JP2001358129A - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置

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JP2001358129A
JP2001358129A JP2000180932A JP2000180932A JP2001358129A JP 2001358129 A JP2001358129 A JP 2001358129A JP 2000180932 A JP2000180932 A JP 2000180932A JP 2000180932 A JP2000180932 A JP 2000180932A JP 2001358129 A JP2001358129 A JP 2001358129A
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plasma
plasma processing
chamber
frequency power
processing method
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JP2000180932A
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Masabumi Kubota
正文 久保田
Shigenori Hayashi
重徳 林
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細加工性に優れ且つデバイスへの損傷が少
ないプラズマ処理プロセスを提供する。 【解決手段】 チャンバー内に電子負性ガスを導入する
と共に、高周波パルス電源からコイルに印加されるプラ
ズマ発生用の高周波パルス電力がオフになってから所定
の遅延時間Tdが経過した後に、DCパルス電源から試
料台に正のバイアス電圧が所定のパルス幅で印加する。
プラズマ発生用の高周波パルス電力がオフになった後の
状態では、電子付着解離が生じやすくなるので、電子密
度が急速に低下すると共に負イオンは急激に増加する。
遅延時間Tdは、負イオン密度Nnと電子密度Neとの
比の値であるNn/Neがほぼ500以上になる時間に
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波放電を用い
たプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】高周波放電を用いたプラズマ発生方法
は、微細加工のためのドライエッチング法、薄膜形成の
ためのスパッタリング又はプラズマCVD法等のさまざ
まな分野で用いられており、加工寸法の微細化、膜質の
高精度な制御又は加工に付随する損傷の低減等がプラズ
マ加工技術に強く求められている。
【0003】例えば、微細加工に適用されるドライエッ
チング技術は、プラズマ中に存在するラジカル(活性
種)又はイオン等の気相と固相表面との間における化学
的又は物理的な反応を利用して、被エッチング試料の不
要な部分を除去する加工技術である。ドライエッチング
技術として最も広く用いられている反応性イオンエッチ
ング(RIE)は、反応性ガスからなる高周波放電プラ
ズマ中に化学反応性の高いラジカル又はイオンを生成
し、生成されたラジカル又はイオンに被エッチング試料
を曝すことによりエッチング反応を起こさせ、被エッチ
ング試料の表面の不要部分を除去する技術である。被エ
ッチング試料の表面における必要な部分つまり除去しな
い部分は、通常マスクとして用いるフォトレジストパタ
ーンにより保護されている。
【0004】エッチングの微細化のためにはイオンの方
向性を揃えることが必要であるが、このためにはプラズ
マと被エッチング試料との境界であるシース領域中での
イオンの散乱を減らすことが不可欠である。イオンの散
乱を減らすためには、プラズマ発生室の圧力を低くし
て、イオンの平均自由行程を大きくすることが効果的で
あるが、プラズマ発生室の圧力を低くすると、ラジカル
密度が低下してエッチングレートが低くなるという新た
な問題が発生する。
【0005】その対策として、誘導誘導結合型のプラズ
マ装置又はヘリコン型のプラズマ装置等の高密度プラズ
マ装置が導入されつつある。高密度プラズマ装置では従
来の平行平板型RIE装置に比べて1桁から2桁程度高
密度なプラズマを発生させることができる。このため、
プラズマ発生室の圧力が1桁から2桁程度低い条件下で
もRIE装置と同等以上のエッチングレートが得られ
る。
【0006】しかしながら、前記の高密度プラズマ装置
においては、以下のような問題が生じる。すなわち、
(1) チャージアップに起因するエッチング形状の異常発
生、(2) マイクロローディング効果、及び(3) ゲート絶
縁膜の劣化又は破壊等である。以下、シリコン基板の上
に絶縁膜(例えばシリコン酸化膜)を介して堆積された
導電膜(例えば多結晶シリコン膜)に対してフォトレジ
ストパターンをマスクとしてプラズマエッチングを行な
ってゲート電極を形成する場合の問題点について説明す
る。
【0007】(1) まず、チャージアップに起因するエッ
チング形状の異常発生について説明する。チャージアッ
プに起因するエッチング形状の異常発生の典型例として
は、導電膜に対するエッチングにおけるノッチ現象が挙
げられる。このノッチ現象とは、被エッチング試料(導
電膜)に対して高密度プラズマによりエッチングを行な
うと、プラズマ中の正イオンは被エッチング試料に向か
うエネルギーが大きい一方、プラズマ中の電子は被エッ
チング試料に向かうエネルギーが小さい。このため、ス
ペース幅が大きい孤立パターン領域においては、正イオ
ン及び電子がバランス良く被エッチング試料の底部(ス
ペース部の底部)に蓄積されるが、スペース幅が小さい
密集パターン領域においては、正イオンは被エッチング
試料の底部(スペース部の底部)に多く蓄積される一
方、電子は被エッチング試料の側部(パターン部の側
壁)に多く蓄積される。つまり、パターン部の側壁に多
くの電子が付着するチャージアップ現象が発生する。
【0008】従って、後に被エッチング試料に接近して
くる正イオンはパターン部の側壁に引き寄せられるの
で、パターン部の側壁の底部に楔状のノッチが形成され
るのである(例えば、K.K.Chi ほか、1995年DRY PROCES
S SYMPOSIUM 予稿集,p.75,電気学会)。特に、密集パ
ターン領域における最も外方のパターンの内側の側壁の
底部にはノッチが顕著に形成される。
【0009】(2) また、電荷の局在化及び不均一はエッ
チングレートそのものにも影響を及ぼす。すなわち、エ
ッチング中において、レジストマスクは注入される正イ
オンにより正に帯電するため、レジストマスクにおける
マスク開口部の幅が小さい領域においては正イオンに対
するマスク開口部への入射阻止機能が強く働く。このた
め、レジストマスクにおけるマスク開口部の幅が小さい
領域ほどエッチングレートが遅い、いわゆるマイクロロ
ーディング効果が起きる。また、マイクロローディング
効果は、孤立パターン領域と密集パターン領域との間に
おけるパターン側壁のエッチング角度の差異又は局所的
な下地選択比の差異として現れる場合もある。
【0010】(3) また、電荷供給のアンバランスは、M
OSトランジスタのゲート絶縁膜の劣化又は破壊を引き
起こす恐れがある。例えば、プラズマエッチングにおい
ては被エッチング試料(導電膜)に蓄積された多量の電
荷がゲート絶縁膜を突き抜けてシリコン基板に向かう
が、この際に、ゲート絶縁膜に大きな電子電流が流れる
ので、ゲート絶縁膜の絶縁性が劣化したり又は破壊した
りする。ゲート絶縁膜が10nm程度以下の極薄膜にな
ると、MOSトランジスタの相互コンダクタンスの劣化
現象が現われ、極端な場合にはゲート絶縁膜の絶縁性破
壊に至ることが知られている(例えば、ERIGUCHIほか、
IEICE TRANS. ELECTRON., VOL.E78-C,p.261,電子情報通
信学会)。特に、微細化によりトランジスタサイズが1
μm以下になると、配線の面積がトランジスタの面積の
3桁から5桁以上も大きい、いわゆるアンテナ構造を有
するトランジスタがLSIに含まれるようになる。アン
テナ構造はゲート絶縁膜における電荷の突き抜けを拡大
するように働くので、トランジスタの微細化に伴ってプ
ラズマによるゲート絶縁膜の劣化又は破壊はますます重
要な課題になるものと考えられる。
【0011】そこで、高密度プラズマプロセスが有する
前述の問題を解決する方法として、負イオンによるプラ
ズマプロセスが提案されている(例えば、Y.Horiike ほ
か、3rd International Conference on Reactive Plasm
as and 14th Symposium onPlasma Processing予稿集,
p.515, 1997年応用物理学会)。この提案によると、塩
素等の電子負性ガスからなるプラズマ中において試料台
を正にバイアスすると負イオンによるエッチングが生じ
る。このような負イオンによるプラズマプロセスによる
と、チャージアップに起因する、ゲート絶縁膜の劣化若
しくは破壊又はノッチ等の形状不良等の問題は生じ難い
と予想されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多量の
負イオンの発生は比較的圧力の高い領域(前述のY.Hori
ikeらの報告では2Pa以上の圧力領域)で見られ、よ
り微細な加工を行なうためにプラズマ発生室の圧力をよ
り低くした場合には、負イオンによるエッチングは期待
できない、また、負イオンと同時に存在する電子の質量
は負イオンの質量に比べて数千分の1以上小さいため、
電子が電界に良く追従するので、負イオンを効率良くプ
ロセスに活用できないという問題もある。
【0013】前記に鑑み、本発明は、プラズマ中の負イ
オンの特徴を存分に発揮させて、微細加工性に優れ且つ
デバイスへの損傷が少ないプラズマ処理プロセスを提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る第1のプラズマ処理方法は、負イオン
密度Nnと電子密度Neとの比の値であるNn/Neが
ほぼ500以上であるプラズマ中において、試料台にバ
イアス電圧を印加してプラズマ処理を行なうものであ
る。
【0015】第1のプラズマ処理方法によると、プラズ
マ中の負イオン密度Nnとプラズマ中の電子密度Neと
の比の値であるNn/Neがほぼ500以上であるた
め、プラズマ中の電子密度が十分に小さいと共にプラズ
マ中の負電荷に占める負イオンの割合が極めて大きいの
で、負イオン電流を効果的に引き出すことができ、負イ
オンを効果的に試料に照射することができる。この場
合、負イオンが試料に衝突するエネルギーは、試料台に
印加されるバイアス電圧の大きさに比例するので、試料
台に印加するバイアス電圧を調整することにより、プラ
ズマ処理のプロセスを制御することができる。
【0016】第1のプラズマ処理方法において、バイア
ス電圧は正電圧であることが好ましい。
【0017】このようにすると、負イオンのみを試料に
照射させることができるため、選択性の高いプラズマ処
理(例えばプラズマエッチング)を高い処理レートで行
なうことができる。尚、負イオンは、それ自身が負電荷
をもっているため、試料に衝突した際に二次電子が発生
しても、試料の表面を正電圧に帯電させることが非常に
少ない。尚、通常、正イオンが試料に衝突して二次電子
が発生すると、試料表面は正電位に帯電する。従って、
従来のプラズマ処理方法において試料台に正のバイアス
電圧を印加すると、プラズマから試料表面に向かう電子
の急速な流入が起きて、試料表面に電子が蓄積される結
果、チャージアップが発生する。ところが、第1のプラ
ズマ処理方法においては、主として負イオンを試料に照
射させるため、チャージアップの問題は殆ど発生しな
い。
【0018】第1のプラズマ処理方法において、バイア
ス電圧は正電圧と負電圧とのパルス電圧であることが好
ましい。
【0019】このようにすると、正のバイアス電圧が印
加されるときには負イオンが試料表面に引き込まれる一
方、負のバイアス電圧が印加されるときには正イオンが
試料表面に引き込まれるため、試料表面に蓄積される電
荷が打ち消されるので、チャージアップを低減すること
ができる。
【0020】この場合、パルス電圧の正電圧及び負電圧
の各パルス幅を調整する工程を備えていることがより好
ましい。
【0021】このようにすると、試料表面に蓄積される
電荷のバランスを調整できるので、チャージアップを確
実に防止することができる。
【0022】第1のプラズマ処理方法において、バイア
ス電圧として、イオンプラズマ周波数のほぼ0.5倍か
らほぼ2倍の周波数を持つ高周波電力を試料台に印加す
る工程を備えていることが好ましい。
【0023】このようにすると、電界のプラズマ中への
浸透が大きくなるため、試料台に流入するイオンフラッ
クスが増大するので、プラズマ処理のレートが大きくな
る。
【0024】第1のプラズマ処理方法において、プラズ
マは、水素原子又は水素化合物を含むガスから生成され
ることが好ましい。
【0025】このようにすると、水素原子又は水素化合
物を含むガスは電子負性ガスであるため、プラズマ中の
負イオンの割合が高くなるので、負イオン密度Nnと電
子密度Neとの比の値であるNn/Neを500以上に
することが容易になる。また、水素原子又は水素化合物
を含むガスは、成膜又はエッチングにおける利用価値が
高い。
【0026】第1のプラズマ処理方法において、プラズ
マは、ハロゲン元素又はハロゲン化合物を含むガスから
生成されることが好ましい。
【0027】このようにすると、ハロゲン元素又はハロ
ゲン化合物を含むガスは電子負性ガスであるため、プラ
ズマ中の負イオンの割合が高くなるので、負イオン密度
Nnと電子密度Neとの比の値であるNn/Neを50
0以上にすることが容易になる。また、ハロゲン元素は
電気陰性度が大きいため、シリコン又はアルミニウムな
どを用いるLSIプロセスにおける利用価値が高い。
【0028】第1のプラズマ処理方法において、プラズ
マは、酸素原子又は酸素化合物を含むガスから生成され
ることが好ましい。
【0029】このようにすると、酸素原子又は酸素化合
物を含むガスは電子負性ガスであるため、プラズマ中の
負イオンの割合が高くなるので、負イオン密度Nnと電
子密度Neとの比の値であるNn/Neを500以上に
することが容易になる。また、酸素原子又は酸素化合物
は、炭素又は水素と反応してCO2、H2Oなどの揮発生
成物を生成するため、有機膜又は有機無機ハイブリッド
膜などのエッチングにおける利用価値が高い。
【0030】本発明に係る第2のプラズマ処理方法は、
高周波電力パルスにより負イオンを含むプラズマを発生
させる工程と、高周波電力がオフである期間に試料台に
バイアス電圧を印加してプラズマ中の負イオンを主とし
て用いるプラズマ処理を行なう工程とを備えている。
【0031】第2のプラズマ処理方法によると、プラズ
マ中の負イオンを主として用いるプラズマ処理を行なう
ことができるため、選択性の高いプラズマ処理(例えば
プラズマエッチング)を高い処理レートで行なうことが
できると共に、チャージアップの問題は殆ど発生しな
い。
【0032】第2のプラズマ処理方法において、プラズ
マ処理を行なう工程は、高周波電力がオフになって、プ
ラズマ中における負イオン密度Nnと電子密度Neとの
比の値であるNn/Neがほぼ500以上になった状態
で、バイアス電圧を試料台に印加する工程を含むことが
好ましい。
【0033】このようにすると、負イオン電流を効果的
に引き出すことができるため、負イオンを効果的に試料
に照射することができるので、試料台に印加するバイア
ス電圧の大きさを制御することにより、負イオンが試料
に衝突するエネルギーを制御してプロセス制御性を向上
させることができる。
【0034】第2のプラズマ処理方法において、高周波
電力パルスのデューティ比は50%未満であることが好
ましい。
【0035】このようにすると、プラズマ発生用の高周
波電力のオフ時間が長くなるため、イオン・イオンプラ
ズマ(電子密度が正イオン密度及び負イオン密度に比べ
て圧倒的に小さいプラズマ)の特徴を生かすことができ
る。
【0036】第2のプラズマ処理方法において、プラズ
マ処理を行なう工程は、高周波電力パルスに対して所定
時間遅れて同期するバイアス電圧を印加する工程を含む
ことが好ましい。
【0037】プラズマ発生用の高周波電力パルスがオフ
である期間においては、電子温度が低下して電子付着解
離が生じやすくなるため、負イオンが増加するので、高
周波電力パルスに対して所定時間遅れてバイアス電圧を
印加することにより、負イオンを効果的に試料に照射す
ることができる。
【0038】本発明に係る第3のプラズマ処理方法は、
高周波電力により負イオンを含むプラズマを発生させる
工程と、発生したプラズマ中の電子密度を低減させる工
程と、電子密度が低減したプラズマを用いてプラズマ処
理を行なう工程とを備えている。
【0039】第3のプラズマ処理方法によると、電子密
度が低減した状態のプラズマ中においては、正イオンが
減少しているため、プラズマ中の負イオンの割合が増加
している。このため、電子密度が低減したプラズマを用
いてプラズマ処理を行なうと、プラズマ中の負イオンを
主として用いることができるので、選択性の高いプラズ
マ処理(例えばプラズマエッチング)を高い処理レート
で行なうことができると共に、チャージアップの問題は
殆ど発生しない。
【0040】本発明に係るプラズマ処理装置は、プラズ
マを発生させるプラズマ発生室と、プラズマ発生室で発
生したプラズマを用いてプラズマ処理を行なうプラズマ
処理室と、プラズマ発生室とプラズマ処理室との間に設
けられ、プラズマ発生室で発生したプラズマを、該プラ
ズマ中の電子密度を低減させながらプラズマ処理室に輸
送するプラズマ輸送手段とを備えている。
【0041】本発明のプラズマ処理装置によると、プラ
ズマ発生室で発生したプラズマを、該プラズマ中の電子
密度を低減させながらプラズマ処理室に輸送するプラズ
マ輸送手段を備えているため、電子密度が低減したプラ
ズマを用いてプラズマ処理を行なうことができるので、
プラズマ中の負イオンを主として用いるプラズマ処理を
簡易且つ確実に行なうことができる。
【0042】本発明のプラズマ処理装置において、プラ
ズマ輸送手段は、プラズマ発生室とプラズマ処理室とを
連通させる真空室と、該真空室を囲むように設けられ、
内部にほぼ平行な静磁場を生成するリング状マグネット
とからなることが好ましい。
【0043】このようにすると、プラズマ発生室で発生
したプラズマがプラズマ処理室に輸送される途中におい
て、プラズマ中の電子がリング状マグネットにトラップ
されるため、プラズマ処理室に輸送されるプラズマ中の
電子密度は大きく低減している。
【0044】本発明のプラズマ処理装置において、プラ
ズマ輸送手段は、プラズマ発生室とプラズマ処理室とを
連通させる真空室と、該真空室の周囲に配置され、内部
にほぼ平行な磁場を生成する複数のヘルムホルツコイル
とからなることが好ましい。
【0045】このようにすると、プラズマ発生室で発生
したプラズマがプラズマ処理室に輸送される途中におい
て、プラズマ中の電子がヘルムホルツコイルにトラップ
されるため、プラズマ処理室に輸送されるプラズマ中の
電子密度は大きく低減している。
【0046】この場合、複数のヘルムホルツコイルは、
位相が互いに異なる電流が印加されることにより回転磁
場を生成することがより好ましい。
【0047】このようにすると、プラズマ発生室で発生
したプラズマは回転しながらプラズマ処理室に輸送され
るので、プラズマ処理室のプラズマは均一になる。
【0048】本発明のプラズマ処理装置は、プラズマ処
理室にプラズマを発生させるための高周波電力パルスを
供給する高周波電力パルス回路と、プラズマ処理室に設
けられた試料台にバイアス電圧を供給するバイアス回路
と、バイアス電圧を高周波電力パルスに対して所定時間
遅れて同期させる信号遅延回路とを備えていることが好
ましい。
【0049】このようにすると、高周波電力パルスに対
して所定時間遅れて同期するバイアス電圧を試料台に印
加することができるため、負イオンを効果的に試料に照
射することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態に係るプラズマ処理方法及びプラズマ
処理装置について、図1及び図2を参照しながら説明す
る。
【0051】図1は、第1の実施形態に係るプラズマ処
理装置(プラズマエッチング装置)の概略全体構成を示
しており、図1において、10は接地されており、内壁
がセラミック、テフロン(登録商標)又は石英等の絶縁
物で覆われていると共に内部が真空に保持されるチャン
バーである。尚、チャンバー10は、内壁が絶縁物で覆
われた構造に代えて、石英等からなるインナーチャンバ
ーを有する二重構造であってもよい。また、チャンバー
10には、該チャンバー10内に反応性ガスを導入する
周知のガス導入手段が設けられているが、図示は省略し
ている。
【0052】図1に示すように、チャンバー10の上に
はセラミック等からなる誘電体板11を介してコイル1
2が設けられている。コイル12の一端は、インピーダ
ンス整合回路13を介してプラズマ発生用の高周波パル
ス電源14に接続されていると共にコイル12の他端は
接地されている。従って、高周波パルス電源14からコ
イル12に高周波パルス電力を印加すると、誘電体板1
1を介して発生する誘導電磁界によりチャンバー10の
内部に高密度のプラズマ15が発生する。
【0053】チャンバー10の内部には、表面が絶縁性
材料でコーティングされた金属製の試料台16が設けら
れており、該試料台16の上には、表面にフォトレジス
トパターンが形成されている被エッチング試料17が保
持されている。
【0054】試料台16には、該試料台16にバイアス
電圧を印加するバイアス用のDCパルス電源18が接続
されていると共に、DCパルス電源18は信号線19を
介して高周波パルス電源14に接続されている。高周波
パルス電源14には信号遅延回路が内蔵されており、該
信号遅延回路により生成される同期信号は信号線19を
介してDCパルス電源18に出力される。DCパルス電
源18は、信号遅延回路により生成される同期信号に基
づき、高周波パルス電源14からコイル12に印加され
る高周波電力パルスに対して所定時間遅れて同期するバ
イアス電圧を試料台16に印加する。
【0055】図2は第1の実施形態に係るプラズマ処理
方法における各種のパラメータの時間変化を示してい
る。
【0056】高周波パルス電源14からコイル12に印
加されるプラズマ発生用の高周波パルス電力がオフにな
ってから所定の遅延時間Tdが経過した後に、バイアス
用のDCパルス電源18がオンになって、該DCパルス
電源18から試料台16に正のバイアス電圧が所定のパ
ルス幅で印加される。
【0057】エッチングに使用される反応性ガス例えば
ハロゲンガスは電子負性ガス(ガスの分子に電子が結合
すると、負イオンが生成されるようなガス)であるた
め、プラズマ発生用の高周波パルス電力がオフになった
後の状態、つまりアフターグロープラズマの状態では、
電子の加速源が無いため、高速運動をする電子は拡散し
チャンバー10の壁面に衝突して消滅する一方、低速運
動をする電子は余り拡散しないので、電子温度が低下す
る。電子温度が低下すると、電子付着解離(化合物に電
子が付着して、化合物から負イオンが解離する現象)が
生じやすくなるので、電子密度が急速に低下すると共
に、負イオンは急激に増加する。
【0058】第1の実施形態においては、遅延時間Td
は、負イオン密度Nnと電子密度Neとの比の値である
Nn/Neがほぼ500以上になる時間に設定する。こ
のようにする理由については後述する。尚、遅延時間T
dは、ガス種又はチャンバー10の圧力によって異なる
が、通常、50μsec〜1msecである。
【0059】負イオン密度Nnと電子密度Neとの比の
値であるNn/Neがほぼ500以上になる状態では、
プラズマ中の電子密度Neが十分に小さいと共にプラズ
マ中の負電荷に占める負イオンの割合が極めて大きいの
で、DCパルス電源18が正の電圧を試料台16に印加
したときには、試料台16に流入する電子電流が十分に
小さい。このため、負イオン電流が効果的に引き出され
るので、負イオンが被エッチング試料17に照射する。
その際、負イオンが被エッチング試料17に衝突するエ
ネルギーは、DCパルス電源18から試料台16に印加
されるバイアス電圧の大きさに比例するので、プロセス
制御性が高くなる。
【0060】以下、遅延時間Tdを、負イオン密度Nn
と電子密度Neとの比の値であるNn/Neがほぼ50
0以上になる時間に設定する理由について説明する。
【0061】プラズマ中のドリフト電流は次のように表
わされる。すなわち、 電子電流Je Je=q×Ne×μe×E……(1) 正イオン電流Jp Jp=q×Np×μp×E……(2) 負イオン電流Jn Jn=q×Nn×μn×E……(3) ここで、qは電子の電荷であり、Neは電子の密度であ
り、Npは正イオンの密度であり、Nnは負イオンの密
度であり、μeは電子の移動度であり、μpは正イオン
の移動度であり、μnは負イオンの移動度であり、Eは
プラズマ中の電界である。
【0062】ところで、電子の移動度μeは、正イオン
の移動度μp及び負イオンの移動度μnの数百倍程度で
あって、正イオンの移動度μp及び負イオンの移動度μ
nに比べて遙かに大きな値である。また、正イオンの移
動度μpと負イオンの移動度μnとは、数倍程度の差異
はあるが同じオーダーである。このため、正イオンと同
程度の量の電子が存在する場合には、大部分の電流は電
子により運ばれる。
【0063】ところが、電子の量が減少して、電子電流
が正イオン電流と負イオン電流との合計よりも十分に小
さくなると、電子の影響は無視することができる。すな
わち、Nn/Ne≫μe/2μn……(4)の関係式が
成り立つときに電子の影響は無視することができる。
尚、(4)の関係式は、前記の式(1)、式(2)及び
式(3)と、μp=μn及びNp=Ne+Nnとから導
かれる。
【0064】(4)の関係式において、μe/μnはほ
ぼ100であるとすると共に、(Nn/Ne)が(μe
/2μn)のほぼ10倍以上になると電子の影響を無視
できるとすると、負イオン密度Nnと電子密度Neとの
比の値であるNn/Neがほぼ500以上になると、電
子の影響を無視できるようになる。このように、電子密
度Neが正イオン密度Np及び負イオン密度Nnに比べ
て圧倒的に小さいプラズマは、イオン・イオンプラズマ
とよばれる。
【0065】尚、プラズマ発生用の高周波電力パルスの
デューティ比は50%未満であることが好ましい。その
理由は、プラズマ発生用の高周波電力パルスのデューテ
ィ比が50%以上になると、プラズマ発生用の高周波電
力のオン時間が長くなり、試料台がオン状態のプラズマ
に曝される時間が長くなって、プラズマ処理の結果が主
としてオン状態のプラズマに支配されてしまうことにな
る。本実施形態のようにイオン・イオンプラズマの特徴
を生かすには、デューティ比を50%未満にして、高周
波電力がオフである期間においてプラズマ処理する割合
を長くすることが好ましい。
【0066】以下、シリコン酸化膜の上に堆積されたリ
ンドープのポリシリコン膜に対して、次の条件でエッチ
ングを行なった実験結果について説明する。
【0067】反応性ガス(エッチングガス)としては、
塩素ガスを標準状態で1分間当たり50ml導入すると
共に酸素ガスを標準状態で1分間当たり5ml導入し、
チャンバーの圧力は0.5Pa〜2Paに設定した。ま
た、高周波パルス電源14からコイル12に、13.5
6MHzの周波数を持つ高周波電力を、20μsecの
パルス幅及び1000Wの時間平均電力で印加すると共
に、DCパルス電源18から試料台16に、正の電圧を
400μsecのパルス幅で電圧値を変えて印加した。
また、高周波電力及び正の電圧のパルスの繰り返し周波
数は1kHzとし、遅延時間Tは500μsecに設定
した。
【0068】実験の結果、バイアス電圧の大きさを50
Vから150Vに変化させた場合、エッチングレートは
約200nm/minであって、シリコン酸化膜に対す
る選択比は約200から約10に大きく変化した。尚、
エッチング形状は異方性であった。
【0069】また、3nmの厚さを持つシリコン酸化膜
からなるゲート絶縁膜の上にリンドープのポリシリコン
膜からなるゲート電極を形成したところ、チャージアッ
プに起因する絶縁膜破壊、ノッチ及び形状異常などは見
られなかった。
【0070】ところで、第1の実施形態によると、チャ
ージアップが少なくなる理由は、プラズマ中の負イオン
の寄与が大きいと思われる。被エッチング試料に高エネ
ルギーの正イオン及び負イオンが入射する場合、入射イ
オンの電荷が被エッチング試料の表面に蓄積されるのに
加えて、イオンの入射に伴って被エッチング試料の表面
から放出される二次電子の効果は無視できない。正イオ
ンが入射する場合には、二次電子の放出は正電荷の蓄積
を増加させるように進行するが、負イオンが入射する場
合には、二次電子の放出は負電荷の蓄積を打ち消すよう
に働く。このため、チャージアップ現象が抑制されるの
である。
【0071】尚、第1の実施形態においては、塩素ガス
及び酸素ガスからなる反応性ガスを用いたが、反応性ガ
スとしては、負イオンを生成しやすいガス(電子負性ガ
ス)であればよく、例えば、水素原子若しくは水素化合
物を含むガス、ハロゲン元素若しくはハロゲン化合物を
含むガス、又は酸素原子若しくは酸素化合物を含むガス
などを用いることができる。
【0072】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態に係るプラズマ処理方法について図3を参照し
ながら説明する。
【0073】第2の実施形態は、第1の実施形態に比べ
て、バイアス用のDC電圧パルスの印加方法が異なるの
みであるから、以下の説明においては、バイアス用のD
C電圧パルスの印加方法についてのみ説明する。
【0074】図3に示すように、DCバイアス電圧とし
ては、プラズマ発生用の高周波電力パルスがオフになっ
てから所定の遅延時間Tdが経過した後に、DCパルス
電源18から試料台16に正のバイアス電圧及び負のバ
イアス電圧が交互に印加される。また、正のバイアス電
圧の電圧値はVb pで且つパルス幅はWb pであり、負
のバイアス電圧の電圧値はVb nで且つパルス幅はWb
nである。
【0075】第2の実施形態によると、正のバイアス電
圧が印加されるときには負イオンが被エッチング試料1
7に引き込まれる一方、負のバイアス電圧が印加される
ときには正イオンが被エッチング試料17に引き込まれ
るため、被エッチング試料17の表面に蓄積される電荷
が打ち消されるので、チャージアップを低減することが
できる。この場合、正のバイアス電圧の電圧値Vb p及
びパルス幅Wb p並びに負のバイアス電圧の電圧値Vb
n及びパルス幅Wb nを最適化することにより、チャ
ージアップを極小にすることができる。
【0076】以下、シリコン酸化膜の上に堆積されたリ
ンドープのポリシリコン膜に対して、第1の実施形態に
比べてバイアス条件のみを変更して行なった実験結果に
ついて説明する。
【0077】正のバイアス電圧は、電圧値Vb pを15
0Vで且つパルス幅Wb pを200μsecに設定する
と共に、負のバイアス電圧は、電圧値Vb nを100V
で且つパルス幅Wb nを150μsecに設定した。ま
た、プラズマ発生用の高周波電力パルスの繰り返し周波
数は1kHzに設定すると共に、遅延時間Tdは正のバ
イアス電圧及び負のバイアス電圧のいずれについても5
00μsecに設定した。
【0078】実験の結果、エッチングレートは約200
nm/minであり、シリコン酸化膜に対する選択比は
約100であって、いずれも良好であった。尚、エッチ
ング形状は異方性であった。
【0079】また、2.6nmの厚さを持つシリコン酸
化膜からなるゲート絶縁膜の上にリンドープのポリシリ
コン膜からなるゲート電極を形成したところ、チャージ
アップに起因する絶縁膜破壊、ノッチ及び形状異常など
は見られなかった。
【0080】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態に係るプラズマ処理方法について図4を参照し
ながら説明する。
【0081】第3の実施形態は、第1の実施形態に比べ
て、バイアス用のDC電圧パルスの印加方法が異なるの
みであるから、以下の説明においては、バイアス用のD
C電圧パルスの印加方法についてのみ説明する。
【0082】図4に示すように、DCバイアス電圧とし
ては、プラズマ発生用の高周波電力パルスがオフになっ
てから所定の遅延時間Tdが経過した後であって高周波
電力パルスがオフである期間に、DCパルス電源18か
ら試料台16に正のバイアス電圧及び負のバイアス電圧
がそれぞれ印加される。
【0083】第3の実施形態によると、第2の実施形態
と同様、正のバイアス電圧が印加されるときには負イオ
ンが被エッチング試料17に引き込まれる一方、負のバ
イアス電圧が印加されるときには正イオンが被エッチン
グ試料17に引き込まれるため、被エッチング試料17
の表面に蓄積される電荷が打ち消されるので、チャージ
アップを低減することができる。
【0084】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態に係るプラズマ処理方法について図5を参照し
ながら説明する。
【0085】第4の実施形態は、第1の実施形態に比べ
て、バイアス用のDC電圧パルスの印加方法が異なるの
みであるから、以下の説明においては、バイアス用のD
C電圧パルスの印加方法についてのみ説明する。
【0086】図5に示すように、DCバイアス電圧とし
ては、プラズマ発生用の高周波電力パルスがオフになっ
てから所定の遅延時間Tdが経過した後に、DCパルス
電源18から試料台16に対して、正のバイアス電圧、
正のバイアス電圧及び負のバイアス電圧が繰り返し印加
される。つまり、高周波電力パルスがオフである3つ周
期において、2回の正のバイアス電圧と1回の負のバイ
アス電圧とが印加される。
【0087】第4の実施形態によると、第2の実施形態
と同様、正のバイアス電圧が印加されるときには負イオ
ンが被エッチング試料17に引き込まれる一方、負のバ
イアス電圧が印加されるときには正イオンが被エッチン
グ試料17に引き込まれるため、被エッチング試料17
の表面に蓄積される電荷が打ち消されるので、チャージ
アップを低減することができる。この場合、正のバイア
ス電圧の回数及び負のバイアス電圧の回数を最適化する
ことにより、正のバイアス電圧及び負のバイアス電圧の
電圧値及びパルス幅を変えることなく、チャージアップ
を極小にすることができる。
【0088】(第5の実施形態)以下、本発明の第5の
実施形態に係るプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置
について、図6、図7(a)、(b)及び図8を参照し
ながら説明する。
【0089】図6は、第5の実施形態に係るプラズマ処
理装置(プラズマエッチング装置)の概略全体構成を示
しており、図6において、20は接地されており、内壁
がセラミック、テフロン又は石英等の絶縁物で覆われて
いると共に内部が真空に保持されるチャンバーである。
尚、チャンバー20は、内壁が絶縁物で覆われた構造に
代えて、石英等からなるインナーチャンバーを有する二
重構造であってもよい。また、チャンバー20には、該
チャンバー20内に反応性ガスを導入する周知のガス導
入手段が設けられているが、図示は省略している。
【0090】図6に示すように、チャンバー20は、プ
ラズマを発生させるプラズマ発生室20aと、プラズマ
発生室20aで発生したプラズマを用いてプラズマ処理
を行なうプラズマ処理室20bと、プラズマ発生室20
aとプラズマ処理室20bとの間に設けられ、プラズマ
発生室20aで発生したプラズマをプラズマ処理室20
bに輸送するプラズマ輸送室20cとから構成されてい
る。
【0091】チャンバー20のプラズマ発生室20aの
外側にはコイル21が設けられており、該コイル21の
一端は、インピーダンス整合回路22を介してプラズマ
発生用の第1の高周波電源23に接続されていると共に
コイル21の他端は接地されている。従って、第1の高
周波電源23からコイル21に高周波電力を印加する
と、誘導電磁界によりプラズマ発生室20aにおいて高
密度のプラズマが発生する。
【0092】チャンバー20のプラズマ処理室20bの
内部には、表面が絶縁性材料でコーティングされた金属
製の試料台24が設けられており、該試料台24の上に
は、表面にフォトレジストパターンが形成されている被
エッチング試料25が保持されている。
【0093】試料台24には、該試料台24にバイアス
電圧を印加するバイアス用の第2の高周波電源26が接
続されていると共に、該第2の高周波電源26は信号線
27を介して第1の高周波電源23に接続されている。
第1の高周波電源23には信号遅延回路が内蔵されてお
り、該信号遅延回路により生成される同期信号は信号線
27を介して第2の高周波電源26に出力することがで
きる。第2の高周波電源26は、信号遅延回路により生
成される同期信号に基づき、第1の高周波電源23から
コイル21に印加される高周波電力パルスに対して所定
時間遅れて同期する高周波電力パルスを試料台24に印
加することができる。尚、第1の高周波電源23からコ
イル21に高周波電力を連続的に印加すると共に、第2
の高周波電源26から試料台24に高周波電力を連続的
に印加する場合には、第1の高周波電源23は第2の高
周波電源26に同期信号を出力しない。
【0094】チャンバー20のプラズマ輸送室20cの
外側には、内部にほぼ平行な静磁場Bを生成するリング
状マグネット28A(図7(a)を参照)が設けられて
いる。このように、高周波放電によりプラズマ発生室2
0aで発生したプラズマがプラズマ処理室20bに輸送
される途中にリング状マグネット28Aが設けられてい
るため、プラズマ中の電子は、ローレンツ力の働きによ
り、リング状マグネット28Aが形成する静磁場を横切
ることができず、リング状マグネット28Aの内部領域
に滞留する。従って、プラズマ処理室20bのプラズマ
29は、正イオン及び負イオンのみからなるイオン・イ
オンプラズマとなる。
【0095】以上説明した、内部が真空状態に保持され
るプラズマ輸送室20cと、該プラズマ輸送室20cの
外側に設けられたリング状マグネット28Aとによっ
て、プラズマ発生室20aで発生したプラズマを、該プ
ラズマ中の電子密度を低減させながらプラズマ処理室2
0bに輸送するプラズマ輸送手段が構成されている。
【0096】尚、プラズマ輸送手段としては、内部が真
空状態に保持されるプラズマ輸送室20cと、該プラズ
マ輸送室20cの外側に設けられ、内部にほぼ平行な磁
場を形成する複数のヘルムホルツコイル28B(図7
(b)を参照)とから構成してもよい。
【0097】この場合、図7(b)に示すように、複数
のヘルムホルツコイル28Bを同心円状に配置すると共
に、複数のヘルムホルツコイル28Bに位相が互いに異
なる電流を印加して、複数のヘルムホルツコイル28B
の内側に回転磁場を形成すると、プラズマは回転しなが
ら輸送されるので、プラズマ処理室20cにおけるプラ
ズマの均一性が向上する。
【0098】図8は、第5の実施形態に係るプラズマ処
理方法におけるプラズマ発生用高周波電力及びバイアス
用高周波電力の時間経過を示しており、プラズマ発生用
高周波電力としては周波数が13.56MHzである高
周波電力が連続して印加されると共に、バイアス用高周
波電力としては周波数が3MHzである高周波電力が連
続して印加される。
【0099】第5の実施形態においては、プラズマ発生
室20aとプラズマ処理室20bとの間に、プラズマ発
生室20aで発生したプラズマを、該プラズマ中の電子
密度を低減させながらプラズマ処理室20bに輸送する
プラズマ輸送手段が設けられているため、プラズマ処理
室20bには電子が殆ど到達しないので、プラズマ処理
室20bのプラズマは、イオン・イオンプラズマとして
の性質を有する。
【0100】ところで、試料台24に印加するバイアス
用高周波電力の周波数は、イオンプラズマ周波数のほぼ
0.5倍からほぼ2倍の範囲内に設定することが好まし
い。
【0101】イオンプラズマ周波数fpiは、fpi=(q
2・n/ε0・M)1/2/(2π)で表わされる。ここ
で、qは単位電荷であり、nはプラズマ密度であり、ε
0 は真空の誘電率であり、Mはイオンの質量である。
尚、Arイオンのイオンプラズマ周波数fpiは、プラズ
マ密度が1010cm-3のときに3MHz程度である。
【0102】バイアス用高周波電力の周波数をイオンプ
ラズマ周波数のほぼ0.5倍〜ほぼ2倍の範囲内に設定
する理由は次の通りである。すなわち、バイアス用高周
波電力の周波数がイオンプラズマ周波数のほぼ0.5倍
よりも低い場合には、イオンが電界に追従するため、バ
イアスを印加しない場合と同様の拡散で決まるフラック
スのイオンしか試料台24に照射されず、バイアス用高
周波電力の周波数がイオンプラズマ周波数のほぼ2倍よ
りも高い場合には、イオンが電界に追従できないため、
やはりバイアスを印加しない場合と同様の拡散で決まる
フラックスのイオンしか試料台24に照射されない。こ
れに対して、バイアス用高周波電力の周波数をイオンプ
ラズマ周波数のほぼ0.5倍〜ほぼ2倍の範囲内に設定
すると、電界のプラズマ中への浸透が大きくなるため、
試料台24に流入するイオンフラックスが増大し、これ
によって、プラズマ処理のレートが大きくなる。
【0103】以下、シリコン酸化膜の上に堆積されたリ
ンドープのポリシリコン膜に対して、次の条件でエッチ
ングを行なった実験結果について説明する。
【0104】反応性ガス(エッチングガス)としては、
HBrガスを標準状態で1分間当たり50ml導入する
と共に酸素ガスを標準状態で1分間当たり5ml導入
し、チャンバーの圧力は3Paに設定した。また、第1
の高周波電源23からコイル21に500Wのプラズマ
発生用高周波電力を印加すると共に、第2の高周波電源
26から試料台24に電圧振幅100Vp-p のバイアス
用高周波電力を印加した。
【0105】実験の結果、エッチングレートは約250
nm/minであり、シリコン酸化膜に対する選択比は
約150以上であって、いずれも良好であった。尚、エ
ッチング形状は異方性であった。
【0106】また、2.6nmの厚さを持つシリコン酸
化膜からなるゲート絶縁膜の上にリンドープのポリシリ
コン膜からなるゲート電極を形成したところ、チャージ
アップに起因する絶縁膜破壊、ノッチ及び形状異常など
は見られなかった。
【0107】尚、HBrガスは、負イオンを生成しやす
いHとハロゲン元素であるBrとからなり、また酸素ガ
スも負イオンを生成しやすいガスであるため、HBrガ
ス及び酸素ガスを含む反応性ガスは負イオンを生成しや
すい。
【0108】(第6の実施形態)以下、本発明の第6の
実施形態に係るプラズマ処理方法について図9を参照し
ながら説明する。
【0109】第6の実施形態は、第5の実施形態に比べ
て、プラズマ発生用及びバイアス用の高周波電力の印加
方法が異なるのみであるから、以下の説明においては、
プラズマ発生用及びびバイアス用の高周波電力の印加方
法についてのみ説明する。
【0110】図9は、第6の実施形態に係るプラズマ処
理方法におけるプラズマ発生用高周波電力及びバイアス
用高周波電力の時間経過を示しており、プラズマ発生用
高周波電力としては周波数が13.56MHzである高
周波電力パルスが20μsecのパルス幅及び500W
の時間平均電力で印加すると共に、バイアス用高周波電
力としては周波数が3MHzである高周波電力パルスを
400μsecのパルス幅及び200Vp-p の電圧振幅
が連続して印加する。また、プラズマ発生用高周波電力
の繰り返し周波数は1kHzとし、遅延時間Tdは50
0μsecに設定した。
【0111】以下、シリコン酸化膜の上に堆積されたリ
ンドープのポリシリコン膜に対して、次の条件でエッチ
ングを行なった実験結果について説明する。反応性ガス
の種類及び流量は第5の実施形態と同様であり、プラズ
マ発生用高周波電力及びバイアス用高周波電力の印加条
件は前述の通りである。
【0112】実験の結果、エッチングレートは約130
nm/minであり、シリコン酸化膜に対する選択比は
150程度であって、いずれも良好であった。尚、エッ
チング形状は異方性であった。
【0113】また、2.6nmの厚さを持つシリコン酸
化膜からなるゲート絶縁膜の上にリンドープのポリシリ
コン膜からなるゲート電極を形成したところ、チャージ
アップに起因する絶縁膜破壊、ノッチ及び形状異常など
は見られなかった。
【0114】さらに、エッチングレートのパターン寸法
依存性つまりマイクロローディング効果は殆ど発生せ
ず、0.20μmの開口径を持つホールのエッチングレ
ートは、数百μmの開口径を持つホールのエッチングレ
ートの95%以上であった。
【0115】(第7の実施形態)以下、本発明の第7の
実施形態に係るプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置
について、図10を参照しながら説明する。
【0116】図10は、第5の実施形態に係るプラズマ
処理装置(プラズマCVD装置)の概略全体構成を示し
ており、図10において、30は接地されており、内壁
がセラミック、テフロン又は石英等の絶縁物で覆われて
いると共に内部が真空に保持されるチャンバーである。
尚、チャンバー30は、内壁が絶縁物で覆われた構造に
代えて、石英等からなるインナーチャンバーを有する二
重構造であってもよい。また、チャンバー30には、該
チャンバー30内に反応性ガスを導入する周知のガス導
入手段が設けられているが、図示は省略している。
【0117】図10に示すように、チャンバー30は、
プラズマを発生させるプラズマ発生室30aと、プラズ
マ発生室30aで発生したプラズマを用いてプラズマ処
理を行なうプラズマ処理室30bと、プラズマ発生室3
0aとプラズマ処理室30bとの間に設けられ、プラズ
マ発生室30aで発生したプラズマをプラズマ処理室3
0bに輸送するプラズマ輸送室30cとから構成されて
いる。
【0118】チャンバー30のプラズマ発生室30aの
外側にはコイル31が設けられており、該コイル31の
一端は、インピーダンス整合回路32を介してプラズマ
発生用の第1の高周波電源33に接続されていると共に
コイル31の他端は接地されている。従って、第1の高
周波電源33からコイル31に高周波電力を印加する
と、誘導電磁界によりプラズマ発生室30aにおいて高
密度のプラズマが発生する。
【0119】チャンバー30のプラズマ処理室30bの
内部には、表面が絶縁性材料でコーティングされた金属
製の試料台34が設けられており、該試料台34の上に
は、表面に絶縁膜が形成されている被エッチング試料3
5が保持されている。
【0120】試料台34には、該試料台34にバイアス
電圧を印加するバイアス用の第2の高周波電源36が接
続されていると共に、該第2の高周波電源36は信号線
37を介して第1の高周波電源33に接続されている。
第1の高周波電源33には信号遅延回路が内蔵されてお
り、該信号遅延回路により生成される同期信号は信号線
37を介して第2の高周波電源36に出力することがで
きる。第2の高周波電源36は、信号遅延回路により生
成される同期信号に基づき、第1の高周波電源33から
コイル31に印加される高周波電力パルスに対して所定
時間遅れて同期する高周波電力パルスを試料台34に印
加することができる。尚、第1の高周波電源33からコ
イル31に高周波電力を連続的に印加すると共に、第2
の高周波電源36から試料台34に高周波電力を連続的
に印加する場合には、第1の高周波電源33は第2の高
周波電源36に同期信号を出力しない。
【0121】チャンバー30のプラズマ輸送室30cの
外側には、内部にほぼ平行な静磁場Bを生成するリング
状マグネット38Aが設けられている。このように、高
周波放電によりプラズマ発生室30aで発生したプラズ
マがプラズマ処理室30bに輸送される途中にリング状
マグネット38Aが設けられているため、プラズマ処理
室30bのプラズマ39は、正イオン及び負イオンのみ
からなるイオン・イオンプラズマとなる。
【0122】以上説明した、内部が真空状態に保持され
るプラズマ輸送室30cと、該プラズマ輸送室30cの
外側に設けられたリング状マグネット38Aとによっ
て、プラズマ発生室30aで発生したプラズマを、該プ
ラズマ中の電子密度を低減させながらプラズマ処理室3
0bに輸送するプラズマ輸送手段が構成されている。
尚、リング状マグネット38Aに代えて、内部にほぼ平
行な磁場を形成する複数のヘルムホルツコイルを用いて
もよい。
【0123】以下、シリコン基板上に次の条件で膜堆積
を行なった実験結果について説明する。
【0124】反応性ガス(膜堆積用ガス)としては、S
iH4 ガスを標準状態で1分間当たり200ml導入す
ると共にNH3 ガスを標準状態で1分間当たり50ml
導入し、チャンバーの圧力は30Paに設定すると共に
試料台34の温度は350℃〜450℃に設定した。ま
た、第1の高周波電源33からコイル31に周波数が1
3.56MHzである高周波電力を500Wの電力で連
続的に印加すると共に、バイアス用高周波電力としては
周波数が2.0MHzである高周波電力を100Vp-p
の〜300Vp-pの電圧振幅で連続して印加した。
【0125】実験の結果、シリコン窒化膜の膜堆積レー
トは約50nm/minであった。また、シリコン窒化
膜の上にアルミニウム膜を堆積した後、アルミニウム膜
及びシリコン窒化膜をパターニングして、2.6nmの
膜厚を持つゲート絶縁膜の上にゲート電極を形成したと
ころ、チャージアップによる絶縁膜破壊等の異常は見ら
れなかった。
【0126】
【発明の効果】第1のプラズマ処理方法によると、プラ
ズマ中の電子密度が十分に小さいと共にプラズマ中の負
電荷に占める負イオンの割合が極めて大きいため、負イ
オンを効果的に試料に照射することができると共に、試
料台に印加されるバイアス電圧の大きさを調整すること
により、負イオンが試料に衝突するエネルギーを制御し
てプラズマ処理のプロセスを制御することができる。
【0127】第2又は第3のプラズマ処理方法による
と、プラズマ中の負イオンを主として用いるプラズマ処
理を行なうことができるため、選択性の高いプラズマ処
理を高い処理レートで行なうことができると共にチャー
ジアップの問題は殆ど発生しない。
【0128】本発明に係るプラズマ処理装置によると、
プラズマ発生室で発生したプラズマを、該プラズマ中の
電子密度を低減させながらプラズマ処理室に輸送するプ
ラズマ輸送手段を備えているため、電子密度が低減した
プラズマを用いてプラズマ処理を行なうことができるの
で、プラズマ中の負イオンを主として用いるプラズマ処
理を簡易且つ確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るプラズマ処理装置(プラ
ズマエッチング装置)の概略断面図である。
【図2】第1の実施形態に係るプラズマ処理方法におけ
る各種パラメータの時間変化を示す図である。
【図3】第2の実施形態に係るプラズマ処理方法におい
て、バイアス用DC電圧を印加するタイミングを示す図
である。
【図4】第3の実施形態に係るプラズマ処理方法におい
て、バイアス用DC電圧を印加するタイミングを示す図
である。
【図5】第4の実施形態に係るプラズマ処理方法におい
て、バイアス用DC電圧を印加するタイミングを示す図
である。
【図6】第5の実施形態に係るプラズマ処理装置(プラ
ズマエッチング装置)の概略断面図である。
【図7】(a)は第5の実施形態に係るプラズマ処理装
置を構成するリング状マグネットの斜視図であり、
(b)は第5の実施形態に係るプラズマ処理装置を構成
するヘルムホルツコイルの斜視図である。
【図8】第5の実施形態に係るプラズマ処理方法におい
て、プラズマ発生用高周波電力及びバイアス用高周波電
力の時間経過を示す図である。
【図9】第6の実施形態に係るプラズマ処理方法におい
て、バイアス用高周波電力パルスを印加するタイミング
を示す図である。
【図10】第7の実施形態に係るプラズマ処理装置(プ
ラズマCVD装置)の概略断面図である。
【符号の説明】
10 チャンバー 11 誘電体板 12 コイル 13 インピーダンス 14 高周波パルス電源 15 プラズマ 16 試料台 17 被エッチング試料 18 DCパルス電源 19 信号線 20 チャンバー 20a プラズマ発生室 20b プラズマ処理室 20c プラズマ輸送室 21 コイル 22 インピーダンス整合回路 23 第1の高周波電源 24 試料台 25 被エッチング試料 26 第2の高周波電源 27 信号線 28A リング状マグネット 28B ヘルムホルツコイル 29 プラズマ 30 チャンバー 30a プラズマ発生室 30b プラズマ処理室 320c プラズマ輸送室 31 コイル 32 インピーダンス整合回路 33 第1の高周波電源 34 試料台 35 被エッチング試料 36 第2の高周波電源 37 信号線 38A リング状マグネット 39 プラズマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G075 AA24 BC02 BC04 BC06 CA14 CA15 CA25 CA47 DA02 DA05 EB01 EB41 EC06 EC10 EE02 FB06 FB12 FC15 4K030 AA06 AA13 BA40 CA04 FA04 JA11 JA17 JA18 KA20 KA30 KA34 LA15 5F004 AA02 AA16 BA03 BA09 BA20 BB13 BC08 DA04 DA26 DB02 DB03 5F045 AA08 AB33 AC01 AC11 AC12 AD07 AD08 AE19 AF03 EH03 EH11 EH18 EH20

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負イオン密度Nnと電子密度Neとの比
    の値であるNn/Neがほぼ500以上であるプラズマ
    中において、試料台にバイアス電圧を印加してプラズマ
    処理を行なうことを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 前記バイアス電圧は正電圧であることを
    特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  3. 【請求項3】 前記バイアス電圧は正電圧と負電圧との
    パルス電圧であることを特徴とする請求項1に記載のプ
    ラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 前記パルス電圧の正電圧及び負電圧の各
    パルス幅を調整する工程を備えていることを特徴とする
    請求項3に記載のプラズマ処理方法。
  5. 【請求項5】 前記バイアス電圧として、イオンプラズ
    マ周波数のほぼ0.5倍からほぼ2倍の周波数を持つ高
    周波電力を前記試料台に印加する工程を備えていること
    を特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  6. 【請求項6】 前記プラズマは、水素原子又は水素化合
    物を含むガスから生成されることを特徴とする請求項1
    に記載のプラズマ処理方法。
  7. 【請求項7】 前記プラズマは、ハロゲン元素又はハロ
    ゲン化合物を含むガスから生成されることを特徴とする
    請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  8. 【請求項8】 前記プラズマは、酸素原子又は酸素化合
    物を含むガスから生成されることを特徴とする請求項1
    に記載のプラズマ処理方法。
  9. 【請求項9】 高周波電力パルスにより負イオンを含む
    プラズマを発生させる工程と、前記高周波電力がオフで
    ある期間に試料台にバイアス電圧を印加して前記プラズ
    マ中の負イオンを主として用いるプラズマ処理を行なう
    工程とを備えていることを特徴とするプラズマ処理方
    法。
  10. 【請求項10】 前記プラズマ処理を行なう工程は、前
    記高周波電力がオフになって、前記プラズマ中における
    負イオン密度Nnと電子密度Neとの比の値であるNn
    /Neがほぼ500以上になった状態で、前記バイアス
    電圧を前記試料台に印加する工程を含むことを特徴とす
    る請求項9に記載のプラズマ処理方法。
  11. 【請求項11】 前記高周波電力パルスのデューティ比
    は50%未満であることを特徴とする請求項9に記載の
    プラズマ処理方法。
  12. 【請求項12】 前記プラズマ処理を行なう工程は、前
    記高周波電力パルスに対して所定時間遅れて同期する前
    記バイアス電圧を印加する工程を含むことを特徴とする
    請求項9に記載のプラズマ処理方法。
  13. 【請求項13】 高周波電力により負イオンを含むプラ
    ズマを発生させる工程と、発生したプラズマ中の電子密
    度を低減させる工程と、電子密度が低減したプラズマを
    用いてプラズマ処理を行なう工程とを備えていることを
    特徴とするプラズマ処理方法。
  14. 【請求項14】 プラズマを発生させるプラズマ発生室
    と、前記プラズマ発生室で発生したプラズマを用いてプ
    ラズマ処理を行なうプラズマ処理室と、前記プラズマ発
    生室と前記プラズマ処理室との間に設けられ、前記プラ
    ズマ発生室で発生したプラズマを、該プラズマ中の電子
    密度を低減させながら前記プラズマ処理室に輸送するプ
    ラズマ輸送手段とを備えていることを特徴とするプラズ
    マ処理装置。
  15. 【請求項15】 前記プラズマ輸送手段は、前記プラズ
    マ発生室と前記プラズマ処理室とを連通させる真空室
    と、該真空室を囲むように設けられ、内部にほぼ平行な
    静磁場を生成するリング状マグネットとからなることを
    特徴とする請求項14に記載のプラズマ処理装置。
  16. 【請求項16】 前記プラズマ輸送手段は、前記プラズ
    マ発生室と前記プラズマ処理室とを連通させる真空室
    と、該真空室の周囲に配置され、内部にほぼ平行な磁場
    を生成する複数のヘルムホルツコイルとからなることを
    特徴とする請求項14に記載のプラズマ処理装置。
  17. 【請求項17】 前記複数のヘルムホルツコイルは、位
    相が互いに異なる電流が印加されることにより回転磁場
    を生成することを特徴とする請求項16に記載のプラズ
    マ処理装置。
  18. 【請求項18】 前記プラズマ処理室にプラズマを発生
    させるための高周波電力パルスを供給する高周波電力パ
    ルス回路と、前記プラズマ処理室に設けられた試料台に
    バイアス電圧を供給するバイアス回路と、前記バイアス
    電圧を前記高周波電力パルスに対して所定時間遅れて同
    期させる信号遅延回路とを備えていることを特徴とする
    請求項14に記載のプラズマ処理装置。
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