JP2001508297A - ヒトエンドスルフィン遺伝子 - Google Patents

ヒトエンドスルフィン遺伝子

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JP2001508297A JP53102598A JP53102598A JP2001508297A JP 2001508297 A JP2001508297 A JP 2001508297A JP 53102598 A JP53102598 A JP 53102598A JP 53102598 A JP53102598 A JP 53102598A JP 2001508297 A JP2001508297 A JP 2001508297A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は単離されたもしくは精製された、ヒトエンドスルフィンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。ヒトエンドスルフィンのイソフォームも開示される。本発明はまた、ポリヌクレオチドとポリヌクレオチドで形質転換したホスト細胞を用いる組み換えヒトエンドスルフィンの製造方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒトエンドスルフィン遺伝子 技術分野 本発明は全般的にポリヌクレオチド配列とその中にコードされたポリペプチド 配列に関すると共に、これらの配列をヒト組織中のエンドスルフィンを検出する ために利用する方法に関する。 発明の背景 細胞内ATPで阻害される一群のカリウムチャネルを代表するATP感受性カ リウムチャネル(K+チャネル)が、心臓、膵臓ベーター細胞、骨格筋、平滑筋 および中枢神経系を含む様々な組織で発見されている(G.Edwardおよび A.H.Weston著、Ann.Rev.Pharmacol.Toxico l.第33巻、597−637頁(1993年))。これらのATP感受性K+ チャネルは、運動能力持続期間の短縮および心臓の代謝阻害中に生じる細胞のカ リウムイオン喪失、平滑筋弛緩、骨格筋興奮性の制御、および神経伝達物質の放 出等の多様な細胞機能に関連している(A.Terzicら著、 Am.J.Physiol.第269巻、C525−C545頁(1995年) )。 例えば、膵臓ベーター細胞(β−細胞)では、ATP感受性K+チャネルは細 胞の代謝状況と細胞の興奮性とをつなぐ上で重要な役割を果たしている。インシ ュリン分泌のための一次生理刺激は、血中グルコース濃度の上昇である。グルコ ースはβ−細胞に入り、そこで代謝されて細胞内ATPの上昇とそれに伴う細胞 内ADPの低下をもたらす。ADPがチャネルの活性を高めるのに対しATPは それを阻害するので、これらのヌクレオチドレベルの変化は相乗的に作用し、原 形質膜中のATP感受性K+チャネルを閉じる。ATP感受性K+チャネルの閉鎖 は、電圧依存性カルシウムチャネルを開き電気的活性を誘発する膜の脱分極を生 じさせる。カルシウムの流入は細胞内カルシウムを上昇させ、インシュリン分泌 を刺激する(F.M.Ashcroft著、Nature medicine、 第2巻、1301−1302頁(1996年))。最近、膵臓のATP感受性K+ チャネルは少なくとも2つのサブユニット、カリウムを選択的に通過させるチ ャネル形成サブユニット(Kir6.2)とスルフォニル尿素レセプターと呼ば れる制御タンパク質(S URI)、から構成されている複合体であることが示された(N.Inagak iら著、Science、第270巻、1166−1170頁)。これらの2つ のサブユニットが同時に発現すると、予期される薬学的および生物物理学的性質 を有する、内向きに整流するATP感受性K+チャネルを構成する。 現在ではATP感受性K+チャネルにはさらに多様性があることが知られてい る。2個のチャネル形成サブユニット(Kir6.1およびKir6.2)およ び3個の制御サブユニット(SUR1、SUR2AおよびSUR2B)が最近哺 乳動物組織からクローン化されている(S.Isomotoら著、Neuron 、第16巻、1011−1017頁(1966年))。この分子が多様であるこ とが分ってきたことは、異なった組織中のATP感受性K+チャネルはアクチベ ーターおよび阻害剤に対する反応において著しく異なっているという、初期の薬 学的研究(G.Edwards、同上)を支持するものである。 ATP感受性K+チャネルは、2つの重要なクラスの薬剤、スルフォニル尿素 およびK+チャネルオープナーの分子標的である。スルフォニル尿素は、インス リン濃度の減少とグルコースに対する損なわれた反応が特徴である非インスリン 依存性真性 糖尿病(NIDDM)の治療に広く使用されている(H.E.Leboviz著 、「真性糖尿病:理論と実際」、H.RifkinおよびD.Porte、Jr .編、(Elsevier、New York)、554−574頁、1990 年)。膵臓中でスルフォニル尿素剤は、グルコースに対する感受性を部分的に失 ったランゲルハンス島においてインスリン分泌を刺激する(E.Cerasiら 著、Diabetes第21巻、224−234頁(1972年))。このクラ スの薬剤は、膵臓β−細胞ATP感受性K+チャネルの制御サブユニット(SU RI)との相互作用によりATP感受性K+チャネルの開口を阻害し、その結果 インスリン放出を刺激する(E.Cerasiら著、Diabetes、第21 巻、224−234頁(1972年))。 スルフォニル尿素剤の生物学的効果は、Virsolvy−Vergineら にスルフォニル尿素レセプターに対する内因性リガンドの存在を推測させた(A .Virsolvy−Vergineら著、FEBS Lett.第22巻、6 5−69頁(1988年))。その後、彼らはヒツジの脳からペプチドを同定し 、このペプチドは中枢神経(CNS)および膵臓β−細胞双方由来のレセプター に結合し、げっ歯類ベーター細胞腫瘍 株(βTC細胞)からの生体外インスリン分泌を誘発することが示された。彼ら は、このペプチドがスルフォニル尿素受容体に対する天然リガンドであり、CN Sおよび膵臓の正常な生理において役割をはたしているであろうと結論した。彼 らはこのペプチドを「エンドスルフィン」と名付けた(A.Virsolvy− Vergineら著、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第89 巻、6629−6633頁(1992年))。 エンドスルフィンの完全なアミノ酸およびヌクレオチド配列は、どの動物種で も決定されていないが、最近、ウシの組織機からcDNA部分配列が得られた( K.Peyrollerら著、Biochem.Biophys.Res.Co mm.第223巻、583−586頁(1996年))。ヒトエンドスルフィン のヌクレオチドまたはアミノ酸配列に関する情報は報告されていない。ATP感 受性K+チャネルが多様性であることがわかってきたことは、組織特異に発現し 、SURイソフォームとの相互作用が異なる一群のエンドスルフィンが存在する 可能性をしている。 ウシおよびヒツジエンドスルフィンがスルフォニル尿素受容 体と相互作用し、インスリン放出を調節するという報告は、一群のヒトエンドス ルフィンを単離し性格付けすることにより、病態の治療のための新しい治療およ び診断薬を開発できる可能性を与えることを示唆している。このような治療薬に は組み換えエンドスルフィン、アンチセンスデオキシリボヌクレオチド、転写レ ギュレーターおよびエンドスルフィン活性アクチベーターまたは阻害剤が含まれ よう。例えば、ヒツジエンドスルフィンで報告されている様に(A.Virso lvy−Vergineら著、(1992年)、同上)ヒトエンドスルフィンが インスリンレベルを調節することが発見された場合、ヒトエンドスルフィンまた はエンドスルフィン活性調節剤は糖尿病治療の別のアプローチとなり得る。さら に、ATP感受性K+チャネルが神経興奮性を調節しているCNSにおいて、エ ンドスルフィンの調節剤は、癲癇、痛み、鬱病および虚血等の異常な神経興奮を 含む疾病の治療の標的となろう。SUR2Aが選択的に発現しATP感受性K+ チャネルが活動電位持続に関与している心臓では、エンドスルフィンレベルおよ び/または活性の調節は心臓虚血治療へのアプローチとなり得る。骨格筋で発現 したATP感受性K+チャネルは、エネルギー状態の変化に応じて細胞の 電気活動を変化させ、このK+チャネルオープナーとの複合体を調節することは 、先天性筋緊張症を含む数多くの病態で、また低カリウム性麻痺の患者にとって 有益であることが示されている(A.C.Wareham著、「カリウムチャネ ル調節剤:薬学的、分子的および臨床的特徴」、A.H.WestonおよびT .C.Hamilton編、110−143頁(1992年))。しかしながら この場合、この化合物の副作用がその広範囲の使用を阻んでいる。骨格筋で選択 的に発現するエンドスルフィンは、骨格筋興奮性を正常化する別のアプローチを 提供し、従って多数の骨格筋病に応用し得る。従って、その使用の研究を治療薬 の開発に向けさせる、ヒトエンドスルフィンの全長をコードするDNA配列を単 離することは有用である。 SUR1およびKir6.2の突然変異は、幼児の持続性インスリン過剰低血 糖症(PHHI)とつながっており(P.M.Thomasら著、Scienc e、第268巻、426−429頁(1995年)およびP.Thomasら、 Hum.Mol.Gen.第5巻、1809−1812頁(1996年))、最近 の報告ではSUR1の突然変異も非インスリン依存性糖尿病とつながっているか もしれないことが示唆されている(H. Inoueら著、Diabetes、第45巻、825−831頁(1996年 ))。ヒトエンドスルフィンの単離と性格付けは、エンドスルフィン遺伝子に突 然変異が存在するか、突然変異がタンパク質の発現および/または活性を変化さ せる結果になるか、およびこれらの突然変異が糖尿病、癲癇、鬱病および虚血等 の疾病とつながっているかどうかを決定する研究を促進しよう。ヒト細胞におけ る正常および突然変異型を同定することができれば、このような病態に対する診 断試験を発達させる機会を提供すると思われる。 従って、ヒトエンドスルフィンの異常制御または発現と関連する疾病または状 態の診断、段階付け、予知、モニタリングまたは治療の特別の方法と薬剤を提供 し、これらの状態に対する可能性ある素質を示すことは有益である。 発明の要旨 本発明はヒトエンドスルフィンをコードするヌクレオチドおよびその断片また は相補体を包含する、単離された、もしくは精製したポリヌクレオチドを提供す る。ヌクレオチド配列が配列番号:1および配列番号:2、またはその断片を包 含することが好ましい。ヌクレオチド配列がヌクレオチド位置約107 〜460の配列番号:1、またはヌクレオチド位置約107〜472の配列番号 :2であることがより好ましい。本発明はさらに、配列番号:3または配列番号 :4を有するヒトエンドスルフィンをコードするヌクレオチド配列を包含するポ リヌクレオチドを提供する。 別の態様では、ポリヌクレオチドを組み換え技術で製造することができる。組 み換え分子はヒトエンドスルフィンをコードするヌクレオチド配列を包含し、発 現ベクター中に含まれている。発現ベクターは真核細胞ベクターまたは原核細胞 ベクターいずれであっても良い。好ましい発現ベクターはpProEx1および pcDNA3.1である。ヒトエンドスルフィンをコードする核酸配列は約10 7〜460のヌクレオチド位置の核酸配列配列番号:1または約107〜472 のヌクレオチド位置の核酸配列配列番号:2であることがより好ましい。 本発明はさらに上記ベクターで形質転換されたホスト細胞を提供する。ホスト 細胞は真核細胞もしくは原核細胞である。 本発明はまた、ヒトエンドスルフィンポリペプチドまたはその断片を提供する 。好ましい実施形態では、ポリペプチドはアミノ酸配列配列番号:3または配列 番号:4を有する。ポリペ プチドは組み換え技術で生産され、精製した形で提供される。 別の態様では、本発明はヒトエンドスルフィンをコードするヌクレオチド配列 を包含する発現ベクターで形質転換されたホスト細胞を培養する、少なくとも1 個のヒトエンドスルフィンエピトープを含むポリペプチドの製造方法を提供する 。その発現ベクターは配列配列番号:1または配列番号:2を有するヌクレオチ ド配列、およびその断片および相補体を包含することが好ましい。上記ヌクレオ チド配列が約107〜460のヌクレオチド位置の配列番号:1または約107 〜472のヌクレオチド位置の配列番号:2を有することがより好ましい。上記 ヌクレオチド配列が配列配列番号:3または配列番号:4を有するヒトエンドス ルフィンをコードすることがさらに好ましい。 別の態様では本発明は、(a)エンドスルフィンレセプターポリペプチドを発 現するホスト細胞を提供すること、(b)試験化合物を細胞と混合すること、お よび(c)(i)レセプターを発現する細胞に対する試験化合物の効果、または (ii)試験化合物の細胞またはレセプターへの結合、のいずれかを測定するこ と、を含むエンドスルフィンレセプター活性の調節方法を提供する。本方法のホ スト細胞は原核細胞もしくは真核細 胞である。本方法ではステップ(c)(ii)の測定は信号発生化合物が発生す る信号を測定するか、放射線標識イオン、蛍光プローブまたは電流により発生す る信号を測定して行われることが好ましい。 また別の態様では、本発明は(a)エンドスルフィンまたはその断片を発現す る細胞を提供すること、(b)試験化合物を細胞と混ぜ合せること、および(c )細胞毒性を示す細胞または細胞機能をモニターすることを含む細胞保護化合物 の同定法を提供する。本方法のホスト細胞は原核細胞または真核細胞のいずれか である。好ましくは、本方法は、ポリヌクレオチドの転写を指示する制御配列に 機能的に連結されていてそれによりポリヌクレオチドがホスト細胞で発現される 、約107〜472のヌクレオチド位置の配列番号:2のヌクレオチド配列を有 するポリヌクレオチドを包含する発現ベクターを有する細胞を提供することを含 む。より好ましくは、制御配列の一つが誘導可能なプロモーターである。本発明 の細胞は、より好ましくは、細胞に対する細胞毒効果を最小にし、または遮断す る物質の存在下に維持される。 さらに別の態様では、本発明は、薬学的に許容し得る賦形剤 中のエンドスルフィンの遺伝子発現を制御する化合物の有効な量を患者に投与す ることを含む、エンドスルフィン調節に伴う状態を有する患者の治療法を提供す る。 さらに別の態様では、本発明はアミノ酸配列配列番号:4またはその断片を有 するヒトエンドスルフィンに特異的に結合する、モノクローナル抗体を提供する 。 図面の簡単な説明 図1はエンドスルフィンAおよびエンドスルフィンB遺伝子に関するクローン 384387および700415についてのExpressed Sequen ce Tag(EST)の位置を示すダイアグラムである。 図2はエンドスルフィンA(上の線、配列番号:1)およびエンドスルフィン B(下の線、配列番号:2)のcDNA配列間の整列(GAPプログラム、Wi sconsin Sequence Analysis Package、バー ジョン8、Genetics Computer Group、Madison 、WI)を示す。2つの配列間の縦軸は、これらの位置における同一ヌクレオチ ドを示す。メチオニン開始コドンおよび停止コドン(上の鎖のTAAおよび下の 鎖のTGA)は太字 で示され、下線が引かれている。 図3はMγ=19,000のウシcAMP制御燐タンパク質(bov.ARP P19、配列番号:11)、ウシエンドスルフィン(bov.endos.、配 列番号:12)、ブタエンドスルフィン(pig endos.、配列番号・1 3)、ヒトエンドスルフィンA(hum.EndosB、配列番号:3)および ヒトエンドスルフィンB(hum.endosA、配列番号:4)のアミノ酸配 列間の比較最適一致解析を示す。ブタエンドスルフィン配列は、ウシARPP− 19のアミノ酸配列と上記A.Virsolvy−Vergineら(1966 年)から得られた4個の部分配列を並べ、ギャップを文字"x"で埋めて作成され た(xは未知のアミノ酸を現す)。ドットは最良の並びを作成するために配列内 に置かれるスペースを現す。 図4は生体外転写/翻訳システム(Promega、Madison、WI) におけるクローン700415(レーンA)およびクローン384387(レー ンB)から生成した、[35S]標識エンドスルフィンのオートラジオグラムを示 す。オートラジオグラフィーに先立ち、タンパク質を10%ポリアクリルアミド ゲル上のSDS−PAGEで分離した。分子量はレーンB の側に示される。 図5は、エンドスルフィンAおよびエンドスルフィンB特異的PCR産生物を 生成するために用いられた、テンプレート(エンドスルフィンAおよびエンドス ルフィンB cDNA)に関する、1個の前方プライマー(配列番号:5)およ び2個の逆ブライマー(配列番号:6および配列番号:7)の位置を示すダイア グラムである。前方プライマーはエンドスルフィンAおよびエンドスルフィンB 遺伝子の同じヌクレオチド配列と相補的である(すなわち、これらの遺伝子のコ ード領域中の配列と相補的である)。逆行プライマーはエンドスルフィンAおよ びエンドスルフィンBの3'−非翻訳領域中の異なる配列と相補的である。 図6はTAEバッファー中1.2%アガロースゲル上で電気泳動し、エチジウ ムブロマイドで染色したPCR産生物のコンピュータ作成像を示す。左側の写真 は、エンドスルフィンA(レーンAおよびB)およびエンドスルフィンB(レー ンCおよびD)のcDNAを有するプラスミドを、プライマー対配列番号:5/ 配列番号:6(レーンAおよびC)および配列番号:5/配列番号:7(レーン BおよびD)を用いるPCR実験に おけるテンプレートとして使用した場合に得られたPCR産生物を示す。分子量 標準はレーンEに示す。 右側の写真は、脳(レーン1および6)、小脳(レーン2および7)、胎児脳 (レーン3および8)、膵臓(レーン4および9)、および黒質(レーン5およ び10)から調製されたヒトポリA+RNAから作成されたcDNAをテンプレ ートとして用いて、プライマー対配列番号:5/配列番号:6(レーン1−5) および配列番号:5/配列番号:7(レーン6−10)により得られたPCR産 生物を示す。 図7はヒト心臓(レーン1)、脳(レーン2)、胎盤(レーン3)、肺(レー ン4)、肝臓(レーン5)、骨格筋(レーン6)、腎臓(レーン7)、膵臓(レ ーン8)、脾臓(レーン9)、胸腺(レーン10)、前立腺(レーン11)、睾 丸(レーン12)、卵巣(レーン13)、小腸(レーン14)、結腸(レーン1 5)および白血球(レーン16)から単離され、エンドスルフィンAおよびBの 5'−非翻訳領域(5'−UTR)の190bpDNA断片(すなわち核酸位置1 〜190由来の配列番号:1または配列番号:2)でプローブされたポリA+R NAのノーザーンブロットのコンピューター作成像を示す。分子量 マーカーは各写真の側に示される。 図8は13.5%SDS PAGE上で分離され、Coumassieブルー で染色した、バクテリア溶菌物(左側の写真)、精製hisタグエンドスルフィ ンB(中央の写真)および精製hisタグエンドスルフィンAおよびB(右側の 写真)由来のタンパク質のコンピューター作成像を示す。左側の写真は、ヒトエ ンドスルフィンB cRNAを包含するpProEx1発現ベクターで形質転換 され、Luriaブロス+アンピシリンで増殖させ、細胞の生育中にIPTGで 誘導されたもしくは誘導されない、DH5∝細胞から調製されたバクテリア溶菌 物のタンパク質を示す。hisタグヒトエンドスルフィンBを現す黒いバンドが 、18.8kDA分子量マーカーのすぐ上に見える。右側の写真は精製されたh isタグエンドスルフィンAおよびBを示す。 Ni−NTAアフィニティークロマトグラフィーによる全バクテリア溶菌物か らの融合タンパク質の精製は、中央の写真のゲル上に示される。全溶菌物をNi −NTAカラムにかけ、50mMイミダゾールを含む緩衝液で洗浄し、0.2M イミダゾールを含む緩衝液で溶出した。レーンA:全バクテリア溶菌物か らのタンパク質、レーンB:50mMイミダゾール洗浄緩衝液からのタンパク質 、レーン1−4:0.2Mイミダゾール緩衝液で溶出したフラクションからのタ ンパク質。分子量マーカーは各写真の側に示される。 図9(A)はベクター形質移入およびエンドスルフィンB形質移入細胞におけ る[3H]グリブリド結合のBmax値のグラフを示す。実施例18記載の通り、細 胞ホモジェネートを放射性リガンドの濃度を変えて(0.01〜1.4nM)イ ンキュベートして結合させた。記号"*"は未形質移入細胞と有意に異なる値を示 す。 図9(B)はベクター形質移入およびエンドスルフィン−B形質移入細胞ホモ ジェネートにおける[3H]グリブリド結合のScatchardプロットを現 す。 図10(A)はベクター形質移入およびエンドスルフィン−B形質移入細胞に おける[3H]グリブリドの正味放出%のグラフを示す。実施例18記載の通り 流出実験を行った。記号"*"は未形質移入細胞と有意に異なる値を示す。 図10(B)はpcDNA3.1形質移入およびpCMV−エンドスルフィン B形質移入RINm5F細胞における、グリ ブリドによる2−デオキシグルコース誘発86Rb+流出のグラフを示す。 発明の詳細な説明 本発明はヒトエンドスルフィンコードする単離され精製されたポリヌクレオチ ド、その断片、これらのポリペプチドを含む発現ベクター、これらの発現ベクタ ーで形質転換されたホスト細胞、これらのポリヌクレオチドおよびベクターを用 いるヒトエンドスルフィンの製造法、および単離、精製された組み換えヒトエン ドスルフィン、およびそのポリペプチド断片を提供する。 本発明はまた、試験試料中のmRNAからcDNAの作成すること、およびヒ トエンドスルフィン遺伝子の存在の指標としてのcDNAの検出することを包含 する、ヒトエンドスルフィン遺伝子の産生物についての試験試料の分析法を提供 する。この方法には、遺伝子またはその断片に対応するcDNA部分が増幅され る増幅ステップが含まれてもよい。mRNAの翻訳産生物の分析方法も提供され る。本発明で提供される方法により分析し得る試験試料には組織、細胞、体液お よび分泌物が含まれる。本発明はまた、これらの方法を実行する上で有用なオリ ゴヌクレオチドプライマーおよびポリペプチド等の試薬を提供する。 本発明に開示された核酸配列の部分は、RNAの逆転写またはcDNA増幅の プライマーとして、または試験試料中にある特定のcDNAの存在を検知するプ ローブとして有用である。また、診断用イムノ分析の標準または試薬、薬学的ス クリーニング分析の標的および/または様々な治療の成分または標的部位として 有用な、コードされたポリペプチド配列を生産し得る核酸配列も開示されている 。これらのポリペプチド配列内に含まれる、少なくとも一つのエピトープに対す るモノクローンおよびポリクローン抗体は、異常エンドスルフィン生産に伴う疾 病または状態の診断試験またはスクリーニングに有用である。目的の遺伝子の他 の部分からの配列の単離は、これらの核酸配列由来のプローブまたはPCRプラ イマーを利用して行われ、目的のゲノムのさらに別のプローブおよびポリペプチ ドを確立することができる。 アミノ酸配列の「類似性」を決定する技法は当業者に公知である。一般的に、 「類似性」とは、適当な場所に有る2個以上のポリペプチドの正確なアミノ酸間 の比較を意味し、そこでは アミノ酸は同一であるか、荷電または疎水性等の類似の化学的および/または物 理的性質を有する。いわゆる「類似率」という用語は、比較されるポリペプチド 配列間で決定される。核酸およびアミノ酸配列の同一性を決定する技術も当業者 に公知であり、その遺伝子に対するmRNAのヌクレオチド配列の決定(通常、 cDNA中間体を経て)、およびそれによりコードされたアミノ酸配列の決定、 およびこれと第二のアミノ酸配列との比較を含む。一般的に「同一性」とは正確 な2個のポリヌクレオチドまたはポリペプチドそれぞれのヌクレオチド間、また はアミノ酸間の対応を言う。「同一性率」を決めることにより、2個またはそれ 以上のポリヌクレオチド配列を比較することが出来る。同様に2個のアミノ酸配 列を、その「同一性率」を決めることにより比較し得る。例えば、ポリペプチド またはアミノ酸配列は、ヒトエンドスルフィンのアミノ酸配列に対して約90% の同一性を有することが好ましく、約95%の同一性を有することが最も好まし い。さらにポリペプチドまたはアミノ酸配列は、ヒトエンドスルフィンのポリペ プチドのアミノ酸配列に対し好ましくは少なくとも約85%の類似性、より好ま しくは約90%の類似性、最も好ましくは約95%の類似性を有する。 Wisconsin Sequence Analysis Package、 バージョン8で入手可能なプログラム(Genetic Computer G roup、Madison、WIより入手可能)、例えばGAPプログラムは、 2個のポリヌクレオチド間の同一性と、2個のポリペプチド配列間の同一性およ び類似性の双方をそれぞれ計算することができる。同一性または類似性を計算す るための他のプログラムも公知である。 ヒトまたは他の動物で異常エンドスルフィン発現の生理学的な証拠はいまだ知 られていないが、我々はエンドスルフィンがその異常発現の結果として病原的な 役割を果たすと考えている。例えば、前出のVitsolvy−Vergine ら(1992年)は、膵臓におけるエンドスルフィンの発現および/または分泌 不良はNIDDMの病理を伴い、脳においては脳虚血を伴うと推定している。ま た、ある種の体液中の通常存在しないエンドスルフィンの存在が病態を示し、そ の進展をこのような液体中のエンドスルフィンを分析することによりモニターし 得ると推定することは合理的である。同様な役割は、正常な生理条件では膜結合 タンパク質であり、従って体液中には見出されないが、多発硬化症等の病気の状 態では脳脊髄液中に放出される ミエリン基底タンパク質でも見られる。さらに、存在しないと思われる組織また は体液中のエンドスルフィンをコードするポリヌクレオチドまたはその断片存在 も、例えば疾病が細胞退化で発病する場合、病状を示すものであろう。 従って、ここに記載の試薬および方法は、異常なエンドスルフィン発現の指標 としてのある種のマーカーの同定を可能にし、それから得られる情報はこのよう な発現に伴う疾病または状態の診断、段階付け、モニタリング、予知および/ま たは治療の助けとなり得る。試験方法は、例えば、本発明が提供する配列を利用 し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応等の核酸増幅法を利用 することもあるプローブ分析、およびハイブリダイゼーションが含まれる。さら に本発明が提供するヌクレオチド配列は、そこから免疫原性エピトープが見出さ れ得るオープンリーディングフレームを含有する。このようなエピトープはエン ドスルフィン遺伝子に関連する疾病または状態に固有のものであることが好まし い。エピトープの固有性は、このような遺伝子でコードされるポリペプチド産生 物との免疫反応性と、病気でない患者由来の組織との免疫反応性の欠如で決定さ れる。免疫反応性の測定法は公知であり、例えば放射線 イムノ分析(RIA)、酵素結合イムノ分析(ELISA)、血液凝固反応(H A)、蛍光偏光イムノ分析(FPLA)、ケミルニネッセンスイムノ分析(CL IA)その他を含むが、それに限定されるものではない。適した方法のいくつか の例が本明細書に記載される。 定義 他に断らない限り、以下の用語は以下の意味を有するものとする。 指定した配列「由来」のポリペプチドとは、指定されたヌクレオチド配列と同 一、または相補的である、少なくとも約6個、好ましくは少なくとも約8個、よ り好ましくは少なくとも約10〜12個、さらに好ましくは少なくとも約15〜 20個のヌクレオチドの配列を包含するポリペプチド配列を言う。その配列は、 当業者に公知の技術で決定された特定のポリヌクレオチド配列に固有である配列 と相補的、もしくは同一である。例えばデータバンク中の配列との比較を、指定 された配列の特異性を推測する方法として使用し得る。配列が由来する領域には 、特定のエピトープをコードする領域と共に、非翻訳および/または非転写領域 も含まれるが、それに限定されるものではない。 由来ポリペプチドは、必ずしも研究中の目的ヌクレオチド配列から物理的に由 来する必要はなく、化学合成、複製、逆転写または転写を含むがそれに限定され ないポリペプチドが誘導される領域中の塩基配列が提供する情報に基づく任意の 方法で生成することができる。例えば、最初のポリヌクレオチドのセンスまたは アンチセンスであり得る。さらに、指定された配列に対応する領域を組み合せる ことにより、意図する用途と一致するように、公知の方法で修飾することができ る。 「プローブ」という用語は定義された、相補的配列を有する、試料中に存在す る特定のDNAまたはRNAを同定するために使用し得る核酸セグメント(また はヌクレオチドアナログセグメント、すなわちペプチド核酸アナログ(PNA) またはモルホリノアナログ(MA))を言う。 「プライマー」という用語は、標的ヌクレオチド配列に相補的で、標的ヌクレ オチド配列にハイブリダイズするために用いられ、DNAポリメラーゼまたは逆 転写酵素のいずれかで触媒されるヌクレオチド重合の開始点となる特定のオリゴ ヌクレオチド配列を言う。 指定した核酸配列由来の「ポリペプチド」または「アミノ酸」 配列とは、配列中にコードされたポリペプチド、または少なくとも3〜5アミノ 酸、より好ましくは少なくとも8〜10アミノ酸、さらに好ましくは15〜20 アミノ酸で構成され、配列中にコードされたポリペプチドで免疫的に同定し得る その一部と同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドのことである。 ここで用いる「組み換えポリペプチド」とは、その起源または操作によって、 自然界では伴っているポリペプチドの全てまたはその一部を伴っていないポリペ プチド、および/または自然界で結合しているポリペプチド以外と結合している ポリペプチドを少なくとも意味する。組み換えまたは由来ポリペプチドは、必ず しも指定した核酸配列から翻訳される必要はなく、化学合成または組み換え発現 系の発現を含む任意の方法で生成し得る。 本明細書で用いる「合成ペプチド」という用語は、アミノ酸の重合した任意の 長さの形を意味し、公知の方法で化学的に合成し得る。合成ペプチドは様々な用 途に有用である。 本明細書で用いる「ポリヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチドまた はデオキシリボヌクレオチドいずれかのヌクレオチドの重合した任意の長さの形 を意味する。この用語は分 子の一次構造のみを示す。従って、その用語は二重鎖および一本鎖DNAと共に 二重鎖および一本鎖RNAも含む。また、メチル化またはキャッピング等の修飾 、およびポリヌクレオチドの非修飾型も含む。 「cDNAに対応する配列」とは、配列が指定したDNA中の配列と同一また は相補的で有るポリヌクレオチド配列を含むことを意味する。cDNAに対する 同一性または相補性度(または率)は約50%以上、好ましくは少なくとも約7 0%以上、より好ましくは少なくとも約90%以上である。対応する配列は長さ で少なくとも約50ヌクレオチド、好ましくは長さが少なくとも約60ヌクレオ チド、より好ましくは長さで少なくとも約70ヌクレオチドである。関連する遺 伝子または遺伝子フラグメントとcDNA間の対応は当業者に公知の方法で決定 され、例えば配列決定した物質と記載されたcDNAとの直接比較、またはハイ ブリダイゼーションと1本鎖ヌクレアーゼによる消化後、消化されたフラグメン トのサイズ決定等の方法がある。 「精製されたポリヌクレオチド」とは、ポリヌクレオチドが天然において伴っ ているタンパク質を基本的に含まない、すな わち約50%以下、好ましくは約70%以下、より好ましくは約90%以下のタ ンパク質を含む、目的のポリヌクレオチドまたはそのフラグメントを意味する。 ポリヌクレオチドを生成する技術は当業者に公知であり、例えばポリヌクレオチ ドを含む細胞をカオトロピックイオンで破壊し、ポリヌクレオチドとタンパク質 をイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーおよび密 度沈殿により分離する方法がある。従って、「精製されたポリペプチド」とは、 ポリペプチドと天然において伴っている細胞成分を基本的に含まない、すなわち 約50%以下、好ましくは約70%以下、より好ましくは約90%以下の細胞成 分を含む目的のポリペプチドまたはそのフラグメントを意味する。精製法は当業 者に公知である。 「単離された」という用語は、その物質がその元の環境(例えば天然起源であ れば天然環境)から取り出されたという意味である。例えば、生きている動物中 に存在する天然起源ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されていないが 、天然系で共存する物質の一部、またはすべてから分離された、同じポリヌクレ オチドまたはポリペプチドは単離されている。このようなポリヌクレオチドはベ クターの一部でもあり得、および/ またはこのようなポリヌクレオチドまたはポリペプチドは組成物の一部でもあり 得、さらにベクターまたは組成物はその天然環境の一部でないので、単離されて いる。 本明細書で用いる「ポリペプチド」とは、アミノ酸の分子鎖を指し、特定の長 さの産生物を言うのではない。従って、ペプチド、オリゴペプチドおよびタンパ ク質はポリペプチドの定義に含まれる。しかしながら、この用語はポリペプチド の発現後の修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、ホスフォリル化等を意味す るものではない。 「組み換えホスト細胞」、「ホスト細胞」、「細胞株」、「細胞培養物」およ び単細胞類として培養された微生物または高等真核細胞株を示す用語は、組み換 えベクターまたは他の導入DNAのレシピエントとして使用し得る、または使用 されている細胞を指し、形質移入された元の細胞の元の子孫を含む。 本明細書で使用する「レプリコン」とは、細胞内でのポリヌクレオチド複製の 自律性単位として振舞うプラスミド、染色体またはウイルス等の任意の遺伝要素 を意味する。 「ベクター」とは、例えば結合したセグメントの複製および/または発現をも たらすようにされた、他のポリヌクレオチド セグメントが結合しているレプリコンである。 「制御配列」という用語は、連結されたコード配列を発現させるに必要なポリ ヌクレオチド配列を言う。このような制御配列の性質は、ホスト生物によって異 なる。原核細胞では、このような制御配列には一般的にプロモーター、リボソー ム結合部位およびターミネーターが含まれ、真核細胞では、このような制御配列 には一般的にプロモーター、ターミネーター、ある場合にはエンハンサーが含ま れる。「制御配列」という用語は、したがって、その存在が発現に必要である最 小限の全ての成分が含まれ、またその存在が有益な例えばリーダー配列である追 加の成分も含まれ得る。 「機能的に結合した」という用語は、その成分がその意図する方法で機能する ことができる関係にある状態を言う。従って、例えばコード配列に「機能的に結 合した」制御配列は、コード配列の発現が制御配列と矛盾のない条件で行われる 様に連結される。 「オープンリーディングフレーム」あるいは「ORF」という用語は、ポリペ プチドをコードするポリヌクレオチドの領域を示す。この領域は、コード配列の 一部、または全体であり得 る。 「コード配列」は、適当な調節配列の制御下に置かれた場合、mRNA中転写 されポリペプチドに翻訳されるポリヌクレオチド配列である。コード配列の境界 は、5'−末端の翻訳開始コドンおよび3'−末端の翻訳停止コドンで終わる。コ ード配列にはmRNA、cRNAおよび組み換えポリヌクレオチド配列が含まれ るが、それに限定されるものではない。 「〜と共に/として免疫的に同定可能」という用語は、指定されたポリペプチ ド中に存在しまたは指定されたポリペプチドに固有のエピトープおよびポリペプ チドの存在を言う。免疫的同一性は、抗体結合および/または結合の競合により 決定される。これらの技術は当業者に公知であり、本明細書にも記載される。エ ピトープの特徴はまた、エピトープをコードするポリヌクレオチド配列に関する GenBank等の既存のデーターバンクのコンピューター検索、および他の既 知のタンパク質とのアミノ酸配列の比較によっても推定できる。 本明細書で使用される「エピトープ」とは、ポリペプチドの抗原決定基を意味 する。場合によってはエピトープはエピトープに固有の空間的コンフォーメーシ ョン中の3個のアミノ酸を 包含し得る。一般的にはエピトープは少なくとも5個のアミノ酸で構成され、通 常は少なくとも8〜10個のアミノ酸で構成される。空間的コンフォーメーショ ンを調べる方法は当業者に公知であり、例えばx−線結晶学および2次元核磁気 共鳴が含まれる。 「コンフォーメーションエピトープ」とは、免疫的に認識し得る構造中のアミ ノ酸の特定の並置であり、このようなアミノ酸は隣接または非隣接順序で同じポ リペプチド上に存在するか、または異なったポリペプチド上に存在する。 ポリペプチド中に含まれる特定のエピトープの抗体認識によりポリペプチドが 抗体に結合する場合、ポリペプチドは抗体と「免疫的に反応性」である。免疫反 応性は、抗体との結合により、特に抗体との結合のキネティックにより、および /または、その抗体のエピトープを含む既知ポリペプチドの競合物を用いる結合 における競合により、決定できる。ポリペプチドが抗体と免疫的に反応性である かどうかを決める方法は、当業者に公知である。 本明細書で用いる「目的のエピトープを含む免疫原性ポリペプチド」という用 語は、目的の天然起源ポリペプチドまたはそ のフラグメントを言うと共に、他の手段、例えば化学合成または組み換え生物中 でのポリペプチドの発現による方法で調製されたポリペプチドを意味する。 「形質転換」という用語は、挿入に用いられる方法の如何に係わらず、外来ポ リヌクレオチドを原核または酵母ホスト細胞中に挿入することを言う。一般的に は「形質転換」という用語は外来ポリヌクレオチドを真核ホスト細胞中に挿入す ることに関して用いられる。形質転換および/または形質移入を行う方法は通常 の技術を有する当業者に公知であり、直接取り込み、形質導入、f−メーティン グおよびエレクトロポーレーション等の技術を含む。外来ポリヌクレオチドは非 組み込みベクター、例えばプラスミドとして維持されるか、またはホストゲノム 中に組み込まれる。 「処置」とは予防および/または治療を言う。 本明細書で用いる「個体」という用語は、脊椎動物、特に補乳動物種を言い、 家畜、スポーツ用動物、霊長類およびヒトを含むがそれに限定されず、より特定 的にはヒトを指す。 本明細書で用いる「センス鎖」または「プラス鎖(または“+”)」という用 語は、ポリペプチドをコードする配列を含 む核酸を指す。「アンチセンス鎖」または「マイナス鎖(または“−”)」とい う用語は、「プラス」鎖の配列に対し相補的な配列を含む核酸を言う。 「試験試料」という用語は、分析対象物(関連する抗体または抗原)のもとで ある個体の成分を言う。これらの成分は当業者に公知である。これらの分析試料 にはここに記載の本発明の方法により試験され得る生物試料を含み、全血、血清 、血漿、脳脊髄液、尿、リンパ液および気管、腸管および尿生殖器管等の様々な 外分泌、涙、唾液、乳汁、白血球、骨髄腫等、細胞培養上澄等の生物液体、固定 化組織試料を含む。 「精製産生物」とは、産生物が通常は伴っている細胞内容物、および関連する 試料内に存在し得る他の型の細胞から単離された産生物調製体を言う。 「PNA」とは「ペプチド核酸アナログ」のことであり、標的の存在を決定す るために本明細書に記載された方法で利用し得る。「MA」とは「モルホリノア ナログ」のことであり、標的の存在を決定するために本明細書に記載された方法 で利用し得る。例えば本明細書に参照して取込まれる米国特許第5,378,8 41号参照のこと。PNAはRNA標的または DNAを指向し得る天然に荷電した分子部分である。例えば本発明のDNAプロ ーブの代わりに分析に使用されるPNAは、DNAプローブを使用した場合には 得られない利点を提供する。これらの利点には生産性、大量ラベリング、再現性 、安定性、イオン強度変化に対する不感受性およびDNAまたはRNAを用いる 方法に存在する酵素分解に対する抵抗性がある。これらのPNAはフルオレセイ ン、放射性ヌクレオチド、ケミルミネッセンス化合物等でラベルすることができ る。従ってPNAまたはMA等の他の核酸アナログはDNAまたはRNAの代わ りに分析法で使用し得る。本明細書では分析はDNAプローブを用いて記載され ているが、分析試薬で必要であるならばPNAまたはMAが若干の変更でRNA またはDNAを代替し得ることは、日常作業者の範囲内にある。 本明細書で用いる「被分析物」とは、試験試料中に存在する検出すべき物質で ある。被分析物は、それに対し天然起源の特定の結合メンバーが存在する、また はそれに対し特定の結合メンバーを調製し得る任意の物質である。従って、被分 析物は分析における1個またはそれ以上の特異的結合メンバーと結合し得る物質 である。「被分析物」にはまた、任意の抗原性物質、 ハプテン、抗体およびそれらの組み合せも含まれる。特定の結合対のメンバーと して、被分析物は、ビタミンB12検出のための特異的結合対のメンバーとして 内因子タンパク質の使用、葉酸検出のための葉酸結合タンパク質の使用、または 炭水化物検出のための特異的結合対のメンバーとしてレクチンの使用等、天然起 源の特定の結合パートナー(対)を利用して検出できる。被分析物にはタンパク 質、ペプチド、アミノ酸、ヌクレオチド標的等が含まれる。 「Expressed Sequence Tag」または「EST」とは、 組織から抽出されたmRNAの逆転写により生成し、その後ベクター中へ挿入さ れたcDNA挿入物の部分配列を言う。 「転写イメージ」とは、ライブラリー中のESTの定性的な分布を与える表ま たはリストのことであり、ライブラリーが作られた組織中で活性である遺伝子を 現す。 本発明は特異的結合メンバーを利用する分析を提供する。本明細書で使用する 「特異的結合メンバー」とは、特異的結合対のメンバーである。すなわち、2個 の異なった分子において、一方の分子が化学的または物理的方法で第二の分子に 特異的に 結合する。従って、通常のイムノ分析の抗体および抗原特異的結合対に加えて、 他の特異的結合対はビオチンおよびアビジン、炭水化物およびレクチン、相補性 核酸配列、エフェクターおよびレセプター分子、酵素コファクターおよび酵素、 酵素阻害剤および酵素等を含むことができる。さらに、特異的結合対は最初の特 異的結合メンバーのアナログであるメンバー、例えば被分析物アナログも含むこ とができる。免疫反応性特異的結合メンバーには抗原、抗原フラグメント、モノ クローナルおよびポリクローンナル双方の抗体および抗体フラグメント、および それらの複合体(組み換えDNA分子から生成したものも含む)を含む。 本明細書で用いる「ハプテン」という用語は、抗体に結合することができるが 、キャリアタンパク質と結合しなければ抗体産生を誘導できない、部分抗原また は非タンパク質結合メンバーを言う。 本明細書で用いる「捕捉試薬」とは、サンドイッチ分析における被分析物、も しくは競合分析における指示薬または被分析物、もしくは間接分析におけるそれ 自身非分析物に対して特異的である補助特異的結合メンバーのいずれか一つに対 し特異的な非標識特異的結合メンバーのことである。捕捉試薬は、分析 実施前、または分析実施中に、固相材料に直接的または間接的に結合することが でき、固定化した複合体を試験試料から分離することが可能である。 「指示薬」は、特異的結合メンバーに対合された(「取り付けられた」)、外 部手段により検出可能な測定可能信号を発生できる、または発生する「信号発生 化合物(「ラベル」)」を包含する。指示薬は、ビオチン−抗ビオチンのような ハプテン−抗ハプテン系、アビジンまたはビオチン、炭水化物またはレクチン、 相補的ヌクレオチド配列、エフェクターまたはレセプター分子、酵素コファクタ ーおよび酵素、酵素阻害剤または酵素等を含む任意の特異的結合対のメンバーで あり得る。免疫反応性特異的結合メンバーは抗体、抗原、またはサンドイッチ分 析における目的のポリペプチド、競合分析における捕捉試薬、または間接分析に おける補助特異的結合メンバーのいずれかに結合し得る抗体/抗原複合体で有り 得る。プローブおよびプローブ分析について述べるとき、「レポーター分子」と いう用語が用いられる。レポーター分子は、カルバゾールまたはアダマンタン等 の特異的結合対の特異的結合メンバーに組み込まれた、上記の信号発生化合物を 包含する。 予想される様々な「信号発生化合物」(ラベル)には発色素、酵素等の触媒、 フルオレセインおよびローダミン等の発光化合物、ジオキセタン、アクリジニウ ム、フェナントリジニウムおよびルミノール等の化学発光化合物、放射性元素お よび直接目にみえるラベルが含まれる。酵素の例にはアルカリホスファターゼ、 セイヨウワサビペルオキシダーゼ、ベータガラクトシダーゼ等が含まれる。特定 のラベルの選択は重要でなく、それ自体で信号を発生し得るか、または一つ以上 の他の物質と共同して信号を発生し得るものである。 「固相(個体支持体)」は当業者に公知であり、反応トレーのウエルの壁、試 験管、ポリスチレンビーズ、磁性ビーズ、ニトロセルロース片、膜、ラテックス 粒子等の微粒子、ヒツジ(ま ン酸無水物およびホルムアルデヒドにより「固定化した」赤血球、Abott Laboratories、Abbott Park、ILより市販)、その他 が含まれる。「固相」は重要ではなく、当業者により選択し得る。従って、ラテ ックス粒子、ミクロ粒子、磁性または非磁性ビーズ、膜、プラスチックチューブ 、ミクロタイターウエルの壁、ガラスまたはシリコン チップ、ヒツジ(または他の動物の)赤血球、およびDura 定化する適当な方法には、イオン的、疎水的、共有結合その他がある。本明細書 で用いる「固相」とは、不溶性のあるいはその後の反応で固定化することができ る任意の材料のことである。固相は、その捕捉試薬を吸引し固定化する固有の能 力によって選ばれる。あるいは、固相は捕捉試薬を吸引し固定化する能力を有す る別のレセプターを保持することもできる。別のレセプターには、捕捉試薬それ 自体に対し、または捕捉試薬に対合された荷電物質に対し、反対に荷電した荷電 物質が含まれる。また別の方法では、レセプター分子は、固相上に固定化され( 付着し)、特異的な結合反応により捕捉試薬を固定化する能力を有する、任意の 特異的結合メンバーで合ってもよい。リセプター分子は、分析実行前、または分 析実行中に捕捉試薬を固相に間接的に結合することができる。従って固相はプラ スチック、変性プラスチック、磁性または非磁性金属、試験管のガラスまたはシ リコン表面、ミクロタイターウエル、シート、ビーズ、ミクロ粒子、ヒツジ(ま たは他の動物の)赤血球、および の他の構造で有り得る。 固相はまた、抗体検出および適当な表面親和性により抗原を結合し得るに十分 な多孔性を有する、任意の適当な多孔性材料を包含し得ると考えられ、本発明の 範囲内とされる。微孔性構造が一般的に好ましいが、水和状態にあるゲル構造の 材料も使用できる。このような有用な固体支持体にはニトロセルロースおよびナ イロンが含まれるが、それに限定されない。本明細書に記載するこのような多孔 性個体支持体は、厚さ約0.01〜0.5mm、好ましくは約0.1mmのシー ト状であることが好ましい。ポアサイズは広い範囲で可変であり、好ましくは約 0.025〜15ミクロン、特に約0.15〜15ミクロンである。このような 支持体の表面は、抗原または抗体の支持体への共有結合が起るように化学処理に よって活性化される。しかしながら、ほとんど解明されていない疎水性力による 多孔性物質上への吸着により、一般的に非可逆的な抗原または抗体の結合が得ら れる。他の適した固体が当分野では公知である。 試薬 本発明はヒトエンドスルフィン遺伝子由来のポリヌクレオチド配列、その中に コードされたポリペプチド、およびこれらの ポリペプチドから作られる抗体等の試薬を提供する。本発明はまた、開示された ポリヌクレオチドおよび核酸配列由来で、これらのポリヌクレオチドに対し相補 性である、オリゴヌクレオチドフラグメント等の試薬も提供する。例えば、選ば れたエンドスルフィン由来ポリヌクレオチドを、正常または変更遺伝子発現のた めに本明細書に記載された方法に使用することができる。このような方法には本 明細書に開示されたエンドスルフィン由来のポリヌクレオチド、またはオリゴヌ クレオチド、そのフラグメントまたは誘導体、またはこれらのポリヌクレオチド に対し相補性の核酸配列が使用される。さらに本明細書に開示されたポリヌクレ オチド、その相補性配列またはフラグメントのいずれかを、ヒトエンドスルフィ ンをコードする遺伝子、cDNAまたはmRNAを検出、増幅または定量するた めの分析に使用し得る。それらはまた、エンドスルフィンポリペプチドをコード する全または部分コード領域を同定するために使用することができる。それらは さらに、個々の容器中分析キットとして提供され、または個々の組成物として提 供される。分析用キットとして提供される場合、緩衝液、コンジュゲート等も含 まれる。 ポリヌクレオチドはmRNAまたはDNAの形で有り得る。DNA、cDNA 、ゲノム子DNAおよび合成DNAの形のポリヌクレオチドは、本発明の範囲内 である。DNAは二重鎖または一本鎖であっても良く、一本鎖の場合、コード( センス)鎖または非コード(アンチセンス)鎖で有り得る。ポリペプチドをコー ドするコード配列は本明細書で提供されるコード配列と同一であるか、または異 なったコード配列であって、遺伝子コードの重複または縮退の結果、本明細書で 提供されるものと同じポリペプチドをコードするものであっても良い。 このポリヌクレオチドはポリペプチドのみに対するコード配列を含むか、ポリ ペプチドとリーダーまたは分泌配列またはプロタンパク質配列に対するコード配 列を含むか、またはポリペプチドに対するコード配列(および随意に追加コード 配列)およびポリペプチドに対するコード配列の5'および/または3'非コード 配列のような、非コード配列を含む。 さらに、本発明はポリヌクレオチド欠失、置換または付加等の修飾を含む変異 ポリヌクレオチド、およびポリヌクレオチド配列の変異の結果生じる任意のポリ ペプチド修飾等を含む。本発明のポリヌクレオチドはまた、本明細書に提供され るコード 配列の自然発生対立遺伝子変異体であるコード配列を有し得る。 さらに、ポリペプチドに対するコード配列は、同一リーディングフレーム内で 、ホスト細胞からのポリペプチドの発現および分泌を助けるポリヌクレオチド配 列、例えば細胞からポリペプチドの輸送を制御する分泌配列として機能するリー ダ配列、と融合されてもよい。リーダー配列を有するポリペプチドはプレタンパ ク質であり、ホスト細胞によって開裂してポリペプチドの形を生成するリーダー 配列を有する。ポリヌクレオチドはまた、タンパク質プラス追加5'−アミノ酸 残基であるプロタンパク質をコードする。プロ配列を有するタンパク質はプロタ ンパク質であり、ある場合はタンパク質の不活性型で有り得る。ひとたびプロ配 列が開裂すると、活性タンパク質が残る。従って、本発明のポリヌクレオチドは タンパク質をコードするか、またはプロ配列を有するタンパク質をコードするか 、またはプレ配列(リーダー配列)およびプロ配列の双方の配列を有するタンパ ク質をコードし得る。 本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明のポリペプチドの精製を可能にする マーカー配列にフレーム内で融合しているコード配列を有し得る。マーカー配列 は、pProEx1(Li fe Technologies、Gaithersburg、MD)ベクター により供給され、細菌ホスト細胞の場合はマーカーに融合したポリペプチドの精 製を可能にする、ヘキサヒスチジンタグであるか、または哺乳動物細胞、例えば COS−7細胞、を使用した場合は、例えばマーカー配列はヘマグルチニン(H A)タグである。HAタグは、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質由来の エピトープに対応する。例えばI.Wilsonら著、Cell、第37巻、7 67頁(1984年)参照。 ヒトエンドスルフィンをコードするポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドと 前記配列間に少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性がある場 合、その配列とハイブリダイズすると推測される。 本発明はまた、ここで提供するポリヌクレオチドから選ばれたエンドスルフィ ン遺伝子ポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの少なくとも一部で ある、精製エンドスルフィンを用いて生産される抗体を提供する。これらの抗体 は、本明細書が提供する方法において、試験試料中のエンドスルフィンポリペプ チドの検出用に使用される。抗体はまた、治療目的、 例えばエンドスルフィンの発現の変化、または異常な発現に関連する状態におけ るエンドスルフィンの活性を中和するために用いられる。 本発明はさらに、本明細書で提供する様な推定アミノ酸配列を有するエンドス ルフィンポリペプチドの他、このようなポリペプチドのフラグメント、アナログ および誘導体を提供する。本発明のポリペプチドは組み換えポリペプチド、天然 精製ポリペプチドまたは合成ポリペプチドで有り得る。エンドスルフィンポリペ プチドのフラグメント、アナログおよび誘導体は、アミノ酸残基の1個以上が保 存または非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)で置換されたもの であり、このような置換アミノ酸残基は遺伝子コードでコードされた、またはコ ードされないものであっても良く、または1個以上のアミノ酸残基が置換基グル ープを含むものであっても良く、またはポリペプチドがポリペプチドの半減期を 増加させる化合物(例えばポリエチレングリコール)等の他の化合物と融合して いるものであって良く、または追加アミノ酸がリーダーまたは分泌配列、または ポリペプチドまたはタンパク質配列の精製に用いられる配列等のポリペプチドに 融合しているものであっても良い。こ のようなフラグメント、誘導体またはアナログは、本発明の範囲内である。本発 明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、単離された形で提供され、好まし くは精製される。 このように、本発明のポリペプチドは、天然起源のポリペプチドの配列と同一 、または1個以上のアミノ酸置換によるわずかな変更により異なる配列を有し得 る。変更は一般的には約1〜5アミノ酸の範囲の「保存性変化」であり、置換さ れたアミノ酸は類似の構造的または化学的性質を有し、例えばロイシンのイソロ イシンによる置換、またはトレオニンのセリンによる置換等である。対照的に、 変更は非保存性変化、例えばグリシンのトリプトファンによる置換を含んでも良 い。同様なわずかな変更には、アミノ酸欠失または挿入、またはその双方が含ま れ得る。生物的または免疫的活性を変化させずにどのような、およびいくつのア ミノ酸残基が置換、挿入または欠失されているかを決める指針は、当業者に公知 のコンピュータープログラム、例えばDNASTARソフトウエア(DNAST AR Inc.、Madison、WI)を用いて見出すことができる。 エンドスルフィンポリペプチドは、上記の通り高度発現細胞 株から発現した自然に精製された産生物であるか、または原核または真核ホスト 細胞(例えば培養されるバクテリア、酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞 )から組み換え技術で生産される。組み換え生産法で用いられるホストによって 、本発明のポリペプチドは哺乳動物または他の真核炭水化物によってグリコシル 化されるか、非グリコシル体である。本発明のポリペプチドはまた、開始メチオ ニンアミノ酸残基を含む。また、本発明のポリペプチドは通常のペプチド合成器 により合成的に製造されるか、本発明のDNA構成物由来のRNAを用いて無細 胞翻訳系で製造される。 プローブ分析 本明細書が提供する配列は、試験試料中の核酸検出のための分析に使用できる プローブの生産に使用し得る。例えば、プローブは染色体分析を行うための蛍光 原位置ハイブリダイゼーション(FISH)技術に使用することが可能であり、 また染色体の広がりから見ることができる、またはPCRで製造したおよび/も しくは対立遺伝子特異性オリゴヌクレオチドプローブ、対立遺伝子特異性増幅を 用いて検出可能もしくは直接配列決定で検出可能な、欠失または転移等の染色体 中のエンドスルフィ ン構造変化を同定するために使用される。プローブはまた、放射性同位元素、直 接または間接検出ハプテン、または蛍光分子でラベルすることができ、固定化組 織試料または細胞中のポリヌクレオチドを包含するmRNA発現を評価するため の原位置ハイブリダイゼーション実験に利用される。 プローブは目的のポリヌクレオチドの保存ヌクレオチド領域、または目的のポ リヌクレオチドの非保存領域から設計される。分析を最適化するためのこのよう なプローブの設計は、日常作業者の技術範囲である。一般に、最高の特異性が必 要な場合は核酸プローブは非保存または固有領域から開発され、例えば多重遺伝 子群のまたはマウスとヒト等の関連する種中の異なったメンバーに密接に関連す る、ヌクレオチド領域を分析する場合、核酸プローブは保存領域から開発される 。 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、核酸またはその混合物中に含まれる所望 の核酸配列(標的)を増幅する技術である。PCRにおいては、標的核酸の相補 性鎖の外側末端にハイブリダイズするために、プライマー対が過剰に用いられる 。プライマーはそれぞれ、標的核酸を鋳型として用いてポリメラーゼにより伸長 される。伸長産生物が標的配列それ自体となり、次い で最初の標的鎖から解離される。新しいプライマーは次いで標的配列とハイブリ ダイズし、ポリメラーゼにより伸長し、そのサイクルが繰り返されて標的配列分 子を幾何学的に増加させる。PCRは米国特許第4、683、195号および第 4,683,202号に開示され、本明細書に引用して取込む。 リガーゼ連鎖反応(LCR)は核酸増幅の別法である。LCRでは、2個の1 次(第1および第2)および2次(第3および第4)プローブを含むプローブ対 が使用され、その全てが標的に対して過剰モル数で用いられる。第1プローブは 標的鎖の第1セグメントとハイブリダイズし、第2プローブは標的鎖の第2セグ メントとハイブリダイズする。第1および第2セグメントは、1次プローブが相 互に5'−ホスフェート−3'−ヒドロキシル関係で隣接する様に、リガーゼが2 個のプローブを共有結合で融合または連結して融合産物を精製する様に、隣接関 係にある。さらに第3(2次)プローブは第1プローブの部分に、第4(2次) プローブは第2プローブの部分に同様な隣接関係でハイブリダイズ可能である。 もちろん、標的が最初に二重鎖である場合は、2次プローブは先ず標的相補体ハ イブリダイズする。1次プローブが連結された鎖が標的鎖からひとたび 分離されると、それは第3、第4のプローブとハイブリダイズされ、相補的な2 次連結産物を生成する。連結産物は標的またはその相補体と機能的に等価である ことを実現することが重要である。ハイブリダイゼーションとライゲーションの サイクルを繰り返すことにより、標的配列の増幅が行われる。この技術は198 9年6月16日に公開されたK.BackmanのEP−A−320308、1 991年7月31日に公開されたK.BackmanらのEP−A−43918 2により完全に記載され、本明細書に参照して取込まれる。 mRNAの増幅では、mRNAをcDNA中に逆転写し、次いでポリメラーゼ 連鎖反応を行うこと(RT−PCR)、または本明細書に参照して取込まれる米 国特許第5,322,770号記載の通り双方のステップに単一酵素を使用する こと、または本明細書に参照して取込まれるR.L.Marshallら著、「 PCR法およびその応用」第4巻、80−84頁、(1994年)記載の通りm RNAをcDNA中に逆転写し、次いで非対象ギャップリガーゼ連鎖反応(RT −AGLCR)を行うことは、本発明の範囲内である。 ここで利用できる他の既知の増幅法には、PNAS USA、 第87巻、1874−1878頁(1990年)、およびNature 350 (第6313号)、91頁(1991年)に記載の、いわゆる「NASBA」ま たは「3SR」技術、ヨーロッパ特許出願公開第4544610号に記載のQ− ベータ増幅、G.T.Walkerら著、Clin.Chem.第42巻、9− 13頁(1996年)およびヨーロッパ特許出願第684315号記載の鎖移動 (strand dispiacement)増幅、およびPCT公開WO93 22461号記載の標的仲介(target mediated)増幅が含まれ るが、それに限定されるものではない。 一つの実施形態では、本発明は一般的に標的ポリヌクレオチド配列が含まれて いると思われる試験試料を、増幅プライマーを包含する増幅反応試薬、およびア ンプリコン配列の内部領域と、接触させる工程を包含する。本明細書の方法によ り用いられるプローブおよびプライマーは、捕捉および検出ラベルでラベルされ 、プローブはあるタイプのレベルでラベルされ、プライマーは別のタイプのラベ ルでラベルされる。さらに、プライマーとプローブは、プローブ配列がプライマ ー配列より低い融解温度を有するように選ばれる。増幅試薬、検出試薬および試 験試料は増幅条件下に置かれ、それにより、標的配列の存在で標的配列のコピー (アンプリコン)が作成される。プライマーは標的配列とその相補鎖を増幅する ために提供されるので、通常の場合はアンプリコンは二重鎖である。次いで二重 鎖アンプリコンは熱的に変成して一重鎖アンプリコンメンバーを生成する。一重 鎖アンプリコンメンバーが生成すると、混合物を冷却してプローブと一重鎖アン プリコンメンバーとの間の複合体を生成させる。 一重鎖アンプリコン配列とプローブ配列が冷却されると、プローブ配列は優先 的に一重鎖アンプリコンメンバーと結合する。この所見は、プローブ配列が一般 的にプライマー配列より短くなるように選ばれ、従ってプライマーより低い融解 温度を有するとすれば、直感的でない。従って、プライマーによって作成された アンプリコンの融解温度も、プローブより高い融解温度を持たなければならない 。従って、混合物が冷却すると、二重鎖アンプリコンの再生が期待される。しか しながら前述の通り、これは実際とは異なる。プローブは一重鎖アンプリコンメ ンバーと優先的に結合することが見出されている。その上、プローブ/一重標準 アンプリコン結合のこの優先性は、プライマー配 列がプローブより過剰に加えられた場合でも存在する。 プローブ/一重鎖アンプリコンメンバーのハイブリッドが生成後、それらは検 出される。プライマーおよびプローブ上に存在する検出ラベルおよび捕捉ラベル を用いてハイブリッドを検出するには、標準不均一分析フォーマットが適してい る。ハイブリッドは捕捉ラベルにより固相試薬に結合することができ、検出ラベ ルにより検出される。検出ラベルが直接検出可能の場合は、固相上のハイブリッ ドの存在は、必要あればラベルに検出可能な信号を発生させ、信号を検出するこ とにより検出される。レベルが直接検出できない場合は、捕捉されたハイブリッ ドは通常は直接検出可能なラベルに付着した結合メンバーを包含するコンジュゲ ートと接触させ得る。コンジュゲートは複合体に結合し、複合体上のコンジュゲ ートの存在は直接検出可能なラベルで検出される。従って、固相試薬上のハイブ リッドの存在を測定できる。当業者は、洗浄工程がハイブリダイズしないアンプ リコンまたはプローブと同時に、未結合コンジュゲートも洗い流すことを認識で きる。 一般的には、試験試料は標的配列を含むと思われる任意の試料である。個体か ら試料を得、必要あればその中に含まれるす べての細胞を破壊して標的核酸を放出することにより、公知の方法論を用いて試 験試料を調製できる。標的配列は一重鎖であると記載されているが、標的配列が 実際には二重鎖であり、しかも増幅プライマー配列とハイブリダイゼーションす る前にその相補体から分離されたのみである場合も含まれることは考えられる。 この方法でPCRが用いられる場合は、標的配列の末端は通常は既知である。こ の方法でLCRまたはその変位が用いられる場合は、全体の配列は通常は末知で ある。一般的には、標的配列は例えばRNAまたはDNA等の核酸である。 ここで提供する方法は、特にPCRおよびGLCRにおける熱サイクル反応混 合物を含む公知の増幅反応で使用できる。一般的には、増幅反応は標的核酸配列 を繰り返し作成するためにプライマーを使用し、標的配列は通常より大きい核酸 配列の小さな領域である。プライマーそれ自体は標的配列の領域と相補的である 核酸配列である。増幅条件下では、プライマーは標的配列の相補領域とハイブリ ダイズまたは結合する。一般的には標的配列のコピーは、ポリメラーゼまたはリ ガーゼ活性を有する酵素を単独または組み合せで利用するプライマー伸長および /または連結の過程で作成され、ハイブリダイズプライマーお よび/またはプローブ対に隣接した連結物にヌクレオチドを付加する。モノマー または予備形成オリゴマーとしてプライマーまたはプローブに付加されるヌクレ オチドもまた、標的配列に相補的である。プライマーまたはプローブが十分に伸 長および/または連結されると、反応混合物を「融解温度」、つまり相補核酸鎖 が解離する温度に加熱して標的配列から分離される。このようにして標的配列に 相補的な配列が生成する。 標的配列の数をさらに増幅するために、全ての二重鎖配列を分離しプライマー またはプローブをそれそれの標的にハイブリダイズさせ、ハイブリダイズされた プライマーまたはプローブを伸長および/または連結しおよび再分離して、新し い増幅サイクルが行われる。増幅サイクルで生成した相補配列は、プライマー伸 長または2個のプローブのギャップを埋める鋳型として働き、標的配列の数をさ らに増幅する。一般的には、反応混合物は20〜100回の間サイクルされ、よ り一般的には反応混合物は26〜50回の間サイクルされるサイクル数は当業者 で決定し得る。この方法で、標的配列とその相補配列の何回ものコピーが作成さ れる。このようにして、増幅条件下にある場合はプライマーは標的配列の増幅を 開始する。 一般的に、標的鎖とその相補体に相補的である2個のプライマーがPCRで用 いられる。LCRでは、その2個が標的配列に相補的であり、2個が標的相補対 に同様に相補的である4個のプローブが一般に用いられる。プライマーセットと 前述の酵素に加えて、核酸増幅混合物は公知であり、以下を含むがそれに限定さ れない他の試薬も包含する:マンガン等の酵素コファクター、マグネシウム、塩 、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、および例えばデオキシア デニン三燐酸、デオキシグアニン三燐酸、デオキシシトシン三燐酸およびデオキ シチミジン三燐酸等のデオキシヌクレオチド三燐酸(dNTP)。 増幅プライマーは標的配列の増幅を開始するが、ある場合には、検出(または ハイブリダイゼーション)プローブは増幅に含まれない。検出プローブは一般的 には例えば国際特許出願WO92/20702号に開示されるペプチド核酸、米 国特許第5,185,444号、第5,034,506号および第5,142, 047号に開示されるモルホリノアナログ等の核酸配列または非荷電核酸アナロ グである。プローブが有するラベルのタイプに応じて、ラベルは増幅反応で生成 したアンプリコンを捕捉または検出するために用いられる。プローブは標的 配列の増幅には関与せず、従って別のdNTPがプローブに追加されないという 点で「非伸長性」と呼ばれることがある。通常、アナログ自体は非伸長性であり 、ヒドロキシル基がもはや伸長に関与できないように3'末端を修飾することに より、核酸プローブを非伸長性とすることができる。例えば、プローブの3'末 端を捕捉または検出ラベルで活性化し、それによりヒドロキシルグループを消費 またはブロックすることができる。あるいは、3'ヒドロキシル基を単に切り取 り、置換または修飾することができる。本明細書に参照して取込まれる1993 年4月19日受理米国特許第07/049061号には、プローブを非伸長性と することができる修飾が記載されている。 従って、このような状況ではプライマーとプローブの比率は重要ではない。つ まり、プローブまたはプライマーいずれかを反応混合物に過剰に加え、それによ り一方の濃度を他方の濃度より大きくすることができる。また、プライマーとプ ローブを等濃度で用いることもできる。しかしながら、プライマーをプローブよ り過剰に反応混合物中に加えることが好ましい。従って、増幅工程にプローブが 関与しない場合、好ましいプライマーとプローブの比率は例えば5:1および2 0:1である。 プライマーとプローブの長さは可変であるが、プローブがプライマーより低い 融解温度を持つようにプローブ配列が選ばれる。従って、プライマー配列は一般 にプローブ配列より長くなる。プライマー配列は一般的には20〜50ヌクレオ チド長の範囲、より一般的には20〜30ヌクレオチド長の範囲である。 あるいは、「ネステッドPCR」として知られる方法による標的配列の増幅に プローブが関与している。ネステッドPCRでは、プローブは通常増幅に用いら れる第1および第2プライマーと良く似た特性(長さ、融解温度等)を有し、そ れ自体増幅反応のプライマーとなる。ネステッドPCRでは通常、プライマーの 第1対(P1およびP2)が1次伸長産物を生成するために用いられる。1次プラ イマーの一つ(例えばP1)は任意に捕捉プライマー(すなわち第1反応対のメ ンに結合している)であっても良く、一方、もう一方のプライマー(P2)はそ うではない。次いで2次伸長産物がP1プライマーおよびプローブ(P2')を用 いて形成され、それもまた5'末端に捕捉タイプのラベル(例えば第2反応対の メンバー)または検出ラベルを有する。プローブは、溶液中に依然ある場合P2 の3'末端がハイブリダイズする近傍または隣接している(しかし重複していな い)テンプレート上の部位において相補的であり、それとハイブリダイズする。 従って、ラベルされたプライマー/プローブセットは、1次伸長産物より短い2 次産物を生成する。さらに、2次産物は、そのサイズに基づき、またはそのラベ ルされた末端により、検出することができる(通常の技術を有する当業者に公知 の方法による)。この方法では、プローブとプライマーが一般に同じ濃度で用い られる。 プライマーとプローブを合成する様々な方法が公知である。同様に、プライマ ーまたはプローブにラベルを付ける方法も公知である。例えば、通常の核酸ホス フォルアミダイト化学、およびApplied Biosystems Inc .(Foster City、CA)、Dupont(Wilming ton 、DE)またはMilligan(Bedford、MA)市販の装置を用いて 所望の核酸プライマーまたはプローブを合成することは日常的な事項である。本 明細書のプライマーまたはプローブ等のオリゴヌクレオチドをラベルする方法は 数多く記載されている。Enzo Biochemical(New York 、NY)およびClontech(Palo Alto、CA)の両社は、プロ ーブラベル技術を発表し商品 化している。例えば、1級アミンを3'−Amine−ON CPGTM(Clo ntech、Palo Alto、CA)を用いて3'オリゴ端に付加すること ができる。同様に、Aminomdifier IIR(Clontch)を用 いて1級アミンを5'オリゴ末端に付加することができる。通常の活性化および 結合化学を用いてアミンを様々なハプテンと反応させることができる。さらに、 本明細書に参照して取込まれる同時係続出願米国特許第625,566号(19 90年12月11日受理)および米国特許第630,908(1990年12月 20日受理)は5'および3'末端それぞれにおいてプローブをラベルする方法を 開示している。公報WO92/10505号(1992年6月25日)および公 報WO02/11388号(1992年6月9日)は、5'および3'末端それぞ れにおいてプローブをラベルする方法を開示している。あるオリゴヌクレオチド をラベルする法によれば、ラベル−ホスフォルアミダイト試薬が調製され、合成 中にラベルをオリゴヌクレオチドに付加するために用いられる。例えばN.T. Thuongら、Tet.Letters 第29(46)巻、5905−59 08頁(1988年)、またはJ.S.Cohenら、公開米国特許 出願07/246、688号(NTIS ORDER第PAT−APPL−7− 246、688号(1989年))参照のこと。プローブは3'および5'末端で ラベルされることが好ましい。 捕捉ラベルはプライマーまたはプローブに担持され、固相試薬の特異的結合メ ンバーとの結合対を形成する特異的結合メンバーとなり得る。プライマーまたは プローブそれ自体が捕捉ラベルとなることは、当然理解される。例えば、固相試 薬の結合メンバーが核酸配列である場合、プライマーまたはプローブの相補部分 と結合してプライマーまたはプローブを固相に固定化する様に選ばれる。プロー ブそれ自体が結合メンバーとなる場合は、プローブが一重鎖アンプリコンメンバ ーに対し相補性でない配列または「テール」を含むことは、当業者に理解され得 る。プライマーそれ自体が捕捉ラベルとなる場合は、プローブがプライマー配列 と完全に相補性でないようにプローブが選ばれているため、プライマーの少なく とも一部は固相上の核酸とハイブリダイズしない。 本発明が供する他の方法は、少なくとも1個のポリヌクレオチドがここで提供 される複数のポリヌクレオチドと試験試料を接触させ、試験試料を複数のポリヌ クレオチドとハイブリダイ ズさせ、ハイブリダイゼーション複合体を検出することを包含する。ハイブリダ イゼーション複合体を同定、定量し、エンドスルフィン発現を示すプロフィルを 集める。発現RNA配列はさらに逆転写、およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR )を含む当業者に公知の方法によるDNA産物の増幅により検出される。 薬剤スクリーニングおよび遺伝子治療 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド等のアン チセンスエンドスルフィン遺伝子由来の分子を、エンドスルフィン関連ポリヌク レオチドの異常発現に関連する状態の患者に導入するための遺伝子治療法の使用 も含む。アンチセンスRNAおよびDNAフラグメントおよびリボザイムを含む これらの分子は、エンドスルフィンmRNAの翻訳を阻害する様に設計され、エ ンドスルフィンポリヌクレオチドの変性または異常発現に関連する状態の処置に 治療目的で使用される。 また、上記オリゴヌクレオチドは、アンチセンスRNAまたはDNAが生体内 で発現され、上記の様な方法でエンドスルフィンポリペプチドの生産を阻害する 様な技術で、細胞に送達することができる。アンチセンスはエンドスルフィンポ リヌクレオチドと対立し、従ってエンドスルフィン転写の作用を取消す。 本発明はまた、ヒトエンドスルフィンポリペプチド、またはその任意のフラグ メントに特異的に結合する複数の化合物をスクリーニングし、ヒトエンドスルフ ィンポリペプチドに特異的に結合する少なくとも一つの化合物を同定する方法を 提供する。このような方法は、少なくとも1個の化合物を提供する工程、適当な 条件下に結合し得る十分な時間、エンドスルフィンポリペプチドをそれぞれの化 合物と組み合せる工程、およびそれぞれの化合物と結合したエンドスルフィンポ リペプチドを検出する工程を包含する。このような方法により、エンドスルフィ ンの活性を調節する(すなわち、阻害または活性化する)エンドスルフィン結合 化合物を同定することができる。 三重ヘリックス生成、またはアンチセンスRNAまたはRNAにより、遺伝子 発現を制御するためにアンチセンス技術を用いることが可能で、双方の方法はポ リヌクレオチドのDNAまたはRNAへの結合に基づいている。例えば、本発明 のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5'コード部分が、長さで 10〜40塩基対のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計するために用 いられる。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与する遺伝子の領域と相補的 であるように設計 され、エンドスルフィン由来のポリペプチドの転写と生産を防止する。三重ヘリ ックスについてはLeeら著、Nucl.Acids Res.第6巻、307 3頁(1979年)、Cooneyら著、Science、第241巻、456 頁(1988年)、Dervanら著、Science、第251巻、1360 頁(1991年)参照のこと。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドはmRN Aと生体内でハイブリダイズし、mRNAのエンドスルフィンポリペプチド中へ の翻訳をブロックするか、mRNAの輸送またた安定性を変化させる。アンチセ ンスに関しては例えばOkano著、J.Neurochem.第56巻、56 0頁(1991年)、および「遺伝子発現のアンチセンスインヒビターとしての オリゴデオキシヌクレオチド」、CRC Press、Boca Raton、 Fla.(1988年)参照のこと。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、分子 が核酸加水分解開裂に抵抗性を与える人工的ヌクレオチド内結合を含むように修 飾された場合、高い効率で作用する。このような人工的ヌクレオチド内結合には メチルホスフォネート、ホスフォロチオレート、およびホスフォロアミデートヌ クレオチド内結合が含まれるが、それに限定されるものではない。 このような試験に用いられるポリペプチドまたはペプチドフラグメントは、溶 液中で遊離であるか、固体支持体に固定されているか、細胞表面に担持されてい るか、細胞内に存在する。薬剤スクリーニングのーつの方法は、ポリペプチドま たはペプチドフラグメントを発現し得る組み換え核酸で安定に形質転換される、 真核または原核ホスト細胞を利用する。薬剤は、競合結合分析でこのような形質 転換細胞に対してスクリーニングされる。例えば、ポリペプチドと試験される試 薬間の複合体形成は、生きた細胞または固定化細胞いずれかで測定できる。 従って本発明は、ATP感受性カリウムチャネルに関連する疾病を処置するた めに用いられる、薬剤またはその他の任意の試薬に関するスクリーニング法を提 供する。これらの方法は、薬剤をポリペプチドまたはそのフラグメントと接触さ せ、薬剤とポリペプチド間の複合体の存在、またはポリペプチドと細胞間の複合 体の存在を分析することを包含する。競合的結合分析では、一般的にはポリペプ チドはラベルされる。適当なインキュベーション後、遊離(複合体を形成しない )のポリペプチドまたはそのフラグメントは結合型で存在するものから分離され 、遊離または複合体を形成しないラベルの量は、特定の薬剤がポリペプチドに結 合する、またはポリペプチド/細胞複合体を阻 害する能力の目安となる。 本発明はまた、ポリペプチドを結合し得る中和抗体が試験薬剤と、ポリペプチ ドまたはそのフラグメントへの結合について競合する、競合薬剤スクリーニング 分析の使用も含む。この方法では、抗体はここで提供されるポリペプチドが有す る1個以上の抗原決定基と同じ抗原決定基を有する、試験試料中の任意のポリペ プチドを検出するために使用することができる。 薬剤スクリーニングの他の方法は、本明細書に開示された少なくとも1個のポ リペプチドに対する結合親和性を有する、適当な結合能を有する化合物用の処理 量の大きいスクリーニングを提供する。簡単に言えば、異なった多数の小さいペ プチド試験化合物が、プラスチックピンまたは他の表面等の固相上で合成される 。ペプチド試験化合物はポリペプチドと反応し、洗浄される。このように固相に 結合したポリペプチドは公知の方法で検出される。精製したポリペプチドも、本 明細書に記載の薬剤スクリーニング技術で使用するために直接プレート上に塗布 される。さらに、非中和性抗体もポリペプチドを捕捉し、それを固体支持体上に 固定化するために使用できる。例えば、本明細書に参照して取込まれる欧州特許 84/03564号(1984年9月13日)参照のこと。 合理的な薬剤設計のゴールは、目的の生物活性ポリペプチドの、または相互作 用するアゴニスト、アンタゴニストまたは阻害剤の構造アナログを作成すること である。このような構造アナログは、ポリペプチドのより活性の高い形である、 または生体内でポリペプチドの機能を促進する、またはそれを妨害する薬剤を作 製するために使用し得る。本明細書に参照して取込まれるJ.Hodgson、Bio/Technology 、第9巻、19−21頁(1991年)参照。 一つのアプローチでは、例えばポリペプチドまたはポリペプチド−阻害剤複合 体の3次元構造は、X線結晶学、コンピューターモデリングまたは2つのアプロ ーチの組み合せでで決定される。ポリペプチドの形と荷電の双方が構造を説明し 、分子の活性部位を決めるために確認される必要がある。より頻度が少ないが、 ポリペプチドの構造に関する有用な情報が、相同タンパク質の構造に基づくモデ リングで得られる。双方の場合で、関連する情報が類似のポリペプチド様分子を 設計するため、または効率の良い阻害剤を同定するために用いられる。 合理的な薬剤設計の有用な例には、S.Braxonら著、Biochemi stry 、第31巻、7796−7801頁(1992年)に示される活性と安 定性が改善された分子、また はS.B.O.P.Athaudaら著、J.Biochem.(Tokyo) 、第113(6)巻、742−746頁(1993年)に示される天然型ペプチ ドの阻害剤、アゴニスト、アンタゴニストとして作用する分子が含まれ、本明細 書に参照して取込まれる。 上記の分析で選ばれた標的特異性抗体を単離し、その結晶構造を決定すること も可能である。原理的にこのアプローチは、その後の薬剤設計が立脚するファル マコフォアを生み出す。機能性で薬学的に活性な抗体に対する抗イディオタイプ 抗体(「anti−id」)を作成することにより、タンパク質結晶学を迂回す ることも可能である。鏡面対称体の鏡面対称体として、anti−idの結合部 位は最初のレセプターのアナログである。従ってanti−idを化学的または 生物学的に作成したペプチドのバンクからペプチドを同定し単離するために使用 できる。次いで単離されたペプチドはファルマコフォア(すなわち、プロトタイ プ薬学的薬剤)として作用することができる。 X線結晶学等の分析実験を行うに十分な量の本発明の組み換えポリペプチドが 得られる。さらに、ここで提供する核酸配列から導かれるポリペプチドアミノ酸 配列の知識は、X線結晶学 の代わりに、またはそれに加えてコンピューターモデリング技術を応用しようと する人の道標となる。 ヒトエンドスルフィンポリペプチドに特異的な抗体は、ポリペプチドに結合さ せることによりポリペプチドの生物作用を阻害するために使用し得る。この方法 では、抗体は治療、例えばATP感受性カリウムチャネルに関係する疾病の処置 に抗体を使用することが出来る。 さらに、このような抗体は、ヒトエンドスルフィンポリペプチドの有無を検出 することができ、従ってATP感受性カリウムチャネルに関係する疾病の診断用 マーカーとして有用である。本発明はまた、本発明のポリペプチドのアンタゴニ ストおよび阻害剤を目的とする。アンタゴニストおよび阻害剤とは、ポリペプチ ドの機能を阻害または除去するものである。従って、例えばアンタゴニストは本 発明のポリペプチドに結合し、その機能を阻害または除去し得る。 アンタゴニストと阻害剤は、緩衝生理食塩水、デキストローズ、水、グリセロ ール、エタノールおよびその組み合せを含むがそれに限定されない、薬学的に許 容し得るキャリアとの組成物として使用できる。組み換え技術 本発明は本発明のポリヌクレオチド、本発明のベクターで遺伝子操作されたホ スト細胞、および組み換え技術による本発明のポリペプチドの製造を含むベクタ ーを提供する。このような方法は、ヒトエンドスルフィンポリヌクレオチドの発 現に適した条件下でホスト細胞を培養すること、およびそこから生産されたポリ ペプチドを回収することを包含する。 aホスト細胞 一つの実施形態では、本発明は以下に記載する組み換え構成体を含むホスト細 胞を提供する。ホスト細胞は哺乳動物細胞等の高等真核細胞、または酵母細胞等 の下等真核細胞、またはバクテリア細胞等の原核細胞である。適当なホストの代 表例にはE.coli、Bacillus subtilis、Salmone lla typhimurium、ならびにPseudomonas、stre ptomyces、およびStaphylococcus属の多様な種等のバク テリア細胞が含まれるが、以下のものも通常の選択対象として用いられる:酵母 等のカビ細胞、DrosophilaおよびSf9等の昆虫細胞、CHO、CO SまたはBowesミエローマ細胞等の動 物細胞、植物細胞、等。適当なホストの選択は、本発明が提供する所見から当業 者の範囲内であるとみなされる。 一般的にホスト細胞は、クローンベクターまたは発現ベクターである本発明の ベクターで遺伝子操作(形質導入または形質転換または形質移入)される。遺伝 子操作されたホスト細胞は、プロモーターを活性化し、形質転換体を選択し、ま たはエンドスルフィン遺伝子を増幅するに適するように変更された通常の栄養培 地中で培養し得る。温度、pH等の培養条件は、発現のために以前にホスト細胞 で用いられたものであり、当業者に自明である。 b. ベクターおよび発現系 本発明はまた、上記で広く説明した1個以上の配列を包含する組み換え構成体 を含む。その構成体は、前向きまたは逆向きの配置で本発明の配列が挿入されて いるプラスミドまたはウイルスベクター等のベクターを包含する。このようなベ クターには染色体、非染色体および合成DNA配列、すなわちSV40誘導体、 バクテリアプラスミド、ファージDNA、酵母DNA、プラスミドとファージD NAの組み合せ由来のベクター、およびワクチナウイルス、アデノウイルス、鶏 痘ウイルス、および 仮性狂犬病ウイルス、といったウイルス性DNAを含む。好ましい実施形態では 、構造体は発現ベクター(下記のとおり)を含む。多数の適したプラスミドおよ びベクターは当業者に公知であり、市販されている。以下のベクターを例として 挙げる:(a)バクテリア性:PBR322(ATCC37017)、pGEM I(Promega Biotach、Madison、WI);pUC;pS PORT1およびpProEx1(Life Technologies、Ga itherburg、MD)、pQE70、pQE60、pQE−9(Oiag en)、pBs、Phagescript、psiX174、pBlescri pt SK、pBsKS、pNH8a、pNH16a、pNH18a、pNH4 6a(Stratagene)、pTrc99A、pKK223−3、pKK2 33−3、pDR540、pRIT5およびpGEX4T(Pharmacia Fine Chemicals、Uppsala、Sweden)、および( b)真核性:PWLneo、pSVcat、pOG44、pXT1、pSG(S tratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSLV(Phar macia)、pcDNA3.1(Invitrogen)。原核および真核用 の 他の適当なクローニングおよび発現ベクターはSambrookら著、「分子ク ローニング、実験室ガイド」、第2版(Cold Spring Harbor 、NY、1989年)に記載され、本明細書に参照して取込まれる。しかしなが ら一般にそれがホスト中で複製し活性である限り、任意のプラスミドまたはベク ターが使用できる。 好ましい実施形態では、構成体は目的の配列に能動的に結合されていて、mR NA合成とポリペプチド生産を指示する制御配列も包含する発現ベクターである 。原核および/または真核細胞で作用することが知られる制御配列には、mRN A転写を制御する誘導性および非誘導性プロモーター、リボソーム結合部位、翻 訳停止および転写停止のための停止コドンおよび/またはポリアデニル化信号が 含まれる。さらに、発現ベクターには発現を増幅するための適当な配列が含まれ る(ジヒドロ葉酸リダクターゼ遺伝子等)。 プロモーター領域は任意の所望の遺伝子から選ばれるが、好ましくは高度に発 現するものから選ばれる。特定の名前が付けられているバクテリアプロモーター にはlacZ、gpt、lambda P sub P、P sub Lおよび trpが 含まれる。真核プロモーターにはサイトメガロウイルス(CMV)直前期、ヘル ペスシンプレックスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ、早期および後期SV 40、レトロウイルス由来LTR、マウスメタロチオネン−I、プリオンタンパ ク質および神経特異性エノラーゼ(NSE)が含まれる。適当なプロモータの選 択は当業者の通常の技術レベル内である。さらに、組み換え発現ベクターは複製 の起源と選択し得るマーカー(抗生物質(ネオマイシン、クロラムフェニコール またはアンピシリン等)抵抗性を与える遺伝子等またはレポーター遺伝子(ルシ フェラーゼ等))を含み、安定に形質転換または形質移入された細胞を選ぶこと ができる。 好ましい原核または酵母発現ベクターでは、異種構造配列(本発明のポリヌク レオチド等)が翻訳開始および停止配列と、好ましくは翻訳されたタンパク質を ペリプラズム空間または細胞外媒体中に分泌可能なリーダー配列と、適切なフェ ーズで組み込まれる。場合によって、異種配列はN−末端同定ペプチドを含む融 合タンパク質をコードし、例えば安定性または発現された組み換え製品の簡単な 精製等の所望の特性を与える。 好ましい真核発現ベクターはまた、複製の開始点、目的配列 に結合して働く適当なプロモーター、および任意の必要な翻訳促進配列、ポリア デニル化部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、転写停止配列、およ び5'フランク非転写配列を包含する。例えばSV40オリジン、初期プロモー ター、エンハンサー、スプライスおよびポリアデニル化部位等のSV40ウイル ス遺伝子由来のDNA配列が、所望の非転写遺伝子要素を提供するために使用さ れる。このようなベクターはまた、遺伝子の転写を増加させるためのエンハンサ ーを含む。エンハンサーは、プロモーターに作用してその転写速度を増加させる 、通常は約10〜300bpのDNAのシス作用要素である。例としては複製起 源の後期部上のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーター エンハンサー、複製領域の後期側上のポリオーマエンハンサー、およびアデノウ イルスエンハンサーがある。 i. ベクター構成 適当なDNA配列を様々な方法でベクター中に挿入することができる。一般に 、部位特異性DNA開裂は、DNAをこれらの市販酵素のメーカーが指定する条 件で、適当な制限酵素で処理することによって行われる。通常は、約1マイクロ グラム(μ g)のプラスミドまたはDNA配列を、約20マイクロリッター(μL)の緩衝 溶液中の1ユニットの酵素を用い、37℃で1〜2時間で開裂する。制限酵素と インキュベーション後、タンパク質をフェノール/クロロホルム抽出で除去し、 DNAをエタノール沈殿で回収する。開裂したフラグメントはポリアクリルアミ ドまたはアガロースゲル電気泳動を用いて、当業者に公知の方法により分離する 。(上記Sambroolら参照1)。 連結は標準緩衝液および温度を用い、リガーゼ(T4 DNAリガーゼ等)お よびATPにより行われる。粘着末端連結は、平滑末端連結より少ないATPと より少ないリガーゼを必要とする。ベクターフラグメントを連結混合物の一部と して使用する場合は、ベクターフラグメントはしばしばバクテリアアルカリホス ファターゼ(BAP)または子牛腸アルカリホスファターゼ(CIAP)で処理 して5'ホスフェートを除去し、ベクターの連結を阻止する。または、希望しな いフラグメントの制限酵素消化を連結を阻止するために用いる。連結混合物は coli等の適当なホスト中に形質転換され、成功した形質転換体を抗生物 質抵抗性を含む方法で選択し、正しい構成体をスクリーニングする。ii. 形質転換/形質移入 ホストが組み換えポリペプチドを生産する様な、本発明の構成を有する適当な ホストの形質転換または形質移入は、様々な方法で行われる。例えば、塩化カル シウム形質転換、塩化リチウムまたは燐酸カルシウム形質移入、DEAE−デキ ストラン仲介形質移入、またはエレクトロポーレーション等により構成体をホス ト細胞中に導入し得る。ホスト細胞を形質転換/形質移入するこれらの方法は当 業者に公知である(L.Davisら著、「分子生物学における基本方法」、第 2版、AppletonおよびLang、Paramount Publish ing、East Norwalk、CT(1994年))参照。 iii. 組み換えホスト細胞から発現タンパク質の回収 適当なホスト株を形質転換または形質移入し、ホスト株を適当な細胞濃度に生 育後、選ばれたプロモーターを適当な手段(例えば、温度変化または化学誘導)で 抑制解除し、細胞を一定期間培養する。一般的には細胞を遠心分離で収穫し、物 理的または化学的手段で破壊し(細胞内タンパク質を放出するため)、得られた 粗抽出物をその後の精製のために保存する。タンパク 質の発現のために用いた微生物細胞は、凍結解凍サイクル、超音波処理、機械的 破砕、または細胞溶菌試薬の使用等を含む任意の通常の方法で破壊し得るが、こ のような方法は当業者に公知である。発現タンパク質が分泌されたら、収穫細胞 の上澄から精製できる。 エンドスルフィンポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、 酸抽出、アフィニティークロマトグラフィー、アニオンまたはカチオン交換クロ マトグラフィー、ホスフオセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロ マトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーまたはレクチンクロ マトグラフィーを含む既知の方法で回収・精製される。精製中は低濃度(約0. 1〜5mM)のカルシウムイオンパーセントであることが好ましい(Price ら、J.Biol.Chem.第244巻、917頁(1969年))。タンパ ク質の立体構造を完成するため、必要あればタンパク質の再折り畳み工程を用い ることができる。最後に、最終精製のため高速クロマトグラフィー(HPLC) を用いることができる。 別の大量の分泌タンパク質の製造方法では、哺乳動物芽細胞の形質転換と、形 質移入雌ウシ、ヤギ、ヒツジ等で生産したミ ルクからの組み換えタンパク質の回収が行われる。ポリペプチドおよび近縁分子 は、タンパク質精製を促進する様な方法で組み換えで発現する。一つのアプロー チでは、ヒトポリペプチドでは天然では存在しない1種以上の追加ポリペプチド ドメインを含むキメラタンパク質の発現が行われる。このような精製促進ドメイ ンには固定化金属上で精製できるヒスチジン−トリプトファンドメイン等の金属 キレートペプチド、固定化免疫グロブリン上で精製できるプロテインAドメイン 、およびFLAGS伸長/アフィニティー系(Immunex Corp.、S eattle、WA)が含まれるが、それに限定されるものではない。ポリペプ チド配列と精製ドメインの間にFactor XAまたはInvitrogen (San Diego、CA)から購入したエンテロキナーゼ等の開裂リンカー 配列を組み込むことは、ポリペプチドを回収するために有用である。イムノ分析 そのフラグメントまたは誘導体またはアナログを含む本発明のポリペプチド、 またはそれらを発現する細胞を、ヒトエンドスルフィンに対する抗体を検出する ための様々な分析に用いることが可能で、その多くは本明細書に記載されている 。それら はまた、抗体を生産するための免疫源として用いることができる。これらの抗体 は例えば、ポリクローンまたはモノクローン抗体、キメラ一本鎖およびヒト化抗 体であり、またFabフラグメントまたはFab発現ライブラリーの産物である 。公知の様々な方法がこのような抗体およびフラグメントの製造に用いることが できる。 例えば、本発明の配列に対応するポリペプチドに対して作成した抗体は、動物 中へのポリペプチドの直接注入またはマウス、ウサギ、ニワトリ、ヤギ等の動物 へのポリペプチド投与により得ることができる。マウス、ウサギまたはヤギが好 ましい。このようにして得られた抗体は、ポリペプチドそのものに結合する。こ の方法で、ポリペプチドのフラグメントのみをコードする配列でも、天然ポリペ プチドと結合する抗体を作成するために使用することができる。このような抗体 は、そのポリペプチドを含んでいると思われる組織等の試験試料から、ポリペプ チドを単離するために使用することができる。モノクローン抗体調製では、連続 細胞株培養により生成した抗体を提供する任意の技術を用いることができる。例 としてKohlerおよびMilstein、Nature 256:495− 497(1 975)に記載のハイブリドーマ技術;Kozborら、Immun.Toda y 4:72(1983)記載のトリオーマ技術、ヒトB細胞技術;およびCo leら、「モノクローン抗体および癌の治療」、Alan R.Liss、In c、New York、NY、77−96頁(1985)記載のヒトモノクロー ン抗体を生産するためのEBVハイブリドーマ技術が含まれる。一本鎖抗体生産 のために記載された技術は、本発明の免疫原性ポリペプチドに対する一本鎖抗体 を生産するために採用される。例えば本明細書に参照して取込まれる米国特許番 号第4,946,778参照。 サンドイッチイムノ分析およびプローブ分析を含む多くの分析フォーマットで 、本発明の抗体を利用し得る。例えば、本発明のモノクローン抗体またはそのフ ラグメントを、試験試料中のエンドスルフィン由来のポリペプチドの有無を測定 するための多くの分析システムで採用できる。例えば、最初の分析フォーマット では、固体支持体上に塗布されたポリクローンまたはモノクローン抗体、または そのフラグメント、またはこれらの抗体の組み合せを試験試料と接触させ、第1 混合物を生成する。この第1混合物を抗原/抗体複合体を形成するに十分な条件 で 一定時間インキュベートする。次いで、信号発生化合物を付加したモノクローン またはポリクローン抗体、またはそのフラグメント、またはこれらの抗体の混合 物を抗原/抗体複合体と接触させ第2混合物を形成する。この第2混合物をポリ クローンまたはモノクローン抗体、またはそのフラグメントと、抗原/抗体複合 体を形成するに十分な条件で一定時間インキュベートする。試験試料中に存在し 、固相上に捕捉されるエンドスルフィン由来ポリペプチド抗原の有無は、信号発 生化合物により発生する測定可能信号を検出して測定される。試験試料中に存在 するエンドスルフィン由来ポリペプチド抗原の量は、発生した信号に比例する。 または、固体支持体上に結合したポリクローンまたはモノクローンエンドスル フィン由来ポリペプチド抗体またはそのフラグメント、またはこれらの抗体の組 み合せ、試験試料およびエンドスルフィン由来ポリペプチド抗原と特異的に結合 するモノクローンまたはポリクローン抗体またはそのフラグメント、信号発生分 子が附加したこれらの抗体の組み合せを包含する指示薬が接触して混合物を形成 する。混合物を抗体/抗原複合体を形成するに十分な条件で一定時間インキュベ ートし、抗体/抗 原/抗体複合体を形成する。試験試料中に存在し、固相上に捕捉されるエンドス ルフィン由来のポリペプチドの有無は、信号発生化合物により発生する測定可能 信号を検出して測定される。試験試料中に存在するエンドスルフィン由来のポリ ペプチドの量は、発生する信号に比例する。 別の分析フォーマットでは、本発明のモノクローン抗体の1種または少なくと も2種類の組み合せが、エンドスルフィン由来のポリペプチドタンパク質に対す る抗体の検出のための競合プローブとして用いられる。例えば、本明細書に開示 される組み換え抗原等のエンドスルフィン由来のポリペプチドタンパク質が、単 独または組み合せで固相に塗布される。エンドスルフィン由来のポリペプチドタ ンパク質に対する抗体が含まれると思われる試験試料が、次に信号発生化合物と 少なくとも1個の本発明のモノクローン抗体を包含する指示薬と、一定時間、試 験試料と固相に結合した指示薬、または固相に結合した指示薬いずれかの抗原/ 抗体複合体を形成するに十分な条件でインキュベートされる。モノクローン抗体 の固相への結合の減少を定量的に測定する。 また別の検出法では、本発明のモノクローンまたはポリクロ ーン抗体のそれぞれを、固定組織切片および固定細胞中のエンドスルフィン由来 のポリペプチド抗原の免疫組織化学分析による検出に用いることができる。細胞 化学分析では、これらの抗体は直接ラベルされる(例えばフルオレスカイン、コ ロイド状金、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等で) か、または疾病の組織病理学を追跡するため2次ラベルされた抗種特異的抗体を 用いてラベルされ(本明細書に例示した様々なラベルで)、これも本発明の範囲 である。 さらに、これらのモノクローン抗体はCNBr活性セファロース等のマトリッ クスに結合でき、組み換えおよび天然型エンドスルフィン由来のポリペプチド抗 原およびタンパク質を精製するために、細胞培養液または生物組織から特異的エ ンドスルフィン由来のポリペプチドタンパク質のアフィニティー精製に用いられ る。 本発明のモノクローン抗体はまた、治療用または他の類似の用途のキメラ抗体 を作成するためにも用いられる。 モノクローン抗体またはそのフラグメントは、エンドスルフィン由来のポリペ プチド抗原を検出するために個別に提供される。本明細書で提供されるモノクロ ーン抗体(およびそのフラ グメント)の組み合せもまた、本発明の少なくとも1個のエンドスルフィン由来 のポリペプチド抗体と、別のエンドスルフィン由来のポリペプチド領域の抗体と の混合物または「カクテル」中の成分として共に用いられ、それぞれが異なった 結合特異性を有している。従って、このカクテルはエンドスルフィン由来のポリ ペプチドタンパク質の異なった抗原決定基を指向するモノクローン抗体を含む。 分析フォーマットに使用し得るポリクローン抗体またはそのフラグメントは、 分析に使用されるエンドスルフィン由来のポリペプチドタンパク質領域または他 のエンドスルフィン由来のポリペプチドタンパク質に特異的に結合しなければな らない。用いるポリクローン抗体は好ましくは(ヒト、ヤギ、ウサギまたはヒツ ジ等からの)哺乳動物起源である。最も好ましくは、ポリクローン抗体はウサギ ポリクローン抗エンドスルフィン由来のポリペプチド抗体である。分析に用いら れるポリクローン抗体は単独またはポリクローン抗体のカクテルとして用いるこ とができる。 エンドスルフィン由来のポリペプチドは、組み換え抗原を用いるばかりでなく 、エンドスルフィン由来のポリペプチドのア ミノ酸配列を含む合成ペプチドまたは精製ペプチドを用いても分析で検出可能で あるということは、本発明の範囲にあると考えられる。エンドスルフィン由来の ポリペプチドの異なったエピトープを同定する異なった合成、組み換えまたは精 製ペプチドを、異常エンドスルフィン生産に関連する診断、評価または予防条件 で組み合せて使用できるということも、本発明の範囲にある。この場合、ペプチ ドはある固相上に被覆されるか、または各分離ペプチドがミクロ粒子等の別の固 相上に被覆され、次いで混合して後ほど分析に使用されるペプチド混合物を形成 する。さらに、異なったポリペプチドからのエピトープを定義する多重ペプチド は、異常エンドスルフィン生産の診断、評価、または予知を行うために組み合せ て使用することができると考えられる。これを行うためには、固相上に被覆され た、または検出可能なラベルでラベルされたペプチドは、患者試料と限られた量 の抗体に関して競合する。合成、組み換え、または精製ペプチドの抗体(単数ま たは複数)への結合の減少は、存在すると考えられない(例えば脳脊髄液)患者 試料中のエンドスルフィン分泌ポリペプチドの存在を示すものである。このよう な分析フォーマットの変更は、当業者に公知である。 別の分析フォーマットでは、エンドスルフィン由来のポリペプチドに対する抗 体および/または抗原の存在は、同時分析で以下のように検出される。試験試料 は第1検体の捕捉試薬と同時に接触され、ここでその捕捉試薬は第1検体に特異 的な、固相に付着した第1結合メンバーと、第2検体に対する捕捉試薬を包含し 、ここで捕捉試薬は第2固相に付着した第2検体に対する第1結合メンバーを包 含し、混合物を形成する。この混合物は捕捉試薬/第1検体および捕捉試薬/第 2検体を形成するに十分な条件で一定時間インキュベートされる。このようにし て生成した複合体は次に、信号発生化合物でラベルされた第1検体に特異的な指 示薬と、信号発生化合物でラベルされた第2検体に特異的な結合対を包含する指 示薬と接触し、第2混合物を形成する。この第2混合物は捕捉試薬/第1検体/ 指示薬および捕捉試薬/第2検体/指示薬を形成するに十分な条件で一定時間イ ンキュベートされる。1種以上の検体の存在は、いずれか、または双方の固相上 に生成した、試験試料中の1種以上の検体の存在を示す複合体と関連して発生す る信号を検出して測定される。この分析フォーマットでは、ヒト発現系由来の組 み換え抗原と共に、本明細書で開示する哺乳動物発現系由来の タンパク質から製造されたモノクローン抗体が利用される。このような分析しス テムは、欧州特許公報第0473065号により詳細に記載されている。 他の分析フォーマットでは、本明細書に開示されたポリペプチドが、試験試料 中の抗エンドスルフィン由来ポリペプチドの存在を検出するために利用される。 例えば、試験試料は少なくとも1種の組み換えタンパク質が付着した固相と共に インキュベートされる。これらは抗原/抗体複合体を形成するのに十分な条件で 一定時間インキュベートされる。インキュベーション後、抗原/抗体複合体が検 出される。選ばれた分析系によっては、指示薬を検出を促進するために用いるこ とができる。他の分析フォーマットでは、本明細書に記載とおり製造した組み換 えタンパク質が付着した試験試料は固相と接触し、同時にそのタンパク質に特異 的な、好ましくは指示薬でラベルされているモノクローンまたはポリクローン抗 体と接触する。抗原/抗体複合体を形成するに十分な条件で一定時間インキュベ ート後、固相を遊離相から分離し、エンドスルフィン由来ポリペプチド抗体の存 在の指標としてラベルが固相または遊離相中で検出される。本明細書に開示され る組み換え抗原を利用する他の分析 フォーマットも考えられる。これらには、試験試料を、少なくとも1種の第1起 源の抗原が付着されている固相と接触すること、固相と試験試料を抗原/抗体複 合体を形成するに十分な条件で一定時間インキュベートすること、およびその後 、固相とラベルされた抗原と接触することが含まれ、その抗原は第1起源とは異 なる第2起源由来である。例えば、E.coli等の第1起源由来の組み換えタ ンパク質が固相上の捕捉抗原として用いられ、試験試料がそのようにして調製し た固相に加えられ、異なった起源由来(E.coliでない)の組み換えタンパ ク質が指示薬の一部として用いられる。同様に、固相上の組み換え抗原と指示薬 相中の合成ペプチドの組み合せも可能である。捕捉抗原としての第1起源からの エンドスルフィン由来のポリペプチドに特異的な抗体と、異なった起源からのエ ンドスルフィン由来のポリペプチドに特異的な抗体を利用する分析フォーマット も考えられる。従って、組み換え抗原の様々な組み合せ、および合成ペプチド、 精製タンパク質等の使用は、本明細書の範囲内である。このような、または他の 分析は、同じ所有者の本明細書に参照して取込まれるUS特許No.5,254 ,458に記載されている。 様々な他の固相を利用する他の実施態様も考えられ、本発明の範囲内である。 例えば、負に荷電したポリマーとの固定化可能反応複合体に対するイオン捕捉法 (欧州特許公報第0326100号および欧州特許公報第0406473号)が 、高液相免疫化学反応を行うために本発明により用いられる。固定化免疫複合体 は残りの反応混合物から、負に荷電したポリアニオン/免疫複合体と、先に処理 した正に荷電した多孔性マトリックスとの間のイオン相互作用により分離され、 欧州特許公報第027315号に記載の化学発光信号測定に記載されるものを含 む前述の様々な信号発生系を用いて検出される。 また、本発明の方法は、固相がミクロ粒子(磁性または非磁性)を包含する自 動化および半自動化ミクロ粒子技術を利用するシステムで用いるために採用され る。このようなシステムには欧州特許公報第0425633号および欧州特許第 042634号記載のものがそれぞれ含まれる。 イムノ分析に対する走査プローブ顕微鏡法(SMP)の使用も、本発明のモノ クローン抗体が容易に適用できる技術である。走査プローブ顕微鏡法、特に原子 間力顕微鏡法では、捕捉相、例えば少なくとも本発明のモノクローン抗体の一つ が固相に付 着し、走査プローブ顕微鏡が固相の表面に存在する抗原/抗体複合体を検出する ために利用される。走査トンネル顕微鏡法の使用では、多くのイムノ分析法で抗 原/抗体複合体を検出するために利用されるラベルの必要がない。特異的結合反 応をモニターするためのSPMの使用は、多くの方法で行い得る。一つの実施態 様では、特異的結合パートナーの一方のメンバー(本発明のモノクローン抗体で ある検体特異性物質)が走査に適した表面に付着する。検体特異性物質の付着は 、当業者に公知の方法によるプラスチックまたは金属表面の固相試験片への吸着 によると思われる。または、特異的結合パートナー(検体特異性物質)の、変成 したプラスチック、金属、シリコン、またはガラスを包含する試験片への共有結 合による付着も利用できる。共有結合付着法は当業者に公知であり、特異性結合 パートナーを試験片に不可逆的にリンクする様々な方法が含まれる。試験片がシ リコンまたはガラスである場合、その表面を特異的結合パートナーを付着させる 前に活性化しなければならない。また、特異的結合パートナーを試験片表面に固 定化するために、技術および化学を用いて高分子電解質相互作用も利用できる。 付着の好ましい方法は共有結合である。特異的結合メンバーの付着 後、非特異的結合を最小にするため、表面を血清、タンパク質または他のブロッ ク剤等の材料でさらに処理する。また、表面を製造部位または使用点で走査し、 分析目的に適していることを証明する。走査工程は試験片の特異的結合性を変え るとは考えられない。 本発明は固相使用の有利さを示しているが、本発明の抗体、タンパク質および ペプチド等の試薬は非固相分析系でも利用できると考えられる。これらの分析系 は当業者に公知であり、本発明の範囲内であると考えられる。 分析に用いられた試薬は、バイアルまたはボトル、試験キット等の1個以上の 容器を有するキットの形で提供されることも考えられ、各容器にはプローブ、プ ライマー、モノクローン抗体またはモノクローン抗体のカクテル、または分析に 使用されるポリペプチド(組み換えまたは合成のいずれか)等の別々の試薬が含 まれる。当業者に公知の緩衝液、コントロール等の他の成分も試験キット中に含 まれ得る。入手できる体液、例えば血液、尿、唾液、糞を包含する試験試料を採 集する手段を有する試験キットを提供することも考えられる。これらの採集手段 にはランセットおよび血液安定化するための吸収紙または布、 唾液を採集し安定化するためのスワッブ、尿または糞試料を採集し安定化するた めのカップが含まれる。採集した材料、紙、布、カップ等は、任意には試料の変 性または不可逆的吸着を避けるために処理される。採集した材料はまた、保存剤 、安定剤または抗菌剤で処理またはそれらが加えられ、試料の不変性を保つ助け とする。外科手術または針バイオプシーで得られた試験試料の採集、安定化およ び保存用に設計されたキットも有用である。全てのキットは2つの成分に分けら れると考えられる。一方は試料の採集と輸送用、他方は試料の分析用である。さ らに、試料の採集、安定化および保存用のキットは訓練されない要員による使用 のための形をとり、家庭で使用するために商店で入手可能で、試験試料の分析の ため実験室へ運ばれる。 E.coli(クローン700415および384387)はAmerica n Type Culture Collection(A.T.C.C.)− 12301Parklawn Drive、Rockville、Maryla nd20852−に1996年12月23日にBudapest Treaty の条件下で寄託され、寄託日付から30年間、または寄託依頼の最後の日付から 5年間、またはUS特許有効期限の 間、いずれか長い期間保存される。本明細書記載の寄託微生物および他の寄託物 は単に便宜上提供されるものであり、本明細書に記載された観点で本発明を実施 し得るためには必要とされない。寄託された全材料中のcDNA配列は、本明細 書に参照して取込まれる。クローン700415および384387はA.T. C.C.寄託番号が付けられる。 本発明を実施例を挙げて記載するが、それは説明のためであり、本発明の範囲 を限定するものではない。 実施例 実施例1:ヒトエンドスルフィンの全長cDNAの単離 ブタ脳エンドスルフィンの4個の部分アミノ酸配列(A.Virsolvy− Vergineら、(1996)前出)を、ヒトエンドスルフィン配列に対する LifeSeqTMヒト発現データベース(Incyte Pharmaceut icals、Inc.、Palo Alto、CA)を検索するための単一コン センサスアミノ酸配列を作成するために用いた。コンセンサス配列は4個のブタ 部分配列をウシARPP19(J.Girautら、J.Neurosci.1 0:1124−1133(1990))のアミノ酸配列と並べ、部分配列の 間のギャップを文字「x」(xは未知のアミノ酸を現す)で埋めて作成した。コ ンセンサス配列で行った検索(BLASTおよびSmith Waterman アルゴリズムを用いて)は、ウシARPP19およびブタ∝エンドスルフィンに 関連する数個のETSを同定した。ESTのオーバーラップ領域を並べ、他の同 定されたEST(すなわちクローン384387および700415)に対し最も 多い5'配列を有する2個のEST由来のクローンを、以後の実験のために選ん だ(図1参照)。 クローン384387および700415のcDNAをバクテリア中で増幅し 、完全に配列決定した(配列番号:1および配列番号:2)。各クローンの導か れたアミノ酸配列は、クローン700415がポリペプチドの117アミノ酸( 配列番号:3)をコードし、クローン384387がポリペプチドの121アミ ノ酸(配列番号:4)をコードすることを示した。さらに、双方のアミノ酸配列 は、オーバーラップ領域においてウシエンドスルフィンおよびコンセンサスブタ ∝エンドスルフィンの報告された部分配列と100%相同性を示した。2つのタ ンパク質の計算による分子量は12、975および13、389Daであり、ブ タエンドスルフィンで得られた値(マススペク トル法で測定して13、196Da、前出Virsolvy−Vergineら 、(1996)参照)と一致した。 ヒトエンドスルフィンをコードする2個の全長クローンが同定されたかどうか を決定するため、cDNA挿入部それぞれを発現ベクターpcDNA3.1(I nvitrogen、San Diego、CA)中にサブクローニングし、P romega(Madison、WI)より購入したTNTカップル網赤血球溶 血液転写/翻訳キットを用いて35S−メチオニンの存在下でタンパク質を製造し た。製造したペプチドは、見かけ分子量18kDA(10%ポリアクリルアミド ゲル上のSDS−PAGE分析およびオートラジオグラフィーにより測定、図4 参照)を有することが分かり、ブタエンドスルフィンについてのVirsolv y−Vergineらの結果と一致した(Virsolvy−Vergineら 、(1996)、前出)。我々の結果は、配列解析で同定されたATG開始コド ンは標準エンドスルフィン開始コドンであることを示唆した。 実施例2:2個のヒトエンドスルフィン転写産物の同定 2個のエンドスルフィンクローンのヌクレオチド配列と、それぞれから導かれ たポリペプチドとを相互に比較し、配列の相 同性を決定した。導かれたアミノ酸配列の比較に基づき、2個のクローンは、ク ローン700415がクローン384387より少ないアミノ酸配列を有するポ リペプチドをコードすることを除き、基本的に同一のポリペプチドをコードして いることが分かった。ヌクレオチド配列の比較解析は、これらのクローンがクロ ーン384387(図2の上鎖のヌクレオチド位置107(ATGの"A")から ヌクレオチド位置457と、下鎖のヌクレオチド位置107からヌクレオチド位 置469を比較)の最後の4個のアミノ酸をコードする以外は、同一のコード領 域を有することを明らかにした。しかしながら、3'非翻訳領域(3'−UTR、 図2で停止コドン(太字TAAおよびTGA)から各配列の末端)は僅か37% の同一性を示した。これらの観察は、ヒトでエンドスルフィンは、異なったmR NAでコードされる少なくとも2個の異なったイソフォームで存在し得ることを 示唆した。2個のESTのうちの1個が生来のエンドスルフィンmRNAである よりはクローニング人工産物であるということを除外するため、各クローンの存 在を生成物のサイズで区別すると思われるプライマーを作成した(逆転写PCR (rt−PCR)で用いるため)。rt−PCRに用いられた プライマーの配列を下の表1に示す。 配列番号:5は双方のクローンの同一領域へハイブリダイズするように設計さ れ(すなわち、コード領域内に、図5参照)、配列番号:1および配列番号:2 双方のヌクレオチド位置271−290に相当する。配列番号:6および配列番 号:7はクローン700415および384387の3'−UTRにハイブリダ イズするように設計され(図5参照)、配列番号:1のヌクレオチド位置904 −923、および配列番号:2のヌクレオチド位置617−635に対応する。 このような設計の結果、365bpのヌクレオチド産物が配列番号:5および配 列番号:7プライマーによるクローン384387の増幅から生成すると期待さ れた。それと対照的に、配列番号:5および配列番号:6によるクローン700 415cDNAの増幅は653bpのヌクレオチド産物を生成すると期待された 。 プライマーセットが実際にこれらのサイズのPCR産物を生成するかどうかを 確認するため、PCR反応を最初に対応する鋳型DNAを有するプライマーセッ トを用いて、標準PCR条件で行った(全反応容積50μL中、200μMの各 dNTP(NはA、T、G)、0.4μMの各プライマー(0.4μMの配列番 号:6または配列番号:7を有する0.4μMの配列番号:5)、250ngの 鋳型DNAおよび1ユニットのpfu酵素(Stratagene、La Jo lla、CA)を含む)。PCR反応開始前に鋳型DNAを94℃で5分間変成 させた。増幅は全体で40サイクル行い(1サイクル=94℃、30秒、55℃ 、45秒および72℃、2分)、最後に72℃で2分間の1回の伸長工程を行っ た。陰性コントロールとして、各プライマーを上記のように増幅したが、鋳型と して反対のクローンを用いた。期待通り、プライマー配列番号:5および配列番 号:7を用いる配列384387の増幅は、約365bpの産生物を生成した( 図6、左側の写真、レーンD)が、プライマー配列番号:5およびプライマー配 列番号:6を用いる配列700415cDNAの増幅は、約653bpの産生物 を生成した(図6、左側の写真、レーンA)。対照的に、 プライマー配列番号:5およびプライマー配列番号:7を用いて配列70041 5cDNAを増幅した場合、またはプライマー配列番号:5およびプライマー配 列番号:6を用いて配列384387cDNAを増幅した場合は産生物は得られ なかった(図6、左側の写真、レーンBおよびC)。これらの結果は、各プライ マーセットが特異的にその対応する鋳型にハイブリダイズし、他の鋳型にはハイ ブリダイズしないことを示す。 次に様々な脳領域および腎臓からのヒトpolyA+RNAによるrt−PC R実験に2個のプライマー対を用い、2個の転写体が検出可能かどうかを調べた 。試験した全ての組織につき、polyA+RNAを80℃で5分間変成させ、 次いでランダム6量体(プライマー)およびSuperscript II逆転 写酵素(Life Technologies、Gaithersburg、M D)を用いて37℃で1時間、逆転写した。双方のプライマーセットに対する鋳 型として各組織からのDNAを用い、上記の通りPVRを行った。TAE(Tr is−アセテート−EDTA)緩衝液中の1.2%アガロースゲル電気泳動でP CR産物を分離し、エチジウムブロマイド/TAE(0.5μg/L)溶液で染 色後UV蛍光で検出した。図6の 右側の写真が示す様に、脳(レーン1および6)、小脳(レーン2および7)、 胎児脳(レーン3および8)、膵臓(レーン4および9)および黒質(レーン5 および10)からのcDNAを増幅すると365bp(レーン6−10)および 653bp(レーン1−5)産生物が生成した。このデータから、これらの組織 中に少なくとも2個のヒトエンドスルフィンに対する転写産物の存在が確認され た。 Peptidesortプログラム(ウィスコンシンGCGプログラム、Ma dison、Wi)を用いて、予想される等電点はより短い形で8.9(クロー ン700415でコード)、より長い形で7.5(クローン384387でコー ド)であることが分かった。より短い形はエンドスルフィンA、より長い形はエ ンドスルフィンBと名付けられた。実施例3:ヒト組織中でのエンドスルフィン転写産物の存在位置 公知の技術ノーザーンブロッティングによりメッセンジャーRNAが検出され 、特定の組織内でそのサイズの合理的な見積りと定常状態でのレベルが得られる (Sambrookら、前出)。Multiple Tissue Norte rn BlotsClontch(Palo Alto、CA)より購入 し、エンドスルフィンcDNAの最初の190ヌクレオチド(ヌクレオチド位置 1〜ヌクレオチド位置190)に対応するエンドスルフィンcDNAとプローブ した。フラグメントを、市販ラベルキット(Stratagene、La Jo lla)を用いるランダムプライミングにより、比活性1.1×109cpm/ mgDNAで∝32P−dCTPでラベルした。ブロット(膜)を60℃で1時間 、発現Hyb溶液(キット付属)中でプレハイブリダイズし、2×106cpm /mLの変性プローブの存在下に同じ温度で2時間ハイブリダイズ(同様に発現 Hyb溶液中で)した。プローブを2回、2×SCC+0.5%SDS中で洗浄 (各洗浄は20分)、厳密な条件で2回(各洗浄0.1×SCC+0.01%S DS、50℃、20分)洗浄後、フィルターをホスフォリマーガースクリーンに 暴露した。適当なサイズ1.5および3.5kbの2個のメッセージが検出され た(図7参照)。小さなメッセージ(1.5kb)が測定した全ての組織中に存 在したが、肝臓と皐丸では極端に低いレベル、肺ではほとんど検出できなかった 。大きなメッセージ(3.5kb)が測定したほとんどの組織でより低いレベル で発現していたが、骨格筋(最高発現レベル) と睾丸歯例外で、白血球、肺および肝臓では検出できなかった。これらの結果は 、エンドスルフィンに対するmRNA種が多様な組織に存在することを示唆した 。さらに、異なる組織中の2種のメッセージの相対量の差は、転写が異なって制 御されていることを示唆した。 実施例4:リボヌクレアーゼ保護分析 また、実施例記載の通りノーザーンブロットを行う代わりに、またはそれに加 えて、リボヌクレアーゼ保護分析を以下のように行った。 A. 相補RNA(cRNA)ハイブリダイゼーションプローブのラベル ラ ベルされたセンスおよびアンチセンスリボプローブを、SP6またはT7等のR NAポリメラーゼプロモーターを含むEST配列から転写する。配列は、RNA ポリメラーゼプロモーター配列を含む適当なEST挿入部を含有するベクター、 またはPCRプライマーを用いる挿入部のPCR生成産物由来である。転写産物 を1μgのDNA鋳型。2μLの100mMジチオトレイトール、0.8μLの RNasin(10−40U)、各500μMのATP、CTP、GTP、5μ Lの(α32P)UTPまたは100−500pMのビオチ ン化UTP、および転写緩衝液(40mMTris−HCl、pH7.5、6m M MgCl2、2mMスペルミジンHCl、5mM NaCl、中の1μLの RNAポリメラーゼを含む反応容積20μLで調製する。37℃で1時間インキ ュベート後、転写産物をDNase(15U)でさらに30分間処理し鋳型を消 化する。次にプローブを公知のスピンカラム、塩析または電気泳動法で単離する 。最後に、プローブを溶菌緩衝液中に溶解する(5Mグアニジンチオシアネート 、0.1M EDTA、pH7.0)。 B. ラベルプローブの標的へのハイブリダイゼーション Sambrookら(前出)記載通り調製した約20μgの抽出全細胞RNAを 10μLの溶菌緩衝液中に入れ、それぞれ2μLの溶菌緩衝液中の(i)1×1 05cpmの放射性ラベルプローブまたは(ii)250pgの非放射性同位元 素ラベルプローブと混合する。混合物を60℃で5分間インキュベートし、室温 で終夜インキュベートする。T.Kaabacheら、Anal.Bioche m.232:225−230(1995)参照。 C. RNase消化 1mM EDTA、300mMNa Cl、30mM Tris−HCl pH7.4中の40μg/mLのRNas e A および625U/mLのRNase T1を含む溶液380μLと室温 で45〜60分インキュベートしてハイブリダイゼーションを停止する。RNa se消化を3.3%SDSを含む60μLのプロテアーゼ−K(1。7mg/m L)を加えて停止し、次いで37℃で30分間インキュベートする。消化混合液 をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールで抽出してタンパク質を除 く。mRNA:cRNAハイブリッドを水相から4μgの酵母tRNAおよび8 00μLのエタノールを加え、−80℃で30分間インキュベートして沈殿させ る。沈殿を遠心で集める。 D.フラグメント解析 沈殿を5μLの変性ゲルローディング染料(80%ホ ルムアミド、10mM EDTA、pH8.0、1mg/mlキシレンシアノー ル、1mg/mLブロモフェノールブルー)に溶解し、6%ポリアクリルアミド TBE、8M尿素変性ゲル中で電気泳動する。ゲルを真空で乾燥しオートラジオ グラフィーを行う。試料から得られたカウントを、センス鎖である補正用試料を 用いて作成された補正曲線と比較して定量を行う。非放射同位元素ラベルを用い た場合は、ブロティン グによりハイブリッドをゲルから膜(ナイロンまたはニトロセルロース)に転写 し、ストレプタビジン−アルカリホスファターゼ複合体およびケミルミネッセン スまたはケミフルオレッセンス試薬を用いる検出システムを用いて分析する。こ こでも、特定の組織中でラベルプローブをもちいて検出できるmRNAの発現は 、エンドスルフィンが組織中で生成されることを示唆している。実施例5:エンドスルフィンファミリーの追加メンバーの同定 上記実施例3記載のノーザーンブロット法は、メッセージが大きく異なるサイ ズ(100〜200ヌクレオチド以上)を有する場合のみ明瞭なメッセージを検 出可能で、メッセージサイズの差が小さい場合(コード領域における交互スプラ イシングから生じる様な)はこの方法では検出されない。その代わりに、エンド スルフィンメッセージの可能な突然変異体を検出するために異なった戦略が用い られ、その定常状態レベルが測定される。コード領域のスプライス突然変異体は 、小さいサイズの生成物を与えるように設計されたrt−PCRで検出し得る。 エンドスルフィンの場合は、コード領域は十分に小さく(351〜363bp) 、1回の実験で各末端のプライマーでカバーで きる。3'UTRにおける突然変異体もrt−PCRで検出できる。rt−PC Rでは、今までに知られる全てのメッセージ突然変異体に共通であるORF領域 で、停止コドンに出来るだけ近く前方プライマーが選ばれる。逆プライマーは、 特異性のためにジヌクレオチドでアンカーされたオリゴdTである。アンカーの 第1ヌクレオチドはA、CまたはGであるので、第2ヌクレオチドはA、C、G またはTのいずれかであり、12組のアンカーされたプライマーの組み合わせが 必要である。従って各逆プライマーは、12組の異なった反応中の独自の前方プ ライマーと共に使用される。PCR産生物はアガロースゲル中で展開し、エチジ ウムブロマイド染色後UV蛍光で検出される。その高い感度と選択性のため、こ の方法により3'UTR中の小さなサイズおよび配列変化検出でも検出可能であ る。 実施例6:ドットブロット/スロットブロット ドットおよびスロット分析は、核酸の複雑な混合物中の特異性核酸配列を評価 する迅速法である。 実施する場合は、20μgまでのRNAが50μLの50%ホルムアミド、7 %ホルムアルデヒド、1×SSCと混合し、68℃でインキュベートし氷上で冷 却される。次いで100μL の20×SCCをRNA混合物に加え、真空で調整済みニトロセルロースまたは ナイロン膜を有するマニホールド装置に設置される。膜を水、20×SCCに1 時間浸し、2枚の20×SCCプレウエットWhatman#3濾紙の上に置き 、スロットブロットまたはドットブロット真空マニホールド装置中に設置する。 スロットブロットは調製済みプローブで解析し上記実施例4と同様にラベルされ る。 実施例3−5に特に詳細に述べられなかった他の方法と緩衝液は、上記Sam brookらに記載されている。 実施例7:原位置ハイブリダイゼーション この方法は検出可能ハイブリダイゼーションプローブを用いて、細胞中の特異 性標的核酸を直接検出するのに有用である。 細胞RNAを最大限に保持するため、組織をパラホルムアルデヒドまたはグル タルアルデヒド等の架橋固定試薬を用いて調製する。L.Angererら、M ethod in Cell Biol.35:37−71(1991)参照。 簡単に言えば、組織を5容積以上の50mM燐酸ナトリウム、pH7.5の1% グルタルアルデヒド中に4℃で30分間置く。30分間以上の固定を行うために は、溶液を新しい液と交換する。固定 液は約0.375%NaClの浸透圧を有する必要がある。組織を等張NaCl で1回洗い燐酸塩を除去する。 固定した組織を以下のようにパラフィンに埋め込む。組織を一連のエタノール 濃度で脱水する:50%で2回、70%で2回、85%、90%および100% で2回。次に組織をキシレンを2回交換して室温でそれぞれ20分ずつ浸し、次 いで60℃で20分間、キシレンに1回、パラインに1回、合計2回交換して浸 し、次いで最終的にパラフィンを3回交換してそれぞれ15分間ずつ浸す。 次に組織を標準のミクロトームを用いて5μmの切片に切り、組織接着剤3− アミノプロピルトリエトキシシランであらかじめ処理したスライド上に置く。 キシレンに10分間浸してパラフィンを組織から除去し、一連のエタノール濃 度で再水和する:99%2回、95%、85%、70%、50%、30%および 蒸留水2回。切片を0.2M HClで10分間前処理し、2μg/mLプロテ アーゼKで37℃、15分間処理し浸透性にする。 エンドスルフィンcDNAフラグメントを含むpSPORT1プラスミドから 転写したラベルリボプローブを、2×標準生 理食塩水抽出物と50%ホルムアミド中、56℃で終夜、調製した組織切片にハ イブリダイズする。過剰のプローブを2×標準生理食塩水クエン酸および50% ホルムアルデヒドで洗浄して除去し、次いで100μg/mLのRNase A で37℃、30分間消化する。UV光で照射すると顕微鏡下で蛍光プローブが見 える。細胞質中の蛍光はmRNA産生を示している。核中の蛍光は遺伝子材料の 存在を検出する。また、切片をオートラジオグラフィーで見ることもできる。実施例8:エンドスルフィンAおよびBのバクテリア発現および精製 A. エンドスルフィンAおよびBをコードするDNAフラグメントを含む発 現ベクターの構築 : エンドスルフィンAおよびBをコードするDNAフラグメ ントを、クローン700415および384387を鋳型DNAとして用い、以 下のプライマーを用いて原核細胞発現ベクターpProExI(Life Te chnologies、Gaitherburg、MD)中に導入するためPC Rで作成した。 フレーム内翻訳および方向性ライゲーションを行うため、5’前方プライマー (配列番号:8)を合成してATG開始コドンのすぐ上流にEheI制限部位を 作成した(太字および下線で示す)。同様に、各逆プライマー(エンドスルフィ ンA用に配列番号:9およびエンドスルフィンB用に配列番号:10)を合成し てTTAおよびTCA停止コドンそれぞれのすぐ下流にSalI反応部位(同様 に太字および下線で示す)を作成した。実施例と同様にPCRを行った。増幅後 、PCR産物をEheIおよびSalIで消化、ゲル精製、および標準ライゲー ション技術(J.Sambrookら、前出参照)を用いてpProExIにラ イゲートした(同じ制限酵素で前もって消化)。E.coli∝細胞をライゲー ション混合物で形質転換し、アンピリンを含む培地で選択した。プラスミドDN Aを個々のクローンから調製し、エンドスルフィンAおよびBが正しい配置であ ることを確認するためPvuIIを用いて制限酵素分析を行った。 B. His−タグエンドスルフィンAおよびBの精製: pProExI発 現系で、所望の部分をタンパク質の上流に融合した6個のヒスチジン残基残基の タグを用いて作成した。従って、クローン化エンドスルフィンAおよびB遺伝子 を含むpProExIベクターは、ニッケル錯体樹脂に対するアフィニティーク ロマトグラフィーで精製できるhis−タグエンドスルフィンAまたはBの融合 タンパク質を製造すると期待される。精製のための融合タンパク質を作成するた め、組み換えバクテリア(エンドスルフィンAまたはB発現ベクターを有する) を225rpmのロータリーシェーカー上、37℃で、50μg/Lアンピシリ ン(LB+amp)を含むLuriaブロス中で終夜生育させ、新鮮なLB+a mp(300mL)を1:10の希釈で接種するために用いた。新鮮な培養液を 225rpmで振とうし37℃で1時間インキュベートしイソプロピルβ−チオ ガラクトピラノシド(IPTG、1mM)で誘導し、さらに3時間再インキュベ ートした。培養液を5000rpmで遠心しバクテリアをペレットにした。ペレ ットを1%TRITON−Xを含む10mLの溶菌緩衝液(50mM燐酸ナトリ ウム(pH8.0)、0.3M NaCl、1mMフェニルメチル スルフォニルフルオライド(PMSF)および0.2mMベンズアミド)に4℃ で再懸濁し、90%以上の細胞が溶菌するまで(OD590で測定して)氷上で超 音波処理した。超音波処理後、細胞破片および未溶菌細胞を4℃で10分間、1 0、000rpmで延伸して除去した。得られた上澄液を、0.1%のTRIT ON−X100を含む10倍ベッド容積の溶菌緩衝液で前もって平衡した、3m Lベッド容積のニッケル−トリ酢酸(Ni−NTA)カラム(QIAGEN、C hatsworth、CA)に載せた。カラムを10倍ベッド容積の洗浄緩衝液 (50mM燐酸ナトリウム、pH6.0、0.3M NaClおよび0.1%Y RITON−X100)および同じ緩衝液中の10倍ベッド容積の50mMイミ ダゾールで順次洗浄した(非特異的に結合したタンパク質を除去するため)。h is−タグエンドスルフィン融合タンパク質を、0.2Mイミダゾールを含む5 倍カラム容積の洗浄用緩衝液でカラムから溶出し、2mLフラクションで集めた 。溶出した各融合タンパク質の純度を、Coomasieブルーで染色した13 .5%ゲル上のSDS−PAGE後に評価した(図8)。各組み換え融合タンパ ク質の相対吸光度を測定後、タンパク質濃度を280nmの吸光度 で測定した。実施例9:真核細胞中へのエンドスルフィンAおよびBのクローニングと発現 エンドスルフィンAおよびB cDNAをその母体ベクター(pSPORT1 、Life Technologies、Gaithersburg、MDおよ びPBS−SK+、Stratagene、La Jo1la、CA)からEc oRIおよびXbaIによる消化し(エンドスルフィンA用)およびEcoRI およびXhoI(エンドスルフィンB用)で切断し、それぞれ1.15kbおよ び1.25kbのフラグメントを作成した。各フラグメントをゲルで精製し、あ らかじめ同じ酵素で切断した哺乳動物発現ベクターpcDNA3.1(Invi trogen、San Diego、CA)中へライゲートした。ライゲートさ れたDNAはE.coli DH∝細胞中へ形質移入し、組み換えクローンをア ンピシリン耐性について選択した。プラスミドDNAをそれぞれのクローンから 調製し、正しい配向のエンドスルフィンAおよびB挿入DNAを含む組み換えク ローンを同定するために制限酵素分析を行った。2個のこのようなクローンが見 出され、pCMVEsA2(エンド スルフィンA用)およびpCMVEsB5(エンドスルフィンB用)と名付けら れた。 哺乳動物細胞中のエンドスルフィンAおよびBの発現は、リポフェクション等 の公知の方法で行われる。リポフェクションを行うためには、細胞(HEK29 3等)を10%ウシ胎児血清、100U/mLのペニシリン、100mg/mL のストレプトマイシンおよび0.25mg/mLのアンホテリシンBを補充した Dulbeccoの変更Eagle培地(DMEM)またはRPMI1640培 地等(Gibco、BRL、Gaithersburg、MD)の適当な生育培 地中の組織培養プレート中で、生育に適した条件下(37℃で5%CO2を含む 加湿雰囲気)で約50%〜60%集密度まで生育させた。その後、約1〜2×1 06細胞を5mLOptimen(Life Technologies、Ga ithersburg、MD)中のDNA(1.5mg)およびリポフェクタミ ン(20mg)の混合物で100mmのディッシュ内で形質移入し、48時間イ ンキュベートした。細胞は新鮮な生育培地中で1:10または1:20に***し 、上記の通り再度インキュベートした。細胞がプレートに付着した後、ネオマイ シン耐性クローンを選択 するため生育培地を選択培地(400〜500μg/mLの抗生物質ゲネクチン を含む生育培地)と交換した。次いで細胞を上記標準生育条件下に2〜3週間、 選択培地を定期的に交換しインキュベートし、その後抗生物質耐性クローンをそ の後の展開と分析のため取り上げた。実施例10: エンドスルフィンAおよびBの合成ペプチドの製造 合成ペプチド配列を、アミノ酸1−27を含むヒトエンドスルフィンAおよび Bの保存N−末端領域から選択した。ペプチドはABIペプチド合成器(App lled Biosystems、Foster City、CAより市販)モ デル431Aで合成した(例えばStewart、J.M.およびYoung、 D.J.、「固相ペプチド合成」、W.H.Freeman Co.、San Fransisco、1963年参照)。簡単に言えば、ペプチド配列を、生長 しつつあるペプチド鎖に1個以上のアミノ酸または適当に保護したアミノ酸を順 序カップリングすることにより、樹脂(クロモメチルポリスチレン−ジビニルベ ンゼン)上で合成した。樹脂からペプチドの切り出し、および最終的なペプチド の脱保護は、樹脂 を20mLのトリフルオロ酢酸(TFA)、0.3mLの水、0.2mLのエタ ンジオール、0.2mLのチオアニソールおよび100mgのフェノールに加え 、室温で1.5時間攪拌して行われた。ついで樹脂を吸引濾過し、TFA溶液の エーテル沈殿および濾過でペプチドを得た。水/アセトニトリル/0.1%TF A勾配と凍結乾燥を用いて各ペプチドを逆相調製HPLCで精製した。生成物を マススペクトルで確認した。実施例11: エンドスルフィンAおよびBに対するポリクローン抗体の製造 A. 免疫化抗原の調製: 精製された合成ペプチドを実施例10記載通り 調製した。免疫用の抗原を作成するため、精製ペプチドをImject活性免疫 源コンジュゲートキット(Pierce、Rockford、Il)を用い、メ ーカーの指示書に従ってKeyhole Limptet Hemocyani n(KLH)およびウシ血清アルブミン(BSA)とコンジュゲートした。 B. 免疫化プロトコル: ポリクローン抗血清をBerkeley An tibody Company(Berkeley、CA)のプロトコルを用い て作成した。最初の免疫化 を行う前に、免疫前血液(5mL)の試料を少なくとも2匹のウサギそれぞれか ら採血した。その後、各ウサギに一定量の完全Freundアジュバント中のK LH−コンジュゲートペプチド(200〜500μg)を皮下注射した。21日 後、免疫反応は2回目の不完全Freundアジュバント中のKLH−コンジュ ゲートペブチド(100〜250μg)の注射で急上昇した。31日目に血液( 50mL)を採血し、BSA−カップルペプチドに対する血清の反応性を酵素リ ンク免疫吸着分析(ELISA)を用いて試験した。KHL−コンジュゲートペ プチドによるその後の上昇は、42日、63日、および84日目に得られ(注射 後#1)、生産血液(50mL)を52、73および94日目に採血し、上記の 方法でELISAで試験した。血清を使用するまで−20℃で保存した。実施例12: エンドスルフィンAおよびBによるATP感受性カリウムチャネ ルの調節 A. 精製エンドスルフィンAおよびBによる[3H]−グリブリド結合の 阻害 : スルフォニル尿素レセプターとエンドスルフィンAおよびBとの間の相 互作用を調べるため、実施例8で調製したhis−タグエンドスルフィンAおよ びB融合タ ンパク質を用いて競合実験を行った。一定量(150μg)の脳P2膜(ABS Inc.(Willmington、DE)より入手、)を22℃で60分間 、50mM Tris−HCl、pH7.2中で0.32nMの[3H]−グリ ブリドの存在下、非ラベル組み換えエンドスルフィンAおよびBの濃度を増加さ せて(0.01nM−10mM)インキュベートした。結合[3H]−グリブリ ドをSkatron Cell Hervester(Skatron Ins truments、Sterling、VA)上のGF/Bフィルターによる濾 過で測定し、LKB Wallac Inc.(Gaithersberg、M D)シンチレーションカウンターモデル番号1205でシンチレーション計数し た。 B. ルビジウム流出分析: エンドスルフィンAおよびBが86Rb+流出 調節能を組み換え体SUR/Kir組を安定に発現する細胞株またはATP感受 性K+チャネルを発現することが既に知られている細胞株(RIN5mF、βT CまたはHIT細胞等)で測定する。エンドスルフィンAまたはBがATP感受 性K+チャネルの阻害剤であるか活性剤であるかを決定するため、細胞に86Rb Cl2を負荷し、86RbCl2の流 出の阻害または誘導を分析する。双方の場合、細胞培養および86RbCl2の負 荷は同じ方法でおこなわれる。簡単に言えば、細胞(一般的にはRIN5mF細 胞;A.T.C.C.より入手、1230Parklawn Drive、Ro ckville、MD)を24ウエルプレートにプレートし、10%ウシ胎児血 清、100U/mLペニシリン/ストレプトマイシン/0.25mg・mLアン フォテリシンおよび2mM L−グルタミンを補充した適当な培地中(Life Technologies、Gaithersberg、MD)に37℃で1 0%CO2の加湿雰囲気中に維持した。細胞が分化し集密単層を形成したとき、 古い培地を0.1μCi86RbCl2(NEN−Dupont、Willmin gton、DE)/ウエルを含む培地と交換し、37℃で5時間インキュベート した。 1. エンドスルフィンAまたはBによる86Rb+流出の活性化86Rb Cl2含有培地を吸引で除去し、細胞単層を取り込まれない86RbCl2を除くた め20mMのHepes NaOH、pH7.4、120mM NaCl、7m M KCl、2mM CaCl2、1mM MgCl2、30mMウアバイン() を含む緩衝液で2回洗浄する。エンドスルフィンAおよび Bを含む同じ緩衝液を210μLの容積で単層に加え、加湿雰囲気で30分間イ ンキュベートする。細胞上澄に存在する放射線活性を1440Wizard自動 ガンマ線カウンター(Wallac、Gaitherburg、MD)によるガ ンマ線計数で1分間定量する。結果を対照試料に対し解析する。 2. 86 Rb+ 流出の阻害: 6mMグルコースの存在で細胞を86RbCl2 に負荷し、代謝阻害剤−1mM 2−デオキシグルコースまたはオリゴマイシン (0.24μg/mL)−で処理しエンドスルフィンAおよびBの存在、または 不在下に86RbCl2流出を30分間誘発する。流出をガンマ線計数で上記の通 り定量する。実施例13:エンドスルフィンAまたはBによるグルタメート処理ニューロンの ニューロプロテクション A. 1次細胞培養: 海馬および皮質一次培養を妊娠18日のSprag ue−Dawleyラット胎児(Charles River、Wilming ton、MA)から調製する。胎児を子宮から摘出し、頭部を切断しその頭部を Leiboviz L−15培地(Life Technologies、Ga ithersburg、MD)を含む100mm解剖皿に置く。 各頭部から脳を摘出し、血管と脳膜を除去する。皮質培養調製物では、脳から皮 質のみを摘出しその後の処理に用いる。海馬培養では、大脳半球を間脳および脳 幹から分離し、各半球から海馬を摘出する。組織を15mLの円錐試験管に移し 、等容量のトリプシン(0.25%、Life Technologies、G eithersburg、MD)を加え、溶液を37℃で15分間インキュベー トする。細胞を200gで15分間ペレット化し上澄をデカントしてトリプシン を除く。10%ウシ胎児血清(FCS)/25mLグルコース/4mMグルタミ ン/50ユニット/mLペニシリン:ストレプトマイシン/B27を補充した5 mLのDulbecco変更Eagle培地(DMEM)を加えた後、ペレット 化した細胞を砕いて分散させる。次に細胞懸濁液を143mmナイロン膜を通し 、トリパンブルー染色細胞を数えて細胞濃度を測定する。次に細胞を50,00 0細胞/ウエルの密度で96ウエルマイクロタイタープレート(使用前にポリL −リジン(0.033mg/mL)プレコートおよび滅菌水洗浄)にプレートし 、10%CO2の加湿雰囲気中に37℃で維持する。24時間後、FCS補充D MEMを除去しFCSのない補充DMEMと交換する。 B. ニューロプロテクション分析: 生体外に5〜6日置いてから培地を 除去し、1fM〜1mMの範囲の濃度の試験化合物(エンドスルフィンAまたは B等)を含む補充DMEM/N2で置換する(Life Technologi es、Geithersburg、MD)。2時間インキュベート後、7.2m MのCaCl2と1mMのL−グルタミンを含む等容積の補充DMEM/N2を 各ウエルに加え(最終濃度=CaCl2 3.6mMおよびL−グルタミン50 0μM)、細胞を15分間再インキュベートする。溶液を除き、補充DMEM/ 2Nで置換し、細胞を24時間再インキュベートする。神経の死を、培地に放出 された乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の量を測定するCoytotox96TM 分析キット(Promega Corporation、Madison、WI )を用いて定量する。この酵素はテトラゾリウム塩を、溶菌した細胞の数に比例 する量の赤いフォルマゼン生成物(490nmでスペクトロフォトメーターで測 定可能)に変換する。 基礎LDH放出量は、10%Triton X−100による細胞溶解に伴う LDH放出率として計算され、通常は全LDH放出の5〜10%となる。細胞の グルタメート処理は通常、基 礎レベルに対して2〜3倍の増加となる。試験化合物に暴露した細胞に対して測 定した全てのLDH放出値を、各プレート上の最大値(100%)としての50 0μMグルタメート誘発死に対して正規化する。グルタメートの影響からニュー ロンを保護する化合物に暴露したLDH値は、対照LDH値より低くなる。実施例14ヒトエンドスルフィンAまたはBによるインスリン放出の調節 エンドスルフィンAまたはBのインスリン放出調節能を、まず、有為の量の インスリンを放出することが既に知られている細胞で評価した(例えば形質移入 マウスインスリノーマ由来のβTC細胞(A,T.C.C.、12301 Pa rklawn Drive、Rockville、MD))。第2に、エンドス ルフィンAまたはBのインスリン分泌刺激能を、RINm5F細胞(ラットイン スリノーマ由来)等の低レベルのインスリンを分泌する細胞で評価する。最後に 、アンチセンスを用いてこれらの細胞中に発現するエンドスルフィンAまたはB のレベルを減少させて、βTC細胞からのインスリン分泌におけるエンドスルフ ィンAまたはBの役割をさらに評価する(実 施例16参照)。 A. 細胞培養: 双方の名前の細胞株は、25mMのグルコース、を含み1 0%(v/v)ウシ胎児血清、100U/mLのペニシリンおよび100μg/ mLのストレプトマイシンを補充したDulbecco変更Eagle培地(D MEM)中で日常的に生育する。密集した細胞を毎週1:4の継代培養に分け、 培地を週に2回交換する。 B. インスリン分泌 細胞を12ウエル培養ディッシュ(Costar、C ambridge、MA)中にプレートする。細胞が70〜90%密集する、プ レート後4〜6日に実験を行う。培地を新鮮な培地に交換してから16時間後に 分泌実験を行う。実験を行うため、培地を除き、細胞をHEPES−緩衝Kre bs−Ringer(119mM NaCl、4。74mM KCl,2.54 mM CaCl2、1.19mM MgSO4、1.19mM KH2PO4、25 mM NaHCO3、10mM HEPES pH7.4、および0.1%BS A、5%CO2でバブリング、インキュベーション緩衝液)で2回洗う。細胞を 同じ緩衝液で37℃で1時間プレインキュベートし、その後緩衝液を除去する。 エンドスルフィンAまたはBを添加、 または添加せずインキュベーションを3mLインキュベーション緩衝液中で行う 。インキュベーション時間の終わりに緩衝液を除き、400×gで遠心して付着 した細胞を除き、上澄液のインスリンを分析する。培地中のレベルをモルモット 抗インスリン血清を用い、モノヨード化ブタインスリンをトレーサーとしラット インスリンを標準として放射線イムノ分析(RIA)で分析する。 分析を行う条件と試薬(細胞生育条件、培地、緩衝液等)は最適化するか変更 し得ることが分かる。実施例15ヒトエンドスルフィンAまたはBによる神経伝達物質放出の調節 ドパミンおよびアセチルコリンを含むがそれに限定されない、様々な神経伝達 物質の放出を調節するエンドスルフィンの能力を、哺乳動物組織から調製した組 織切片またはシナプトソーム調製物で測定することができる。本明細書で提供す る実施例は、ラット線状体切片からのドパミン放出測定法を詳細に述べる。アセ チルコリン、セレトニン、ノルアドレナリンおよびヒスタミンを含む他の神経伝 達物質の放出を評価するために、当業者は同様な方法論を利用し得ることが理解 される。 A. エンドスルフィンAおよびBによる線状体[3H]ドパミン放出の刺激 : エンドスルフィンAおよび/またはエンドスルフィンBで誘発される[環状 2,5,63H]ドパミン(24.4Ci/mmol)がスーパー融合ラット線 状体切片で測定される。線状体は2匹の雄Sprague−Dawleyラット から摘出され、Mcllwan Tissue Chopper(Brinkm an Instrument Co.、Westbury、NY)により0.35 ×0.25mmにスライスされる。10μMパーグリシンおよび10μMアスコ ルビン酸を含むKrebs−HEPES緩衝液(137mM NaCl、4.7 mM KCl、1mM MgSO4、2.5mM CaCl2、1.25mM N aH2PO4、10mMグルコース、15mM HEPES−NaOH、pH7 .4)で2回洗浄後、切片を95%.5%O2/CO2下で37℃、10分間プ レインキュベートする。緩衝液を置換後、Krebs−HEPES中37℃で2 5分間、切片を100nm[3H]ドパミンでラベルする。一定量の切片をBr andelSP2000スーパー融合装置(Brandel、Gaithers berg、MD)18スーパー融合チャンバー内に置く。47分間の洗浄 後、切片をエンドスルフィンAおよび/またはエンドスルフィンB(1PM〜1 00μM)に4分間暴露する。採集した分画を5mLのシンチレーション液中で 計数する。スーパー融合チャンバーから組織を回収し、1mLのSolvbleTM (DuPont−NEN、Boston、MA)で可溶化し15mLのシンチ レーション液中で計数する。 [3H]ドパミンの放出分画をベースラインより上の放射線活性から、全放射 線活性分画として計算する。相対潜在能力を100nM(−)ニコチンにより誘 発した放出を標準として用いて計算する。EC50値をInplotTM(Grap hPadSoftware、Inc.、San Diego、CA)を用いて非 線型最小2乗回帰解析により決定する。 B. エンドスルフィンAおよびBによるカリウム誘発[3H]ドパミン放出 : [環状2、5、6−3H]ドパミン(24.4Ci/mmol)をスーパー 融合ラット線状体切片で測定する。2匹のSprague−Dawleyラット から線状体を摘出しMcIlwan Tissue Chopper(Brin kman Instrument Co.、Westbury、NY)により0 .35×0.25mmにスライスする。10μM パーグリシンおよび10μMアスコルビン酸を含むKrebs−HEPES緩衝 液(137mM NaCl、4.7mM KCl、1mM MgSO4、2.5 mM CaCl2、1.25mM NaH2PO4、10mMグルコース、15m M HEPES−NaOH、pH7.4)で2回洗浄後、切片を95%.5%O2 /CO2下で37℃、10分間プレインキュベートする。緩衝液を置換後、切片 を100nM[3H]ドパミンで25分間、Krebs−HEPES中37℃で ラベルする。一定量の切片をBrandelSP2000スーパー融合装置(B randel、Gaithersberg、MD)18スーパー融合チャンバー 内に置く。47分間の洗浄後、切片を20mMのカリウムに暴露する。エンドス ルフィンの阻害効果を評価するため、エンドスルフィンA(1pM〜100μM )および/またはエンドスルフィンB(1pM〜100μM)を20mMカリウ ムの前にチャンバー内に加える。採集した分画を5mLシンチレーション液中で 計数する。組織をスーパー融合チャンバーから回収し、1mLのSolvacTM (DuPont−NEN)で可溶化し、15mLのシンチレーション液中で計数 する。 [3H]ドパミンの放出分画をベースラインより上の放射線活 性から、全放射線活性分画として訃算する。相対潜在能力を100nM(−)ニ コチンにより誘発した放出を標準として用いて計算する。EC50値をInplo tTM(GraphPadSoftware、Inc.、San Diego、C A)を用いて非線型最小2乗回帰解析により決定する。 手法が実行される条件と試薬は、最適化され得ることが理解される。実施例16: エンドスルフィンによる心臓血管の性質の調節 ATP感受性カリウムチャネルアクチベータは、虚血と心臓穿孔から生じる損 傷を保護し、血液動力学変数を調節する。SUR2Aが選択的に心臓で発現する という最近の発見は、心臓組織で選択的に発現したエンドスルフィンが心臓血液 動力学を設定し調節する上である役割を果たし、心臓虚血の治療の別のアプロー チを提供するという可能性をもたらす。環状、腎臓、腸間膜およびヒンドクオー ター血管ベッド中の血流を同時に測定するために装備された、ラットにおけるエ ンドスルフィンの合理的な血液動力学効果を評価する方法論により、心臓血管の 機能に対するエンドスルフィンの効果を評価することを可能にする。装置:全ての実験は、Abott Laboratories動物飼育および 使用委員会に承認され、実験動物の使用と飼育に対するNIHガイドラインに合 致するプロトコルに従って行われた。350〜400gの雄Sprague−D awleyラットを100mg/kgのIP Inactin(BYK−Gul den)で麻酔し、以下の様に装備した。動脈圧力を測定し、化合物を投与する ため、するためカテーテルを大腿動脈および静脈に挿入する。気道開通性を確保 し機械的陽圧を排気させるため、気管切開を行う。動物を100g体重当たり1 mLの室内空気で60サイクル/分のベンチレーター上に置く。 心臓を肋間接近で露出し、心膜を静かに摘出する。吸引カップタイプミニチュ アパルスドップラープローブを、左主冠状動脈の上方の心筋上に置く。中央線腹 部切開により、右腎臓および上腸間膜動脈および腹部大動脈を露出する。次いで 腎臓、腸管膜およびヒンドクオーター血流測定のため、カフスタイプミニチュア パルスドップラー流プローブを各血管上に置く。切開部を8mm傷口クリップで 閉じ、動物を30〜45分間安静にさせる。 4個所の血管ベッドからの動脈圧力とドップラー変移をポリ グラフ上に記録する。動脈圧力と血流からのコンピューター処理データ取り込み により、以下の測定パラメーターが得られる:平均動脈圧力、心拍、および血流 。これらの値を実験期間中、5秒置きに集める。血流と抵抗測定は対照からの変 化率または対照の割合として表される。 次いで動物を30〜45分間安静にさせる。安静後、エンドスルフィンを投与 しエンドスルフィンの局部血液動力学効果を上記の方法で測定する。 エンドスルフィンの局部血液動力学効果を評価するための方法論を実行する条 件は、試験動物に応じて最適化し得ることが理解される。実施例17: 内因性エンドスルフィン発現の阻害 アンチセンスRNAおよびDNAは、タンパク質のエンドスルフィン合成を減 少させる、またはブロックするために、現在広く用いられている戦略である。ア ンチセンス分子は内因性メッセージの特定領域を標的にするオリゴヌクレオチド であるか、または標的遺伝子に対するcDNAがアンチセンス配向でライゲート される発現ベクターから形質移入することができる。エンドスルフィンの場合は 、翻訳開始部位を標的にするアンチセ ンス分子は、エンドスルフィンAおよびBイソフォーム双方の合成を阻害すると 予想される。3'UTRを標的にするオリゴヌクレオチドはエンドスルフィンA またはBの合成を選択的に阻害するために使用し得る。挿入用オリゴヌクレオチ ドが培養細胞の培地に直接加えられる。第一段階として、1μM〜1mMの濃度 範囲が試験される。アンチセンスに暴露する時間を変えた後(10時間〜5日) 、エンドスルフィンの合成と定常状熊のレベルがエンドスルフィン特異性抗体と のイムノブロットで評価される(実施例10参照)。最適濃度と暴露時間が一度 確立すると、このエンドスルフィン合成減少の効果がルビジウムフラックス、ニ ューロ保護インスリンの分泌、神経伝達物質放出、および心臓血管の性質の調節 等で評価される(実施例12−16参照)。実施例18:ATP感受性カリウムチャネルのエンドスルフィンBによる調節 A. 細胞焙養およびエンドスルフィンB cDNAのRINm5F細胞中 への形質移入 : 膵臓インスリノーマRINm5F細胞株(American Type Tissue Collection、Rockville、MD) を、10% (w/v)ウシ胎児血清、100ユニット/mLのペニシリン、100mg/m Lのストレプトマイシンおよび0.25mg/mLのアンホテリシンBを補充し たRPMI 1640培地で、5%CO2を含む加湿雰囲気中、37℃で生育さ せた。安定に形質移入された細胞を作成するため、RINm5F細胞をプラスミ ドpCMV−endoB用い、またはpcDNA3.1親ベクターでリポフェク ション法により形質移入した。細胞(2×106細胞/100mmディッシュ) を約50%密集度まで生育し、DNA(1.5mg)とリポフェクタミン(20 mg)の混合物で形質移入した。48時間ポスト形質移入で、細胞を1:10に 分割し、ネオマイシン耐性クローンを選択するため抗生物質ジェネティシン(5 00μL)を培地に加えた。抗生物質耐性クローンが出現するまでに、安定に形 質移入された細胞を4〜5週間生育した。数個のプレートからのコロニーをプー ルし、75cm2フラスコに再プレートし密集状態に生育させ、これらの細胞を 実験を通じて使用した。 B. RNA調製および分析: 真核発現ベクターpcDN3.1−Neo 中のエンドスルフィンBまたはベクター形質移入細胞からの全RNAをTriz ol試薬(Gibco B RL、Gaithersburg、MD)を用いて単離した。逆転写PCR(r tPCR)を行うため、一定量のDNase I処理全RNA(1−2μg)を最 初にランダム6量体と70℃で10分間インキュベートし、次いで1×PCR緩 衝液、1mM MgCl2、および10mMDTTで25℃、5分間インキュベ ートした。逆転写をSuperscrpt II RT(200U)の25℃、 10分および42℃、50分のインキュベーションで開始した。氷上で冷却前に 反応を70℃、15分で停止した。次いでPCRを、各0.4mMの配列番号: 5および配列番号:7、各200mMのNTP、および2.5ユニットのTaq ポリメラーゼ(Perkin Elmer)を含む50mL反応液中の2〜4m LのcDNAを用いて行った。サイクル条件は35サイクルにつき94℃/30 秒、55℃/30秒、72℃/60秒であった。一定量(25mL)のrtPC R産物を1%アガロースゲル上で分析した。エンドスルフィンBを365bpの バンドとして検出した。 C. 3H]グリブリド結合: エンドスルフィンB形質移入またはベク ター形質移入RINm5F細胞をホモジェナイズし、ホモジェネートを[3H]グ リブリド結合分析に直接使用 した(Gopalakrishnan、M.、Johnson、D.E.、Ja nis,.R.A.、およびTriggle、D.J.(1991)J.Pha rmacol.Exp.Ther.257:1162−1171)。簡単に言え ば、50mgの細胞膜ホモジェネートと[3H]グリブリドの濃度を変えて室温 60分でインキュベーションを最終容積500mL緩衝液(50mM Tris −HCl、pH7.4)中で行った。特異的結合は、10mM未ラベルグリブリ ドを試験管の複製セットに加えて測定した。GF/Bグラスフィルター上の急速 真空濾過によりインキュベーションを終了し、フィルターを1.5mLの氷冷緩 衝液で3回洗った。結合[3H]グリブリドを効率45%で液体シンチレーショ ンスペクトロスコピー(LS 5000TD、Beckman Instrum ents、Somerset、NJ)で定量した。結合パラメーター(Kdおよ びBmax)を、非線型曲線一致プログラム(LIGAND:Munsonおよび Rodbard、1980)を用いて飽和結合等温曲線の解析から求めた。特に 指定しない限り、値は平均±S.E.で表される。 D. 86 ルビジウム流出分析: 同位体元素ルビジウム流 出分析をKATPチャネルの機能活性を評価するために行った。Schmid−A btomarchiら(1987)J.Biol.Chem.262:1584 0−15844記載通り、24ウエル培養ディッシュ(Nunc、Naperv ille、IL)に付着生育した細胞を用いて分析を行った。簡単に言えば、細 胞を直径15.5mmのウエルに2.5×105細胞/ウエルの密度でプレート した。密集状態になったとき、細胞を86Rb+(0.2mCi/ウエル;NEN −DuPont、Willmington、DE)を含む培地に負荷し、37℃ で4時間インキュベートした。負荷した培地を除き、細胞を200mLの分析培 地(20mMHepes.NaOH、pH7.4、120mM NaCl、7m M KCl、2mM CaCl2、1mM MgCl2、および30mMウアバイ ン)で2回洗浄し、次いで2−デオキシグルコース(100mM)およびオリゴ マイシン(0.2μg/mL)を含む200mLのグリブリドを含む、または含 まない培地に暴露した。分析培地の放射線活性をガンマ線計数(Gamma50 0、Beckman Instruments、Fuilerton、CA)で 測定した。データは含まれる全放射線活性に対する流出%で表され る(ネット放出)。 E. エンドスルフィンB形質移入RINm5F細胞の分析: RINm5 F細胞を、CMV初期プロモーターの形質移入制御下にエンドスルフィンBの合 成を駆動するプラスミドpCMV−endoBで形質移入した。細胞をネオマイ シン耐性で選択し、エンドスルフィンBmRNAの存在をrtPCRで調べた。 エンドスルフィンB mRNAをpCMV−endoBで形質移入した365b p rtPCR産物として検出したが、pcDNA3.1形質移入細胞およびR INm5F親細胞では検出されなかった。逆転写がない(−レーン)対照実験を 行って、信号が汚染DNAのためでないことを示した。 RINm5F細胞で内因的に発現したエンドスルフィンB発現のKATPチャネ ルに対する効果を、[3H]グリブリド結合およびカチオン流出技術で調べた。 [3H]グリブリド結合の研究は、細胞質成分を失わない様に細胞ホモジェネー トを用いて行った。ベクター形質移入細胞由来の細胞ホモジェネートを用いるを [3H]グリブリドによる飽和実験では、KD値は0.12±0.01nM、Bma x 値は391±40fmol/mgタンパク質(n=3)であった。対照的に、 ベクターのみで安定 に形質移入される細胞(図4B、n=7)に比較し、エンドスルフィンBを安定 して発現するRINm5F細胞は、[3H]グリブリド結合(263±30fm ol/mg)のBmax値で有為の(p<0.05)35%減少を示した。ベクタ ー形質移入細胞(KD=0.10±0.01nM、図9)に比ベリガンド親和性 に有為の差はなかった(p<0.05)。これは、一連のスルホニル尿素アナロ グ−グリブリド、グリピチジド、クロロパミド、およびトルブタミド−を用いて 行われた置換実験でも支持され、形質移入およびベクター形質移入細胞双方で類 似のKI値を示す(データは示されない)。 形質移入再防備おけるKATPチャネルの機能性を86Rb+流出技術で評価した。 Schmiod−Antomarchiらによる先の研究(1987年、前出) は、2−デオキシグルコースおよびオリゴマイシンによる代謝阻害は、RINm 5F細胞からのグリブリド感受性カチオン流出を活性化することを示している。 2−デオキシグルコース(100μM)およびオリゴマイシン(0.2μg/m L)による処理、細胞内ATPレベルを少なくとも10倍下げる条件は、ベクタ ー形質移入細胞からの86Rb+流出を刺激した。カチオン流出はグリブリドに よる阻害に鋭敏であり、これらの効果がATP感受性K+チャネルで仲介されて いることを示している。ベクターのみで形質移入されたRINm5F細胞におけ る流出のグリブリド阻害に対するIC50値は、0.98±0.2nMであった( n=4)。エンドスルフィンBで安定に形質移入されたRINm5F細胞では、 代謝阻害で引金が引かれる86Rb+流出は、ベクター形質移入細胞(放出%、7 1±3%、図10)に比較して有意(P<0.05)に減少した(放出%、48 ±2%)。しかしながら、グリブリドによる86Rb+流出阻害に対するIC50値 (0.5±0.1、n=4)は、ベクター形質転換細胞に比較して有為の差はな かった(図10)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/18 C07K 16/18 C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 C12P 21/02 C C12P 21/02 C12Q 1/02 C12Q 1/02 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/566 33/566 C12N 5/00 A // A61K 38/00 A61K 37/02 (72)発明者 スコツト,ビクトリア・イー・エス アメリカ合衆国、イリノイ・60201、エバ ンストン、メイプル・アベニユー・ナンバ ー・303・2216 (72)発明者 アンダーソン,クリステイ・エル アメリカ合衆国、イリノイ・60030、グレ イズレイク、ベル・ヘイブ・ドライブ・ 1830 (72)発明者 サリバン,ジエイムズ・ピー アメリカ合衆国、イリノイ・60015、デイ アフイールド、デイミイーデール・ドライ ブ・705

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ヒトエンドスルフィンおよびフラグメントまたはその相補体をコードする ヌクレオチド配列を包含する、単離されたまたは精製されたポリヌクレオチド。 2. 該ヌクレオチドが配列番号:1、配列番号:2、ヌクレオチド位置約10 7からヌクレオチド位置約460の配列番号:1、およびヌクレオチド位置約1 07からヌクレオチド位置約472の配列番号:2からなる群より選ばれる、請 求項1記載のポリヌクレオチド。 3. 該ヌクレオチド配列が配列番号:3またはそのフラグメント、および配列 番号:4またはそのフラグメントからなる群より選ばれるアミノ酸配列をコード する請求項1記載のポリヌクレオチド。 4. 請求項2記載のポリヌクレオチドを包含する組み換え発現ベクター。 5. pProEx1およびpcDNA3.1からなる群より選ばれる請求項4 記載の発現ベクター。 6. 請求項4記載の発現ベクターで形質転換されたホスト細 胞。 7. 該ホスト細胞が原核細胞または真核細胞である請求項6記載のホスト細胞 。 8. ヒトエンドスルフィンの単離されたまたは精製されたポリペプチド。 9. 配列番号:3またはそのフラグメントおよび配列番号:4またはそのフラ グメントからなる群より選ばれる請求項8記載のポリペプチド。 10. 発現ベクターで形質転換されたホスト細胞を培養する工程を包含する少 なくとも1種のヒトエンドスルフィンエピトープを含むポリペプチドの製造方法 であって、該発現ベクターはヒトエンドスルフィンをコードするヌクレオチド配 列を包含する、ポリペプチドの製造方法。 11. ヒトエンドスルフィンをコードするヌクレオチド配列が、配列配列番号 :2、そのフラグメントまたはその相補体を有する請求項10記載の方法。 12. ヒトエンドスルフィンをコードするヌクレオチド配列は、配列番号:2 およびヌクレオチド位置約107からヌレオチド位置約472の配列番号:2か らなる群より選ばれる請求 項10記載の方法。 13. 該ヌクレオチド配列が配列番号:3および配列番号:4からなる群より 選ばれるヒトエンドスルフィンをコードする請求項23記載の方法。 14. エンドスルフィンレセプター活性を調節する化合物を同定する方法であ って、 (a) 該エンドスルフィンレセプターポリペプチド を発現するホスト細胞を提供する工程; (b) 試験化合物を該細胞と混合する工程:および (c) 試験化合物のレセプターを発現する細胞に対する効果、あるい は試験化合物の細胞またはレセプターへの結合のいずれかを測定する工程; を包含する同定方法。 15. 工程(c)(ii)の該測定が信号発生化合物により発生する信号を測 定することにより行われる、請求項14記載の方法。 16. 細胞保護化合物を同定する方法であって、 (a) エンドスルフィンポリペプチドまたはフラグメントを発現する 細胞を提供する工程; (b) 試験化合物を細胞と混合する工程;および (c) 細胞毒性の徴候について細胞または細胞機能をモニターする工 程; を包含する同定方法。 17. 該細胞が原核細胞または真核細胞である請求項14または請求項16記 載の方法。 18. 該細胞が、ポリペプチドの転写を指示する配列に機能的に結合している ヌクレオチド位置約107からヌクレオチド位置約472の配列番号:2を包含 する、それによりポリペプチドがホスト細胞で発現する発現ベクターを包含する 、請求項17記載の方法。 19. 少なくとも1個の制御配列が誘導可能なプロモータを包含する、請求項 18記載の方法。 20. 該細胞が該細胞への細胞毒性効果を最小にする、または遮断するような 物質の存在で維持される、請求項19記載の方法。 21. エンドスルフィン調節に関連する状態を有する個体を処置する方法であ って、該個体にエンドスルフィンの遺伝子発現を制御するのに有効量の化合物を 薬学的に許容し得る賦形剤 中にて投与することを包含する処置方法。 22. アミノ酸配列配列番号:4またはそのフラグメントを有するヒトエンド スルフィンに特異的に結合するモノクローン抗体。
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