JP2001506139A - Icam−6物質及び方法 - Google Patents

Icam−6物質及び方法

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JP2001506139A JP52464099A JP52464099A JP2001506139A JP 2001506139 A JP2001506139 A JP 2001506139A JP 52464099 A JP52464099 A JP 52464099A JP 52464099 A JP52464099 A JP 52464099A JP 2001506139 A JP2001506139 A JP 2001506139A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ICAM-6をコードするポリヌクレオチド、当該ポリヌクレオチドをコードする発現構築体、当該発現構築体で形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞、ICAM-6ポリペプチドを製造する方法、ICAM-6ポリペプチド、当該ポリペプチドに対して特異的な免疫反応性を有する抗体、当該抗ICAM-6抗体を認識する抗イディオタイプ抗体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ICAM−6物質及び方法 本願出願は、1997年10月22日に出願され、係属中である米国特許出願第08/955 ,661号の一部継続出願である。 発明の技術分野 本発明は、一般に細胞接着分子に関し、さらに詳細には、細胞間接着分子のIC AM-1、ICAM-2、ICAM-R、(Landsteiner-Weiner)LW-ICAM-4、及びICAM-5と構造上 の関連性を有する、「ICAM-6」と称するこれまでに知られていないポリペプチド をコードするDNAのクローニング及び発現に関する。 発明の背景 この10年来における研究によって、体内での細胞−細胞間の相互作用に関与す る分子現象、特に、免疫系における細胞の挙動及び活性化に関連する現象、そし て、さらに近年では、神経系における細胞の発生及び生理的機能に関連する現象 が、かなり解明されてきている。概説的には、免疫系の細胞に関してはSpringer 、Nature、346巻、425〜434頁(1990)、ならびに神経系の細胞に関しては、Yoshi haraら、Neurosci.Res.、10巻、83〜105頁(1991)と、Sonderegger及びRathjen、 J.Cell Biol.、119巻、1387〜1394頁(1992)を参照されたい。細胞表面タンパク 質、及び、特に所謂細胞接着分子(「CAM」)は、相応じて、炎症部位への白血球 溢出及び別異の標的組織への白血球の移動のプロセス、さらには、神経分化及び 複雑な神経回路構成の形成のプロセスに介入することを目的とした、製薬学的研 究及び開発 の主題となっている。細胞接着分子の単離及び特徴付け、かかる分子をコードす るDNA配列のクローニング及び発現、ならびに、炎症プロセスや、神経系の発生 及び機能に関連する治療及び診断薬の開発もまた、多くの米国及び外国特許出願 の主題となっている。Edwards、Current Opinion in Therapeutic Patents、1(1 1)、1617〜1630頁(1991)及び、特にその中で引用されている発行済「参考特許文 献」を参照されたい。 本発明の背景における重要な事柄は、細胞接着現象の特定のメディエーター、 すなわち、Bリンパ球、Tリンパ球、単球、及び顆粒球上に存在するヘテロダイ マーの「インテグリン」細胞表面タンパク質のサブファミリーを形成する、「ロ イコインテグリン」、LFA-1、MAC-1及びgp150.95(WHOの命名法によると、CD18/ CD11a、CD18/CD11b、及びCD18/CD11cとそれぞれ称される)の先行する同定及び 特徴付けである。例えば、前出のSpringerの文献第429頁の表1を参照のこと。 さらに、炎症プロセスに伴う現象である、白血球の活性化、接着、運動性等に影 響を与える他の一本鎖接着分子(CAM)も重要事項である。例えば、現在のところ 、炎症プロセスを特徴付ける白血球溢出に先駆けて、白血球上で構造的に発現し ているインテグリンの活性化が起こり、次に、インテグリン(例えば、LFA-1)と 、血管内皮細胞表面上及び白血球細胞上にて発現されているICAM-1及びICAM-2と 称される2つの相異なる細胞間接着分子(ICAM)の一方または双方との間に堅固な リガンド/レセプター相互作用が生じると考えられている。 今日までに特徴付けられている他のCAM(例えば、1990年11月15日に公開された PCT WO 90/13300号に記載された管接着分子(VCAM-1);ならびにNewmanら、Scien ce、247巻、1219〜1222頁(1990)及び1991年7月25日に公開されたPCT WO 91/106 83号に記 載された血小板内皮細胞接着分子(PECAM-1))と同様に、ICAM-1及びICAM-2は、そ れぞれの細胞外部分が類似構造を共有する一連のドメインを含むという点におい て、他の免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーのメンバーと構造的に相同で ある。「典型的な」免疫グロブリン様ドメインは、通常、各ループ末端の2つの システイン間のジスルフィド結合によって固定されているループ構造を含んでい る。ICAM-1及びICAM-Rはそれぞれ、5つの免疫グロブリン様ドメインを含んでお り;細胞分布の点でICAM-1と異なるICAM-2及びLW-ICAM-4は、このようなドメイ ンを2つ含んでおり;ICAM-5は9つ含んでおり;PECAM-1は6つ含んでおり;VCA Mは、接合の多様性、その他によって、6つまたは7つを含んでいる、等である 。さらに、CAMは、典型的には、細胞表面での分子の配向に関係していると考え られる疎水性「膜貫通」領域、及びカルボキシ末端「細胞質」領域を含んでいる 。CAMの作動的配置のグラフィックモデルでは、一般的に、細胞の細胞質にまで 仲長している細胞質「テール」と、細胞表面がら外側に向けて伸長している1以 上の免疫グロブリン様ループとを備えた膜貫通領域にて細胞膜に固定されている 分子が示される。 数多くの神経細胞が、細胞外Ig様ドメインを持ち、構造的にICAMと類似した、 表面レセプターを発現している。例えば、Yoshiharaら、前出、及びMizunoら、J .Biol.Chem.、272巻、1156〜1163頁(1997)を参照されたい。Ig様ドメインに加え て、神経系の多くの接着分子は、細胞外ドメインにタンデムに反復したフィブロ ネクチン様配列も含んでいる。 ヒト・ライノウイルスに結合するICAM-1の能力を前提とする用途を含んだ、細 胞間接着分子に対する様々な治療上の使用が計画されてきている。例えば、1992 年1月29日に公開された欧 州特許出願第468 257 A号は、リガンド/レセプター結合活性、特にウイルス、 リンバ球関連抗原及びプラスモディウム・フアルシパラム(Plasmodium falcipar um)などの病原体に結合する際の結合活性の向上を示すことが提案された、ICAM- 1の多量体の配置及び形態の改良(全長及び欠失された分子型を包含する)につ いて述べている。 同様にして、細胞間接着分子に免疫学的に関連しているタンパク質について様 々な使用が計画されてきている。例えば、1991年11月14日に公開されたWO 91/16 928号には、ヒト型化されたキメラ抗ICAM-1抗体、ならびに特異的及び非特異的 炎症、ウイルス感染、及び喘息の治療におけるその使用が述べられている。抗IC AM-1抗体及びその断片は、内毒素ショックの治療に有効である旨が、1992年3月 19日に公開されたWO 92/04034号に記載されている。抗ICAM-1抗イディオタイプ 抗体及び抗体断片を用いたICAM-1依存性の炎症応答の阻害が、1992年4月16日に 公開されたWO 92/06119号に述べられている。 ICAM-1などの細胞間接着タンパク質及びLFA-1などのリンパ球相互作用性イン テグリン類の同定及び特徴付けによって細胞接着現象の基本的な洞察が得られて いるにもかかわらず、その全容解明は程遠い。一般的には、炎症プロセス及び標 的となるリンパ球の生体内における挙動には、多くの他のタンパク質が関与して いると考えられている。例えば、米国特許出願第07/827,689号、第07/889,724号 、07/894,061号ならびに08/009,266号及び対応する公開されたPCT WO 93/14776 号(1993年8月5日公開)に、ICAM-関連タンパク質であるICAM-R(ヒトリンパ 球、単球及び顆粒球上で発現されていることが示されているもの)のクローニン グ及び発現が開示されている。これらの出願における開示は、特に引用すること により本明細書に組み入れるもの である。他の例として、本明細書中ではLW-ICAM-4と称している血液群糖タンパ ク質が報告されている[Baillyら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、91巻、53065〜53 10頁(1994);Baillyら、Eur.J.Immunol.、25巻、3316〜3320頁(1995)]。LW−IC AM-4は、CD11a/CD18及びCD11b/CD18への赤血球細胞の結合を媒介することが示唆 され、そしてICAM-2と、この表面タンパク質が2つの細胞外ドメインを含むとい う点において構造的に類似することが示された。さらに別の例として、既知のい ずれのICAM分子とも類似しない組織特異的発現性を有する、ICAM様表面分子が同 定されている。Moriら、[Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、84巻、3921〜3925頁(198 7)]は、モノクローナル抗体271A6との特異的免疫反応性を有する、終脳特異的 抗原の同定を報告した。この表面抗原は、テレンセファリン(telencephalin) またはICAM-5と命名された。Yoshiharaらは、Ncuron、12巻、543〜553頁(1994) にて、ウサギのテレンセファリンに対するcDNA及びアミノ酸配列を報告し、これ によって、130kDのテレンセファロンが、9つの細胞外免疫グロブリン(Ig)様ド メインを持つ膜内在性タンパク質(integral membrane protein)であることが 示唆された。これらのドメインのうち遠位の8つは、他のICAMのIg様ドメインと 相同性を示した。ウサギICAM-5に対するヒト相同体のクローニングは、Mizunoら 、前出に記載されている。 かくして、当該技術分野において、ヒトの細胞−細胞間の相互作用に関与する さらなるタンパク質の発見、特に、かようなタンパク質のアミノ酸配列を特異的 に同定しかつ特徴付けるのに役立つ情報が希求されている。さらに、そのような 分子が治療薬及び診断薬の開発の基礎を形成する程度に、それらをコードしてい るDNAが解明されることが必須である。かかる根本的な情報は、とりわけ、それ らタンパク質の大量生産に役立ち、そ れらタンパク質を天然に産生する細胞の同定を許容し、そして抗体物質またはそ れらと特異的な反応性を有する他の新規な結合タンパク質及び/もしくは関与す るリガンド/レセプター結合反応を阻害する他の新規な結合タンパク質の調製を 可能にするであろう。 発明の要旨 要約すると、本発明はICAM-6と命名された細胞接着分子ファミリーに対するポ リペプチド及びその基礎をなすポリヌクレオチドを提供する。本発明には、天然 に生じているものと天然に生じていないもの双方の、ICAM-6ポリヌクレオチド及 びそのポリペプチド産物が包含される。天然に生じているICAM-6ポリペプチドに は、ファミリーに含まれる別異の遺伝子及びポリペプチド種(すなわち、対立変 異体及び種相同体)が包含される。各ICAM-6種の中で、本発明はさらに、同じポ リヌクレオチドによってコードされているが異なるmRNA転写物より生じるスプラ イス変異体を提供する。天然に生じていないICAM-6ポリペプチドには、類似体( すなわち、1以上のアミノ酸が付加、置換、または欠失したもの)などの、天然 に生じている産物の変異体や、共有結合修飾体(すなわち、融合タンパク質、グ リコシル化変異体、Met-1ICAM-6、Met-2-Lys-1ICAM-6、Gly-1ICAM-6等)を包含 するICAM-6ポリペプチドが含まれる。好ましい実施態様において、本発明は配列 番号:1に示す配列を含むポリヌクレオチドを提供する。本発明はさらにまた配 列番号:2に示すアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを包含する。現在 のところ好ましい本発明のポリペプチドは、配列番号:2に示すアミノ酸配列を 含む。本発明の好ましいポリヌクレオチドをコードするプラスミドは、1997年10 月16日に、20852、メリーランド州 、ロックビル12301に在するアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに 寄託され、受託番号第98557を与えられた。 本発明は、ICAM-6をコードする新規の精製及び単離されたポリヌクレオチド( 例えば、DNA配列及びmRNA転写物、双方ともセンス及び相補的アンチセンス鎖、 さらにそれらのスプライス変異体を含む)を提供する。本発明のDNA配列には、 ゲノミック及びcDNA配列のみならず、全体的または部分的に化学合成されたDNA 配列が含まれる。本明細書で用いられ当該技術分野において理解される「合成さ れた」の語は、ポリヌクレオチドを製造するための、酵素的方法に対して純粋に 化学的な方法を称するものである。「全体的に」合成されたDNA配列は従って、 全体に及んで化学的手段により製造されたものであって、そして「部分的に」合 成されたDNAは、得られるDNAの一部分だけが化学的手段によって製造されたもの のことである。本発明はさらに、好ましいICAM-6 DNAの種、好ましくは哺乳動物 相同体を包含する。 本発明はまた、配列番号:1のポリヌクレオチドの非コード鎖、または相補体 とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするICAM-6種をコードするDNA配 列も含むものである。 遺伝コードの縮重がなければそれとハイブリダイズするはずであるICAM-6Aポ リペプチドをコードするDNA配列が、本発明によって企図される。ストリンジェ ントなハイブリダイゼーション条件の例は以下の通りである:50%ホルムアミド 、5X SSCで42℃にて終夜ハイブリダイゼーションを行い、1%SDSを含む0.5X SSC で50℃にて洗浄する。当該技術分野にあっては、Ausebelら(編)Protocols in Molecular Biology 、John Wiley & Sons(1994)6.0.3〜6.4.10頁に記載されるよ うに、温度及び緩衝液、または塩濃度を変更することによって同等のストリンジ ェ ンシーの条件にできることは理解されるはずである。ハイブリダイゼーション条 件の改変は、経験的に決定するか、またはプローブのグアノシン/シトシン(G C)塩基対の長さ及び含有率に基づき正確に算定することが可能である。Sambro okら(編)、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor La boratory Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク(1989)9.47〜9.51頁に記 載される通りに、ハイブリダイゼーション条件を算定することができる。 ICAM-6ポリヌクレオチド配列を組み込んだプラスミド及びウイルスDNAベクタ ーなどの、自己複製する組換え発現構築体も提供される。ICAM-6をコードするポ リヌクレオチドが、内在性または外来性発現制御DNA配列及び転写ターミネータ ーに作動可能に連結された発現構築体も提供される。 本発明のさらなる特徴によれば、本発明のICAM-6ポリペプチドの発現を許容す るように、本発明のDNA配列で安定にまたは一過性に形質転換された、原核細胞 及び真核細胞を含む宿主細胞が提供される。本発明の宿主細胞は、ICAM-6と特異 的な免疫反応性を有する抗体の開発のための免疫原の貴重な供給元である。本発 明の宿主細胞は、ICAM-6ポリペプチドの大量生産のための方法においてきわめて 有用なものでもあり、かかる方法では、細胞が好適な培地中で生育され、そして 目的のポリペプチドが、細胞からまたは細胞が生育される培地から、例えばイム ノアフィニティー精製によって単離される。 ICAM-6 DNA配列の知見により、内在性ICAM-6の発現を許容または増加させるよ うな細胞の修飾が可能となる。細胞がより高いレベルでICAM-6を発現するよう、 異種性のプロモーターのすべてまたは一部を用いて、天然に生じているICAM-6プ ロモーターの全体または一部を置換することによって、ICAM-6の発現増 大をもたらすように細胞を修飾することができる(例えば、相同組換えによる修 飾)。異種性プロモーターは、ICAM-6をコードする配列に作動可能に連結するよ うに挿入される。例えば、PCT国際公開第WO 94/12650号、PCT国際公開第WO 92/2 0808号、及びPCT国際公開第WO 91/09955号パンフレットを参照されたい。本発明 はまた、異種性プロモーターDNAに加えて、増幅可能なマーカーDNA(例えば、ad a、dhfr、ならびにカルバミルホスフェートシンターゼ、アスパルテートトラン スカルバミラーゼ、及びジヒドロオロターゼをコードする多機能CAD遺伝子など )ならびに/または、イントロンDNAを異種性プロモーターDNAと共に挿入しても よい。ICAM-6コーディング配列に連結される場合、標準的な選択方法によるマー カーDNAの増幅の結果、細胞でのICAM-6コーディング配列の共増幅が導かれる。 本発明によって提供されるDNA配列情報はさらに、例えば相同組換えまたは「 ノックアウト」戦略[Capecchi、Science、244巻、1288〜1292頁(1989)]による 、機能を有するICAM-6を発現しない、またはICAM-6の変異体を発現する動物の開 発も可能になる。かかる動物は、in vivoでのICAM-6及びICAM-6のモジュレータ ーの活性を調べるためのモデルとして有用である。 本発明はまた、精製及び単離されたICAM-6ポリペプチドを提供する。現在のと ころ好ましいICAM-6ポリペプチドは、配列番号:2に示される。本発明のICAM-6 ポリペプチドは、天然の細胞供給源から単離されても、あるいは化学合成されて もよいが、好ましくは本発明の宿主細胞を用いた組換え法によって製造される。 哺乳動物宿主細胞の使用によって、本発明の組換え発現産物に対する至適な生物 学的活性を付与するのに必要がもしれない転写後修飾(例えば、グリコシレーシ ョン、トランケーション、リピデーション及びリン酸化など)が提供されること が予測される。本発明のICAM-6ポリペプチドは、全長のポリペプチド、生物学的 に活性を有するその断片、または特異的なICAM-6の生物学的活性を保持している 変異体であってもよい。変異体には、(1)ICAM-6に特異的な生物学的活性もし くは免疫学的特性を損失することなく、または(2)ICAM-6の特定の生物学的活 性の無力化を伴って、1以上の特定の(すなわち、天然にコードされている)ア ミノ酸が欠失もしくは置換されているか、または1以上の不特定のアミノ酸が付 加されているICAM-6ポリペプチド類似体が含まれうる。 本発明の変異体ポリペプチドには、成熟ICAM-6Aポリペプチド、すなわちリー ダーまたはシグナル配列が除去され、さらなるアミノ末端残基を有するICAM-6ポ リペプチドが含まれる。−1位にさらなるメチオニン残基を有するICAM-6ポリペ プチド(Met-1-ICAM-6)が企図され、同様に−2及び−1位にさらなるメチオニ ン及びリジン残基を有するICAM-6ポリペプチド(Me-2-Lys-1-ICAM-6)も企図さ れる。これらのタイプの変異体は、細菌細胞型での組換えタンパク質の生産に対 して特に有用である。 本発明はまた、特異な発現系の使用に起因したさらなるアミノ酸残基を有する ICAM-6変異体をも含むものである。例えば、グルタチオン-S-トランスフェラー ゼ(GST)融合タンパク質などの所望のポリペプチドを発現する市販のベクター の使用によって、その所望のポリペプチド由来のGST成分の切断の結果、−1位 にさらなるグリシン残基を有する目的のポリペプチドが提供される。他のベクタ ー系での発現から得られる変異体もさらに、本発明で企図される。 本発明はまた、ポリペプチドの1以上の細胞外ドメインを含むICAM-6断片を企 図する。ICAM-6の特に好ましい欠切型には、細胞接着をもたらす特異的リガンド 結合に関わるタンパク質の 可溶性型のものが包含される。1以上の細胞外ドメインを含むICAM-6の欠切型は 、タンパク質の細胞外部分の明確化され且つ識別されたドメインの知見に鑑みて 作製される。様々なドメインが、保存されたシステイン残基、ならびに概ね保存 された及び/または類似した近接アミノ酸残基の存在によって特徴的に示される 。 本発明はさらに、通常はICAM-6と会合しているアミノ酸配列に共有結合によっ て付着されたICAM-6断片を包含する。その結果得られた「キメラ」または「融合 」タンパク質は、ICAM-6の生物学的活性をモジュレートするために特に有用であ り、またICAM-6アミノ酸配列の抗原性を改善するためにも有用である。 「ICAM-6に通常会合しているアミノ酸配列」は、いかなる供給源に由来するも のでもよく、そしてそのアミノ酸配列の接着がICAM-6に対して作用しうる特性に 基づいて選択することができる。 本発明はさらに、1以上の水溶性ポリマー接着物を含むように修飾されたICAM -6ポリペプチドを包含する。特に好ましいのは、ポリエチレングリコール(PEG )サブユニットで共有結合修飾されたICAM-6ポリペプチドである。水溶性ポリマ ーは、例えばICAM-6ポリペプチドのアミノ末端などの特定の位置に結合させても 、あるいはポリペプチドの1以上の側鎖に無作為に接着させてもよい。 さらに本発明によって企図されるのは、ICAM-6ポリペプチドに対して特異的な 抗体(例えば、モノクローナル及びポリクローナル抗体、単鎖抗体、キメラ抗体 、CDR移植抗体等)またはその断片ならびに他の結合タンパク質である。特異的 な結合タンパク質は、単離されたICAM-6産物もしくは組換えICAM-6産物、ICAM-6 変異体、またはこのような産物を発現している細胞を使 用して製造することができる。結合タンパク質は、ICAM-6ポリペプチドを精製す るため、そして既知の免疫学的方法を使用して体液及び組織試料中のICAM-6ポリ ペプチドを検出または定量するために有用である。結合タンパク質はまた、ICAM -6の生物学的活性、特にシグナル伝達経路に関与する活性をモジュレートする( すなわち、ブロッキング、阻害する、または抑制する)上で極めて有用である。 抗ICAM-6抗体に対して特異的な抗イディオタイプ抗体もまた、さらに企図される 。 本発明のDNA及びアミノ酸配列の開示を通じて寄与される情報の科学的な価値 は、明白である。一連の実験にて、ICAM-6に対するcDNAの配列の知見から、ICAM -6や、プロモーター、オペレーター、エンハンサー、リプレッサー等のICAM-6発 現制御配列をコードするゲノミックDNA配列の同定が、サザンハイブリダイゼー ションまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用によって可能となる。中程度 から高度のストリンジェント条件下に本発明のDNA配列を用いて行ったDNA/DNAハ イブリダイゼーション法で同様に、ICAM-6の対立変異体をコードするDNAの単離 が可能となることが予測され;対立変異体とは、当該技術分野においてICAM-6に 特異的な生化学的及び/または免疫学的特性の1以上持つ構造的に関連するタン パク質を含むことが知られるものである。同様に、ICAM-6と相同なタンパク質を コードする種の遺伝子も、サザン分析及び/またはPCR分析によって同定するこ とができる。選択手段として、他のICAM-6タンパク質、そのタンパク質をコード するDNAを同定するために相補性試験が有用でありうる。 本発明のポリヌクレオチドは、細胞がICAM-6を発現する能力を検出するための ハイブリダイゼーションアッセイにおいても有用である。本発明のポリヌクレオ チドは、1以上の疾患の原 因となっているICAM-6遺伝子座における遺伝的変化(1以上)を同定するための 診断方法に対する基礎をなすものとなりうる。 さらに本発明によって実現されるのは、ICAM-6をコードするポリヌクレオチド を認識する、またはハイブリダイズするアンチセンスポリヌクレオチドである。 全長及び断片のアンチセンスポリヌクレオチドが提供される。アンチセンスポリ ヌクレオチドは、ICAM-6m RNAを発現している細胞によるICAM-6の発現調節に特 に関連するものである。 本発明によって提供されるDNA及びアミノ酸配列情報によりさらに、ICAM-6の 構造及び機能の系統的な分析が可能になる。ICAM-6に対するDNA及びアミノ酸情 報によってさらに、ICAM-6と相互作用すると考えられる分子の同定が可能となる 。ICAM-6結合活性をモジュレートする(すなわち、増加、減少または阻止する) 物質は、モジュレーターと推定される物質をICAM-6とインキュベートし、そして そのモジュレーター推定物質のICAM-6結合活性に対する効果を判定することによ って、同定することができる。ICAM-6の生物学的活性をモジュレートする化合物 の選択性は、その化合物のICAM-6に対する効果と、他のICAM-6結合タンパク質に 対する効果とを比較することによって評価することができる。ジ−ハイブリッド アッセイ及びスプリットハイブリッドアッセイなどの、細胞を用いた方法、さら にポリペプチドまたはその結合パートナーが固定化されるアッセイを含めたイン ビトロのアッセイ、及び溶液アッセイが本発明によって企図される。 選択的モジュレーターには、例えば、抗体及びICAM-6またはICAM-6核酸に特異 的に結合する他のタンパク質またはペプチド、ICAM-6またはICAM-6核酸に特異的 に結合するオリゴヌクレオ チド、ならびにICAM-6またはICAM-6をコードする核酸と特異的に結合する他の非 ペプチド化合物(例えば、単離されたもの、または合成有機分子)などが包含さ れうる。モジュレーターはさらに、前記のごとき化合物であるがICAM-6の特異的 結合パートナーと相互作用する化合物を含んでいる。野生型ICAM-6の酵素活性ま たは細胞局在性に影響を及ぼすICAM-6の変異体型もまた、本発明によって企図さ れる。選択的モジュレーターを開発するための現在のところ好ましい標的には、 例えば(1)他のタンパク質と接触する及び/または細胞の特定膜領域内にICAM -6を局在化させる、ICAM-6の細胞質または膜貫通領域、ならびに(2)特異的結 合パートナーに結合するICAM-6の細胞外領域が包含される。ICAM-6活性のモジュ レーターは、ICAM-6活性が関わる疾患及び病理状態の処置において治療的に有用 であるがもしれない。 発明の詳細な説明 本発明は、ICAM-6ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの単離、さらに は、そのポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの発現及び特徴付け に関する以下の実施例によって例証される。実施例1には、新規のICAM cDNA配 列を単離するために計画されたESTデータベースの検索を記載する。実施例2は 、全長のICAM-6 cDNAを同定するためのマウスライブラリーのスクリーニングに 関する。実施例3には、マウスICAM-6発現のノザン組織分析を述べる。実施例4 は、マウスICAM-6をコードする5'配列を同定するための、RACE PCRの使用に関す る。実施例5には、マウスICAM-6の可溶性型をコードする発現プラスミドの構築 を記載する。実施例6は、全長のマウスICAM-6 cDNAの単離に関する。実施例7 にはさらなるマウスICAM-6発現構築 体を記載する。実施例8には、ICAM-6抗体の製造を述べる。実施例9には、マウ スICAM-6の機能分析を記載する。実施例10には、マウスICAM-6のin situハイ ブリダイゼーション分析を記載する。実施例11は、部分的なヒトICAM-6 cDNA の同定に関する。実施例12は、組織及び細胞でのヒトICAM-6発現のノザン分析 を示す。実施例13には、より完全なヒトICAM-6 cDNAの単離を記載する。実施 例14には、ヒトICAM-6に対し正しいスプライシングを受けた5' cDNAを同定す るためのRACE PCRの使用を述べる。実施例15には、無***症の男性患者からの ICAM-6ドメイン4及び5のクローニングを記載する。実施例16は、可溶性ヒト ICAM-6ポリペプチドの発現に関する。実施例17には、ウェスタン分析及びICAM -6抗体の製造を記載する。 実施例1 新規ICAMに関するESTデータベースの検索 The National Center for Biotechnology Information(NCBI)の発現配列タ グ(EST)データベースのBLASTN検索を、新規な細胞接着分子(CAM)の同定にお いて有用であり得ると考えられるcDNA断片を同定するために行った。そのデータ ベースには、様々な組織源に由来して集められたcDNAの一末端または両末端を表 すDNA配列が含まれている。データベースに提示するためのESTを同定するために 、一回の配列決定反応をcDNAの一末端または両末端について行う。従って、DNA の品質は、配列の正確度の点において著しく変動している。本明細書中に記載さ れた検索を行った時点で、ESTデータベースは、様々な生物から得られた860,000 以上のcDNA配列を含んでいた。 新規なCAMに関する検索を3段階で行った。最初に、NBCIを通して入手可能なB LASTNプログラムを使用して、既知のCAMをコー ドするcDNA配列に対する相同性を有するESTを同定した。このプログラムは、デ ータベース内のすべてのヌクレオチド配列に対して、提示したヌクレオチド配列 を比較する。今回の検索において、ヒトのICAM-1[Staunton,et al.,Cell 52: 925(1988)]、ICAM-2[Staunton,et al.,Nature 339:61(1989)]、ICAM-R[ Vazeux,et al.,Nature 360:485(1992)]、LW-ICAM-4[Bailly et al.,Proc.N at'l.Acad.Sci.(USA)91:5306(1994)]、ICAM-5[Mizuno et al.,J.Biol.Chem. 272:1156(1997)]、VCAM-1[Osborn,et al.,Cell 59:1203(1989)]、及びMa dCAM[Leung,et al.,Immunogenetics 46:111(1997)]、マウスのICAM-1[Ball antyne,et al.,Nucl.Acids.Res.17:5853(1989)]、ICAM-2[Xu,et al.,J.I mmunology 149:2650(1992)]、ICAM-5[Yoshihara,et al.,Neuron 12:541(199 4)]、VCAM-1[Araki,et al.,Gene 126:261(1993)]、及びMadCAM[Briskin,e t al.,Nature 363:461(1993)]、及びマウスICAM-4の一部(EST W46066)をコ ードするcDNAを提示して、13回のBLASTN検索を行った。それらの結果から、13個 の既知CAMの1つに対応していることが明らかにされたEST配列を同定した。 2段階目は、TBLASTN検索を、上記の既知のヒト及びマウスのCAM遺伝子のアミ ノ酸配列を提示配列として使用して行った。この検索において、EST配列ライブ ラリー内のポリヌクレオチドを6通りの読み枠で翻訳して、その得られたアミノ 酸配列のそれぞれを提示配列と比較する。この検索で同定され、最初の検索で見 出されたESTに対応するESTは採用しなかった。 3段階目は、TBLASTN検索で同定され、既知CAMに対応しなかった配列をさらに 調べた。残った配列の大部分は、細胞接着分子において典型的に見出される保存 されたシステイン残基及び細胞外ドメイン構造を含有しなかった。従って、これ らの配列 もまた採用しなかった。しかし、マウスの精巣から得られ、AA065978(配列番号 :46)と呼ばれる250ヌクレオチドのESTは、マウスのICAM-1、ICAM-3及びICAM-5 のアミノ酸配列に相同的なポリペプチド配列をコードするとして同定された。AA 065978の配列は、マウスICAM-5と最も密接に関連していた。AA065978の配列とそ の対応するマウスICAM-5の領域との配列比較により、全体で47%の同一性が見ら れた。このESTを、I.M.A.G.E(Lawrence Livermore Laboratory,Livermore,CA )により同定及び配列決定が行われたESTの寄託物を維持し、その利用を可能に するGenome Systems(St.Louis,MO)から取り寄せた。 ESTのAA065978をコードするプラスミドDNAで形質転換された細菌を、カルベニ シリン含有のLB−アガロースに播種して37℃で一晩増殖させた。1つのコロニー を選び、液体のLB−カルベニシリン培地で増殖させた。プラスミドDNAを、18ml の細菌培養物からWizard Mini-Prepキット(Promega,Madison WI)を使用して 回収した。そのEST挿入物の配列を、ベクタープライマーのT7.1(配列番号:3 )及びT3.1(配列番号:4)、ならびにAA065978のデータベース配列に基づいて 設計したプライマーI6MO24(配列番号:5)及びI6MO20(配列番号:6)を使用 して決定した。 T7.1 配列番号:3 GTAATACGACTCTCACTATAGGGC T3.1 配列番号:4 AATTAACCCTCACTAAAGGG I6MO20 配列番号:6 TTGCCTGCATCCCAGAGG I6MO24 配列番号:5 CAAGCCAAGGTTTCAGGAATCCCGCTGC 最初の配列分析の後に、プライマーI6MO30(配列番号:7)、I6MO31(配列番号 :8)、I6MO32(配列番号:9)、I6MO33(配列番号:10)及びI6MO34(配列番 号:11)をさらに設計して、そのEST配列の残り部分を決定した。 I6MO30 TCTTTGCTGGAGTGTGAC 配列番号:7 I6MO31 GTCACACTCCAGCAAAGA 配列番号:8 I6MO32 CAAAGCAAGGGCGAGGAG 配列番号:9 I6MO33 CTCCTCGCCCTTGCTTTG 配列番号:10 I6MO34 TCTAGGTGGGACTCTGTG 配列番号:11 AA065978のDNA配列を、両ストランドについて、上記のDNAオリゴヌクレオチド プライマ一及びPerkin Elmer Applied Biosystems Division 373A DNA Sequence rを使用して製造者の指示プロトコルに従って決定した。テンプレートとして使 用したPCR産物の量をそのPCR産物のサイズに基づいて計算し、そしてその配列決 定を、AmpliTaq DNA Polymerase,FS(Perkin Elmer,Foster City,CA)及び非 対称PCRによるABI PRISM Dye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Ki tを使用して行った。反応生成物をAGCTスピンカラム(Advanced Genetic Techno logies Corp.,Gaithersburg,MD)で精製し、乾燥した。ローディング緩衝液を 精製した各サンプルに加え、混合物を90℃で2分間加熱した。その溶液を氷に移 し、4%ポリアクリルアミドゲルで流すまで置いた。データは、データ収集プロ グラムが始動すると、自動的に収集され、そして配列分析プログラムによって自 動的に分析されて読み込まれた。編集はすべて手動で行い、 得られた配列の配列比較を行ってコンセンサス配列を決定した。 配列分析により、AA065978は長さが1.6kbであることが示され、そしてドメイ ン4及びドメイン5の間でスプライシングされ、その後に膜貫通領域及び細胞質 テイルが続く正しくプロセッシングされた転写物を含むことが示された。AA0659 78の推定アミノ酸配列と他の既知のマウスICAMとの間のタンパク質相同性を下記 の表1に示す。 他の既知のマウスICAMに対するAA065978のアミノ酸配列の配列類似性のために 、このESTをICAM-6と呼ぶこととした。 実施例2 全長のマウスICAM-6 cDNAに関する マウス精巣ライブラリーのスクリーニング マウスESTのAA065978はマウスの精巣cDNAから得られるとデータベースで同定 されたので、ICAM-6をコードする全長のcDNAを単離する目的で、マウス精巣ライ ブラリーをスクリーニングした。 マウスの精巣ライブラリー(Stratagene,La Jolla,CA)からの約1×106プ ラーク生成単位(pfu)を、PCRにより32P-dCTPで標識したマウスICAM-6ドメイン 5のプローブを用いてスクリーニングした。このプローブを、2回のPCRによっ て作製した。最初に、AA065978プラスミドをテンプレートとして使用して、I6M0 24(配列番号:5)及びI6MO26(配列番号:12)のプライマーを使用するPCR反 応でドメイン5をコードするDNAを増幅した。 I6MO26 AGTAGCTCCCCGTGTGGTTCTGGGTGGC 配列番号:12 PCRをDNAサーマルサイクラー480(Perkin Elmer,Foster City,CA)で行った: 各反応には、250mM KCl、100mM Tris pH8.3(Perkin-Elmer PCR緩衝液)、2mM MgCl2、2mM dNTPs、100μg/mlプライマーが、25μlの反応液あたり0.125μlのT aqポリメラーゼ(Perkin-Elmer,Roche Molecular,Branchburg,N.J)及び2μ lのAA065978プラスミドDNAとともに含まれた。4分間の変性工程を94℃で行い、 その後、94℃で1分間の変性、50℃で30秒間のアニーリング及び72℃で1分間の 伸長の30サイクルを行った。1つのバンドが、その予想されるサイズでアガロー スゲル上を移動することが見出された。この209bpバンドをゲル精製し、1:20 で希釈して、2回目のPCR増幅でのテンプレート として使用した。 第2回目のPCRにおいて、ICAM-6ドメイン5のDNAを、7つの同一の25μlのPCR 反応を行うことによって標識した。この反応において、ヌクレオチド混合物中の 2mM dCTPを、20μCiのdCTP32P(New England Nuclear,Boston,MA)及び0.02m Mの未標識dCTPと置き換えた。それ以外のPCR条件は、1回目の増幅の場合と同じ であった。7つの反応物から得られるPCRポリペプチドをまとめて、プローブを 、Sephadex G50スピンカラム(5Prime,3 Prime,Inc.Boulder,CO)で取り込ま れなかったヌクレオチドから精製した。 ライブラリーファージを標準的な方法によりナイロンメンブレンに移し、その フィルターを、42℃で、一晩、50%ホルムアミド、5×SSC、5×Denhardt溶液 及び0.5%SDSにおいて、1×106cpm/mlの標識されたドメイン5プローブを用い てハイブリダイズさせた。翌日、フィルターを、2×SSC及び0.1%SDSにおける 室温で15分間の洗浄を3回、そして0.5×SSC及び0.1%SDSにおける50℃で10分間 の洗浄を1回行った。次いで、フィルターをフィルムに曝した。 18個の陽性クローンを同定し、これらを精製して配列決定した。3個のクロ ーンはスプライシングされていないことが見出されたが、15個のクローンは正し くスプラシングされ、膜貫通領域及び細胞質領域の両方を含むことが見出された 。MT-3と呼ばれる最長クローンは、長さが2.3kbであることが見出され、ICAMポ リペプチドに特徴的な5つの細胞外ドメインのうちの4個を有する領域をコード し、そしてポリ(A)+テイルをも含んだ。配列決定により、このクローンには5'配 列がないことが示された。 MT-3の配列を配列番号:42に示す。 実施例3 クローンMT-3の組織発現 どの組織においてICAM-6が発現しているかを決定するために、マウスの複数の 組織のノザンブロット(MTN)(Clontech,Palo Alto,CA)を、32P標識のICAM- 6プローブを用いてスクリーニングした。このプローブは、ICAM-6のドメイン2 の中央部から細胞質テイルまで延びるMT-3由来のゲル精製した1.4kbのPstI/Sa cI DNA断片であった。このプローブを、32P-dCTP及び32P-TTPをRandom-Priming Kit(Boehringer-Mannheim,Indianopolis,IN)とともに使用するランダムプ ライミング反応によって標識した。ハイブリダイゼーションを製造者の指示プロ トコルに従って行った。 結果は、精巣において3kbの転写物が認められた一方で、正常な心臓、脳、脾 臓、肺、骨格筋及び腎臓から得られたRNAとはハイブリダイズしなかった。 実施例4 マウスICAM-6の5'末端を決定するためのRACE PCR マウスICAM-6の5'末端を決定するために、RACE PCRをマウス精巣のMarathon-r eadyTMcDNAライブラリー(Clontech,Palo Alto,CA)で行った。cDNAはマウス の精巣RNAサンプルから調製され、マラソン(marathon)cDNAアダプターに連結 されていた:このマラソンアダプターによって、相補的なプライマーであるAP-1 (配列番号:13)及びAP-2(配列番号:14)を使用するPCRが可能になる。 AP-1 CCATCCTAATACGACTCACTATAGGGC 配列番号:13 AP-2 ACTCACTATAGGGCTCGAGCGGC 配列番号:14 ICAM-6のリーダー、ドメイン1、ドメイン2及びドメイン3を含むPCR断片を増 幅するために、I6MO40(配列番号:15)及びI6MO39(配列番号:16)の2つのプ ライマーを、MT-3に関して以前に決定された配列に基づいて設計した。 I6MO40 GCTCACAATCTCTGCCTTCCCAACCTCC 配列番号:15 I6MO39 GACAGTGGCGGTGACCTCGGCTCTTTGG 配列番号:16 プライマーI6MO40はMT-3のドメイン3の配列に対応し、プライマーI6MO39はMT-3 ドメイン2の配列に対応した。 4個のプライマーを2回のPCRにおいて使用した。1回目において、25μlの反 応を、1×Klen Taq緩衝液、2mM dNTPs、0.2μM AP−1、2μg/mlのI6MO40、0. 5μlのKlenTaqポリメラーゼ溶液、及び2.5μlのマウス精巣cDNAライブラリーを 用いて、Advantage cDNA PCRキット(Clontech)を製造者の指示プロトコルに従 って使用して行った。「タッチダウン」PCR反応を、Gene の反応は、1分間の変性工程、その後の94℃で5秒間の変性及び72℃で2分間の アニーリング/伸長の5サイクル、94℃で5秒間の変性及び70℃で2分間のアニ ーリング/伸長の5サイクル、そして94℃で5秒間の変性及び68℃で2分間のア ニーリング/伸長の25サイクルによって行った。 これらの条件では、アガロースゲル上で検出することができる増幅産物が得ら れなかったため、アニーリング/伸長温度を各サイクルについて2℃低くし、AP -1及びI6MO40のプライマーを使用してPCRを繰り返した。この条件下で、約900bp の1つの 増幅産物がアガロースゲルで検出された。 両方のPCRから得られた増幅産物を、それぞれ、水で1:50に希釈して、別のP CRに対するテンプレートDNAとして使用した。増幅を、AP-1及びI6MO40またはAP- 2及びI6MO39のプライマー対のいずれが一方を使用して行った。反応を、50μlの 容量で、上記と同じ構成により、そして上記のように最も低い温度(70℃、68℃ 及び66℃)で行った。 得られたPCR産物を、アガロースゲル電気泳動を使用して分析した。アガロー スゲル電気泳動によって、予想されるサイズで移動する2つのバンドに加えてス メア状のDNAが認められた。約900bpのバントがAP-1及びI6MO40のプライマー対を 使用する反応から検出され、そして約700bpのバントがAP-2及びI6MO39のプライ マー対を使用する反応から検出された。この900bp断片は、ICAMに由来するリー ダー及び3つ以上のドメインをコードすることが予想されるDNAのサイズと一致 した。 小さい方の700bp断片は、プライマーI6MO40の相補配列と比較して、MT-3にお ける相補配列の位置に基づくプライマーI6MO39の使用から予想されるDNAのサイ ズと一致した。この断片の配列を、AP-2及びI6MO37(配列番号:17)のプライマ ーを使用するPCRによって直接決定して、マウスICAM-6 cDNAの全長を推定した。 900bpの増幅産物を、TAクローニングキット(Invitrogen,San Diego,CA)を製 造者の指示プロトコルに従って使用してベクターpCR2.1内に連結した。細菌を形 質転換し、播種した。プラスミドDNAを、選択したコロニーから回収し、ドメイ ン2の配列に対応するプライマーI6MO36(配列番号:18)、及びT7.1を使用する PCRによって配列決定した。 I6MO37 AGGAGTGAAGGCACCCAG 配列番号:17 I6MO36 CAGAGCCTCACCCTTACC 配列番号:18 アンチセンスリボプローブ(下記参照)を産生する正しい方向の挿入物を有する 1つのクローン(「ICAM-6マウス5'RACEクローン#6」と呼ぶ)を選択し、その 挿入物の配列を再度決定した。 配列分析によって、この#6クローンは、5'非翻訳DNA、ならびにリーダー配 列、ドメイン1、ドメイン2、及びドメイン3の一部を含むことが示された。 完全な5'RACE配列をMT-3 DNAと組み合わせて、マウスのICAM-6をコードする完 全なcDNAを作製した。マウスICAM-6の推定アミノ酸配列が他の既知ICAMと異なる ことを確認するために、配列比較を、既知のマウスICAMのアミノ酸配列を用いて 行った。比較により、マウスICAM-6は、5つの細胞外イムノグロブリンドメイン を有し、そして他のマウスICAMポリペプチドに対する配列相同性を有する新規の ICAM分子であることが示された。アミノ酸比較の結果を表2に示す。 実施例5 可溶性のマウスICAM-6/IgG1発現ブラスミドの構築 タンパク質の発現及び精製 A.プラスミドpDC1におけるICAM-6 D1-5/IgG1 マウスICAM-6の機能を解析するために、発現構築物を、プラスミドpDC1を使用 して作製した。この構築物は、ICAM-6の細胞外ドメイン1〜5(D1〜D5)を、Ig G1由来のヒンジCH2−CH3ドメイン配列と結合したキメラポリペブチドとしてコー ドした。この発現構築物において、ICAM-6のコード領域の3'末端(MT-3のドメイ ン3からドメイン5までの配列に対応する)を、I6MO43(配列番号:34)及びI6 MO44(配列番号:19)のプライマー対を使用するPCRによって作製した。 I6MO43 ATGCCCTCGAGCAGGCCTTGGAC 配列番号:34 I6MO44 TCACGGCAGCTCAGCCACCAAGC 配列番号:19 PCRによって得られたICAM-6の3'断片を、IgG1断片をコードする配列に連結する ことを容易にするために、XhoI部位をI6MO43プライマー内に組み込んだ(下線部 、上部参照)。ヒトIgG1のヒンジCH2−CH3[Burto,et al.,Immunol.22:162-2 06(1985)]をコードする903bpの断片を、ICAM−1/IgG1/pDC1から、SalI及びXbaI で消化することによって単離した。Sallの5'突出端は、上記のPRC増幅産物にお けるXhoIの3'突出端と適合可能であった。 融合DNAのICAM-6成分の(ドメイン3〜ドメイン5をコードする)3'末端の産 生において、50μlの2つのPCR反応を、MT-3 DNAをテンプレートとして、プライ マーI6MO43及びI6MO44、「高忠実」Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagen,La Jolla ,CA)を、対応するdNTP及び緩衝液とともに用いて、製造者のプロトコル 従って行った。PCR反応は、上記のGene AmpRPCRシステム9700(Perkin Elmer) で実施した。 サンプルを、Gene AmpRPCRシステム9700(Perkin Elmer)において、94℃で5 分間保持し、その後、94℃で30秒間;55℃で30秒間;及び72℃で30秒間の30サイ クルで処理した。約930bpのPCR産物を、QIAquIck Gel Extraction Kit(QIAGEN ,Chatsworth,GA)を使用してゲル精製し、BglII及びXhoIで消化して、QIAquic kキットを使用してゲル精製した。 ICAM-6ポリペプチドの5'末端をコードするDNA断片を、前記実施例に記載され る「5'RACEマウスICAM-6クローン#6」クローンHndIII/BglII消化物から得た。 ICAM-6配列の5'末端をコードするHindIII/BglII断片、ICAM-6配列の3'末端を コードするBglII/XhoI断片、及びIgG1のヒンジCH2−CH3をコードするSalI/XbaI 断片を一緒にして連結し、HindIII及びXbaIで予め消化されたpDC1に挿入した。 得られるプラスミドをXL2 Blue Competent Cell(Stratagene,La Jolla,CA )に形質転換して、形質転換体を、IC6MO36(配列番号:18)及びIC6MO43(配列 番号:34)のプライマーを使用するPCRによってスクリーニングした。PCRによっ て陽性であることが見出されたクローンを配列決定によって確認した。 融合タンパク質のICAM-6領域をコードするcDNAの配列分析によって、そのタン パク質配列内の180位のアミノ酸をコードする1つのヌクレオチドが、クローンM T3におけるヌクレオチドと異なっていることが示された。クローンMT3において 、180位のアミノ酸はロイシンであるが、「5'RACEマウスICAM-6クローン#6」 を得るためにRACEによって作製されcDNAは、180位でフェニルアラニンをコード した。この変異は、それが多型であるかもしれず、あるいは増幅過程から生じて いるかもしれないが、ド メイン2とドメイン3の間で、システイン残基により結合しているイムノグロブ リン様ドメインの外側に位置していた。そして、その変異は細胞外ドメインの結 合機能とって重要でないと考えられた。 B.発現及び精製 COS細胞のトランスフェクションを、ICAM-6/Igをコードする上記のpDC1構築物 の20μgを用いて、DEAEデキストラン法を使用して行った。簡単に記すと、0.3mg /mlのDEAEデキストラン(Pharmacia,Uppsala,Sweden)及び0.1mMのクロロキン (Slgma,St.Louis,MO)を含有する2Omlの無血清ダルベッコ改変イーグル培地 (DMEM)を、15cmプレートにおいて50〜80%コンフルエンスのCOS細胞に加えた 。37℃及び5%CO2で2時間インキュベーションした後、細胞を、10%ジメチル スルホキシド(DMSO)を含有するDMEM中で1分間インキュベーションして、10% FBS、1mMピルビン酸ナトリウム、100u/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマ イシン、及び2mM L−グルタミンにより補充されたDMEM中で一晩インキュベーシ ョンした。翌日、培地を、5%FBSのみを含む新しい培地と交換した。上清を2 〜5日毎に集め、0.2μmのフィルターに通してろ過し、精製するまで4℃で貯蔵 した。上清中のICAM-6/Igタンパク質の濃度は、少なくともトランスフェクショ ン後の3週間は大きく減少しなかった。 ICAM-6/Igタンパク質を、COS上清から、HiTrapプロテインAカラム(Pharmaci a)を使用して回収した。最初に、カラムを、カルシウム及びマグネシウムを含 まないリン酸緩衝化生理食塩水(CMF-PBS)の少なくとも100mlで平衡化した。カ ラムへの添加を、Biorad Econo Systemを使用して行った。COS上清を、1〜2ml /分の速度でカラムに添加した。上清の添加後、カラムを 少なくとも100mlのCMF-PBSで洗浄した。タンパク質を、100mMクエン酸(pH3.0) を使用して、1MTris(pH9.0)を含有する中和緩衝液中に直接溶出した。溶出 したタンパク質を、Slide-a-Lyzerカセット(Pierce,Rockford,IL)を使用し て、CMF-PBSに対して、少なくと24時間、少なくとも3回の緩衝液交換によって 透析した。 透析したタンパク質を、必要な場合には、BIOMAX 30K遠心分離フィルター(Mi llipore,Bedford,MA)を使用して濃縮した。タンパク質濃度を捕獲ELISAによ って下記のように測定した。Immulon4プレート(Dynatech)を、0.1M炭酸ナト リウム/重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)で希釈したヤギ抗ヒトイムノグロブ リン(Jackson ImmunoResearch,West Grove,PA)の3μg/mlで、1.5〜2.5時間 37℃でコーティングした。プレートを0.05%Tweenを含有するCMF-PBSで3回洗浄 した。(5%FBSを含むDMEMで希釈した)タンパク質サンプルを加え、37℃で30 分間インキュベーションした。プレートを3回洗浄した。捕獲されたタンパク質 を、5%FBSを含むDMEMで1:2000に希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP )結合ヤギ抗ヒトイムノグロブリン(Jackson ImmunoResearch)を用いて、プレ ートで30分間37℃でインキュベーションして検出した。プレートを3回洗浄し、 o-フェニレンジアミン(OPD)(Sigma)で発色させ、Dynatech MR5000プレート リーダーで読み取った。タンパク質の濃度を、ICAM-6/Igコントロールとの比較 によって見積もった。タンパク質の純度は、2μgの精製タンパク質を含有するS DS-PAGEゲルのクーマシー染色によって評価した。すべてのICAM-6調製物は50% 〜90%の純度であることが見出され、明らかな夾雑物としてウシイムノグロブリ ンのみを有した。C.プラスミドpDEF-1におけるICAM-6 D1-5/IgG1 発現レベルを増大させる目的で、ICAM-6/Ig構築物を、CHO細胞での発現のため にpDEP14ベクターで作製した。pDEF14ベクターは、CHO細胞において高レベルの 発現を可能にすることが以前に示されたチャイニーズハムスターのEP-1αプロモ ーターを含む。ICAM-6/Ig配列を、HindIII及びXbaIで消化することによってpDC- 1構築物から取り出した。断片をゲル精製して、pDEF14から得られる738bpのNotI /HindIII断片及び19,723bpのNotI/XbaI断片と連結した。 D.発現及び精製 pDEF14/ICAM-6/IgプラスミドをXL-2 Blueコンピテント細胞(Stratagene)に 形質転換して、コロニーをPCRによってスクリーニングした。得られるクローン のpDEF14/ICAM-6/Igを使用して、CHO細胞を安定的なトランスフェクションを行 った。簡単に記すと、細胞を、0.05%トリプシン/0.53mM EDTAを使用して50% コンフルエンスのCHO培養物から回収して、10%FBS、1mMピルビン酸ナトリウム 、100u/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、2mM L-グルタミン、0.1 mMヒポキサンチンナトリウム、及び1.5mMチミジンを含有するDMEM/F12培地(HT +DMEM/F12)で処理した。回収した細胞をCMF-PBSで洗浄した。約20×106個の細 胞のトランスフェクションを、予めエタノール沈澱し、そして20mM HEPES-NaOH (pH7)、137mM NaCl、5mM KCl、0.7mM Ha2HPO4及び6mMデキストロースを含 有する800μlのHBS緩衝液中に再懸濁した50μgのDNAを用いて、BioRad GenePuls erエレクトロポレーターを960μFの容量及び290Vの電圧で使用して行った。エ レクトロポレーション後、細胞を室温で10分間再生させた。細胞を10mlのHT+DM EM/P12で洗浄し、遠心分離によって ペレット化し、そしてHT+DMEM/P12を含有する2枚の10cmプレートに播種するた めに再懸濁した。トランスフェクションの2日後、トランスフェクタントをトリ プシン/EDTAによって集め、これを使用して、10%FBS、1mMピルビン酸ナトリ ウム、100u/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン及び2mM L-グルタミ ンを含有するHT+DMEM/F12培地で、1:8、1:16、1:32及び1:64に希釈し て15cmプレートに播種した。2週間後、約300個のコロニーが得られた。コロニ ーを、上記のようにトリプシン/EDTAを使用して回収し、これを使用して、ウエ ルあたり1個の細胞になるように計算してプレートウエルに播種した。18日後、 120個の単一コロニーのウエルを、COS産生タンパク質を用いて上記のようにELIS Aによってスクリーニングした。これらのクローンのうち18個を拡大培養し、3 日後にELISAによって再度のスクリーニングを行った。4個のクローンを選択し 、さらに拡大培養した。これによって、3日間で、ICAM-6/Igが1mlあたり3.7μ gと見積もられる上清が得られた。 実施例6 全長のマウスICAM-6 cDNAの単離 全長のマウスICAM-6 cDNAを単離する目的において、2回目のスクリーニング を、市販のマウス精巣ライブラリー(Stratagene)由来の2×106pfuについて、 実施例2に記載されるMT3クローンを使用して行った。ハイブリダイゼーション 条件は上記の通りであったが、ライブラリーはICAM-6ドメイン2のプローブとハ イブリダイズした。このプローブを、MT-3配列に由来するドメイン2の配列に基 づいて設計されたプライマ−I6MO36(配列番号:18)及びI6MO37を使用するPCR で作製した。 I6MO36 CAGAGCCTCACCCTTACC 配列番号:18 I6MO37 AGGAGTGAAGGCACCCAG 配列番号:19 このプローブを2回のPCRを使用して標識して、ハイブリダイゼーションを実施 例2に記載されるように行った。 11個のクローンを同定し、MT2-36と呼ぶ1個のみが、全長のICAM-6をコードし ているようであった。このクローンは、2つの挿入物を含有した:ホスファター ゼをコードする0.8kbの挿入物及びマウスICAM-6をコードする2.8kbの挿入物。2. 8kbのマウスICAM-6挿入物を分析した。配列分析によって、このMT2-36の配列は 、MT-3配列から推定されるICAM-6配列、及び実施例4に記載されるRACE増幅産物 と同一であることが示された。MT2-36クローン(ICAM-6)のヌクレオチド配列を 配列番号:1に示す。それから推定されるアミノ酸配列を配列番号:2に示す。 MT2-36をコードするプラスミドMT2.36を、細菌宿主におけるブタペスト条約の条 項の下、American Type Culture Collection(12301 Rockville MD,20852)に1 997年10月16日に寄託し、寄託番号第98557号が与えられた。 実施例7 さらなるICAM-6発現プラスミドの構築 可溶性のマウスICAM-6の発現を改善し、前記のICAM-6/IgG1キメラ(実施例5 )において見出されたPhe180の変異を除去する目的で、pCI-neoベクター(Prome ga,Madison,WI)においてICAM-6のドメイン1〜5/IgG1をコードする発現構 築物を作製した。38位におけるグルタミン酸(Glu)からアラニン(Ala)への変 異を含有する第2の発現構築物もまた作製した。このGlu38は、ICAM-6のドメイ ン1(Ile-Glu-Thr-Phe)内における保存された モチーフの一部であり、この保存モチーフは、ICAM-1及びICAM-3において、LFA- 1との結合に必須であることが明らかにされた。従って、他のICAMとの類推によ って、アミノ酸配列におけるこの変化により、ドメイン1内の推定的なLFA-1結 合部位が除去されることが予想された。 A.機能分析のためのpCI-neoにおけるICAM-6ドメイン1〜5/IgG1 この構築物を作製するために、ドメイン3までのICAM-6のリーダー領域を、MT 2-36クローンをテンプレートとして使用するPCRによって増幅した。2つのプラ イマーを設計した;I6MO55(配列番号:28)はマウスICAM-6の5'末端に相補的で あり、I6MO56(配列番号:29)はドメイン3内の配列に基づいた。 I6MO55 GCGATGCTAGCAAGCTTCACAGCTCATCACCATGGCAATG- CTTCTGTTGGGTGTCTGGACACTGCTGGCC 配列番号:28 I6MO56 GGACCCAGAGACACAAGGCAAGTCAGTTCC 配列番号:29 I6MO55プライマーは、他の構築物において高レベルのICAM発現を誘導することが 以前に示された短いコザック配列(斜体字)、及び2つのクローニング部位(Nh eI及びHindIII、下線部)を含有していた。PCR反応は、MT2-36 DNAをテンプレー トとして、プライマーI6MO55及びI6MO56、及び「校正」Pwo DNAポリメラーゼ(B oehringer Mannheim,Indianapolis,IN)を使用して製造 システム9700(Perkin Elmer)において、95℃で1分間保持し、次いで、94℃で 15秒間、50℃で30秒間、そして72℃で45秒間の30サイクルによって処理した。PC R産物(約880bp)は、ゲル 電気泳動において予想されたサイズで移動した。この断片をゲル精製し、NheI及 びBglIIで消化し、再度ゲル精製した(Wizard PCR精製キット、Promega、Madiso n、WI)。 マウスICAM-6ドメイン1〜5/IgGキメラの構築を2段階で行った。最初に、 (リーダーからドメイン3までをコードする)ICAM-6のNheI/BglII断片を、実施 例5に記載される(ドメイン3〜ドメイン5をコードする)ICAM-6のBglII/XhoI 断片に連結し、NheI及びXhoIで予め切断されたpCI-neoベクターに挿入した。得 られるプラスミドをXL1 Blue Utracompetent細胞(Stratagene,La Jolla,CA) に形質転換し、コロニーを、T3.1(配列番号:4)及びT7.1(配列番号:3)の プライマーを使用するPCRによって正しい挿入物を有するプラスミドの存在につ いて調べた。 第2段階で、第1段階の生成プラスミドをXhoI及びXbaIで消化し、ゲル精製し た。実施例5に記載される903bpのSalI/XbaIのヒトIgG1ヒンジCH2−CH3断片を前 記のICAM-6配列及びベクター配列に連結した。得られるプラスミドを上記のよう にE.coli XL1 Blue細胞に形質転換して、細菌を、正しいサイズの挿入物を有す るプラスミドの存在についてPCRによってスクリーニングした。クローンの分析 を配列決定によって行い、正しい挿入物が存在すること、及びPhe180の変異が存 在しないことを確認した。 B.機能分析に必要なグルタミン酸/アラニン変異を有するpCI-neoにおけるICA M-6 ドメイン1〜6/IgG1 この構築物に関して、Glu38を、推定的なLFA-1結合部位を除去するためにアラ ニンと置換した。3つのプライマーを設計して変異を作製した。第1のプライマ ーI6MO57(配列番号:30)は 、グルタミン酸のコドンGAGをアラニンのコドンGCG(下線部)によって置換した センスプライマーであった。第2のプライマーI6MO58(配列番号:31)は、グル タミン酸のアンチセンスコドンCTCをアラニンのアンチセンスコドンCGC(下線部 )によって置換したアンチセンスプライマーであった。第3のプライマーI6MO59 (配列番号:36)は、I6MO55の5'末端と同一であるが、短かった。 I6MO57 CCTGGGCCCAGTGGAATCGCGACCTTCTAA 配列番号:30 I6MO58 TAAGAAGGTCGCGATTCCACTGGGCCCAGG 配列番号:31 I6MO59 GCGATGCTAGCAAGCTTCACAGCTCATCACC 配列番号:36 変異を、2回のPCRを使用して作製した。第1回目において、アラニン変異を 含有する2つの断片を作製した;217bpの5'断片をプライマーI6MO55及びI6MO58 で作製し、728bpの3'断片をプライマーI6MO57及びI6MO56で作製した。第1回目 のPCRを、上記のように、テンプレートとしてのMT2-36 DNA及びPwo DNAポリメラ ーゼを使用して行った。PCR反応で得られる両方の断片をゲル精製し、次いで1/5 0に希釈して、2回目のPCRでのテンプレートとして使用した。 ICAM-6のリーダーからドメイン3までの領域及びGlu38/Ala38変異を含有する 1つのDNA断片を作製するために、2回目のPCRを行った。プライマーI6MO59及び I6MO57を用いた。テンプレートは、第1回目のPCRにおいて得られた217bp及び72 8bpの断片の混合物であった。この2つのDNA断片は30bpが重複し、従ってこれら はPCR反応のアニーリング工程中において互いにアニーリングした。単一ストラ ンド化された領域への伸長によって、ICAM-6のリーダーからドメイン3までの領 域を含有し、かつAla38変異を 含有する915bpの断片が得られた。PCR反応を、上記のように、Pwo DNAポリメラ ーゼを用いて行った。 得られた915bpのICAM-6断片をNheI及びBglIIで消化してゲル精製した。この断 片を、上記のBglII/XhoIのICAM-6断片(ドメイン3〜5)と一緒にし、NheI及び XhoIで予め消化されたpCI-neoベクター内に連結して、pCI-neo ICAM-6(リーダ ー〜ドメイン5、Ala38)プラスミドを得た。 最後に、SalI/XbaIのIgG1-Fc断片を上記のプラスミド内に挿入した。得られる プラスミドはICAM-6 Ala38/IgGキメラをコードした。これは、配列決定によって 確認された。 HIS タグのICAM-6ドメイン1〜3 マウスICAM-6/IgG1キメラ内のヒトIgG1の存在は、発現したポリペプチドを、 免疫組織学に必要なポリクローナル抗体を惹起させるための抗原として使用する ことを困難にすると考えられた。従って、そのIgG1抗原を有さない可溶性のマウ スICAM-6の産生を可能にする発現構築物を調製した。 可溶性のICAM-6分子を産生するために、マウスICAM-6の最初の3つのドメイン を細菌の発現ベクターpBAR8a内に挿入した。このベクターを使用して発現される タンパク質は、誘導性のアラビノースプロモーターの制御下で転写される。pBAR 8aプラス 番号:17)をそのクローニング部内にコードし、これによって タンパク質の検出及び精製が可能になる。 HISタグ CATCACCATCACCATCAC 配列番号:32 マウスICAM-6の最初の3つのドメインを、2つの理由で選択した。第1に、ICAM -6分子のN末端部分との免疫反応が可能であり、そしてICAM-6機能を阻止するこ とができ、組織切片でのICAM-6分子を検出することもできる抗体が所望された。 第2に、他のICAMタンパク質を用いた経験に基づいて、最初の3つのドメインの 発現により、E.coliにおいて可溶性タンパク質が得られることが可能であると考 えられた。 びHISタグ配列と読み枠を合わせてpBAR8a内に挿入した。最初に、ICAM-6のドメ イン1からドメイン3をコードするDNAをPCRによって作製した。一方のプライマ ーI6MO52(配列番号:33)を、ドメイン1の5'末端に相補的であるように設計し た。このプ 読み枠を合わせて位置することを可能にするKpnI(下線部)を含む。別のプライ マーI6MO54(配列番号:37)を、ドメイン3の3'末端に相補的であるように、そ してpBAR8aにおけるクローニングを可能にするSpeI部位(下線部)及びICAM-6融 合タンパク質の翻訳を停止させる停止コドン(斜体字)を含有するように設計し た。 I6MO52 CGAGGAGCTGTTTCAGGTACCTGTCC 配列番号:33 I6MO54 CGTTCACTAGTTTTCTGCTCTCAGGGACC 配列番号:37 PCR増幅を、マウスICAM-6クローンのMT2-36をテンプレートとして、I6MO52及びI 6MO54をプライマーとして、そして「校正」Pwo DNAポリメラーゼ(Boehringer M annheim,Indianapolis,IN )を使用して製造者のプロトコルに従って行った。反応は、Ge 4分間変性させ、その後94℃で30秒間の変性、52℃で30秒間のアニーリング、及 び72℃での1分間の伸長の30サイクルによって行った。予想されるサイズで移動 する800bpのPCR断片をゲル精製し(Wizard PCR Purification System)、Promega )、KpnI及びSpeIで消化し、再度ゲル精製して、KpnI及びSpeIで予め消化された ゲル精製pBAR8aに連結した。得られるプラスミドを、製造者のプロトコルに従っ て、DH5αコンピテント細胞(Gibco BRL,Gaithersburg,MD)に形質転換し、テ トラサイクリンアガ 入物の存在を配列決定することにより確認した。 ICAM-6融合タンパク質を産生するために、ICAM-6/pBAR8aプラスミドを、アラ ビノース代謝が欠損しているE.coli株に形質転換した。少量スケールの実験にお いて、形質転換コロニーを30℃で増殖させ、そしてタンパク質発現を誘導するた めに、アラビノースを0.5%の最終濃度に添加した。サンプルを誘導の1時間後 及び2時間後に採取し、遠心分離によってペレット化して、冷CMP-PBSで再懸濁 した。発現タンパク質の存在を、12%SDS-PAGEゲル(Novex,San Diego,CA)で 調べた。予想される分子量に対応する約38kDで移動するタンパク質が検出された。このIC AM-6融合タンパク質を、標準的なプロトコルに従って、ニッケル精製カラム(Ni -NTA Silica,QIAGEN,Chatsworth,GA)を使用して精製する。 D.pCI-neo におけるICAM-6のドメイン1〜5 別の可溶性ICAM-6構築物を、ICAM-6の5つの細胞外ドメイン て、IgG1に対する反応性を有することを所望しない場合、ウサギまたはニワトリ のいずれかにおいてポリクローナル抗体を惹起させるために哺乳動物細胞で発現 させた。 号:39)のプライマーを使用するPCRによってICAM-6の3'末端に取り込んだ。 I6MO44 TCACGGCAGCTCAGCCACCAAGC 配列番号:19 I6MO45 AATTTCTCGAGTCACTTGTCATCGTCGTC- CTTGTAGTCCTCAGGCAGGCCTTGGAC 配列番号:39 これらのプライマーを、MT-3 DNAをテンプレートとする50μlの2つのPCR反応に おいて使用した。サンプルを94℃で5分間保持し、次いで、94℃で30秒間、55℃ で30秒間、及び72℃で30秒間の30サイクルによって処理した。PCR産物(約850bp )をゲル精製し、XhoI及びBglIIで消化し、再度ゲル精製した(QIAquick Gel Ex traction Kit,QIAGEN,Chatsworth,GA)。ICAM-6の5'末端を、実施例4に記載 される「5'RACE ICAM-6クローン#6」をSpeI及びBglIIで消化して、720bpのDNA 断片をゲル精製することによって単離した。ICAM-6の5'末端及び3'末端を含有す るDNA断片を、NheI及びXhoIで予め消化されたpCI-neo内に連結した。連結反応混 合物をXL2 Blueコンピテント細胞に形質転換し、形質転換体をPCRによってスク リーニングした。プラスミドのICAM-6配列を、上記のように配列決定することに よって確認した。正しい配列を有する3個のクローンを、ICAM-6/Ig構築物に関 して前記のようにCOS細胞にトランスフェクションした。 体(Eastman Kodak Company,Nwe Haven,CT)を使用するウエスタンブロットに より検出できながった。 実施例8 抗マウスICAM-6抗体の調製 抗マウスICAM-6モノクローナル抗体は、異なる方法で作製することができる。 A.マウス脾内注射 2匹のマウスを予備採血し、0日目に5μgのICAM-6/IgG1キメラタンパク質を 含むPBSを脾内注射することによって免疫化した。免疫化を、以前に報告された 方法[Spitz,Meth.Enzymol.121:33-41(1986)]によって行った。11日目に、 マウスから採血し、ELISAによって免疫化抗原に対する反応性についてアッセイ した。簡単に記すと、Immulon4プレート(Dynatech,Cambridge,MA)を、ウシ 及びマウスの血清タンパク質(Jackson ImmunoResearch)に予備吸着させたヤギ 抗ヒト抗体でコーティングした。プレートを洗浄して、ICAM-6 IgG1を含有するC OS上清を加えた。陰性コントロールとして、ICAM-1/IgG1融合タンパク質を、10 %FBSを含むRPMIで2μg/mlに希釈して、同じように固定化した。プレートをイ ンキュベーション及び洗浄した後、免疫前マウス血清及び免疫マウス血清を加え た。ヤギ抗マウスIgG1(fc)西洋ワサビペルオキシダーセ(HRP)結合抗体(Jackson )を、何らかのマウスの抗ICAM-6抗体を検出するために使用した。 結果は、マウスの免疫血清は、免疫前血清と比較して、固定化したICAM-6融合 タンパク質またはICAM-1融合タンパク質のいずれに対しても反応性を示さないこ とを示した。従って、この 手順による免疫化はこれ以上行わなかった。 B.ハムスター脾内注射 1匹のアルメニアンハムスター(Cytogen Research and Development,West R oxbury,MA)を予備採血し、0日目に、上記のように、5μgのICAM-6/IgG1キメ ラタンパク質を含むPBS溶液を脾内注射することによって免疫化した。11日目の 試験採血を、上記と同様に、ELISAによってアッセイした。しかし、固定化したI CAM-3/IgG1を陰性コントロールとして使用し、そしてヤギ抗アルメニアンハムス ターIgG HRP結合抗体(Jackson)を使用して血清の反応性を検出した。 結果は、ICAM-3と比較して、固定化ICAM-6との血清の弱い反応性を示した。 14日目に、ハムスターに上記と同じ抗原を脾内に再度注射した。ハムスターは 麻酔の最中に死亡したため、脾臓を直ちに取り出し、以前に報告された技法[Bo ss,Meth.Enzymol.121:27-33(1986)]に記載されるように、ICAM-6/IgG1抗原 の存在下での単一細胞懸濁物として培養した。4日後、脾臓細胞を集め、標準的 な手順を使用してNS-1細胞と融合した。11日後、ハイブリドーマの培養上清を、 上記のように、ELISAによって、固定化したICAM-6/IgG1またはICAM-3/IgG1に対 してスクリーニングした。 結果は、ICAM-6との特異的な反応性を示さなかった。 C.ICAM-6 D1-5/IgG1 を含むフロイントアジュバントを用いたハムスターの免疫 2匹のアルメニアンハムスター(Cytogen Research and Development,West R oxbury,MA)を0日目に予備採血し、50μgの ICAM-6/IgG1融合タンパク質を含む完全フロイントアジュバント(200μlの総容 量)で免疫化した。15日目に、ハムスターを、50μgの同じ抗原を含む不完全フ ロイントアジュバント(IFA)で追加免疫した。25日目に、動物から採血して、 抗体力価をELISAにより測定した。 Immulon4プレート(Dynatech,Cambridge,MA)を、ウシ及びマウスの血清タ ンパク質(Jackson ImmunoResearch,West Grove,PA)に予備吸着させたヤギ抗 ヒト抗体でコーティングした。ICAM-6/IgG1融合タンパク質を、COSトランスフェ クション細胞(実施例2に記載)の上清から捕獲した。ICAM-1/IgG1融合タンパ ク質を10%FBSを含むRPMIで2μg/mlに希釈して、陰性コントロールとして個々 のウエル中で捕獲した。ハムスターから得られた免疫前血清及び免疫血清を希釈 し、ICAM-6/IgG1捕獲後の個々のウエルに添加した。ヤギ抗ハムスター西洋ワサ ビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗体を、ハムスターの抗体を検出するために使用 した。 2匹のハムスターから得られた免疫血清は、ICAM-6/IgG1及びICAM-1/IgG1のウ エルの両方において、試験した最高希釈度(1:1,600)で、免疫前血清を超え る反応性を示した。血清の抗体結合の特性を決定するために、別のELISAを行っ た。この場合、ICAM-1/IgG1を、希釈したハムスター抗体に加え、それによって 両方の融合タンパク質のIgG1部分に対する反応性を吸収した。捕獲ICAM-6/IgG1 に対する特異的な反応性は検出されなかった。 ハムスターにおける抗原応答性を改善する目的で、追加免疫を、4週間にわた り定期的に、ICAM-6/IgG1含むIFAを使用して投与した。特異的な反応性が検出さ れる場合、ハムスターに、ICAM-6/IgG1を含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を 腹腔内注射することにより最後の追加免疫を行い、4日後に脾臓を無菌 的に取り出した。脾臓細胞を、標準的な手順に従って、NS-1メラノーマ細胞(A. T.C.C.,Rockville,MD)と2:1の比で融合する。培養上清を、捕獲したICAM- 6/IgG1及びICAM-1/IgG1を使用して、上記のようにELISAによってスクリーニング する。 D.ポリクローナル抗血清を産生するためのウサギの免疫化 パク質として発現する可溶性ICAM-6を免疫原として使用して、免疫組織学染色に 有用なポリクローナル抗血清を産生するため、ニュージーランド白ウサギのそれ ぞれに、50〜150mgのICAM- トを皮下注射する。その後の注射を、同じような量の免疫原で、ただし不完全フ ロイントアジュバントで3〜4週間の間隔で行う。ウサギがらの採血を3回目の 注射の7〜14日後及び引き続いて行われた各注射時に行い、血清をELISAによっ て、ICAM-6/IgG1融合タンパク質に対する特異的な反応性についてアッセイする 。特異的な反応性が検出される場合、標準的な技術を使用してウエスタン分析及 び免疫細胞化学を行う。 実施例9 マウスICAM-6の機能分析 ICAM-6の生物学的関連性を明らかにする目的で、接着アッセイを、固定化マウ スICAM-6/IgG1融合タンパク質(実施例5)と、既知のICAMと結合するインテグ リンを発現する細胞とを使用して行った。 A.ICAM-6/LPA-1 (CD11a/CD18)結合の分析 最初の接着アッセイを、固定化したICAM-6/IgG1と、CD11a/CD18インテグリン を発現するが、他のCD18インテグリンを発現しないことが知られているマウスT 細胞株のPLPを使用して行った。2つの他の細胞株として、ヒトBリンバ芽球様 細胞株のJY8及びヒト前骨髄性単球細胞のHL-60もまたこのアッセイにおいて使 用した。陰性コントロールとして、CD18インテグリンを発現しないマウスのpre- Bミエローマ細胞株のNS-1もまたアッセイした。 接着アッセイを、96ウエルEasy Washプレート(Corning)において、以前に報 告された手順[Morla et al.,Nature 367:193-196(1994)]の改変法を使用して 行った。各ウエルを、50μlの5μg/mlマウスICAM-6/Ig融合タンパク質または5 μg/mlヒトICAM-1/Igタンパク質(両方とも、50mM重炭酸塩緩衝液(pH9.6)のス トック溶液から得られる)でコーティングした。入れた細胞の100%結合を定量 するためのコントロールウエルを、抗CD18モノクローナル抗体でコーティングし た:ヒト細胞については抗CD18抗体のM17または22F12Cを使用し、マウス細胞に ついては抗CD11a抗体のM17または抗CD3抗体の145-2C11を使用した。バックグラ ウンド結合を測定するためのコントロールウエルを、ウシ血清アルブミン(BSA )でコーティングした。マウスICAM-6融合タンパク質またはマウスICAM-1融合タ ンパク質のいずれかを加えた後、ウエルを、1%BSAを含むPBSで、1時間、室温 でブロッキングした。ウエルを洗浄して、5mM KCl、150mM NaCl、1mM MgCl2、 1mM CaCl2、20mM HEPES、10mM D-グルコース及び5%FBSを含有する200μlの接 着緩衝液を、ホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)(20ng/ml)の存 在下または非存在下のいずれかで加えた。結合の特異性を決定するために、CD18 と免疫反応し得るモノクローナル抗体の抗体2E6、または ヒトCD11aと免疫反応し得るモノクローナル抗体の抗体TS1/22(ATCC)を接着緩 衝液に添加した。次いで、細胞(5×106細胞/mlの100μl)を各ウエルに加えて 、プレートを、37℃で、5%CO2中で30分間インキュベーションした。接着性細 胞を、50μlのグルタルアルデヒド溶液を添加して固定化し、洗浄して、0.5%ク リスタルバイレット(Sigma)溶液で染色した。洗浄し、70%エタノールを添加 した後、接着性細胞を、570nmでの吸光度を、SPECTRAmaxTM250マイクロプレート 分光光度計システム(Molecular Devices)を使用して測定することによって定 量した。接着性細胞の割合を下記の式を使用して求めた: 結果は、PLP細胞が、陰性コントロールのNS-1細胞株と比較して、固定化ICAM- 6/IgG1に優先的に結合することを示した。PLPの結合は、固定化ICAM-6/IgG1の濃 度に依存し、抗CD18抗体の存在下で阻止された。さらに、PLPの結合は、CD11a/C D18インテグリンを活性化することが知られているPMAの存在下で増大した。PLP 細胞の結合は、ヒトICAM-1/IgG1でコーティングしたウエルでは検出されながっ た。JY-8細胞及びHL-60細胞もまた、固定化ICAM-6/IgG1に結合し、その結合は抗 ヒトCD11a抗体の存在下で阻止された。これらの結果により、マウスICAM-6はマ ウス及びヒトのCD11a/CD18の両方と結合し得ることが示された。 B.ICAM-6/Mac-1 (CD11b/CD18)及びICAM-6/p150/95(CD11c/CD18)結合の分析 CD11b/CD18及びCD11c/CD18に結合するマウスICAM-6を評価するために、両方の インテグリンを発現するマウス単球細胞株のRAW 264.7、及びCD11b/CD18を発現 するヒトHL-60細胞株を上記の接着アッセイに用いた。結合の特異性を、抗マウ スCD11b抗体(M1/70)、抗マウスCD11c抗体(N418)、抗マウスCD18抗体(2E6) 、抗ヒトCD11b抗体(44AACB)、または抗ヒトCD18抗体(22F12C)を使用して決 定した。さらに、抗体阻止の特異性を、非阻止性のマウスCD18抗体(M18)を使 用して決定した。 結果は、RAW 264.7細胞が固定化ICAM-6と結合し、その結合が、抗マウスCD11b モノクローナル抗体、抗マウスCD11cモノクローナル抗体、及び抗マウスCD18モ ノクローナル抗体の両方の存在下で阻止されることを示した。しかし、結合は、 非結合性の抗CD18抗体によって影響を受けながった。HL-60はまた、ICAM-6/IgG1 がコーティングされたウエルに結合し、その結合は抗ヒトCD11b抗体によって阻 止された。これらの結果により、マウスICAM-6は、マウス及びヒトのCD11b/CD18 の両方と結合し、そしてマウスCD11c/CD18に結合することが明らかにされる。 C.ICAM-6/ α-d結合の分析 αdのICAM-6への接着を、ラットαd及びヒトCD18をコードするcDNAでトランス フェクションされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を用いて試験した 。αd/huCD18 CHO細胞を、上記のように、固定化されたマウスICAM-6/IgG1、ヒ トICAM-1/IgG1、またはヒトVCAM-1/1gG1の融合タンパク質のいずれかに対する接 着について試験した。αdに関する結合の特異性を、抗ラットαdモノクローナル 抗体(205C)及び抗ヒトCD18モノクローナ ル抗体(22F12C)を使用して決定した。非結合性抗体を、ヒトVCAM-1/IgG1のαd に対する結合の陰性コントロールとして使用した。 予備的な結果は、マウスICAM-6がαd/CD18インテグリンと結合することを示し た。 実施例10 マウスICAM-6転写のin situハイブリダイゼーション ICAM-6がどの細胞で発現しているかを同定するために、in situハイブリダイ ゼーションを、マウスICAM-6リボプローブを用いてマウスの精巣組織切片につい て行つた。ICAM-6のドメイン1及び2のアンチセンスリボプローブを、マウスの 精巣組織切片におけるICAM-6 mRNAを検出するために使用した。ICAM-6 mRNAにハ イブリダイズしないICAM-6のセンスプローブを陰性コントロールとして使用した 。 上記のプローブを、製造者のプロトコル(Stratagene)に従って、α-35S UT Pを用いるRNA転写により標識した。凍結組織切片を、コーティングしたスライド ガラス(Superfrost Plus VWR,Seattle,WA)に置き、パラホルムアルデヒドで 固定し、変性し、一連のエタノール洗浄により脱水して乾燥した。組織切片のハ イブリダイゼーションを、一晩、50℃で、50%ホルムアミド、0.3MNaCl、20mM Tris pH7.5、5mM EDTA)1×Denhardt溶液、10%デキストラン硫酸、0.5mg/ml 酵母RNA、100mMジチオスレイトール(DTT)、及び組織切片あたり5×105cpmの プローブを含む中で行った。スライドガラスを、10mM DTTを含有する4×SSCで 室温で1時間洗浄し、その後10mM DTTを含有する50%ホルムアミド1×SSCで60 ℃で40分間洗浄し、そして2×SSCで1回洗浄し、0.1×SSCで1回洗浄した。最 後の2回の洗浄は、 穏やかに攪拌しながら室温で30分間行った。組織切片を脱水し、風乾し、写真乳 剤(Kodak NTB2 Nuclear Emulsion,International Biotechnologies,Hartford ,CT)でコーティングして感光させた。現像後、組織切片をヘマトキシリン−エ オシンで対比染色して、銀粒子を暗視野顕微鏡によって可視化した。 強いハイブリダイゼーションシグナルが、マウスICAM-6アンチセンスプローブ を用いて4日間の感光後、マウス精巣の細管内の第一***細胞で検出された。そ れとは著しく対照的に、コントロールのICAM-6センスリボプローブとハイブリダ イズした精巣組織は、全くハイブリダイゼーションしなかった。 実施例11 部分的なヒトのゲノムICAM-6 DNAの同定 マウスAA065987配列を、その配列がGenbank配列のどれとも一致していないこ とを明らかにするために、2番目のBLASTN検索における提示配列として使用した 。Genbankデータベースから、J03071と呼ばれる約66,5kbのヒトのゲノム配列が 、AA065987内の対応する配列に対して約70%のヌクレオチド相同性を有し、アミ ノ酸レベルで約61%の相同性を有する領域を含有するとして同定された。AA0659 87に相同的な配列に加えて、J03071は、ヒト成長ホルモン(GH1及びGH2)及び絨 毛性ソマトトロピンポリペプチドホルモン1、2及び5の完全なタンパク質コー ド領域を含む。J03071の染色***置(17q22-24)は、PECAM(17q23)及びICAM-2 (17q23-17q25)をコードする遺伝子の近傍であることが決定された。 J03071のゲノムDNA配列内において、既知のICAMに対する相同性を有するタン パク質配列をコードする5つの領域が同定された。DNAのこの5つの領域は、1 つの部分的なエキソン及び4つ の完全なエキソンを表しているようであった。この5つの領域によりコードされ るタンパク質配列を調べることによって、そしてICAM-1のイントロン/エキソン のスプライシングパターンに対する類推によって、この5つのタンパク質コード 領域はエキソン2〜6と呼ばれた。最初の領域であるエキソン2(ヌクレオチド 66,422〜66,495)は、ICAMにおけるドメイン1の一部に対して相同性を有する。 その配列は、J03071のDNAの末端まで拡がり、従って、エキソン2の一部のみを 表してることが十分に考えられた。(エキソン3によってコードされ、ヌクレオ チド64,225または66,226からヌクレオチド64,544までの)ドメイン2と呼ばれる 領域が翻訳される場合、フレームシフトが、オープンリーディングフレーム及び 他のICAMとの相同性を維持するために必要であった。ドメイン3をコードし、ヌ クレオチド63,697からヌクレオチド63,975または63,976のいずれかまでのエキソ ン4は、完全なオープンリーディングフレームをコードし、既知ICAMとの相同性 を示した。2つの停止コドンが、エキソン5(ヌクレオチド62,895〜63,163)に よってコードされるドメイン4の中に見出された。1つの停止コドンが、エキソ ン6(ヌクレオチド61,329〜61,569)によってコードされるドメイン5の中に見 出された。しかし、すべてのドメインにおいて、そのアミノ酸配列には、保存さ れたシステイン残基が、ICAMに特徴的なシステインの前後のアミノ酸配列ととも に含まれていた。J03071によってコードされる様々なドメインのアミノ酸配列を 既知のICAMと比較した場合、計算された同一性の割合は、任意の2つの特定ICAM の配列の比較について特徴的であった。比較分析の結果を表3に示す。「代表的 な」アミノ酸の同一性及びタンパク質構造のために、J03071によってコードされ るポリペプチドはICAM-6と呼ばれた。ドメイン3におけるフレー ムシフトならびにドメイン4及び5における停止コドンは配列決定での誤りを反 映していることが考えられるが、J03071の推定的なICAM-6コード領域は偽遺伝子 であって機能的なポリペプチドをコードしていないと考えることもまた可能であ る。 既知のICAMに対して相同的な5つの領域を含むJ03071の一部を、ESTデータベ ースのBLASTN検索において使用した。2つのEST(H79158及びH54052)を同定し た。この2つのESTは、胎児の肝臓及び脾臓のライブラリーから単離され、そし てそれらがスプライシングされていないcDNAであることを示すエキソン及び隣接 イントロンのヌクレオチドを含むとして同定された。 マウスのICAM-6配列を使用して、相同的な領域がさらに、J03071のゲノム配列 において認められた。この領域は、マウスICAM-6の膜貫通領域及び細胞質テイル に対して48%の相同性を有するアミノ酸配列をコードし、従って対応するヒト配 列を表すと考えられた。この推定的な膜貫通/細胞質テイルをコードするこれら の配列は連続しており、そのような配列が同じエキソン内で見出される場合、そ の推定的な膜貫通/細胞質テイルは他のICAM遺伝子に関して認められる配列と一 致する。J03071の膜貫通/細胞質領域は、ヌクレオチド60,912〜61,135に対応す る。 実施例12 ヒトICAM-6の組織及び細胞での発現 2つの方法を利用して、全長のヒトICAM-6クローンの単離を試みるために供給 源として適切な細胞または組織を同定した。最初の分析において、いくつかの細 胞株及びいくつかのcDNAライブラリーから得られるcDNAサンプルを、ヒトICAM-6 のドメイン1〜3に対応するプライマーを使用するPCRによってスクリーニング した。2番目の方法において、ICAM-6のドメイン3を、PCRによってクローニン グし、ヒトRNAサンプルのノザンブロット分析のプローブとして使用した。 A.ICAM-6 ドメイン3の試験PCR分析及びクローニング 上記の2つの方法の実施を可能にするために、ICAM-6 cDNAの存在を検出し、 そしてノザンブロット分析プローブとして使用されるICAM-6ドメインをクローニ ングする手段として、ICAM-6から得られるドメイン3が増幅されるPCR条件を決 定することが必要であった。プライマーI601、I602、I603及びI606を、J030 71の配列から決定されるドメイン3内に位置する配列に基づいて設計した。プラ イマーI603及びI606はまた、それぞれ、その後のクローニング処理を容易にする ために、EcoRI及びXhoIの制限部位(下記の配列内の下線部)が作製されるよう に設計した。 I601 CTTTTGGAGGCTGGGATG 配列番号:38 I602 CATTGCACCCAGAGATGC 配列番号:20 I603 ATAGAATTCCTTTTGGAGGCTGGGATG 配列番号:21 I606 TAACTCGAGCATTGCACCCAGAGATGC 配列番号:22 最初に、PCR増幅を、末梢血リンパ球から精製されたゲノムDNAをテンプレートし て使用して行った。PCR反応は、実施例2に記載されるのと同じ緩衝液を用いて 行った。増幅産物の産生を最適にするために、反応条件を、MgCl2濃度(1.5mM、 2mM)及びアニーリング温度(50℃、55℃、60℃)に関して変更した。様々な反 応を、同時に、3台のDNAサーマルサイクラー480(Perkin Elmer,Foster City ,CA)で行った。すべての反応の熱条件は、最初に、94℃での4分間の変性工程 、その後、94℃で1分間の変性、50℃、55℃または60℃で30秒間のアニーリング 、及び72℃で1分間の伸長の3サイクルであった。得られる増幅産物を、アガロ ースゲル電気泳動を使用して分析した。試験したすべてのPCR条件下で、予想さ れるサイズで移動する断片として、プライマー対I603/I606を使用する210bp断片 及びプライマー対I601/I602を使用するより小さな断片が検出された。 すべての反応から得られる生成物をまとめて、30μgのキャリア酵母RNAを用い て、0.3M酢酸ナトリウム及び2容量のエタノールで沈澱させた。増幅産物及びB SII SK+ベクター(Stratage ne)をEcoRI及びXhoIで消化し、断片及び線状化したベクターの両方をゲル精製 し(QIAGENキット)、2つのDNAを一緒に連結して、得られたプラスミドを、製 造者の指示プロトコルに従って、XL1 Blue Ultracompetent細胞(Stratagene,L a Jolla,CA)に形質転換した。 単一コロニーを選択して、テンプレートとして細菌DNAを使用する2系列のPCR 増幅によって、ICAM-6のドメイン3の存在についてPCRによってスクリーニング した。一方のPCRにおいて、正しい330bp挿入物の存在を、プライマーT3.1及びT7 .1を使用して調べた。第2のPCR反応において、同じ細菌におけるICAM-6ドメイ ン3の存在を、ICAM-6と下記のベクタープライマーとを組み合わせて調べた。T3 .1及びプライマーI608を使用すると、259bpのPCR産物が予想された。プライマー T7.1及びI607を使用すると、215bpの増幅産物が予想された。 I607 GCGAGGTGGCTAGGGTGTTTCCAGC 配列番号:23 I608 CCTGATCACCAGCCTCCATGGTCCG 配列番号:24 すべてのPCR反応を、上記のように、1.5mM MgCl2を用いて、50℃のアニーリング 温度で行った。PCRによって決定された正しい挿入物を有するコロニーを1つ選 択した。このクローンからのプラスミドDNAを、Wizardミニプレップ精製キット (Promega)を使用して抽出し、ドメイン3の配列を確認した。 結果は、その配列が、完全なオープンリーディングフレームをコードし、J030 71におけるヒトICAM-6のドメイン3のゲノム配列と同一であることを示した。 B.PCR 分析 PCRを使用して、どれがヒトICAM-6 cDNAを含有するかを決定するために、いく つかのcDNAライブラリーのスクリーニングを行った。スクリーニングを、主とし て、造血細胞及び内皮細胞について集中して行った。なぜなら、ICAMは、これら の細胞タイプに特徴的に発現しているからである。さらに、スクリーニングを行 ったサンプルには、IL-1及び/またはIL-4で刺激されたヒト臍帯血管内皮細胞か ら得られたcDNAに加え、刺激されていないヒト臍帯血管内皮細胞(HUVEC)から 調製されたcDNA、前骨髄性細胞株HL-60から得られたcDNA、ならびに肺、虫垂(a ppendix)及び結腸から得られたcDNAが含まれた。PCRはまた、HUVEC、Jurkat細 胞(ヒトT細胞株)、末梢血単核細胞(PBMC)、滑膜、及びHeLa細胞(上皮頸部 腫瘍細胞株)から調製されたcDNAライブラリーを含むいくつかのヒトcDNAライブ ラリーについても行った。PCR反応を、上記のように、2mM MgCl2を用いて、60℃ のアニーリング温度で行った。プライマーI601(配列番号:38)及びI602(配列 番号:20)をPCRにおいて使用した。 アガロースゲル電気泳動で、210bpのICAM-6ドメイン3のDNAバンドが、HUVEC cDNA、HUVECライブラリーがら、そしてPBMCライブラリーからもまた検出された 。PCR反応をさらに、ICAM-6誘導のプライマーの他の組合せを使用してこれらのc DNAサンプルを用いて行い、ライブラリーが、ICAM-6のドメイン1をコードする かを決定し、そしてクローンが正しくスプライシングされているかを決定した。 ドメイン1に特異的なプライマーI6011(配列番号:25)、及びドメイン3をコ ードするDNAに特異的なI602(配列番号:20)またはI608(配列番号:24)のい ずれかをPCRにおいて使用した。 I6011 GCAGTGCTTCTTCTCTTGTGCAGGG 配列番号:25 予想されるサイズの増幅産物はPCR反応で見出されなかった。このことは、以 下のいずれかを示す。(i)ICAM-6ドメイン1をコードするDNAはライブラリーには 存在していなかった、あるいは(ii)クローンはスプライシングされていなかった 、あるいは(iii)cDNAサンプルは、最初の反応で検出されたドメイン3のシグナ ルを生じるゲノムDNAが混入していた。 B.ノザン分析 ノザン分析を、HUVEC;A549、HeLa、HL60、Jurkat、Ramos及びU937を含む細胞 株;脾臓、胸腺、末梢血白血球、精巣、前立腺、卵巣、結腸、及び小腸を含む組 織タイプから単離されたRNAについて行った。ハイブリダイゼーションプローブ には、上記のようにクローニングされたICAM-6ドメイン3に対応する配列が含ま れた。 ヒトICAM-6ドメイン3プラスミドをEcoRIで線状化し、Qiagenキットを使用し てゲル精製した。抗アンチセンスICAM-3 RNAプローブを、製造者のプロトコル( RNA転写キット、Stratagene)に従って、32P標識UTPを使用してin vitro転写に よって標識した。メンブレンを、一晩、65℃で、50%ホルムアミド、5×SSC、5 0mM Tris-HCl(pH7.6)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、0.2%ポリビニルピロリ ドン、0.2%フィコール、5mM EDTA、2%SDS、及び150mg/ml変性サケ***を含 む中でハイブリダイズした。メンブレンの洗浄を、65℃で、0.1%SDSを含有する 2×SSCで2回、そして0.1%SDSを含む0.1×SSCで2回、それぞれ15分間行った 。 結果は、精巣及び前立腺において3kb RNAの高レベルの発現を示した。PBLにお いて、1kb断片が同定された。結腸及び小腸に おいて、7.5kbの転写が認められた。HUVEC及び様々な細胞株において、高レベル のハイブリダイゼーションが、サイズ的には28SリボソームRNAと一致する4.4kb RNAとともに検出された。プローブがrRNAと交差反応するかどうか、あるいはこ れらの細胞タイプに特異的な4.4kbの転写物が存在するかどうかは不明である。 実施例13 ヒトICAM-6 cDNAの単離 HUVEC及びPBMCのcDNAライブラリーが、ICAM-6ドメイン3に対応するDNAを含む ことが明らかとなったので、ICAM-6ドメイン3のPCRプローブを使用して、全長 のICAM-6 cDNAを単離する目的で、2つの細胞タイプから得られたcDNAライブラ リーのスクリーニングを行った。さらに、ノザンブロット分析によって精巣にお ける発現が明らかにされたので、ヒトの精巣ライブラリー(Stratagene)もまた スクリーニングした。これらのライブラリーのスクリーニングを、実施例2に記 載されるPCRによって標識したヒトICAM-6ドメイン3のプローブを用いて行った 。非標識テンプレートを、テンプレートとしてのICAM-6ドメイン3プラスミド及 びプライマーI601(配列番号:38)及びI602(配列番号:20)を使用するPCRに よって作製した。PCR産物をゲル精製し、希釈し、テンプレートとして使用して 、210pbのICAM-6ドメイン3プローブを作製した。ハイブリダイゼーション条件 は、実施例2に記載される通りであった。 精巣ライブラリーから得られた結果により、13個の陽性クローンが得られた。 その中の8個を配列決定して、4個がスプライシングされたICAM-6クローン(ク ローン13A、20C、5A及び13B)で、4個がスプライシングされていないICAM-6ク ローンであ ることを明らかにした。4個のスプライシングされたクローンの中で、20C及び1 3Aの2つはリーダー配列及びドメイン1配列を含むことが見出された。PBMCライ ブラリーにおいて、1個のスプライシングされていないクローンが同定されただ けであった。HUVECライブラリーにおいては、クローンは同定されなかった。 ヒトICAM-6配列のより完全な配列を決定するために、リーダー及びドメイン1 の一部をコードするヒトICAM-6のコード領域をBLASTN検索における提示配列とし て利用した。この検索によって、3個のヒトICAM-6クローンを表しているような 4個のEST配列が明らかにされた。2つのEST配列AA421394(配列番号:49)及び AA421290(配列番号:50)は、別のクローン731071の5'末端及び3'末端に対応し た:このクローン731071は、ヒト精巣ライブラリーから単離され、ICAM-6のリー ダー及びドメイン1〜3をコードする。実施例11で以前に参照されたヒト胎児 肝臓−脾臓ライブラリーから得られた2つのESTのH79158(配列番号:47)及びH 54052(配列番号:48)もまた同定され、スプライシングされていないドメイン 4をコードしているようであった。 精巣ライブラリーから得られた8個のクローンの配列を決定した。それらの結 果を組み合わせて、EST J03071のデータベース配列を訂正した。訂正された配列 は、リーダーならびにドメイン1、2及び3は、完全なオープンリーディングフ レームをコードすることを示した。しかし、ドメイン4の配列は、依然として、 停止コドンを含んでいた。ICAM-6のより完全なポリヌクレオチド配列を用いて、 他の既知ICAMの配列に対する2回目の比較を、ドメイン4内の停止コドンの存在 にもかかわらず、ICAM-6のドメイン4及び5の比較を含めて行った。結果を下記 の表4に示す。 リーダー及びドメイン1〜3をコードするICAM-6 DNAをさらに分析するために 、ESTデータベースから得られたクローン731071の配列を、2つのヒト精巣クロ ーンの13A及び20Cの配列と組み合わせて使用した。この3つのクローンは、同じ リーダーと、2つのドメインがオープンリーディングフレームによってコードさ れた同じドメイン2及びドメイン3のアミノ酸配列とをコードしていることが見 出された。従って、Genbankから得られたクローンJ03071のドメイン2において 同定されたフレームシ フトは、配列決定の誤りから生じたと結論された。しかし、13A、20C及び73101 の3つのクローンのすべてにおいて、ドメイン1は不完全であった。クローン20 は、ドメイン1の5'部分のみをコードし、クローン13A及び73101は3'部分のみを コードしていた。これらの3つのクローンのすべてにおいて、ドメイン1配列の スプライシングは、部分的なドメインの存在及びフレームシフトまたはスプライ シング接合部での停止コドンのいずれかの存在によって示されるように異常であ った。従って、これらの3つのクローンはいずれも完全にプロセシングされず、 そして膜貫通または細胞質のアミノ酸配列をコードしていなかった。各クローン において、ドメイン3をコードする配列は、その後にその対応するイントロンが 続いた。 4つのスプライシングされたヒト精巣クローンの中で、13A、5A及び13Bは、ド メイン4のアミノ酸をコードした。そのクローンのそれぞれは、J03071のゲノム 配列において以前に同定された2つの停止コドンの最初を含有した。この3つの クローンはどれも、J03071で見出された2番目の停止コドンを含んでいなかった ので、2番目の停止コドンは配列決定の誤りから生じたと結論した。 ヒトICAM-6の訂正されたが、依然としてドメイン4のコード領域内に停止コド ンを含む配列により、リーダーならびにドメイン1、2及び3は完全なオープン リーディングフレームをコードすることが示された。これらの観察により、ヒト ICAM-6の精巣でのスプライシングは異常であると結論した:このような出来事は 、精巣で発現している他の遺伝子に関して以前に報告されている[Sorrentino, et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)85:2191-2195(1988)]。この結論は、 正しくスプライシングされた機能的なヒトICAM-6が他のヒト組織で発現している 可能性を除外しない。ドメイン4に関してDNAがコードする停止コドンの同定は また、そうでなければ、以下の点で説明することができる。(i)オルターナティ ブスプライシングが起こっていると考えられ、この場合、ドメイン4をコードす る配列がそれによって除かれて、マウスICAM-6タンパク質よりも少ない細胞外ド メインを有する機能的なポリペプチドの発現を可能にする;(ii)同定されたヒト ICAM-6遺伝子は集団内で多型であると考えられ、従って特定の個人においては変 異し、他では変異していないと考えられる;あるいは(iii)クローンJ03071は、 機能的なICAM-6ポリペプチドを発現しない偽遺伝子を表していると考えられる。 J03071が偽遺伝子である場合、機能的なICAM-6(または他の独特のICAM)が同じ 染色***置に位置していることが考えられる(実施例11)。 実施例14 RACE RCRはスプライシングされた5'ヒトICAM-6 cDNAを同定する ヒトICAM-6 cDNAの5'末端を単離するために、RACE PCRを、ヒト精巣のMaratho n-readyTMcDNA(Clontech)を使用して行った。cDNAを、年齢が22歳〜31歳の範 囲の4人の白人から集められた精巣から調製した。集めた供給源は、以前に記載 された精巣cDNAライブラリー(Stratagene)を調製するために使用した精巣と異 なった。ヒト精巣cDNAを、実施例4に記載したAP-1及びAP-2プライマー(配列番 号:13及び14)の部位を含有するMarathonアダプターに連結した。PCRを、AP-1 及び1608(配列番号:24)のプライマー対を使用して行った:プライマーI608 は、ドメイン3をコードするDNAに特異的である。2回のPCRを、実施例4に記載 されるように行った。両方のPCRにおいて、反応混合物を1分間変性し、その後 、94℃で5秒間の変性及び72℃で2分 間のアニーリング/仲長の5サイクル、そして94℃で5秒間の変性及び70℃で2 分間のアニーリング/伸長の5サイクル、最後に94℃で5秒間の変性及び68℃で 2分間のアニーリング/伸長の25サイクルを行った。ICAM-6のリーダーからドメ イン3までをコードする正しくスプライシングされた断片の予想されるサイズは 約0.8〜1kbであった。 アガロースゲル電気泳動は、長さが約0.7〜0.8kbで移動するバンドとともにス メア状のDNAを示した。この結果を考慮して、3つの工程を、予想されるサイズ の増幅産物を得る目的で行った。 最初に、PCR産物をSacI及びNotIで消化した。この手順は、ICAM-6ドメイン3 内のSacI部位ならびに5'非翻訳領域内及びcDNAアダプター内のNotI部位の存在が 知られていたことに基づいた。SacI/NotI断片の予想されるサイズは約0.8kbであ った。 2番目に、PCR産物を、ゲル電気泳動を使用して、0.8〜1kbの範囲のサイズ選 択を行った。この範囲の断片をゲルから精製して、NotI及びSacIで予め消化され たベクターBSII SK+(Stratagene)内に連結した。得られるプラスミドを、製造 者の指示プロトコルに従って、Ultracompetent XL-blue MRF'細胞に形質転換し た。 3番目に、ハイブリダイゼーションを、ドメイン1のすべてを含有するICAM-6 cDNAを同定するために、32P標識オリゴヌクレオチドを使用して行った。オリゴ ヌクレオチドI6047(配列番号:26)及び16048(配列番号:27)を、ドメイン1 をコードするDNAの両末端に相補的であるように設計した。 I6047 GTCCCGGAACAGTCGTTTGAGGTTT- CTATTTGGCCAAGTC 配列番号:26 I6048 GATCACTTGCTCTGGTGGCTGATAC- ACAGTGACGCCAAGG 配列番号:27 プライマーI6047はドメイン1の5'末端に対応したが、I6048はドメイン1及び2 の間の接合部に対応した。オリゴヌクレオチドを32P-γATPを用いて、T4ポリヌ クレオチドキナーゼ(New Englang Biolabs,Beverly,MA)を使用して末端標識 し、Centrispin 10カラム(Princeton Separation,Adelphia,NJ)を使用して 精製した。 サイズ選択したPCR産物で形質転換された細菌を、カルベニシリンアガロース プレート上に置いたフィルターに播種して、一晩37℃でインキュベーションした 。コロニーを2組のさらなるフィルターに移した。一方のレプリカをI6047プロ ーブでハイブリダイズし、もう一方をI6048プローブでハイブリダイズした。両 方のフィルターを、5×SSC、50mMリン酸ナトリウム、5×Denhardt溶液、及び0 .1%SDSを含む中で65℃でハイブリダイズし、室温で15分間、0.1%SDSを含む2 ×SSCで洗浄し、次いで同じ溶液で、65℃で5分間洗浄した。 両方のプローブにハイブリダイズした20個のコロニーを拾った。配列分析によ り、この20個のコロニーはヒトICAM-6挿入物を含有していることが示された。こ のクローンのいくつかは、SacI部位を含み、ドメイン2またはドメイン1の内部 にまで延びていた。5個のクローンは、ドメイン3のSacI部位を含み、5'非翻訳 領域内のNotI部位にまで延びていた。このため、この5個のクローンは、ICAM-6 のリーダー及びドメイン1との間のスプライシング接合部の決定を可能にした。 全長のヒトICAM-6配列を、以下のクローンから得られる配列情報を組み合わせる ことによって推定した:(リーダー配列からドメイン3をコー ドする)ヒトRACEクローンのB1b、(ドメイン2〜4をコードする)ヒト精巣ラ イブラリーにおいて見出されたクローン、及び(ドメイン5をコードする)ゲノ ムクローン。ドメイン4内の停止コドンをコードする領域を含むヒトICAM-6配列 を、配列番号:40に示す。ポリヌクレオチドに関する停止コドンまでの推定アミ ノ酸配列を配列番号:41に示す。ヒトICAM-6の細胞外ドメインのアミノ酸配列と 、他のマウス及びヒトのICAMの対応する領域との比較を表5に示す。 実施例15 不妊患者からのICAM-6のドメイン4及び5のクローニング ICAM-6 mRNAの発現が精巣において観測されることを考慮して、ICAM-6と不妊 との考えられる関係を調べた。ICAM-6遺伝子がドメイン4及び5内に停止コドン 含む理由を説明するための1つの仮説は、1コピーまたは2コピーの機能的なIC AM-6がヒト染色体に存在することによって男性キャリアを不妊にし得るというこ とである。ICAM-6の発現が、***形成及び/または***機能における異常、ある いは***または***細胞の破壊のいずれかに導くことがことが考えられる。この 仮説を検討するために、ICAM-6のドメイン4及びドメイン5を、選択した患者か ら得られたゲノムDNAからクローニングした。そのポリヌクレオチド構造を調べ て、これらのドメインが停止コドンをまたは完全なオープンリーディングフレー ムを含有するかどうかを明らかにした。 DNAを、原発性精巣不全の20人の男性患者から得られた血液サンプル及び5人 のコントロール血液サンプルから、DANzolRBD試薬(Molecular Research Center ,Inc,Cincinnati,OH)を使用して製造者の指示プロトコルに従って得た。PCR を実施し、ヒトICAM-6配列に基づいて設計した2対のプライマーを使用して、ヒ トICAM-6のドメイン4またはドメイン5のいずれかに拡がるゲノム断片を増幅し た。最初のプライマー対の16070(配列番号:51)及びI6073(配列番号:52)、 ならびに2番目のプライマー対のI6075(配列番号:53)及びI6077(配列番号: 54)は、それぞれ、ICAM-6のドメイン4及びドメイン5の5'末端及び3'末端に対 応した。 I6070 CTTCCCTCCACCAATCCTGGAGC 配列番号:51 I6073 GGATATGGAGCTGGATCACAGTGG 配列番号:52 I6075 TGGCTGGAAGGGATGGAACACACG 配列番号:53 I6077 TGACAGAGCCCAGCTGGTTAGTGG 配列番号:54 50μlのPCR反応を、1×KlenTaq緩衝液、2mM dNTPs、ドメイン4プライマー 対のI6070及びI6073あるいはドメイン5プライマー対のI6075及びI6077のいずれ かの100μg/ml、1μlKlenTaqポリメラーゼ溶液、及び6〜12ngのゲノムDNAを用 いて、Advantage cDNA PCRキット(Clontech,Pala Alto,CA)を使用して製造 者の指示プロトコルに従って行った。「タッチダウン」PC して行った。反応は、最初に、30秒間の変性工程によって、その後94℃で5秒間 の変性及び72℃で30秒間のアニーリング/伸長の5サイクル、94℃で5秒間の変 性及び70℃で30秒間のアニーリング/伸長の5サイクル、そして94℃で5秒間の 変性及び68℃で30秒間のアニーリング/伸長の25サイクルによって行った。得ら れるPCR産物を、アガロースゲル電気泳動を使用して分離し、予想されるサイズ で移動する2つのバンドを検出した。約260bpのバンドをドメイン4のプライマ ー対のI6070及びI6073を使用する反応から検出した。約170bpのバンドをドメイ ン5のプライマー対のI6075及びI6077を使用して検出した。これらの断片を、PC R産物精製キット(Promega,Madison,WI)を使用して製造者の指示プロトコル に従って精製して、対応するプライマーを使用して直接配列決定した。コントロ ールには、ゴリラまたはサル(Macaque nemestrina)から得られたゲノムDNAが 含まれた。 ICAM-6のPCR産物の配列分析により、1つまたは2つのいずれかの停止コドン がすべての患者サンプル及びコントロールサン プルのドメイン4に存在していることが示された。その停止コドンの1つは、実 施例13に記載されたクローンの場合と同じヌクレオチドに位置していた。第2 の停止コドンは、それが認められた場合、すべてのサンプルにおいて一定の位置 に存在していた。ICAM-6ドメイン5の配列分析により、以前に認められたのと同 じヌクレオチド位置における停止コドンまたは不明瞭な配列が明らかにされた。 配列の不明確さは、配列決定の際の人為的なこと、または特定の患者におけるIC AM-6の2つの対立遺伝子(第2の停止コドンを有する対立遺伝子とそれを有さな い対立遺伝子)の存在から生じたと考えられる。 ICAM-6遺伝子は種間で高度に保存されているので、マカク(macaque)及びゴ リラから得られた血液をコントロールとして使用した。そのゲノムDNAを、以前 に記載したように抽出し、ヒトサンプルに関する上記と同じ条件下におけるPCR において使用した。配列分析によって、マカクのICAM-6のドメイン4及び5は、 そのヒトホモログに対して95%及び97%の同一性を有し、完全なオープンリーデ ィングフレームをコードしていることが明らかにされた。従って、ドメイン4及 び5を含むICAM-6は、マカクでは機能的であることが考えられる。ゴリラにおい ては、ICAM-6のドメイン4及び5は、ヒトの分子に対して高い相同性を有してい ることが見出された(ドメイン4、91%及びドメイン5、94%)。停止コドンは 、ヒトの配列の場合のようにゴリラのドメイン4において検出されたが、ドメイ ン5は、完全なオープンリーディングフレームをコードしていた。 これらの結果は、停止コドンの存在によって、5つの細胞外イムノグロブリン ドメインを有するヒトICAM-6ポリペプチドの正しい発現が妨げられることを示唆 する。しかし、このような見解は、5個より少ない細胞外ドメインを有する生物 学的に活 性なICAM-6の代わりの形態が存在する可能性を除外しない。例えば、ICAM-6は可 溶性形態で存在可能であり、ドメイン4内の停止コドンは、膜貫通領域及び細胞 質テイルを欠くタンパク質の3'末端を示す。あるいは、ドメイン4はスプライシ ングされて除かれ、4つのドメインのタンパク質を、停止コドンをドメイン5内 に有するゲノムDNAに関してヘテロ接合である患者において表面分子として発現 し得る。さらに別の可能性として、ICAM-6の2つのドメインからなり、膜に結合 してドメイン1及び2のみを含む形態が存在し得る。 実施例16 可溶性ヒトICAM-6の発現 ヒトICAM-6の機能を調べるために、発現構築物を作製し、ヒトICAM-6の細胞外 ドメイン1及び2(D1-D2)を、IgG4から得られるヒンジCH2-CH3ドメインと結合 したキメラポリペプチドとして発現させた。発現プラスミドの構築は、下記のよ うにして行った。 リーダー配列からドメイン2までのICAM-6のコード領域を、プライマー対I607 8(配列番号:55)及びI6079(配列番号:56)を使用するPCRによって増幅した 。 I6078 CCCAAGCTTACCGCCACCATGAAAACGCTTCTGTTT 配列番号:55 I6079 CCGCTCGAGAAAGATCCGGACTATTCTGATGGG 配列番号:56 増幅産物のクローニングを容易にするために、HindIII部位がI6078プライマーの 5'末端に含まれ、そしてXhoI部位がI6079プライマーの3'に含まれた(下線部、 上記参照)。さらに、翻訳開始に関するコンセンサス配列(斜体字、上記参照) をプライマ -I6078内に作製し、高レベルの可溶性分子の発現を確実にした PCR反応のテンプレートの調製において、実施例14に記載されるヒトRACEク ローンB1bプラスミドをNotI及びSacIで消化し、ICAM-6のリーダー配列からドメ イン3までをコードするDNA断片を、QIAquick(Gel Extraction Kit(QIAGEN,V alencia,CA))を使用して精製した。PCRを、精製NotI/SacI断片をテンプレー トとして、プライマーI6078及びI6079、「高忠実」Pfu DNAポリメラーゼ(Strat agene,La Jolla,CA)及びデオキシヌクレオチド及び緩衝液を使用して製造者 の指示プロトコルに従って mer)において、最初に94℃で5分間の変性し、次いで、94℃で30秒間の変性、50 ℃で30秒間のアニーリング、及び72℃で30秒間の30サイクルにより処理した。約 670bpのPCR産物を、QIAquickTMGel Extraction Kit(QIAGEN)を使用してゲル精製 し、HindIII及びXhoIで消化して、QIAquickTMGel Extraction Kitを使用してゲ ル精製した。ICAM-6のドメイン1及び2をコードするHindIII/XhoI断片を、2つ の同じ酵素で予め消化されたpDEF2S/IgG4ベクター内に連結した。pDEF2S/IgG4プ ラスミドは、下記にようにして構築された。 ICAM-6配列に融合した約1kbのXhoI/XbaIのIgG4断片は、ヒトのγ4重鎖ヒン ジCH2及びCH3領域が、ヒトγ4遺伝子のゲノムクローンから得られる3'隣接領域 の328bpとともにコードされるcDNA配列を含有する。この重鎖配列をコードするc DNAは、市販の脾臓cDNAライブラリー、及び既知のヒトγ4配列[Ellison et al .,DNA 1:11(1981)]から得られる合成オリゴヌクレオチドプローブから得られ た。同様に、3'隣接領域を含有するゲノム配列を、市販のゲノムライブラリーか ら、ヒトのγ4プロー ブ及び同じクローニング技術を使用して得た。cDNA配列の隣接領域への融合は、 適合し得る制限部位を導入した適切なプライマーを用いるPCRを使用し、その後 当該分野で周知で日常的に実施されている手順によって、制限消化及び連結する ことによって行った。得られるプラスミドのICAM-6(D1-D2)/Ig/pDEF2SをXL2 BLu e Competent Cell(Stratagene,La Jolla,CA)に形質転換して、形質転換体を 、プライマーI6078(配列番号:55)及びI6079(配列番号:56)を使用するPCR によってスクリーニングした。PCRによって検出される陽性クローンを配列決定 により確認した。 タンパク質の発現を、ICAM-6(D1-D2)/Ig/pDEP2Sでトランスフェクションされ たDG44 CHO細胞で行った。DG44 CHO細胞は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR) が欠損しており、増殖するためにヒポキンサンチン及びチミジンを培養培地中に 要求する。マーカーDHFR遺伝子がベクターpDEF2Sに存在しているため、ICAM-6(D 1-D2)/Ig/pDEF2SでトランスフェクションされたDG44 CHO細胞は選択培養培地で 増殖する。細胞を、下記のようにエレクトロポレーションによってトランスフェ クションした。 約2×107個の細胞を、800μlのHBS緩衝液(20mM HEPES-NaOH(pH7.0)、137mM NaCl、5mM KCl、0.7mM Na2HPO4、6mMデキストロース)に懸濁した50μgのICAM -6(D1-D2)/Ig/pDEF2Sと混合した。エレクトロポレーションを、BioRad GenePuls erエレクトロポレーターを使用して960μFの容量及び290Vの電圧で行った。エ レクトロポレーション後、細胞を室温で10分間再生させ、そして10%FBS、1mM MEMピルビン酸ナトリウム、100u/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン 、2mM L-グルタミン、0.1mMヒポキサンチンナトリウム、及び1.6mMチミジンを 含有する培地(HT+DMEM/F12)の10mlで洗浄した。細胞を遠心分離 によって集め、培地に再懸濁して、HT+DMEM/F12を含有する2枚の10cmプレート に播種した。エレクトロポレーションの2日後、トランスフェクションした細胞 を選択培地(ヒポキサンチンまたはチミジンを含まないDMEM/F12)に移して、ト ランスフェクションの約12日後、生存コロニーを集めてまとめた。まとめた細胞 の半量を液体窒素中に保存し、残りの半分をタンパク質精製のために培養した。 タンパク質精製に関して、ICAM-6(D1-D2)/Igタンパク質をCHO上清から、Prose pプロテインAカラム(BioProcessing LTD)を使用して回収した。カラムを、最 初に、1Mグリシン+0.15MNaClを含む緩衝液(pH8.6)の少なくとも100mlで、 BioRad Econo Systemを使用して平衡化した。上清をカラムに1ml/分の速度で流 し、カラムを少なくとも100m1の上記の緩衝液で洗浄した。タンパク質を、100mM クエン酸(pH3.0)を使用して、中和化1MTris(pH9.0)に直接集めた。溶出し たタンパク質を、10,000MWカットオフSakeSkin透析チューブ(Pirce,Rockford ,IL)に入れて、カルシウム及びマグネシウムを含まないリン酸緩衝化生理食塩 水(CMF-PBS)に対して、少なくとも24時間、使用緩衝液を3回交換しながら透 析した。透析したタンパク質を、Centriprep-30遠心分離フィルター(Amicon,B everly,MA)を使用して濃縮した。タンパク質の濃度を、BCA Protein Assay(P ierce)によって測定した。タンパク質の純度を、2μgの精製タンパク質を含有 するSDS-PAGEゲルのクーマシー染色によって評価した。 すべてのICAM-6(D1-D2)/Ig調製物は50〜90%の純度であり、明らかな夾雑物と してウシIgのみを有していた。精製タンパク質を使用して、ヒトICAM-6の機能検 討及びモノクローナル抗体作製を行った。 実施例17 ウエスタン分析 マウスICAM6ポリクローナル抗体の作製 ドメイン1からドメイン3からなり、FLAG/HISタグに融合した可溶性のマウス ICAM-6タンパク質を実施例7及び8に記載されるように産生し、これを免疫原と して使用してニュージーランド白ウサギに注射した。間単に記すと、2羽のニュ ージーランド白ウサギから免疫前血清を得るために予備採血し、次いで、0日目 に、約100μgのICAM-6/FLAG-HISタグタンパク質を含む完全フロイントアジュバ ント(CFA)を皮下に注射した。その後、動物をさらに4回、3〜4週間の間隔 で、同量のタンパク質を含む不完全フロイントアジュバントで免疫化した。血清 を、免疫細胞化学(下記)によって特異的反応性に関して齧歯類の精巣組織切片 で注射の7〜14日後に試験した。血清からポリクローナル抗体を、プロテインA カラムで、当該分野で日常的に実施されている周知の手順を使用して精製した。 強い特異的なICAM-6染色が、4回目の抗原注射の後にマウス精巣で検出された。 免疫組織化学 正常なマウス精巣を、液体窒素で冷却したIsopentaneで素早く凍結して、-70 ℃保存した。切片をSuperfrostマイクロスライドガラス(Eric Scientific Corp oration,West Chester,PA)上に置き、-20℃で保存した。使用前に、スライド ガラスを乾燥して、冷アセトン中で2分間固定した。スライドガラスを、15分間 、室温で、0.04%H2O2及び0.1%NaN3を含むTBS中でインキュベーションして、内 在性のペルオキシダーゼ活性を除去した 。スライドガラスを30分間室温で、2%ウシ血清アルブミン(BSA)(Sigma,St .Louis,MO)、30%正常ラット血清、及び5%正常ヤギ血清を含むTBS中でブロ ッキングした。内在性のビオチン部位を、アビジン/ビオチンブロッキングキッ ト(Vector laboratories,Burlingame,CA)を用いて、製造者の指示プロトコル に従ってスライドガラスを処理することによってブロッキングした。 マウスICAM-6に対する一次抗体(10μg/mlに希釈)及び/またはコントロール 抗体を各組織切片に添加して1時間室温に置いた。非結合抗体を、スライドガラ スの洗浄をTBSで3回、各洗浄を5分間行うことによって除いた。ビオチン化ヤ ギ抗ウサギイムノグロブリン(Vector Laboratories)を各組織切片に添加して3 0分問室温に置いた。洗浄工程の後、切片を、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP )と結合したヤギ抗ビオチンイムノグロブリン(Vector Laboratories)と30分 間室温でインキュベーションした。洗浄後、DABペルオキシダーゼ基質キット(V ector Laboratories)を使用して、3'3ジアミノベンジジン-テトラヒドロクロリ ド(DAB)基質を各切片に添加し、所望の発色が得られるまで置いた。反応を水 で停止し、1%オスミウム酸で増強し、直ちに5〜10分間洗浄した。組織切片を ヘマトキシリン(Sigma)で対比染色し、水で洗浄し、Aquamount(Lerner Labor atories,Pittsburgh)を使用してカバーガラスで固定した。 ICAM-6抗体を用いた染色により、高レベルの発現が一次***細胞で明らかにな った。免疫前血清を用いたコントロールのスライドガラス及び一次抗体を用いな いコントロールのスライドガラスは明らかに陰性であった。 ウエスタンブロット in vivoで産生されるICAM-6タンパク質のサイズを決定するために、ポリクロ ーナル抗体を、下記のウエスタンブロッティングによってマウス精巣溶解物につ いて試験した。素早く凍結したマウスの精巣組織を液体窒素中で粉状にすりつぶ し、150mMTris(pH6.8)、ブロモフェノールブルー、2.5%β−メルカプトエタ ノール、4%SDS、及び20%グリセロールの溶液と混合し、5分間煮沸し、21ゲ ージの針に通して剪断し、遠心分離によってペレット化した。上清を、12%SDS- PAGEを使用して分離した。上清中のタンパク質の量を、SDS-PAGEで数段階の希釈 物を泳動し、クーマシーブルーで染色することによって見積もった。約20μgの マウス精巣タンパク質をSDS-PAGEで分離し、Immobilon-Pメンブレン(Millipore ,Bedford,MA)にエレクトロブロッティングした。ブロットを一晩4℃で、0.2 %Tween-20を含有するTris緩衝化生理食塩水(TBS-Tween)で希釈した3%ウシ 血清アルブミン中でインキュベーションした。洗浄後、メンブレンを2μg/mlの マウスICAM-6ポリクローナルウサギ抗体またはコントロール免疫前血清を含むTB S-Tween中で、1時間、室温でインキュベーションした。次いで、メンブレンを 洗浄し、ヤギ抗ウサギHRP結合軽鎖特異的二次抗体(Accurate,Westbury,NY) を用いて室温で1時間インキュベーションした。洗浄後、増強化学発光(ECL) ウエスタンブロッティング検出キット(Pierce)を製造者の指示プロトコルに従 って使用して、バンドをKodak X-OMAT-ARフィルム上に可視化した。インキュベ ーション工程間において、メンブレンをTBS-Tweenで5分間3回洗浄した。 2つのバンドがICAM-6抗血清によって明らかに検出されたが、コントロールは 明らかに陰性であった。60kDaと100kDaとの間で移動する幅広いバンドが検出さ れた。約200〜250kDaで移動す る別のバンドが認められた。527アミノ酸の成熟マウスICAM-6タンパク質の予想 されるサイズは約58kDaであった。このことにより、発現したタンパク質はグリ コシル化されていることが示唆された。配列分析によって、コンセンサス配列As p-Xaa-(Ser/Thr)によって特徴づけられるN-グリコシル化部位と考えられる部位 が6カ所存在することが示された。少なくとも3カ所のO-結合グリコシル化部位 が、NetOGly、O-結合グリコシル化部位推定シフトウエア[Hansen,et al.,Gly coconjugate J.15:115-130(1998)]を使用して同定された。60kDaと100kDaの間 で移動するバンドの広がりにより、いくつかのグリコシル化形態のICAM-6がin v ivoで存在し得ることが示唆される。約200kDaのより大きなバンドは、非常に著 しくO-グリコシル化された形態のICAM-6もまた存在し得ることを示唆する。 上記の例示的な実施例において示されるように本発明における多数の改変及び 変化が、当業者には考えられることが予想される。従って、添付した請求の範囲 に現れるような限定のみが本発明に付される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/02 C12P 21/08 C12P 21/08 C12N 15/00 B (72)発明者 バゾー,ローズメイ アメリカ合衆国 98119 ワシントン シ アトル ダブリュ.レイ 915

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.精製及び単離されたICAM-6ポリペプチド。 2.配列番号:2及び配列番号:41よりなる群から選択されるアミノ酸配列 を含む請求の範囲第1項記載のポリペプチド。 3.融合タンパク質である請求の範囲第1項記載のポリヌクレオチド。 4.前記融合タンパク質が、ICAM-6アミノ酸配列及びイムノグロブリンアミノ 酸配列を含む請求の範囲第3項記載のポリペプチド。 5.請求の範囲第1乃至4項のいずれかに記載のポリペプチドをコードするポ リヌクレオチド。 6.配列番号:1及び配列番号:40よりなる群から選択される配列を含む請求 の範囲第5項記載のポリヌクレオチド。 7.以下の群すなわち、 a)請求の範囲第6項記載のポリヌクレオチド;及び b)(a)のポリヌクレオチドと中程度のストリンジェント条件下でハイ ブリダイズするDNA よりなる群から選択される、ICAM-6ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド 。 8.DNA分子である請求の範囲第5項記載のポリヌクレオチド。 9.cDNA分子である請求の範囲第8項記載のDNA。 10.ゲノミックDNA分子である請求の範囲第8項記載のDNA。 11.全体的または部分的に化学合成されたDNA分子である請求の範囲第8項記 載のDNA。 12.請求の範囲第3項記載のポリヌクレオチドの相補体と特異的にハイブリダ イズするアンチセンスポリヌクレオチド。 13.請求の範囲第7項記載のポリヌクレオチドを含む発現構築体。 14.請求の範囲第7項記載のポリヌクレオチドで形質転換またはトランスフェ クトされた宿主細胞。 15.以下の工程すなわち、 a)ICAM-6ポリペプチドの発現のために適切な条件下で請求の範囲第14 項記載の宿主細胞を生育し、及び b)宿主細胞またはその生育培地からICAM-6ポリペプチドを単離する 工程を含むICAM-6ポリペプチドの製造方法。 16.請求の範囲第1乃至4項のいずれかに記載のポリペプチドと特異的な免疫 反応性を有する抗体。 17.モノクローナル抗体である請求の範囲第16項記載の抗体。 18.請求の範囲第17項記載の抗体を分泌するハイブリドーマ。 19.請求の範囲第17項記載の抗体と特異的な免疫反応性を有する抗イディオ タイプ抗体。
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