【発明の詳細な説明】
播種育苗用マット
技術分野
本発明は野菜、草花等の育苗、造成地、あるいは山間の林道、河川の堤防など
の法面、一般家庭及び公共の庭園、公園、街路等の緑化及びゴルフ場、グラウン
ド等の芝生、乾燥地域での緑化、緑地の造成等、農業、緑化分野において、施工
が容易で確実な播種ができ、かつ散水、降雨の影響を受けにくい乾燥に強い緑化
方法又はそれに使用される播種育苗用マットに関する。
背景技術
従来、種子を播く場合においては、例えば庭園においては、主として人手、機
械で播くことが行われている。また、最近では、造成地、林道など、急峻で広範
囲の法面を緑化する場合には、植物種子を樹脂クロスなどに添着させたものが一
部で利用されている。
同じように、各種の支持体に植物種子を固定化した播種育苗用マットなどを使
用する緑化方法として、特開平６−169636、特開平８−228514、特開平８−1870
12、特開平８−214721、および特開平８−228512等がある。この播種育苗用マッ
トにさらに吸水性ポリマーを併用した特開昭62-210907、特開昭63−197720、特
開平１−148111、特開平２−16216、実用新案公報平２−145008等がある。
このような従来の方法で播種を行う場合は、種子の散布にむらが生じ易く、ま
た機械播種、播種育苗用マットを用いた緑化の場合は小面積、複雑な形状面への
適用が困難な場合が多かった。また、播種後の散水、降雨が不十分であると、発
芽率が低下したり、吸水性
ポリマーの水分吸収力に対し植物種子の吸水力が負けて発芽率が低くなったり、
発芽に日数がかかったりといった問題も生じている。さらに、従来の吸水性ポリ
マーの中には、発芽、成育を阻害したり、通気性、透水性を悪化させたり、耐久
性がないといった種類のポリマーもあった。
一般に播種育苗用マットで播種しても水がない限り発芽しないので植物種子の
枯死する危険はないが、特に問題なのはいったん植物種子が発芽した後は散水が
できなかったり、日照りが続いたりすると発芽した幼苗が枯死することである。
これまでの吸水性ポリマーは、一般に吸水性が強く、大量の水を蓄水することが
可能であるが、いったん吸水性ポリマーが吸収した水を植物に供給することはで
きず、根が吸水性ポリマーを避ける現象が見られ、吸水性ポリマーに十分な水が
あっても枯死する点で問題があった。
発明の開示
本発明は、吸水性ポリマーを含む播種育苗用マットにおいて、発芽した幼苗が
吸水性ポリマーが蓄水している水により枯死することなく成長でき、その後にお
いても散水、降雨の影響を受けにくく、優れた発芽率および生育率と、植栽作業
の簡便性を両立させた播種育苗用マットの提供を目的とするものである。
本発明者は、上記課題を最も合理的かつ効果的に解決するために、鋭意研究を
進めた結果、吸水性ポリマーとしてポリ−Ｎ−ビニルアミド系重合体を含むノニ
オン系吸水性ポリマーが植物との相性がよく、日照り、乾燥時には幼苗がこの水
を利用可能であることを見いだしたことにより、上記の課題を解決できることを
つきとめ、本発明を完成した。
即ち、本発明は、（ａ）繊維基材または水溶性フィルムもしくは
紙を含むマットと、（ｂ）前記マットに固定された、フィルム状、テープ状また
は粉末状のノニオン系吸水性ポリマーと、および（ｃ）前記マットに付着された
種子を含む播種育苗用マットを提供する。
発明を実施するための最良の形態
本発明において繊維基材とは、稲わら、麦わら、干草、木材などの細片、木材
リンターなどの各種パルプ、バーク、紙、ピートモス、天然繊維あるいは合成繊
維などの短繊維を、好ましくは吸水性が大きく、生分解性のあるパルプ、ピート
モスなどを、結合剤として天然樹脂又は合成樹脂などを使用し、または使用せず
に、圧縮してボード、シート、テープまたはひも状などにしたものを意味する。
本発明では、また、かかる繊維基材に代えて、またはそれとともに水溶性のフィ
ルムまたは紙を用いてもよい。
これらは一層で用いてもよく、またはこれら同士を積層してその間に植物種子
をはさみ込んでもよい。一層で用いる時は、植物種子を結合剤で貼着するか、そ
の層の間に挿入することにより保持させてもよい。あるいは、他の水溶性フィル
ム、紙などを貼着し、その間に挿入、保持させてもよい。なお、これらに、バー
ミキュライト、パーライトなどの焼成発泡岩石粉末、肥料又は他の添加剤を混合
してもよい。
本発明に使用されるノニオン系吸水性ポリマーとしては、アクリル酸アミド系
重合体、Ｎ−ビニルアミド系重合体などのビニルアミド系重合体が例示される。
この中で下記の式（１）で表されるＮ−ビニルアミドから誘導される単位を含む
Ｎ−ビニルアミド系重合体が好ましい。
式（１）に於て、Ｒ1およびＲ2はそれぞれ独立に水素またはメチル基を表し、
Ｒ3は水素、メチル基、エチル基またはイソプロピル基を表し、またはＲ2とＲ3
とはいっしょになって炭素数３〜５のアルキレン基を形成していてもよい。
それらの具体例としては、Ｎ−ビニルアセトアミド、Ｎ−メチル−Ｎ−ビニル
アセトアミド、Ｎ−ビニルホルムアミド、Ｎ−メチル−Ｎ−ビニルホルムアミド
、Ｎ−ビニル−α−ピロリドン、Ｎ−ビニルイソブチルアミドなどが挙げられる
が、これらのうちではＮ−ビニルアセトアミドが特に好適に用いられる。
Ｎ−ビニルアミドは１種又は２種以上を使用することができる。
本発明に用いるＮ−ビニルアミド系重合体は、Ｎ−ビニルアミドを主体とする
共重合体であってもよい。この場合、Ｎ−ビニルアミドから誘導される単位が共
重合体の60重量以上であることが好ましく、70重量％以上が特に好ましい。
Ｎ−ビニルアミドと共重合しうるイオン性モノマーとしては、例えば、（メタ
）アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、２−アクリルアミド−２−メチルプロ
パンスルホン酸、２−アクリルアミドエタンスルホン酸、２−メタクリルアミド
エタンスルホン酸、３−メタクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリル酸メチ
ルスルホン酸、メタクリル酸メチルスルホン酸、アクリル酸−２−エチルスルホ
ン酸、メタクリル酸−２−エチルスルホン酸、アクリル酸−３−プロピルスルホ
ン酸、メタクリル酸−３−プロピルスルホン酸、アクリル酸−２−メチル−３−
プロピルスルホン酸、メタクリル酸−２−メチル−３−プロピルスルホン酸、ア
クリル酸−１，１’−ジメ
チル−２−エチルスルホン酸、メタクリル酸−１，１’−ジメチル−２−エチル
スルホン酸またはこれらの塩が挙げられる。
また、Ｎ−ビニルアミドと共重合しうる非イオン性モノマーとしては、例えば
、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、２−ヒド
ロキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、２
−ヒドロキシエチルメタクリレート、２−ヒドロキシプロピルメタクリレート等
の（メタ）アクリル酸エステル類、アクリルアミド、メタアクリルアミド、Ｎ，
Ｎ−ジメチルアクリルアミド等の（メタ）アクリルアミドおよびＮ−アルキル置
換（メタ）アクリルアミド類、（メタ）アクリロニトリル、メチルビニルケトン
、エチルビニルケトン等のビニルケトン類、ビニルアセテート、酪酸ビニル等の
カルボン酸ビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等
のビニルエーテル類のほか、アリルアルコール、無水マレイン酸、マレイン酸ジ
メチルエステルが挙げられる。
本発明において、ノニオン系ポリマーとはイオン性モノマーから誘導される単
位がポリマーの20モル％以下のもので、実質的にノニオン性であればよい。
前記イオン性モノマーの共重合の比率は、20モル％以下、好ましくは10モル％
以下である。イオン性モノマーの共重合の比率が20モル％以下ならば、発芽、生
育阻害を起す危険性が小さくなる。
また、非イオン性モノマーの共重合の比率も、イオンによる発芽、成育を阻害
する危険は考慮する必要はないが、吸水性ポリマーに吸水された水の利用性、ポ
リマーの耐久性、コストなどを考慮すると、同様に最大30モル％、好ましくは20
％以下とすることが好ましい。
このＮ−ビニルアミド系重合体は、三次元架橋されていることが
必要であり、例えば、Ｎ−ビニルアセトアミドと１分子中に重合可能な不飽和基
を少なくとも２個有する化合物（「架橋剤」という）と、場合によっては共重合
性モノマーとを、酸素の存在しない条件下でラジカル重合開始剤を用いて重合す
ることにより製造することができる。
重合プロセスとしては、必ずしも限定されないが、ポリアクリル酸ソーダ架橋
物の製造方法として従来採用されている水溶液重合、逆層懸濁重合等を採用する
ことができ、その具体例は特開平３−223304、特開平４−230250および特開平４
−346833に記載されている。
上記Ｎ−ビニルアミド系重合体の製造において使用される架橋剤の具体例とし
ては、Ｎ，Ｎ’−メチレンビスアクリルアミド、トリエチレングリコール（メタ
）アクリレート、ペンタエリスリトールトリ（メタ）アクリレート、ジビニルベ
ンゼン、Ｎ，Ｎ−アルキレンビス（Ｎ−ビニルアセトアミド）化合物（例えば、
Ｎ’−１，４ブチレンビス（Ｎ−ビニルアセトアミド）やＮ，Ｎ’−ジアセチル
Ｎ，Ｎ’−ジビニル−１，３−ビスアミノメチルシクロヘキサンなど）、ペンタ
エリスリトールトリアリルエーテル、テトラアリルオキシエタンなどが挙げられ
、これらはそれぞれ単独でまたは必要により２種以上を組み合わせて用いること
ができる。
これらの架橋剤の使用量は、一般に、モノマー成分を基準として２×10-4〜10
モル％、好ましくは５×10-4〜２モル％の範囲であってよい。
上記重合体の製造において使用される重合開始剤としては、従来知られている
過酸化物、有機または無機の過酸もしくはその塩、アゾビス系化合物の単独ある
いは過酸化物系開始剤と還元剤との組合せによるレドックス系のものを用いるこ
とができ、これらのうちで
特に好ましいものはアゾビス（２−アミノジプロパン）二塩酸塩、２，２’−ア
ゾビス〔２−（２−イミダゾリン−２−イル）プロパン〕二塩酸塩などのアゾビ
ス系開始剤である。
また、重合開始剤の使用量は、特に制限はないが、一般にはモノマー成分を基
準として0.0005〜５モル％であり、特に好ましくは0.005〜0.5モル％であってよ
い。重合開始温度は、通常、−10℃〜＋80℃程度であってよい。
ポリ−Ｎ−ビニルアミド系重合体の架橋度が余り高いときは吸水量が小さくな
り、また架橋度が小さい時は吸水力が十分発現しなくなる。
これらのＮ−ビニルアミド系重合体は、フィルム、テープ、繊維または粉末の
形で播種育苗用マット中に固定されることが必要である。固定の方法には何ら制
限はなく、例えば、該吸水性ポリマーのテープ、繊維などをマットに織り込んで
もよいし、粉末であればマット中にこぼれないように水溶性樹脂の糊などを利用
して固着してもよいし、フィルムとして積層してもよい。
本発明に用いられるＮ−ビニルアミド系重合体は、植物種子の発芽を妨害しな
い。
したがって、植物種子は、播種育苗用マットが乾燥状態にあるときは安定な植
物種子として発芽しないが、いったん水分に接触すると、Ｎ−ビニルアミド系重
合体が与えられた水を急速に吸水するとともに、同時に植物種子も吸水し、発芽
することになる。
通常の吸水性ポリマーは、吸水量が大きいのみならず吸水力が極めて大きいた
め、いったん吸水した水分は他へ給水されることなく、吸水性ポリマー中に蓄水
される傾向が強い。したがって、発芽後、幼苗との水分吸収の競争となり、幼苗
への給水はされず、播種育苗用マット全体としては水分を十分保有しているにも
かかわらず、
幼苗が枯死することが起こることになる。
これに対し、Ｎ−ビニルアミド系重合体は、吸水力が他の吸水性ポリマーより
も小さいために、吸水して蓄水している水分を幼苗に給水する形になり、本発明
の植栽用種子マットを使用したときは幼苗に対し散水や降雨の影響を受けにくく
し、日照りなどに対して抵抗力を高くする。また、耐久性が高いために、成育後
においても吸水性ポリマーの保水機能により日照りなどに対して抵抗力を高くす
る。
本発明の播種育苗用マットの製造方法は特に限定されないが、例えば発芽に光
が必要な植物種子においては、マットの表面に粘着剤または水溶性樹脂の糊など
で貼着するか、該マットの中に組み込むかする。
発芽に光を必要としないか、遮光を必要とする植物種子の場合には、播種育苗
用マットの裏側に植物種子を貼着するか、マットを２枚重ねてその間に植物種子
を入れておくか、播種育苗用マットを敷いた上に適当な厚さに覆土をするなどの
手段を講ずればよい。
もちろん、複数の種類の植物種子を同時に播種したいときには、それぞれの植
物種子の特性に応じて播種育苗用マットに貼着、挿入などをすればよい。
このようにして製造される播種育苗用マットの厚さは、特に制限がなく、目的
、使用箇所または植物種子の性質に応じて適宜選択されるが、一般には厚さ0.01
〜50mm、好ましくは0.05〜10mm程度にして用いるのがよい。
この播種育苗用マットにおいては、Ｎ−ビニルアミド系重合体の配合量は、繊
維基材や水溶性のフィルムまたは紙の物性と形状、重合体の架橋度によりもたら
される性質、使用箇所の条件、植物種子の種類などにより好適範囲量は異なるが
、許容範囲量が大きいので
少しくらい好適範囲をはずしてもほとんど問題がなく、一般には播種育苗用マッ
ト１ｍ2あたり、10ｇ〜1000ｇ／ｍ2、好ましくは50〜500ｇ／ｍ2くらいで殆どの
ケースにおいて使用可能である。
本発明に使用できる植物種子は殆ど限定されず、一般に緑化用に用いられる芝
類、牧草類、木本類、鑑賞用、食用あるいは薬用草花類、野菜類、穀類、豆類な
どである。これらは使用場所、使用目的により選択される。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。本発明は、実施例によって何ら
制限されることはない。
実施例１
木材パルプからなるシートにＮ−ビニルアセトアミド系吸水性ポリマー粉末10
0ｇ／ｍ2を天然糊で貼着した、厚さ２mmの播種育苗用マットに白菜の種子を苗床
１個当たり80粒を均一に天然糊で貼着した。これらのマットを、ピートモスとバ
ーミキュライトを当量混合した培土を敷いた16個の苗床（25cm×25cm）に付設し
、その上に同じ培土を２cmの厚さに覆土し、十分な散水をしてその後雨水も当た
らないようにして放置した。
ここで用いたＮ−ビニルアセトアミド系吸水性ポリマーは、Ｎ−ビニルアセト
アミドと架橋剤としてＮ，Ｎ’−ジアセチル−Ｎ，Ｎ’−ジビニル−１，４−ビ
スアミノメチルシクロヘキサンを用いて得られたものである。
７日後に発芽率を測定したところ、平均値で約96％であった。この後も散水を
しないで放置し、２週間後の幼苗の状態を見たところ、殆どの苗が健全に成長し
ていた。
同じように発芽後、散水を継続して乾燥による枯死を防止したものとの差は認
められなかった。
比較例１
比較のために、実施例１の吸水性ポリマーに代え、市販のポリエチレングリコ
ール系の吸水性ポリマー〔住友精化社製アクアコーク（商標）〕を用いた播種育
苗用マットで、全く同様に発芽試験並びに乾燥試験を行ったところ、発芽率は約
93％と殆ど変わらなかったが、２週間後の健全な苗の割合は、発芽した苗の42％
と大幅に低下しており、散水を継続して乾燥による枯死を防止したものの苗の殆
どが健全に成長しているところから、枯死あるいは弱った苗の殆どは水分が不足
した結果であることが確認できた。
実施例２
Ｎ−ビニルアセトアミド系吸水性ポリマーを所定量配合した播種育苗用マット
〔配合量（木材パルプシートの重量に対する吸水性ポリマーの重量％）を除き実
施例１と同じ〕をプラスチックポットに充填した。液肥を底面から十分に吸水さ
せたのち過剰な水を排除するため２日間放置し、それに芝を播種し、７日間ポッ
トを遮光して初期成長を揃えた。播種後７日目を経過日数０日として無潅水条件
による保水性効果確認を行い、芝の成育状況を調査観察した。
萎凋現象の発生状況を下記の表１に示す。比較のために吸水性ポリマーを配合
しなかった播種育苗用マットを充填したポットも準備した。 萎凋度（ｎ＝３の平均）
−：ほとんど枯死が見当たらない。
＋：葉先のしおれ〜10％の枯死。
++：10〜70％の枯死。
+++：70％以上の枯死。
*1：潅水。
*2：潅水せず。
実施例３
植物性繊維不織布および水溶性フィルムを用いて播種育苗用マットを製造した
。実施例１で用いたものと同じＮ−ビニルアミド系吸水性ポリマー75g／ｍ2とバ
ミューダグラス種子15ｇ／ｍ2を不織布とフィルムとの間に付与し、それらを天
然糊で一体的に貼着した。
次いで、実施例１で用いたマットに代えて得られた播種育苗用マットを用いた
以外は実施例１に述べた操作を繰り返した。
得られた結果は実施例１で得られたのと同様であった。
産業上の利用可能性
本発明においては、播種育苗用マットに使用されている吸水性ポリマーとして
、従来使用されている吸水性ポリマーに比較して吸水力が弱いと思われるＮ−ビ
ニルアミド系重合体を用いたため、該マットは水が補給された時は含まれた植物
種子が発芽するが、給水されない限り植物種子は発芽しないので一度雨などによ
る十分な給水がない限り植物種子は死滅せず、また十分な給水があると発芽し、
長期間の乾燥状態にあっても吸水性ポリマーが保有する水により植物に給水可能
である。また、この吸収した水は根が十分に深く地中に侵入していない幼苗のよ
うな植物に対し、水を補給することができる。
このため、発芽後においても水を必要とする給水に困難のある乾燥地、傾斜地
、造成地、山林地などの育苗において、あるいは広大な植物育成地において極め
て有効な播種育苗用マットである。DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Sowing mat
Technical field
The present invention relates to raising of seedlings of vegetables and flowers, creation sites, forest roads in mountains, embankments of rivers, etc.
Slopes, greening of general home and public gardens, parks, streets, etc. and golf courses, grounds
Construction in the fields of agriculture and greening, such as lawn grass, greening in arid areas, greening, etc.
Easy and reliable sowing, and greening resistant to watering and rainfall and resistant to drying
The present invention relates to a method or a mat for sowing and raising seedling used in the method.
Background art
Conventionally, when seeds are sown, for example, in the garden, mainly by hand or machine
Seeding with a machine is performed. Recently, steep and extensive areas such as lands and forest roads
When greening the surrounding slope, it is recommended that plant seeds be impregnated with resin cloth or the like.
It is used in the department.
Similarly, use a sowing and raising mat that has plant seeds immobilized on various supports.
As the greening method used, JP-A-6-169636, JP-A-8-228514, JP-A-8-1870
12, JP-A-8-214721 and JP-A-8-228512. This sowing seedling raising mat
JP-A-62-210907 and JP-A-63-197720 in which a water-absorbing polymer is used in combination with
Japanese Unexamined Patent Publication No. Hei 1-148111, Japanese Unexamined Patent Publication No. 2-16216, Japanese Utility Model Publication No. 2-145008, and the like.
When seeding is performed by such a conventional method, seeds are likely to be unevenly dispersed, and
In the case of greening using mechanical sowing and sowing seedling mats,
It was often difficult to apply. In addition, if watering and rainfall after seeding are insufficient,
Bud rate decreases, water absorption
The germination rate is low due to the loss of water absorption of the plant seeds against the water absorption of the polymer,
There are also problems such as germination taking days. In addition, conventional water-absorbing poly
Some mars may inhibit germination, growth, impair air permeability, water permeability,
There were also some types of polymers that had no properties.
In general, the seeds do not germinate without water even when sown on a mat for sowing and raising seedlings.
There is no danger of dying, but the particular problem is that once the seeds germinate,
If this is not possible or the sunshine continues, the germinated seedlings will die.
Conventional water-absorbing polymers generally have strong water absorption, and can store large amounts of water.
Although it is possible, it is not possible to supply the water once absorbed by the water-absorbing polymer to the plants.
Scratches and roots avoid the water-absorbing polymer, and there is enough water in the water-absorbing polymer.
Even so, there was a problem in that it died.
Disclosure of the invention
The present invention relates to a seed for raising seedlings containing a water-absorbing polymer, wherein the germinated seedlings are
The water-absorbing polymer can grow without dying due to the stored water, and then
It is hardly affected by watering and rainfall even if it is, excellent germination rate and growth rate, and planting work
It is an object of the present invention to provide a mat for sowing and raising seedlings that has both the simplicity of the above.
The present inventor has conducted intensive studies in order to solve the above problems most rationally and effectively.
As a result, noni-one containing poly-N-vinylamide polymer as a water-absorbing polymer
The on-system water-absorbing polymer has good compatibility with plants.
That the above issues can be solved by finding that
Finally, the present invention has been completed.
That is, the present invention provides (a) a fiber substrate or a water-soluble film or
A mat containing paper; and (b) a film, tape, or
Is a powdered nonionic water-absorbing polymer, and (c) adhered to the mat.
A mat for sowing and raising seeds including seeds is provided.
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the present invention, the fiber base is rice straw, straw, hay, wood or other small pieces, wood or the like.
Various pulp such as linter, bark, paper, peat moss, natural fiber or synthetic fiber
Short fibers, such as fibers, are preferably made of pulp or peat with high water absorption and biodegradability
Moss, etc., with or without using natural resin or synthetic resin as binder
And compressed into a board, sheet, tape or string.
In the present invention, a water-soluble filter may be used instead of or together with the fiber base material.
Lum or paper may be used.
These may be used in a single layer, or they may be stacked one on top of the other and
May be inserted. When used in a single layer, paste the plant seeds with a binder or
May be held by inserting between layers. Or other water-soluble fill
Or paper or the like, and may be inserted and held between them. In addition, these
Mix with calcined foamed rock powder such as miculite, perlite, fertilizer or other additives
May be.
The nonionic water-absorbing polymer used in the present invention includes an acrylamide-based water-absorbing polymer.
Examples thereof include vinyl amide polymers such as polymers and N-vinyl amide polymers.
Among them, a unit derived from N-vinylamide represented by the following formula (1) is included.
N-vinylamide polymers are preferred.
In equation (1), R1And RTwoEach independently represents a hydrogen or a methyl group,
RThreeRepresents hydrogen, methyl, ethyl or isopropyl, or RTwoAnd RThree
And together may form an alkylene group having 3 to 5 carbon atoms.
Specific examples thereof include N-vinylacetamide, N-methyl-N-vinyl
Acetamide, N-vinylformamide, N-methyl-N-vinylformamide
, N-vinyl-α-pyrrolidone, N-vinylisobutylamide and the like.
However, among these, N-vinylacetamide is particularly preferably used.
One or more N-vinylamides can be used.
The N-vinylamide polymer used in the present invention is mainly composed of N-vinylamide.
It may be a copolymer. In this case, the units derived from N-vinylamide share
It is preferably at least 60% by weight of the polymer, particularly preferably at least 70% by weight.
Examples of ionic monomers copolymerizable with N-vinylamide include, for example, (meth)
) Acrylic acid, maleic acid, itaconic acid, 2-acrylamido-2-methylpro
Pansulfonic acid, 2-acrylamidoethanesulfonic acid, 2-methacrylamide
Ethanesulfonic acid, 3-methacrylamidopropanesulfonic acid, methyl acrylate
Sulfonic acid, methyl methacrylate sulfonic acid, 2-ethyl sulfonic acid acrylate
Acid, methacrylic acid-2-ethylsulfonic acid, acrylic acid-3-propylsulfo
Acid, methacrylic acid-3-propylsulfonic acid, 2-methyl-3-acrylate
Propylsulfonic acid, methacrylic acid-2-methyl-3-propylsulfonic acid, a
Crylic acid-1,1'-dimer
Tyl-2-ethylsulfonic acid, methacrylic acid-1,1'-dimethyl-2-ethyl
Sulfonic acid or salts thereof can be mentioned.
Examples of the nonionic monomer copolymerizable with N-vinylamide include, for example,
, Methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, 2-hydr
Roxyethyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, 2
-Hydroxyethyl methacrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate and the like
(Meth) acrylates, acrylamide, methacrylamide, N,
(Meth) acrylamide such as N-dimethylacrylamide and N-alkyl
(Meth) acrylamides, (meth) acrylonitrile, methyl vinyl ketone
, Vinyl ketones such as ethyl vinyl ketone, vinyl acetate, vinyl butyrate, etc.
Carboxylic acid vinyl esters, methyl vinyl ether, ethyl vinyl ether, etc.
Vinyl ethers, allyl alcohol, maleic anhydride, maleic di
Methyl esters are mentioned.
In the present invention, a nonionic polymer is a simple polymer derived from an ionic monomer.
What is necessary is that the position is 20 mol% or less of the polymer and it is substantially nonionic.
The copolymerization ratio of the ionic monomer is 20 mol% or less, preferably 10 mol%.
It is as follows. If the copolymerization ratio of the ionic monomer is 20 mol% or less,
The risk of growth inhibition is reduced.
In addition, the ratio of copolymerization of nonionic monomers also inhibits germination and growth by ions.
Although there is no need to consider the danger of water absorption, the availability of water
Considering the durability and cost of the rimer, the maximum is also 30 mol%, preferably 20 mol%.
% Is preferable.
This N-vinylamide polymer may be three-dimensionally crosslinked.
Required, for example, N-vinylacetamide and a polymerizable unsaturated group in one molecule
(Hereinafter referred to as "crosslinking agent") having at least two of
With a reactive monomer using a radical polymerization initiator in the absence of oxygen
It can be manufactured by doing.
Although the polymerization process is not necessarily limited, sodium polyacrylate crosslinking
Aqueous solution polymerization, reverse layer suspension polymerization, etc., which are conventionally adopted as the method for producing the product
Specific examples thereof are described in JP-A-3-223304, JP-A-4-230250 and JP-A-4-230250.
-346833.
Specific examples of the crosslinking agent used in the production of the N-vinylamide polymer
N, N'-methylenebisacrylamide, triethylene glycol (meta
) Acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate,
Benzene, N, N-alkylenebis (N-vinylacetamide) compound (for example,
N'-1,4-butylenebis (N-vinylacetamide) or N, N'-diacetyl
N, N'-divinyl-1,3-bisaminomethylcyclohexane, etc.), penta
Erythritol triallyl ether, tetraallyloxyethane, etc.
These may be used alone or in combination of two or more as necessary.
Can be.
The amount of these crosslinking agents used is generally 2 × 10-Four~Ten
Mol%, preferably 5 × 10-Four２2 mol%.
As a polymerization initiator used in the production of the polymer, conventionally known
Peroxide, organic or inorganic peracid or its salt, azobis compound alone
Or a redox type using a combination of a peroxide type initiator and a reducing agent.
And of these,
Particularly preferred are azobis (2-aminodipropane) dihydrochloride, 2,2'-A
Azobi such as zobis [2- (2-imidazolin-2-yl) propane] dihydrochloride
It is a metal-based initiator.
The amount of the polymerization initiator used is not particularly limited, but is generally based on the monomer component.
It is preferably 0.0005 to 5 mol%, particularly preferably 0.005 to 0.5 mol%.
No. The polymerization initiation temperature may be usually about -10C to + 80C.
When the degree of crosslinking of the poly-N-vinylamide polymer is too high, the water absorption is small.
In addition, when the degree of crosslinking is small, the water absorption capacity is not sufficiently exhibited.
These N-vinylamide polymers can be used in the form of films, tapes, fibers or powders.
It must be fixed in the form of a sowing seedling mat in the form. There are no restrictions on the fixing method
There is no limit, for example, weave the water-absorbing polymer tape, fiber, etc. into the mat
Use a glue of water-soluble resin to avoid spilling into the mat if it is a powder
And may be fixed, or may be laminated as a film.
The N-vinylamide polymer used in the present invention does not prevent germination of plant seeds.
No.
Therefore, when the seeds for raising seedlings are dry, the plant seeds are stable.
Does not germinate as seeds, but once in contact with moisture,
The coalescing rapidly absorbs the given water, and at the same time, also absorbs the plant seeds and germinates.
Will do.
Ordinary water-absorbing polymers not only have a large amount of water absorption, but also have a very large water-absorbing power.
Once absorbed, water is stored in the water-absorbing polymer without being supplied to others.
There is a strong tendency to be. Therefore, after germination, there is competition for water absorption with the seedlings,
Water is not supplied to the mats, and
regardless of,
The seedlings will die.
In contrast, N-vinylamide-based polymers have a higher water absorption power than other water-absorbing polymers.
Is small, so that water that is absorbed and stored is supplied to the seedlings.
Seedlings are less susceptible to watering and rainfall when using seed mats for planting
And increase resistance to sunshine and the like. In addition, because of high durability, after growing
The water retention function of the water-absorbing polymer increases the resistance to sunshine
You.
The method for producing the mat for sowing and seedling raising of the present invention is not particularly limited.
For plant seeds that require
To stick or to incorporate into the mat.
For seeds that do not require light for germination or that require shading, sowing seedlings
Paste the plant seeds on the back side of the mat, or stack two mats and put the plant seeds between them.
Or lay a mat for sowing and raising seedlings and cover the soil to an appropriate thickness.
You just have to take measures.
Of course, if you want to sow multiple types of plant seeds at the same time,
What is necessary is just to stick on a seed for raising seedlings, insert, etc. according to the characteristic of a thing seed.
The thickness of the mat for sowing and raising seedlings produced in this way is not particularly limited,
Although it is appropriately selected depending on the place of use or the properties of the plant seed, generally, the thickness is 0.01
5050 mm, preferably about 0.05-10 mm.
In this mat for sowing and raising seedlings, the blending amount of the N-vinylamide polymer is
Produced by the physical properties and shape of fiber substrates, water-soluble films or papers, and the degree of crosslinking of polymers
The preferred range varies depending on the properties to be used, the conditions of the place of use, the type of plant seed, etc.
Because the tolerance is large
There is almost no problem even if the suitable range is slightly deviated.
1mTwoPer 10g-1000g / mTwo, Preferably 50 to 500 g / mTwoMost of
Can be used in cases.
There is almost no limitation on plant seeds that can be used in the present invention.
, Grasses, woody plants, ornamental, edible or medicinal plants, vegetables, cereals, beans, etc.
What is it? These are selected according to the place of use and the purpose of use.
Hereinafter, the present invention will be further described with reference to examples. The present invention is not limited by the examples.
There is no restriction.
Example 1
N-vinylacetamide-based water-absorbing polymer powder 10 on a sheet made of wood pulp
0 g / mTwoSeeds of Chinese cabbage on a 2 mm thick sowing seedling mat
Eighty tablets were uniformly affixed with natural glue. Put these mats on peat moss and ba
-Attached to 16 nursery beds (25cm x 25cm) covered with cultivated soil mixed with equivalent amounts of mycurite
, Covered with the same cultivation soil to a thickness of 2cm, sprinkled enough water and then hit with rainwater
I left it without doing it.
The N-vinylacetamide-based water-absorbing polymer used here was N-vinylacetamide.
N, N'-diacetyl-N, N'-divinyl-1,4-biamide as amide and crosslinking agent
It was obtained using saminomethylcyclohexane.
When the germination rate was measured 7 days later, the average value was about 96%. Watering after this
When left unattended, the state of the seedlings after two weeks was observed.
I was
Similarly, after germination, watering was continued, and there was no difference from the one that prevented death due to drying.
It did not fit.
Comparative Example 1
For comparison, a commercially available polyethylene glycol was used instead of the water-absorbing polymer of Example 1.
Seeding using a water-based water-absorbing polymer [Aqua Coke (trademark) manufactured by Sumitomo Seika Co., Ltd.]
When the germination test and the drying test were performed on the seedling mat in exactly the same way, the germination rate was about
Although it was almost the same as 93%, the ratio of healthy seedlings after 2 weeks was 42% of the germinated seedlings.
Although watering was continued to prevent death due to drying, most of the seedlings
Most of the dead or weak seedlings lack water due to healthy growth
The result was confirmed.
Example 2
Seed raising nursery mat containing a predetermined amount of N-vinylacetamide-based water-absorbing polymer
[Except for the blending amount (% by weight of water-absorbing polymer based on the weight of wood pulp sheet)
The same as in Example 1] was filled in a plastic pot. Absorb liquid fertilizer from bottom
After soaking, leave it for 2 days to remove excess water, sow grass on it, and
The initial growth was made uniform by shielding the light. No irrigation condition with 7 days after seeding as 0 days elapsed
The effect of water retention on the turf was confirmed, and the growth of turf was investigated and observed.
The state of occurrence of the withering phenomenon is shown in Table 1 below. Contains water-absorbing polymer for comparison
A pot filled with an unseeded seedling mat was also prepared. Withering degree (average of n = 3)
-: Almost no death is found.
+: Leaf tip wilting ~ 10% withering.
++: 10-70% death.
+++: More than 70% withering.
* 1: Irrigation.
* 2: No watering.
Example 3
A mat for sowing and raising seedlings was manufactured using a vegetable fiber nonwoven fabric and a water-soluble film.
. The same N-vinylamide-based water-absorbing polymer as used in Example 1 75 g / mTwoAnd ba
Mudagrass seed 15g / mTwoBetween the non-woven fabric and the film, and
It was stuck together with the glue.
Subsequently, the mat for sowing and seedling raising obtained in place of the mat used in Example 1 was used.
Other than that, the operation described in Example 1 was repeated.
The results obtained were similar to those obtained in Example 1.
Industrial applicability
In the present invention, as a water-absorbing polymer used in a mat for sowing and raising seedlings
N-bi, which is considered to have a lower water absorbing power than conventionally used water absorbing polymers
Due to the use of a nilamide-based polymer, the mat contained plants when water was replenished.
Seeds germinate, but plant seeds do not germinate unless water is supplied.
If there is not enough water, the plant seeds will not die, and if there is enough water, they will germinate,
Plants can be supplied with water from the water-absorbing polymer even in long-term dry conditions
It is. This absorbed water is a seedling whose roots are not deep enough to penetrate the ground.
Such plants can be replenished with water.
For this reason, it is difficult to supply water even after germination
In seedlings, land, forests, etc., or in large plant growing areas
It is an effective mat for sowing and raising seedlings.
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(81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，
ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ
Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ
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ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ
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ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，Ｖ
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