JP2001354892A - 孔版印刷用油性インキ - Google Patents

孔版印刷用油性インキ

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JP2001354892A
JP2001354892A JP2001106005A JP2001106005A JP2001354892A JP 2001354892 A JP2001354892 A JP 2001354892A JP 2001106005 A JP2001106005 A JP 2001106005A JP 2001106005 A JP2001106005 A JP 2001106005A JP 2001354892 A JP2001354892 A JP 2001354892A
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JP2001106005A
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Masato Ishikawa
正人 石川
Hirohisa Yonekawa
浩寿 米川
Shunsuke Uozumi
俊介 魚住
Tomoko Matsuura
智子 松浦
Hiromichi Yamada
弘道 山田
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Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 孔版印刷用油性インキを、画像性が良好であ
り、版胴等からのインキ垂れが起こりにくく、放置によ
る目詰まりが生じない、適度な構造粘性をもったものと
する。 【解決手段】 樹脂成分としてヘキサントレランスが1
以上の固体樹脂および/または樹脂成分として油長が6
0〜90であってヨウ素価が80以下のアルキド樹脂と
油性溶剤および構造粘性付与剤を含み、インキの粘度を
10Pa・s〜50Pa・s(シアレート10/s)に
調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷用インキ
に関し、詳しくは孔版印刷用油性インキに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷方法に用いられる孔版印刷装置
は、印刷用紙供給手段から供給された印刷用紙を、同期
して回転する版胴と印圧ローラとの間に挟んで搬送し、
この印刷用紙に孔版印刷用原紙(マスター)の穿孔から
押し出されたインキを転移させることにより印刷を行う
ものである。
【0003】従来は感熱方式で製版されたマスターの穿
孔から押し出されるインキの転移量が多く、過剰のイン
キによるにじみが発生するため、鮮明な印刷画像を得る
ことが困難であった。従ってこのような過剰なインキに
よるにじみを抑制するために、チキソトロピー性が強
く、構造復帰の良好である油中水(W/O)型のエマル
ションインキが使用されてきた。現在商品化されている
最適なW/O型エマルションインキの水相濃度は50重
量%〜75重量%であり、このW/O型エマルションイ
ンキは、印刷用紙に移行するとインキ成分を印刷用紙に
浸透させるとともに、水成分を蒸発して速やかに乾燥
し、また水が完全に蒸発すると、印刷用紙に残存するイ
ンキ成分が1/2〜1/4となって印刷用紙へのインキ
の定着性も良くなるという利点を有している。
【0004】しかし、一方でW/O型エマルションイン
キを孔版印刷方法に使用した場合には、含まれる水成分
やエマルションという形態に起因して以下のような問題
が生じる場合がある。
【0005】すなわち、孔版印刷では、印刷終了後、孔
版印刷機のインキを取り除いて清掃を行うことがないた
めに、インキが機械中に放置されることとなる。このよ
うにインキが放置されると、印刷機の機構上、エマルシ
ョンインキの水分が蒸発して体積が減り、同時にインキ
の構造粘性が減少してしまうことになる。従って、次に
印刷を開始すると、かすれやにじみが生じて印刷用紙の
無駄が発生する場合がある。また、印刷を開始した際に
は、必要量の新しいインキが供給されるが、最初に出て
くるインキは孔版胴内に放置されたインキであるため、
粘度の低い変質したものとなり、その結果、印刷された
画像はにじみが生じ、また、インキ中の水の蒸発により
体積が減少しているため、初期には適量のインキがマス
ターに供給できず、印刷画像がかすれたりして機械放置
後の刷り始めには印刷用紙にかなりの無駄が生じる。
【0006】また、孔版印刷用原紙は、支持体として一
般に和紙を使用しているので、エマルションインキの水
分によりマスターに変形が起こり印刷の精度が落ちる場
合がある。また、印刷した用紙はエマルションインキの
水成分により膨潤して変形を起こし、排紙台での印刷済
み用紙の紙揃えが悪くなる場合がある。このような紙揃
えの悪さは、2色刷りや両面刷りを行う場合の2回目の
印刷の際の給紙を悪くしたり、位置合わせを困難とした
り、さらには印刷用紙が折れてしまうことにより印刷機
に装着されているマスターを傷つけるといった問題を引
き起こすことになる。マスターが傷つけられた場合には
マスターの耐刷性が短くなってしまうとういうさらなる
問題が生じる。
【0007】さらにまた、エマルションインキの水分の
蒸発や直接の接触により、孔版印刷装置内部の金属部材
には錆が生じやすくなるため、エマルションインキの水
分の影響を受ける箇所にはあらかじめ錆に強い高価なス
テンレス材料等を使用しなければならない。また、エマ
ルションインキの水相の凍結や解凍等によるエマルショ
ンの崩壊に影響されるポットライフを考慮して、インキ
に使用する乳化剤等の成分の選択には特に気を使わなけ
ればならない。
【0008】一方、印刷用紙に万年筆のインキ等のにじ
みを抑えるためのサイジング処理が施されている場合に
は、エマルションインキの水分の浸透が抑えられるため
に転移直後の乾燥が遅れ、裏移り等の問題が生じる場合
がある。
【0009】このような状況下、W/0型エマルション
インキに代えて油性インキを使用することも試みられた
が、油性インキの場合はインキの転移量がW/O型エマ
ルションインキよりもさらに多く、裏移り、擦れ、印刷
用紙の裏面から逆像の印刷画像が見える、いわゆるイン
キの裏抜け等の問題を生じた。また油性インキは一般に
流動性がよいため、印刷装置の停止後、装置からインキ
が流出して装置周りを汚すといった問題が生じた。この
ため、孔版印刷方法においては、専らW/0型エマルシ
ョンインキが用いられ、このエマルションインキをさま
ざまに改良することにより上記の諸問題の解決が図られ
ている。
【0010】しかし、近年製版デバイスおよび制御技術
の向上(サーマルプリンティングヘッド(TPH)の高
精細化、レーザ製版等)により、マスターの穿孔径はよ
り小さくなり独立した開孔が得られるようになってきて
いる。また、孔版胴のスクリーン構成の改良や、インキ
を孔版胴からブランケットへ一旦転写し、ブランケット
上の転写像を印刷用紙に転写する印刷方法等により、イ
ンキの転移量を少なく制御することができるようになっ
てきている。
【0011】このように、マスターの穿孔径を小さくし
たり、インキの転移量を少なくしたりといった制御が容
易に行えるようになった孔版印刷装置であれば、インキ
の転移量を絞るために構造粘性を極端に持たせたW/O
型エマルションインキを敢えて用いる必要はなく、イン
キの転移量が多いとされている油性インキであっても装
置側の制御によって使用が可能である。また、油性イン
キであれば、W/O型エマルションインキのように水成
分を含まないから、水成分やエマルションに起因するさ
まざまな問題は一挙に解決することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、孔版印刷用の
W/O型エマルションインキの原料から単に水分を除い
ただけでは、水を含まない油性インキとしての効果は得
られるが、インキの粘度が調整設定されていないため
に、印刷用紙面でのにじみが制御できず、過剰なにじ
み、裏移りまたは裏抜けが生じる。また、構造粘性が小
さいために印刷装置を停止したときに、インキが版胴か
ら垂れやすく装置周りを汚すといった問題も生じる。
【0013】一方、既存の謄写版用の孔版印刷用油性イ
ンキでもにじみが多く生じ、裏移りや裏抜けが多く、感
熱製版方式の孔版印刷用インキとして使用することはで
きない。
【0014】また、公知のその他の油性インキとして、
スタンプ用、筆記具用、平版オフセット印刷用およびグ
ラビア印刷用などさまざまなものがあるが、これらのイ
ンキは、それぞれの画像形成システムに合わせてインキ
の粘度、乾燥速度が調整され開発されたものであるた
め、これらのインキをそのまま孔版印刷機に使用した場
合には、印刷画像不良、版胴の変形や破壊、印刷機内部
からのインキの漏れといったさまざまな問題が生じる。
【0015】さらに孔版印刷機は開放系であるので長期
間放置しても、1枚目からきちんとした印刷物が得られ
ることが望ましい。
【0016】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、孔版印刷に適した状態に調整された油性インキ、す
なわち、画像性が良好であり、裏移りや裏抜けがなく、
インキの定着性が良く、版胴等からのインキ垂れが起こ
りにくく、印刷機を放置しても刷りだしから正規の印刷
物が得られる孔版印刷用油性インキを提供することを目
的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の孔版印刷用油性
インキは、油性溶剤と構造粘性付与剤と樹脂成分とを含
んでなる孔版印刷用油性インキにおいて、前記樹脂成分
がヘキサントレランス1以上の固体樹脂および/または
油長60〜90、ヨウ素価80以下のアルキド樹脂であ
って、前記インキの粘度が10Pa・s〜50Pa・s
であることを特徴とするものである。この粘度はシアレ
ート10/sの時の粘度であり、以下、本明細書で粘度
と言うときは、この意味で用いるものとする。
【0018】油性溶剤と構造粘性付与剤と樹脂成分とを
含んでなる孔版印刷用油性インキとは、エマルションイ
ンキのような水成分を含んでいなければ、油性溶剤、構
造粘性付与剤および樹脂成分以外の多様な成分を含むも
のであってもよいことを意味する。前記油性溶剤のアニ
リン点は75℃以上であることが好ましい。
【0019】本発明の孔版印刷用油性インキは、粘度が
10Pa・s〜50Pa・sであることが好ましく、1
5Pa・s〜45Pa・sであることがより好ましい。
【0020】ヘキサントレランスとは、樹脂の40%ト
ルエン溶液(Aml)にn−ヘキサンを滴下して樹脂が
析出するヘキサンの量をBmlとしたときのB/Aで表
される数値である。
【0021】構造粘性付与剤とは、油性インキに構造粘
性を与えることができる添加剤を意味する。構造粘性付
与剤は、油性インキに構造粘性を与えることができる添
加剤であれば特に限定されるものではないが、体質顔
料、金属石鹸、有機ベントナイト、ポリアミドゲル、ア
ルミニウムキレートもしくはアルミニウムアルコラート
と樹脂との反応物からなる群より選ばれた少なくとも1
つであることが好ましい。
【0022】アルミニウムキレートまたはアルミニウム
アルコラートと樹脂との反応物は、100℃以上で加熱
反応させたものであることが好ましく、さらに高級脂肪
酸または高級アルコールを添加して反応させたものであ
ることがより好ましい。前記高級脂肪酸または前記高級
アルコールを添加する場合には、前記アルミニウムキレ
ートまたは前記アルミニウムアルコラート1モルに対し
て、0.5〜2.5モル用いることが好ましい。
【0023】
【発明の効果】本発明の孔版印刷用油性インキは、油性
溶剤と構造粘性付与剤と樹脂成分とを含んでなる孔版印
刷用油性インキにおいて、樹脂成分としてヘキサントレ
ランスが1以上の固体樹脂および/または油長が60〜
90であってヨウ素価が80以下のアルキド樹脂を用
い、かつインキの粘度を10Pa・s〜50Pa・s
(シアレート10/s)としたので、印刷用紙面でのに
じみを制御することが可能となり、インキ転移量が多い
ことに起因する裏移りや裏抜けの現象が起こらず、ま
た、インキ転移量が少ないことに起因するべた画像部分
のドットが連結せず画像のかすれが生じたりするといっ
た現象を生じることなく、画像性を良好なものとするこ
とができる。また、水成分を含有しないため、エマルシ
ョンインキのように水分が蒸発することによるインキ体
積の減少がないため、インキを放置した後に印刷した場
合であってもかすれやにじみが生じることがなく、印刷
用紙に無駄が発生することが極めて少ない。
【0024】また、本発明の孔版印刷用油性インキは、
水成分を含有しないので水成分に起因したマスターの変
形が生じず、従って印刷の精度が落ちることがない。
【0025】さらに、印刷した用紙が水成分により膨潤
して変形を起こし印刷済み用紙の排紙台での紙揃えが悪
くなるといったこともなく、また、2色刷りや両面刷り
においても、位置精度を困難にすることなく印刷が可能
である。
【0026】また、本発明の孔版印刷用油性インキは、
水成分を含有しないので印刷装置内部の部材に錆が発生
することがなく、特別な錆対策を講じる必要がないの
で、印刷装置のコストダウンを図ることが可能となる。
【0027】また、エマルションインキの場合はポット
ライフにおいて、必ずしも充分満足できるレベルにない
場合があったが、本発明の孔版印刷用油性インキは、水
成分を含まず、エマルションという形態をとらないので
ポットライフを格段に向上させることができる。
【0028】また、本発明の孔版印刷用油性インキは、
サイジング処理が施されている印刷用紙であっても、乾
燥性がよいので、裏移り等の問題が生じることが極めて
少ない。
【0029】さらに、本発明の孔版印刷用油性インキ
は、インキの粘度を10Pa・s以上として、インキに
適度な構造粘性を持たせたので、印刷機を停止したとき
にインキが版胴から垂れたりすることがなく、装置周り
を汚すといった問題が生じることがない。
【0030】また、インキに樹脂成分としてヘキサント
レランスが1以上の固体樹脂、または樹脂成分の油長が
60〜90であってヨウ素価が80以下のアルキド樹脂
を用いたので、粉体の構造粘性付与剤及び着色剤の分散
性をより向上させることができ、また、印刷の鮮明度を
高めたり、印刷用紙へのインキの定着性をさらに良好な
ものとすることができる。
【0031】なお、構造粘性付与剤を体質顔料、金属石
鹸、有機ベントナイト、ポリアミドゲル、アルミニウム
キレートもしくはアルミニウムアルコラートと樹脂との
反応物からなる群より選ぶことにより、インキの粘度を
上記の10Pa・s〜50Pa・s(シアレート10/
s)に設定することがより容易となる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について詳細
に説明する。本発明の孔版印刷用油性インキは、樹脂成
分としてヘキサントレランスが1以上の固体樹脂および
/または油長が60〜90であってヨウ素価が80以下
のアルキド樹脂と油性溶剤および構造粘性付与剤を含
み、インキの粘度を10Pa・s〜50Pa・s(シア
レート10/s)に調整したものである。
【0033】樹脂成分は印刷適性を向上させるものであ
り、固体樹脂、アルキド樹脂のいずれも用いることがで
きる。固体樹脂を用いる場合にはヘキサントレランスが
1以上のものを、またアルキド樹脂を用いる場合には油
長が60〜90であってヨウ素価が80以下のものを用
いる。油長は分子中に含まれる脂肪酸基の量を示すもの
であるが、これが上記の範囲であればアニリン点の高い
非極性溶剤に溶解しやすく、芳香族分が0.5%以下の
いわゆる非極性溶剤であるアロマフリー溶剤にも溶解さ
せることができる。
【0034】固体樹脂としては、例えばマレイン酸樹
脂、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、キシレン樹
脂、ロジンエステル、重合ロジンエステル、水素化ロジ
ンエステル、ケトンレジン、硬化レジン、アクリル樹
脂、ゴム誘導体、テルペン樹脂等を用いることが好まし
い。
【0035】アルキド樹脂としては、トール油変性アル
キド樹脂、やし油変性アルキド樹脂、ひまし油変性アル
キド樹脂、亜麻仁油変性アルキド樹脂、桐油変性アルキ
ド樹脂、大豆油変性アルキド樹脂等のアルキド樹脂等を
用いることが好ましい。
【0036】これらの固体樹脂、アルキド樹脂は単独で
用いてもよいし、数種類の樹脂を適宜混合して用いても
よいし、また固体樹脂とアルキド樹脂とを適宜混合して
用いてもよいが、いずれの場合においてもインキの粘度
が10Pa・s〜50Pa・s(シアレート10/s)
となるように調整することが必要である。
【0037】アルキド樹脂は顔料を分散させる能力に優
れるが、分子中に二重結合を持つ油脂を原料としたアル
キド樹脂は空気中の酸素と反応して被膜を作るため、こ
れを使用したインキは版胴のスクリーンなどに目詰まり
を起こしやすい。従って、油性インキにアルキド樹脂を
含有させる場合には、特にヨウ素価を80以下にするこ
とが必要である。ヨウ素価は二重結合の多さの程度を示
す指標であるが、これが大きくなると皮膜形成が顕著に
なるため好ましくない。
【0038】油性溶剤としては、鉱物油、植物油いずれ
をも用いることができる。また、鉱物油を用いる場合に
は環境面から芳香族系留分の少ない溶剤、すなわちアニ
リン点が75℃以上のもの用いることが好ましい。ま
た、植物油は、空気中の酸素の影響を受けやすいため、
不乾性油(ヨウ素価100以下)を使用することが好ま
しい。鉱物油としては、たとえばスピンドル油、マシン
油、ギヤー油、流動パラフィン、モーターオイル、アロ
マフリーソルベント、インクオイル等を好ましく用いる
ことができ、植物油としては、たとえば大豆油、ココナ
ツ油、トール油、ひまし油、脱水ひまし油、オリーブ
油、サフラワー油、亜麻仁油などを好ましく用いること
ができる。
【0039】構造粘性付与剤は、体質顔料、金属石鹸、
有機ベントナイト、ポリアミドゲル、アルミニウムキレ
ートもしくはアルミニウムアルコラートと樹脂との反応
物からなる群より選ばれた少なくとも1つであることが
好ましい。
【0040】体質顔料としては、炭酸カルシウム、沈降
性硫酸バリウム、バライト粉、シリカ、アルミナホワイ
ト、水酸化アルミニウム、カオリンクレー、タルク、白
土、珪藻土、ベントナイトなどの無機微粒子、ポリアク
リル酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、ポリシロキサン、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などの有機
微粒子またはこれらの共重合体からなる微粒子が好まし
い。なお、これらの微粒子は表面処理を施したものであ
ってもよい。
【0041】金属石鹸としては、例えば高級脂肪酸、ヒ
ドロキシ高級脂肪酸、オクチル酸、植物油脂の脂肪酸、
トール油脂肪酸等のアルミニウム、カルシウム、マグネ
シウム、亜鉛等の金属塩が好ましい。
【0042】ポリアミドゲルとしては、たとえば、アル
キド樹脂と固体のポリアミド樹脂を加熱攪拌混合して得
られるものなどが好ましい。
【0043】アルミニウムキレートもしくはアルミニウ
ムアルコラートと樹脂との反応物は、アルミニウムキレ
ートもしくはアルミニウムアルコラートとアルキド樹脂
および/またはロジン変性樹脂とを溶剤中で加熱反応さ
せて得ることができる。この加熱反応は、100℃以上
で行うことが好ましく、140〜200℃で行うことが
より好ましい。
【0044】この反応において、高級脂肪酸または高級
アルコールを同時に添加して反応させると、ゲルの経時
変化に対する安定性が良くなるのでより好ましい。ま
た、アルミニウムキレートもしくはアルミニウムアルコ
ラートはアルキド樹脂またはロジン変性樹脂との反応に
おいて、高級脂肪酸または高級アルコールの基を取り込
むことにより、反応生成物の分子量が極端に大きくな
り、樹脂の溶解性が下がることを抑制することができ
る。また、アルミニウムを介して、炭素鎖長が比較的短
く分子量の均一な親油性成分を取り込むことにより、反
応物の親油性が増加しインキを作製する際に用いる油性
溶剤に対する溶解性を良好なものとすることができる。
【0045】高級脂肪酸または高級アルコールの量は、
1モルのアルミニウムキレートもしくはアルミニウムア
ルコラートに対して、0.5モル〜2.5モル用いるこ
とが好ましい。高級脂肪酸または高級アルコールの量が
0.5モルより低いと、上述のような効果が充分に発揮
されず、また、逆に2.5モル以上になると、アルミニ
ウムキレートもしくはアルミニウムアルコラートと樹脂
との反応が少なくなり、アルミニウムキレートもしくは
アルミニウムアルコラートと樹脂との反応物のゲルの効
果が少なくなる。
【0046】アルミニウムキレートとしては、アルキル
アセトアセテート・アルミニウム・ジイソプロピレー
ト、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、
アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルア
セトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセ
テート)などが好ましい。
【0047】アルミニウムアルコラートとしては、アル
ミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアル
ミニウムジイソプロピエート、アルミニウムsec−ブ
チレート、アルミニウムエチレートなどが好ましい。
【0048】これら構造粘性付与剤の添加量は、用いる
構造粘性付与剤の種類や含まれるその他のインキの成分
によって異なるので、油性インキの粘度が10Pa・s
〜50Pa・s(シアレート10/s)となるように調
整して用いる。構造粘性付与剤が多くなると着色剤の発
色が悪くなる傾向にあるので、なるべく少ない量で上記
の粘度となるようにすることが好ましい。
【0049】インキの着色剤としては、公知の顔料、染
料を用いることができ、顔料としては、例えばファーネ
スカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラ
ック等のカーボンブラック類、酸化チタン、ベンガラ等
の無機顔料、アゾ系、シアニン系、ジオキサン系、キナ
クリドン系、例えばフタロシアニンブルー、ジスアゾイ
エロー、レーキレッド、ウオッチングレッド、ブリリア
ントファーストスカーレット、ピラゾロンレッド等の有
機顔料を単独でまたは適宜混合して用いることができ
る。なお、レーキ顔料などは彩度が高い顔料であるが、
耐水性が低く、エマルションインキのように水を含む系
では水相に顔料がブリードして不向きであったが、孔版
印刷用油性インキでは使用することができる。また、染
料としては油溶性染料を用いることが好ましい。
【0050】顔料をインキに分散するための助剤とし
て、一般にインキには分散剤を含有させるが、本発明の
孔版印刷用油性インキにおいてもこのような分散剤を含
有させることが好ましい。分散剤としては、ソルビタン
脂肪酸エステル系、ポリグリセリン脂肪酸エステル系、
脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸ジグリセライド、脂肪
酸のエチレン付加物等の非イオン系界面活性剤、アルキ
ルアミン系高分子、アルミニウムキレート系化合物、ス
チレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸の部
分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、脂肪
族多価カルボン酸、ポリエーテル、エステル型アニオン
系界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン
塩、ポリアミド、リン酸エステル系界面活性剤、アルキ
ルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、
ジオクチルスルホコハク酸塩等が好ましい。
【0051】また、樹脂や油の酸化、油性インキに使用
されるその他の成分の酸化による変質を抑制するため、
酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、ジ
ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピ
ル、ブチルヒドロキシアニゾール等が好ましい。
【0052】また、印刷面の耐摩耗性を向上させる目的
で、ワックスを添加してもよい。ワックスとしては、カ
ルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラ
フィンロウ、モンタンワックス、セラックロウ、ミツロ
ウ、低分子分岐ポリエチレン等が好ましい。これらのワ
ックスを添加することにより、印刷物が擦れに対して強
くなると同時に、量を増やすことにより構造粘性をも付
与することができる。
【0053】以下、本発明をさらに具体的に実施例によ
り説明する。
【0054】
【実施例】(実施例1)表1に示す配合により、次の方
法で孔版印刷用油性インキを作製した。まず、ヤシ油変
性アルキド樹脂(アラキード6902 油長78、ヨウ
素価10;荒川化学工業(株))、ファーネスカーボン
ブラック(三菱化学(株))、有機ベントナイト(エス
ベン;(株)豊順洋行製)およびソルビタンモノオレー
ト(ニッコールSO−10;日本サーファクタント工業
(株))を充分に攪拌したのち、三本ロールミルで練肉
を行った。その後、油性溶剤としてAF4(アニリン点
78.2℃、日石三菱(株)製)を添加し、均一になる
ようにさらに攪拌を行って孔版印刷用油性インキを得
た。
【0055】(実施例2)実施例1で用いた油性溶剤A
F4をAF6(アニリン点93.6℃、日石三菱(株)
製)とし、配合を表1に示す配合とした以外は、実施例
1と同様の方法で孔版印刷用油性インキを得た。
【0056】(実施例3)予め、ロジン変性フェノール
樹脂1(ハリフェノールP−160;ハリマ化成(株)
ヘキサントレランス1.8)を油性溶剤AF6で加熱溶
解してワニスを作製し、これにカーボンブラック、有機
ベントナイトおよびソルビタンモノオレートを添加し
て、十分に攪拌したのち三本ロールミルで練肉分散を行
い孔版印刷用油性インキを得た。
【0057】(実施例4)配合を表1に示す配合とした
以外は、実施例3と同様の方法で孔版印刷用油性インキ
を得た。
【0058】(実施例5)ヤシ油変性アルキド樹脂9.
1重量部、油性溶剤AF6を11重量部、オレイン酸
0.5重量部を180℃で加熱溶解後、160℃まで冷
却し、アルミニウムキレート(アルミキレートM;川研
ファインケミカル(株))を0.4重量部添加し、1時
間攪拌したのちBHT0.2重量部を添加してAlキレ
ート−樹脂ゲル(A)を作製した。表1に示す配合によ
り、このAlキレート−樹脂ゲル(A)とロジン変性フ
ェノール樹脂1およびAF6を加熱攪拌して溶解し、冷
却後、ソルビタンモノオレエート、有機ベントナイトお
よびカーボンブラックを入れて攪拌し、さらに三本ロー
ルミルにて練肉した。さらに、AF6を添加し、均一に
混合して孔版印刷用油性インキを得た。
【0059】(実施例6)実施例5と同配合で作製した
Alキレート−樹脂ゲル(A)を使用し、ロジン変性フ
ェノール樹脂2(ハリフェノールP−222 ヘキサン
トレランス5以上;ハリマ化成(株))を用い、その他
の成分を表1に示す配合とした以外は実施例5と同様の
方法で孔版印刷用油性インキを得た。
【0060】(実施例7)実施例5と同配合で作製した
Alキレート−樹脂ゲル(A)を使用し、油性溶剤とし
てAF5(アニリン点88.2;日石三菱(株)製)、
顔料としてフタロシアニンブルー(リオノールブルーS
L;東洋インキ製造(株))を使用し、その他の成分を
表1に示す配合とした以外は、実施例5と同様の方法で
孔版印刷用油性インキを得た。
【0061】(実施例8)実施例5と同配合で作製した
Alキレート−樹脂ゲル(A)を使用し、ロジン変性フ
ェノール樹脂4(ハリフェノールKZ−115 ヘキサ
ントレランス1.7;ハリマ化成(株))を用い、その
他の成分を表1に示す配合とした以外は、実施例7と同
様の方法で孔版印刷用油性インキを得た。
【0062】(実施例9)予め、ロジン変性フェノール
樹脂3(ハリフェノール564 ヘキサントレランス
1.1;ハリマ化成(株))を油性溶剤AF6で加熱溶
解し、160℃まで冷却後BHTを添加してワニスを作
製した。これにカーボンブラック、有機ベントナイトお
よびソルビタンモノオレートを添加して充分に攪拌した
後、三本ロールミルで練肉して分散を行い、孔版印刷用
油性インキを得た。
【0063】(実施例10)油性溶剤AF6を38.5
重量部、ヤシ油変性アルキド樹脂24.0重量部、ロジ
ン変性フェノール樹脂3を13.0重量部、ロジン変性
フェノール樹脂2を5.0重量部、これらを180℃で
30分間攪拌し溶解し、150℃まで冷却した後、オク
チル酸アルミニウム(オクトープAl;ホープ製薬
(株))4.0重量部とオレイン酸2.0重量部を添加
し、30分間攪拌してゲルワニスを作製した。このゲル
ワニスに、カーボンブラック13.5重量部を入れて攪
拌し、さらに三本ロールミルにて練肉し、孔版印刷用油
性インキを得た。
【0064】(実施例11)ヤシ油変性アルキド樹脂2
8重量部、ポリアミド樹脂(ポリマイドS−40E;三
洋化成工業(株))2.0重量部を170℃で1時間攪
拌溶解させて、ポリアミドゲルを作製した。表1に示す
配合により、このポリアミドゲルにAF6とロジン変性
フェノール樹脂2を添加し、180℃で溶解し、160
℃まで冷却したのちBHTを添加して攪拌した。さらに
冷却後、カーボンブラックと有機ベントナイトを入れて
混合攪拌してから三本ロールミルにて練肉した。さら
に、油性溶剤AF5を加えて攪拌し孔版印刷用油性イン
キを得た。
【0065】
【表1】 (比較例1)配合を表2に示す配合とした以外は、実施
例1と同様の方法で孔版印刷用油性インキを得た。
【0066】(比較例2)比較例1で用いた油性溶剤A
F4をナフテゾールM(アニリン点67℃、日石三菱
(株)製)とし、配合を表2に示す配合とした以外は、
比較例1と同様の方法で孔版印刷用油性インキを得た。
【0067】(比較例3)実施例3で用いた油性溶剤A
F6をAF4とし、配合を表2に示す配合とした以外
は、実施例3と同様の方法で孔版印刷用油性インキを得
た。
【0068】(比較例4)比較例3で用いた油性溶剤A
F4をナフテゾールMとし、有機ベントナイトを添加せ
ず、配合を表2に示す配合とした以外は、比較例3と同
様の方法で孔版印刷用油性インキを得た。
【0069】(比較例5)実施例2で用いたヤシ油変性
アルキド樹脂を亜麻仁油変性アルキド樹脂(アラキード
5001 油長71、ヨウ素価130;荒川化学工業
(株))とし、油性溶剤としてAF5(アニリン点8
8.2℃;荒川化学工業(株))を用い、配合を表2に
示す配合とした以外は、実施例2と同様の方法で孔版印
刷用油性インキを得た。
【0070】(比較例6)実施例5で用いたロジン変性
フェノール樹脂1を、ヘキサントレランス0.7のロジ
ン変性フェノール樹脂5(ハリフェノール145G ヘ
キサントレランス0.7;ハリマ化成(株))とし、配
合を表2に示す配合とした以外は、実施例5と同様の方
法で孔版印刷用油性インキを得た。
【0071】(比較例7)実施例5で用いたたロジン変
性フェノール樹脂1を、ロジン変性マレイン樹脂(マル
キードNO.5 ヘキサントレランス0.5:荒川化学
工業(株))とし配合を表2に示す配合とした以外は、
実施例5と同様の方法で孔版印刷用油性インキを得た。
【0072】(比較例8)AF6溶剤20.0重量部
に、表2に示す配合に従ってロジン変性フェノール樹脂
1とヤシ油変性アルキド樹脂を加え180℃にて加熱溶
解し、160℃まで冷却後BHTを添加して、さらに冷
却後、カーボンブラックとソルビタンモノオレートを混
合して、3本ロールミルにて、練肉した。その後さら
に、AF5を30.5重量部加えて攪拌し、孔版印刷用
油性インキを得た。
【0073】(比較例9)表2に示す配合により、カー
ボンブラックと有機ベントナイトとヒマシ油変性アルキ
ド樹脂(アラキードNo4 油長59、ヨウ素価20;
荒川化学工業(株))を攪拌混合し、3本ロールミルに
て練肉した。これに、AF6を42重量部加えて攪拌し
孔版印刷用油性インキを得た。
【0074】
【表2】 (評価方法)実施例1〜4および比較例1〜5で得られ
た孔版印刷用油性インキは、特開平6−48014号に
記載されている孔版転写方法(ここに示されている孔版
印刷装置は従来の孔版印刷装置に比べてインキ転移量を
大幅に少なくすることが可能な装置である。)により印
刷を行なった。また、実施例5〜11および比較例6〜
9は、孔版印刷機リソグラフSR7400(理想科学工
業社製;サーマルプリンティングヘッドが600dpi
で、感熱孔版原紙に対して、細かい穿孔ができる孔版印
刷機である)を用いて印刷を行った。
【0075】これらの印刷結果から、にじみ、かすれ、
裏移り、裏抜け、48時間放置後の刷りだし、および印
刷後の擦れの程度(固着性)について評価した。
【0076】にじみ、かすれは顕微鏡(20倍の視野)
により得られた画像を拡大して観察し、画像が最適なも
のを◎、適しているものを○、やや劣るものを△、劣る
ものを×とした。
【0077】裏移り、裏抜けは、目視により評価し、裏
移り、裏抜けが発生していない場合には◎、発生が極微
量のものを○、発生がやや多いものを△、発生が多いも
のを×とした。
【0078】48時間放置後の刷りだしは、印刷後、印
刷機を23℃の恒温室に48時間放置した後、印刷し、
にじみやかすれを観察した。放置前の印刷物に比較し
て、変化のないものを○、変化の生じているものを×と
した。
【0079】定着性は、印刷後24時間経った印刷物の
ベタ部分をクロックメータ(東洋精機(株)製)で5回
摩擦し、擦った後の印刷面の汚れ具合を観察し、汚れが
ないものを◎、汚れが極微量のものを○、若干の汚れが
あるものを△、汚れの発生が多いものを×とした。
【0080】また、インキの粘度は、レオメータ(Rheo
StressRS75/HAAKE社製)により、2cm、1°のコーン
を用い、フローモード上昇カーブのシアレート10/s
の粘度を測定した。結果を表3および表4に示す。
【0081】
【表3】
【表4】 実施例1、2の孔版印刷用油性インキは、樹脂成分とし
て油長が60〜90であってヨウ素価80以下のアルキ
ド樹脂を、実施例3〜9、11は樹脂成分としてヘキサ
ントレランス1以上の固体樹脂を、また、実施例10
は、ヘキサントレランス1以上の固体樹脂と油長60〜
90であってヨウ素価80以下のアルキド樹脂とを適宜
混合したものを用い、いずれもインキの粘度を10Pa
・s以上としたため、孔版印刷装置からインキが流出し
て装置周りを汚すといったことはなかった。また、イン
キの粘度を10Pa・s〜50Pa・s(シアレート1
0/s)の範囲としたため、過剰なインキの転移がな
く、裏移りや裏抜けが生じず、また逆にインキの転移が
少なすぎてかすれるということもなかった。さらに、実
施例3〜11にみられるように固体樹脂を入れることに
よりこすれに対しても強くなった。
【0082】一方、比較例4と比較例8は、構造粘性付
与剤を全く含んでいない孔版印刷用油性インキである
が、この場合にはにじみ、かすれ、裏移りや裏抜けが、
いずれの評価においても孔版印刷に用いるには適さない
という評価となった。
【0083】また、比較例1〜3は構造粘性付与剤は添
加されているものの、インキの粘度が10Pa・s〜5
0Pa・s(シアレート10/s)の範囲に調整されて
いないため、にじんだり、かすれたりして孔版印刷には
適していないという評価がでた。さらに、比較例2、
4、8ではインキの粘度が10Pa・sよりも小さかっ
たため、孔版印刷装置からインキが流出し装置周りを汚
すといったことが起こった。
【0084】また、比較例5、6、7は、インキの粘度
は10Pa・s〜50Pa・s(シアレート10/s)
の範囲に調整されているものの、比較例5では用いたア
ルキド樹脂のヨウ素価が130と高かったために、48
時間後には、原紙の穿孔部において、インキの酸化が起
こり、目詰まりを起こしてかすれが生じ、また、比較例
6に使用したロジン変性フェノール樹脂5のヘキサント
レランスは0.7であり、比較例7に使用したロジン変
性マレイン酸樹脂のヘキサントレランスは0.5であ
り、ともにヘキサントレランスが1よりも低かったた
め、作製したインキに樹脂の析出が起こり、固着性が悪
かった。
【0085】比較例9も、インキの粘度は10Pa・s
〜50Pa・s(シアレート10/s)の範囲に調整さ
れているものの、アニリン点の高い溶剤AF6(アニリ
ン点93.6℃)に対して、油長の短いヤシ油ヒマシ油
変性アルキド樹脂(油長59)を使用したため、溶解が
不十分で固着性が若干悪くなった。
【0086】以上のように、本発明の孔版印刷用油性イ
ンキは、樹脂成分としてヘキサントレランスが1以上の
固体樹脂、または樹脂成分として油長が60〜90であ
ってヨウ素価が80以下のアルキド樹脂を用い、かつイ
ンキの粘度を10Pa・s〜50Pa・s(シアレート
10/s)としたので、印刷用紙面でのにじみを制御す
ることができた。また、インキ転移量が多いことに起因
する裏移りや裏抜けの現象が起こらず、インキ転移量が
少ないことに起因するべた画像部分のドットが連結せず
画像のかすれが生じたりするといった現象を生じること
がなく、画像性を良好なものとすることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 魚住 俊介 東京都港区新橋2丁目20番15号 理想科学 工業株式会社内 (72)発明者 松浦 智子 東京都港区新橋2丁目20番15号 理想科学 工業株式会社内 (72)発明者 山田 弘道 東京都港区新橋2丁目20番15号 理想科学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4J039 AB04 AB08 AB11 AD10 AD14 AE01 AE02 AE06 AF01 BA04 BC01 BC20 BC39 BC60 BE01 BE07 BE12 BE22 BE23 EA43 EA44 EA47 GA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油性溶剤と構造粘性付与剤と樹脂成分と
    を含んでなる孔版印刷用油性インキにおいて、前記樹脂
    成分がヘキサントレランス1以上の固体樹脂および/ま
    たは油長60〜90、ヨウ素価80以下のアルキド樹脂
    であって、前記インキの粘度が10Pa・s〜50Pa
    ・s(シアレート10/s)であることを特徴とする孔
    版印刷用油性インキ。
  2. 【請求項2】 前記油性溶剤のアニリン点が75℃以上
    であることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷用油性
    インキ。
  3. 【請求項3】 前記構造粘性付与剤が、体質顔料、金属
    石鹸、有機ベントナイト、ポリアミドゲル、アルミニウ
    ムキレートまたはアルミニウムアルコラートと樹脂との
    反応物からなる群より選ばれた少なくとも1つであるこ
    とを特徴とする請求項1または2項記載の孔版印刷用油
    性インキ。
  4. 【請求項4】 前記反応物が、100℃以上で加熱反応
    させたものであることを特徴とする請求項3記載の孔版
    印刷用油性インキ。
  5. 【請求項5】 前記反応物が、さらに高級脂肪酸または
    高級アルコールを添加して反応させたものであることを
    特徴とする請求項3または4記載の孔版印刷用油性イン
    キ。
  6. 【請求項6】 前記高級脂肪酸または前記高級アルコー
    ルを、前記アルミニウムキレートまたは前記アルミニウ
    ムアルコラート1モルに対して、0.5〜2.5モル用
    いることを特徴とする請求項5記載の孔版印刷用油性イ
    ンキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6427378B1 (en) 1995-09-05 2002-08-06 Yasuhiro Obonai Support for cultivating plant and method of growing plant
JP2012067162A (ja) * 2010-09-22 2012-04-05 Dic Corp 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、frp金属蒸着用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及び塗装物に関する。
JP2015083637A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 Dicグラフィックス株式会社 印刷インキ用ワニス、印刷インキ、及び印刷物
JP2019099642A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 理想科学工業株式会社 孔版印刷用エマルションインク

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