JP2001511007A - 低温誘発性甘味増加の減少を伴うαグルカンL−タイプまたはH−タイプ塊茎ホスホリラーゼのレベルの低下したトランスジェニックポテト - Google Patents

低温誘発性甘味増加の減少を伴うαグルカンL−タイプまたはH−タイプ塊茎ホスホリラーゼのレベルの低下したトランスジェニックポテト

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Abstract

(57)【要約】 ポテト塊茎中のαグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GLTP)またはαグルカンH−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GHTP)が低レベルを示すポテト植物を提供する。GLTPまたはGHTP酵素活性の低下したポテト塊茎におけるデンプンから糖への変換は、特に7℃を下回る温度で貯蔵した場合に減少する。より低温で貯蔵することによりポテトの低温−誘発性の甘味増加が減少し、その結果休眠期間の延長、病気の発生率の低下、および保存期間の長期化が可能となる。GLTPまたはGHTP酵素活性の低下した塊茎を産生するポテト植物の製造方法も提供する。ポテト塊茎中のGLTPまたはGHTP活性の低下は、相同アンチセンスRNAによる遺伝子発現の抑圧、共抑圧、サイレンシング配列の制御、化学薬品およびプロテインインヒビターの使用、またはデンプンとの親和性や活性の低下したGLTPまたはGHTP変異体獲得のための位置指定突然変異誘発または選択的対立遺伝子の単離といった技術により達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】 低温誘発性甘味増加の減少を伴うαグルカンL−タイプまたはH−タイプ塊茎ホ スホリラーゼのレベルの低下したトランスジェニックポテト 発明の属する技術分野 本発明は、ポテト植物中のαグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラーゼの酵素活 性またはαグルカンH−タイプ塊茎ホスホリラーゼの酵素活性のレベル低下によ る、ポテトへの糖蓄積の阻害に関する。 発明の背景 植物のストレスは、ポテトの塊茎(Solanum tuberosum)の病気、環境、および を貯蔵をはじめとする、塊茎の質の主要決定因子に相当する様々なファクターに よって引き起こされる。収穫から発芽までの休眠期間中に上質なポテトを保持す るのは、困難なことである。加工用のポテトは通常7〜12℃で貯蔵される。2 〜6℃の低温貯蔵は、7〜12℃の貯蔵と比較して、呼吸、水分損失、微生物感 染、電熱費、および化学的発芽抑制剤の必要性が減少するため、非常に優れた長 期貯蔵が可能となる(Burton,1989)。しかし低温は、低温誘発性の甘味を引き出 し、結果的に高レベルとなった糖が、揚げ物製品に好ましくない褐色または黒色 をもたらす(Coffin等,1987,Weaver等,1987)。蓄積 性の糖には主として、グルコース、フルクトース、およびスクロースがある。揚 げ物のような、メイラード反応を介する様々な調理過程において、加熱時には、 まず最初にグルコースおよびフルクトース(還元糖)が遊離アミノ基と反応し、 褐色色素を生成する(Burton,1989,Shallenberger等,1959)。スクロースは、 カラメル化および焦化するまで揚げると黒い着色を形成する。理想的な還元糖の 含有量は通常、生の塊茎重量の0.1%であり、上限は0.33%と考えられてお り、それより高レベルの還元糖では褐色および黒色色素形成を十分に惹起し、そ の結果好ましくない揚げ物製品となる(DaviesおよびViola,1992)。より高温 (7〜12℃)の貯蔵では還元糖の蓄積速度を遅延できるものの、微生物の感染 および発芽抑制剤の使用の必要性を助長する。化学薬品の使用に関連した環境お よび健康へ負の危険性、殺虫剤耐性の病原菌の発生、公用される発芽抑制剤の使 用が近い内に禁止されるであろう事実から、ストレスおよび化学薬品未使用の低 温貯蔵に抵抗性で、還元糖の蓄積を示さず、より優れたデンプン保持能を有する ポテト種の必要性が生じる。 植物細胞内における糖質代謝は複雑な過程である。多くの異なる酵素過程の働 きが、低温貯蔵中の還元糖の蓄積に対し潜在的な影響を及ぼす。例えば、デンプ ンの分解阻害は、遊離糖の蓄積を低下させる。還元糖を利用したデンプンの再合 成、解糖および呼吸を介し た糖の除去、またはメイラード反応に関与しない別の形への糖の変換のようなそ の他の手段でも、糖の含有量の低下によりポテトの低温貯蔵特性を強化できる。 しかし多くの酵素過程は可逆的であり、かつ糖質代謝に関わる酵素の多くは、そ の働きが明らかにされていない。望ましい結果をもたらし、低温で機能を獲得し 、かつ生産、加工、および消費段階で求められる製品の質を保持できる酵素を同 定するための努力が続けられている。 ホスホフルクトキナーゼ(PFK)が低温−誘発性の甘味をもたらすのに重要 な役割を果たしていることが示唆された(KrugerおよびHammond,1998,ap Rees 等,1998,Dixon等,1981,Claassen等,1991)。レッセ(Resse)等(1998)は、低 温処理が糖質代謝に関する種々の経路に不均化効果をもたらし、中でも、解糖は PFKの低温−感受性により厳しく抑制されることを示唆した。PFKの活性が 減少すると、引き続き、スクロース産生のためのヘキソース−リン酸塩の利用度 の上昇が誘導される。ヨーロッパ特許明細書第0438904号(Burrell等,7月 31日,1991)には、PFK活性の上昇が、解糖およびその他の代謝を介したヘキソ ースの除去により、貯蔵期間中の糖の蓄積を減少させることについての記載があ る。大腸菌(E.coli)由来PKF酵素をポテトの塊茎に発現させたが、塊茎中の PFK活性の上昇およびスクロースの含有量の低 下を述べた報告書は収穫時に分析したものである。しかし、ピロホスフェート: すなわちフルクトース6−ホスフェートホスホトランスフェラーゼ(PFP)が 低温でも活性を保有していることが確認された(Claassen等,1991)。PFPおよ びPFKの二つの酵素は同一反応系を触媒するので、PFP活性はPFKと同様 にして解糖のためにフルクトース6−ホスフェートを供給できる。それゆえ、ポ テト塊茎の低温貯蔵の質を向上するための、この理論の有効性は疑わしいままで ある。さらに、解糖およびその他の代謝を介した糖の除去は、呼吸による有価の 乾燥物質を結果的に喪失させるため、ポテト塊茎の貯蔵特性を増強する手段とし て有利とは言えない。 ADPグルコースピロホスホリラーゼ(ADPGPP)もまた、甘味の低温− 誘発過程において重要な役割を果たすことが示唆されている。国際特許明細書第 WO9428149号(Barry,等,5月18日,1994出願)には、ADPGPP活性が 増加すると、還元糖を利用したデンプンの再合成により貯蔵期間中の糖の蓄積が 軽減することについての記載がある。大腸菌(E.Coli)由来ADPGPP酵素を低 温−誘発性プロモーターの制御下にポテトの塊茎中に発現させたが、この報告書 は、収穫時および低温貯蔵後に分析されたADPGPP活性の増加および減少し た還元糖の含有量について述べたものである。しかしながら、この理論ではデ ンプンの異化を除くことなく、デンプンの再合成率が増加すると見なしている。 このように、解糖および呼吸を通じた糖の異化が起こり、デンプンへの再構築は 制限される。ADPGPPのアップレギュレーションは、呼吸による有価の乾燥 物質を結果的に喪失させるため、ポテトの塊茎の貯蔵特性を増強する手段として 有利とは言えない。他方、デンプンの異化作用減少を伴う手段は乾燥物質を保持 するので有利である。 デンプンの分解には、α−アミラーゼ(エンドアミラーゼ)、β−アミラーゼ (エキソアミラーゼ)、アミログルコシダーゼ、およびα−グルカンホスホリラ ーゼ(デンプンホスホリラーゼ)を含有する数種類の酵素が関与すると信じられ ている。デンプンの異化速度の減少により、還元糖の蓄積は回避されるとともに 、解糖およびその他の代謝による糖の除去を最低限に抑えることができる。 3種類の異なるαグルカンホスホリラーゼのアイソザイムが記載されている。 塊茎L−タイプα1,4グルカンホスホリラーゼ(EC 2.4.1.1)アイソザイム(G LTP)(NakanoおよびFukui,1986)はグリコーゲンのような多分枝鎖グルカン に低親和性を示し、アミロプラスト中に局在する。このモノマーは916個のア ミノ酸を含有し、その配列をうさぎの筋肉および大腸菌由来ホスホリラーゼと比 較すると、それぞれ51%および40%という高レベルのアミノ酸相同性を示す 。 GLTP遺伝子のヌクレオチド配列およびGLTP酵素のアミノ酸配列を、それ ぞれSEQ ID NO:1およびSEQ ID NO:2に示す。H−タイプ 塊茎α−グルカンホスホリラーゼアイソザイムH(GHTP)(Mori等,1991)は グリコーゲンに高親和性を示し、細胞質に局在する。この遺伝子は838個のア ミノ酸をコードし、塊茎L−タイプホスホリラーゼと63%の相同性を示すが、 L−タイプホスホリラーゼで確認される78残基分の挿入および50残基分のア ミノ末端伸長が欠失している。GHTP遺伝子のヌクレオチド配列およびGHT P酵素のアミノ酸配列を、それぞれSEQ ID NO:3およびSEQ ID NO:4に示す。三種類目のアイソザイムは、974個のアミノ酸から成り、 塊茎L−タイプホスホリラーゼのポリペプチドのほとんどと、81%の同一性を もって高い相同性を示す。しかし、トランジットペプチドおよび挿入配列を含む 領域はかなりの相違が認められる。塊茎L−タイプホスホリラーゼのmRNAが ポテトの塊茎に主に分布し、葉組織にはわずかしか分布しないのと異なり、この アイソザイムのmRNAはポテトの葉および塊茎に等しく分布するため、このア イソザイムを葉L−タイプホスホリラーゼと呼ぶ。塊茎L−タイプホスホリラー ゼは主として塊茎中に存在し、葉L−タイプホスホリラーゼは葉中により多く存 在する(Sonnewald等,1995)。葉L−タイプホスホリ ラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列および葉L−タイプホスホリラーゼ酵素のアミ ノ酸配列を、それぞれSEQ ID NO:5およびSEQ ID NO:6に 示す。 様々なデンプン分解酵素の役割は明らかにされていないが、矛盾する結果に対 してかなりの議論が起きている。例えば、葉L−タイプホスホリラーゼ(Sonnewa ld等,1995)の発現を抑制してもデンプンの蓄積には大した影響がない。ソネワル ド(Sonnewald)等(1995)は、葉L−タイプ遺伝子に特異的なアンチセンスRNA の構成性発現が葉組織中のαグルカンホスホリラーゼL−タイプ活性を強く抑制 するのに対し、ポテトの塊茎組織には影響を及ぼさなかったことを報告した。α グルカンホスホリラーゼ活性のアンチセンスによる抑圧がトランスジェニックポ テト植物の葉へのデンプンの蓄積に殆ど影響を及ぼさなかったことから、筆者ら はデンプン分解がホスホリラーゼに触媒されないと結論づけた。同定されたαグ ルカンホスホリラーゼのアイソザイム間において高レベルの配列相同性が認知さ れることから、H−タイプ(GHTP)およびL−タイプ(GLTP)塊茎アイ ソザイムに同様の負の応答が期待された。 前記の見解から、繁殖期および周囲温度が特に7℃を下回るような低温での貯 蔵期に、デンプンから糖への変換の抑制を示す塊茎を生産する、ポテト植物が依 然として必要とされている。 発明の要約 本発明は意外にも、ポテト塊茎中のαグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラーゼ (GLTP)またはαグルカンH−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GHTP)の酵 素活性レベルの低下が、野生株ポテトと比較して、繁殖期および貯蔵期、特に1 0℃を下回る温度での貯蔵、さらに特に4℃での貯蔵における塊茎への糖の蓄積 を強く低下させることを見出した。特筆すべきは、塊茎における糖代謝の複雑性 にもかかわらず、1種類の酵素の活性の低下が塊茎中への還元糖の蓄積に影響を 及ぼすことである。本発明の発見はソネワルド等(1995)が報告している、葉L− タイプホスホリラーゼの発現低下が、ポテト植物の葉へのデンプンの蓄積に著し い影響を及ぼさなかったという前記の議論の存在においても、より一層驚異的な ものである。 本発明は非常に商業的な利益を提供する。低温−誘発性甘味増加が阻害された 、または減少した塊茎は、ポテトの揚げ物製品に好ましくない黒ずみをもたらす 還元糖を塊茎中で高レベルに産生することなく、より低温で貯蔵することができ る。塊茎の低温貯蔵は、貯蔵期間の延長、呼吸抑制および発芽遅延による休眠期 間延長および病気の発生率低下をもたらす。 ポテト植物および塊茎中のGLTPまたはGHTPの活性低下は、これらに限 定するわけではないが、G LTPまたはGHTPmRNAのアンチセンスによる阻害、共抑制、野生株GL TPまたはGHTP遺伝子の部位特異的突然変異誘発、化学薬品またはプロテイ ンによる阻害、または植物発芽プログラムなど、種々の公知の方法により達成で きる。 このように広い見地から、本発明は、非修飾ポテト植物が産生する塊茎と比較 して、植物が産生する塊茎中に低レベルのαグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラ ーゼ(GLTP)またはαグルカンH−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GHTP) を有する、修飾ポテト植物を提供する。より有利な実施形において本発明は、植 物での転写時に内在性GLTP遺伝子またはGHTP遺伝子の発現を阻害するD NA配列へ、使用可能に連結した植物プロモーター配列を有する発現カセットで 形質転換したポテト植物を提供する。詳細については以後検討するが、前記のD NA配列は発現カセット中にセンスまたはアンチセンスのいずれの方向でも挿入 できる。本発明のポテト植物はGLTPまたはGHTPいずれか一方の活性レベ ルを独立して低下させることも、GLTPおよびGHTPの両方の活性レベルを 低下させることも可能である。 前記の議論ように、ポテト植物中のGLTPまたはGHTP酵素の活性レベル の低下が、ポテト塊茎中への糖の蓄積を、特に10℃を下回る温度で長期貯蔵し た場合に、減少させることを見出した。それゆえ本発 明は、ポテト植物中のGLTPまたはGHTP活性レベルが低下したポテト植物 が産生する塊茎における、還元糖の生成を減少させる方法でもある。より有利な 実施形においては、植物での転写時に内在性GLTP遺伝子またはGHTP遺伝 子の発現を阻害するDNA配列へ、使用可能に連結した植物プロモーター配列を 有する発現カセットのポテトへの導入を含む。前記のように、DNA配列は発現 カセット中にセンスまたはアンチセンスのいずれの方向でも挿入が可能である。 詳細は実施例で記載するが、低温−貯蔵特性の向上が、本発明の方法により形 質転換したポテトデジリー(Desiree)系統種で確認された。低温−貯蔵特性の向 上を直接的に示す尺度として、収穫および低温−貯蔵後にポテト中で検出される GLTPまたはGHTPの酵素活性レベルの低減がある。4℃で189日間貯蔵 した植物の塊茎中におけるαグルカンホスホリラーゼ全活性を、μモルNADP Hmg-1タンパク-1-1として測定し、それが同様の条件で貯蔵した非形質転換 植物の塊茎中におけるαグルカンホスホリラーゼ全活性より70%下回ることを 特徴とする形質転換ポテトが開発されている。 低温−貯蔵特性の向上を比較的直接的に示す尺度の他の例としては、低温−貯 蔵後に検出されるポテトの甘味増加の減少がある。4℃で91日間貯蔵した塊茎 中のグルコースおよびフルクトース総濃度が、同様の 条件で貯蔵した非形質転換植物の塊茎中のグルコースおよびフルクトース総濃度 より39%下回ることを特徴とする形質転換ポテトが開発されている。 さらなる低温−貯蔵特性向上の尺度には、本発明の実質的利点を示すことにも なるが、加工段階(調理)におけるポテト片の黒ずみの軽減がある。前記のよう に、低温−貯蔵中のポテトへの糖の蓄積が揚げ物製品に対し好ましくない黒ずみ をもたらす。揚げ物の黒ずみの減少は、揚げたポテト片の反射率、すなわちチッ プスコア、の測定により定量化できる。チップスコアの測定方法は後記する。4 ℃で124日間貯蔵した植物の塊茎のチップスコアが、同様の条件で貯蔵した非 形質転換植物の塊茎のチップスコアを89%上回ることを特徴とする形質転換ポ テト系統種が、本発明により開発された。 ポテト植物の塊茎中のGLTPおよび/またはGHTP活性の低下により、低 温−貯蔵時の糖の蓄積が阻害され、このことにより本発明は、同一栽培種野生株 ポテトで可能な温度よりも低い温度での貯蔵を可能にする。前記のように、従来 より低温でのポテトの貯蔵は、貯蔵期間の長期化、呼吸および発芽抑制による休 眠期間の延長、病気の発現低下をもたらす。このような付加価値もまた低温−貯 蔵特性の向上に寄与しており、慣用の技術により測定および定量が可能であるこ とは、当業者に明らかである。 図面の簡単な説明 図面により本発明をより詳細に示す。 図1 pBI121形質転換ベクターに挿入した塊茎L−タイプαグルカンホスホリ ラーゼアンチセンス配列を示す概略図である。 図2 pBI121形質転換ベクターに挿入した塊茎H−タイプαグルカンホスホ リラーゼアンチセンス配列を示す概略図である。 図3 3種の単離イソ型グルカンホスホリラーゼの基本構造を示す図である。トラン ジットペプチド(TS)および挿入配列(IS)はL−タイプホスホリラーゼに 特徴的であり、H−タイプホスホリラーゼには見出されない。パーセントはイソ 型間での核酸配列の相同性を示す。 図4 ポテト中の糖質相互変換の概略図である(Sowokinos 1990)。 図5 実施例で使用したアンチセンスGLTP構造による標的領域においてポテト中 で見出された3種のイソ型ホスホリラーゼのアミノ酸配列を比較した図である。 印の付いたアミノ酸は同一アミノ酸である。一番上が 葉L−タイプαグルカンホスホリラーゼのアミノ酸配列であり(SEQ ID NO:6のアミノ酸21〜238)、真ん中が塊茎L−タイプαグルカンホスホ リラーゼのアミノ酸配列であり(SEQ ID NO:2のアミノ酸49〜26 6)、一番下が塊茎H−タイプαグルカンホスホリラーゼのアミノ酸配列である (SEQ ID NO:4のアミノ酸46〜264)。 図6Aおよび6B 実施例で使用したアンチセンスGLTP構造による標的領域においてポテト中 で見出された3種のイソ型ホスホリラーゼのヌクレオチド配列を比較した図であ る。印の付いたヌクレオチドは同一である。一番上が葉L−タイプαグルカンホ スホリラーゼのヌクレオチド配列であり(SEQ ID NO:5のヌクレオチ ド389〜1045)、真ん中が塊茎L−タイプαグルカンホスホリラーゼのヌ クレオチド配列であり(SEQ ID NO:1のアミノ酸338〜993)、 一番下が塊茎H−タイプαグルカンホスホリラーゼのヌクレオチド配列である( SEQ ID NO:3のヌクレオチド147〜805)。 図7 野生株および塊茎L−タイプαグルカンホスホリラーゼの形質転換株3、4、 5および9のポテトの塊茎から単離したポリアデニル化RNAのノーザンブロッ トの結果を示す図である。ブロットには、塊茎L−タイプαグルカンホスホリラ ーゼに特異的な放射線標識プローブを使用した。 図8 野生株および塊茎H−タイプαグルカンホスホリラーゼの形質転換株1および 2のポテトの塊茎から単離した総RNAのノーザンブロットの結果を示す図であ る。ブロットには、塊茎H−タイプαグルカンホスホリラーゼに特異的な放射線 標識プローブを使用した。 図9 屋外で栽培し、続けて4℃で86日間貯蔵した野生株(A)および塊茎L−タ イプαグルカンホスホリラーゼの形質転換株(B)ATL1(C)ATL2(D )ATL3(E)ATL5(F)ATL9の揚げ物製品の図である(ATLとは アンチセンス塊茎L−タイプ形質転換を意味する)。 図10 野生株の塊茎およびL−タイプイソ型アンチセンス構造の形質転換株の塊茎か ら抽出したα1,4グルカンホスホリラーゼのL−タイプおよびH−タイプイソ 型の活性検出ゲルおよびウェスタンブロットを示した図である。 図11 野生株の塊茎およびH−タイプイソ型アンチセンス構造の形質転換株の塊茎か ら抽出したα1,4グルカ ンホスホリラーゼのL−タイプおよびH−タイプイソ型の活性検出ゲルおよびウ ェスタンブロットを示した図である。 発明の詳細な説明 未修飾のポテト植物から収穫した塊茎と比較して、植物の塊茎中に低レベルの αグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GLTP)またはαグルカンH−タ イプ塊茎ホスホリラーゼ(GHTP)活性を有するポテト植物を提供する。例に あげたケースでは、転写時に内在性GLTP遺伝子またはGHTP遺伝子の発現 を阻害するDNA配列へ、使用可能に植物プロモーター配列を連結した発現カセ ットを用いてポテト植物を形質転換することにより、αグルカンホスホリラーゼ 活性の低下を獲得している。例にあげたケースでは、このDNA配列は発現カセ ット中にアンチセンスの方向で挿入されているが、DNA配列をアンチセンスま たはセンスの方向のいずれで発現カセット中に挿入しても、αグルカンホスホリ ラーゼ活性の低下を獲得することが可能である。 1.相同依存性サイレンシング(Silencing) センスおよびアンチセンス遺伝子断片を用いた遺伝子発現の制御は標準的な実 験手段であり、文献においても公知である。アンチセンスおよびセンスによる抑 圧は、いずれも遺伝子配列の相同性に依存した現象で、「相同依存性サイレンシ ング」現象として記載され る。 1996年に公表された化学研究文書においてトランスジェニック植物の相同 依存性サイレンシングに関する数百の報告がある。相同依存性サイレンシングの 根本的な作用機序の詳細は知られていないが、この現象の特徴について、様々な 植物の遺伝子で研究されており、該研究の実質は広範囲に渡り検討されている(M ayerおよびSaedler 1996,MatzkeおよびMatzke 1995,Jorgensen 1995,Weintra ub 1990,Van der Krol等1988)。相同依存性サイレンシングは、多くの内在性遺 伝子の活性の制御に利用できる一般的現象と考えられる。相同配列の導入後に発 現低下が認められる遺伝子群の例として、ジヒドロフラバノールリダクターゼ(V an der Krol 1990)、ポリガラクツロニダーゼ(Smith等1990)、フィトエンシンタ ーゼ(FrayおよびGrierson 1993)、ペクチンエステラーゼ(Seymour等1993)、フェ ニルアラニンアンモニア−リアーゼ(De Carvalho等1992)、β−1,3−グルカナ ーゼ(Hart等1992)、キチナーゼ(Dorlhac等1994)、ニトレートリダクターゼ(Napo li等1990)、およびカルコンシンターゼがある(14)。ポテト葉巻きウイルス (leafroll virus)のコートタンパク遺伝子のセンスまたはアンチセンス構造の いずれかを導入したルセットバーバンク(Russet Burbank)ポテト植物の形質転換 体は、ポテト葉巻きウイルスの感染に対し、抵抗性を獲得することが報告さ れた(Kawchunk等1991)。相同センスまたはアンチセンス配列の移入は、通常、 内在性遺伝子の発現の低下した形質転換体を生成する。詳細は実施例で述べるが 、GLTPまたはGHTPの発現低下を示す表現型を有する形質転換ポテト植物 を容易に同定できる。 アンチセンスによる抑圧技術において、遺伝子構造または発現カセットをアセ ンブリーし、植物細胞への導入により標的遺伝子が産生したmRNAに対する相 補的配列を有するRNAを発現する。相補的RNA配列は二重らせんを形成し、 タンパクへの翻訳を阻害すると提唱される。センスおよびアンチセンス両者によ る阻害の基本理論はAntisense Research and Applications(CRC Press,1993)頁 125〜148などの文献に記載がある。この相補配列は標的遺伝子の全配列に 相当する長さを有するが、一般的には断片で充分であり、操作にもより便利であ る。例えば、キャノン(Cannon)等(1990)は、遺伝子阻害の獲得には41塩基対 のアンチセンス配列で充分であることを示している。アメリカ特許明細書第55 85545号(Bennett等12月17日,1996)には僅か20塩基対のアンチセンス 配列による遺伝子阻害について記載されている。詳細な説明および請求項を含む 特許文献中にも、有機体にアンチセンス配列を導入して遺伝子発現を抑圧する方 法に関する多くの例があり、例えば、アメリカ特許明細書第5545815号( Fischer等8月13,1996)、 アメリカ特許明細書第5387757号(Bridges等2月7,1995)を挙げることも できる。 センス配列相同依存性サイレンシングはアンチセンスによる抑圧と類似の用法 で実施するが、ただし、ヌクレオチド配列を正規のセンスの方向で発現カセット 中に挿入する。アメリカ特許明細書第5034323号、第5231020号お よび第5283184号のように多くの特許で、遺伝子発現抑圧を誘導するセン ス配列導入について記載されている。 センス−抑圧およびアンチセンス−抑圧のいずれの相同依存性サイレンシング も形も、本発明のGLTPまたはGHTPのダウンレギュレーションの達成に有 効である。両技術が遺伝子抑圧に等しく有効な方法であることは従来技術におい て認識されている。例えば、アメリカ特許明細書第5585545号(Bennett 等,12月17日,1996)およびアメリカ特許明細書第5451514号(Boudet等,9 月15日,1995)のいずれも、遺伝子発現の阻害方法またはセンス−抑圧およびア ンチセンス−抑圧技術による遺伝子発現抑圧法に有効な組み替えDNAについて 述べている。 2.塊茎中のGHTPおよび/またはGLTP活性を減少させるためのその他の 技術 相同依存性サイレンシングが、本発明の、ポテト植物中GLTPまたはGHT Pのダウンレギュレーションに有利な技術であるにもかかわらず、当業者が本発 明に適用可能であると判断するであろう特異遺伝子産物の活性を減少させるのに 有効で公知の手法が他にもある。関連遺伝子またはプロモーターの植物への挿入 は、相同内在性遺伝子転写産物の速やかな代謝を誘導するが、この過程は共−抑 制と呼ばれ、アンチセンスRNA阻害が担う作用機序と多くの類似点を有すると 信じられている(Jorgensen,1995;BrusslanおよびTobin,1995)。DNAの様々 な調節配列を改変したり(プロモーター、ポリアデニル酸シグナル、転写後プロ セッシングサイト)、特異的mRNAの発現レベルの改変に利用したり(エンハ ンサー、サイレンサー)できる。遺伝子およびその遺伝子がコードするタンパク 質の発現を抑制する別の方法には、標的mRNAを特異的に切断するように設計 したリボザイムを使用して完全な機能を有するタンパク質の産生を不可能にする 方法がある(HasseloffおよびGerlach,1998)。特異的性質を決定するのに重要 であると考えられる酵素の、自然対立遺伝子の同定または遺伝子操作による対立 遺伝子の作製により活性レベルを改変したり、それを古典増殖プログラムに利用 することが可能である(OritzおよびHuaman,1994)。位置指定突然変異誘発はし ばしば、同定された遺伝子産物の活性の修飾に利用される。ホスホリラーゼ酵素 の構造コード配列は大腸菌またはその他の好適な宿主内で突然変異を誘起し、デ ンプンの加リン酸分解の減少に関してスクリーニングされ る。この他に、親和性および/または特異活性の減少を伴うホスホリラーゼの自 然対立遺伝子が同定されている。さらに、様々なインヒビターを用いて特定の酵 素活性を改変することが可能である。これらの方法は慣用であり、サンブルック (Sambrook)等の著書のようなテキストにも記載がある。 3.GLTPおよびGHTP酵素の変異および相同依存性サイレンシングに使用 する配列 発明の背景中で、およびより詳細にナカノ(Nakano)等(1986)、モリ(Mori) 等(1991)、およびソネワルド等(1990)が述べるように、ポテト植物中に存在 する3種類のαグルカンホスホリラーゼアイソザイムが知られている。本発明は GLTPおよび/またはGHTPアイソザイムのダウンレギュレーションに関す る。全ての既知の商業用ポテト変種のGLTPおよびGHTP遺伝子が本質的に 同一だと信じられている反面、本発明の原理および技術が、記載のGLTPおよ びGHTP酵素のデンプン代謝酵素活性を有するポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド配列またはサブ配列の変異全長を有するポテト植物に効果的である と期待されている。明細書および請求項で使用する”GLTP”および”GHT P”の用語は、前記の変異株を包括するものとする。前記の変異株は、例示した ものとは異なるが、コドンの縮重のために同一のポリペプチドをコードするか、 または、SEQ ID N O2および4に記載のGLTPおよびGHTPアミノ酸配列を基に作製した抗体 により認知することが可能なタンパクをコードする、GLTPおよびGHTPヌ クレオチド配列の変異を含む。 また当業者は、ポテト植物GLTPおよび/またはGHTPの相同依存性サイ レンシングが、例示した意外のセンスまたはアンチセンス配列により達成できる ことを認識している。まず、アンチセンスが由来するGLTPまたはGHTPの cDNA配列領域は必須ではない。次に、前記のように、使用するアンチセンス の長さはかなり広く選択できる。さらにセンスまたはアンチセンス配列は、抑圧 する標的GLTPまたはGHTP遺伝子に限定する必要はない。実施例中に記載 するように、本発明により、GHTP遺伝子由来のアンチセンスDNA配列によ るポテト植物形質転換体が、GHTP遺伝子活性の抑圧のみを実質的に示すだけ でなく、GLTP遺伝子活性にもある程度の抑圧を示すことが見出された。GH TPおよびGLTP遺伝子のアンチセンス配列は56.8%の相同性を示す。G LTPアンチセンス配列およびソネワルド等記載(1990)の葉タイプαグルカン ホスホリラーゼ配列との配列の同一性は71.3%である。これまでの研究で、 ポテト植物をGLTP遺伝子由来のアンチセンスDNAで形質転換させた場合に は、類似の交差ダウンレギュレーション現象を認めなかった。それでもやはり、 標的 GLTP配列と約57%の同一性を示すアンチセンス配列がGLTP活性を抑制 したので、これらの結果から標的内在性αグルカンホスホリラーゼ遺伝子および 組み替えDNA間に配列の絶対的同一性が必須ではないことは明らかである。 従って、当業者は、ここで例示した以外の、および標的内在性GLTPまたは GHTP遺伝子と絶対的な配列の同一性を有する配列以外の、センスまたはアン チセンス配列が、ポテト植物細胞への導入時に内在性GLTPまたはGHTP遺 伝子を効果的に抑圧することを認識するであろう。有効なセンスまたはアンチセ ンス配列は例示のアンチセンス配列と異なるかもしれないし、保存アミノ酸置換 により、または比較の目的で並列した配列の一部以上で対応するヌクレオチドま たはアミノ酸の割合が異なるために、内在性GHTPまたはGLTP遺伝子配列 由来の配列と異なるかもしれない。 アメリカ特許明細書第5585545号(Bennett等,12月17日,1996)は、ポ リヌクレオチドおよびポリペプチドに関する配列の同一性の比較、保存アミノ酸 置換、および配列の相同性率を示すハイブリダイゼーション条件などの技術に関 する有益な議論を提供する。論議の関連部分をここに要約する。 ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの配列の同一性の割合は、比較枠(wind ow)に至適に並列した2つ の配列を比較することで決定されるが、2つの配列を至適に並列した状態で、対 照配列(添加と欠失を含まない)と比較すると、比較枠中のポリヌクレオチドま たはポリペプチド部分には、添加または欠失(例;ギャップ遺伝子)が存在する 。割合の計算は;(a)対応する位置の数の確認のために、両配列中に存在する 同一核酸塩基またはアミノ酸残基の数を決定する;(b)対応する位置の数を比 較枠中の全位置の数で割る;(c)配列の同一性の確認のため、結果に100を かける。比較のための配列の至適な並列方法は、既知アルゴリズム(例;ウィス コンシン遺伝子ソフトウェアパッケージ中のGAP,BESTFIT,FAST AおよびTFASTA、遺伝子コンピューターグループ(GCG)575 Sience D r.,Madison,WI、または生化学情報国際センターから入手したBlastNおよ びBlastX)のコンピューター化処理、または検査により導かれた。 前記の本質的に類似の配列を有するポリペプチドは、残基位置の非対応以外で は、保存アミノ酸の変化により相違することがある。保存アミノ酸置換とは、類 似側鎖を有する残基の相互交換可能性をいう。例えば、脂肪族側鎖を有するアミ ノ酸群は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシンであり ;水酸化−脂肪族側鎖を有するアミノ酸群は、セリンおよびスレオニンであり; アミド−含有側鎖を有する アミノ酸群は、アスパラギンおよびグルタミンであり;芳香族側鎖を有するアミ ノ酸群は、フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンであり;塩基性 側鎖を有するアミノ酸群は、リジン、アルギニン、およびヒスチジンであり;硫 黄−含有側鎖を有するアミノ酸群は、システインおよびメチオニンである。 ヌクレオチド配列が本質的に同一であることを示す別のものは、2分子がスト リンジェントな条件下に特異的にハイブリダイズする場合である。ストリンジェ ントな条件は、配列依存的であり、状況に応じて変化する。通常、ストリンジェ ントな条件では、一定のイオン強度およびpHにおける特異配列の融点(Tm) より、約10℃下回った温度を選択する。Tm(一定のイオン強度およびpHの 条件下)は、標的配列の50%が完全に対応するプローブとハイブリダイズする 温度である。プローブの長さおよび塩基配列の両方と相関を成すハイブリッドの Tmをサンブルック等(1989)の記載を基に算出できる。特に、サザンブロット 法のプロトコールでは、ストリンジェントな条件として、0.2XSSCを用い た65℃の洗浄がある。オリゴヌクレオチドプローブの場合、洗浄条件は、特に 、6XSSCで約42℃が有利である。 4.一般的方法 様々な方法が、植物細胞中に外来DNA配列を導入および発現させるのに有効 である。例えば、アンチセ ンスαグルカンホスホリラーゼcDNAの合成およびそれらの植物細胞への導入 に関する手順は:(1)ポテト植物からのmRNAの単離およびmRNAからの cDNA合成;(2)要求配列に関するcDNAのスクリーニング;(3)ホス ホリラーゼ遺伝子発現のため、要求cDNAへプロモーター配列を逆方向で連結 ;(4)好適な宿主植物細胞の形質転換;および(5)配列を逆転写した細胞の 選択および再生、を含む。 例示のケースでは、植物での転写時に内在性GLTP遺伝子またはGHTP遺 伝子の発現を阻害するDNA配列へ植物プロモーター配列を使用可能に連結した 発現カセットの構築に、ポテトGLTPおよびGHTP遺伝子由来DNAを使用 する。ポテト植物の発芽した茎外植体へのDNAの遺伝媒体としてAgrobacteriu m tumefaciensを利用する。形質転換した外植体から再生した植物は、酵素活性 を阻害するアンチセンスDNAを転写する。 ここに記載した組み替えDNA技術は、従来技術で公知の標準的実験室技術で あり、サンブルック等(1989)のような標準的な参考文献に記載されている。一 般に、DNAライゲース、DNAポリメラーゼ、制限エンドヌクレアーゼおよび それに類似の酵素を含む酵素反応は、製造者の仕様書に従って実施される。 5.GHTPcDNAおよびGLTPcDNAの合成 cDNAは、単離したポテト塊茎mRNAから逆転 写により合成する。プライマーをmRNAにアニーリングし、逆転写酵素による 伸長が可能なように3’末端をフリーにしておく。この酵素は、鋳型mRNAと 相補的な塩基と対を成すことによって、相補的cDNA鎖と塩基対を形成したR NA鋳型鎖を含むハイブリッド分子を形成することにより通常の5’−3’方向 の伸長に働く。最初のmRNAを切断後、DNAポリメラーゼを使用して相補鎖 DNAを合成し、一本鎖cDNAを二本鎖DNAに変換する。DNA増幅後、大 腸菌内で増殖させるため、二本鎖cDNAをベクターに挿入する。特に発現ベク ターを使用した場合、要求のcDNAを内在したクローンの同定には、核酸のハ イブリダイゼーションまたはコードタンパクの免疫学的検出のいづれかを実施す る。例にあげたケースでは、GLTPおよびGHTP遺伝子のDNA配列が既知 で、同様に好適なプライマー配列も既知であるため、方法は簡略化できる(Bris son等,1990;Fukui等,1991)。このプライマーをGLTPおよびGHTP遺伝子 内のハイブリダイズに使用する。こうして、さらなる分析を実施することなく、 増幅されたcDNAの合成物が、GLTPおよびGHTP遺伝子に相当する部分 を有することが期待される。ホスホリラーゼDNAの挿入部を保持するpUC1 9プラスミドで形質転換した大腸菌を色選択により判定した。挿入部を保持して いないプラスミドで形質転換した特定の大腸菌株はブ ルーコロニーとなる。挿入部を保持するpブルースクリプト(pBluescript)プラ スミドでの形質転換株はホワイトコロニーとなる。形質転換大腸菌から単離した プラスミドはホスホリラーゼ挿入部の配列の確認のためにシークエンスを実施し た。 6.ベクター構築 ポテト塊茎中のGLTPおよび/またはGHTPの発現を阻害するため、ポテ ト植物の形質転換用発現ベクター中の発現カセットに合成cDNAをアンチセン スまたはセンス方向で挿入できる。 例示のケースでは、アンチセンスによる抑圧が挙げられており、要求の組み替 えベクターは植物中のアンチセンスcDNAの転写開始を設計した発現カセット を含む。ベクターによるバクテリアまたはファージ宿主中でのクローン化のため に、その他の配列も含有する。 ベクターは、広い範囲の宿主に存在する原核生物の複製起点を有利に含有する 。選択マーカーも、バクテリア細胞が要求に応じて構築されているかを識別する ために含有する必要がある。好適な原核生物の選択マーカーは、アンピシリンの ような抗生物質に対する耐性を含む。 他の機能をコードする別のDNA配列もこのベクターには存在していてよく、 このことは従来技術で公知である。例えばAgrobacteriumの形質転換の場合、T − DNA配列をも、その後の植物染色体への移入のために含有する。 植物中での発現のために組み替え発現カセットは、要求の配列に加え、植物プ ロモーター領域、転写開始点(転写されるべき配列がこれを欠失している場合) 、および転写終結配列を含む。先在のベクター(pre−existing vector)への挿 入を容易にする目的で、カセットの5’および3’末端に特有の制限酵素部位を 含有する。真核生物の遺伝子発現を制御する配列は従来技術において公知である 。 DNAからmRNAへの転写は、プロモーターと称されるDNA領域により制 御されている。プロモーター領域は、RNAポリメラーゼとDNAの連結を促す シグナルを送る塩基配列を有し、DNA鎖の一方を鋳型としてmRNAの転写を 開始し、相応する相補的RNA鎖を形成する。プロモーター配列エレメントはT ATAボックス共通配列(TATAAT)を含有し、これは通常、転写開始点の 上流の20〜30塩基対である(通常転写開始点から見て−30〜−20塩基対 を表す)。多くの場合、TATAボックスは正確な転写開始に必須である。TA TAボックスは開始点に対して相対的に固定の位置を有する、唯一の上流プロモ ーターエレメントである。 CAATボックス共通配列は−75の位置に中心を有するが、開始点からかな りの距離があっても機能を 果たしており、両方向性である。 別の公知のプロモーターエレメントは−90の位置にあるGCボックスで、共 通配列GGGCGGを有する。マルチコピーおよび両方向性が見出される。 組織特異性、環境シグナル応答、または転写の最大効率を付与するその他の配 列もプロモーター領域内に見出されている。このような配列はしばしば、転写開 始部の大きさが400塩基対を下回るものの、2000塩基対を上回って伸長さ れてもよい。異種プロモーター/構造遺伝子の組合せにおいて、プロモーターは 異種転写開始点と自然の状態での転写開始点とから、だいたい等距離に位置する のが有利である。しかしこの距離は、プロモーター機能が欠失しない範囲である 程度調整が可能である。 発現カセットに使用されたこの特徴的なプロモーターは、本発明に必須ではな い。植物細胞内での転写を誘導するプロモーターの多くが好適である。このプロ モーターは構成性または誘導性のいずれでも良い。 植物細胞内で活性を有するプロモーターの多くは文献に記載されている。これ にはノパリンシンターゼ(NOS)プロモーターおよびオクトピンシンターゼ( OCS)プロモーター(Agrobacterium tumefaciensの腫瘍−誘導プラスミド上 で保持される)、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)19Sおよび35 Sのようなカウリモウイルス(Caulimovirus)プロモー ター、フィグワートモザイクウイルス35S−プロモーター、リブロース−1, 5−ビス−ホスフェートカルボキシラーゼ(ssRUBISCO,非常に豊富な植物ポリペ プチド)の小サブユニット由来光−誘導プロモーター、およびクロロフィルa/ b結合タンパク質遺伝子プロモーター、等が含まれる。これらの全てのプロモー ターは、植物内で発現する多種類のDNA構造を構築するのに利用される;PC TWO第8402913号を例として参照のこと。 実施例ではCaMV35Sプロモーターを使用しているが、これは高活性でほ とんどの組織中に構成的に発現する(Bevan等,1986)。ポテト塊茎ADPGPP遺 伝子の大および小サブユニットを含む、塊茎−特異性または発現強化を伴う別の 多くの遺伝子が知られている(Muller等,1990)。本発明に有効であると考えられ るその他のプロモーターには、ポテト塊茎中に強化されてまたは特異的に発現す るプロモーター、通常はデンプンの生合成または修飾に働く酵素遺伝子に関連す るプロモーター、または異なる発現パターンを示す、例えば塊茎の発育期の異な る時期に発現するようなプロモーターが含まれる。これらのプロモーターの例に は、顆粒−結合型およびその他のデンプン合成酵素、分枝酵素(Blennow等,1991; WO9214827;WO9211375)、不均化酵素(Takaha等,1993)、脱分枝酵素、アミラー ゼ、デンプンホスホリラーゼ(Nakano等,1989;Mori等,199 1)、ペクチンエステラーゼ(Ebbelaar等,1993)、40kDaのグリコプロテイ ン;ユビキチン、アスパラギン酸プロテイナーゼインヒビター(Stukerlj等,199 0)、カルボキシペプチダーゼインヒビター、塊茎ポリフェノールオキシダーゼ (Shahar等,1992;遺伝子バンク登録番号M95196およびM95197)、推定トリプシ ンインヒビターおよびその他の塊茎cDNA(Stiekema等,1988)、およびアミ ラーゼおよびスポラミン(Yoshida等,1992;Ohta等,1991)の遺伝子に対するプロモ ーターを含む。 効果的な終結を得るため、発現カセットにはプロモーター配列に加え、構造遺 伝子の下流に転写終結領域を含む必要がある。終結領域はプロモーター配列と同 一の遺伝子または異なる遺伝子から得られる。実施例ではノパリンシンターゼN OS3'終結配列(Bevan等,1983)を使用した。 構造遺伝子によりコードされたmRNAが効率的に翻訳される場合、ポリアデ ニル化配列も一般的に構築ベクターに添加される(AlberおよびKawasaki,1982) 。ポリアデニル化はmRNAの安定化に効果があると信じられている。ポリアデ ニル化配列はAgrobacteriumオクトピンシンターゼシグナル(Gielen等,1984)ま たはノパリンシンターゼシグナル(Depicker等,1982)を含有するがこれに限定 するものではない。 ベクターは通常、形質転換した植物細胞を培養中に 同定できるように選択マーカーも含有する。多くの場合、マーカー遺伝子は抗生 物質耐性をコードしている。これらのマーカーには、G418、ヒグロマイシン 、ブレオマイシン、カナマイシン、およびゲンタマイシン耐性がある。実施例の マーカー遺伝子はカナマイシン耐性を付与する。植物細胞を形質転換後、ベクタ ーを含有するこれらの細胞は、特別な抗生物質を添加した培地で生育できるかど うかにより同定される。 7.植物細胞の形質転換 実施例のケースではポテト植物の発芽した茎外植体を、バイナリーベクターへ 連結したアンチセンス配列を保持するAgrobacterum tumefaciensで感化させて形 質転換したが、従来公知の直接形質転換技術を組み替えDNAの移入に利用する ことも可能である。ベクターは植物細胞内へ直接微量注入できる。また、粒子の マトリクス内または粒子表面に関連する核酸を埋め込んだ小粒子を用い、核酸を 高速弾動浸透法(bllistic penetrarion)により植物細胞内に導入できる。関連の DNAを保持するミニセル、細胞またはリソソームのような脂質−表面体とプロ トプラストの融合体を使用することも可能である。DNAは電気穿孔により植物 細胞中に導入できるが、この場合植物のプロトプラストを発現カセットを保持す るプラスミドの存在下に電気穿孔する。 実施例では、直接形質転換法と対照を成すAgurobac terium tumefaciensを用いたベクターによる形質転換を利用する。Agurobacteri um tumefaciensはグラム陰性の土壌細菌で、双子葉植物にクラウンゴールとして 知られる腫瘍を引き起こす。腫瘍の誘導はTiプラスミドとして知られる腫瘍− 誘導性プラスミドによって引き起こされる。Tiプラスミドは感染植物中でオピ ン合成を誘導する。オピンはアグロバクテリアにより炭素および/または窒素源 として利用される。 細菌は植物細胞内には侵入せず、T−DNAと呼ばれる部分、すなわちTiプ ラスミドのみが移入されるが、これは植物ゲノム中に安定に組み込まれ、そこで オピン合成および植物細胞の形質転換に必須の機能を発現する。Tiプラスミド 上のVir(有毒)遺伝子は、T−DNA領域の外側に存在するが、T−DNA の移入に必要である。しかし、このVir領域は移入しない。事実、Vir領域 がT−DNAの移入に必須であるにもかかわらず、物理的にT−DNAと結合す る必要はなく、別のプラスミド上に存在しても良い。 移入および組み込み機能を失わずにT−DNAの腫瘍−誘導部を妨害または削 除すると、T−DNAの特定部位、特にT−DNA境界領域をなおも保存し、発 現するにもかかわらず、腫瘍細胞の特性を全て喪失した正常で健康な形質転換植 物細胞を産生できる。それゆえ、疾患誘導性の遺伝子を削除した修飾Tiプラス ミドを、本発明のセンスおよびアンチセンス遺伝子構 造のポテト植物への移入用のベクターとして使用できる(Winnacker,1987参照 )。 アグロバクテリアを用いた植物細胞の形質転換および全植物の再生には、一般 的に、アグロバクテリアと培養単離プロトプラストとの共培養、またはインタク トな細胞や組織のアグロバクテリアによる形質転換のいずれかの過程を含む。実 施例のケースでは、ポテトの茎頂培養による茎外植体をアグロバクテリアを用い て形質転換した。 別の方法として、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)をナス科ファミ リーの植物へセンスまたはアンチセンスDNAを導入するためのベクターとして 利用することができる。例えば、アメリカ特許明細書第4407956号(Howe ll,10月4日,1983)ではカリフラワーモザイクウイルスDNAの植物媒体として の利用について示唆されている。 8.形質転換植物細胞の選択および再生 形質転換後、アンチセンスもしくはセンスDNAを保持する形質転換植物細胞 または形質転換植物を同定しなければならない。抗生物質耐性のような選択マー カーが主に利用される。実施例では、カナマイシン含有増殖培地上で細胞を増殖 させることにより形質転換植物細胞を選択した。他の選択マーカーが従来技術で 明らかである。例えば、アグロバクテリアで植物を形質転換した場合にはオピン の存在により形質転換体を 確認できる。 外来DNAの発現を、ノーザンブロットハイブリダイゼーションのような公知 の方法を用い、挿入DNAでコードされたRNAを検出することにより確認でき る。挿入DNA配列自体は、サザンブロットハイブリダイゼーションまたはPC Rでも同定できる(Sambrook等(1989)参照)。 一般的に、形質転換植物細胞が組み替えDNAを保持することを確認した後、 全植物を再生する。実施例では、要求のアンチセンスDNAおよびカナマイシン マーカー遺伝子を保持する培養Agrobacterium tumefaciensを、ポテトの茎頂培 養で得た茎および葉の外植体に接種した。形質転換体をカナマイシン含有増殖培 地で選択した。発芽の誘導に好適な培地へ移動後、発芽体を根付けに好適な培地 へ移動した。続いて、植物を土壌に移し、徐々に丈夫にした。培養により再生し た植物を移植し、温室条件下に成熟するまで育成した。 9.形質転換塊茎中のGHTPおよびGLTPの活性レベル分析 GHTPおよびGLTP遺伝子由来アンチセンスDNA配列で形質転換したポ テト植物の再生に続き、形質転換塊茎組織の生化学的特徴を様々な方法で分析し た。加リン酸分解におけるαグルカンホスホリラーゼのin vitro活性を ステアップ(1990)(表1)の方法に従って検定した。グリコーゲン含有ポリア クリルアミドゲルで酵素のイソ体を電気泳動分離後に、合成時の酵素活性および 総タンパク質量を比較した(図7)。グルコース−1−ホスフェートおよびデン プンプライマーとともにインキュベートした後、ゲルのイオジン染色により塊茎 L−タイプおよびH−タイプイソ体によるデンプンの合成量を測定した(Steup,1 990)。同様の、インキュベートしていないネイティブゲルからニトロセルロース へタンパク質をブロッティングし、塊茎タイプLおよびタイプHグルカンホスホ リラーゼイソ体に特異的なポリクローナル抗体をプローブとしてウェスタン分析 を実施した。塊茎組織中の還元糖(グルコースおよびフルクトース)のレベルを HPLCにより定量化した(表2,3および4)。塊茎中の還元糖濃度に比例す るメイラード反応の程度を、揚げ加工後にチップスコアを測定することで検査し た。 10.定義 明細書および請求項で使用する言葉: ”約3カ月”、”約4カ月”および”約6カ月”とは、それぞれ3カ月プラスマ イナス2週間の期間、4カ月プラスマイナス2週間の期間、6カ月プラスマイナ ス2週間の期間を示す; ”アンチセンス方向”とは自然誘起的な方向と反対の方向で発現カセットに挿 入された、構造遺伝子の核酸配列の方向を示す。配列が2本鎖であった場合には 、自然誘起的な方向において鋳型鎖であったものがコード鎖となり、逆もまた同 様である; 塊茎の”チップスコア”とは、205F°の大豆油中で、泡立ちがおさまるま で約3分間揚げたセンターカットのポテト片をAgtron model E− 15−FP直読短縮分光光度計(Direct Reading Abridged Spectrometer,Agtr on Inc.1095 Spice Island Drive # 100,sparks Nevada 89431)で記録した 反射測定値を意味する; ”低温貯蔵”および”低下させた温度での貯蔵”またはそれに類似の表現は、 10℃を下回る温度での貯蔵を意味し、この温度は冷却行為または周辺の温度に より獲得できる; ”内在性”は、ポテト植物のαグルカンホスホリラーゼ遺伝子に言及する際に 使用されるが、αグルカンホスホリラーゼ遺伝子由来DNA配列を保持する発現 カセットを導入する以前からポテト植物のゲノム中に存在した自然発生的遺伝子 を意味する; ”発現”は構造遺伝子の転写および翻訳、すなわちタンパクが合成されること を示す; ”異種配列”または”異種発現カセット”は外来種を起源としたものであり、 同種から得られた場合でも、原型から根本的に改変していることを示す; ”低温−貯蔵特性の向上”は、これらに限定はしないが、チップスコアの向上 および収穫時または10℃ を下回る温度での貯蔵期間後に測定される塊茎中の糖の蓄積量の減少、さらに、 これに限定するのではないが、ポテトの貯蔵期間の長期化、ポテトの呼吸および 発芽抑制による休眠期間の延長、病気の発現低下などの、従来よりも低温でポテ トを貯蔵することで得られた向上点、利点および利益を意味する。特別な測定ま たは試験でより詳しい評価を行わずとも、低温−貯蔵特性の向上は、野生株また は非修飾ポテト植物のようなコントロールと、記載の特性を比較した場合の差で 確認できる; ”修飾”またはその類似表現をポテト植物および塊茎の記載に用いるが:セン スまたはアンチセンス方向のいずれかで、組み替えDNA技術または修飾構造配 列や調節配列の導入を含む従来の交雑種法のいずれかを用い、同種または異種由 来ヌクレオチド配列を導入する方法;部位特異的突然変異誘発またはその他の方 法でネイティブのヌクレオチド配列を修飾する方法;または化学薬品やプロテイ ンインヒビターでポテトを処理する方法を通じて、本来の状態を変化させたポテ ト植物および塊茎を区別するために使用する。”未修飾”ポテト植物および塊茎 はコントロール、すなわち野生株または前記のような修飾をうけていない本来の ポテト植物または塊茎を意味する。 ”核酸配列”または”核酸分節”は、5’から3’末端へ向けて解読されるデ オキシリボヌクレオチドま たはリボヌクレオチド塩基の1本鎖または2本鎖ポリマーを示す。これは、両自 己複製プラスミド、すなわちDNAまたはRNAの感染型ポリマーおよび非機能 型DNAまたはRNAを含む; ”使用可能に連結した”とは、プロモーターと2次配列間の機能的連結を示し 、プロモーターは、2次配列に対応してRNAの転写を開始する; ”植物”とは植物全体、植物小器官(例:葉、茎、根等)、種子および植物細 胞を含む; ”プロモーター”とは、構造遺伝子より上流のDNA領域を指し、RNAポリ メラーゼおよび転写開始にかかわる他のタンパク質を認識し結合する。”植物プ ロモーター”とは、植物細胞内で転写を開始することが可能なプロモーターであ る。 ”活性低下”またはその類似表現を、GLTPまたはGHTP酵素活性の低下 を含む、ポテト塊茎中のGLTPまたはGHTPの酵素活性レベルに言及する際 に使用するが、この結果、GLTPまたはGHTP遺伝子産物の発現低下、GL TPまたはGHTP酵素の基質親和性低下、およびGLTPまたはGHTPの触 媒活性の低下が起こる。 ”ストレス”またはその類似表現を、ポテト植物または塊茎が経験するストレ スに関連して使用するが、植物または塊茎の質に影響を与える環境、生産力、湿 度、温度、取り扱い、病気、大気および老化の影響を 意味し、ポテト植物ではその生活サイクルの全ステージを通して、塊茎では増殖 および発育サイクル、続く収穫、運搬、貯蔵および加工過程の全ステージでスト レスを経験する。 ”ストレス耐性”またはその類似表現に関し、温度、老化、病気、大気、物理 的取り扱い、湿度、残留化学薬品、環境、害虫およびその他のストレスの影響の 減少を意味する。 ”好適な宿主”とは、組み替えプラスミド、DNA配列、または組み替え発現 カセットに適合し、プラスミドの複製、ゲノムへの挿入、または発現を可能にす る微生物または細胞を示す。 ”連続した”とは、介在配列、すなわち非翻訳配列が欠失した読みとり枠から なるDNA配列を示す(例えばcDNA)。 実施例1 この実施例は、アンチセンス方向でプロモーターに連結したGLTPおよびG HTP遺伝子配列由来のDNA配列を含有する発現カセットで形質転換したポテ ト植物の塊茎中のGHTPおよび/またはGHTP活性の低下について記載する 。 A.ポテト塊茎mRNAの単離 加圧滅菌試薬を用い、乳鉢と乳棒で液体窒素下に微分末に粉砕した塊茎組織1 gから、4℃でポテトの全RNAを精製した。粉末を30mlコレックスチュー ブ(corex tube)に移し、0.2%(W/V)SDSおよび0.5%(V/V)2− メルカプトエタノールを含む100mMTris−Cl、pH8.0、100m MNaCl、および10mMEDTA(10xTNE)3容量を添加した。フェ ノール−クロロホルム(1:1)を等量添加し、SS34ローターで8,000 rpm、4℃で5分間遠心する前に、サンプルをゆるくボルテックスにかける。 有機相を0.2%(W/V)SDSおよび0.5%(V/V)2−メルカプトエタ ノールを含む10xTNE0.5容量で再抽出し、合した水相をクロロホルムで 抽出した。核酸を酢酸ナトリウムおよび無水エタノールで水相から沈澱させ、遠 心によりペレット化し、1xTNE3ml中に再懸濁した。5MLiClを等量 添加し、SS34ローターで8,000rpm、4℃で10分間遠心する前に、 サンプルを−20℃で4時間保存した。RNAペレットを70%エタノールで洗 浄し、乾燥し、DEPC−処理水中に再懸濁した。 ポリ(A+)RNAをオリゴ(dT)セルロース(ベーリンガーマンハイム) カラムクロマトグラフィーにより単離した。ポリ(A+)RNAをRNAseフ リーの水中に再懸濁した全RNAより単離した。カラムを、加圧滅菌したバイオ −ラッドポリ−プレップ10mlカラムを用いて、これに20mMTris−C l、pH7.4、0.1MNaCl、1mMEDTA、およ び0.1%(W/V)SDSを含有するローディングバッファーB1ml中に懸 濁したオリゴ(dT)セルロース50mgを添加することにより製造した。カラ ムを5mMEDTAを含む0.1MNaOH3容量で洗浄し、pH試験紙による 測定で流液のpHが8を下回るまでDEPT−処理水で洗浄した。次に、カラム を40mMTris−Cl、pH7.4、1MNaCl、1mMEDTA、およ び0.1%(W/V)SDSを含むローディングバッファーA5容量で洗浄した 。 RNAサンプルを65℃で5分間加熱したが、その際予め65℃に加熱してお いたローディングバッファーA400μlを添加した。サンプルを混合し、カラ ムに通す前に室温で2分間冷ました。溶出液を集め、65℃で5分間加熱し、室 温で2分間冷却し、再度カラムに通した。続いて、ローディングバッファーA5 容量およびローディングバッファーB4容量で洗浄した。ポリ(A+)RNAを 10mMTris−Cl、pH7.4、1mMEDTA、および0.05%(W/ V)SDS3容量で溶出した。フラクションを集め、RNAを含有するこれらの フラクションをエチジウムブロマイドプレート分析、すなわちエチジウムブロマ イド含有TAEで作製した1%アガロースのペトリ皿、により同定した。RNA を沈澱させ、10μl中に再懸濁し、アリコート1μlを分光計で定量化した。 B.GLTPおよびGHTP配列の単離 アンチセンス構造の開発に利用するヌクレオチド配列をGLTP(SEQ I D NO:1)およびGHTP(SEQ ID NO:3)の5’配列より任意 に選択した。アンチセンス構造の開発に利用するDNA配列を逆転写−PCRに より獲得した。GLTP(SPL1およびSPL2)−特異プライマーおよびG HTP(SPH1およびSPH2)−特異プライマーを公知の配列(Brisson等1 990、Fukui等1991)に従い、酵素による制限を促進するためにわずかな修飾を加 えて設計した: 逆転写を1xPCRバッファー(10mMTris−ClpH8.2、50m MKCl、0.001%ゼラチン、1.5mMMgCl2)、各dNTP670μ M、全ポテト塊茎cv.ルセットバーバンク(Russet Burbank)RNA6μg、各 プライマー1mM(SPH1およびSPL2、またはSPH1およびSPH2) およびマロニー(Maloney)マウス白血病ウイルス逆転写酵素(BRL)200U を含有する15μl容量中で 実施した。この反応は37℃で30分に設定され、次に94℃で5分間ヒートブ ロック(heat−killed)し、速やかに氷上で冷却した。逆転写反応液に、TaqD NAポリメラーゼ(BRL)2.5Uを含む1xPCRバッファー35μl溶液 を添加した。DNA複製を、94℃で1分間の変性段階を30サイクル、56℃ で1分間(SPL1およびSPL2)または58℃で1分間(SPH1およびS PH2)のアニーリング段階、および72℃で2分間の伸長段階にプログラムし たペルキンエルマー(Perkin Elmer)480中で実施した。PCRは72℃で10 分間の最終伸長を行い終了した。 C.ホスホリラーゼ阻害のためのSPベクターの構築 植物細胞内にアンチセンス構造を発現するためには、適当な植物の調節領域へ 遺伝子を融和させる必要がある。このことは要求の配列を含むプラスミドベクタ ー中へアンチセンスDNAをクローニングすることにより達成される。 複製DNAは平滑末端であり、SmaI部位でpUC19ベクター中へクロー ニングされた。組み替えプラスミドをサブクローニングに有効な大腸菌DH5α 細胞(BRL)へ導入した。形質転換細胞を、アンピシリン100μg/ml含 有LB(15g/lバクトチプトン、5g/l酵母抽出液、10g/lNaCl 、pH7.3を1.5%のアガーで凝固させる)プレー ト上に載せる。挿入した植物ホスホリラーゼ配列を含むプラスミド含有バクテリ アの選択は、色選択により実施された。ポリリンカーおよびT3RNAおよびT 7RNAポリメラーゼプロモーター配列は、lacZ遺伝子断片のN−末端部に 存在する。ポリリンカー中に挿入のないpUC19プラスミドは、DH5aのよ うな適当な細菌株中でブルーコロニーとして増殖する。色選択は、形質転換体を プレートに載せる30分前に、アンピシリン50μg/mlを含有するLBプレ ート上に2%X−gal100μl(ジメチルホルムアミド中で合成)を塗布するこ とで実施された。挿入のないプラスミド含有コロニーは、37℃で12〜18時 間インキュベーションした後に青くなり、挿入のあるプラスミドは白いままであ る。ホスホリラーゼ挿入配列の確認のために、単離プラスミドのシークエンスを 実施した。シークエンスは、ABIプリズムダイターミネーターサイクルシーク エンシングコアキット(Prism Dye Terminal Cycle Sequencing Core Kit)(Bio systems適用、Foster City,CA)、M13ユニバーサルおよびリバースプライマ ー、およびABI自動化DNAシークエンサーを用いて測定した。一晩培養体5 mlから、高速アルカリ抽出法により操作プラスミドを精製した(Birn boinお よびDoly,1979)。SPLおよびSPH断片のpUC19中の方向を制限酵素に よる切断で決定した。組み替えpUC19ベクターおよび バイナリーベクターpBI121(Clonetech)を制限し、アガロースゲル上に流 し、ツリング(Thuring)等記載(1975)のゲル分離法により断片を精製した。 連結反応によりアンチセンス配列をバイナリーベクターpBI121へ融合し た。連結体には、BamHIおよびSacIで切断されたpBI121ベクター の他に、BamHIおよびSacIでpUCサブクローンから切り出したSPL またはSPHホスホリラーゼDNA産物が含まれた。連結DNAをSCE大腸菌 DH5α細胞に導入し、形質転換細胞をアンピシリン含有LBプレート上に載せ た。アンチセンスDNAのSPLおよびSPHヌクレオチド配列は、それぞれS EQ ID NO:1の338〜993ヌクレオチドおよびSEQ ID NO :3の147〜799ヌクレオチドである。ホスホリラーゼを挿入したpBI1 21の選択をCAMVおよびNOS特異的プライマーで実施した。 塊茎L−タイプおよび塊茎H−タイプホスホリラーゼDNA断片を表すサンプ ル1および2を一晩の増殖の後にプレートから採取した。これらのサンプルをL B培地5ml中に植え付け、37℃で一晩増殖させた。プラスミドを高速アルカ リ抽出法で単離し、DNAをAgrobacterium tumefaciens中へ電気穿孔した。 構造体をCaMV35Sプロモーター配列(Kay等,1987)およびNOS3’タ ーミネーター配列(Bevan 等,1983)を含むpBI12lベクター中へ組み込んだ。pBI121プラスミド を、次に挙げる非常に特徴的なDNA分節により完成させた。バクテリアのスペ クチノマイシン/ストレプトマイシン(Spc/Str)耐性をコードし、大腸 菌およびAgrobacterium tumefaciens(Fling等,1985)の選択決定因子となるトラ ンスポゾンTn7から、0.93kbの断片を単離した。これを、形質転換組織 の選択を可能にする植物を発現させるよう操作した、キメラカナマイシン耐性遺 伝子へと接合した。このキメラ遺伝子は、カリフラワーモザイクウイルス35S プロモーター(P−35S)(Odell等,1985)0.35kb、ネオマイシンホス ホトランスフェラーゼタイプII遺伝子(NTPII)0.83kbおよびノパ リンシンターゼ遺伝子の3’非翻訳領域(NOS3’)(Fraley等,1983)を含 む。次の分節は、RK2プラスミド由来の複製起点0.75kb(ori−V) (Stalker等,1981)である。これを、大腸菌中に維持するための複製起点(ori −322)およびAgrobacterium tumefaciens細胞中への接合移入のためのbomサ イトを提供するpBR322のSalIからPvuIの3.1kbの分節へと接 合する。その次は、ノパリン−タイプT−DNAの右側の境界領域を含むpTi T37プラスミド由来のPvuI断片0.36kbである(Fraley等,1985)。ア ンチセンス配列を構成性組織非−特異的プロモーターの制御下に遺 伝子導入することにより、塊茎での発現を操作した。 D.植物の形質転換/再生 SPLおよびSPHベクターをブロック(Block)等(1988)の方法に従いデジ リーポテト栽培種へ導入した。”デジリー”ポテトへの導入のために”デジリー ”ポテトを、S1(2%スクロースおよび0.5g/lMESpH5.7を添加し 6g/lフィトアガーで凝固させたMS培地(Murashige Skoog培地))8ml を入れた試験管で無菌茎頂培養した。苗木が約5cmの長さに到達した時、葉部 分を付け根に沿って一枚づつ切り取りAgrobacterium tumefaciensの一晩培養体 1:10希釈液に接種した。茎外植体をS1培地上で20℃で2日間共培養した (De Block 1998)。共培養に続き、外植体をS4培地(スクロースを除き、0.5 g/lMESpH5.7、200mg/lグルタミン、0.5g/lPVP、20 g/lマンニトール、20g/lグルコース、40mg/lアデニン、1mg/ lトランスゼアチン、0.1mg/lNAA、1g/lカルベニシリン、50m g/lカナマイシンを添加し、6g/lフィトアガーで凝固させたMS培地)へ 1週間移動し、さらにカルス形成を誘導するため2週間培養した。 3週間後、外植体をS6培地(NAAを除き、カルベニシリン濃度を半分(5 00mg/l)にしたS4培地)へ移動した。さらに2週間後、外植体を発芽形 成促進のためにS8培地(250mg/lだけのカルベニシリン、0.01mg /lギベレリン酸、GA3を含むS6)へ移動した。S8発芽誘導培地へ移動後 約2週間で、発芽が開始した。発芽体を切り取り、根付けのためにS1培地の入 ったバイアルへ移動した。根付け用の培地で約6週間増殖した後、植物を土壌へ 移し、徐々に強くした。 培地で再生したデジリー植物を1ガロンのポットに移植し、温室条件下に成熟 するまで育成した。塊茎を収穫し、室温で2日間コルク化させた。2cm以上の 長さの塊茎を全て集め、高湿度下に4℃で貯蔵した。 E.フィールド試験 未修飾のコントロール、SPL構造を発現した植物、およびSPH構造を発現 した植物を単複製ランダム設計により実地試験で増殖させた。全ての植物を同一 の土地に共存させて育成し、同種類の殺虫剤、化学肥料、および潅概設備に曝露 した。塊茎を収穫し、それぞれの株からランダムに選択した塊茎を4℃の貯蔵に 移行する前に10℃で2週間貯蔵した。 F.糖分析 塊茎を4℃で貯蔵し、糖分析前に室温状態に復帰することのないようにした。 傷のない縦切り片(厚さ1cm、幅は塊茎の外側寸法に等しくまちまちである) を各塊茎の中心部分から切り出したが、これにより全塊茎組織を表すものとする 。それぞれの収穫時に、ク ローン(3複製)につき4個の塊茎の中心片を、1cm角の賽の目に共通にして 切り、集めた組織から15gを分析用としてランダムに選択した。グルカンホス ホリラーゼ(下記参照)および糖を、2mM亜硫酸ナトリウム、2mM EDT A、0.5mMPMSFおよび10%(W/W)グリセロールを含むTrisバ ッファー(50mM、pH7.0)15mlで、ポリトロンホモジナイザーを用 い、4℃で抽出した。抽出液を4℃で遠心(30,000g、30分)し、屈折 率検出器を接続した分光物理高性能液体クロマトグラフにより、還元糖(グルコ ースおよびフルクトース)を10倍希釈した上清で測定した。分離は80℃で3 0x0.78cmのアミネックスHPX87C(Aminex HPX 87C)カラム(Biorad) を使用し、移動層に水0.6ml/minを用いて実施した。装置の検量線はd −グルコースおよびd−フルクトースの確かな標準液で作製した。 G.d−グルカンホスホリラーゼ活性の分析 4℃で貯蔵した塊茎は、抽出やαグルカンホスホリラーゼ活性分析およびアイ ソザイム分析の前に温まらないようにした。加リン酸分解方向でのグルカンホス ホリラーゼのin vitro活性はステアップ記載の方法(1990)により検定 した。簡単に説明すると、糖分析で得た抽出サンプル(前記参照)を、ホスホグ ルコムターゼおよびグルコース−6−ホスフェートデ ヒドロゲナーゼの連続作用を介するNADPの還元にデンプン加リン酸分解を組 み合わせた反応培地へ添加した。反応中のNADPの還元率は、基質デンプン由 来のグルコース−1−ホスフェートの生成率と化学量論的関係を有する。NAD Pの還元を、バリアンカリーダブルビーム分光光度計(Varian Carydouble−bea m spectrophotometer)の340nmで測定した。抽出液中のタンパク質レベル をブラッドフォード(Brad ford)の方法(1976)に従って測定した。 グルカンホスホリラーゼ活性ゲル法をステアップの方法(1990)に忠実に従っ て実施した。タンパク質はグリコーゲンを1.5%含有するネイティブポリアク リルアミドゲル(8.5%)上で分離した。続いて80Vで15時間(4℃)電 気泳動し、ゲルを、20mMグルコース−1−Pおよび0.05%(W/V)加 水分解ポテトデンプンを含む0.1Mクエン酸−NaOHバッファー(pH6.0) 中37℃でインキュベートした(1〜2時間)。次いでゲルを洗浄し、イオジン 溶液で染色した。ウェスタンブロット分析用に、前記のようにしてグリコーゲン 含有ポリアクリルアミドゲルを用いてタンパク質を電気泳動した。このタンパク 質をニトロセルロースへ電気ブロットし、このブロットをGHTPおよびGLT Pに対するポリクローナル抗体で検出した。免疫ブロット法はアルカリホスファ ターゼ結合抗−ウサギ二次抗体(Sigma)を用いて実施し た。 H.チップの色測定 GLTPアンチセンス配列を発現した5種類のトランスジェニックポテト株、 GHTPアンチセンス配列を発現した2種類のトランスジェニック株、非−トラ ンスジェニックデジリーコントロール株、およびpBI121ベクターT−DN Aで形質転換した2種類のコントロール株を、カナダのアルベルタで野外条件下 に育成した。塊茎を収穫し、10℃または4℃で貯蔵した。各株の代表サンプル の中心を切り、華氏205度の大豆油中で約3分間、泡立ちがおさまるまで揚げ 、全種ポテト株のチップの色を測定した。 I.結果 全ての塊茎は同一栽培株(デジリー種)、同年齢、同一生育条件下に共存させ て育成した植物から収穫した。塊茎のノーザン分析により、相同アンチセンス転 写産物を発現したトランスジェニック植物中で内在性GLTP転写産物量が顕著 に低下することが見出された(図7)。グルカンホスホリラーゼ分析では、GL TPアンチセンスDNAを発現したトランスジェニックポテトにおける収穫時お よび収穫後少なくとも6カ月で活性(μモルNADPHmg-1タンパクh-1)が 低下することが見出された(表1)。表1に表記された結果は、4℃で189日 間貯蔵した塊茎におけるαグルカンホスホリラーゼ活性が、野生株コントロー ル株と比較して、各形質転換ポテト変種で約16〜70%低下していることを示 している。活性ゲルおよびウェスタンブロット分析により、相同酵素発現の特異 的な低下および異種酵素のよりわずかな低下が見出された(図10および図11 )。この相同産物への特異性は、ホスホリラーゼ間の違いから来るものと考えら れる(図6Aおよび図6B)。 収穫時(0日)の塊茎の分析により、アンチセンスGLTP転写産物を発現し た場合にはコントロールの塊茎と比較して還元糖が5分の1程度になることが見 出された(表2)。さらに4℃で91日間の貯蔵後では、形質転換した塊茎は野 生株コントロール種と比較して還元糖濃度が28〜39%低下した。グルコース およびフルクトース濃度が、アンチセンスGLTP転写産物を発現した塊茎で顕 著に低下した(図3および図4)。これらの結果から、コントロールの塊茎では 糖が引き続き蓄積されるのに対し、GLTP活性が低下すると、塊茎におけるデ ンプンの還元糖への代謝が遅延することが示唆された。ホスホリラーゼの全活性 および還元糖濃度間の相関関係は直接なものではなく、デンプンの代謝に、ホス ホリラーゼの特定のアイソザイムがより重要な役割を果たすこと、特定のホスホ リラーゼアイソザイムの発現が特異的レベルに低下すると他と比べてより有効に 働くこと、および/または還元糖レベルの低下に関わる確認できていない相互作 用があることが示唆される。 アンチセンスGLTPまたはアンチセンスGHTP転写産物を発現したトラン スジェニックポテト植物を野外条件下に育成し、その塊茎を4℃で貯蔵した。糖 の含有量と相関関係を示すチップの色を、低温貯蔵前および低温貯蔵開始後86 日および124日で測定した。アンチセンスGLTP転写産物を発現した全ての トランスジェニック植物由来の塊茎のチップの色は、同一条件下に貯蔵したコン トロールの塊茎(より暗い)と比較して顕著に向上した(より明るい)(表5お よび図9)。GLTP転写産物を発現した”デジリー”ポテト植物由来の塊茎の チップスコアをアグトロンモデルE−15−FP直読短縮分光光度計(Agtron mo del E−15−FP Direct Reading Abridged Spectrophotometer)(Agtron Inc.1095 Spice Island Drive #100、Sparkes Nevada 89431)で測定したところ、10℃ および4℃で86日間貯蔵した場合に、それぞれ少なくとも4.3および8.9ポ イントの向上が見られた。4℃で124日間貯蔵後に測定したGLTP形質転換 体のチップスコアは野生株と比較して44%〜89%向上した(表5)。 デジリー栽培株はチップ加工するとして、そこに自然に含有される高濃度の糖 および低温貯蔵により速やかに増甘する性質ゆえに、商業的に好ましくないポテ ト種である。にもかかわらず、形質転換”デジリー” ポテトにおいて、揚げたチップの色が著しく改良された。本発明の方法を商業加 工用ポテト変種に適用すると、有利な色の明色化が期待できる。 10℃および4℃で貯蔵した塊茎の分析において、アンチセンスGHTP転写 産物を発現した形質転換体が、時折コントロール塊茎よりも明色に揚がるチップ を提供するが、これは還元糖の蓄積がより低いことを示す(表5)。異種および 相同ホスホリラーゼ活性の低下(図10および図11)の結果は、これらの向上 が1種または両種塊茎ホスホリラーゼの低下により誘導されたことを示す。しか し、これらの結果はL−タイプホスホリラーゼがデンプンを還元糖に代謝する際 により重要な役割を果たすことを示唆している。 さらにこの結果は、野生株植物の塊茎および塊茎ホスホリラーゼアンチセンス RNAを発現した塊茎間の還元糖レベル(表2)およびチップスコア(表5)の 相違が長期貯蔵期間中で維持されることを示す。表5が示すように、チップスコ アは86日および124日でほぼ同値である。4℃での49日および91日の貯 蔵では還元糖含有量の一層の増加は確かに認められなかった(表2)。糖の含有 量の均衡はおそらく塊茎ホスホリラーゼの動力学と関連がある。より低い糖レベ ルを維持する能力があれば、少なくとも数カ月、貯蔵期間を延長することが可能 である。現在加工用ポテトは、通常、糖の蓄積量が質の低下を招くまでの最高3 〜6カ月間10℃〜12℃で貯蔵される。生の生産物はポテトの利用される季節 までに輸入しなくてはならない。ポテトの貯蔵期間の延長が長期であるほど、輸 入費用は軽減される。 表6は、非形質転換コントロール植物と比較した、GLTP遺伝子配列由来ア ンチセンスDNAで形質転換したポテト植物(ATL3〜ATL9),GHTP 遺伝子配列由来アンチセンスDNAで形質転換したポテト植物(ATH1および ATH2)の低温−貯蔵特性の様々な向上点についてその向上を割合にし、総括 して提供している。塊茎における低温−貯蔵特性の実質的な向上は、本発明の方 法を通じて普遍的に獲得できることが、表6に総括された結果より明らかである 。特筆すべきは、4℃で約4カ月(124日)の貯蔵後に野生株と比較して測定 したチップスコアの上昇率である。野生株と比較して、比較チップスコアの上昇 は89%まで観察された。チップスコアの上昇は、本発明の商業利点に影響する 。すなわち、低温−誘発性の甘味増加の減少により、ポテト揚げ物製品の不適当 な黒ずみを引き起こさずに塊茎をより低温で貯蔵することが可能になる。 収穫期、貯蔵後91日のいずれでも、野生株と比較して形質転換ポテト株の糖 の蓄積が減少したことは、本発明の利点を顕著に表すものである。糖蓄積の減少 は、観察されたチップスコアの上昇と関連し、塊茎の 比重の向上、その他の塊茎の質の重要な商業利点にもまた影響を及ぼす。 収穫時でさえ、チップスコアおよび糖蓄積の減少における本質的な向上は野生 株と比較して形質転換株で顕著であった。つまり、本発明の利点は、低温保存の 延長期間後にのみにその向上が限定されるのではなく、収穫時でも認められるの である。ある意味で、本発明は低温−貯蔵特性の向上に限定されるのではなく、 収穫時のチップスコアまたは糖蓄積などの塊茎の質の特性向上をも包括しており 、早期成熟を誘起する。 特徴的な向上を総括した表6を参照すると、GLTPタイプの形質転換体(A TL3〜ATL9)では、収穫時、貯蔵後91日および189日において、野生 株と比較してαグルカンホスホリラーゼ活性がそれぞれ66%、70%、および 69%まで減少している。 大部分では、収穫時、貯蔵後91日および189日において野生株と比較して1 0%から30%以上の向上が認められた。GHTP−タイプ形質転換体(ATH 1およびATH2)では、貯蔵後91日および189日において、野生株と比較 してそれぞれ28%および39%までの向上が認められ、全体的にも最低10% の向上が見出された。 GLTP−タイプ形質転換体では、収穫時および91日後において、それぞれ 80%および39%までの糖蓄積の減少が認められた。収穫時、全GLTP−タ イプ形質転換体で相対的に少なくとも10%および少なくとも30%の向上が認 められた。91日後では、全GLTP−タイプ形質転換体で相対的に少なくとも 10%、および大部分で少なくとも30%の向上が認められた。 GLTP−タイプ形質転換体では、収穫時、貯蔵後86日および124日で野 生株と比較して、チップスコアがそれぞれ46%、89%および89%まで向上 した。ほとんど全てで、収穫時および貯蔵後86日と124日において、相対的 に少なくとも10%および30%向上した。GHTP−タイプ形質転換体の少な くともひとつで、収穫時、および貯蔵後86日および124日において、少なく とも5%および少なくとも10%野生株に比較して向上した。貯蔵後124日で は、GHTP−タイプ形質転換体の少なくともひとつでチップスコアが相対的に 25%向上した。 この結果は、塊茎の低温−貯蔵特性の本質的向上が本発明の方法により速やか に獲得できることを明白に示すものである。結果は、多くの要因の中でも、植物 ゲノムへ組み替えアンチセンスまたはセンスDNAを挿入した位置、挿入操作の 回数により変化する。特筆すべきは、多種形質転換株の結果が変化に富むにもか かわらず、一種形質転換ポテト株から得たサンプルの結果には変化が殆ど認めら れないことである(表1〜5の説明書き参照)。GHTPまたはGLTPのアン チセンスDNAを巧く導入したポテト全植物株の結果を表6に示す。ここで示さ れるように、全ての形質転換体が、チップスコアの上昇(調理時の明色化)およ び糖蓄積の減少のような低温−貯蔵特性の少なくとも1つ以上の向上点を有し、 大部分において非常に優れて向上を示すことが分かる。実施例において、正の形 質転換体が得られた割合が大きかったので、実施例に記載の低温−貯蔵測定のた めの試験方法を適用し、本発明の方法により形質転換したポテト植物を速やかに スクリーニングし、低温−貯蔵特性が優れて向上した形質転換株を同定すること ができると期待される。商業的に重要なポテト変種に記載の技術を応用すること により、低温−貯蔵特性が優れて向上した形質転換体を速やかに産出し、選択す ることが可能になるであろう。野生株コントロールと比較して優れた向上を示す 形質転換体を新規商業ポテト変種の開発に利用できる。 明細書中に記載した全ての刊行物は、本発明が関与する従来技術のレベルを示 す。ここに記載する全ての刊行物は、それぞれが特別に、かつ個別にして記載さ れているのと同じである。より明確に理解する目的で、図および実施例を通して 本発明の詳細を記載したが、特定の変更および改変は、従属請求項の範囲内で実 施されうるものであることは明らかである。
【手続補正書】 【提出日】平成11年9月22日(1999.9.22) 【補正内容】 請求の範囲 1.未修飾のポテト植物が産生する塊茎と比較して、植物の産生する塊茎中の αグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GLTP)およびαグルカンH−タ イプ塊茎ホスホリラーゼ(GHTP)から成る群より選択されたαグルカンホス ホリラーゼ酵素の活性が低下した修飾ポテト植物であることを特徴とする、向上 した塊茎低温−貯蔵特性を有するポテト植物。 2.植物における転写時に、GLTP遺伝子およびGHTP遺伝子から成る群 より選択される内因性αグルカンホスホリラーゼ遺伝子の発現を抑制するDNA 配列へ使用可能に結合した植物プロモーター配列を有する発現カセットにより形 質転換した請求項1記載のポテト植物。 3.αグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GLTP)およびαグルカン H−タイプ塊基ホスホリラーゼ(GHTP)から成る群より選択されるαグルカ ンホスホリラーゼをコードする遺伝子を少なくとも20ヌクレオチド含有するD NA配列へ使用可能に結合した植物プロモーター配列を有する発現カセットによ り形質転換したポテト植物であることを特徴とする、向上した低温−貯蔵特性を 有するポテト植物。 4.コードされたαグルカンホスホリラーゼがGLTPである、請求項3記載 のポテト植物。 5.コードされたαグルカンホスホリラーゼがGHTPである、請求項3記載 のポテト植物。 6.コードされたαグルカンホスホリラーゼが、SEQ ID NO:2記載 のアミノ酸配列から成る、請求項3記載のポテト植物。 7.DNA配列が、SEQ ID NO:1記載のαグルカンホスホリラーゼ をコードする遺伝子の少なくとも20ヌクレオチドを含む、請求項3記載のポテ ト植物。 8.コードされたαグルカンホスホリラーゼが、SEQ ID NO:4記載 のアミノ酸配列から成る、請求項3記載のポテト植物。 9.DNA配列が、SEQ ID NO:3記載のαグルカンホスホリラーゼ をコードする遺伝子の少なくとも20ヌクレオチドを含む、請求項3記載のポテ ト植物。 10.DNA配列がSEQ ID NO:1の338〜993ヌクレオチドか ら成る、請求項3記載のポテト植物。 11.DNA配列がSEQ ID NO:3の147〜799ヌクレオチドか ら成る、請求項3記載のポテト植物。 12.DNA配列がアンチセンス方向でプロモーター配列へ結合した、請求項2から11 までのいずれか一項記載のポテト植物。 13.収穫時に測定した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総濃度 が、収穫時に測定した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの 総濃度よりも、少なくとも10%低下している、請求項4記載のポテト植物。 14.収穫時に測定した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総濃度 が、収穫時に測定した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの 総濃度よりも、少なくとも30%低下している、請求項4記載のポテト植物。 15.収穫時に測定した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総濃度 が、収穫時に測定した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの 総濃度よりも、少なくとも80%低下している、請求項4記載のポテト植物。 16.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの 総濃度が、同一条件下に貯蔵した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフル クトースの総濃度よりも、少なくとも10%低下している、請求項4記載のポテ ト植物。 17.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの 総濃度が、同一条件下に貯蔵した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフル クトースの総濃度よりも、少なくとも30%低下している、請求項4記載のポテ ト植物。 18.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの 総濃度が、同一条件下に貯蔵した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフル クトースの総濃度よりも、少なくとも39%低下している、請求項4記載のポテ ト植物。19.収穫時の植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルmg-1タンパク 質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、収穫時に測定した 非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よりも、少なくとも1 0%低下している、請求項4記載のポテト植物。 20.収穫時の植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルmg-1タンパク 質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、収穫時に測定した 非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よりも、少なくとも3 0%低下している、請求項4記載のポテト植物。 21.収穫時の植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルmg-1タンパク 質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、収穫時に測定した 非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よりも、少なくとも6 6%低下している、請求項4記載のポテト植物。 22.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモル mg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同 一条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よ りも、少なくとも10%低下している、請求項4記載のポテト植物。 23.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモル mg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同 一条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よ りも、少なくとも30%低下している、請求項4記載のポテト植物。 24.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモル mg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同 一条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よ りも、少なくとも70%低下している、請求項4記載のポテト植物。 25.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモル mg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同 一条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よ りも、少なくとも10%低下している、請求項5記載のポテト植物。 26.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモル mg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同 一条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よ りも、少なくとも28%低下している、請求項5記載のポテト植物。 27.4℃で約6カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモル mg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同 一条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よ りも、少なくとも10%低下している、請求項4記載のポテト植物。 28.4℃で約6カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモル mg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同 一条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よ りも、少なくとも30%低下している、請求項4記載のポテト植物。 29.4℃で約6カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモル mg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同 一条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よ りも、少なくとも69%低下している、請求項4記載のポテト植物。 30.4℃で約6カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモル mg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同 一条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よ りも、少なくとも10%低下している、請求項5記載のポテト植物。 31.4℃で約6カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモル mg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同 一条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よ りも、少なくとも39%低下している、請求項5記載のポテト植物。 32.収穫時に測定した植物塊茎のチップスコアが、収穫時に測定した非形質 転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項4記載のポ テト植物。 33.収穫時に測定した植物塊茎のチップスコアが、収穫時に測定した非形質 転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも30%上昇した、請求項4記載の ポテト植物。34.収穫時に測定した植物塊茎のチップスコアが、収穫時に測定した非形質 転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも46%上昇した、請求項4記載の ポテト植物。 35.収穫時に測定した植物塊茎のチップスコアが、収穫時に測定した非形質 転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項5記載のポ テト植物。 36.収穫時に測定した植物塊茎のチップスコアが、収穫時に測定した非形質 転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも10%上昇した、請求項5記載の ポテト植物。 37.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵 した非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項 4記載のポテト植物。 38.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵 した非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも30%上昇した、請求 項4記載のポテト植物。 39.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵 した非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも89%上昇した、請求 項4記載のポテト植物。 40.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵 した非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項 5記載のポテト植物。 41.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵 した非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも10%上昇した、請求 項5記載のポテト植物。 42.4℃で約4カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵 した非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項 4記載のポテト植物。 43.4℃で約4カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵 した非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも30%上昇した、請求 項4記載のポテト植物。 44.4℃で約4カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵 した非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも89%上昇した、請求 項4記載のポテト植物。 45.4℃で約4カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵 した非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項 5記載のポテト植物。 46.4℃で約4カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵 した非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも25%上昇した、請求 項5記載のポテト植物。 47.aグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GLTP)およびαグルカ ンH−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GHTP)から成る群より選択されるαグル カンホスホリラーゼ酵素の塊茎中における活性レベルが低下するよう改変された ポテト植物を得ることを特徴とする、ポテト塊茎の低温−貯蔵特性を向上させる 方法。 48.植物における転写時にGLTP遺伝子およびGHTP遺伝子から成る群 より選択される内因性αグルカンホスホリラーゼ遺伝子の発現を抑制するDNA 配列へ使用可能に結合した植物プロモーター配列を有する発現カセットを、ポテ ト植物内に導入することから成る、請求項47記載の方法。 49.αグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GLTP)およびαグルカ ンH−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GHTP) から成る群より選択されるαグル カンホスホリラーゼをコードする遺伝子を少なくとも20ヌクレオチド含有する DNA配列へ使用可能に結合した植物プロモーター配列を有する発現カセットを 、ポテト植物内に導入することから成る、ポテト塊茎の低温−貯蔵特性を向上さ せる方法。 50.コードされたαグルカンホスホリラーゼがGLTPである、請求項49 記載の方法。 51.コードされたαグルカンホスホリラーゼがGHTPである、請求項49 記載の方法。52.コードされたαグルカンホスホリラーゼがSEQ ID NO:2記載 のアミノ酸配列から成る、請求項49記載の方法。 53.DNA配列がSEQ ID NO:1記載のαグルカンホスホリラーゼ をコードする遺伝子の少なくとも20ヌクレオチドを含む、請求項49記載の方 法。 54.コードされたαグルカンホスホリラーゼがSEQ ID NO:4記載 のアミノ酸配列から成る、請求項49記載の方法。 55.DNA配列がSEQ ID NO:3記載のαグルカンホスホリラーゼを コードする遺伝子の少なくとも20ヌクレオチドを含む、請求項49記載の方法 56.DNA配列がSEQ ID NO:1の338〜993ヌクレオチドか ら成る、請求項49記載の方法。 57.DNA配列がSEQ ID NO:3の147〜799ヌクレオチドか ら成る、請求項49記載の方法。 58.DNA配列がアンチセンス方向でプロモーター配列へ結合した、請求項48から57 までのいずれか一項記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZW (72)発明者 ダーモット ロボーグ リンチ カナダ国 ティー1ケー 3エヌ9 アル バータ レスブリッジ グレイシャー ア ヴェニュー サウス 3821 (72)発明者 ノーマン リチャード ノウレス カナダ国 ティー6エル 1ピー4 アル バータ エドモントン ヒルヴュー クレ セント 3507

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 未修飾のポテト植物が産生する塊茎と比較して、植物の産生する塊茎中の αグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GLTP)およびαグルカンH−タ イプ塊茎ホスホリラーゼ(GHTP)から成る群より選択されたαグルカンホス ホリラーゼ酵素の活性が低下した修飾ポテト植物であることを特徴とする、向上 した塊茎低温−貯蔵特性を有するポテト植物。 2. 植物における転写時に、GLTP遺伝子およびGHTP遺伝子から成る群 より選択される内因性αグルカンホスホリラーゼ遺伝子の発現を抑制するDNA 配列へ使用可能に結合した植物プロモーター配列を有する発現カセットにより形 質転換した請求項1記載のポテト植物。 3. αグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GLTP)およびαグルカン H−タイプホスホリラーゼ(GHTP)から成る群より選択されるαグルカンホ スホリラーゼをコードする遺伝子を少なくとも20ヌクレオチド含有するDNA 配列へ使用可能に結合した植物プロモーター配列を有する発現カセットにより形 質転換したポテト植物であることを特徴とする、向上した低温−貯蔵特性を有す るポテト植物。 4. コードされたαグルカンホスホリラーゼがGLTPである、請求項3記載 のポテト植物。 5. コードされたαグルカンホスホリラーゼがGHTPである、請求項3記載 のポテト植物。 6. DNA配列がSEQ ID NO:1の338〜993ヌクレオチドから 成る、請求項3記載のポテト植物。 7. DNA配列がSEQ ID NO:3の147〜799ヌクレオチドから 成る、請求項3記載のポテト植物。 8. DNA配列がアンチセンス方向でプロモーター配列へ結合した、請求項2 ,3,4,5,6または7のいずれか一項記載のポテト植物。 9. 収穫時に測定した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総濃度が 、収穫時に測定した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総 濃度よりも、少なくとも10%低下している、請求項4記載のポテト植物。 10.収穫時に測定した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総濃度が 、収穫時に測定した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総 濃度よりも、少なくとも30%低下している、請求項4記載のポテト植物。 11.収穫時に測定した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総濃度が 、収穫時に測定した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総 濃度よりも、少なくとも80%低下している、請求項 4記載のポテト植物。 12.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総 濃度が、同一条件下に貯蔵した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフルク トースの総濃度よりも、少なくとも10%低下している、請求項4記載のポテト 植物。 13.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総 濃度が、同一条件下に貯蔵した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフルク トースの総濃度よりも、少なくとも30%低下している、請求項4記載のポテト 植物。 14.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中のグルコースおよびフルクトースの総 濃度が、同一条件下に貯蔵した非形質転換植物塊茎中のグルコースおよびフルク トースの総濃度よりも、少なくとも39%低下している、請求項4記載のポテト 植物。 15.収穫時の植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルmg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、収穫時に測定した非 形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よりも、少なくとも10 %低下している、請求項4記載のポテト植物。 16.収穫時の植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルmg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、収穫時に測定し た非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よりも、少なくとも 30%低下している、請求項4記載のポテト植物。 17.収穫時の植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルmg-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、収穫時に測定した非 形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性よりも、少なくとも66 %低下している、請求項4記載のポテト植物。 18.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルm g-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同一 条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性より も、少なくとも10%低下している、請求項4記載のポテト植物。 19.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルm g-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同一 条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性より も、少なくとも30%低下している、請求項4記載のポテト植物。 20.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルm g-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同一 条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグル カンホスホリラーゼ全活性よりも、少なくとも70%低下している、請求項4記 載のポテト植物。 21.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルm g-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同一 条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性より も、少なくとも10%低下している、請求項5記載のポテト植物。 22.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルm g-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同一 条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性より も、少なくとも28%低下している、請求項5記載のポテト植物。 23.4℃で約6カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルm g-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同一 条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性より も、少なくとも10%低下している、請求項4記載のポテト植物。 24.4℃で約6カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルm g-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同一 条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性より も、少なくとも30% 低下している、請求項4記載のポテト植物。 25.4℃で約6カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルm g-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同一 条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性より も、少なくとも69%低下している、請求項4記載のポテト植物。 26.4℃で約6カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルm g-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同一 条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性より も、少なくとも10%低下している、請求項5記載のポテト植物。 27.4℃で約6カ月貯蔵した植物塊茎中の、産生されるNADPHのμモルm g-1タンパク質-1-1として測定したαグルカンホスホリラーゼ全活性が、同一 条件下に貯蔵した非形質転換植物の塊茎中αグルカンホスホリラーゼ全活性より も、少なくとも39%低下している、請求項5記載のポテト植物。 28.収穫時に測定した植物塊茎のチップスコアが、収穫時に測定した非形質転 換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項4記載のポテ ト植物。 29.収穫時に測定した植物塊茎のチップスコアが、収穫時に測定した非形質転 換植物塊茎のチップスコア よりも少なくとも30%上昇した、請求項4記載のポテト植物。 30.収穫時に測定した植物塊茎のチップスコアが、収穫時に測定した非形質転 換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも46%上昇した、請求項4記載のポ テト植物。 31.収穫時に測定した植物塊茎のチップスコアが、収穫時に測定した非形質転 換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項5記載のポテ ト植物。 32.収穫時に測定した植物塊茎のチップスコアが、収穫時に測定した非形質転 換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも10%上昇した、請求項5記載のポ テト植物。 33.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵し た非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項4 記載のポテト植物。 34.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵し た非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも30%上昇した、請求項 4記載のポテト植物。 35.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵し た非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも89%上昇した、請求項 4記載のポテト植物。 36.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵し た非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項5 記載のポテト植物。 37.4℃で約3カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵し た非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも10%上昇した、請求項 5記載のポテト植物。 38.4℃で約4カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵し た非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項4 記載のポテト植物。 39.4℃で約4カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵し た非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも30%上昇した、請求項 4記載のポテト植物。 40.4℃で約4カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵し た非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも89%上昇した、請求項 4記載のポテト植物。 41.4℃で約4カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵し た非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも5%上昇した、請求項5 記載のポテト植物。 42.4℃で約4カ月貯蔵した植物塊茎のチップスコアが、同一条件下に貯蔵し た非形質転換植物塊茎のチップスコアよりも少なくとも25%上昇した、請求項 5記載のポテト植物。 43.aグルカンL−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GLTP)およびαグルカン H−タイプ塊茎ホスホリラーゼ(GHTP)から成る群より選択されるαグルカ ンホスホリラーゼ酵素の塊茎中における活性レベルが低下するよう改変されたポ テト植物を得ることを特徴とする、ポテト塊茎の低温−貯蔵特性を向上させる方 法。 44.植物における転写時にGLTP遺伝子およびGHTP遺伝子から成る群よ り選択される内因性αグルカンホスホリラーゼ遺伝子の発現を抑制するDNA配 列へ使用可能に結合した植物プロモーター配列を有する発現カセットを、ポテト 植物内に導入することから成る、請求項43記載の方法。 45.GLTP遺伝子およびGHTP遺伝子から成る群より選択されるαグルカ ンホスホリラーゼをコードする遺伝子を少なくとも20ヌクレオチド含有するD NA配列へ使用可能に結合した植物プロモーター配列を有する発現カセットを、 ポテト植物内に導入することから成る、ポテト塊茎の低温−貯蔵特性を向上させ る方法。 46.コードされたαグルカンホスホリラーゼがGL TPである、請求項45記載の方法。 47.コードされたαグルカンホスホリラーゼがGHTPである、請求項45記 載の方法。 48.DNA配列がSEQ ID NO:1の338〜993ヌクレオチドから 成る、請求項45記載の方法。 49.DNA配列がSEQ ID NO:3の147〜799ヌクレオチドから 成る、請求項45記載の方法。 50.DNA配列がアンチセンス方向でプロモーター配列へ結合した、請求項4 4,45,46,47,48または49のいずれか一項記載の方法。
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