JP2001505140A - 再利用可能な天井板材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 天井板などトリムパネルに使う独自の材料が開示されている。この独自の材料は、蜂の巣状のポリエステル中央コアと外側のポリエステル層とから成り、Ｉ梁構造を与えている。本発明の最も好ましい実施形態においては、パネルから切り取られた部分が容易に再利用できるよう全ての層がポリエステルから形成される。さらに、蜂の巣状コアが熱可塑性物質から形成されるので、容易に望む形に鋳型成型できる。蜂の巣状コアは、重量に対して良好な強度特性と良好な音響特性とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】 再利用可能な天井板材料 発明の背景 本発明は幾つかの層を有する天井板（ヘッドライナ）材料に関する。これらの 層は全て、天井板材料が容易に再利用可能なように単一のプラスチック材料から 構成される。また、この天井板は蜂の巣状のコア部を内包して、良好な重量に対 する強度と音響特性とを提供している。 従来の天井板は、典型的には多くの異種材料層から成るものである。典型的に は、ある種のフォーム（泡）コアが外層に対して積層され、Ｉ梁構造を形成して 天井板に対して十分な強度を与えている。また従来においては、比較的安価な天 井板においてそのコア材料としてボール紙その他の紙構造を活用していた。しか しながら、紙のコアは鋳造できるものではなく、代わりに鋳型中において潰して 形を作っていた。従ってこれらの材料には幾つかの欠点があった。 天井板を作る公知の方法においては、数種の材料層が組み合わされて天井板材 料を成し、その後これら層は鋳造された天井板として望む形に成型される。天井 板は典型的には車両の天井の形に形作られる。最終的に天井板の一部とならない 鋳造天井板材料部分はその後切り落とされる。鋳造された天井板材料の２０％以 上が廃物とし て切り落とされるのもまれではない。 公知の天井板は典型的には数種の異種材料からなる。従って廃物も典型的には 数種の異種材料を含むのである。公知の天井板は異種材料からなる幾つかの薄い 層から構成されており、これらは再利用の前に何らかの方法によって分離されね ばならないので、これらの異種材料を再利用することは難しいのである。 発明の要約 本発明は、全ての層が単一のプラスチック材料から構成された天井板を開示す るものである。好ましい一つの実施形態において全ての層はポリエステルから成 る。このようにして天井板から切り落とされた廃物は容易に再利用され得るので ある。廃物は単に溶融されて、他の目的のために再度使用されることができる。 本発明は環境面において利益をもたらすのみでなく、再利用される材料のコスト が回収されるので、天井板の低コスト化が図れるのである。 加えて本発明は鋳造可能な蜂の巣状コア材料を用いることを開示している。蜂 の巣状コアは重量に対して良好な強度特性を提供し、また優れた音響特性を提供 する。蜂の巣状材料はＩ梁層と組み合わせて用いられ、十分な強度と硬度とを提 供する。鋳造可能な蜂の巣状材料は、天井板の鋳造プロセスにおいて容易に所望 の形状に形作 られる。 本願で開示した特定の実施例は、天井板として利用されるユニークな材料を示 しているけれども、この材料が車両の他の仕上げ材料に応用できること、また車 両以外への応用のためにさえ使うことができることは理解されるべきである。 本発明のこれら及び他の特徴は以下の明細書及び図面から十分理解されるでし よう。以下に簡単な説明を示します。 図面の簡単な説明 図１Ａは、本発明の材料で作られた車両の天井板を示した斜視図である。 図１Ｂは、図１Ａに示した天井板の断面図である。 図２は、天井板材料の幾つかの層を示す一部切欠図である。 図３は、本発明の天井板を形成する第１ステップを示した図である。 図４は、本発明の天井板を形成する最終ステップを示した図である。 好ましい実施形態の詳細な説明 図１Ａに天井板２０を例示した。知られたことである が、天井板は別々の材料からなる幾つかの層から構成され、これらの層は天井板 を受け入れる車両天井に近似した所望形状に形作られる。数層から天井板を作る 際には、完成した天井板において必要とされない層部分を切り落とす刈り取り仕 上げを行う。従来においてはこれらの切り取り部分は廃物とされていた。本発明 は再利用可能な材料から天井板を形成することによって従来技術を改善するもの である。本発明は特に天井板におけるこの材料の使用を開示する。しかしながら 、車両の他の仕上げ材料への応用など他方面へ応用することも本発明の範囲内に あることは理解されるべきである。 図１Ｂに示されるように天井板２０は多数の層を有する。中央層２２は蜂の巣 状材料から形作られる。蜂の巣状層の両側の上に形成された層２４は、蜂の巣状 の中央コア２２と組み合わされてＩ梁構造を作り出すような比較的高強度の材料 から作られるのが望ましい。層２６は層２４を外層２７、２８に固定する接着剤 である。外層２７と２８は、不織布から形成されるのが望ましい。層３０もまた 、不織布層２８をトリム層３２に固定する接着剤である。接着剤も含めて図１Ｂ に図示されている全ての層が同一のプラスチックベース材料から作られているこ とが本発明の主たる特徴である。一つの好ましい実施形態として、各々の層がポ リエステル材料から形成されることが望ましい。すなわち、各層を別々の部材で 構成するのであるが、その材料それ自体は全て単一の１種 類のプラスチック材料で作るである。或いは、ポリエチレンやポリプロピレンな ど他のプラスチック材料を全ての層を形成するために用いてもよい。 一部を切り欠いた天井板２０を図２に示した。図示されているように、コア２ ２は比較的高強度で軽量な蜂の巣状材料から形成されている。蜂の巣状材料は熱 可塑性材料から形成され、従って所望の如何なる形状にも鋳造可能なのである。 この点で、従来の鋳造できない紙製の蜂の巣状コアに対して改善がなされている のである。 層２４は蜂の巣状コア２２を取り囲んでＩ梁構造を成している。接着剤層２６ が層２４の外側から付けられて、不織布層２７、２８を層２４に固定している。 別の接着剤層３０が層２８をトリム層３２に固定している。トリム３２は、トリ ム層がより容易に認識されるものとして、派手な流行型のものとして示してある 。 本発明の天井板を形成する方法を図３、４に示す。図３に示したように、コア 材料２２は第１積層部３４に接近していく。部３４にて、コイル３３から出たパ ッド層２４がコア２２の上に配置される。接着剤ウェブ２６がコイル３５から出 、また不織布２７、２８がコイル３７から取り出される。これらの材料は全て、 約１８０℃に加熱されたテフロン（登録商標）ベルト・ラミネート機３９の間で サンドイッチされて移動する。サンドイッチされた材料は毎分３〜１０メートル の速度で、最も好ましくは毎分約４メートルの速度で移動する。 加熱済みの層はその後サンドイッチ状態の白紙４０の形にされ、４０は保持部 ３８上に移送される。サンドイッチ状態の白紙４０は各層が互いに接着されるよ うに加熱されている。 図４に示したように、白紙４０はそれからさらに別の部に運ばれ、ここでは、 コイル４２から出た他の接着ウェブ３０が白紙４０の上に導入される。布状トリ ム層３２がコイル４４から接着層３０の上に運ばれてくる。 そうして、約１８０℃に設定された後側押型４７と約１５０℃に設定された前 側押型４９とを有する鋳型４６が運ばれてきた材料パーツを成型する。このパー ツは、サンドイッチ状態のものが均一な温度を得、形が整えられ、また幾つかの 接着剤層が活性化されるよう、３０〜６０秒間成型されるのが望ましい。加熱さ れ、成型された白紙５０はそれから鋳型から運び出され、最終パーツとして望ま れる外形と同一の輪郭を有する冷却設備４８の上に載せられる。このパーツが少 なくとも３８℃或いはそれ以下にまで冷却されるまでこのパーツを保持するよう 白紙５０に対して真空排気が行われる。 その後、部５２において白紙５０に対して切り取り仕上げ（トリム）が行われ 、５４で示されたように最終的な天井板の形２０を有するようになる。図式的に 示したように、切り取り仕上げ作業５２においては、白紙５０から相当量の材料 ５３が廃物となる。本発明においては全ての層が単一のプラスチック材料で作ら れているので 、この廃物は再利用可能である。この廃物は単純に溶かされて再び使用される。 上で議論したようにポリエステルをベースとした材料が用いられることが望まし いけれども、ポリエチレン、ポリプロピレンなど、他の熱可塑性プラスチックを 代わりに用いてもよい。 蜂の巣状材料はＨｅｘｃｅｌ社から出ている不織布ポリエステルであることが 望ましい。各々の層は６．０ｍｍから１２．０ｍｍの範囲の異なる厚さを有する ことができる。蜂の巣を横切る長さｄ（図２）は０．１２５インチ〜０．３７５ インチが好ましく、０．２５０インチが望ましい。 ニードル不織布層２４は１００％ブレンドのポリエステルに低融点及び高融点 繊維を組み合わせたものから形成されるのが望ましい。低融点繊維は層２４をコ ア２２に固着する。重量は１００ｇ／ｍ²〜２００ｇ／ｍ²であることが望ましく 、１１０ｇ／ｍ²であることが最も望ましい。 接着層２７、２８は、全て、ポリエステルから成る加熱溶融ウェブ接着剤であ ってもよいし、或いは加熱溶融ポリエステル粉末固着剤（パウダーバインダー） であってもよい。この接着剤は１５ｇ／ｍ²〜４０ｇ／ｍ²の重量であることが望 ましく、２０ｇ／ｍ²であることが最も望ましい。 さらに付加する層２７、２８は、蜂の巣状構造からパッド２４を通してにじみ 出る低位個所を橋かけするのを 助ける役割をする。これらの付加的不織布もまたポリエステルから構成され、４ ０ｇ／ｍ²〜２５０ｇ／ｍ²の重量であることが望ましく、５０ｇ／ｍ²であるこ とが最も望ましい。 化粧トリムはポリエステル製のニードルフェルトであることが望ましく、１０ ０ｇ／ｍ²〜２５０ｇ／ｍ²の重量であることが望ましく、２００ｇ／ｍ²である ことが最も望ましい。 以上のように本発明は、廃物が容易に再使用可能である、再利用可能な天井板 材料を提供する。さらに蜂の巣状コアは、低重量に対して高い強度を提供し、他 方で良好な音響特性をも提供するものである。好ましい実施形態では、各層は繊 維状のポリエステル材料から形成され、この材料がまた蜂の巣状天井板材料の音 響吸収特性を改善している。 以上、本発明の好ましい実施形態を開示したが、本発明の属する技術分野の当 業者であるならば、本発明の範囲内で改変が行いうることは認識されるであろう 。このような理由から以下の請求の範囲は、本発明の真の範囲及び内容が判断さ れるよう、検討されるべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブロー、マーク ジェイ. アメリカ合衆国 48101 ミシガン州 ア レン パーク シェナンドー アヴェニュ ー 6812 (72)発明者 ガスリー、フィリップ エル. アメリカ合衆国 48376 ミシガン州 フ ァーミントン ヒルズ ミドルベルト ロ ード 23755

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．以下から成るトリムパネル。 （ａ）鋳造可能なプラスチック材料から構成され、２つの相対する外面を有す る蜂の巣状の中央コア。 （ｂ）前記外面の各々の上に配置され、前記コアとともにＩ梁を形成するパッ ド層。 （ｃ）一方の前記パッド層の、前記コアから離れた側の面に配置された化粧ト リム層。 ２．前記コア、前記パッド層、及び前記化粧トリム層が全て同一タイプのプラ スチックベース材料から形成されている、請求の範囲１に記載のトリムパネル。 ３．前記各層が全てポリエステルから形成されている、請求の範囲２に記載の トリムパネル。 ４．ポリエステル接着剤が、少なくとも前記一方のパッド層と前記化粧トリム との間に配置されている、請求の範囲３に記載のトリムパネル。 ５．前記一方のパッド層と前記化粧トリムとの間、及び他方のパッド層上にさ らに不織布ポリエステル層が配置され、かつ、前記不織布ポリエステル層と前記 パッド層との間にポリエステル接着剤が配置されている、請求 の範囲４に記載のトリムパネル。 ６．前記パッド層がニードルポリエステルから構成されている、請求の範囲５ に記載のトリムパネル。 ７．前記接着剤がポリエステルウェブ接着剤である、請求の範囲５に記載のト リムパネル。 ８．前記ポリエステル接着剤が粉末状接着剤である、請求の範囲５に記載のト リムパネル。 ９．前記パネルが車両用天井板として用いられる、請求の範囲１に記載のトリ ムパネル。 １０．（ａ）中央コア層と、（ｂ）前記中央コアの相対する外面に配置された 一組のパッド層と、（ｃ）一方の前記パッド層の外側に配置されたトリム層とか ら成るトリムパネルであって、前記パッド層は前記コア層とともにＩ梁構造を成 し、かつ、前記トリム層が装飾面を与える前記トリムパネルであって、なおかつ 、 前記コア層、前記パッド層、及び装飾面を与える前記トリムの全てが、単一種 類のプラスチック材料から形成されている前記トリムパネル。 １１．前記各層の全てがポリエステルから形成されて いる、請求の範囲１０に記載のトリムパネル。 １２．ポリエステル接着剤が、少なくとも前記一方のパッド層と前記装飾トリ ムとの間に配置されている、請求の範囲１１に記載のトリムパネル。 １３．前記一方のパッド層と前記装飾トリムとの間、及び他方の前記パッド層 の上にさらに不織布ポリエステル層が配置され、かつ前記不織布ポリエステル層 と前記パッド層との間にポリエステル接着剤が配置されている、請求の範囲１１ に記載のトリムパネル。 １４．前記接着剤がポリエステルウェブ接着剤である、請求の範囲１３に記載 のトリムパネル。 １５．前記ポリエステル接着剤がポリエステルの粉末状接着剤である、請求の 範囲１３に記載のトリムパネル。 １６．前記パネルが車両用の天井板として使われる、請求の範囲１０に記載の パネル。 １７．以下のステップから成る、トリムパネルの形成方法。 （１）Ｉ梁構造が形成されるように、鋳型成型可能な 蜂の巣状コアと、前記蜂の巣状コアの各々の側にパッド層とを与えること、さら に、一方の前記パッド層の外側に装飾トリム層を与えること。ここにおいて前記 層の全てはポリエステルベース材料から形成される。 （２）複数の前記層を加熱して相互に固着させること。 （３）複数の前記層を所望の形状に鋳型成型すること。 （４）前記成型した材料の一部を切り落として所望の最終形状に仕上げること 。 １８．前記パネルが車両用の天井板である、請求の範囲１７に記載の方法。 １９．前記ステップ（１）において、前記パッド層の各々の上に、前記パッド 層の外側から不織布ポリエステル層を付与するサブステップを更に含む、請求の 範囲１７に記載の方法。 ２０．前記ステップ（３）に先立ち、少なくとも前記装飾トリム層と前記パッ ド層との間に接着剤層を配置する、請求の範囲１７に記載の方法。