JP2001510805A - リソスタフィン単独含有もしくは抗生物質併用ブドウ球菌感染症治療用薬剤組成物 - Google Patents

リソスタフィン単独含有もしくは抗生物質併用ブドウ球菌感染症治療用薬剤組成物

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JP2001510805A JP2000503861A JP2000503861A JP2001510805A JP 2001510805 A JP2001510805 A JP 2001510805A JP 2000503861 A JP2000503861 A JP 2000503861A JP 2000503861 A JP2000503861 A JP 2000503861A JP 2001510805 A JP2001510805 A JP 2001510805A
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Abstract

(57)【要約】 リソスタフィンはヒトを含めた哺乳動物の非経口投与に適した強力な抗ブドウ球菌薬剤であることが示されている。約0.5〜45mg/kg/日の低投与量が、ほとんどのブドウ球菌感染症を根絶するのに充分である。リソスタフィンはまた、ペニシリンおよびバンコマイシンなどの従来の抗生物質に対する耐性が発達したタイプの細菌に対して効果的である。変異体および関連酵素などのリソスタフィン同族体は同様な活性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
(発明の技術分野) 本発明はヒトを含む哺乳動物のブドウ球菌感染症の治療を目的とするリソスタ
フィンの投薬ならびに該治療に使用する薬学的製剤に関する。本発明は、またブ
ドウ球菌性心内膜炎、ブドウ球菌性菌血症、および腎臓、肺、皮膚、骨、熱傷、
創傷および補綴器具のブドウ球菌感染症を含む特定の疾病状態を扱う方法に関す
る。本発明は野性型リソスタフィンのみならず、組換リソスタフィン;発行され
た成熟ペプチドの「天然配列」(米国特許4,931,390号) を遺伝子変異法(置換 、付加および欠失など)、翻訳後プロセシング、キメラ融合タンパク質の遺伝子
工学など、またはこれらの変異の組合せにより変異したアミノ酸配列を有するリ
ソスタフィン変異体を含むリソスタフィンを広く使用することを包含する。 (先行技術の背景) リソスタフィンはスタフィロコッカス・シミュランス(Staphylococcus simula
ns)(既に、スタフィロコッカス・スタフィロリティカス(S. Staphylolyticus)と
して公知であった) において、最初に同定された酵素であり、細菌の細胞壁ペプ
チドグリカンのグリシン含有橋に対するタンパク分解活性によって、抗菌活性を
有する[ザイグムント(Zygmunt)ら、Progr. Drug Res.16:309-333(1972)]。
【0002】 黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus) )の細胞壁橋は高割合のグリシンを含むので、インビトロではリソスタフィンは
他のブドウ球菌に対する活性も証明されているが、特に、この種に対して活性で
ある(上掲)。
【0003】 リソスタフィンの活性はまた、動物感染モデルにおいても試験されてきた。腹
膜組織内治療に続く腹膜組織内感染の研究は、インビトロ実験と類似し、ここで
は検討されない。動物を腹膜組織内感染に付し、続いて、約1mg/kgのリソ
スタフィン製剤全量を1回または複数回、皮下投与した際、治療されたマウスの
生存率が50%である2つの報告がある [シュハルト(Schuhardt) ら、J. Bacte
riol.88:815-816 (1964); ハリソン(Harrison)ら、Can. J. Microbiol. 13:93-9
7(1967)]。これらの研究の1つでは、全投与量6mg/kgがマウス100%を
保護すると報告されていた (ハリソン(Harrison)ら、上掲)。未治療感染マウス が短期間内に全て死亡しなかったので、両研究で使用した細菌攻撃による毒性は
全く低いようである。
【0004】 いくつかの実験では、マウス亜急性モデルを使用して、スタフィロコッカス・
アルレウスのジョルジオ(Giorgio) 株に感染した後の腎臓における細菌性負荷を
測定している [ディクソン(Dixon) ら、Yale J. Biol. Med. 41:62-68 (1968);
シャフナー(Schaffner) ら、Yale J. Biol. Med. 39:230-244 (1967); ハリソン
(Harrison)ら、J. Bacteriol. 93:520-524 (1967)]。リソスタフィン製剤を感染
後、6時間以内に静脈投与した場合、1.5mg/kg以上の投与量により腎臓
内の細菌数が有意に減少することが観察された。しかしながら、既定の感染症は
より難治性であった。すなわち、治療を24時間以上に差し控えると、リソスタ
フィン製剤の投与量が125または250mg/kgであっても、細菌数の僅か
な減少しか見られなかった。複数回の治療の効果は研究されていなかった。
【0005】 1つの研究、ゴールドバーグ(Goldberg)ら、Antimicrob. Ag. Chemother. 196
7:45-53 (1967)は、異常な心内膜炎モデルである僅かなイヌを使用した。このイ
ヌモデルはさらに開発されなかった。ゴールドバーグ(Goldberg)らの実験は相対
的でなかったから、したがって、リソスタフィン投与の評価としては限定された
有用性をもつ。しかしながら、高投与量のリソスタフィン (少なくとも50mg
/kg/治療)は、イヌの健康から、および心臓弁および腎臓の細菌数の減少程
度から判断すると、軽度の効能しか示さなかった。
【0006】 したがって、動物モデルを使用した先行技術の研究から得たデータは、リソス
タフィンの使用が種々の器官において既定の感染症を治療するのに効果的であっ
て、かつ、実用的なアプローチであることを教示していない。
【0007】 僅かなヒト臨床試験は、鼻孔へリソスタフィンを局所適用することによって、
黄色ブドウ球菌の鼻キャリージ(carriage)の根絶を意図して行われた[マーチン(
Martin)ら、J. Lab. Clin. Med. 70:1-8 (1967); マーチン(Martin)ら、J. Lab.
Clin. Med. 71:791-797 (1968); クイッケル (Quickel) ら、Appl. Microbiol.
22:446-450 (1971)]。鼻キャリージはそれ自体は病気状態ではない。それは集 落化(colonized) したヘルスケア専門家により治療された患者の感染において、
または集落化した患者の場合には自己感染症において危険因子となる。
【0008】 先行技術では、リソスタフィン単剤を非経口投与し、続いて、3日後に抗生物
質、ゲンタマイシンを投与したヒト重病患者1名の治療が報告される。この患者
は死亡したが、菌血症において減少を示した [スターク(Stark) ら、N. Engl. J
. Med. 291:239-240 (1974)]。
【0009】 動物およびヒト研究の過程で観察された免疫学的現象は、大きな関心事として
注目された。外来性物質によるリソスタフィン製剤の汚染は、これらの現象の少
なくともいくつかの原因であり得る。
【0010】 議論された研究では所望の効果を欠いていたから、治療剤として、この酵素を
さらに開発することは行われなかった。これはリソスタフィンの生産および精製
における困難性がさらに起因していたからであり得る。
【0011】 リソスタフィンのブドウ球菌遺伝子は、現在では配列決定され、クローン化さ
れている(米国特許第4,931,390号) 。研究試薬として使用されるリソスタフィ ンはバチルス・スフェリカス(Bacillus sphaericus) の非病原性組換株の培養に
より生産され、それから容易に精製されている。
【0012】 非経口的に投与されることができ、心内膜炎のような特定組織の感染症はもち
ろんのこと、広くブドウ球菌感染症の治療に使用され得る治療剤の開発が当業者
の課題として残されている。 (発明の概要) 非経口投与による比較的低い投与量のリソスタフィン投与(50mg/kg以
下)は、ブドウ球菌感染症、特に治療に対して抵抗性を有する感染症、および/
または有意な病的状態および死亡を典型的に伴う感染症の治療に対して劇的に効
果的な治療となる。さらに、リソスタフィンは、ペニシリナーゼ安定性ペニシリ
ン、バンコマイシンなどを含むベータラクタム系抗生物質などの入手可能な抗菌
剤に対して、少なくも部分的に耐性を有するブドウ球菌細菌に対して効果的であ
ることが証明されている。
【0013】 さらに、本発明はリソスタフィンおよび1種以上の他の抗菌剤との交互に、あ
るいは同時に投与する組合せ治療を含む。特に本発明においてリソスタフィンと
ともに投与することに適した抗菌剤は、リファマイシン(微生物から単離される
かまたはリファピンなどのように、合成または半合成して生産される)およびグ
リコペプチド(天然に存在する分子が通常有するヘプタペプチド、および1つ以
上の糖分子を含む分子群)であり、天然に産生し、かつ単離されるか(バンコマ
イシン、テイコプラニンなど)または半合成製剤である。
【0014】 クローン化された、組換リソスタフィンおよび変異体リソスタフィンの入手は
、本発明をさらに広げる。関連酵素は同定され、さらにリソスタフィンとともに
、またはそれに代えて使用され得る。
【0015】 リソスタフィン遺伝子のクローニングおよび配列決定からは、野性型リソスタ
フィンのものとは類似した性質または異なった性質を有し得る変異体酵素を単離
することができる。このように変化した1つの酵素であって、1個のアミノ酸変
更を生じる、研究の成果である酵素は、インビトロで、および動物感染モデルに
おいて、潜在的抗ブドウ球菌活性を有することが特性化され、さらに示されてき
た。
【0016】 リソスタフィンと相同的配列を有する天然に存在し、エンドペプチダーゼ活性
を有する酵素、または1つの酵素の結合ドメインを他の触媒ドメインに融合して
得た同数のキメラ酵素をも含めた、他のリソスタフィン同族体は、ブドウ球菌ま
たは他の病原性細菌が引き起こす治療が困難な細菌性疾患を治療できる能力を有
する潜在的薬剤であろう。 (定義) 本出願に使用される用語は、できるだけ、その通常および典型的な使用を意図
して用いられている。ある用語は、作用または化合物の分類を記述するために使
用され、ともに言葉上でグループ化された事項または科学的現象を一般的に記述
する。
【0017】 リソスタフィン同族体−ブドウ球菌の細胞壁ペプチドグリカン中のグリシン含
有橋に対するタンパク分解攻撃性のあるタンパク分解活性をインビトロおよびイ
ンビボで保持するリソスタフィン(野性型)、任意のリソスタフィン突然変異体
または変異体、任意の組換または関連酵素を含む全ての酵素。変異体は、タンパ
クの後翻訳工程(生産株中に存在する酵素または工程の全ての段階において導入 される酵素または試薬による) によって生成されるか、あるいは構造遺伝子の突
然変異によって生成され得る。突然変異は部位欠失、挿入、ドメイン除去、およ
び置換による突然変異を含みえる。本発明で意図するリソスタフィン同族体は組
換技術によって、あるいは他の方法によって発現され得る。
【0018】 非経口−静脈内、筋肉内、皮下、眼窟内、髄腔内、腹膜内を含めた注射による
、および注射を通じて器官または組織へ直接に灌流または送出する(脊髄内など
)ことによる投与。 (発明の詳細な説明) 黄色ブドウ球菌は、高い毒性を有するヒト病原菌である。局在化する皮膚感染
症から生命を脅かす菌血症および生体器官の感染症にまでわたる、広範囲なヒト
疾患の原因である。もしも、急速に制御されないと、黄色ブドウ球菌感染は、最
初の感染部位から他の器官へ広がり得る。感染症の主患部は明らかではないけれ
ども、特に感染を受けやすい器官は、心臓弁、腎臓、肺、骨、髄膜および火傷患
者の皮膚が挙げられる。外科的創傷または外傷性創傷、および異物が存在する任
意の領域もまた、しばしば、感染される。社会の中で、あるいは入院中に発症す
る、これらの感染症は、重大な罹患率および死亡率の原因であり、最も可能性あ
る治療法を使用したとしても、ある集団では重症感染率は60%と高い。ブドウ
球菌の他の種(スタフィロコッカス・エピデルミディス(S.epiderimidis)などの
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)は毒性が低いが、カテーテルまたは補綴器具にコ ロニー化し得る。これは器具が、例えば移植心臓弁である場合、その症状が現れ
る結果となるであろう。
【0019】 入手可能な抗菌剤に対する耐性は、黄色ブドウ球菌のペニシリン耐性とともに
始まり、ブドウ球菌中で特に容易に現れる。すなわち、この耐性は抗生物質時代
の始まりの後、まもなく現れた。実質的には、全てのブドウ球菌感染症は、社会
で、あるいは病院内で生じようが、ペニシリナーゼの産生により第一世代のペニ
シリンに対して、感受性をもはや有していない。すなわち、ペニシリナーゼ安定
ペニシリン (メチシリンなど) にも耐性を有する株は、現在も、特に病院内感染
として大きな問題である[Centers for Disease Control and Prevention, 1997.
Reduced susceptibility of Staphylococcus aureus to vancomysin - Japan,
1996. Morbidity and Mortality Weekly Report 46 : 624-626 (1997)] 。
【0020】 バンコマイシンは、特に病院内でのブドウ球菌感染症の最前線の治療となって
きた。しかしながら、高い死亡率から明白なように、黄色ブドウ球菌心内膜炎や
菌血症などのある種の疾病に理想的な可能性ある治療法は現在のところない。こ
れは、心臓への可逆的損傷およびその感染が血流を経由して、しばしば広がる他
の器官への可逆的損傷を阻止するためには、細菌数を急速に減少させることが必
要である。現在、可能性ある治療法が失敗した1つの理由は、それらが特にイン
ビボでは相対的にゆっくり作用することにあり、感染部位の急速な滅菌が患者の
完全および急速な回復のためには必要である。このような生命を脅かす状況下、
およびいくつかの他の感染症(例えば、治療管理が非常に長びく骨髄炎などの場
合)では、新規な治療法または新規な治療法の組合せが患者治療を大きく改善す
るであろう。
【0021】 リソスタフィンは中程度の投与量で高い活性を示すと考えられていた。非常に
重症であると充分に特性化された動物感染モデル、メチシリン耐性黄色ブドウ球
菌(MRSA)が引き起こすウサギの心内膜炎において、以下に証明される。特
に、我々は投与量療法(dosage regimens)の内の1つで治療したほとんど全ての 動物において、心臓弁病的増殖物の完全な滅菌を証明する。これは現在、入手可
能な抗菌剤では見られなかった予測できない効果である。さらに我々は標準的治
療剤とともに1日投与量が低いリソスタフィンを組合せると、このモデルシステ ム中の成分の抗菌活性を強化することを証明する。
【0022】 我々が用いたリソスタフィン投与量は、先に動物モデル中の器官から細菌のク
リアランスにおいてのみに限定した効果を持つと証明されたものよりも、有意に
低かった[ ザイグムント(Zygmunt) ら、Progr. Drug. 16:309-333(1972): ゴー
ルドバーグ(Golgberg)ら、Antimicrob. Ag. Chemother. 1967:45-53(1967)]。
【0023】 我々は、リソスタフィン遺伝子を担うバチルス・スフェリカスの組換株を突然
変異させて生産したリソスタフィンの変形体について、インビトロで、およびマ
ウス急性感染モデルで、ブドウ球菌に対する活性を以下に証明している。したが
って、本発明のもう1つの具現化された態様としては、リソスタフィン同族体、
すなわちリソスタフィンまたは1個または5個以下のアミノ酸置換を含む遺伝子
工学的修飾酵素、N末端にこのような欠失または挿入を含む10個以下のアミノ
酸の欠失または挿入を有する酵素、またはヒトまたは動物の感染症を治療する治
療剤として、異なった酵素の触媒的および結合的ドメインを融合した得たキメラ
酵素を含む、ペプチドグリカンエンドペプチダーゼ活性を有する他の酵素のいず
れかの薬学的製剤を投与することにある。
【0024】 例えば、もう1つのグリシルグリシンエンドペプチダーゼ(スタフィロコッカ
ス・キャピチス(Staphylococcus capitis)EPK1から得たALE−1)が記載
されている。ALE−1とリソスタフィンはかなりのアミノ酸相同性を有するけ
れども、2つの酵素は区別される [スガイ(Sugai) ら、J. Bacteriol. 179: 119
3-1202(1997)] 。リソスタフィンと低度の相同性を有するが、エンドペプチダー
ゼ活性をも有する他のペプチドグルカン加水分解酵素としては、ズーシン(Zooc
in)Aがあり、これはストレプトコッカス・ズーエピデミカス(Streptococcus z
ooepidemicus)4881 [シモンズ(Simmonds)ら、Applied and Environmental
Microbiology 62:4536-4541 (1996); シモンズ(Simmonds)ら、Gene 189: 255-26
1(1997)]から生産される。キメラタンパクはこれらの酵素または類似した酵素の
ドメインをリソスタフィン同族体のドメインに融合して生産される。
【0025】 より初期の研究で観察される、特定の免疫学的副作用は、特定の状況では関心
が持たれたが、他の状況ではそうではない(緊急または短期状況など)。しかし
、細菌の無毒組換株の培養によって得たリソスタフィン同族体の適する純粋な製
剤は、免疫学的または他の副作用を誘導する傾向が小さいと期待されている。
【0026】 これらの抗菌性酵素の有効な薬剤処方物は、活性薬剤の非経口投与に適した水
溶液、または液体とともに再構成される乾燥製剤(例えば、凍結乾燥した結晶性
または非結晶性であり、浸透圧平衡のための付加的な溶媒を含むか、あるいは含
まない)を含む。放出は、好ましくは、静脈内(i.v.) 、筋肉内(i.m.) 、皮下
(s.c.)または腹膜内(i.p.)経路にて、あるいは鞘内にて、または吸入によって、
あるいは感染部位に直接、点滴注入することによって行い、血液および組織の濃
度を到達した活性薬剤の最低阻害濃度(MIC) より超過させ、このようにして感染
症を治癒または緩和するために細菌力価を減少させる。
【0027】 さらに、活性リソスタフィン同族体は他の抗菌剤と同時に、または交互に共投
薬して、感染性疾病をより有効に治療する。処方剤は、丸薬静脈注射あるいは腹
膜注入に適した小容量の液体であるか、あるいは大容量静脈内ドリップ溶液へ添
加するもの、あるいはこれらに再構成されるもの、または、低速度静脈点滴によ
り投与される大容量の溶液であるか、あるいはこれに再構成されるものであって
もよい。リソスタフィンまたは他の抗菌性酵素とともに共投薬される薬剤は、固
定した組合せとして該酵素とともに処方してもよく、あるいはどのような処方が
入手可能であり、実用的であるかによって、およびどのような投与経路によって
感染部位に、これらの薬剤の充分な濃度を提供することが公知であるかによって
、必要に応じて調合して使用してもよい。
【0028】 リソスタフィンの好適な投与量および療法は、感染症の重症度、感染する器官
の感受性により異なり、組合せ治療の場合では、組合せて使用する特定の抗菌剤
によるであろう。投与量は1回または分割投与と仮定して、好ましくは連続点滴
または1日2〜4回分割投与と仮定して、0.5〜200mg/kg/日、好ま
しくは3〜25−50mg/kg/日にわたるであろう。
【0029】
【実施例】
全実験は、レセイ(Recsei) (米国特許第4,931,390 号) に記載されるリソスタ
フィン遺伝子を含むように作られた組換バチルス・スフェリカス株またはその突
然変異体の培養により生産したリソスタフィン同族体を用いて実施した。特に、
バチルス・スフェリカスの培養により調製したリソスタフィン同族体は、前述の
明細書に記載の配列から変化し、N末端でアミノ酸を2個少なくまたは2個多く
有していた。
【0030】 特に、ここに記載するデータは、組換技術により製造されたリソスタフィン同
族体の調製物を用いた研究から導かれたものであり、その主要成分は前述の明細
書に記載の配列のN末端の2個のアミノ酸を欠失したものである。しかしながら
、その発見はこれらの調製物に限られない。同様な結果は適当な純度および活性
を有するいかなる調製物でも得られるであろう。 実施例1 (リソスタフィンのインビトロ活性) 表1aに示されるように、実験からリソスタフィン調製物は黄色ブドウ球菌 の臨床単離物に対して、インビトロで活性があり、また抗菌性を有していたこと
が証明された。最低阻害濃度(MIC)および最低抗菌濃度(MBC)は標準培
養液微少希釈法[National Committee for Clinical Laboratory Standards, 19
93、承認された標準M7−A3、好気的に生長する細菌のための希釈による抗菌
感受性試験方法−第3版. National Committee for Clinical Laboratory Stand
ards, Villanova, PA; National Committee for Clinical Laboratory Standard
s, 1992、 実験的ガイドラインM26−T、抗菌剤の殺菌活性を測定する方法-N
ational Committee for Clinical Laboratory Standards, Villanova, PA]を使
用して測定し、≦1.0μg/mlであった。
【0031】 さらに、試験した臨床単離物13個のうち、11個において、MIC≦8μg
/mlを示して、リソスタフィンは多数のスタフィロコッカス・エピデルマ(Sta
phylococcus epiderma)(コアグラーゼ陰性種) に対して活性であることが示され
た。このMICは、細菌の可視的生長を完全に阻害する、もっとも低い試験濃度
であると定義される。また、MBCは24時間の露呈中に最初の接種物の99.
9%を殺傷する最低濃度として定義される。表1aに示されるように、リソスタ
フィン感受性はメシリチンおよび/またはバンコマイシンに対する耐性あるいは
減少した感受性によって影響されない。メチシリン耐性であり、またバンコマイ
シンに対して中程度の感受性を有する黄色ブドウ球菌株は、米国において最近、
出現したきた [Centers for Disease Control and Prevention, Morbidity and
Morrality Weekly Report 1997, 46:813-815] 。
【0032】
【表1】 リソスタフィンはプラスチック材料に粘着し、溶液から失われ得る。これは見
かけの活性に影響し得る。したがって、いくつかのMIC測定は希釈液に0.1
%ウシ血清アルブミン(BSA)を添加して実施した。または、この方法は上記
引用のものと同じであった。表1bに示されるように、試験した株に対するリソ
スタフィンのインビトロ活性は、BSAの存在下に試験した際、8倍から64倍
改良された。この観察はプラスチック材料に対するリソスタフィンの親和性に関
連しているから、一般的に、ブドウ球菌株は先に観察されたものよりもリソスタ
フィンに対して、より感受性が高いと推定される。
【0033】
【表2】 これらのデータは、多様な抗生物質耐性黄色ブドウ球菌の現在の臨床単離物に
対するリソスタフィンの非常に潜在的な活性を証明する。
【0034】 黄色ブドウ球菌に対するリソスタフィンの殺菌活性もまた、時間のかかる実験
によって検討された。この種の実験の1つでは、黄色ブドウ球菌株AG461、
すなわちイタリアのジェノバで単離したメチシリン耐性臨床単離物をミューラー
・ヒントン培養液(Mueller-Hinton broth)(Difco)中に接種し、ゆるやかに37
℃で攪拌しながら、培養物の600nm吸収から算出して、ml当たり約108 個の生育細胞に到達するまで、生長させた。次いで、培養物を約106個のCF U/mlまで、新鮮な培養液で希釈し、異なった濃度の抗菌剤にさらすために、
5ml試料を数種の異なったフラスコに入れた。37℃でゆっくり攪拌しながら
加温を続け、生育細胞を測定するために、試料を間隔をおいて取り出した。試料
の連続的な10倍希釈は、殺菌した生理食塩水(蒸留水中、0.9%NaCl)
中で行ない、適当な希釈倍率の試料0.1mlを2倍にして、寒天封入法を使用
して、トリプシン大豆寒天プレート(Tryptic Soy agar plates (Remel)) 上に置
いた。(この方法では、培養される試料のアリコートをトップ寒天2.5mlに
添加し、これを混合し、プレート上に注いだ。トップ寒天は Difcoトリプシン大
豆培養液で2倍に希釈して、最終寒天濃度0.75%とした。)このプレートを
36℃で24〜48時間、加温し、コロニーを手で計数した。全てのリソスタフ
ィン希釈物を0.1〜0.2%BSAの存在下で調製し、プラスチック材料への
リソスタフィンの吸着を阻止した。バンコマイシン(Sigma Chemical Co.)は殺菌
蒸留水中で希釈した。
【0035】 図1に示すように、0.004および0.032μg/ml濃度のリソスタフ
ィンは急速な殺菌性を有し、1時間以内の接触にて少なくとも99.9%の細菌
が殺傷された。それに対して、バンコマイシンの殺菌活性は減少し、より高い濃
度(2および16μg/ml)のバンコマイシンを使用しても、3時間の接触に
おいても非常にわずかな殺菌しか見られず、非常に遅かった。使用したリソスタ
フィンとバンコマイシンの異なる濃度は、それぞれのMICの1倍と8倍であっ
た。
【0036】 もう1つの実験(図2)では、黄色ブドウ球菌の3種の異なったメチシリン耐
性臨床単離物、および4番目の株、27619VR、研究室でメチシリン耐性臨
床単離物から誘導された「VISA」株(すなわち、バンコマイシンに対して中
程度の耐性を有する)を、陽イオン調整ミューラー・ヒントン(Mueller Hinton)
培養液(Beckton Dickinson) 中へ接種し、37℃で一晩生長させた。次いで、そ
れらを新鮮な培養液中で希釈し、ゆっくり攪拌しながら、生長が指数段階に達し
たと推定されるまで、37℃にて加温した。図2に示されるように、細菌濃度は
この時点では2×106〜9×107CFU/mlにわたっていた。リソスタフィ
ンを濃度1μg/mlで各培養物へ添加した。間隔をおいて、試料を取り出し、
連続して0.9%NaClで希釈し、ミューラー・ヒントン(Mueller Hinton)寒
天(Becton Dickinson)上に拡げて培養した。寒天プレートを37℃で48時間、
加温し、コロニーを手で計数した。図2に示されるように、これらの株は全てリ
ソスタフィンによって急速に殺傷された。
【0037】 これらのデータはリソスタフィンが有力であり、かつ、メチシリン耐性株、お
よびメチシリン耐性およびバンコマイシンに対する中程度の耐性の双方を有する
株を含めて、黄色ブドウ球菌の現在の臨床単離物に対して、急速な殺菌活性を有
することを証明する。 (動物モデル研究) 実施例2 (マウス・黄色ブドウ球菌感染症モデルにおけるリソスタフィンの比較効能) リソスタフィンの効能はマウスの急性感染症モデルにおいてバンコマイシンと
比較された。黄色ブドウ球菌スミス(Smith) をビール・インフュージョン培養液
(Veal Infusion broth)(Difco)中でゆるやかに攪拌して、5%ブタ胃ムチン(Dif
co) を含む培養液で希釈した。重量が20gグラムであるオスのスイス−ウェブ
スター(Swiss-Webster) マウス(Taconic Farms, Germantown, NY)の腹腔内に、 48時間以内に接種により未処理動物の全てを、再現性をもって殺せる量の約1
0倍に当たる105〜106個の生育細胞を感染させた。マウス6匹を各治療群と
した。リソスタフィンを静脈内から(注射用5%デキストロース0.1ml)ま
たは皮下注射にて(0.2ml)、感染10分間以内に投与した。バンコマイシ
ンは皮下注射した。
【0038】 表2に示されるように、リソスタフィンは静脈注射の場合では投与量0.16
mg/kgで、または皮下注射の場合、投与量2.5mg/kgで、感染マウス
の100%を保護した。マウスが皮下注射により完全に生化学的利用能を有し、
皮下注射または静脈注射のいずれでも、同じような活性を有するバンコマイシン
は、投与量2.5mg/kgで100%効果があった。未治療マウスの全ては2
4時間以内に死亡した。
【0039】
【表3】 この実施例は、高い毒性を有する攻撃的投与量の細菌を使用した、マウスの急
性感染症モデルにおける黄色ブドウ球菌感染に対して、リソスタフィンが効果的
であることを示す。静脈注射の場合、極めて低投与量の精製された組換リソスタ
フィンが効果的である。重量基準では、リソスタフィンはバンコマイシンの16
倍効果的であり、分子量基準ではリソスタフィンはバンコマシシンの約200倍
効果的であった。 実施例3 (変異リソスタフィン酵素のインビトロおよびインビボ活性) 米国特許第4,931,390 号に記載されるクローン化されたリソスタフィン遺伝子
を含むバチルス・スフェリカス株をN,N−ニトロソグアニジンで変異処理した
。黄色ブドウ球菌株RN4880の熱殺傷細胞のローン上にそれらを置いて、3
2℃で一晩加温し、生き残ったコロニーを分解活性の存在をもとにスクリーニン
グした。有意に澄明な領域を生成したコロニーを集めた。
【0040】 これらのクローンのうち、1つをさらに特性化した。リソスタフィン遺伝子を
配列決定し、成熟リソスタフィンタンパクの第218番目に相当するコドンが1
つのG−A変異を含み、GGT(グリシン)がGAT(アスパラギン酸)に変更
したコドンとなると判明した。この変異株の培養により、インビトロおよびイン
ビボ試験に充分な量の材料を生産した。
【0041】 表3から明らかなように、野性型リソスタフィン調製物は黄色ブドウ球菌に対
して、インビトロでさらに活性であるけれども、変異酵素は大いに活性を示した
。この実験では、ガラス製試験管中で最終容量1mlに培養液をマクロ希釈して
MICを測定した。他の点について、方法は上述の通りである。
【0042】
【表4】 表4に示されるように、変異リソスタフィン酵素はまた、急性マウス感染症モ
デルにおける黄色ブドウ球菌に対して、大いに活性である。ここで、再び、変異
体は野性型リソスタフィンより幾分、活性が小さいが、バンコマイシンに比べて
より活性であった。
【0043】
【表5】 実施例4 (リソスタフィンで治療したウサギ血清における抗菌活性) 約5kg重量のニュージーランド白ウサギにリソスタフィン125mgを静脈
注射した。4時間以上の間隔をおいて血液を採取し、血清を調製し、2倍連続希
釈を行い、黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性株(MRSA27619)に対する
血清殺菌濃度を測定した。血清殺菌濃度とは24時間で接種物の99.9%を殺
傷する最高希釈度である。マイクロタイターウェルは異なった濃度の精製抗菌剤
溶液よりも、むしろ、異なった希釈度の血清を含むことを除いては、この試験で
は、細菌の生存率を最低殺菌方法において本質的に測定する。
【0044】 表5に示されるように、血清は全時間にわたって高い殺菌濃度のリソスタフィ
ンを含んでいた。特に、30分から120分の時点で、タイターは1:256(
試験した最高希釈率)よりも大きく、少なくとも256倍の希釈は細菌の99.
9%を殺傷することができることを示した。最も遅い時点、240分ではタイタ
ーは1:64であった。
【0045】
【表6】 この実施例はリソスタフィンがウサギ血清中で殺菌活性を保持し、注射後、少
なくとも4時間、血液循環中に存在し、かつ活性であることを証明する。 実施例5 (ウサギにおける実験的心内膜炎に対するリソスタフィンの効能) 約3kg重量のニュージーランド白ウサギに、大動脈弁心内膜炎を発症させた
。ウサギに麻酔をかけて、右頸動脈を外科的に露出させ、ポリエチレンカテーテ
ルをカニューレ挿入し、心臓の左心室へ進めた。少なくとも24時間後に、ウサ
ギに黄色ブドウ球菌のメシチチリン耐性株(MRSA27619)106〜107
細胞を静脈から感染させた。24時間後に動物を異なった治療群にランダムに、
すなわち未治療対照(ウサギ9羽)、陽性対照、バンコマイシン30mg/kg
を1日2回(15羽)、リソスタフィン5mg/kgを1日3回(11羽)リソ
スタフィン5mg/kgを1日1回(10羽)、リソスタフィン5mg/kgを
1日1回+バンコマイシン1日2回(11羽)に割り当てた。感染症が前治療血
液培養にて確認されなかったウサギを除いた。さらに、分析に含めた全ウサギを
、進行するまたは既存の疾病状態を示す大動脈の病的増殖物の存在から判断して
、確定した心内膜炎感染を有していると検死(autopsy) にて確認した。
【0046】 治療全ては静脈内から行い、3日間、実施した。ウサギの健康状態を間隔をお
いて評価した。ウサギを最後の治療から18時間後に死亡させた。大動脈病的増
殖物を除去して、体重測定し、log10CFU/グラムとして表す生育細菌数を
測定して調査分析した。検出限界は102CFU/グラム(log10CFU/グ ラム=2.0)である。グラム当たりの細菌の平均タイターを偏差の一方分析に
よって比較した。スチューデント・ニューマン・クエル(Student-Newman-Kuels)
試験を、多重比較を調整するために使用した。フィッシャー(Fischer's) 正確試
験を使用して、殺菌率の比較を行った。統計的有意差はP値≦0.05であると
定義した。
【0047】 表6に示されるように、5mg/kgのリソスタフィンを1日に3回投与する
療法は最も効果的な治療であった。ウサギ全てまたはその内の1羽において、こ
の治療が完全に心臓弁病的増殖物を殺菌したことは印象的な統計である。これは
この感染症モデルの陽性対照として使用した標準的治療量、バンコマイシン30
mg/kg1日3回に比べてかなり優れていた。リソスタフィン5mg/kgを
1日に2回投与する療法は、1日に3回投与する療法よりも効果が小さかったが
、病的増殖物における細菌数が減少したことにおいて、バンコマイシンとほとん
ど同じように良かった。事実、その効果はバンコマイシン群から得たものと統計
的に異なっていなかった。リソスタフィンを1日に1回投与する療法はまた、い
くつかの動物において病的増殖物の殺菌を完全に達成していた。標準的バンコマ
イシン療法にリソスタフィンを1日に1回加えると、細菌の平均数は劇的に減少
し、1日3回のリソスタフィン治療で見られたレベルにまで減少した。しかし、
完全に殺菌した病的増殖物数から見ると、リソスタフィンを1日に3回投与する
療法が他の全てに比べて明白に優れていた。
【0048】
【表7】 腎臓膿瘍もブドウ球菌の存在から評価された。リソスタフィンを1日に3回投
与する療法は未治療対照群に比べて、細菌負荷を劇的に減少させた。対照ではま
さに108CFU/グラム以下であるのに比べてリソスタフィン群では102CF
U/グラム以上にまで組織を減少させた。
【0049】 動物の観察からリソスタフィンを1日に3回投与する療法で治療されたウサギ
全ては、治療サイクル中に早くから良好な健康状態であったことを証明した。
【0050】 これらの結果は先の研究の基本と一致していた。特に、病的増殖物の全てを実
質的に殺菌することは、この感染症モデルでいかなる抗菌剤を使用しても、以前
には観察または報告されていなかった。比較的短い治療期間である3日間以内で
殺菌が生じたとの事実は、リソスタフィンがインビボで非常に急速に作用するこ
とを示し、抗菌性リソスタフィン同族体は、細菌負荷の急速な減少を必要とする
重症ブドウ球菌感染症の患者において、その成果を大きく改善するできることを
示唆する。
【0051】 上記データはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)を含む黄色ブドウ球
菌に対するリソスタフィン同族体の効能を証明する。メチシリン耐性およびバン
コマイシン耐性の双方を有する株は、新しく現れた問題である。このタイプの変
異株は、グリコペプチド含有培地で生長を繰り返した後、選択された。米国およ
び日本で患者から単離された天然に存在するVISA株についても報告されたよ
うに、得られた株のバンコマイシンMICは、8μg/mlであった (Centers
for Disease Control and Prevention, Morbidity and Mortality Weekly Repor
t 1997; 46:813-815)。ブドウ球菌単離物はもしもMICが4μg/mlより小 さいかあるいはこれに等しいなら、バンコマイシンに対して感受性を有すると見
なされ、もしもMICが32μg/mlより大きいか、あるいはこれと同等であ
るなら、完全に耐性を有すると見なされる (National Committee for Clinical
Laboratory Standards, 1993 承認された標準M2−A5、抗菌性ディスク感受
性試験の作業標準−第5版、National Committee for Clinical Laboratory Sta
ndards, Villanova,PA) 。
【0052】 表7に示されるように、リソスタフィンはメチシリン耐性VISA株によって
引き起こされた感染性心内膜炎を有するウサギの治療において効能を有する。
【0053】
【表8】 VISA株に対して、リソスタフィン5mg/kgを1日に3回投与すると、
大動脈病的増殖物における細菌負荷を減少する点において、バンコマイシンと同
程度に効果的であった。リソスタフィン15mg/kgを1日に2回投与すると
、バンコマシンの標準投与量療法よりもより効果的であり(統計的に有意)、か
つ、リソスタフィン5mg/kg1日に3回投与するよりも有意に、より効果的
であった。さらに、バンコマイシンは30mg/kg1日に2回の投与ですら、
試験動物のいずれにおいても、心臓弁病的増殖物の完全な殺菌を達成できなかっ
た。他方、リソスタフィンを1日に3回投与する療法で、いくつかの動物では完
全な殺菌が達成された。
【0054】 ウサギ心内膜炎モデルは現在、非常に良く標準化されていて、重症ヒト感染症
を治療する抗菌剤の能力の厳密な試験として認められている。既存の感染症にお
けるリソスタフィンの先の研究では、投与量50〜250mg/kg/治療の投
与量において、マウスモデルの腎臓細菌負荷、およびイヌの心内膜炎における心
臓弁および他の器官の細菌負荷において、限られた減少を示していた。これらの
先の研究で使用された投与量は高いけれども、重症ブドウ球菌感染症の治療に必
要とする程度の効能は観察されなかった。先に得られた結果は、ウサギ心内膜炎
モデルにおいて、適度の投与量のリソスタフィンを使用して、今や見られたよう
に、実質的に全心臓弁病的増殖物の急速な全体的殺菌の予言につながらなかった
【0055】 ここで示される結果は黄色ブドウ球菌心内膜炎に対するリソスタフィンの予期
されない効能を証明するのみならず、このような効能は標準的治療として期待さ
れるものよりも、かなり優れていることを示す。現在、入手可能な治療は、しば
しば可逆的組織損傷につながる生命を脅かす感染症を扱うことにおいて効果的で
はなく、したがって、そのような損傷ならびに他の生命器官への感染症の転移に
よる拡がりを防ぐために、細菌数の急速な減少を必要とする。上記結果は、リソ
スタフィン同族体は単独で、あるいは他の薬剤と併用して、このような感染症の
治療における効果において潜在性を有することを示す。さらに、これらの結果に
基づいて、およびブドウ球菌に対するリソスタフィンのインビトロ活性により、
リソスタフィン同族体は単独で、あるいは他の薬剤と併用して、黄色ブドウ球菌
以外のブドウ球菌種に対しても有用であることが期待される。リソスタフィンと
ともに使用するのに適した薬剤の中には、バンコマイシンおよび他のグリコペプ
チド、リファムピン、および他のリファマイシン、およびブドウ球菌に対する活
性を有する他の抗感染症薬がある。
【0056】 リソスタフィン同族体はブドウ球菌心内膜炎のみならず、菌血症などの他の潜
在的に致命的なブドウ球菌疾病、および腎臓、肺、皮膚、および骨などの他の生
命器官の感染症にも使用され得る。本発明方法はまた、火傷、損傷および補綴器
具による感染症の治療にも適用され得る。これら同様の方法は、骨髄炎などの疾
病の治療に使用してもよい。これらの疾病は特にある種の感染症または現在、使
用する抗菌剤により長引いた治療を必要とする重症から生じる。さらに、本発明
は通常、使用される抗生物質に対して耐性を有するブドウ球菌によって引き起こ
される際、このような感染症または疾病などの治療におけるリソスタフィン同族
体の使用にまで拡大される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌株に対するリソスタフィンの殺菌活性を、バンコ
マイシンと比較して示す図表である。
【図2】 異なった抗菌耐性を有する黄色ブドウ球菌株の変異体に対するリソスタフィン
の殺菌活性を示す図表である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月24日(2000.1.24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31:43) A61K 35:74) (A61K 38/46 31:43) 31:70) 31:70) (72)発明者 ノヴィック, リチャード, ピー. アメリカ合衆国 ニューヨーク 10024, ニューヨーク, ダブリュー. エイテ ィーシックスス ストリート 10 (72)発明者 アーチャー, ゴードン, エル. アメリカ合衆国 ヴァージニア 23233, リッチモンド, ハースグロウ レイン 1504 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA44 CA53 DA41 DC02 MA02 MA55 ZB352

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のリソスタフィン同族体有効量を哺乳動物に
    投与することを含む、哺乳動物のブドウ球菌感染症治療方法。
  2. 【請求項2】 前記リソスタフィン同族体は少なくとも1種の他の抗菌剤と
    ともに投与される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記他の抗菌剤はリファマイシンまたはグリコペプチドであ
    る請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 心臓弁、血液、腎臓、肺、骨および髄膜からなる群から選択
    された少なくとも1種の器官または組織のブドウ球菌感染症を治療する方法であ
    って、少なくとも1つの該疾病状態に罹患した哺乳動物を選択し、リソスタフィ
    ン同族体有効量を哺乳動物に投与することを含む治療方法。
  5. 【請求項5】 カテーテルまたは補綴器具に伴うブドウ球菌感染症を治療す
    る方法であって、このような感染症に罹患した哺乳動物を選択し、リソスタフィ
    ン同族体有効量を哺乳動物に投与することを含む治療方法。
  6. 【請求項6】 前記リソスタフィン同族体は、ブドウ球菌の細胞壁ペプチド
    グリカン中のグリシン含有橋に対して、タンパク分解攻撃を行う生物学的活性を
    示すリソスタフィンまたはその変異体である請求項1、4または5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記感染症は心内膜炎である請求項4または5記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記感染症は骨髄炎である請求項4または5記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記感染症は菌血症である請求項4または5記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記同族体はリソスタフィンである請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記同族体はリソスタフィンである請求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記同族体はリソスタフィンである請求項9記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記哺乳動物がヒトである請求項4または5記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記ブドウ球菌感染症はリソスタフィン以外の抗菌剤に対
    して、少なくとも部分的に耐性を有する請求項4または5記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記抗菌剤はベータラクタム系抗菌剤またはバンコマイシ
    ンである請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記ベータラクタムはメチシリンである請求項15記載の
    方法。
  17. 【請求項17】 前記リソスタフィン同族体は組換技術により生産される請
    求項1、4または5記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記同族体はリソスタフィンである請求項17記載の方法
  19. 【請求項19】 前記同族体は直接点滴注入、吸入または非経口経路により
    投与される請求項1、4または5記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記同族体は静脈内、筋肉内、皮下、腹膜内または鞘内に
    投与される請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記リソスタフィン同族体は少なくとも1種の他の抗菌剤
    とともに投与される請求項4または5記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記他の抗菌剤はリファマイシンまたはグリコペプチドで
    ある請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記同族体は投与1回当たり50mg/kgを超えない量
    を投与される請求項1、4または5記載の方法。
  24. 【請求項24】 投与される前記同族体の量は0.5mg/kg/日と20
    0mg/kg/日の間である請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 投与される前記同族体の量は3mg/kg/日と50mg
    /kg/日の間である請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 投与される前記同族体の量は3mg/kg/日と25mg
    /kg/日の間である請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 投与される前記同族体の量は45mg/kg/日以下であ
    る請求項24記載の方法。
  28. 【請求項28】 ブドウ球菌の細胞壁ペプチドグリカン中のグリシン含有橋
    に対して、タンパク分解攻撃を行う生物活性を有するリソスタフィン同族体およ
    び薬学的に許容される担体を含む、ブドウ球菌感染症治療用治療組成物。
  29. 【請求項29】 前記組成物はヒトへの非経口投与に適している請求項28
    記載の治療用組成物。
  30. 【請求項30】 前記組成物はさらに、第2の抗菌剤を含む請求項28記載
    の組成物。
  31. 【請求項31】 前記リソスタフィン同族体は組換技術により生産される請
    求項28記載の組成物。
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