JP2001506135A - 変異ヒトα7アセチルコリン受容体サブユニットならびにその製造法および用途 - Google Patents

変異ヒトα7アセチルコリン受容体サブユニットならびにその製造法および用途

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Abstract

(57)【要約】 野生型ヒトα7nAChRのバリン274の位置にアミノ酸置換を含有する変異ヒトα7ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)ポリペプチドを提供する。該変異ヒトα7nAChRをコードする核酸分子、そのような核酸分子を含有するベクターおよび宿主細胞も提供する。また、該変異体の製造法、およびnAChRにおける活性に関して化合物をスクリーニングするためのそのような変異体の使用方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】変異ヒトα7アセチルコリン受容体サブユニットならびにその製造法および用途 技術分野 本発明は、一般に、受容体タンパク質ならびにそれをコードするDNAおよびRNA 分子に関する。特に、本発明は、野生型ヒトα7サブユニットのバリン274の位 置に置換を有する変異ヒトα7サブユニットに関する。本発明はまた、該変異ヒ トα7サブユニットをコードするDNAおよびRNA分子、ならびに該変異サブユニッ トと相互作用する化合物を同定するための該変異サブユニットの使用方法に関す る。発明の背景 本発明の背景においては、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に関す るα7サブユニットを考慮する。nAChRは、アセチルコリン(ACh)および他のリ ガンドにより開口する陽イオン選択性イオンチャンネルを形成する膜貫通ポリペ プチドサブユニットよりなる。各サブユニットからの疎水性膜貫通M2(「TM-2」 )領域が、そのイオンチャンネルの壁を形成してい ると考えられる。 より優勢な2つの脳内nAChRは、α4サブユニットを含有するもの、およびα 7サブユニットを含有するものである(Sargent(1993)Annu.Rev.Neurosci.16: 403-443;Courtら.(1995)Alzheimer Disease and Associated Disorders 9:6- 14)。α4およびα7サブユニットの突然変異は、神経系のいくつかの疾患を引 き起こす可能性がある。例えば、α4サブユニットの突然変異は、いくつかの形 態のてんかんと関連している(Beckら(1994)Neurobiol.Disease 1:95-99;S teinleinら(1995)Nature Genetics 11:201-203)。また、α7を含有するnACh Rは、精神***病に関連した感覚プロセシング(Freedmanら.(1995)Biol.Psy ch.38:22-33;Rollinsら(1995)Schizophr.Res.15:183;Stevensら(1995)Ps ychopharmacol.119:163-170)、細胞保護(Donnelly-Robertsら(1996)Brain Res719:36-44;Akaikeら(1994)Brain Res.644:181-187;Martinら(1994)Drug Dev.Res.31:135-141;Quikら(1994)Brain Res.655:161-167)、および神経 突起の成長および神経支配(Chanら.(1993)Neurosci.56:441-451;Pughら. (1994)J.Neurosci.14:889-896;Freeman(1977)Nature 269:218-222; Broideら.(1995)Neurosci.67:83-94)に関連している可能性がある。 α7サブユニットのTM-2領域を含むスプライス変異体がウシクロム親和性細胞 内で検出されており(Garcia-Guzmanら(1995)Eur.J.Neurosci.7:647-655) 、また、カエノルハブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)で見 出されるα7サブユニットと相同なタンパク質の天然に生じる突然変異は神経変 性を招く(Treininら(1995)Neuron 14:871-877)。後者は、ニワトリα7のバ リン251からトレオニンへの突然変異(「c-α7V251T」)に類似したTM-2領域内 の単一アミノ酸突然変異であり、α7 nAChR構造およびサブユニット機能の研究 を容易にするためにニワトリα7サブユニット内に人工的に導入されるいくつか の突然変異のうちの1つである(Bertrandら(1995)Sem.Neurosci.7:75-90) 。 ニワトリα7野生型(「c-α7WT」)nAChRと比べて、c-α7V251T(α7-4とも称さ れる)は、高いカルシウム透過性を保有し、遅く脱感受性化し、180倍高いACh感 受性を有していた。また、c-α7V251T nAChRは、通常はα7および他の野生型nA ChRにおけるnAChRアンタゴニストであるジヒドロ-β-エリトロイジン (「DHβE」)に対して、それがあたかもアゴニストであるかのように応答した( Galziら(1992)Nature 359:500-505;Bertandら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci .USA 90:6971-6975)。これらの研究から、孔を裏打ちするTM-2領域の構造を大 まかに示すモデルが導かれ、また、TM-2領域内の特定の突然変異が、正常な受容 体活性化状態に加えて受容体脱感作状態で電流を伝導するリガンド依存性イオン チャンネルを生成しうるという仮説が導かれた(Bertrandら(1995),前掲;Bertr andら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1261-1265;Galziら(1995)Neurop harmacol.34:563-582)。 ニワトリα7 nAChRは咄乳類α7 nAChRと薬理学的に類似しているが、重大な 相違がいくつかある。例えば、1,1-ジメチル-4-フェニルピペラジニウム(「DMP P」)は、ニワトリα7 nAChRにおいては非常に弱い部分アゴニストであるが、 ヒトα7 nAChRにおいては非常に有効なアゴニストである(Pengら(1994)Mol.Ph armacol.45:546-554)。これらの相違があるものの、ニワトリα7 nAChRにおけ るアミノ酸の変化に類似したヒトα7 nAChRにおけるアミノ酸の変化(特に、決 定的に重要なTM-2アミノ酸におけるもの)は、同様の薬理学的および電気生理学 的変化を 引き起こすと予想されるであろう。発明の概要 本発明は、対応するニワトリ受容体変異体に対する類推でバリン274を変化さ せた変異ヒトα7サブユニットに関する。この変異体は、TM-2領域内のアミノ酸 置換の相対位置に関してニワトリα7V251T変異体と類似している。しかしながら 、該変異ヒトα7サブユニットは、予想外に異なる薬理学的および電気生理学的 特性を示す。 α7サブユニットはそれ自体で合体するほか、他のサブユニットとも合体して 種々のニコチン性アセチルコリン受容体を形成することが可能である。他のクラ スの受容体の成分として同定することができる又はできない更に別のタンパク質 との合体の可能性は、必ずしも除外されるわけではない。 したがって、1つの実施形態において、バリン274が置換された変異ヒトα7 サブユニットをコードするDNA分子を提供する。 もう1つの実施形態においては、そのようなDNA分子を含んでなる組換えベク ターを提供する。 もう1つの実施形態において、本発明は、バリン274が置換 されたヒトα7サブユニット変異体に関する。 さらにもう1つの実施形態において、本発明は、該DNAにコードされるメッセ ンジャーRNA、該DNAまたはその断片を含むベクターで形質転換またはトランスフ ェクトされた組換え宿主細胞、およびそのような細胞を使用する神経変性過程、 酵素機能不全、情動障害および免疫機能の治療用の組換えポリペプチドの製造法 に関する。 もう1つの実施形態においては、神経変性過程、酵素機能不全、情動障害およ び免疫機能などの状態の治療に有用なアンタゴニスト、アンチセンスポリヌクレ オチドなどの化合物を提供する。これらの化合物およびアンチセンスポリヌクレ オチドを使用して個体を治療する方法も提供する。 さらにもう1つの実施形態においては、該α7変異体を検出するための方法お よび試薬を提供する。 さらにもう1つの実施形態において、本発明は、該α7変異体を製造するため に細胞内で該ヒトα7サブユニット変異体を発現させる方法に関する。 さらにもう1つの実施形態において、本発明は、該サブユニットまたは該サブ ユニットを含有する受容体を改変する化合物 の同定方法、およびそのような細胞を使用して細胞保護性化合物を同定する方法 に関する。 本明細書の開示を考慮すれば、本発明のこれらの及び他の実施形態は当業者に 容易に認識されるであろう。図面の簡単な説明 図1は、ポリメラーゼ連鎖反応を用いてヒトα7V274T AChR突然変異DNAを得る ための方法を示す。 図2A〜2Cは、V274T突然変異を含有するヒトα7cDNAのヌクレオチド配列(配 列番号1)を示す。トレオニン突然変異は太字で示されており、制限部位EcoRVお よびKpn1には下線が付されている。また、該cDNAから導き出したヒトα7V274Tサ ブユニット変異体の推定アミノ酸配列(配列番号2)も示されている。V274T改変 には下線が付されている。 図3では、アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞内で発現されたヒトα7V2 74T nAChR(黒塗り記号)およびヒトα7野生型nAChR(白抜き記号)におけるAC h(菱形)、(-)-ニコチン(丸印)、GTS-21(上向き三角)およびABT-089(下向 き三角)に関する濃度−応答関係を図式的に比較している。 図4は、AChによる活性化およびヒトα7V274T応答の減衰速 度を、ヒトα7WT AChRの場合と比較して図示する。 図5は、nAChRアンタゴニストに対するヒトα7V274Tの応答を図示し、図中、M ECはメカミラミン(10M)、MLAはメチルリカコニチン(10nM)、DHβEはジヒド ロ-β-エリトロイジン(10M)を示す。0-アゴニスト対照は、薬物を含有しない浴 溶液(bathing solution)であり、それを20秒間適用した。わずかな0-アゴニスト 対照応答が、各ヒトα7V274T卵母細胞で測定されたため、データをまとめる際に アゴニスト応答から差し引いた。 図6は、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)内で発現したヒトα7V274Tの 、10μM AChに対する応答の電流対電圧の関係を図示しており、図中、丸印は、C a2+依存性二次応答の活性化を妨げるために10mM Ba2+を含有する改変Barth溶液( 90mM NaCl,1mM KCl,0.66mM NaNO3,10mM BaCl2,2.4mM NaHCO3,2.5mMピルビ ン酸ナトリウムおよび10mM Na-HEPESバッファー,最終pH7.55)内で測定された応 答を表し(Briggsら(1995)Neuropharmacol.34:583-590を参照されたい)、三角 形は、Galziら(1992)Nature 359:500-505の条件を追試するためにアトロピン を含有する「OR2」溶液(82.5mM NaCl,2.5mM KCl,2.5mM CaCl2,1mM MgCl2,0.5M アトロピン,5mM Na-HEPESバッファー,最終 pH7.4)内で測定された応答を表す。 図7は、α7 nAChR選択的リガンドである[125I]α-ブンガロトキシンの、変 異ヒトα7V274TでトランスフェクトされたHEK-293クローンに対する特異的結合 を図示する。発明の詳細な説明 特に示さない限り、本発明の実施においては、当業者の技量の範囲内に含まれ る、分子生物学、微生物学、組換えDNA技術、電気生理学および薬理学の通常の 技術を用いる。そのような技術は、文献中に十分に説明されている。例えば、Sa mbrook,Fritsch & Maniatis,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2 版(1989);DNA Cloning,Vols.IおよびII(D.N.Glover編1985);Perbal,B.,A Practical Guide to Molecular Cloning(1984);the series,Methods In Enzymo logy(S.ColowickおよびN.Kaplan編,Academic Press,Inc.);Transcription a nd Translation(Hamesら編1984);Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells( J.H.Millerら編(1987)Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor ,N.Y.);Scopes,Protein Purification:Principles and Practice(第2版,Spr inger-Verlag);およびPCR:A Practical Approach(McPhersonら編 (1991)IRL Press)を参照されたい。 本明細書において前記または後記で引用されているすべての特許、特許出願お よび刊行物は、それらの全体を参照により本明細書に組み入れることとする。 本明細書および添付の請求の範囲で用いる名詞は、意味内容から明らかに単数 である場合を除き、単数および複数の両方を含む。したがって、例えば、「増幅 プライマー」に対する言及は、2以上のそのようなプライマーを含み、「受容体 サブユニット」に対する言及は、1個を超えるそのようなサブユニットを含む。A .定義 本発明の説明においては、以下の用語を使用し、それらは、以下に示すとおり に定義されるものとする。 「AChR」なる語は、神経伝達物質アセチルコリン(「ACh」)の受容体を意味 する。AChRは、大まかには、ニコチン性またはムスカリン性として下位区分され る。これらの型は、それらの薬理学的性質、構造およびシグナル伝達メカニズム において異なる。 「nAChR」なる語は、ニコチン性アセチルコリン受容体を意味 する。種々のサブユニット構造のnAChRが、筋細胞、ニューロンおよびクロム親 和性細胞において最もよく知られているが、それらは必ずしも他の細胞型(例え ば、グリア細胞、肥満細胞、血液細胞、繊維芽細胞など)から除外されるわけで はない。 「nAChRサブユニット」なる語は、nAChRの形成において、他の該分子と合体し うるタンパク質性分子を意味する。例えば、筋nAChRは、4つの型の膜貫通サブユ ニットからなる五量体(2つはα1サブユニット、1つはβ1サブユニット、1つ はδサブユニット、そして1つはnAChRの形態に応じてγまたはεサブユニット である)であると考えられている。ニューロンnAChRも同様に、五量体であると 考えられており、関連しているが異なるサブユニットからなると考えられている 。現在のところ、8個のニューロンαサブユニット(α2-α9)および3個のニュ ーロンβサブユニット(β2-β4)が単離されている。いくつかのニューロンnAC hRは、機能的な複合体(すなわち、AChまたは他のアゴニストに対するイオンチ ャンネル応答)のためには少なくとも1個のαサブユニットおよび少なくとも1 個のβサブユニットを必要とするらしい。しかしながら、アフリカツメガエル( Xenopus)卵母細胞内およびトランスフェクト化哺乳類細 胞内のα7nAChRの場合と同様に、いくつかのサブユニットは自己集合して「ホ モオリゴマー性」nAChRを形成する可能性がある。nAChRサブユニットと他の型の 受容体(例えば、他のクラスのリガンド依存性イオンチャンネル)に関連したサ ブユニットとの組合せは実証されていないが、本発明の範囲内においてはそのよ うな組合せが可能である。 「野生型」(「WT」と略称される)なる語は、天然に存在する典型的な通常の 又は最も一般的な形態を意味する。本発明で用いるヒト野生型α7nAChRは、Dou cette-Stammら(1993)DrugDev.Res.30:252-256に記載されている。形態「α7Xn nnO」の略語は、野生型配列に対してnnn位に位置するアミノ酸Xがアミノ酸Oで 置換されたα7サブユニットを意味する。したがって、ニワトリα7V251T nAChR は、野生型受容体の251位に位置するバリンがトレオニンで置換されたニワトリ α7nAChRを意味する。 「ニコチン性コリン作動性アゴニスト」は、ニコチン性アセチルコリン受容体 に結合しそれを活性化する化合物である。「活性化」は、1以上の薬理学的、生理 学的または電気生理学的応答の惹起を意味する。そのような応答には、細胞膜脱 分極およ びCa2+および他の陽イオン透過性の増加が含まれるが、これらに限定されるもの ではない。 「ニコチン性コリン作動性アンタゴニスト」は、ニコチン性アセチルコリン受 容体に結合しアゴニストが該受容本を活性化するのを妨げる物質である。純粋な アンタゴニストは該受容体を活性化しないが、いくつかの物質はアゴニストとア ンタゴニストとの混合特性を有することがある。ニコチン性コリン作動性チャン ネルブロッカーは、ニコチン性アセチルコリン受容体チャンネルを通過する電流 をアゴニストが惹起する能力を阻止するが、それを行なうのは、アゴニストが該 受容体に結合しそれを活性化するのを妨げることによってではなく、チャンネル を遮断することによる。 「ニコチン性コリン作動性モジュレーター」は、古典的アゴニスト結合部位以 外の1以上の部位での相互作用によりニコチン性アセチルコリン受容体の活性に 影響を及ぼす物質である。該モジュレーターは、それ自体が受容体活性を増加ま たは減少させることが可能であり、あるいはそれ自体はチャンネル電流の明白な 変化を惹起することなく、アゴニスト活性に影響を及ぼす(例えば、応答を増強 する)ことが可能である。単一の物 質が、ニコチン性アセチルコリン受容体サブタイプによって異なる特性を有する ことが可能であり、例えば、1つの受容体においてはアゴニストであり、もう1 つの受容体においてはアンタゴニストであったり、あるいは1つの受容体におい てはアンタゴニストであり、もう1つの受容体においてはチャンネルブロッカー であることが可能である。 「nAChR調節体」は、アゴニスト、アンタゴニスト、チャンネルブロッカーま たはモジュレーターとして作用しうる物質を意味する。 本発明で用いる「ポリヌクレオチド」なる語は、リボヌクレオチドまたはデオ キシリボヌクレオチドの、任意の長さのヌクレオチドの重合形態を意味する。こ の用語は、該分子の一次構造のみをさす。したがって、該用語は、二本鎖および 一本鎖のDNAならびに二本鎖および一本鎖のRNAを含む。また、それは、該ポリヌ クレオチドのメチル化体またはキャップ形成体などの修飾体、および非修飾形態 を含む。 「変異(体)」なる語は、1以上のヌクレオチドにおいて関連野生型配列とは 異なるオリゴヌクレオチド配列を表すために使用する。そのような変異オリゴヌ クレオチドは、タンパク質 変異体(これは、本発明で用いる場合には、1以上のアミノ酸の置換、挿入また は欠失において野生型ポリペプチドとは異なるポリペプチド配列を示す)として 発現される。変異ポリペプチドは、一次構造(アミノ酸配列)においては野生型 と異なるが、二次もしくは三次構造または機能においては野生型と有意に異なる 又は異ならないことが可能である。 「突然変異体」なる語は、一般には、遺伝子または染色体の変化の結果として 新たな遺伝的特性または表現型を示す生物または細胞を意味する。しかしながら 、場合によっては、「突然変異(体)」は、変異タンパク質またはオリゴヌクレ オチドに関して用いることが可能であり、「突然変異」は、該変異本を与える変 化を意味することがある。 「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本発明では互換的に用い、ペプチ ド結合で結合したアミノ酸の分子鎖を示す。これらの用語は、特定の長さの該産 物を意味するものではない。したがって、ポリペプチドの定義には、ペプチド、 オリゴペプチドおよびタンパク質が含まれる。これらの用語は、該ポリペプチド の翻訳後修飾、例えばグリコシル化、アセチル化、リン酸化などを含む。また、 タンパク質断片、類似体、突然変異ま たは変異タンパク質、融合タンパク質などが、ポリペプチドの意義に含まれる。 本発明で用いる「機能的に保存された突然変異」は、誘導体ポリペプチドをコ ードするポリヌクレオチドの変化であって、該誘導体の出発ポリペプチドの活性 と比べて活性を実質的に変化させない変化を意味する。そのような誘導体は、例 えば、その特性に実質的に影響を及ぼさない、関連分子内のアミノ酸の挿入、欠 失または置換を有することが可能である。例えば、該誘導体には、同類アミノ酸 置換、例えば、置換されるアミノ酸の全体の電荷、疎水性/親水性、側鎖部分お よび/または立体的嵩高さ(stearic bulk)を維持する置換、例えば、Gly/Ala 、Val/Ile/Leu、Asp/Glu、Lys/Arg、Asn/Gln、Thr/SerおよびPhe/Trp/Tyrを含め ることが可能である。 「構造的に保存された突然変異体」なる語は、核酸配列の変化を含有するが該 縮重変異体が由来するポリヌクレオチドにコードされるポリペプチドと同じアミ ノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを意味する。これ は、特定のアミノ酸が該ポリヌクレオチド内の2以上の「コドン」(すなわち3 ヌクレオチドの配列)にコードされることが可能なこ とにより生じうる。 「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞系」、「細胞培養」お よび単細胞体として培養された微生物または高等真核細胞系を示す他のそのよう な用語は、組換えベクターまたは他の導入DNAのレシピエントとして使用されう る又は使用されている細胞を意味し、該DNAを該細胞内に導入する方法またはそ れにより生じる該細胞の性質には無関係である。これらの用語は、トランスフェ クトされた元の細胞の後代を含む。初代培養内の細胞、および卵母細胞などの細 胞も、レシピエントとして使用することができる。 「ベクター」は、別のポリヌクレオチドセグメントが結合して例えば該結合セ グメントの複製および/または発現を引き起こすレプリコンである。この用語は 、発現ベクター、クローニングベクターなどを含む。 「コード配列」は、mRNAに転写され及び/又はポリペプチドに翻訳されるポリ ヌクレオチド配列である。該コード配列の境界は、5'末端の翻訳開始コドンと、 3'末端の翻訳停止コドンとにより定められる。コード配列には、mRNA、cDNAおよ び組換えポリヌクレオチド配列を含めることが可能であるが、これらに 限定されるものではない。変異体または類似体は、コード配列の一部の欠失、配 列の挿入および/または該配列内の1以上のヌクレオチドの置換により調製する ことができる。ヌクレオチド配列を修飾するための技術(例えば、部位特異的突 然変異誘発)は、当業者によく知られている。例えば、Sambrookら,前掲;DNA Cloning,Vols.IおよびII,前掲;Nucleic Acid Hybridization,前掲を参照 されたい。 「機能しうる形で連結(された)」は、記載されている成分が、それらの意図 される様態で機能しうる関係で存在している状況を意味する。したがって、例え ば、コード配列に「機能しうる形で連結」している制御配列は、該制御配列に適 合しうる条件下で該コード配列の発現が達成されるように連結されている。コー ド配列は、ポリヌクレオチドの転写を指令して該ポリヌクレオチドを宿主細胞内 で発現させる制御配列に、機能しうる形で連結させることができる。 「トランスフェクション」なる語は、宿主細胞内に外因性ポリヌクレオチドを 挿入することを意味し、その導入に用いる方法や、挿入するポリヌクレオチドの 分子形態には無関係である。ポリヌクレオチド自体の挿入および外因性ポリヌク レオチドか らなるプラスミドまたはベクターの挿入が含まれる。外因性ポリヌクレオチドは 、該細胞により直接的に転写され翻訳されたり、非組込みレプリコン(例えば、 プラスミド)として維持されることが可能であり、あるいは宿主ゲノム内に組込 まれることが可能である。「トランスフェクション」は、一般には、真核細胞に 関して使用し、一方、「形質転換」なる語は、原核細胞内へのポリヌクレオチド の挿入を表すために使用する。また、真核細胞の「形質転換(トランスフォーメ ーション)」は、癌または腫瘍状態の形成をも意味する。 ポリヌクレオチドまたはポリペプチドに関して言及する場合の「単離(された )」なる語は、分子が、類似した他の生物学的巨大分子の実質的に不存在下で存 在することを意味する。本発明で用いる「単離(された)」なる語は、組成物の 少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%、一層好ましくは少な くとも95重量%、最も好ましくは少なくとも98重量%が、単離されたポリヌクレ オチドまたはポリペプチドであることを意味する。ある特定のポリペプチドをコ ードする「単離(された)」ポリヌクレオチドは、該ポリペプチドをコードしな い他の核酸分子を実質的に含まないポリヌクレオチドを意 味するが、該分子には、本明細書中に定義する機能的および/または構造的に保 存された突然変異を含めることが可能である。 本明細書全体においては、以下の1文字アミノ酸略語を使用する。 アラニン A アルギニンR アスパラギン N アスパラギン酸 D システイン C グルタミン Q グルタミン酸 E グリシン G ヒスチジン H イソロイシン I ロイシン L リシン K メチオニン M フェニルアラニン F プロリン P セリン S トレオニン T トリプトファン W チロシン Y バリン VB .一般的方法 変異ヒトα7サブユニット、該変異サブユニットをコードするポリヌクレオチ ド、および変異サブユニットの製造法を、本発明で提供する。本発明は、変異サ ブユニットだけでなく、該変異サブユニット、該変異サブユニットを発現する細 胞を使用 して化合物をスクリーニングする方法も含む。 1つの好ましい実施形態では、該ポリヌクレオチドは、野生型α7サブユニッ トのバリン274が置換されたヒトα7サブユニット変異体をコードする。好まし くは、該ポリヌクレオチドは、バリン274がトレオニン(または例えばトレオニ ンの代わりにセリンを用いる同類置換)で置換されたヒトα7サブユニットをコ ードする。 ヒトα7変異nAChRは、構造的に関連した他のnAChRに対して類似した特性およ び予想外に異なる特性の両方を示す。例えば、ニワトリα7V251T変異体の場合と 同様に、ヒトα7V274Tは、ヒト野生型α7nAChR応答と比べて、コリン作動性ア ゴニストの減衰に対して遅く応答する。また、ヒトα7V274Tは、野生型と比べて 約2桁高いコリン作動性受容体アゴニスト(例えば、ニコチンおよびACh)感受 性を有する。 ヒトα7V274Tは、ジヒドロ-β-エリトロイジン(DHβE)により、弱く活性化 され、一方、ニワトリα7V251Tは強力に活性化される点で、ヒトおよびニワトリ 受容体変異体は薬理学的に異なる(図5およびGalziら.(1992))。ニューロン ニコチン性受容体のチャンネルドメイン内の突然変異は、イオン選択性 を陽イオン性から陰イオン性へ変換する(Nature 359:500-505)。また、d-ツボ クラリンは、関連するニワトリα7L247T突然変異体の活性化物質と比べると、ヒ トα7V274Tの強力なアゴニストである(Bertrandら(1992)Unconventionalphar macology of a neuronal nicotinic receptor mutated in the channel domain .Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)89:1261-1265)。ヒトα7受容体変異体 およびニワトリα7受容体変異体は、電気生理学的にも異なっている。例えば、 強い内向き整流性を示すニワトリおよびヒトの両方のα7野生型nAChR(Galziら (1992),前掲およびBriggsら(1995)Neuropharmacol.34:583-590)とは異なり 、ニワトリα7V251T nAChRは内向き整流性を示さない(Galziら.(1992))。ヒ トα7V274T nAChRは、ニワトリα7V251T nAChRとは異なり、野生型受容体と同様 にOmV以上で整流する(図6)。 ヒト変異体α7nAChRサブユニットをコードするDNAは、ゲノムまたはcDNA(合 成により、またはいくつかの技術の組合せにより調製されたもの)に由来するも のであることが可能である。ついで、当技術分野でよく知られている方法を用い て、ヒト変異体α7nAChRサブユニットを発現させるために、あるい はRNAの調製のための鋳型として、該DNAを使用することができる(Sambrookら, 前掲)。 所望のDNAを得るための1つの方法は、Doucette-Stammら(1993),前掲に記載 のとおり、野生型ヒトα7nAChRサブユニットをコードするcDNAを単離すること を含む。ついで、このようにして得た野生型cDNAを、ポリメラーゼ連鎖反応(「 PCR」)および突然変異プライマー配列を用いて修飾し増幅して、ヒト変異体α 7nAChRサブユニットをコードするDNAを得る。より詳しくは、PCRでは、野生型D NA分子内の所望の配列の反対末端とマッチする短いオリゴヌクレオチドプライマ ー(一般には、10〜20ヌクレオチド長)を使用する。該プライマー間の配列は、既 知でなくてもよい。最初の鋳型は、RNAまたはDNAのいずれかであることが可能で ある。RNAを使用する場合には、まず、それをcDNAに逆転写させる。ついで加熱 などの良く知られている技術を用いて該cDNAを変性させ、適当なオリゴヌクレオ チドプライマーをモル過剰で加える。 突然変異を保持するプライマーは、野生型プライマー−ポリヌクレオチド二重 らせんの温度より若干低い温度で、該野生型ポリヌクレオチドにハイブリダイズ することになる。プライマ ーの長さ及び塩基組成を比較的狭い範囲内に維持することにより、また、突然変 異塩基を中央の位置に維持することにより、プライマーを特異的なものとするこ とができる(Zolerら(1983)Meth.Enzymol.100:468)。プライマー伸長は、 デオキシヌクレオチド三リン酸またはヌクレオチド類似体の存在下でDNAポリメ ラーゼを使用して行なう。得られた産物は、元の鎖の新たに合成された相補体に 共有結合したそれぞれのプライマーを、それらの5'末端に含む。該産物が十分に 増幅されるまで、複製された分子を再び、変性、プライマーに対するハイブリダ イゼーションなどに付す。そのようなPCR法は、例えば、米国特許第4,965,188号 、第4,800,159号、第4,683,202号、第4,683,195号(それらの全体を参照により 本明細書に組み入れることとする)に記載されている。該PCRの産物をクローニ ングし、プライマー伸長鎖の分離により誘導された突然変異DNAを含有するクロ ーンを選択する。該突然変異プライマーをハイブリダイゼーションプローブとし て使用して、選択を行なうことができる。 別法として、適当なDNAライブラリーから野生型DNAを得ることができる。DNA ライブラリーは、Grunsteinら(1975)Proc. Natl.Acad.Sci.USA 73:3961に記載の方法によりプローブすることができる。 もう1つの別法として、ヒトRNAから出発するRT-PCR(逆転写ポリメラーゼ連 鎖反応)アプローチにより、α7V274T変異体を得ることが可能であろう。例えば 、標準的な逆転写法により、鋳型としてのヒトRNA(約1.5g)から一本鎖cDNAを 合成する。ついで該cDNAを2つのセグメントにおいて増幅し、PCRおよび2対の プライマーを用いて突然変異を導入する。内部プライマーは、野生型の274位バ リン(V)の代わりにトレオニン(T)のコドンまたは他の所望の変化を保持する ように設計する(後記実施例1および図1も参照されたい)。α7V274Tの完全長 コード配列を再増幅するために、3および5末端プライマーを使用して、それら の2つのPCR反応の産物を一緒にする。これは、ヒト脳鋳型からα7V274Tを得る 唯一の例である。 合成オリゴヌクレオチドは、例えばWarner(1984)DNA3:401に記載の自動オリ ゴヌクレオチド合成装置を用いて調製することができる。所望により、該合成鎖 を32Pで標識することが可能であり、これは、該反応のための標準的な条件を用 いて32P-ATPの存在下にポリヌクレオチドキナーゼで処理することにより行 なうことができる。DNA配列(ゲノムまたはcDNAライブラリーから単離したものを 含む)は、Zoller(1982)Nucleic Acids Res.10:6487に記載の部位特異的突然 変異誘発などの公知方法により修飾することができる。簡単に説明すると、修飾 するDNAを、一本鎖配列としてファージ内にパッケージングし、修飾するDNA部分 と相補的で所望の修飾をそれ自体の配列内に有する合成オリゴヌクレオチドをプ ライマーとして使用して、DNAポリメラーゼで二本鎖DNAに変換する。該ファージ の各鎖の複製体を含有する形質転換細菌の培養物を寒天内にプレーティングする 。理論的には、新たなプラークの50%が、突然変異配列を有するファージを含有 し、残りの50%は元の配列を有する。未修飾配列にはハイブリダイズせずに正し い鎖にハイブリダイズするのに適した温度および条件で、プラークの複製体を標 識合成プローブにハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションにより同定さ れた配列を回収し、クローニングする。あるいは、小さな相違の変異体を野生型 からハイブリダイゼーションにより識別するのが困難な場合には、配列分析によ りクローンを同定することが必要かもしれない。いずれの場合も、該DNAを配列 から確認することになろう。 ついで、該DNAが得られたら、それをクローニングベクターまたは発現ベクタ ー内に取込ませて、適当な宿主細胞内で複製する。ベクターの構築には、当技術 分野で公知の方法を用いる。一般には、商業的に入手可能な制限酵素の製造業者 が一般に指定している条件下、適当な制限酵素で処理することにより、部位特異 的DNA切断を行なう。制限酵素と共にインキュベートした後、抽出によりタンパ ク質を除去し、沈殿により該DNAを回収する。切断されたその断片は、例えば、 当業者に公知の方法に従いポリアクリルアミドまたはアガロースゲル電気泳動法 を用いて分離することができる。 大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼ1(クレノウ)を、該混合物中に存在する 適当なデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)の存在下で使用して、付着末端の 切断断片を平滑末端化することができる。また、S1ヌクレアーゼでの処理により 、いずれかの一本鎖DNA部分を加水分解することも可能である。 連結反応は、T4 DNAリガーゼおよびATPを使用して標準的なバッファーおよび 温度条件を用いて行なう。あるいは、連結反応を妨げるために、望ましくない断 片の制限酵素消化を用いることができる。 標準的なベクター構築物は、一般には、特異的抗生物質耐性要素を含む。連結 反応混合物を適当な宿主中に形質転換し、望みどおりに得られた形質転換体を抗 生物質耐性または他のマーカーにより選択する。ついで該形質転換体からのプラ スミドを、通常は、Clewellら(1972)J.Bacteriol.110:667において報告され ている以下のクロラムフェニコール増幅による当業者に公知の方法に従い調製す ることができる。該DNAを単離し、通常は制限酵素分析および/または配列決定 により分析する。配列決定は、よく知られているSangerら(1977)Proc.Natl. Acad.Sci.USA 74:5463のジデオキシ法(さらにMessingら(1981)Nucleic Aci d Res.9:309に記載されている)により、またはMaxamiら(1980)Meth.Enzymo l.65:499に報告されている方法により行なうことができる。GCに富む領域で時 々認められるバンド圧縮(band compression)の問題は、例えば、Barrら(1986) Biotechniques 4:428において報告されている方法に従いT-デアゾグアノシンま たはイノシンを使用することにより克服される。 クローニングベクターまたは発現ベクターであることが可能な本発明のベクタ ーで、宿主細胞を遺伝的に操作する。該ベク ターは、プラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形態であることが可能であ る。プロモーターを活性化するために、あるいは形質転換体/トランスフェクト 体を選択するために、あるいは該サブユニットをコードするポリヌクレオチドを 増幅するために適宜修飾された通常の栄養培地内で、その操作された宿主細胞を 培養することができる。温度、pHなどの培養条件は、一般には、発現用に選択さ れた宿主細胞で既に用いられているものと同様であり、当業者には明らかであろ う。 所望のコード配列の発現のためには、原核性および真核性の両方の宿主細胞を 使用することが可能であり、適宜、示されている宿主に和合性の制御配列を用い る。例えば、原核性宿主のなかでは、大腸菌(Escherichia coli)が頻繁に使用 される。また、例えば、原核生物用の発現制御配列には、オペレーター部分を所 望により含有するプロモーター、およびリボソーム結合部位が含まれるが、これ らに限定されるものではない。原核性宿主に和合性の導入用ベクターは、例えば 、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性を付与するオペロンを含有するプラ スミドpBR322、および抗生物質耐性マーカーを付与する配列を同様に含有する種 々のpUCベクターから誘導することができる。 これらのマーカーを使用して、望みどおり生成した形質転換体を選択により得る ことができる。一般に使用される原核性制御配列には、ラクトースオペロン系( Changら(1977)Nature 198:1056)、トリプトファンオペロン系(Goeddelら(1 980)Nucleic Acid Res 8:4057において報告されている)、およびλ由来P1プロ モーターおよびN遺伝子リボソーム結合部位(Shimatakeら(1981)Nature 292:1 28)、ならびにtrpおよびlac UV5プロモーターの配列に由来するハイブリッドTa cプロモーター(DeBoerら(1983)Proc Natl.Acad.Sci.USA292:128)が含ま れるが、これらに限定されるものではない。前記の系は、特に大腸菌に和合性で あるが、所望により、バシラス(Bacillus)株まだはシュードモナス(Pseudomo nas)株などの他の原核性宿主を使用することが可能である。 真核性宿主には、酵母および哺乳類細胞(培養系内のもの)が含まれる。ピキ ア・パストリス(Pichiapastoris)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomy ces cerevisiae)およびエス・カールスベルゲンシス(S.carlsbergensis)が 、一般に使用される酵母宿主である。酵母に和合性のベクターは、栄養要求突然 変異体に対する原栄養性または重金属に対する耐性を野 生型株に付与することにより望みどおりの形質転換体の選択を可能にするマーカ ーを保持する。酵母和合性ベクターは、2-μ複製起点(Broachら(1983)Meth. Ellzymol.101:307)、CEN3とARS1との組合せ、または複製を確実にするための 他の手段、例えば、宿主細胞ゲノム内への適当な断片の取込みを引き起こす配列 を用いることが可能である。酵母ベクター用の制御配列は、当技術分野で公知で あり、解糖酵素の合成のためのプロモーター、例えば3-ホスホグリセリン酸キナ ーゼ用のプロモーターなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。例 えば、Hessら(1968)J.Adv.Enzyme Reg.7:149、Hollandら(1978)Biochemi stry 17:4900およびHitzeman(1980)J.Biol.Chem.255:2073を参照されたい 。例えば、いくつかの有用な制御系としては、グリセルアルデヒド-3-リン酸デ ヒドロゲナーゼ(GAPDH)プロモーターまたはアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH )調節可能プロモーター、同様にGAPDHに由来するターミネーター、および分泌 が望ましい場合には酵母α因子由来のリーダー配列を含む制御系が挙げられる。 また、機能しうる形で連結された転写調節領域および転写開始領域は、野生型生 物内で天然に結合していない形態であることが可能である。 発現用の宿主として利用可能な哺乳類細胞系は、当技術分野で公知であり、Am erican Type Culture Collectionなどの寄託機関から入手可能である。これらに は、HeLa細胞、ヒト胎児腎(HEK)細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細 胞、乳児ハムスター腎(BHK)細胞などが含まれるが、それらに限定されるもの ではない。また、哺乳類細胞に適したプロモーターは、当技術分野で公知であり 、例えばシミアンウイルス40(SV40)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、アデノウ イルス(ADV)、ウシパピローマウイルス(BPV)、サイトメガロウイルス(CMV )に由来するウイルスプロモーターなどが挙げられる。また、哺乳類細胞はター ミネーター配列およびポリA付加配列を必要とする可能性があり、発現を増強す るエンバンサー配列を含むことが可能であり、該遺伝子の増幅を引き起こす配列 も望ましいかもしれない。これらの配列は当技術分野で公知である。哺乳類細胞 内での複製に適したベクターは、ウイルスレプリコンを含むことが可能であり、 あるいは変異体α7nAChRサブユニットをコードする適当な配列の、宿主ゲノム 内への組込みを保証する配列を含むことが可能である。nAChR用の哺乳類発現系 の一例は、Gopalakrishnanら(1995)Stable expression and pharmacological properties of the human α 7 nicotinicacetylchol ine receptor.Eur.J.Pharmacol.-Mol.Parmacol.290:237-246に記載され ている。 他の真核系も公知であり、両生類細胞(Briggsら(1995)Neuropharmacol.34 :583-590に記載の方法を用いる)、昆虫細胞(SummersおよびSmith,Texas Agri cultural Experiment Station Bulletin No.1555(1987)に記載の方法を用いる )などの系内へポリヌクレオチドを導入するための方法が公知である。 バキュロウイルス発現系を用いて、高レベルの組換えタンパク質を昆虫宿主細 胞内で得ることが可能である。この系は、哺乳類細胞と同様に該タンパク質を翻 訳後プロセシングしながら、高レベルのタンパク質を発現するのを可能にする。 これらの発現系は、バキュロウイルスの感染後に活性化されて昆虫細胞内でのク ローン化遺伝子の発現を駆動するウイルスプロモーターを用いる(O'Reillyら(1 992),Baculovirus Expression Vectors:A.Laboratory Manual,IRL/Oxford University Press)。 トランスフェクションは、ポリヌクレオチドをウイルス内に パッケージングしたり、宿主細胞によるポリヌクレオチドの直接取込みによりウ イルスを宿主細胞に導入するなどの、ポリヌクレオチドを宿主細胞内に導入する ための公知の任意の方法であることが可能であり、これらの方法は当業者に公知 である。選択するトランスフェクション法は、トランスフェクトする宿主に左右 され、通常の実施者により決定される。 変異受容体サブユニットの発現は、該受容体に選択的な放射性リガンドを使用 して検出することができる。例えば、ニコチン性コリン作動性受容体の場合には 、そのようなリガンドは、[125I]α-ブンガロトキシンであることが可能である 。しかしながら、当技術分野で公知の任意の放射性リガンド結合技術を用いて、 該受容体サブユニットを検出することができる(例えば、Winzorら(1995)Quan titative Characterization of Ligand Binding,Wiley-Liss,Inc.,NYを参照 されたい)。 硫安またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグ ラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラ フィー、レクチンクロマトグラフィーなどの公知方法により、変異nAChRポリペ プチドを、それを発現する組換え宿主細胞培養から回収し、精製する。必 要に応じて、該タンパク質の立体配置を完全なものにするために、タンパク質の リフォールディング工程を行なうことが可能である。最後に、最終的な精製工程 として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いることができる。 また、本発明のヒトα7変異ポリペプチドまたはその断片は、当技術分野で公 知の通常の技術により、例えば固相ペプチド合成などの化学合成により合成する ことができる。一般に、これらの方法では、固相または液相合成法を用いる。例 えば、固相ペプチド合成技術に関しては、J.M.StewartおよびJ.D.Young,So lid Phase Peptide Synthesis,第2版,Pierce Chemical Co.,Rockford,IL(1 984)ならびにG.BaranyおよびR.B.Merrifield,The Peptldes:Analysis,Synth esis,Biology,E.GrossおよびJ.Meienhofer編,Vol.2,Academic Press,Ne w York,(1980),pp.3-254を、古典的な液相合成に関しては、M.Bodansky,Pr inciples of Peptide Synthesis,Springer-Verlag,Berlin(1984)ならびにE .GrossおよびJ.Melenhofer編,The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology ,前掲,Vol.1を参照されたい。 1つの好ましい系においては、所望の変異ヒトα7nAChRサブ ユニットを共にコードするDNAまたはそれに由来するRNAを、アフリカツメガエル (Xenopus laevis)卵母細胞などの細胞内への直接注入により発現させることが できる。この方法を用いて、該DNAまたは該mRNAにコードされるヒトα7nAChRサ ブユニット変異体の機能を以下のとおりに評価することができる(Dascal(1987 )CRC Crit.Rev.Biochem.22:317-387を参照されたい)。変異本をコードする ポリヌクレオチドを卵母細胞内に注入して、機能的受容体サブユニットに翻訳さ せる。発現された変異ヒトα7nAChRの機能は、細胞内電圧記録(intracellular voltage recording)、2電極電圧固定法、パッチクランプ法などの種々の電気 生理学的技術により該卵母細胞内で評価することができる。nAChRに固有の陽イ オン伝導性チャンネルは、AChまたは他のニコチン性コリン作動性アゴニストに 応答して開口し、膜貫通電流の流動を可能にする。この電流は、電圧固定技術に より直接的に、あるいは細胞内電圧記録により間接的にモニターすることができ 、この場合、誘導電流による膜電位の変化が測定される。 nAChR活性をモジュレーションする化合物を同定するために、組換え宿主細胞 内で発現される受容体を使用することができる。 この点に関して、該受容体に対する親和性を示す化合物の結合の特異性は、該受 容体を発現する細胞またはこれらの細胞からの膜に対する該化合物の親和性を測 定することにより示される。これは、該細胞、細胞膜または単離された受容体に 対する標識(例えば放射能標識)された化合物の特異的結合を測定することによ り、あるいは該化合物が基準標識リガンドの特異的結合を置換する能力を測定す ることにより行なうことができる。変異受容体の発現と、これらの細胞または膜 に対する標識リガンドの結合する化合物または該結合を阻害する化合物に関する スクリーニングとにより、該受容体に対する高い親和性を有する化合物の迅速な 選択のための方法が提供される。これらの化合物は、該受容体に対するアゴニス トまたはアンタゴニストであることが可能である。 また、ニコチン性アセチルコリン受容体活性をモジュレーションする化合物( すなわち、ニコチン性コリン作動性アゴニストまたはアンタゴニスト)に関して スクリーニングするために、発現された受容体を使用することができる。nAChR 活性をモジュレーションするための化合物を同定するための1つの方法は、野生 型ヒトα7nAChRポリペプチドのバリン274の位置にアミ ノ酸置換を有する変異ヒトα7ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)ポリ ペプチドを発現する細胞を準備し、試験化合物と該細胞とを一緒にし、該変異受 容体活性に対する該試験化合物の効果を測定することを含む。該細胞は、細菌細 胞、哺乳類細胞、酵母細胞、両生類細胞、または該受容体を発現する他の任意の 細胞であることが可能である。好ましくは、該細胞は、哺乳類細胞または両生類 細胞である。したがって、例えば、試験化合物は、それが適当な応答(例えば、 膜貫通電流流動の刺激)を惹起する能力、またはそれがコリン作動性アゴニスト に対する応答を阻害する能力に関して評価する。 さらに、細胞保護効果を示す化合物をスクリーニングするために、発現された 受容体を使用することができる。膜チャンネルの異常な活性化は、神経変性疾患 の潜在的原因である。この点に関して、ヒトの多数の遺伝的障害は、ニューロン 変性を伴う(Adamsら(1989)Degenerative Disease of the Nervous System,P rinciples of Neurology,McGraw-Hill,NY,pp.921-967)。これらの疾患の 原因を研究するために、多数のモデル系が使用されている。例えば、アミロライ ド感受性ナトリウムイオンチャンネルに関与するタンパク質に対して著しい 配列類似性を有するタンパク質内の突然変異が、線虫シーエレガンス(C.elega ns)における空胞性神経変性に関連している(Canessaら(1993)Nature,361:4 67-470;Callessaら(1994)Nature,367:463-467;Linguegliaら(1993)FEBS L ett318:95-99;およびVoilleyら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:247-25 1)。deg-3タンパク質中のいわゆる「ゲイン・オブ・ファンクション(gain-of- function)」突然変異は、小さな1組のニューロンの空胞性変性を引き起こす( Treininら(1995),前掲)。この突然変異の研究はこれらの検討に対して、ニュ ーロンアセチルコリン受容体内の突然変異が特異的ニューロン集団の死を招く可 能性があると示唆している。 また、感覚ゲーティング(sensory gating)、免疫機能の改変および神経障害 性疼痛(例えば、癌状態、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害およびオセオ関 節炎(oseoarthritis)に関連した疼痛)などの障害の治療に有用な化合物をス クリーニングするために、該α7変異体を使用することができる。さらに、癌細 胞を治療したり又は殺すために、該α7変異体を使用することが可能であろう。 したがって、ニコチン性薬物は、アルツハイマー病、ダウン 症候群、クールー病、パーキンソン病、多系統萎縮症、神経障害性疼痛などを含 む(これらに限定されるものではない)いくつかの神経変性障害の潜在的な治療 剤と考えられ、そのような場合、該薬物は細胞死を遅らすのに有用であろう。野 生型α7nAChRの活性化は、細胞保護特性(例えば、細胞溶解の減少、Donnelly- Robertsら(1996)In bitro neuroprotectiveproperties of the novel c holinergic Channel activator(ChCA),ABT-418.Brain Res.719:36-44を 参照されたい)を惹起するらしい。しかしながら、完全アゴニスト又は部分アゴ ニストのいずれが好ましいのか、また、後者の場合に、どの型の部分アゴニスト (例えば、開口または脱感受性状態を安定化するもの、または該受容体の開口お よび静止状態を安定化するもの)が最良であるかは、未だ最終的には確認されて いない。これらの問題を評価するために、また、リガンドの中から特異的な型の 部分アゴニストまたは特異的な型のアンタゴニストを選択するために、この変異 α7nAChRを使用することができる。それは、開口状態においてのみ伝導する野 生型受容体とは異なり、この変異α7nAChRが脱感受性状態および開口状態にお いて電流を伝導するからである(BertrandおよびChangeux(1995) Nicotinic receptor:An allosteric protein specialized for intercellular c ommunication.Sem Neurosci.7:75-90)。したがって、ヒト変異nAChRサブユニ ットにより、アゴニストの効力は、脱感受性状態に対するアゴニストの親和性と 一致したレベルにまで2桁変化する。さらに、野生型α7nAChRサブユニットに おいて脱感作状態および開口状態を安定化しうるため部分アゴニストであるリガ ンドは、変異体nAChRサブユニットにおいては、それが脱感作状態で伝導しうる ため、増加した効能を有すると予想されるであろう。そのような効力および効能 の変化の例を、ヒトα7V274T nAChRに関して図3に示す。 したがって、α7nAChRリガンドの薬理学的性質は、ヒト変異nAChRサブユニッ トの使用による新規方法で定義することができる。物質は、非伝導性の脱感受性 状態を安定化するそれらの能力のため、あるいは静止状態を安定化したりイオン チャンネルを遮断するなどの他のメカニズムのため、野生型α7nAChRにおいて アンタゴニストであることが可能であろう。同様のメカニズムが、野生型α7nA ChRにおける部分アゴニズムに寄与している可能性があろう。リガンドが脱感受 性状態を安定化する能力は、変異α7nAChR(例えば、ヒトα7V274T)における 該 リガンドの効力および効能を野生型α7nAChRにおけるその効力および効能と比 較することにより評価することが可能であろう。化合物とnAChRとの相互作用は 、膜貫通電流流動または電位の電気生理学的測定、電位感受性色素またはイオン 感受性色素の蛍光の測定、または放射性イオン流動(例えば、22Na+または86Rb+ )の測定を含む(これらに限定されるものではない)いくつかの方法、および種 々のα7nAChR発現系(例えば、培養内のトランスフェクト化哺乳類細胞または 注入された両生類細胞)を用いて同定することができる。α7nAChRの薬理学的 性質のこの新規定義は、細胞または動物の機能に対するα7リガンドの効果の測 定と共に、新規治療剤の開発に決定的に重要となるかもしれない。例えば、α7 nAChRサブユニットの脱感作状態を安定化するリガンド(部分アゴニストまたは アンタゴニスト)が細胞保護に好ましいか否かを判定することが可能であろう。 同様に、認識、記憶、不安、注意、感覚ゲーティング(精神病および精神***病 )などの他のニコチン適用に多少なりとも有用なリガンドの型を、変異α7nACh Rサブユニットを単独で又は他の受容体サブユニットと組合せて使用して評価す ることが可能であろう。 試験化合物のスクリーニングに加えて、細胞傷害および細胞保護のメカニズム を研究するために、発現した変異α7サブユニットを使用することができる。α 7nAChRサブユニットの活性化が細胞保護的であるという証拠は、α7nAChRサブ ユニットを発現する細胞内でnAChRアゴニストが細胞保護を惹起し、この細胞保 護が選択的α7アンタゴニストにより阻害されるという知見から得られる(例え ば、Donnelly-Robertsら,前掲を参照されたい)。そのメカニズムは不明だが、 Ca2+流入の刺激を含んでいる可能性がある。もしそうであれば、持続的な電流の 活性化によるCa2+透過性の維持による変異α7nAChRにより媒介されるCa2+流入 の増加が、細胞保護を増強する可能性がある。一方、過剰な細胞内Ca2+は細胞傷 害性であることが知られているため、変異α7nAChRの過剰な発現または刺激は 、α7変異体に類似したdeg3内の内因性突然変異を保持するシーエレガンス(C .elegans)で観察されるのとおそらく同様の細胞死を引き起こしうるであろう 。あるいはまた、α7nAChRサブユニットは、受容体の状態の変化(例えば、静 止コンホメーションから脱感受性コンホメーションへの変化)に依存したメカニ ズムにより機能することが可能であり、これは、それと他のタンパ ク質との相互作用に影響を及ぼすが、イオン流動または電位の変化には必ずしも 左右されない可能性がある。変異α7nAChRサブユニットは、そのようなメカニ ズムの決定において決定的に重要であろう。なぜなら、それは、異なる受容体状 態を促進するリガンドを同定することを可能にし、また、それは、nAChRのコン ホメーションやリガンドの結合とは無関係にnAChRチャンネル電流を操作するた めの手段を提供するからである。 変異nAChRと相互作用する細胞保護性または細胞傷害性化合物は、いくつかの 方法を用いて同定することができる。1つのそのような方法は、野生型ヒトα7n AChRポリペプチドのバリン274の位置にアミノ酸置換を有する変異ヒトα7nAChR サブユニットを発現する細胞を準備し、試験化合物と該細胞とを一緒にし、細胞 傷害性の指標に関して該細胞をモニターすることを含む。変異nAChRサブユニッ トの自発的作用を制御する必要がある場合には、それを、誘導プロモーターの制 御下の組換え哺乳類細胞系(例えば、イソプロピルチオガラクトシド(「IPTG」 )により誘導可能なLacSwithch系)内で安定に発現させることができる。変異α 7nAChRサブユニット発現は、IPTGの添加により誘導されるまでは低レベルで維 持されるであろう。 あるいは、誘導プロモーターの存在下または不存在下、該トランスフェクト化細 胞を、細胞傷害性作用を妨害または軽減するα7nAChRブロッカー(例えば、メ チルリカコニチン(「MLA」)またはメカミラミン)の存在下で培養することが 可能であろう。どちらのブロッカーも可逆的であり、該ブロッカーを洗い落とし た後のα7nAChRの機能に対する試験化合物の効果の測定が可能である。 細胞保護性化合物は、それが細胞死を軽減しうることにより同定することがで き、一方、細胞傷害性化合物は、それが細胞死を促進しうることにより同定する ことができる。これらの効果が変異体または野生型のα7nAChRサブユニットに より媒介されることは、α7nAChRブロッカーが該効果を妨げうることにより確 認することができる。細胞死または細胞傷害性は、培養内の細胞の数または密度 の測定、細胞増殖速度の測定(例えば、標識されたヌクレオチドまたはアミノ酸 の取込み)、または例えば色素の取込み(例えば、トリパンブルーは、健常細胞 により排除される)もしくはラクトースデヒドロゲナーゼ(LDH)などの細胞質 構成成分の放出による細胞の無傷性の測定を含む(これらに限定されるものでは ない)種々の技術により モニターすることができる。また、細胞保護物質は、それが変異nAChRを野生型n AChRより著しく拮抗する能力に関して、あるいは野生型nAChRと比べて変異nAChR の減衰速度をそれが増加させる能力に関して、後記実施例に記載の方法でスクリ ーニングすることができる。 また、変異体サブユニットを発現するnAChR DNA用のオリゴヌクレオチドプロ ーブを設計するために、該DNAまたはそれに由来するRNAを使用することができる 。本発明で用いる「プローブ」なる語は、標的ポリヌクレオチド中に存在する核 酸配列に相補的な核酸配列を含有する前記ポリヌクレオチドからなる構造体を意 味する。プローブのポリヌクレオチド領域は、DNAおよび/またはRNAおよび/ま たは合成オリゴヌクレオチド類似体からなることが可能である。そのようなプロ ーブは、α7変異体を野生型メッセージから識別するためのインビトロハイブリ ダイゼーションアッセイにおいて有用であろう。ただし、変異体と野生型との間 のコーディングの相違が僅かな場合には、そのような識別を行ないうる方法を設 計することは困難かもしれない。あるいは、配列分析のためにサンプルRNAまた はDNAを増幅するために、PCRに基づくアッセイを用いることが可能 であろう。 さらに、当技術分野でよく知られている技術を用いてポリクローナルまたはモ ノクローナル抗体を調製するために、変異nAChRサブユニットを使用することが できる。変異nAChRサブユニットまたは関連断片は、後記で概要説明する組換え 技術を用いて得ることができる。すなわち、該サブユニットまたは断片を発現す る組換え細胞を培養して、大量の該サブユニットまたは断片を得、それを回収し 、単離することができる。あるいは、変異nAChRサブユニットまたはその断片は 、後記の通常のポリペプチド合成技術を用いて合成することができる。変異nACh Rサブユニットに対して特異性および選択性を示すモノクローナル抗体は、測定 可能かつ検出可能な部分(例えば、蛍光部分、放射能標識、酵素、化学発光標識 など)で標識し、インビトロまたはin situ免疫蛍光アッセイなどで使用するこ とができる。免疫診断を目的として変異nAChRサブユニットを同定するために、 該抗体を使用することができる。 以下は、本発明を実施するための特定の実施形態の実施例である。これらの実 施例は、もっぱら例示を目的として記載されており、本発明の範囲を何ら限定す るものではない。実施例の 記載にあたっては、使用している数字(例えば、量、温度など)に関する精度を 保証するために種々の配慮がなされているが、もちろん、ある程度の実験誤差お よび偏差が考慮されるべきである。材料 塩化アセチルコリン(「ACh」)、コラゲナーゼ1A型、塩化d-ツボクラリン( 「dTC」)、ゲンタマイシンおよび塩酸メカミラミン(「MEC」)は、Sigma Chemical Company(St.Louis,Mlssouri,U.S.A.)から入手した。臭化水素酸ジヒドロ-β -エリスロイジン(「DHBE」)およびクエン酸メチルリカコニチン(「MLA」)は 、Research Biochemicals International(Natick,Massachusetts,U.S.A.)か ら入手した。トリカイン(3-アミノ安息香酸エチルエステルメタンスルホナート ;Finquel)は、Argent Chemical Laboratories(Fisheries Chemical Division ,Redmond,Washington,U.S.A.)から入手した。ヒトα7野生型cDNAの調製 Elliottら(1993)Soc.Neurosci.Abstr.19:69で報告されている完全なヒト シグナルペプチド(MRCSPGGVWLALAASLLHVALQGEF(配列番号3))を含むよう、Do ucette-Stammら(1993),前掲 で報告されているヒトα7nAChRサブユニットcDNAを修飾した。以下のオリゴヌ クレオチドを合成した:5'-GGGGGCAGCACTCGAGCCCATGAGGTGTAGCCCCGGAGGAGTGTGGC TGGCACTGGCAGCATCTCTCCTGCACGTGTCCCTGCAAGGCGAGTTCCAGAGGAAGCTTTACAAGGAGGGG -3'(配列番号4)。このオリゴヌクレオチドは、XhoI制限部位(イタリック体) およびATG開始コドン(太字)ならびにそれに続く28コドンのヒトα7nAChRサブ ユニットcDNA配列を含有する。それは、完全なシグナルペプチドをコードし、該 α7nAChRサブユニットcDNA内に存在するHind III部位(下線部)まで伸長する 。XhoIおよびHindIII部位は、追加的ヌクレオチドに隣接しており、そのためそ れらは該分子の内部に位置する。さらに、このオリゴヌクレオチドの逆相補体を 合成した。それらのオリゴヌクレオチドを一緒にアニーリングさせ、XhoIおよび HindIIIで消化し、ついで、予めXhoIおよびHindIIIで消化されたヒトα7サブユ ニットcDNA含有するpBluescriptベクター内に連結した。これにより、完全長ヒ トα7nAChRサブユニットをコードする新たなcDNAを得た。その新たなcDNAの配 列は、ジデオキシシークエンシングにより確認した。該cDNAをXhoIおよびNotIで pBluescriptから切り出し、該5'突出部をクレノウポリメラ ーゼで埋め、BstXIアダプターと結合させ、BstXIで消化し、pRcCMVベクター(In vitrogen)のBstXI部位内に連結した。発現ベクター内のインサートの配向は、 α7nAChRサブユニットcDNAを非対称位置で切断する酵素での制限分析により決 定した。アフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞内でのα7nAChRの発現および機 能特性の測定 アフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞の調製、受容体RNAまたはDNA の注入、および2電極電圧固定によるα7nAChR応答の測定は、アトロピンが浴 溶液中に通常は存在しないこと以外は野生型ヒトα7nAChRに関して既に記載さ れている方法(Brlggsら(1995),前掲)に従った。卵母細胞は、100g/mlゲンタマ イシンを含有する通常のBarth溶液(90mM NaCl,1mM KCl,0.66mM NaNO3,0.74m M CaCl2,0.82mM MgCl2,2.4mM NaHCO3,2.5mMピルビン酸ナトリウムおよび10mM Na N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-(2-エタンスルホン酸)(「HEPES」 )バッファー、最終pH7.55)中、17〜18℃に維持した。応答は、10mM BaCl2を含 有しCaCl2およびMgCl2を欠く改変Barth溶液中、-60mVの保持電位で測定した。し かしながら、いくつかの実験では(図6)、応答電流−電圧関係を測定するため に細胞電位を 意図的に変化させ、また、ニワトリα7nAChRを研究するためにGalziら(1992), 前掲で用いられている条件を追試するために、OR2およびアトロピン(82.5mM Na Cl,2.5mM KCl,2.5mMCaCl2,1mM MgCl2,5mM Na-HEPES(pH7.4)および0.5M硫酸 アトロピン)を使用した。コンピューター制御された電磁弁と該卵母細胞から20 0〜400m以内に配置されたブッシュ/プル・アプリケーターとを用いて、アゴニ ストをしばらくの間適用した。アゴニストの適用と同時に、コンピューターによ り応答を記録した。アゴニストと共にアンタゴニストを該ブッシュ/プル・アプ リケーター内に含有させ、アゴニストの適用の前に少なくとも3分間、過融解に より浴槽に適用した。最大振幅を測定することにより、応答を定量した。 ヒトα7V274Tの応答は、ヒトα7WTの応答とは異なり、実験中に有意に増加す る傾向にあった。したがって、実験的試行を、同じ卵母細胞における10M AChの 対照適用により、前後で一括して扱った。該実験における感受性の変化および卵 母細胞間での受容体発現の変動性を説明するために、10M AChの応答に対して全 応答を正規化した。実施例1 ヒトα7V274T cDNAの調製 発現ベクター内で変異α7V274Tを生成させるために、野生型α7nAChRサブユ ニット遺伝子をEcoRVおよびKpnI制限酵素で消化し、その消化されたセグメント を後記方法による連結により突然変異PCR産物で置換した。 図1に図示した方法においては、2つのPCR工程を行ない、ついで制限酵素で 消化して野生型α7nAChRサブユニットcDNAの突然変異断片を得、該突然変異断 片を野生型α7cDNA内にサブクローニングした。第1工程(A)では、所望の突 然変異を保持する2つのDNA断片を、適当なプライマーを使用するPCRにより生成 させた。該突然変異ヌクレオチドを、長い方の断片ではリバースプライマー(X- 3')内に、短い方の断片ではフォワードプライマー(Y-5')内に取込ませた。最 終PCR産物がEcoRVおよびKpnI制限部位を含有するように、それらの2つの外部プ ライマー(X-5'およびY-3')を選択した。 長い方の5'断片は、フォワード外部プライマー5'-GTTTGGGTCCTGGTCTTACG-3'( 配列番号5)と該突然変異を保持するリバース内部プライマー5'-GCAGCATGAAGGTG GTAAGAGAG-3'(配列番号6)とを使用して生成させた。短い方の3'断片は、同様 に該突然変異を保持するフォワード内部プライマー5’-CTCTCTTACCACCTTCATGCT GC-3'(配列番号7)とリバース外部プライマー5'-GTACTGCAGCACGATCACCG-3'(配 列番号8)とを使用して生成させた。PCRの条件は、100ngの投入α7DNA、2×Pfu バッファー、100ngの各プライマー対および0.625UのPfu酵素(Stratagene,La J olla,CA)よりなるものであった。反応は、Perkin-Elmer9600中、95℃で24秒間 、60℃で22秒間、ついで72℃で78秒間の20サイクルで行なった。 第2PCR工程(B)では、該外部プライマーを使用して、これらの2つの断片を 再合体させた。該配列を再増幅し、所望の突然変異を保持する長い方のDNA断片 を生成させた。 次工程(C)では、工程(B)の産物をKpnIおよびEcoRVで消化し、ゲル精製し 、予めKpnIおよびEcoRVで消化された野生型ヒトα7cDNA内に連結した。最終cDN Aのジデオキシシークエンシングは、所望の突然変異の存在を示し、また、該PCR 過程中に他の突然変異が全く導入されていないことを示した。 図2A〜2Cは、ヒトα7V274T cDNA突然変異体のヌクレオチド配列(配列番号1) を示す。ヒトα7V274T変異体のアミノ酸配列(配列番号2)も、図2A〜2Cに示さ れている。実施例2 ヒトα7V274Tおよび野生型nAChRにおけるアゴニストに関する濃度−応答関係 前記のとおりアフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞内に注入した実 施例1で調製したDNAから発現したヒトα7V274T nAChRサブユニットを使用して 、種々のアゴニスト濃度に対する応答を測定した。該応答は、最大振幅にて測定 し、10MAChに対する応答に対して正規化した。データ点(図3)は、正規化応答 (AChではn=4〜10、(-)-ニコチンではn=3〜4、GTS-21ではn=3〜5、ABT-089ではn =2〜5)の平均±s.e.m.を示す。図3に示す曲線は、α7野生型におけるGTS-21 およびABT-089に対する小さな応答を除いて該データ(Shigmaplotソフトウェア ,Jandel Scientific,San Rafael,California,U.S.A.)にあてはめたヒル式 を示す。ヒトα7野生型nAChRにおいて、AChおよび(-)-ニコチンは、それぞれ15 6±20μMおよび83±10μMのEC50値、およびそれぞれ0.94±0.09および1.2±0.2 のヒル係数を有していた。GTS-21およびABT-089は、応答が弱すぎて評価できな いEC50値を有する部分アゴニストであった。ヒトα7V274T nAChRにおける効力お よび効能の明らかな変化があった。 ヒトα7V274T nAChRにおいては、AChおよび(-)-ニコチンは2桁強力であり、それ ぞれ1.02±0.04μMおよび0.94±0.12μMのEC50値、およびそれぞれ1.8±0.2およ び1.3±0.2のヒル係数を有していた。さらに珍しいことには、GTS-21は、ヒトa7 野生型nAChRにおけるその弱い部分アゴニスト効果とは全く対照的に、ヒトα7V2 74T nAChRにおいては完全アゴニストであり、4.3±0.3μMのEC50値、および1.5 ±0.1のヒル係数を有していた。また、ABT-089は、ヒトαV274T nAChRにおいて 、より強力かつ有効であり、28±3μMのEC50値、および2.3±0.4のヒル係数を有 していたが、それは、40±1%の効能を有する部分アゴニストであった。ヒトnACh Rサブユニットでのこれらの結果は、ニワトリα7V251Tにおいてはニワトリα7 野生型nAChRと比べてAChの180倍の増加が認められること(Galziら(1992),前掲 )と相関している。しかしながら、これは、(-)-ニコチンの効力もまた変化する ことの初めての証明であり、また、この変異体において部分アゴニストの効力お よび効能が変化することの初めての証明である。実施例3 野生型ヒトα7WT nAChRと比較したヒトα7V274Tの活性化および減衰速度 AChのEC50濃度(それぞれ1μMおよび200μM)に対するヒトα7V274Tおよびヒ トα7WTの応答は、同様の振幅になる点で対等であり、ACh適用の開始時と同調さ せ同等のベースライン保持電流に関して補正して示されている(図4)。AChは、 ヒトα7V274Tには10秒間、ヒトα7WTには2.5秒間適用した。ヒトα7WTのトレー スの初めと終わり付近の短時間のスパイク状のチック(tics)は、アゴニスト適 用弁の開口および閉鎖を示す電気的アーチファクトである。 ヒトα7V274Tの応答は、ヒトα7WTの応答と比べて遅く活性化され減衰した。 同様に、類似したニワトリnAChRは、AChに応答して、より遅く活性化され減衰し た(Galziら(1992),前掲)。 実施例4 ヒトα7V274T nAChRにおけるアゴニスト活性に関するnAChRアンタゴニストの評 ジヒドロ-β-エリスロイジン(DHβE)、d-ツボクラリン、ヘキサメトニウム などのnAChRアンタゴニストは、アゴニストと して適用された場合に、ニワトリα7TM-2 nAChR変異体における応答を活性化 することが判明している(Bertrandら(1992),前掲)。これは、単一チャンネル 記録からのデータと共に、(a)変異nAChRが受容体脱感作状態において伝導する こと、および(b)野生型nAChRアンタゴニストが、該脱感作状態を安定化するこ とにより作用することを示唆している(Bertrandら(1992),前掲)。 ヒトα7V274T nAChRにおいては、DHβE(10μM)もまた、アゴニスト様内向き 電流応答を活性化した(図5を参照されたい)。しかしながら、10μM DHbEがAC h応答の66%もの大きさの応答を惹起した相同なニワトリα7V251T nAChR(Bertr andら(1993))とは異なり、これらの応答は小さく、10μM AChに対する応答の2. 8%〜6.9%の範囲であった(表1)。チャンネルドメインM2内の2つの異なる部 位での突然変異は、ニューロンα7ニコチン性受容体のカルシウム透過性を改変 する(Proc.Natl.Acad.Sci(U.S.A.)90:6971-6975)。 さらに、ヒトα7V274Tにおいては、これは、nAChRアンタゴニストの一般的特 性ではなかった。図5および表1に示すとおり、α7選択的アゴニストであるML A(10nM)および非選択的 nAChRアンタゴニストであるメカミラミン(10μM)は共に、反対の作用(すなわ ち、AChに対する最大内向き電流応答の0.9%〜12.4%の範囲の振幅の小さなインバ ースアゴニスト様外向き電流)を惹起した。図5に示すトレース(すべて、単一 の卵母細胞からのものである)では、それぞれ20秒間適用されたメカミラミン( MEC,10μM)、メチルリカコニチン(MLA,10nM)、ジヒドロ-β-エリスロイジ ン(DHβE,10μM)および浴溶液(0アゴニスト対照)に対する応答が比較さ れている。小さな0アゴニスト対照の応答は、各ヒトα7V274T卵母細胞において 測定し、データをまとめる際にアゴニスト応答から差し引いた。図5の基準線は 、すべてのトレースに関する10nAおよび2秒間を表す。表1 ヒトα7V274T突然変異体およびα7野生型nAChRにおけるコリン作動性アンタゴ ニストの効果 略語:DHβE(ジヒドロ-β-エリスロイジン);d-TC(d-ツボクラリン);MLA( メチルリカコニチン);MEC(メカミラミン);ATROP(アトロピン)。 * p<0.05(0に対するもの)(スチューデントの両側t検定) † p<0.005(0に対するもの)(スチューデントの両側t検定) ‡ 10μMによる活性化との比較 § AChに対する応答の阻害率(%) また、d-ツボクラリン(1μM)は、アゴニスト様内向き電流を惹起しなかった が、小さな外向き電流(AChに対する最大内向き電流応答の3〜5%)を惹起した( 4個中2個のヒトα7V274T卵母細胞において)。該外向き電流応答は、静止(閉鎖 )状態の安定化または自発的開口nAChRのチャンネル遮断によるものである可能 性がある。同様の条件下のヒトα7WT nAChRにおいては、DHβE(10μM)、MLA( 10μM)、メカミラミン(10μM)およびd-ツボクラリン(1pM)のいずれも、有 意な内向き又は外向き電流応答を全く惹起しなかった(表1)。ムスカリン性ア ンタゴニストであるアトロピン(2μM)は単独では、nAChRにおいてほとんど作 用しなかった。 実施例5 ヒトαV274T nAChRにおけるアゴニスト活性に関するnAChRアンタゴニストの評価 また、前記化合物を、ヒトα7V274T nAChRおよびヒトα7WTの両方におけるnAC hRAChに対する応答のアンタゴニストとして評価した。それぞれのnAChRについて 、2種類の濃度のAChを使用した。1つは、EC50値付近のもの(α7V274では1μM 、およびα7WTでは200μM)であり、もう1つは、最大応答レベ ル付近のもの(α7V274Tでは10μM、およびα7WTでは10mM)であった。表1にデ ータを示す。DHβE(10μM)、d-ツボクラリン(1μM)、MLA(10nM)およびメ カミラミン(10μM)は、両方のnAChRにおいてアンタゴニストとして作用した。 予想どおり、α7選択的アンタゴニストであるMLAは特に強力であり、ヒトα7V2 74Tおよびヒトα7WTを10nMの濃度で遮断した。興味深いことに、メカミラミン( 10μM)、DHβE(10μM)およびd-ツボクラリン(1pM)はそれぞれ、ヒトα7WTよ りもヒトα7V274Tを阻害したようである。アトロピン(2μM)は、1μM AChに対 するヒトα7V274Tの応答を28%阻害したが、200μM AChに対するヒトα7WTの応 答にはほとんど影響を及ぼさなかった。いくつかの卵母細胞は、低いマイクロモ ル濃度のAChにより活性化される内在性ムスカリン受容体を有する(Kusanoら(19 82)J.Physiol.(London)328:143-170;Davidsonら(1991)FEBS Lett.284:252 -256;およびDascalら(1980)Life Sci.27:1423-1428)。しかしながら、これは 、ヒトα7V274Tに対するアトロピンの作用を説明することにならないようである 。なぜなら、nAChRアンタゴニストであるメカミラミン(10μM)は、アトロピン により阻害されたh-α7V274T卵母細胞の5個中3個におい て、1μM AChに対する応答を完全に遮断したからである(残りの2個は、メカミ ラミンにさらされなかった)。 DHβE(10μM)は、それがEC50ACh応答を阻害するより弱く、ヒトα7V274Tお よびヒトα7WTにおいて最大ACh応答を阻害した(表1を参照されたい)。また、 メカミラミン(10μM)は、ヒトα7V274T nAChRにおいては、EC50ACh応答より弱 く最大ACh応答を阻害したが、ヒトα7WT nAChRにおいては、そうではなく、メカ ミラミンは両方の濃度のAChを同様に阻害した。より高い濃度のAChにおけるより 弱い阻害は、競合的なアンタゴニスト−アゴニスト相互作用を表している可能性 がある。 したがって、ヒト変異α7V251T nAChRは、アゴニストの活性化に対するその感 受性が増加しており、活性化および脱感作化の見掛け速度がより遅い点において は、類似ニワトリα7V251T nAChRと類似している。しかしながら、それらの受容 体は、DHβE(10μM)が、ニワトリα7V251Tにおける66%のアゴニスト様効果と 比べて、ヒトα7V274T内向き電流を弱くしか活性化しなかった点においては、ま た、d-ツボクラリンが、ニワトリα7L247T nAChRにおける完全な応答と比べて、 h-α7V274Tにおいて内向き電流を活性化しなかった点においては異なっている (Galziら(1992),前掲;Bertrandら(1993),前掲)。したがって、α7nAChR機 能に対するこれらの配列修飾の効果において種間相違が存在する可能性があり、 ニワトリα7V274Tに関する公知情報を考慮すると、その相違は予想外である。 実施例6 ヒトα7V274T整流性 10μM AChに対するヒトα7V274T変異nAChRの応答の電流対電圧の関係は、Brig gsら(1995)Neuropharmacol.34:583-5902に記載の電極電圧固定下、卵母細胞 において測定した。これは、以下の2つの条件下で行なった:(a)Ca2+依存性C l-電流の二次活性化を妨げるためにBa2+を含有する改変Barth溶液(90mMNaCl,1 mM KCl,0.66mM NaCO3,10mM BaCl2,2.5mMピルビン酸ナトリウムおよび10mM Na -HEPES,pH7.55)(Briggsら(1995),前掲に記載)中の4個の卵母細胞、および (b)Galziら(1992)Nature 359:500-505において彼らのニワトリα変異体の 研究で使用されているものを追試するために調製したOR2溶液(82.5mM NaCl,2. 5mM KCl,2.5mMCaCl2,1mM MgCl2,0.5μMアトロピンおよび5mM Na-HEPESバッフ ァー,pH7.4)中の3個の卵母細胞。どちらの条件下においても、負の細胞電位 におけ る電流応答と比べて、0mVを超える細胞電位においては電流応答がほとんど存在 しなかった点で、ACh応答の、明らかな内向き整流性が認められた。同様に、ヒ トα7野生型nAChR(Briggsら(1995),前掲)およびニワトリα7野生型nAChR( Galziら(1992),前掲)は内向き整流性を示すが、ニワトリα7V251T変異体は、 そのような整流性を示さなかった(Galziら(1992),前掲)。 実施例7 哺乳類細胞系における発現研究 高レベルの構成的発現のためのヒトサイトメガロウイルス由来のプロモーター 配列を含有しゲネティシン(geneticin)耐性の安定な細胞系の選択のためのネ オマイシン耐性遺伝子を含有する真核性発現ベクターpRc/CMV(Invitrogen,San Diego,CA)を用いて、ヒトα7野生型(WT)およびα7V274T突然変異nAChRを ヒト胎児腎細胞系HEK-293内にトランスフェクトした。該cDNAは、Gopalakrishna nら(1995)Eur.J.Pharmacal.(Mol.Pharm.)290:237-246に記載のリポフェ クタミン(GIBCO)を用いてトランスフェクトする。このアプローチを用いて、 ヒトα7WT nAChRを発現する安定な細胞系が作製されており、これは、 明らかな[125I]α-ブンガロトキシン結合、アセチルコリンに誘起された電流、 およびCa2+流入応答を示す(Gopalakrishnanら(1995),前掲;Delbonoら(1996 )J.Pharmacol.Exp.Ther.(印刷中))。また、図7に示す初期データは、哺 乳類細胞内へのα7変異体のトランスフェクションの実現可能性を示している。 ヒトα7V274T変異体は、ニコチン性アンタゴニストにより阻害されるメカニズ ムを介して細胞傷害性になると考えられるシーエレガンス(C.elegans)deg-3 (u662)の自発的突然変異に対する相同性を保持する(TreininおよびChalfie( 1995)Amutated acetylcholine receptor subunit causes neuronal degenerati on in C.elegans.Neuron 14:871-877)。ヒトα7V251T変異nAChRの応答は、野 生型の応答より持続的であるが(図4)、ニワトリα7V251T変異nAChRと同様に、 おそらく高いCa2+透過性を有していて、該受容体の活性化が、ある条件下では、 過剰なCa2+流入を引き起こし、したがって細胞死を招く。さらに、α7V274Tを3 日間以上発現している卵母細胞は、ヒトα7野生型nAChRを発現する卵母細胞よ り10〜100倍、電気的に漏出性であったため、ヒトα7V274T変異nAChRが、延長し た自発的開口の傾向を有している可能性があるという幾つかの証 拠がある。したがって、ヒトα7V274Tおよび関連変異nAChRは、アゴニストの存 在下、および不存在下においても、細胞傷害性である可能性がある。そのような 変異体の自発的発現は、正常なα7nAChR機能を妨げ、未熟細胞死を誘導し、あ るいはシナプス形成を妨げる可能性がある。そのような効果は、コリン作動性機 能の障害を伴ういくつかの形態の神経変性疾患または他の障害を引き起こす可能 性がある。 細胞傷害性は、α7V274T変異体を高レベルで発現する細胞の能力を明らかに制 限しうる。これを回避するために、トランスフェクトされた細胞を、可逆的ニコ チン性アンタゴニストまたはチャンネルブロッカー(例えば、メチルリカコニチ ンまたはメカミラミン)の存在下で増殖させる。そのような物質は、該受容体ま たはチャンネルを遮断することにより細胞傷害性を妨げると考えられるが、該細 胞を更なる実験で使用する直前に除去することが可能であろう。 別法として、誘導物質を加えるまではα7サブユニットの発現が抑制されるよ うにするために誘導発現系を用いて、ヒトα7野生型または変異体をトランスフ ェクトする。誘導系の利点は、それが、pRcCMVなどの構成的発現系を用いる場合 に認められる 発現タンパク質(例えば、ヒトα7V274T変異体)の細胞傷害性効果を除去しうる ことである。 使用する発現ベクターの1つはLacSwitch系(Stratagene)であり、これは、 遺伝子発現を制御するためにラクトースオペロンの要素を用いる。LacSwitch系 の場合、抑制状態では基底発現が非常に低いが、一旦、細胞系内に安定にトラン スフェクトされると、この系は、誘導剤IPTGの存在下、4〜8時間以内の迅速な誘 導を可能にする。該系は、クローニングによりα7サブユニット構築物を挿入す る真核性Lacリプレッサー発現ベクター(p3'SS)および真核性lac-オペレーター 含有ベクター(pOPRSVI-CAT)を用いる。抗生物質選択は、p3'SS内のハイグロマ イシン耐性遺伝子を介して、また、pOPRSVI-CATベクター内のネオマイシン耐性 遺伝子を介して達成される。HEK-293または他の細胞のトランスフェクションの 後、安定な細胞系の選択がハイグロマイシンおよびゲネティシンの存在により達 成される。安定な細胞系を単離したら、誘導剤IPTGを加えることによりα7サブ ユニットを発現させる。IPTGの非存在下では、pOPRSVT-CATベクター内のオペレ ーターに対するLacリプレッサータンパク質の結合により転写が阻止される。IPT Gは、オペ レーターに対するLacリプレッサータンパク質の結合親和性を減少させ、それに より、挿入されたα7サブユニット遺伝子の転写および発現を誘発する。そのよ うな系の選択により、インビトロでの細胞死の媒介における突然変異体α7nACh Rの役割の直接的な評価が可能となる。 哺乳類細胞系における細胞傷害性のインビトロでの評価 ヒトα7V274T変異体が細胞傷害性を媒介するか否かを判定するためには、HEK- 293細胞内での該cDNAの一過性発現の後、多数の方法、例えば、(i)トリパンブ ルー(4%)で細胞を5分間染色し、生存細胞が該色素を排除する能力を評価す ることにより、(ii)培地内に放出された細胞質酵素ラクトースデヒドロゲナー ゼ(LDH)のレベルを、細胞溶解の指標として測定することにより(例えば、Don nelly-Robertsら(1996)Brain Res.719:36-44)、(iii)生存性の指標として の、中性赤色色素の取込み、またはテトラゾリウムMTTの取込みおよび変換によ り(例えば、Littleら(1996)Br.J.Dermatol,134:199-207;DSouzaら(1996) J.Neurosci.Res.43:289-298;Malcolmら(1996)J.Neurochem.66:2350-2360 )、(iv)核酸へのヨウ化プロピジウムの取込みおよび結合(例えば、Wrobelら (1996)J. Immunol.Methods 189:243-249)、または原形質膜の完全性または細胞代謝機能 の喪失に対して感受性を示す他の技術により、細胞傷害性を評価することができ る。ヌクレオチドの取込み、DNAの構造または完全性の変化を評価するために、 追加的な技術を用いることが可能である(例えば、AlisonおよびSarraf(1995) Hum.Exp.Toxicol.14:234-247;Didierら(1996)J.Neurosci.16:2238-2250) 。これらの技術は当業者に公知である。これらの研究は、未トランスフェクト化 または摸擬トランスフェクト化細胞(対照)、ヒトα7野生型でトランスフェク トされた細胞、およびヒトα7V274T変異体でトランスフェクトされた細胞におい て行なう。ヒトα7V274T変異体の発現が細胞傷害性につながることが確認されれ ば、インビボでの神経変性過程の誘発における役割が示唆される。 診断用途 ヒトにおけるα7V274T変異体の存在は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR )および血液サンプルから単離されたゲノムDNAを標準的な方法に従い使用して 、非侵襲的に判定することが可能であろう。あるいは、RNAを単離する場合には 、α7変異体を検出するために逆転写PCR(「RT-PCR」)を用いることが できる。例えば、該PCR反応では、標準的な50μlのPCR反応において、適当な合 成プライマーと共に100ngの該DNAを使用することが可能であろう。α7変異体の 合成で使用する外部プライマー(X-5'およびY-3')は、関心のある頭域の増幅を 可能にするであろう。V274T置換が生じる配列膜貫通セグメント2を含む異なるサ イズの断片を生成するように、該プライマーを選択する。増幅後、該メッセージ のヌクレオチド配列を決定する。該変異体の存在は、神経変性または他の形態の 細胞傷害性などの細胞性疾患の指標となりうる。 したがって、試験サンプル中のヒト変異α7サブユニットの標的ポリヌクレオ チドを検出する方法は、(a)ヒト変異α7サブユニットの標的ポリヌクレオチ ドを少なくとも1つのヒト変異α7サブユニット特異的ポリヌクレオチドプロー ブまたはその相補体と接触させ、(b)該試験サンプル中の標的ポリヌクレオチ ドとプローブとの複合体の存在を検出することを含む。試験サンプル中のヒトα 7サブユニットmRNAのcDNAを検出するためのもう1つの方法は、(a)逆転写を 行なってcDNAを得、(b)工程(a)で得たcDNAを増幅し、(c)試験サンプル中 のヒト変異α7サブユニットの存在を検出することを含む。ある いは、サンプリングしたDNA、またはRT-PCRによりRNAから調製したcDNAを、ヌク レオチド配列分析による変異体の検出を可能にする適当なプライマー(例えば、 X-5'およびY-3')を使用して増幅することができる。検出工程(c)は、測定可 能なシグナルを生成しうる検出可能な部分を使用することを含む。 ヒト変異α7サブユニットの核酸に選択的にハイブリダイズしうる、ヒト変異 α7サブユニットに由来する精製されたポリヌクレオチド(該ポリヌクレオチド は、配列番号1またはその一部を含む配列を有する)またはその断片を、これら の方法において使用することができる。該精製ポリヌクレオチドは、組換え技術 により製造することができる。 また、ヒト変異α7サブユニットにコードされるポリペプチドは、診断用途に 有用である。該ポリペプチドは、配列番号2またはその一部を含むアミノ酸配列 を有し、組換えまたは合成技術により製造することができる。 また、ヒト変異α7サブユニットに特異的に結合するモノクローナル抗体も、 これらの方法で使用することができる。ヒト変異α7サブユニットは、配列番号 2またはその一部のアミノ酸配列を含む。 試験サンプル中のヒト変異α7サブユニットを検出するための方法は、(a) ヒト変異α7サブユニットに特異的に結合する抗体またはその断片と該試験サン プルとを、生成する複合体の形成に十分な時間および条件下で接触させ、(b) 該抗体を含有する生成した該複合体を検出することを含んでなり、該抗体は、配 列番号2またはその断片のヒト変異体α7サブユニットに特異的に結合する。 治療用途 ヒトα7のバリン274からトレオニンへの自発的突然変異および関連突然変異 は、該タンパク質を発現する細胞の死を引き起こす又は早める可能性がある。少 なくとも以下の2つのタイプの治療を行なうことが可能であろう:(i)メチル リカコニチンまたは改善された血液脳関門透過性を有する別の化合物などの選択 的α7アンタゴニストの投与、または(ii)該タンパク質の合成を阻止するため のアンチセンスオリゴヌクレオチド療法(例えば、AlbertおよびMorris(1994),A ntisense knockouts:molecular scalpels for the dissection of signal transduction.Trends in Pharmacological Sciences 15:250-254を参照された い)、または(iii)癌細胞などの細胞を殺す 試薬としての治療。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド5'-GGCTACACCTCAT GGGCTCG(配列番号9)を使用することができる。したがって、このオリゴヌクレ オチドその他は、野生型を含むいずれかのα7サブユニットタンパク質の合成を 阻止するであろう。しかしながら、該変異体は発現されるが野生型は発現されな い場合、または野生型のノックアウトが該変異体の発現の継続ほど有害でない場 合においてもなお、そのようなオリゴヌクレオチドは有用であろう。このアンチ センスの有効性は、インビトロで示され、また、該アンチセンスは、α7サブユ ニットの機能を評価するための研究手段として貴重であろう。 アンチセンス技術を用いて、三重らせんの形成またはDNAもしくはRNAにより遺 伝子発現を減弱させることが可能であり、それらの方法は共に、DNAまたはRNAに 対するポリヌクレオチドの結合に基づく。例えば、10〜40塩基対長のアンチセン スRNAオリゴヌクレオチドを設計するために、本発明のポリペプチドをコードす るポリヌクレオチド配列の5'コード部分を使用することができる。転写に関与す る遺伝子の領域に対して相補的となり、それによりヒト変異体α7サブユニット ポリペプチドの転写および産生を妨げるように、DNAオリゴヌクレオチドを設 計する。該アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、インビボでmRNAにハイブリ ダイズし、mRNA分子からヒト変異体α7サブユニットポリペプチドへの翻訳を阻 止する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、核酸切断に対し該分子を抵抗性に する人工的なヌクレオチド間結合を含有するよう修飾されている場合に、より大 きな効力で作用する。そのような人工的なヌクレオチド間結合には、メチルホス ファート、ホスホロチオラートおよびホスホロアミダートヌクレオチド間結合が 含まれるが、これらに限定されるものではない。 研究および薬物の発見のための用途 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、α7野生型およびV274Tの機能ならびに 細胞傷害性のメカニズム全般を決定する場合にも貴重であろう。例えば、細胞傷 害性、細胞保護または他の細胞過程に対するα7V274Tの寄与を評価する1つの方 法は、その合成の特異的阻止が過程を阻止するか否かを判定することであろう。 これは、該タンパク質の全作用を阻止することが可能または不可能な受容体アン タゴニストの使用とはアプローチ的に異なる。また、薬物の発見においては、こ のアプローチは、薬物の効果がα7V274T変異体により媒介されるか否かを評価す る 場合に有用であろう。他の変異体または野生型サブユニット自体の寄与を評価す るためには、同様のアプローチを用いることが可能であろう。対照実験では、対 応するa7センスおよびミスセンスオリゴヌクレオチド[それぞれ、5'‐CGAGCCCA TGAGGTGTAGCC(配列番号10)および5'‐CCAGGCATTCGGAGCTTGCC(配列番号11)] を使用する。該ミスセンスオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオ チド内のGC含量の比率を維持しGeneBank内の公知配列とはマッチしなかったラン ダム化配列である。 したがって、α7nAChRの新規サブユニットをコードするポリヌクレオチドお よびそのアンチセンス変異体を、本明細書に詳しく説明されている種々の方法で 使用することが可能である。以上、本発明の好ましい実施形態をある程度詳しく 説明してきたが、添付の請求の範囲で定義される本発明の精神および範囲から逸 脱することなく、明らかな変形を施すことが可能であると理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12Q 1/02 C12Q 1/02 1/68 A 1/68 G01N 33/15 Z G01N 33/15 33/50 Z 33/50 33/566 33/566 C12N 5/00 A (72)発明者 マツケナ,デイビツド・ジイ アメリカ合衆国、イリノイ・60050、マツ クヘンリー、コーブ・コート・3404 (72)発明者 モンテツジア,リーサ・エム アメリカ合衆国、イリノイ・60046、リン デンハースト、デイツトマー・239、アパ ートメント・2・エイ (72)発明者 ロツシユ,ジヤン−マルク アメリカ合衆国、イリノイ・60085、ウオ ークガン、レイクハースト・ドライブ・ 1020、アパートメント・109 (72)発明者 サリバン,ジエイムズ・ピイ アメリカ合衆国、イリノイ・60015、デイ アフイールド、デイメーデール・ドライ ブ・705 (72)発明者 トウマ,エドワード アメリカ合衆国、イリノイ・60064、ノー ス・シカゴ、ビーコン・ストリート・ナン バー204・3313

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 野生型ヒトα7ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)サブユニット の変異体をコードするポリヌクレオチドであって、野生型ヒトα7 nAChRサブユ ニットポリペプチドのバリン274の位置にアミノ酸置換を有するポリペプチドを コードすることを特徴とするポリヌクレオチド、およびその縮重変異体。 2. 該置換がバリン274からトレオニンへの置換である、請求項1に記載のポ リヌクレオチド。 3. 請求項1に記載のポリヌクレオチドを含んでなる宿主細胞。 4. 細菌細胞、哺乳類細胞、酵母細胞、両生類細胞およびヒトデ類細胞よりな る群から選ばれる、請求項3に記載の宿主細胞。 5. 該ポリヌクレオチドが宿主細胞内で発現されるように該ポリヌクレオチド の転写を指令する制御配列に機能しうる形で連結された請求項1に記載のポリヌ クレオチドを含んでなる発現ベクター。 6. 該変異ヒトα7 nAChRがヒトα5V274T nAChRである、請 求項5に記載の発現ベクター。 7. 請求項5または6に記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。 8. 細菌細胞、哺乳類細胞、酵母細胞および両生類細胞よりなる群から選ばれ る、請求項7に記載の宿主細胞。 9. 野生型ヒトα7 nAChRポリペプチドのバリン274の位置にアミノ酸置換を 含んでなる、単離および精製された変異ヒトα7ニコチン性アセチルコリン受容 体(nAChR)サブユニット。 10. 該置換がバリン274からトレオニンへの置換である、請求項9に記載の変 異ヒトα7受容体。 11. ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)活性をモジュレーションする 化合物を同定するための方法であって、 (a)野生型ヒトα7 nAChRポリペプチドのバリン274の位置にアミノ酸置換を 有する変異ヒトα7 nAChRポリペプチドを発現する細胞を準備し、 (b)試験化合物と該細胞とを混合し、 (c)(i)該変異α7受容体に対する又は該サブユニットを発現する細胞に対 する該試験化合物の効果、または(ii)該細胞または該受容体に対する該試験化 合物の結合のいずれかを測 定することを含んでなる方法。 12. 細胞保護性化合物を同定するための方法であって、 (a)野生型ヒトα7サブユニットポリペプチドのバリン274の位置にアミノ酸 置換を有する変異ヒトα7サブユニットポリペプチドまたはその断片を発現する 細胞を準備し、 (b)試験化合物と該細胞とを一緒にし、 (c)細胞傷害性の指標に関して該細胞または細胞機能をモニターすることを 含んでなる方法。 13. 試験サンプル中のヒト変異α7サブユニットの標的ポリヌクレオチドを検 出する方法であって、 (a)ヒト変異α7サブユニットの標的ポリヌクレオチドを少なくとも1つの ヒト変異α7サブユニット特異的ポリヌクレオチドプローブまたはその相補体と 接触させ、 (b)該試験サンプル中の標的ポリヌクレオチドとプローブとの複合体の存在 を検出することを含んでなる方法。 14. ヒト変異α7サブユニットの核酸に選択的にハイブリダイズしうる、ヒト 変異α7サブユニットに由来する精製されたポリヌクレオチドまたはその断片で あって、該ポリヌクレオチドの配列が配列番号1またはその一部を含み、該ポリ ヌクレオ チドが組換え技術により製造されることを特徴とするポリヌクレオチド。 15. ヒト変異α7サブユニットポリヌクレオチドにコードされるポリペプチド であって、該ポリペプチドの配列が配列番号2またはその一部を含み、該ポリペ プチドが組換えまたは合成技術により製造されることを特徴とするポリペプチド 。 16. 配列番号2またはその一部のアミノ酸配列を含むヒト変異α7サブユニッ トに特異的に結合するモノクローナル抗体。
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