JP2001354827A - ブロック共重合体組成物及び熱収縮性フィルム - Google Patents

ブロック共重合体組成物及び熱収縮性フィルム

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JP2001354827A JP2000176495A JP2000176495A JP2001354827A JP 2001354827 A JP2001354827 A JP 2001354827A JP 2000176495 A JP2000176495 A JP 2000176495A JP 2000176495 A JP2000176495 A JP 2000176495A JP 2001354827 A JP2001354827 A JP 2001354827A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲料容器包装やキャップシール等に好適で、
低温収縮性、自然収縮性、剛性等に優れ、薄肉化と寸法
安定性及び低温収縮性に優れたブロック共重合体組成物
からなる熱収縮性フィルムを提供すること。 【解決手段】 (I)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンとの重量比が65/35〜80/20である特定構造
のブロック共重合体と、(II)ビニル芳香族炭化水素
と共役ジエンとの重量比が80/20を超え、95/5
以下である特定構造のブロック共重合体の組成物、及び
それからなる熱収縮性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然収縮性、低温
収縮性、剛性、透明性及び耐衝撃性に優れた熱収縮性フ
ィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ビニル芳香族炭化水素含有量が比較的高
い、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロッ
ク共重合体は、透明性、耐衝撃性等の特性を利用して射
出成形用途、シート、フィルム等の押し出し成形用途等
に使用されている。とりわけビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンからなるブロック共重合体樹脂を用いた熱収縮
性フィルムは、従来使用されている塩化ビニル樹脂の残
留モノマーや可塑剤の残留及び焼却時の塩化水素の発生
の問題もないため、食品包装やキャップシール、ラベル
等に利用されている。熱収縮性フィルムに必要な特性と
して自然収縮性、低温収縮性、透明性、機械強度、包装
機械適性等の要求がある。これまで、これらの特性の向
上と良好な物性バランスを得るため種々の検討がなされ
てきた。
【0003】例えば特開昭57−34921号公報には
熱収縮性を改良するため、スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体を融点範囲内で余熱した後、延伸して熱収縮
フィルムの製造方法が、特開昭58−108112号公
報には収縮特性を改良するため、スチレン・ブタジエン
ブロック共重合体の2軸延伸フィルムに特定の配向緩和
応力を保持させたスチレン系樹脂収縮フィルムが、特開
昭59−221348号公報には機械特性、光学特性、
延伸特性及び耐クラック特性等に優れる組成物を得るた
め、脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体含有量が5〜80
重量%で、ビカット軟化点が90℃を超えないビニル芳
香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体共重合
体とビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロックから
なる共重合体との組成物が、特開昭60−224520
号公報には収縮特性、耐環境破壊性に優れた熱収縮性フ
ィルムを得るため、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン
からなるブロック共重合体のセグメントに特定のTgを
有する熱収縮性フィルムが、特開昭60−224522
号公報には収縮特性、耐環境破壊性に優れた熱収縮性フ
ィルムを得るため、特定構造のビニル芳香族炭化水素と
共役ジエンからなるブロック共重合体の組成物からなる
熱収縮性フィルムが、特開昭61−25819号公報に
は低温収縮性、光学特性、耐クラック特性、寸法安定性
等に優れる収縮フィルムを得るため、ビニル芳香族炭化
水素含有量が95〜20重量%で、ビカット軟化点が9
0℃を超えないビニル芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カ
ルボン酸系誘導体共重合体とビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンのブロックからなる共重合体との組成物を延伸
した低温収縮性フィルムが、特開平4−52129号公
報には室温での自然収縮性を改良するため、スチレン系
炭化水素と共役ジエン炭化水素からなるブロック共重合
体とスチレン系炭化水素を含有した特定Tgのランダム
共重合体の組成物からなるポリスチレン系熱収縮フィル
ムが、特開平5−104630号公報にはフィルムの経
時安定性と耐衝撃性に優れた透明性熱収縮性フィルムを
得るため、ビカット軟化点が105℃を超えないビニル
芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体共重
合体とビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロックか
らなる共重合体との組成物で、特定の熱収縮力を特徴と
する熱収縮性硬質フィルムが、特開平6−220278
号公報には透明性、剛性及び低温面衝撃性をバランスさ
せた組成物を得るため、特定構造と分子量分布を有する
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロックからなる
共重合体とビニル芳香族炭化水素−(メタ)アクリル酸
エステル共重合体樹脂との組成物が、特開平7−216
187号公報には透明性と耐衝撃性に優れた樹脂組成物
を得るため、特定構造のビニル芳香族炭化水素ブロック
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合体ブロック
を有するブロック共重合体とビニル芳香族炭化水素と
(メタ)アクリル酸エステルの共重合体を含有する透明
高強度樹脂組成物が記載されている。しかしながら、こ
れらのビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロ
ック共重合体又は該ブロック共重合体とビニル芳香族炭
化水素−脂肪族不飽和カルボン酸系誘導体共重合体の組
成物は、自然収縮性、低温収縮性、剛性、透明性及び耐
衝撃性のバランス十分ではなく、これらの文献にはそれ
らを改良する方法に関して開示されておらず、依然とし
て市場での問題点が指摘されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱収縮性フ
ィルム用途において、自然収縮性、低温収縮性、剛性、
透明性及び耐衝撃性等の物性バランスに優れたブロック
共重合体組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】即ち、本発明は、 (I)少なくとも1個のプラスチック性重合体セグメ
ントAと少なくとも1個のエラストマー性重合体セグメ
ントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの
重量比が65/35〜80/20であるブロック共重合
体で、セグメントAがビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンとの重量比が85/15〜98/2である共重合体、
セグメントBがビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの
重量比が20/80〜60/40である共重合体からな
り、該ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香
族炭化水素のブロック率が20〜55重量%で、ビカッ
ト軟化温度が50〜75℃の範囲であるブロック共重合
体と、
【0006】(II)少なくとも1個のプラスチック性
重合体セグメントAと少なくとも1個のエラストマー性
重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共
役ジエンとの重量比が80/20を超え、95/5以下
であるブロック共重合体で、該ブロック共重合体の動的
粘弾性の関数tanδのピークが90〜125℃に少な
くとも1つ有するブロック共重合体からなり、(I)と
(II)の重量比が10/90〜90/10であるブロ
ック共重合体組成物、
【0007】上記(I)のブロック共重合体と、(I
II)スチレン含有量が75〜90重量%、アクリル酸
n−ブチル含有量が25〜10重量%からなるスチレン
−アクリル酸n−ブチル共重合体からなり、(I)と
(III)の重量比が10/90〜90/10であるブ
ロック共重合体組成物、
【0008】上記(I)のブロック共重合体と、上記
(II)のブロック共重合体と、上記(III)のスチ
レン−アクリル酸n−ブチル共重合体からなり、(I)
と(II)と(III)の合計量を100重量%とし
て、(I)を10〜80重量%、(II)を10〜80
重量%、(III)を5〜50重量%の範囲からなるブ
ロック共重合体組成物、
【0009】上記〜のブロック共重合体組成物を
延伸してなり、延伸方向における65℃の熱収縮率が1
0〜60%、延伸方向における引張弾性率が7000〜
30000Kg/cm2である熱収縮性フィルムに関す
る。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用するブロック共重合体(I)のプラスチック性重合
体セグメントAは少なくとも1個、好ましくは2個以上
のプラスチック性重合体セグメントAと少なくとも1個
のエラストマー性重合体セグメントBを有し、ビニル芳
香族炭化水素と共役ジエンとの重量比が65/35〜8
0/20、好ましくは67/33〜77/23である。
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの比が65/35未
満の場合には剛性が劣り、80/20を超えると耐衝撃
性が低下するため好ましくない。ブロック共重合体
(I)のプラスチック性重合体セグメントAはビニル芳
香族炭化水素と共役ジエンからなる共重合体から構成さ
れ、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンの比が85/1
5〜98/2、好ましくは88/12〜95/5であ
る。プラスチック性重合体セグメントAのビニル芳香族
炭化水素と共役ジエンの重量比が85/15未満では成
形品の剛性、温水融着性が低下し、98/2を超えると
低温収縮性に劣るため好ましくない。
【0011】ブロック共重合体(I)のエラストマー性
重合体セグメントBはビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンからなる共重合体で構成され、ビニル芳香族炭化水素
と共役ジエンの重量比は20/80〜60/40、好ま
しくは30/70〜55/45である。エラストマー性
重合体セグメントBのビニル芳香族炭化水素と共役ジエ
ンの重量比が20/80未満では自然収縮性に劣り、逆
に60/40を超えるとでは耐衝撃性が低下するため好
ましくない。ブロック共重合体(I)のブロック共重合
体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック
率は20〜55重量%、好ましくは25〜50重量%で
ある。ブロック率が10重量%未満では成形品の剛性が
低下し、60重量%を超えると低温収縮性に劣るため好
ましくない。
【0012】ブロック共重合体(I)のビカット軟化温
度は50〜75℃、好ましくは55〜70℃の範囲であ
る。ビカット軟化温度が50℃未満では温水融着性に劣
り、75℃を超えると低温収縮性に劣るため好ましくな
い。ブロック共重合体(I)のブロック共重合体に組み
込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック率の測定
は、ブロック共重合体を四酸化オスミウムを触媒として
ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化
分解する方法(I.M.KOLTHOFF,eta
l.,J.Polym.Sci.1,429(194
6)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭化水素重
合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以下のビニ
ル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を用い
て、次の式から求めた値を云う。ブロック率(重量%)
=(ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体
ブロックの重量/ブロック共重合体中の全ビニル芳香族
炭化水素の重量)×100
【0013】本発明で使用するブロック共重合体(I
I)のプラスチック性重合体セグメントAは少なくとも
1個、好ましくは2個以上のプラスチック性重合体セグ
メントAと少なくとも1個のエラストマー性重合体セグ
メントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンと
の重量比が80/20を超え、95/5以下、好ましく
は83/17〜92/7である。ビニル芳香族炭化水素
と共役ジエンの比が80/20以下の場合には剛性が劣
り、95/5を超えると耐衝撃性が低下するため好まし
くない。
【0014】ブロック共重合体(II)の動的粘弾性の
関数tanδのピーク温度は90〜125℃の範囲、好
ましくは95〜120℃の範囲に少なくとも1つのta
nδピークが必要である。tanδのピーク温度が90
℃未満では温水融着性が低下し、125℃を超えると自
然収縮性が悪化するため好ましくない。
【0015】動的粘弾性の関数tanδはDMA983
(DUPONT社製)で測定した値であり、ピークを示
す温度とはtanδの値の温度に対する変化量の第1次
微分値が零となる温度を云う。このtanδのピーク温
度はプラスチック性重合体セグメントAとエラストマー
性重合体セグメントBのビニル芳香族炭化水素と共役ジ
エンの重量比、ブロック共重合体の分子量等によって調
整される。
【0016】本発明に使用するブロック共重合体(I)
及び(II)のプラスチック性重合体セグメントAとエ
ラストマー性重合体セグメントBのビニル芳香族炭化水
素は重合体ブロック中に均一に分布していても、テーパ
ー(漸減)状に分布していてもよい。また、該共重合体
部分はビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分
及び/又はテーパー状に分布している部分が複数個共存
してもよい。該共重合体部分はビニル芳香族炭化水素と
共役ジエンの重量、重量比、重合反応性比等を変えるこ
とによりコントロールすることができる。具体的な方法
としては、(イ)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンと
の混合物を連続的に重合系に供給して重合する。及び/
又は(ロ)極性化合物或はランダム化剤を使用してビニ
ル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重合する等の方法が
採用できる。
【0017】極性化合物やランダム化剤としては、テト
ラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテ
ル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミ
ン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホス
ホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウ
ムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。ビニル
芳香族炭化水素と共役ジエンの共重合体部分の共役ジエ
ン重合体のミクロ構造は、極性化合物等を所定量添加す
ることによって調整することができる。
【0018】本発明で使用するブロック共重合体(I)
及び(II)のポリマー構造は一般式、 (A−B)n、A−(B−A)n、B−(A−B)n+1 (上式において、nは1以上の整数、一般的には1〜5
である。)で表される線状ブロック共重合体、或いは一
般式、 [(A−B)km+2−X 、[(A−B)k−A]m+2−X [(B−A)km+2−X 、[(B−A)k−B]m+2−X
【0019】(上式において、Aはプラスチック性重合
体セグメント、Bはエラストマー性重合体セグメント、
Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、1,3ビス
(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、
エポキシ化大豆油等のカップリング剤の残基または多官
能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。k及び
mは1〜5の整数である。)で表されるラジアルブロッ
ク共重合体、或いはこれらのブロック共重合体の任意の
ポリマー構造の混合物が使用できる。
【0020】これらのブロック共重合体の分子量は、重
合に使用する触媒量により任意に調整できるが成形加工
性の点から、メルトフローインデックス(JISK−6
870により測定。条件はG条件で温度200℃、荷重
5Kg)が0.1〜50g/10min、好ましくは1
〜20g/10minである。本発明で使用するブロッ
ク共重合体は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を
開始剤としてビニル芳香族炭化水素及び共役ジエンを重
合することにより得られる。
【0021】本発明に用いられるビニル芳香族炭化水素
としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメ
チルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレ
ン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン
などがあるが、特に一般的なものはスチレンが挙げられ
る。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよ
い。共役ジエンとしては、1対の共役二重結合を有する
ジオレフィンであり、例えば1,3−ブタジエン、2−
メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的な
ものとしては1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙
げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用し
てもよい。
【0022】炭化水素溶媒としてはブタン、ペンタン、
ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪
族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロ
ヘキサン等の脂環式炭化水素、或はベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が
使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使用
してもよい。
【0023】有機リチウム化合物は、分子中に一個以上
のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有
機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物である。
これらの具体例としては、エチルリチウム、n−プロピ
ルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウ
ム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。これらは
1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0024】本発明で使用するブロック共重合体を製造
する際の重合温度は一般的に−10℃〜150℃、好ま
しくは40℃〜120℃である。重合に要する時間は条
件によって異なるが、通常は10時間以内であり、特に
好適には0.5〜5時間である。また、重合系の雰囲気
は窒素ガスなどの不活性ガスなどをもって置換するのが
望ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマー及
び溶媒を液層に維持するに充分な圧力の範囲で行えばよ
く、特に制限されるものではない。更に重合系内には触
媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純
物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意
する必要がある。
【0025】本発明における組成物がブロック共重合体
(I)と(II)からなる場合、それらの重量比は10
/90〜90/10、好ましくは20/80〜80/2
0である。ブロック共重合体(I)と(II)の重量比
が本発明の範囲外では、耐衝撃性及び剛性のバランスが
低下するため好ましくない。
【0026】本発明に使用するスチレン−アクリル酸n
−ブチル共重合体(III)中のスチレン含有量は75
〜90重量%、好ましくは80〜88重量%である。ス
チレン含有量が75重量%未満、或いは90重量%を超
える場合には、ビニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロ
ック共重合体との組成物の透明性が悪化するため好まし
くない。スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体(I
II)の製造方法は、スチレン系樹脂製造の公知の方
法、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳
化重合法等を用いることができる。スチレン−アクリル
酸n−ブチル共重合体(III)のメルトフローレート
(以後MFRと記す)[JISK−6870に準拠し、
G条件(温度200℃、荷重5Kg)で測定]は成形加
工の点から0.1〜20g/10min、好ましくは1
〜10g/10minが推奨される。
【0027】本発明における組成物がブロック共重合体
(I)とスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体(I
II)からなる場合、それらの重量比は10/90〜9
0/10、好ましくは20/80〜80/20である。
ブロック共重合体(I)とスチレン−アクリル酸n−ブ
チル共重合体(III)の重量比が本発明の範囲外で
は、耐衝撃性及び剛性のバランスが低下するため好まし
くない。
【0028】また、本発明における組成物がブロック共
重合体(I)とブロック共重合体(II)とスチレン−
アクリル酸n−ブチル共重合体(III)からなる場合
の重量比は(I)と(II)と(III)の合計量を1
00重量%として、(I)を10〜80重量%、(I
I)10〜80重量%、(III)を5〜50重量%、
好ましくは(I)を15〜75重量%、(II)15〜
75重量%、(III)を5〜40重量%の範囲であ
る。ブロック共重合体(I)とブロック共重合体(I
I)とスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体(II
I)の重量比が本発明の範囲外では、耐衝撃性、剛性及
び低温収縮性のバランスが低下するため好ましくない。
【0029】本発明のブロック共重合体組成物には安定
剤として2−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t
−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t
−アミルフェニルアクリレートをブロック共重合体組成
物100重量部に対して0.05〜3重量部、更に好ま
しくは0.1〜2重量部添加することによって、ゲル抑
制効果を得ることができる。安定剤が0.05重量部未
満ではゲルを抑制する効果がなく、3重量部を超えて添
加しても本発明以上のゲル抑制効果に寄与しない。
【0030】本発明のブロック共重合体組成物にはn−
オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−6
−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベン
ジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ビ
ス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、テト
ラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,
5−トリアジン等のフェノール系安定剤の少なくとも1
種を(I)と(II)の合計100重量部に対して0.
05〜3重量部、トリス−(ノニルフェニル)フォスフ
ァイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチ
ルフェニル)オクチルホスファイト、2−〔〔2,4,
8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベ
ンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィ
ン−6−イル〕オキシ〕−N,N−ビス〔2−〔〔2,
4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)
ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェ
フィン−6−イル〕オキシ〕−エチル〕−エタンアミ
ン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォス
ファイト等の有機ホスフェート系、有機ホスファイト系
安定剤の少なくとも1種をブロック共重合体100重量
部に対して0.05〜3重量部添加することができる。
【0031】本発明で使用するブロック共重合体組成物
には、目的に応じて種々の重合体及び添加剤を添加する
ことができる。好適な重合体としては、ビニル芳香族炭
化水素含有量が10〜50重量%のビニル芳香族炭化水
素と共役ジエンのブロック共重合体エラストマーやゴム
変性耐衝撃性ポリスチレン、非ゴム変性ポリスチレン、
スチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン
テレフタレート等であり、これらの重合体を1〜95重
量%、好ましくは3〜90重量%添加することができ
る。
【0032】好適な添加剤としては、クマロンーインデ
ン樹脂、テルペン樹脂、オイル等の軟化剤、可塑剤が挙
げられる。又各種の安定剤、顔料、ブロッキング防止
剤、帯電防止剤、滑剤等も添加できる。尚、ブロッキン
グ防止剤、帯電防止剤、滑剤としては、例えば脂肪酸ア
マイド、エチレンビスステアロアミド、ソルビタンモノ
ステアレート、脂肪酸アルコールの飽和脂肪酸エステ
ル、ペンタエリストール脂肪酸エステル等、又紫外線吸
収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2,5−ビス−[5’−t−ブチルベンゾ
オキサゾリル−(2)]チオフェン等、「プラスチック
およびゴム用添加剤実用便覧」(化学工業社)に記載さ
れた化合物が使用できる。これらは、一般的に0.01
〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%の範囲で用
いられる。
【0033】本発明で使用するブロック共重合体組成物
から熱収縮性の1軸又は2軸延伸フィルムを得るには、
ブロック共重合体を通常のTダイ又は環状ダイからフラ
ット状又はチューブ状に150〜250℃、好ましくは
170〜220℃で押出成形し、得られた未延伸物を実
質的に1軸延伸又は2軸延伸する。例えば1軸延伸の場
合、フィルム、シート状の場合はカレンダーロール等で
押出方向に、或いはテンター等で押出方向と直交する方
向に延伸し、チューブ状の場合はチューブの押出方向又
は円周方向に延伸する。2軸延伸の場合、フィルム、シ
ート状の場合には押出フィルム又はシートを金属ロール
等で縦方向に延伸した後、テンター等で横方向に延伸
し、チューブ状の場合にはチューブの押出方向及びチュ
ーブの円周方向、即ちチューブ軸と直角をなす方向にそ
れぞれ同時に、或いは別々に延伸する。
【0034】本発明においては、延伸温度60〜110
℃、好ましくは80〜100℃で、縦方向及び/又は横
方向に延伸倍率1.5〜8倍、好ましくは2〜6倍に延
伸するのが好ましい。延伸温度が60℃未満の場合には
延伸時に破断を生じて所望の熱収縮性フィルムが得にく
く、110℃を超える場合は収縮特性の良好な物が得難
い。延伸倍率は用途によって必要とする収縮率に対応す
るように上記範囲内で選定されるが、延伸倍率が1.5
倍未満の場合は熱収縮率が小さく熱収縮包装用として好
ましくなく、又8倍を超える延伸倍率は延伸加工工程に
おける安定生産上好ましくない。2軸延伸の場合、縦方
向及び横方向における延伸倍率は同一であっても、異な
っていてもよい。
【0035】1軸延伸又は2軸延伸の熱収縮性フィルム
は、次いで必要に応じて60〜105℃、好ましくは8
0〜95℃で短時間、例えば3〜60秒間、好ましくは
10〜40秒間熱処理して室温下における自然収縮を防
止する手段を実施することも可能である。このようにし
て得られた熱収縮性のフィルムを熱収縮性包装用素材や
熱収縮性ラベル用素材として使用するには、延伸方向に
おける65℃の熱収縮率が10〜80%、好ましくは1
5〜70%でなければならない。
【0036】延伸方向における熱収縮率が10%未満の
場合は収縮特性が悪いため収縮包装工程において該工程
を高温かつ均一に調整したり、長時間加熱する必要があ
り、高温で変色や変質を生じるような様な物品の包装が
不可能となったり収縮包装処理能力が低下するため好ま
しくなく、80%を超えるとフィルムの自然収縮率が大
きくなるため好ましくない。尚、本発明において65℃
の熱収縮率は低温収縮性の尺度であり、1軸延伸又は2
軸延伸フィルムを65℃の熱水、シリコーンオイル、グ
リセリン等の成形品の特性を阻害しない熱媒体中に5分
間浸漬したときの成形品の各延伸方向における熱収縮率
である。
【0037】更に、本発明の1軸延伸または2軸延伸フ
ィルムは、延伸方向における引張弾性率が7000〜3
0000Kg/cm2、好ましくは10000〜250
00Kg/cm2であることが熱収縮包装材として必要
である。延伸方向における引張弾性率が7000Kg/
cm2未満の場合は収縮包装工程においてヘタリを生じ
正常な包装ができず好ましくなく、30000Kg/c
2を超えるとフィルムの耐衝撃性が低下するため好ま
しくない。
【0038】本発明の1軸延伸又は2軸延伸フィルムを
熱収縮性包装材として使用する場合、目的の熱収縮率を
達成するために130〜300℃、好ましくは150〜
250℃の温度で数秒から数分、好ましくは1〜60秒
加熱して熱収縮させることができる。
【0039】本発明の熱収縮性フィルムは少なくとも3
層構造を有する多層積層体であっても良い。多層積層体
としての使用形態は、例えば特公平3−5306号公報
に開示されている形態が具体例として挙げられる。本発
明のブロック共重合体組成物は中間層及び両外層に用い
ても良いが、好ましくは中間層に使用することである。
好ましい多層フィルムの形態はブロック共重合体(I)
とブロック共重合体(II)の組成物或いはブロック共
重合体(I)とスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合
体(III)の組成物を中間層とし、両外層にビニル芳
香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体
(内層成分とは異なり、必要に応じてGPPS、HIP
Sを0.1〜20重量%添加しても良い)から形成され
る。
【0040】多層フィルムの厚さは20〜200μm、
好ましくは30〜100μmで、内層と両表層との厚み
の割合は5/95〜45/55、好ましくは10/90
〜35/65である。また、多層フィルムとして自然収
縮性、低温収縮性及び剛性を得るための多層フィルム中
の好ましいビニル芳香族炭化水素量とスチレン−アクリ
ル酸n−ブチル共重合体の合計量は、多層フィルム全体
の合計量を100重量%として、70〜95重量%、好
ましくは75〜92重量%である。
【0041】本発明のブロック共重合体組成物からなる
熱収縮性フィルムは、従来の塩化ビニル樹脂系のものに
比べ衛生上優れたものであり、その特性を生かして種々
の用途、例えば生鮮食品、菓子類の包装、衣類、文具等
の包装等に利用できる。特に好ましい用途としては、本
発明で規定するブロック共重合体の1軸延伸フィルムに
文字や図案を印刷した後、プラスチック成形品や金属製
品、ガラス容器、磁器等の被包装体表面に熱収縮により
密着させて使用する、いわゆる熱収縮性ラベル用素材と
しての利用が挙げられる。
【0042】取り分け、本発明の1軸延伸熱収縮性フィ
ルムは低温収縮性、剛性及び自然収縮性に優れるため、
高温に加熱すると変形を生じる様なプラスチック成形品
の熱収縮性ラベル素材の他、熱膨張率や吸水性等が本発
明のブロック共重合体とは極めて異なる材質、例えば金
属、磁器、ガラス、紙、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメタク
リル酸エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれ
る少なくとも1種を構成素材として用いた容器の熱収縮
性ラベル素材として好適に利用できる。
【0043】尚、本発明の熱収縮性ブロック共重合体フ
ィルムが利用できるプラスチック容器を構成する材質と
しては、上記の樹脂の他、ポリスチレン、ゴム変性耐衝
撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブチルアク
リレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メタ
クリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体(M
BS)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等
を挙げることができる。
【0044】これらのプラスチック容器は2種以上の樹
脂類の混合物でも、積層体であってもよい。尚、本発明
で規定するブロック共重合体組成物を1軸延伸して得た
熱収縮性フィルムを熱収縮性ラベル用素材として使用す
る場合、延伸方向と直交する方向における65℃の熱収
縮率は10%未満、好ましくは5%以下である。従っ
て、本発明において熱収縮性ラベル様として1軸延伸す
るとは、延伸方向における65℃の熱収縮率が10〜6
0%で延伸方向と直交する方向の熱収縮率が10%未満
になる様に延伸処理を施すことを云う。尚、本発明にお
いてフィルムの厚さは一般的に10〜300μm、好ま
しくは30〜100μmの範囲に調整される。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を説明する
が、これらは本発明の範囲を制限するものではない。表
1にブロック共重合体(I)、表2にブロック共重合体
(II)、表3に実施例、比較例に使用したスチレン−
アクリル酸n−ブチル共重合体を示した。ブロック共重
合体(I)と(II)はシクロヘキサン溶媒中n−ブチ
ルリチウムを触媒とし、テトラメチルエチレンジアミン
をランダム化剤として、表1に示したスチレン含量(重
量%)、プラスチック性重合体セグメントAのスチレン
含量(重量%)、エラストマー性重合体セグメントBの
スチレン含量(重量%)、ブロック率(重量%)及びビ
カット軟化温度(℃)を有するブロック共重合体(I)
と表2に示したスチレン含量(重量%)、tanδのピ
ーク温度を有するブロック共重合体(II)を製造し
た。
【0046】スチレン含有量はスチレンとブタジエンの
添加量で、ブロック率はセグメントAとセグメントBの
スチレン含量で、ビカット軟化温度はセグメントAとセ
グメントBのスチレン含量、量比及びブロック共重合体
の分子量で、tanδのピーク温度はセグメントAとセ
グメントBのスチレン含量、量比及びブロック共重合体
の分子量で調整した。ビカット軟化温度の測定は、厚さ
3mmに圧縮成形したものを試験片とし、ASTM D
−1525に準じて測定(荷重1Kg、昇温速度した。
2℃/min)した。
【0047】ブロック共重合体A−1は次のように製造
した。攪拌機付きオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲
気下でスチレン31.5重量部と1,3−ブタジエン
3.5重量部を含むシクロヘキサン溶液にn−ブチルリ
チウムを0.08重量部、テトラメチルエチレンジアミ
ンを0.03重量部添加し、75℃で30分間重合した
後、更にスチレン16.8重量部と1,3−ブタジエン
23.2重量部を含むシクロヘキサン溶液を連続的に添
加して75℃で60分間重合した。次にスチレン22.
5重量部と1,3−ブタジエン2.5重量部を含むシク
ロヘキサン溶液を連続的に添加して75℃で25分間重
合した。その後、重合器にメタノールをn−ブチルリチ
ウムに対して0.9倍モル添加して重合を停止し、安定
剤として2−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t
−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−t
−アミルフェニルアクリレートをブロック共重合体組成
物100重量部に対して0.6重量部を加えた後、脱溶
媒してブロック共重合体を得た。
【0048】tanδのピーク温度はDMA983(D
UPONT社製)を用い、測定は共鳴周波数(Reso
nant)、昇温速度は2℃/minで−100〜14
0℃の範囲、試料は厚さ約3mm、幅約12.5mmの
圧縮成形品を長さ約15mmのアームに取付、Ampl
itude=0.2mmで測定した。また、スチレン−
アクリル酸n−ブチル共重合体C−1は、撹拌器付き1
0Lオートクレーブに、スチレンとアクリル酸n−ブチ
ルを表3に示す比率で5kg添加し、同時にエチルベン
ゼン0.3kgと、MFRを調整するため1,1ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを所定量仕込
み、110〜150℃で2〜10時間重合後、ベント押
出機で未反応スチレン、アクリル酸n−ブチル、エチル
ベンゼンを回収して製造した。因みに、C−1のMFR
は3.0であった。
【0049】
【実施例1〜6、比較例1〜5】フィルム性能の測定
は、表4に示したブロック共重合体、スチレン−アクリ
ル酸n−ブチル共重合体の種類と量の組成物を40mm
押出機を用いて200℃で厚さ0.25mmのシート状
に成形し、その後5倍にテンターで横軸に1軸延伸して
厚さ約60μmのフィルムを得た。得られた熱収縮性フ
ィルムのフィルム性能を表4に示した。本発明のブロッ
ク共重合体組成物を用いた延伸フィルム性能は引張弾性
率で表される剛性、65℃収縮率で表される低温収縮
性、自然収縮性、パンクチャー衝撃強度で表される耐衝
撃性、温水融着性、Hazeで表される透明性に優れて
いることが分かる。尚、表4に示したシート、フィルム
性能は下記の方法で行った。
【0050】(1)引張弾性率:JIS K−6732
に準拠し、延伸方向の値を示した。単位はKg/c
2。 (2)65℃収縮率:延伸フィルムを65℃のシリコー
ンオイル中に5分間浸漬し、次式により算出した。熱収
縮率(%)=(L−L1)/L×100、L:収縮前の
長さ、L1:収縮後の長さ。
【0051】(3)自然収縮率:80℃で測定した収縮
率が40%の延伸フィルムを35℃で5日間放置し、次
式により算出した。自然収縮率(%)=(L2−L3)
/L2×100、L2:放置前の長さ、L3:放置後の
長さ。自然収縮率が小さいほど、自然収縮性は優れる。 (4)パンクチャー衝撃強度:JIS P−8134に
準拠、単位はKg・cm。
【0052】(5)温水融着性:延伸フィルムを直径約
8cmのガラス瓶に巻き付け、70℃温水中に3本俵積
みで5分間放置し、フィルムの融着状態を目視判定し
た。判定基準は◎は全く融着していない、○は僅かに融
着しているがすぐ離れる、×は融着してすぐには離れな
い。 (6)Haze:延伸前のシート表面に流動パラフィン
を塗布し、ASTM D1003に準拠して測定した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】本発明のブロック共重合体組成物を使用
して得られた熱収縮性フィルムは透明で剛性、自然収縮
性、低温収縮性、温水融着性及び耐衝撃性に優れること
から、フィルムの薄肉化と寸法安定性及び低温収縮性を
同時に達成でき、飲料容器包装やキャップシール及び各
種ラベル等に好適に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 9:00 B29K 9:00 105:02 105:02 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA75 AA85 AF20Y AF61Y AH04 BB07 BC01 4F210 AA13F AA21F AA47F AE01 AG01 RA03 RC02 RG02 RG04 RG43 4J002 BC07Y BP01W BP01X GG02 4J026 HA05 HA06 HA14 HA15 HA20 HA26 HA32 HA39 HB05 HB06 HB14 HB15 HB20 HB26 HB32 HB39 HE05 HE06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)少なくとも1個のプラスチック性
    重合体セグメントAと少なくとも1個のエラストマー性
    重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共
    役ジエンとの重量比が65/35〜80/20であるブ
    ロック共重合体で、セグメントAがビニル芳香族炭化水
    素と共役ジエンとの重量比が85/15〜98/2であ
    る共重合体、セグメントBがビニル芳香族炭化水素と共
    役ジエンとの重量比が20/80〜60/40である共
    重合体からなり、該ブロック共重合体に組み込まれてい
    るビニル芳香族炭化水素のブロック率が20〜55重量
    %で、ビカット軟化温度が50〜75℃の範囲であるブ
    ロック共重合体と、(II)少なくとも1個のプラスチ
    ック性重合体セグメントAと少なくとも1個のエラスト
    マー性重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水
    素と共役ジエンとの重量比が80/20を超え、95/
    5以下であるブロック共重合体で、該ブロック共重合体
    の動的粘弾性の関数tanδのピークが90〜125℃
    に少なくとも1つ有するブロック共重合体からなり、
    (I)と(II)の重量比が10/90〜90/10で
    あるブロック共重合体組成物。
  2. 【請求項2】 (I)少なくとも1個のプラスチック性
    重合体セグメントAと少なくとも1個のエラストマー性
    重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共
    役ジエンとの重量比が65/35〜80/20であるブ
    ロック共重合体で、セグメントAがビニル芳香族炭化水
    素と共役ジエンとの重量比が85/15〜98/2であ
    る共重合体、セグメントBがビニル芳香族炭化水素と共
    役ジエンとの重量比が20/80〜60/40である共
    重合体からなり、該ブロック共重合体に組み込まれてい
    るビニル芳香族炭化水素のブロック率が20〜55重量
    %で、ビカット軟化温度が50〜75℃の範囲であるブ
    ロック共重合体と、(III)スチレン含有量が75〜
    90重量%、アクリル酸n−ブチル含有量が25〜10
    重量%からなるスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合
    体からなり、(I)と(III)の重量比が10/90
    〜90/10であるブロック共重合体組成物。
  3. 【請求項3】 (I)少なくとも1個のプラスチック性
    重合体セグメントAと少なくとも1個のエラストマー性
    重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水素と共
    役ジエンとの重量比が65/35〜80/20であるブ
    ロック共重合体で、セグメントAがビニル芳香族炭化水
    素と共役ジエンとの重量比が85/15〜98/2であ
    る共重合体、セグメントBがビニル芳香族炭化水素と共
    役ジエンとの重量比が20/80〜60/40である共
    重合体からなり、該ブロック共重合体に組み込まれてい
    るビニル芳香族炭化水素のブロック率が20〜55重量
    %で、ビカット軟化温度が50〜75℃の範囲であるブ
    ロック共重合体と、(II)少なくとも1個のプラスチ
    ック性重合体セグメントAと少なくとも1個のエラスト
    マー性重合体セグメントBを有し、ビニル芳香族炭化水
    素と共役ジエンとの重量比が80/20を超え、95/
    5以下であるブロック共重合体で、該ブロック共重合体
    の動的粘弾性の関数tanδのピークが90〜125℃
    に少なくとも1つ有するブロック共重合体と、(II
    I)スチレン含有量が75〜90重量%、アクリル酸n
    −ブチル含有量が25〜10重量%からなるスチレン−
    アクリル酸n−ブチル共重合体からなり、(I)と(I
    I)と(III)の重量比は、合計量を100重量%と
    して、(I)を10〜80重量%、(II)を10〜8
    0重量%、(III)を5〜50重量%の範囲からなる
    ブロック共重合体組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載のブロック共重合体組
    成物を延伸してなり、延伸方向における65℃の熱収縮
    率が10〜60%、延伸方向における引張弾性率が70
    00〜30000Kg/cm2である熱収縮性フィル
    ム。
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