場合）または内側要素２５ｊ（第 ２１図の実施例の場合）のいずれかの成形可能な特性は、いくつかの異なった構 造配置から生じる。たとえば、固定要素（たとえば、外側ジャケット２３ｊ）は 所望の形状を達成するように曲げたり、打ち延ばしたりすることのできる金属か ら形成し得る。半剛性特性は、また、第２３図に示す波形チューブ１３５の形を した外側ジャケット２３ｊを形成することによって容易に得ることができる。半 剛性の成形可能な特性は、また、第２４図にしめすようなボール・ソケット・ジ ョイント１３６の形の外側ジャケット２３ｊを設けることによって達成すること ができる。 前述の実施例のすべてを参照して、クリップまたはクランプのいずれかをハン ドルあるいは遠隔ケーブル組立体のいずれかと組み合わせることによって多くの 変更を行うことができることは明らかであろう。それに加えて、ラチェット組立 体の設置も変更可能である。たとえば、ラチェット組立体は、第３図に示したよ うに、ハンドル組立体内に設けてもよい。あるいは、第６、９図に示したように 、クランプ組立体内に設けてもよい。遠隔操作のためのケーブル組立体は、第３ 図の実施例に示すように剛性でもよいし、第４図の実施例に示すように、可撓性 であってもよい。ハンドル組立体は、また、第１、２、４、５図の異なった実施 例で示したように広範囲にわたって変更可能である。前述の実施例およびその変 更例のすべては本発明の概念内にあると考える。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ガドベリー ドナルド エル アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92629 ダナ ポイント マリアナ 33862 アパートメント ビー (72)発明者 ヒラル ナビル アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92691 ミッション ヴィエジョ ヴァネ ッサ ドライヴ 24576 (72)発明者 ムロテック トッド アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92780 ツスティン ダンベリー サーク ル 14701

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．外科手術用クランプであって、 近位端と遠位端の間に延びる軸と、 軸の遠位端に配置されている一対の締め付け用ジョーであり、間で物体を締 め付けるように相対的に移動できるジョーと、 軸の近位端に配置したハンドル組立体であり、軸の近位端のところで使用者 が操作して軸の遠位端で相対的にジョーを移動させ、物体を締め付けることが できるハンドル組立体と からなり、 軸が、ハンドル組立体の操作前に使用者によって所望形状に動かされ、また 、ハンドル組立体の操作中に所望の形状を保持する特性を有する ことを特徴とする外科手術用クランプ。 ２．請求の範囲第１項記載の外科手術用クランプにおいて、軸が半剛性であるこ とを特徴とする外科手術用クランプ。 ３．請求の範囲第２項記載の外科手術用クランプにおいて、軸が展性を有するこ とを特徴とする外科手術用クランプ。 ４．請求の範囲第１項記載の外科手術用クランプにおいて、さらに、軸に対して 延びており、軸の近位端のところでハンドル組立体によって動かして軸の遠位 端のところでジョーを操作する制御要素 を包含することを特徴とする外科手術用クランプ。 ５．請求の範囲第４項記載の外科手術用クランプにおいて、軸が内腔を有するチ ューブを包含し、チューブの内腔に対して制御要素が配置されていることを特 徴とする外科手術用クランプ。 ６．請求の範囲第５項記載の外科手術用クランプにおいて、制御要素がジョーを 操作するように張力下に置かれた特性を有することを特徴とする外科手術用ク ランプ。 ７．請求の範囲第６項記載の外科手術用クランプにおいて、制御要素が、ジョー を操作するように圧縮下に置かれた特性を有することを特徴とする外科手術用 クランプ。 ８．請求の範囲第６項記載の外科手術用クランプにおいて、制御要素がワイヤを 包含することを特徴とする外科手術用クランプ。 ９．請求の範囲第７項記載の外科手術用クランプにおいて、軸のチューブが第１ のチューブであり、制御要素が第１チューブに相対的に配置した第２のチュー ブを包含することを特徴とする外科手術用クランプ。 10．請求の範囲第９項記載の外科手術用クランプにおいて、第２のチューブが第 １のチューブの内部に配置されていることを特徴とする外科手術用クランプ。 11．請求の範囲第９項記載の外科手術用クランプにおいて、第２のチューブが第 １のチューブの外面に配置されていることを特徴とする外科手術用クランプ。 12．請求の範囲第６項記載の外科手術用クランプにおいて、ジョーが第１の位置 と第２の位置との間で可動であり、そして、外科手術用クランプが、さらに、 少なくとも一方のジョーに連結し、ジョーを第１位置に向かって片寄せるばね を包含することを特徴とする外科手術用クランプ。 13．請求の範囲第１２項記載の外科手術用クランプにおいて、第１の位置が閉じ た位置であることを特徴とする外科手術用クランプ。 14．外科手術用クランプであって、 近位端と遠位端の間に延びる軸と、 軸の遠位端に配置してあり、相対的に移動して間に物体を締め付けることが できる一対の締め付け用ジョーと、 軸の近位端に配置したハンドル組立体であり、軸の近位端で使用者によって 操作され、軸の遠位端で相対的に移動して物体を締め付けることができるハン ドル組立体と を包含し、 軸が、ハンドル組立体とジョーとの間で第１軸線に沿って延びている屈曲可 能な要素を包含しており、さらに、 第２軸線に沿って屈曲可能な要素に対して延びている制御要素であり、軸の 近位端でハンドル組立体から操作して、軸の遠位端でに対してジョーを相対的 に移動させることができる制御要素を 包含することを特徴とする外科手術用クランプ。 15．請求の範囲第１４項記載の外科手術用クランプにおいて、屈曲可能な要素の 第１軸線が制御要素の第２軸線と同軸であることを特徴とする外科手術用クラ ンプ。 16．請求の範囲第１５項記載の外科手術用クランプにおいて、屈曲可能な要素が チューブを包含し、制御要素が屈曲可能な要素のチューブ内に配置されている ことを特徴とする外科手術用クランプ。 17．請求の範囲第１５項記載の外科手術用クランプにおいて、制御要素がチュー ブを包含し、屈曲可能な要素が制御要素のチューブ内に配置されるていること を特徴とする外科手術用クランプ。 18．請求の範囲第１６項記載の外科手術用クランプにおいて、屈曲可能な要素が 半剛性であることを特徴とする外科手術用クランプ。 19．請求の範囲第１８項記載の外科手術用クランプにおいて、半剛性要素が展性 を有することを特徴とする外科手術用クランプ。 20．請求の範囲第１８項記載の外科手術用クランプにおいて、半剛性要素が波形 であることを特徴とする外科手術用クランプ。 21．請求の範囲第１８項記載の外科手術用クランプにおいて、半剛性要素が一連 のボール・ソケット・ジョイントを包含することを特徴とする外科手術用クラ ンプ。 22．外科手術用クランプを操作する方法であって、 近位端および遠位端を有する軸を用意し、外科手術中に物体を締め付けるよ うに移動できる一対の締め付け用ジョーを遠位端に配置し、ハンドル組立体を 外科手術中に遠位端でジョーを操作するように近位端に配置する段階と、 クランプの操作前に所望の形状に軸を曲げる段階と、 クランプの操作中にほぼ所望の形状に軸を維持する段階と を包含することを特徴とする方法。 23．請求の範囲第２２項記載の方法において、軸を用意する段階が軸に波形形態 を与える段階を包含することを特徴とする方法。 24．請求の範囲第２２項記載の方法において、軸を用意する段階が軸に一連のボ ール・ソケット・ジョイントの形を与える段階を包含することを特徴とする方 法。