JP2001505418A - 細胞増殖を阻害するための哺乳動物Rad51タンパク質の破壊及び哺乳動物Rad51に関連するタンパク質の破壊 - Google Patents

細胞増殖を阻害するための哺乳動物Rad51タンパク質の破壊及び哺乳動物Rad51に関連するタンパク質の破壊

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Abstract

(57)【要約】 rad51M1と指称される変異がマウスMmRAD51遺伝子に生成されると、移植後すぐに胚変異体は死亡する。rad51M1細胞はイオン化放射線に対する過敏性、増殖の低下、プログラムされた細胞死、及び染色体喪失を示す。MmRad51タンパク質-タンパク質相互作用の破壊により細胞増殖が停止され及び/または細胞の生存能が低下する。例えばBrca2及びM96のようなMmRad51と相互作用するいくつかのタンパク質が同定された。さらに、Rad51はN-末端領域を介して自己結合する。単一の残基が保存されたリシンからアラニンに変化すると、その変化は細胞に毒性であることが判明した。さらに、RecA相同領域を欠くrad51対立遺伝子も細胞に有害であった。これらの点から、MmRad51の機能を阻害するか、MmRad51と結合する任意の分子またはRad51もしくはRad52経路の任意の分子の機能を阻害することにより細胞増殖及び/または生存能が阻害されることは明らかである。従って、これらの重要なDNA修復経路をブロックすることができる分子は細胞増殖を阻害するための治療薬として有用であり得る。

Description

【発明の詳細な説明】 細胞増殖を阻害するための哺乳動物Rad51タンパク質の破壊及び哺乳動物Rad51に 関連するタンパク質の破壊 本出願は1996年11月5日に出願されたアメリカ特許出願第08/758,280号に基づ く優先権を主張するものである。 1.0.発明の分野 本発明は、哺乳動物Rad51もしくはRad52の機能を破壊する分子、またはRad51 もしくはRad52経路に関与するその他の分子の機能を破壊する分子に関する。そ のような分子は細胞増殖を阻害し、あるいはプログラムされた細胞死を促進する 手段として有用であり、増殖性疾患、例えば自己免疫疾患及び癌の治療に使用す るための治療剤の新規なクラスを形成するものである。 2.0.発明の背景 DNA修復および組換えは、変異の蓄積を防止し、遺伝子情報の完全性を維持 するために生物に必要とされる。傷ついた遺伝子物質は細胞周期の停止、プログ ラムされた細胞死、染色体の喪失、あるいは細胞の老化を生じ得る。あるいは傷 ついた遺伝子情報は細胞周期の制御不全を起こし得、最終的には細胞増殖の増加 と腫瘍形成を起こし得る。 DNAにおける二本鎖切断(DSB)の修復は必須の細胞プロセスである。DSB修復 は、DNA修復のような一般的細胞機能において起こり得る(Friedbergら、1995 ,DNA修復と突然変異誘発(DNA Repair and Mutagenesis),American Society f or Microbiology,Washington,D.C.)。細菌及び酵母細胞においては、DSBは主 として相同組換え経路により修復される(Krasin及びHutchinson,1977,J.Mol .Biol.116:81-98;Mortimer,1958,Radiat.Res.9:312-16)。発芽中の酵母Sac charomyces cerevisiaeにおいては、イオン化放射線に感受性を有する細胞にお いてRAD52エピスタシス群(Rad50〜Rad57、Mrell及びXrs2)が同定されている (Friedberg,1995;Petesら、1991,Recombination in yeast.,p.407-521.,J. R.P.J.R.Broach,及びE.W.Jones,(編),酵母Saccharomycesの分子及び細胞生 物学(The Molecular and Cellular Biology of the Yeast Saccharomyces),C old Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New Yorkに概説 されている)。その後、この群のメンバーのいくつかのものが組換え修復に重要 であることが示された(例えばRad51、Rad52、Rad54、Rad55、Rad57(Malkovaら、 1996,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7131-36,Sugawaraら、1995,Nature 373 :84-86)。 このRAD52エピスタシス群のメンバーのうち、ScRad51は、大腸菌組換えタンパ ク質RecAと互いに類似していることから特に興昧深いものである。ScRad51及びR ecAは二本鎖及び一本鎖DNA(dsDNA、ssDNA)上で重合して螺旋フィラメ ントを形成し、両者の酵素は相同DNA分子間のATP依存性ストランドエクスチ エンジを触媒する(Ogawaら、1993,Science 259:1896-99;Sung,1994,Science2 65:1241-4364;Sung及びRobberson,1995,Cell 82:453-61)。ScRad51及びRecAは 約220アミノ酸の範囲にわたって30%の相同性を有しており、各タンパク質は2つ の保存ATP結合モチーフを含む(Aboussekhraら、1992,Mol.and Cell.Biol.12: 3224-34;Basileら、1992,Mol.Cell.Biol.12:3235-46;Sugawaraら、1995,Nat ure 373:84-86)。 ScRad51は相同組換えによりDSBを修復する。DSBはScRad51を欠く細胞において 減数***の間に組換えホットスポットに蓄積し(Sugawara,1995)、ScRad51は減 数***核に局在化し(Bishop,1994,Cell 79:1081-92)、減数***染色体シナプ シスを促進する(Rockmillら、1995,Genes & Develop,9:2684-95)。従って、Sc Rad51は鎖中の形成対に存在するDSBにおいて生成した一本鎖に結合することによ り減数***組換え及び減数***の間の交換を媒介すると考えられている(Sung及 びRobberson,1995,Cell 82:453-61)。 直接的及び間接的なタンパク質-タンパク質相互作用がRecA及びScRad51の機能 に必須である。RecAの結晶構造はN-末端領域の部分がポリマー形成に関与してい ることを示唆しており(Storyら、1993,Science 259:1892-96;Storyら、1992,Na ture 355:318-324)、このことはC-末端切断が野性型細菌におけるDNA修復を 主として阻害することを示す遺伝子分析により支持された(Horiiら、1992,J. Mol.Biol.223:104-114;Tateishiら、1992,J.Mol.Biol.223:115-129;Yarra ntonら、1982,Mol.Gen.Genet.185:99-104)。同様な自己会合(self-associa tion)領域がScRad51のN-末端領域に存在し、DNA修復に必須である(Donovan ら、1994,Genes & Develop.8:2552-2562;Shinoharaら、1992,Cell69:457-70) 。またScRad51はRad52及びRad55とも会合し(Haysら、1995,Proc.Natl.Acad.S ci.USA 92:6925-6929;Johnson及びSymington,1995,Molec.Cell.Biol.15(9) :4843-4850;Milne及びWeaver,1993,Genes & Develop.7:1755-1765)、その他 のタンパク質とも会合する。その他のタンパク質相互作用も推定され得、これは S.cerevisiaeのrad51Δ、rad52Δ株がKluyveromyeces lactisからのRad51及びR ad52によってはほんの部分的にしか相補されないこと(Donovanら、1994,Genes & Develop.8:2552-2562)、及びScRad51がDmclとともに対合複合体に局在化する こと(Bishop,1994,Cell 79:1081-92)による。これらのデータは、組換え修復 には大きなタンパク質複合体が必要であること、及びその複合体中のタンパク質 のいずれかの破壊によりDSBの修復が阻害されることを示唆している。 RecA/ScRad51相同体は、***酵母Schizosaccharomyces pombe(Jangら、1994,G ene 142:207-11;Murisら、1993,Nuc.Acids Res.21:4586-91;Shinoharaら、19 93,Nature Genet,4:239-4358)、ユリ(Terasawaら、1995,Genes & Develop.9: 925-34)、ニワトリ(Bezzubovaら、1993,Nucl.Acids Res.21:1577-80)、マウ ス(Moritaら、1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6577-80;Shinoharaら、19 93,Nature Genet.4:239-43)及びヒト(Shinoharaら、1993;Yoshimuraら、1993, Nucl.Acids Res.21:1665)等の広範な生物において発見されており、以下の証 拠に基づくと、DNA修復及び組換えに関与しているようである。1)保存され たRecA相同性-MmRad51はScRad51に対して83%相同、69%同一であり、RecAに対し て51%相同、28%同一である。哺乳動物及び酵母Rad51間で共有される相同性は、 その他の哺乳動物及び酵母のDNA修復経路間の顕著な類似性により保存された 機能を示唆している(Cleaver,1994,Cell 76:1-4に概説されている)。2)発現パ ターン-MmRAD51は、精巣(Moritaら、1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:6577 -80)及び卵巣(Shinoharaら、1993,Nature Genet.4:239-43)のような減数*** 組換えに関与する組織において高度に発現される。さらに、S.pombe MmRad51相同体SpRAD51の発現は、細胞をメチルメタンスルホネートにより処理し た後に増加し、これはDNA修復機能のさらに別の証拠となるものである(Jang ら、1994,Gene 142:207-11)。3)タンパク質の細胞内局在化-マウス、ニワトリ 、及びユリのRad51は、おそらくはラテラルエレメント及び組換えノジュール上 で、前期1の間に種々の濃度で減数***染色体上の別々の部位(foci)に局在し ており、このことは減数***組換えの間のDSBの修復における役割を示唆してい る(Ashleyら、1995,Chromosoma 104:19-28;Haafら、1995,Proc.Natl.Acad.S ci.USA 92,:2298-2302;Terasawaら、1995)。さらに、DNA損傷剤に露出した 後、ヒトRad51、HsRad51は高い濃度で核に局在し、これも修復機能を示唆するも のである(Terasawaら、1995)。4)DNA上におけるフィラメント形成-HsRad51 はssDNAに結合し、これはストランドエクスチェンジの能力を示す(Bensonら 、1994,EMBO 13:5764-71)。5)rad51M1と指称するrad51変異を有するマウス細 胞は、増殖の減少、γ-照射に対する過敏性、染色体喪失、及びプログラムされ た細胞死等の、酵母細胞における修復されていないDSBの特徴として知られてい る特徴を示した(Lim及びHasty,1996、印刷中)。 3.0.発明の概要 本発明の目的は、哺乳動物Rad51の機能を破壊することにより細胞の増殖を阻 害し、あるいは細胞の生存能を低下させることである。 別の目的は、哺乳動物Rad52の機能を破壊することにより細胞の増殖を阻害し 、あるいは細胞の生存能を低下させることである。 本発明の別の目的は、哺乳動物Rad51に会合(associating)するタンパク質を 破壊することにより細胞の増殖を阻害し、あるいは細胞の生存能を低下させるこ とである。 本発明の別の目的は、哺乳動物Rad52に会合するタンパク質を破壊することに より細胞の増殖を阻害し、あるいは細胞の生存能を低下させることである。 本発明の別の目的は、哺乳動物Rad51または哺乳動物Rad52経路に関与するタン パク質のいずれかを破壊することにより細胞の増殖を阻害し、あるいは細胞の生 存能を低下させることである。 本発明の別の目的は、哺乳動物Rad51のタンパク質相互作用を破壊することに より細胞の増殖を阻害し、あるいは細胞の生存能を低下させることである。 本発明の別の目的は、哺乳動物Rad52のタンパク質相互作用を破壊することに より細胞の増殖を阻害し、あるいは細胞の生存能を低下させることである。 本発明の別の目的は、哺乳動物Rad51または哺乳動物Rad52経路に関与するタン パク質-タンパク質相互作用を破壊することにより細胞の増殖を阻害し、あるい は細胞の生存能を低下させることである。 本発明のさらに別の態様は、Rad51経路に関与する任意のタンパク質の結合あ るいはその機能を阻害することができる化合物、特にRad51タンパク質に結合し あるいはその機能を阻害することができる化合物を同定する方法に関する。従っ て、本発明の別の態様は、細胞中でのマイクロサテライト形成についてアッセイ すること、細胞中の染色体喪失をアッセイすること、in vitroアッセイにおいて ストランドエクスチェンジの破壊をアッセイすること、細胞増殖の減少をアッセ イすること、未成熟複製細胞老化についてアッセイすること、及び細胞死の増加 についてアッセイすることにより、二本鎖切断修復を破壊する化合物をスクリー ニングする方法に関する。 本発明の別の目的は、タンパク質-タンパク質相互作用の減少を検出すること ができるアッセイにおいて多数の化合物をスクリーニングすることにより、DSB 修復に関与するタンパク質-タンパク質相互作用を阻害することができる化合物 を同定することである。本発明のさらに別の目的は、DSB修復の調整に有用なタ ンパク質、ペプチド、及び化合物の構造分析を使用して新規あるいは公知のタン パク質、ペプチド及び化合物によるDSB修復の調整を改善することである。 本発明のさらに別の目的は、哺乳動物Rad51の機能を破壊することにより細胞 の増殖を阻害し、あるいは細胞の生存能を低下させる化合物である。 本発明のさらに別の目的は、哺乳動物Rad52の機能を破壊することにより細胞 の増殖を阻害し、あるいは細胞の生存能を低下させる化合物である。 4.0.図面の簡単な説明 図1:MmRAD51のmRNA構造。予測アミノ酸はShinoharaら、1993に従い番 号を付した。斜線を付した部分はrecA相同領域を示す。空白部分は種間で保存さ れていない領域を示す。縦の太線はATP結合ドメインを示す。 図2:酵母2-ハイブッド系により示されるMmRad51自己会合。自己会合は最もN- 末端よりの43アミノ酸に限定される。斜線を付した部分はRecAコア相同領域であ る(Shinoharaら、1993)。縦の太線はATP結合部位を示す。空白部分は種間で保存 されていない領域を示す。相対β-ガラクトシダーゼ(β-Gal)活性を右側に示す 。完全長野性型MmRad51を100%とする。E12は陰性対照であり、1%の相対活性 を有していた。 図3:hprt遺伝子座への導入遺伝子のターゲティング。hprt配列はエキソン2及 び3を含む(標識部分)。ベクター由来のhprt相同性は太線であり、染色体由来の ものは細線である。細菌プラスミドは波線で示す。交差の可能性のある位置は1 または2と標識されたXである。2種類の組換え事象、すなわち1及び2の両方 での交差による遺伝子置換、あるいは1または2のいずれかにおける交差による ベクター挿入が可能である。ベクター挿入については、1における交差のみを示 す。 図4:細胞における哺乳動物Rad51の機能の破壊。A)ES細胞中の哺乳動物Rad511 -43の条件的発現はγ照射に対する感受性を高める。導入遺伝子はDoxがない場合 オン状態になり、Doxが存在する場合にオフ状態になる。10個のクローンを観察 し、平均を示す。B)Brca2ペプチドはp53-/-繊維芽細胞の増殖を減少させる。50 μMの濃度を使用した。コロニーサイズは細胞数に基づく。100個の細胞を6cm のプレート上にプレート化した2回の実験の平均を示す。対照はペプチドなしま たはアンテナペディア(Antennapedia)由来の16アミノ酸ペプチドとする。 4.0.発明の詳細な説明 上記のように、本発明の一つの態様は、哺乳動物Rad51の機能、哺乳動物Rad52 の機能、または哺乳動物Rad51もしくはRad52経路のその他の任意のタンパク質の 機能を破壊する改変した哺乳動物rad51対立遺伝子の発現である。MmRad51の機能 は完全には知られていないが、組換え修復であるScRad51と同じ機能を有する可 能性が高い。組換え修復経路は、酵母及び哺乳動物の間で少なくとも部分的 に保存されているようである。哺乳動物相同体はRad52エピスタシス群のメンバ ーとして(Rad51、Rad52)、及び組換え修復に関与しているその他の酵母タンパク 質(Dmcl)に対して見られた(Malkovaら、1996,Proc.Natl.Acad.Sci.USA93:7 131-36;Resnickら、1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.86:2276-80;Tsuzikiら 、1996,Proc.Natl.Acad.Sci,USA 93:6236-40)。発現パターンは、これらの 相同体が酵母から哺乳動物まで同じ機能を維持しているという仮説を支持するも のであった。MmRAD51は精巣や卵巣等の減数***組換えに関与する細胞を有する 組織、及び急速な細胞***をする組織、例えば小腸、胚、及び胸腺等において高 度に発現されていた(Moritaら、1993;Shinoharaら、1993)。MmRAD51は太糸期精 母細胞中の対合複合体で高濃度に存在することから、減数***組換えの間の役割 がさらに示唆されている(Ashleyら、1995;Haafら、1995)。 MmRad51及びScRad51の機能が保存されているという最も強力な証拠はrad51変 異細胞の分析から得られるものであり、この変異はrad51M1と指称されるもので ある(Lim及びHasty,1996)。rad51M1細胞は増殖の減少、γ照射に対する過敏性 、染色体喪失、及び細胞死を示した。これらの特徴は、配列ダイバージェンス( divergence)あるいはrad51もしくはrad52における変異のいずれかにより組換え 修復を欠損する酵母細胞と同様なものである。これらのデータが組換え修復の間 のMmRad51の機能を示唆しているとしても、rad51M1細胞における厳格な表現型は 別のプロセスの破壊による可能性がある。 RecA相同体は複数の役割を果たすが、そのうちいくつかのものは別のものが保 有していないという証拠がある。2種のRecA相同体がMyxococcus xanthusに見ら れ、1種のみが必須のものであるが、両方とも大腸菌recA株においでUV感受性を 相補した(Noriokaら、1995,J.Bacteriol.177:4179-82)。酵母において見られ る2種のRecA相同体、ScRad51及びDmclは、減数***組換えに必須であるが、ScR ad51のみが有糸***組換えに必須である(Bishop,1994,Rockmillら、1995,Gene s & Develop.9:2684-95)。哺乳動物において、Dmcl相同体が単離され、RecA相 同体が哺乳動物細胞において多様でユニークな機能を有していることを示唆して いる(Habuら、1996)。 増殖の減少、γ照射に対する過敏性、染色体喪失、及び細胞死のいずれもが rad51M1細胞に関連していた。これらの特徴は、配列ダイバージェンスまたはrad 51もしくはrad52における変異のいずれかにより組換え修復を欠損する酵母細胞 に見られるものと同様なものである(Malkovaら、1996,Proc.Natl.Acad.Sci .USA93:7131-36;Resnickら、1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.86:2276-80; Tsuzukiら、1996,Proc.Natl.Acad.Sci USA 93:6236-40)。これらのデータが 組換え修復の間のMmRad51の機能を示唆しているとしても、rad51M1細胞において 観察される厳格な表現型が別のプロセスの破壊によるものである可能性もある。 本発明の目的においては、イオン化放射の用語はあらゆる形態の放射を意味し 、直接的あるいは間接的に細胞またはウイルスの遺伝子物質を損傷できる、α、 β、及びγ放射線、及びUV光等が挙げられるが、これらに限定するものではない 。照射の用語は対象のサンプルをイオン化放射に曝露することを意味し、放射線 感受性の用語は、イオン化照射への中程度のあるいは医療上許容できる(すなわ ち非致死的診断及び治療投与量)の曝露を受けた後に通常ではない悪い結果を示 す細胞あるいは個体を示す。 MmRad51は、DNA複製、修復、あるいは染色体分離において新規な役割を果 たし得る。MmRAD51発現は細胞周期の間、後期G1/S/G2に限定され、MmRAD51発現 はT及びB細胞増殖を誘導する***促進因子により活性化され、複製及び修復にお ける役割が示唆された(Yamamotoら、1996,251:1-12)。MmRad51は、移動期の動 原体、及び***中期1の染色体に局在することから、分離に関与している可能性 がある(Ashleyら、1995)。 MmRad51の果たす1または複数の正確な機能は、抗増殖剤及び癌治療剤の開発 に関しては、MmRad51の機能の破壊が患者に利益を与える限り重要ではない。本 発明の目的のためには、Rad51の機能はDSBの修復であると推定されるが、Rad51 が細胞において別の機能を果たす可能性は高い。しかし、MmRad51の機能の少な くともいくらかの部分が細胞増殖及び/または生存能に必須のものであり、従っ てMmRad51機能を破壊することができる分子が細胞増殖を阻害し、細胞の生存能 を低下させることに着目することが重要である。従って、MmRad51経路を破壊す る任意の分子は例えば癌の治療に有用であると判るはずである。さらに、MmRad5 1あるいはMmRad51経路の他のいずれかの分子が関与するタンパク質-タンパク質 相互作用の任意のものを破壊することも癌治療に有用であると判明するはずであ る。 タンパク質-タンパク質相互作用は、酵母細胞における組換え修復に重要であ り、ScRad51及びScRad52が関与する相互作用を含む(Donovanら、1994;Milneら、 1993)。さらに、ヒトRad51及びRad52タンパク質はその酵母相同体と同様に会合 することが示されている(Shenら、1996,J Biol.Chem.271:148-152)。 MmRad51と会合するタンパク質を単離するために、MmRad51を「餌(bait)」とし 、T細胞ライブラリー及び胚細胞ライブラリーを「被食物(prey)」として酵母2- ハイブリッドスクリーニングを行った。このスクリーニングを使用して同定され たタンパク質から、MmRad51及びBrca2が単離され、このスクリーニングを使用し て同定された相互作用がin vivoの機能に重要なものであることが判明し得る。M mRad51(あるいはその他の任意の標的タンパク質)と会合し得る化合物を同定する のに有用であり得る別の生化学的結合アッセイは当分野で周知であり、限定する ものではないが、平衡または膜フロー透析、抗体結合アッセイ、ゲル-シフトア ッセイ、in vitro結合アッセイ、フィルター結合アッセイ、酵素結合免疫吸着ア ッセイ(ELISA)、ウェスタンブロット、免疫共沈降、免疫金(immunogold)免疫 共沈降、同時免疫ローカライゼーション、同時結晶化、蛍光エネルギー移動、競 争結合アッセイ、化学的架橋、アフィニティ精製等が挙げられる。さらに遺伝子 分析を使用してMmRad51と相互作用し、あるいはMmRad51機能に周辺で(peripher ally)関与するアクセサリータンパク質を同定することができる。MmRad51アク セサリータンパク質がMmRad51機能に必須である場合は、これらのタンパク質を コードする遺伝子における変異は、通常、MmRad51変異と関連するものと同様の 表現型を生じる。同様に、MmRad51アクセサリータンパク質が、MmRad51活性を阻 害し、あるいは遅延させるように機能する場合は、これらの因子をコードする遺 伝子における変異は一般的にアンタゴニスト表現型を模倣するものとなる。 MmRad51自己会合をさらに調べた。欠失分析により、MmRad51自己会合はN-末端 領域において起こることが判明し、これはさらに、ScRad51及びRecAの両者がタ ンパク質のN-末端領域を介して自己会合することが示されていることから、こ れらの両者ど同じ機能を保存していることが示された(Donovanら、1994;Horii,1 992;Storyら、1992,1993;Tateishiら、1992;Yarranton及びSedgwick,1982)。 本明細書において開示する発明は、哺乳類目の例示的な種を使用して具体的に例 示したが、Rad51タンパク質において観察される比較的高レベルの種間配列類似 性(及び機能的類似性)を考慮すれば、本発明がヒトその他の哺乳動物種、並びに 鳥類、魚類のような非哺乳動物に広く適用できることは明らかである。 マウスに加えて、本発明の実施において使用し得る哺乳動物種の例としては、 限定するものではないが、ヒト、非ヒト霊長類(例えばチンパンジー)、豚、ラッ ト(あるいはその他の齧歯動物)、ウサギ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、モルモット等が 挙げられる。 哺乳動物Rad51の機能の非常な重要性を考慮すると、哺乳動物Rad51あるいはRa d52複合体、あるいはそれらの経路の任意のメンバーの何らかの破壊は必然的に 細胞増殖あるいは生存能を阻害することになる。改変したマウスrad51をマウス 細胞中に導入することによりRad51及びRad52経路を破壊した場合、非生産的なタ ンパク質-タンパク質会合が生じる。マウスrad51の改変した形態は、保存された ヌクレオチド結合モチーフを破壊し、タンパク質会合ドメインを保存することに より生成した。これらの導入遺伝子の発現により細胞毒性が生じた。おそらくは 、生じた非生産的なタンパク質会合は、これらの細胞の生存能の劇的な低下の原 因であろう。この結果から見て、欠陥タンパク質あるいはその他の手段、例えば 小さい分子を使用してタンパク質の会合を阻害し、哺乳動物Rad51の機能あるい はこの修復経路の任意のタンパク質の機能を破壊することにより細胞増殖を減少 させ得ることは明らかである。 Rad51タンパク質が自己会合することが知られていることから、Rad51タンパク 質配列はRad51機能あるいは活性を破壊するペプチドあるいは因子の同定あるい は生成のための鋳型を与えるものである。本発明の目的においては、「ペプチド 」は少なくとも約5個〜約100個のアミノ酸の任意の配列である。典型的には、 本発明のペプチドは酵素ドメイン、DNA、RNAもしくはタンパク質結合ドメ イン、または細胞内のRad51もしくはRad52活性を破壊する所望の機能を直接ある いは間接的に与えるタンパク質の断片もしくはアミノ酸配列を包含し得る。従っ て、本発明の別の態様は、哺乳動物Rad51アミノ酸配列(配列番号1)あるいはヒト Rad51アミノ酸配列(配列番号2)の少なくとも5個の連続したアミノ酸に対応する ペプチドあるいはポリペプチドであって、(適当な生化学的、遺伝学的あるいは 細胞アッセイを使用して検出して)哺乳動物Rad51に結合することができ、及び/ またはRad51機能を阻害することができる性質を保持するものである。 さらに、正常なRad51機能をブロックすることは、プログラムされた細胞死を 誘導し得る。従って、本発明の一つの形態は、正常なRad51若しくはRaLd52活性 により媒介され、またはそれらと関連する必須のプロセスを遺伝的に操作し、あ るいは破壊することができる治療剤、因子、あるいは化合物の新規なクラスであ る。従って、治療剤のこの新規なクラスは、限定するものではないが、自己免疫 障害及び疾患、炎症、癌、移植拒絶、種々の増殖性あるいは過増殖性疾患の任意 のものを含む疾患の治療に使用し得るものである。 上記に記載した分子に基づく治療剤の典型的な例としては、限定するものでは ないが、タンパク質複合体に関連するタンパク質の欠陥(人工的あるいは天然の) 形態、タンパク質の阻害断片、哺乳動物Rad51の機能を破壊するタンパク質をコ ードする野性型及び改変した遺伝子、小さい有機分子、アンチセンス核酸配列、 トリプレックスメカニズムにより発現あるいは活性を阻害するオリゴヌクレオチ ド、ペプチド、アプタマーオリゴヌクレオチド等が挙げられる。 より特定的には、遺伝子操作したタンパク質の例としては、限定するものでは ないが、保存された活性部位(例えばATP結合モチーフ、DNAもしくはタンパク 質結合ドメイン、触媒部位等)に不活性化変異を含むタンパク質、少なくとも1 つの阻害ドメインを含む融合タンパク質等が挙げられる。 上記薬剤は広く様々な供給源から得ることができる。例えば、有機合成の標準 法を標的DNA修復タンパク質の所望の領域を模倣する小有機分子の生成に用い ることができる。加えて、莫大な数の化合物を含むコンビナトリアルライブラリ ー(Gallopら,1994,J.Med.Chem.37(9):1233-1251;Gordonら,1994,J.Med .Chem.37(10):1385-1401:及び米国特許第5,424,186号において概説されてい る有機物質、ペプチド、又は核酸。これらの全ては参照により本明細書に組み入 れる)を、DSB修復又は他の潜在的な哺乳動物のRad51機能に関与するタ ンパク質に結合し、又はその活性を阻害する能力についてスクリーニングするこ とができる。 特に、阻害性ペプチドが非常に有用であることがわかるはずである。このよう な化合物にはペプチド、例えば、可溶性ペプチドが含まれ得るがこれらに限定さ れるものではなく、この可溶性ペプチドにはランダムペプチドライブラリー(例 えば、Lamら,1991,Nature 354:82-84;Houghtenら,1991,Nature 354:84-86 を参照)、並びにD−及び/又はL−配置アミノ酸、ホスホペプチドで作製され たコンビナトリアル化学誘導分子ライブラリー(ランダムもしくは部分的に変性 した定方向ホスホペプチドライブラリーのメンバーを含むがこれらに限定される ものではない;例えば、Songyangら,1993,Cell 72:767-778を参照)のメンバ ーが含まれるがこれらに限定されるものではない。 DSB修復の重要な側面がタンパク質の相互作用であるならば、本発明のさら なる態様は、DSB修復に関与するタンパク質の相互作用又はそのような相互作 用の欠如の検出にスクリーニングアッセイを用いることである。以下のアッセイ は、DSB修復に関与するタンパク質と相互作用する(例えば、結合する)化合 物を同定するように設計されている。本発明に従ってスクリーニングすることが できる化合物には、DSB修復に関与するタンパク質の天然リガンドに結合し、 もしくはそれによって誘発される活性を模倣し(すなわち、アゴニスト)、又はD SB修復に関与するタンパク質の天然リガンドによって誘発される活性を阻害す る(すなわち、アンタゴニスト)ペプチド、抗体及びそれらの断片、プロスタグ ランジン、脂質、並びに他の有機化合物(例えば、テルピン(terpines)、ペプチ ド模倣体(peptidomimetics));それに加えて、DSB修復に関与する所定のタン パク質の天然リガンドを模倣するペプチド、抗体もしくはそれらの断片、及び他 の有機化合物が含まれるがこれらに限定されるものではない。 このような化合物にはペプチド、例えば、可溶性ペプチドが含まれ得るがこれ らに限定されるものではなく、この可溶性ペプチドにはランダムペプチドライブ ラリー(例えば、Lam,K.S.ら,1991,Nature 354:82-84;Houghten,R.ら,1991 ,Nature 354:84-86を参照)、並びにD−及び/又はL−配置アミノ酸、ホスホ ペプチドで作製されたコンビナトリアル化学誘導分子ライブラリー(ランダム もしくは部分的に変性した定方向ホスホペプチドライブラリーのメンバーを含む がこれらに限定されるものではない;例えば、Songyang,Z.ら,1993,Cell 72: 767-778を参照)のメンバー;抗体(ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、 抗イディオタイプ、キメラもしくは一本鎖抗体、及びFAb、F(ab)2及びFAb発現 ライブラリー断片、及びそれらのエピトープ結合断片を含む);並びに小有機もし くは無機分子が含まれるがこれらに限定されるものではない。 本発明に従ってスクリーニングすることができる他の化合物には、適切な細胞 内に侵入しで、例えば、DSB修復に重要なタンパク質−タンパク質相互作用を 調節することにより(例えば、DSB修復に関与するタンパク質と相互作用する ことにより)DSB修復に影響を及ぼし得る小有機分子;又は、DSB修復に関 与するタンパク質をコードする遺伝子の活性に影響を及ぼすような化合物が含ま れるがこれらに限定されるものではない。 コンピュータ・モデリング及び探索技術は、例えばDSB修復に関与するタン パク質−タンパク質相互作用を調節することにより、DSB修復を調節すること が可能な化合物の同定、又は既に同定されている化合物の改善を可能にする。こ のような化合物又は組成物を同定することで、その活性部位又は領域を同定する ことができる。このような活性部位は、典型的には、結合パートナー部位、例え ば、DSB修復に重要なタンパク質とその同族リガンドとの相互作用ドメインで ある。この活性部位は当該技術分野において公知の方法を用いて、例えば、ペプ チドのアミノ酸配列から、核酸のヌクレオチド配列から、又は関連化合物もしく は組成物とその天然リガンドとの複合体の研究から同定することができる。後者 の場合、化学的もしくはX線結晶学的方法を用いて、その因子のどこに複合体形 成リガンドが見出されるのかを見出すことにより活性部位を見出すことができる 。 次に、その活性部位の三次元幾何構造を決定する。これは、完全な分子構造を 決定することができる既知の方法、例えばX線結晶学を含むにより行うことがで きる。他方で、特定の分子内距離を決定するのに固相もしくは液相NMRを用い ることができる。部分的もしくは完全な幾何構造を得るためには、他のあらゆる 構造決定の実験的方法を用いることができる。幾何構造は、決定される活性部位 構造の正確性を増加させることができる天然もしくは人工の複合体形成リガンド を用いて測定することができる。 決定される構造が不完全であるか、又はその正確性が不十分である場合、コン ピュータベースの数値モデリング法を用いて構造を完全なものとし、又はその正 確性を改善することができる。特定の生体高分子、例えばタンパク質もしくは核 酸、に特異的なパラメータ化モデル、分子運動の計算に基づく分子動態モデル、 熱的集合体(thermal ensembles)に基づく統計力学モデル、又は組み合わせモ デルを含むあらゆる認められたモデリング法を用いることができる。ほとんどの 型のモデルについて、構成原子又は基の間の力を表す標準分子力場が必要であり 、これは物理化学において公知の力場から選択することができる。不完全な、も しくは正確性に劣る実験的構造は、これらのモデリング法により算出される完全 でより正確な構造の制約となる可能性がある。 最後に、実験的に、モデリングにより、又はそれらの組み合わせにより活性部 位の構造を決定することで、化合物をそれらの分子構造に関する情報と共に含む データベースを検索することにより調節化合物候補を同定することができる。こ のような検索は、所定の活性部位の構造と一致し、かつその活性部位を決定する 基と相互作用する構造を有する化合物を探索する。このような検索は手動であっ てもよいが、好ましくはコンピュータの支援を受ける。このような検索により見 出される化合物は、一般に、調節化合物又はそれをコードする遺伝子を同定し、 これらはさらなる研究又は遺伝子ターゲッティングのために選択される。 あるいは、これらの方法を、既知の調節化合物又はリガンドから改善された調 節化合物を同定するのに用いることができる。公知化合物の組成物を改変するこ とが可能であり、改変の構造的効果を、先に新規組成物に適用した上記実験的及 びコンピュータモデリング法を用いて決定することができる。次に、その変更さ れた構造をその化合物の活性部位の構造と比較して、適合もしくは相互作用の改 善が生じるかどうかを決定する。このようにして、例えば側鎖の変化による、組 成物における体系的な変化を迅速に評価して、特異性もしくは活性が改善された 改変調節化合物又はリガンドを得ることができる。 調節タンパク質相互作用の活性部位及び関連伝達因子の同定に基づく調節化合 物の同定に有用なさらなる実験的及びコンピュータモデリング法は当業者に明ら かであろう。 分子モデリングシステムの代表的な例としては、CHARMm及びQUANTAプログラム (Polygen Corporation、ウォルサム、MA)が挙げられる。CHARMmはエネルギー 最小化及び分子動態機能を行う。QUANTAは分子構造の構築、グラフィックモデリ ング及び解析を行う。QUANTAでは、分子相互の挙動の対話式の構築、改変、可視 化、及び解析が可能である。 結合を変化させることができる化合物の設計及び生成に関して上述したが、天 然生成物もしくは合成化学物質、及びタンパク質を含む生物学的に活性の物質を 含む既知化合物のライブラリーを、DSB修復のいずれかの側面に重要であるタ ンパク質及び遺伝子の阻害剤又は活性化剤である化合物についてスクリーニング することもできる。 in vitro系を、主題の方法を用いて同定される調節タンパク質と相互作用する (例えば、結合する)ことが可能な化合物を同定するために設計することができ る。同定された化合物は、例えば、DSB修復に重要な野生型及び/又は変異体 タンパク質の活性を調節する上で有用であり得る。また、in vitro系は、DSB 修復に重要である正常な相互作用を破壊する化合物のスクリーニングに用いるこ ともできる。 DSB修復に重要なタンパク質に結合する化合物を同定するのに用いられるア ッセイは、所定のタンパク質と試験化合物との反応混合物を、その2種煩の成分 が相互作用して結合し、それによりその反応混合物中から除去し、及び/又は検 出することが可能な複合体を形成するのに十分な条件下において、それに十分な 時間で調製することを含む。用いられるタンパク質は、そのスクリーニングアッ セイの目的に応じて変化し得る。例えば、天然リガンドのアゴニストが求められ る場合、完全長タンパク質、又はそのアッセイシステムにおいて利点(例えば、 生じる複合体の標識、単離等)をもたらすタンパク質もしくはポリペプチドを含 む融合タンパク質を用いることができる。 これらのスクリーニングアッセイは様々な方法で行うことができる。例えば、 このようなアッセイを行うための方法の1つは、タンパク質、ポリペプチド、ペ プチドもしくは融合タンパク質又は試験物質を固相上に固定し、タンパク質と試 験化合物との結合を検出することを含む。このような方法の一つの実施形態にお いては、タンパク質反応体を固体表面に固定し、固定されていない試験化合物を 直接的もしくは間接的に標識することができる。この方法の別の実施形態におい ては、試験タンパク質を固相上に固定し、標識した抗体と複合体を形成させる( モノクローナル抗体を用いる場合には、好ましくは、そのタンパク質の所定の領 域に特異的である)。その後、試験化合物を、そのタンパク質/抗体複合体の会 合を破壊するその能力についてアッセイすることができる。 実際には、マイクロタイタープレート又はそれらの近代化された反復体を固相 として便利に用いることができる。固定される成分は非共有結合的又は共有結合 的な結合により固定することができる。非共有結合的結合は、単に固体表面をタ ンパク質の溶液で被覆し、乾燥させることにより達成することができる。その代 わりに、固定しようとするタンパク質に特異的な固定された抗体、好ましくはモ ノクローナル抗体を、固体表面へのタンパク質の固定に用いることができる。こ れらの表面は予め準備して保存することができる。 このアッセイを行うためには、固定されていない成分を、固定した成分を有す る被覆表面に加える。反応が完了した後、未反応成分を、形成された複合体が固 体表面上に固定されたままとなるような条件下で(例えば、洗浄により)除去す る。固体表面上に固定された複合体の検出は幾つかの方法により達成することが できる。それ以前の固定されていない成分が予め標識されている場合、表面に固 定されている標識の検出は複合体が形成されたことを示す。それ以前の固定され ていない成分が予め標識されていない場合、表面に固定された複合体の検出に間 接的標識を用いることができる;例えば、それ以前の固定されていない成分に特 異的な標識抗体(この抗体を、次に、標識抗Ig抗体で直接標識し、又は間接的 に標識することができる)を用いる。 あるいは、反応を液相で行い、その反応産物を未反応成分から分離し、複合体 を検出することができる;例えば、試験タンパク質、ポリペプチド、ペプチドも しくは融合タンパク質、又は試験化合物に特異的な固定化抗体を溶液中で形成さ れた複合体の固定に用い、かつ存在し得る複合体の他方の成分に特異的な標識抗 体を固定された複合体の検出に用いる。 DSB修復に重要な所定のタンパク質と相互作用する巨大分子を、この考察の ために、“結合パートナー”と呼ぶ。したがって、DSB修復の調節において有 用であり得るこのような結合パートナーを妨害し、又はその結合パートナーとの 相互作用を破壊する化合物を同定することが望ましい。 タンパク質とその結合パートナー(1種類もしくは複数種類)との相互作用を 妨害する化合物の同定に用いられるアッセイシステムの基本原理は、上述の試験 タンパク質、ポリペプチド、ペプチド又は融合タンパク質、及び結合パートナー を含む反応混合物を、それらの2種類が相互作用して結合し、それにより複合体 を形成するのに十分な条件下において、それに十分な時間で調製することを含む 。化合物を阻害活性について試験するため、この反応混合物を試験化合物の存在 下、又は存在しない条件下で調製する。試験化合物は最初から反応混合物中に含 まれていてもよいし、又は試験タンパク質及びその結合パートナーの添加に続い て添加してもよい。対照反応混合物は試験化合物なしで、又はプラセボと共にイ ンキュベートする。次に、試験タンパク質と結合パートナーとの間での複合体の 形成を検出する。対照反応においては複合体が形成されるものの、試験化合物を 含む反応混合物中では形成されないことは、その化合物が試験タンパク質と結合 パートナーとの相互作用を妨害することを示す。 タンパク質の結合を妨害する化合物のアッセイは不均一又は均一な形式で行う ことができる。不均一アッセイは、試験タンパク質又は結合パートナーのいずれ かを固相上に固定し、反応の最後に固相上に固定される複合体を検出することを 含む。均一アッセイにおいては、全ての反応を液相中で行う。以下の例では、相 互作用を破壊し、又は強化する化合物をスクリーニングするように容易に改変す ることができる類似のアッセイが記述されている。いずれのアプローチにおいて も、反応体を添加する順序を変えて試験する化合物に関する異なる情報を得るこ とができる。例えば、競合によって相互作用を妨害する試験化合物は、試験物質 の存在下において反応を行うことにより、すなわち、その試験物質を試験タンパ ク質及び相互作用性結合パートナーに先立って、又はそれと同時に反応混合物に 添加することにより同定することができる。あるいは、予め形成された複合体を 破壊する試験化合物、例えば、複合体から成分のうちの1つを置換する高結合定 数を有する化合物を、複合体が形成した後に反応混合物にその試験化合物を添加 することにより試験することができる。様々な形式を以下に簡潔に記載する。 不均一アッセイ系においては、試験タンパク質又は相互作用性結合パートナー のいずれかを固体表面上に固定し、固定しない種は直接的もしくは間接的に標識 する。実際には、マイクロタイタープレートが都合よく用いられる。固定する種 は非共有結合的又は共有結合的結合により固定することができる。非共有結合的 結合は、単に固体表面を試験タンパク質又は結合パートナーの溶液で被覆し、乾 燥させることにより達成することができる。あるいは、固定しようとする種に特 異的な固定された抗体を用いてその種を固体表面に固定することができる。これ らの表面は予め準備して保存することができる。 このアッセイを行うためには、固定した種のパートナーを試験化合物と共に、 又は試験化合物なしで、被覆表面に晒す。反応が完了した後、未反応成分を(例 えば、洗浄により)除去し、形成されたあらゆる複合体を固体表面上に固定した ままにする。固体表面上に固定された複合体の検出は幾つかの方法により達成す ることができる。固定されていない種が予め標識されている場合、表面に固定さ れている標識の検出は複合体が形成されたことを示す。固定されていない種が予 め標識されていない場合、表面に固定された複合体の検出に間接標識を用いるこ とができる;例えば、最初の固定されていない種に特異的な標識抗体(この抗体 を、次に、標識抗Ig抗体で直接標識し、又は間接的に標識することができる) を用いる。反応成分を添加する順序に応じて、複合体の形成を阻害する化合物又 は予め形成された複合体を破壊する化合物を検出することができる。 あるいは、反応を試験化合物の存在下、又は存在しない条件下において液相で 行い、その反応産物を未反応成分から分離し、複合体を検出することができる; 例えば、その結合成分のうちの1つに特異的な固定化抗体を溶液中で形成された 複合体の固定に用い、かつ他方のパートナーに特異的な標識抗体を固定された複 合体の検出に用いる。先と同様に、反応体を液相に添加する順序に応じて、複合 体を阻害する試験化合物又は予め形成された複合体を破壊する試験化合物を同定 することができる。 本発明の別の実施形態においては、均一アッセイを用いることができる。この アプローチにおいては、試験タンパク質と相互作用性結合パートナーとの複合体 を予め形成し、この複合体においてはいずれかのタンパク質が標識されているが 、その標識により生じる信号は複合体の形成により抑制されている(例えば、こ のアプローチを免疫アッセイに用いるRubensteinによる米国特許第4,109,496号 を参照)。この予め形成された複合体の種の1つと競合し、かつそれを置換する 試験物質を添加することで、バックグランドを上回る信号が発生する。このよう にして、結合相互作用を破壊する試験物質を同定することができる。 典型的な標識手順の例として、例えば関連結合ドメインに対応する、試験タン パク質又はペプチド断片をグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)遺 伝子に、融合ベクター、例えば、pGEX−5X−1を用いて、生じる融合タンパク質 においてその結合活性が維持されるような様式で融合させることができる。相互 作用性結合パートナーは放射性アイソトープで、例えば、当該技術分野において 通常実施される方法により標識することができる。不均一アッセイにおいては、 例えば、このGST融合タンパク質をグルタチオン−アガロースビーズに固定す ることができる。次に、この相互作用性結合パートナーを試験化合物の存在下、 又は存在しない条件下において、相互作用及び結合が生じる様式で添加すること ができる。反応期間の最後に、未結合物質を洗い流すことができる。融合タンパ ク質と標識した相互作用性結合パートナーとの相互作用を、グルタチオン−アガ ロースビーズと会合したままの放射能の量を測定することにより検出することが できる。試験化合物による結合の阻害が成功すると、測定される放射能が減少す る。 あるいは、GST融合タンパク質及び標識した相互作用性結合パートナーを液 相中で、固体グルタチオン−アガロースビーズが存在しない条件下において、一 緒に混合することができる。試験化合物は、これらの種が相互作用する間に、又 はその後に添加することができる。次に、この混合物をグルタチオン−アガロー スビーズに添加することができ、未結合物質を洗い流す。先と同様に、結合阻害 の程度は、これらのビーズと会合する放射能の量を決定することにより測定する ことができる。 本発明の別の実施形態においては、試験タンパク質の結合ドメインに相当する ペプチド断片を完全長のタンパク質の代わりに用いて、これらと同じ技術を用い ることができる。当該技術分野において通常実施される多数の方法を結合部位の 同定及び単離に用いることができる。これらの方法には、タンパク質をコードす る遺伝子の突然変異誘発及び同時免疫沈降アッセイにおける結合の破壊のスクリ ーニングが含まれるが、これらに限定されるものではない。タンパク質をコード する遺伝子の配列解析により、相互作用性結合に関与するタンパク質の領域に対 応する突然変異が明らかになる。 本発明は、本発明の方法を用いて同定及び構築される様々な遺伝子型に関連す る表現型を変更し、又はそれを矯正する能力を示す化合物を同定するための細胞 ベース及び動物モデルベースのアッセイを包含する。このような細胞ベースのア ッセイも、組換えにより、又は合成により生成したタンパク質又は化合物を含む 化合物の純度及び有効性のアッセイに対する標準として用いることができる。 それらが、細胞内でのDSB修復活性を破壊するための薬剤を合理的に設計す るためのテンプレートとして役立つのであれば、他の潜在的な哺乳動物Rad51機 能のDSB修復に直接的もしくは間接的に関与する個々のタンパク質の各々を精 製する上で有利である。DSB修復経路に関与する様々なタンパク質を、十分に 確立された生化学的及び分子生物学的技術の多くの変法のうちのいずれかを用い て精製することができる。このような技術は生化学分野における通常の知識を有 する者には公知であり、Berger及びKimmel,Guide to Molecular Cloning Techn iques ,Methods in Enzymology,第152巻 ,Academic Press,San Diego,CA(1987;M olecular Cloning:A Laboratory Manual ,第2版,Sambrook,J.,Fritsch,E.F., 及びManiatis,T.(1989);Current Protocols in Molecular Biology,John Wile y & Sons,全巻,1989,及びそれらの定期更新物;New ProteinTechniques:Metho ds in Molecular Biology ,Walker,J.M.ら編,Humana Press,Clifton,N.J., 1988;並びにProtein Purification:Principles and Practice ,第3版,Scopes ,R.K.,Springer-Verlag,New York,N.Y.,1987のような参考文献に広範に記 述されている。一般には、硫酸アンモニウム沈澱;遠心、イオン交換、ゲル濾過 、及び逆相クロマトグラフィー(及びそれらのHPLC又はFPLC形態)を含 むがこれらに限定されるものではない技術を、DSB修復複合体 の様々なタンパク質を精製するのに用いることができる。 さらに、本明細書に記載されるDNA修復タンパク質、関連タンパク質、又は それらの断片の精製調製物を、所定の薬剤に特異的な抗血清の生成に用いること ができる。したがって、本発明のさらなる実施形態では、本明細書に記載される DNA修復複合タンパク質のエピトープを認識するポリクローナル及びモノクロ ーナル抗体が含まれる。目的の抗体を誘発するのに用いられる因子は生物学的に 活性である必要はない;しかしながら、これらの因子は抗体の産生に用いられる 動物において免疫学的活性を誘発しなければならない。 同様の方法論を様々な因子に対する抗体の産生に適用することができるものと 仮定して、便宜上、Rad51因子抗体のみをさらに説明する。 Rad51特異的抗体の誘発に用いられるポリペプチドは、Rad51のアミノ酸配列の 一部を模倣する、少なくとも3つのアミノ酸、好ましくは10のアミノ酸からなる アミノ酸配列を有することができ、天然のRad51又はRad51誘導体の全アミノ酸配 列を含んでいてもよい。 抗Rad51抗体には医療上有用な様々な用途があるものと期待され、そのうちの 幾つかを以下に一般的に記載する。抗Rad51抗体の様々な使用のより詳細かつ具 体的な説明は、続く節及び小節に示される。簡潔に述べると、抗Rad51抗体は、 培養細胞、組織サンプル、及びin vivoにおけるRad51ポリペプチドの発現の検出 及び定量に用いることができる。このようなRad51の免疫学的検出は、例えば、 DSB修復を阻害する因子で処理した新生物の同定、監視、及びその予後の補助 に用いることができる。さらに、Rad51構造の異なる部分からのエピトープを認 識するモノクローナル抗体を、未変性のRad51とその分子の様々な小成分及び/ 又は変異体形態を検出し、及び/又はそれらを区別するのに用いることができる 。さらに、抗Rad51モノクローナル抗体をRad51のセグメントを模倣し、又はRad 51とのタンパク質の会合を損なうように設計される薬剤又は因子の試験調製に用 いることができ、又はDNAの結合の競合的阻害に用いることができる。抗Rad5 1抗体の様々な診断上及び治療上の有用性に加えて、幾つかの産業上及び研究上 の用途が当業者には明らかであり、これには、例えば、Rad51関連ポリペプチド を単離するための親和性試薬としての、並びにRad51の生合成、代謝及び生 物学的機能を解明するための免疫学的プローブとしての抗Rad51抗体の使用が含 まれる。また、Rad51抗体は、アフィニティクロマトグラフィーによるRad51又は Rad51関連因子の精製に用いることもできる。 ひとたび精製すると、目的のタンパク質を部分的に配列決定し、これらのデー タを、DSB修復に関連する様々なタンパク質をコードする遺伝子のクローン化 において用いるための縮重オリゴヌクレオチドプローブの設計に用いることがで きる。あるいは、様々な公的もしくは私的配列データベースのいずれをも、Rad5 1介在DSB修復に関連する遺伝子及びタンパク質と相同性を共有する核酸又は ペプチド配列について検索することができる。ひとたび類似の配列が同定される と、ペプチドを生成させ、阻害活性についてスクリーニングすることができる。 核酸ライブラリーを用いる場合、目的の核酸配列に対応するプローブを合成し、 そのプローブを完全長の対応する遺伝子のクローン化に用いることができる(必 要である場合)。したがって、本発明のさらなる実施形態は、ストリンジェント な条件下においてDSB修復に関連するタンパク質をコードする配列にハイブリ ダイズすることが可能な核酸配列である。本発明の目的上、「ストリンジェント な条件」という用語は、一般に、(1)低イオン強度及び高温、例えば、0.015M NaCl/0.001.5Mクエン酸ナトリウム/0.1%SDSを50℃で洗浄に用い; 又は(2)ハイブリダイゼーションの間、ホルムアミドのような変性剤、例えば、0 .1%ウシ血清アルブミンを含む50%(体積/体積)ホルムアミド/0.1%フィコ ール/0.1%ポリビニルピロリドン/750mM NaCl、75mMクエン酸ナトリウム を含むpH6.5の50mMリン酸緩衝液を42℃で用い;又は(3)50%ホルムアミド、 5×SSC(0.75M NaCl、0.075Mピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト 溶液、超音波処理サケ***DNA(50g/ml)、0.1%SDS、及び10%硫酸デキス トランを42℃で用いて、42℃で0.2×SSC及び0.1%SDSで洗浄するハイブリ ダイゼーション条件を指す。上述のハイブリダイゼーション条件の例は単に例示 するために示されるものであり、限定するものではない。このような通常の分子 生物学技術のより詳細な取り決めは、Sambrookら,Molecular Cloning,Cold Sp ring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York,第1−3巻:(1989) 、及びそれらの定期更新物に見出すことができ、これらは参照により 本明細書に組み入れる。 ひとたび単離されると、DSB修復に関与するタンパク質をコードするそれら の遺伝子を標準的なベクター及び宿主を用いて組換えにより発現させることがで きる。目的のタンパク質を発現させるのに用いることができるベクターの例は、 Sambrookら,Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Laboratory Piress,Col d Spring Harbor,New York,第1−3巻:(1989)に示されている。特に、真核細胞 のウイルスをベクターとして用いて広範な植物及び動物細胞のうちのいずれであ っても形質導入することができ、所望のタンパク質を過剰発現させることができ る。このようなウイルスの例にはアデノウイルス、パピローマウイルス、ヘルペ スウイルス、アデノ随伴ウイルス、狂犬病ウイルス、バキュロウイルス、レトロ ウイルス、植物ウイルス等が含まれるがこれらに限定されるものではない(一般 には、Sambrookら,Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Laboratory Press ,Cold Spring Harbor,New York,第3巻:16.1-16.89(1989);1994年5月31日発行 の米国特許第5,316,931号を参照、これらは参照により本明細書に組み入れる)。 好ましくは、DSB修復を破壊する薬剤は所望の修復経路の遮断に実質的に特 異的なものである。本発明の目的上、実質的に特異的という用語は、所定の薬剤 が過度の細胞毒性を引き起こすことなく所望の効果を示すように投与することが できることを意味する。 当業者は、臨床医及び患者の立場から、望ましくない症状(例えば、疾患、環 境因子に対する感受性、正常な加齢等に関連する症状)の事実上全ての緩和又は 予防が望ましいことを理解するであろう。したがって、本願の目的上、本明細書 で用いられる「治療」、「治療上の使用」、又は「医療上の使用」という用語は、疾 患状態もしくは症状を癒し、又はいかなる方法であっても疾患もしくは他の望ま しくない症状の進行を他の様式で防止し、妨害し、遅らせ、もしくは逆転させる 、本発明の薬剤を含む組成物のあらゆる全ての使用を指す。 疾患の治療において用いられる場合、ここに記載される薬剤又はそれらの誘導 体の適切な投与量は、幾つかの十分に確立された方法論のいずれで決定してもよ い。例えば、動物の研究が、体重キログラム当たりの生理活性薬剤の最大耐容量 、 すなわちMTDの決定に通常用いられる。一般には、試験する動物種のうちの少 なくとも1つは哺乳動物である。当業者は、通例、ヒトを含む他の種に対して有 効性を高め、かつ毒性を回避するため、用量を外挿する。有効性の人体研究を行 う前には、正常被験者におけるフェーズI臨床研究が安全な用量を確立する助け となる。 さらに、この生物活性薬剤を、例えば、その生物活性薬剤の安定性を高め、又 は他の方法でその薬理学的特性を高める(例えば、in vivo半減期を増大させる、 毒性を低下させる等)、様々な十分に確立された化合物又は構造体と複合体を形 成させることができる。 本発明の別の態様は、DSB修復アンタゴニストの徐放を与える製剤を含む。 このような徐放製剤は、生体適合性ポリマー、例えば、ポリ(乳酸)、乳酸・グ リコール酸共重合体(poly(lactic-co-glycolic acid))、メチルセルロース、ヒ アルロン酸、コラーゲン等の複合材料を含む。薬物送達ビヒクルにおける分解性 ポリマーの構造、選択及び使用は、A.Dombら,Polymers for Advanced Technol ogies 3:279-292(1992)を含む幾つかの刊行物に概説されている。医薬製剤にお けるポリマーの選択及び使用のさらなる手引きは、M.Chasin及びR.Langer(編 )によるテキスト、“Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systeras,” “Drugs and the Pharmaceutical Sciences,”の第45巻、M.Dekker、New York、 1990に見出すことができる。リポソームも、DSB修復アンタゴニストの徐放を 与えるのに用いることができる。目的の薬物のリポソーム製剤の使用及び製造方 法に関する詳細は、とりわけ、米国特許第4,944,948号;米国特許第5,008,050号 ;米国特許第4,921,706号;米国特許第4,927,637号;米国特許第4,452,747号; 米国特許第4,016,100号;米国特許第4,311,712号;米国特許第4,370,349号;米 国特許第4,372,949号;米国特許第4,529,561号;米国特許第5,009,956号;米国 特許第4,725,442号;米国特許第4,737,323号;米国特許第4,920,016号に見出す ことができる。徐放製剤は、例えば、腫瘍、炎症部位等の近傍に、高局所濃度の DSB修復アンタゴニストをもたらすことが望ましい場合、特に興昧深いもので ある。 本明細書に記載する薬剤またはその誘導体の診断、治療または医薬 としての使用を意図する場合、多数の確立された方法のいずれによってもin viv oで、これらの生物活性薬剤を導入することがでぎる。例えば、吸入によって; 、皮下(sub-q)、静脈内(I.V.)、腹腔内(I.P.)、若しくは筋肉内(I.M.)注射によ って;または局所投与剤(経皮パッチ、軟膏、クリーム、膏薬、点眼薬など)と して、薬剤を投与することができる。 その他、本明細書に開示された抗増殖剤を使用するための変法として、この薬 剤をコードする遺伝子をターゲット細胞中に直接挿入するためのベクターの使用 (例えば遺伝子治療)が含まれる。例えば、腫瘍細胞がこの所望の配列をコード する遺伝子を発現する場合、DSB修復は遮断されるので、腫瘍細胞は死ぬことに なる。あるいは、ここに参照として引用するU.S.特許No.5,529,774に開示された ものと概念的に同様の戦略を使用して、腫瘍細胞を攻撃することもできる。簡単 に述べると、DSB修復を遮断する配列をコードする形質導入ウイルスを産生する 細胞を腫瘍塊またはその近辺に内植することができる。産生細胞がウイルスを生 産し続けるので、これらがDSB修復をブロックする薬剤を発現するにつれて、成 長する腫瘍細胞は感染して効率的に殺される。上記の方法論は、活発に複製して いる腫瘍細胞を選択的にターゲットとするレトロウイルスベクターを使用するこ とによって、グリア芽細胞腫およびその他の脳の腫瘍の治療に有用であることが 証明された。Rad51またはRad51若しくはRad52経路に関与する任意のタンパク質 の発現をターゲットとする(及びこれによって阻害する)アンチセンス配列を送 達するために、同様の方法論を使用することができると考えられる。 哺乳類Rad51若しくはRad52によって仲介される修復経路および関連するタンパ ク質は細胞の増殖および生存に必須である。これらのDNA修復経路は、おそら くS/G2中の姉妹染色分体間の相同組換えを介したDSBの修復によって機能する と考えられる(組換え修復);しかし、G1中にも、非相同組換えを介してDSBの 修復が生じ ることがある(非相同末端連結)。この非相同組換え経路は、かつては哺乳類細胞 中の主要な修復経路と者えられていた。これらの確信の多くは相同組換えがラン ダムまたは異常な組換えよりも頻度が低いことを証明する遺伝子ターゲットデー タを根拠としている(Bradleyら、1992,Bio/Technology 10:534-39)。別のデータ によって、染色体DSBは相同性を持たないかまたはごく短い相同性部分しか持た ないものと連結することが多いことが証明された(Rouet and Jasin,1994,Mol.Ce ll.Biol.14:8096-8105)。DNA依存性タンパク質キナーゼ(DNA-PK)はDSBの非 相同修復には重要であるが、相同修復には重要でない(Liangら、1996,Proc.Natl .Acad.Sci.USA 93:8929-33)。DNA-PK欠失細胞系ではイオン化照射に対する2面 的応答が観察され、後期S相において耐性を示し、DNA-PKはG1において機能し 、S相では別の修復経路が機能することを示唆している(Jeggo,1990,Mutation R esearch 239:1-16)。DNA-PKはDNA-PKcsと称される触媒性サブユニットとKu70お よびKu86のヘテロ2量体であるKuと称されるDNA末端結合性サブユニットとで 構成される(Parkら、1996,J.Biol.Chem.1996:18996-19000、総説については、Ro thら、1995;Shenら、1996を参照されたい)。DNA-PK活性の分析は、DNA-PKcsを 欠失しているscid(重度複合免疫不全症)マウス(Kirchgessnerら、1995,Scien ce 267:1178-82)およびKu86欠失マウス(Nussenzweigら、1996,Nature 382:551 -55;Zhuら、1996,Cell 86:379-89)によった。scidおよびKu86欠失マウスの両 者ともV(D)J組換え中に産生されるDSBの修復の欠損によって免疫不全となってい る。残念ながら、rad51変異マウスまたは細胞中のV(D)J組換えを分析することは 不可能である。しかし、MmRad51がこの過程で役割を有するとは考えられない。 なぜならば、MmRad51は後期G1からG2にかけて核に局在し(Yamamotoら、1996,2 51:1-12)、またV(D)J組換えはG0/G1で発生する(Schlisselら、1993,Genes & De v.7:2520-32)からである。一般的に、scidおよびKu86欠失細胞はMmR ad51欠失細胞と類似性がある。すべてがイオン化照射に対して過敏性であり、そ してKu86欠失細胞は組織培養において末成熟のまま老化し、類似の機能を示した 。しかし、scidおよびKu86欠失マウスならびに細胞は生存し、MmRad51欠失細胞 は生存しなかったので、DSBを修復するための仮定上の相同組換え経路の除去の 結果は非相同経路の除去よりも致命的であると考えられる。 本明細書に記載するDSB修復アンタゴニストはがんの治療に有用であることが 特に期待される。本発明の方法によって治療することができるがんとして、限定 するわけではないが、以下のものが含まれる:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫 、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫; :気管支原性がん(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺がん)、肺 胞(細気管支)がん、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様過誤腫、中皮腫;胃腸 :食道(扁平上皮細胞がん、腺がん、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(がん腫、 リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺がん、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガ ストリノーマ、カルチノイド、ビポーマ)、小腸(腺がん、リンパ腫、カルチノイ ド、カポージ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸( 腺がん、管状線腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖器管:腎臓(腺がん 、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮 細胞がん、移行性細胞がん、腺がん)、前立腺(腺がん、肉腫)、精巣(セミノー マ、奇形腫、胎生期がん、奇形がん、絨毛がん、肉腫、間質細胞がん、線維腫、 線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:ヘパトーム(肝細胞がん)、胆管がん、肝 芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪 性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発 性骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、オステオクロンフローマ(osteochronfroma)( 軟骨性外骨腫症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫およ び巨細胞腫;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、 黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、 髄芽腫、グリオーム、脳室上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性グリア芽細胞腫 、稀突起神経膠腫、神経線維腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経線維腫、 髄膜腫、グリオーム、肉腫);婦人科系:子宮(子宮内膜がん)、子宮頸部(子宮 頚部がん、前腫瘍性子宮頚部異形成症)、卵巣(卵巣がん[漿液性嚢胞腺がん、粘 液性嚢胞腺がん、類内膜腫瘍、腹部芽腫、明細胞がん、未分類がん]、顆粒膜− 卵胞膜細胞腫瘍、セルトリ−ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形 腫)、外陰部(扁平上皮細胞がん、上皮内がん、腺がん、線維肉腫、黒色腫)、膣( 明細胞がん、扁平上皮細胞がん、ぶどう状肉腫[胎生期横紋筋肉腫])、ファロー ピウス管(がん腫);血液性:血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リン パ芽球白血病、慢性リンパ球白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄形成 異常症候群)、ホジキン症、非ホジキン性リンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性 黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮細胞がん、カボージ肉腫、奇胎、形成異常母斑 、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;ならびに副腎:神経芽細胞腫 。 本明細書に開示する化合物は、がんの他に、限定するわけではないが、以下の ものを含む非常に多種の増殖過剰疾患に対して有効である:自己免疫疾患、関節 炎、炎症性腸疾患、限定するわけではないが外科手術、血管形成術などの医療行 為の後に誘導される増殖。 哺乳類Rad51,Rad52またはDSB修復経路のいずれかのメンバーを機能的に遮断す る薬剤の抗がんのための適用には、がん細胞中でもDSB修復が重要性をそのまま 維持する必要がある。がん細胞は、増殖を制御し、また予定された細胞死を誘導 するために重要な、正常な細胞周期の調節機構の多くを欠失しているので、これ らの機構の不在によっては、Rad51および/またはRad52の機能が必須とされない 可能性が残っている。タンパク質p53は、細胞周期の調節およびイオン化照射に よって損傷したDNAを含むDNA損傷に応答した細 胞死の刺激の中心である(Ko and Prives,1996,Genes & Develop,10:1054-72に総 説がある)。p53はがん細胞中で最も共通して変異している遺伝子であり(Donehow erら、1992,Nature 356:215-21;Vogelstein,1990,Nature 348:681-682)、そし てp53の変異は細胞増殖を増大させ、染色体の不安定性を促進することが知られ ている(Harveyら、1993,Oncogene 8:2457.67)。 rad51M1変異胚および細胞中での早期死表現型は修復されないDNA損傷に対 する細胞周期の応答によって刺激される。DNA損傷はこの細胞周期を介して進 行が阻害されることが示され、DNA傷害と細胞周期タンパク質との関係が証明 された(Carr and Hoekstra,1995,Trends in Cell Biology 5:32-40)。有糸核分 裂中の出芽酵母細胞において、部分的にRad9の制御下で細胞死を誘導するために は、1個の可欠プラスミド中の単一のDSBで十分だった(Bennetら、1993,Proc.Nat l.Acad.Sci.USA 90:5613-17;Schiestlら、1989,Mol.Cell.Biol.9:1882-9654;W einert and Hartwell,1988,Science 241:317-22)。哺乳類細胞中で、腫瘍サプレ ッサー遺伝子、p53はγ照射によって誘導されたDNA損傷に応答して、細胞周 期を遅延させるかまたは予定された細胞死を誘導した(Kastanら、1991,Cancer R esearch51:6304-11;Kuerbitzら、1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7491-95)。 これらの応答はp53の重要な腫瘍サプレッサー機能であると考えられる(Bakerら 、1990,Science 249:912-15;Loweら、1994,Science 266:807-10;Symondsら、1 994,Cell 78:703-11)。イオン化照射および制限エンドヌクレアーゼに曝露した 後のp53の誘導によって、DSPの形成がp53の応答を開始させていることが示唆さ れる(Lu and Lane,1993,Cell 75:765-78)。 p53変異バックグラウンドにおいて、発生が早期エッグシリンダー(egg cylind er)段階からヘッドフオールド(head fold)段階まで続いたので、p53は少なくと も部分的にrad51M1表現型の調節に関与していた。しかし、二重変異胚は代謝不 全若しくは***不能の原因とな るDNA損傷の蓄積またはp53に無関係な調節のいずれかによって死んだ。二重 変異胚から産生されたマウス胚線維芽細胞は増殖できず、組織培養中で完全に老 化した。これによって、MmRad51機能は染色体の不安定性および加速された増殖 を示す細胞中で重要であることが証明された。したがって、MmRad51若しくはこ の経路のいずれかのタンパク質の遮断またはDSB修復経路において重要ないずれ かのタンパク質−タンパク質相互作用の遮断はおそらく、増殖の減退または細胞 の生存性の減少をもたらすであろう。この様相は、細胞周期を調節する能力が減 退した細胞中においてもそのままあてはまる。 本発明を以下の例によってさらに説明するが、これはどんな意味においても限 定する意図はない。 5.0.実施例 5.1.マウスMmRAD51cDNAのクローニング MmRAD51 cDNA配列をクローン化して、発現ベクターを作製するために使用 した。マウス精巣RNAからRT-PCRによってcDNAの5'末端を増幅し、次にこ れをプローブとして使用して、マウス脳cDNAライブラリーをスクリーニング した。1クローンを同定して配列決定した。そのコード配列は刊行された報文に 開示されたMmRAD51と同一だった(Moritaら、1993;Shinoharaら、1993);しか し、このクローンはこの他に約300塩基対の5'非コード配列および余分な約400塩 基対の3'非コード配列を含有していた(図1)。 5.2.MmRad51 と会合するタンパク質を単離するための酵母2ハイブリッドス クリーンの使用 ScRad51はScRad52およびScRad55などの別のタンパク質と会合するのと同様に 自己会合することが示された(Donovanら、1994;Haysら、1995;Johnson and Sy mington,1995;Milne and Weaver,1993:Schinoharaら、1992)。Kluyveromyces l actis RAD51およびRAD52はS.cerevisiaeのrad51△rad52△株を救済せず、またSc RA D51の過剰発現はrad55およびrad57変異酵母を抑制したので、これらは相互作用 するタンパク質が必要であることを意味している(Donovanら、1994;Haysら、19 95)。また、DmclおよびScRad51はともにシナプトネマ複合体に局在し、減数*** 性組換え中にこれらがともに作用することを示唆した(Bishop,1994)。 哺乳動物Rad51と会合するタンパク質を単離するため、改変した酵母2ハイブ リッド系を使用した。これはタンパク質−タンパク質相互作用を判定するための 遺伝スクリーンである(Harperら、1993)。タンパク質の1つはMmRad51に融合し たGAL4 DNA結合ドメインのハイブリッドである("bait")。他方は胚cDNAライ ブラリーまたはT細胞cDNAライブラリーに融合したGAL4トランス活性化ドメ インのハイブリッドである("prey")。baitおよびpreyはGAL4プロモーターに融合 した2つのレポーター、HIS3およびlacZを含有するHF7c酵母中で同時発現させ 、ヒスチジンを含まず、かつ25mM 3-AT(代謝拮抗剤;3-アミノ-1,2,4-トリアゾ ール)を含有する培地中で増殖させた。理論的にはMmRad51−タンパク質相互作 用によって、DNA結合ドメインとトランス活性化ドメインが並列したときに機能 的なGAL4が形成された。このような相互作用はHIS3およびlacZ遺伝子を誘導して 、ヒスチジンを含まない培地中で生存し、X-Gal(5-ブロモ-4-クロロ-3-インド リル-β-D-ガラクトシダーゼ)中で青色に変化することができる陽性コロニーを 生成させた。 このスクリーンから7つの特定のクローンを単離した。13.5日目の胚cDNA ライブラリー(500μg)を5×106細胞へトランスフェクトし、15cmプレート40 個にプレーティングした。T細胞cDNAライブラリー(400μg)を4×106細 胞へトランスフェクトし、15cmプレート20個にプレーティングした。約3日間で 総計80個のHis-コロニーが成長した。これらのうち、X-galに約5〜30分間曝露し た後40個が青色に変化した。baitを含まなせないかまたは非特異的bait(E12) とともにHF7c細胞をトランスフェクトすることによって、 これらのコロニーの特異性を試験した。20クローンにおいて非特異的会合が観察 された。その他のクローン中のインサートを配列決定したところ、13個が読取り 枠が合っておらず、7個が読取り枠が合っていた。残った7クローンの配列をGC Gデータベースでスクリーニングした。4クローンについて相同体が見つかった が、3つは新規であった(表1)。クローン1によって産生されたタンパク質はMm Rad51に100%相同であり、RecAおよびScRad51はいずれも自己会合性であること が知られていることから、スクリーニングが成功したことが示された。クローン 2から産生されたタンパク質は金属応答エレメントに結合するタンパク質、M96 (Inouyeら、1994,DNA and Cell Biol.13(7):731-742)に100%相同であった。M 96の機能は未知である。クローン3から産生されたタンパク質はヒトXP-G(ERCC- 5)に48%相同、そしてニワトリ・ヒストンH1に45%相同であった。XP-Gの変異は 遺伝的障害である色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum)の原因である(Cleaver, 1994;Cleaver and Kraemer,1995,The metabolic basis of inherited disease ,p.4393-4419,7th ed.McGraw-Hi11,New York.)。XP-Gは、ssDNAエンドヌクレア ーゼである、S.cerevisiaeの除去修復タンパク質、ScRad2の相同体である。MmRa d51は二本鎖の破断と同様に一本鎖の破断も修復し、そしてこの一本鎖の破断が 組換えを開始することが考えられる。ヒストンH1はヌクレオソームの1成分であ り、組織中で変化し、そして種間で保存性が低い一群の関連タンパク質を含んで いる。DNAの長さはリンカー領域に結合して隣接するヌクレオソームと連結す るヒストンH1によって左右されるようである。クローン4から産生されるタンパ ク質はヒト乳癌遺伝子、BRCA2(Tavtigianら、1996,Nat.Gen.12:333-337;Woost erら、1995,Nature 378:789-792)に100%相同であった。Brca2の機能は未知で ある。しかし、p53と同様に、これは癌抑制遺伝子であり、したがってDNA損 傷に応答して細胞周期を調節することができる。このように、DNA修復遺伝子 であるMmRad51との観察され た会合はその活性と矛盾がない。 表1.酵母2ハイブリッドスクリーンから単離されたクローン 「bait」としてMmRad51および「prey」として胚またはT細胞cDNAライブ ラリーを用いて酵母2ハイブリッドスクリーンからクローンを単離した。preyか ら得られたインサートを配列決定してGCGデータベース中の配列と比較した。測 定したタンパク質の相同性の程度を表に掲げる。全クローンがN-末端領域(アミ ノ酸1-43)でMmRad51と強く会合した。3-AT中で3日以内にコロニーが増殖し、 x-galに約5分曝露した後細胞が全般的に青色に染色された。 5.3.タンパク質会合領域を単離するためのMmRad51の欠失分析 MmRad51の自己会合ドメインを単離するために、欠失分析を実施した。完全長M mRAD51をbaitとして使用し、MmRAD51の欠失物をpreyとした(図2)。この「prey 」MmRad51欠失物をそれぞれbaitとともにHF7c細胞へ同時トランスフェクトした 。完全長MmRad51が100%の活性を有するものとみなして、これと比較してMmRad5 1欠失タンパク質についてβ−ガラクトシダーゼの比活性レベルを測定した。C- 末端領域であるTR43-339およびTR131-339が発現しても10時間後に青色の酵母細 胞は得られず、またβ−ガラクトシダーゼの比活性は約1%、即ち、非特異的ba it、E12に等しかった。しかし、N-末端領域であるTR1-43の発現によって5分以 内に酵母細胞は 青色に染色し、またβ−ガラクトシダーゼの比活性は43%であった。興味深いこ とに、タンパク質のN-末端領域のさらに多くを含む配列であるTR1-93はX-galに 約30分曝露した後酵母細胞を青色に染色し、またβ−ガラクトシダーゼの比活性 を約4%に減少させた。同様の実験において、TR1-131およびTRI-175は陽性対照 に対してそれぞれ11%および9%のβ−ガラクトシダーゼ比活性を示した。それ でもなお、これらのデータはN-末端領域がMmRad51の自己会合に関与することを 示した。また、アミノ酸43-93は自己会合を阻害したが、この阻害はこのタンパ ク質のよりC-末端側の領域を添加することによって回復したこともわかった。こ れらのデータはMmRad51が機能的にScRad51に保存されていることを示した。なぜ ならば、N-末端領域は保存されたアミノ酸配列を表示しなかったが、両タンパク 質について自己会合ドメインはやはりN-末端領域にあったからである。 表1に上げたその他の6種のタンパク質について、MmRad51のN-末端領域と相 互作用するかどうかを判定するために試験した。6種すべてがTR1-43と強く相互 作用した。したがって、この最もN-末端側の43アミノ酸が、観察されたMmRad51 タンパク質−タンパク質相互作用のすべてに関与していた。ヒトおよびマウスRa d51タンパク質間に高レベルの相同性が共有されている以上(重要なN-末端自己会 合領域中、これらのタンパク質は第10および46アミノ酸位置が異なっているのみ であり、ヒト配列はマウスタンパク質にコードされたセリンの代わりにアスパラ ギン、およびチロシンの代わりにフェニルアラニンをそれぞれ含有している。両 者とも比較的保存的な置換である)、ここに記載した結果はヒトRad51タンパク質 を使用する同様の研究から期待される結果に反映するはずである。 5.4.改変された哺乳動物Rad51の対立遺伝子による、マウス胚幹細胞のトラ ンスフェクション MmRad51およびScRad51の両方がそれぞれのN-末端領域を使用 して自己会合する。この知見はこれらのタンパク質が機能的に保存され続けてい るという仮説を支持する。RecAのコア相同ドメインにおいて、機能的保存性をさ らに試験した。ScRad51において、RecAコア相同領域はDSBの修復に必須であるこ とが示された。遺伝子rad51K-A191を最初のATP結合モチーフにおいて変化させ、 保存されたリシンをアラニンに変更した。野性型酵母細胞中のrad51K-A191の発 現は主としてDNA損傷の修復を害し、rad51ヌル表現型を産生した。rad51K-A1 91は野性型ScRad51およびScRad52と会合することが示されたので、非生産的タン パク質−タンパク質相互作用がおそらくドミナントネガティブ表現型の原因とな ったと考えられる。MmRad51の構造ドメインがScRad51と同様であるならば、最初 のATP結合モチーフ中の保存性リシンの破壊によって、野性型MmRad51またはマウ スRad52もしくはBrca2などのこの経路の別のタンパク質との非機能性会合によっ て、ヌル表現型が得られるはずである。ヌルrad51変異により重篤な細胞増殖の 欠陥もたらされ、組織培養における変異マウス細胞の増殖が妨害された。したが って、ドミナントネガティブrad51対立遺伝子を発現した細胞は、この増殖の欠 陥によって、回収されることはない。 ドミナントネガティブとなるように操作した哺乳動物rad51の改変対立遺伝子 をマウス胚幹細胞中で発現させた。ヌル表現型の厳密性のため、これらの実験は 統計的に意味のある数のトランスフェクトされた細胞の不在を測定するように設 計された。最初の実験においては、野性型哺乳動物RAD51を発現するベクター、 またはベクター単独に比較した、改変された哺乳動物rad51を発現するベクター のトランスフェクト効率を測定した。改変された導入遺伝子、rad51TR1-131およ びrad51K-A134は機能性タンパク質結合領域および非機能性RecA相同領域を含有 していた。rad51TR1-131については、最初のATP結合ドメインでC-末端切断が行 なわれた(図1)。rad51K-A134については、最初のATP結合モチーフ中の保存され たリシンがアラニン に変更された(総説として、Donovan and Weaver,1994を参照されたい)。酵母2 ハイブリッド系を使用して測定したところ、rad51K-A134はrad51TR1-131よりも 強く完全長MmRad51と会合し、約90%のβ−ガラクトシダーゼ比活性を有してい た(図1)。改変および野性型導入遺伝子をネオマイシンホスホトランスフェラー ゼ(neo)カセットとともにCMV発現ベクターへクローニングした(Invitrogen製 のpcDNA3)。トランスフェクトされた胚幹(ES)細胞をG418中で選択し、9日後 にコロニーを計数した。3つの実験において、野性型MmRad51またはベクター単 独でトランスフェクションした後に形成されたコロニーに比較して、改変された 導入遺伝子は20〜30%少ないG418rコロニーを産生した。トランスフェクション の頻度における20〜30%の差異は普通に観察されるので、これらについては結論 として決定し得るものではない。しかし、この最小の減少でも、改変された導入 遺伝子の毒性産物が細胞の増殖を停止させるのに十分な量で産生されたことを意 味している可能性がある。しかし、導入遺伝子産物が実際に毒性であったならば 、それではなぜ細胞の70〜80%が選択培地中で生存したのだろうか。導入遺伝子 が休止している一方、neo遺伝子が発現するのかもしれない。導入遺伝子は染色 体中に組み込まれると、または染色体の位置効果によって、破壊されるのかもし れない。その上、表現型を観測するには導入遺伝子の強い発現が必要であり、一 方陽性選択のためにはneoのごく弱い発現が必要とされるのかもしれない。これ らの考えられる問題点を克服するには別の実験が必要であった。 5.5.発現ベクターのHPRT遺伝子座へのターゲティング 改変された咄乳動物rad51を発現するベクターのターゲティング頻度を、野性 型哺乳動物RAD51またはMC1tk(単純ヘルペスウイルス1型チミシンキナーゼ)を 発現するベクターと比較するため、別の実験を開発した。導入遺伝子をヒポキサ ンチンホスホリボシルトランス フェラーゼ遺伝子座、HPRT(Meltonら、1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA81:2147-2 151)へターゲティングした。導入遺伝子のHPRTへのターゲティングは組み込み 時の破壊の可能性を減少させ、そしてサザン分析を使用して、組み込み事象の組 み込みの度合いを変えることもできる(図3)。また、HPRTはハウスキーピング遺 伝子であるので、導入遺伝子も発現のために好都合な環境に位置すると考えられ 、したがって、全導入遺伝子がクロマチンの位置効果によって同程度に影響され ると考えられる。導入遺伝子をHPRTをターゲティングする挿入ベクター(IVH) の細菌プラスミドへクローニングした。エクソン3中にneoカセットを含む6.9kb のHPRT配列が存在した。したがって、相同領域中の単一部位(操作されたNotI部 位)を使用する線状化に際して、挿入および交換事象の両方を回復させることが できた。 ターゲティングベクターをHPRT相同領域で線状化して、ES細胞へトランスフェ クトした。G418を含有する培地中での増殖によって、トランスフェクトされた細 胞を選択し、G418+6-チオグアニン(TG)を含有する培地で、ターゲティングさ れた細胞を選択した。トランスフェクション効率を測定するために、G418耐性( G418r)コロニーを計数し、ターゲティングの頻度を測定するために、TGr+G418r コロニーを計数した。 表2.ターゲティング頻度 表2:エレクトロポレーション:NotI切断DNA10μg/107細胞/ml PBS,57 5V/cmおよび500μF。各実験(実験A〜F)は、変動性を避けるための理想的な 条件下でES細胞の共通バッチを使用して、同日に実施したエレクトロポレーショ ンの結果を示している。NA、算出不要。 変更されたrad51対立遺伝子を含有するベクターのターゲティング頻度を対照 ベクターと比較した(表2)。変更されたrad51対立遺伝子を含有するベクターはI VH-51TR1-131(rad51TR1-131を含有)およびIVH-51KA(rad51K-A134を含有)で ある。対照ベクターはIVH-51WT(野性型MmRAD51を含有)およびIVH-tk(MC1tkを 含有)である。IVH-tkの効率を100%として、相対ターゲティング頻度(TGr+G4 18r/G418rコロニー)を決定した。相対ターゲティング頻度は、IVH-51WTについ て13+/-3.6%(3実験の平均)、IVH-51TR1-131について43+/-6.4%(5実験の平 均)およびIVH-51KAについて54+/-7.6%(6実験の平均)減少した。 ターゲティングを変化させて各種のターゲティングパターンを同定するために 、TGr+G418rクローンについてSouthern分析を実施した(図3)。いくつかのタイ プの組換えパターンが可能であった。1ベクターの挿入事象はその全ベクターを 組み込んでHPRT相同体の重複物を形成する(Hastyら、1992,Molec.and Cell.Bio l.12:2464-2474)。このベクターは5'長アームまたは(稀にしか観察されないが )3'短アームに組み込まれ得る。両者ともに重複物の中間にトランス遺伝子を 組み込むので、これらの組み込みパターンを複合させた。遺伝子置換事象はneo を導入するがトランス遺伝子は導入しないので、したがってそのような対照を1 つ準備した。いずれのパターンによっても予測されなかった改変事象も発生する ことが可能であり、また完全なトランス遺伝子が導入されるのかもしれないし、 またはされないのかもしれない。 4つのベクターについてのターゲティングパターンの比較は、トランス遺伝子 産物がrad51TR1-131およびrad51K-A134の両方に毒性であることを意味した。対 照に比較して、トランス遺伝子を含有する(ベクター挿入)IVH-51TR1-131およ びIVH-51KAでターゲティングしたクローンの相対割合は減少し、トランス遺伝子 を含有しないターゲティングされたクローン(遺伝子置換)の相対割合は増加し た。IVH-tkおよびIVH-51WTの両者について、ターゲティングは、通常、ベクター 挿入によって発生し(それぞれ75%および80%)、遺伝子置換では稀であり(それ ぞれ14%および17%)、あるいは改変事象においてはさらに稀である(それぞれ6 %および8%)。しかし、IVH-51TRI-131およびIVH-51KAについては、ベクター挿 入によって発生したターゲティング事象の相対的頻度は減少し(それぞれ68%お よび45%)、そして遺伝子置換事象においては増加した(それぞれ27%および41% )。改変事象の相対頻度もまた、IVH-51KAでターゲティングしたクローンについ て増加した(14%)。したがって、対照に比較して、変更されたトランス遺伝子が ターゲット遺伝子座中に組み込まれることは稀だった。 5.6.高い比率のトランスフェクトクローンがトランス遺伝子を発現しなか った 野性型対立遺伝子またはMC1tkに比較して、変更されたrad51対立遺伝子を含有 するベクターを使用すると、統計的に意義があるターゲティング頻度の減少が観 察された。その上、対照に比較して、それよりも低割合のターゲットにされたク ローンについて、変更されたトランス遺伝子がHPRT中に導入された。しかし、変 更されたトランス遺伝子の全部が組み込まれたことが明らかなターゲットクロー ンが産生された。生存についてはいくつかの可能性がある:1)トランス遺伝子 中で小さな変異が生成したのかもしれない;2)トランス遺伝子をサイレントに する(またはその逆の)ために、ターゲティング 事象中にトランス遺伝子のクロマチン構造が変更されたのかもしれない;3)斑 入り型の位置効果はトランス遺伝子の転写を阻害するが、neoは阻害しないのか もしれない。 トランス遺伝子を発現しないクローンの画分を決定するため、IVH-tkでターゲ ティングされたクローン中でのMC1tkの発現を試験した。HSV-1チミジンキナーゼ 活性を喪失したクローンと維持しているクローンを識別するため、FIAUを含むか またはFIAUを含まない複製用プレートで、62のTGr+G418rクローンを増殖させた 。FIAU中では大きな割合のクローン(42%)が生存し、バックグラウンドレベル に対して、IVH-51TR1-131およびIVH-51KAのターゲティング頻度が減少したこと を証明した。したがって、おそらくトランス遺伝子を発現するIVH-51TR1-131お よびIVH-51KAのいずれかでターゲティングされた細胞のすべてが回復したのでは ないと考えられる。 5.7.ES 細胞中での哺乳類Rad51のアミノ酸1-43の条件付き発現はγ−照射 に対する感度を増大させる Rad51M1変異が早期E3.5日目の胚のγ−照射に対する感度を増大させること、 および優性負トランス遺伝子がES細胞の増殖を減少させることが証明された。こ こでは、Rad51のアミノ酸1-43をコードし、ドキシサイクリン("Dox")の条件に よって調節される発現ベクターをES細胞のHprt遺伝子座中に導入した。この発現 ベクターは5ng/ml Dox中で作用を失う。このRad51 1-43発現ベクターを有するE S細胞中に、5ng/ml Dox存在中で、誘導可能なtetR遺伝子を発現するベクターを トランスフェクトした。Doxを含むかまたは含まない培地中で増殖させたときの γ−照射に対する感度について、10クローンを分析した。Doxを含ませて増殖さ せた細胞(トランス遺伝子を消失)は含ませないで増殖させた細胞よりもγ−照 射に対する抵抗性が強く、Rad51のアミノ酸1-43が細胞を照射に対して感受性に することが証明された(図4a)。ES細胞は永久増殖性でトラン スフオームされるので、これらのデータは、Rad51経路を遮断することががんの 治療法として役立つであろうことを証明している。したがって、哺乳類Rad51機 能を遮断する何らかのタンパク質をコードする優性負トランス遺伝子の発現はが んの治療に役立つと考えられ、またこれはRad51の最初の43アミノ酸のみに限定 すべきものではない。 5.8.哺乳類Rad51を遮断することによって細胞増殖を阻害するペプチドの 適用 哺乳類Rad51は哺乳類Brca2と相互作用することが証明された。アミノ酸配列RQ IKIWFQNRRMKWKK FLSRLPLPSPVSPICTFVSPAAQKAFQPPRSのペプチドを合成した。この ペプチドはRad51と相互作用するBrca2の領域、アミノ酸3196-3226(非下線部分) 、配列番号3を含んでいる。このペプチドは生体膜を介して転移するショウジョ ウバエアンテナペディア(Drosophila antennapedia)タンパク質に由来する16ア ミノ酸(下線部分)をも含有している。p53-/-線維芽細胞を低濃度(100細胞/6 cmプレート)でプレーティングした後の培地に、このペプチドを添加した。細胞 の数によって決定したサイズを基準として、コロニーを計数した。ペプチドによ って、265またはそれ以上の細胞で構成されるコロニーが大幅に減少した(図4b )。このように、ペプチドは細胞増殖に対して強い負の効果を有していた。アン テナペディア由来の16アミノ酸はどのサイズのコロニーの数に対しても影響しな かった。したがって、阻害効果はBrca2配列に起因するものであった。p53-/-細 胞は高増殖性であってがん中に普通に見られるから、これらのデータはRad51経 路の遮断ががんの治療法として役立つであろうことを証明している。したがって 、哺乳類Rad51と相互作用するどんなペプチドでも組織培養中の細胞の増殖を阻 害することができ、そしてがんの増殖を阻害するために使用することができる。 5.9.哺乳類Rad51および/またはRad52機能を妨害する分子のがん治療への 適用 rad51M1変異はp53変異バックグラウンドにおいても増殖を減退させ、そして細 胞の老化を促進する。さらに、rad51の優性負対立遺伝子もまた、おそらくRad51 およびRad52,M96およびBrca2などのその他のタンパク質との非生産的なタンパ ク質の会合を形成することによって、この表現型を表出する。したがって、哺乳 類Rad51、哺乳類Rda52(またはこれらのタンパク質によって仲介されるDSB修復 経路中の任意のタンパク質)の遮断が細胞の増殖を減退させるかまたは細胞死を 誘導するので、がん治療法として好適であると考えられる。その上、哺乳類Rad5 1機能または哺乳類Rda52機能にとって重要なあらゆるタンパク質−タンパク質会 合の遮断もまた細胞の増殖を減退させるかまたは細胞死を誘導するので、がん治 療法として好適であると考えられる。 その上、rad51の優性負対立遺伝子を使用して、細胞の増殖を減退させるかま たは細胞死を誘導するがん治療剤を発現させることもできる。優性負rad51対立 遺伝子をコードする発現ベクターをがん細胞中に導入するか、または優性負rad5 1対立遺伝子をコードするmRNAをがん細胞中に導入するか、あるいは優性負R ad51タンパク質をがん細胞中に導入してもよい。これらの優性負rad51対立遺伝 子のいくつかの例がここに開示されている。これらの対立遺伝子の中で、rad51K -A131によってコードされるタンパク質が最強の自己会合性を有していると見ら れ、増殖している細胞に対する毒性が証明された。実際、RecA相同領域を非機能 性にするがN-末端タンパク質会合領域は保存しているあらゆるrad51対立遺伝子 が、細胞増殖を減退させるかまたは細胞死を誘導するはずであり、したがって、 がん治療剤として使用することができると考えられる。 哺乳類Rad51のRecAコア相同領域の巧妙な変更の他に、哺乳類r ad51のC-末端切断もまた細胞の増殖の減退および/または細胞死の誘導のために 使用することができる。rad51TR1-131はMmRad15とは比較的弱い相互作用である にもかかわらず細胞に対する毒性効果が証明されたので、これはこの表現型が非 機能性自己会合または、Rad52、M96およびBrca2などの他のタンパク質との非機 能性会合に起因しているらしいことを示唆した。rad51TR1-43はMmRad51と強い相 互作用があり、rad51TR1-131よりもがん治療剤として効果的であると考えられる 。実際に、Rad51のタンパク質と相互作用する領域を保持するあらゆるC-末端切 断でもがん治療のための優性負対立遺伝子として使用することができる。その上 、アンテナペディアタンパク質の第3ヘリックスの16または60アミノ酸への哺乳 類Rad51のN-末端ドメインの融合は、核内へのエントリーを促進し得る(Derossi ら、1994,J.Bio.Chem.269:10444-10450)。 哺乳類Rad51はそれ自身のみならず、その他のタンパク質と相互作用するので 、これらの相互作用の遮断は、細胞の増殖の減退または細胞死の誘導に使用する ことができる。哺乳類Rad51と相互作用するその他のタンパク質として、限定す るわけではないが、Rad52,Brca2およびM96が挙げられる。 その他の相互作用タンパク質の同定は、この経路をさらに明らかにし、細胞の 増殖を妨害する目的でこの経路を遮断するためのさらに大きな機会を提供するで あろう。哺乳類Rad52は哺乳類Rad51およびその他のタンパク質と会合するので(P arkら、1996;Shenら、1996)、哺乳類Rad52の優性対立遺伝子もまた細胞増殖を 妨害するかまたは細胞死を誘導するかもしれない。これらの対立遺伝子もまたが ん治療に使用することができると考えられる。実際、哺乳類Rad51,Rad52または これらの経路のその他の任意のタンパク質と会合するあらゆるタンパク質の優性 対立遺伝子も細胞増殖を妨害するかまたは細胞死を誘導することが予測される。 したがって、上記の分子のすベてが集合的に、増殖性疾患、ウイルス感染症(特 にHIV感染症)お よびがんの治療のための新規なクラスの治療薬として定義される。 等価物 前記の明細書は当業者が本発明を幅広く実用化することができるために十分で あると考えられる。実際、本発明を実施するための上記の方法の各種の改変は、 微生物学、生化学、有機化学、医学または関連分野の当業者にとって明白であり 、これらは以下の請求の範囲内に含まれることを意図している。本明細書中に引 用した特許、特許出願および刊行物のすべてが参照として本明細書中に組み込ま れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/15 G01N 33/50 Z 33/50 33/566 33/566 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN, CU,CZ,EE,GE,GH,HU,ID,IL,I S,JP,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LT,LV,MD,MG,MK,MN,MX,NO, NZ,PL,RO,RU,SG,SI,SK,SL,T J,TM,TR,TT,UA,UZ,VN,YU

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 哺乳動物Rad51に細胞内で結合し、不活性化することができる分子を含む 組成物。 2. 前記分子がRad52、Brca2、あるいはM96と会合することができる性質をさ らに有するものである請求項1に記載の分子。 3. 分子がペプチドである請求項1に記載の分子。 4. 前記ペプチドがRad52またはM96の部分から得たアミノ酸配列を有する請求 項3に記載のペプチド。 5. 前記ペプチドがBrca2の部分から得たアミノ酸配列を有する請求項3に記 載のペプチド。 6. 前記ペプチドが配列番号3のアミノ酸配列を有する請求項5に記戟のペプ チド。 7. Rad51の機能を阻害することができる性質を有する、配列番号1または配 列番号2から得た少なくとも5個の連続したアミノ酸を含むペプチド。 8. 配列番号1または配列番号2のアミノ酸1〜43を含む請求項7に記載のペ プチド。 9. 前記ペプチドがRad52、Brca2またはM96へのRad51の結合を阻害する請求項 7に記載のペプチド。 10. rad51TR1-131によりコードされる切断されたRad51産物。 11. rad51K-A134によりコードされる改変されたRad51産物。 12. a)細胞中のマイクロサテライト形成についてアッセイし、 b)細胞中の染色体喪失についてアッセイし、 c)in vitroアッセイにおいてストランドエクスチエンジの破壊について アッセイする ことを含む、哺乳動物二本鎖切断修復を破壊する化合物をスクリーニングする方 法。 13. 前記化合物が細胞により生産された分子である請求項12に記載の方法。 14. 前記化合物が化学的に合成されたものである請求項12に記載の方法。 15. a)酵母2-ハイブリッド系を使用して哺乳動物Rad51と相互作用するタン パク質を同定するか、または b)生化学的結合アッセイを使用して哺乳動物Rad51と相互作用する化合 物を同定する ことを含む、哺乳動物Rad51の機能を破壊する化合物をスクリーニングする方法 。 16. 前記化合物が細胞により生産された分子である請求項15に記載の方法。 17. 前記化合物が化学的に合成されたものである請求項15に記載の方法。 18. a)酵母2-ハイブリッド系を使用して哺乳動物Rad51と相互作用するタン パク質を同定するか、または b)生化学的結合アッセイを使用して哺乳動物Rad51と相互作用する化合 物を同定する ことを含む、哺乳動物Rad52の機能を破壊する化合物をスクリーニングする方法 。 19. 前記化合物が細胞により生産された分子である請求項18に記載の方法。 20. 前記化合物が化学的に合成されたものである請求項18に記載の方法。 21. 細胞の増殖を阻害するため、あるいは細胞死を誘導するための遺伝子操 作された哺乳動物Rad51の使用。 22. 前記遺伝子操作された哺乳動物Rad51あるいはキメラRad51タンパク質が 、前記Rad51をコードする核酸ポリマーを挿入することにより、細胞に提供され る、請求項21に記載の使用。 23. 哺乳動物二本鎖切断修復を破壊する分子を投与することを含む、哺乳動 物の細胞増殖を阻害し、あるいは細胞死を誘導する方法。 24. 前記分子が生物由来のものである請求項23に記載の方法。 25. 前記分子が化学的に合成されたものである請求項23に記載の方法。
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